JP2007072001A - 画像形成装置、コンピュータプログラム、画像形成システム、及び、画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置、コンピュータプログラム、画像形成システム、及び、画像形成方法 Download PDF

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達朗 大澤
Yutaka Yamazaki
豊 山崎
Hiromi Mimura
博美 三村
Toshiya Takahata
俊哉 高畑
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Abstract


【課題】形成すべき画像以外の部位へのトナーの付着を抑える。
【解決手段】媒体の移動方向における長さが、所定の長さより長い場合には、媒体が所定量搬送されたときに、トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上のトナー像を媒体に転写するための転写部の電圧の絶対値を高める。
【選択図】 図8

Description

本発明は、画像形成装置、コンピュータプログラム、画像形成システム、及び、画像形成方法に関する。
トナー像形成体に形成されたトナー像を媒体に転写する画像形成装置として、例えばレーザビームプリンタが知られている。かかるレーザビームプリンタは、トナー像形成体に形成されたトナー像を媒体に転写する転写部と、転写された媒体上のトナー像を該媒体に定着させるための定着部を有している。前記定着部は、前記媒体の搬送方向において、前記転写部より下流側に設けられており、前記転写部と前記定着部との間には、除電部を有している(例えば、特許文献1参照)。
この除電部は、転写プロセス等で帯電された媒体上の電荷を取り除く電荷除去機能を有しており、当該電荷除去機能により、媒体が帯電している(電荷を蓄積している)ことにより当該媒体がトナー像形成体側に吸着されることを防止している。
特開平4−251276号公報
ところで、媒体は転写部が有する転写ローラと、定着部が有する定着ローラにて搬送される。このため、転写部にてトナー像が転写された媒体は、一旦転写ローラと定着ローラとに同時に挟持されることになる。このとき、定着ローラ側に搬送される媒体に負荷がかからないように、転写ローラは定着ローラより僅かに速く回転している。このため、転写ローラと定着ローラとに同時に挟持されている状態が長時間継続されると、転写ローラと定着ローラとの間で媒体に撓みが生じる。このとき、転写ローラと定着ローラとの間に設けられた除電部に撓んだ媒体が近づくと、媒体の除電部に近づいた部位が他の部位よりトナーを引きつけやすくなる。そして、トナーを引きつけやすくなった部位より、搬送方向において上流側に位置する部位にトナー像が存在すると、そのトナーがトナーを引きつけやすくなった部位に付着し、本来画像のないような所にトナーが定着されてしまうという課題があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、形成すべき画像以外の部位へのトナーの付着を抑える画像形成装置、コンピュータプログラム、画像形成システム、及び、画像形成方法を実現することにある。
主たる本発明は、トナー像が形成されるトナー像形成体と、前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、前記媒体の移動方向における長さが、所定の長さより長い場合には、当該媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
トナー像が形成されるトナー像形成体と、前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、前記媒体の移動方向における長さが、所定の長さより長い場合には、当該媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、を有することを特徴とする画像形成装置である。
このような画像形成装置は、転写部に電圧が印加されてトナー像形成体上のトナー像が媒体に転写される。すなわち、転写部にて媒体はトナーと逆の極性に帯電されることにより、トナー像形成体にてトナー像を形成するトナーを媒体上に移動させている。このため、媒体の電位が低下するとトナー像が転写されにくくなるとともに、媒体上に移動したトナーも媒体上に保持されにくくなる。このため、媒体の移動方向における長さが所定の長さより長い場合には、転写部の電圧の絶対値が高められることにより、媒体の長さに起因する要因により媒体から過度に放電されたとしても、媒体が適切に帯電している状態を保たせることが可能である。そして、媒体が適切に帯電している状態を維持しているので媒体上のトナーは媒体に保持されて、一旦転写されたトナーが画像以外の部位に付着することを防止することが可能である。
特に、転写部と定着部との間に除電部を有する場合には、媒体の長さにより媒体が除電部に近接する畏れもあるため、媒体の長さが、所定の長さより長い場合には、媒体が所定量搬送されたときに転写部の電圧の絶対値を高めることが有効である。ここで、電圧の絶対値を高めるとしたのは、トナーがいずれの極性に帯電されるかにより転写部、すなわち媒体が帯電される極性が異なるため、いずれの場合にも、トナーの極性と逆の極性で電位が大きくなるようにすることを示している。
かかる画像形成装置において、前記転写部は、前記トナー像形成体との間に、前記媒体を挟持して搬送するための転写ローラを有し、前記定着部は、前記媒体を挟持して搬送するための一対の定着ローラを有し、前記転写ローラは、前記定着ローラより周速が速く設定されており、前記所定の長さは、前記媒体が前記転写ローラと前記定着ローラとに挟持される長さであることが望ましい。
このような画像形成装置によれば、媒体が転写ローラと定着ローラとに挟持されるだけの長さを有する場合には、転写ローラと定着ローラとに挟持された状態にて媒体が移動されることになる。このとき、転写ローラの周速は、定着ローラより周速が速く設定されているので、搬送されるに連れて転写ローラと定着ローラとの間で媒体が撓むことになる。そして、転写ローラと定着ローラとの間には除電部が設けられているので、撓んだ媒体は除電部に近接し放電しやすくなる畏れがある。このため、媒体の長さが、転写ローラと前記定着ローラとに挟持される長さを超える場合には、転写部の電圧の絶対値を高めることにより、媒体が適切に帯電された状態を維持させることが可能である。
また、トナー像が形成されるトナー像形成体と、前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、前記媒体の厚みが、所定の厚みより薄い場合には、当該媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、を有することを特徴とする画像形成装置である。
このような画像形成装置によれば、転写部に電圧が印加されてトナー像形成体上のトナー像が媒体に転写される。すなわち、転写部にて媒体はトナーと逆の極性に帯電されることにより、トナー像形成体にてトナー像を形成するトナーを媒体上に移動させている。このため、媒体の電位が低下するとトナー像が転写されにくくなるとともに、媒体上に移動したトナーも媒体上に保持されにくくなる。このため、媒体の厚みが所定の厚みより薄い場合には、転写部の電圧の絶対値が高められることにより、媒体の厚みに起因する要因により媒体から過度に放電されたとしても、媒体が適切に帯電している状態を保たせることが可能である。そして、媒体が適切に帯電している状態を維持しているので媒体上のトナーは媒体に保持されて、一旦転写されたトナーが画像以外の部位に付着することを防止することが可能である。特に、転写部と定着部との間に除電部を有する場合には、媒体の厚みが薄い場合には、媒体が除電部に近接する畏れもあるため、媒体の厚みが、所定の厚みより薄い場合には、媒体が所定量搬送されたときに転写部の電圧の絶対値を高めることが有効である。ここで、電圧の絶対値を高めるとしたのは、トナーがいずれの極性に帯電されるかにより転写部、すなわち媒体が帯電される極性が異なるため、いずれの場合にも、トナーの極性と逆の極性で電位が大きくなるようにすることを示している。
また、トナー像が形成されるトナー像形成体と、前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、前記除電部の電流を検知するための電流検知部と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写され始めたときに前記電流検知部によって検知された初期電流値と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写される間に前記電流検知部によって検知された転写中電流値との差が所定の値を超えた場合には、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、を有することを特徴とする画像形成装置である。
このような画像形成装置によれば、転写部に電圧が印加されてトナー像形成体上のトナー像が媒体に転写される。すなわち、転写部にて媒体はトナーと逆の極性に帯電されることにより、トナー像形成体にてトナー像を形成するトナーを媒体上に移動させている。このため、媒体の電位が低下するとトナー像が転写されにくくなるとともに、媒体上に移動したトナーも媒体上に保持されにくくなる。上記画像形成装置によれば、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写され始めたときに前記電流検知部によって検知された初期電流値と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写される間に前記電流検知部によって検知された転写中電流値との差が所定の値を超えた場合には転写部の電圧の絶対値が高められる。ところで、初期電流値と、転写中電流値との差が、所定の値を超えた場合には、転写部を通過した媒体から除電部に放電している可能性が高いため、検知された除電部の電流の値が所定の値を超えた際には転写部の電圧の絶対値を高めることにより、媒体から過度に放電されたとしても、媒体が適切に帯電している状態を保たせることが可能である。そして、媒体が適切に帯電している状態が維持されているので媒体上のトナーは媒体に保持されて、一旦転写されたトナーが画像以外の部位に付着することを防止することが可能である。ここで、電圧の絶対値を高めるとしたのは、トナーがいずれの極性に帯電されるかにより転写部、すなわち媒体が帯電される極性が異なるため、いずれの場合にも、トナーの極性と逆の極性で電位が大きくなるようにすることを示している。
かかる画像形成装置において、前記所定の値は、前記初期電流値に基づいて設定されることが望ましい。
このような画像形成装置によれば、媒体が所定量搬送されたときに転写部の電圧の絶対値を高めるか否かは、転写中電流値と初期電流値との差が所定値を超えたか否かにより判断される。このとき判断基準となる所定の値が、初期電流値に基づいて設定されるので、転写中における除電部の電流の変化、すなわち媒体の帯電状態の変化を検出し易く、媒体の帯電状態の変化に応じて適切に転写部の電圧の絶対値を高めることが可能である。
また、トナー像が形成されるトナー像形成体と、前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、前記除電部の電流を検知するための電流検知部と、電流検知部によって検知された電流の値が所定の値を超えた場合には、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、を有することを特徴とする画像形成装置である。
このような画像形成装置によれば、転写部に電圧が印加されてトナー像形成体上のトナー像が媒体に転写される。すなわち、転写部にて媒体はトナーと逆の極性に帯電されることにより、トナー像形成体にてトナー像を形成するトナーを媒体上に移動させている。このため、媒体の電位が低下するとトナー像が転写されにくくなるとともに、媒体上に移動したトナーも媒体上に保持されにくくなる。上記画像形成装置によれば、電流検知部により除電部の電流を検知し、検知された電流の値が所定の値を超えた際には転写部の電圧の絶対値が高められる。ところで、除電部の電流の値が大きい場合には、転写部を通過した媒体から除電部に放電している可能性が高いため、検知された除電部の電流の値が所定の値を超えた際には転写部の電圧の絶対値を高めることにより、媒体から過度に放電されたとしても、媒体が適切に帯電している状態を保たせることが可能である。すなわち、検知された電流に基づいて、媒体を帯電した状態に保つことが可能である。そして、媒体が適切に帯電している状態が維持されているので媒体上のトナーは媒体に保持されて、一旦転写されたトナーが画像以外の部位に付着することを防止することが可能である。ここで、電圧の絶対値を高めるとしたのは、トナーがいずれの極性に帯電されるかにより転写部、すなわち媒体が帯電される極性が異なるため、いずれの場合にも、トナーの極性と逆の極性で電位が大きくなるようにすることを示している。
かかる画像形成装置において、前記転写部は、前記トナー像形成体との間に、前記を挟持して搬送するための転写ローラを有し、前記定着部は、前記媒体を挟持して搬送するための一対の定着ローラを有し、前記転写ローラは、前記定着ローラより周速が速く設定されており、前記所定の値は、前記媒体が前記転写ローラと前記定着ローラとに挟持されて、搬送されることにより前記媒体と前記除電部との間隔が所定量以下となったことを示す値であることが望ましい。
媒体と除電部とが近接すると媒体から放電しやすくなるが、媒体と除電部との間隔が所定量以下となった際に、転写部の電圧の絶対値を高めることにより、媒体からの過度の放電を抑え、媒体が適切に帯電している状態を保たせることが可能である。
かかる画像形成装置において、前記媒体が所定量搬送されたときは、前記媒体が前記定着部に挟持された後であることが望ましい。
このような画像形成装置によれば、媒体が定着部に挟持された後は、媒体が撓みやすくなるため、媒体が定着部に挟持された後に、転写部の電圧の絶対値を高めることにより、効果的に媒体が帯電している状態を保たせることが可能である。また、媒体が十分帯電している状態にて転写部の電圧の絶対値を高めると、トナーが逆に転写される畏れがあるため、媒体が定着部に挟持された後に、転写部の電圧の絶対値を高めることが、より望ましい。
かかる画像形成装置において、前記除電部には電圧が印加されていることを特徴とする。
このような画像形成装置によれば、除電部に電圧が印加されているので、媒体を確実に除電できる一方で、媒体が近接した場合には過剰に放電してしまうので、転写部の電圧の絶対値を高めることにより、媒体が帯電している状態を保たせることが可能な構成が特に有効である。
かかる画像形成装置において、湿度を計測するための湿度センサを有し、前記湿度センサにて計測された湿度が所定の値より高い場合には、前記コントローラは、前記転写部の電圧の絶対値を高めないことが望ましい。
媒体は、乾燥している方が放電しやすく、湿度が所定の値より高い場合には、媒体が帯電している状態が維持されているので、湿度センサにて計測された湿度が所定の値より高い場合には、前記コントローラは、前記転写部の電圧の絶対値を高めないことにより、媒体が過剰に帯電されてトナーとともに放電されることを防止することが可能である。
また、トナー像が形成されるトナー像形成体と、前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、前記媒体の移動方向における長さが、所定の長さより長い場合には、当該媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、を有し、前記転写部は、前記トナー像形成体との間に、前記媒体を挟持して搬送するための転写ローラを有し、前記定着部は、前記媒体を挟持して搬送するための一対の定着ローラを有し、前記転写ローラは、前記定着ローラより周速が速く設定されており、前記所定の長さは、前記媒体が前記転写ローラと前記定着ローラとに挟持される長さであり、前記媒体が所定量搬送されたときは、前記媒体が前記定着部に挟持された後であり、前記除電部には電圧が印加されており、湿度を計測するための湿度センサを有し、前記湿度センサにて計測された湿度が所定の値より高い場合には、前記コントローラは、前記転写部の電圧の絶対値を高めないことを特徴とする画像形成装置である。
このような画像形成装置によれば、媒体の移動方向における長さが所定の長さより長い場合には、転写部の電圧の絶対値が高められることにより、媒体が適切に帯電している状態を維持し、媒体上のトナーは媒体に保持されて、一旦転写されたトナーが画像以外の部位に付着することを防止することが可能である。
また、トナー像が形成されるトナー像形成体と、前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、前記媒体の厚みが、所定の厚みより薄い場合には、当該媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、を有し、前記媒体が所定量搬送されたときは、前記媒体が前記定着部に挟持された後であり、前記除電部には電圧が印加されており、湿度を計測するための湿度センサを有し、前記湿度センサにて計測された湿度が所定の値より高い場合には、前記コントローラは、前記転写部の電圧の絶対値を高めないことを特徴とする画像形成装置である。
このような画像形成装置によれば、媒体の厚みが所定の厚みより薄い場合には、転写部の電圧の絶対値が高められることにより、媒体が適切に帯電している状態を維持し、媒体上のトナーは媒体に保持されて、一旦転写されたトナーが画像以外の部位に付着することを防止することが可能である。
また、トナー像が形成されるトナー像形成体と、前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、前記除電部の電流を検知するための電流検知部と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写され始めたときに前記電流検知部によって検知された初期電流値と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写される間に前記電流検知部によって検知された転写中電流値との差が所定の値を超えた場合には、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、前記転写部は、前記トナー像形成体との間に、前記を挟持して搬送するための転写ローラと、を有し、前記所定の値は、前記初期電流値に基づいて設定され、前記定着部は、前記媒体を挟持して搬送するための一対の定着ローラを有し、前記転写ローラは、前記定着ローラより周速が速く設定されており、前記所定の値は、前記媒体が前記転写ローラと前記定着ローラとに挟持されて、搬送されることにより前記媒体と前記除電部との間隔が所定量以下となったことを示す値であり、前記媒体が所定量搬送されたときは、前記媒体が前記定着部に挟持された後であり、前記除電部には電圧が印加されており、湿度を計測するための湿度センサを有し、前記湿度センサにて計測された湿度が所定の値より高い場合には、前記コントローラは、前記転写部の電圧の絶対値を高めないことを特徴とする画像形成装置である。
このような画像形成装置によれば、転写部にて媒体にトナー像が転写され始めたときに電流検知部によって検知された初期電流値と、転写部にて媒体に前記トナー像が転写される間に電流検知部によって検知された転写中電流値との差が所定の値を超えた場合には、媒体が所定量搬送されたときに転写部の電圧の絶対値を高めることにより、媒体が適切に帯電している状態を維持し、媒体上のトナーは媒体に保持されて、一旦転写されたトナーが画像以外の部位に付着することを防止することが可能である。
また、トナー像が形成されるトナー像形成体と、前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、前記除電部の電流を検知するための電流検知部と、前記電流検知部によって検知された電流の値が所定の値を超えた場合には、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、前記転写部は、前記トナー像形成体との間に、前記を挟持して搬送するための転写ローラと、を有し、前記定着部は、前記媒体を挟持して搬送するための一対の定着ローラを有し、前記転写ローラは、前記定着ローラより周速が速く設定されており、前記所定の値は、前記媒体が前記転写ローラと前記定着ローラとに挟持されて、搬送されることにより前記媒体と前記除電部との間隔が所定量以下となったことを示す値であり、前記媒体が所定量搬送されたときは、前記媒体が前記定着部に挟持された後であり、前記除電部には電圧が印加されており、湿度を計測するための湿度センサを有し、前記湿度センサにて計測された湿度が所定の値より高い場合には、前記コントローラは、前記転写部の電圧の絶対値を高めないことを特徴とする画像形成装置である。
このような画像形成装置によれば、検知された除電部の電流の値が所定の値を超えた際には転写部の電圧の絶対値を高めることにより、媒体が適切に帯電している状態を維持し、媒体上のトナーは媒体に保持されて、一旦転写されたトナーが画像以外の部位に付着することを防止することが可能である。
また、トナー像が形成されるトナー像形成体と、前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、前記除電部の電流を検知するための電流検知部と、を有する画像形成装置に、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写され始めたときに前記電流検知部によって検知された初期電流値と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写される間に前記電流検知部によって検知された転写中電流値との差が所定の値を超えた場合には、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高める機能を実現させるためのコンピュータプログラムも実現可能である。
また、コンピュータ、及び、このコンピュータに接続され、トナー像が形成されるトナー像形成体と、前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、前記除電部の電流を検知するための電流検知部と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写され始めたときに前記電流検知部によって検知された初期電流値と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写される間に前記電流検知部によって検知された転写中電流値との差が所定の値を超えた場合には、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、を有する画像形成装置、 を有することを特徴とする画像形成システムも実現可能である。
また、トナー像が形成されるトナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、の間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部の電流を、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写され始めたときに電流検知部によって検知するステップと、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写される間に前記電流検知部によって前記除電部の電流を検知するステップと、前記媒体に前記トナー像が転写され始めたときに検知された電流値と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写される間に検知された電流値との差が、所定の値を超えた場合に、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるステップと、を有することを特徴とする画像形成方法も実現可能である。
===画像形成システムの全体構成例===
先ず、図1及び図2を用いて、画像形成システム700の概要について説明する。図1は、画像形成システム700の外観構成を示した説明図である。図2は、図1に示した画像形成システム700の構成の一部を示すブロック図である。この画像形成システム700は、画像形成装置としてのレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10と、当該プリンタ10と電気的に接続可能なコンピュータ702と、を備えている。また、コンピュータ702は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)、液晶表示装置、プラズマディスプレイ等の情報を表示するための表示装置704と、キーボード708A、マウス708B等の入力装置708と、FD(フレキシブルディスク)ドライブ装置710A、CD−ROMドライブ装置710B、MO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置(不図示)、DVD(Digital Versatile Disk)装置(不図示)等の読取装置710と、RAM等の内部メモリ(不図示)と、ハードディスクドライブユニット等の外部メモリ(不図示)と、を備えている。また、コンピュータ702は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。
また、コンピュータ702は、オペレーティングシステム、当該オペレーティングシステムの下で動作するアプリケーションプログラム795、及び、プリンタドライバ796、を有している。プリンタドライバ796には、画像処理部797と、表示インターフェース部801と、入力インターフェース部803と、ユーザインターフェース処理部805と、が備えられている。
アプリケーションプログラム795は、プリンタ10に画像形成を実施させるためのコンピュータ702上のプログラムである。アプリケーションプログラム795からの画像形成実行命令により、アプリケーションプログラム上の画像データADが、各種制御信号COMと共にプリンタドライバ796へ送られる。
画像処理部797は、アプリケーションプログラム795により解釈され得る前記画像データADを受け取り、プリンタ10により解釈され得る画像データPDに変換し、変換された画像データPDを、各種制御信号COMと共にプリンタ10に送出する機能を有している。すなわち、プリンタドライバ796の画像処理部797は、上述した画像処理を行った後に、プリンタ10に対し、画像形成の実行を指示する。当該機能を実現するために、画像処理部797は、例えば、解像度の変換等の解像度に係る処理、ハーフトーン処理等の階調に係る処理、色成分の変換等を実施する。
表示インターフェース部801は、画像形成に関連する種々のユーザインターフェースウィンドウを表示装置704に表示する機能を有している。また、入力インターフェース部803は、ユーザが前記ユーザインターフェースウィンドウ上で入力装置708によって入力した入力情報、を受け取る機能を有している。
ユーザインターフェース処理部805は、表示インターフェース部801又は入力インターフェース部803と、プリンタ10間のインターフェースを取る機能を有している。例えば、ユーザインターフェース処理部805は、入力インターフェース部803から前記入力情報を受け取って、当該入力情報を解釈する。そして、プリンタ10や画像処理部797へ各種制御信号COMを送出する。また、プリンタ10から受け取った各種制御信号COMを解釈して、表示インターフェース部801へ表示に係る情報を送出する。
なお、コンピュータ702が備えるプリンタドライバ796は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。また、このようなコンピュータプログラムを、インターネットを介してコンピュータ702にダウンロードすることも可能である。
===画像形成装置の全体構成例===
次に、図3を用いて、画像形成装置の一例としてのプリンタ10の全体構成例について説明する。図3は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。なお、図3には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、給紙トレイ92は、プリンタ10の下部に配置されており、定着ユニット86は、プリンタ10の上部に配置されている。
本実施の形態に係るプリンタ10は、図3に示すように、潜像を担持するための感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、トナー像形成体としての中間転写体62、感光体クリーニングユニット82を有し、さらに、転写部の一例としての二次転写ユニット80、定着部の一例としての定着ユニット86、除電部の一例としての除電布88、操作パネル89、装置内の温度及び湿度を測定するための温湿度センサ90aを含む各種センサ90(図4)、媒体としての紙の両面に画像を形成するために紙を反転するための反転ユニット95、及び、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニット100を有している。
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図3中の矢印で示すように時計回りに回転する。
帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、コンピュータ702から入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20上に照射する。
YMCK現像ユニット50は、感光体20上に形成された潜像を、現像装置に収容された現像剤の一例としてのトナーT、すなわち、ブラック現像装置51に収容されたブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52に収容されたマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53に収容されたシアン(C)トナー、及び、イエロー現像装置54に収容されたイエロー(Y)トナーを用いて現像するための装置である。
このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54が装着された状態で回転することにより、前記4つの現像装置51、52、53、54の位置を動かすことを可能としている。すなわち、このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54を4つの現像装置保持部55a、55b、55c、55dにより保持しており、前記4つの現像装置51、52、53、54は、中心軸50aを中心として、それらの相対位置を維持したまま回転可能となっている。そして、1ページ分の画像形成が終了する毎に選択的に感光体20に対向し、それぞれの現像装置51、52、53、54に収容されたトナーTにて、感光体20上に形成された潜像を順次現像する(順次トナー像として可視化する)。なお、前述した4つの現像装置51,52,53,54の各々は、プリンタ本体、より具体的には、YMCK現像ユニット50の前記現像装置保持部55a、55b、55c、55d、に対して着脱可能となっている。
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色トナー像を後述のトナー像形成体としての中間転写体62に転写するための装置であり、4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体62にフルカラートナー像が形成される。
この中間転写体62は、PETフィルムの表面にアルミ蒸着層を設けさらにその表層に半導電塗料を形成、積層したエンドレスのベルトであり、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。
二次転写ユニット80は、中間転写体62上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の媒体に転写するための装置である。二次転写ユニット80は、搬送される中間転写体62と対向されて、当該中間転写体62側に押圧、及び、解除可能に設けられた転写ローラ80aを有している。そして、転写ローラ80aが中間転写体62に押圧された状態にて、転写ローラ80aと中間転写体62との間に搬送された媒体としての紙に中間転写体62上のトナー像を転写する。
定着ユニット86は、紙上のトナー像を当該紙に定着させるための装置である。この定着ユニット86は、内部にヒーターを有し、紙上のトナー像を当該ヒーターにより加熱して紙に融着させるための回転可能な加熱定着ローラ87aと、当該加熱定着ローラ87aに圧接して、紙上のトナー像を加圧するための回転可能な加圧定着ローラ87bと、の一対の定着ローラ87を備えている。すなわち、当該定着ユニット86は、紙上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を、加熱加圧して紙に融着させることにより、永久像とするものである。ここで、定着ローラ87の周速度は、転写ローラ80aの周速度より僅かに遅く設定されており、転写ローラ80aにて挟持された状態で紙が定着ローラ87に挟持されても、紙が転写ローラ80aに引っ張られない構成としている。
除電布88は、紙上の電荷を取り除くためのものである。この除電布88は、紙の幅方向一端側から他端側に亘って、二次転写ユニット80と定着ユニット86との間に設けられている。そして、除電布88には、紙上の電荷を取り除くための除電電圧が印加されており、転写ローラ80aを通過して定着ユニット86に向かう紙上の電荷を取り除くように構成されている。
給紙トレイ92は、プリンタ10の下部に設けられ、前記紙を収納し、当該紙を移動路の一例としての紙移動路93に供給する。
また、プリンタ10の上部には、紙が排出される排紙トレイ98が設けられ、給紙トレイ92から排紙トレイ98へと、紙移動路93が形成されている。また、当該紙移動路93には、紙を搬送するための給紙ローラ94、レジローラ96、排紙ローラ97が備えられ、前記二次転写ユニット80は、紙の移動方向において、前記レジローラ96よりも下流側、かつ、前記定着ユニット86よりも上流側、に設けられている。
感光体クリーニングユニット82は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製の感光体クリーニングブレード84を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体62上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーTを感光体クリーニングブレード84により掻き落として除去するための装置である。
操作パネル89は、プリンタ10の上部に設けられており、ユーザ等とのインターフェースとなる部分である。すなわち、操作パネル89は、ユーザ等からの指示を受け付けるための指示受付部と、ユーザ等へ各種情報を与えるための液晶パネル等からなる情報出力部とを有している。
反転ユニット95は、紙移動路93に対し、YMCK現像ユニット50、二次転写ユニット80、中間転写体62、等と反対側に設けられている。反転ユニット95は、表面側のトナー像を定着した後に、紙の裏面側を中間転写体62に対向させて、二次転写ユニット80に搬送するための経路を形成するガイド95aと、搬送ローラ95bとを有し、紙移動路93をなすと共に、反転ユニットにも含まれる、定着ローラ87と排紙ローラ97との間の搬送経路をなす定着排紙間ガイド85及び排紙ローラ97を有している。
そして、反転ユニット95は紙の表面側のトナー像が定着ユニット86により定着され、排紙ローラ97に挟持された状態で、紙の後端が定着ローラ87を通過すると、定着排紙間ガイド85の定着ローラ87側の端が、反転ユニット95側に移動されると共に排紙ローラ97が逆回転されるように構成されている。このため、定着ローラ87を通過した紙は、ガイド95aに案内され、搬送ローラ95bに搬送されることにより表裏が反転され、再び二次転写ユニット80の転写ローラ80aに向かって案内される。
制御ユニット100は、メインコントローラ101と、ユニットコントローラ102とで構成され(図4)、メインコントローラ101には画像データPD及び制御信号COMが入力され、画像データPD及び制御信号COMに基づく指令に応じてユニットコントローラ102が前記各ユニット等を制御して画像を形成する。
===制御ユニットの概要===
次に、制御ユニット100の構成について図4を参照しつつ説明する。図4は、プリンタ10の制御ユニット100の構成を示したブロック図である。
制御ユニット100のメインコントローラ101は、インターフェース112を介してコンピュータ702と接続され、このコンピュータ702から入力された画像信号を記憶するための画像メモリ113を備えている。ユニットコントローラ102は、CPU120、メモリ121、装置本体の各ユニット(帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、二次転写ユニット80、感光体クリーニングユニット82、定着ユニット86、除電布88、操作パネル89)やセンサ90と電気的に接続され、これらからの信号を受信することによって、各ユニット等の状態を検出しつつ、メインコントローラ101から入力される信号に基づいて、各ユニット等を制御する。
二次転写ユニット80を制御するための二次転写ユニット制御回路133は、転写ローラ80aに印加された電圧を検出するための電圧検出部133aと、電圧検出部133aにて検出された電圧に基づいて転写ローラ80aに印加する電圧を調整するための電圧調整部133bとを有している。
除電布88を制御するための除電布電圧制御回路132は、除電布88に放電される放電電流を検知する電流検知部132aを有している。
また、ユニットコントローラ102が備えるCPU120は、シリアルEEPROM等の不揮発性記憶素子(以下、本体側メモリ142とする)に接続されている。また、CPU120には、本体側メモリ142のみならず、各現像装置51、52、53、54に設けられた現像装置側メモリにもシリアルインターフェイス141を介して接続されており、本体側メモリ142及び各現像装置側メモリとの間でデータ転送可能となるとともに、入出力ポート143を介して各各現像装置側メモリにチップセレクト信号を入力可能となっている。
さらに、現像装置側メモリにも、各種情報を格納するための格納領域が設けられており、当該格納領域には、現像装置51、52、53、54内のトナー残量に関する情報が格納されるようになっている。そして、新規の現像装置51、52、53、54がプリンタ10に装着される際には、現像装置側メモリから本体側メモリ142へトナー残量に関する情報が転送されるようになっている。
===発明の概要===
発明が解決しようとする課題の項で述べたとおり、二次転写ユニット80にてトナー像が転写された紙が転写ローラ80aと定着ローラ87とに同時に挟持されて搬送される際に、転写ローラ80aと定着ローラ87との周速差により生じる撓みに起因して、本来画像が形成されるべき部位以外の部位にトナーが付着し、黒スジが発生するという現象が生じる。
図5Aは、紙の先端が定着ローラに挟持された際の紙の状態を説明するための図である。図5Bは、紙の先端が定着ローラに挟持された後、さらに紙が搬送された際の紙の状態を説明するための図である。図示するように、図5Aの状態から搬送し続けると、転写ローラ80aと定着ローラ87との周速差により、図5Bの状態のように紙Pに撓みが生じる。この撓みにより紙Pが除電布88側に近接していくと、帯電されている紙Pから除電布88への過度の放電が生じ、除電布88に近接した紙Pの部位はトナーの保持力が低下する。そして、トナーの保持力が低下した部位にて画像を形成しているトナーが、本来画像が形成されるべき部位以外の部位に移動して紙Pに付着することにより、黒スジが発生する。本発明は、この黒スジの発生を抑えるものである。
本発明は、上記黒スジの発生を抑えるために、所定の条件を設定し、設定された条件を満たす場合には、紙Pの先端が定着ローラ87に挟持された後に、転写ローラ80aに印加する電圧の絶対値を高めることとしている。本実施形態においては、トナーがマイナスに帯電されており紙Pをプラスに帯電させるために転写ローラ80aはプラスの電圧が印加されているため、転写ローラ80aの電圧を高める例について説明するが、トナーがプラスに帯電されるプリンタであれば、転写ローラ80aはマイナスの電圧が印加されており、転写ローラ80aの電圧は下げることになる。
ところで、帯電された紙Pは湿度が低い環境下で放電しやすく、トナー保持力は湿度が低い環境下で低下しやすい。このため、本実施形態では、まず、温湿度センサ90aにて湿度を検出し、検出された湿度が所定の湿度より高い場合には、紙Pの長さが130mmを超えている場合であっても、転写ローラ80aに印加する電圧を高めないこととしている。
図6は、画像形成動作開始時に転写ローラに電圧を印加するために転写ローラに流す電流を設定した転写電流設定テーブルの概念を示す図である。同図においては、便宜上、適用する紙の厚さとして普通紙と厚紙の2水準、紙幅として116mm未満と206mm以上212mm未満の2水準を抽出して示したが、転写電流設定テーブルにはプリンタ10に適用可能な紙厚及び紙幅に対応させて転写ローラ80aに出力する電流が設定されている。
第1実施形態のプリンタでは、転写ローラ80aに印加する電圧を、転写ローラ80aに出力する電流を定電流制御することにより、調整している。さらに、紙Pの帯電量は、転写される紙における搬送方向と交差する方向の幅、及び紙の厚みによって異なるため、画像形成(印刷)動作開始時に転写ローラ80aに印加する電圧は、図6に示すように、温度、湿度、に加えて紙の幅及び紙の厚さに応じて、転写ローラ80aに流す電流値にて予め設定されている。
===第1実施形態===
第1実施形態では、所定の条件を画像を形成すべき紙Pの移動方向(搬送方向)における長さとし、長さ閾値より長い場合には、紙Pの先端が定着ローラ87に挟持された後に、転写ローラ80aに印加する電圧の絶対値を高めることとしている。ここでは、搬送された紙Pが転写ローラ80aと定着ローラ87とにて挟持される長さを例えば130mmとし、この画像形成システム700の使用者が、指定した紙Pの長さが130mmを超える場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を高めることとする。
<<第1実施形態の画像形成動作>>
次に、このように構成されたプリンタ10の画像形成動作(以下、印刷動作ともいう)について説明する。以下に説明されるプリンタ10の各種動作は、主として、プリンタ10内のメインコントローラ101又はユニットコントローラ102により実現される。第1実施の形態においては、プログラムROMに格納されたプログラムをCPUが処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
本実施形態においては、温度20℃、湿度45%の環境下にて、媒体としてA4サイズの普通紙を用いて両面印刷する例について説明する。
図7は、画像形成動作の概要を説明するための図である。図8は、紙の表面側にフルカラートナー像を転写する際の二次転写処理を説明するための図である。図9は、紙の裏面側にフルカラートナー像を転写する際の二次転写処理を説明するための図である。
まず、コンピュータ702からの画像データPD及び制御信号COMがインターフェース(I/F)112を介してプリンタ10のメインコントローラ101に入力されて画像形成動作が実行される(S100)。この制御信号には、印刷モードや画像を形成すべき紙のサイズ、厚さ等の紙種を示す情報などが含まれている。
<帯電処理>
画像データPD及び制御信号COMが入力されると、このメインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により感光体20、及び、中間転写体62が回転する。感光体20は、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30により順次帯電される(S110)。
<トナー像形成処理及び一次転写処理>
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。また、YMCK現像ユニット50は、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像装置54を、感光体20に対向した現像位置に位置させる。
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体62に転写される。この際、感光体20上の帯電トナーTが中間転写体62の方へ適切に向かうように、一次転写ユニット60において、転写電界が形成される。なお、この間、感光体20と中間転写体62とは接触しており、また、二次転写ユニット80は、中間転写体62から離間している。
上記のように感光体20上にトナー像を形成するトナー像形成処理が、第2色目、第3色目、及び、第4色目について、各々の現像装置毎に順次実行されるとともに、各画像信号に対応した4色のトナー像が、一次転写ユニット60により中間転写体62に重なり合って転写される。これにより、中間転写体62上にはフルカラートナー像が形成される(S120)。
<表面側二次転写処理>
中間転写体62上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体62の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって紙に転写される(S130)。なお、紙Pは、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、二次転写処理を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体62に押圧されるとともに、中間転写体62上の帯電トナーTが紙Pの方へ適切に向かうように、二次転写ユニット80において、転写電界が形成される。
表面側二次転写処理では、図8に示すように、ユニットコントローラ102は、まず、温湿度センサ90aの信号により温度及び湿度を検出し(S131)、制御信号COMから紙のサイズ、厚みを示す情報を取得する(S132)。ここでは、前述したように温度20℃、湿度45%、A4サイズの普通紙(薄紙)が検出される。
検出された温度、湿度、紙サイズ、紙厚と、メモリ121に記憶されている転写電流設定テーブルに基づいて、転写ローラ80aには12.3μAの電流が出力されることにより転写電圧が印加される(S133)。電圧が印加された二次転写ユニット80を紙が通過する際に中間転写体62上のフルカラートナー像が紙Pに転写される、所謂二次転写処理が開始される(S134)。
その後、紙は搬送され転写ローラ80aから送り出されていく。送り出された紙は、当該紙上の電荷により中間転写体62側に引き寄せられる。このため、転写ローラ80aを通過した紙が定着ユニット86側に搬送されるように、転写ローラ80aを通過した紙は除電布88により紙上の電荷が取り除かれる(S135)。
一方、ユニットコントローラ102は、温湿度センサ90aにて検出した湿度と、予め設定されている所定の値としての湿度閾値とを比較する(S136)。ここで湿度閾値は、前述した黒スジが発明者の経験上発生しないとして設定した値であり、本実施形態では、湿度閾値として湿度60%が設定されていることとする。
そして、ユニットコントローラ102は、検出した湿度が60%以上の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。一方、検出した湿度が60%未満の場合には、取得している紙の情報における長さを示す情報と、予め設定されている所定の長さとしての長さ閾値とを比較する(S137)。このとき、取得した長さを示す情報が長さ閾値以下の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。一方、取得した長さを示す情報が長さ閾値より大きい場合には、以下の処理を実行する。
二次転写された紙は搬送され、紙の先端は徐々に定着ユニット86に近づき、所定量搬送されると、定着ローラ87に挟持される。ユニットコントローラ102は、例えば転写ローラ80aの搬送速度と経過時間とから、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出すると(S138)、電圧調整部133bにより転写ローラ80aに出力する電流を、例えば1.2倍に変更する。ここでは、転写ローラ80aに出力する電流を14.76μAに変更する。
<定着処理>
紙に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット86によって加熱加圧されて紙に融着される(S150)。
<両面印刷判定処理及び排紙処理>
このとき、ユニットコントローラ102は制御信号COMに両面印刷を実行するためのコマンドが含まれているか否かを判定する(S160)。両面印刷を実行するためのコマンドが含まれていない場合には、紙は排紙トレイ98に排出される(S240)。
<紙反転処理>
一方、両面印刷を実行するためのコマンドが含まれていた場合には、定着排紙間ガイド85を移動させると共に、排紙ローラ97を逆回転させることにより紙を反転させて二次転写ユニット80に向かって搬送させ、先端がレジローラ96に到達した位置にて待機する(S170)。
<中間転写体クリーニング処理>
紙が排紙されるか、反転される間に、感光体20は一次転写位置を経過した後に、感光体クリーニングユニット82に支持された感光体クリーニングブレード84によって、その表面に付着しているトナーTが掻き落とされ、中間転写体62は図示しない中間転写体クリーニングユニットにより表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーTは残存トナー回収部に回収される(S180)。
<裏面印刷処理>
両面印刷を実行するためのコマンドが含まれていた場合には、表面にフルカラートナー像を形成したときと同様に、ユニットコントローラ102の制御により感光体20、及び、中間転写体62が回転し帯電される(S190)。帯電された感光体20上には、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像が順次形成されると共に、一次転写位置にて中間転写体62に各トナー像が転写されて、中間転写体62上にフルカラートナー像が形成される(S200)。
中間転写体62上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体62の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80により、所定のタイミングにて搬送が開始されたレジローラ96の位置にて待機していた紙に転写される(210)。このときも、二次転写ユニット80は中間転写体62に押圧されるとともに、中間転写体62上の帯電トナーTが紙の方へ適切に向かうように、二次転写ユニット80において、転写電界が形成される。
そして、裏面側二次転写処理では、図9に示すように、ユニットコントローラ102は、まず、温湿度センサ90aの信号により温度及び湿度を検知する(S211)。ここでは、表面側の二次転写時と同様に温度20℃、湿度45%が検出される。
検出された温度、湿度と、メモリ121に記憶されている裏面転写時の転写電流設定テーブルに基づいて、転写ローラ80aには15.3μAの電流が出力されることにより転写電圧が印加される(S212)。電圧が印加された二次転写ユニット80を紙が通過する際に中間転写体62上のフルカラートナー像が紙に転写され始める(S213)。
その後、紙は搬送され転写ローラ80aから送り出され、送り出された紙は、除電布88により紙上の電荷が取り除かれる(S214)。
一方、ユニットコントローラ102は、温湿度センサ90aにて検出した湿度と、予め設定されている所定の値としての湿度閾値とを比較する(S215)。ここで湿度閾値は、表面側二次転写時と同様に湿度60%である。
そして、ユニットコントローラ102は、検出した湿度が60%以上の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。一方、検出した湿度が60%未満の場合には、取得している紙の情報における長さを示す情報と、予め設定されている所定の長さとしての長さ閾値とを比較する(S216)。このとき、取得した長さを示す情報が長さ閾値以下の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。一方、取得した長さを示す情報が長さ閾値より大きい場合には、以下の処理を実行する。
二次転写された紙は搬送され、紙の先端は徐々に定着ユニット86に近づき、所定量搬送されると定着ローラ87に挟持される。ユニットコントローラ102は、例えば転写ローラ80aの搬送速度と経過時間とから、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出すると(S217)、電圧調整部133bにより転写ローラ80aに出力する電流を、例えば1.2倍に変更する。ここでは、転写ローラ80aに出力する電流を18.36μAに変更する(S218)。ここで、裏面へのトナー像の転写電圧が、表面へのトナー像の転写電圧より大きく設定しているのは、二次転写時における紙の状態が、表面への転写時と裏面への転写時とで相違しているからである。すなわち、裏面への転写時には、表面のトナー像が定着されているため定着時の熱により紙がカールしている。カールした紙が再び転写ローラ80aに挟持される際には、紙の幅方向における両端にて転写ローラ80aへの進入タイミングが、僅かに相違したり、撓み量が相違したりする場合がある。このような場合には、紙が表面への転写時より除電布88に近接し、電圧がより低下するため、裏面へのトナー像の転写電圧が、表面へのトナー像の転写電圧より大きく設定されている。
そして、紙に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット86によって加熱加圧されて紙に融着された後(S230)、排紙トレイ98に排出される(S240)。
第1実施形態の画像形成システム及びプリンタによれば、二次転写ユニット80の転写ローラ80aに電圧が印加されてトナー像形成体上のトナー像が紙Pに転写される。すなわち、二次転写ユニット80にて紙Pはトナーと逆の極性に帯電されることにより、中間転写体62にてトナー像を形成するトナーを紙P上に移動させている。このため、紙Pの電位が低下するとトナー像が転写されにくくなるとともに、紙P上に移動したトナーも紙P上に保持されにくくなる。このため、紙Pの移動方向における長さが予め設定されている長さ閾値より長い場合には、転写ローラ80aの電圧を1.2倍に高めることにより、紙Pの長さに起因する要因により紙Pから過度に放電されたとしても、紙Pが適切に帯電している状態を保たせることが可能である。そして、紙Pが適切に帯電している状態を維持しているので紙上のトナーは紙に保持されて、一旦転写されたトナーが画像以外の部位に付着することを防止することが可能である。特に、二次転写ユニット80と定着ユニット86との間に除電布88を有する場合には、紙Pの長さにより紙Pが除電布88に近接する畏れがあるため、紙の長さが、長さ閾値より長い場合には、紙Pの先端が定着ローラ87に挟持されたときに転写ローラ80aの電圧を高めることが有効である。ここで、電圧の絶対値を高めるとしたのは、トナーがいずれの極性に帯電されるかにより転写ローラ80a、すなわち紙Pが帯電される極性が異なるため、いずれの場合にも、トナーの極性と逆の極性で電位が大きくなるようにすることを示している。
また、本実施形態の転写ローラ80aは、定着ローラ87より周速が速く設定されており、長さ閾値は、紙Pが転写ローラ80aと定着ローラ87とに挟持される長さとしたので、紙の長さが長さ閾値より長い場合には、転写ローラ80aと定着ローラ87とに挟持された状態にて紙Pが移動されることになる。このとき、紙Pは、搬送されるに連れて転写ローラ80aと定着ローラ87との間で撓むことになる。そして、転写ローラ80aと定着ローラ87との間には除電布88が設けられているので、撓んだ紙Pは除電布88に近接し放電しやすくなる畏れがある。このため、紙Pの長さが、長さ閾値より長い場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を高めることにより、紙Pが適切に帯電した状態を維持させることが可能である。
===第2実施形態===
第2実施形態では、上記黒スジの発生を抑えるために、画像を形成すべき紙Pの厚みが、所定の厚みとしての厚み閾値より薄い場合には、紙Pの先端が定着ローラ87に挟持された後に、転写ローラ80aに印加する電圧を高めることとしている。厚み閾値は例えば、秤量80g/mとし、秤量80g/m以下の紙が指定された場合には、紙Pの先端が定着ローラ87に挟持された後に、転写ローラ80aに印加する電圧を高めることとしも良いが、ここでは、厚さ閾値より薄い普通紙が指定されたものとして説明する。
===第2実施形態の画像形成動作===
第2実施形態の画像形成動作における大まかな処理の流れは第1実施形態と同じである。すなわち、図7に示される流れは第1実施形態と同じであるが、表面側二次転写処理、及び、裏面側二次転写処理の詳細が第1実施形態と相違するため、ここでは、表面側二次転写処理、及び、裏面側二次転写処理のみについて説明する。図10は、第2実施形態の表面側二次転写処理を説明するための図である。図11は、第2実施形態の裏面側二次転写処理を説明するための図である。
<第2実施形態の表面側二次転写処理>
中間転写体62上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体62の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって紙に転写される(S130)。なお、紙Pは、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、二次転写処理を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体62に押圧されるとともに、中間転写体62上の帯電トナーTが紙Pの方へ適切に向かうように、二次転写ユニット80において、転写電界が形成される。
表面側二次転写処理では、図10に示すように、ユニットコントローラ102は、まず、温湿度センサ90aの信号により温度及び湿度を検出し(S131)、制御信号COMから紙のサイズ、厚みを示す情報を取得する(S132)。ここでは、前述したように温度20℃、湿度45%、A4サイズの普通紙(薄紙)が検出される。
検出された温度、湿度、紙サイズ、紙厚と、メモリ121に記憶されている転写電流設定テーブルに基づいて、転写ローラ80aには12.3μAの電流が出力されることにより転写電圧が印加される(S133)。電圧が印加された二次転写ユニット80を紙が通過する際に中間転写体62上のフルカラートナー像が紙Pに転写される、所謂二次転写処理が開始される(S134)。
その後、紙は搬送され転写ローラ80aから送り出されていく。送り出された紙は、当該紙上の電荷により中間転写体62側に引き寄せられる。このため、転写ローラ80aを通過した紙が定着ユニット86側に搬送されるように、転写ローラ80aを通過した紙は除電布88により紙上の電荷が取り除かれる(S135)。
一方、ユニットコントローラ102は、温湿度センサ90aにて検出した湿度と、予め設定されている所定の値としての湿度閾値とを比較する(S136a)。ここで湿度閾値は、前述した黒スジが発明者の経験上発生しないとして設定した値であり、本実施形態では、湿度閾値として湿度60%が設定されていることとする。
そして、ユニットコントローラ102は、検出した湿度が60%以上の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。一方、検出した湿度が60%未満の場合には、取得している紙の情報における長さを示す情報と、予め設定されている所定の厚みとしての厚み閾値とを比較する(S137)。このとき、取得した厚みを示す情報が厚み閾値以上の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。一方、取得した厚みを示す情報が厚み閾値より小さい場合には、以下の処理を実行する。
二次転写された紙は搬送され、紙の先端は徐々に定着ユニット86に近づき、所定量搬送されると、定着ローラ87に挟持される。ユニットコントローラ102は、例えば転写ローラ80aの搬送速度と経過時間とから、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出すると(S138)、電圧調整部133bにより転写ローラ80aに出力する電流を、例えば1.2倍に変更する。ここでは、転写ローラ80aに出力する電流を14.76μAに変更する。
そして、第1実施形態同様に定着処理に移行される(S150)。
<第2実施形態の裏面側二次転写処理>
裏面側二次転写処理では、図11に示すように、ユニットコントローラ102は、まず、温湿度センサ90aの信号により温度及び湿度を検知する(S211)。ここでは、表面側の二次転写時と同様に温度20℃、湿度45%が検出される。
検出された温度、湿度と、メモリ121に記憶されている裏面転写時の転写電流設定テーブルに基づいて、転写ローラ80aには15.3μAの電流が出力されることにより転写電圧が印加される(S212)。電圧が印加された二次転写ユニット80を紙が通過する際に中間転写体62上のフルカラートナー像が紙に転写され始める(S213)。
その後、紙は搬送され転写ローラ80aから送り出され、送り出された紙は、除電布88により紙上の電荷が取り除かれる(S214)。
一方、ユニットコントローラ102は、温湿度センサ90aにて検出した湿度と、予め設定されている所定の値としての湿度閾値とを比較する(S215)。ここで湿度閾値は、表面側二次転写時と同様に湿度60%である。
そして、ユニットコントローラ102は、検出した湿度が60%以上の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。一方、検出した湿度が60%未満の場合には、取得している紙の情報における厚みを示す情報と、予め設定されている所定の厚みとしての厚み閾値とを比較する(S216a)。このとき、取得した厚みを示す情報が厚み閾値より大きい場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。一方、取得した厚みを示す情報が厚み閾値より薄い場合には、以下の処理を実行する。
二次転写された紙は搬送され、紙の先端は徐々に定着ユニット86に近づき、所定量搬送されると定着ローラ87に挟持される。ユニットコントローラ102は、例えば転写ローラ80aの搬送速度と経過時間とから、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出すると(S217)、電圧調整部133bにより転写ローラ80aに出力する電流を、例えば1.2倍に変更する。ここでも、転写ローラ80aに出力する電流を18.36μAに変更する(S218)。
そして、第1実施形態同様に定着処理に移行される(S230)。
第2実施形態の画像形成システム及びプリンタによれば、二次転写ユニット80の転写ローラ80aに電圧が印加されてトナー像形成体上のトナー像が紙Pに転写される。すなわち、二次転写ユニット80にて紙Pはトナーと逆の極性に帯電されることにより、中間転写体62にてトナー像を形成するトナーを紙P上に移動させている。このため、紙Pの電位が低下するとトナー像が転写されにくくなるとともに、紙P上に移動したトナーも紙P上に保持されにくくなる。このため、紙Pの厚みが予め設定されている厚み閾値より薄い場合には、転写ローラ80aの電圧を1.2倍に高めることにより、紙Pの厚みに起因する要因により紙Pから過度に放電されたとしても、紙Pが適切に帯電している状態を保たせることが可能である。そして、紙Pが適切に帯電している状態を維持しているので紙上のトナーは紙Pに保持されて、一旦転写されたトナーが画像以外の部位に付着することを防止することが可能である。特に、転写ローラ80aと定着ローラ87との間に除電布88を有する場合にであって、紙Pの厚みが薄い場合には、紙Pが除電布88に近接する畏れもあるため、紙Pの厚みが、厚み閾値より薄い場合には、紙Pの先端が定着ローラ87に挟持されたときに転写ローラ80aの電圧を高めることが有効である。ここで、電圧の絶対値を高めるとしたのは、トナーがいずれの極性に帯電されるかにより転写ローラ80a、すなわち紙Pが帯電される極性が異なるため、いずれの場合にも、トナーの極性と逆の極性で電位が大きくなるようにすることを示している。
===第3実施形態===
第2実施形態では、上記黒スジの発生を抑えるために、除電布88の電流を電流検知部132aにて周期的に検知し、紙Pにトナー像が転写される間に検知された転写中電流値が、紙Pにトナー像が転写され始めた時に検知された初期電流値の平均値I0,I1の1.1倍を超えた場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を高めることとしている。すなわち、初期に検知された初期電流値の平均値I0,I1と紙Pにトナー像が転写される間に検知された転写中電流値との差が、所定の値としての、初期電流値の平均値I0,I1の0.1倍より大きくなった場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を高めることとしている。
除電布88は転写ローラ80aと定着ローラ87との間に設けられており、二次転写処理後の紙から電荷を取り除くことにより、紙Pを中間転写体62から離れ易くしている。しかしながら、転写ローラ80aを通過した紙は、特に除電布88に近接し過ぎると、紙から過剰に放電されて除電布88に流れる電流が大きくなり、紙Pがトナーを保持する力が低下する。このため、紙Pにトナー像が転写される間の除電布88の電流を検知し、紙Pにトナー像が転写され始めた時に検知された初期電流値の平均値の1.1倍より、大きくなったときには、紙Pが除電布に近接して放電が生じていると考えられるため、転写ローラ80aに印加する電圧を高めることとしている。ここで、印加電圧を高める閾値を二次転写処理が開始されたときに検知された電流値の1.1倍としているが、これに限るものではなく、閾値は、転写ローラ80aを通過した紙と除電布88との距離を変化させて除電布88の電流を検知し、このときの黒スジの発生状況に応じて設定されることが望ましい。
===第3実施形態の画像形成動作===
第3実施形態の画像形成動作における大まかな処理の流れは第1及び第2実施形態と同じである。すなわち、図7に示される流れは第1及び第2実施形態と同じであるが、表面側二次転写処理、及び、裏面側二次転写処理の詳細が第1及び第2実施形態と相違するため、ここでは、表面側二次転写処理、及び、裏面側二次転写処理のみについて説明する。図12は、第3実施形態の表面側二次転写処理を説明するための図である。図13は、第3実施形態の裏面側二次転写処理を説明するための図である。
<第3実施形態の表面側二次転写処理>
中間転写体62上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体62の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって紙に転写される(S130)。なお、紙Pは、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、二次転写処理を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体62に押圧されるとともに、中間転写体62上の帯電トナーTが紙Pの方へ適切に向かうように、二次転写ユニット80において、転写電界が形成される。
表面側二次転写処理では、図12に示すように、ユニットコントローラ102は、まず、温湿度センサ90aの信号により温度及び湿度を検出し(S131)、制御信号COMから紙のサイズ、厚みを示す情報を取得する(S132)。ここでは、前述したように温度20℃、湿度45%、A4サイズの普通紙(薄紙)が検出される。
検出された温度、湿度、紙サイズ、紙厚と、メモリ121に記憶されている転写電流設定テーブルに基づいて、転写ローラ80aには12.3μAの電流が出力されることにより転写電圧が印加される(S133)。電圧が印加された二次転写ユニット80を紙が通過する際に中間転写体62上のフルカラートナー像が紙Pに転写される、所謂二次転写処理が開始される(S134)。このとき、電流検知部132aにて除電布88の電流を周期的に検知する電流検知処理を開始し(S134a)、検知した電流値をメモリに記憶する。
その後、紙は搬送され転写ローラ80aから送り出されていく。送り出された紙は、当該紙上の電荷により中間転写体62側に引き寄せられる。このため、転写ローラ80aを通過した紙が定着ユニット86側に搬送されるように、転写ローラ80aを通過した紙は除電布88により紙上の電荷が取り除かれる(S135)。
一方、ユニットコントローラ102は、温湿度センサ90aにて検出した湿度と、予め設定されている所定の値としての湿度閾値とを比較する(S136)。ここで湿度閾値は、前述した黒スジが発明者の経験上発生しないとして設定した値であり、本実施形態では、湿度閾値として湿度60%が設定されていることとする。
そして、ユニットコントローラ102は、検出した湿度が60%以上の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。一方、検出した湿度が60%未満の場合には、二次転写された紙が搬送されて、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出すると(S138)、このときまでに電流検知部132aにて検知されメモリに記憶されている電流値の平均値(初期電流値)I0を算出する(S139)。
ユニットコントローラ102は、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出した後に検知された転写中電流値Inと、算出した電流値の平均値I0の1.1倍に相当する値とを比較する(S140)。このとき、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出した後に検知された転写中電流値Inが算出した電流値の平均値I0の1.1倍に相当する値以下の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。
一方、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出した後に検知された転写中電流値Inが算出した電流値の平均値I0の1.1倍に相当する値より大きい場合には、電圧調整部133bにより転写ローラ80aに出力する電流を、例えば1.2倍に変更する。ここでは、転写ローラ80aに出力する電流を14.76μAに変更する。
そして、第1及び第2実施形態同様に定着処理に移行される(S150)。
<第3実施形態の裏面側二次転写処理>
裏面側二次転写処理では、図13に示すように、ユニットコントローラ102は、まず、温湿度センサ90aの信号により温度及び湿度を検知する(S211)。ここでは、表面側の二次転写時と同様に温度20℃、湿度45%が検出される。
検出された温度、湿度と、メモリ121に記憶されている裏面転写時の転写電流設定テーブルに基づいて、転写ローラ80aには15.3μAの電流が出力されることにより転写電圧が印加される(S212)。電圧が印加された二次転写ユニット80を紙が通過する際に中間転写体62上のフルカラートナー像が紙に転写され始める(S213)。このとき、電流検知部132aにて除電布88の電流を周期的に検知する電流検知処理を開始し(S213a)、検知した電流値をメモリに記憶する。
その後、紙は搬送され転写ローラ80aから送り出され、送り出された紙は、除電布88により紙上の電荷が取り除かれる(S214)。
一方、ユニットコントローラ102は、温湿度センサ90aにて検出した湿度と、予め設定されている所定の値としての湿度閾値とを比較する(S215)。ここで湿度閾値は、表面側二次転写時と同様に湿度60%である。
そして、ユニットコントローラ102は、検出した湿度が60%以上の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。一方、検出した湿度が60%未満の場合には、二次転写された紙が搬送されて、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出すると(S217)、このときまでに電流検知部132aにて検知されメモリに記憶されている電流値の平均値(初期電流値)I1を算出する(S219)。
ユニットコントローラ102は、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出した後に検知された転写中電流値Inと、算出した電流値の平均値(初期電流値)I1の1.1倍に相当する値とを比較する(S220)。このとき、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出した後に検知された転写中電流値Inが算出した電流値の平均値(初期電流値)I1の1.1倍に相当する値以下の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。
一方、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出した後に検知された転写中電流値Inが算出した電流値の平均値(初期電流値)I1の1.1倍に相当する値より大きい場合には、電圧調整部133bにより転写ローラ80aに出力する電流を、例えば1.2倍に変更する。ここでは、転写ローラ80aに出力する電流を18.36μAに変更する(S221)。
そして、第1及び第2実施形態同様に定着処理に移行される(S230)。
第3実施形態の画像形成システム及びプリンタによれば、二次転写ユニット80の転写ローラ80aに電圧が印加されて中間転写体62上のトナー像が紙Pに転写される。すなわち、二次転写ユニット80にて紙Pはトナーと逆の極性に帯電されることにより、中間転写体62にてトナー像を形成するトナーを紙P上に移動させている。このため、紙Pの電位が低下するとトナー像が転写されにくくなるとともに、紙P上に移動したトナーも紙P上に保持されにくくなる。そして、二次転写ユニット80により紙Pにトナー像が転写される間に電流検知部132aにより検知される除電布88の転写中電流値Inが、紙Pにトナー像が転写され始めたときの電流値の平均値(初期電流値)I0,I1の1.1倍に相当する値を超えた際には転写ローラ80aの電圧を1.2倍に高める。ところで、除電布88の電流の値が大きい場合には、転写ローラ80aを通過した紙Pから除電布88に放電している可能性が高いため、検知された除電布88の電流の値が、算出した電流値の平均値I0,I1の1.1倍に相当する値を超えた際には転写ローラ80aの電圧を高めることにより、紙Pから過度に放電されたとしても、紙Pが適切に帯電している状態を保たせることが可能である。そして、紙Pが適切に帯電されている状態が維持されているので紙P上のトナーは紙Pに保持されて、一旦転写されたトナーが画像以外の部位に付着することを防止することが可能である。
本実施形態においては、初期電流値、すなわち二次転写処理の開始時における除電布の電流値を、周期的に検知された電流値の平均値としたが、まさに紙にトナー像が転写され始めたときの電流値や、紙Pの先端が転写ローラ80aに挟持されたときの電流値としてもよい。しかしながら、検知される除電電流は変動しやすいので、本実施形態のように二次転写処理の開始時に周期的に検知された除電布の電流値の平均値とすることにより、紙Pから除電布88への放電が発生していない状態における除電電流の値をより正確に認識することが可能である。
また、本実施形態においては、紙Pにトナー像が転写されている間に検知された転写中電流値Inを紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出した後に検知された電流値としたが、これに限るものではない。すなわち、初期電流値が検知された後に周期的に検知される電流値を転写中電流値Inとしてもよい。この場合には、転写ローラ80aと定着ローラ87との周速差により生じる紙Pの撓み以外の要因に起因する紙Pからの放電を検出することが可能である。
また、転写ローラ80aに印加する電圧を高めるか否かを、検知された転写中電流値の初期電流値に対する変化量としたので、紙Pと除電布88の間隔の変化をより正確に認識し、適切に転写ローラ80aの電圧を高めることが可能である。
ここで、電圧の絶対値を高めるとしたのは、トナーがいずれの極性に帯電されるかにより転写ローラ80a、すなわち紙Pが帯電される極性が異なるため、いずれの場合にも、トナーの極性と逆の極性で電位が大きくなるようにすることを示している。
===第4実施形態===
第4実施形態では、上記黒スジの発生を抑えるために、除電布88の電流を電流検知部132aにて検知し、検知された電流値が、所定の値としての電流閾値を超えた場合には、紙Pの先端が定着ローラ87に挟持された後に、転写ローラ80aに印加する電圧を高めることとしている。除電布88は転写ローラ80aと定着ローラ87との間に設けられており、二次転写処理後の紙から電荷を取り除くことにより、紙Pを中間転写体62から離れ易くしている。しかしながら、転写ローラ80aを通過した紙が、除電布88に近接し過ぎると、紙から過剰に放電されて除電布88に流れる電流が大きくなり、紙Pがトナーを保持する力が低下する。このため、除電布88の電流を検知し、検知された電流が電流閾値を超えた場合には、紙Pの先端が定着ローラ87に挟持された後に、転写ローラ80aに印加する電圧を高めることとしている。ここで、電流閾値は、転写ローラ80aを通過した紙と除電布88との距離を変化させて、除電布88の電流を検知し、このときの黒スジの発生状況に応じて設定されることが望ましい。
===第4実施形態の画像形成動作===
第4実施形態の画像形成動作における大まかな処理の流れは第1〜第3実施形態と同じである。すなわち、図7に示される流れは第1〜第3実施形態と同じであるが、表面側二次転写処理、及び、裏面側二次転写処理の詳細が第1〜第3実施形態と相違するため、ここでは、表面側二次転写処理、及び、裏面側二次転写処理のみについて説明する。図12は、第4実施形態の表面側二次転写処理を説明するための図である。図13は、第4実施形態の裏面側二次転写処理を説明するための図である。
<第4実施形態の表面側二次転写処理>
中間転写体62上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体62の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって紙に転写される(S130)。なお、紙Pは、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、二次転写処理を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体62に押圧されるとともに、中間転写体62上の帯電トナーTが紙Pの方へ適切に向かうように、二次転写ユニット80において、転写電界が形成される。
表面側二次転写処理では、図12に示すように、ユニットコントローラ102は、まず、温湿度センサ90aの信号により温度及び湿度を検出し(S131)、制御信号COMから紙のサイズ、厚みを示す情報を取得する(S132)。ここでは、前述したように温度20℃、湿度45%、A4サイズの普通紙(薄紙)が検出される。
検出された温度、湿度、紙サイズ、紙厚と、メモリ121に記憶されている転写電流設定テーブルに基づいて、転写ローラ80aには12.3μAの電流が出力されることにより転写電圧が印加される(S133)。電圧が印加された二次転写ユニット80を紙が通過する際に中間転写体62上のフルカラートナー像が紙Pに転写される、所謂二次転写処理が開始される(S134)。
その後、紙は搬送され転写ローラ80aから送り出されていく。送り出された紙は、当該紙上の電荷により中間転写体62側に引き寄せられる。このため、転写ローラ80aを通過した紙が定着ユニット86側に搬送されるように、転写ローラ80aを通過した紙は除電布88により紙上の電荷が取り除かれる(S135)。
一方、ユニットコントローラ102は、温湿度センサ90aにて検出した湿度と、予め設定されている所定の値としての湿度閾値とを比較する(S136)。ここで湿度閾値は、前述した黒スジが発明者の経験上発生しないとして設定した値であり、本実施形態では、湿度閾値として湿度60%が設定されていることとする。
そして、ユニットコントローラ102は、検出した湿度が60%以上の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。一方、検出した湿度が60%未満の場合には、電流検知部132aにて除電布88の電流を検知し(S137b)、検知した電流値と、予め設定されている所定の値としての電流閾値とを比較する(S137c)。このとき、検知した電流が電流閾値以下の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。
一方、検知した電流が電流閾値より大きい場合には、以下の処理を実行する。
二次転写された紙は搬送され、紙の先端は徐々に定着ユニット86に近づき、所定量搬送されると、定着ローラ87に挟持される。ユニットコントローラ102は、例えば転写ローラ80aの搬送速度と経過時間とから、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出すると(S138)、電圧調整部133bにより転写ローラ80aに出力する電流を、例えば1.2倍に変更する。ここでは、転写ローラ80aに出力する電流を14.76μAに変更する。
そして、第1及び第2実施形態同様に定着処理に移行される(S150)。
<第4実施形態の裏面側二次転写処理>
裏面側二次転写処理では、図13に示すように、ユニットコントローラ102は、まず、温湿度センサ90aの信号により温度及び湿度を検知する(S211)。ここでは、表面側の二次転写時と同様に温度20℃、湿度45%が検出される。
検出された温度、湿度と、メモリ121に記憶されている裏面転写時の転写電流設定テーブルに基づいて、転写ローラ80aには15.3μAの電流が出力されることにより転写電圧が印加される(S212)。電圧が印加された二次転写ユニット80を紙が通過する際に中間転写体62上のフルカラートナー像が紙に転写され始める(S213)。
その後、紙は搬送され転写ローラ80aから送り出され、送り出された紙は、除電布88により紙上の電荷が取り除かれる(S214)。
一方、ユニットコントローラ102は、温湿度センサ90aにて検出した湿度と、予め設定されている所定の値としての湿度閾値とを比較する(S215)。ここで湿度閾値は、表面側二次転写時と同様に湿度60%である。
そして、ユニットコントローラ102は、検出した湿度が60%以上の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。一方、検出した湿度が60%未満の場合には、電流検知部132aにて除電布88の電流を検知し(S216b)、検知した電流値と、予め設定されている所定の値としての電流閾値とを比較する(S216c)。このとき、検知した電流が電流閾値以下の場合には、転写ローラ80aに印加する電圧を変更することなく二次転写動作を継続する。一方、検知した電流値が電流閾値より大きい場合には、以下の処理を実行する。
二次転写された紙は搬送され、紙の先端は徐々に定着ユニット86に近づき、所定量搬送されると定着ローラ87に挟持される。ユニットコントローラ102は、例えば転写ローラ80aの搬送速度と経過時間とから、紙の先端が定着ローラ87に挟持されたことを検出すると(S217)、電圧調整部133bにより転写ローラ80aに出力する電流を、例えば1.2倍に変更する。ここでも、転写ローラ80aに出力する電流を18.36μAに変更する(S218)。
そして、第1及び第2実施形態同様に定着処理に移行される(S230)。
第4実施形態の画像形成システム及びプリンタによれば、二次転写ユニット80の転写ローラ80aに電圧が印加されてトナー像形成体上のトナー像が紙Pに転写される。すなわち、二次転写ユニット80にて紙Pはトナーと逆の極性に帯電されることにより、中間転写体62にてトナー像を形成するトナーを紙P上に移動させている。このため、紙Pの電位が低下するとトナー像が転写されにくくなるとともに、紙P上に移動したトナーも紙P上に保持されにくくなる。そして、電流検知部132aにより除電布88の電流を検知し、検知された電流の値が電流閾値を超えた際には転写ローラ80aの電圧を1.2倍に高める。ところで、除電布88の電流の値が大きい場合には、転写ローラ80aを通過した紙Pから除電布88に放電している可能性が高いため、検知された除電布88の電流の値が電流閾値を超えた際には転写ローラ80aの電圧を高めることにより、紙Pから過度に放電されたとしても、紙Pが適切に帯電している状態を保たせることが可能である。すなわち、検知された電流に基づいて、紙Pを適切に帯電した状態に保つことが可能である。そして、紙Pが適切に帯電されている状態が維持されているので紙P上のトナーは紙Pに保持されて、一旦転写されたトナーが画像以外の部位に付着することを防止することが可能である。ここで、電圧の絶対値を高めるとしたのは、トナーがいずれの極性に帯電されるかにより転写ローラ80a、すなわち紙Pが帯電される極性が異なるため、いずれの場合にも、トナーの極性と逆の極性で電位が大きくなるようにすることを示している。
上記実施形態においては、黒スジの発生を抑えるために、所定の条件を設定し、設定された条件を満たす場合には、予め設定されている電圧が1.2倍となるように電流を出力することとしたが、これに限らない。しかしながら、必要以上に高い電圧を転写ローラ80aに印加すると、トナーが中間転写体62側に付着して白抜けが発生する畏れがあるため、転写ローラ80aに出力する電流を、予め設定されていた値に対し1.2倍〜1.7倍の範囲にて変更することが望ましい。
また、上記実施形態にて説明した、転写電流設定テーブルは、一例であって、これに限定されるものではない。
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る画像形成装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
上記実施形態は、主として画像形成システムについて記載されているが、その中には、プリンタ10、画像形成装置、画像形成方法等の開示が含まれていることは言うまでもない。すなわち、上記実施形態においては、画像形成装置を、レーザビームプリンタ10を有する画像形成システムとして説明したが、レーザビームプリンタ10が、例えば画像形成モード(印刷モード)等を設定可能な入力部を有していれば、プリンタ単体であっても実現可能である。例えば、入力部は、プリンタに設けられた液晶ディスプレイとプリンタに設けられた入力ボタンやタッチパネルなどである。
また、本実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部又は全部をソフトウェアによって置き換えてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアによって置き換えてもよい。
また、画像形成装置(レーザビームプリンタ10)側にて行っていた処理の一部をホストコンピュータ702側にて行ってよく、また画像形成装置(レーザビームプリンタ10)とホストコンピュータ702の間に専用の処理装置を介設して、この処理装置にて処理の一部を行わせるようにしてもよい。
上記実施の形態においては、画像形成装置として中間転写型のフルカラーレーザビームプリンタを例にとって説明したが、本発明は、中間転写型以外のフルカラーレーザビームプリンタ、モノクロレーザビームプリンタ、複写機、ファクシミリなど、各種の画像形成装置に適用可能である。
画像形成システムの外観構成を示した説明図である。 図1に示した画像形成システムの構成の一部を示すブロック図である。 プリンタを構成する主要構成要素を示した図である。 プリンタの制御ユニットの構成を示したブロック図である。 図5Aは、紙の先端が定着ローラに挟持された際の紙の状態を説明するための図である。図5Bは、紙の先端が定着ローラに挟持された後、さらに紙が搬送された際の紙の状態を説明するための図である。 転写ローラに流す電流を設定した転写電流設定テーブルの概念を示す図である。 画像形成動作の概要を説明するための図である。 紙の表面側にフルカラートナー像を転写する際の二次転写処理を説明するための図である。 紙の裏面側にフルカラートナー像を転写する際の二次転写処理を説明するための図である。 第2実施形態の表面側二次転写処理を説明するための図である。 第2実施形態の裏面側二次転写処理を説明するための図である。 第3実施形態の表面側二次転写処理を説明するための図である。 第3実施形態の裏面側二次転写処理を説明するための図である。 第4実施形態の表面側二次転写処理を説明するための図である。 第4実施形態の裏面側二次転写処理を説明するための図である。
符号の説明
10 レーザビームプリンタ(プリンタ)、20 感光体、30 帯電ユニット、
40 露光ユニット、50 YMCK現像ユニット、50a 中心軸、
51 ブラック現像装置、52 マゼンタ現像装置、53 シアン現像装置、
54 イエロー現像装置、55a、55b、55c、55d 現像装置保持部、
60 一次転写ユニット、62 中間転写体、80 二次転写ユニット、
80a 転写ローラ、82 感光体クリーニングユニット、
84 感光体クリーニングブレード、85 定着排紙間ガイド、86 定着ユニット、
87 定着ローラ、87a 加熱定着ローラ、87b 加圧定着ローラ、
88 除電布、89 操作パネル、90 センサ、90a 温湿度センサ、
92 給紙トレイ、93 紙移動路、94 給紙ローラ、
95 反転ユニット、95a ガイド、95b 搬送ローラ、
96 レジローラ、97 排紙ローラ、98 排紙トレイ、100 制御ユニット、
101 メインコントローラ、102 ユニットコントローラ、
112 インターフェース、113 画像メモリ、120 CPU、121 メモリ、
132 除電布電圧制御回路、132a 電流検知部、
133 二次転写ユニット制御回路、133a 電圧検出部、133b 電圧調整部、
141 シリアルインターフェイス、142 本体側メモリ、143 入出力ポート、
700 画像形成システム、702 コンピュータ、704 表示装置、
708 入力装置、708A キーボード、708B マウス、710 読取装置、
710A フレキシブルディスクドライブ装置、
710B CD−ROMドライブ装置、
795 アプリケーションプログラム、796 プリンタドライバ、
797 画像処理部、801 表示インターフェース部、
803 入力インターフェース部、805 ユーザインターフェース処理部、
AD 画像データ、COM 制御信号、PD 画像データ、P 紙

Claims (17)

  1. トナー像が形成されるトナー像形成体と、
    前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、
    前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、
    前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、
    前記媒体の移動方向における長さが、所定の長さより長い場合には、当該媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. トナー像が形成されるトナー像形成体と、
    前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、
    前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、
    前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、
    前記媒体の厚みが、所定の厚みより薄い場合には、当該媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. トナー像が形成されるトナー像形成体と、
    前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、
    前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、
    前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、
    前記除電部の電流を検知するための電流検知部と、
    前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写され始めたときに前記電流検知部によって検知された初期電流値と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写される間に前記電流検知部によって検知された転写中電流値との差が所定の値を超えた場合には、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  4. トナー像が形成されるトナー像形成体と、
    前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、
    前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、
    前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、
    前記除電部の電流を検知するための電流検知部と、
    前記電流検知部によって検知された電流の値が所定の値を超えた場合には、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記転写部は、前記トナー像形成体との間に、前記媒体を挟持して搬送するための転写ローラを有し、
    前記定着部は、前記媒体を挟持して搬送するための一対の定着ローラを有し、
    前記転写ローラは、前記定着ローラより周速が速く設定されており、
    前記所定の長さは、前記媒体が前記転写ローラと前記定着ローラとに挟持される長さであることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項3に記載の画像形成装置において、
    前記所定の値は、前記初期電流値に基づいて設定されることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項4又は請求項6に記載の画像形成装置において、
    前記転写部は、前記トナー像形成体との間に、前記を挟持して搬送するための転写ローラを有し、
    前記定着部は、前記媒体を挟持して搬送するための一対の定着ローラを有し、
    前記転写ローラは、前記定着ローラより周速が速く設定されており、
    前記所定の値は、前記媒体が前記転写ローラと前記定着ローラとに挟持されて、搬送されることにより前記媒体と前記除電部との間隔が所定量以下となったことを示す値であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記媒体が所定量搬送されたときは、前記媒体が前記定着部に挟持された後であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記除電部には電圧が印加されていることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の画像形成装置において、
    湿度を計測するための湿度センサを有し、
    前記湿度センサにて計測された湿度が所定の値より高い場合には、前記コントローラは、前記転写部の電圧の絶対値を高めないことを特徴とする画像形成装置。
  11. トナー像が形成されるトナー像形成体と、
    前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、
    前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、
    前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、
    前記媒体の移動方向における長さが、所定の長さより長い場合には、当該媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、
    前記転写部は、前記トナー像形成体との間に、前記媒体を挟持して搬送するための転写ローラと、を有し、
    前記定着部は、前記媒体を挟持して搬送するための一対の定着ローラを有し、
    前記転写ローラは、前記定着ローラより周速が速く設定されており、
    前記所定の長さは、前記媒体が前記転写ローラと前記定着ローラとに挟持される長さであり、
    前記媒体が所定量搬送されたときは、前記媒体が前記定着部に挟持された後であり、
    前記除電部には電圧が印加されており、
    湿度を計測するための湿度センサを有し、
    前記湿度センサにて計測された湿度が所定の値より高い場合には、前記コントローラは、前記転写部の電圧の絶対値を高めないことを特徴とする画像形成装置。
  12. トナー像が形成されるトナー像形成体と、
    前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、
    前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、
    前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、
    前記媒体の厚みが、所定の厚みより薄い場合には、当該媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、
    を有し、
    前記媒体が所定量搬送されたときは、前記媒体が前記定着部に挟持された後であり、
    前記除電部には電圧が印加されており、
    湿度を計測するための湿度センサを有し、
    前記湿度センサにて計測された湿度が所定の値より高い場合には、前記コントローラは、前記転写部の電圧の絶対値を高めないことを特徴とする画像形成装置。
  13. トナー像が形成されるトナー像形成体と、
    前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、
    前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、
    前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、
    前記除電部の電流を検知するための電流検知部と、
    前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写され始めたときに前記電流検知部によって検知された初期電流値と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写される間に前記電流検知部によって検知された転写中電流値との差が所定の値を超えた場合には、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、
    前記転写部は、前記トナー像形成体との間に、前記を挟持して搬送するための転写ローラと、を有し、
    前記所定の値は、前記初期電流値に基づいて設定され、
    前記定着部は、前記媒体を挟持して搬送するための一対の定着ローラを有し、
    前記転写ローラは、前記定着ローラより周速が速く設定されており、
    前記所定の値は、前記媒体が前記転写ローラと前記定着ローラとに挟持されて、搬送されることにより前記媒体と前記除電部との間隔が所定量以下となったことを示す値であり、
    前記媒体が所定量搬送されたときは、前記媒体が前記定着部に挟持された後であり、
    前記除電部には電圧が印加されており、
    湿度を計測するための湿度センサを有し、
    前記湿度センサにて計測された湿度が所定の値より高い場合には、前記コントローラは、前記転写部の電圧の絶対値を高めないことを特徴とする画像形成装置。
  14. トナー像が形成されるトナー像形成体と、
    前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、
    前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、
    前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、
    前記除電部の電流を検知するための電流検知部と、
    前記電流検知部によって検知された電流の値が所定の値を超えた場合には、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、
    前記転写部は、前記トナー像形成体との間に、前記を挟持して搬送するための転写ローラと、を有し、
    前記定着部は、前記媒体を挟持して搬送するための一対の定着ローラを有し、
    前記転写ローラは、前記定着ローラより周速が速く設定されており、
    前記所定の値は、前記媒体が前記転写ローラと前記定着ローラとに挟持されて、搬送されることにより前記媒体と前記除電部との間隔が所定量以下となったことを示す値であり、
    前記媒体が所定量搬送されたときは、前記媒体が前記定着部に挟持された後であり、
    前記除電部には電圧が印加されており、
    湿度を計測するための湿度センサを有し、
    前記湿度センサにて計測された湿度が所定の値より高い場合には、前記コントローラは、前記転写部の電圧の絶対値を高めないことを特徴とする画像形成装置。
  15. トナー像が形成されるトナー像形成体と、
    前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、
    前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、
    前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、
    前記除電部の電流を検知するための電流検知部と、を有する画像形成装置に、
    前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写され始めたときに前記電流検知部によって検知された初期電流値と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写される間に前記電流検知部によって検知された転写中電流値との差が所定の値を超えた場合には、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高める機能を実現させるためのコンピュータプログラム。
  16. コンピュータ、及び、
    このコンピュータに接続され、
    トナー像が形成されるトナー像形成体と、
    前記トナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、
    前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、
    前記転写部と前記定着部との間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部と、
    前記除電部の電流を検知するための電流検知部と、
    前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写され始めたときに前記電流検知部によって検知された初期電流値と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写される間に前記電流検知部によって検知された転写中電流値との差が所定の値を超えた場合には、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるためのコントローラと、
    を有する画像形成装置、
    を有することを特徴とする画像形成システム。
  17. トナー像が形成されるトナー像形成体と対向するように設けられ、印加された電圧により前記トナー像形成体上の前記トナー像を媒体に転写するための転写部と、前記媒体の移動方向において前記転写部よりも下流側に配置され、前記媒体上の前記トナー像を該媒体に定着させるための定着部と、の間に設けられ、前記媒体の電荷を取り除くための除電部の電流を、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写され始めたときに電流検知部によって検知するステップと、
    前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写される間に前記電流検知部によって前記除電部の電流を検知するステップと、
    前記媒体に前記トナー像が転写され始めたときに検知された電流値と、前記転写部にて前記媒体に前記トナー像が転写される間に検知された電流値との差が、所定の値を超えた場合に、前記媒体が所定量搬送されたときに前記転写部の電圧の絶対値を高めるステップと、
    を有することを特徴とする画像形成方法。

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