JP2007071673A - 蛍光検出装置及び蛍光検出システム - Google Patents

蛍光検出装置及び蛍光検出システム Download PDF

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Abstract

【課題】 従来よりも蛍光の検出感度が高く、高感度の蛍光検出装置を実現する。
【解決手段】 本発明の蛍光検出装置100は、検体13を含む流体の通液路をなすマイクロチャネル4と、検体13に励起光11を照射することにより検体13から出射される蛍光14を検出するフォトダイオード部40とを備え、フォトダイオード40の空乏層12が、マイクロチャネル4と同一平面に設けられている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、マイクロリアクタシステム等に用いられる蛍光検出装置及び該蛍光検出装置を備えた蛍光検出システムに関するものである。
マイクロリアクタシステム、電気泳動マイクロシステム及び遠心力分離マイクロシステムは、近年の化学、生物学、医学分野における微量成分解析のため、小型装置化及び高速アッセイ化の進展に伴い広範に利用されている。これらシステムにおける成分検出方法には、蛍光検出法、放射線装飾法、電気化学的検出法、質量分析法等が用いられる。この中で、検出感度が高く使用法が簡便なため、蛍光検出法が一般的には用いられている。
システムをマイクロ化することにより、一般的に(1)少量の試薬で高速分析が可能である、(2)システムの小型化・軽量化が可能である、(3)集積化・並列処理化が可能である、(4)不純物の混入が防止できる等の多くのメリットがある。システムをマイクロ化するためには、液流路をチップ上に形成して小型化(マイクロチャネル化)することが必要であり、多くの方式のマイクロチャネルが提案されている。
従来のマイクロチャネルは、一般的に、シリコン、石英、ガラスまたはプラスチック等からなる基板表面に形成されており、蛍光装飾されたDNA(deoxyribonucleic acid)等の核酸やタンパク質等の高分子化合物を含む溶液を送液し、マイクロチャネル中で上記核酸や高分子化合物等の検体を電気泳動、あるいは遠心分離することにより、これら検体を分離または混合したり、これら検体に圧力を印加することにより、検体の検出感度を増幅する構成となっている。この際、マイクロチャネルの一部において、発光ダイオード(LED)またはレーザー等で構成される外部光源からマイクロチャネル中の蛍光装飾された高分子化合物に光を照射し、蛍光装飾された高分子化合物から発せられる蛍光をマイクロチャネルの外部に設けられたフォトダイオードや光電子倍増管からなる光検出器で検出する。そして、光検出器が検出した光に応じて生じる信号から、蛍光装飾された高分子化合物を検出している。
このため、システムをマイクロ化することで、前記した多くのメリットがある反面、マイクロシステム化が進むにつれ、検体の量が極端に少なくなり、検体から得られる信号量が大幅に低下することで、検体の検出が困難になってきているという問題を招いている。特に、DNA、RNA(ribonucleic acid)またはタンパク質等を電気泳動または遠心分離するような高精度のマイクロシステムにおいては、検体の検出感度を向上させることが強く求められている。
そこで、近年、検出の高感度化とシステムの小型化とを図る試みが行われている(例えば、非特許文献1)。
図11に、非特許文献1に記載の蛍光検出装置の断面図を示す。
図11に示すように、従来の蛍光検出装置は、シリコン基板501の表面にフォトダイオード502を形成し、その上部にパリレン製のマイクロチャネル503を設置し、マイクロチャネル503とフォトダイオード502との間の光路長の短縮化による検出の高感度化とシステムの小型化とを図っている。
検体の検出は、バンドパスフィルタ505を通した青色LED504から出射した450±27nmの青色励起光を、マイクロチャネル503中の検体に照射することにより行う。このとき、検体であるDNAは、例えば、「SYBR Green 1」(商品名)によって蛍光装飾される。これにより、検体は、青色LED504から出射した450±27nmの光によって励起され、蛍光を生じる。
上記非特許文献1では、励起光がフォトダイオード502に入射されないように、上記マイクロチャネル503とフォトダイオード502との間に設けられた干渉フィルタ506で励起光を除去し、励起光よりも長波長の蛍光のみを、上記マイクロチャネル503の下方に設置されたフォトダイオード502で検出している。
すなわち、非特許文献1に記載の蛍光検出装置において、検体によって吸収されなかった450±27nmの光は、検出部であるフォトダイオード502の直上にオンチップ加工された干渉フィルタ506によって、フォトダイオード502には入射されないようになっている。干渉フィルタ506は、励起光である青色LED504から出射した450±27nmの光の1/4波長相当の厚さを有するSiOとTiOとの二層誘電体薄膜を20層積層させた膜からなり、膜厚の合計は3μmである。
J.R.Webster et.al, [Monolithic Capillary Electrophoresis Device with Integrated Fluorescence Detector] :Analytical Chemistry,Vol.73,No7,April 1、2001
しかしながら、上記従来の構成では、製造工程数の大幅な増加を招くという問題を生じる。また通常、干渉フィルタ506では励起光の数百分の1程度が干渉フィルタ506を通して受光部を透過する。このため、図11に示すようにマイクロチャネル503の下部にフォトダイオード502を設けた場合、マイクロチャネル503とフォトダイオード502との間に干渉フィルタ506が設けられていても、この干渉フィルタ506を透過する励起光がノイズ源となり、蛍光の検出限界を低下させている。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来よりも蛍光の検出感度が高く、高感度の蛍光検出装置を実現することにある。
本発明に係る蛍光検出装置は、上記課題を解決するために、検体を含む流体の通液路をなすマイクロチャネルと、上記検体に励起光を照射することにより上記検体から出射される蛍光を検出する受光素子とを備えた蛍光検出装置において、上記受光素子の受光部が、上記マイクロチャネルと同一平面に設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、上記マイクロチャネルと上記受光素子の受光部とは、同一平面に設けられているため、上記受光部は上記マイクロチャネルに入射する励起光の光軸とは交わらない。このため、上記受光素子の受光部には、励起光が入射せず、検体から等方的に放射される蛍光のみが入射する。よって、励起光によって発生するノイズを抑制することができ、検出限界を向上させることができる。よって、上記構成によれば、従来よりも蛍光の検出感度が高く、高感度の蛍光検出装置を提供することができるという効果を奏する。また、上記構成によれば、受光素子の受光部に励起光が入射することを遮るために干渉フィルタ等のような部材を設ける必要がない。従って、上記構成によれば、より低い製造コストで、より検出感度の高いS/N比に優れた蛍光検出装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る蛍光検出装置は、上記課題を解決するために、検体を含む流体の通液路をなすマイクロチャネルと、上記検体に、上記マイクロチャネルの上方から励起光を照射することにより上記検体から出射される蛍光を検出する受光素子とを備えた蛍光検出装置において、上記受光素子の受光部が、上記マイクロチャネルに対し、上記光源から出射される光の光軸方向と直交する方向に備えられていることを特徴としている。
上記構成によれば、上記受光素子の受光部が、上記マイクロチャネルに対し、上記光源から出射される励起光の光軸方向と直交する方向に備えられているため、上記受光素子の受光部には、励起光が入射せず、検体から等方的に放射される蛍光のみが入射する。よって、励起光によって発生するノイズを抑制することができ、検出限界を向上させることができる。よって、上記構成によれば、従来よりも蛍光の検出感度が高く、高感度の蛍光検出装置を提供することができるという効果を奏する。また、上記の構成によれば、受光素子の受光部に励起光が入射することを遮るために干渉フィルタ等のような部材を設ける必要がない。従って、上記の構成によれば、より低い製造コストで、より検出感度の高いS/N比に優れた蛍光検出装置を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る蛍光検出装置では、上記マイクロチャネル及び上記受光素子の受光部は、半導体材料からなる層が少なくとも2層積層されてなる積層体における同一層内に形成されているとともに、上記マイクロチャネルは、上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層と隣接する下層の表面に到達する深さに形成されており、かつ、上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層と隣接する下層は、上記マイクロチャネルを透過した励起光によって、上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層よりも下層で生成された正孔及び電子が、上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層に拡散することを防止する拡散防止層であることが好ましい。
上記の構成によれば、上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層(以下、第1層と記す)と隣接する下層(以下、第2層と記す)が、拡散防止層であることで、励起光及び蛍光によって第2層で生じる正孔及び電子は、第1層には拡散しない。よって、上記受光素子の受光部は、第1層よりも下層で生じる正孔及び電子、特に上記検体によって吸収されなかった励起光によって第1層よりも下層で生じる正孔及び電子を検出しないため、より一層高感度でS/N比に優れた蛍光検出装置を提供することができる。
上記拡散防止層は、例えば、比抵抗が0.0001Ω・cm以上、0.01Ω・cm以下の高濃度不純物層であることが好ましい。
上記構成によれば、拡散防止層で生じる正孔及び電子は、拡散防止層における不純物散乱が大きいため、すぐに再結合してしまう。よって、上記構成によれば、上記第一層よりも下層で生成された正孔及び電子が上記第一層に移動することを容易に防止することができるという効果を奏する。
また、上記拡散防止層は、酸化膜であることが好ましい。
上記拡散防止層が酸化膜であることにより、上記拡散防止層よりも下の層に到達する蛍光及び励起光によって発生する正孔及び電子は、上記拡散防止層によって第1層とは電気的に完全に分離される。このため、第1層よりも下層で発生する正孔及び電子は、最終的には第1層に到達することなく再結合してしまう。よって、上記構成によれば、上記第一層よりも下層で生成された正孔及び電子が上記第一層に移動することを容易に防止することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る蛍光検出装置では、上記受光素子はフォトダイオードであり、上記マイクロチャネルとフォトダイオードの受光部とが同じ半導体材料を用いて形成されていることが好ましい。
上記マイクロチャネルとフォトダイオードの受光部とが同じ半導体材料を用いて形成されていることにより、特殊な工程を行うことなく、一般的なCMOSプロセスによって蛍光検出装置を製造することができる。これにより、より製造コストを抑制することができるというさらなる効果を奏する。
また、本発明に係る蛍光検出装置では、上記受光素子はフォトダイオードであり、上記マイクロチャネル及び上記フォトダイオードの受光部は、nシリコン層上に形成されたnシリコン層に形成されているとともに、上記マイクロチャネルは、上記nシリコン層の表面に到達する深さに形成されていることが好ましい。
これにより、nシリコン層に到達する上記検体からの蛍光は、nシリコン層で正孔及び電子を生じさせる。しかしながら、nシリコン層の不純物濃度が高く、不純物散乱が大きいため、nシリコン層で生じる正孔及び電子はすぐに再結合してしまう。このため、フォトダイオードは、上記nシリコン層で生じる正孔及び電子は検出せず、上記検体から等方的に放射された蛍光によって、上記nシリコン層で生じた正孔及び電子のみを検出する。従って、上記構成によれば、より一層高感度でS/N比に優れた蛍光検出装置を提供することができるという効果を奏する。
また、上記nシリコン層の比抵抗は100Ω・cm以上、2000Ω・cm以下であることが好ましい。
上記構成によれば、フォトダイオードに電圧を印加することによって、nシリコン層がnシリコン層表面まで空乏化する。よって、上記構成によれば、上記フォトダイオードの受光部を拡大することができ、上記受光部における光の感度がより高くなると共に、フォトダイオードの接合容量を低減化することができる。従って、より光電流の検出の高速化を図ることができるというさらなる効果を奏する。
また、本発明に係る蛍光検出装置では、上記受光素子はフォトダイオードであり、上記マイクロチャネル及び上記フォトダイオードの受光部は、シリコン層上に、埋め込み酸化膜、表面シリコン層がこの順に積層されたSOI基板における上記表面シリコン層に形成されているとともに、上記マイクロチャネルは、上記埋め込み酸化膜の表面に到達する深さに形成されていることが好ましい。
上記埋め込み酸化膜を経て下層のシリコン層に到達する励起光及び蛍光は、シリコン層で正孔及び電子を生じさせる。しかしながら、シリコン層は、埋め込み酸化膜によってフォトダイオードが形成されている表面シリコン層とは電気的に完全に分離されている。このため、シリコン層で生じた正孔及び電子は、最終的にはシリコン層中で再結合してしまう。このため、フォトダイオードは、上記シリコン層で生じる正孔及び電子は検出せず、上記検体から等方的に放射された蛍光によって、上記表面シリコン層で生じた正孔及び電子のみを検出する。従って、上記構成によれば、より一層高感度でS/N比に優れた蛍光検出装置を提供することができるという効果を奏する。
また、上記表面シリコン層の比抵抗が100Ω・cm以上、2000Ω・cm以下であることが好ましい。
上記構成によれば、フォトダイオードに電圧を印加することによって、表面シリコン層が埋め込み酸化膜表面まで空乏化する。よって、上記構成によれば、上記フォトダイオードの受光部を拡大することができ、上記受光部における光の感度がより高くなると共に、フォトダイオードの接合容量を低減化することができる。従って、より光電流の検出の高速化を図ることができるというさらなる効果を奏する。
また、本発明に係る蛍光検出装置では、上記受光素子はフォトダイオードであり、上記フォトダイオードは、上記フォトダイオードに電圧を印加することによって生じる空乏層と、上記マイクロチャネルとの間の距離が0.3μm以下となるように設置されていることが好ましい。
青色の波長範囲の蛍光は、シリコンにおける吸光係数が大きいため、シリコン表面から0.3μm以内で殆ど吸収されてしまう。上記構成では、フォトダイオードに電圧を印加することによって生じる空乏層とマイクロチャネルとの距離が0.3μm以下であるため、フォトダイオードで青色の蛍光を検出することができる。よって、より広い波長範囲の蛍光を検出することができるというさらなる効果を奏する。
また、本発明に係る蛍光検出装置では、上記マイクロチャネルと上記受光素子の受光部との間には絶縁膜が設けられているとともに、上記受光素子は、上記受光部が上記絶縁膜を介して上記マイクロチャネルと隣接するように設置されていることが好ましい。
上記受光素子は、上記受光部が上記絶縁膜を介して上記マイクロチャネルと隣接するように設置されているため、上記受光部は上記マイクロチャネル中の検体からの蛍光を感度良く検出することができる。つまり、受光部とマイクロチャネルとの間には、絶縁膜しか存在しないため、検体からの蛍光が他の部材によって強度を弱められることなく受光部に到達する。従って、より検出感度の高い蛍光検出装置を提供することができるというさらなる効果を奏する。
本発明に係る蛍光検出システムは、上記課題を解決するために、本発明に係る上記蛍光検出装置を備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、蛍光検出システムは本発明に係る上記蛍光検出装置を備えていることで、従来よりも蛍光の検出限界が高く、高感度の蛍光検出システムを提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る蛍光検出装置は、以上のように、検体を含む流体の通液路をなすマイクロチャネルと、上記検体に励起光を照射することにより上記検体から出射される蛍光を検出する受光素子とを備えた蛍光検出装置において、上記受光素子の受光部が、上記マイクロチャネルと同一平面に設けられている受光素子が、光源から出射される光の光軸方向と直交する方向に備えられている。これにより、上記受光素子の受光部には、励起光が入射せず、検体から等方的に放射される蛍光のみが入射する。従って、従来よりも蛍光の検出感度が高く、高感度の蛍光検出装置を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る蛍光検出装置は、検体を含む流体の通液路をなすマイクロチャネルと、上記検体に、上記マイクロチャネルの上方から励起光を照射することにより上記検体から出射される蛍光を検出する受光素子とを備えた蛍光検出装置において、上記受光素子の受光部が、上記マイクロチャネルに対し、上記光源から出射される光の光軸方向と直交する方向に備えられている。これにより、上記受光素子の受光部には、励起光が入射せず、検体から等方的に放射される蛍光のみが入射する。従って、従来よりも蛍光の検出感度が高く、高感度の蛍光検出装置を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る蛍光検出システムは、上記蛍光検出装置を備えている。蛍光検出システムは本発明に係る上記蛍光検出装置を備えていることで、従来よりも蛍光の検出限界が高く、高感度の蛍光検出システムを提供することができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、本実施の形態に係る蛍光検出装置の概略構成を示す平面図である。また、図2は、図1に示す蛍光検出装置のA−A線矢視断面図である。また、図3は、図1に示す蛍光検出装置のB−B線矢視断面図である。
蛍光検出装置100は、図2に示すように、n/nシリコン(半導体材料)からなる基板(半導体基板)1と、マイクロチャネル部50と、フォトダイオード部(受光素子、光検出手段(光検出部))40とを備えている。
基板1は、nシリコン層(拡散防止層)2の上にnシリコン層3が積層された構造を有している。本実施の形態では、基板1として、厚さが600μm程度のFZタイプの(100)n/n型シリコン基板を用いた。上記n/nシリコン基板は、通常のシリコンエピタキシャル技術で作製され、一般的に結晶メーカーから供給されている。
シリコン層2は、高濃度の砒素(As)又はリン(P)等のn型不純物を含有するシリコンからなる層である。上記nシリコン層2におけるn型不純物の濃度は、上記nシリコン層2比抵抗が0.0001〜0.01Ωcmの範囲内、より好ましくは0.0001〜0.001Ωcmの範囲内となるように設定されている。また、上記nシリコン層2の層厚は、200〜1000μmの範囲内、より好ましくは400〜700μmの範囲内となるように設定されている。本実施の形態では、上記nシリコン層2として、厚さが500μm程度であり、比抵抗が0.001Ω・cmとなる濃度のn型不純物を含むシリコンからなる層を形成した。
また、nシリコン層3は、低濃度の砒素(As)又はリン(P)等のn型不純物を含有する高純度シリコンからなる層である。上記nシリコン層3におけるn型不純物の濃度は、上記nシリコン層3比抵抗が100〜2000Ω・cmの範囲内、より好ましくは500〜2000Ω・cmの範囲内となるように設定されている。また、上記nシリコン層3の層厚は、10〜100μmの範囲内、より好ましくは20〜70μmの範囲内となるように設定されている。本実施の形態では、上記nシリコン層3として、厚さが30μm程度であり、比抵抗が1000Ω・cmとなる濃度のn型不純物を含む層を形成した。
マイクロチャネル部50は、図1〜3に示すように、マイクロチャネル4と該マイクロチャネル4の開口部4aを覆う蓋18とで構成されている。
マイクロチャネル4は、検体を含む流体を通液するための通液路(液流路)である。図2及び図3に示すように、マイクロチャネル4は、nシリコン層3と同層に形成されている。マイクロチャネル4は、nシリコン層3の表面の一部に凹部を形成することによって設けられている。マイクロチャネル4は、nシリコン層3表面の一部を、例えばエッチング除去することによって容易に形成することができる。上記マイクロチャネル4の幅(短手方向の長さ)は100μm程度、深さはnシリコン層3の厚さと同程度、すなわち10〜100μm程度の大きさとした。また、マイクロチャネル4の流体の流れ方向(流路方向)における長さ(流路長(長手方向の長さ))は、数百μm〜数cm程度とした。つまり、マイクロチャネル4は、縦100μm、横数百μm〜数cmの長方形を底面とし、天面が開口された、高さ10〜100μmの直方体形状を有している。
なお、上記マイクロチャネル4及びnシリコン層3の表面には、耐圧性を高めるために酸化膜(絶縁膜)5が設けられている。酸化膜5は、例えば、nシリコン層3の表面にマイクロチャネル4を形成した後に、nシリコン層3の表面を酸化することにより形成させることができる。酸化膜5の厚さは、電気泳動等によって高電圧駆動させる場合は、絶縁耐圧の観点から1000〜2000nm程度にする必要がある。圧縮空気等による圧力駆動または遠心力駆動の場合は、500〜1000nm程度で十分である。
蓋18は、図1に示すように、nシリコン層3の表面に形成される上記マイクロチャネル4の開口部4aより少しだけ大きい略相似形状(板形状)の底面を有している。蓋18は、光源(図示せず)から出射される光(励起光)をマイクロチャネル4の中を流れる検体に照射させるため、励起光に対して透明(すなわち、励起波長において透明)な材料で形成されている。蓋18に使用される材料としては、石英、ガラス、プラスチック等が挙げられる。
フォトダイオード部40は、nシリコン層3の表面に選択的に形成されたp領域6及びn領域7と、上記p領域6に設けられたp電極8と、上記n領域7に設けられたn電極9とからなる。
フォトダイオード部40は、nシリコン層3の表面にマイクロチャネル4を挟んで、マイクロチャネル4の流体の流れ方向と直交する方向に線対称となるように2ヶ所設けられている。上記p領域6、n領域7は、マイクロチャネル4の流体の流れ方向と直交する方向に、マイクロチャネル4側から外側に向かって順に設けられている。上記フォトダイオード部40では、p領域6とn領域7とに数V〜数十Vの逆バイアスの電圧を印加することでフォトダイオードを形成させている。
領域6には、p領域6に外部電圧を印加させるため、p領域6の表面にフォトリソグラフィ等によって設けられたコンタクトホール35を介してp電極8が接続されている。同様に、n領域7には、n領域7に外部電圧を印加させるため、n領域7の表面にフォトリソグラフィ等によって設けられたコンタクトホール35を介してn電極9が接続されている。
上記フォトダイオード部40は、マイクロチャネル4の横側に絶縁膜を介して、n型半導体領域が存在してカソードとして作用し、n型半導体領域内には、半導体表面からp領域が選択的に拡散されており、アノードとして作用する構造となっている。
領域6は、ホウ素(B)等のp型の不純物を含有したシリコンの層であり、nシリコン層3の一部にp型の不純物を導入することによって形成される。本実施の形態では、p領域6には、表面濃度が2×1018〜1×1020/cm程度のホウ素(B)等のp型の不純物を含有したシリコンの層を用いた。p領域6は、接合深さが0.5μm程度であり、マイクロチャネル4の深さ10〜100μmに比べ、十分に小さい。
領域7は、砒素(As)又はリン(P)等のn型不純物を含有するシリコンの層であり、nシリコン層3の一部にn型の不純物を導入することによって形成される。本実施の形態では、n領域7には、接合深さが1〜2μm程度であり、表面濃度が1×1019〜1×1021/cm程度の砒素(As)又はリン(P)等のn型不純物を含有するシリコンの層を用いた。n領域7は、フォトダイオードの寄生抵抗を減らすためにp領域6を、マイクロチャネル4側の面以外の三つの方向から囲むようにコの字の形状に設けられている。また、上記p電極8、n電極9は、p領域6、n領域7の表面の酸化膜5に設けられたコンタクトホール35を介して、上記p領域6、n領域7と各々電気的に接続されている。これにより、p領域6、n領域7に上記p電極8、n電極9を介して、各々外部電圧が印加される。上記コンタクトホール35は、例えば、フォトリソグラフィ等によって、容易に形成することができる。
上記p領域6とn領域7との間の距離L2は、nシリコン層3の不純物濃度、フォトダイオード部40で検出する蛍光波長、及びフォトダイオード部40に外部から印加される電圧によって最適に設計される。具体的には、nシリコン層3の不純物濃度が高くなると空乏層の広がりが小さくなるため、L2の設計値は小さくてよい。また、フォトダイオード部40で検出する蛍光波長が短くなると、シリコン中での吸収が大きくなり、マイクロチャネル4の側壁4bの近傍でのみ正孔・電子対が発生するためL2は小さくてよい。また、フォトダイオード部40に外部から印加される電圧が高くなると、空乏層がより広がるためL2を大きく設定する必要がある。よって、p領域6とn領域7との間の距離L2は、例えば、前述したように、nシリコン層3に比抵抗が1000Ω・cmであるnシリコンを使用した場合では、外部電圧が数V〜100Vであり、フォトダイオードで検出する蛍光波長が赤色光(630〜670nm)である場合は、10μm程度が適当である。
また、p領域6とマイクロチャネル4との間の最短の距離L1は、フォトダイオード部40で検出する蛍光波長によって最適に設計される。具体的には、フォトダイオードで検出する蛍光波長が赤色〜近赤外領域(630〜900nm)であると、該蛍光のnシリコン層3における吸光係数が小さいため、距離L1は数μm程度で十分である。一方、フォトダイオード部40で検出する蛍光波長が青色領域(400〜450nm)であると、該蛍光のnシリコン層3における吸光係数が大きいため、この場合には、上記フォトダイオードの受光部、すなわち、上記フォトダイオードの動作時に生じる空乏層12(図4参照)とマイクロチャネル4との間の距離(空乏層とマイクロチャネルとの距離)L3(図4参照)が0.3μm以下となるように、距離L1をできるだけ短くすることが望ましい。好適には、距離L1は、マスク合わせ精度の限界である0.5μm程度まで短くすることが望ましい。
この理由は以下の通りである。
光が、光吸収係数αの材料に入射される場合、該材料の深さdにおいて光電変換されるキャリア生成率gは、以下の式により決定される。
g=γ・Φ・αexp(−α・d)
ここで、γは量子収率であり、Φは光束密度である。この式より、蛍光波長が青色の短波長領域では、該蛍光のnシリコン層3における吸光係数が大きいため、上記nシリコン層3におけるマイクロチャネル4の近傍でキャリアが多く発生することがわかる。よって、距離L1はできるだけ小さく設計することが好ましい。また、赤色〜近赤外領域の長波長領域では、該蛍光のnシリコン層3における吸光係数が小さいため、マイクロチャネル4の壁面から10〜100μm離れた距離においてもキャリアが多く発生する。よって、上記検体の蛍光検出を長波長領域にて行う場合、距離L1を数μmに設計しても問題はない。
上記のように、フォトダイオード部40においてp/n/nの構造が形成され、p電極8とn電極9との間に数V〜数十Vの逆バイアスの電圧が印加されることによりフォトダイオード部40はフォトダイオードとして作用する。この場合、nシリコン層3の比抵抗が十分に高い場合(数百Ω・cm以上、具体的には500Ω・cm以上、2000Ω・cm以下)、またはnシリコン層3の厚さが薄い場合(30μm以下)には、空乏層(受光部)12(図4)がnシリコン層2の表面まで到達する。上記構成によれば、フォトダイオード部40に電圧を印加することによって、nシリコン層3がnシリコン層2表面まで空乏化する。よって、上記構成によれば、上記フォトダイオード部40の受光部を拡大することができ、上記受光部における光の感度がより高くなると共に、フォトダイオード部40の接合容量を低減化することができる。従って、より光電流の検出の高速化を図ることができる。尚、本実施の形態においては、nシリコン層2の表面まで空乏層が広がっていることが好ましいが、本実施の形態はこれに限定されず、nシリコン層2の表面まで全て空乏化している必要はない。
以下に、図4を用いて蛍光検出装置100におけるフォトダイオード部40の動作について説明する。
図4は、蛍光検出装置100のフォトダイオード部40の動作時における図1に示すB−B線の矢視断面図である。
図4に示すように、光源10は、マイクロチャネル4に向けて励起光11を出射することができるように配置されている。光源10は、励起光11の光軸が、マイクロチャネル4の流路方向と直交する方向となるように設置されている。以下の説明では、上記マイクロチャネル4に、その上方から単波長のレーザあるいはLEDからなる光源10を用いて、マイクロチャネル4に光を平行に照射する場合を例に挙げて、上記p電極8とn電極9との間に、外部電源により逆バイアスを印加した時の上記フォトダイオードの動作原理について説明する。
電極8とn電極9との間には、逆バイアスの電圧が印加されているので、nシリコン層3におけるp領域6とn領域7との間には空乏層12が形成されている。マイクロチャネル4には、DNA等の核酸やタンパク等の高分子化合物を蛍光色素等で化学修飾させた検体13を含む流体が充填されている。
光源10から出射される励起光11は、蓋18を通ってマイクロチャネル4中の検体13に照射される。この励起光11によって、検体13における蛍光色素等が励起する。励起された検体13は、励起光よりも波長を長波長側にシフトした蛍光14を等方的に放射する。nシリコン層3の方向に放射された蛍光14は、空乏層12内で正孔・電子対15を発生させる。空乏層12の電界により、正孔・電子対15における正孔30は負電圧にバイアスされたp領域6にドリフトで流入し、正孔・電子対15における電子31は正電圧にバイアスされたn領域7にドリフトで流入する。これら正孔30及び電子31の流れを光電流として検出することで、フォトダイオード部40は動作する。
シリコン層3における空乏層12が形成されていない領域で発生した正孔・電子対15は、その一部が再結合により消滅する。しかしながら、上記正孔・電子対15はキャリア寿命が長いため、正孔・電子対15における正孔30の大部分は空乏層12まで拡散し、空乏層12中でドリフトにより負電圧にバイアスされたp領域6に流入する。同様に、正孔・電子対15における電子31はドリフトにより正電圧にバイアスされたn領域7に流入する。これにより、大部分の正孔・電子対15は光電流に寄与し、フォトダイオード部40で検出される。
また、nシリコン層2においても、放射される蛍光14並びに励起光11によって、正孔・電子対15が発生する。nシリコン層2は、nシリコン層3とは異なり、高濃度の不純物を含有するシリコンからなる層であるため、不純物散乱の程度が大きい。このため、正孔・電子対15は、再結合速度が高く、キャリア寿命が極端に短い。よって、nシリコン層2で発生する殆ど全ての正孔・電子対15は、nシリコン層2中ですぐに再結合する。また、nシリコン層2で発生した正孔・電子対15が空乏層12にまで拡散することはない。このため、nシリコン層2で発生する正孔・電子対15は、光電流には寄与せず、フォトダイオード部40では検出されない。
このように、本発明におけるフォトダイオード部40では、nシリコン層3に放射する蛍光14のみがフォトダイオード出力として検出される。一方、励起光11のnシリコン層2に向かって放射する蛍光14は、フォトダイオード出力として検出されない。
言い換えれば、本発明に係る蛍光検出装置100では、フォトダイオード部40を励起光11の光路に対して直交する方向に配置することにより、励起光11の影響を無視させている。このため、フォトダイオード部40は、マイクロチャネル4の下側ではなくマイクロチャネル4の側壁4bに隣接する横側に設置される。フォトダイオード部40は、励起光11の光路にほば直交する方向に設置されるため、励起光11の影響を受けることなく、等方的にマイクロチャネル4から放射される蛍光14のみを検出することができる。よって、マイクロチャネル4のnシリコン層2側の方向に放射される蛍光14並びに励起光11によって発生するバックグラウンドノイズを抑制することができ、検出限界を向上させることができる。従って、蛍光検出装置100は、高感度であり、S/N比に優れた検出を行うことができる。
また、従来のフォトダイオードでは検出することが困難であった波長が青色のような短波長の蛍光14である場合でも、蛍光検出装置100では蛍光14を検出することができる。
図5は従来の蛍光検出装置におけるフォトダイオードの概略構成を示す断面図である。青色のような短波長の光(青色蛍光)は、400nm程度の波長の光であり、シリコン中での吸光係数が大きいためにシリコン表面から0.3μm以内で殆ど吸収される。しかしながら、図5に示すように、マイクロチャネル(図示せず)の下にフォトダイオードが形成されている従来の蛍光検出装置では、マイクロチャネルの下に設けられた酸化膜5と、その下に設けられたフォトダイオードによって形成される空乏層12との間にp領域6が存在する。p領域6は、前記したように、nシリコン層3にp型の不純物を導入してなるシリコン層であり、例えば、深さ(接合深さ)0.5μm程度に形成されている。このため、マイクロチャネルにおいて検体13から空乏層12に向かって放射された青色蛍光24は、その大部分が、p領域6で吸収され、空乏層12には届かない。p領域6で吸収された青色蛍光24は、p領域6内で正孔・電子対15を生成する。p領域6で生成された正孔・電子対15は、不純物散乱により、キャリア寿命が短く、p領域6中で再結合し、上記フォトダイオードでは検出できない。
なお、p領域6の青色蛍光24の光軸方向における幅(深さ)を0.3μm以下にすれば、青色蛍光24を検出することができる。しかしながら、通常のボロンイオン注入法またはアニール熱処理等を用いた技術では、p領域6の深さを0.3μm以下にすることは困難である。
これに対し本発明の実施の形態に係る蛍光検出装置100では、図4に示したように、酸化膜5に隣接して空乏層12が形成される構成となっている。このため、青色のような短波長の蛍光14(青色蛍光24)であっても検出することができる。
上述したように、蛍光検出装置100は、干渉フィルタ等のような光源10からの光を遮るための部材をフォトダイオードと光源10との間に設ける必要がない。よって、本実施の形態によれば特殊な工程を行うことなく、一般的なCMOSプロセスによって蛍光検出装置100を製造することができる。
具体的には、基板1にエッチングによりマイクロチャネル4を形成させた後、イオン注入方等によって不純物をnシリコン層3の表面に注入することでp領域6及びn領域7を作製する。そして、p領域6、n領域7にそれぞれp電極8、n電極9を設けた後、nシリコン層3の表面上に、酸化膜5を気相成長(CVD)により形成する。最後に、適当な接着剤を用いてマイクロチャネル4の開口部4aの上部に蓋13を貼り付けることにより、蛍光検出装置100を製造することができる。
また、基板1におけるnシリコン層3は、比抵抗が100Ω・cm以上である、不純物濃度が低いものであることがより好ましい。これにより、フォトダイオード部40の動作時に空乏層12が、nシリコン層2の表面に達するまで広がり、フォトダイオード形成領域におけるnシリコン層3の全てを空乏層化する。よって、上記構成によれば、フォトダイオード部40に電圧を印加することによって、nシリコン層3がnシリコン層2表面まで空乏化する。よって、上記構成によれば、上記フォトダイオード部40の空乏層12を拡大することができ、上記空乏層12における光の感度がより高くなると共に、フォトダイオード部40の接合容量を低減化することができる。従って、より光電流の検出の高速化を図ることができる。
以上のように、上記蛍光検出装置100によれば、光源10の光軸方向にはフォトダイオード部40が配置されていないため、フォトダイオードには光源からの励起光11そのものは混入しない。よって、励起光11によって発生するノイズを抑制することができ、検出限界を向上させることができる。従って、本実施の形態によれば、より低コストで製造することができ、より検出感度の高いS/N比に優れた蛍光検出装置を実現することができる。また、上記蛍光検出装置100におけるフォトダイオード部40では、上気したように、光源10からの励起光11は入射されず、検体13からの蛍光14のみが入射するため、干渉フィルタ等のような光源10からの励起光11を遮るための部材をフォトダイオード部40と光源10との間に必須に設ける必要はない。よって、特殊な工程を行うことなく、一般的なCMOSプロセスによって蛍光検出装置を製造することができる。よって、本実施の形態によれば、上記蛍光検出装置100を低コストにて製造することができる。また、本実施の形態によれば、上記マイクロチャネル4は、上記マイクロチャネル4及び空乏層12が形成されている層と隣接する下層の表面に到達する深さに形成されており、かつ、上記マイクロチャネル4及び空乏層12が形成されている層と隣接する下層は、上記マイクロチャネル4を透過した励起光11によって、上記マイクロチャネル4及び空乏層12が形成されている層よりも下層で生成された正孔30及び電子31が、上記マイクロチャネル4及び空乏層12が形成されている層に拡散することを防止する拡散防止層として、nシリコン層2が設けられていることで、励起光11及び蛍光14によってnシリコン層2で生じる正孔30及び電子31は、nシリコン層3には拡散しない。よって、上記フォトダイオード部40の空乏層12は、nシリコン層3よりも下層で生じる正孔30及び電子31、特に上記検体13によって吸収されなかった励起光11によってnシリコン層3よりも下層で生じる正孔30及び電子31を検出しないため、より一層高感度でS/N比に優れた蛍光検出装置を提供することができる。
次に、本発明の蛍光検出装置100を用いたマイクロシステムについて図6を用いて以下に説明する。
図6は、本実施の形態に係る蛍光検出システムの概略構成を示すブロック図である。
図6に示すように、蛍光検出システム110は、蛍光検出装置100に、駆動部101と解析部102とが備えられた構成を有している。また、上記蛍光検出装置100は、さらに、光源103が設けられている構成を有している。
光源103は、蛍光検出装置100におけるマイクロチャネル4(図2参照)に励起光104を出射して、検体に蛍光を発生させる。駆動部101は、外部の電源105と接続されており、蛍光検出装置100を駆動して、マイクロチャネル4中で検体13を電気泳動、あるいは遠心分離することにより、検体13を分離または混合したり、これら検体13に圧力を印加することで、上記検体13の検出感度を増幅する構成となっている。解析部102は、蛍光検出装置100におけるフォトダイオード部40(図2参照)が検出した検体13の蛍光由来の光電流を受信して、該光電流に基づいて測定データを解析する。
以上のように、本実施の形態に係る蛍光検出システム110は、蛍光検出装置100を備えていることで、従来よりも蛍光の検出限界が高く、高感度の蛍光検出システムを提供することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の第2の実施の形態について、図7〜図10を用いて以下に詳細に説明する。但し、上述した実施の形態1における部材と同一の部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図7は、本実施の形態に係る蛍光検出装置の概略構成を示す平面図である。また、図8は、図7に示す蛍光検出装置のC−C線矢視断面図である。また、図9は、図7に示す蛍光検出装置のD−D線矢視断面図である。
本実施の形態に係る蛍光検出装置200は、実施の形態1に記載の蛍光検出装置100において、基板(半導体基板)としてn/nシリコンからなる基板1を使用する代わりに、いわゆるSOI(Silicon on Insulator)基板19を使用したこと以外は、蛍光検出装置100と同様の構成を有している。
SOI基板19は、シリコン基板20の上に、埋め込み酸化膜(拡散防止層)21、nシリコン層(表面シリコン層)3がこの順番に積層された構造を有している。本実施の形態では、厚さが600μm程度であり、酸素の高エネルギーイオン注入を利用したSIMOX(Silicon Implanted Oxide)基板または貼り合わせ法による貼り合わせ基板を用いた。上記SOI基板は、結晶メーカから供給されている。
シリコン基板20は、シリコンからなる層であり、n、pの不純物のタイプ及び不純物の濃度は限定されない。上記シリコン基板20の層厚は、200〜1000μmの範囲内、より好ましくは400〜700μmの範囲内となるように設定されている。本実施の形態では、シリコン基板20には、厚さが500μm程度のシリコン基板を用いた。
埋め込み酸化膜21は、酸化物からなる層であり、シリコン基板20の上に形成されている。上記埋め込み酸化膜21の層厚は、0.3〜10μmの範囲内、より好ましくは0.5〜2μmの範囲内となるように設定されている。本実施の形態では、上記埋め込み酸化膜21として、厚さが1μm程度のシリコン酸化物からなる層を形成した。
シリコン層3は、低濃度の砒素(As)又はリン(P)等のn型不純物を含有する高純度シリコンからなる層である。上記nシリコン層3におけるn型不純物の濃度は、上記nシリコン層3比抵抗が100〜2000Ω・cmの範囲内、より好ましくは500〜2000Ω・cmの範囲内となるように設定されている。また、上記nシリコン層3の層厚は、10〜100μmの範囲内、より好ましくは20〜50μmの範囲内となるように設定されている。本実施の形態では、上記nシリコン層3として、厚さが30μm程度であり、比抵抗が1000Ω・cmとなる濃度のn型不純物を含むFZ高純度シリコンからなる層を形成した。
図8に示すように、蛍光検出装置200では、フォトダイオード部40及びマイクロチャネル部50が形成されているnシリコン層3の構成は、実施の形態1の蛍光検出装置100と全く同じである。但し、蛍光検出装置200では、蛍光検出装置100におけるnシリコン層2が、シリコン基板20及び埋め込み酸化膜21に置き換わった構成となっている。よって、蛍光検出装置200におけるフォトダイオード部40及びマイクロチャネル部50の構成の説明は省略する。
以下に、図10を用いて蛍光検出装置200におけるフォトダイオード部40の動作について説明する。
図10は、蛍光検出装置200のフォトダイオード部40の動作時における図7に示す蛍光検出装置200のB−B線の矢視断面図である。
図10に示すように、光源10は、マイクロチャネル4に向けて励起光11を出射することができるように配置されている。光源10は、励起光11の光軸が、マイクロチャネル4の流路方向と直交する方向となるように設置されている。以下の説明では、上記マイクロチャネル4に、その上方から単波長のレーザあるいはLEDからなる光源10を用いて、マイクロチャネル4に光を平行に照射する場合を例に挙げて、上記p電極8とn電極9との間に、外部電源により逆バイアスを印加した時の上記フォトダイオードの動作原理について説明する。
電極8とn電極9との間には、逆バイアスの電圧が印加されているため、nシリコン層3におけるp領域6とn領域7との間に空乏層12が形成される。上記構造では、p領域6は0.5μm程度に浅く形成されており、マイクロチャネル4の深さ10〜100μmに比べて十分に小さい。このため、フォトダイオード部40に、逆バイアスを印加した動作時に、空乏層12はnシリコン層3に大きく広がっている。
マイクロチャネル4には、DNA等の核酸やタンパク等の高分子化合物を蛍光色素等で化学修飾させた検体13を含む流体が充填されている。
光源10から出射される励起光11は、蓋18を通ってマイクロチャネル4中の検体13に照射される。励起光11によって、検体13における蛍光色素等が励起し、励起光よりも波長を長波長側にシフトした蛍光14を等方的に放射する。nシリコン層3の方向に放射された蛍光14は、空乏層12内で正孔・電子対15を発生させる。空乏層12の電界により、正孔・電子対15における正孔30は負電圧にバイアスされたp領域6にドリフトで流入し、正孔・電子対15における電子31は正電圧にバイアスされたn領域7にドリフトで流入する。これら正孔30及び電子31の流れを光電流として検出することで、フォトダイオード部40は動作する。
シリコン層3における空乏層12が形成されていない領域で発生した正孔・電子対15は、その一部が再結合により消滅する。しかしながら、上記正孔・電子対15はキャリア寿命が長いため、正孔・電子対15における正孔30の大部分は空乏層12まで拡散し、空乏層12中でドリフトにより負電圧にバイアスされたp領域6に流入する。同様に、正孔・電子対15における電子31の大部分は空乏層12まで拡散し、空乏層12中でドリフトにより正電圧にバイアスされたn領域7に流入する。これにより、大部分の正孔・電子対15は光電流に寄与し、フォトダイオード部40で検出される。
また、埋め込み酸化膜21に向かって放射される蛍光14並びに励起光11は、埋め込み酸化膜21を透過し、シリコン基板20で吸収されて正孔・電子対15を発生させる。しかしながら、シリコン基板20で発生した正孔・電子対15は、埋め込み酸化膜21によって、nシリコン層3とは空間的及び電気的に完全に分離されている。このため、正孔・電子対15は、nシリコン層3に到達することなく、シリコン基板20に留まり、最終的には再結合する。よって、シリコン基板20で発生する殆ど全ての正孔・電子対15は、シリコン基板20中で再結合するため、光電流には寄与せず、フォトダイオード部40では検出されない。
このように、本実施の形態におけるフォトダイオード部40では、nシリコン層3に放射する蛍光14のみがフォトダイオード出力として検出される。一方、励起光11のシリコン基板20へ向かって放射する蛍光14は、フォトダイオード出力として検出されない。
言い換えれば、本実施の形態に係る蛍光検出装置200では、フォトダイオード部40を励起光11の光路に対して直交する方向に配置することにより、励起光11の影響を無視させている。このため、フォトダイオード部40は、マイクロチャネル4の下側ではなくマイクロチャネル4の側壁4bに隣接する横側に設置される。フォトダイオード部40は、励起光11の光路にほば直交する方向に設置されるため、励起光11の影響を受けることなく、等方的にマイクロチャネル4から放射される蛍光14のみを検出することができる。よって、マイクロチャネル4のnシリコン層2側の方向に放射される蛍光14並びに励起光11によって発生するバックグラウンドノイズを抑制することができ、検出限界を向上させることができる。従って、蛍光検出装置200は、高感度であり、S/N比に優れた検出を行うことができる。
さらには、上記の構成とすることにより、干渉フィルタ等のような光源10からの励起光11を遮るための部材をフォトダイオード部40と光源10との間に設ける必要がない。よって、特殊な工程を行うことなく、一般的なCMOSプロセスによって蛍光検出装置200を製造することができる。従って、より低コストで蛍光検出装置200を製造することができる。
また、本実施の形態に係る蛍光検出装置200では、蛍光検出装置100と同様に、蛍光14が従来のフォトダイオードでは検出することが困難であった波長が青色のような短波長の蛍光14(青色蛍光24)である場合でも、蛍光検出装置200によれば該蛍光14を検出することができる。
また、蛍光検出装置200では、蛍光検出装置100と同様に、マイクロチャネル4の光軸方向における幅(深さ)は、nシリコン層3の光軸方向における幅(深さ)と略等しいことがより好ましい。これにより、本実施の形態によれば、マイクロチャネル4の深さのバラツキを低減することにより、検体13を含む流体を精度良く移動させることができるため、より高精度の分析を行うことができる蛍光検出装置200を提供することができる。
また、SOI基板19におけるnシリコン層3は、比抵抗が100Ω・cm以上である、不純物濃度が低いものであることがより好ましい。これにより、フォトダイオード部40の動作時に空乏層12が、埋め込み酸化膜21の表面に達するまで広がり、フォトダイオード形成領域におけるnシリコン層3の全てを空乏層化する。よって、上記構成によれば、フォトダイオード部40に電圧を印加することによって、nシリコン層3が埋め込み酸化膜21表面まで空乏化する。よって、上記構成によれば、上記フォトダイオード部40の空乏層12を拡大することができ、上記空乏層12における光の感度がより高くなると共に、フォトダイオード部40の接合容量を低減化することができる。従って、より光電流の検出の高速化を図ることができる。
本実施の形態に係る蛍光検出装置200を用いた蛍光検出システムにおいて、蛍光検出装置100に代えて、蛍光検出装置200を用いた以外は、実施の形態1に記載の蛍光検出システム110と同じであるため、その説明は省略する。
以上のように、本発明の蛍光検出装置は、検体を含む流体の通液路をなすマイクロチャネルと、上記検体に励起光を照射することにより上記検体から出射される蛍光を検出する受光素子とを備えた蛍光検出装置において、上記受光素子の受光部が、上記マイクロチャネルと同一平面に設けられている。また、本発明の蛍光検出装置は、検体を含む流体の通液路をなすマイクロチャネルと、上記検体に、上記マイクロチャネルの上方から励起光を照射することにより上記検体から出射される蛍光を検出する受光素子とを備えた蛍光検出装置において、上記受光素子の受光部が、上記マイクロチャネルに対し、上記光源から出射される光の光軸方向と直交する方向に備えられていてもよい。また、本発明に係る蛍光検出装置では、上記マイクロチャネル及び上記受光素子の受光部は、半導体材料からなる層が少なくとも2層積層されてなる積層体における同一層内に形成されているとともに、上記マイクロチャネルは、上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層と隣接する下層の表面に到達する深さに形成されており、かつ、上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層と隣接する下層は、上記マイクロチャネルを透過した励起光によって、上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層よりも下層で生成された正孔及び電子が、上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層に拡散することを防止する拡散防止層であることが好ましい。これにより、上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層(以下、第1層と記す)と隣接する下層(以下、第2層と記す)が、拡散防止層であることで、励起光及び蛍光によって第2層で生じる正孔及び電子は、第1層には拡散しない。よって、上記受光素子の受光部は、第1層よりも下層で生じる正孔及び電子、特に上記検体によって吸収されなかった励起光によって第1層よりも下層で生じる正孔及び電子を検出しないため、より一層高感度でS/N比に優れた蛍光検出装置を提供することができる。尚、上記実施の形態では、上記蛍光検出装置として、上記拡散防止層の比抵抗が0.0001Ω・cm以上、0.01Ω・cm以下の高濃度不純物層である場合、及び上記拡散防止層が酸化膜である場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、検体を含む流体の通液路をなすマイクロチャネルと、上記検体に励起光を照射することにより上記検体から出射される蛍光を検出する受光素子とを備えた蛍光検出装置において、上記受光素子の受光部が、上記マイクロチャネルと同一平面に設けられているのであれば、特に限定されるものではない。
また、上記蛍光検出装置はマイクロチャネルの下層に、励起光がマイクロチャネルの下層に入射されないようにする干渉フィルタを備えている構成としてもよい。この場合には、マイクロチャネルの下層で正孔及び電子が発生しないので、検出感度をより高めることができる。また、本発明にかかる蛍光検出装置では、例えば、半導体材料を用いた液通路を形成するマイクロチャネル4において、その上方から平行に入射される励起光11に対して酸化膜5を介してマイクロチャネル4と直交する方向に該半導体材料を用いたフォトダイオードが形成されている構成を有しいてもよい。
上記半導体材料はn/nシリコンであることが好ましい。
また、上記マイクロチャネルの深さはnシリコン層の厚みと同等であることが好ましい。
また、上記フォトダイオードの動作時にnシリコン層が空乏化して、上記空乏化した領域が、nシリコン層の表面まで達することが好ましい。
また、本発明の蛍光検出装置は、SOIを用いた液通路を形成するマイクロチャネルにおいて、その上方から平行に入射される励起光に対して絶縁膜を介してマイクロチャネルと直交する方向に該SOIを用いたフォトダイオードが形成されている構成を有していてもよい。
この場合、上記マイクロチャネルの深さはSOIの表面シリコン層の厚みと同程度であることが好ましい。
また、上記フォトダイオードの動作時にn層が空乏化して、上記空乏化した領域が、埋め込み酸化膜表面まで達することが好ましい。
なお、上述の説明では、蛍光検出装置を構成する材料として、シリコン基板及びSOI基板を用いた場合について説明したが、これに限るものではない。上記材料としては、他の半導体材料であってもよい。
なお、上述の説明では、シリコン基板及びSOI基板の表面層としてn型シリコンを用いた場合について説明したが、これに限るものではない。上記シリコン基板及びSOI基板の表面層は、p型シリコンからなっていてもよい。この場合は、当然ながら他の不純物タイプが全て逆になる。
また、上述の説明では、光源からの励起光をマイクロチャネルの上方より照射する構成を示したが、これに限るものではない。光源からの励起光をマイクロチャネルの下方より照射する構成であってもよい。この場合にも、前記した効果と同様の効果を得ることができる。
また、上述の説明では、受光素子(光検出手段)としてフォトダイオードを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の受光素子を使用することができる。フォトダイオード以外の受光素子としては、例えばフォトトランジスタが挙げられる。この場合にも、前記した効果と同様の効果を得ることができる。
また、上述の説明では、上記フォトダイオード部40が、PNフォトダイオードにより構成されている場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記フォトダイオード部40を構成するフォトダイオードとしては、例えば、アバランシェフォトダイオード、ショットキーダイオード等であってもよい。
なお、上述の各実施形態で示した蛍光検出装置100・200における各々の具体的数値は一例であり、本発明はその値に限定されない。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る蛍光検出装置は、従来よりも低コストで製造することができると共に、より検出感度が高く、S/N比に優れている。よって、マイクロリアクタシステム、電気泳動マイクロシステム、遠心分離マイクロシステム、DNAチップ等の用途に好適に適用できる。
本発明の実施の一形態に係る蛍光検出装置の概略構成を示す平面図である。 図1に示す蛍光検出装置のA−A線の矢視断面図である。 図1に示す蛍光検出装置のB−B線の矢視断面図である。 上記蛍光検出装置のフォトダイオード部の動作時における図1に示すB−B線の矢視断面図である。 従来のフォトダイオードの概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の一形態に係る蛍光検出システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の他の形態に係る蛍光検出装置の平面図である。 図7に示す蛍光検出装置のC−C線の矢視断面図である。 図7に示す蛍光検出装置のD−D線の矢視断面図である。 本発明の実施の他の形態に係る蛍光検出装置のフォトダイオード部の動作時における図7に示すD−D線の矢視断面図である。 従来の蛍光検出装置の概略構成を示す断面図である。
符号の説明
2 nシリコン層(拡散防止層)
3 nシリコン層(表面シリコン層)
4 マイクロチャネル
5 酸化膜(絶縁膜)
6 p領域
7 n領域
8 p電極
9 n電極
10 光源
11 励起光
12 空乏層(受光部)
13 検体
14 蛍光
15 正孔・電子対
19 SOI基板
20 シリコン基板
21 埋め込み酸化膜(拡散防止層)
24 青色蛍光
30 正孔
31 電子
40 フォトダイオード部(受光素子、フォトダイオード)
100 蛍光検出装置
110 蛍光検出システム
200 蛍光検出装置
L3 空乏層とマイクロチャネルとの距離

Claims (13)

  1. 検体を含む流体の通液路をなすマイクロチャネルと、上記検体に励起光を照射することにより上記検体から出射される蛍光を検出する受光素子とを備えた蛍光検出装置において、
    上記受光素子の受光部が、上記マイクロチャネルと同一平面に設けられていることを特徴とする蛍光検出装置。
  2. 検体を含む流体の通液路をなすマイクロチャネルと、上記検体に、上記マイクロチャネルの上方から励起光を照射することにより上記検体から出射される蛍光を検出する受光素子とを備えた蛍光検出装置において、
    上記受光素子の受光部が、上記マイクロチャネルに対し、上記光源から出射される光の光軸方向と直交する方向に備えられていることを特徴とする蛍光検出装置。
  3. 上記マイクロチャネル及び上記受光素子の受光部は、半導体材料からなる層が少なくとも2層積層されてなる積層体における同一層内に形成されているとともに、
    上記マイクロチャネルは、上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層と隣接する下層の表面に到達する深さに形成されており、かつ、
    上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層と隣接する下層は、上記マイクロチャネルを透過した励起光によって、上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層よりも下層で生成された正孔及び電子が、上記マイクロチャネル及び受光部が形成されている層に拡散することを防止する拡散防止層であることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光検出装置。
  4. 上記拡散防止層は、比抵抗が0.0001Ω・cm以上、0.01Ω・cm以下の高濃
    度不純物層であることを特徴とする請求項3に記載の蛍光検出装置。
  5. 上記拡散防止層は、酸化膜であることを特徴とする請求項3に記載の蛍光検出装置。
  6. 上記受光素子はフォトダイオードであり、上記マイクロチャネルとフォトダイオードの受光部とが同じ半導体材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光検出装置。
  7. 上記受光素子はフォトダイオードであり、
    上記マイクロチャネル及び上記フォトダイオードの受光部は、nシリコン層上に形成されたnシリコン層に形成されているとともに、
    上記マイクロチャネルは、上記nシリコン層の表面に到達する深さに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光検出装置。
  8. 上記nシリコン層の比抵抗が100Ω・cm以上、2000Ω・cm以下であることを特徴とする請求項7に記載の蛍光検出装置。
  9. 上記受光素子はフォトダイオードであり、
    上記マイクロチャネル及び上記フォトダイオードの受光部は、シリコン層上に、埋め込み酸化膜、表面シリコン層がこの順に積層されたSOI基板における上記表面シリコン層に形成されているとともに、
    上記マイクロチャネルは、上記埋め込み酸化膜の表面に到達する深さに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光検出装置。
  10. 上記表面シリコン層の比抵抗が100Ω・cm以上、2000Ω・cm以下であることを特徴とする請求項9に記載の蛍光検出装置。
  11. 上記受光素子はフォトダイオードであり、
    上記フォトダイオードは、上記フォトダイオードに電圧を印加することによって生じる空乏層と、上記マイクロチャネルとの間の距離が0.3μm以下となるように設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光検出装置。
  12. 上記マイクロチャネルと上記受光素子の受光部との間には絶縁膜が設けられているとともに、
    上記受光素子は、上記受光部が上記絶縁膜を介して上記マイクロチャネルと隣接するように設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光検出装置。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載の蛍光検出装置を備えていることを特徴とする蛍光検出システム。
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