JP2007068543A - 単純反復配列の増幅 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単純反復配列にオーバーラップまたは直接隣接するその認識ヌクレオチド配列において、またはその近傍において開裂させる制限酵素(ターゲッティング制限酵素という)により生じる末端に適合した一つの末端を有する、二本鎖オリゴヌクレオチドアダプターと、(i)その5’末端における、(a)前記ターゲッティング制限酵素で前記標的DNAを消化し且つ(b)前記二本鎖オリゴヌクレオチドアダプターを前記工程(a)により生じた制限断片の末端にライゲートすることにより生じた制限断片末端の共通配列に適合する配列および(ii)その3’末端における、前記単純反復配列の配列に適合する少なくとも5つのヌクレオチドを含んでなる配列を有する一つのプライマーとを具備するキット。
【選択図】 なし
Description
<序論>
BsmAIは、配列GTCTCn ↓ nnnn ↑を認識する。(TC)n繰り返し(モチーフまたは反復モチーフと称される)のために、この特殊型認識配列GTCTCt ↓ ctct ↑がターゲットされた。この実施例では、実施例2および3のように、認識配列の外側で切断する制限酵素が使用される。これによってオーバーハングが形成され、特異的なアダプター配列を使用することによる連結中の選択が可能となる。ここでは、連結反応中に(TC)nモチーフを選択することを可能とするアダプターが使用される。該方法は、更に図11に説明される。
テンプレート調製物の最初の段階では、DNAを稀少切断制限酵素および高頻度カッターとしてのMseI(T/TAA)によってDNAの制限を行う。反復モチーフをターゲットするためには一般に、両酵素が良く働きまたその後の連結反応にも適する緩衝液を使用する。該DNAは、37℃で最低1時間で制限される。高品質のAFLPフィンガープリンティングを行うためには、DNA断片の殆どは、<500bpとすべきである。 MseI(TTAA)は、殆どの植物および動物種で小さなDNA断片を与える。このように、DNAを、その後のポリメラーゼ・チェイン反応(PCR)で十分増幅できるサイズまで切り整えられる。
0.5 μグラムDNA
5単位BsmAI(稀少カッター、ニューイングランド、バイオラボ)
10mM Tris.HAc pH7.5
10 mM MgAc
50 mM Kac
5 mM DTT
50 ng/μlBSA
全量で40μリットル
制限反応は、BsmAIにとって至適な温度55℃の温度で開始された。1時間後、5単位のMseI(ニューイングランド、バイオラボ)を添加し、インキュベーションを37℃で更に一時間続けた。
3 - TACTCAGGACTCAT - 5
MseIアダプターのデザインおよび使用については、既にヨーロッパ特許出願EP0534858で記載されている。本実施例および次の一連の実施例に使用されるすべての稀少切断アダプターは、EP0534858に記載されるように同一重量モル濃度のオリゴヌクレオチドを使用して調製される。
3 - TCTGACGCATGGGAGA - 5
このBsmAIアダプターは、配列5―AGAGから始まるボトム鎖を含む。このデザインによって、アダプターは、BsmAI断片:5―CTCTのオーバーハングとして存在する4ヌクレオチド(NNNN)の配列の256の起こりうる順列のうちの1つにのみ連結され得る。この配列は、該タイプ(CT)の二つの反復モチーフを含む。
該DNAを修飾した後、テンプレートDNAの調製、二段階の増幅を行ない、単純反復配列モチーフをターゲットした。選択的制限断片増幅反応(AFLP反応とも称される)において、3’伸長部によるAFLPプライマーの選択性は、3選択ヌクレオチド長までは一般的に良好である。より長い伸長部を使用するときは、選択的増幅は連続工程で行うことが好ましい。各工程では、伸長部での3ヌクレオチド以下がテンプレートDNA混合物からのサブセットに対して選択的でなくてはならない。このように、各工程で良好な選択性が保証される。単純反復配列モチーフのターゲテイングには、少なくとも5選択的ヌクレオチドを持つ伸長部を使用することが不可欠である。工程1では、最大数3つの選択的ヌクレオチドが使用される(プレ増幅)。最終増幅では、該伸長部が反復モチーフをターゲットとするのに必要な全5またはそれ以上の選択的ヌクレオチドを含む。この手法を変更して、シークエンス・ゲル上で良好に解像することができる断片数で、フィンガープリンティングを得るために必要な全伸長ヌクレオチド数によっては、任意の工程で、伸長部に使用される選択的ヌクレオチドは少なくてもよい。
30ng 無標識BsmAIプライマー1a
30ng 無標識MseIプライマー2a
0.8 mM dNTPs
1.5 mM MgCl2
50 mM KCl
10 mM Tris-Cl pH=8.3
0.4 U Tag ポリメラーゼ(パーキンエルマー)
PCRの条件は、次の通りである。
30秒94℃変性
30秒65℃アニーリング サイクル1
60秒72℃伸長
低アニーリング (12サイクル)
各サイクルの温度は、0.7℃ サイクル2―13
30秒94℃変性
30秒56℃アニーリング サイクル14―36
60秒72℃伸長
二段階AFLP反応における第二の工程は、AFLP反応は最初の工程と同様のサイクル条件で行う。第一の増幅工程の反応混合物から小部分を取り、第二の増幅工程の出発物質として使用する。この目的のために、第一の増幅生成物は、T0.1E中で20倍に希釈され、各AFLP反応用に5μlが取り出される。第二の増幅ステップのための該反応混合物は下記成分を含む。
5ng 33 P放射性標識BsmAIプライマー1b
30 ng 無標識MseIプライマー2b
0.8mM dNTPs
1.5 mMMgCl2
50mM KCl
10 mM Tris-Cl, pH=8.3
0.4 U Taqポリメラーゼ(パーキンエルマー)
プライマーの標識付けは、記載(ヨーロッパ特許出願EP534857)のように実施された。
工程1 BsmAIプライマー1a: 5-GACTGCGTACCCTCTCTC
このプライマーは、全部で3つの選択的ヌクレオチド(+3とも表記される)を含む。下記プライマーにおいては、伸長部の長さについてのこの短縮表記を使用する。
プライマーの組み合せ1(PC1)
BsmAIプライマー1b:
5 - 33P - GACTGCGTACCCTCTCTCTCT (+6)
MseI プライマー2b: 5 - GATGAGTCCTGAGTAATCT (+3)
プライマーの組み合せ2(PC2)
BsmAIプライマー1b:
5 - 33P - GACTGCGTACCCTCTCTCTCT (+6)
MseI プライマー2b: 5 - GATGAGTCCTGAGTAATCA (+3)
C) 増幅生成物の分析
第二の増幅反応からの放射性標識を施した生成物は、ヨーロッパ特許出願EP0534858に記載の様に分析された。該反応の生成物は、図3に表示される。
制限酵素EarIは、CTCTTCn ↓ nnn ↑ の配列を認識する。(CTT)nモチーフをターゲテングするためには、特殊フォームの認識配列、CTCTTCT ↓ tct ↑ がターゲットされる。この実施例では、実施例1におけるように、その認識部位の外側を切断する制限酵素が使用される。これによって、オーバーハングが産生され、このオーバーハングは、連結の際に、特異的アダプター配列を使用するという選択を可能にする。この方法は、更に図11に説明される。(CTT)nモチーフをターゲテイングする場合、稀少切断酵素、アダプター配列およびプライマー配列に対応する要素は、実施例2では、ここに記載した配列と置き換えられなくてはならない。
本実施例のために、我々は、4つの種のわからない胡椒の育種系からDNAを単離した。DNAは、スチュアートおよびビア(1993)、バイオテクニク 14、748―750に記載のCTAB手法を使用して単離された。DNAsは、酵素EarIによる切断を37℃で行い、DNAがEarIおよびMseIによって共消化された以外は、実施例1に記載されたように制限、修飾された。テンプレートが実施例1に記載のように調製増幅された。これには、EarI制限酵素によって産生された3’- AGAオーバーハングに対する特殊なアダプターが必要とされた。
TCTGACGCATGGAGA - 5
なお、このEarIアダプターは、特に配列5’-TCTにターゲットされるボトム鎖を含む。
続く増幅反応には、下記のプライマーが使用される。
EarI プライマー1a: 5 - GACTGCGTACCTCTTC (+2)
MseI プライマー2a: 5- GATGAGTCCTGAGTAAA (+1)
工程2
EarI プライマー1a: 5 - 33PGACTGCGTACCTCTTCTTC (+5)
MseI プライマー2a: 5- GATGAGTCCTGAGTAAATT (+3)
生成物の増幅が実施例1に記載のように行われた。
増幅生成物の分析は、フジックス(Fujix)BAS2000ホスホアイメージャー(phosphorimager)を使用してゲル像を得る以外は上記記載の通りであった。結果を図4に示す。
制限酵素EarIは、CTCTTC ↓ nnn ↑ の配列を認識する。ターゲテング(CCTT)nモチーフをターゲテイングするため、この認識配列の特殊フォーム、CTCTTTCc ↓ttc↑ がターゲットされる。これは、その認識部位の外側を切断する制限酵素の第3の例である。これによって、オーバーハングが産生され、連結の際に特異的アダプター配列の選択が可能となる。この方法は、更に図11に説明される。稀少切断酵素、アダプター配列およびプライマー配列に対応する図11の要素は、実施例3では、ここに記載した配列と置き換えられなくてはならない。
本実施例では、我々は、ヒトDNAsおよび品種のわからないチキン起源のDNAを分析した。ヒトDNAsは、CEPHから得られ、元々は下記個人に由来する:142403、142303、141303および88403(図5、パネル1、レーン1から4)。チキン血液由来のDNAsは、10μlの凍結血液を使用し、マニアチスら(1982)による記載の手法に従って単離された。チキンのDNAsによって得られたパターンはレーン1から4、パネルIIに表示される。
TCTGACGCATGGAAG - 5
該DNAsの修飾は、実施例2に記載のように行われた。
生成物の増幅は、下記のプライマーを使用して行われた。
EarI プライマー1a: 5 - GACTGCGTACCTTCCT (+2)
MseI プライマー2a: 5- GATGAGTCCTGAGTAAA (+1)
工程2
EarI プライマー1a: 5 - 33PGACTGCGTACCTTCCTTCC (+5)
MseI プライマー2a: 5- GATGAGTCCTGAGTAAATT (+3)
生成物の増幅が実施例1に記載のように行われた。
増幅生成物の分析は、フジックス(Fujix)BAS2000ホスホアイメージャーを使用してゲル像を得る以外は上記記載の通りであった。その結果を図5に示した。
制限酵素DraIは、TTT↓ AAA ↑の配列を認識する。本実施例では、平滑末端断片を生成する稀少切断制限酵素が使用される。この方法は、図1に一般的に説明される。(TAAA)nモチーフをターゲテイングする場合、図1に記載の稀少切断酵素、アダプター配列およびプライマー配列は、実施例4に記載された配列と置き換えられなくてはならない。
DNAの修飾が、実施例2に記載のように行われた。
5'- ビオチン - CTCGTAGACTGCGTACA
CATCTGACGCATGT - 5'
なお、DraIは、平滑末端を産生し、よって平滑末端のアダプターを必要とする。連結に続いて、ビオチン化されたテンプレートの分子が実施例1に記載のように精製される。
増幅は、下記のプライマーを使用して行われた。
DraIプライマー1a: 5 -GTAGACTGCGTACAAAATAA (+3)
MseIプライマー2a: 5- GATGAGTCCTGAGTAATA (+2)
工程2
DraIプライマー1b:5 -33P- GTAGACTGCGTACAAAATAAATA (+6)
MseI プライマー2b:5 - GATGAGTCCTGAGTAATATC (+4)
生成物の増幅が実施例1に記載のように行われた。
第二の増幅反応起源の放射標識された生成物はヨーロッパ特許出願EP0534858に記載されたように分析された。反応生成物は図6に表示されている。
制限酵素NlAIIIは、↓CATG ↑ の配列を認識する。本実施例では、付着末端の断片を産生する制限酵素が使用される。この方法は、図10に詳しく説明されている。(TG)nモチーフをターゲテイングする場合、図10に記載の、稀少切断酵素、アダプター配列およびプライマー配列に対応する要素は、実施例5に記載された配列と置き換えられなくてはならない。
DNAの修飾が、実施例2に記載のように行われた。
5 - ビオチン - CTCGTAGACTGCGTACCCATG
TCTGACGCATGG - 5
テンプレート分子は、実施例1に記載のように精製された。
増幅は下記のプライマーを使用して行われた.
工程1
Nla III プライマー 1a: 5 - CTGCGTACCCATGTGT (+3)
MseIプライマー2a: 5- GATGAGTCCTGAGTAAA (+1)
工程2
Nla IIIプライマー1b: 5 -33P- GCGTACCCATGTGTGTG +6)
MseI プライマー2b:5 - GATGAGTCCTGAGTAAATT (+3)
生成物の増幅が実施例1に記載のように行われた。
増幅生成物の分析は、フジックス(Fujix)BAS2000ホスホアイメージャーを使用してゲル像を得る以外は上記記載の通りである。結果を図7に示す。
制限酵素XbaIは、T↓CTAG ↑A の配列を認識する。本実施例では、付着末端の断片を産生する制限酵素が使用される。この方法は、図10に詳しく説明されている。
DNAの修飾が、実施例2に記載のように行われた。
5 - ビオチン - CTCGTAGACTGCTAGATA
TCTGACGCATGTGATC - 5
テンプレート分子は、実施例1に記載のように精製された。
増幅は下記のプライマーを使用して行われた.
工程1
XbaI プライマー 1a: 5 - CTGCGTACACATGATA (+2)
MseIプライマー2a: 5- GATGAGTCCTGAGTAA (+0)
工程2
XbaIプライマー1b: 5 -33P- GCGTACACTAGATAGAT (+6)
MseI プライマー2b:5 - GATGAGTCCTGAGTAACT (+2)
生成物の増幅が実施例1に記載のように行われた。
増幅生成物の分析は、フジックス(Fujix)BAS2000ホスホアイメージャーを使用してゲル像を得る以外は実施例1記載の通りである。結果を図8に示す。図8は、左に示した60から90ヌクレオチドの範囲の生成物を含む像の断面を示す。像には、12の品種のわからないトマト改良品種系起源のフィンガープリンティング・パターンを持つ12レーンがある。同様のパターンは別のトマト品種改良系でも得られる。
Y: 任意ヌクレオチド
XY: 1、2、3または4ヌクレオチドの単純反復配列
[XY]n n回反復ユニットからなる単純反復配列
X’Y’: XYと相補的配列
T: 非オーバーラップヌクレオチド
TX: ターゲット制限部位配列
T’X’: TXの相補的配列
FF: 高頻度切断制限部位配列
F’F’: FFと相補的な配列
AAAAA: 切断されたTX部位と連結される合成アダプタ配列
BBBBB: 切断されたFF部位と連結される合成アダプタ配列
AAAAAT[XY]n 制限断片の選択的増幅のために使用された
特異的PCRプライマーの一般的デザイン
Claims (5)
- 標的DNAからの単純反復配列を含んでなる少なくとも一つの制限断片を増幅するためのキットであって:少なくとも、
・前記単純反復配列にオーバーラップまたは直接隣接するその認識ヌクレオチド配列において、またはその近傍において開裂させる制限酵素(ターゲッティング制限酵素という)により生じる末端に適合した一つの末端を有する、二本鎖オリゴヌクレオチドアダプターと、
・下記の配列(i)および(ii)を含んでなる配列を有する一つのプライマーと
(i)その5’末端における、(a)前記ターゲッティング制限酵素で前記標的DNAを消化し、且つ(b)前記二本鎖オリゴヌクレオチドアダプターを前記工程(a)により生じた制限断片の末端にライゲートすることにより生じた、制限断片末端の共通配列に適合する配列;および
(ii)その3’末端における、前記単純反復配列の配列に適合する少なくとも5つのヌクレオチド
を具備するキット。 - 標的DNAからの単純反復配列を含んでなる少なくとも一つの制限断片を増幅するためのキットであって:少なくとも、
・二以上の制限酵素であって、少なくとも一つの制限酵素は、前記単純反復配列にオーバーラップまたは直接隣接するその認識ヌクレオチド配列において、またはその近傍において開裂させる制限酵素(ターゲッティング制限酵素という)であり、また少なくとも一つは高頻度切断制限酵素である二以上の制限酵素と;
・対応する前記制限酵素により生じる末端に適合する一つの末端を有する、少なくとも二つの異なる二本鎖オリゴヌクレオチドアダプターと;
・下記の配列(i)および(ii)を含んでなる配列を有する少なくとも一つのプライマーと;
(i)その5’末端における、(a)前記ターゲッティング制限酵素で前記標的DNAを消化し、且つ(b)前記二本鎖オリゴヌクレオチドアダプターを前記工程(a)により生じた制限断片の末端にライゲートすることにより生じた、前記ターゲッティング制限酵素で生じた制限断片末端の共通配列に適合する配列;および
(ii)その3’末端における、前記単純反復配列の配列に適合する少なくとも5つのヌクレオチド
・前記高頻度切断制限酵素に対応する前記アダプターの配列に適合する5’末端の配列、前記高頻度切断制限酵素の認識配列またはその一部、およびその3’末端のランダムに選択された0〜4のヌクレオチドを有する、少なくとも一つのプライマーと
を具備するキット。 - 遺伝学的分析のための、請求項1または2に記載の診断キット。
- 法医学分析のための、請求項1または2に記載の診断キット。
- 動物または植物における遺伝子的特質の遺伝を検出するための、請求項1または2に記載の診断キット。
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