JP2007063629A - 発泡体およびその製造方法 - Google Patents

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克之 吉川
Seishi Furuta
誠矢 古田
Seiji Nishi
誠治 西
Tetsuji Miyoshi
鉄二 三好
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Abstract

【課題】 複雑で大きな形状の鋳型を適用する場合であっても、発泡体の製造を容易に行うことのできる発泡体の製造方法、およびこうした製造方法によって得られる発泡体を提供する。
【解決手段】 AlまたはAl合金を反応容器1内で溶解して溶湯3を作製し、これにカルシウムを添加・混合し、更に同一反応容器または別の反応容器内で、この溶湯内に発泡剤を添加、攪拌2、混合して作製した未発泡溶湯または発泡率が4倍以下の発泡未完了溶湯を、加熱された型6に注湯、発泡、充満し、所定の形状に成形する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吸音材(遮音材)、衝撃吸収材、触媒担体、電極材料の他、各種構造材料として広範な分野で利用される発泡体、およびその製造方法に関するものであり、特に、AlまたはAl合金を素材とし、薄板、棒材、パイプや複雑な形状の製品を製造する上で有用な金属発泡体(発泡金属)の製造方法、およびこうした製造方法によって製造される発泡体に関するものである。
発泡金属は、立体網状構造を有し、気孔率を大きくした金属多孔体であり、表面積が大きいことを利用して各種吸音材(遮音材)、衝撃吸収材、触媒担体、電極材料の他、各種構造材料として広範な分野で利用されている。こうした発泡金属の素材として、軽量化および高強度を考慮して、AlまたはAl合金が最も汎用されている。
こうしたAlまたはAl合金等を素材とした発泡金属(以下、単に「発泡体」と呼ぶことがある)を製造する方法として、例えば特許文献1に開示された技術が知られている。この方法では、「溶融金属に増粘材および発泡材を加えて攪拌することによって、多数の独立気泡よりなる発泡金属を製造する方法において、鋳型全体が発泡金属の融点以上となるように加熱し、かつ攪拌を終了後発泡を開始し、気泡が成長する過程で空気抜き用の放出口を有する状態で鋳型を密閉し、発泡材が熱により分解して生じる多数の気泡が膨張することによって鋳型内の空気を鋳型の外部に放出させ、発泡金属が鋳型内部の全体に充満することにより、溶融充満した発泡金属により上記放出口を閉塞して鋳型を密閉状態とし、密閉された鋳型内で多数の気泡の内圧の上昇により気泡相互の圧力均衡の下に均一なセル構造を形成させ、ついで鋳型の加熱を停止して発泡金属を冷却、凝固させる」ものである。
上記のような技術の開発によって、均一な気泡を発泡率が高い状態で確保した発泡体が実現できたのであるが、その製造条件によっては解決すべき問題が生じることがある。即ち、上記のような技術では、比較的小さな製品を製造する場合にはそれほど問題とならないのであるが、凝固に長時間(例えば、10分以上)を要するような大きな発泡金属製品を製造する場合には、粗大な気泡が多くなって割れ等の欠陥が発生するという問題があった。また、発泡金属中における気泡のバラツキが大きくなり、しかも平均粒径が大きくなり、製品品質が劣化することもある。
上記のような問題を解決するための方法として、例えば特許文献2のような技術も提案されている。この技術では、多数の独立気泡を均一な大きさに形成するとともに、発泡体内部に「引け巣」を発生させないような発泡金属の製造方法に関するものであり、そのために「融点が550〜670℃で且つ固液二相域で固相率が35%となる温度が640℃以下である溶融金属」に対して、増粘剤を添加して大気中若しくは酸化性雰囲気中で攪拌し、これに所定の溶湯温度範囲で発泡剤としての水素化チタンを添加すると共に、この添加量を適切な量とすることによって、上記のような発泡体を得るものである。また、この技術では、増粘剤としてカルシウムが使用できること、およびこのカルシウムの好ましい量、溶湯金属を鋳型に注入する際の好ましい圧力などについても開示されている。更に、溶湯金属としてはAlやAl合金について開示されている。
特開昭62−20846号 「特許請求の範囲」の請求項1など 特開2002−371327号 「特許請求の範囲」の請求項1〜7など
上記各技術の開発によって、均一気泡が形成され、製品品質の良好な発泡金属が実現できたのであるが、製造面において改良すべきいくつかの問題が指摘される。即ち、上記特許文献2は、製品を形成するための鋳型内(通常断面が矩形等の単純形状)で発泡剤の添加並びに攪拌が行われ、そのままこの鋳型内で発泡が行われてきたのであるが、こうした構成で発泡金属の製造を行う場合、必然的に溶湯の攪拌を行うための攪拌装置の挿入が可能な単純形状の鋳型が必要となるため複雑な製品形状のものには対応できない、また複雑形状製品を作製しようとして、別途準備した複雑形状の型をこの鋳型に挿入することは可能であるにしても、型の寸法、形状、本数に大きな制約が生じるなど、形状や大きさに制限があった。
また上記特許文献2では、発泡させた溶湯を40mmφの比較的小さな鋳型に注湯することが示されているが(例えば、実施例2)、実際問題として発泡剤添加後の溶湯では、短時間の間に発泡を開始する結果、溶湯が早期に高粘度化してしまい、流動性が低下するので、発泡した溶湯の取り扱いは容易ではなく、鋳型への溶融金属の注湯は極めて困難である。特に、複雑な形状を形成するための鋳型にあっては、こうした問題が顕在化する。即ち、るつぼ内部で作製した溶湯を、るつぼを傾動等して鋳型に流し込むという通常鋳物の製造で行われている注湯操作が極めて困難となる。
本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その目的は、複雑で大きな形状の鋳型を適用する場合であっても、発泡体の製造を容易に行うことのできる発泡体の製造方法、およびこうした製造方法によって得られる発泡体を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明の製造方法とは、AlまたはAl合金を反応容器内で溶解して溶湯を作製し、これにカルシウムを添加・混合し、更に同一反応容器または別の反応容器内で、この溶湯内に発泡剤を添加、攪拌、混合して作製した未発泡溶湯または発泡率が4倍以下の発泡未完了溶湯を、加熱された型に注湯、発泡、充満し、所望の形状に成形する点に要旨を有するものである。尚、上記「発泡率」とは、通常の純アルミニウム溶湯の体積に対する発泡アルミニウム溶湯の体積の比率である。
本発明方法においては、下記(a)〜(f)のいずれかの要件を満足させることが好ましい。
(a)前記カルシウムは、溶湯全体に対する質量割合で0.5〜4.0%添加・混合すること。
(b)前記発泡剤としての水素化チタンを溶湯全体に対する質量割合で0.5〜2.0%添加・混合すること。
(c)上記(b)の場合に、前記発泡剤添加時における溶湯温度を650〜690℃とすること。
(d)前記発泡剤の添加を開始してから添加を完了するまでの時間を15〜30秒とすると共に、発泡剤の添加から、未発泡溶湯または発泡率が4倍以下の発泡未完了溶湯を型に注湯するまでの時間を15秒以上90秒以下に制御して操業すること。
(e)前記未発泡溶湯または発泡率が4倍以下の発泡未完了溶湯を型に注湯するに際して、前記反応容器の側壁に配設させた出湯口を、開口することによって注湯すること。
(f)前記出湯口に流量制御可能な栓を設けて、反応容器からの出湯量を制御すること。
本発明の製造方法によれば、溶湯の攪拌が可能な鋳型を用いずとも複雑な形状の発泡体を容易に製造することができ、こうして得られた発泡体では均一な気泡を有する特性の良好な発泡体となる。
本発明によれば、未発泡溶湯または発泡率が4倍以下の発泡率を有する発泡未完了溶湯を、反応容器とは別の鋳型に取り出す構成を採用したので、溶湯の攪拌が可能な鋳型を用いず、しかも任意の形状の鋳型への溶湯の注入が可能となり、所望の発泡体を容易に製造することができるようになった。
本発明者らは、上記目的を達成する為に様々な角度から検討した。その結果、AlまたはAl合金を反応容器内で溶解して溶湯とし、これに金属カルシウムを添加・混合することによって溶湯の粘度を増加させ、更に同一反応容器または別の反応容器内でこの溶湯内に発泡剤を添加・混合、攪拌することによって溶湯中に発泡剤を均一分散させた後、未発泡溶湯または発泡率が4倍以下の発泡未完了溶湯の状態で反応容器とは別の鋳型に注入するようにすれば、上記目的が見事に達成されることを見出し、本発明を完成した。
発泡体を製造するに際しては、発泡金属製造用溶湯に発泡剤を添加混合した状態で発泡を開始するのであるが、この状態で放置すると、溶湯の体積は短時間のうちに増加し、溶湯の粘度が高くなって難流動性の融体となる。このような状態の溶湯を、鋳型に注入するには、その溶湯を鋳物工業などで通常使用されているるつぼの傾動や柄杓などですくって別の鋳型に移し変えて移湯しようとすると、難流動性の融体は柄杓に強固に付着することになるので、いわゆる「鋳込み」を行うことが困難になる、或いは特定の出湯口から取り出すことも同様の理由から困難になる。
そこで、本発明では、溶湯を鋳型に注入するときのタイミングについて、検討したところ、未発泡溶湯状態若しくは発泡率が4倍以下の状態の溶湯(発泡未完了溶湯)を取り出し、これを鋳型に注湯するようにすれば、鋳型への注湯と発泡、その後の鋳型内での充満が比較的容易に行えることが判明したのである。尚、反応容器から取り出すときの溶湯は未発泡状態または発泡率が4倍以下であることが必要であるが、発泡率が4倍を超えると溶湯の粘度が高くなって流動性が悪くなり、鋳型に注入するときに鋳型内に溶湯を十分に充満させることが困難になる。鋳型に注入するときの溶湯の発泡率は、好ましくは3倍以下とするのが良い。
図1は、本発明を実施するための装置構成例を示す概略説明図である。この装置においては、攪拌機2を備えた反応容器1内の発泡体製造用金属溶湯3が注入され、この溶湯中に増粘剤および発泡剤が添加されて攪拌機によって攪拌された後、反応容器1の側壁に設けられた出湯口4から、未発泡状態または発泡率が4倍以下の溶湯を取り出せるように構成されている。この取出しに際しては、出湯口4に付随して設けられた流量制御用栓5によって、出湯口4の開度が調整できるように構成されている。
流量が制御されつつ取り出される溶湯は、出湯口4から鋳型6に注湯、発泡、充満された後、冷却、凝固されることによって所定形状の発泡体7となる。このとき用いる鋳型6は、通常の形状の鋳型(図1では、円筒状の鋳型6)は勿論のこと、複雑な形状の鋳型であってもいずれも対応できることになる。
上記のような装置を用いて、発泡体を製造するに当っては、AlまたはAl合金溶湯の鋳型への充満性の確保並びに発泡を促進させる観点から、鋳型は加熱しておく必要があるが、このときの加熱温度はAlまたはAl合金の融点以上であることが好ましい。
気泡が均一な発泡体を得るため、および鋳型への充満性を良好にするためには、AlまたはAl合金溶湯の粘度も適切に調整する必要がある。本発明では、溶湯の粘度調整のために増粘剤として金属カルシウムを添加するものであるが、溶湯の粘度を適切な範囲に調整するためには、金属カルシウムの添加量も適切に制御するのが良い。こうした観点から、増粘剤としての金属カルシウムの添加量は0.5〜4.0質量%とすることが好ましい。金属カルシウムの添加量が0.5%未満となると、溶湯の粘度が不十分なために反応容器から溶湯を取出した後の発泡が不十分となって良好な発泡体が得られない。また金属カルシウムの添加量が4.0質量%を超えると、溶湯の粘度が高くなり過ぎて、反応容器からの溶湯の取り出しが困難になる。
本発明方法では、上記のような溶湯に発泡剤を添加することによって、溶湯内に多数の気泡を形成するものであり、その添加時期は同一反応容器または別の反応容器内で行えば良い。このとき用いる発泡剤としては、水素化チタン(TiH2)、水素化ジルコニウム(ZrH2)、炭酸カルシウム(CaCO3)等、様々なものが挙げられるが、これらの分解温度を考慮すると、水素化チタンを用いることが好ましい。この水素化チタンを発泡剤として用いる場合には、その添加量は0.5〜2.0質量%(溶湯全質量に対する割合)であることが好ましい。水素化チタンの添加量が0.5質量%未満となると、発泡時のガス発生量が不足するため、反応容器から溶湯を取出した後の発泡が不十分となって良好な発泡体が得られない。また水素化チタンの添加量が2.0質量%を超えると、発泡剤を溶湯内に均一分散させるために攪拌時間が長くなったり、高価な発泡剤を無用に消費することになる。尚、こうした発泡剤の量は、溶湯を取り出し時に溶湯が発泡能力を有するに十分な量であることを意味し、これよりも少ない場合には、発泡率が4倍以下であってもその後の溶湯の発泡が不十分になってしまうことになる。以上のことから、取り出し時の溶湯は「未発泡溶湯」或いは「発泡未完了溶湯」と表記した。
水素化チタンを添加・混合するときの溶湯温度は、650〜690℃の温度範囲とすることが好ましく、650℃未満の場合には温度が低いために水素化チタンの分解が十分に起こらないので、発泡が不十分になる。また溶湯温度が690℃を超えると、添加時に発泡剤の分解が過剰に起こり、溶湯の粘度が高くなり、流動性が低下するため取り出しが困難になる。また、たとえ鋳型への注湯ができたとしても、取り出し後の発泡が不十分なものとなる。
発泡剤を添加してから完了までに要する時間(以下、単に「添加所要時間」と呼ぶ)は、15〜30秒の範囲内で行うことが好ましく、この添加所要時間が15秒未満の場合には、ガスの発生量が急激で攪拌機が空回りし、攪拌が不十分となるなどの現象が生じ、効率よく均一分散させることが困難となり、発泡体が発泡不足や、密度が不均一となる。また、添加所要時間が30秒を超えると発泡剤の分解が過剰に起こるので反応容器から取り出し後の発泡が不十分となる。尚、この添加所要時間は発泡剤、反応容器および攪拌機の攪拌能力にもよるが、発泡剤の平均粒径が44μm以下の市販の水素化チタンを用いたものを基準にしたものである。
発泡剤の添加から溶湯取り出しまでの時間については、特に限定されるものではないが、15秒以上180秒以下、好ましくは15秒以上90秒以下とするのが良く、この時間が長時間となると溶湯の取り出しが困難になる。
本発明では発泡体の素材としてAlまたはAl合金を用いるものであるが、このときのAl合金として特に限定される条件はなく、Ti,Mg,Zn等の合金元素をその溶湯特性(発泡金属として要求される特性)を阻害しない程度(例えば、20%以下)で含有していても良い。
本発明によって得られる発泡体では、発泡体の網目状骨格がCaやTi等の合金元素を含有する数ミクロン〜10ミクロンの大きさの晶出物とマトックスのアルミニウムから構成されており、自動車のピラー、メンバー等用の充填補強材や床等のサンドイッチパネル用中間材等の部材への適用に際して、所定の強度を有するものとなる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
大気中にてAl:20.0kgを溶解し、これにCa:300g(1.47質量%)を添加し、5分間攪拌を行った。この段階で溶湯温度を670℃に設定し、水素化チタンを300g(1.45質量%)添加し、30秒間攪拌を行った。そして、反応容器の側壁に配設した出湯口(前記図1参照)を開口することによって、未発泡溶湯を速やかに取り出し、670℃に加熱した鋳型[75×75×200(mm)]に流し込み、3分保持した後、取り出して空冷し、発泡体とした。
上記の条件において、Caの添加量、発泡剤添加時の溶湯温度、水素化チタンの添加量、および水素化チタン添加開始から溶湯取り出しまでの時間、等を様々に変えて同様の実験を行った。このとき、発泡剤の添加所要時間は20秒とした。得られた各種発泡体の密度、および溶湯取り出し時の発泡率(その基準については前記の通り)について測定した。その結果を製造条件と共に、一括して下記表1に示す。但し、実験No.5については、Al−10%Zn−1%Mg合金:20kgを溶解した。
この結果から、次のように考察できる。水素化チタンの添加開始から取り出しまでの時間が30〜60秒の場合には、取り出し時の溶湯の発泡率は3倍以下となっており、また得られる発泡体の密度も0.4以下の良好な発泡状態となっていることが分かる(試験No.1〜3)。
また水素化チタン添加開始から取り出しまでの時間が90秒では、取り出し時の溶湯の発泡率は3.5倍と若干の増大が見られ、溶湯の取り出しは円滑ではないが可能であった(実験No.4)。
更に、素材をAl−10%Zn−1%Mg合金で行った場合でも、条件が適正であれば、取り出し時の溶湯の発泡率は3.0倍、発泡体密度も0.4の良好な発泡状態が得られた(試験No.5)。
これに対して取り出しまでの時間が長過ぎると、溶湯の発泡率が高くなって粘度が増大し過ぎてしまい、溶湯の取り出しが不可能となった(実験No.6)。また、溶湯の設定温度(水素化チタン添加時の溶湯温度)が高過ぎると、得られた発泡体の密度が大きなものとなって、所望の発泡体が得られなかった(実験No.7)。
上記表1における実験No.2の発泡体のミクロ組織(セル壁)を光学顕微鏡で観察したときの結果を図2(a)、(b)(図面代用顕微鏡写真)に示す。また、図2に示したセル壁(図3)の晶出物を、EDX(エネルギー分散型X線)分析したときの結果を、図4(a)、(b)に示す。これらの結果から、発泡体のセル壁はCa,Tiを含有する数ミクロンから10ミクロンの大きさの晶出物とマトリクスとしてのアルミニウムより構成されていることが分かる。
本発明方法を実施するための製造構成の一例を示す概略説明図である。 表1の実験No.2の発泡体におけるミクロ組織を示す図面代用顕微鏡写真である。 図2に示したセル壁の拡大写真である。 表1の実験No.2の発泡体におけるセル壁の晶出物をEDX(エネルギー分散型X線)分析したときの分析結果を示すグラフである。
符号の説明
1 反応容器
2 攪拌機
3 金属溶湯
4 出湯口
5 流量制御用栓
6 鋳型
7 発泡体

Claims (8)

  1. AlまたはAl合金を反応容器内で溶解して溶湯を作製し、これにカルシウムを添加・混合し、更に同一反応容器または別の反応容器内で、この溶湯内に発泡剤を添加、攪拌、混合して作製した未発泡溶湯または発泡率が4倍以下の発泡未完了溶湯を、加熱された型に注湯、発泡、充満し、所定の形状に成形することを特徴とする発泡体の製造方法。
  2. 前記カルシウムは、溶湯全体に対する質量割合で0.5〜4.0%添加・混合する請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記発泡剤としての水素化チタンを溶湯全体に対する質量割合で0.5〜2.0%添加・混合する請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記発泡剤添加時における溶湯温度を650〜690℃とする請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記発泡剤の添加を開始してから完了するまでの時間を15〜30秒とすると共に、発泡剤の添加の開始から、未発泡溶湯または発泡率が4倍以下の発泡未完了溶湯を型に注湯するまでの時間を15秒以上180秒以下に制御して操業する請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記未発泡溶湯または発泡率が4倍以下の発泡未完了溶湯を型に注湯するに際して、前記反応容器の側壁に配設させた出湯口を開口することによって注湯する請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記出湯口に流量制御可能な栓を設けて、反応容器からの出湯量を制御する請求項6に記載の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法によって製造されたものである発泡体。
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