JP2007060863A - 発電機の並列運転監視方法および装置 - Google Patents

発電機の並列運転監視方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】並列運転している複数の発電機の負荷分担状態を的確に監視して、安全で信頼性の高い並列運転を可能とする発電機の並列運転監視方法および装置を提供する。
【解決手段】複数の発電機G1〜G4の負荷に基づく出力データを検出部2で検出し、この出力データを発電機コントローラ3a〜3d及び通信変換器4を通じて制御装置5に送信し、制御装置5で各発電機G間の出力データの差を算出し、この出力データ差と、予め入力されている限界値Cとを比較し、予め入力されている所定のデータ取得周期Tにおける限界値Cを超えた出力データ差の発生時間が基準値Nを超えると警報装置6aと表示装置6とで異常を知らせる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発電機の並列運転監視方法および装置に関し、さらに詳しくは、並列運転している複数の発電機の負荷分担状態を的確に監視して、安全で信頼性の高い並列運転を可能とする発電機の並列運転監視方法および装置に関するものである。
従来、複数の発電機を並列運転する場合は、発電機が制御装置によって所定割合の負荷分担になるように制御されて並列運転されている(例えば、特許文献1参照)。並列運転している際に、例えば、一つの発電機の出力が変化し、負荷分担割合が変化すると、負荷分担を所定の割合に修正する制御が行なわれて、この発電機は所定の出力となるように稼動される。しかしながら、この発電機の故障に起因して出力が変化した場合であっても、この修正制御によって故障している発電機が稼動され続けるため、故障が拡大するという問題があった。
また、従来の並列運転装置は、それぞれの発電機に対して、過電力および逆電力等の限界値を規定し、その限界値を超えた場合には異常として、警報等を発するようになっていることが多い。しかし、この限界値を超えない範囲内で上記のような発電機の故障等に起因する負荷分担の変化が生じた場合は、この警報等も機能することがなく、十分な監視ができないという問題があった。
特開平1−283024号公報
本発明の目的は、並列運転している複数の発電機の負荷分担状態を的確に監視して、異常の早期発見、早期対処により安全で信頼性の高い並列運転を可能とする発電機の並列運転監視方法および装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の発電機の並列運転監視方法は、負荷分担を所定割合に制御されて並列運転される複数の発電機の負荷分担を監視する発電機の並列運転監視方法であって、前記複数の発電機の負荷に基づく出力データを検出し、制御装置で前記複数の発電機における各発電機間の前記出力データの差を算出し、該算出した出力データ差と、予め入力されている限界値とを比較し、所定のデータ取得周期における前記限界値を超えた前記出力データ差の発生割合に基づいて前記発電機の負荷分担を監視することを特徴とするものである。
本発明の発電機の並列運転監視装置は、負荷分担を所定割合に制御されて並列運転される複数の発電機の負荷分担を監視する発電機の並列運転監視装置であって、前記複数の発電機の負荷に基づく出力データを検出する検出部と、制御装置と、警報装置と、表示装置とを備え、前記制御装置が、前記検出部で検出した前記複数の発電機における各発電機間の前記出力データの差を算出し、該算出した出力データ差と、予め入力されている限界値とを比較し、所定のデータ取得周期における前記限界値を超えた前記出力データ差の発生割合が、予め入力されている基準値を超えた際に異常と判定して異常が発生した発電機を特定し、前記警報装置で警報を発するとともに、前記表示装置に異常の発生と、異常が発生した発電機を特定する表示をすることを特徴とするものである。
本発明の発電機の並列運転監視方法によれば、複数の発電機の負荷に基づく出力データを検出し、制御装置で複数の発電機における各発電機間の出力データの差を算出し、この算出した出力データ差と、予め入力されている限界値とを比較するので、各発電機の過電力および逆電力等の限界値とは無関係に負荷分担状態を監視することができる。
また、制御装置で、所定のデータ取得周期における限界値を超えた出力データ差の発生割合に基づいて発電機の負荷分担を監視するので、使用条件(施工現場等)に柔軟に対応した監視ができ、発電機の故障等の有無および故障等した発電機の特定が容易にできる。これによって、発電機の故障等を早期に検知して、故障等の拡大を抑えることができる。このように、複数の発電機の負荷分担状態を的確に監視して、安全で信頼性の高い並列運転が可能となる。
本発明の発電機の並列運転監視装置によれば、複数の発電機の負荷に基づく出力データを検出する検出部と、制御装置と、警報装置と、表示装置とを備え、制御装置が、検出部で検出した複数の発電機における各発電機間の出力データの差を算出し、この算出した出力データ差と、予め入力されている限界値とを比較するので、各発電機の過電力および逆電力等の限界値とは無関係に負荷分担状態を監視することができる。
また、制御装置が、所定のデータ取得周期における限界値を超えた出力データ差の発生割合が、予め入力されている基準値を超えた際に異常と判定して異常が発生した発電機を特定し、警報装置で警報を発するとともに、表示装置に異常の発生と、異常の発生した発電機を特定する表示をするので、使用条件(施工現場等)に柔軟に対応した監視ができ、発電機の故障等の有無および故障等した発電機の特定が容易にできる。これによって、発電機の故障等を早期に検知して、故障等の拡大を抑えることができる。このように、複数の発電機の負荷分担状態を的確に監視して、安全で信頼性の高い並列運転が可能となる。
以下、本発明の発電機の並列運転監視方法および装置を実施形態に基づいて説明する。図1に全体概要を示すように、本発明の発電機の並列運転監視装置1は、所定割合の負荷分担で並列運転される複数の発電機G1〜G4の負荷分担状態を監視するように構成されている。
すべての発電機G1〜G4には、検出部2が備わり、それぞれに負荷分担を制御する発電機コントローラ3a〜3dが接続されている。これらの発電機コントローラ3a〜3dは、通信変換器4を介して制御装置5に接続され、相互間で情報を高速で伝達可能となっている。制御装置5には、警報装置6aと表示装置6とが接続され、表示装置6には、制御装置5が受信したデータやこの受信データに基づいて処理したデータ等が表示される。
この発電機の並列運転監視装置1は、例えば、図3に示すような地盤の深層混合処理を行なう地盤改良装置7の駆動モータ8に電力供給する際に使用される。地盤改良装置7は、改良材を吐出して攪拌翼9を駆動モータ8で回転させながら地盤の中に貫入させる。そして、所定深度で先端処理した後に攪拌翼9を回転させながら地盤から引抜いて施工が完了する。
この深層混合処理施工では、深度によって地盤の堅さが異なるので、駆動モータ8にかかる負荷も変化し、これに伴って、電力を供給する発電機Gの負荷も変化する。このような外的要因に加えて、発電機Gの故障等の内的要因によっても発電機Gの負荷が変化する。したがって、安全で信頼性の高い並列運転を実現するために、各発電機G1〜G4の負荷分担状態を並列運転監視装置1によって的確に監視する必要がある。
ここでは、各発電機G1〜G4は同性能の同一機種であり、均等の負荷分担で並列運転されるものとして説明する。各施工現場では、事前に削孔試験を行なって、発電機Gにかかる負荷データを取得して、このデータを基にして並列運転監視装置1の各設定を行なうことが好ましい。
各発電機G1〜G4のエンジンを始動し、遮断器が同期投入されると、各発電機G1〜G4は発電機コントローラ3a〜3dによって所定割合の負荷分担(ここでは、25%ずつ)となるように制御されて自動並列運転され、地盤改良装置7の駆動モータ8に電力が供給される。それぞれ各発電機G1〜G4に設けられた検出部2は、それぞれの発電機G1〜G4の負荷に基づく出力データを検出して、その検出した出力データは、各発電機コントローラ3a〜3dおよび通信変換部4を介して制御装置5に送信される。負荷に基づく出力データとしては、各発電機G1〜G4の電流値と電圧値と力率とを乗じて算出した電力値を用いることができる。
制御装置5は、この送信された出力データを用いて、4つの発電機G1〜G4における各2つの発電機G間の出力データ(電力値)の差を算出する。この実施形態では各発電機G間の組合せは、発電機G1とG2、G1とG3、G1とG4、G2とG3、G2とG4、G3とG4の6通りとなり、この6通りの2つの発電機G間の出力データの差が算出され、この算出した出力データ差と制御装置5に予め入力されている限界値(電力値)Cとが比較される。
この比較の方法を図2に基づいて説明する。図2の縦軸は出力データ差を示し、横軸は時間経過を示している。例えば、発電機G1とG2との時系列の出力データ差を演算して出力データ差曲線Aを得ることができる。制御装置5には、両発電機G1、G2の負荷分担が所定割合の範囲内にあると判断する指標となる限界値Cが入力されている。即ち、出力データ差が限界値Cを超えると発電機G1、G2の負荷分担が所定の割合になっていないと判断される。
ここで、制御装置5には予め、所定のデータ取得周期Tが入力されている。このデータ取得周期Tは細分化されたデータ取得間隔tで構成され、データ取得間隔t単位で出力データ差が限界値Cを超えたか否かが判断される。図2では1単位のデータ取得周期Tにおいて、ピークが2つあり、1つ目のピークではD1の範囲となる3つのデータ取得間隔tで出力データ差が限界値Cを超えている。2つ目のピークではD2の範囲となる6つのデータ取得間隔tで出力データ差が限界値Cを超えている。したがって、このデータ取得周期Tでは、限界値Cを超えたデータ取得間隔tの数は合計9つとなる。
制御装置5には、発電機Gが所定割合の負荷分担で並列運転されず、負荷分担状態に異常が生じていると判定する基準値Nが予め入力されている。この基準値Nは所定のデータ取得周期Tにおける限界値Cを超えた出力データ差の発生割合、即ち、所定のデータ取得周期Tにおいて出力データ差が限界値Cを超えた時間に基づいて設定されており、例えば、限界値Cを超えたデータ取得間隔tの数で規定される。ここで、基準値Nが10と設定されていると、データ取得周期Tにおいて、限界値Cを超えたデータ取得間隔tの数が10を超えた場合に、負荷分担に異常が生じていると判定されるので、図2に例示した出力データ差曲線Aでは、異常がないと判定されることになる。この判定にはデータ取得間隔tの数の他に、直接、出力データ差が限界値Cを超えた時間を規定して、この時間を検知して判定するようにしてもよい。
いずれかの発電機、例えば、発電機G1が故障等した場合には、発電機G1とG2の出力データ差、発電機G1とG3の出力データ差、発電機G1とG4のデータ差が慢性的に限界値Cを超えることになる。これにより、限界値Cを超える出力データ差のすべての組合せに存在する発電機G1が、制御装置5によって異常が発生したと判定され、警報装置6aが警報を発するとともに、表示装置6に異常の発生と、異常が発生したと判定された発電機G1を特定する表示がされる。異常の発生が表示された場合は、特定された発電機G1を確認し、故障等のおそれのある場合には発電機G1の運転を停止する。
尚、両発電機G1、G2が同時に故障等した場合には、他の発電機G3、G4との間のデータ差と限界値Cとの比較によって、この異常の発生の有無を判定できる。
データ取得周期T、データ取得間隔t、限界値C、基準値Nは、発電機Gが使用される施工現場の状況等によって、適宜決定され、例えば、データ取得周期Tを20秒以上60秒以内とし、データ取得間隔tを0.5秒以上2.0秒以下とする。
異常発生の判定により、運転が停止された発電機(ここではG1またはG2)は点検されて、異常がなければ再始動される。
施工の当初は、限界値Cを小さめに設定しておき、より安全な条件で並列運転することが好ましい。上記した異常発生、発電機Gの運転停止、点検を繰返す過程で、施工現場の条件に応じて徐々に限界値Cを大きく設定すると、発電機Gの運転停止を減らしつつ、安全でより効率的に並列運転を行うことができる。
上記のような異常の有無の判定によれば、使用条件が異なる施工現場毎に柔軟に適応した監視が可能となり、発電機Gの故障等の有無および故障等した発電機Gの特定が容易にできる。したがって、発電機Gの故障等を表示装置6を介して早期に発見して、早期に対処することができ、故障等の拡大を抑えて、損害を最小限にすることができる。
また、各発電機G間の出力データ差と、予め入力されている限界値Cとを比較するので、発電機Gの過電力および逆電力等の限界値とは無関係に負荷分担状態を監視することができる。このように、複数の発電機Gの負荷分担状態を的確に監視して、安全で信頼性を向上させた並列運転が可能となる。
尚、本発明は地盤改良装置7に限定されることなく、他の装置等にも適用することができる。各発電機G1〜G4の負荷分担割合は、実施形態のように均等負担だけでなく、任意に変えた所定割合とすることができる。また、各発電機G1〜G4は性能(出力等)が異なるものでもよく、発電機Gの数も実施形態に示したものに限定されない。
本発明の発電機の並列運転監視装置の概要を例示する全体図である。 本発明の発電機の並列運転監視方法において比較される出力データ差と限界値とを例示するグラフ図である。 本発明の発電機の並列運転監視装置を用いた深層混合処理の施工例を示す説明図である。
符号の説明
1 並列運転監視装置
2 検出部
3a〜3d 発電機コントローラ
4 通信変換器
5 制御装置
6 表示装置 6a 警報装置
7 地盤改良装置 8 駆動モータ 9 攪拌翼
G、G1〜G4 発電機

Claims (3)

  1. 負荷分担を所定割合に制御されて並列運転される複数の発電機の負荷分担を監視する発電機の並列運転監視方法であって、前記複数の発電機の負荷に基づく出力データを検出し、制御装置で前記複数の発電機における各発電機間の前記出力データの差を算出し、該算出した出力データ差と、予め入力されている限界値とを比較し、所定のデータ取得周期における前記限界値を超えた前記出力データ差の発生割合に基づいて前記発電機の負荷分担を監視する発電機の並列運転監視方法。
  2. 前記制御装置が、所定のデータ取得周期における前記限界値を超えた前記出力データ差の発生割合が、予め入力されている基準値を超えた際に異常と判定して、異常が発生した発電機を特定し、警報装置で警報を発するとともに、表示装置に異常の発生と、異常が発生した発電機を特定する表示をする請求項1に記載の発電機の並列運転監視方法。
  3. 負荷分担を所定割合に制御されて並列運転される複数の発電機の負荷分担を監視する発電機の並列運転監視装置であって、前記複数の発電機の負荷に基づく出力データを検出する検出部と、制御装置と、警報装置と、表示装置とを備え、前記制御装置が、前記検出部で検出した前記複数の発電機における各発電機間の出力データの差を算出し、該算出した出力データ差と、予め入力されている限界値とを比較し、所定のデータ取得周期における前記限界値を超えた前記出力データ差の発生割合が、予め入力されている基準値を超えた際に異常と判定して、異常が発生した発電機を特定し、前記警報装置で警報を発するとともに、前記表示装置に異常の発生と、異常が発生した発電機を特定する表示をする発電機の並列運転監視装置。

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