JP2007060492A - 撮像装置 - Google Patents

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一睦 佐藤
Tsuyoshi Iwamoto
剛志 岩本
Kenichi Kakumoto
兼一 角本
Koichi Kanbe
幸一 掃部
Yasuaki Serita
保明 芹田
Masataka Hamada
正隆 浜田
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Abstract

【課題】 複数の異なる光電変換特性を有する撮像素子を用いる撮像装置において、適切なダイナミックレンジ設定が行え、常に最適な画像を得ることのできる撮像装置を提供すること。
【解決手段】 リニアログセンサのような複数の異なる光電変換特性を有する撮像素子を用いる撮像装置において、撮像素子の撮像時の撮像特性と、画像信号のヒストグラムとを表示することにより、撮像素子の撮像特性と被写体の輝度分布とを定量的に把握することができ、Dレンジの設定が的確にかつ容易に行え、常に最適な画像を得ることのできる撮像装置を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、撮像装置に関し、特に、複数の異なる光電変換特性を有する撮像素子を用いる撮像装置であって、撮像素子の撮像時の撮像特性と、画像のヒストグラムとを表示する撮像装置に関する。
従来、デジタルカメラ等の撮像装置に用いられる撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)等の線形特性を持ったものが主で、そのダイナミックレンジ(以後、Dレンジと言う)は撮像される被写体のDレンジに比べて非常に狭く、撮像画像のDレンジが不足して満足な画像が得られないのが常であった。
そこで、高感度画像と低感度画像の2枚の画像を同時に撮像できる撮像素子を用い、撮像された画像を見て、その結果からDレンジを指定して、2枚の画像を合成することにより、所望のDレンジを得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、本件出願人により、フォトダイオード等の光電変換素子をマトリクス状に配置してなる固体撮像素子に、MOSFET等を備えた対数変換回路を付加し、前記MOSFETのサブスレッショルド特性を利用することで、固体撮像素子の出力特性を入射光量に対して電気信号が対数的に変換されるようにして、Dレンジを飛躍的に拡大できる対数変換型撮像素子が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、同じく本件出願人により、特許文献2で提案されたような対数変換型撮像素子において、MOSFETに特定のリセット電圧を与えることで、固体撮像素子本来の出力特性、すなわち入射光量に応じて電気信号が線形的に変換されて出力される線形特性状態と、前述の対数特性状態とを自動的に切り替えることが可能な対数変換型撮像素子(以下、リニアログセンサと言う。例えば、特許文献3参照)、あるいは、線形特性状態から対数特性状態へ自動的に切り替え可能とすると共に、MOSFETのリセット時間を調整することでMOSFETのポテンシャル状態を調整可能とした撮像装置(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
特開2004−221928号公報 特開平11−298798号公報 特開2002−77733号公報 特開2002−300476号公報
しかしながら、例えばリニアログセンサのような複数の異なる光電変換特性を有する撮像素子を用いて広Dレンジの撮像を行う場合に、操作者がDレンジの設定を行うにあたって、的確にかつ容易にDレンジの設定が行えるように考慮された提案は無く、特許文献1に示されたようなDレンジ調整ボリューム等での手段が提案されているのみであった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、特許文献3および4において提案されたリニアログセンサのような複数の異なる光電変換特性を有する撮像素子を用いる撮像装置において、撮像時の撮像素子の撮像特性と、画像の輝度分布のヒストグラムとを表示することにより、撮像素子の撮像特性と被写体の輝度分布とを定量的に把握することができ、Dレンジの設定が的確にかつ容易に行え、常に最適な画像を得ることのできる撮像装置を提供することを目的とする。
(1) 複数の異なる光電変換特性を有し、被写体を撮像して画像信号を出力する撮像素子と、
前記撮像素子の撮像特性を制御する撮像制御手段と、
前記撮像素子から出力された画像信号を処理する画像処理手段と、
前記画像処理手段で処理された画像信号に基づいて表示を行う表示手段と、
前記表示手段への表示を制御する表示制御手段とを備えた撮像装置において、
前記撮像素子から出力された画像信号のヒストグラムを演算するヒストグラム演算手段を備え、
前記表示制御手段は、前記撮像素子の撮像時の撮像特性と、前記ヒストグラム演算手段で演算されたヒストグラムとを、前記表示手段に表示することを特徴とする撮像装置。
(2) 前記撮像素子の撮像特性の変更を指示するための撮像特性変更手段を有し、前記表示制御手段は、前記撮像特性変更手段により撮像特性の変更が指示された場合の変更後の撮像特性も、合わせて表示することを特徴とする(1)に記載の撮像装置。
(3) 前記撮像特性は、前記撮像素子の光電変換特性であることを特徴とする(1)または(2)に記載の撮像装置。
(4) 前記撮像特性は、前記撮像素子の複数の異なる光電変換特性の切り替わり点と、前記撮像素子で撮像された画像の最大ダイナミックレンジであることを特徴とする(1)または(2)に記載の撮像装置。
(5) 前記複数の異なる光電変換特性は、被写体が低輝度の場合は線形特性、被写体が高輝度の場合は対数特性の光電変換特性であることを特徴とする(1)乃至(4)の何れか1項に記載の撮像装置。
(6) 前記表示制御手段は、撮像特性とヒストグラムとを表示する際に、横軸を対数軸として表示することを特徴とする(1)乃至(5)の何れか1項に記載の撮像装置。
(7) 前記表示制御手段は、撮像特性とヒストグラムとの表示を、予備撮像後と本撮像後の少なくとも一方または両方に行うことを特徴とする(1)乃至(6)の何れか1項に記載の撮像装置。
(8) 前記表示制御手段は、前記表示手段に、前記画像処理手段で処理された画像とともに、撮像特性とヒストグラムとを表示することを特徴とする(1)乃至(7)の何れか1項に記載の撮像装置。
(9) 前記画像処理手段は、広ダイナミックレンジ画像の高コントラスト化処理を行う高コントラスト化処理手段を備え、
前記ヒストグラム演算手段によるヒストグラム演算は、前記高コントラスト化処理手段による高コントラスト化処理を施す前の画像信号を用いることを特徴とする(1)乃至(8)の何れか1項に記載の撮像装置。
本発明によれば、例えばリニアログセンサのような複数の異なる光電変換特性を有する撮像素子を用いる撮像装置において、撮像時の撮像素子の撮像特性と、画像の輝度分布のヒストグラムとを表示することにより、撮像素子の撮像特性と被写体の輝度分布とを定量的に把握することができ、Dレンジの設定が的確にかつ容易に行え、常に最適な画像を得ることのできる撮像装置を提供することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラ1の外観模式図で、図1(a)は正面図、図1(b)は背面図である。
ボディ10の正面には、交換レンズ20が取り付けられている。ボディ10の上面には、撮像のための操作部材であるレリーズボタン101が設置されており、ボディ10の内部でレリーズボタン101の下部には、レリーズボタン101の押し込みの1段目で動作するAFスイッチ101aと、レリーズボタンの押し込みの2段目で動作するレリーズスイッチ101bを構成する2段スイッチが配置されている。また、ボディ10の上部には、フラッシュ102が内蔵され、デジタルカメラ1の動作モードを設定するモード設定ダイアル112が配置されている。
ボディ10の背面には、デジタルカメラ1の電源をオン/オフするための電源スイッチ111、上下左右と中央の5つのスイッチから成り、モード設定ダイアル112で設定されるデジタルカメラ1の各動作モードでの各種設定を行うためのジョグダイアル115、ファインダ接眼レンズ121a、記録された画像を表示するための表示手段131が配置されている。
図2は、図1に示したデジタルカメラ1の回路の一例を示すブロック図である。図中、図1と同じ部分には同じ番号を付与した。
デジタルカメラ1の制御手段であるカメラ制御手段150は、CPU(中央処理装置)151、ワークメモリ152、記憶部153等から構成され、記憶部153に記憶されているプログラムをワークメモリ152に読み出し、当該プログラムに従ってデジタルカメラ1の各部を集中制御する。
また、カメラ制御手段150は、電源スイッチ111、モード設定ダイアル112、ジョグダイアル115、AFスイッチ101a、レリーズスイッチ101b等からの入力を受信し、光学ファインダ121上の測光素子122と交信することで測光動作を制御し、AFモジュール144と交信することで合焦動作を制御し、ミラー駆動手段143を介してレフレックスミラー141及びサブミラー142を駆動し、シャッタ駆動手段146を介してシャッタ145を制御し、フラッシュ制御手段147を介してフラッシュ102を制御し、撮像制御手段161と交信することで撮像動作を制御すると共に、撮像された画像データや各種情報を表示手段131に表示し、インファインダ表示手段132に各種情報を表示する。ここに、カメラ制御手段150は、表示制御手段として機能する。
さらに、カメラ制御手段150は、ボディ10と交換レンズ20の間の交信手段として機能する、マウント(ボディ側)171上に設けられたBL交信手段(ボディ側)172と、マウント(レンズ側)271上に設けられたBL交信手段(レンズ側)272を介して、交換レンズ20のレンズインターフェース251経由で、レンズ211のフォーカスとズームを制御するレンズ制御手段241、絞り221の制御を行う絞り制御手段222、交換レンズ20の固有情報を格納しているレンズ情報記憶手段231と交信を行うことで、交換レンズ20全体を制御する。
撮像素子162は、例えばリニアログセンサのような複数の異なる光電変換特性を有し、複数の異なる光電変換特性の切り替わり点(以後、変曲点と言う)が制御可能となっており、これを制御することで複数の異なる光電変換特性領域の範囲(Dレンジ)を自由に設定可能である。
前述した測光素子122の出力に基づいて、露光量と変曲点の制御値がCPU151で算出され、絞り値AV、シャッタ速度SSおよび変曲点TPがそれぞれ設定される。
被写体像は、交換レンズ20のレンズ211によって撮像素子162上に結像され、撮像素子162で光電変換されて撮像信号として出力され、アンプ163で増幅され、アナログ/デジタル変換手段(以後、A/D変換手段と言う)164でデジタルデータに変換され、画像処理手段165で既定の画像処理を施したデジタル画像データに変換され、一旦画像メモリ181に記録されるとともに表示手段131に表示される。
さらに、画像処理手段165からの画像データを基に、ヒストグラム演算手段166によりヒストグラム演算が行われ、さらに、変曲点情報を用いて撮像特性演算が行われ、画像メモリ181に記憶されるとともに、表示手段131に表示される。変曲点TPは、撮像特性変更手段として機能するジョグダイアル115等を用いて変更が可能で、変更の操作がなされると、CPU151で変更後の撮像特性演算が行われて画像メモリ181に記憶され、変更前の撮像特性とともに表示手段131に表示される。
一旦画像メモリ181に記録されたデジタル画像データ、ヒストグラムおよび撮像特性は、最終的にはメモリカード182に記録される。
以上の一連の撮像動作は、カメラ制御手段150の制御下で、撮像制御手段161によって制御される。
また、画像メモリ181またはメモリカード182に記録されたデジタル画像データは、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)や携帯情報端末(PDA)等に取り込まれることによって、PCやPDA上のソフトウェアによって更なる画像処理を施されることも可能である。これによって、デジタルカメラ1に搭載されているCPU151よりも強力な処理能力を持つPC等での更に高性能な画像処理が可能となり、更なる高画質化が図れる。
次に、本発明における、複数の異なる光電変換特性を有し、変曲点が制御可能となっており、これを制御することで複数の異なる光電変換特性領域の範囲(Dレンジ)を自由に設定可能な撮像素子の一例として、リニアログセンサについて、図3乃至図5を用いて説明する。
図3は、撮像素子162の内部構成を示すブロック図である。図中、図2と同じ部分には同じ番号を付与した。撮像素子162上には、画素162aが2次元的に配列されている。垂直走査回路162bによって選択された水平行の画素162aの光電変換出力VPは、垂直信号線162gに出力され、サンプルホールド回路162cに1行分同時にホールドされ、水平走査回路162eの走査により、出力回路162dから画像出力307として順次出力され、アンプ163に入力される。撮像素子162の各動作は、撮像制御手段161からの撮像制御信号161aに従って、タイミングジェネレータ(TG)162fにより制御される。
図4は、撮像素子162を構成する、低輝度部が線形特性で、高輝度部が対数特性の光電変換特性を有する画素162aの回路の一例を示す回路図である。
画素162aは、フォトダイオードPD、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)としてのトランジスタT1〜T6、及び積分用のコンデンサとしてのキャパシタCから構成されている。トランジスタT1〜T6は、本例ではPチャンネルMOSFETが採用されている。φVD、φV、φVPS、φRST、φS及びRSBは、各トランジスタやキャパシタCに対する信号(電圧)を示し、GNDは接地を示している。
フォトダイオードPDは光電変換部であり、被写体からの入射光量に応じた光電流IPDを出力する。
トランジスタT1は、トランジスタT2の製造バラツキに起因して発生する画素間の誤差成分を示す画素バラツキ信号を取り出す際に用いるスイッチであり、通常はオン状態とされており、トランジスタT2とフォトダイオードPD間に光電流IPDが流れるようになっている。画素バラツキ信号を取り出す際には、トランジスタT1がオフ状態となりフォトダイオードPDの光電流IPDが遮断され、前記の画素バラツキ信号だけが取り出される。
トランジスタT2は、ゲートとドレインが接続されており、MOSFETにおけるサブスレッショルド特性(ゲート電圧が閾値以下の時に、サブスレッショルド電流と呼ばれる微小電流が流れる特性)を利用して、同トランジスタのゲートに、光電流IPDに対して線形変換又は対数変換した電圧を発生させる働きをする。
具体的には、撮像される被写体が暗い場合、すなわち、フォトダイオードPDに入射される入射光量が少ない場合には、トランジスタT2のゲート電位が同トランジスタのソース電位より高くなっているために、トランジスタT2が所謂カットオフ状態であり、トランジスタT2にサブスレッショルド電流が流れず、フォトダイオードPDで発生する光電流IPDがフォトダイオードPDの寄生容量CPDに流れて光電流IPDが積分され、積分電荷量に応じた電圧が発生する。
このときT1はオンされているので、寄生容量CPDに積分された光電流IPDに応じた電圧が、電圧VGとしてトランジスタT2、T3のゲートに発生する。この電圧VGにより、トランジスタT3に電流が流れ、この電圧VGに比例した量の電荷がキャパシタCに蓄積される(トランジスタT3とキャパシタCとで積分回路を構成している)。そして、トランジスタT3とキャパシタCとの接続ノードa、すなわち出力VOUTには、光電流IPDの積分値に対して線形的に比例した電圧が現れる。これが線形特性領域における動作である。
一方、撮像される被写体が明るく、フォトダイオードPDに入射される入射光量が多い場合には、トランジスタT2のゲート電位が同トランジスタのソース電位以下となり、トランジスタT2がサブスレッショルド領域で動作するためにサブスレッショルド電流が流れ、光電流IPDを自然対数的に変換した値の電圧VGがトランジスタT2、T3のゲートに発生する。そして、この電圧VGにより、トランジスタT3に電流が流れ、キャパシタCに、光電流IPDの積分値を自然対数的に変換した値と同等の電荷が蓄積される。これにより、キャパシタCとトランジスタT3との接続ノードa(出力VOUT)には、光電流IPDの積分値を自然対数的に変換した値に比例した電圧が生じる。これが当該撮像素子1620の、対数特性領域における動作である。
上述したように、画素162aの動作が線形特性となるか対数特性となるかは、トランジスタT2のゲート電位VGとソース電位φVPSの高低の関係によって決まる。ゲート電位VGは上述のように光電流IPDによって決まるので、ソース電位φVPSを制御することで線形特性と対数特性の変曲点を制御することができる。
以上のように、被写体の明るさ、すなわち入射光量に応じて、各画素毎に、光電流IPDの積分値に線形的又は自然対数的に比例した電圧が発生される。
トランジスタT4は、キャパシタCをリセットするためのトランジスタであり、該トランジスタT4のゲートに印加される電圧φRSTに応じてオン、オフされるスイッチとして動作する。トランジスタT4がオンされると、キャパシタCにリセット電圧RSBが印加され、蓄積されていた電荷が積分開始前の状態に戻される。
トランジスタT5は、ソースフォロワ増幅回路を構成するものであり、前述した出力VOUTに対する電流増幅を行うことで、出力インピーダンスを下げる働きをする。
トランジスタT6は、信号読み出し用のトランジスタであり、ゲートに印加される電圧φVに応じてオン、オフされるスイッチとして動作する。トランジスタT6のソースは、垂直信号線162gに接続されており、トランジスタT6がオンされると、トランジスタT5で電流増幅されて低インピーダンス化された光電変換出力VPを、垂直信号線162gへ導出する。
図5は、図4に示した画素162aの回路の光電変換特性を示すグラフである。横軸には、被写体輝度を対数軸でとってあり、縦軸には光電変換出力を線形軸でとってある。上述したように、図4のトランジスタT2のソース電圧φVPSの制御によって、図5の特性401に示すような対数特性から、特性402に示す線形特性までを切り換えることが可能である。特性403は、被写体輝度が低輝度の場合は特性402と同じ線形特性、被写体輝度が高輝度の場合は特性401と同じ傾きの対数特性を示す線形/対数特性(リニア/ログ特性とも言う)であり、線形特性と対数特性の変曲点404は、上述のトランジスタT2のソース電位φVPSの制御によって任意に設定可能である。
次に、撮像素子162の露光量制御と、変曲点の制御について説明する。
本実施の形態においては、測光素子122は、被写体の輝度を複数の受光素子にて分割して測光する。測光素子122による分割測光値を処理することで、主被写体輝度と周辺被写体輝度の測光値を算出することが可能である。その方法については、例えば、本件出願人が別途特許出願した特願2004−159760号に詳述してあるので、説明は省略する。
また、特願2004−159760号には、測光素子を用いない他の実施の形態として「撮影前に、Dレンジを広くした設定で測光用の撮影を行い、撮像センサから得られた画像を分割して評価値を算出し、主被写体輝度とその他の周辺被写体輝度をそれぞれ求める方法」についても記載されているが、その方法を用いても構わない。どちらの方法を用いても、主被写体輝度と周辺被写体輝度の測光値を算出することが可能である。
上述の方法で得られた主被写体輝度の測光値から、主被写体部が、線形特性領域で適正露光となるように、デジタルカメラ1の絞りとシャッタ速度を設定し、主被写体輝度の測光値と周辺被写体輝度の測光値の最大値(最大輝度部の測光値)から、最大輝度部がA/D変換後の最大値以下となるよう変曲点を設定する。これを、図6を用いて説明する。
図6は、撮像素子162の光電変換特性を示す模式図で、横軸に被写体輝度(x)を対数軸で、縦軸に撮像素子の出力(y)をとってある。
図6に実線(601と603)で示した光電変換特性は、主被写体輝度の測光値Bo、最大輝度部の測光値Bm、固定値であるA/D変換の最大出力Am、主被写体適正露光出力Ao、センサー固有のLog係数(図6の対数特性領域の光電変換特性の傾き)kを用いて、
線形特性領域601は、
y=(Ao/Bo)・x ・・・(式1)
対数特性領域は、
y=k・log(x)+Am−k・log(Bm) ・・・(式2)
と表される。
変曲点 Atは、(式1)と(式2)から、
At=k・log((Bo/Ao)・At)+Am−k・log(Bm)
を満たすAtである。
主被写体輝度の測光値が、例えばBoからBo’に変化した場合は、矢印621で示したように、線形特性領域の光電変換特性601を611に変更することで、主被写体輝度Bo’を主被写体適正露光出力Aoとして再現できる。線形特性領域の光電変換特性の変更は、デジタルカメラ1の絞りやシャッタ速度の変更により達成できる。
また、最大輝度部の測光値BmがBm’に変化した場合は、矢印623で示したように、対数特性領域の光電変換特性603を613に変更することで、最大輝度部も白つぶれすることなく再現できる。対数特性領域の光電変換特性の変更は、線形特性と対数特性の切り替わり点すなわち変曲点の変更により達成できる。変曲点の変更は、図3から図5の説明で述べたように、撮像素子162の画素162aを構成するトランジスタT2のソース電位φVPSを制御することにより行える。
デジタルカメラ1の絞り、シャッタ速度、変曲点は、例えば、撮影者がジョグダイアル115を操作することで設定することも可能となっており、その場合は、撮影者の操作による設定が優先され、上述した露光量制御、変曲点制御に反映される。
続いて、図2に示した回路ブロック図の内、画像処理手段165の構成について、図7を用いて説明する。図7は、画像処理手段165の回路構成の一例を示す回路ブロック図である。
前述したように、撮像素子162で光電変換された画像信号は、アンプ163で増幅され、A/D変換手段164でデジタルデータに変換され、画像処理手段165で既定の画像処理を施したデジタル画像データに変換され、一旦画像メモリ181に記録された後、最終的にはメモリカード182に記録される。A/D変換手段164から画像処理手段165に入力されたデジタルデータ501はホワイトバランス処理部502に入力され、ホワイトバランス処理されたWB出力データ502aは高コントラスト化処理手段503に入力され、高コントラスト化処理されたHC出力データ503aは色補間部504に入力される。
色補間出力データ504aは色補正部505に入力され、色補正出力データ505aはγ補正部506でγ補正され、γ補正出力データ506aは色空間変換部507でRGBデータからYCrCbデータ507aに変換され、YCrCbデータ507aは出力部508に入力され、デジタル画像データ510として撮像制御手段161に出力される。
一方、WB出力データ502aは、ヒストグラム演算手段166に入力され、ヒストグラム演算が行われる。ヒストグラム演算については、図10の説明で詳述する。
次に、図7に示した画像処理手段165の各部の動作について説明する。図8は、ホワイトバランス処理部502での処理を示す光電変換特性のグラフである。ホワイトバランス処理は、基本的には基準色(本例ではG色)の光電変換特性に、補正対象(本例ではR色とB色)の光電変換特性を一致させることで成り立つ。R、G、Bの3色の光電変換特性が同じであれば、3色を合成すれば白になるからである。ところが、実際にはカラーフィルタの透過率の違い等により、例えば図8(a)のようにG色に対してR色が光電変換特性が高かったり、例えば図8(b)のようにG色に対してB色が光電変換特性が低かったりする場合がある。
このような場合のホワイトバランス処理を、例えば、図8(a)を例にとって説明する。図8(a)では、被写体輝度領域512aでは、G色の光電変換特性514aもR色の光電変換特性513aも線形特性である。被写体輝度領域512bでは、G色の光電変換特性514aは線形特性、R色の光電変換特性513bは対数特性である。被写体輝度領域512cでは、G色の光電変換特性514cもR色の光電変換特性513cも対数特性である。一般に、線形特性の場合は、ホワイトバランスは、補正される色の光電変換出力に補正値を乗算することで基準色に一致させることができる。対数特性の場合は、補正される色の光電変換出力に補正値を加算することで基準色に一致させることができる。
そこで、本例では、まず、領域512bのR色の対数特性の光電変換特性513bが、演算により線形特性513dに変換されて、被写体輝度領域512aの線形特性513aとつなぎ合わせられる(513a+513d)。実際の変換にはルックアップテーブル(LUT)等を用いて、演算に必要な時間を短縮することが行われる。しかる後に、被写体輝度領域512aと512bのつなぎ合わせられた線形特性に補正値が乗算されて、線形特性領域の光電変換特性(513a+513d)が基準のG色の光電変換特性514aに一致させられる。被写体輝度領域512cの対数特性513cには、補正値が加算(本例では負の補正値を加算)されて基準のG色の光電変換特性514cに一致させられる。これによって、R色の光電変換特性がG色の光電変換特性に一致させられる。
また、図8(b)の例の場合は、被写体輝度領域522aでは、G色の光電変換特524aもB色の光電変換特性523aも線形特性である。被写体輝度領域522bでは、G色の光電変換特性524cは対数特性、B色の光電変換特性523bは線形特性である。被写体輝度領域522cでは、G色の光電変換特性524cも、R色の光電変換特性523cも対数特性である。そこで、まず、領域522bのB色の線形特性の光電変換特性523bが、LUT等を用いた演算により、対数特性523dに変換されて、被写体輝度領域522cの対数特性523cとつなぎ合わせられる(523d+523c)。しかる後に、被写体輝度領域522bと522cのつなぎ合わせられた対数特性に補正値が加算されて、対数特性領域の光電変換特性(523d+523c)が基準のG色に一致させられる。被写体輝度領域522aの線形特性523aは、補正値が乗算されて基準のG色の光電変換特性524aに一致させられる。
以上に述べたように、ホワイトバランス処理部502では、補正対象色の光電変換特性を基準色の光電変換特性の線形特性領域と対数特性領域に合わせて同じ特性のデータに演算し、線形特性領域と対数特性領域に分けて乗算または加算により光電変換特性を一致させることが行われる。
次に、図7に示した高コントラスト化処理手段503における高コントラスト化処理(階調変換処理)について説明する。
高コントラスト化処理手段503は、撮像された画像の中で、低コントラストの部分(本発明では、高輝度部)のコントラストを強調する機能を持ち、一般的には、Dレンジ圧縮技術と呼ばれる技術を利用する。これらの技術は種々提案されているが、ほとんどが空間的に局所処理を行うことを特徴としている。
一例として、画像を照明成分と反射率成分に分解し、照明成分を圧縮した後、反射率成分と合成することで高コントラスト化を行う技術がある。この技術は、広Dレンジ画像は照明成分が広Dレンジであるので、照明成分のDレンジを圧縮すればよい、という考え方に基づいているものである。
画像Iは、照明成分Lと反射率成分Rを用いて、次式で表すことができる。
I=L・R ・・・(式3)
ここで、一般に照明成分Lは低周波であるとの仮定に基づき、画像Iをローパスフィルタに通すことで、照明成分Lを求めることができる。次いで、照明成分Lの高輝度部を必要なレベルに下げる処理、すなわちDレンジ圧縮を施し、圧縮後の照明成分L’を得る。このL’を用いてDレンジ圧縮された画像I’が次式で得られる。
I’=L’・R=I・L’/L ・・・(式4)
この考え方は、線形特性領域と対数特性領域があることに注意すれば、本発明におけるリニアログセンサにも適用できる。例えば、対数特性領域を線形変換し、広Dレンジの線形画像にしてからこの考え方を適用すればよい。詳細については、例えば、本件出願人が別途特許出願した特願2005−158931号の段落〔0088〕から段落〔0114〕に記載してある。
上述した高コントラスト化処理は、画像の低周波成分である照明成分のDレンジを圧縮、すなわち画像の局所空間(ある広がりを持った領域)毎にDレンジを圧縮しているので、異なる照明で照らされた物体間では元の画像と明暗が逆転することがある。その場合には被写体の輝度分布を表すヒストグラムが得られなくなるので、ヒストグラム演算は、高コントラスト化処理前の画像信号であるWB出力データ502aから行うことが望ましい。
図7の、高コントラスト化処理手段503に続く、色補間部504、色補正部505、γ補正部506および色空間変換部507における処理は、従来の一般的な色処理方法をそのまま利用することが可能である。以下に、各処理の一般的な方法を例示する。
色補間部504では、図9(a)に示したようなベイヤー配列の画像信号503aを、R、G、B各色について色補間し、各画素における各色の画像信号504aを以下のように生成する。例えば、11画素では、
R11=(R00+R20+R02+R22)/4
G11=(Gr10+Gb01+Gb21+Gr12)/4
B11=B11
21画素では、
R21=(R20+R22)/2
G21=Gb21
B21=(B11+B31)/2
22画素では、
R22=R22
G22=(Gb21+Gr12+Gr32+Gb23)/4
B22=(B11+B31+B13+B33)/4
といったように演算する。
色補正部505では、色補間部504から入力されるR、G、B各色の画像信号504aの色合いを補正するために、以下のように、a1からc3の合計9個の既定の係数を用いて、画像信号504aを線形変換して、画像信号505aを出力する。
R’=a1×R+a2×G+a3×B
G’=b1×R+b2×G+b3×B
B’=c1×R+c2×G+c3×B
γ補正部506では、表示手段131等の画像を表示する表示メディアの非線形表示特性に応じて、画像信号505aに非線形補正を行って、画像信号506aを出力する。非線形補正のための補正データは、表示メディアの特性に応じたものが、例えば、ルックアップテーブルや変換式等の形で、予め記憶部153等に記憶されているか、メモリカード182等を介して外部から供給される。
色空間変換部507では、以下のように、d1からf3の合計9個の既定の係数を用いて、画像信号506aのRGB空間からYCbCr空間への色空間変換を行う。
Y=d1×R+d2×G+d3×B
Cr=e1×R+e2×G+e3×B
Cb=f1×R+f2×G+f3×B
続いて、図2および図7に示したヒストグラム演算手段166における、被写体輝度のヒストグラム演算について、図10を用いて説明する。
ここでは、上述した高コントラスト化処理前の画像信号であるWB出力データ502aから、輝度信号、すなわちY信号を生成し、Y信号のヒストグラムを算出する。本実施の形態では、WB出力502aは色補間前であるので、図10(a)に示すように、横方向2画素と縦方向2画素のR,Gr,Gb,Bの4画素からなるブロックから、次式によりY信号を得る。
Y=(R+Gr+Gb+B)/4 ・・・(式5)
A/D変換手段164のビット数をbとすると、Yは0〜2b−1までの2b個の値を取り得る。これをn個の区間に分割し、区間の中央値を代表値とする。例えば、b=12ビット、n=256分割とすると、最初の区間は0〜15、次の区間は16〜31、・・・、最後の区間は4080〜4095となり、それぞれの代表値は、8,24,・・・,4088となる。n個の各区間に入るYの頻度を求め、区間の代表値とともに、例えばワークメモリ152等のメモリに記憶する。これによって、撮像素子162で撮像された画像の輝度分布がヒストグラム化されたことになる。
上のY信号は、ビットシフトによって演算可能なため高速処理が可能で、さらに、データ数が元画像の1/4になっているので、ヒストグラム演算量が少ない利点がある。
以上の説明では、Y信号は、縦横2画素ずつの4画素から求めたが、これに限らない。たとえば、縦横4画素ずつの16画素から求めてもよい。この場合、データ数は元の1/16になるのでさらに演算量が少なくなる。ただし、Y信号を求めるブロックを大きくすれば、ヒストグラム演算量は少なくなるが、元画像の画素数が少ない場合、ヒストグラムが粗くなる可能性がある。
さらに、より正確な輝度分布を表示したい場合は、CCIR(Comite Consultatif Internationale des Radiocommunications)601規格に準じて、
Y=0.299R+0.587(Gr+Gb)/2+0.114B ・・・(式6)
等を用いてもよい。
また、色毎の輝度分布を表示したい場合は、R,G,B各色それぞれのヒストグラムを求めてもよい。
その他、被写体輝度に限らず、被写体の強度分布がわかるものならよい。
上述の説明では、色補間前の信号であるWB出力データ502aを用いてヒストグラム演算を行うとしたが、例えば、図10(c)に示すように、高コントラスト化処理手段503に入力される信号が色補間部504で既に色補間されている色補間出力データ504aである場合は、どの位置の画素も全てR,G,Bの値を持っているので、上述のようにブロックを考えなくても、YまたはR,G,Bのヒストグラムを求めることができる。もちろんブロックを考えて求めてもよい。
次に、デジタルカメラ1における、ヒストグラムと、撮像特性の表示方法について説明する。まず、表示用の撮像特性を求める。
撮像特性は、光電変換特性、または変曲点Atと最大DレンジDmで表す。ここでは、光電変換特性を中心に説明する。
リニアログセンサの光電変換特性は、図6の説明で述べたように、主被写体輝度の測光値Bo、周辺被写体を含む画面全体の最大輝度部の測光値Bmと、固定値である主被写体適正露光出力Ao、A/D変換手段の最大出力Amおよび撮像素子固有のLog係数kで表すことができるが、撮像素子の特性をデジタルカメラ1の表示手段131に表示する場合には、被写体輝度xの絶対値は必要なく、スケールは任意でよい。その場合、前述した特性式(式1)および(式2)を以下のように簡単化できる。
既知の変曲点をAtとすると、(式1)から、線形特性領域を、
y=x ・・・(式1−1)
と置くことで、(式2)から、対数特性領域は、
y=k・log(x)+At−k・log(At) ・・・(式2−1)
と表すことができる。この式は、リニアログセンサの光電変換特性を表したものとなっている。
図11に示すように、出力(y)軸では、線形特性領域301と対数特性領域303の切り替わり点、すなわち変曲点はAtとなり、対数特性領域303の最大値、すなわち最大Dレンジは、A/D変換手段の最大出力Amとなる。被写体輝度(x)軸では、(式1−1)から、変曲点はAtとなり、(式2−1)から、最大Dレンジは、
Dm=exp{(Am−At+k・log(At))/k}
で求めることができる。
次に、ヒストグラムについて説明する。図10で説明したように、ヒストグラム演算手段166で得られたヒストグラム311は、図11に示すように、低輝度部が線形特性で、高輝度部が対数特性のリニアログセンサの出力から得られたものである。本実施の形態では、光電変換特性と合わせて表示するために、図10の説明で述べた対数特性領域のヒストグラムの区間代表値を、光電変換特性と同様に、線形特性に変換する。
対数特性領域を線形に変換するには、対数特性領域の光電変換特性を示す(式2−1)をxについて解いた次式を用いる。
x=exp{(y−At+k・log(At))/k} ・・・(式2−2)
ヒストグラムの区間の代表値をym、変換後の代表値をxmとすると、
ym≦Atのとき、xm=ym
ym≧Atのとき、xm=exp{(ym−At+k・log(At))/k}
と変換することで、光電変換特性と揃えることができる。
そこで、図10の説明で述べたワークメモリ152等のメモリに記憶されている区間代表値を、ymからxmに変更する。
次に、上で求めた撮像特性(光電変換特性)とヒストグラムを表示する方法を説明する。
撮像特性(光電変換特性)とヒストグラムは、例えば、デジタルカメラ1の背面に設けられた表示手段131上に、表示エリア700を設けて表示される。図12(a)および(b)に示すように、表示の横軸701を、被写体輝度x、及びヒストグラムの区間代表値xm、縦軸は、左縦軸(第1軸)703をヒストグラムの頻度、右縦軸(第2軸)705を光電変換特性の出力yとすれば、ヒストグラム(線形特性領域が721で対数特性領域が723)と光電変換特性(線形特性領域が711、対数特性領域が713、変曲点がAt)を合わせて表示できる。
縦軸703の表示範囲は、A/D変換手段の最大出力Amとヒストグラムの最大値が表示できるように、横軸701の表示範囲は、最大DレンジDmが表示できるように設定される。あるいは、撮影者が、例えばジョグダイアル115等を用いて、見たい範囲を任意に設定しても良い。
このとき、横軸701は対数軸として表示する方がよい。例えば、図12(a)のように、横軸701を線形で表示すると、リニアログセンサの対数特性領域は、線形特性領域に比べて輝度範囲が非常に広いので、線形特性領域が非常に狭く表示されるため、線形特性領域のヒストグラム721の分布が分かりにくくなる。また、対数特性領域は線形に変換されているので、対数特性領域のヒストグラム723の区間の幅が広くなり、表示が粗くなる。
それに対して、図12(b)のように、横軸701を対数で表示すると、線形特性領域と対数特性領域のバランスが取れて、線形特性領域のヒストグラム721の分布が分かりやすくなるとともに、対数特性領域のヒストグラム723も、表示が粗くなることもなく、分布が分かりやすくなる。
次に、変曲点の変更後の撮像特性の表示について説明する。光電変換特性は、前述のように、線形特性領域(y≦At)は、
y=x
対数特性領域(y>At)は、
y=k・log(x)+At−k・log(At)
最大Dレンジは、
Dm=exp{(Am−At+k・log(At))/k}
と表すことができる。ここに、Amは、AD変換手段の最大出力である。
変曲点をAtからAt’に変更すると
線形特性領域(y≦At’)は、
y=x
対数特性領域(y>At’)
y=k・log(x)+At’−k・log(At’)
最大Dレンジは、
Dm’=exp{(Am−At’+k・log(At’))/k}
となる。
図13に、図12(b)に示した光電変換特性とヒストグラムの表示に加えて、変曲点変更後の光電変換特性を追加表示した状態を示す。ここに例示したのは、At’>Atの場合で、光電変換特性の対数特性領域は713から733に変更され、変更後の最大Dレンジは、Dm’となる。この場合、Dm’<Dmとなるので、撮影者には、Dm’からDmの間にあるヒストグラムの部分743に属する被写体の画像は、白つぶれすることがわかる。逆に、At’<Atの場合(図示せず)には、Dm’>Dmとなるので、対数特性で撮像される被写体部分が増えることになる。
次に、上述した撮像特性(光電変換特性)とヒストグラムの表示方法について、具体例をいくつか説明する。撮像特性(光電変換特性)は、変曲点Atと最大DレンジDmがわかればよいので、以下のパターンが考えられる。
図14(a)は、光電変換特性とともに、変曲点(AtとAt’)を出力軸(右縦軸)に、最大Dレンジ(DmとDm’)を被写体輝度軸(横軸)に示したものである。図14(b)は、光電変換特性とともに、変曲点(AtとAt’)と最大Dレンジ(DmとDm’)とを被写体輝度軸(横軸)に示したものである。図14(c)は、光電変換特性とともに、最大Dレンジ(DmとDm’)を被写体輝度軸(横軸)に、変曲点(AtとAt’)は出力軸(右縦軸)と被写体輝度軸(横軸)との両方に示したものである。
また、図14(d)は、光電変換特性とヒストグラムのグラフのみを示したものである。光電変換特性からは、変曲点も最大Dレンジも読み取れるので、これでもよい。図14(e)は、光電変換特性は示さずに、変曲点(AtとAt’)と最大Dレンジ(DmとDm’)とを被写体輝度軸(横軸)に示したものである。いずれにおいても、変曲点の変更前後の、変曲点と最大Dレンジの変化が示されている。
次に、上述した撮像特性とヒストグラムの表示の使用方法について説明する。撮像特性とヒストグラムの表示は、予備撮像後のプレビュー表示時に行うと効果的である。プレビュー表示は、予備撮像することで、あらかじめ撮像画角や露出などを確認することを目的としているので、このときに被写体輝度の撮像特性とヒストグラムを表示することで撮像Dレンジの確認も可能となり、より使いやすいものとなる。さらに、変曲点の変更操作も可能であり、変更後の最大Dレンジも合わせて確認できるので、本撮影時の変曲点設定が容易になり、撮影者の意図する画像が、より簡単に撮像できる。
さらに、本撮像後のアフタービュー表示時に、撮像特性とヒストグラムの表示を行っても効果がある。アフタービュー表示は、画像が撮影者の意図通り撮像できたか否かを確認することを目的としているので、このときに、撮像特性とヒストグラムを表示することで、撮像Dレンジの確認も可能となり、撮像された画像の確認に役立つ。また、撮像された画像が、Dレンジにおいて意図したものとは異なる時、変曲点の変更操作も可能であり、変更後の最大Dレンジも合わせて確認できるので、撮り直しを行うときの変曲点設定が容易になり、撮影者の意図する画像がより簡単に撮像できる。
つまり、通常の撮像では、露光量制御と変曲点制御により、被写体輝度の最大値と撮像特性の最大Dレンジは一致し、図15(b)の実線で示した撮像特性とヒストグラムになるが、分割測光の影響で、被写体の最大Dレンジがうまく求められず、Dレンジを狭く設定して撮像してしまう場合(図15(a))や、逆に、測光素子やその他のノイズなどの影響で、撮像Dレンジを被写体の最大Dレンジより広く設定して撮影してしまう場合(図15(c))等の不具合が発生する場合がある。このような場合に、本発明を有効に活用することができる。
具体的には、撮像Dレンジが被写体のDレンジよりも狭い場合には、例えば図15(a)に示すように、ヒストグラムのもっとも明るい部分801が最大DレンジDmに張りついた状態となっているので、ヒストグラムの形から、シーン中に最大DレンジDmより明るい被写体があることが分かる。同時に表示されている画像も確認すれば、白つぶれしている被写体があることで、シーン中に最大DレンジDmより明るい被写体があることが、より明確になる。この状態では被写体の最大Dレンジがどこまで広いかは不明だが、Dレンジを広げる方向に変更する必要があることは分かるので、変曲点をAtより小さい値At’に変更して、再度撮像を行えばよい。
また、逆に、撮影Dレンジが被写体のDレンジより広い場合には、例えば図15(c)に示すように、被写体輝度のヒストグラムが正確に表示されているので、最大DレンジDmがヒストグラムの最大値Dm’になるよう、表示を見ながら変曲点をAtからAt’に変更すればよい。
さらに、単に撮像Dレンジと被写体のDレンジを一致させるだけではなく、撮影者の意図を反映させた設定も可能である。例えば図15(b)のように、撮像Dレンジと被写体のDレンジが最大DレンジDmで一致している場合であっても、例示したヒストグラムには大きな山が三つあるが、画像を確認した結果、最も明るい側の山803に相当する輝度を持つ画像の部分は、細部の描写は不要であると撮影者が判断した場合、最大Dレンジが、ヒストグラムの最も明るい側の山803の内側Dm’になるよう、表示を見ながら、変曲点をAtからAt’に変更し、At’で本撮像または再度予備撮像すれば、図15(a)に実線で示したようなヒストグラムを持つ、撮影者の意図した画像が得られる。
次に、上述した撮像特性とヒストグラムの、表示手段131への表示方法について説明する。表示手段131へは、画像とともに、撮像特性とヒストグラムを表示するが、表示の方法は特に問わない。
例えば、図16(a)のように、表示手段131上に画像131aと、撮像特性とヒストグラムの表示エリア700を上下に並べて表示してもよいし、図16(b)のように左右に並べて表示してもよい。また、図16(c)のように、画像131a上に表示エリア700を重ねて表示してもよいし、図16(d)のように一部を重ねて表示してもよい。また、画像131aと、撮像特性とヒストグラムの表示エリア700を、切り替えながら表示できるようにしてもよい。
本実施の形態においては、低輝度部が線形特性で高輝度部が対数特性のリニアログセンサを撮像素子として用いた場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、可変蓄積時間型撮像素子や可変蓄積容量型撮像素子のような、所謂適応型撮像素子と呼ばれる、複数の傾きの異なる線形の光電変換特性を有する撮像素子を用いた場合においても、本発明は同様に有効である。適応型撮像素子の光電変換特性は、傾きは異なるが、線形特性であるので、撮像特性とヒストグラムを表示する場合は、図12(b)の説明のように横軸701を対数軸として表示するのではなく、線形軸とするのが望ましい。
以上に述べたように、本発明によれば、例えばリニアログセンサのような複数の異なる光電変換特性を有する撮像素子を用いる撮像装置において、撮像時の撮像素子の撮像特性と、画像の輝度分布のヒストグラムとを表示することにより、撮像素子の撮像特性と被写体の輝度分布とを定量的に把握することができ、Dレンジの設定が的確にかつ容易に行え、常に最適な画像を得ることのできる撮像装置を提供することができる。
尚、本発明に係る撮像装置を構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
本発明に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラの外観模式図である。 図1に示したデジタルカメラの回路の一例を示すブロック図である。 撮像素子の内部構成を示すブロック図である。 撮像素子を構成する画素の回路の一例を示す回路図である。 図4に示した画素の光電変換特性を示す模式的なグラフである。 撮像素子の光電変換特性を示す模式図である。 画像処理手段の回路構成の一例を示す回路ブロック図である。 ホワイトバランス処理部での処理を示す光電変換特性のグラフである。 ベイヤー配列の色配列を持つ画素配置を示す模式図である。 ヒストグラム演算手段における被写体輝度のヒストグラム演算方法を説明するための模式図である。 リニアログセンサの光電変換特性と被写体輝度のヒストグラムを示す模式的なグラフである。 撮像特性とヒストグラムの表示を示す模式図である。 図12に変曲点変更後の光電変換特性を追加表示した例を示す模式図である。 撮像特性とヒストグラムの表示方法の具体例を示す模式図である。 撮像特性とヒストグラムの表示を有効に活用する例を示す模式図である。 撮像特性とヒストグラムの表示手段への表示の例を示す模式図である。
符号の説明
1 デジタルカメラ
10 ボディ
20 交換レンズ
101 レリーズボタン
101a AF/AEスイッチ
101b レリーズスイッチ
111 電源スイッチ
112 モード設定ダイアル
115 ジョグダイアル
121 ファインダ
121a ファインダ接眼レンズ
122 測光素子
131 表示手段
145 シャッタ
150 カメラ制御手段
151 CPU(中央処理装置)
152 ワークメモリ
153 記憶部
161 撮像制御手段
162 撮像素子
163 アンプ
164 アナログ/デジタル(A/D)変換手段
165 画像処理手段
166 ヒストグラム演算手段
172 BL交信手段(ボディ側)
181 画像メモリ
182 メモリカード
211 レンズ
221 絞り
272 BL交信手段(レンズ側)
502 ホワイトバランス処理部
503 高コントラスト化処理手段
504 色補間部
505 色補正部
506 γ補正部
507 色空間変換部
508 出力部
510 デジタル画像データ

Claims (9)

  1. 複数の異なる光電変換特性を有し、被写体を撮像して画像信号を出力する撮像素子と、
    前記撮像素子の撮像特性を制御する撮像制御手段と、
    前記撮像素子から出力された画像信号を処理する画像処理手段と、
    前記画像処理手段で処理された画像信号に基づいて表示を行う表示手段と、
    前記表示手段への表示を制御する表示制御手段とを備えた撮像装置において、
    前記撮像素子から出力された画像信号のヒストグラムを演算するヒストグラム演算手段を備え、
    前記表示制御手段は、前記撮像素子の撮像時の撮像特性と、前記ヒストグラム演算手段で演算されたヒストグラムとを、前記表示手段に表示することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記撮像素子の撮像特性の変更を指示するための撮像特性変更手段を有し、前記表示制御手段は、前記撮像特性変更手段により撮像特性の変更が指示された場合の変更後の撮像特性も、合わせて表示することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記撮像特性は、前記撮像素子の光電変換特性であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記撮像特性は、前記撮像素子の複数の異なる光電変換特性の切り替わり点と、前記撮像素子で撮像された画像の最大ダイナミックレンジであることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  5. 前記複数の異なる光電変換特性は、被写体が低輝度の場合は線形特性、被写体が高輝度の場合は対数特性の光電変換特性であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記表示制御手段は、撮像特性とヒストグラムとを表示する際に、横軸を対数軸として表示することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記表示制御手段は、撮像特性とヒストグラムとの表示を、予備撮像後と本撮像後の少なくとも一方または両方に行うことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の撮像装置。
  8. 前記表示制御手段は、前記表示手段に、前記画像処理手段で処理された画像とともに、撮像特性とヒストグラムとを表示することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の撮像装置。
  9. 前記画像処理手段は、広ダイナミックレンジ画像の高コントラスト化処理を行う高コントラスト化処理手段を備え、
    前記ヒストグラム演算手段によるヒストグラム演算は、前記高コントラスト化処理手段による高コントラスト化処理を施す前の画像信号を用いることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の撮像装置。
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