JP2007057817A - 液晶表示素子および液晶表示素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1基板上に形成された第1電極と、第1電極上に形成されたスペーサーと、第1電極およびスペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および第2基板上に形成された第2電極と、第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を、第1配向膜と、第2配向膜とが向かい合うように配置し、スペーサー側基板および対向基板間に強誘電性液晶を含む液晶層を挟持してなる液晶表示素子であって、少なくともスペーサー上に形成した反応性配向化合物が重合してなる反応性配向重合物を含む反応性配向部によって、スペーサー側基板と対向基板とが接着しており、かつ液晶層中に反応性配向重合物が含まれることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
上記スペーサー側基板と上記対向基板とが、少なくとも上記スペーサーと上記対向基板との間に形成され、反応性配向化合物が重合してなる反応性配向重合物を含む反応性配向部によって接着しており、かつ、上記液晶層中に上記反応性配向重合物が含まれることを特徴とする液晶表示素子を提供する。
上記第1配向膜上および上記第2配向膜上の少なくとも一方に反応性配向化合物を含む未硬化反応性配向層を形成する未硬化反応性配向層形成工程と、
強誘電性液晶を含む液晶層形成用組成物を滴下する方法により、上記スペーサー側基板のスペーサー間に液晶層形成用組成物を充填する液晶充填工程と、
上記未硬化反応性配向層を介して上記第1配向膜と上記第2配向膜とが向かい合うように上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接触させた後、上記反応性配向化合物を重合することにより上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着する基板接着工程と、を有することを特徴とする液晶表示素子の製造方法を提供する。
まず、本発明の液晶表示素子について説明する。本発明の液晶表示素子は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極およびスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を、上記第1配向膜と、上記第2配向膜とが向かい合うように配置し、上記スペーサー側基板および上記対向基板間に強誘電性液晶を含む液晶層を挟持してなる液晶表示素子であって、
上記スペーサー側基板と上記対向基板とが、少なくとも上記スペーサーと上記対向基板との間に形成され、反応性配向化合物が重合してなる反応性配向重合物を含む反応性配向部によって接着しており、かつ、上記液晶層中に上記反応性配向重合物が含まれることを特徴とするものである。
また本発明の液晶表示素子は、上記液晶層が上記反応性配向部に含まれる反応性配向重合物を含むことにより、上記液晶層に含まれる強誘電性液晶が高分子安定化されるため、外部からの衝撃等により強誘電性液晶の配列が乱されることのない、安定性に優れた液晶表示素子を得ることができる。
さらに本発明の液晶表示素子は、上記反応性配向部に含まれる反応性配向重合物と、上記液晶層に含まれる反応性配向重合物とが同一であることから、液晶表示素子の製造工程を簡略化することができる。
以下、各態様について詳細に説明する。
まず、本発明の第1態様の液晶表示素子について説明する。本態様の液晶表示素子は、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着する機能を有する上記反応性配向部が、上記スペーサーと上記対向基板との間にのみ形成されているものである。
まず、本態様の液晶表示素子が有する反応性配向部について説明する。本発明における反応性配向部は、スペーサー側基板のスペーサーと対向基板との間にのみ形成され、反応性配向化合物が重合してなる反応性配向重合物を含むものである。また、本態様における反応性配向部は、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着する機能を有するものである。
上記反応性配向部に含まれる反応性配向重合物は、反応性配向化合物を重合してなるものである。本態様に用いられる反応性配向化合物としては、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着することができ、かつ、後述する第1配向膜および第2配向膜の作用により配向する、配向性を有するものであれば特に限定されない。このような反応性配向化合物としては液晶性を示す反応性液晶と、液晶性を示さない非液晶性化合物とを挙げることができる。なかでも本態様においては上記反応性配向化合物として反応性液晶を用いることが好ましい。
本態様の液晶表示素子が反応性配向部は、本態様の液晶表示素子に用いられるスペーサー側基板のスペーサーと上記対向基板との間にのみ形成されているものである。本態様において反応性配向部がスペーサーと上記対向基板との間に形成される態様としては、反応性配向部が上記スペーサーと接触するように、スペーサー上に直接形成されている態様と、反応性配向部が、例えば第1配向層等の他の層を介して上記スペーサー上に形成されている態様を挙げることができる。本態様においては、いずれの態様も好適に用いることができるが、なかでも反応液晶部が他の層を介して上記スペーサー上に形成されていることが好ましい。このような態様によれば、本態様の液晶表示素子の製造方法が簡略化できるという利点があるからである。
本態様における反応性配向部は、スペーサー側基板と対向基板とを接着する機能を有するが、ここでいう「接着」とはスペーサー側基板と対向基板とが接触して離れないことをいい、より具体的には互いに自重では離れない程度の接着力を有して接触していることを意味する。
次に、本態様に用いられるスペーサー側基板について説明する。本態様に用いられるスペーサー側基板は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極およびスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するものである。また、本態様のスペーサー側基板は上記第1配向膜上に上述した反応性配向部を有している場合もある。以下、このようなスペーサー側基板の各構成について説明する。
まず、スペーサー側基板に用いられるスペーサーについて説明する。スペーサー側基板に用いられるスペーサーは、第1基板上に形成され、スペーサー側基板と対向基板とのセルギャップを均一に保つ機能を有するものである。また、本態様の液晶表示素子においては、スペーサーが形成されている部位で上記スペーサー側基板と上記対向基板とが接着することになる。
なお、スペーサーのピッチとは、隣接するスペーサーの中心部から中心部までの距離をいう。例えば、スペーサーを図2(a)に示すような壁状とする場合は、隣り合うスペーサーの中心間距離(図2(a)中、Dで示す距離)が上記範囲内であればよい。一方、スペーサーを柱状とする場合は、隣り合う複数のスペーサーのうち、少なくとも一つのスペーサーとの中心間距離が、上記範囲内であればよく、例えば、図2(b)に示すように柱状スペーサーを規則的に配置する場合は、図2(b)中、EまたはFで示す距離のいずれか一方が上記範囲内であればよい。
次に、本態様に用いられる第1基板について説明する。本態様に用いる第1基板は、一般に液晶表示素子の基板として用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えばガラス板、プラスチック板などが好ましく挙げられる。上記第1基板の表面粗さ(RSM値)は、10nm以下であることが好ましく、より好ましくは3nm以下、さらに好ましくは1nm以下の範囲内である。なお、本態様において上記表面粗さは、原子間力顕微鏡(AFM:ATOMIC FORCE MICROSCOPE)により測定することができる。
次に、スペーサー側基板に用いられる第1電極について説明する。スペーサー側基板に用いる第1電極は、一般に液晶表示素子の電極として用いられているものであれば特に限定されるものではないが、第1電極および後述する第2電極のうち少なくとも一方が透明導電体で形成されることが好ましい。透明導電体の材料としては、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)等が好ましく挙げられる。本態様の液晶表示素子を、TFTを用いたアクティブマトリックス方式の液晶表示素子とする場合には、スペーサー側基板の第1電極および対向基板の第2電極層のうち、一方を上記透明導電体で形成される全面共通電極とし、他方にはx電極とy電極をマトリックス状に配列し、x電極とy電極で囲まれた部分にTFT素子および画素電極を配置するからである。この場合に、画素電極、TFT素子、x電極およびy電極により形成される電極層の凹凸部の差は、0.2μm以下であることが好ましい。電極層の凹凸部の差が0.2μmを超えると、配向乱れを生じやすいからである。
次にスペーサー側基板に用いられる第1配向膜について説明する。スペーサー側基板に用いられる第1配向膜としては特に限定されるものではないが、上記反応性配向部に含まれる反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物に対して、配向能を有するものが好ましい。第1配向膜として反応性配向化合物に対する配向能を有するものを用いることにより、上記反応性配向部の液晶分子の配向能を向上できるため、液晶層を構成する強誘電性液晶の配向安定性を向上することができるからである。このような第1配向膜としては、例えばラビング処理、光配向処理等を施したものを用いることができるが、本態様においては光配向処理を施した光配向膜を用いることが好ましい。光配向処理は非接触配向処理であることから静電気や塵の発生がなく、定量的な配向処理の制御ができる点で有用であるからである。以下、このような光配向膜について説明する。
このような材料としては、大きく、光反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する光反応型の材料と、光異性化反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する光異性化反応型の材料とに分けることができる。なお、上記光配向膜の構成材料が光励起反応を生じる光の波長領域は、紫外光域の範囲内、すなわち10nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、250nm〜380nmの範囲内であることがより好ましい。以下、それぞれについて説明する。
まず、光反応型の構成材料について説明する。上述したように、光反応型の構成材料とは、光反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する材料である。本態様に用いられる光反応型の構成材料としては、このような特性を有するものであれば特に限定されるものではないが、これらの中でも、光二量化反応または光分解反応を生じることにより上記光配向膜に異方性を付与する材料であることが好ましい。
次に、光異性化型の材料について説明する。ここでいう光異性化型の材料とは、上述したように光異性化反応を生じることにより第1配向膜に異方性を付与する材料であり、このような特性を有する材料であれば特に限定されるものではない。なかでも本態様においては、光異性化反応を生じることにより上記第1配向膜に異方性を付与する光異性化反応性化合物を含むものであることが好ましい。このような光異性化反応性化合物を含むことにより、光照射により、複数の異性体のうち安定な異性体が増加し、それにより第1配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
次に、本態様に用いられる対向基板について説明する。本態様における対向基板は、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有するものである。また、本態様の対向基板は上記第1配向膜上に上述した反応性配向部を有している場合もある。
ここで、上記対向基板に用いられる第2基板、第2電極、および第2配向膜は、上記「2.スペーサー側基板」の項に記載した、第1基板、第1電極および第1配向膜と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、対向基板に用いられる反応性配向部については、上記「1.反応性配向部」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられる液晶層は、上記スペーサー側基板と上記対向基板とにより狭持されており、強誘電性液晶と、反応性配向重合物とを含むものである。以下、このような液晶層について説明する。
まず、本態様の液晶層に含まれる反応性配向重合物について説明する。本態様に用いられる反応性配向重合物は、液晶層に存在して上記強誘電性液晶を高分子安定化する機能を有するものである。このような反応性配向重合物は、反応性配向化合物が重合してなるものであり、上記反応性配向部に含まれる反応性配向重合物と同一のものである。なお、液晶層に含まれる反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物は、上記「1.反応性配向部」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本態様における液晶層中の反応性配向重合物の含有量は、液晶層中の単分子液晶を溶剤で洗い流した後、残存する反応性配向重合物の重量を電子天秤で測量することによって求めた残存量と、上記液晶層の総質量とから算出することができる。
本態様に用いられる強誘電性液晶は、カイラルスメクチックC相(SmC*)を発現するものであれば特に限定されるものではない。強誘電性液晶の相系列としては、例えばネマチック相(N)−コレステリック相(Ch)−カイラルスメクチックC相(SmC*)と相変化するもの、ネマチック相(N)−カイラルスメクチックC相(SmC*)と相変化するもの、ネマチック相(N)−スメクチックA相(SmA)−カイラルスメクチックC相(SmC*)と相変化するもの、ネマチック相(N)−コレステリック相(Ch)−スメクチックA相(SmA)−カイラルスメクチックC相(SmC*)と相変化するもの、などを挙げることができる。
ここで「HV字型スイッチング特性」とは、印加電圧に対する光透過率が非対称な電気光学特性をいう。
Ra−Q1−X1−(Q2−Y1)m−Q3−Rb
(式中、RaおよびRbはそれぞれ、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニルオキシ基であり、Q1、Q2およびQ3はそれぞれ、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基であり、これらの基はハロゲン原子、水酸基、シアノ基等の置換基を有していてもよく、X1およびY1はそれぞれ、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−C≡C−または単結合であり、mは0または1である。)で表される化合物を使用することができる。ホスト液晶としては、上記化合物を1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
Rc−Q1−Za−Q2−Zb−Q3−Zc−Rd
(式中、Rd、Q1、Q2、Q3は上記一般式と同じ意味を表し、ZaおよびZbは−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−C≡C−、−CH=N−、−N=N−、−N(→O)=N−、−C(=O)S−または単結合であり、Rcは不斉炭素原子を有していてもよい直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニルオキシ基であり、Rdは不斉炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニルオキシ基であり、RcおよびRdはハロゲン原子、シアノ基、水酸基で置換されていてもよい。)で表される化合物を使用することができる。光学活性物質としては、上記化合物を1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本態様における液晶層は、上記強誘電性液晶が上記反応性配向重合物により、いわゆる高分子安定化された状態にあるものであるが、本態様において、このような強誘電性液晶が高分子安定化された態様は特に限定されない。例えば、相系列にSmA相を有さない強誘電性液晶がSmC相の状態で高分子安定化された態様でもよく、相系列にSmA相を有する強誘電性液晶がSmA相の状態で高分子安定化された態様でもよく、若しくは、相系列にSmA相を有する強誘電性液晶が、SmC相の状態で交流電圧を印加されながら高分子安定化された態様であってもよい。
本態様の液晶表示素子は上記反応性配向部、スペーサー側基板、対向基板および液晶層以外に他の構成を有していてもよい。このような他の構成としては、偏光板とシール剤とを挙げることができる。
なお、図3において、液晶層および配向膜は省略している。
次に、本発明の第2態様の液晶表示素子について説明する。本態様の液晶表示素子は、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着する上記反応性配向部が、上記第1配向膜上および上記第2配向膜上のいずれか一方に形成された反応性配向重合物を含む反応性配向層に含まれるものである。
本態様における反応性配向層は、上記スペーサー側基板の第1配向膜上および上記対向基板の第2配向膜上のいずれか一方に形成され、反応性配向重合物を含むものである。本態様における反応性配向層は、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着する機能を有するものであり、上記「A−1.第1態様の液晶表示素子」における反応性配向部に相当するものである。ここで、本態様における反応性配向層に含まれる反応性配向重合物は、上記「A−1.第1態様の液晶表示素子」の反応性配向部の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様の液晶表示素子における反応性配向層は、スペーサー側基板の第1配向膜上に形成された態様、または、対向基板の第2配向膜上に形成された態様のいずれの態様であっても良い。なかでも本態様における反応性配向層は対向基板の第2配向膜上に形成された態様が好ましい。反応性配向層をスペーサー側基板上に形成する場合、スペーサーの存在により反応性配向層の膜厚が不均一になったり、また、反応性配向化合物の硬化ムラが発生する恐れがあるが、対向基板上であればこのような問題がないからである。
本態様の液晶表示素子に用いられる上記以外の構成、本態様の液晶表示素子の駆動方法およびその他の事項については、上記「A−1.第1態様の液晶表示素子」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本発明の第3態様の液晶表示素子について説明する。本態様の液晶表示素子は、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着する上記反応性配向部が、上記第1配向膜上に形成された第1反応性配向重合物を含む第1反応性配向層、および、上記第2配向膜上に形成された第2反応性配向重合物を含む第2反応性配向層に含まれるものであって、上記第1反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物と、上記第2反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物とが互いに異なる組成であり、かつ、上記液晶層中に含まれる反応性配向重合物が、上記第1反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物、および、上記第2反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物の少なくとも一方が重合してなるものである。
上記スペーサー側基板11’と上記対向基板12’の間には強誘電性液晶と、反応性配向重合物とを含む液晶層6が挟持されている。
本態様においては、上記第1反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物と、上記第2反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物とが互いに異なる組成であり、かつ、上記液晶層6中に含まれる反応性配向重合物は、上記第1反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物、および、上記第2反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物の少なくとも一方が重合してなるものである。また、図6に例示するように、本態様の液晶表示素子は、強誘電性液晶の漏洩を防止するシール剤7、および偏光板8a、8bを有していてもよい。
本態様の液晶表示素子に用いられるスペーサー側基板は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極およびスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜と、上記第1配向膜上に形成され、反応性配向化合物が重合してなる第1反応性配向重合物を含む第1反応性配向層とを有するものである。なお、上記第1基板、上記第1電極、上記スペーサー、および上記第1配向膜については、上記「A−1.第1態様の液晶表示素子 2.スペーサー側基板」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様の液晶表示素子に用いられる対向基板は、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜と、上記第2配向膜上に形成され、反応性配向化合物が重合してなる第2反応性配向重合物を含む第2反応性配向層とを有するものである。なお、上記第2基板、上記第2電極、および上記第2配向膜については、上記「A−1.第1態様の液晶表示素子 3.対向基板」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様の液晶表示素子に用いられる液晶層は、上記スペーサー側基板の第1反応性配向層および上記対向基板の第2反応性配向層によって挟持されることにより構成され、強誘電性液晶と、上記第1反応性配向化合物、および、上記第2反応性配向化合物の少なくとも一方が重合してなる反応性配向重合物を含むものである。
本態様の液晶表示素子に用いられる上記以外の構成、本態様の液晶表示素子の駆動方法およびその他の事項については、上記「A−1.第1態様の液晶表示素子」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本発明の液晶表示装置の製造方法について説明する。本発明の液晶表示装置の製造方法は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極およびスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を用いる液晶表示素子の製造方法であって、
上記第1配向膜上および上記第2配向膜上の少なくとも一方に反応性配向化合物を含む未硬化反応性配向層を形成する未硬化反応性配向層形成工程と、
強誘電性液晶を含む液晶層形成用組成物を滴下する方法により、上記スペーサー側基板のスペーサー間に液晶層形成用組成物を充填する液晶充填工程と、
上記未硬化反応性配向層を介して上記第1配向膜と上記第2配向膜とが向かい合うように上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接触させた後、上記反応性配向化合物を重合することにより上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着する基板接着工程と、を有するものである。
次に、スペーサー側基板11’のスペーサー間に強誘電性液晶を含む液晶層形成用組成物6’を滴下することにより充填する(液晶充填工程:図7(c))。このとき、液晶層形成用組成物6’が上記未硬化反応性配向層5a’と接触し、上記未硬化反応性配向層5a’中に含まれる反応性配向化合物が上記液晶層形成用組成物6’中に溶出する。このような溶出作用により、上記液晶層形成用組成物6’中に反応性配向化合物が含まれることになる。
次に、スペーサー側基板11’のスペーサー間に強誘電性液晶を含む液晶層形成用組成物6’を滴下することにより充填する(液晶充填工程:図8(c))。このとき、液晶層形成用組成物6’が上記第1未硬化反応性配向層5a’と接触し、上記第1未硬化反応液晶層5a’中に含まれる第1反応性配向化合物が上記液晶層形成用組成物6’中に溶出する。このような溶出作用により、上記液晶層形成用組成物6’中に第1反応性配向化合物が含まれることになる。
次に、上記第1未硬化反応性配向層5a’に含まれる上記第1反応性配向化合物、上記第2未硬化反応性配向層5b’に含まれる上記第2反応性配向化合物、および、上記液晶層形成用組成物6’中に含まれる第1反応性配向化合物と、第2反応性配向化合物とを重合する(図8(e))ことにより、上記スペーサー側基板11’と上記対向基板12’とを接着し、かつ、高分子安定化された液晶層6を形成する(基板接着工程)。本発明においては、図8(e)に示すようにシール剤7により液晶表示素子を封止してもよい。本発明は、以上の工程により液晶表示素子を製造するものである。
まず、本発明における未硬化反応性配向層形成工程について説明する。本発明における未硬化反応性配向層形成工程は、上記スペーサー側基板の第1配向膜上、および、上記対向基板の第2配向膜上の少なくとも一方に、反応性配向化合物を含む未硬化反応性配向層を形成する工程である。
なお、本工程により形成される未硬化反応性配向層は、後述する基板接着工程において上記反応性配向化合物が重合されることにより、反応性配向層となるものである。
本発明における未硬化反応性配向層は、上記3態様のいずれの態様であっても良いが、上記第3態様の未硬化反応性配向層を形成する場合は、上記第1配向膜上に形成する未硬化反応性配向層に含まれる反応性配向化合物と、上記第2配向膜上に形成する未硬化反応性配向層に含まれる反応性配向化合物とが、互いに異なる組成であることが好ましい。上記第1配向膜上に形成する未硬化反応性配向層に含まれる反応性配向化合物と、上記第2配向膜上に形成する未硬化反応性配向層に含まれる反応性配向化合物とが、互いに異なる組成であることにより、上記強誘電性液晶が単安定化された液晶層を形成することが容易になるからである。
以下、本工程における未硬化反応性配向層形成工程について説明する。
まず、本工程において用いるスペーサー側基板を形成するスペーサー側基板形成工程について説明する。スペーサー側基板形成工程は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極およびスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板を形成する工程である。通常このようなスペーサー側基板形成工程は、第1基板上に第1電極を形成する第1電極形成工程と、第1基板上にスペーサーを形成するスペーサー形成工程と、上記スペーサー形成工程の後、第1電極上とスペーサー上に第1配向膜を形成する第1配向膜形成工程とからなる。
まず、第1電極形成工程について説明する。第1電極形成工程は第1基板上に第1電極層を形成する工程である。
第1基板形成工程に用いられる第1基板については、上記「A−1.第1態様の液晶表示素子 2.スペーサー側基板」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記第1基板上に第1電極を形成する方法としては、厚みが均一な第1電極を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような第1電極の形成方法としては、例えば化学蒸着(CVD)法や、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等の物理蒸着(PVD)法などを挙げることができる。また、電極層のパターニング方法としては、一般的な電極のパターニング方法を適用することができる。
次に、スペーサー形成工程について説明する。スペーサー形成工程は上記第1基板上にスペーサーを形成する工程である。
次に、第1配向膜形成工程について説明する。第1配向膜形成工程は上記第1電極形成工程およびスペーサー形成工程により形成された、第1電極およびスペーサー上に第1配向膜を形成する工程である。第1配向膜形成工程においては、ラビング配向膜を形成してもよく、光配向膜を形成してもよい。さらには、光配向膜と反応性液晶層とが積層した複合膜を形成してもよい。
第1配向膜形成工程において光配向膜を形成するには、まず光配向膜の構成材料を有機溶剤で希釈した光配向膜形成用塗工液を電極層上に塗布し、乾燥させる。この場合に、光配向膜形成用塗工液中の光二量化反応性化合物または光異性化反応性化合物の含有量は、0.05質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましく、0.2質量%〜2質量%の範囲内であることがより好ましい。含有量が上記範囲より少ないと、第1配向膜に適度な異方性を付与することが困難となり、逆に含有量が上記範囲より多いと、光配向膜形成用塗工液の粘度が高くなるので均一な塗膜を形成しにくくなるからである。
第1配向膜形成工程においてラビング膜を形成する方法としては特に限定されるものではなく、一般に液晶表示素子用のラビング膜の形成方法を適用することができる。
光配向膜と反応性液晶層とが積層した複合膜を形成する方法としては、上記方法により形成した光配向膜上に、反応性液晶層を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、上述した方法により光配向膜を形成した後に、当該光配向膜上に反応性液晶を含む反応性液晶層形成用組成物を塗工することにより、未硬化反応性液晶層を形成した後、当該未硬化反応性液晶層を硬化させることにより形成する方法が好ましく用いられる。
なお、第1配向膜の構成材料およびその他の点については、上記「A−1.第1態様の液晶表示素子 2.スペーサー側基板」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本工程に用いる対向基板を形成する対向基板形成工程について説明する。対向基板形成工程は、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を形成する工程である。通常このような対向基板形成工程は、第2基板上に第2電極を形成する第2電極形成工程と、上記第2電極形成工程により形成された第2電極上に第2配向膜を形成する第2配向膜形成工程とからなる。
第2電極形成工程は、第2基板上に第2電極を形成する工程である。第2電極形成工程における第2電極の形成方法は、上述した「1.スペーサー側基板形成工程 i)第1電極形成工程」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
第2配向膜形成工程は、上記第2電極形成工程により形成された第2電極上に第2配向膜を形成する工程である。第2配向膜形成工程における第2配向膜の形成方法については、上記「1.スペーサー側基板形成工程 iii)第1配向膜形成工程」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。ここで、第2配向膜の組成は、上述した第1配向膜の組成と同一であっても良く、または、異なっていても良い。
次に本工程において、未硬化反応性配向層形成する方法について説明する。本工程において未硬化反応性配向層を形成する方法としては、反応性配向化合物を含む反応性配向層形成用塗工液を塗布し、配向処理を行う方法と、反応性配向化合物からなるドライフィルム等を予め形成し、これを積層する方法とを挙げることができるが、本発明においては、反応性配向化合物を含む反応性配向層形成用塗工液を塗布し、配向処理を行う方法が好ましい。このような方法によれば未硬化反応性配向層形成工程を簡略化することが可能である利点を有するからである。
上記反応性配向化合物に対するこれら化合物の添加量は、本発明の目的が損なわれない範囲で選択される。これらの化合物の添加により、反応性配向化合物の硬化性が向上し、得られる反応性配向層の機械強度が増大し、またその安定性が改善される。
次に本発明における液晶充填工程について説明する。本発明における液晶充填工程は、強誘電性液晶を含む液晶層形成用組成物を滴下する方法により、上記スペーサー側基板のスペーサー間に液晶層形成用組成物を充填する工程である。
次に本発明における基板接着工程について説明する。本発明における基板接着工程は、上記液晶充填工程の後、上記未硬化反応性配向層形成工程により形成された上記未硬化反応性配向層を介して上記第1配向膜と上記第2配向膜とが向かい合うように上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接触させ、上記反応性配向化合物を重合することにより、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着する工程である。また本工程は、上記未硬化反応性配向層形成工程により形成された、未硬化反応性配向層から上記液晶層形成用組成物中に溶出した反応性配向化合物が重合反応を生じ、高分子安定化された強誘電性液晶からなる液晶層を形成する工程でもある。
本発明の液晶表示素子の製造方法においては、上記未硬化反応性配向層形成工程により形成される未硬化反応性配向層と、上記液晶層形成用組成物とを接触させることにより、上記液晶層形成用組成物中に、上記未硬化反応性配向層に含まれる反応性配向化合物を溶出させた後、上記反応性配向化合物を重合することにより、高分子安定化された液晶層を形成する。本発明の製造方法により得られる液晶表示素子の液晶層に含まれる反応性配向重合物の量は、上記未硬化反応性配向層から上記液晶層形成用組成物へ溶出する反応性配向化合物の溶出量に依存することになるが、この反応性配向化合物の溶出量は、上記未硬化反応性配向層と上記液晶層形成用組成物とを接触させた後、上記未硬化反応性配向層中に含まれる反応性配向層を重合するまでの接触条件に依存する。すなわち、上記接触条件を適宜調整することにより上記液晶層形成用組成物中への上記反応性配向化合物の溶出量を変化させることができる。
上記未硬化反応性配向層を、上記スペーサー側基板の第1配向膜上に形成した場合は、上記液晶充填工程において、液晶層形成用組成物を充填した時点が上記接触時間の始点となり、上記基板接着工程において、上記未硬化反応性配向層に含まれる反応性配向化合物を重合した時点が上記接触時間の終点となる。
一方、上記未硬化反応性配向層を、上記対向基板の第2配向膜上に形成した場合は、上記基板接着工程において、上記未硬化反応性配向層形成工程により形成された上記未硬化反応性配向層を介して上記第1配向膜と上記第2配向膜とが向かい合うように上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接触させた時点が上記接触時間の始点となり、上記基板接着工程において、上記未硬化反応性配向層に含まれる反応性配向化合物を重合した時点が上記接触時間の終点となる。
さらに、上記未硬化反応性配向層形成工程において、上記第1配向膜上と上記第2配向膜上とに未硬化反応性配向層を形成し、上記接触条件を調整することにより、上記第1配向膜上と、上記第2配向膜上とに未硬化反応性配向層を残存させることにより、上記「A−3.第3態様の液晶表示素子」を得ることができる。
このような方法によれば、上記第2配向膜上に形成された反応性配向層を構成する反応性配向化合物は固定化されており、上記液晶層形成用組成物と接触しても溶出することはないため、例えば、上記「A−2.第2態様の液晶表示素子」を形成する際に、接触条件の制約が低減されるという利点を有する。
(1)スペーサー側基板の作製
表面に酸化インジウムスズ(ITO)薄膜を形成したガラス基板(100mm×100mm×0.7mm)のITO薄膜上に、感光性樹脂材料(JSR(株)製 NN780)をスピンコート法(2000rpm、10秒間)により塗布し、真空乾燥を行い、ホットプレートで90℃、3分間乾燥を行なった。その後、フォトリソグラフィー法により幅10μm、ピッチ1mmのストライプ状にパターニングし、230℃で30分間焼成した。これにより一方の基板に高さ1.5μmのスペーサーをガラス基板のITO薄膜上に形成した。
表面に酸化インジウムスズ(ITO)薄膜を形成したガラス基板(100mm×100mm×0.7mm)のITO薄膜上に、光配向膜材料(ロリックテクノロジー社製ROP−102)をシクロペンタノンに溶解(2質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により塗布し、ホットプレートで130℃、10分間乾燥を行なった。その後、偏光紫外線光で100mJ露光して光配向処理を施し、さらに、上記基板の配向膜上に反応性配向化合物(ロリックテクノロジー社製ROF−5102)をシクロペンタノンに溶解(10質量%)した溶液をスピンコート法(1200rpm、30秒間)により塗布し、ホットプレートで60℃、1分間乾燥を行ない、対向基板を作製した。
上記の方法により作製したスペーサー側基板を80℃に加熱した移動可能なステージ上に置き、スペーサー間に液晶材料(AZエレクトロニックマテリアルズ社製R2301)をシールディスペンサーを用いて充填し、この基板の周囲にUV硬化シール剤(EHC社製LCB610)をシールディスペンサーを用いて塗布した後、80℃に加熱したステージに取り付けた上記対向基板と共に真空チャンバーの中に配置し、十分にチャンバー内の空気を排気した状態で、配向処理方向が同一となるようにスペーサー基板と対向基板を配向層が対向するように重ね合わせ、2枚の基板を貼り合わせた。
このようにして作製した液晶表示素子を偏光板のクロスニコル下に置き、観察したところ、モノドメインが得られ、また、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れはみられなかった。
また、上記液晶表示素子を強誘電性液晶の等方相温度まで加温した状態で、クロスニコル化で観察したところ、消光位が見られ、反応性配向重合物が形成されているのが観察された。
(1)スペーサー側基板の作製
実施例1と同様の方法で、スペーサー側基板を作製した。
表面に酸化インジウムスズ(ITO)薄膜を形成したガラス基板(100mm×100mm×0.7mm)のITO薄膜上に、光配向膜材料(ロリックテクノロジー社製ROP−102)をシクロペンタノンに溶解(2質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により塗布し、ホットプレートで130℃、10分間乾燥を行なった。その後、偏光紫外線光で100mJ露光して光配向処理を施し、対向基板を作製した。
上記の方法により作製したスペーサー側基板を80℃に加熱した移動可能なステージ上に置き、スペーサー間に液晶材料(AZエレクトロニックマテリアルズ社製R2301)に反応性配向化合物(ロリックテクノロジー社製ROF−5102)を5質量%混合した混合液晶材料をシールディスペンサーを用いて充填し、この基板の周囲にUV硬化シール剤(EHC社製LCB610)をシールディスペンサーを用いて塗布した後、80℃に加熱したステージに取り付けた上記対向基板と共に真空チャンバーの中に配置し、十分にチャンバー内の空気を排気した状態で、配向処理方向が同一となるようにスペーサー基板と対向基板を配向層が対向するように重ね合わせ、2枚の基板を貼り合わせた。
このようにして作製した液晶表示素子を偏光板のクロスニコル下に置き、観察したところ、ダブルドメインが見られ、また、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化が見られ、液晶配向の秩序の乱れが観察された。
(1)スペーサー側基板の作製
実施例1と同様の方法で、スペーサー側基板を作製した。
表面に酸化インジウムスズ(ITO)薄膜を形成したガラス基板(100mm×100mm×0.7mm)のITO薄膜上に、光配向膜材料(ロリックテクノロジー社製ROP−103)をシクロペンタノンに溶解(2質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により塗布し、ホットプレートで130℃、10分間乾燥を行なった。その後、偏光紫外線光で100mJ露光して光配向処理を施し、さらに、上記基板の配向膜上に反応性液晶材料(ロリックテクノロジー社製ROF−5102)をシクロペンタノンに溶解(2質量%)した溶液をスピンコート法(1200rpm、30秒間)により塗布し、ホットプレートで60℃、1分間乾燥を行った後、無偏向紫外線を1000mJ/cm2露光し、硬化させた。さらに、反応性液晶材料(大日本インキ化学工業(株)社製UCL−011)をシクロペンタノンに溶解(10質量%)した溶液をスピンコート法(1200rpm、30秒間)により塗布し、ホットプレートで60℃、1分間乾燥を行い、対向基板を作製した。
実施例1と同様の方法により液晶の充填、および、基板の接着を行い、液晶ひょ時装置を作製した。
このようにして作製した液晶表示素子を偏光板のクロスニコル下に置き、観察したところ、モノドメインが得られ、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れはみられなかった。
また、上記液晶表示素子を強誘電性液晶の等方相温度まで加温した状態で、クロスニコル化で観察したところ、消光位が見られ、反応性配向重合物が形成されているのが観察された。
(1)スペーサー側基板の作製
表面に酸化インジウムスズ(ITO)薄膜を形成したガラス基板(100mm×100mm×0.7mm)のITO薄膜上に、感光性樹脂材料(JSR(株)製 NN780)をスピンコート法(2000rpm、10秒間)により塗布し、真空乾燥を行い、ホットプレートで90℃、3分間乾燥を行なった。その後、フォトリソグラフィー法により幅10μm、ピッチ1mmのストライプ状にパターニングし、230℃で30分間焼成した。これにより一方の基板に高さ1.5μmのスペーサーをガラス基板のITO薄膜上に形成した。
表面に酸化インジウムスズ(ITO)薄膜を形成したガラス基板(100mm×100mm×0.7mm)のITO薄膜上に、光配向膜材料(ロリックテクノロジー社製ROP−103)をシクロペンタノンに溶解(2質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により塗布し、ホットプレートで130℃、10分間乾燥を行なった。その後、偏光紫外線光で100mJ露光して光配向処理を施し、さらに、上記基板の配向膜上に反応性配向化合物(ロリックテクノロジー社製ROF−5101)をシクロペンタノンに溶解(10質量%)した溶液をスピンコート法(1200rpm、30秒間)により塗布し、ホットプレートで60℃、1分間乾燥を行ない、対向基板を作製した。
上記スペーサー基板を80℃に加熱した移動可能なステージ上に置き、スペーサー間に液晶材料(AZエレクトロニックマテリアルズ社製R2301)をシールディスペンサーを用いて充填し、この基板の周囲にUV硬化シール剤(EHC社製LCB610)をシールディスペンサーを用いて塗布した後、80℃に加熱したステージに取り付けた上記対向基板と共に真空チャンバーの中に配置し、十分にチャンバー内の空気を排気した状態で、配向処理方向が同一となるようにスペーサー基板と対向基板を配向層が対向するように重ね合わせ、2枚の基板を貼り合わせた。
このようにして作製した液晶表示素子を偏光板のクロスニコル下に置き、観察したところ、モノドメインが得られ、また、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れはみられなかった。
また、上記液晶表示素子を強誘電性液晶の等方相温度まで加温した状態で、クロスニコル化で観察したところ、消光位が見られ、反応性配向重合物が形成されているのが観察された。
1b … 第2基板
2a … 第1電極
2b … 第2電極
3a … 第1配向膜
3b … 第2配向膜
4 … スペーサー
5、5 … 反応性配向層
5’、5a’、5b’ … 未硬化反応性配向層
6 … 液晶層
7 … シール剤
8a、8b … 偏光板
10a、10b … 液晶表示素子
11、11’ … スペーサー側基板
12、12’ … 対向基板
Claims (19)
- 第1基板と、前記第1基板上に形成された第1電極およびスペーサーと、前記第1電極および前記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、前記第2基板上に形成された第2電極と、前記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を、前記第1配向膜と、前記第2配向膜とが向かい合うように配置し、前記スペーサー側基板および前記対向基板間に強誘電性液晶を含む液晶層を挟持してなる液晶表示素子であって、
前記スペーサー側基板と前記対向基板とが、少なくとも前記スペーサーと前記対向基板との間に形成され、反応性配向化合物が重合してなる反応性配向重合物を含む反応性配向部によって接着しており、かつ、前記液晶層中に前記反応性配向重合物が含まれることを特徴とする液晶表示素子。 - 前記反応性配向部が、前記スペーサーと前記対向基板との間のみに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
- 前記反応性配向部が、前記第1配向膜上および前記第2配向膜上のいずれか一方に形成された反応性配向重合物を含む反応性配向層に含まれること特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
- 前記反応性配向部が、前記第1配向膜上に形成され、第1反応性配向重合物を含む第1反応性配向層、および、前記第2配向膜上に形成され、第2反応性配向重合物を含む第2反応性配向層に含まれるものであって、前記第1反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物と、前記第2反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物とが互いに異なる組成であり、かつ、前記液晶層中に含まれる反応性配向重合物が、前記第1反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物、および、前記第2反応性配向重合物を構成する反応性配向化合物の少なくとも一方が重合してなるものであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
- 前記反応性配向化合物が液晶性を示す反応性液晶であることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の液晶表示素子。
- 前記反応性液晶が、ネマチック相を発現するものであることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示素子。
- 前記反応性液晶が、重合性液晶モノマーを有することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の液晶表示素子。
- 前記重合性液晶モノマーが、モノアクリレートモノマーおよびジアクリレートモノマーの少なくとも一方であることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示素子。
- 前記第1配向膜および前記第2配向膜が、光配向膜であることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の液晶表示素子。
- 前記光配向膜の構成材料が、光反応を生じることにより前記光配向膜に異方性を付与する光反応型の材料、または光異性化反応を生じることにより前記光配向膜に異方性を付与する光異性化反応性化合物を含む光異性化型の材料であることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示素子。
- 前記強誘電性液晶が単安定化されていることを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかの請求項に記載の液晶表示素子。
- 前記強誘電性液晶が、相系列にスメクチックA相を持たないものであることを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれかの請求項に記載の液晶表示素子。
- 前記スペーサー側基板と前記対向基板との間に、紫外線硬化性樹脂からなるシール剤を有することを特徴とする、請求項1から請求項14までのいずれかの請求項に記載の液晶表示素子。
- 薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリックス方式により駆動させることを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれかの請求項に記載の液晶表示素子。
- フィールドシーケンシャルカラー方式により駆動させるものであることを特徴とする請求項1から請求項16までのいずれかの請求項に記載の液晶表示素子。
- 第1基板と、前記第1基板上に形成された第1電極およびスペーサーと、前記第1電極および前記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、前記第2基板上に形成された第2電極と、前記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を用いる液晶表示素子の製造方法であって、
前記第1配向膜上および前記第2配向膜上の少なくとも一方に反応性配向化合物を含む未硬化反応性配向層を形成する未硬化反応性配向層形成工程と、
強誘電性液晶を含む液晶層形成用組成物を滴下する方法により、前記スペーサー側基板のスペーサー間に液晶層形成用組成物を充填する液晶充填工程と、
前記未硬化反応性配向層を介して前記第1配向膜と前記第2配向膜とが向かい合うように前記スペーサー側基板と前記対向基板とを接触させた後、前記反応性配向化合物を重合することにより前記スペーサー側基板と前記対向基板とを接着する基板接着工程と、を有することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。 - 前記基板接着工程が、前記強誘電性液晶がカイラルスメクチックC相の状態で、前記反応性配向化合物を重合することを特徴とする請求項18に記載の液晶表示素子の製造方法。
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