JP2007057544A - ガス濃度センサの制御装置 - Google Patents

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英一 黒川
Toshiyuki Suzuki
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友生 川瀬
Tetsushi Haseda
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Abstract

【課題】素子抵抗検出時にガス濃度の検出値が異常となることを防止し、検出された素子抵抗により正確なガス濃度制御を実施すること。
【解決手段】マイコン(マイクロコンピュータ)20による電圧の印加に伴い内燃機関10からの排気ガス中のガス濃度を検出するガス濃度センサとして例えば、A/Fセンサ30から酸素濃度に比例したA/F信号が出力される。素子抵抗検出時には、マイコン20からのバイアス指令信号VrがD/A変換器21でアナログ信号Vbに変換され、LPF22を介して高周波成分が除去された出力電圧Vcがバイアス制御回路40に入力される。この素子抵抗検出の期間には、正確なA/F信号が出力されないため、S/H(サンプルホールド)回路70にてそれまでのA/F信号が保持されることで誤ったA/F信号が用いられることなく、検出された素子抵抗により正確なA/F制御が実施できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、車載用内燃機関の排気ガス中のガス濃度を検出するためのガス濃度センサを用いて素子抵抗を検出する際、または使用する際のガス濃度センサの制御装置に関するものである。
従来、自動車への応用を始めとして、ガス濃度を検出するガス濃度センサを用いたガス濃度センサとして例えば、酸素濃度を検出する酸素濃度センサの制御装置が以下に述べるように提案されている。
近年の車載用内燃機関の空燃比制御においては、例えば、制御精度を高めるといった要望やリーンバーン化への要望があり、これらの要望に対応すべく、内燃機関に吸入される混合気の空燃比(A/F:排気ガス中の酸素濃度に対応して算出)を広域かつリニアに検出するリニア式空燃比センサ(酸素濃度センサ)が具体化されている。このような空燃比センサにおいて、この検出精度を維持するには空燃比センサを活性状態に保つことが不可欠であり、一般には空燃比センサに付設されたヒータに通電制御することによりセンサ素子(空燃比センサの素子)を加熱して活性状態を維持するようにしている。
ところで、かかるヒータの通電制御においては、センサ素子の温度(素子温)を検出してその素子温が所望の活性化温度(例えば、約700℃)になるようにフィードバック制御を実施する技術が従来より開示されている。この場合、その時々の素子温を検出するには、センサ素子に温度センサを付設しその検出結果から導出すことも考えられるが、それでは温度センサを付加する必要からコスト高となる。そこで、センサ素子の抵抗(素子抵抗)が素子温に対して所定の対応関係を有することを利用して素子抵抗を検出し、その検出された素子抵抗から素子温を導出すことが提案されている。なお、素子抵抗の検出結果は、例えば、空燃比センサの劣化度合の判定等にも用いられる。
図34は、従来より用いられている素子抵抗検出を説明する波形図であり、これは限界電流式酸素濃度センサを内燃機関制御用の空燃比センサとして用いる事例を示す。即ち、図34の時刻t011以前においては空燃比検出のための所定電圧(正の印加電圧Vpos)がセンサ素子に印加され、その印加電圧Vposに対応して出力されるセンサ電流Iposから空燃比(A/F)が求められる。また、時刻t011〜t012では素子抵抗検出のための負の印加電圧Vnegが印加され、その時のセンサ電流Inegが検出される。そして、負の印加電圧Vnegをその時のセンサ電流Inegで除算することにより素子抵抗(素子インピーダンス)ZDCが求められる(ZDC=Vneg/Ineg)。上記手法は、一般的に空燃比センサの直流特性を用いた素子抵抗の検出法として知られている。
また、上記従来技術は直流電圧をセンサ素子に印加して素子抵抗(直流インピーダンス)を検出するものであるが、これに対し特公平4−24657号公報では交流電圧をセンサ素子に印加して素子抵抗(交流インピーダンス)を検出する技術が開示されている。かかる技術では、空燃比センサに交流を連続的に印加し、センサ出力をローパスフィルタ(LPF)に通して空燃比を検出すると共に、同じくセンサ出力をハイパスフィルタ(HPF)を通した後に平均化して交流インピーダンスを検出するようにしている。上記手法は、一般的に空燃比センサの交流特性を用いた素子抵抗の検出法として知られている。
ところで、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、前述の直流インピーダンス法によれば、矩形波の負の電圧印加Vnegを印加した際のセンサ電流Inegが、図34に示すように、急峻に変動してしまい、この際に酸素濃度を検出しようとすれば真の酸素濃度を検出することができなくなるという不具合があった。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、特公平4−24657号公報に開示された交流インピーダンス法によれば、センサ出力をローパスフィルタに通して空燃比を検出するため、空燃比出力に位相遅れが発生すると共に、空燃比出力に交流ノイズが重畳し易いという問題を生ずる。特に内燃機関の運転状態が過渡状態にあるときには上記問題が顕著であった。
そして、マイクロコンピュータでは、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサに対する空燃比の検出処理、素子抵抗の検出処理、素子ヒータ制御処理のうち同一タイミングで実行される処理が多いほど、この回の処理負荷が増えることから処理時間が処理周期を超え次回の処理タイミングがずれてしまうという不具合があった。
更に、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、素子抵抗検出時に、センサ信号が微小信号であるためノイズが重畳すると求められた素子抵抗値が真値と大きく異なってしまうという不具合があった。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、素子抵抗を検出し印加する電圧をマップ選択するとき、センサ信号にノイズが重畳するとマップの選択が不安定となるという不具合があった。
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、素子抵抗検出時にガス濃度の検出値が異常となることを防止するガス濃度センサの制御装置の提供を課題としている。また、検出された素子抵抗により正確なガス濃度制御を実施可能なガス濃度センサの制御装置の提供を課題としている。
請求項1のガス濃度センサの制御装置によれば、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、素子抵抗を検出するために、印加電圧を変化させセンサ電流を変化させるのであるが、このときには酸素濃度信号も変化してしまうため、このときの酸素濃度信号は真の酸素濃度信号ではないことになる。したがって、酸素濃度センサを用いて素子抵抗を検出するときには、ガス濃度センサからのガス濃度に応じた電流信号の使用を禁止する。これにより、素子抵抗検出時にあっては、酸素濃度信号の使用が禁止されるため、誤った酸素濃度信号が用いられることが防止される。
請求項2のガス濃度センサの制御装置によれば、さらに、前記ガス濃度センサからのガス濃度に応じた電流信号の使用を禁止する時には、それ以前のガス濃度に応じた電流信号を保持する。これにより、素子抵抗検出時にあっては、酸素濃度信号は素子抵抗検出タイミング以前のものが保持されるため、誤った酸素濃度信号が用いられることが防止される。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、素子抵抗を検出するために、印加電圧を変化させセンサ電流を変化させるのであるが、このときには酸素濃度信号も変化してしまうため、このときの酸素濃度信号は真の酸素濃度信号ではないことになる。したがって、酸素濃度センサを用いて素子抵抗を検出するときには、酸素濃度センサにおける電流変化が遮断され、素子抵抗検出のため電圧変化する以前の酸素濃度信号が保持され、実際の酸素濃度信号に一致するまでの間の酸素濃度信号の使用が禁止される。これにより、素子抵抗検出時にあっては、酸素濃度信号は素子抵抗検出タイミング以前のものが保持され、ローパスフィルタ等による信号のなまし分も考慮され素子抵抗検出中の酸素濃度信号の使用が禁止されるため、誤った酸素濃度信号が用いられることが防止される。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、最も早い処理タイミングで実行が必要な酸素濃度検出処理を基準にしてその他の素子抵抗検出処理や素子ヒータ制御処理が異なる処理タイミングにて実行できるように平滑化されるため、マイクロコンピュータの処理負荷を押さえることができる。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、素子抵抗の変化が許容範囲の変化量となるように制限され、酸素濃度センサによる制御の実行範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、酸素濃度センサの素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで例えば、内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と大きく異なることが防止される。即ち、酸素濃度センサの素子抵抗変化が所定の範囲の変化量までに制限されることで正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。そして、微小な変化による影響を受けないため正常な素子抵抗の変化による制御には影響を与えることがなく、検出された素子抵抗に基づく素子ヒータ制御等で求める応答性が得られる。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、素子抵抗を素子使用状態に応じて適切な変化量の許容範囲によって丸めることができる。このため、素子抵抗の変化量制限を所定の条件に基づき変更して酸素濃度センサに対して安定した制御を実行させることができる。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、素子抵抗の変化量制限を昇温中と昇温終了後で変えることで、酸素濃度センサに要求されている早期活性化を実現させながら安定した制御を実行させることができる。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、素子抵抗の変化が許容範囲の変化量となるように制限され、酸素濃度センサによる制御の実行範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、酸素濃度センサの素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで例えば、内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と大きく異なることが防止される。即ち、酸素濃度センサの素子抵抗変化に対して十分な応答性を持つローパスフィルタを通過させることで、素子抵抗変化が正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。そして、微小な変化による影響を受けないため正常な素子抵抗の変化による制御には影響を与えることがなく、検出された素子抵抗に基づく素子ヒータ制御等で求める応答性が得られる。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、素子抵抗が素子使用状態に応じて正常な素子抵抗変化に対して十分な応答性を持つようにローパスフィルタのカットオフ周波数を変化させる。即ち、素子抵抗検出で通過されるローパスフィルタのカットオフ周波数が所定の条件に基づき変更される。これにより、酸素濃度センサに対して安定した制御を実行させることができる。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、昇温中の素子抵抗変化に対し十分な応答性を持つローパスフィルタと酸素濃度センサの昇温終了後の素子抵抗変化に対し十分な応答性を持つローパスフィルタとを昇温中と昇温終了後で切換えることで、酸素濃度センサに要求されている早期活性化を実現させながら安定した制御を実行させることができる。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、素子抵抗の変化が許容範囲の変化量となるように制限され、かつローパスフィルタ処理されるため酸素濃度センサによる制御の実行範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、酸素濃度センサの素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで例えば、内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と大きく異なることが防止される。即ち、酸素濃度センサの素子抵抗変化が所定の範囲の変化量までに制限され、素子抵抗変化に対して十分な応答性を持つローパスフィルタ処理されることで正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。そして、微小な変化による影響を受けないため正常な素子抵抗の変化による制御には影響を与えることがなく、検出された素子抵抗に基づく素子ヒータ制御等で求める応答性が得られる。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、素子抵抗値の複数個が平均化され、異常データの影響が押さえられるため酸素濃度センサによる制御の実行範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、酸素濃度センサの素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで例えば、内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と大きく異なることが防止される。即ち、酸素濃度センサの素子抵抗値の複数個が平均化されることで正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。そして、微小な変化による影響を受けないため正常な素子抵抗の変化による制御には影響を与えることがなく、検出された素子抵抗に基づく素子ヒータ制御等で求める応答性が得られる。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、酸素濃度を検出するときに酸素濃度センサに印加された電圧が素子抵抗をパラメータとしたマップに基づき変化されるが、昇温終了後では素子抵抗の変化が少ないとしてマップが固定されるため酸素濃度センサに印加される電圧の範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、酸素濃度センサの素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで例えば、内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と異なることから、センサに印加される電圧が異常となり、酸素濃度検出値が真値と異なることが防止できる。即ち、昇温終了後では酸素濃度センサの大きな素子抵抗変化が無視されることで正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、酸素濃度を検出するときに酸素濃度センサに印加された電圧が素子抵抗をパラメータとしたマップに基づき変化されるが、このマップを選択するときの判定には、通常、昇温により酸素濃度センサの素子抵抗が徐々に減少するため素子抵抗の変化の方向によりマップ選択が逆行しないようにされるため酸素濃度センサによる制御の実行範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、酸素濃度センサの素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで例えば、内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と異なることからセンサに印加される電圧が異常となり、酸素濃度検出値と異なることが防止できる。即ち、酸素濃度センサの大きな素子抵抗変化が無視されることで正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。
また、ガス濃度センサとして例えば、酸素濃度センサの場合、酸素濃度を検出するときに酸素濃度センサに印加された電圧が素子抵抗をパラメータとしたマップに基づき変化されるが、このマップを選択するときの判定には、通常、昇温により酸素濃度センサの素子抵抗が徐々に減少するため素子抵抗の変化の方向によりマップ選択が逆行しないようにされ、昇温終了後では素子抵抗の変化が少ないとしてマップが固定されるため酸素濃度センサによる制御の実行範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、酸素濃度センサの素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで例えば、内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と異なることからセンサに印加される電圧が異常となり、酸素濃度検出値が真値と異なることが防止できる。即ち、酸素濃度センサの昇温中では素子抵抗の変化の方向が考慮され、昇温終了後では大きな素子抵抗変化が無視されることで正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例ではガス濃度を検出するガス濃度センサとして具体的な、酸素濃度を検出する酸素濃度センサを用いた酸素濃度センサの制御装置について述べる。
〈参考例1〉
図1は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる酸素濃度センサの制御装置が適用された空燃比検出装置の構成を示す概略図である。なお、本実施例における空燃比検出装置は、自動車に搭載される内燃機関(ガソリンエンジン)の電子制御燃料噴射システムに採用され、この空燃比検出装置による検出結果に基づき内燃機関に供給する燃料噴射量を増減し所望の空燃比に制御する。以下、空燃比センサを用いた空燃比(A/F)の検出手順及び空燃比センサの交流特性を用いた素子抵抗検出手順について詳細に説明する。
図1において、空燃比検出装置は酸素濃度センサとしての限界電流式空燃比センサ(以下、『A/Fセンサ』と記す)30を備え、このA/Fセンサ30は、内燃機関10の下流側に接続された排気通路12に配設されている。A/Fセンサ30からは、マイクロコンピュータ(以下、『マイコン』と記す)20から指令される電圧の印加に伴い、排気ガス中の酸素濃度に応じたリニアな空燃比検出信号が出力される。マイコン20は、周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU、制御プログラムを格納したROM、各種データを格納するRAM、B/U(バックアップ)RAM等により構成され、所定の制御プログラムに従って後述のバイアス制御回路40及びヒータ制御回路60、サンプルホールド回路(以下、『S/H回路』と記す)70、酸素濃度信号検出許可/禁止信号が制御される。
図2は、A/Fセンサ30の概略構成を示す断面図である。図2において、A/Fセンサ30は排気通路12の内部に向けて突設されており、A/Fセンサ30は主として、カバー33、センサ本体32及びヒータ31から構成されている。カバー33は断面U字状であって、その周壁にはカバー33の内外を連通する多数の小孔33aが形成されている。センサ素子部としてのセンサ本体32は、空燃比リーン領域における酸素濃度、または空燃比リッチ領域における未燃ガスとして一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、水素(H2)等のガス濃度に対応する限界電流を発生する。
次に、センサ本体32の構成について詳述する。センサ本体32において、断面コップ状に形成された固体電解質層34の外表面には、排気ガス側電極層36が固着され、内表面には大気側電極層37が固着されている。また、排気ガス側電極層36の外側には、プラズマ溶射法等により拡散抵抗層35が形成されている。固体電解質層34は、ZrO、HfO、ThO、Bi等にCaO、MgO、Y、Yb等を安定剤として固溶させた酸素イオン伝導性酸化物焼結体からなり、拡散抵抗層35はアルミナ、マグネシア、ケイ石質、スピネル、ムライト等の耐熱性無機物質からなる。排気ガス側電極層36及び大気側電極層37は共に、白金等の触媒活性の高い貴金属からなりその表面には多孔質の化学メッキ等が施されている。なお、排気ガス側電極層36の面積は10〜100mm2、厚さは0.5〜2.0μm程度となっており、一方、大気側電極層37の面積は10mm2以上、厚さは0.5〜2.0μm程度となっている。
ヒータ31は大気側電極層37内に収容されており、その発熱エネルギによりセンサ本体32(大気側電極層37、固体電極質層34、排気ガス側電極層36及び拡散抵抗層35)を加熱する。ヒータ31はセンサ本体32を活性化するに十分な発熱容量を有している。
上記構成のA/Fセンサ30において、センサ本体32は理論空燃比点よりリーン領域では酸素濃度に応じた限界電流を発生する。この場合、酸素濃度に対応する限界電流は、排気ガス側電極層36の面積、拡散抵抗層35の厚さ、気孔率及び平均孔径により決定される。また、センサ本体32は酸素濃度を直線的特性にて検出し得るものであるが、このセンサ本体32を活性化するのに約600℃以上の高温が必要とされると共に、このセンサ本体32の活性温度範囲が狭いため、内燃機関10の排気ガスのみによる加熱では素子温を活性領域に制御できない。このため、本実施例では、ヒータ31への供給電力をデューティ比制御することにより、センサ本体32を活性温度域にまで加熱するようにしている。なお、理論空燃比よりもリッチ側の領域では、未燃ガスである一酸化炭素(CO)等の濃度が空燃比に対してほぼリニアに変化し、センサ本体32は一酸化炭素(CO)等の濃度に応じた限界電流を発生する。
次に、A/Fセンサ30の電圧−電流特性(V−I特性)について図3のテーブルを参照して説明する。
図3によれば、A/Fセンサ30の検出A/Fに比例するセンサ本体32の固体電解質層34への流入電流と印加電圧とがリニアな特性を有することが分かる。電圧軸Vに平行な直線部分がセンサ本体32の限界電流を特定する限界電流検出域であって、この限界電流(センサ電流)の増減はA/Fの増減(即ち、リーン・リッチ)に対応している。つまり、A/Fがリーン側になるほど限界電流は増大し、A/Fがリッチ側になるほど限界電流は減少する。
また、図3の電圧−電流特性において、電圧軸Vに平行な直線部分(限界電流検出域)よりも小さい電圧域は抵抗支配域となっており、この抵抗支配域における一次直線部分の傾きは、センサ本体32における固体電解質層34の内部抵抗である素子抵抗(素子インピーダンス)ZDCにより特定される。この素子抵抗ZDCは温度変化に伴い変化し、センサ本体32の温度が低下すると素子抵抗ZDCの増大によりその傾きが小さくなる。
一方、図1において、A/Fセンサ30に電圧を印加するためのバイアス指令信号(ディジタル信号)Vrはマイコン20からD/A変換器21に入力され、このD/A変換器21にてアナログ信号Vbに変換されたのち、LPF(ローパスフィルタ)22に入力される。そして、LPF22にてアナログ信号Vbの高周波成分が除去された出力電圧Vcはバイアス制御回路40に入力される。このバイアス制御回路40からはA/Fの検出電圧または素子抵抗の検出電圧の何れかがA/Fセンサ30に印加される。即ち、バイアス制御回路40からA/Fセンサ30に対して、A/F検出時には、図3に示す特性線L1を用いてこのときのA/Fに対応する所定の電圧Vpが印加され、素子抵抗検出時には所定の周波数信号よりなる単発的かつ所定の時定数を持つ電圧が印加される。
また、バイアス制御回路40は、A/Fセンサ30への電圧の印加に伴い流れる電流値を電流検出回路50にて検出し、この電流検出回路50にて検出された電流値のアナログ信号はA/D変換器23を介してマイコン20に入力される。そして、電流検出回路50にて検出された電流値は酸素濃度信号に変換され、サンプルホールド回路70、LPF(ローパスフィルタ)71を介してA/F(酸素濃度)信号として出力される。このバイアス制御回路40の詳細な電気的構成については後述する。A/Fセンサ30に付設されたヒータ31は、ヒータ制御回路60によりその作動が制御される。つまり、ヒータ制御回路60にて、A/Fセンサ30の素子温やヒータ温度に応じてバッテリ電源(図示略)からヒータ31に供給される電力がデューティ比制御され、ヒータ31の加熱制御が実行される。
次に、バイアス制御回路40の電気的構成について図4の回路図に基づいて説明する。
図4において、バイアス制御回路40は大別して、基準電圧回路44と、第1の電圧供給回路45と、第2の電圧供給回路47と、電流検出回路50とを有する。基準電圧回路44にて、定電圧Vccが分圧抵抗44a,44bにより分圧され一定の基準電圧Vaが生成される。
第1の電圧供給回路45は電圧フォロア回路にて構成され、第1の電圧供給回路45から基準電圧回路44の基準電圧Vaと同じ電圧VaがA/Fセンサ30の一方の端子42に供給される。より具体的には、正側入力端子が各分圧抵抗44a,44bの分圧点に接続されると共に負側入力端子がA/Fセンサ30の一方の端子42に接続された演算増幅器45aと、この演算増幅器45aの出力端子に一端が接続された抵抗45bと、この抵抗45bの他端にそれぞれベースが接続されたNPNトランジスタ45c及びPNPトランジスタ45dとにより構成されている。NPNトランジスタ45cのコレクタは定電圧Vccに接続され、エミッタは電流検出回路50を構成する電流検出抵抗50aを介してA/Fセンサ30の一方の端子42に接続されている。また、PNPトランジスタ45dのエミッタはNPNトランジスタ45cのエミッタに接続され、コレクタはアースされている。
第2の電圧供給回路47も同様に電圧フォロア回路にて構成され、LPF22の出力電圧Vcと同じ電圧VcがA/Fセンサ30の他方の端子41に供給される。より具体的には、正側入力端子がLPF22の出力に接続されると共に負側入力端子がA/Fセンサ30の他方の端子41に接続された演算増幅器47aと、この演算増幅器47aの出力端子に一端が接続された抵抗47bと、この抵抗47bの他端にそれぞれベースが接続されたNPNトランジスタ47c及びPNPトランジスタ47dとにより構成されている。NPNトランジスタ47cのコレクタは定電圧Vccに接続され、エミッタは抵抗47eを介してA/Fセンサ30の他方の端子41に接続されている。また、PNPトランジスタ47dのエミッタはNPNトランジスタ47cのエミッタに接続され、コレクタはアースされている。
このような構成により、A/Fセンサ30の一方の端子42には常時一定電圧Vaが供給される。そして、LPF22を経由してA/Fセンサ30の他方の端子41に一定電圧Vaよりも低い電圧Vcが印加されると、A/Fセンサ30が正バイアスされる。また、LPF22を経由してA/Fセンサ30の他方の端子41に一定電圧Vaよりも高い電圧Vcが印加されると、A/Fセンサ30が負バイアスされる。
マイコン20はS/H回路70、A/F(酸素濃度)信号検出許可/禁止信号を制御し、A/F信号の安定を図る。即ち、S/H回路70は通常、マイコン20によりサンプル状態に設定され、S/H回路70から現在のA/F信号が出力される。一方、S/H回路70は素子抵抗検出時にはマイコン20によりホールド状態に設定され、S/H回路70からはそれ以前のサンプル状態におけるA/F信号が出力される。また、マイコン20からは通常、A/F信号検出許可信号が出力され、素子抵抗検出時にはA/F信号検出禁止信号が出力される。
次に、上述のように構成された空燃比検出装置の作用について説明する。
図5は、本発明の実施の形態の第1実施例にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコン20における制御のメインルーチンを示すフローチャートであり、このメインルーチンはマイコン20への電力供給開始に伴い起動される。
図5において、まず、ステップS100で前回のA/F検出時から所定時間T1が経過しているかが判定される。ここで、所定時間T1は、A/Fの検出周期に相当する時間であって、例えば、2〜4ms程度に設定されるのが適当である。ステップS100の判定条件が成立し、前回のA/F検出時から所定時間T1が経過しているときにはステップS200に移行し、電流検出回路50で検出されたセンサ電流Ip(限界電流)が読込まれ、予めROM内に記憶されている特性マップを用いてその時のセンサ電流Ipに対応する内燃機関10のA/Fが検出される。このとき、図3に示す特性線L1を用いてその時のA/F検出結果に応じた電圧VpがA/Fセンサ30に印加される。
次に、ステップS300に移行して、前回の素子抵抗検出時から所定時間T2が経過しているかが判定される。ここで、所定時間T2は、素子抵抗の検出周期に相当する時間であって、例えば、内燃機関10の運転状態に応じて選択的に設定され、A/Fの変化が比較的小さい通常時(定常運転時)には2sec、A/Fの急変時(過渡運転時)には128msに設定される。ステップS300の判定条件が成立しないときには、ステップS100〜ステップS300の処理が繰返され、所定時間T1の経過毎にA/Fが検出される。一方、ステップS300の判定条件が成立し、前回の素子抵抗検出時から所定時間T2が経過しているときにはステップS400に移行し、素子抵抗検出処理が実行されたのち、ステップS100に戻り同様の処理が繰返し実行される。
次に、図5のステップS400における素子抵抗検出処理のサブルーチンを示す図6について説明する。
図6において、まず、ステップS401で現時点でのA/Fがリーンであるかが判定される。ステップS401の判定条件が成立し、A/FがリーンであるときにはステップS402に移行し、それまでの印加電圧Vp(A/F検出電圧)に対して負側→正側の順に電圧を変化させる。一方、ステップS401の判定条件が成立せず、A/FがリッチであるときにはステップS403に移行し、それまでの印加電圧Vpに対して正側→負側の順に電圧を変化させる(バイアス指令信号Vrが操作される)。
そして、ステップS402またはステップS403の印加電圧の切換処理ののちステップS404に移行し、電圧変化量ΔVと電流検出回路50で検出されたセンサ電流の変化量ΔIとが読込まれる。次にステップS405に移行して、ΔV,ΔIを用いて素子抵抗Rが算出され(R=ΔV/ΔI)、本サブルーチンを終了する。
図7(a),(b)はA/Fセンサ30に印加される電圧(LPF22通過後の出力電圧Vc)の波形とその印加電圧に伴ってA/Fセンサ30を流れるセンサ電流の波形とを示す。ここで、A/Fがリーン(A/F=18)のときには、図7(a)に示すように、A/Fセンサ30への印加電圧が変化量ΔVだけ負側に変化され、この電圧変化に対応するセンサ電流の負側への変化量ΔIが検出される。なお、図中の印加電圧=a〔V〕及びセンサ電流=b〔A〕は、図3の点a,bに相当している。また、A/Fがリッチ(A/F=13)のときには、図7(b)に示すように、A/Fセンサ30への印加電圧が変化量ΔVだけ正側に変化され、この電圧変化に対応するセンサ電流の正側への変化量ΔIが検出される。なお、図中の印加電圧=c〔V〕及びセンサ電流=d〔A〕は、図3の点c,dに相当している。
このとき、リーンであれば負側へ電圧変化、リッチであれば正側へ電圧変化されセンサ電流が求められるため、このセンサ電流が電流検出回路50のダイナミックレンジ(図3参照)を越えることはない。
一方、このようにして求められた素子抵抗Rは、素子温に対して図8に示す関係を有する。即ち、素子温が小さくなるほど素子抵抗Rが飛躍的に大きくなる関係を有する。素子抵抗R=90ΩはA/Fセンサ30がある程度活性化している温度600℃に対応し、素子抵抗R=30ΩはA/Fセンサ30が十分に活性化している温度700℃に対応している。そして、ヒータ制御に際しては、算出された素子抵抗RとA/Fセンサ30が十分に活性化していると思われる目標抵抗値(例えば、30Ω)との偏差をなくすために必要なヒータ31の通電量が求められ、ヒータ31に対する通電がデューティ比制御される。即ち、素子温フィードバック制御が実施される。
次に、本発明の実施の形態の第1実施例にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコン20の制御における素子抵抗検出の処理手順を示す図9のフローチャートに基づき、図10のタイムチャートを参照して説明する。なお、以下の実施例の説明におけるタイムチャートでは、横軸における時間の表示が省略されており、図中の期間Tcは素子抵抗の検出周期を表している。
図9において、まず、ステップS411でS/H回路70によるサンプルホールド機能がそれまでのサンプル状態からホールド状態に設定され、現在のA/F信号が保持される(図10の時刻t01)。そして、ステップS412で所定時間T01が経過するまで待って(図10の時刻t01〜時刻t02)、ステップS413に移行し、図6に示す素子抵抗検出処理が実行される。次にステップS414でA/Fセンサ30の出力変動が収まるまでの時間としての所定時間T02が経過するまで待って(図10の時刻t03〜時刻t04)、ステップS415に移行し、S/H回路70によるサンプルホールド機能がホールド状態からサンプル状態に設定されたのち(図10の時刻t04)、本ルーチンを終了する。
このように、本実施例は、電圧の印加に伴い排ガス中のA/F(酸素濃度)に応じたセンサ電流(電流信号)を出力するA/Fセンサ30の制御装置であって、電圧変化量ΔVに伴う電流変化量ΔIに基づくA/Fセンサ30の素子抵抗Rの検出時には、A/Fセンサ30における電流変化を遮断すると共に、それ以前のA/Fに応じたセンサ電流によるA/F信号を保持するものである。
つまり、A/Fセンサ30の素子抵抗Rを検出するために、印加電圧を変化させセンサ電流を変化させるのであるが、このときにはA/F信号も変化してしまうため、このときのA/F信号は真のA/F信号ではないことになる。したがって、A/Fセンサ30を用いて素子抵抗Rを検出するときには、A/Fセンサ30における電流変化が遮断され、素子抵抗検出のため電圧変化する以前のA/F信号が保持される。これにより、素子抵抗検出時にあっては、A/F信号は素子抵抗検出タイミング以前のものが保持されるため誤ったA/F信号が用いられることがない。
〈実施例1〉
次に、本発明の実施の形態の第1実施例にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコン20の制御における素子抵抗検出の処理手順を示す図11のフローチャートに基づき、図12のタイムチャートを参照して説明する。なお、本実施例の空燃比検出装置の概略構成等は図1乃至図4と同様であり詳細な説明を省略する。
図11において、まず、ステップS421でA/F(酸素濃度)信号検出許可/禁止信号が許可状態から禁止状態に設定される(図12の時刻t11)。そして、ステップS422で所定時間T11が経過するまで待って(図12の時刻t11〜時刻t12)、ステップS423に移行し、図6に示す素子抵抗検出処理が実行される。次にステップS424でA/Fセンサ30の出力変動が収まるまでの時間としての所定時間T12が経過するまで待って(図12の時刻t13〜時刻t14)、ステップS425に移行し、A/F信号検出許可/禁止信号が禁止状態から許可状態に設定されたのち(図12の時刻t14)、本ルーチンを終了する。
このように、本実施例は、電圧の印加に伴い排ガス中のA/F(酸素濃度)に応じたセンサ電流(電流信号)を出力するA/Fセンサ30の制御装置であって、電圧変化量ΔVに伴う電流変化量ΔIに基づくA/Fセンサ30の素子抵抗Rの検出時には、A/Fセンサ30からのA/Fに応じたセンサ電流によるA/F信号の使用を禁止する信号を出力するものである。
つまり、A/Fセンサ30の素子抵抗Rを検出するために、印加電圧を変化させセンサ電流を変化させるのであるが、このときにはA/F信号も変化してしまうため、このときのA/F信号は真のA/F信号ではないことになる。したがって、A/Fセンサ30を用いて素子抵抗Rを検出するときには、A/F信号の使用が禁止される。これにより、素子抵抗検出時にあっては、A/F信号の使用が禁止されるため,誤ったA/F信号が用いられることがない。
〈実施例2〉
次に、本発明の実施の形態の第2実施例にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコン20の制御における素子抵抗検出の処理手順を示す図13のフローチャートに基づき、図14のタイムチャートを参照して説明する。なお、本実施例の空燃比検出装置の概略構成等は図1乃至図4と同様であり詳細な説明を省略する。また、本実施例では実際のA/F信号がリッチ側からリーン側(右上がり)に変化しているときのみについて説明する。本実施例では、図1に示すように、S/H(サンプルホールド)回路70にLPF(ローパスフィルタ)71を接続しA/F(酸素濃度)信号を出力するような場合、また、A/F信号検出許可/禁止信号によりA/F信号の外部読込みを制御する場合に有効である。
即ち、図15に示すように、実際のA/F信号が変化しているときには、S/H(サンプルホールド)回路70にてホールド状態が解除されサンプル状態とされた時点で、LPF71の影響によりA/F信号が真値に達していない可能性がある。すると、A/F信号にLPF71による誤差分が重畳され誤検出となる。
また、図16に示すように、外部接続されたLPFによりなまされたA/F信号に対しA/F信号検出許可/禁止信号のみによりA/F信号を検出すると、A/F信号検出禁止状態からA/F信号検出許可状態とされた時点で、A/F信号が真値に達していない可能性がある。このときにも、A/F信号にLPFによるなまし分が重畳され誤検出となる。
このような不具合に対処するため、図13において、まず、ステップS431でS/H回路70によるサンプルホールド機能がそれまでのサンプル状態からホールド状態に設定され、現在のA/F信号が保持される(図14の時刻t21)。次にステップS432に移行して、A/F(酸素濃度)信号検出許可/禁止信号が許可状態から禁止状態に設定される(図14の時刻t21)。そして、ステップS433で所定時間T21が経過するまで待って(図14の時刻t21〜時刻t22)、ステップS434に移行し、図6に示す素子抵抗検出処理が実行される。次にステップS435でA/Fセンサ30の出力変動が収まるまでの時間としての所定時間T22が経過するまで待って(図14の時刻t23〜時刻t24)、ステップS436に移行し、S/H回路70によるサンプルホールド機能がホールド状態からサンプル状態に設定される(図14の時刻t24)。次にステップS437に移行して、A/F信号に対するLPFによるなまし分の影響がなくなるまでの時間としての所定時間T23が経過するまで待って(図14の時刻t24〜時刻t25)、ステップS438に移行し、A/F信号検出許可/禁止信号が禁止状態から許可状態に設定され(図14の時刻t25)、本ルーチンを終了する。
このように、本実施例は、電圧の印加に伴い排ガス中のA/F(酸素濃度)に応じたセンサ電流(電流信号)を出力するA/Fセンサ30の制御装置であって、電圧変化量ΔVに伴う電流変化量ΔIに基づくA/Fセンサ30の素子抵抗Rの検出時には、A/Fセンサ30における電流変化を遮断すると共に、それ以前のA/Fに応じたセンサ電流によるA/F信号を保持し、A/Fセンサ30からのA/Fに応じたセンサ電流によるA/F信号の使用を禁止するものである。
つまり、A/Fセンサ30の素子抵抗Rを検出するために、印加電圧を変化させセンサ電流を変化させるのであるが、このときにはA/F信号も変化してしまうため、このときのA/F信号は真のA/F信号ではないことになる。したがって、A/Fセンサ30を用いて素子抵抗Rを検出するときには、A/Fセンサ30における電流変化が遮断され、素子抵抗検出のため電圧変化する以前のA/F信号が保持され、実際のA/F信号に一致するまでの間のA/F信号の使用が禁止される。これにより、素子抵抗検出時にあっては、A/F信号は素子抵抗検出タイミング以前のものが保持され、LPF等による信号のなまし分も考慮され素子抵抗検出中のA/F信号の使用が禁止されるため誤ったA/F信号が用いられることがない。
〈参考例2〉
次に、A/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコン20の制御における素子抵抗検出の処理手順を示す図17のフローチャートに基づいて説明する。なお、本実施例の空燃比検出装置の概略構成等は図1乃至図4と同様であり詳細な説明を省略する。
まず、図18を参照して、マイコン20の処理タイミングにおける処理内容と負荷について説明する。
図18において、マイコン20によりA/Fセンサ30を用いて、本来の限界電流(A/F)検出処理に加え、素子抵抗検出処理及び素子ヒータ制御処理を実行するためには、それぞれ所定の処理時間が必要である。即ち、処理内容“0”として示すように〔限界電流(A/F)検出処理〕と〔素子抵抗検出処理〕と〔素子ヒータ制御処理〕とが同一の処理タイミングで実行される場合にはマイコン20の負荷が最も大きい。
これに対して、処理内容“2”として示す〔限界電流(A/F)検出処理〕と〔素子抵抗検出処理〕とが同一の処理タイミングで実行される場合、または処理内容“3”として示す〔限界電流(A/F)検出処理〕と〔素子ヒータ制御処理〕とが同一の処理タイミングで実行される場合のマイコン20の負荷は、処理内容“1”として示す〔限界電流(A/F)検出処理〕のみが実行される場合よりは当然大きいが処理内容“0”の場合よりも小さくできる。このように、空燃比検出装置で使用されているマイコン20で最も早い処理タイミングで実行が必要な処理を基準にしてその他の処理を異なる処理タイミングにて実行できるように平滑化することでマイコン20の処理負荷を押さえることができる。
具体的には、図17において、まず、ステップS1100で制御開始初期の所定時間T32,T33が設定される。次にステップS1200に移行して、前回のA/F検出時から所定時間T31が経過しているかが判定される。この所定時間T31は、A/Fの検出周期に相当する時間であり、例えば、最も早い処理タイミングのときには4ms程度である。ステップS1200で所定時間T31が経過するとステップS1300に移行し、図5のステップS200と同様な限界電流(A/F)検出処理として、電流検出回路50で検出されたセンサ電流Ip(限界電流)が読込まれ、予めROM内に記憶されている特性マップを用いてその時のセンサ電流Ipに対応する内燃機関10のA/Fが検出される。このとき、図3に示す特性線L1を用いてその時のA/F検出結果に応じた電圧VpがA/Fセンサ30に印加される。
次に、ステップS1400に移行して、所定時間T32が経過しているかが判定される。この所定時間T32は、素子抵抗の検出周期に相当する時間であり、制御開始初期では所定時間T31と同じ時間に設定され、A/Fセンサ30の昇温活性化後では例えば、128msに設定される。ステップS1400で所定時間T32が経過しているときには、ステップS1500に移行し、図6に示す素子抵抗検出処理が実行される。なお、ステップS1400で所定時間T32が経過していないときには、ステップS1500がスキップされる。次にステップS1600に移行し、所定時間T33が経過しているかが判定される。この所定時間T33は、素子ヒータの制御周期に相当する時間であり、制御開始初期では所定時間T31の2倍の時間に設定され、A/Fセンサ30の昇温活性化後では例えば、128msに設定される。なお、所定時間T32と所定時間T33とは同じ128msであるが、素子抵抗検出処理と素子ヒータ制御処理とが同一の処理タイミングとならないように予め少しずらしてある。ステップS1600で所定時間T33が経過しているときには、ステップS1700に移行し、A/Fセンサ30を活性化温度に保持するためヒータ31に供給する電力を制御する素子ヒータ制御処理が実行される。なお、ステップS1600で所定時間T33が経過していないときには、ステップS1700がスキップされたのち、ステップS1200に戻り同様の処理が繰返し実行される。
このように、本実施例は、電圧の印加に伴い排ガス中のA/F(酸素濃度)に応じたセンサ電流(電流信号)を出力するA/Fセンサ30の制御装置であって、電圧変化量ΔVに伴う電流変化量ΔIに基づきA/Fセンサ30の素子抵抗Rを検出するための処理とA/Fセンサ30を昇温するための処理との実行タイミングを分散するものである。
したがって、最も早い処理タイミングで実行が必要なA/F検出処理を基準にしてその他の素子抵抗検出処理や素子ヒータ制御処理が異なる処理タイミングにて実行できるように平滑化されるため、マイコン20の処理負荷を押さえることができる。
〈参考例3〉
次に、A/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコン20の制御における素子抵抗検出の処理手順を示す図19のフローチャートに基づき、図20のタイムチャートを参照して説明する。なお、図20(a)は本実施例の作用を表し、図20(b)は本実施例の変化量制限を加えない場合を表す比較例である。また、本実施例の空燃比検出装置の概略構成等は図1乃至図4と同様であり詳細な説明を省略する。
図19において、まず、ステップS441で図6に示す素子抵抗検出処理が実行され、素子抵抗Rが算出される。次にステップS442に移行し、A/Fセンサ30の昇温中であるかが判定される。ステップS442の判定条件が成立し、A/Fセンサ30の昇温中であるときにはステップS443に移行し、素子抵抗検出値の変化量制限値dRがdR0(例えば、50Ω)に設定される(図20(a)参照)。一方、ステップS442の判定条件が成立せず、A/Fセンサ30の昇温終了後、即ち、A/Fセンサ30が活性化温度に達しているときにはステップS444に移行し、素子抵抗検出値の変化量制限値dRが昇温中のdR0より小さなdR1(例えば、10Ω)に設定される(図20(a)参照)。ステップS443またはステップS444の処理ののちステップS445に移行し、前回の素子抵抗からステップS441で算出された今回の素子抵抗Rを減算した値の絶対値が変化量制限値dR以下であるかが判定される。ステップS445の判定条件が成立せず絶対値が変化量制限値dRを越えているときには、ステップS446に移行し、今回の素子抵抗Rが前回の素子抵抗から変化量制限値dRを越えて大きいときには、前回の素子抵抗に変化量制限値dRを加算した抵抗値が今回の素子抵抗Rに置換えられ、また、今回の素子抵抗Rが前回の素子抵抗から変化量制限値dRを越えて小さいときには、前回の素子抵抗から変化量制限値dRを減算した抵抗値が今回の素子抵抗Rに置換えられたのち、本ルーチンを終了する。一方、ステップS445の判定条件が成立し絶対値が変化量制限値dR以下であるときには、ステップS446をスキップしステップS441で算出された今回の素子抵抗Rそのままとして本ルーチンを終了する。
このように、本実施例は、電圧の印加に伴い排ガス中のA/F(酸素濃度)に応じたセンサ電流(電流信号)を出力するA/Fセンサ30の制御装置であって、電圧変化量ΔVに伴う電流変化量ΔIに基づきA/Fセンサ30で検出される素子抵抗Rに対する変化量を制限するものである。
したがって、A/Fセンサ30の素子抵抗Rの変化が許容範囲の変化量、即ち、図20(b)から図20(a)に表されるように制限され、A/Fセンサ30による制御の実行範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、A/Fセンサ30の素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と大きく異なることが防止される。即ち、A/Fセンサ30の素子抵抗変化が所定の範囲の変化量までに制限されることで正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。そして、微小な変化による影響を受けないため正常な素子抵抗の変化による制御には影響を与えることがなく、検出された素子抵抗に基づく素子ヒータ制御等で求める応答性が得られる。
また、本実施例は、変化量制限値dRを所定の条件に基づき変更するものである。したがって、A/Fセンサ30の素子抵抗Rを素子使用状態に応じて適切な変化量の許容範囲によって丸めることができる。このため、素子抵抗Rの変化量制限値dR0,dR1をA/Fセンサ30の昇温動作に限らず、例えば、内燃機関10の運転状態により変更してA/Fセンサ30に対して安定した制御を実行させることができる。
そして、本実施例は、変化量制限値dRをA/Fセンサ30の昇温中では大きく設定し、A/Fセンサ30の昇温終了後では小さく設定するものである。即ち、昇温中と昇温終了後でA/Fセンサ30の素子抵抗Rに対する変化量の許容範囲を変えることで、A/Fセンサ30に要求されている早期活性化を実現させながら安定した制御を実行させることができる。
〈参考例4〉
次に、A/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコン20の制御における素子抵抗検出の処理手順を示す図21のフローチャートに基づき、図22のタイムチャートを参照して説明する。なお、本実施例の空燃比検出装置の概略構成等は図1乃至図4と同様であり詳細な説明を省略する。
図21において、まず、ステップS451で図6に示す素子抵抗検出処理が実行され、素子抵抗Rが算出される。次にステップS452に移行し、A/Fセンサ30の昇温中であるかが判定される。ステップS452の判定条件が成立し、A/Fセンサ30の昇温中であるときにはステップS453に移行し、LPF(ローパスフィルタ)のカットオフ周波数dfcがdfc0に設定される(図22に示す昇温中における素子抵抗Rのやや大きな変動参照)。一方、ステップS452の判定条件が成立せず、A/Fセンサ30の昇温終了後、即ち、A/Fセンサ30が活性化温度に達しているときにはステップS454に移行し、LPFのカットオフ周波数dfcがdfc1に設定される(図22に示す昇温終了後における素子抵抗Rの小さな変動参照)。ステップS453またはステップS454の処理ののちステップS455に移行し、ステップS451で算出された素子抵抗RがLPF処理後における素子抵抗Rに置換えられたのち、本ルーチンを終了する。
このように、本実施例は、電圧の印加に伴い排ガス中のA/F(酸素濃度)に応じたセンサ電流(電流信号)を出力するA/Fセンサ30の制御装置であって、電圧変化量ΔVに伴う電流変化量ΔIに基づきA/Fセンサ30で検出される素子抵抗Rに対し、LPF(ローパスフィルタ)を通過させるものである。
したがって、A/Fセンサ30の素子抵抗Rの変化が許容範囲の変化量となるように制限され、A/Fセンサ30による制御の実行範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、A/Fセンサ30の素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と大きく異なることが防止される。即ち、A/Fセンサ30の素子抵抗変化に対して十分な応答性を持つLPFを通過させることで、素子抵抗変化が正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。そして、微小な変化による影響を受けないため正常な素子抵抗の変化による制御には影響を与えることがなく、検出された素子抵抗に基づく素子ヒータ制御等で求める応答性が得られる。
また、本実施例は、LPF(ローパスフィルタ)のカットオフ周波数dfcを所定の条件に基づき変更するものである。したがって、A/Fセンサ30の素子抵抗Rが素子使用状態に応じて正常な素子抵抗変化に対して十分な応答性を持つようにLPFのカットオフ周波数を変化させる。即ち、素子抵抗検出で通過されるLPFのカットオフ周波数dfc0,dfc1をA/Fセンサ30の昇温状態に限らず、例えば、内燃機関10の運転状態により変更される。これにより、A/Fセンサ30に対して安定した制御を実行させることができる。
そして、本実施例は、LPF(ローパスフィルタ)のカットオフ周波数dfcをA/Fセンサ30の昇温中では高く設定し、A/Fセンサ30の昇温終了後では低く設定するものである。即ち、A/Fセンサ30の昇温中の素子抵抗変化に対し十分な応答性を持つLPFとA/Fセンサ30の昇温終了後の素子抵抗変化に対し十分な応答性を持つLPFとを昇温中と昇温終了後で切換えることで、A/Fセンサ30に要求されている早期活性化を実現させながら安定した制御を実行させることができる。
〈参考例5〉
次に、A/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコン20の制御における素子抵抗検出の処理手順を示す図23のフローチャートに基づき、図24のタイムチャートを参照して説明する。なお、本実施例の空燃比検出装置の概略構成等は図1乃至図4と同様であり詳細な説明を省略する。
図23において、まず、ステップS461で図6に示す素子抵抗検出処理が実行され、素子抵抗Rが算出される。次にステップS462に移行し、A/Fセンサ30の昇温中であるかが判定される。ステップS462の判定条件が成立し、A/Fセンサ30の昇温中であるときにはステップS463に移行し、素子抵抗検出値の変化量制限値dRがdR0(例えば、50Ω)に設定される(図24に示す昇温中における素子抵抗Rのやや大きな変動参照)。一方、ステップS462の判定条件が成立せず、A/Fセンサ30の昇温終了後、即ち、A/Fセンサ30が活性化温度に達しているときにはステップS464に移行し、素子抵抗検出値の変化量制限値dRが昇温中のdR0より小さなdR1(例えば、10Ω)に設定される(図24に示す昇温中における素子抵抗Rの小さな変動参照)。ステップS463またはステップS464の処理ののちステップS465に移行し、前回の素子抵抗からステップS461で算出された今回の素子抵抗Rを減算した値の絶対値が変化量制限値dR以下であるかが判定される。ステップS465の判定条件が成立せず絶対値が変化量制限値dRを越えているときには、ステップS466に移行し、今回の素子抵抗Rが前回の素子抵抗から変化量制限値dRを越えて大きいときには、前回の素子抵抗に変化量制限値dRを加算した抵抗値が今回の素子抵抗Rに置換えられ、また、今回の素子抵抗Rが前回の素子抵抗から変化量制限値dRを越えて小さいときには、前回の素子抵抗から変化量制限値dRを減算した抵抗値が今回の素子抵抗Rに置換えられる。一方、ステップS465の判定条件が成立し絶対値が変化量制限値dR以下であるときには、ステップS466をスキップしステップS461で算出された今回の素子抵抗Rそのままとされる。次にステップS467に移行して、算出された素子抵抗RがLPF処理後における素子抵抗Rに置換えられたのち、本ルーチンを終了する。
このように、本実施例は、電圧の印加に伴い排ガス中のA/F(酸素濃度)に応じたセンサ電流(電流信号)を出力するA/Fセンサ30の制御装置であって、電圧変化量ΔVに伴う電流変化量ΔIに基づきA/Fセンサ30で検出される素子抵抗Rに対する変化量を制限すると共に、LPF(ローパスフィルタ)を通過させるものである。
したがって、A/Fセンサ30の素子抵抗Rの変化が許容範囲の変化量となるように制限され、かつLPF処理されるためA/Fセンサ30による制御の実行範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、A/Fセンサ30の素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と大きく異なることが防止される。即ち、A/Fセンサ30の素子抵抗変化が所定の範囲の変化量までに制限され、素子抵抗変化に対して十分な応答性を持つLPF処理されることで正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。そして、微小な変化による影響を受けないため正常な素子抵抗の変化による制御には影響を与えることがなく、検出された素子抵抗に基づく素子ヒータ制御等で求める応答性が得られる。
〈参考例6〉
次に、A/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコン20の制御における素子抵抗検出の処理手順を示す図25のフローチャートに基づき、図26のタイムチャートを参照して説明する。なお、本実施例の空燃比検出装置の概略構成等は図1乃至図4と同様であり詳細な説明を省略する。
図25において、まず、ステップS471で図6に示す素子抵抗検出処理が実行され、素子抵抗Rが算出される。次にステップS472に移行し、今回検出された素子抵抗と(n−1)回前までの素子抵抗とのn個の素子抵抗が平均化される(図26に示す素子抵抗Rの所定幅の小さな変動参照)。次にステップS473に移行して、(n−1)回前の素子抵抗が消去され、代わりに今回検出された素子抵抗が記憶される。次にステップS474に移行して、ステップS472で平均化され求められた値が素子抵抗Rxに置換えられ、本ルーチンを終了する。
このように、本実施例は、電圧の印加に伴い排ガス中のA/F(酸素濃度)に応じたセンサ電流(電流信号)を出力するA/Fセンサ30の制御装置であって、電圧変化量ΔVに伴う電流変化量ΔIに基づきA/Fセンサ30で検出される複数の素子抵抗Rを平均化するものである。
したがって、A/Fセンサ30の素子抵抗Rの変化が平均化され、異常データの影響が押さえられるためA/Fセンサ30による制御の実行範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、A/Fセンサ30の素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と大きく異なることが防止される。即ち、A/Fセンサ30の素子抵抗変化が平均化されることで正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。そして、微小な変化による影響を受けないため正常な素子抵抗の変化による制御には影響を与えることがなく、検出された素子抵抗に基づく素子ヒータ制御等で求める応答性が得られる。
〈参考例7〉
次に、A/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコン20の制御における素子抵抗検出後にA/Fセンサ30に対する印加電圧演算の処理手順を示す図27のフローチャートに基づき、図28のタイムチャートを参照して説明する。なお、図28(a)は本実施例の作用を表し、図28(b)は本実施例のマップ選択範囲に制限を加えない場合を表す比較例である。また、本実施例の空燃比検出装置の概略構成等は図1乃至図4と同様であり詳細な説明を省略する。
図27において、まず、ステップS501でA/Fセンサ30でA/Fを検出するときに印加される電圧を、そのときの素子抵抗をパラメータとして算出するための印加電圧マップが固定される条件が成立しているかが判定される。ここでは、昇温により素子抵抗が例えば、50Ω未満となりA/Fセンサ30がほぼ活性化状態に達しているかが判定される。ステップS501の判定条件が成立するときには、ステップS502に移行し、固定条件成立後の印加電圧マップが選択される(図28(a)に示す昇温終了後におけるマップ選択の固定参照)。一方、ステップS501の判定条件が成立しないときには、ステップS503に移行し、そのときの素子抵抗によって印加電圧マップが選択される。ステップS502またはステップS503による処理ののち、ステップS504に移行し、選択された印加電圧マップに基づきA/Fセンサ30に印加する電圧が算出され、本ルーチンを終了する。
このように、本実施例は、電圧の印加に伴い排ガス中のA/F(酸素濃度)に応じたセンサ電流(電流信号)を出力するA/Fセンサ30の制御装置であって、A/Fを検出するときにA/Fセンサ30に印加した電圧を、A/Fセンサ30の素子抵抗Rをパラメータとして予め設定されたマップに基づき変化させる際、A/Fセンサ30の昇温終了後では前記マップの選択範囲を制限するものである。
したがって、A/Fセンサ30でA/Fを検出するときにA/Fセンサ30に印加された電圧が素子抵抗Rをパラメータとしたマップに基づき変化されるが、昇温終了後では素子抵抗Rの変化が少ないとしてマップが固定されるためA/Fセンサ30による制御の実行範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、A/Fセンサ30の素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と異なることからセンサに印加される電圧が異常となり、酸素濃度検出値が真値と異なることが防止できる。即ち、昇温終了後ではA/Fセンサ30の大きな素子抵抗変化が無視されることで正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。
〈参考例8〉
次に、A/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコン20の制御における素子抵抗検出後にA/Fセンサ30に対する印加電圧演算の処理手順を示す図29のフローチャートに基づき、図30のタイムチャートを参照して説明する。なお、本実施例の空燃比検出装置の概略構成等は図1乃至図4と同様であり詳細な説明を省略する。
図29において、まず、ステップS511で今回の素子抵抗が前回の素子抵抗以上であるかが判定される。ここでは、前回の印加電圧マップ選択時の素子抵抗と今回の印加電圧マップ選択時の素子抵抗とが比較され、素子抵抗の変化方向が判定される。ステップS511の判定条件が成立し、素子抵抗が増加しているときにはステップS512に移行し、素子抵抗が増加しているときの印加電圧マップ選択基準によって、印加電圧マップが選択される(図30に示すマップ選択の高温側への移行参照)。一方、ステップS511の判定条件が成立せず、素子抵抗が減少しているときにはステップS513に移行し、素子抵抗が減少しているときの印加電圧マップ選択基準によって、印加電圧マップが選択される(図30に示すマップ選択の安定参照)。ステップS512またはステップS513による印加電圧マップ選択処理ののち、ステップS514に移行し、選択された印加電圧マップに基づきA/Fセンサ30に印加する電圧が算出される。次にステップS515に移行して、今回の印加電圧マップ選択に用いた素子抵抗が次回の印加電圧マップ選択に用いるために記憶され、本ルーチンを終了する。
このように、本実施例は、電圧の印加に伴い排ガス中のA/F(酸素濃度)に応じたセンサ電流(電流信号)を出力するA/Fセンサ30の制御装置であって、A/Fを検出するときにA/Fセンサ30に印加した電圧を、A/Fセンサ30の素子抵抗Rをパラメータとして予め設定されたマップに基づき変化させる際、前記マップの選択の判定にヒステリシスを持たせるものである。
したがって、A/Fセンサ30でA/Fを検出するときにA/Fセンサ30に印加された電圧が素子抵抗Rをパラメータとしたマップに基づき変化されるが、このマップを選択するときの判定には、通常、昇温によりA/Fセンサ30の素子抵抗が徐々に減少するため素子抵抗の変化の方向によりマップ選択が逆行しないようにされるためA/Fセンサ30による制御の実行範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、A/Fセンサ30の素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と異なることからセンサに印加される電圧が異常となり、酸素濃度検出値が真値と異なることが防止できる。即ち、A/Fセンサ30の大きな素子抵抗変化が無視されることで正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。
〈参考例9〉
次に、A/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコン20の制御における素子抵抗検出後にA/Fセンサ30に対する印加電圧演算の処理手順を示す図31のフローチャートに基づき、図32のタイムチャートを参照して説明する。なお、本実施例の空燃比検出装置の概略構成等は図1乃至図4と同様であり詳細な説明を省略する。
図31において、まず、ステップS521で今回の素子抵抗が前回の素子抵抗以上であるかが判定される。ここでは、前回の印加電圧マップ選択時の素子抵抗と今回の印加電圧マップ選択時の素子抵抗とが比較され、素子抵抗の変化方向が判定される。ステップS521の判定条件が成立し、素子抵抗が増加しているときにはステップS522に移行し、素子抵抗が増加しているときの印加電圧マップ選択基準によって、印加電圧マップが選択される(図32に示すマップ選択の高温側への移行参照)。一方、ステップS521の判定条件が成立せず、素子抵抗が減少しているときにはステップS523に移行し、素子抵抗が減少しているときの印加電圧マップ選択基準によって、印加電圧マップが選択される(図32に示すマップ選択の安定参照)。
ステップS522またはステップS523による印加電圧マップ選択処理ののち、ステップS524に移行し、A/Fセンサ30でA/Fを検出するときに印加される電圧を、そのときの素子抵抗をパラメータとして算出するための印加電圧マップが固定される条件が成立しているかが判定される。ここでは、昇温により素子抵抗が例えば、50Ω未満となりA/Fセンサ30がほぼ活性化状態に達しているかが判定される。ステップS524の判定条件が成立するときには、ステップS525に移行し、固定条件成立後の印加電圧マップが選択される(図32に示す昇温終了後におけるマップ選択の固定参照)。一方、ステップS524の判定条件が成立しないときには、ステップS525がスキップされる。次にステップS526に移行して、選択された印加電圧マップに基づきA/Fセンサ30に印加する電圧が算出される。次にステップS527に移行して、今回の印加電圧マップ選択に用いた素子抵抗が次回の印加電圧マップ選択に用いるために記憶され、本ルーチンを終了する。
このように、本実施例は、電圧の印加に伴い排ガス中のA/F(酸素濃度)に応じたセンサ電流(電流信号)を出力するA/Fセンサ30の制御装置であって、A/Fを検出するときにA/Fセンサ30に印加した電圧を、A/Fセンサ30の素子抵抗Rをパラメータとして予め設定されたマップに基づき変化させる際、前記マップの選択の判定にヒステリシスを持たせると共に、A/Fセンサ30の昇温終了後では前記マップの選択範囲を制限するものである。
したがって、A/Fセンサ30でA/Fを検出するときにA/Fセンサ30に印加された電圧が素子抵抗Rをパラメータとしたマップに基づき変化されるが、このマップを選択するときの判定には、通常、昇温によりA/Fセンサ30の素子抵抗が徐々に減少するため素子抵抗の変化の方向によりマップ選択が逆行しないようにされ、昇温終了後では素子抵抗Rの変化が少ないとしてマップが固定されるためA/Fセンサ30による制御の実行範囲を正常範囲に納めることができる。つまり、A/Fセンサ30の素子抵抗検出時において、センサ信号が微小信号であることで内燃機関の運転状態、センサ信号の配線状態等からノイズが重畳され、検出された素子抵抗値が真値と異なることからセンサに印加される電圧が異常となり、酸素濃度検出値が真値と異なることが防止できる。即ち、A/Fセンサ30の昇温中では素子抵抗の変化の方向が考慮され、昇温終了後では大きな素子抵抗変化が無視されることで正常な制御範囲を逸脱しないようにできる。
ところで、上記実施例では、A/F(空燃比)を酸素濃度に応じた電流信号として検出するA/Fセンサ30の制御装置について述べたが、このA/Fセンサ30としては1セル式の限界電流式酸素濃度センサに限らず2セル式の酸素濃度センサでもよい。また、コップ型の酸素濃度センサに限らず積層型の酸素濃度センサでもよい。
また、上記実施例では、ガス濃度センサの制御装置に用いるガス濃度センサとして、酸素濃度を検出するA/Fセンサ30について述べたが、その他のガス濃度センサとして、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度を検出するNOx濃度センサ100について、図33を参照して説明する。なお、図33は、NOx濃度センサ100の先端部の要部構成を示す断面模式図であり、このNOx濃度センサ100は所定の筒状ハウジング内に収容され、図1に示すA/Fセンサ30と同様、内燃機関10の下流側に接続された排気通路12に配設される。
図33において、NOx濃度センサ100は、主として、固体電解質SEAと一対の電極121,122からなる酸素ポンプセル120、固体電解質SEBと一対の電極151,152からなる酸素検知セル150及び固体電解質SEBと一対の電極161,162からなるNOx検知セル160にて構成されている。そして、固体電解質SEAと固体電解質SEBとの間には、アルミナ(酸化アルミニウム)等からなるスペーサ130が介設され、このスペーサ130に設けられた抜穴により第一の内部空間131、第二の内部空間132が形成されている。また、固体電解質SEBの裏面側にはアルミナ等からなるスペーサ140が介設され、このスペーサ140には長手方向の端縁まで延設された抜穴により基準酸素濃度ガスである大気が導入される大気通路141が形成され、更に、各セルを加熱するためのヒータ170が積層されている。
酸素ポンプセル120は、第一の内部空間131内の酸素濃度を所定濃度に保持するためのもので、シート状に形成された酸素イオン導電性の固体電解質SEAと、その両面の対向位置にスクリーン印刷等により形成された一対の電極121,122からなる。酸素イオン導電性の固体電解質SEAとしては例えば、イットリア添加ジルコニア等が用いられる。
固体電解質SEA及び一対の電極121,122を貫通して、所定の径寸法のピンホール111が形成されている。このピンホール111の径寸法は、これを通過して第一の内部空間131に導入される排気ガスの拡散速度が所定の速度となるように適宜設定される。また、排気ガス側の電極121及びピンホール111を被覆して、多孔質アルミナ等からなる多孔質保護層113が形成されており、電極121の被毒やピンホール111が排気ガスに含まれる煤等で目詰まりするのが防止される。
酸素検知セル150は第一の内部空間131内の酸素濃度を検出するもので、ジルコニア等からなるシート状の固体電解質SEBと、その両面の対向位置にスクリーン印刷等により形成された一対の電極151,152からなる。一対の電極151,152のうち、電極151は例えば、多孔質Pt(白金)電極からなり大気通路141に露出して形成され、この電極151と固体電解質SEBを挟んで対向する電極152は第一の内部空間131に露出して形成されている。この電極152は酸素ポンプセル120の電極122と同様、NOxの還元に対して不活性であり、酸素の還元に対して活性であるように電極活性が調整されている。
NOx検知セル160はNOxの還元分解により生じる酸素量からNOx濃度を検出するもので、酸素検知セル150と共通の固体電解質SEBと、その両面の対向位置にスクリーン印刷等により形成された一対の電極161,162からなる。固体電解質SEB に隣接するスペーサ130の抜穴にて設けられた第一の内部空間131と第二の内部空間132との間には絞りとしての連通孔112が形成されており、第一の内部空間131内の被測定ガスが所定の拡散速度で第二の内部空間132内に導入される。
一対の電極161,162のうち、電極161は例えば、多孔質Pt電極からなり大気通路141に露出して形成され、この電極161と固体電解質SEBを挟んで対向する電極162は第二の内部空間132に露出して形成されている。この電極162はNOxの還元に対して活性である例えば、多孔質Pt電極からなる。このため、第二の内部空間132に導入される被測定ガス中のNOxは、電極162にて還元分解され酸素と窒素とが生成される。
更に、ヒータ170はアルミナ等からなるヒータシート173面にヒータ電極171が形成されている。ヒータ電極171としては、通常、Pt電極が用いられ、その上面にはアルミナ等からなる絶縁層172が形成されている。ヒータ電極171や各電極のリード部には図示しないリードが接続されセンサ基部の端子に接続されている。
上述のように構成されたNOx濃度センサ100の作動について以下に説明する。被測定ガスである排気ガスは、ピンホール111を通って第一の内部空間131に導入される。酸素検知セル150では、第一の内部空間131に面する電極152と大気が導入される大気通路141に面する電極151との酸素濃度差に基づき、ネルンストの式で表される起電力が発生される。この起電力の大きさを測定することで、第一の内部空間131内の酸素濃度を知ることができる。
酸素ポンプセル120では、一対の電極121,122間に電圧が印加され第一の内部空間131内の酸素が出し入れされることにより、第一の内部空間131内の酸素濃度が所定の低濃度に制御される。例えば、排気ガス側の電極121が(+)極となるように所定の電圧が印加されると、第一の内部空間131側の電極122上で酸素が還元され酸素イオンとなり、ポンピング作用により電極121側に排出される。一対の電極121,122間への通電量は、酸素検知セル150の一対の電極151,152間に発生する起電力が所定の一定値となるようにフィードバック制御され、第一の内部空間131内の酸素濃度が一定とされる。ここで、第一の内部空間131に面する電極122,152は酸素の還元に対しては活性であるが、NOxの還元に対しては不活性であるので、第一の内部空間131内では、NOxの分解は起こらず、従って、酸素ポンプセル120の作動により第一の内部空間131内のNOx量が変化することはない。
酸素ポンプセル120及び酸素検知セル150により一定の低酸素濃度となった排気ガスは、連通孔112を通って第二の内部空間132内に導入される。第二の内部空間132に面するNOx検知セル160は、NOxに対して活性であるので、電極161が(+)極となるように一対の電極161,162間に所定の電圧が印加されると、電極162上でNOxが還元分解され、NOx分子内の酸素原子による酸素イオン電流が流れる。この電流値が測定されることで排気ガス中に含まれるNOx濃度を検出することができる。
上述の構成からなるNOx濃度センサ100における酸素ポンプセル120の一対の電極121,122間、酸素検知セル150の一対の電極151,152間、NOx検知セル160の電極161,162間にそれぞれ電圧を印加するタイミングと素子抵抗を検出するタイミングとを区別することで、NOx濃度センサ100によるNOx濃度検出値の異常が防止される。つまり、A/Fセンサ30と同様、NOx濃度センサ100においても電圧の印加に伴って流れるセンサ電流(限界電流)からNOx濃度を検出するのであるが、例えば、NOx濃度センサ100にて素子抵抗を検出するときにはNOx濃度センサ100における電流変化が遮断され、素子抵抗検出のため電圧変化される以前のNOx濃度信号が保持されることで、誤ったNOx濃度信号が用いられることが防止される。
このように、ガス濃度センサの制御装置に用いるガス濃度センサとして、酸素濃度を検出するA/Fセンサ30、窒素酸化物(NOx)濃度を検出するNOx濃度センサ100について述べたが、本発明を実施する場合には、これらに限定されるものではなく、その他、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)等のガス濃度を検出するガス濃度センサを用いたガス濃度センサの制御装置にも同様に応用することができる。
図1は第1実施例乃至第2実施例及び参考例1乃至9にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置の構成を示す概略図である。 図2は図1におけるA/Fセンサの概略構成を示す断面図である。 図3は本発明の実施の形態の第1実施例乃至第2実施例及び参考例1乃至9にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているA/Fセンサの電圧−電流特性を示すテーブルである。 図4は本発明の実施の形態の第1実施例乃至第2実施例及び参考例1乃至9にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置におけるバイアス制御回路の電気的構成を示す回路図である。 図5は参考例1のA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコンにおける制御のメインルーチンを示すフローチャートである。 図6は図5の素子抵抗検出処理のサブルーチンを示するフローチャートである。 図7は参考例1のA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているA/Fセンサに印加される電圧変化とそれに伴う電流変化とを示す波形図である。 図8は参考例1のA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているA/Fセンサの素子温と素子抵抗との関係を示す特性図である。 図9は参考例1のA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコンの制御における素子抵抗検出の処理手順を示すフローチャートである。 図10は図9における作用を具体的に示すタイムチャートである。 図11は本発明の実施の形態の第1実施例にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコンの制御における素子抵抗検出の処理手順を示すフローチャートである。 図12は図11における作用を具体的に示すタイムチャートである。 図13は本発明の実施の形態の第2実施例にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコンの制御における素子抵抗検出の処理手順を示すフローチャートである。 図14は図13における作用を具体的に示すタイムチャートである。 図15は本発明の実施の形態の第2実施例にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているA/FセンサによるA/Fの変化に対してサンプルホールド機能のみを考慮したときの不具合を示すタイムチャートである。 図16は本発明の実施の形態の第2実施例にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているA/FセンサによるA/Fの変化に対してA/F信号検出許可/禁止機能のみを考慮したときの不具合を示すタイムチャートである。 図17は参考例2にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコンの制御における素子抵抗検出の処理手順を示すフローチャートである。 図18は図17における作用を説明するブロック図である。 図19は参考例3A/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコンの制御における素子抵抗検出の処理手順を示すフローチャートである。 図20は図19における作用を具体的に示すタイムチャートである。 図21は参考例4にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコンの制御における素子抵抗検出の処理手順を示すフローチャートである。 図22は図21における作用を具体的に示すタイムチャートである。 図23は参考例5にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコンの制御における素子抵抗検出の処理手順を示すフローチャートである。 図24は図23における作用を具体的に示すタイムチャートである。 図25は参考例6にかかるA/Fセンサの制装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコンの制御における素子抵抗検出の処理手順を示すフローチャートである。 図26は図25における作用を具体的に示すタイムチャートである。 図27は参考例7にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコンの制御における素子抵抗検出の処理手順を示すフローチャートである。 図28は図27における作用を具体的に示すタイムチャートである。 図29は参考例8にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコンの制御における素子抵抗検出の処理手順を示すフローチャートである。 図30は図29における作用を具体的に示すタイムチャートである。 図31は参考例9にかかるA/Fセンサの制御装置が適用された空燃比検出装置で使用されているマイコンの制御における素子抵抗検出の処理手順を示すフローチャートである。 図32は図31における作用を具体的に示すタイムチャートである。 図33はNOx濃度センサの要部構成を示す断面模式図である。 図34は従来の素子抵抗検出を説明する波形図である。
符号の説明
10 内燃機関
20 マイクロコンピュータ(マイコン)
30 A/Fセンサ(酸素濃度センサ)
31 ヒータ
40 バイアス制御回路
50 電流検出回路
60 ヒータ制御回路
70 S/H回路(サンプルホールド回路)

Claims (2)

  1. 電圧の印加に伴い被検出ガス中のガス濃度に応じた電流信号を出力するガス濃度センサの制御装置であって、
    電圧変化に伴う電流変化に基づく前記ガス濃度センサの素子抵抗の検出時には、前記ガス濃度センサからのガス濃度に応じた電流信号の使用を禁止することを特徴とするガス濃度センサの制御装置。
  2. 電圧変化に伴う電流変化に基づく前記ガス濃度センサの素子抵抗の検出時には、前記ガス濃度センサからのガス濃度に応じた電流信号の使用を禁止する時には、それ以前のガス濃度に応じた電流信号を保持することを特徴とする請求項1記載のガス濃度センサの制御装置。
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