JP2007055590A - 挟み込み検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】挟み込み検出装置が、同軸ケーブル状に配置される、第1の中心電極と当該第1の中心電極を取り囲む圧電材料と当該圧電材料を取り囲む第1の外部電極とを備え、ドアパネル3を有する車両用ドア1の開口部側の外縁部4に沿って設けられる圧電センサ6と、第1の中心電極と第1の外部電極との間の電位差を表す圧電出力信号を圧電センサ6から受け取る信号処理回路10と、圧電センサ6と信号処理回路10との間を接続する中継線7とを備える。
【選択図】図3
Description
しかしながら、圧電センサが設けられているような車両用ドアの外縁部には特段の防水対策は施されていないのがほとんどであるため、電気回路を備えた信号処理回路が水によって誤作動を起こしたり、故障してしまう可能性がある。
また、車両用ドアの外縁部は電磁ノイズから遮蔽されていないため、信号処理回路が電磁ノイズの影響を受けると、正常な挟み込みの検出が出来なくなる可能性もある。
同軸ケーブル状に配置される、第1の中心電極と当該第1の中心電極を取り囲む圧電材料と当該圧電材料を取り囲む第1の外部電極とを備え、ドアパネルを有する車両用ドアの開口部側の外縁部に沿って設けられる圧電センサと、
前記第1の中心電極と前記第1の外部電極との間の電位差を表す圧電出力信号を前記圧電センサから受け取る信号処理回路と、
前記圧電センサと前記信号処理回路との間を接続する中継線と、を備える点にある。
従って、信号処理回路を設けるスペースの制約を無くすことができ、高い防水性能を達成可能であり、更に、電磁ノイズなどの外乱の影響を受けない正常な挟み込み検出を実施可能な挟み込み検出装置を提供できる。
前記中継線は、前記車両用ドアの前記外縁部から前記防水処理した空間まで配線されている点にある。
更に、ドアパネルが導電性部材を用いて形成される場合、外部からの電磁波は導電性部材によって吸収又は反射される。よって、信号処理回路は他の電気部品からの電磁ノイズの影響を受け難くなるので、正常な挟み込み検出を実施可能な挟み込み検出装置を提供できる。
前記第1の中心電極と前記第2の中心電極とが接続され、及び、前記第1の外部電極と前記第2の外部電極とが接続されることで、前記圧電センサと前記中継線とが接続される点にある。
前記中継線が備える前記絶縁体は、強誘電体を用いて構成され、
前記第1の中心電極、前記第1の外部電極及び前記分極処理が施される前の強誘電体のそれぞれは、前記第2の中心電極、前記第2の外部電極及び前記絶縁体としての強誘電体のそれぞれと同じ材料を用いて構成される点にある。
前記中継線は、当該中継線の端部の先端側で前記第2の中心電極が露出し、端部の根元側で前記第2の外部電極が露出するように構成され、
前記圧電センサ及び前記中継線は、露出した前記第1の中心電極及び露出した前記第2の中心電極が並んだ状態、且つ、露出した前記第1の外部電極及び露出した前記第2の外部電極が並んだ状態で前記筐体内に配置される点にある。
以下に本実施形態の挟み込み検出装置について図面を参照して説明する。
図1は車両用ドアへの圧電センサの設置例を示す図であり、図2は車両用ドアの縦断面図であり、図3は車両用ドアへの挟み込み検出装置の設置例を概略的に示す図である。
図示するように、車両の側部には、乗員の出入りや物体の出し入れが可能な開口部15が形成されており、当該開口部15には、車両用ドアとしてのスライドドア1を設けてある。また、スライドドア1を閉じると開口部15が形成されなくなる。従って、スライドドア1を閉じるとき、開口部15において乗員や物体がスライドドア1と当接することがある。このように、開口部15においてスライドドア1と物体(乗員を含む。以下、同じ。)とが当接することを、物体の挟み込みが発生したと言う。
同様に、中継線7は、同軸ケーブル状に配置される、中心電極7aと、その中心電極7aを取り囲む絶縁体7bと、その絶縁体7bを取り囲む外部電極7cとを備える。また、外部電極7cの周囲は絶縁性の外部被覆7dで覆われる。
以上のように、中心電極6aは本発明の第1の中心電極として機能し、外部電極6cは本発明の第1の外部電極として機能する。また、中心電極7aは本発明の第2の中心電極として機能し、外部電極7cは本発明の第2の外部電極として機能する。
以上のように、検知回路部10は本発明の「信号処理回路」として機能する。
同様に、中継線7は、中心電極7a及び外部電極7cの端部がそれぞれ露出するように、中心電極7aを覆う絶縁体7b及び外部電極7cを覆う外部被覆7dがそれぞれ取り除かれている。よって、中継線7は、中継線7の端部の先端側で中心電極7aが露出し、端部の根元側で外部電極7cが露出するように構成される。
よって、圧電センサ6の部分と中継線7の部分を明確に区別でき、挟み込みを検出すべき部分にのみ圧電センサ6を配置できる。また、中継線7の中心電極7aと外部電極7cとの間の絶縁体(強誘電体)7bには分極処理が施されていないので、中継線7に外部からの力が加わっても圧電出力信号にノイズがほとんど加わらないように構成できる。
また、シール層24を構成する封止部材は固まった状態で透明であることが好ましい。透明であれば、圧電センサ6の中心電極6aと中継線7の中心電極7aとの間での接続部材22を介した接続状態や、圧電センサ6の外部電極6cと中継線7の外部電極7cとの間での導電性の接続部材23を介した接続状態を目視で確認できるからである。
また、スライドドア1の外縁部4において圧電センサ6と中継線7とを接続し、中継線7を、導電性部材で囲まれ、車外側の仕切り部にシート状の防水部材25を設けて防水性が高められた内部空間Aに引き込んだ上で、中継線7と検知回路部10とを接続している。従って、導電性部材によって電磁波が吸収又は反射されるので、検知回路部10は、外部からの電磁ノイズの影響を受け難くなる。更に、検知回路部10は、水分による影響も受け難くなるので、水分による誤作動や故障の発生を抑制して、挟み込み検出装置が正常な挟み込み検出を行えるようにできる。
また、圧電センサ6と中継線7とを接続するコネクタ8は、圧電センサ6と中継線7とを平行に隣接した状態でスライドドア1の外縁部4の下部に配置できる構成である。従って、コネクタ8の幅を狭くできるので、スライドドア1の外縁部4の下部に大きなスペースが無くても、コネクタ8を用いて圧電センサ6と中継線7とを接続できる。加えて、コネクタ8は樹脂などの封止部材を用いたシール層24で封止されるので、圧電センサ6と中継線7との接続部分を外部から絶縁し、その防水性を高め、且つ、耐振動性を高めることができる。
第2実施形態の挟み込み検出装置は、中継線の構成が第1実施形態と異なる。以下に第2実施形態の挟み込み検出装置について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
従って、中継線13が圧電センサ12と一連の部材を用いて作製されるので、中継線13と圧電センサ12とを接続するための装置や手間が不要になる。また、圧電出力信号が上記中継線13を用いてスライドドア1の外縁部4からドアパネル3の内部空間Aへ中継される間に、その圧電出力信号にノイズがほとんど加わらないように構成できる。
<1>
上記第1及び第2実施形態では、検知回路部とECUとを別体で構成した場合について説明したが、図6に示すように検知回路部10とECU14とを一体で構成してもよい。例えば、ECU14が形成されているのと同一回路基板上に検知回路部10を設けてもよい。或いは、ECU14が形成されている回路基板を収容している筐体内に検知回路部10が形成されている回路基板を収容してもよい。
従って、本発明の信号処理回路としての検知回路部10とECU14とが一体に形成されるので、挟み込み検出装置の構成を単純化できる。また、検知回路部10とECU14とが一体に形成されていれば、ECU14は、検知回路部10で行われる信号処理の条件を変更させることも自在に行える。例えば、検知回路部10が圧電センサ6から出力される圧電出力信号の増幅処理を行う場合、ECU14は、検知回路部10における増幅処理の増幅率を変更させ、検知回路部10から出力される処理信号の大きさを調節して、物体の挟み込みが発生しているか否かの判定が好適に行われるように構成できる。
上記実施形態及び上記別実施形態では、圧電センサ6と中継線7とを接続するための接続手段としてのコネクタ8をスライドドア1の開口部15側の外縁部4の下端部位に設けた例について説明したが、コネクタ8を外縁部4の上端部位に設けるように改変してもよい。但し、圧電センサ6は、物体の挟み込みが発生し得るスライドドア1の外縁部4のできるだけ広い領域に設けることが好ましいので、コネクタ8を設ける領域はできるだけ狭くする必要がある。或いは、コネクタ8は、スライドドア1の外縁部4の中でも、できるだけ物体の挟み込みが発生する可能性が低い部位に設けることが好ましい。
上記実施形態及び上記別実施形態では、本発明の挟み込み検出装置を車両用ドアとしてのスライドドアの開口側の外縁部に設けた場合について説明したが、車両の後部に設けられたバックドアや、車両の側部に設けられた揺動式のドアにおける物体の挟み込みを検出する目的にも利用可能である。
上記実施形態及び上記別実施形態では、圧電センサ6と信号処理回路である検知回路部10の間に同軸ケーブルを用いた中継線7を用いているが、この同軸ケーブルの代わりに、圧電センサ6の中心電極及び外部電極の信号をそれぞれ伝える信号線を内部に持つシールド線とすることも可能である。また、中継線7へ加わるノイズを無視できる環境で使用できるのであれば、同軸ケーブルの代わりに、圧電センサ6の中心電極及び外部電極の信号をそれぞれ伝える信号線のみとすることも可能である。
上記実施形態及び上記別実施形態において、コネクタ8を図7〜図9に例示するコネクタ30に変更することもできる。図7は、コネクタ30の透視図であり、図8は、図7の線分VIII−VIIIにおける断面図であり、図9は、コネクタ30の内部のキャップ34の正面図である。
図7に示すように、圧電センサ6の端部の先端側で中心電極6aが露出し、端部の根元側で外部電極6cが露出するように外部被覆6dや圧電材料6bが除去されている。同様に、中継線7の端部の先端側で中心電極7aが露出し、端部の根元側で外部電極7cが露出するように外部被覆7dや絶縁体が除去されている。そして、この別実施形態のコネクタ30は、圧電センサ6の外部電極6cと中継線7の外部電極7cとを束ねて挟み込むW形接続金具31を備える。また、図7に示すように、圧電センサ6の中心電極6aと中継線7の中心電極7aとを電気的に接続するスプライス32を備える。そして、W形接続金具31とスプライス32を取り付けた状態で、圧電センサ6及び中継線7の端部を半田槽に付けると、圧電センサ6の外部電極6c、中継線7の外部電極7c及びW形接続金具31が半田で固定され、且つ、圧電センサ6の中心電極6a、中継線7の中心電極7a及びスプライス32が半田で固定される。このとき、圧電材料6b及び絶縁体7b、並びに、外部被覆6d及び外部被覆7dの部分には半田が定着しない。この後、圧電センサ6の中心電極6a、中継線7の中心電極7a及びスプライス32の外側に熱収縮チューブ33を被せ、加熱して先端部の絶縁を施す。更に、有底筒状の導電性のキャップ34を、スプライス32及びW形接続金具31を覆うように被せる。キャップ34には図8及び図9に示すように、W形接続金具31に対応する位置に、円周に沿って長孔34aが彫られている。この長孔34aからW型接続金具31側へ半田を流し込み、W形接続金具31とキャップ34間を固定するとともに、W形接続金具31とキャップ34間の導通をとる。最後に、キャップ34を覆うように熱収縮チューブ35を被せて、加熱して全体を固定する。
従って、キャップ34は圧電センサ6の外部電極6c及び中継線7の外部電極7cと同電位となり、キャップ34の内側をシールドするため、露出された圧電センサ6の中心電極6aと中継線7の中心電極7aへのノイズの侵入を阻止できる。
3 ドアパネル
4 外縁部
6、12 圧電センサ
6a 中心電極(第1の中心電極)
6b 圧電材料(強誘電体)
6c 外部電極(第1の外部電極)
7、13 中継線
7a 中心電極(第2の中心電極)
7b 絶縁体(強誘電体)
7c 外部電極(第2の外部電極)
10 検知回路部(信号処理回路)
15 開口部
20 筐体
25 防水部材
A 内部空間(空間)
Claims (11)
- 同軸ケーブル状に配置される、第1の中心電極と当該第1の中心電極を取り囲む圧電材料と当該圧電材料を取り囲む第1の外部電極とを備え、ドアパネルを有する車両用ドアの開口部側の外縁部に沿って設けられる圧電センサと、
前記第1の中心電極と前記第1の外部電極との間の電位差を表す圧電出力信号を前記圧電センサから受け取る信号処理回路と、
前記圧電センサと前記信号処理回路との間を接続する中継線と、を備える挟み込み検出装置。 - 前記信号処理回路は、前記ドアパネルの内部の、シート状の防水部材を設けて防水処理した空間に収納され、
前記中継線は、前記車両用ドアの前記外縁部から前記防水処理した空間まで配線されていることを特徴とする請求項1記載の挟み込み検出装置。 - 前記中継線は、シールド線を用いて構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の挟み込み検出装置。
- 前記中継線は、同軸ケーブル状に配置される、第2の中心電極と当該第2の中心電極を取り囲む絶縁体と当該絶縁体を取り囲む第2の外部電極とを備え、
前記第1の中心電極と前記第2の中心電極とが接続され、及び、前記第1の外部電極と前記第2の外部電極とが接続されることで、前記圧電センサと前記中継線とが接続されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の挟み込み検出装置。 - 前記圧電センサが備える前記圧電材料は、強誘電体に分極処理を施すことにより作製され、
前記中継線が備える前記絶縁体は、強誘電体を用いて構成され、
前記第1の中心電極、前記第1の外部電極及び前記分極処理が施される前の強誘電体のそれぞれは、前記第2の中心電極、前記第2の外部電極及び前記絶縁体としての強誘電体のそれぞれと同じ材料を用いて構成されることを特徴とする請求項4記載の挟み込み検出装置。 - 前記強誘電体に直流高電界を印加して圧電活性を与えることで前記分極処理を施すことを特徴とする請求項5記載の挟み込み検出装置。
- 前記圧電センサ及び前記中継線は、中心電極と当該中心電極を取り囲む強誘電体と当該強誘電体を取り囲む外部電極とを備える一連の同軸ケーブル中に形成され、前記同軸ケーブルのうち、前記強誘電体に前記分極処理を施した部分が前記圧電センサとして機能し、前記強誘電体に前記分極処理を施していない部分が前記中継線として機能することを特徴とする請求項5又は6記載の挟み込み検出装置。
- 前記圧電センサ及び前記中継線は、中心電極と当該中心電極を取り囲む強誘電体と当該強誘電体を取り囲む外部電極とを備える同一構成の2本の同軸ケーブルの夫々に形成され、前記強誘電体に前記分極処理を施した方の前記同軸ケーブルが前記圧電センサとして機能し、前記強誘電体に前記分極処理を施していない方の前記同軸ケーブルが前記中継線として機能することを特徴とする請求項5又は6記載の挟み込み検出装置。
- 前記圧電センサが備える前記第1の中心電極及び前記第1の外部電極のそれぞれは、前記中継線が備える前記第2の中心電極及び前記第2の外部電極のそれぞれと、封止された筐体内で接続されることを特徴とする請求項8記載の挟み込み検出装置。
- 前記圧電センサは、当該圧電センサの端部の先端側で前記第1の中心電極が露出し、端部の根元側で前記第1の外部電極が露出するように構成され、
前記中継線は、当該中継線の端部の先端側で前記第2の中心電極が露出し、端部の根元側で前記第2の外部電極が露出するように構成され、
前記圧電センサ及び前記中継線は、露出した前記第1の中心電極及び露出した前記第2の中心電極が並んだ状態、且つ、露出した前記第1の外部電極及び露出した前記第2の外部電極が並んだ状態で前記筐体内に配置されることを特徴とする請求項9記載の挟み込み検出装置。 - 前記車両用ドアは車体側面に設けられたスライドドアであって、前記筐体は当該スライドドアの開口部側の外縁部の下部に設けられていることを特徴とする請求項9又は10に記載の挟み込み検出装置。
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