JP2007054432A - ゴルフボール - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、耐久性、飛距離、および、打球感に優れたゴルフボールを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明のゴルフボールは、コアと、前記コアを被覆する中間層と、前記中間層を被覆するカバーを最外層として有するゴルフボールであって、前記中間層は、少なくとも3つの針状部を有する3次元形状の金属酸化物を含有し、そのスラブ硬度が、ショアD硬度で55D以上であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ゴルフボールに関するものであり、より詳細には、ゴルフボールの中間層の改良に関するものである。
ゴルフボールには、反発性(飛距離)、耐久性、打球感、コントロール性、耐擦過傷性などが要求され、ゴルフボール本体を構成する各部材に様々な充填剤を添加して、前記要求特性を改善することが提案されている。
例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーを主材としてなるカバー材から形成されたカバーを有するゴルフボールにおいて、該カバー材に繊維状ホウ酸アルミニウムウィスカーを配合してなるゴルフボールが開示されている。
特許文献2には、中間層にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、または、金属繊維を含むゴルフボールが開示され、特許文献3には、中間層に金属、セラミックなどを配合して中間層を補強したゴルフボールが開示されている。
特開平10−137365号公報 特表2002−517296号公報 特表2002−536143号公報
繊維状充填剤を中間層に配合する技術では、中間層を射出成形する場合に、樹脂成分の流動方向に繊維状充填剤が配向するために、得られる中間層に異方性が生じる。その結果、ゴルフボールの耐久性が低下する。金属、セラミックなどを中間層に配合して中間層を補強する技術は、中間層の剛性と硬度がともに高くなってしまう。そのため、飛距離を増大するために、中間層の剛性を高くし過ぎると、硬度が高くなって打球感が低下するという問題がある。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、打球感を低下させることなく、耐久性、および、飛距離を向上したゴルフボールを提供することを目的とする。
上記課題を解決することのできた本発明のゴルフボールは、コアと、前記コアを被覆する中間層と、前記中間層を被覆するカバーを最外層として有するゴルフボールであって、前記中間層は、少なくとも3つの針状部を有する3次元形状の金属酸化物を含有し、そのスラブ硬度が、ショアD硬度で55D以上であることを特徴とする。
本発明で使用する金属酸化物は、少なくとも3つの針状部を有する3次元形状を有しているため、繊維状ウィスカーの様に中間層の射出成形時に樹脂成分の流動方向に配向することが抑制される。その結果、得られる中間層の異方性が低減されて、ゴルフボールの耐久性が向上する。また、中間層のスラブ硬度を、ショアD硬度で55D以上とすることによって、硬度の割に剛性が高い中間層が得られ、得られるゴルフボールの打球感と反発性を向上することができる。
前記金属酸化物としては、前記針状部がそれぞれ、一方の端部で結合し、他方の端部を異なる方向に位置させた3次元形状を有するものであることが好ましく、より好ましくは、4つの針状部を有し、前記4つの針状部はそれぞれ、一方の端部を正四面体の略中心位置で結合し、他方の端部を正四面体の略各頂点方向に位置させた3次元形状(所謂、「テトラポッド(登録商標)の形状」)を有するものである。テトラポッド形状のものを使用すれば、中間層を構成する基材樹脂へのアンカー効果が大きくなって、ボール特性の向上効果が一層大きくなるからである。また、前記金属酸化物の針状部の平均長さは、5μm〜50μmが好ましい。前記金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛が好適である。
前記中間層は、基材樹脂成分100質量部に対して、前記金属酸化物を0.3質量部〜25質量部含有することが好ましい。また、前記中間層のスラブ硬度をX(ショアD硬度)、曲げ剛性率をY(MPa)としたときに、下記式を満足することが好ましい。下記式を満足することによって、飛距離と打球感に一層優れるゴルフボールが得られるからである。
55≦X≦65
Y≧18X−850
本発明によれば、打球感を低下させることなく、耐久性、および、飛距離に優れるゴルフボールが得られる。
本発明のゴルフボールは、コアと前記コアを被覆する中間層と、前記中間層を被覆するカバーを最外層として有するゴルフボールであって、前記中間層は、少なくとも3つの針状部を有する3次元形状の金属酸化物を含有し、そのスラブ硬度が、ショアD硬度で55D以上であることを特徴とする。尚、以下の説明において、本発明で使用する「少なくとも3つの針状部を有する3次元形状の金属酸化物」を単に「3次元形状金属酸化物」と略称する場合がある。
まず、本発明で使用する3次元形状金属酸化物について説明する。本発明で使用する金属酸化物は、少なくとも3つ針状部を有する3次元形状の金属酸化物であれば、特に限定されるものではなく、例えば、前記針状部がそれぞれ、一方の端部で結合し、他方の端部を異なる方向に位置させた3次元形状を有するものが好ましく、より好ましくは、4つの針状部を有し、前記4つの針状部がそれぞれ、一方の端部を正四面体の略中心位置で結合し、他方の端部を正四面体の略各頂点方向に位置させた3次元形状を有するもの(所謂、「テトラポッド(登録商標)」の形状)である。前記針状部は、金属酸化物の針状結晶からなることが好ましい。図1は、本発明で使用する3次元形状を有する金属酸化物を例示する説明図である。4つの針状部1は、長さがほぼ等しく、それぞれ一方の端部aを正四面体の略中心位置で結合し、他方の端部bは、正四面体の略各頂点方向に位置している。
前記3次元形状金属酸化物の針状部の(数)平均長さは、5μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましく、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましい。5μm未満では、所望の剛性を有する中間層が得られない場合がある。一方、50μmを超えると、中間層への3次元形状金属酸化物の分散性が低下する場合がある。また、前記針状部の平均径(繊維径)は、特に限定されるものではないが、0.2μm〜3μm程度である。
前記3次元形状金属酸化物を構成する金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、タルクなどを挙げることができ、好ましくは酸化亜鉛である。本発明で使用する3次元形状金属酸化物の具体例としては、松下電器産業社製「テトラポッド形状の酸化亜鉛ウィスカ『パナテトラ(登録商標)』」を挙げることができる。
本発明において、前記中間層は、基材樹脂成分100質量部に対して、前記3次元形状金属酸化物を0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上であって、25質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは15質量部以下含有することが望ましい。0.3質量部以上含有することによって、得られる中間層の剛性向上効果が高くなる。一方、25質量部以下含有することによって、中間層への3次元形状金属酸化物の分散性が高まり、得られるゴルフボールの耐久性向上効果が高くなるからである。
本発明において、中間層を構成する基材樹脂成分は、特に限定されず、例えば、ポリウレタン、アイオノマー樹脂、ポリアミド、ポリエステル、或いは、これらの混合物を挙げることができる。
前記中間層の基材樹脂成分として使用できるポリウレタンとしては、ウレタン結合を分子内に複数有するものであれば、特に限定されず、例えば、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させることによって、ウレタン結合が分子内に形成された生成物であり、必要に応じて、さらにポリアミンなどを反応させることにより得られものである。前記ポリウレタンとしては、例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性(二液硬化型)ポリウレタンを挙げることができる。本発明では、中間層の基材樹脂成分として、熱可塑性ポリウレタンを使用することが好ましい一態様であり、さらに好ましくは熱可塑性ポリウレタンエラストマーを使用する。熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、いわゆるゴム弾性を示すポリウレタンであり、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを採用することにより、反発性の高い中間層が得られる。前記熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、例えば、射出成形や圧縮成形などによりカバーを成形できるものであれば特に限定されず、BASFポリウレタンエラストマーズ(株)から市販されている「エラストランXNY90A」、「エラストランXNY97A」、「エラストランXNY585」などを使用できる。
本発明では、中間層の基材樹脂成分として、アイオノマー樹脂を使用することも好ましい一態様である。前記アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したアイオノマー樹脂、エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、または、これらの混合物を挙げることができる。
前記α,β−不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。また、α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチルエステル等が用いられ、特にアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが好ましい。前記エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体や、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和する金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属イオン;アルミニウムなどの3価の金属イオン;錫、ジルコニウムなどのその他のイオンが挙げられるが、特にナトリウム、亜鉛、マグネシウムイオンが反発性、耐久性等から好ましく用いられる。
前記アイオノマー樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されているハイミラン(Himilan)1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7311(Mg)等が挙げられ、三元共重合体アイオノマー樹脂としては、ハイミラン1856(Na)、ハイミラン1855(Zn)等が挙げられる。
さらにデュポン社から市販されているアイオノマー樹脂としては、サーリン(Surlyn)8945(Na)、サーリン9945(Zn)、サーリン8140(Na)、サーリン8150(Na)、サーリン9120(Zn)、サーリン9150(Zn)、サーリン6910(Mg)、サーリン6120(Mg)、サーリン7930(Li)、サーリン7940(Li)、サーリンAD8546(Li)等が挙げられ、三元共重合体アイオノマー樹脂としては、サーリン8120(Na)、サーリン8320(Na)、サーリン9320(Zn)、サーリン6320(Mg)等が挙げられる。
またエクソンモービル化学(株)から市販されているアイオノマー樹脂としては、アイオテック(Iotek)8000(Na)、アイオテック8030(Na)、アイオテック7010(Zn)、アイオテック7030(Zn)等が挙げられ、三元共重合体アイオノマー樹脂としては、アイオテック7510(Zn)、アイオテック7520(Zn)等が挙げられる。前記アイオノマー樹脂は、例示のものをそれぞれ単独または2種以上の混合物として用いてもよい。前記アイオノマー樹脂の商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、K、Li、Mgなどは、これらの中和金属イオンの金属種を示している。
本発明における中間層の基材樹脂成分として、前記熱可塑性ポリウレタン或は前記アイオノマー樹脂等の樹脂に加えて、さらに熱可塑性エラストマーやジエン系ブロック共重合体等を使用することも好ましい態様である。前記熱可塑性エラストマーの具体例としては、例えばアルケマ(株)から商品名「ペバックス(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、BASFポリウレタンエラストマーズ社から商品名「エラストラン(例えば、「エラストランET880」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマー等が挙げられ、これらの中でも熱可塑性ポリスチレンエラストマーが好ましい。前記熱可塑性ポリスチレンエラストマーは、例えば、ハードセグメントとして、ポリスチレンブロック成分と、ソフトセグメントとしてポリブタジエン、イソプレン、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレンなどのジエンブロック成分を有するポリスチレン−ジエン系ブロック共重合体を挙げることができる。前記ポリスチレン−ジエン系ブロック共重合体は、ブロック共重合体または部分水素添加ブロック共重合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合を有するものである。前記ポリスチレン−ジエン系ブロック共重合体としては、例えば、ポリブタジエンブロックを有するSBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)構造のブロック共重合体、または、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)構造のブロック共重合体などが挙げられる。前記ジエン系ブロック共重合体の具体例としては、例えば、ダイセル化学工業(株)製の「エポフレンドA1010」、(株)クラレ製の「セプトンHG−252」などを挙げることができる。
本発明のゴルフボールの中間層は、上述した基材樹脂成分および3次元形状金属酸化物のほか、酸化チタン、青色顔料などの顔料成分、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、所望の性能を損なわない範囲で含有してもよい。
本発明のゴルフボールの中間層のスラブ硬度は、ショアD硬度で55D以上であり、より好ましくは56D以上であり、さらに好ましくは57D以上、より一層好ましくは60D以上であって、より好ましくは65D以下であり、さらに好ましくは64D以下であることが望ましい。中間層のスラブ硬度が低くなりすぎると、得られるゴルフボールの反発性が不十分になり、中間層のスラブ硬度が高くなりすぎると、打球感が低下するからである。ここで、中間層のスラブ硬度とは、中間層をシート状に成形して測定した硬度であり、後述する測定方法により測定する。また、前記中間層のスラブ硬度は、上述した基材樹脂成分の組合せ、3次元形状金属酸化物の含有量などを適宜選択することによって、調整することができる。
本発明の好ましい態様では、中間層のスラブ硬度をX(ショアD硬度)、曲げ剛性率をY(MPa)としたときに、前記X、および、Yが下記式(1)および(2)を満足する。
55≦X≦65 式(1)
Y≧18X−850(好ましくは18X−847) 式(2)
本発明では、3次元形状の金属酸化物を中間層に配合することによって、得られる中間層が硬度の割りに剛性が著しく高くなるという特徴がある。これは、得られるゴルフボールにおいて、打球感を低下させることなく、反発性を高めることができることを意味する。従来の粒子状の金属酸化物や針状ウィスカーなどを中間層に配合した場合、反発性を高めるために剛性を高めてしまうと、硬度も高くなって、得られるゴルフボールの打球感が低下してしまう。
本発明の式(1)および式(2)は、この関係を示すものであり、中間層のスラブ硬度X(ショアD硬度)が55〜65という打球感が良好な範囲であっても、曲げ剛性率Yが高くなって、式(2)を満足するというものである。尚、式(2)は、上述した基材樹脂成分の組合せ、3次元形状金属酸化物の含有量などを適宜選択することによって満足することができ、例えば、アイオノマー樹脂と熱可塑性ポリスチレンエラストマーの比率を適宜制御することによって式(2)を満足することができる。
本発明のゴルフボールの中間層は、少なくとも1層以上の構造を有するものであれば良く、単層または多層の中間層を挙げることができる。本発明のゴルフボールの中間層が2層以上の場合には、中間層の少なくとも1層が、上述した3次元形状金属酸化物を含有し、そのスラブ硬度が、上述したショアD硬度の範囲を満足するようにすればよい。また、3次元形状金属酸化物を含有する層のスラブ硬度X(ショアD硬度)と曲げ剛性率Y(MPa)とが上記式(2)を満足すればよい。また、多層の中間層のすべての層が、上述した3次元形状金属酸化物を含有し、そのスラブ硬度が、上述したショアD硬度の範囲を満足することも好ましい態様である。この場合には、3次元形状金属酸化物を含有するすべての層のスラブ硬度X(ショアD硬度)と曲げ剛性率Y(MPa)とが上記式(2)を満足することが好ましい。
前記中間層の厚みは、特に限定されないが、1.4mm以下が好ましく、1.2mm以下がより好ましく、1.0mm以下がさらに好ましい。中間層の厚みが厚くなり過ぎると、打出角が不十分となって飛距離が低下する場合があるからである。中間層の厚みの下限は、特に限定されるものではないが、0.6mmが好ましく、0.7mmがより好ましく、0.8mmがさらに好ましい。中間層の厚みが薄くなり過ぎると、反発性が低下するからである。
中間層を形成する方法としては、例えば、後述するコアを中間層用組成物で被覆して中間層を成形する。中間層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、中間層用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてコアを包み、130〜170℃で1〜5分間加圧成形するか、または中間層用組成物を直接コア上に射出成形してコアを包み込む方法が用いられる。
本発明のゴルフボールのコアは、例えば、基材ゴム、共架橋剤、架橋開始剤、充填剤を含むコア用ゴム組成物を加熱プレスして成形したもの(ゴム製コア)であることが好ましい。前記コアは、少なくとも1つの層からなるものであれば特に限定されず、単層構造、または、2層以上の多層構造のいずれであっても良い。前記基材ゴムとしては、天然ゴムおよび/または合成ゴムを使用することができ、例えば、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを使用できる。これらの中でも、特に、反発に有利なシス結合が40%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。
前記架橋開始剤としては、有機過酸化物を好適に使用できる。前記有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.3質量部以上、より好ましくは0.4質量部以上であって、5質量部以下、より好ましくは3質量部以下であることが望ましい。0.3質量部未満では、コアが柔らかくなりすぎて、反発性が低下する傾向があり、5質量部を超えると、硬くなりすぎて、打球感が低下するからである。
前記共架橋剤としては、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸またはその金属塩を使用できる。前記金属塩を構成する金属としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムを挙げることができ、反発性が高くなるということから、亜鉛を使用することが好ましい。前記α,β−不飽和カルボン酸またはその金属塩として好ましいのは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛である。
前記コアが、内層コアおよび外層コアから成る2層構造を有し、外層コアを薄くする場合、内層コアには高い反発性を付与するα,β−不飽和カルボン酸の亜鉛塩、特にアクリル酸亜鉛が好適であり、外層コアには金型離型性の良好なα,β−不飽和カルボン酸のマグネシウム塩、特にメタクリル酸マグネシウムが好適である。
前記共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上であって、55質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは48質量部以下であることが望ましい。共架橋剤の使用量が10質量部未満では、適当な硬さとするために有機過酸化物の使用量を増加しなければならず、反発性が低下する傾向がある。一方、共架橋剤の使用量が55質量部を超えると、コアが硬くなりすぎて、打球感が低下する虞がある。
前記充填材は、ゴルフボールのコアに通常配合されるものであればよく、無機塩(具体的には、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)、高比重金属粉末(例えば、タングステン粉末、モリブデン粉末等)およびそれらの混合物が挙げられる。前記充填剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.5質量部以上、好ましくは1質量部以上であって、30質量部以下、好ましくは20質量部以下であることが望ましい。0.5質量部未満では、比重調整が困難になり適正な重量が得られなくなり、30質量部を超えるとコア全体に占めるゴム分率が小さくなって反発性が低下するからである。
前記コア用ゴム組成物には、基材ゴム、共架橋剤、有機過酸化物、および、充填剤に加えて、さらに、有機硫黄化合物、老化防止剤、または、しゃく解剤等を適宜配合することができる。
前記有機硫黄化合物としては、例えば、ジフェニルジスルフィド、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド,ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィド等のモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド等のジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィド等のトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィド等のテトラ置換体;ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィド等のペンタ置換体等が挙げられる。これらのジフェニルジスルフィド類はゴム加硫体の加硫状態に何らかの影響を与えて、反発性を高めることができる。これらの中でも、特に高反発性のゴルフボールが得られるという点から、ジフェニルジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドを用いることが好ましい。
前記老化防止剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、1質量部以下であることが好ましい。また、しゃく解剤は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。
前記コアは、前述のコア用ゴム組成物を混合、混練し、金型内で成形することにより得ることができる。この際の条件は、特に限定されないが、通常は130〜180℃、圧力2.9〜11.8MPaで10〜40分間で行われる。
前記コアの直径は、30mm以上、より好ましくは32mm以上であって、41mm以下、より好ましくは40.5mm以下であることが望ましい。前記コアの直径が30mmよりも小さいと、中間層またはカバー層を所望の厚さより厚くする必要があり、その結果反発性が低下する場合がある。一方、コアの直径が41mmを超える場合は、中間層またはカバー層を所望の厚さより薄くする必要があり、中間層またはカバー層の機能が十分発揮されない。
前記コアは、直径30mm〜41mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にゴルフボールが縮む量)が、2.5mm以上、より好ましくは3.4mm以上であって、5.0mm以下、より好ましくは4.5mm以下であることが望ましい。前記圧縮変形量が、2.5mm未満では打球感が硬くて悪くなり、5.0mmを超えると、反発性が低下する場合がある。
前記コアとして、その中心と表面で硬度差を有するものを使用することも好ましい態様であり、JIS−C硬度による表面硬度と中心硬度との差は、10以上が好ましく、12以上がより好ましく、40以下が好ましく、35以下がより好ましく、30以下が更に好ましい。前記硬度差が40より大きいと、耐久性が低下し、前記硬度差が10より小さいと、打球感が硬くて衝撃が大きくなる場合がある。前記コアの表面硬度は、JIS−C硬度で、好ましくは65以上、より好ましくは70以上、さらに好ましくは72以上であって、好ましくは85以下である。コアの表面硬度がJIS−C硬度で65より小さいと、柔らかくなり過ぎて反発性が低下し、飛距離が低下する。一方、コア表面硬度が85より大きいと、硬くなり過ぎて打球感が悪くなる場合がある。前記コアの中心硬度は、JIS−C硬度で、好ましくは45以上、より好ましくは50以上であって、好ましくは70以下、より好ましくは65以下である。前記コア中心硬度が45より小さいと、柔らかくなり過ぎて耐久性が低下する虞がある。前記コア中心硬度が70より大きいと、硬くなり過ぎて打球感が悪くなる場合がある。前記コアの硬度差は、コアの加熱成形条件を適宜選択することによって設けることができる。
本発明のゴルフボールのカバーは、前記中間層を被覆し、ゴルフボールの最外層を構成する。本発明において、前記カバーは最外層を構成することから単層であり、最外層を構成する前記カバーとコアとの間に位置する層を中間層とする。
本発明のゴルフボールのカバーを構成する材料としては、中間層に含有される基材樹脂成分として上述したのと同一のものを使用することができ、例えば、ポリウレタン、アイオノマー樹脂、ナイロン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂;ポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性エラストマー;ジエン系ブロック共重合体等などが挙げられる。前記カバーは、さらに、酸化チタン、青色顔料などの顔料成分、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、所望の性能を損なわない範囲で含有してもよい。
本発明のゴルフボールのカバーの厚みは、1.6mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましく、1.4mm以下がさらに好ましい。カバーが厚くなり過ぎると、打出角が不十分となって、却って飛距離が低下する場合があるからである。カバーの厚みの下限は、特に限定されるものではないが、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。0.3mm未満では、カバーの成形が困難になる虞があるからである。
前記カバーのスラブ硬度は、ショアD硬度で、45D以上が好ましく、48D以上がより好ましく、64D以下が好ましく、59D以下がより好ましい。カバー硬度が45D未満では、ボールの反発性能が不十分となるからである。一方、カバー硬度が65D超では、打球感が硬すぎるからである。
カバーを形成する方法としては、例えば、コアを被覆した中間層をカバー用組成物で被覆してカバーを成形する。カバーを形成する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、カバー用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてコアを被覆した中間層を包み、130〜170℃で1〜5分間加圧成形するか、またはカバー用組成物を直接中間層上に射出成形して中間層を包み込む方法が用いられる。
また、カバーを成形してゴルフボール本体を作製する際には、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。カバー成形後、ペイント仕上げ、スタンプ等も必要に応じて施し得る。さらに、ゴルフボール本体表面は、必要に応じて、マークや塗膜との密着性を向上するために、サンドブラスト処理のような研磨処理がなされてもよい。
本発明のゴルフボールは、直径42.60mm〜42.90mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にゴルフボールが縮む量)が、2.2mm以上、より好ましくは2.3mm以上、さらに好ましくは2.4mm以上であって、4.0mm以下、より好ましくは3.8mm以下、さらに好ましくは3.6mm以下であることが望ましい。前記圧縮変形量が、2.2mm未満では打球感が硬くて悪いものとなり、4.0mmを超えると反発性が低下する場合がある。
本発明のゴルフボールの構造は、コア層と前記コア層を被覆する中間層と、前記中間層を被覆するカバーを最外層として有するものであれば、特に限定されない。いずれのゴルフボールも中間層を有し、本発明を好適に適用できるからである。
本発明のゴルフボールの構造の具体例としては、コアと前記コアを被覆する中間層と前記中間層を被覆するカバーを最外層として有するスリーピースゴルフボール、および、少なくとも4層以上の構造を有するマルチピースゴルフボールを挙げることができる。前記マルチピースゴルフボールとしては、多層コアと、前記多層コアを被覆する中間層と、前記中間層を被覆するカバーを最外層として有する態様、単層コアと、前記単層コアを被覆する多層の中間層と、前記多層の中間層を被覆するカバーを最外層として有する態様、多層コアと、前記多層コアを被覆する多層の中間層と、前記多層の中間層を被覆するカバーを最外層として有する態様などを挙げることができる。これらの中でも本発明は、単層コアと前記単層コアを被覆する単層の中間層、前記中間層を被覆するカバーを最外層として有するスリーピースゴルフボールに好適に適用できる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)スラブ硬度(ショアD硬度)
中間層用組成物、および、カバー用組成物を用いて、熱プレス成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートを、測定基板等の影響が出ないように、3枚以上重ねた状態で、ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて測定した。
(2)曲げ剛性率(MPa)
中間層用組成物を用いて、熱プレス成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートの曲げ剛性率を、JIS K7106に準じて測定した。
(3)圧縮変形量(mm)
ゴルフボールまたはコアに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向にゴルフボールが縮む量)を測定した。
(4)コア硬度
JIS−K 6301に規定するスプリング式硬度計C型を用いて、球状コアの表面部において測定したJIS−C硬度をコアの表面硬度とし、球状コアを半球状に切断し、切断面の中心において測定したJIS−C硬度をコアの中心硬度とした。
(5)耐久性
ツルーテンパー社製のスイングロボットにメタルヘッド製#W1ドライバーを取り付け、各ゴルフボールをヘッドスピード45m/秒で打撃し衝突板に衝突させて、ゴルフボールが壊れるまでの繰返し打撃回数を測定した。各ゴルフボールの耐久性は、ゴルフボールNo.9の打撃回数を100として、各ゴルフボールについての打撃回数を指数化した値で示した。指数化された値が大きいほど、ゴルフボールが耐久性に優れていることを示す。
(6)飛距離
ツルーテンパー社製のスイングロボットにメタルヘッド製#W1ドライバー(XXIO S 10度)を取り付け、ヘッドスピード45m/秒でゴルフボールを打撃し、飛距離(発射始点から静止地点までの距離(m))を測定した。測定は、各ゴルフボールについて10回ずつ行って、その平均値をそのゴルフボールの飛距離とした。
(7)打球感
プロゴルファー2人とハンデキャップ5以下の上級アマチュアゴルファー8人により、ドライバーを用いて実打テストを行った。下記の基準により打球感をA〜Dの4段階に格付けし、最も多い評価結果をそのゴルフボールの打球感とした。
A:極めて良好
B:良好
C:やや不良
D:不良
[ゴルフボールの作製]
(1)コアの作製
表1に示す配合のコア用ゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で170℃で20分間加熱プレスすることにより直径37.0mm〜39.0mmの球状コアを得た。
Figure 2007054432
ポリブタジエンゴム:JSR(株)製のBR730(ハイシスポリブタジエン)
アクリル酸亜鉛:日本蒸留製のZNDA−90S
酸化亜鉛:東邦亜鉛製の銀嶺R
硫酸バリウム:堺化学製硫酸バリウムBD
ジフェニルジスルフィド:住友精化製
ジクミルパーオキサイド:日本油脂製のパークミルD
尚、硫酸バリウムは、得られるゴルフボールの質量が、45.4gとなるように適量加えた。
(2)中間層用組成物、および、カバー組成物の調製
表2、および、表3に示した配合材料を、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状の中間層組成物とカバー用組成物をそれぞれ調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で160〜230℃に加熱された。中間層用組成物について、スラブ硬度、曲げ剛性率を測定した結果を表2に併せて示した。
Figure 2007054432
サーリン8945:デュポン社製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
サーリン9945:デュポン社製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ラバロンSR04:三菱化学社製熱可塑性ポリスチレンエラストマー
パナテトラWZ−0501:松下電器産業社製3次元形状金属酸化物(酸化亜鉛)、平均長さ10μm
WHITESEAL:PT.INDO LYSAGHTより市販の亜鉛華(粒子状の形状:粒子径344μm)
サーフェストランドREV8:エヌエスジー・ヴェトロテックス社製のガラス繊維
Figure 2007054432
エラストランXNY97A:BASFジャパン製H12MDI−PTMG系熱可塑性ポリウレタン
(3)ゴルフボール本体の作製
上記で得た中間層用組成物を、前述のようにして得たコア上に直接射出成形することにより、前記コアを被覆する中間層を形成し、さらにカバー用組成物を中間層上に直接射出成形することにより、前記中間層を被覆するカバーを作製した。カバー成形用上下金型は、半球状キャビティを有し、ディンプル付きで、ディンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねている。上記ホールドピンを突き出し、コアを投入後ホールドさせ、80トンの圧力で型締めした金型に210℃に加熱した樹脂を0.3秒で注入し、30秒間冷却して型開きしてゴルフボールを取り出した。得られたゴルフボール本体の表面をサンドブラスト処理をして、マーキングを施した後、クリアーペイントを塗布し、40℃のオーブンで塗料を乾燥させ、質量45.4gのゴルフボールを得た。尚、ゴルフボール表面には、表4および図2〜図4に示したディンプルパターンを形成した。
得られたゴルフボールの構成、並びに、耐久性、飛距離、打球感について評価した結果を表5に示した。
Figure 2007054432
表4中のディンプル直径、深さ、容積の定義は、特開2005−143877号公報に記載されている通りである。
Figure 2007054432
表5中、ゴルフボールNo.1〜No.8は、コアと前記コアを被覆する中間層と、前記中間層を被覆するカバーを最外層として有するスリーピースゴルフボールであって、前記中間層が、少なくとも3つの針状部を有する3次元形状の金属酸化物を含有し、そのスラブ硬度が、ショアD硬度で55D以上であるゴルフボールである。いずれのゴルフボールも、耐久性、飛距離、および、打球感に優れることが分かる。また、ゴルフボールNo.1〜No.8が使用する中間層用組成物A〜Eは、Y≧18X−850を満足し、スラブ硬度の割りに曲げ剛性率が高くなっていることが確認できる。ゴルフボールNo.9は、中間層が充填剤(強化材)を含有しない従来のゴルフボールである。ゴルフボールNo.9と、ゴルフボールNo.1およびNo.8を比較すると、ゴルフボールNo.1とNo.8の耐久性と飛距離が、ゴルフボールNo.9に比べて著しく改善されていることが分かる。
ゴルフボールNo.10は、中間層が粒状の酸化亜鉛を含有する場合であるが、ゴルフボールNo.9と比べて、耐久性、および、飛距離の向上効果はほとんど認められなかった。ゴルフボールNo.11は、中間層が繊維状の充填剤(強化材)を含有する場合であるが、耐久性、および、打球感が著しく低下した。
本発明によれば、打球感を低下させることなく、耐久性、ドライバーショットの飛行性能(飛距離)に優れるゴルフボールを提供できる。
本発明で使用する3次元形状金属酸化物の説明図である。 ゴルフボール表面に形成したディンプルパターンの平面図である。 ゴルフボール表面に形成したディンプルパターンの正面図である。 ゴルフボール表面に形成したディンプルパターンの底面図である。
符号の説明
1:針状部、a,b:端部、2:ゴルフボール、10:ディンプル、12:ランド、A:ディンプルA、B:ディンプルB、C:ディンプルC、D:ディンプルD、E:ディンプルE、F:ディンプルF、G:ディンプルG

Claims (7)

  1. コアと、前記コアを被覆する中間層と、前記中間層を被覆するカバーを最外層として有するゴルフボールであって、前記中間層は、少なくとも3つの針状部を有する3次元形状の金属酸化物を含有し、そのスラブ硬度が、ショアD硬度で55D以上であることを特徴とするゴルフボール。
  2. 前記金属酸化物は、前記針状部がそれぞれ、一方の端部で結合し、他方の端部を異なる方向に位置させた3次元形状を有するものである請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 前記金属酸化物は、4つの針状部を有し、前記4つの針状部がそれぞれ、一方の端部を正四面体の略中心位置で結合し、他方の端部を正四面体の略各頂点方向に位置させた3次元形状を有するものである請求項1または2に記載のゴルフボール。
  4. 前記金属酸化物は、前記針状部の平均長さが5μm〜50μmであるものである請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  5. 前記金属酸化物は、酸化亜鉛である請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  6. 前記中間層は、基材樹脂成分100質量部に対して、前記金属酸化物を0.3質量部〜25質量部含有するものである請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  7. 前記中間層のスラブ硬度をX(ショアD硬度)、曲げ剛性率をY(MPa)としたときに、前記X、および、Yが下記式を満足するものである請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴルフボール。
    55≦X≦65
    Y≧18X−850
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