JP2007053049A - 色素増感太陽電池付き車両用ガラス及びその車両取付構造 - Google Patents

色素増感太陽電池付き車両用ガラス及びその車両取付構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2007053049A
JP2007053049A JP2005238737A JP2005238737A JP2007053049A JP 2007053049 A JP2007053049 A JP 2007053049A JP 2005238737 A JP2005238737 A JP 2005238737A JP 2005238737 A JP2005238737 A JP 2005238737A JP 2007053049 A JP2007053049 A JP 2007053049A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
dye
glass
solar cell
sensitized solar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005238737A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Yamamoto
研一 山本
Toshitaka Takahashi
敏貴 高橋
Keiichi Inagaki
圭一 稲垣
Koichiro Kiyohara
康一郎 清原
Takashi Muromachi
隆 室町
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp, Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2005238737A priority Critical patent/JP2007053049A/ja
Publication of JP2007053049A publication Critical patent/JP2007053049A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Abstract

【課題】
安全性および強度等の車載ガラス要件を満たすことができる色素増感太陽電池層付き車両用ガラス及びその車両取付構造の提供を目的とする。
【解決手段】
車体開口部または車両のドアまたはゲートの窓部を覆うように取付けられる色素増感太陽電池付き車両用ガラスであって、色素増感太陽電池付き車両用ガラスG1は、車外側から車内側に向けて第1ガラス板1、第1中間膜2、第2ガラス板3、色素増感太陽電池層4、第3ガラス板5、第2中間膜6、第4ガラス板7を積層して成り、第2ガラス板3および第3ガラス板5の色素増感太陽電池層4側にはそれぞれ透明導電膜8,9が形成され、色素増感太陽電池層4は、透明導電膜の一方8に接して形成されたT膜と、T膜の表面に担持された色素と、他方のT膜が形成されない上記透明導電膜9と、各透明導電膜8,9相互間に充填される電解質溶液とから成ることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車体開口部または車両のバックドアまたはリフトゲートの窓部を覆うように取付けられる色素増感太陽電池付き車両用ガラス及びその車両取付構造に関する。
一般に、色素増感太陽電池は、光電変換効率が高く、製造コストが安いうえ、環境上極めて有効な太陽電池である。
特許文献1には色素増感太陽電池層を挟む2枚のガラス板の接合構造が開示されている。
すなわち、作用極を構成する第1のガラス基板に透明導電膜、金属配線層、酸化物半導体多孔膜および光増感用色素を設ける一方、対極を構成する第2のガラス基板には導電膜を形成し、作用極を構成する第1のガラス基板と、対極を構成する第2のガラス基板との間の隙間には、電解液を充填し、さらに両基板の周縁部を封止材で接合、封止して、セル内部の電解液が外部へ漏洩するのを防止すると共に、外部からセル内部に異物や水分等が侵入するのを防止すべく構成した接合構造である。
しかし、この特許文献1には単に色素増感太陽電池層を挟む2枚のガラス板の接合構造が開示されているに過ぎず、車載に関する技術思想については何等の開示も示唆もない。
特開2004−292247号公報
この発明は、安全性および強度等の車載ガラス要件を満たすことができる色素増感太陽電池付き車両用ガラス及びその車両取付構造の提供を目的とする。
この発明による色素増感太陽電池付き車両用ガラスは、車体開口部または車両のドアまたはゲートの窓部を覆うように取付けられる色素増感太陽電池付き車両用ガラスであって、該色素増感太陽電池付き車両用ガラスは、車外側から車内側に向けて第1ガラス板、第1中間膜、第2ガラス板、色素増感太陽電池層、第3ガラス板、第2中間膜、第4ガラス板を積層して成り、上記第2ガラス板および第3ガラス板の色素増感太陽電池層側にはそれぞれ透明導電膜が形成され、上記色素増感太陽電池層は、上記透明導電膜の一方に接して形成されたT膜と、該T膜の表面に担持された色素と、他方のT膜が形成されない上記透明導電膜と、上記各透明導電膜相互間に充填される電解質溶液とから成るものである。
上記構成によれば、第2ガラス板は作用極基板として作用し、第3ガラス板は対極基板として作用する一方、第1ガラス板、第1中間膜、第2中間膜、第4ガラス板は保護ガラスおよび保護膜として作用するので、安全性および強度等の車載ガラス要件を満たすことができる。
この発明による色素増感太陽電池付き車両用ガラスは、また、車体開口部または車両のドアまたはゲートの窓部を覆うように取付けられる色素増感太陽電池付き車両用ガラスであって、該色素増感太陽電池付き車両用ガラスは、車外側から車内側に向けて第1ガラス板、第1中間膜、第2ガラス板、色素増感太陽電池層、第3ガラス板、該第3ガラス板の飛散を抑制する保護フィルムを積層して成り、上記第2ガラス板および第3ガラス板の色素増感太陽電池層側にはそれぞれ透明導電膜が形成され、上記色素増感太陽電池層は、上記透明導電膜の一方に接して形成されたT膜と、該T膜の表面に担持された色素と、他方のT膜が形成されない上記透明導電膜と、上記各透明導電膜相互間に充填される電解質溶液とから成るものである。
上記構成によれば、第2ガラス板は作用極基板として作用し、第3ガラス板は対極基板として作用する一方、第1ガラス板、第1中間膜は保護ガラスおよび保護膜として作用し、さらに保護フィルムは第3ガラス板の飛散を抑制するので、安全性および強度等の車載ガラス要件を満たすことができ、しかも、請求項1の構成と比較して軽量となるため、実用上、有効である。
この発明による色素増感太陽電池付き車両用ガラスは、さらに、車体開口部または車両のドアまたはゲートの窓部を覆うように取付けられる色素増感太陽電池付き車両用ガラスであって、該色素増感太陽電池付き車両用ガラスは、車外側から車内側に向けて車外側ガラス板、色素増感太陽電池層、車内側ガラス板を積層して構成され、上記車外側ガラス板および車内側ガラス板は共に強化ガラスに設定され、上記各ガラス板の色素増感太陽電池層側にはそれぞれ透明導電膜が形成され、上記色素増感太陽電池層は、上記透明導電膜の一方に接して形成されたT膜と、該T膜の表面に担持された色素と、他方のT膜が形成されない上記透明導電膜と、上記各透明導電膜相互間に充填される電解質溶液とから成るものである。
上記構成によれば、強化ガラスから成る車外側ガラス板は作用極基板として作用し、強化ガラスから成る車内側ガラス板は対極基板として作用すると共に、これらの各ガラス板は弾性率、剛性に対して優れた特性を有するので、安全性および強度等の車載ガラス要件を満たすことができ、しかも、請求項1および請求項2の構成と比較して軽量になり、かつ積層構造の全体の厚みを薄くすることができるので、車載ガラスとして極めて有効である。
この発明の一実施態様においては、上記色素増感太陽電池層より車内側のガラス板の少なくとも一面に半透明反射膜を形成したものである。
上記構成によれば、色素増感太陽電池層を透過した太陽光が、車内側のガラス板に形成された半透明反射膜により、反射して再び色素増感太陽電池層に入光するので、光量の増大および発電効率の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記色素増感太陽電池層は、ガラス平面視において複数の矩形状のセルに分割され、上記色素増感太陽電池層より車内側のガラス板の一面にデフォッガ熱線を形成し、該デフォッガ熱線は上記色素増感太陽電池層のセル形状に沿って配置されたものである。
上記構成によれば、デフォッガ熱線により、くもり止めを図ることができるのは勿論、このデフォッガ熱線を色素増感太陽電池層のセル形状に沿って配置したので、見映えの向上を図ることができる。
この発明による色素増感太陽電池付き車両用ガラスの車両取付構造は、上記色素増感太陽電池層より車外側のガラス板は車内側のガラス板よりガラス平面視で大きく形成され、該車外側のガラス板より成る縁部を備え、該縁部の車内側面が車体開口部の開口周縁を形成する枠部に固定されるものである。
上記構成によれば、車内側のガラス板に対してガラス平面視で大きく形成された車外側のガラス板の縁部を、ボディ側開口周縁の枠部に固定するので、上記積層構造の車両用ガラスを車体開口部に確実に取付けることができる。
この発明の一実施態様においては、上記色素増感太陽電池層に結線されるリード線を備え、該リード線が取出される車内側のガラスの一部には切欠部が形成され、上記リード線は該切欠部を介して車室内に導入されるものである。
上記構成によれば、ガラスの一部に形成された切欠部を介して上記リード線を取出すので、該切欠部のスペースにより、リード線の取出し性が向上し、該リード線の損傷防止を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記車外側のガラス板が固定された上記枠部の一部に、車体開口部に面する切欠部が形成され、上記色素増感太陽電池層に結線されるリード線が該切欠部を通過して車室内に導入されるものである。
上記構成によれば、車体開口部の開口周縁を形成する枠部に上記切欠部を形成し、このボディ側の切欠部を介して上記リード線を取出すので、該切欠部のスペースにより、リード線の取出し性が向上し、該リード線の損傷防止を図ることができる。しかも、ガラスの一部に切欠部を構成する構造に対して、切欠部を枠部に形成するとよいので、該切欠部の形成が容易となる。
この発明の一実施態様においては、上記色素増感太陽電池層はガラス平面視で複数のセルに分割され、該セルはガラス平面視で所定方向に連続するよう隣接して配置され、上記T膜の表面に担持される色素の量は、上記所定方向において連続する各セル毎に、連続的に増大または減少するように設定され、ガラス透過光が上記所定方向に連続して暗く、または明るくなるように構成されたものである。
上述の所定方向は、上下方向に設定してもよい。
上記構成によれば、所定方向において連続する各セル毎に、色素の担持量が連続的に増大または減少するように設定したので、グラデーション(gradation、色調、明暗の漸次的移行)効果を確保することができる。
この発明によれば、安全性および強度等の車載ガラス要件を満たすことができる効果がある。
この発明の実施の形態を以下図面に基づいて詳述する。
図面は色素増感太陽電池付き車両用ガラス及びその車両取付構造を示すが、まず、図1〜図7を参照して、色素増感太陽電池付き車両用ガラスの構成について説明する。
この色素増感太陽電池付き車両用ガラスG1は、図1に示すように、車外側(矢印OUT参照)から車内側(矢印IN参照)に向けて第1ガラス板1、第1中間膜2、第2ガラス板3、色素増感太陽電池層4(以下単にDSC層と略記する、但し、DSCはDye sensitized Solar Cellの略である)、第3ガラス板5、第2中間膜6、第4ガラス板7を、ガラス板の自重曲げ方式により3次元曲面形状に積層して構成されている。
また、第2ガラス板3とDSC層4との界面、並びに、第3ガラス板5とDSC層4との界面には、電極として機能する透明導電膜8,9が形成されている。
図1の一部分を図2に拡大して示すように、上述のDSC層4は、一方の透明導電膜8に接して形成されたT膜10と、このT膜10の表面に担持された色素11と、他方のT膜10が形成されない上述の透明導電膜9と、これらの各透明導電膜8,9の相互間に充填された電解質溶液12と、この電解質溶液12を封止する封止材13,13とを備えている。
上述の各ガラス板1,3,5,7としては、ソーダライムシリカガラスが好ましく用いられる。
ガラス板1,3,5,7の厚さとしては、第1ガラス板1は1.5〜3mm、第2ガラス板3は2〜4mm、第3ガラス板5は2〜4mm、第4ガラス板7は1〜3mmであることが好ましい。
ガラス板1,3,5,7の厚さが上記の下限値未満であると、JIS R 3211に定める耐衝撃性および体貫通性に合格することができなくなる可能性がある。また、ガラス板1,3,5,7の厚さが上記の上限値より暑いと、積層体の重量が過大となるため、実用的ではない。
上述の中間膜2,6としては、通常の合わせガラス用に用いられているものを用いることができる。具体的には、ポリビニルブチラール(いわゆるPVB)、ポリビニルアセタールなどの熱可塑性樹脂が用いられる。
また中間膜2,6の厚さとしては、0.3mm〜1mm程度のものを用いることが好ましい。中間膜2,6の厚さが上記下限値よりも薄い場合には、JIS R 3211に定める耐衝撃性および耐貫通性に合格することができなくなる可能性がある。逆に、中間膜2,6の厚さが上述の上限値よりも厚い場合には、積層体の重量が重くなるため、実用的ではない。
電極として機能する透明導電膜8,9としてはITO(錫ドープ酸化インジウム)、FTO(フッ素ドープ酸化錫)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、ZO(酸化亜鉛)、S/ITOの多層膜等の膜が用いられる。これらの膜は、第2ガラス板3および第3ガラス板5の表面に予めコーティングを行い、上述の構成となるように積層を行なう際に、DSC層4と接するように配置する。
透明導電膜8,9のシート抵抗値としては、150Ω/□以下が好ましい。150Ω/□よりも抵抗値が大きいと、太陽電池にて発電した電気の損失が大きいため好ましくはない。このため透明導電膜8,9のシート抵抗値としては、30Ω/□以下であることが望ましい。
透明導電膜8,9の膜厚としては、50nm〜1μm程度が好ましい。膜厚が50nm未満であると、透明導電膜8,9のシート抵抗値が過大となって、太陽電池にて発電した電気の損失が大となるので好ましくない。また、膜厚が1μmを超えると、透明導電膜8,9での破壊による積層体の剥離が生じやすくなるため好ましくない。以上により透明導電膜8,9の膜厚は80nm〜600nmであることが好ましい。
上述の透明導電膜8,9をガラス板3,5の表面にコーティングする方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法などが好ましく用いられる。
また、透明導電膜9の表面に必要に応じて、白金またはカーボンなどの膜14(図2参照)を形成してもよい。白金またはカーボンなどの膜14を形成することにより、酸化状態にある電解質溶液12の還元反応速度を上げることができるからである。白金またはカーボンなどの膜の成膜方法としては、真空蒸着法やスパッタリング法などを用いることができる。
DSC層4は、太陽の光により発電を行なうセルCE(図2、図4参照)と、セルCEとセルCEとの間に形成される封止材13などにより構成される。
セルCEは第2ガラス板3上に形成された透明導電膜8または第3ガラス板5上に形成された透明導電膜9の何れかに接するように形成された半導体のT膜10と、このT膜10の表面に形成された色素11と、該色素11とT膜10とが形成されていない側の透明導電膜9との間に充填される電解質溶液12などにより構成される。
膜10としては、チタニア粉末をポリエチレングリコール、アセチルアセトン、および水等と混ぜたペーストをガラス板表面の透明導電膜8の表面にコーティングした後、600〜650℃程度の温度で焼成することにより得られる。T膜10の膜厚は、発電効率が良くなる0.1μm〜20μm程度が好ましい。
また、ペーストをガラス表面にコーティングする方法としては、スクリーン印刷法、ロールコート法、フローコート法、スピンコート法、スキージ法、電着法等の方法を用いることができる。中でも、スクリーン印刷法は自動車用ガラス等大面積に対して均一にコーティングすることができるため好ましい。
色素11としては、例えば、ルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛などの錯体(金属錯体)およびエオシン、ローダミン、メロシアニン、シアニンなどの有機色素等から適宜選択して用いることができる。
電解質溶液12としては、酸化還元対を含む有機溶媒や室温溶融塩などを用いることができる。また電解質溶液12としては、溶液状に加え、ゲル状(半固体状)、固体状の状態も用いることができる。上述の酸化還元対としては、特に限定されないが、ヨウ素/ヨウ化物イオン、臭素/シュウ化物イオンなどを例示することができる。
また、上記積層体に対し、第3ガラス板5と第2中間膜6の境界面に半透明反射膜15(図5参照)を形成してもよく、第2中間膜6と第4ガラス板7の境界面に半透明反射膜15(図6参照)を形成してもよく、第4ガラス板7の第2中間膜6とは反対側の表面に半透明反射膜15(図7参照)を形成してもよく、図6で示した位置と、図7で示した位置との双方に半透明反射膜15を形成してもよい。
上述の半透明反射膜15としては、所定の波長の光、具体的には、DSC層4に用いる色素11が吸収する波長の光を反射する膜であって、このように半透明反射膜15を形成することにより、DSC層4では、車外側より進入してくる光の他に、色素11において吸収されず半透明反射膜15により反射された光でも発電されることになり、発電量を増加させることができる。
さらに、第1ガラス板1および/または第2ガラス板3として、紫外線吸収機能を有するガラス板を用いてもよく、あるいは、紫外線吸収機能を有する中間膜2を用いてもよい。このように構成すると、DSC層4には紫外線が抑制された光が入射するため、DSC層4の紫外線による劣化を防止することができる。
ところで、図3、図4は各セルCEに対する結線構造を示し、図3は上記積層体の平面図、図4は図3のA−A線矢視断面図であって、図3に示すガラス平面視においてDSC層4は複数の矩形状のセルCEに分割されており、図4に示すように、負極側の透明導電膜8と、正極側の透明導電膜9とをインターコネクト集電体16を介して直列に接続すると共に、図3、図4に示す如く、積層体の端部側に位置するセルCEの負極側の透明導電膜8および正極側の透明導電膜9にはそれぞれ負極側集電線17(以下単にリード線と略記する)および正極側集電線18(以下単にリード線と略記する)を接続し、これら各リード線17,18を積層体のリード線取出し側(図3の右側参照)に配設し、かつ2本のリード線17,18を互に近接させて取出す。なお、図3においてαはセラミックによるマスキング部である。なお、上述のインターコネクトはセル間接続の一例であって、他の配線方法でもよい。
上記構成の車両用ガラスG1は図8に示すハッチバック車両19のルーフ部20、リヤハッチ21のリヤウインド22、リヤクオータウインド23または図9に示すセダン型車両24のリヤウインド25に採用することができる。
次に、図10,図11を参照して上記車両用ガラスG1のルーフ部20に対する車両取付構造について説明する。
車体側のルーフ部にはルーフサイドレールアウタ26とルーフサイドレールインナ27とレインフォースメント28とを接合して、車両の前後方向に延びる閉断面構造のルーフサイドレール29が設けられている。
左右一対のルーフサイドレール29,29(但し、図10、図11では一方のみを示す)間には車体開口部30(図11参照)が形成され、ルーフサイドレール29には車体開口部30の開口周縁を形成する枠部としての接合フランジ部31が設けられている。
また、上述の接合フランジ部31の一部には、上記リード線17,18の近接部と対応して、車体開口部30に面する切欠部32が形成される一方、ルーフサイドレール29の下側の接合フランジ部33にはウエザーストリップ34が嵌着されている。さらにルーフサイドレール29の車内側はルーフサイドトリム35(トリム部材)で覆われている。
一方、車両用ガラスG1においては、DSC層4よりも車外側のガラス板1,3は車内側のガラス板5,7に対してガラス平面視で大きく形成され、そのガラス周縁部には該車外側のガラス板1,3より成る縁部36を備えている。
そして、この縁部36の車内側面がダム37と、シーラント等の接着剤38とを介して上述の接合フランジ部31に強固に固定されると共に、上述の各リード線17,18は切欠部32を通過して車室内に導入されるが、これらのリード線17,18はカプラ39を介して絶縁被覆されたハーネス40に接続され、このハーネス40はルーフサイドレールインナ27と、ルーフサイドトリム35との間の空間部に導入される。
次に、図12、図13、図14を参照して、上記車両用ガラスG1のリヤハッチ21に対する車体取付構造について説明する。図12はリヤハッチ21を車両後方から見た状態で示す斜視図、図13は図12のB−B線に沿う部分拡大断面図、図14は図13の分解斜視図である。
なお、図12においては複数に分割されたセルCEの部分に図示の便宜上、ハッチングを施して示している。ガラス平面視で複数に分割されたセルCEは、その複数がガラス平面視において所定方向としての上下方向に連続するように隣接して配置されている。
図13、図14に示すように、リヤハッチ21はリヤハッチアウタパネル41とリヤハッチインナパネル42とを接合して構成されると共に、該リヤハッチ21にはリヤウインド22の配設部に相当する車体開口部43(図14参照)が形成され、リヤハッチ21には、この車体開口部43の開口周縁を形成する枠部としての接合フランジ部44が設けられている。
また、上述の接合フランジ部44の一部には、上記リード線17,18の近接部と対応して、車体開口部43に面する切欠部45が形成される一方、上述のリヤハッチインナパネル42の車内側はトリム部材46で覆われている。
一方、車両用ガラスG1においては、DSC層4よりも車外側のガラス板1,3は車内側のガラス板5,7に対してガラス平面視で大きく形成され、そのガラス周縁部には該車外側のガラス板1,3より成る縁部36を備えている。
そして、この縁部36の車内側面がダム37と、シーラント等の接着剤38とを介して、上述の接合フランジ部44に強固に固定されると共に、上述の各リード線17,18は切欠部45を通過して車室内に導入されるが、これらのリード線17,18はカプラ47を介して絶縁被覆されたハーネス48に接続され、このハーネス48はリヤハッチインナパネル42と、トリム部材46との間の空間部に導入される。
図12で示した実施例においては、DSC層4の各セルCEにおけるT膜10の表面に担持される色素11の量をそれぞれ一定と成したが、図15に示すように、DSC層4の各セルCEにおけるT膜10の表面に担持される色素11の量を、所定方向としての上下方向において連続する各セルCE毎に、上側のセルCEの色素担持量が大で、下側に行く程、色素担持量が小となるように、連続的に減少すべく設定し、ガラス透過光が上下方向に連続して上側のセルCEが暗く、下側に行く程、明るくなるように構成してもよい。
このように構成すると、日除け効果と後方視界の確保との両立を図ることができる。なお、図15においては図示の便宜上、各セルCEにおいて色素担持量が大きい程、ハッチング間隔が小さく、色素担持量が小さい程、ハッチング間隔が大きくなるように図示している。
なお、図12、図15で示した各セルCEはリヤウインド22の車幅方向の全幅に連続して延びる形状のものを例示したが、これは図16に示すように車幅方向において複数に分割形成してもよい。
ここで、上記構成の車両用ガラスG1をリヤハッチ21のリヤウインド22、またはセダン型車両24のリヤウインド25に適用する場合には、図17に示すように、DSC層4よりも車内側のガラス板としての第3ガラス板5の車内側の面にデフォッガ熱線49を形成し、該デフォッガ熱線49をDSC層4のセルCEの形状に沿って車幅方向に延びるように配置する。望ましくは、上下のセルCE間におけるインターコネクト集電体16と対応する部位においてデフォッガ熱線49が車幅方向に延びるように配置する。
このように構成すると、見栄えを確保しつつ、リヤウインド22,25の曇りを除去することができる。
なお、図中、矢印OUTは車外側を示し、矢印INは車内側を示し、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示すものである。
このように、上記実施例の色素増感太陽電池付き車両用ガラスG1は、車体開口部または車両のドア(バックドア)またはゲートの窓部を覆うように取付けられる色素増感太陽電池付き車両用ガラスであって、該色素増感太陽電池付き車両用ガラスG1は、車外側から車内側に向けて第1ガラス板1、第1中間膜2、第2ガラス板3、DSC層4、第3ガラス板5、第2中間膜6、第4ガラス板7を積層して成り、上記第2ガラス板3および第3ガラス板5のDSC層4側にはそれぞれ透明導電膜8,9が形成され、上記DSC層4は、上記透明導電膜の一方8に接して形成されたT膜10と、該T膜10の表面に担持された色素11と、他方のT膜10が形成されない上記透明導電膜8,9と、上記各透明導電膜8,9相互間に充填される電解質溶液12とから成るものである。
この構成によれば、第2ガラス板3は作用極基板として作用し、第3ガラス板5は対極基板として作用する一方、第1ガラス板1、第1中間膜2、第2中間膜6、第4ガラス板7は保護ガラスおよび保護膜として作用するので、安全性および強度等の車載ガラス要件を満たすことができる。
また、上記DSC層4より車内側のガラス板の少なくとも一面に半透明反射膜15を形成したものである(図5、図6、図7参照)。
この構成によれば、DSC層4を透過した太陽光が、車内側のガラス板に形成された半透明反射膜15により、反射して再びDSC層4に入光するので、光量の増大および発電効率の向上を図ることができる。
さらに、上記DSC層4は、ガラス平面視において複数の矩形状のセルCEに分割され、上記DSC層4より車内側のガラス板5の一面にデフォッガ熱線49を形成し、該デフォッガ熱線49は上記DSC層4のセルCE形状に沿って配置されたものである。
この構成によれば、デフォッガ熱線49により、くもり止めを図ることができるのは勿論、このデフォッガ熱線49をDSC層4のセルCE形状に沿って配置したので、見映えの向上を図ることができる。
一方、上記実施例の色素増感太陽電池付き車両用ガラスの車両取付構造は、上記DSC層4より車外側のガラス板1,3は車内側のガラス板5,7よりガラス平面視で大きく形成され、該車外側のガラス板1,3より成る縁部36を備え、該縁部36の車内側面が車体開口部30,43の開口周縁を形成する枠部(接合フランジ部31,44参照)に固定されるものである。
この構成によれば、車内側のガラス板5,7に対してガラス平面視で大きく形成された車外側のガラス板1,3の縁部36を、ボディ側開口周縁の枠部(接合フランジ部31,44参照)に固定するので、上記積層構造の車両用ガラスG1を車体開口部30,43に確実に取付けることができる。
また、上記車外側のガラス板1,3が固定された上記枠部(接合フランジ部31,44)の一部に、車体開口部30,43に面する切欠部32,45が形成され、上記DSC層4に結線されるリード線17,18が該切欠部32,45を通過して車室内に導入されるものである。
この構成によれば、車体開口部30,43の開口周縁を形成する枠部(接合フランジ部31,44)に上記切欠部32,45を形成し、このボディ側の切欠部32,45を介して上記リード線17,18を取出すので、該切欠部32,45のスペースにより、リード線17,18の取出し性が向上し、該リード線17,18の損傷防止を図ることができる。しかも、ガラスG1の一部に切欠部を構成する構造に対して、切欠部32,45を枠部(接合フランジ部31,44)に形成するとよいので、該切欠部32,45の形成が容易となる。
さらに、上記DSC層4はガラス平面視で複数のセルCEに分割され、該セルCEはガラス平面視で所定方向(上下方向参照)に連続するよう隣接して配置され、上記T膜10の表面に担持される色素11の量は、上記所定方向(上下方向参照)において連続する各セルCE毎に、連続的に増大または減少するように設定され、ガラス透過光が上記所定方向(上下方向参照)に連続して暗く、または明るくなるように構成されたものである。
この構成によれば、所定方向において連続する各セルCE毎に、色素11の担持量が連続的に増大または減少するように設定したので、グラデーション(gradation、色調、明暗の漸次的移行)効果を確保することができる。
図18は色素増感太陽電池付き車両用ガラスの他の実施例を示し、実施例1の第2中間膜6および第4ガラス板7に代えて、保護フィルム50を積層したものである。
すなわち、この色素増感太陽電池付き車両用ガラスG2は、車外側から車内側に向けて第1ガラス板1、第1中間膜2、第2ガラス板3、DSC層4、第3ガラス板5、該第3ガラス板5の飛散を抑制する保護フィルム50を、ガラス板の自重曲げ方式により3次元曲面形状に積層して成り、上記第2ガラス板3および第3ガラス板5のDSC層4側にはそれぞれ透明導電膜8,9が形成され、上記DSC層4は、図2で示したように、上記透明導電膜の一方8に接して形成されたT膜10と、該T膜10の表面に担持された色素11と、他方のT膜10が形成されない上記透明導電膜9と、上記各透明導電膜8,9相互間に充填される電解質溶液12とから成るものである。
上述の保護フィルム50としては、例えば、アクリム系粘着剤を表面に形成したPETフィルムなどを用いることができる。また、保護フィルム50の厚さは15μm〜50μmとすることが好ましい。つまり、保護フィルム50の厚さが15μm未満であると、大面積のガラスに対して保護フィルム50を貼付けにくくなるため好ましくない。また、保護フィルム50の厚さが50μmよりも厚いと曲げ加工されたガラス板5に対し保護フィルム50の追従性が悪くなり、これにより保護フィルム50にシワが発生する可能性があるため好ましくない。
上記実施例2の積層体に半透明反射膜15を形成する場合、図19に示すように、第3ガラス板5と保護フィルム50との境界面に設けることができる。
次に、図20、図21、図22を参照して上記車両用ガラスG2の車両取付構造について説明する。
ボディ側のアウタパネル51とインナパネル52とを接合して、車体開口部53の開口周縁を形成する枠部としての接合フランジ部54が設けられると共に、インナパネル52の車内側はトリム部材55で覆われている。
一方、車両用ガラスG2においては、DSC層4よりも車外側のガラス板1,3は車内側のガラス板5に対してガラス平面視で大きく形成され、そのガラス周縁部には該車外側のガラス板1,3より成る縁部36を備えると共に、リード線17,18が取出される車内側のガラス板5のリード線近接部には切欠部56が形成されている。
そして、上述の縁部36の車内側面がダム37と、シーラント等の接着剤38とを介して上述の接合フランジ部54に強固に固定されると共に、上述の各リード線17,18は切欠部56を通過して車室内に導入されるが、これらのリード線17,18はカプラ57を介して絶縁被覆されたハーネス58に接続され、このハーネス58はインナパネル52とトリム部材55との間の空間部に導入される。
このように、実施例2の色素増感太陽電池付き車両用ガラスG2は、車体開口部または車両のドア(バックドア)またはリヤゲートの窓部を覆うように取付けられる色素増感太陽電池付き車両用ガラスであって、該色素増感太陽電池付き車両用ガラスG2は、車外側から車内側に向けて第1ガラス板1、第1中間膜2、第2ガラス板3、DSC層4、第3ガラス板5、該第3ガラス板5の飛散を抑制する保護フィルム50を積層して成り、上記第2ガラス板3および第3ガラス板5のDSC層4側にはそれぞれ透明導電膜8,9が形成され、上記DSC層4は、上記透明導電膜の一方8に接して形成されたT膜10と、該T膜10の表面に担持された色素11と、他方のT膜10が形成されない上記透明導電膜9と、上記各透明導電膜8,9相互間に充填される電解質溶液12とから成るものである。
この構成によれば、第2ガラス板3は作用極基板として作用し、第3ガラス板5は対極基板として作用する一方、第1ガラス板1、第1中間膜2は保護ガラスおよび保護膜として作用し、さらに保護フィルム50は第3ガラス板5の飛散を抑制するので、安全性および強度等の車載ガラス要件を満たすことができ、しかも、実施例1の構造と比較して軽量となるため、実用上、有効である。
また実施例2の車両用ガラスの車両取付構造においては、上記DSC層4に結線されるリード線17,18を備え、該リード線17,18が取出される車内側のガラス板5の一部には切欠部56が形成され、上記リード線17,18は該切欠部56を介して車室内に導入されるものである。
この構成によれば、ガラス板5の一部に形成された切欠部56を介して上記リード線17,18を取出すので、該切欠部56のスペースにより、リード線17,18の取出し性が向上し、該リード線17,18の損傷防止を図ることができる。
この実施例2においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例1とほぼ同様であるから、図18〜図22において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。なお、実施例2の車両用ガラスG2を、図10、図13で示した車両取付構造により車体側に取付けても良いことは勿論である。
図23は色素増感太陽電池付き車両用ガラスのさらに他の実施例を示し、この車両用ガラスG3は、車外側から車内側に向けて車外側ガラス板60、DSC層4、車内側ガラス板61を積層して構成され、上記車外側ガラス板60および車内側ガラス板61は共に強化ガラスに設定され、上記各ガラス板60,61のDSC層4側にはそれぞれ透明導電膜8,9が形成され、上記DSC層4は、図2で示したように、上記透明導電膜の一方8に接して形成されたT膜10と、該T膜10の表面に担持された色素11と、他方のT膜10が形成されない上記透明導電膜9と、上記各透明導電膜8,9相互間に充填される電解質溶液12とから成るものである。
上述の各ガラス板60,61の厚さとしては、車外側ガラス板60(強化ガラス)の厚さは2.5〜3mmが好ましく、車内側ガラス板61(強化ガラス)の厚さも同様に2.5〜3mmであることが好ましい。
上記ガラス板60,61の厚さが上述の下限値未満であると、JIS R 3211に定める耐衝撃性および破砕試験による破片の状態に合格することができなくなる可能性がある。また、ガラス板60,61の厚さが上述の上限値よりも厚いと、積層体の重量が重くなるため、実用的ではない。
また、上記積層体に対して、車内側ガラス板61のDSC層4とは反対側の表面に半透明反射膜(図示せず)を形成してもよく、さらに、車外側ガラス板60としては、紫外線吸収機能を有するガラス板を用いてもよい。
このように、実施例3の色素増感太陽電池付き車両用ガラスG3は、車体開口部または車両のバックドアまたはリヤゲートの窓部を覆うように取付けられる色素増感太陽電池付き車両用ガラスであって、該色素増感太陽電池付き車両用ガラスG3は、車外側から車内側に向けて車外側ガラス板60、DSC層4、車内側ガラス板61を積層して構成され、上記車外側ガラス板60および車内側ガラス板61は共に強化ガラスに設定され、上記各ガラス板60,61のDSC層4側にはそれぞれ透明導電膜8,9が形成され、上記DSC層4は、上記透明導電膜の一方8に接して形成されたT膜10と、該T膜10の表面に担持された色素11と、他方のT膜10が形成されない上記透明導電膜9と、上記各透明導電膜8,9相互間に充填される電解質溶液12とから成るものである。
この構成によれば、強化ガラスから成る車外側ガラス板60は作用極基板として作用し、強化ガラスから成る車内側ガラス板61は対極基板として作用すると共に、これらの各ガラス板60,61は弾性率、剛性に対して優れた特性を有するので、安全性および強度等の車載ガラス要件を満たすことができ、しかも、実施例1、実施例2の構造と比較して軽量になり、かつ積層構造の全体の厚みを薄くすることができるので、車載ガラスとして極めて有効である。
なお、図23で示した車両用ガラスG3を車体に取付ける場合には、図10、図13、図20で示した車両取付構造を採用することができる。
図24は色素増感太陽電池付き車両用ガラスのさらに他の実施例を示し、この車両用ガラスG4は、車外側から車内側に向けて第1ガラス板1、第1中間膜2、第2ガラス板3、DSC層4、PC(ポリカーボネート)などの透明樹脂ガラス板62(対極基板)を積層して成り、各ガラス板3,62のDSC層4側にはそれぞれ透明導電膜8,9が形成され、上記DSC層4は、図2で示したように、上記透明導電膜の一方8に接して形成されたT膜10と、該T膜10の表面に担持された色素11と、他方のT膜10が形成されない上記透明導電膜9と、上記核透明導電膜8,9相互間に充填される電解質溶液12とから成るものである。
このように、DSC層4の車内側を透明樹脂ガラス板62にて構成すると、車内側の安全性確保と、軽量化(PCの比重は1.2)との両立を図ることができる。
図25は色素増感太陽電池付き車両用ガラスのさらに他の実施例を示し、この車両用ガラスG5は、車外側から車内側に向けて、PC(ポリカーボネート)などの透明樹脂ガラス板63(作用極基板)、DSC層4、PC(ポリカーボネート)などの透明樹脂ガラス板64(対極基板)を積層して成り、各ガラス板63,64のDSC層4側にはそれぞれ透明導電膜8,9が形成され、上記DSC層4は、図2で示したように、上記透明導電膜の一方8に接して形成されたT膜10と、該T膜10の表面に担持された色素11と、他方のT膜10が形成されない上記透明導電膜9と、上記各透明導電膜8,9相互間に充填される電解質溶液12とから成るものである。
このように、DSC層4の車外側および車内側の双方を透明樹脂ガラス板63,64にて構成すると、安全性の確保と、軽量化(PCの比重は1.2)と、車両用ガラスG5の薄肉化とを達成することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の色素増感太陽電池層は、実施例のDSC層4に対応し、
以下同様に、
枠部は、接合フランジ部31,44,54に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
本発明の色素増感太陽電池付き車両用ガラスを示す断面図 色素増感太陽電池層の説明図 セルに対する結線構造を示す平面図 図3のA−A線に沿う部分断面図 半透明反射膜の形成部位の一実施例を示す断面図 半透明反射膜の形成部位の他の実施例を示す断面図 半透明反射膜の形成部位のさらに他の実施例を示す断面図 ハッチバック車両の側面図 セダン型車両の側面図 車両用ガラスのルーフ部に対する取付構造を示す断面図 図10の分解斜視図 車両用ガラスをリヤハッチに取付けた状態で示す斜視図 図12のB−B線に沿う部分断面図 図13の分解斜視図 セルに対する色素担持量の実施例を示す斜視図 セルの分割構造の一例を示す斜視図 デフォッガ熱線の形成構造を示す断面図 車両用ガラスの他の実施例を示す断面図 半透明反射膜の形成部位の一実施例を示す断面図 車両用ガラスの車両取付構造の他の実施例を示す断面図 図20の斜視図 図20、図21で示した車両用ガラスのセルに対する結線構造を示す平面図 車両用ガラスのさらに他の実施例を示す断面図 車両用ガラスのさらに他の実施例を示す断面図 車両用ガラスのさらに他の実施例を示す断面図
符号の説明
G1,G2,G3,G4,G5…車両用ガラス
CE…セル
1…第1ガラス板
2…第1中間膜
3…第2ガラス板
4…DSC層(色素増感太陽電池層)
5…第3ガラス板
6…第2中間膜
7…第4ガラス板
8,9…透明導電膜
10…T
11…色素
12…電解質溶液
15…半透明反射膜
17,18…リード線
30,43,53…車体開口部
31,44,54…接合フランジ部(枠部)
36…縁部
32,45,56…切欠部
49…デフォッガ熱線
50…保護フィルム
60…車外側ガラス板
61…車内側ガラス板

Claims (9)

  1. 車体開口部または車両のドアまたはゲートの窓部を覆うように取付けられる色素増感太陽電池付き車両用ガラスであって、
    該色素増感太陽電池付き車両用ガラスは、車外側から車内側に向けて第1ガラス板、第1中間膜、第2ガラス板、色素増感太陽電池層、第3ガラス板、第2中間膜、第4ガラス板を積層して成り、
    上記第2ガラス板および第3ガラス板の色素増感太陽電池層側にはそれぞれ透明導電膜が形成され、
    上記色素増感太陽電池層は、上記透明導電膜の一方に接して形成されたT膜と、該T膜の表面に担持された色素と、他方のT膜が形成されない上記透明導電膜と、上記各透明導電膜相互間に充填される電解質溶液とから成る
    色素増感太陽電池付き車両用ガラス。
  2. 車体開口部または車両のドアまたはゲートの窓部を覆うように取付けられる色素増感太陽電池付き車両用ガラスであって、
    該色素増感太陽電池付き車両用ガラスは、車外側から車内側に向けて第1ガラス板、第1中間膜、第2ガラス板、色素増感太陽電池層、第3ガラス板、該第3ガラス板の飛散を抑制する保護フィルムを積層して成り、
    上記第2ガラス板および第3ガラス板の色素増感太陽電池層側にはそれぞれ透明導電膜が形成され、
    上記色素増感太陽電池層は、上記透明導電膜の一方に接して形成されたT膜と、該T膜の表面に担持された色素と、他方のT膜が形成されない上記透明導電膜と、上記各透明導電膜相互間に充填される電解質溶液とから成る
    色素増感太陽電池付き車両用ガラス。
  3. 車体開口部または車両のドアまたはゲートの窓部を覆うように取付けられる色素増感太陽電池付き車両用ガラスであって、
    該色素増感太陽電池付き車両用ガラスは、車外側から車内側に向けて車外側ガラス板、色素増感太陽電池層、車内側ガラス板を積層して構成され、
    上記車外側ガラス板および車内側ガラス板は共に強化ガラスに設定され、
    上記各ガラス板の色素増感太陽電池層側にはそれぞれ透明導電膜が形成され、
    上記色素増感太陽電池層は、上記透明導電膜の一方に接して形成されたT膜と、該T膜の表面に担持された色素と、他方のT膜が形成されない上記透明導電膜と、上記各透明導電膜相互間に充填される電解質溶液とから成る
    色素増感太陽電池付き車両用ガラス。
  4. 上記色素増感太陽電池層より車内側のガラス板の少なくとも一面に半透明反射膜を形成した
    請求項1〜3の何れか1に記載の色素増感太陽電池付き車両用ガラス。
  5. 上記色素増感太陽電池層は、ガラス平面視において複数の矩形状のセルに分割され、
    上記色素増感太陽電池層より車内側のガラス板の一面にデフォッガ熱線を形成し、
    該デフォッガ熱線は上記色素増感太陽電池層のセル形状に沿って配置された
    請求項1〜3の何れか1に記載の色素増感太陽電池付き車両用ガラス。
  6. 上記色素増感太陽電池層より車外側のガラス板は車内側のガラス板よりガラス平面視で大きく形成され、該車外側のガラス板より成る縁部を備え、
    該縁部の車内側面が車体開口部の開口周縁を形成する枠部に固定される
    請求項1〜5の何れか1に記載の色素増感太陽電池付き車両用ガラスの車両取付構造。
  7. 上記色素増感太陽電池層に結線されるリード線を備え、
    該リード線が取出される車内側のガラスの一部には切欠部が形成され、
    上記リード線は該切欠部を介して車室内に導入される
    請求項6記載の色素増感太陽電池付き車両用ガラスの車両取付構造。
  8. 上記車外側のガラス板が固定された上記枠部の一部に、車体開口部に面する切欠部が形成され、
    上記色素増感太陽電池層に結線されるリード線が該切欠部を通過して車室内に導入される
    請求項6記載の色素増感太陽電池付き車両用ガラスの車両取付構造。
  9. 上記色素増感太陽電池層はガラス平面視で複数のセルに分割され、
    該セルはガラス平面視で所定方向に連続するよう隣接して配置され、
    上記T膜の表面に担持される色素の量は、上記所定方向において連続する各セル毎に、連続的に増大または減少するように設定され、
    ガラス透過光が上記所定方向に連続して暗く、または明るくなるように構成された
    請求項1,2,3,5の何れか1に記載の色素増感太陽電池付き車両用ガラス。
JP2005238737A 2005-08-19 2005-08-19 色素増感太陽電池付き車両用ガラス及びその車両取付構造 Pending JP2007053049A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005238737A JP2007053049A (ja) 2005-08-19 2005-08-19 色素増感太陽電池付き車両用ガラス及びその車両取付構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005238737A JP2007053049A (ja) 2005-08-19 2005-08-19 色素増感太陽電池付き車両用ガラス及びその車両取付構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007053049A true JP2007053049A (ja) 2007-03-01

Family

ID=37917342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005238737A Pending JP2007053049A (ja) 2005-08-19 2005-08-19 色素増感太陽電池付き車両用ガラス及びその車両取付構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007053049A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009075267A1 (ja) * 2007-12-12 2009-06-18 Sony Corporation 色素増感光電変換素子モジュールおよびその製造方法ならびに光電変換素子モジュールおよびその製造方法ならびに電子機器
US7597388B1 (en) 2008-07-02 2009-10-06 Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. Electric charging roof on an automobile
CN101901697A (zh) * 2009-06-01 2010-12-01 韩国电子通信研究院 染料敏化太阳能电池及其制造方法
DE102009029790A1 (de) * 2009-06-18 2011-05-19 GM Global Technology Operations, Inc., Detroit Transportmittel mit mehrlagigen Photovoltaikstrukturen und Verfahren zur Herstellung derselben
KR20120048435A (ko) * 2010-11-05 2012-05-15 현대자동차주식회사 광전변환 소자용 전도성 기판의 제조방법
JP2015008175A (ja) * 2013-06-24 2015-01-15 トヨタ自動車株式会社 太陽電池搭載構造
KR101610404B1 (ko) * 2010-10-26 2016-04-08 현대자동차주식회사 광전변환 소자
AT518340A1 (de) * 2016-02-26 2017-09-15 Sfl Tech Gmbh Glasmodul, Gebäude mit zumindest einem Glasmodul sowie Verfahren zur Herstellung eines Glasmoduls

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61155232A (ja) * 1984-12-27 1986-07-14 Asahi Glass Co Ltd 積層体及び安全ガラス
JPS6250131A (ja) * 1985-08-29 1987-03-04 旭硝子株式会社 安全ガラス
JP2002093472A (ja) * 2000-09-13 2002-03-29 Mitsubishi Chemicals Corp 乗物用電源装置
JP2003095271A (ja) * 2001-09-19 2003-04-03 Central Glass Co Ltd 車両ガラス板用パレット
JP2005149814A (ja) * 2003-11-12 2005-06-09 Hitachi Cable Ltd 太陽電池モジュール、採光用窓、及び筐体
JP2007026883A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Nippon Paint Co Ltd 色素増感太陽電池を備えた車載用ガラスの製造方法
JP2007511866A (ja) * 2003-09-05 2007-05-10 ソニー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 直列色素増感太陽電池及びその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61155232A (ja) * 1984-12-27 1986-07-14 Asahi Glass Co Ltd 積層体及び安全ガラス
JPS6250131A (ja) * 1985-08-29 1987-03-04 旭硝子株式会社 安全ガラス
JP2002093472A (ja) * 2000-09-13 2002-03-29 Mitsubishi Chemicals Corp 乗物用電源装置
JP2003095271A (ja) * 2001-09-19 2003-04-03 Central Glass Co Ltd 車両ガラス板用パレット
JP2007511866A (ja) * 2003-09-05 2007-05-10 ソニー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 直列色素増感太陽電池及びその製造方法
JP2005149814A (ja) * 2003-11-12 2005-06-09 Hitachi Cable Ltd 太陽電池モジュール、採光用窓、及び筐体
JP2007026883A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Nippon Paint Co Ltd 色素増感太陽電池を備えた車載用ガラスの製造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009075267A1 (ja) * 2007-12-12 2009-06-18 Sony Corporation 色素増感光電変換素子モジュールおよびその製造方法ならびに光電変換素子モジュールおよびその製造方法ならびに電子機器
CN101606275B (zh) * 2007-12-12 2011-05-11 索尼株式会社 染料增感型光电转换元件模块及其制造方法、光电转换元件模块及其制造方法以及电子设备
US7597388B1 (en) 2008-07-02 2009-10-06 Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. Electric charging roof on an automobile
US8020646B2 (en) 2008-07-02 2011-09-20 Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. Electric charging roof on an automobile
CN101901697A (zh) * 2009-06-01 2010-12-01 韩国电子通信研究院 染料敏化太阳能电池及其制造方法
DE102009029790A1 (de) * 2009-06-18 2011-05-19 GM Global Technology Operations, Inc., Detroit Transportmittel mit mehrlagigen Photovoltaikstrukturen und Verfahren zur Herstellung derselben
KR101610404B1 (ko) * 2010-10-26 2016-04-08 현대자동차주식회사 광전변환 소자
KR20120048435A (ko) * 2010-11-05 2012-05-15 현대자동차주식회사 광전변환 소자용 전도성 기판의 제조방법
KR101628393B1 (ko) * 2010-11-05 2016-06-22 현대자동차주식회사 광전변환 소자용 전도성 기판의 제조방법
JP2015008175A (ja) * 2013-06-24 2015-01-15 トヨタ自動車株式会社 太陽電池搭載構造
AT518340A1 (de) * 2016-02-26 2017-09-15 Sfl Tech Gmbh Glasmodul, Gebäude mit zumindest einem Glasmodul sowie Verfahren zur Herstellung eines Glasmoduls
AT518340B1 (de) * 2016-02-26 2020-04-15 Sfl Tech Gmbh Glasmodul, Gebäude mit zumindest einem Glasmodul sowie Verfahren zur Herstellung eines Glasmoduls

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007053049A (ja) 色素増感太陽電池付き車両用ガラス及びその車両取付構造
EA014682B1 (ru) Электрохимическое и/или электроуправляемое устройство типа остекления с изменяющимися оптическими и/или энергетическими свойствами
US7894119B2 (en) Glass type electrochemical/electrically controllable device with variable optical and/or energetic characteristic
RU2262728C2 (ru) Переключаемые электрохромные устройства для использования в прозрачных окнах самолета
EP3505405A1 (en) Side glass
KR101481260B1 (ko) 하이브리드 타입의 태양전지 루프패널
KR101449182B1 (ko) 글라스 일체형 솔라루프 구조
KR20060089205A (ko) 기능성을 갖춘 안전 창유리
US20130019947A1 (en) Photoelectric conversion element module and architectural structure
KR20130053081A (ko) 자동차용 태양전지 선루프
KR20070108885A (ko) 가변 광학 및/또는 활성 특성을 갖는 전기적으로 제어되는디바이스 및 이를 위한 전원 공급 방법
JPWO2012157617A1 (ja) 複層ガラスおよび車両用のルーフ部材
US5336965A (en) Solar load reduction glazing unit with electroluminescent element
JP2003226138A (ja) 車両用透光性板構造体を製造する方法および透光性板構造体
US20220152988A1 (en) Vehicle composite pane comprising a heatable inlay element
RU2765961C1 (ru) Стекло со сборными шинами для транспортного средства и транспортное средство с таким стеклом
JP5106876B2 (ja) 色素増感型太陽電池モジュール及びその製造方法
DE202023100272U1 (de) Verbundscheibe
DE102009034794A1 (de) Fahrzeug mit einer photovoltaischen Vorrichtung
JP2007055861A (ja) 色素増感太陽電池用導電膜付き車載用ガラスの曲げ成形方法及び色素増感太陽電池用導電膜付き車載用ガラス
US20120132245A1 (en) Glass window for a vehicle having a solar cell portion therewith
US20210193855A1 (en) Photovoltaically Active Laminate
DE102009029790A1 (de) Transportmittel mit mehrlagigen Photovoltaikstrukturen und Verfahren zur Herstellung derselben
JP2008123894A (ja) 光電変換素子モジュール
KR101428215B1 (ko) 염료감응 태양전지 루프패널

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111004

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120214