JP2007052887A - 光学ピックアップレンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で、情報の読み取り、または情報の記録性能が向上し、さらにディスク記録面又は、光学ピックアップレンズに傷が付くことが回避できる。
【解決手段】光学ピックアップレンズ駆動装置は、光ピックアップレンズ2と、可動部材3を可動可能に支持する4本の支持ワイヤー4と、4本の支持ワイヤー4が支持される固定部材5と、電磁気力作用により光ピックアップレンズ2を移動制御する駆動手段7と、一端6aを可動部材3に軸受を介して連結し、他端6bにバランスウェイト6cを有し、バランスする中途部6dを固定部材5に揺動可能に軸支したバランス軸6とを備えている。バランスウェイト6cの位置をバランス軸6上で移動してバランス調整可能に構成している。
【選択図】図1
【解決手段】光学ピックアップレンズ駆動装置は、光ピックアップレンズ2と、可動部材3を可動可能に支持する4本の支持ワイヤー4と、4本の支持ワイヤー4が支持される固定部材5と、電磁気力作用により光ピックアップレンズ2を移動制御する駆動手段7と、一端6aを可動部材3に軸受を介して連結し、他端6bにバランスウェイト6cを有し、バランスする中途部6dを固定部材5に揺動可能に軸支したバランス軸6とを備えている。バランスウェイト6cの位置をバランス軸6上で移動してバランス調整可能に構成している。
【選択図】図1
Description
この発明は、記録媒体上に記録された情報を読み取り、または情報を記録する光学ピックアップレンズ駆動装置に関する。
従来、光学ピックアップレンズの駆動装置として、例えば特開平10−21562号公報に記載されるように、光ピックアップレンズを搭載する可動部材を、4本の支持ワイヤーにより可動可能に支持し、永久磁石と駆動コイルとによる電磁気力作用により可動部材に備えられる光ピックアップレンズを移動制御し、記録媒体上に記録された情報を読み取り、または情報を記録するものがある。
ところで、これから展開される大容量の記録媒体に対応した高密度記録媒体として、例えばDVD、MO、HDD等は飛躍的な性能向上が期待され、今までは、使いたくても使えなかった半導体メモリー、携帯電話、電子カメラ等の光関連分野で使用されるようになっている。
従来、記録媒体上に記録された情報を読み取り、または情報を記録する光学ピックアップレンズ駆動装置は、周波数特性の2次共振点を例えば10KHz以上高く設定できないと使用できないため、可動レンズ部を軽量化し、慣性力の少ない作りに力点が置かれ、現在の光学ピックアップレンズ駆動装置の90%以上が4本の支持ワイヤーによる4ワイヤー方式を採用している。
そして、外部衝撃に対しては、Gセンサ、予備半導体メモリによりデータの連続性を確保している。また、微弱振動に対しては、防振ダンパーゴム等を用いている。
特開平10−21562号公報
ところで、従来の4ワイヤー方式の光学ピックアップレンズ駆動装置においては、外部振動、衝撃対策としてGセンサ、予備半導体メモリによりデータの連続性を確保するものでは、構造が複雑であり、また微弱振動に対しては、防振ダンパーゴム等を用いるものでは、充分な防振効果が得られない等の問題がある。このため、高密度記録媒体に記録された情報を読み取り、または情報を記録することが困難になっている。また、高密度記録媒体となると、フォーカス、トラックのみを制御していた機能からチルト、ヨーイング機能を追加し、しかも耐振性の強い機構にする必要がある。
また、高密度記録装置(Blu-Ray, HD-DVD等)においては、高密度化のため、短波長化が進み、ディスクと光学ピックアップレンズの距離は、益々、短くなってきている。そのため、振動を受けた場合、ディスクと光学ピックアップレンズが、物理的に干渉し、大切なディスク記録面又は、光学ピックアップレンズの最大突起点中央に傷がつき、記録再生ができない場合が、多々発生していた。特に、ディスクを挿入したまま記録装置が停止中の場合には、全く防ぐ手段がなかった。
この発明は、かかる点に鑑みなされたもので、簡単な構造で、情報の読み取り、または情報の記録性能が向上し、さらにディスク記録面又は、光学ピックアップレンズに傷が付くことが回避できる光学ピックアップレンズ駆動装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
請求項1に記載の発明は、
光ピックアップレンズと、
可動部材を可動可能に支持する4本の支持ワイヤーと、
前記4本の支持ワイヤーが支持される固定部材と、
電磁気力作用により前記光ピックアップレンズを移動制御する駆動手段と、
一端を前記可動部材に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を前記固定部材に揺動可能に軸支したバランス軸とを備え、
前記光ピックアップレンズを前記可動部材に搭載し、
前記バランスウェイトの位置を前記バランス軸上で移動してバランス調整可能に構成したことを特徴とする光学ピックアップレンズ駆動装置である。
光ピックアップレンズと、
可動部材を可動可能に支持する4本の支持ワイヤーと、
前記4本の支持ワイヤーが支持される固定部材と、
電磁気力作用により前記光ピックアップレンズを移動制御する駆動手段と、
一端を前記可動部材に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を前記固定部材に揺動可能に軸支したバランス軸とを備え、
前記光ピックアップレンズを前記可動部材に搭載し、
前記バランスウェイトの位置を前記バランス軸上で移動してバランス調整可能に構成したことを特徴とする光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項2に記載の発明は、
光ピックアップレンズと、
可動部材を可動可能に支持する4本の支持ワイヤーと、
前記4本の支持ワイヤーが支持される固定部材と、
電磁気力作用により前記光ピックアップレンズを移動制御する駆動手段と、
一端を前記可動部材に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を前記固定部材に揺動可能に軸支したバランス軸とを備え、
前記光ピックアップレンズを前記バランス軸に搭載し、
前記バランスウェイトの位置を前記バランス軸上で移動してバランス調整可能に構成したことを特徴とする光学ピックアップレンズ駆動装置である。
光ピックアップレンズと、
可動部材を可動可能に支持する4本の支持ワイヤーと、
前記4本の支持ワイヤーが支持される固定部材と、
電磁気力作用により前記光ピックアップレンズを移動制御する駆動手段と、
一端を前記可動部材に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を前記固定部材に揺動可能に軸支したバランス軸とを備え、
前記光ピックアップレンズを前記バランス軸に搭載し、
前記バランスウェイトの位置を前記バランス軸上で移動してバランス調整可能に構成したことを特徴とする光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項3に記載の発明は、
前記駆動手段は、電磁気力作用する永久磁石と駆動コイルとを有し、
前記永久磁石を固定側に設け、前記駆動コイルを前記可動部材に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
前記駆動手段は、電磁気力作用する永久磁石と駆動コイルとを有し、
前記永久磁石を固定側に設け、前記駆動コイルを前記可動部材に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項4に記載の発明は、前記駆動手段は、電磁気力作用する永久磁石と駆動コイルとを有し、
前記永久磁石を固定側に設け、前記駆動コイルを前記バランス軸に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
前記永久磁石を固定側に設け、前記駆動コイルを前記バランス軸に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項5に記載の発明は、前記バランス軸の前記バランスウェイトに永久磁石を設け、前記永久磁石に対向して電磁気力作用により前記光ピックアップレンズをフォーカス、トラック、チルト、ヨーイング方向へ移動制御する微調整駆動手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項6に記載の発明は、
光ピックアップレンズと、
前記光ピックアップレンズを搭載する可動部材と、
前記可動部材を可動可能に支持する4本の支持ワイヤーと、
前記4本の支持ワイヤーが支持される固定部材と、
一端を前記可動部材に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を前記固定部材に揺動可能に軸支したバランス軸と、
電磁気力作用により前記光ピックアップレンズを前記バランス軸を介して移動制御する駆動手段とを備え、
前記バランスウェイトの位置を前記バランス軸上で移動してバランス調整可能に構成したことを特徴とする光学ピックアップレンズ駆動装置である。
光ピックアップレンズと、
前記光ピックアップレンズを搭載する可動部材と、
前記可動部材を可動可能に支持する4本の支持ワイヤーと、
前記4本の支持ワイヤーが支持される固定部材と、
一端を前記可動部材に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を前記固定部材に揺動可能に軸支したバランス軸と、
電磁気力作用により前記光ピックアップレンズを前記バランス軸を介して移動制御する駆動手段とを備え、
前記バランスウェイトの位置を前記バランス軸上で移動してバランス調整可能に構成したことを特徴とする光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項7に記載の発明は、前記駆動手段は、前記バランス軸の前記バランスウェイトに設けた永久磁石と、前記永久磁石に対向して前記固定部材に設けた駆動コイルとからなることを特徴とする請求項6に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項8に記載の発明は、前記バランス軸の中途部を、ジンバル機構により前記固定部材に揺動可能に軸支したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項9に記載の発明は、前記バランス軸の中途部を、前記中途部が通過する軸受孔と、前記通過する中途部を重力方向に保持する保持部材を有する揺動機構により前記固定部材に揺動可能に軸支したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項10に記載の発明は、前記軸受は、前記可動部材を前記バランス軸の軸周りの回動が規制されて揺動可能にすることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項11に記載の発明は、前記バランス軸の一端に球部を設け、
前記軸受は、前記可動部材に設けた前記球部を受ける球軸受部と、前記球部に向けて前記球軸受部を付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項12に記載の発明は、前記バランス軸の一端に重力方向に対して直交する方向に延びる回転軸を設け、
前記軸受は、前記可動部材に設けた前記回転軸の両端部を受ける一対の回転軸受部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項13に記載の発明は、
光ピックアップレンズと、
前記光ピックアップレンズの周囲に等角度で配置した前記光ピックアップレンズを移動制御する複数の駆動制御ユニットと、
前記複数の駆動制御ユニットにそれぞれ備えられ、一端を前記光ピックアップレンズ側に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を揺動可能に軸支したバランス軸とを備え、
前記バランスウェイトの位置を前記バランス軸上で移動してバランス調整可能に構成したことを特徴とする光学ピックアップレンズ駆動装置である。
前記軸受は、前記可動部材に設けた前記球部を受ける球軸受部と、前記球部に向けて前記球軸受部を付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項12に記載の発明は、前記バランス軸の一端に重力方向に対して直交する方向に延びる回転軸を設け、
前記軸受は、前記可動部材に設けた前記回転軸の両端部を受ける一対の回転軸受部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項13に記載の発明は、
光ピックアップレンズと、
前記光ピックアップレンズの周囲に等角度で配置した前記光ピックアップレンズを移動制御する複数の駆動制御ユニットと、
前記複数の駆動制御ユニットにそれぞれ備えられ、一端を前記光ピックアップレンズ側に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を揺動可能に軸支したバランス軸とを備え、
前記バランスウェイトの位置を前記バランス軸上で移動してバランス調整可能に構成したことを特徴とする光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項14に記載の発明は、前記軸受は、前記光ピックアップレンズ側を前記バランス軸の軸周りの回動が規制されて揺動可能にすることを特徴とする請求項13に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項15に記載の発明は、前記バランス軸の一端に球部を設け、
前記軸受は、前記可動部材に設けた前記球部を受ける球軸受部と、前記球部に向けて前記球軸受部を付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項16に記載の発明は、前記バランス軸の一端に重力方向に対して直交する方向に延びる回転軸を設け、
前記軸受は、前記可動部材に設けた前記回転軸の両端部を受ける一対の回転軸受部を有することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
前記軸受は、前記可動部材に設けた前記球部を受ける球軸受部と、前記球部に向けて前記球軸受部を付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
請求項16に記載の発明は、前記バランス軸の一端に重力方向に対して直交する方向に延びる回転軸を設け、
前記軸受は、前記可動部材に設けた前記回転軸の両端部を受ける一対の回転軸受部を有することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置である。
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
請求項1に記載の発明によれば、一端を可動部材に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を固定部材に揺動可能に軸支したバランス軸を備え、光ピックアップレンズを可動部材に搭載することで、外部振動、衝撃による慣性モーメントをバランス軸によりバランスさせる簡単な構造で、情報の読み取り、または情報の記録性能を向上させることができる。特に、フォーカス方向には、ディスクと光ピックアップレンズの距離がたとえ“0”に近づいても、わずかな隙間さえ有れば、理論的にも、ディスクと光ピックアップレンズが、物理的に干渉せず、ディスク記録面又は、光ピックアップレンズの最大突起点中央に傷が付くことは回避できる。
また、バランスウェイトの位置をバランス軸上で移動し、可動部材側と重量的にバランスが得られるようにバランス調整可能に構成したことで、組み付けが容易でかつ正確なバランス調整ができる。
請求項2に記載の発明によれば、一端を可動部材に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を固定部材に揺動可能に軸支したバランス軸を備え、光ピックアップレンズをバランス軸に搭載することで、外部振動、衝撃による慣性モーメントをバランス軸によりバランスさせる簡単な構造で、情報の読み取り、または情報の記録性能を向上させることができる。特に、フォーカス方向には、ディスクと光ピックアップレンズの距離がたとえ“0”に近づいても、わずかな隙間さえ有れば、理論的にも、ディスクと光ピックアップレンズが、物理的に干渉せず、ディスク記録面又は、光ピックアップレンズの最大突起点中央に傷が付くことは回避できる。
また、バランスウェイトの位置をバランス軸上で移動し、可動部材側と重量的にバランスが得られるようにバランス調整可能に構成したことで、組み付けが容易でかつ正確なバランス調整ができる。
請求項3に記載の発明によれば、永久磁石を固定側に設け、駆動コイルを可動部材に設け、可動部材側で電磁気力作用により光ピックアップレンズの移動制御を行なうことができる。
請求項4に記載の発明によれば、永久磁石を固定側に設け、駆動コイルをバランス軸に設け、バランス軸側で電磁気力作用により光ピックアップレンズの移動制御を行なうことができる。
請求項5に記載の発明によれば、バランス軸を介して電磁気力作用により光ピックアップレンズをフォーカス、トラック、チルト、ヨーイング方向へ移動制御する微調整駆動手段を備えることで、より高精度な光ピックアップレンズの移動制御が可能である。
請求項6に記載の発明によれば、電磁気力作用により光ピックアップレンズをバランス軸を介して移動制御する駆動手段を備えることで、外部振動、衝撃による慣性モーメントをバランス軸によりバランスさせることができ、かつバランス軸を介して光ピックアップレンズを移動制御することで、簡単な構造で、情報の読み取り、または情報の記録性能を向上させることができる。特に、フォーカス方向には、ディスクと光ピックアップレンズの距離がたとえ“0”に近づいても、わずかな隙間さえ有れば、理論的にも、ディスクと光ピックアップレンズが、物理的に干渉せず、ディスク記録面又は、光ピックアップレンズの最大突起点中央に傷が付くことは回避できる。
また、バランスウェイトの位置をバランス軸上で移動し、可動部材側と重量的にバランスが得られるようにバランス調整可能に構成したことで、組み付けが容易でかつ正確なバランス調整ができる。
請求項7に記載の発明によれば、永久磁石と駆動コイルとの簡単な構造で、バランス軸側で電磁気力作用により光ピックアップレンズの移動制御を行なうことができる。
請求項8に記載の発明によれば、バランス軸の中途部をジンバル機構により固定部材に揺動可能に軸支したことで、バランス軸の揺動抵抗が小さく高精度にバランスさせることができる。
請求項9に記載の発明によれば、バランス軸の中途部を重力方向に保持する揺動機構により固定部材に揺動可能に軸支し、簡単な構造で軸受のガタをなくし、可動部材が自由に、かつ正確に揺動でき高精度な光ピックアップレンズの移動制御が可能である。
請求項10に記載の発明によれば、可動部材がバランス軸の軸周りの回動が規制されて揺動可能であり、高精度な光ピックアップレンズの移動制御が可能で、かつ外部振動、衝撃による慣性モーメントをバランス軸によりバランスさせることができる。
請求項11に記載の発明によれば、軸受は、バランス軸の一端に設けた球部と、可動部材に設けた球部を受ける球軸受部とのガタをなくしから、可動部材が自由に、かつ正確に揺動でき高精度な光ピックアップレンズの移動制御が可能である。
請求項12に記載の発明によれば、バランス軸の一端に重力方向に対して直交する方向に延びる回転軸を設け、軸受は、可動部材に設けた回転軸の両端部を受ける一対の回転軸受部を有する簡単な構造で、可動部材が自由に、かつ正確に揺動でき高精度な光ピックアップレンズの移動制御が可能である。
請求項13に記載の発明によれば、光ピックアップレンズの周囲に等角度で複数の駆動制御ユニットを配置し、この複数の駆動制御ユニットにより光ピックアップレンズを移動制御し、複数の駆動制御ユニットに備えたバランス軸により外部振動、衝撃による慣性モーメントをバランスさせることができ、簡単な構造で、情報の読み取り、または情報の記録性能を向上させることができる。特に、フォーカス方向には、ディスクと光ピックアップレンズの距離がたとえ“0”に近づいても、わずかな隙間さえ有れば、理論的にも、ディスクと光ピックアップレンズが、物理的に干渉せず、ディスク記録面又は、光ピックアップレンズの最大突起点中央に傷が付くことは回避できる。
また、バランスウェイトの位置をバランス軸上で移動し、可動部材側と重量的にバランスが得られるようにバランス調整可能に構成したことで、組み付けが容易でかつ正確なバランス調整ができる。
請求項14に記載の発明によれば、光ピックアップレンズ側がバランス軸の軸周りの回動が規制されて揺動可能であり、高精度な光ピックアップレンズの移動制御が可能で、かつ外部振動、衝撃による慣性モーメントをバランス軸によりバランスさせることができる。
請求項15に記載の発明によれば、軸受は、バランス軸の一端に設けた球部と、可動部材に設けた球部を受ける球軸受部とのガタをなくし、可動部材が自由に、かつ正確に揺動でき高精度な光ピックアップレンズの移動制御が可能である。
請求項16に記載の発明によれば、バランス軸の一端に重力方向に対して直交する方向に延びる回転軸を設け、軸受は、可動部材に設けた回転軸の両端部を受ける一対の回転軸受部を有する簡単な構造で、可動部材が自由に、かつ正確に揺動でき高精度な光ピックアップレンズの移動制御が可能である。
以下、この発明の光学ピックアップレンズ駆動装置の実施の形態を図面に基づいて説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明の用語はこれに限定されない。
まず、第1の実施の形態を、図1乃至図6に基づいて説明する。図1は光学ピックアップレンズ駆動装置の平面図、図2は光学ピックアップレンズ駆動装置の側面図、図3はジンバル機構を示す断面図、図4は図3のIV−IV線に沿う断面、図5は可動部材とバランス軸との連結を示す平面図、図6は可動部材とバランス軸との連結を示す可動部材側から見た図である。
この実施の形態の光学ピックアップレンズ駆動装置1は、光ピックアップレンズ2、可動部材3、4本の支持ワイヤー4、固定部材5、バランス軸6及び駆動手段7を備える。光ピックアップレンズ2は、記録媒体上に記録された情報を読み取り、または情報を記録し、可動部材3に搭載されている。
可動部材3は、4本の支持ワイヤー4によって可動可能に支持されている。この4本の支持ワイヤー4は、上下で、左右の同位置に配置され、基部4aが固定部材5に固定され、先端部4bが可動部材3に固定され、可動部材3を平行移動可能に支持している。
駆動手段7は、永久磁石8及び駆動コイル9を有し、電磁気力作用により光ピックアップレンズ2をフォーカス方向及びトラック方向へ移動制御する。この実施の形態では、永久磁石8がU状の鉄心10の一方側に沿って長く設けられ、この鉄心10はベース等に固定され、図1に示すように、可動部材3の開口3aに配置されている。
駆動コイル9は、フォーカス駆動コイル9aと左右一対のトラック駆動コイル9bを有する。フォーカス駆動コイル9aは、永久磁石8が中心となるように永久磁石8の長さ方向に沿って可動部材3に巻付けられている。このフォーカス駆動コイル9aに電流を流すことで、可動部材3を介して光ピックアップレンズ2をフォーカス方向へ移動し、電流の流れる方向を変えることで移動方向を変える。
左右一対のトラック駆動コイル9bは、バランス軸6の軸芯L1を対称とする左右位置で可動部材3に巻付けられている。この左右一対のトラック駆動コイル9bは、電流を流すことで、可動部材3を介して光ピックアップレンズ2をトラック方向へ移動し、左右の一方のトラック駆動コイル9bに選択して電流を流すことで移動方向を変える。
バランス軸6は、軸状に形成され、一端6aが軸受99を介して可動部材3に支持され、他端6bにバランスウェイト6cを有し、バランスする中途部6dを固定部材5にジンバル機構90により揺動可能に軸支されている。このバランス軸6は、中空でもよく、あるいは中空でなくてもよい。また、バランス軸6は、金属で形成しても、強化プラスチック等で形成してもよく、さらに金属を強化プラスチックで被覆したもの等でも良い。
バランス軸6の一端6aには、図5及び図6に示すように、軸方向から見て球面部6a1が形成され、この球面部6a1は軸方向に対して直交する方向から見て正四角形状に形成されている。軸受99は、可動部材3に一体形成されているが、別体に形成して可動部材3に取り付けてもよい。この軸受99は、軸方向から見て球面部6a1と当接する直線部99aが4箇所に形成され、この直線部99aは直交方向から見て正四角形状の球面部6a1と4箇所で点接触で当接し、可動部材3がバランス軸6の軸周りの回動が規制されて揺動可能であり、高精度な光ピックアップレンズの移動制御が可能で、かつ外部振動、衝撃による慣性モーメントをバランス軸によりバランスさせることができる。
このジンバル機構90は、2軸(Y軸、Z軸)回りに駆動するものであり、図3及び図4に示すように、インナリング91と、アウタリング92を有する。インナリング91にバランス軸6を挿通し、バランス軸6の対称位置に設けた支持軸93,93の先端をインナリング91の内壁の凹部91a,91aに点接触させて支持している。このインナリング91には、支持軸93,93と直交する位置に支持軸93,93が設けられ、この支持軸93,93の先端をアウタリング92の内壁の凹部92a,92aに点接触させて支持している。
このように、バランス軸6をジンバル機構90により固定部材5に2軸(Y軸、Z軸)回りに揺動可能に軸支したことで、バランス軸6の揺動抵抗が小さく高精度にバランスさせることができる。
このバランス軸6は、フォーカス駆動コイル9aの開口部9a1、鉄心10の開口10a、永久磁石8の開口8aを貫通して設けられ、光ピックアップレンズ2の移動によってもバランス軸6と干渉しないようになっている。バランス軸6は、一端6a側の光ピックアップレンズ2及び可動部材3と、他端6b側のバランスウェイト6cとが中途部6dを支点にしてバランスするようになっており、この中途部6dに重心がある。
即ち、図1に示すように、バランス軸6の一端6a側は、光ピックアップレンズ2の重量W1と可動部材3の重量X1で、一端6aと中途部6dとの長さがD1である。また、バランス軸6の他端6b側は、バランスウェイト6cの重量W2で、他端6bと中途部6dとの長さがD2である。
この重量(W1+X1)×長さD1と、重量(W2)×長さD2の慣性モーメントを等しく設計することで耐振構造になり、光ピックアップレンズ2の重量W1と可動部材3の重量X1のトータル重量を少なくすることができ、2次慣性モーメントの減少を期待できる。また、光ピックアップレンズ2の重量W1と可動部材3の重量X1は小型化のため、中途部6dの廻りでの回転運動構造とし、他端6bと中途部6dとの長さD2を短く、重量(W2)を大きくし、バランスウェイト6c側で駆動する方式を採用した。
また、この実施の形態では、バランス軸6の他端6bに雄螺子6b1が形成され、この雌螺子6b1にバランスウェイト6cの雌螺子6c1が螺着され、バランスウェイト6cの位置をバランス軸6上で移動してバランス調整可能に構成されている。このバランスウェイト6cによるバランス調整は、4本の支持ワイヤー4によって可動可能に支持されている可動部材3に光ピックアップレンズ2などの部材を組み付け、この組み付け後の最終段階で可動部材3側と重量的にバランスが得られるように、バランスウェイト6cの位置をバランス軸6上で移動してバランス調整する。バランス調整後のバランスウェイト6cの固定は接着剤によって行うが、その時の重量変化量は予め管理された量を見込み、補正しておけば良い。このように、バランスウェイト6cの位置をバランス軸6上で移動し、可動部材3側と重量的にバランスが得られるようにバランス調整可能に構成したことで、組み付けが容易でかつ正確なバランス調整ができる。
このように、一端6aを可動部材3に連結し、他端6bにバランスウェイト6cを有し、バランスする中途部6dを固定部材5にジンバル機構90により揺動可能に軸支したバランス軸6を備え、光ピックアップレンズ2を可動部材3に搭載することで、外部振動、衝撃による慣性モーメントをバランス軸6によりバランスさせる簡単な構造で、情報の読み取り、または情報の記録性能を向上させることができる。特に、高密度記録装置においては、高密度化のため、短波長化が進み、ディスクと光ピックアップレンズ2の距離は、益々、短くなってきているが、このバランス軸構造を構成することにより、フォーカス方向には、ディスクと光ピックアップレンズ2の距離がたとえ“0”に近づいても、わずかな隙間さえ有れば、理論的にも、ディスクと光ピックアップレンズ2が、物理的に干渉せず、ディスク記録面又は、光ピックアップレンズ2の最大突起点中央に傷が付くことは回避できる。
また、永久磁石8を固定側に設け、駆動コイル9を可動部材3に設け、可動部材3側で電磁気力作用により光ピックアップレンズ2の移動制御を行なうことができる。
次に、第2の実施の形態を、図7に基づいて説明する。図7は光学ピックアップレンズ駆動装置を示す平面図である。
この実施の形態は、図1乃至図6の第1の実施の形態と同様な構成は、同じ符号を付して説明を省略する。この実施の形態が、第1の実施の形態と異なることは、バランス軸6がフォーカス駆動コイル9a、鉄心10及び永久磁石8を貫通しないように設けたことである。
即ち、フォーカス駆動コイル9a、鉄心10及び永久磁石8をバランス軸6の軸芯L1を対称とする左右位置にそれぞれ分割して別々に配置している。左右一対のフォーカス駆動コイル9aは、それぞれ永久磁石8が中心となるように永久磁石8の長さ方向に沿って可動部材3に巻付けられている。この左右一対のフォーカス駆動コイル9aに電流を流すことで、可動部材3を介して光ピックアップレンズ2をフォーカス方向へ移動し、電流の流れる方向を変えることで移動方向を変える。
次に、第3の実施の形態を、図8に基づいて説明する。図8は光学ピックアップレンズ駆動装置を示す平面図である。この実施の形態は、図1乃至図6の第1の実施の形態と同様な構成は、同じ符号を付して説明を省略する。この実施の形態が、第1の実施の形態と異なることは、駆動コイル9をバランス軸6に設けたことである。
即ち、バランス軸6にコイル取付部6fを設け、このコイル取付部6fの開口6f1に鉄心10及び永久磁石8が位置するように配置し、フォーカス駆動コイル9aは、永久磁石8が中心となるように永久磁石8の長さ方向に沿ってコイル取付部6fに巻付けられている。このフォーカス駆動コイル9aに電流を流すことで、バランス軸6を介して光ピックアップレンズ2をフォーカス方向へ移動し、電流の流れる方向を変えることで移動方向を変える。
左右一対のトラック駆動コイル9bは、バランス軸6の軸芯L1を対称とする左右位置でコイル取付部6fに巻付けられている。この左右一対のトラック駆動コイル9bは、電流を流すことで、バランス軸6を介して光ピックアップレンズ2をトラック方向へ移動し、左右の一方のトラック駆動コイル9bに選択して電流を流すことで移動方向を変える。
次に、第4の実施の形態を、図9に基づいて説明する。図9は光学ピックアップレンズ駆動装置を示す平面図である。この実施の形態は、図1乃至図6の第1の実施の形態と同様な構成は、同じ符号を付して説明を省略する。この実施の形態が、第1の実施の形態と異なることは、光ピックアップレンズ2をバランス軸6に設けたことである。
即ち、バランス軸6にレンズ取付部6gを設け、このレンズ取付部6gに光ピックアップレンズ2を取り付け、可動部材3にコイル取付部3cを設け、このコイル取付部3cの開口3c1に鉄心10及び永久磁石8が位置するように配置し、フォーカス駆動コイル9aは、永久磁石8が中心となるように永久磁石8の長さ方向に沿ってコイル取付部3cに巻付けられている。左右一対のトラック駆動コイル9bは、バランス軸6の軸芯L1上を対称とする左右位置でコイル取付部3cに巻付けられている。
次に、第5の実施の形態を、図10乃至図12に基づいて説明する。図10は光学ピックアップレンズ駆動装置の平面図、図11は光学ピックアップレンズ駆動装置の側面図、図12は駆動力とチルト/ヨーイングを説明する図である。
この実施の形態は、図1乃至図6の第1の実施の形態と同様な構成は、同じ符号を付して説明を省略する。この実施の形態が、第1の実施の形態と異なることは、バランス軸6のバランスウェイト6cに永久磁石30を設け、永久磁石30に対向して電磁気力作用により光ピックアップレンズ2をフォーカス、トラック、チルト、ヨーイング方向へ移動制御する微調整駆動手段Aを備えていることである。
この微調整駆動手段Aは、永久磁石30と対向して固定部材5に配置される調整駆動コイル40を有し、この調整駆動コイル40は、フォーカス方向に調整移動する上下に位置するコイル40a、40bと、トラック方向に調整移動する左右に位置するコイル40c、40dとからなる。
この調整駆動コイル40のコイル40a〜40dは、図12に示すように、位置調整板41に設けられている。この位置調整板41は、4箇所の調整ガイド孔41aに調整ボルト41bを挿通し、調整ボルト41bを緩めて位置調整板41を調整ガイド孔41aによって移動し、所定位置で調整ボルト41bを締め付けて位置を調整することができるようになっている。
バランスウェイト6cの垂直(Y)、水平(X)方向の駆動と、コイル位置を微調整することで、垂直(Y)、水平(X)方向の誤差駆動が可能になる。
また、調整駆動コイル40のコイル40a〜40dに別々の電流をコントロールして流し、永久磁石30と駆動コイル40のコイル40a〜40dで電磁気力作用してフォーカス方向に移動し、またトラック方向に移動し、さらにチルト、ヨーイング方向の移動制御が可能である。
この微調整駆動手段Aは、第1の実施の形態に限定されず、第2乃至第4の実施の形態にも同様に適用できる。
次に、第6の実施の形態を、図13に基づいて説明する。図13は光学ピックアップレンズ駆動装置の平面図である。この実施の形態では、可動部材3側には永久磁石8と駆動コイル9とにより光ピックアップレンズ2を移動制御する駆動手段を設けないで、バランス軸6のみによって4本の支持ワイヤー4に支持された可動部材3に備えられる光ピックアップレンズ2を移動制御するように構成している。
この駆動手段は、図10の微調整駆動手段Aと同様に構成され、例えば、このコイル40a、40bに電流を流すことで、永久磁石30が上下方向に移動し、これによってバランス軸6が中途部6dを支点に揺動し、バランス軸6の一端6aに接続した可動部材3が上下方向に移動し、光ピックアップレンズ2をフォーカス方向に移動する。一方、コイル40c、40dに電流を流すことで、永久磁石30が左右方向に移動し、これによってバランス軸6が中途部6dを支点にジンバル機構により揺動し、バランス軸6の一端6aに接続した可動部材3が左右方向に移動し、光ピックアップレンズ2をトラック方向に移動する。
このように、この実施の形態では、バランス軸6の一端6aに可動部材3を接続し、他端6bにバランスウェイト6cを有し、4本の支持ワイヤー4により可動部材3が平行運動し、バランス軸6は中途部6dのバランスヒンジ廻りで円周運動を行う構造を採っており、外部振動、衝撃による慣性モーメントをバランス軸6によりバランスさせることができ、かつバランス軸6を介して光ピックアップレンズ2を移動制御することで、簡単な構造で、情報の読み取り、または情報の記録性能を向上させることができる。
また、永久磁石30と駆動コイル9とによる電磁気力作用による光ピックアップレンズ2の移動制御が、フォーカス、トラック、チルト、ヨーイング方向であり、フォーカス、トラックの耐振性の他、チルト、ヨーイングの移動制御も可能である。
また、この実施の形態では、バランス軸6をジンバル機構90により固定部材5に揺動可能に軸支しているが、ジンバル機構90に代えて玉軸受などで軸支してもよい。
さらに、この実施の形態は、図14及び図15に示すように構成される。図14の実施の形態では、光ピックアップレンズ2の周囲に180度の角度に2個の駆動制御ユニットBが配置されている。図15の実施の形態では、光ピックアップレンズ2の周囲に120度の角度に3個の駆動制御ユニットBが配置されている。
このように、光ピックアップレンズ2の周囲に等角度で複数の駆動制御ユニットBが配置され、この複数の駆動制御ユニットBは、図1乃至図13に示す光学ピックアップレンズ駆動装置で構成され、複数の駆動制御ユニットBのそれぞれには、一端6aを光ピックアップレンズ2側に軸受99を介して支持し、他端にバランスウェイト6cを有し、バランスする中途部6dを揺動可能に軸支したバランス軸6を備えている。
この実施の形態では、バランス軸6の一端6aを軸受99を介して光ピックアップレンズ2側に支持し、光ピックアップレンズ2側がバランス軸の軸周りの回動が規制されて揺動可能であるから、高精度な光ピックアップレンズ2の移動制御が可能で、かつ外部振動、衝撃による慣性モーメントをバランス軸6によりバランスさせることができる。
この実施の形態では、光ピックアップレンズ2の周囲に等角度で複数の駆動制御ユニットBを配置し、この複数の駆動制御ユニットBにより光ピックアップレンズ2を移動制御し、複数の駆動制御ユニットBに備えたバランス軸6により外部振動、衝撃による慣性モーメントをバランスさせることができ、簡単な構造で、情報の読み取り、または情報の記録性能を向上させることができる。
次に、図1乃至図15の実施の形態の光学ピックアップレンズ駆動装置に適用されるバランス軸を支持する機構の他の実施の形態を、図16乃至図22に基づいて説明する。
図16及び図17の実施の形態のバランス軸6は、一端6aが可動部材3に軸受80を介して支持され、他端6bにバランスウェイト6cを有し、バランスする中途部6dが固定部材5に軸受81を有する揺動機構により揺動可能に軸支されている。バランス軸6の一端6aには大径の球部6a1が設けられている。軸受80は、重力方向に対して直交する方向に配置された一対の球軸受部80aと、球部6a1に向けて球軸受部80aを付勢する一対の付勢手段80bと、この付勢手段80bを保持する一対の蓋体80cを有する。一対の球軸受部80aは、円錐凹み部80a1を有し、この円錐凹み部80a1が球部6aに当たるように可動部材3の孔3kと蓋体80cの軸部80c1に移動可能に支持されている。付勢手段80bは、コイルばねで構成されているが、ゴムなどで構成してもよく、この付勢手段80bは蓋体80cの穴部80c2に収納されている。蓋体80cは、樹脂などから構成され、可動部材3の孔3kに圧入して取り付けられているが、この取り付けは螺子止め等でもよい。この実施の形態では、軸受80は、一対の付勢手段80bが球部6a1に向けて球軸受部80aを付勢しており、バランス軸6の一端に設けた球部6a1と、球軸受部80aとのガタをなくし、可動部材3が自由に、かつ正確に揺動でき高精度な光ピックアップレンズ2の移動制御が可能である。
また、軸受81は、バランス軸6の中途部6dが通過する軸受孔81aと、通過する中途部6dを重力方向に保持する保持部材81bを有する。軸受孔81aは、大径孔部81a1と、テ―パ孔部81a2と、小径孔部81a3を有する。保持部材81bは、板バネ81b10で構成され、止めビス81cで固定部材5に締め付け固定され、回り止め突起81dが孔部81b11に係合して板バネ81b10の回り止めとなっている。板バネ81b10は、先端81b12がL字状に屈曲され、2点A10、B10で中途部6dを重力方向に押圧して保持している。このようにして、小径孔部81a3にバランス軸6の中途部6dが通過しており、図17に示すように、中途部6dの最上部6d1と小径孔部81a3の最上部81a31との間に隙間D50ができ、この隙間D50によってバランスする中途部6dが揺動可能に軸支されている。この実施の形態では、バランス軸6の中途部6dを重力方向に保持する揺動機構により固定部材5に揺動可能に軸支し、簡単な構造で軸受81のガタをなくし、可動部材3が自由に、かつ正確に揺動でき高精度な光ピックアップレンズ2の移動制御が可能である。
図18の実施の形態のバランス軸6は、図16及び図17に示す実施の形態と同様に構成されるが、軸受80は、一対の蓋体80cを延ばして先端に円錐凹み部80c10を形成し、この円錐凹み部80c10が球部6aに当たるように、蓋体80cを可動部材3に螺子止めしている。付勢手段80bは蓋体80cの穴部80c2に収納され、この付勢手段80bが球部6a1を直接付勢しており、バランス軸6の一端に設けた球部6a1と円錐凹み部80c10により構成される球軸受部とのガタをなくし、可動部材3が自由に、かつ正確に揺動でき高精度な光ピックアップレンズ2の移動制御が可能である。
図19の実施の形態のバランス軸6も、図16及び図17に示す実施の形態と同様に構成されるが、軸受80は、一方の蓋体80cを延ばして先端に円錐凹み部80c10を形成し、この円錐凹み部80c10が球部6aに当たるようにし、蓋体80cを可動部材3に螺子止めしているが、他方の蓋体80cは同様に延ばして先端に段付き凹み部80c11を形成し、この段付き凹み部80c11の段部80c12に付勢手段80b10を支持し、この付勢手段80b10が球部6aに当たるようにしている。この付勢手段80c10が球部6a1を直接付勢しており、バランス軸6の一端に設けた球部6a1と円錐凹み部80c10により構成される球軸受部とのガタをなくし、可動部材3が自由に、かつ正確に揺動でき高精度な光ピックアップレンズ2の移動制御が可能である。
図20の実施の形態のバランス軸6も、図16及び図17に示す実施の形態と同様に構成されるが、軸受80は、一対の蓋体80cとも延ばして先端に円錐凹み部80c10を形成し、この円錐凹み部80c10が球部6aに当たるようにし、蓋体80cを可動部材3に螺子止めしている。この一対の蓋体80cを可動部材3に螺子止めすることで、円錐凹み部80c10が球部6a1に直接当たり、バランス軸6の一端に設けた球部6a1と円錐凹み部80c10により構成される球軸受部とのガタをなくし、可動部材3が自由に、かつ正確に揺動でき高精度な光ピックアップレンズ2の移動制御が可能である。
図21の実施の形態のバランス軸6も、図16及び図17に示す実施の形態と同様に構成されるが、バランス軸6の一端6aに重力方向に対して直交と方向に延びる筒部6fを設け、この筒部6fに回転軸6gが回転可能に設けられている。回転軸6gの両端部6g1が蓋体80cの軸受け凹み部80c20に回転可能に支持され、蓋体80cが回転軸6gの両端部6g1を受ける回転軸受部を構成している。この実施の形態は、バランス軸6の一端6aに重力方向に対して直交する方向に延びる回転軸6gを設け、軸受80は、回転軸6gの両端部6g1を受ける一対の回転軸受部を有する簡単な構造で、可動部材3が自由に、かつ正確に揺動でき高精度な光ピックアップレンズの移動制御が可能である。
図22の実施の形態のバランス軸6も、図16及び図17に示す実施の形態と同様に構成されるが、軸受81の保持部材81bを永久磁石81b30で構成している。この永久磁石81b30によってバランス軸6の中途部6dを吸引して重力方向に保持する。この実施の形態では、バランス軸6の中途部6dを永久磁石81b30によって吸引して重力方向に保持する揺動機構により固定部材5に揺動可能に軸支し、簡単な構造で軸受81のガタをなくし、可動部材3が自由に、かつ正確に揺動でき高精度な光ピックアップレンズ2の移動制御が可能である。なお、重力方向に保持する手段は、磁力、板バネの実施の形態を説明したが、これに限定されず、コイルバネ等、どの手段でも良い。
図22の実施の形態のバランス軸6も、図16及び図17に示す実施の形態と同様に構成されるが、軸受81の保持部材81bを永久磁石81b30で構成している。この永久磁石81b30によってバランス軸6の中途部6dを吸引して重力方向に保持する。この実施の形態では、バランス軸6の中途部6dを永久磁石81b30によって吸引して重力方向に保持する揺動機構により固定部材5に揺動可能に軸支し、簡単な構造で軸受81のガタをなくし、可動部材3が自由に、かつ正確に揺動でき高精度な光ピックアップレンズ2の移動制御が可能である。なお、重力方向に保持する手段は、磁力、板バネの実施の形態を説明したが、これに限定されず、コイルバネ等、どの手段でも良い。
また、この発明は、各実施の形態に示すように、Gセンサやそれに伴う補助メモリの容量の削減が可能となり、さらにフォーカスやトラック制御が精密に行われることによる記録密度の向上、エラーレートの向上、電力使用量の削減、衝撃に耐えることができる機器に使用し、大量の情報処理時代を実現することが期待される。特に、振動の大きい自動車用DVD等で、ブルーレーザ搭載で記録密度4倍のメディアに使用され、記録媒体上に記録された情報を読み取り、または情報を記録するときのエラーレート減少、コスト減少に期待が持たれている。
この光学ピックアップレンズ駆動装置は、簡単な構造で、情報の読み取り、または情報の記録性能が向上し、高密度記録媒体に記録された情報を読み取り、または情報を記録するものに好ましく適用できる。
1 光学ピックアップレンズ駆動装置
2 光ピックアップレンズ
3 可動部材
4 4本の支持ワイヤー
5 固定部材
6 バランス軸
7 駆動手段
8 永久磁石
9 駆動コイル
80,81 軸受
90 ジンバル機構
A 微調整駆動手段
B 駆動制御ユニット
2 光ピックアップレンズ
3 可動部材
4 4本の支持ワイヤー
5 固定部材
6 バランス軸
7 駆動手段
8 永久磁石
9 駆動コイル
80,81 軸受
90 ジンバル機構
A 微調整駆動手段
B 駆動制御ユニット
Claims (16)
- 光ピックアップレンズと、
可動部材を可動可能に支持する4本の支持ワイヤーと、
前記4本の支持ワイヤーが支持される固定部材と、
電磁気力作用により前記光ピックアップレンズを移動制御する駆動手段と、
一端を前記可動部材に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を前記固定部材に揺動可能に軸支したバランス軸とを備え、
前記光ピックアップレンズを前記可動部材に搭載し、
前記バランスウェイトの位置を前記バランス軸上で移動してバランス調整可能に構成したことを特徴とする光学ピックアップレンズ駆動装置。 - 光ピックアップレンズと、
可動部材を可動可能に支持する4本の支持ワイヤーと、
前記4本の支持ワイヤーが支持される固定部材と、
電磁気力作用により前記光ピックアップレンズを移動制御する駆動手段と、
一端を前記可動部材に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を前記固定部材に揺動可能に軸支したバランス軸とを備え、
前記光ピックアップレンズを前記バランス軸に搭載し、
前記バランスウェイトの位置を前記バランス軸上で移動してバランス調整可能に構成したことを特徴とする光学ピックアップレンズ駆動装置。 - 前記駆動手段は、電磁気力作用する永久磁石と駆動コイルとを有し、
前記永久磁石を固定側に設け、前記駆動コイルを前記可動部材に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置。 - 前記駆動手段は、電磁気力作用する永久磁石と駆動コイルとを有し、
前記永久磁石を固定側に設け、前記駆動コイルを前記バランス軸に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置。 - 前記バランス軸の前記バランスウェイトに永久磁石を設け、前記永久磁石に対向して電磁気力作用により前記光ピックアップレンズをフォーカス、トラック、チルト、ヨーイング方向へ移動制御する微調整駆動手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置。
- 光ピックアップレンズと、
前記光ピックアップレンズを搭載する可動部材と、
前記可動部材を可動可能に支持する4本の支持ワイヤーと、
前記4本の支持ワイヤーが支持される固定部材と、
一端を前記可動部材に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を前記固定部材に揺動可能に軸支したバランス軸と、
電磁気力作用により前記光ピックアップレンズを前記バランス軸を介して移動制御する駆動手段とを備え、
前記バランスウェイトの位置を前記バランス軸上で移動してバランス調整可能に構成したことを特徴とする光学ピックアップレンズ駆動装置。 - 前記駆動手段は、前記バランス軸の前記バランスウェイトに設けた永久磁石と、前記永久磁石に対向して前記固定部材に設けた駆動コイルとからなることを特徴とする請求項6に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置。
- 前記バランス軸の中途部を、ジンバル機構により前記固定部材に揺動可能に軸支したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置。
- 前記バランス軸の中途部を、前記中途部が通過する軸受孔と、前記通過する中途部を重力方向に保持する保持部材を有する揺動機構により前記固定部材に揺動可能に軸支したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置。
- 前記軸受は、前記可動部材を前記バランス軸の軸周りの回動が規制されて揺動可能にすることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置。
- 前記バランス軸の一端に球部を設け、
前記軸受は、前記可動部材に設けた前記球部を受ける球軸受部と、前記球部に向けて前記球軸受部を付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置。 - 前記バランス軸の一端に重力方向に対して直交する方向に延びる回転軸を設け、
前記軸受は、前記可動部材に設けた前記回転軸の両端部を受ける一対の回転軸受部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置。 - 光ピックアップレンズと、
前記光ピックアップレンズの周囲に等角度で配置した前記光ピックアップレンズを移動制御する複数の駆動制御ユニットと、
前記複数の駆動制御ユニットにそれぞれ備えられ、一端を前記光ピックアップレンズ側に軸受を介して支持し、他端にバランスウェイトを有し、バランスする中途部を揺動可能に軸支したバランス軸とを備え、
前記バランスウェイトの位置を前記バランス軸上で移動してバランス調整可能に構成したことを特徴とする光学ピックアップレンズ駆動装置。 - 前記軸受は、前記光ピックアップレンズ側を前記バランス軸の軸周りの回動が規制されて揺動可能にすることを特徴とする請求項13に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置。
- 前記バランス軸の一端に球部を設け、
前記軸受は、前記可動部材に設けた前記球部を受ける球軸受部と、前記球部に向けて前記球軸受部を付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置。 - 前記バランス軸の一端に重力方向に対して直交する方向に延びる回転軸を設け、
前記軸受は、前記可動部材に設けた前記回転軸の両端部を受ける一対の回転軸受部を有することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の光学ピックアップレンズ駆動装置。
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JP2007073133A (ja) * | 2005-09-07 | 2007-03-22 | Alps Electric Co Ltd | 2軸型アクチュエータ及びこれを用いたホログラフィー装置 |
WO2018101010A1 (en) * | 2016-11-30 | 2018-06-07 | Ricoh Company, Ltd. | Vibration damper and electronic device |
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- 2005-08-19 JP JP2005238981A patent/JP2007052887A/ja active Pending
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