JP2007051947A - 配線長測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 測定対象の信号線の配線長が未知であっても、その配線長の測定に最適な周波数範囲内で周波数を決定する。
【解決手段】 配線長測定装置1は、接続された信号線2の短絡箇所までの配線長を測定するものであり、所定周波数の交流信号を信号線2に送出する電流信号送出部24と、送出した交流信号に対する受信信号を信号線2から受信する電圧信号受信部28と、各々周波数が異なる複数の交流信号を電流信号送出部24から順次送出させる制御部27と、複数の交流信号に対する受信信号からインピーダンスと比例関係にある周波数のインダクタンスを求め、求めたインダクタンスを配線長に変換する配線長変換部30とを具備する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、様々な種類のセンサが複数接続された信号線(線路)において、所望のセンサまでの配線長を測定する配線長測定装置に関するものである。
一般に、機械警備を実施している物件では、コントローラからワンループ状に配線された信号線(線路)上に様々な種類のセンサが複数接続される。そして、上記物件に異常事態が発生した場合には、その異常を検知したセンサが発報して信号線を短絡させる。コントローラは、信号線の短絡を監視し、センサが発報した事を検出すると監視センターに通報する。監視センターでは、コントローラから通報があると、対処員の派遣等を行い、異常発生に対処する。
ところで、上記センサを警備対象物件に設置工事を行う際には、プランニング通りに全てのセンサが設置された事を確認する必要がある。
そこで、本件発明者等は、設置した全てのセンサがプランニング通り設置されている事を確認する為、発報したセンサまでの信号線を含んで形成される閉回路が集中定数回路と見なせる場合には、そのセンサまでの信号線の配線長がインダクタンスに比例することを利用し、インダクタンスを測定することによって配線長を求め、予め記憶された値と比較する事により正しい位置にセンサが設置されているか否かを判定する配線長測定装置を既に提案しており、その配線長測定装置が下記特許文献1、2に開示されている。
この特許文献1、2に開示される配線長測定装置は、配線長がインダクタンスに比例することを利用し、インダクタンスを測定することによって配線長を求めるものである。
特開2002−296002号公報 特開2003−263691号公報
ところで、配線長とインダクタンスとの間に比例関係が成り立つのは、信号線に接続されたセンサを含む回路が集中定数系と見なせる必要がある。
つまり、測定対象のセンサまでの配線長に対して信号線に送出する交流信号の波長が十分長い(周波数が低い)ことが条件となる。
一方、周波数が低いほど外乱の影響を受け易く、測定値の誤差が大きい。
従って、配線長の測定を精度良く行うには、測定用の周波数を、測定対象のセンサを含んで形成される閉回路が集中定数系と見なせる範囲内で高く設定する必要がある。
しかしながら、測定対象のセンサまでの配線長は未知であるため、測定に最適な周波数は判らない。よって、従来は人為的に決めた周波数を固定的に用いて測定していたが、測定対象のセンサまでの配線長によっては、無視できない誤差が発生するという課題があった。
そこで、本発明は、測定対象のセンサまでの信号線の配線長が未知であっても、そのセンサを含んで形成された閉回路が集中定数系と見なせる周波数範囲を求めて配線長測定に適当な周波数を決定することができる配線長測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された配線長測定装置は、接続された信号線の短絡箇所までの配線長を測定する配線長測定装置において、
所定周波数の交流信号を前記信号線に送出する送出手段と、
前記送出した交流信号に対する受信信号を前記信号線から受信する受信手段と、
各々周波数が異なる複数の交流信号を前記送出手段から順次送出させる制御手段と、
前記複数の交流信号に対する受信信号からインピーダンスと比例関係にある周波数のインダクタンスを求めるインダクタンス抽出手段と、
前記インダクタンスを配線長に変換する変換手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項2に記載された配線長測定装置は、請求項1記載の配線長測定装置において、
前記インダクタンス抽出手段は、周波数が異なる複数の受信信号からインピーダンスと比例関係にある周波数を選択し、選択された周波数のうち少なくとも最も高い周波数の受信信号からインダクタンスを求めることを特徴とする。
請求項3に記載された配線長測定装置は、請求項1又は2記載の配線長測定装置において、
前記複数の交流信号は、周波数が高くなるほど周波数間隔が広がるように周波数を切り替えて送出されることを特徴とする。
請求項4に記載された配線長測定装置は、請求項1乃至3の何れかに記載の配線長測定装置において、
さらに、前記信号線の短絡を検出する監視手段を備え、
前記制御手段は、前記監視手段が信号線の短絡を検出したときに前記送出手段から交流信号を送出させることを特徴とする。
請求項5に記載された配線長測定装置は、請求項4記載の配線長測定装置において、
さらに、前記送出手段及び受信手段と前記監視手段との間で前記信号線の接続を切り換える切換手段を備え、
前記制御手段は、前記監視手段が信号線の短絡を検出したとき、前記切換手段を制御して前記信号線と前記送出手段及び受信手段とを接続し、前記信号線の配線長を測定した後に前記信号線と前記監視手段とを接続することを特徴とする。
本発明の配線長測定装置によれば、信号線上に複数の異なる周波数の交流信号を順次送出し、その応答信号から短絡した信号線が形成する閉回路が集中定数系と見なせる周波数範囲を自動的に求めることができる。そして、自動的に求めた周波数範囲内から最適な周波数を選択することにより、高精度な測定を行うことができる。
また、従来の方法では、発報したセンサまでの信号線の長さが全く判らない場合、周波数の設定が適切でないと全く違った配線長を出力することになるが、本発明の配線長測定装置によれば、センサまでの信号線の長さが全く判らない場合でも、所望のセンサまでの信号線の配線長を精度良く測定することができる。
以下、本発明に係る配線長測定装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る配線長測定装置を含む機械警備システムの全体構成を示す配線状況の模式図、図2は本発明に係る配線長測定装置の機能ブロック図、図3は本発明に係る配線長測定装置による配線長測定時のフローチャート、図4は本発明に係る配線長測定装置の測定結果の表示例を示す図、図5は周波数とインピーダンスとの関係を示す図、図6は本発明に係る配線長測定装置によるインダクタンス算出時のフローチャート、図7は本発明に係る配線長測定装置による発報センサ確認モード時のフローチャートである。
本発明に係る配線長測定装置は、複数の各種センサが接続された信号線(線路)上に複数の異なる周波数の交流信号を送出し、この送出した交流信号の各周波数毎の応答信号より、信号線を含んで形成される閉回路(信号線に接続された測定対象のセンサを含んで形成される閉回路)が集中定数系と見なせる周波数範囲を自動的に探し出して決定し、この決定された周波数範囲内の周波数成分に対するインピーダンスの値からインダクタンスを抽出し、所望のセンサまでの配線長を測定するものである。
図1に、警備対象物件内における本発明に係る配線長測定装置1を含む機械警備システムの全体構成を示す。警備対象物件内には、平行線からなる一対の信号線(線路)2が敷設されており、警備計画に則り所定の位置に赤外線センサ、マグネットセンサなど各種センサ11(11−1,11−2,11−3,…,11−n)が設置されている。信号線2の一端(基端)には、通常コントローラ3が接続され、他端(末端)には終端抵抗4が接続され、閉回路が形成される。
各種センサ11は、自己の設置位置で信号線2を短絡させる接点A,Bを備えたスイッチを有し、監視対象の物理的変化を検出すると発報して信号線2を短絡させる。
設置工事の検査の際には、コントローラ3の代わりに、本例の配線長測定装置1を信号線2の一端に接続して使用する。この信号線2に対する配線長測定装置1の接続は、通常コントローラ3の端子台3aに接続されている信号線2を一旦取り外し、この取り外した信号線2の先端を配線長測定装置1の端子台1aの接点a,bに繋ぎ変えることで行われる。これにより、配線長測定装置1には、信号線2が終端抵抗4及び各種センサ11を介して閉回路を形成して接続される。
そして、配線長測定装置1を信号線2の一端に接続した状態で、設置工事の際に、センサ設置物件内で測定対象のセンサ(例えばセンサ11−2)を試験のため発報させると、センサ11−2内部で、接点A,Bが導通して信号線2の途中を短絡し、配線長測定装置1と信号線2とセンサ11−2で閉回路が形成される。これにより、配線長測定装置1は、信号線2の一部が短絡された現象を利用し、追って詳述するセンサ位置測定モードにより、配線長測定装置1から所望のセンサ(例えばセンサ11−2)までの信号線2の長さである配線長xを求める。
尚、警備用途では、信号線2として平行線を用いて配線することが多いため、本例では平行線を用いた例で説明する。しかし、本発明の構成及び手法は平行線への適用に限定されるものではなく、信号線2に同軸ケーブル又はツイストペア線を用いた場合であっても、同様に配線長xを求めることができる。
また、通常、信号線2の一端に接続されるコントローラ3は、監視対象物件内に設定され、以下に説明する機能を有している。
・警備空間の監視を行う警備モードと解除モードとを切り換える。警備モードに移行すると、各センサ11の状態の監視を開始する。
・信号線2に接続された全てのセンサ11の状態を監視する。即ち、信号線2が断線しているか、および、センサ11が発報しているか否かを監視する。発報の監視は、信号線2へ監視用の電圧を印加し、終端に接続された終端抵抗4が検出されれば正常(非発報)とし、信号線2が短絡して終端抵抗4が検出されなければ発報とすることで行う。
・警備モードにおいて、警備空間へ人が侵入するなど警備空間内の物理的変化が生じると、各センサ11が発報して信号線2を短絡させたことを検知して異常判定し、異常信号を電話回線などの通信網を介して、警備センタに送信する。
・解除モードにおいては、各センサ11が発報して信号線2を短絡させても異常と判定しない。
次に、本例の配線長測定装置1の構成について図2を参照しながら具体的に説明する。図2に示すように、本例の配線長測定装置1は、入力部21、発振器22、送信信号切換部23、電流信号送出部24、切換I/F25、状態監視部26、制御部27、電圧信号受信部28、ピーク検出部29、周波数決定部30、配線長変換部31、表示部32、記憶部33、出力部34を備えて概略構成される。尚、本例では、発振器22と送信信号切換部23と電流信号送出部24とによって交流信号の送出手段を構成している。
入力部21は、例えばテンキーを含む各種キー、スイッチやボタンなどからなり、監視対象物件の物件情報(例えば物件名、ブロック番号、回路番号など)、信号線2を構成する線材のパラメータ等を入力する。また、入力部21は、特定のボタン(例えばスタートボタン)などの操作により、後述するセンサ位置測定モードの開始を指示入力することもできる。尚、入力部21は、予め警備図面上に記載されているセンサ種別やコントローラ3からセンサ11までの配線長などを入力させるようにしても良い。
発振器22は、異なる周波数ω1,ω2,ω3,ω4,…,ωnの送信信号を発振する複数の発振器22−1,22−2,22−3,22−4,…,22−nで構成される。
尚、複数の発振器22から送出する周波数の上限値は、測定を行いたいセンサ11までの信号線2の配線長の上限値から設定する。
また、複数の発振器22は、図5の直線区間(領域A,領域B)に示すように、角周波数ωの対数軸上でほぼ等間隔になるように配置するのが望ましい。言い換えれば、周波数が高くなるほど、その間隔が広がるように複数の発振器22を配置する。これにより、少ない数の発振器22で広い周波数帯域を保証することができる。
さらに、多数の発振器22を用意することが可能な場合には、図5において、角周波数ω軸上で等間隔で密になるように配置するほど高精度な測定を行うことができる。
尚、上述した発振器22の数を制限する他に、チャープ波やノイズ信号などの広帯域の周波数成分の信号を1回送出し、その周波数応答を求めることでも同様の効果を得ることができる。
送信信号切換部23は、後述するセンサ位置測定モードの開始が指示されたときの制御部27からの制御指令信号に基づき、複数の周波数ω1,ω2,ω3,ω4,…,ωnによる送信信号を所定時間毎に順次送出するように、発振器22−1,22−2,22−3,22−4,…,22−nをスイッチで順次切り換える。尚、各周波数ω1,ω2,ω3,ω4,…,ωnの送出時間は、ピーク検出部29によるピーク検出が十分行える程度に設定するのが好ましい。
電流信号送出部24は、送信信号切換部23からの異なる複数種類の周波数ω1,ω2,ω3,ω4,…,ωnによる交流電流信号を、切換I/F25に接続された信号線2に所定間隔で順次送出する。換言すれば、切換I/F25における信号線2との接続端a,b間に交流電圧を印加する。また、電流信号送出部24は、定電流源を用いて交流信号を送出する。信号線2に送出する電流を安定化することにより、後述の如く信号線2の電圧を観測するだけで信号線2のインピーダンスの変化を見ることができる。
切換I/F25は、信号線2の一端を接続端a,bにて接続可能であるとともに、制御部27からの切換制御信号に応じて信号線2の接続を状態監視側と配線長測定側との間で切り換える。信号線2を状態監視側に接続する場合は、接続端a,bを状態監視部26に接続し、状態監視部26により信号線2に接続されたセンサ11の状態を監視可能にする。一方、信号線2を配線長測定側に接続する場合は、接続端a,bを電流信号送出部24および電圧信号受信部28に接続し、電流信号送出部24により信号線2へ交流電流を印加可能にするとともに、電圧信号受信部28により信号線2に生じる交流電圧を計測可能にする。
状態監視部26は、信号線2に接続されたセンサ11が正常(非発報)か又は発報か、或いは信号線2が断線しているかの3つの状態を監視している。この状態監視は、図2に示すように、切換I/F25が信号線2との接続端a,bを状態監視側に接続している状態で行われる。そして、制御部27の制御により、接続端a,b間に所定の直流電圧を印加して得られる電流値を測定し、所定の電流が生じれば(即ち終端抵抗4が観測されれば)センサ11が正常状態と判定し、極大の電流が生じれば(即ち信号線2が短絡していれば)センサ11が発報状態と判定し、電流が生じなければ(即ち極大の抵抗が発生していれば)信号線2が断線していると判定し、これらの判定結果を示す情報を制御部27に送出している。尚、状態監視部26は、配線長測定時には、制御部27の制御により、状態監視を一時的に停止する。その際は、切換I/F25にて信号線2との接続が切り離される。
制御部27は、配線長測定を含む各種処理を実行するため、配線長測定装置1の全体の動作を統括制御している。例えば、制御部27は、状態監視部26からセンサ11が発報しているという情報を受け取ると、切換I/F25に切換制御信号を送信して接続端a,bの接続を配線長測定側に切り換えるように制御する。それとともに、送信信号切換部23に制御指令信号を送信して信号線2に対して複数の発振器22−1,22−2,22−3,22−4,…,22−nから周波数の異なる交流電流信号を所定間隔で順次切り換えて送出するように制御する。また、配線長変換部30から配線長の測定終了の情報を受け取ると、切換I/F25に切換制御信号を送信して接続端a,bの接続を再び状態監視側に切り換えるように制御し、状態監視部26による状態監視を再開させる。その他、記憶部32に対する各種情報の読み出しや書き込み、表示部31への各種情報の表示、出力部33からの各種情報の出力などを制御している。
電圧信号受信部28は、電流信号送出部24から送出された交流電流信号に対応して切換I/F25に接続された信号線2に生じた交流電圧信号を受信する。換言すれば、切換I/F25における信号線2との接続端a,b間の交流電圧を測定する。電流信号送出部24からは一定の交流電流が印加されているため、各センサ11の状態に応じて異なる交流電圧が測定される。例えば、センサ11−1が発報し信号線2を短絡させている場合は、接続端a,bからセンサ11−1までの信号線2を流れる交流電流によって生じた交流電圧が計測され、センサ11−nが発報している場合は、接続端a,bからセンサ11−nまでの信号線2に流れる交流電流によって生じた交流電圧が計測される。尚、電流信号送出部24から送出された交流電流信号の周波数が変化すると、信号線2のインダクタンスによる影響も変化するため、同じセンサ11が発報した状態でも受信した交流電圧信号が異なる。
ピーク検出部29は、電圧信号受信部28が受信した受信信号(交流電圧信号)のピーク電圧を検出している。
周波数決定部30は、ピーク検出部29で検出されたピーク値からインピーダンスを求め、求めたインピーダンスの結果から、周波数とインピーダンスとが比例する周波数範囲を抽出する。そして、この抽出された周波数範囲内においてインダクタンスを求めるための周波数成分(測定用の周波数)を決定する。
配線長変換部31は、周波数決定部30が決定した周波数成分に対するインピーダンスからインダクタンス成分Lを抽出し、この抽出されたインダクタンス成分Lを用いて配線長xを求める。
表示部32は、例えば液晶表示装置などで構成され、各種測定結果を表示している。例えば、信号線2に接続されたセンサ11のうち発報したセンサの個数、発報したセンサ11までの配線長などを表示する。
記憶部33は、配線長変換部31から得られた配線長xをセンサ11の識別番号、検査番号、物件情報(物件名、ブロック番号、回路番号など)、時刻情報などとともに記憶している。また、記憶部33は、入力部21から入力された、後述するインダクタンス成分Lの係数部分p値の算出に必要な信号線2を構成する線材のパラメータ情報(線間間隔d、線の半径a、透磁率μ)、物件情報、回路上に設置されるセンサ数などを記憶している。
出力部34は、例えばプリンタ、パソコンなどの外部端末等を接続し、センサ11の設置時における配線毎の測定結果などを一覧形式で印刷したり、データ転送を行う。
次に、上記のように構成される配線長測定装置1のセンサ位置測定モードにおける処理の流れについて図3を参照しながら説明する。
センサ位置測定モードは、新規の警備対象物件に対する設置工事に際し、センサが正しい位置に設置してあるかどうかの確認のためのモードである。さらに説明すると、センサ位置測定モードは、(1)警備システムの新規導入、(2)センサの交換、(3)センサの追加の設置工事などが終了した際に、コントローラ3から各センサ11までの配線長xを測定するモードのことである。そして、センサ位置測定モードによる配線長xの測定結果から、警備計画図面上のセンサ設置数、或いは予め記憶してあるセンサ位置と比較し、設置工事が正しく行われたか否かが検査される。
図3に示す処理を実行するには、まず初めに、コントローラ3が接続されるべき位置に、配線長測定装置1を繋ぎ変えて接続する。
尚、インダクタンス成分Lの係数部分pの値は、後述する式(5)により計算できる。通常、センサ11の配線に用いる線材は決まっているか、あるいは数種類に限定されているので、事前に求めた値を内部に記憶しておき、ディップスイッチ等により線材に応じて選択することも可能である。
図3に示すセンサ位置測定モードは、例えばスタートボタン、ディップスイッチの変更等により開始される。また、センサ位置測定モード時の処理は、例えばリセットボタン、出力要求等の操作で終了する。
まず、信号線2に接続されたセンサ11をカウントするためのカウンタの値を0にリセットする(ST1)。このカウンタのリセット後、状態監視部26により信号線2が断線しているか否かを判定する(ST2)。信号線2が断線であると判定された場合は(ST2−Y)、その履歴を記録し(ST3)、ST2へ戻る。
尚、信号線2が断線の場合(ST2−Y)、断線箇所が修復されて正常状態に復旧しない限り、配線長測定装置1は、断線信号を出力し続けることになる。このため、信号線2が断線の場合、断線した時刻情報とともにその履歴の記録は最初の1回のみ行うなどとしても良い。
信号線2が断線でないと判定した場合には(ST2−N)、いずれかのセンサ11が発報しているか否かを判定する(ST4)。具体的には、信号線2が短絡しているかどうかによりセンサ11の発報を判定する。センサ11が発報していなければ(ST4−N)、正常と判定してST2に戻る。
センサ11が発報していると判定された場合には(ST4−Y)、切換I/F25にて信号線2の接続を配線長測定側に切り換え(ST5)、センサ位置測定モードによる測定を開始する。本例では、測定対象となる一つのセンサ11を試験的に発報させて信号線2を短絡させることにより、そのセンサ11までの信号線2の配線長を測定する。
次に、送信信号切換部23を複数の発振器22−1,22−2,22−3,22−4,…,22−nの何れか一つの発振器22側に接続し、電流I、周波数ω(ω=2πf)の交流電流信号fを電流信号送出部24から信号線2に送出する(ST6)。そして、送出した交流電流信号fに対応してセンサ11により短絡された信号線2に生じた交流電圧信号fを電圧信号受信部28で受信し、そのピーク電圧Vを検出する(ST7)。
例えば送信信号切換部23を発振器22−1側に接続した場合には、電流I、周波数ω1(ω1=2πf1)の交流電流信号f1が電流信号送出部24から信号線2に送出される。そして、送出した交流電流信号f1に対応して信号線2に生じた交流電圧信号f1を電圧信号受信部28で受信し、そのピーク電圧V1を検出する。
そして、用意された全ての数の周波数ω1,ω2,ω3,ω4,…,ωnの交流電流信号f1,f2,f3,f4,…,fnを送出したか否かを判定する(ST8)。全ての数の周波数ω1,ω2,ω3,ω4,…,ωnの交流電流信号f1,f2,f3,f4,…,fnを送出していないと判定すると(ST8−N)、送信信号切換部23によって発振器22が送出する交流電流信号fの周波数ωを切り換え(ST9)、上述したST6,ST7の処理を行う。すなわち、送信信号切換部23により複数の発振器22−1,22−2,22−3,22−4,…,22−nを順次切り換えて全ての周波数ω1,ω2,ω3,ω4,…,ωnの交流電流信号f1,f2,f3,f4,…,fnを送出し、これら各周波数ω1,ω2,ω3,ω4,…,ωnの受信信号である交流電圧信号f1,f2,f3,f4,…,fnからピーク電圧を検出する。
尚、信号線2に送出される各周波数ω1,ω2,ω3,ω4,…,ωnの交流電流信号f1,f2,f3,f4,…,fnの電流は、常に同じ値Iとなるように制御される。
そして、全ての数の周波数ω1,ω2,ω3,ω4,…,ωnの交流電流信号f1,f2,f3,f4,…,fnを送出した判定すると(ST8−Y)、検出された複数のピーク電圧値から、発報したセンサ11までの信号線2を含んで形成される閉回路が集中定数回路と見なせる周波数帯域を選択して抽出し、この抽出された周波数帯域内から測定用の周波数を決定する(ST10)。そして、決定した周波数成分に対応するピーク電圧値からインダクタンス成分Lを算出する(ST11)。
次に、算出したインダクタンス成分Lと、予め求めた係数成分pとを、配線長x=pL…式(1)に代入して発報したセンサ11までの信号線2の配線長xを求める(ST12)。尚、配線長xは、図3の処理におけるST6〜ST11のステップを複数回繰り返して行い、その平均値を求めるようにしても良い。
次に、測定された配線長xが測定済で記憶部33に記憶されているか否かを判定する(ST13)。記憶部33には、一度測定したセンサ11に対し、ラベルを振って測定距離情報、検査番号とともに記憶してあり、配線長xに基づき比較を行う。
測定された配線長xの値が、今まで測定した値と一致、又は所定の誤差範囲(例えば±1mなど)内であるか否か判定し、記憶部33に記憶されていなければ(ST13−N)、新たにラベルを振って配線長xの情報とともに記憶部33に記憶する(ST14)。既に記憶されていれば、何もしないが、前回測定値との平均値を求めて新たに記憶部33に記憶しても良い。
そして、新たにセンサ11の位置を記憶した場合はカウンタを1つUPする(ST15)。その後、切換I/F25にて信号線2の接続を状態監視側に切り換え(ST16)、再び信号線2の状態を監視する。以上の処理を信号線2に接続してある全てのセンサ11を繰り返し試験的に発報させ、測定する。そして、全てのセンサ11の測定が終了すると、測定結果を紙面あるいは表示部32のモニタ画面上に出力する。
図4は上述した測定を行ったときの出力結果の一例を示している。図4の例では、センサ11の合計数、センサ11固有の番号(No)、配線長測定装置1(コントローラ3)からの信号線2の配線長測定値が表示される。センサ11の設置工事を行った際、この配線長測定装置1の測定結果を見て、センサ11の合計数が予定数と異なっていれば、何らかの工事ミスがあったと判断できる。また、測定結果は検査番号とともに参照用テーブルとして記憶部33に記憶される。
さらに、予め警備図面上に記載されている各センサ11の種別あるいは番号及び配線長測定装置1からの各センサ11までの配線長を入力部21からテンキー等により入力し、参照用テーブルとして記憶部33に記憶しておくようにしておき、実際の配線長xの測定結果と参照用テーブルの値とを比較して、設置工事が正しく行われたかを確認するようにしても良い。
そして、不良センサの交換時などは、上記参照用テーブルとの比較を行い、動作確認を行う。
ところで、上述したセンサ位置測定モードにおいて、信号線2が短絡した時に切換I/F25にて信号線2との接続を配線長測定側に切り換え、一つのセンサ11の測定が終了すると、切換I/F25にて信号線2との接続を状態監視側に再び切り換え、信号線2の状態監視に一旦復旧させる。これは、配線長xを測定するタイミングを固定にするためである。即ち、信号線2が短絡した瞬間など信号線2の状態が安定していなくても配線長xの値は得られるが、その値は不安定な値となり、実際の値とは大きく異なる。よって測定のタイミングをセンサ11が正常から発報に移行したタイミングに基づいて信号線2が安定した状態に設定することで、正確な測定を可能とする。また、測定後、再び状態監視に復旧する事により、次のセンサ11の測定を行う前に信号線2が正常か否かの確認をしてから行うことができる。
次に、図3のST10における測定用の周波数の決定方法について説明する。測定対象の信号線2の長さに対して交流信号の波長が十分長い(周波数が十分に低い)場合、信号線2を含んで形成される閉回路は、抵抗とインダクタンスとで構成される集中定数系の等価回路と仮定できる。この場合の信号線2のインピーダンスは、R+jωLとなり、周波数に比例する。
しかし、周波数がある値fT以上に高くなると、この仮定が成り立たなくなり、インピーダンスと周波数との比例関係が成り立たなくなる。しかも、fTは測定したい配線長(測定対象の信号線2の長さ)に依存する。
本例の配線長測定装置1は、センサ11までの配線長が未知の場合においても、配線長計算に最適な周波数を求め、発報したセンサ11までの信号線2の配線長を測定する。
詳しくは、短絡箇所までの信号線2を含んで形成される閉回路が集中定数回路と見なせる周波数範囲を求め、選択された周波数範囲に含まれる複数の周波数成分からインダクタンスを求めるための周波数を決定する。
以下、発報したセンサ11まで(短絡箇所まで)の信号線2を含んで形成される閉回路が集中定数系と見なせる周波数選択の方法について図5及び図6を参照しながら説明する。
図5は発報したセンサ11までの配線長が異なる場合の角周波数とインピーダンスとの関係を示している。図5において横軸は角周波数ωを示し、縦軸は最大値が1になるように正規化したインピーダンスの絶対値である。
図5において、●はセンサ11までの配線長が長い場合の例として、図1及び図2のセンサ11−nを発報させて信号線2を短絡させたときの測定点を示している。この●の測定点を得る場合は、切換I/F25にて信号線2が配線長測定側に接続される。これにより、電流信号送出部24および電圧信号受信部28が、信号線2を短絡させたセンサ11−nまでの信号線2、センサ11−nの接点A,Bとの間で閉回路を形成する。そして、センサ11−nを発報させた場合には、図2における切換I/F25の接続端a,bとセンサ11−nの接点A,Bとの間の信号線2の長さが配線長xとして測定される。
また、○はセンサ11までの配線長が短い場合の例として、図1及び図2のセンサ11−1を発報させて信号線2を短絡させたときの測定点を示している。この○の測定点を得る場合にも、同様に切換I/F25にて信号線2が配線長測定側に接続される。これにより、電流信号送出部24および電圧信号受信部28が、信号線2を短絡させたセンサ11−1までの信号線2、センサ11−1の接点A,Bとの間で閉回路を形成する。そして、センサ11−1を発報させた場合には、図2における切換I/F25の接続端a,bとセンサ11−1の接点A,Bとの間の信号線2の長さが配線長xとして測定される。
図5に示すように、配線長が長い場合の例としてセンサ11−nを動作させた場合は、低い周波数の領域(図5のAの領域)では周波数とインピーダンスとが比例するが、周波数が高くなるに連れて比例関係が成立しなくなる。このため、配線長が長い場合には、周波数がある程度高くなると、比例関係が成り立たなくなり、集中定数系と見なせなくなることが判る。
また、図5に示すように、配線長が短い場合の例としてセンサ11−1を動作させた場合には、高い周波数の領域(図5のBの領域)で周波数とインピーダンスとの比例関係が成り立つが、周波数が低くなるに連れてインピーダンスの値が小さくなっている。このため、配線長が短い場合には、周波数がある程度低くなると、外乱の影響を受けやすくなり、測定精度が取れないことが判る(図5の斜線領域)。尚、図5における斜線領域は、インピーダンスの値が小さくて精度が取れない領域を示している。
従って、測定対象となる配線長が長い場合は配線長が短い場合と比較して低い周波数を選択し、測定対象となる配線長が短い場合には逆に高い周波数を選択すれば、その周波数のインピーダンスから配線長を精度良く求めることが可能となる。
尚、上記比例関係は、交流信号の送出に定電流源を用いることによりピーク電圧と周波数に関しても成り立つ。本実施形態では、ピーク電圧と周波数との関係を用いて測定用周波数を決定する。
図6は、周波数決定部30による測定用周波数の決定(図3のST10)の詳細処理を示すフローチャートである。図3のST6〜ST9にて、信号線2へ送出した交流信号(交流電流信号)に対する信号線2からの受信信号(交流電圧信号)に基づき、各周波数毎にピーク電圧値が測定されている。そして、最も低い周波数成分のピーク電圧の値が所定の値(Thv)を超えているか否か判定する(ST21)。前述したように、配線長が短い位置のセンサ(図1のセンサ11−1)を発報させた場合、低い周波数においては、ピーク電圧値が小さいため、低い周波数を始点として「直線の当てはめ」を行っても良い結果が得られない。そのため、ピーク電圧の値が所定値(Thv)以上か否かを判定し、所定値(Thv)以下であれば(ST21−N)、次の高い周波数成分に始点を変更し(ST22)、この周波数成分のピーク電圧の値が所定値(Thv)以上か否かを判定し(ST21)、「直線の当てはめ」を行う始点を決定する(ST23)。
尚、「直線の当てはめ」を行う上では、測定点は2点以上必要であるが、所定値(Thv)を越える測定点の数が満たない場合は「測定不能」として終了する。Thvの値は、線材のパラメータ等を考慮して実験的に定める。
「直線の当てはめ」を行う始点が決定すると、最小二乗法を用いて測定点をZ=Aω+Bと近似する(ST24)。「直線の当てはめ」は、まず始点の周波数から2つの測定点を用いて行う。そして、二乗誤差の平均値が所定値(Ther)以下であるか否か判定し(ST25)、所定値(Ther)以下かつ測定点の上限値でなければ(ST25−Y)、「直線の当てはめ」に用いるデータ数を加算し(ST26)、最小二乗近似を行う測定点を増やしていく。そして、最終的に「直線の当てはめ」ができた周波数範囲を、集中定数系と見なせる周波数帯域として抽出し決定する(ST27)。Therは、測定データのばらつきを考慮し、実験的に定める。
図5の例では、配線長が長い例としてセンサ11−nを発報させた場合、3点(PA1,PA2,PA3)の周波数が選択され、この下限から上限の周波数範囲が集中定数系と見なせる周波数となる。
また、図5の例において、配線長が短い例としてセンサ11−1を動作させた場合は、3点(PB1,PB2,PB3)の周波数が選択され、この下限から上限の周波数範囲が集中定数系と見なせる周波数となる。
尚、図5において、測定点の周波数間隔は高くなるほど広がるように設定してある。比例関係の推定において、配線長が短い場合は、インピーダンスの変化が測定し易いように周波数間隔を広く設定してある。例えば図5における角周波数の対数軸上で等間隔になるように設定すれば良い。
また、本実施例では、前述のように定電流源を用いて信号線に送出する電流を一定にしている為、インピーダンスの代わりにピーク電圧のまま測定対象の信号線2が集中定数系と見なせる周波数範囲を求める事ができる。
そして、上述した図6のST21〜ST27の処理によって決定された周波数範囲において、インダクタンスを求めるための周波数を選択する(ST28)。前述したように、選択された周波数帯域内で高い周波数を用いると、大きなインピーダンスの影響を受けたピーク電圧を測定でき、相対的に外乱の影響が少なくなり、測定誤差を小さくすることができる。
以上の如く配線長の測定用周波数を決定することで、未知の配線長である測定対象の信号線2に対し、最適な測定用周波数を用いて配線長を測定可能とする。
また、測定用の周波数は、上述の如く抽出した周波数範囲内で高い方が良いが、インダクタンスの算出方法によって選択する測定用周波数は異なる。
ここでは、決定された周波数範囲から、2つの周波数を選択してインダクタンスを求める方法について説明する。
発報したセンサ11までの信号線2を含んで形成される閉回路が集中定数系と仮定できる場合の等価回路は抵抗とインダクタンスとで表される。よって、集中定数系と見なされる周波数帯域において、印加した電流I、測定したピーク電圧V1,V2とすると、異なる2つの周波数成分に対して、下記式(2),(3)が成り立つ。
Figure 2007051947
Figure 2007051947
そして、上記式(2),(3)からLについて変形し、Rを消去すると、下記式(4)に示すように、簡単な式でインダクタンス成分Lを求めることができる。
Figure 2007051947
前述した「直線の当てはめ」を行うことにより、最低2つの周波数が選択される。周波数が2つしか選択されない場合は、式(4)に各々の周波数を代入してインダクタンスを求めることができる。
これに対し、集中定数系と見なせる周波数帯域内において、3つ以上の周波数成分が存在する場合には、周波数が高いほど測定精度が得られるので、少なくとも1つは最も高い周波数成分を選択すると良い。
尚、発振器22を多数用いて周波数の間隔が密である場合には、上記のように高い方から2つの成分を選択すると、電圧成分の差が小さな値となり、インダクタンスの測定精度が低くなる。従って、その場合には、発振器22の周波数間隔に応じて選択する周波数を決定するのが好ましい。
ところで、上述したインダクタンスを求める方法は、2つの周波数成分を用いるものに限定されることなく、(1)選択された周波数範囲内における1つの周波数成分を選択する方法、(2)「直線の当てはめ」を行い、当てはめた直線の「傾き」を利用する方法などが考えられる。
(1)の方法は、例えば特許文献1にも記載されているように、90°位相検波方式を用いる方法である。これは無線通信などにおいて用いられている検波技術であり、位相が90°ずれた2つの信号が存在するときに、片方のみを抽出することができる。従って、選択された周波数の複素インピーダンスより、90°位相がずれている成分のみを抽出することにより、抵抗成分とインダクタンス成分を分離し、インダクタンス成分のみを求めることができる。
(2)の方法は、インピーダンスの傾きがインダクタンスに相当することを利用するものである。一次直線で近似して、直線が当てはめられた区間の傾きの値そのものをインダクタンスに換算することができる。この方法では、上述した(1)の方法のように位相成分を求めることなくインダクタンスを求めることが可能となる。
さらに、送信信号としてチャープ波などの広い周波数成分を含む信号を用いた場合は、受信信号をA/D変換した後、FFT(高速フーリエ変換:信号の中にどの周波数成分がどれだけ含まれているかを抽出する処理)を計算し、周波数応答から集中定数と見なせる周波数帯域を求めることも可能である。その場合でも各周波数成分の値から最小二乗法などを用いて周波数とインピーダンスが比例関係を持つ周波数帯域を求める方法が適用できる。
そして、発報したセンサ11までの信号線2の配線長xは、上記のようにして求めたインダクタンス成分Lを前述した式(1)のx=pLに代入して求める。
尚、インダクタンス成分Lの係数部分pは下記式(5)で与えられ、式(5)中におけるμは透磁率、aは半径、dは線間間隔で、線材の定数であり、係数部分pは線材の種類が決まれば一意に決まる量である。
Figure 2007051947
ところで、上述した実施形態では、コントローラ3の設置位置に配線長測定装置1を繋ぎ変えて測定対象のセンサ11までの信号線2の長さ(配線長x)を測定する構成として説明したが、前述した機能を有する配線長測定装置1をコントローラ3に内蔵する構成としても良い。
この場合、コントローラ3は、配線長測定装置1、信号線2を介して接続されたセンサ11の状態を監視する状態監視部、センサ11が発報したを監視センターへ通報する通信部、警備モードの種類、通報先などを記憶する記憶部、モード切換を入力するための入力部、センサ11の発報等の情報を表示する表示部、全体の制御を統括する制御部などで構成される。
そして、コントローラ3に配線長測定装置1が内蔵される場合は、図2における、配線長測定装置1の状態監視部26はコントローラ3の状態監視部でその機能を代替させる。
この場合、配線長測定装置1は、ディップスイッチなどにより稼動状態とされ、信号線2に接続されたセンサ11が発報し、コントローラ3の状態監視部がセンサ11が信号線2を短絡させたことを検出すると、短絡したことを配線長測定装置1の制御部27に伝え、該制御部27は切換I/F25にて信号線2の接続を配線長測定側に切り換え、上述のセンサ位置測定モードによる配線長測定を開始する。そして、測定結果より特定されるセンサ固有の番号(No)などの情報が出力部34からコントローラ3本体の制御部に送られる。
また、各種表示を行う表示部32は、コントローラ3本体側のものと共通に使用することもできる。この場合には、発報したセンサ11の情報がコントローラ3本体に送られ、コントローラ3本体側の表示部に表示される。また、入力部21、記憶部33もコントローラ3と共用できる。
さらに、配線長測定装置1をコントローラ3に内蔵した構成では、前述したセンサ位置測定モードに加え、発報センサ識別モードによる処理を実行することができる。
発報センサ識別モードとは、前述した警備モードにおいてセンサ11が異常を感知した際に、発報したセンサ11の位置及び種類を特定し、コントローラ3に出力すると共にモニタ画面に表示するモードのことである。
コントローラ3本体において、各センサ11の状態監視を開始する警備モードに変更されると、これと同時に発報センサ識別モードに移行する。図7は発報センサ識別モード時のフローチャートを示している。尚、図3のセンサ位置測定モード時のフローチャートと同一のステップには同一符号を付している。
図7に示すように、この発報センサ識別モードでは、まず前述したセンサ位置識別モードのST2,ST4〜ST12と同様の処理が実行される。ST2,ST4〜ST12の処理によって配線長xが測定されると、配線長測定装置1を内蔵したコントローラ3は、発報したセンサ11に対し測定した配線長xの結果より、予め記憶部33に記憶されている参照用テーブル内に該当する配線長xのセンサ11があるか否かを判断する(ST31)。尚、参照用テーブルには、センサ11毎に個々のセンサを特定する固有の情報(例えばNo.01からの通し番号)が配線長と関連付けされて記憶されている。例えば配線長20m:センサNo.01、配線長25m:センサNo.2といったように配線長とセンサ番号とが関連付けされて参照用テーブルに記憶される。
そして、参照用テーブル内に該当するセンサ11が存在しないと判断した場合には(ST31−N)、機器異常、又は機械警備を妨害する画策行為が行われたものと判断し、不図示の監視センターに機器異常信号を送出する(ST32)。その後、切換I/F25にて信号線2の接続を状態監視側に切り換え(ST33)、ST2の処理に戻る。これに対し、参照用テーブル内に該当するセンサ11が存在すると判断した場合には(ST31−Y)、そのセンサ11固有の情報(番号)を含んだ異常信号を監視センターに送出する(ST34)と共に、モニタ画面に表示する。その後、切換I/F25にて信号線2の接続を状態監視側に切り換え(ST33)、ST2の処理に戻る。また、断線検出時(ST2)も同様にコントローラ3から監視センターに断線検知信号を送出する(ST35)。
このように、本例の配線長測定装置によれば、信号線上に複数の異なる周波数の交流信号(交流電流信号)を順次送出し、その応答信号(交流電圧信号)から、信号線を含んで形成される閉回路が集中定数系と見なせる周波数範囲を自動的に求めることができる。そして、自動的に求めた周波数範囲内から最適な周波数を選択することにより、対象とするセンサ11までの信号線の配線長を正確に測定することができる。
また、従来の方法では、センサまでの配線長が全く判らない場合、下手に周波数を設定すると、測定自体が失敗する恐れがあり、失敗した場合には全く違った配線長を出力することになる。これに対し、本例の配線長測定装置によれば、センサまでの配線長が全く判らない場合でも、上記のような問題を生じることなく、測定対象である発報したセンサ11までの信号線を含んで形成される閉回路が集中定数系と見なせる周波数範囲を求めて設定し、この設定された周波数範囲内の周波数成分に対応するインピーダンスの値からインダクタンスを求めて所望のセンサまでの配線長を測定することができる。
本例では、通常、信号線2に接続されたセンサ11が正常か又は発報か、或いは信号線2が断線しているかの3つの状態を監視し、センサ11が発報していると判定したときのみ信号線2上に複数の異なる周波数の交流信号を順次送出するので、測定のタイミングを正常から発報に移行したタイミングに基づいて設定でき、常に安定した正確な測定が可能となる。
また、特に配線長測定装置1をコントローラ3に内蔵した構成では、センサ11の発報時に、どのセンサ11が発報したかを、測定した配線長xから判断して即座に監視センターに通報することができる。
尚、上記実施形態における電流信号送出部24と電圧信号受信部28は、電圧信号送出部と電流信号受信部に置き換えられることは自明である。この場合、電圧信号送出部は、定電圧源を用いればよい。
本発明に係る配線長測定装置を含む機械警備システムの全体構成を示す配線状況の模式図である。 本発明に係る配線長測定装置の機能ブロック図である。 本発明に係る配線長測定装置による配線長測定時のフローチャートである。 本発明に係る配線長測定装置の測定結果の表示例を示す図である。 センサまでの配線長が異なる場合の角周波数とインピーダンスとの関係を示す図である。 本発明に係る配線長測定装置による測定用周波数決定のフローチャートである。 本発明に係る配線長測定装置による発報センサ確認モード時のフローチャートである。
符号の説明
1 配線長測定装置
1a,3a 端子台
2 信号線(線路)
3 コントローラ
4 終端抵抗
11(11−1,11−2,11−3,…,11−n) センサ
21 入力部
22(22−1,22−2,22−3,…,22−n) 発振器
23 送信信号切換部
24 電流信号送出部
25 切換I/F
26 状態監視部
27 制御部
28 電圧信号受信部
29 ピーク検出部
30 周波数決定部
31 配線長変換部
32 表示部
33 記憶部
34 出力部

Claims (5)

  1. 接続された信号線の短絡箇所までの配線長を測定する配線長測定装置において、
    所定周波数の交流信号を前記信号線に送出する送出手段と、
    前記送出した交流信号に対する受信信号を前記信号線から受信する受信手段と、
    各々周波数が異なる複数の交流信号を前記送出手段から順次送出させる制御手段と、
    前記複数の交流信号に対する受信信号からインピーダンスと比例関係にある周波数のインダクタンスを求めるインダクタンス抽出手段と、
    前記インダクタンスを配線長に変換する変換手段と、
    を備えることを特徴とする配線長測定装置。
  2. 前記インダクタンス抽出手段は、周波数が異なる複数の受信信号からインピーダンスと比例関係にある周波数を選択し、選択された周波数のうち少なくとも最も高い周波数の受信信号からインダクタンスを求めることを特徴とする請求項1記載の配線長測定装置。
  3. 前記複数の交流信号は、周波数が高くなるほど周波数間隔が広がるように周波数を切り替えて送出されることを特徴とする請求項1又は2記載の配線長測定装置。
  4. さらに、前記信号線の短絡を検出する監視手段を備え、
    前記制御手段は、前記監視手段が信号線の短絡を検出したときに前記送出手段から交流信号を送出させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の配線長測定装置。
  5. さらに、前記送出手段及び受信手段と前記監視手段との間で前記信号線の接続を切り換える切換手段を備え、
    前記制御手段は、前記監視手段が信号線の短絡を検出したとき、前記切換手段を制御して前記信号線と前記送出手段及び受信手段とを接続し、前記信号線の配線長を測定した後に前記信号線と前記監視手段とを接続することを特徴とする請求項4記載の配線長測定装置。
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