JP2007051322A - 圧粉固化体およびその製造方法 - Google Patents

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充啓 後藤
Sakae Nishigori
榮 西郡
Yoshinori Goho
良憲 護法
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Abstract

【課題】 金属または合金の粉末を出発原料として用いながら、生産効率良く圧粉固化体を製造する。
【解決手段】 圧粉固化体の製造方法は、金属または合金の粉末を集合させて所定の形を有する未焼結の粉末保形体を作製する工程と、粉末保形体を誘導加熱により所定の温度に昇温する工程と、所定の温度の粉末保形体を圧縮塑性加工して緻密固化する工程とを備える。
【選択図】 なし

Description

この発明は、金属または合金の圧粉固化体およびその製造方法に関するものである。
なお、本明細書中に現われる「金属」および「合金」という用語については、明確に区別して使い分けているわけではなく、両者とも純金属および合金を含むものとして理解されねばならない。
マグネシウム、アルミニウム、銅等の金属、またはそれらの合金の粉末を集合させた未焼結の粉末保形体を鍛造、押出し、圧延等の圧縮塑性加工によって緻密固化する際に、未焼結粉末保形体を事前に適正温度に加熱する必要がある。
従来、粉末保形体に対する昇温は、典型的には、炉内加熱が適用されている。この加熱法では、昇温までの時間が長いので生産性が悪いことに加えて、粉体が長時間加熱されることになるので、粉体の素地を構成する粒子が粗大化してしまうという問題がある。生産性の向上および結晶粒の粗大化防止の観点から見ると、粉末保形体に対する加熱時の昇温速度を高めて加熱時間を短縮することが望ましい。
従来、アルミニウム合金や、マグネシウム合金の溶製ビレットについては、誘導加熱や、高周波加熱等による急速加熱方法が採用されているが、未焼結の粉末保形体に対しては急速加熱方法を適用したものはない。
特開2002−241868号公報(特許文献1)は、アルミニウム合金粉末熱間加工材の製造方法を開示している。この公報には、焼結後の粉末成形体を熱間加工する前の加熱手段として誘導加熱を利用すること、および誘導加熱を効果的に行なうためには焼結後の粉末成形体の電気伝導度を8%(IACS)以上にすることが記載されている。この公報に開示された誘導加熱は、焼結後の粉末成形体に対して適用されるものであり、未焼結の粉末保形体に対する加熱法については何らの記載もない。
特開2002−241868号公報
この分野の当業者の技術常識では、未焼結の粉末保形体に対して誘導加熱を適用することは実用的ではないと考えられていた。その理由は、金属または合金の粉末を単に集合させて所定の形にした粉末保形体に関しては、同組成の溶製材と比較して、その電気伝導度が低く、また磁場をかけると保形体が移動してしまうおそれがあるからである。
本発明の目的は、金属または合金の粉末を出発原料として用いながら、生産効率良く圧粉固化体を製造することである。
本発明に従った圧粉固化体の製造方法は、次の工程を備える。
(a) 金属または合金の粉末を集合させて所定の形を有する未焼結の粉末保形体を作製する工程。
(b) 上記の粉末保形体を誘導加熱により所定の温度に昇温する工程。
(c) 上記所定の温度の粉末保形体を圧縮塑性加工して緻密固化する工程。
本件発明の発明者らは、多くの実験を行なうことにより、未焼結の粉末保形体を誘導加熱によって昇温することが可能であることを見出した。そこで、未焼結の粉末保形体を誘導加熱により所定の温度に昇温し、引き続いて圧縮塑性加工すれば、生産効率よく圧粉固化体を得ることができる。また、本発明の方法によれば、加熱時間を短縮することができるので、結晶粒の粗大化を抑制することができる。なお、圧縮塑性加工は、例えば、鍛造、押出しまたは圧延加工である。
一つの実施形態では、粉末はマグネシウム合金粉末である。この場合、誘導加熱による昇温時間をより短くする観点から、未焼結の粉末保形体の相対密度を86〜96%にするのが望ましい。相対密度が96%を超えると、昇温時間が長くなり、圧粉固化体の生産性が低下する。一方、相対密度が86%未満だと、未焼結粉末保形体の形状を維持するのが困難となる。
また、マグネシウム合金粉末保形体の電気伝導度に関して、誘導加熱による昇温時間をより短くする観点から、0.2〜6%IACSにするのが望ましい。電気伝導度が6%IACSを超えると、昇温時間が長くなり、圧粉固化体の生産性が低下する。形状を保持できる限界の最小相対密度の未焼結粉末保形体の電気伝導度が0.2%IACSであるので、この値を下限とした。
他の実施形態では、粉末はアルミニウム合金粉末である。この場合、誘導加熱による昇温時間をより短くする観点から、未焼結の粉末保形体の相対密度を83〜98%にするのが望ましい。相対密度が98%を超えると、昇温時間が長くなり、圧粉固化体の生産性が低下する。一方、相対密度が83%未満だと、未焼結粉末保形体の形状を維持するのが困難となる。
また、アルミニウム合金粉末保形体の電気伝導度に関して、誘導加熱による昇温時間をより短くする観点から、0.1〜0.75%IACSにするのが望ましい。電気伝導度が0.75%を超えると、昇温時間が長くなり、圧粉固化体の生産性が低下する。形状を保持できる限界の最小相対密度の未焼結粉末保形体の電気伝導度が0.1%IACSであるので、この値を下限とした。
さらに他の実施形態では、粉末は銅合金粉末である。この場合、誘導加熱による昇温時間をより短くする観点から、未焼結の粉末保形体の相対密度を76〜96%にするのが望ましい。相対密度が96%を超えると、昇温時間が長くなり、圧粉固化体の生産性が低下する。一方、相対密度が76%未満だと、未焼結粉末保形体の形状を維持するのが困難となる。
また、銅合金粉末保形体の電気伝導度に関して、誘導加熱による昇温時間をより短くする観点から、0.1〜3.0%IACSにするのが望ましい。電気伝導度が3.0%IACSを超えると、昇温時間が長くなり、圧粉固化体の生産性が低下する。形状を保持できる限界の最小相対密度の未焼結粉末保形体の電気伝導度が0.1%IACSであるので、この値を下限とした。
粉末の粉体は、扁平なフレーク形状もしくはチップ形状、または球形状を有する。球形状の粉体に比べて、フレーク形状またはチップ形状の粉体の方が、誘導加熱による昇温時間を短くすることができる。フレーク形状またはチップ形状の粉体は、例えば、粉体に対して機械的な外力を与えて圧縮変形またはせん断変形させることによって得られる。
好ましくは、粉末の粉体は、その最大サイズが長さ方向で10mm以下、最小サイズが厚み方向で0.1mm以上である。成形時に粉末保形体としての形状を保持できる実用的(量産に適する)最大サイズが10mmであり、粉塵爆発等を起こさない最小の安全サイズが0.1mmである。
未焼結の粉末保形体に対する好ましい誘導加熱の条件は、次の通りである。
マグネシウム合金粉末保形体の場合、加熱保持温度が200〜400℃、昇温時間が30秒〜5分、保持時間が5分である。このときの電流値は、圧粉固化体の大きさにもよるが、10〜30Aである。
アルミニウム合金粉末保形体の場合、加熱保持温度が200〜400℃、昇温時間が30秒〜5分、保持時間が5分である。このときの電流値は、圧粉固化体の大きさにもよるが、10〜40Aである。
銅合金粉末保形体の場合、加熱保持温度が700〜930℃、昇温時間が1分〜5分、保持時間が5分である。このときの電流値は、圧粉固化体の大きさにもよるが、20〜60Aである。
本発明に従った圧粉固化体は、上記のいずれかに記載の方法によって製造されたものである。製造過程において未焼結粉末保形体を誘導加熱によって昇温しているので、粉体の表面部の素地を構成する粒子の結晶粒径は、粉体の芯部の素地を構成する粒子の結晶粒径よりも大きい。
未焼結粉末保形体を誘導加熱することにより、通常の電気炉に比べその昇温時間を飛躍的に短縮でき、温間塑性加工への粉末保形体の供給を適切に実施できるようになる。その結果、生産性が向上し、通常の電気炉設備に比べてその設置スペースも大幅に縮小することができる。また、使用粉末が既に強化構造を持つ場合には、長時間の加熱によってその機械的性質が損なわれるおそれがあるが、本発明の方法のように粉末保形体に対して誘導加熱を適用するようにすれば、昇温に要する時間が短いため、機械的性質の低下を最小限にとどめることができる。
さらに、所定の相対密度または所定の電気伝導度を有する未焼結の粉末保形体を誘導加熱によって短時間かつ小電力で昇温するようにすれば、量産時の省エネ面での効果も期待できる。
本件発明者らは、金属または合金の粉末を単に集合させて所定の形にした未焼結の粉末保形体に対して、誘導加熱による昇温を試みた。その結果、次のことを解明した。
(a)固体よりも粉末保形体の方が、誘導加熱による昇温時間が短い。
(b)粉末保形体の相対密度を適正な範囲内にすると、昇温時間が短くなる。
(c)マグネシウム合金粉末、アルミニウム合金粉末および銅合金粉末に対して、同様の結果が得られる。
(d)粉末の粉体の形状に関しては、球形状よりも、チップ形状またはフレーク形状の方が昇温時間が短い。
(e)誘導加熱の周波数の条件を変更しても、上記の(a)〜(d)の傾向は変わらない。
(f)粉末保形体の昇温を誘導加熱で行なうようにすれば、加熱後の粉末保形体に対する圧縮塑性加工(鍛造、押出し、圧延等)を連続的に行なえるので、加工スペースを小さくできるとともに、圧粉固化体の量産が可能となる。
純固体に対する誘導加熱よりも、未焼結粉末保形体に対する誘導加熱の方が、昇温時間が短くなる理由として、本件発明者らは次のように推定する。マグネシウム合金、アルミニウム合金、銅合金とも、固有の電気伝導度の差はあるが、昇温時間は粉体形状によってある程度影響される。
(A) 球形状粉末(粒径小)の場合
粉末保形体の相対密度が高いと、個々の粉体が多面的に接しており、空孔を有する固体として誘導電流が流れる。このとき、純固体に比べて抵抗値が大きい分、発熱量が大きくなり、加熱し易くなると思われる。
粉末保形体の相対密度が低いと、粉体同士の接触が少なく、誘導電流は個々の粉体内での誘導電流となり、個々の粉体固有の電気伝導度での発熱となり、純固体に近いものとなる。
上記の理由により、マグネシウム合金では、相対密度89%、電気伝導度3%IACSの粉末保形体の昇温時間が最も短くなったものと推定する。
(B) フレーク形状粉末およびチップ形状粉末(粒径大)の場合
基本的には、球形状粉末の場合と同じであるが、個々の粒径が大きいことから、圧粉固化体の誘導電流(表面電流)の発熱が個々の粉体内での熱伝導での伝達により早く固化体全体に伝わり、結果として球形状粉末よりも短時間で加熱できたものと推定する。
相対密度が低い場合も同様の加熱形態であると推定するが、粉体同士の接触抵抗が上がる(電気伝導率は低下しつづける)ため、浸透磁束の範囲での粉体加熱となり接触面積が少ない分、熱伝導が妨げられ、加熱時間が延びることになったものと推定する。
以下に、本件発明の発明者らが行なった実験およびその結果等を記載する。
[マグネシウム合金粉末保形体の製造]
誘導加熱実験に使用したマグネシウム合金の成分を表1に示す。
表1に示す成分のマグネシウム合金の粉体を基本寸法Φ34mm×34〜38mmの円柱状に加圧圧粉し、個々の相対密度を測定して実験に供した。使用した粉体の形状は、フレーク形状、チップ形状、球形状である。これらの粉体を図1〜図3の写真に示している。図1はMg合金フレーク形状粉体を示し、図2はMg合金チップ形状粉体を示し、図3はMg合金球形状粉体を示している。
Mg合金粉末保形体を作製する際の作製条件、粉体形状、粉末保形体のサイズ、相対密度を表2に示す。比較のために、試料No.11として、溶製材からなる円柱状試料を作製した。
[Mg合金粉末保形体の電気伝導率の測定とその結果]
作製したMg合金粉末保形体を誘導加熱するのに先立ち、誘導加熱の可否を確認する意味で各粉末保形体の電気伝導率を測定した。
電気伝導率の測定方法として、図4に示す直列4端子法(4線抵抗測定法)を採用した。この方法は、電流端子から既知の電流を流し、電圧端子(SENSE Hi, Lo)でそこに発生する電圧を測定するものである。電流印加端子と電圧印加端子とを分離することによって接触抵抗および電流印加導線の抵抗を無視できるため、高精度な測定が可能である。なお、図4において、R1〜R4はリード線抵抗、Rxは被測定抵抗である。SENSE Hi、SENSE Loは、ハイ・インピダンスなので、R2、R3には電流が流れない。
図5に、測定部位の概要図を示す。円柱形状の試料を銅板で挟み、試料が変形しない範囲内の重量(400gの鉄製重り)をかけることにより、銅板と試料とを一定の接地圧力で固定する。銅板と純アルミニウム製の導線ははんだ付けを行い、粉末保形体を挟み込んだ銅板の外側はアクリル板によって完全に絶縁を行い、一定の電流を付与することで発生する基準評点間の微電圧を測定し、個々の粉末保形体の電気抵抗値を算出し、その逆数としての電気伝導率を%IACSで評価した。
このときの基準条件として、電流値2.0A、基準評点間距離24mm、測定時の環境温度を常温として測定を行なった。ただし、電流によるジュール熱によって試料は加熱されるが、これによる試料抵抗率の増加が無いことの確認を事前に行なった。
この実験のために、定電流直流電源としてKX−100H(株式会社高砂製作所)、測定装置としてデジタルマルチメーター(DMM)R6581シリーズ(株式会社アドバンテスト)をそれぞれ使用した。
上記の装置を使用して測定した各Mg合金粉末保形体の電気伝導率(%IACS)の測定結果を表3に示す。また、Mg合金粉末保形体における相対密度と電気伝導率(%IACS)の関係を図6に示す。
[Mg合金粉末保形体の誘導加熱と加熱時間]
試料No.1〜10のMg合金粉末保形体および試料No.11の溶製Mg合金試料に対して誘導加熱を行い、その昇温時間を評価した。誘導加熱の加熱条件と各試料の昇温に要した時間の比較基準は、次の通りである。すなわち、電流値を10Aで一定にし、評価する時間は昇温時に100℃から300℃に至るまでの時間として比較評価を行なった。実験に使用した発信機の周波数を16KHz、111KHzの2水準として測定を行なった。
発信機周波数を16KHzとしたときの、各Mg合金試料の昇温時間の測定結果を表4に示す。また、この周波数を16KHzとしたときの、Mg合金粉末保形体の昇温時間と相対密度との関係を図7に示し、昇温時間と電気伝導率(%IACS)との関係を図8に示す。
発信機周波数を111KHzとしたときの、各Mg合金試料の昇温時間の測定結果を表5に示す。また、この周波数を111KHzとしたときの、Mg合金粉末保形体の昇温時間と相対密度との関係を図9に示し、昇温時間と電気伝導率(%IACS)との関係を図10に示す。
[Mg合金粉末保形体の誘導加熱時間の優位性]
本実験で期待し得る昇温時間(400秒)の範囲を見ると、Mg合金粉末保形体の相対密度が86〜96%、電気伝導度が0.2〜6%IACSのとき、固体金属または固体合金に対する誘導加熱に比べて、Mg合金粉末保形体に対する誘導加熱の方が短時間になることが認められた。また、Mg合金粉末保形体では、相対密度との関係から、原料の粉末形状をフレーク形状、またはチップ形状にすれば、球形状粉末に比べて、短時間で有効に誘導加熱を行なうことができることが明らかになった。このことは、発信機の周波数を16KHzから111KHzに変えても同じ傾向であった。
[アルミニウム合金粉末保形体の製造]
誘導加熱実験に使用したアルミニウム合金の成分を表6に示す。
表6に示す成分のアルミニウム合金の粉体を基本寸法Φ34mm×34〜38mmの円柱状に加圧圧粉し、個々の相対密度を測定して実験に供した。使用した粉体の形状は、球形状である。Al合金粉末保形体を作製する際の作製条件、粉体形状、粉末保形体のサイズ、相対密度を表7に示す。比較のために、試料No.25として、溶製材からなる円柱状試料を作製した。
[Al合金粉末保形体の電気伝導率の測定とその結果]
作製したAl合金粉末保形体を誘導加熱するのに先立ち、誘導加熱の可否を確認する意味で各粉末保形体の電気伝導率を測定した。
電気伝導率の測定方法として、図4に示す直列4端子法(4線抵抗測定法)を採用した。このときの基準条件として、電流値2.0A、基準評点間距離24mm、測定時の環境温度を常温として測定を行なった。ただし、電流によるジュール熱によって試料は加熱されるが、これによる試料抵抗率の増加が無いことの確認を事前に行なった。
この実験のために、定電流直流電源としてKX−100H(株式会社高砂製作所)、測定装置としてデジタルマルチメーター(DMM)R6581シリーズ(株式会社アドバンテスト)をそれぞれ使用した。
上記の装置を使用して測定した各Al合金粉末保形体の電気伝導率(%IACS)の測定結果を表8に示す。また、Al合金粉末保形体における相対密度と電気伝導率(%IACS)の関係を図11に示す。
[Al合金粉末保形体の誘導加熱と加熱時間]
試料No.21〜24のAl合金粉末保形体および試料No.25の溶製Al合金試料に対して誘導加熱を行い、その昇温時間を評価した。誘導加熱の加熱条件と各試料の昇温に要した時間の比較基準は、次の通りである。すなわち、電流値を10Aで一定にし、評価する時間は昇温時に100℃から300℃に至るまでの時間として比較評価を行なった。各Al合金試料の昇温時間の測定結果を表9に示す。また、Al合金粉末保形体の昇温時間と相対密度との関係を図12に示し、昇温時間と電気伝導率(%IACS)との関係を図13に示す。
[Al合金粉末保形体の誘導加熱時間の優位性]
本実験で期待し得る昇温時間(300秒)の範囲を見ると、Al合金粉末保形体の相対密度が83〜98%、電気伝導度が0.1〜0.75%IACSのとき、固体金属または固体合金に対する誘導加熱に比べて、Al合金粉末保形体に対する誘導加熱の方が短時間になることが認められた。
[銅合金粉末保形体の製造]
誘導加熱実験に使用した銅合金の成分を表10に示す。
表10に示す成分の銅合金の粉体を基本寸法Φ34mm×34〜38mmの円柱状に加圧圧粉し、個々の相対密度を測定して実験に供した。使用した粉体の形状は、フレーク形状である。銅合金粉末保形体を作製する際の作製条件、粉体形状、粉末保形体のサイズ、相対密度を表11に示す。比較のために、試料No.35として、溶製材からなる円柱状試料を作製した。
[Cu合金粉末保形体の電気伝導率の測定とその結果]
作製したCu合金粉末保形体を誘導加熱するのに先立ち、誘導加熱の可否を確認する意味で各粉末保形体の電気伝導率を測定した。
電気伝導率の測定方法として、図4に示す直列4端子法(4線抵抗測定法)を採用した。このときの基準条件として、電流値2.0A、基準評点間距離24mm、測定時の環境温度を常温として測定を行なった。ただし、電流によるジュール熱によって試料は加熱されるが、これによる試料抵抗率の増加が無いことの確認を事前に行なった。
この実験のために、定電流直流電源としてKX−100H(株式会社高砂製作所)、測定装置としてデジタルマルチメーター(DMM)R6581シリーズ(株式会社アドバンテスト)をそれぞれ使用した。
上記の装置を使用して測定した各Cu合金粉末保形体の電気伝導率(%IACS)の測定結果を表12に示す。また、Cu合金粉末保形体における相対密度と電気伝導率(%IACS)の関係を図14に示す。
[Cu合金粉末保形体の誘導加熱と加熱時間]
試料No.31〜34のCu合金粉末保形体および試料No.35の溶製Cu合金試料に対して誘導加熱を行い、その昇温時間を評価した。誘導加熱の加熱条件と各試料の昇温に要した時間の比較基準は、次の通りである。すなわち、電流値を10Aで一定にし、評価する時間は昇温時に100℃から300℃に至るまでの時間として比較評価を行なった。各Cu合金試料の昇温時間の測定結果を表13に示す。また、Cu合金粉末保形体の昇温時間と相対密度との関係を図15に示し、昇温時間と電気伝導率(%IACS)との関係を図16に示す。
[Cu合金粉末保形体の誘導加熱時間の優位性]
本実験で期待し得る昇温時間(900秒)の範囲を見ると、Cu合金粉末保形体の相対密度が76〜96%、電気伝導度が0.1〜3.0%IACSのとき、固体金属または固体合金に対する誘導加熱に比べて、Cu合金粉末保形体に対する誘導加熱の方が短時間になることが認められた。
本発明は、金属又は合金の粉末を出発原料として用いて圧粉固化体を製造するのに有利に利用され得る。
Mg合金フレーク形状粉体を示す写真である。 Mg合金チップ形状粉体を示す写真である。 Mg合金球形状粉体を示す写真である。 直流4端子法の回路図である。 測定部位の概要図である。 Mg合金粉末保形体における相対密度と電気伝導率との関係を示すグラフである。 Mg合金粉末保形体における昇温時間(周波数16KHz)と相対密度との関係を示すグラフである。 Mg合金粉末保形体における昇温時間(周波数16KHz)と電気伝導率との関係を示すグラフである。 Mg合金粉末保形体における昇温時間(周波数111KHz)と相対密度との関係を示すグラフである。 Mg合金粉末保形体における昇温時間(周波数111KHz)と電気伝導率との関係を示すグラフである。 Al合金粉末保形体における相対密度と電気伝導率との関係を示すグラフである。 Al合金粉末保形体における昇温時間と相対密度との関係を示すグラフである。 Al合金粉末保形体における昇温時間と電気伝導率との関係を示すグラフである。 Cu合金粉末保形体における相対密度と電気伝導率との関係を示すグラフである。 Cu合金粉末保形体における昇温時間と相対密度との関係を示すグラフである。 Cu合金粉末保形体における昇温時間と電気伝導率との関係を示すグラフである。

Claims (12)

  1. 金属または合金の粉末を集合させて所定の形を有する未焼結の粉末保形体を作製する工程と、
    前記粉末保形体を誘導加熱により所定の温度に昇温する工程と、
    前記所定の温度の粉末保形体を圧縮塑性加工して緻密固化する工程とを備える、圧粉固化体の製造方法。
  2. 前記粉末はマグネシウム合金粉末であり、
    前記粉末保形体の相対密度は、86〜96%である、請求項1に記載の圧粉固化体の製造方法。
  3. 前記マグネシウム合金粉末保形体の電気伝導度は、0.2〜6%IACSである、請求項2に記載の圧粉固化体の製造方法。
  4. 前記粉末はアルミニウム合金粉末であり、
    前記粉末保形体の相対密度は、83〜98%である、請求項1に記載の圧粉固化体の製造方法。
  5. 前記アルミニウム合金粉末保形体の電気伝導度は、0.1〜0.75%IACSである、請求項4に記載の圧粉固化体の製造方法。
  6. 前記粉末は銅合金粉末であり、
    前記粉末保形体の相対密度は、76〜96%である、請求項1に記載の圧粉固化体の製造方法。
  7. 前記銅合金粉末保形体の電気伝導度は、0.1〜3.0%IACSである、請求項6に記載の圧粉固化体の製造方法。
  8. 前記粉末の粉体は、扁平なフレーク形状またはチップ形状を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の圧粉固化体の製造方法。
  9. 前記粉末の粉体は、球形状を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の圧粉固化体の製造方法。
  10. 前記粉末の粉体は、その最大サイズが長さ方向で10mm以下、最小サイズが厚み方向で0.1mm以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の圧粉固化体の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の方法によって製造された圧粉固化体。
  12. 前記粉体の表面部の素地を構成する粒子の結晶粒径は、粉体の芯部の素地を構成する粒子の結晶粒径よりも大きい、請求項11に記載の圧粉固化体。
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