JP2007048381A - 垂直磁気記録用磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびにヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置 - Google Patents

垂直磁気記録用磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびにヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トラック幅を小さくしながら十分な記録磁界を発生させることができ、更に隣接トラック消去を防止することができ、且つ均質で量産に適した垂直磁気記録用磁気ヘッドを実現する。
【解決手段】磁気ヘッドの磁極層12は、媒体対向面ABSに垂直な方向に沿って媒体対向面側から順に配置された第1の部分12A、第2の部分12Bおよび第3の部分12Cを有している。第2の部分12Bの幅は第1の部分12Aの幅よりも大きい。第3の部分12Cの幅は第2の部分12Bの幅よりも大きい。第1の部分12Aは、媒体対向面の一部を構成する端面31を有している。第2の部分12Bは、媒体対向面の他の一部を構成する端面32を有している。第1の部分12Aは、第2の部分12Bの端面32よりも記録媒体側に突出している。
【選択図】図1

Description

本発明は、垂直磁気記録方式によって記録媒体に情報を記録するために用いられる垂直磁気記録用磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに垂直磁気記録用磁気ヘッドを有するヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置に関する。
磁気記録再生装置における記録方式には、信号磁化の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)とする長手磁気記録方式と、信号磁化の向きを記録媒体の面に対して垂直な方向とする垂直磁気記録方式とがある。垂直磁気記録方式は、長手磁気記録方式に比べて、記録媒体の熱揺らぎの影響を受けにくく、高い線記録密度を実現することが可能であると言われている。
垂直磁気記録方式用の磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面より、記録媒体の面に対して垂直な方向の記録磁界を発生する磁極層を備えている。磁極層は、例えば、一端部が媒体対向面に配置され、トラック幅を規定するトラック幅規定部と、このトラック幅規定部の他端部に連結され、トラック幅規定部よりも大きな幅を有する幅広部とを有している。幅広部の幅は、例えば、トラック幅規定部との境界位置ではトラック幅規定部の幅と等しく、媒体対向面から離れるに従って、徐々に大きくなった後、一定の大きさになっている。
高記録密度化のために磁気ヘッドに要求されることは、特に、トラック幅の縮小、すなわち媒体対向面における磁極層の幅の縮小と、記録特性の向上である。一方、トラック幅が小さくなると、磁極層から発生される記録磁界が低下し、その結果、記録特性、例えば重ね書きの性能を表わすオーバーライト特性は低下する。従って、トラック幅が小さくなるほど、記録特性の一層の向上が必要となる。
ところで、ハードディスク装置等の磁気ディスク装置に用いられる磁気ヘッドは、一般的に、スライダに設けられる。スライダは、記録媒体に対向する媒体対向面を有している。この媒体対向面は、空気流入側の端部と空気流出側の端部とを有している。そして、空気流入側の端部から媒体対向面と記録媒体との間に流入する空気流によって、スライダは記録媒体の表面からわずかに浮上するようになっている。このスライダにおいて、一般的に、磁気ヘッドは媒体対向面における空気流出側の端部近傍に配置される。磁気ディスク装置において、磁気ヘッドの位置決めは、例えばロータリーアクチュエータによって行なわれる。この場合、磁気ヘッドは、ロータリーアクチュエータの回転中心を中心とした円軌道に沿って記録媒体上を移動する。このような磁気ディスク装置では、磁気ヘッドのトラック横断方向の位置に応じて、スキューと呼ばれる、円形のトラックの接線に対する磁気ヘッドの傾きが生じる。磁気ディスク装置では、このスキューが生じると、あるトラックへの情報の書き込み時に隣接トラックの情報が消去される現象(以下、隣接トラック消去と言う。)が生じる場合がある。高記録密度化のためには、この隣接トラック消去を抑制する必要もある。
長手磁気記録方式用の磁気ヘッドにおいて、トラック幅を小さくしながら十分な記録磁界が得られるようにする技術としては、例えば特許文献1に記載されているように、媒体対向面に近づくに従って、磁極層の幅を2段階以上、段階的に小さくする技術が知られている。
一方、垂直磁気記録方式用の磁気ヘッドにおいて、スキューが生じたときの隣接トラック消去を防止する技術としては、例えば特許文献2に記載されているように、媒体対向面における磁極層の端面の形状を、記録媒体の進行方向の後側(スライダにおける空気流入端側)に配置される辺が反対側の辺よりも小さい台形形状とする技術が知られている。特許文献2には、媒体対向面における磁極層の端面の形状を上記のような台形形状とする方法として、磁極層となる磁性層の上にマスクを形成し、この状態でイオンビームエッチングによって磁性層をパターニングする方法が記載されている。
また、特許文献3には、長手磁気記録方式用の磁気ヘッドにおいて、媒体対向面より磁極層の一部をエッチングして、媒体対向面における磁極層の端面の形状を決定する技術が記載されている。特許文献3に記載された磁気ヘッドでは、媒体対向面において、磁極層のうちエッチングによって除去された部分が凹部となっている。
また、特許文献4には、長手磁気記録方式用の磁気ヘッドにおいて、媒体対向面に、集束イオンビームエッチングによって溝または凹部を形成して、トラック幅を規定する技術が記載されている。
特開2001−14609号公報 特開2003−203311号公報 特開平5−334624号公報 特開平11−259811号公報
特許文献1に記載されている磁気ヘッドは、長手磁気記録方式用のものである。しかし、垂直磁気記録方式用の磁気ヘッドにおいても、媒体対向面に近づくに従って、磁極層の幅を2段階以上、段階的に小さくすることは、トラック幅を小さくしながら十分な記録磁界を得るために有用であると考えられる。
ところで、磁気ヘッドは、例えば、以下のようにして製造される。まず、1枚の基板(ウェハ)に対して複数の磁気ヘッド素子を形成して、それぞれ後に磁気ヘッドとなるヘッド予定部が複数列に配列された磁気ヘッド用基礎構造物を作製する。次に、磁気ヘッド用基礎構造物を、媒体対向面となる領域の近傍で切断して、1列または複数列に配列された複数のヘッド予定部を含むヘッド集合体を作製する。次に、このヘッド集合体において、基礎構造物を切断することによって形成された面を研磨して、媒体対向面を形成する。次に、媒体対向面が形成された各ヘッド予定部が互いに分離されるように、ヘッド集合体を切断する。
特許文献1に記載された技術では、磁気ヘッドの製造過程において、研磨によって媒体対向面を形成する際に、研磨終了位置が変化すると、磁極層のうち最も幅の小さな先端部分の、媒体対向面に垂直な方向についての長さが変化してしまう。この先端部分の長さは、記録磁界の大きさに影響を与える。すなわち、この先端部分の長さが長すぎると、磁極層を通過する磁束が、媒体対向面に達する前に飽和してしまい、十分な記録磁界が得られなくなる。従って、先端部分の長さは、ある程度小さくする必要がある。特許文献1に記載された技術では、研磨終了位置が変化して先端部分の長さが変化すると、記録磁界の大きさが変化する。このことは、特に、先端部分の長さが小さいほど顕著になる。そのため、特許文献1に記載された技術では、均質な磁気ヘッドを量産することが難しいという問題点がある。
また、特許文献2に記載された技術では、1枚の基板(ウェハ)に対して多数の磁気ヘッド素子を形成する過程で、磁極層の形状を決定する。そのため、この技術でも、特許文献1に記載された技術と同様に、研磨によって媒体対向面を形成する際に、研磨終了位置が変化して磁極層の先端部分の長さが変化すると、記録磁界の大きさが変化する。従って、この技術でも、均質な磁気ヘッドを量産することが難しいという問題点がある。また、特許文献2に記載された技術では、1枚の基板(ウェハ)に対して多数の磁気ヘッド素子を形成する過程で、イオンビームエッチングによって、磁極層となる磁性層をパターニングする。そのため、この技術では、磁極層の幅のばらつきが大きくなるという問題点がある。また、この技術では、磁性層をパターニングする際に、磁性層は、その下地によってのみ支持されているため、磁極層の形成後に、磁極層が倒壊したり変形したりするおそれがあるという問題点がある。
特許文献3、4に記載された各技術は、いずれも、エッチングによって媒体対向面に凹部または溝を形成する。この凹部または溝の形成は、例えば、前述のヘッド集合体に対して行われる。この場合、凹部または溝の形成方法としては、特許文献4に記載されているように集束イオンビームエッチングを用いて個々のヘッド予定部毎に凹部または溝を形成する方法と、ヘッド集合体に含まれる複数のヘッド予定部の媒体対向面の上に、フォトリソグラフィを用いてエッチングマスクを形成した後、複数のヘッド予定部に対して一括して凹部または溝を形成する方法とが考えられる。しかしながら、前者の場合には、凹部または溝の形成に多くの時間を要するため、量産に適さないという問題点がある。また、後者の場合には、フォトリソグラフィにおける光学的な限界を超えてトラック幅を小さくすることができないという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、トラック幅を小さくしながら十分な記録磁界を発生させることができ、更に隣接トラック消去を防止することができ、且つ均質で量産に適した垂直磁気記録用磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに垂直磁気記録用磁気ヘッドを有するヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置を提供することにある。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、
記録媒体に対向する媒体対向面と、
記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイルと、
コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層と、
コイルおよび磁極層が積層される基板とを備えている。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、磁極層は、媒体対向面に垂直な方向に沿って媒体対向面側から順に配置された第1の部分、第2の部分および第3の部分を有している。第2の部分の幅は第1の部分の幅よりも大きく、第3の部分の幅は第2の部分の幅よりも大きい。第1の部分は、媒体対向面の一部を構成する端面を有し、第2の部分は、媒体対向面の他の一部を構成する端面を有している。第1の部分は、第2の部分の端面よりも記録媒体側に突出している。第1の部分の端面における基板から遠い辺はトラック幅を規定している。第1の部分の端面の幅は、基板に近づくに従って小さくなっている。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、第1の部分における基板から遠い面に接するように配置された非磁性層を備え、第1の部分は、媒体対向面のうち第1の部分および非磁性層によって構成される部分を除いた全ての部分よりも記録媒体側に突出していてもよい。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法は、
基板に対して複数のコイルと複数の磁極層となる磁性層とを形成して、それぞれ後に磁気ヘッドとなるヘッド予定部が複数列に配列された磁気ヘッド用基礎構造物を作製する工程と、
基礎構造物における複数のヘッド予定部を互いに分離して、複数の磁気ヘッドを作製する工程とを備えている。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法において、磁性層は、磁極層の第1および第2の部分となる幅細部と、磁極層の第3の部分となる幅広部とを有している。磁気ヘッドを作製する工程は、基礎構造物を、媒体対向面となる領域の近傍で切断して、複数のヘッド予定部を含むヘッド集合体を作製する工程と、ヘッド集合体において、基礎構造物を切断することによって形成された面を研磨する工程と、研磨する工程において研磨された面に対してエッチングを行って、幅細部の一部を、エッチングによって形成された面よりも突出させる第1のエッチング工程と、第1のエッチング工程の後に、幅細部のうちの突出した部分の一部をエッチングして、第1の部分と第2の部分とを形成する第2のエッチング工程とを含んでいる。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法において、第2のエッチング工程は、イオンビームの中心の進行方向が研磨する工程において研磨された面に対してなす角度が−10〜30°の範囲内となるイオンミリング(イオンビームエッチング)を用いてもよい。この場合、磁気ヘッド用基礎構造物を作製する工程は、幅細部のうちの少なくとも第1の部分となる部分の上に非磁性層を形成する工程を含み、第1のエッチング工程は、幅細部の一部と共に非磁性層も突出させ、第2のエッチング工程は、非磁性層をエッチングマスクとして用いて、幅細部のうちの突出した部分の一部をエッチングしてもよい。
本発明のヘッドジンバルアセンブリは、本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションとを備えたものである。
本発明のヘッドアームアセンブリは、本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションと、スライダを記録媒体のトラック横断方向に移動させるためのアームとを備え、サスペンションがアームに取り付けられたものである。
本発明の磁気ディスク装置は、本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを支持すると共に記録媒体に対して位置決めする位置決め装置とを備えたものである。
本発明に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドまたはその製造方法、もしくはヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリまたは磁気ディスク装置によれば、磁極層が第1の部分、第2の部分および第3の部分を有していることから、トラック幅を小さくしながら十分な記録磁界を発生させることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、第1の部分の端面の幅が、基板に近づくに従って小さくなっていることから、隣接トラック消去を防止することができるという効果を奏する。また、本発明では、第1の部分は、媒体対向面の一部を構成する端面を有し、第2の部分は、媒体対向面の他の一部を構成する端面を有し、第1の部分は、第2の部分の端面よりも記録媒体側に突出している。従って、本発明では、エッチングによって第1の部分の形状を決定することが容易である。これにより、本発明によれば、均質で量産に適した垂直磁気記録用磁気ヘッドを実現することができるという効果を奏する。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法では、磁気ヘッドを作製する工程は、基礎構造物を、媒体対向面となる領域の近傍で切断して、複数のヘッド予定部を含むヘッド集合体を作製する工程と、ヘッド集合体において、基礎構造物を切断することによって形成された面を研磨する工程と、研磨する工程において研磨された面に対してエッチングを行って、幅細部の一部を、エッチングによって形成された面よりも突出させる第1のエッチング工程と、第1のエッチング工程の後に、幅細部のうちの突出した部分の一部をエッチングして、第1の部分と第2の部分とを形成する第2のエッチング工程とを含んでいる。従って、本発明では、ヘッド集合体に含まれる複数のヘッド予定部について一括して、研磨する工程、第1のエッチング工程および第2のエッチング工程を行って、第1の部分と第2の部分とを形成することができる。これにより、本発明によれば、均質な垂直磁気記録用磁気ヘッドを量産することができるという効果を奏する。
また、本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法において、第2のエッチング工程は、イオンビームの中心の進行方向が研磨する工程において研磨された面に対してなす角度が−10〜30°の範囲内となるイオンミリングを用いてもよい。この場合には、第1のエッチング工程においてエッチングによって形成された面の平坦性を損なわずに、幅細部のうちの突出した部分の一部をエッチングすることが可能になるという効果を奏する。
また、本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法において、第2のエッチング工程が、イオンビームの中心の進行方向が研磨する工程において研磨された面に対してなす角度が−10〜30°の範囲内となるイオンミリングを用いる場合には、磁気ヘッド用基礎構造物を作製する工程は、幅細部のうちの少なくとも第1の部分となる部分の上に非磁性層を形成する工程を含み、第1のエッチング工程は、幅細部の一部と共に非磁性層も突出させ、第2のエッチング工程は、非磁性層をエッチングマスクとして用いて、幅細部のうちの突出した部分の一部をエッチングしてもよい。この場合には、第1のエッチング工程においてエッチングによって形成された面の平坦性を損なわずに、幅細部のうちの突出した部分の一部をエッチングすることが可能になると共に、第1の部分を容易に形成することが可能になるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図4および図5を参照して、本発明の一実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの構成について説明する。図4は本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図4は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。また、図4において記号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を表している。図5は、本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。
図4および図5に示したように、本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッド(以下、単に磁気ヘッドと記す。)は、アルティック(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1と、この基板1の上に配置されたアルミナ(Al23)等の絶縁材料よりなる絶縁層2と、この絶縁層2の上に配置された磁性材料よりなる下部シールド層3と、この下部シールド層3の周囲に配置されたアルミナ等の絶縁材料よりなる絶縁層21とを備えている。下部シールド層3および絶縁層21の上面は平坦化されている。
磁気ヘッドは、更に、下部シールド層3および絶縁層21の上に配置されたアルミナ等の絶縁材料よりなる絶縁層4と、下部シールド層3の上に絶縁層4を介して配置された再生素子としてのMR(磁気抵抗効果)素子5と、このMR素子5の上に絶縁層4を介して配置された磁性材料よりなる上部シールド層6と、この上部シールド層6の周囲に配置されたアルミナ等の絶縁材料よりなる絶縁層22とを備えている。上部シールド層6および絶縁層22の上面は平坦化されている。下部シールド層3および上部シールド層6を構成する磁性材料としては、例えばNiFeが用いられる。下部シールド層3および上部シールド層6の厚みは、それぞれ例えば1〜2μmである。
MR素子5の一端部は、記録媒体に対向する媒体対向面(エアベアリング面)ABSに配置されている。MR素子5には、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。GMR素子としては、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ平行な方向に流すCIP(Current In Plane)タイプでもよいし、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ垂直な方向に流すCPP(Current Perpendicular to Plane)タイプでもよい。
磁気ヘッドは、更に、上部シールド層6および絶縁層22の上に配置されたアルミナ等の非磁性材料よりなる非磁性層7と、この非磁性層7の上に配置された磁性材料よりなる補助磁極層8と、この補助磁極層8の周囲に配置されたアルミナ等の絶縁材料よりなる絶縁層23とを備えている。補助磁極層8および絶縁層23の上面は平坦化されている。補助磁極層8を構成する磁性材料としては、例えばNiFeが用いられる。補助磁極層8の厚みは例えば1〜5μmである。
磁気ヘッドは、更に、補助磁極層8および絶縁層23の上において薄膜コイル10を配置すべき位置に形成された絶縁層9Aと、この絶縁層9Aの上に配置された薄膜コイル10と、少なくとも薄膜コイル10の巻線間に充填され、媒体対向面ABSに露出しない絶縁層9Bとを備えている。薄膜コイル10は、平面渦巻き形状をなしている。絶縁層9Bは、薄膜コイル10の全体を覆うように形成されている。
絶縁層9Aは、アルミナ等の非導電性且つ非磁性の材料よりなり、その厚みは例えば0.1〜1μmである。薄膜コイル10は、銅等の導電性の材料よりなり、その巻線の厚みは例えば0.3〜2μmである。薄膜コイル10の巻数は任意であり、巻線のピッチも任意である。絶縁層9Bは、形成時に流動性を有する非導電性且つ非磁性の材料よりなる。具体的には、絶縁層9Bは、例えば、フォトレジスト(感光性樹脂)のような有機系の非導電性非磁性材料によって形成してもよいし、塗布ガラスよりなるスピンオングラス(SOG)膜で形成してもよい。
磁気ヘッドは、更に、絶縁層9Aおよび絶縁層9Bの上に配置され、媒体対向面ABSに露出する絶縁層9Cを備えている。絶縁層9Cは、絶縁層9Bよりも耐食性、剛性および絶縁性が優れた非導電性且つ非磁性の材料よりなる。このような材料としては、アルミナやシリコン酸化物(SiO2)等の無機系の非導電性非磁性材料を用いることができる。絶縁層9A〜9Cは、補助磁極層8と磁極層12との間に設けられるギャップ層9を構成する。媒体対向面ABSにおけるギャップ層9の厚みは、例えば2〜5μmである。
磁気ヘッドは、更に、磁性材料よりなる連結層11を備えている。連結層11は、補助磁極層8と後述する磁極層12とを磁気的に連結する。また、連結層11は、薄膜コイル10の中心の位置に配置されている。絶縁層9Cおよび連結層11の上面は平坦化されている。連結層11の厚みは、例えば2〜5μmである。連結層11を構成する磁性材料としては、例えば鉄を含む合金が用いられる。
磁気ヘッドは、更に、絶縁層9Cおよび連結層11の上に配置された磁極層12と、この磁極層12の上に配置された非磁性層13およびヨーク層14と、ヨーク層14の周囲に配置されたアルミナ等の絶縁材料よりなる絶縁層24とを備えている。非磁性層13は非磁性材料によって構成され、ヨーク層14は磁性材料によって構成されている。ヨーク層14および絶縁層24の上面は平坦化されている。磁極層12の一端部は、媒体対向面ABSに露出している。磁極層12の形状は、後で詳しく説明する。非磁性層13は、磁極層12の一部の上に配置され、非磁性層13の一端部は、媒体対向面ABSに露出している。ヨーク層14は、媒体対向面ABSから離れた位置において、磁極層12の上に配置されている。
磁極層12を構成する磁性材料としては、例えばNiFe(パーマロイ)が用いられる。磁極層12の厚みは、例えば0.1〜0.5μmである。非磁性層13を構成する非磁性材料としては、例えばTaが用いられる。非磁性層13の厚みは、例えば0.1〜0.5μmである。ヨーク層14を構成する磁性材料としては、例えばNiFe(パーマロイ)が用いられる。ヨーク層14の厚みは、例えば1〜2μmである。
磁気ヘッドは、更に、アルミナ等の非導電性且つ非磁性の材料よりなり、ヨーク層14および絶縁層24を覆うように配置された保護層15と、この保護層15の上に配置された複数の端子16とを備えている。
以上説明したように、本実施の形態に係る磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面ABSと、基板1と、この基板1上に積層された再生ヘッドおよび記録ヘッドを備えている。再生ヘッドは記録媒体の進行方向Tの後側(スライダにおける空気流入端側)に配置され、記録ヘッドは記録媒体の進行方向Tの前側(スライダにおける空気流出端側)に配置されている。
再生ヘッドは、再生素子としてのMR素子5と、媒体対向面ABS側の一部がMR素子5を挟んで対向するように配置された、MR素子5をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層6と、MR素子5と下部シールド層3との間およびMR素子5と上部シールド層6との間に設けられた絶縁層4とを備えている。
記録ヘッドは、補助磁極層8、ギャップ層9、薄膜コイル10、連結層11、磁極層12、非磁性層13およびヨーク層14を備えている。薄膜コイル10は、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する。磁極層12は、媒体対向面ABSに配置された端面を有し、薄膜コイル10によって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する。補助磁極層8は、媒体対向面ABSに配置された端面を有している。媒体対向面ABSにおいて、補助磁極層8の端面は、磁極層12の端面に対して、所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向Tの後側(スライダにおける空気流入端側)に配置されている。ギャップ層9は、非磁性材料よりなり、磁極層12と補助磁極層8との間に設けられている。連結層11は、媒体対向面ABSから離れた位置において、磁極層12と補助磁極層8とを連結している。薄膜コイル10の少なくとも一部は、磁極層12、補助磁極層8および連結層11に対して絶縁された状態で、磁極層12と補助磁極層8との間に配置されている。磁極層12、補助磁極層8、連結層11およびヨーク層14は、薄膜コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させる磁路を構成する。
次に、図1ないし図3を参照して、磁極層12および非磁性層13の形状について詳しく説明する。図1は、磁極層12および非磁性層13のうちの媒体対向面の近傍における部分を示す斜視図である。図2は、磁極層12を示す平面図である。図3は、媒体対向面に配置された磁極層12の端面を示す正面図である。
図2に示したように、磁極層12は、媒体対向面ABSに垂直な方向に沿って媒体対向面ABS側から順に配置された第1の部分12A、第2の部分12Bおよび第3の部分12Cを有している。図2において、磁極層12中の2本の破線は、部分12A、12Bの境界面と、部分12B、12Cの境界面を表している。第2の部分12Bの幅は第1の部分12Aの幅よりも大きい。第3の部分12Cの幅は第2の部分12Bの幅よりも大きい。なお、部分12A、12B、12Cの幅とは、それぞれ、部分12A、12B、12Cのトラック幅方向の長さを言う。第1の部分12Aは、媒体対向面ABSの一部を構成する端面31を有している。第2の部分12Bは、媒体対向面ABSの他の一部を構成する端面32を有している。第1の部分12Aは、第2の部分12Bの端面32よりも記録媒体側(図2における左側)に突出している。従って、端面31と端面32との間には、端面32よりも端面31の方が記録媒体に近づくように段差が形成されている。
図3に示したように、第1の部分12Aの端面31は、基板1から遠い第1の辺A1と、第1の辺A1とは反対側の第2の辺A2と、第1の辺A1の一端と第2の辺A2の一端とを結ぶ第3の辺A3と、第1の辺A1の他端と第2の辺A2の他端とを結ぶ第4の辺A4とを有する台形形状をなしている。第1の辺A1は、トラック幅を規定する。端面31の幅は、第2の辺A2に近づくに従って、すなわち基板1に近づくに従って小さくなっている。なお、第1の部分12Aの端面31の形状は、第2の辺A2のない三角形形状であってもよい。
図1に示したように、非磁性層13は、磁極層12のうちの少なくとも第1の部分12Aにおける基板1から遠い面に接するように配置されている。また、図1および図2に示したように、第1の部分12Aは、媒体対向面ABSのうち第1の部分12Aおよび非磁性層13によって構成される部分を除いた全ての部分(以下、主要面と言う。)33よりも記録媒体側に突出している。
なお、図1および図2に示した例では、第2の部分12Bの端面32は、主要面33に対して傾いた斜面になって、主要面33よりもわずかに記録媒体側に配置されている。しかし、端面32は、主要面33と平行で、主要面33と同一高さの位置に配置されていてもよい。
本実施の形態では、図2に示したように、部分12B、12Cの境界面と主要面33との間の距離をネックハイトと呼び、記号NHで表す。このネックハイトNHの大きさは、記録磁界の大きさに影響を与える。
次に、本実施の形態に係る磁気ヘッドの作用について説明する。この磁気ヘッドでは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。記録ヘッドにおいて、薄膜コイル10は、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する。補助磁極層8、連結層11、磁極層12およびヨーク層14は、薄膜コイル10が発生する磁界に対応した磁束を通過させる磁路を形成する。磁極層12は、薄膜コイル10によって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する。
次に、本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法について説明する。本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法は、磁気ヘッド用基礎構造物を作製する工程と、複数の磁気ヘッドを作製する工程とを備えている。磁気ヘッド用基礎構造物を作製する工程は、基板1に対して、複数のコイル10、複数の磁極層12となる磁性層、および複数の磁気ヘッドのその他の構成要素を形成して、それぞれ後に磁気ヘッドとなるヘッド予定部が複数列に配列された磁気ヘッド用基礎構造物を作製する。複数の磁気ヘッドを作製する工程は、基礎構造物における複数のヘッド予定部を互いに分離して、複数の磁気ヘッドを作製する。
始めに、図6ないし図12を参照して、磁気ヘッド用基礎構造物を作製する工程について説明する。図6ないし図10は、それぞれ、磁気ヘッドの製造過程における積層体の、媒体対向面および基板に垂直な断面を示している。図11は、磁気ヘッド用基礎構造物の平面図である。図12は、磁気ヘッド用基礎構造物に含まれる、磁極層となる磁性層を示す平面図である。
磁気ヘッド用基礎構造物を作製する工程では、まず、図6に示したように、基板1の上に絶縁層2を形成する。次に、絶縁層2の上に下部シールド層3を形成する。次に、下部シールド層3を覆うように絶縁層21を形成する。次に、例えば化学機械研磨(以下、CMPと記す。)によって、下部シールド層3が露出するまで絶縁層21を研磨して、下部シールド層3および絶縁層21の上面を平坦化する。次に、下部シールド層3および絶縁層21の上に、絶縁層4の一部となる絶縁膜を形成し、この絶縁膜の上にMR素子5と、このMR素子5に接続される図示しないリードとを形成する。次に、MR素子5およびリードを、絶縁層4の他の一部となる新たな絶縁膜で覆い、MR素子5およびリードを絶縁層4内に埋設する。次に、絶縁層4の上に上部シールド層6を形成する。次に、上部シールド層6を覆うように絶縁層22を形成する。次に、例えばCMPによって、上部シールド層6が露出するまで絶縁層22を研磨して、上部シールド層6および絶縁層22の上面を平坦化する。
図7は、次の工程を示す。この工程では、まず、上部シールド層6および絶縁層22の上に非磁性層7を形成する。次に、非磁性層7の上に補助磁極層8を形成する。次に、補助磁極層8を覆うように絶縁層23を形成する。次に、例えばCMPによって、補助磁極層8が露出するまで絶縁層23を研磨して、補助磁極層8および絶縁層23の上面を平坦化する。なお、非磁性層7を設けずに、上部シールド層6および補助磁極層8の代わりに、これらを兼ねた1つの磁性層を設けてもよい。
図8は、次の工程を示す。この工程では、まず、補助磁極層8および絶縁層23の上に絶縁層9Aを形成する。次に、後に形成する薄膜コイル10の中心部分において、絶縁層9Aを部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。次に、絶縁層9Aの上に薄膜コイル10を形成する。次に、コンタクトホールが形成された位置において、補助磁極層8の上に連結層11を形成する。なお、連結層11を形成した後に薄膜コイル10を形成してもよい。次に、少なくとも薄膜コイル10の巻線間に充填されるように絶縁層9Bを形成する。次に、絶縁層9A、絶縁層9Bおよび連結層11を覆うように絶縁層9Cを形成する。次に、例えばCMPによって連結層11が露出するまで絶縁層9Cを研磨して、絶縁層9Cおよび連結層11の上面を平坦化する。
図9は、次の工程を示す。この工程では、まず、絶縁層9Cおよび連結層11の上に、磁極層12となる磁性層12Pを形成する。図12に示したように、磁性層12Pは、磁極層12の第1の部分12Aおよび第2の部分12Bとなる幅細部12PAと、磁極層12の第3の部分12Cとなる幅広部12PBとを有している。幅細部12PAは、第2の部分12Bの幅と等しい一定の幅を有している。幅広部12PBの形状は、第3の部分12Cの形状と同じである。
磁性層12Pは、例えば、フレームめっき法によって形成してもよいし、めっき法またはスパッタ法によって、パターニングしていない磁性層を形成した後、この磁性層をエッチングによってパターニングして形成してもよい。
次に、幅細部12PAのうちの少なくとも第1の部分12Aとなる部分の上に非磁性層13を形成する。非磁性層13Pは、例えばリフトオフ法によって形成してもよいし、スパッタ法によってパターニングしていない非磁性層を形成した後、この非磁性層をエッチングによってパターニングして形成してもよい。
次に、幅広部12PBの上にヨーク層14を形成する。ヨーク層14は、例えばフレームめっき法によって形成される。次に、磁性層12P、非磁性層13およびヨーク層14を覆うように絶縁層24を形成する。次に、例えばCMPによって、ヨーク層14が露出するまで絶縁層24を研磨して、ヨーク層14および絶縁層24の上面を平坦化する。
図10は、次の工程を示す。この工程では、まず、ヨーク層14および絶縁層24を覆うように保護層15を形成する。次に、保護層15の上に配線や端子16等を形成して、磁気ヘッド用基礎構造物が完成する。
図11は、磁気ヘッド用基礎構造物を作製する工程によって作製された磁気ヘッド用基礎構造物310を示している。この磁気ヘッド用基礎構造物310は、複数列に配列されたヘッド予定部311を含んでいる。
次に、図11ないし図25を参照して、磁気ヘッドを作製する工程について説明する。磁気ヘッドを作製する工程では、まず、磁気ヘッド用基礎構造物310を、媒体対向面ABSとなる領域の近傍の位置、すなわち図11および図12において符号312を付した一点鎖線で示した位置で切断して、1列または複数列に配列された複数のヘッド予定部311を含むヘッド集合体313を作製する。
図13は、次の工程を説明するためのヘッド集合体313の断面図である。この工程では、ヘッド集合体313において、基礎構造物310を切断することによって形成された面(図13において下側の面)を研磨する。この研磨は、例えば、回転する定盤40の上面にヘッド集合体313の上記の面が接触させることによって行われる。また、この研磨は、ヘッド集合体313に含まれる複数のMR素子5の抵抗値を検出しながら、複数のヘッド予定部311におけるMRハイトが等しくなるように行う。なお、MRハイトとは、媒体対向面ABSに垂直な方向についてのMR素子5の長さを言う。
図14は、次の工程を説明するためのヘッド集合体313の断面図である。この工程では、ヘッド集合体313において、図13に示した工程によって研磨された面(図14において上側の面。以下、研磨面と言う。)41の上に、マスク42を形成する。マスク42は、研磨面41のうち、磁性層12Pおよび非磁性層13の各端面とそれらの周辺の領域を露出させる開口部を有している。マスク42は、例えば、フォトレジストをフォトリソグラフィによってパターニングすることによって形成される。
図15は、次の工程を説明するためのヘッド集合体313の断面図である。図16は、図15における幅細部12PAおよび非磁性層13の各端面の近傍を拡大して示す断面図である。この工程では、ヘッド集合体313の研磨面41のうち、マスク42の開口部から露出した部分に対してエッチングを行って、幅細部12PAの一部と非磁性層13の一部を、エッチングによって形成された面43よりも突出させる。このエッチングは、例えば反応性イオンエッチングまたは化学エッチングを用いて行い、且つ磁性層12Pおよび非磁性層13に比べて絶縁層9C,24のエッチング速度が大きくなる条件で行う。
図17は、次の工程を説明するためのヘッド集合体313の断面図である。図18は、図17における幅細部12PAおよび非磁性層13の各端面の近傍を拡大して示す断面図である。この工程では、ヘッド集合体313において、幅細部12PAおよび非磁性層13の突出した部分と、この突出した部分の周辺における面43の少なくとも一部とを覆うように、マスク44を形成する。マスク44は、例えば、フォトレジストをフォトリソグラフィによってパターニングすることによって形成される。
図19は、次の工程を説明するためのヘッド集合体313の断面図である。図20は、図19における幅細部12PAおよび非磁性層13の各端面の近傍を拡大して示す断面図である。この工程では、ヘッド集合体313において、研磨面41をエッチングする。このエッチングは、このエッチングによって形成された面が面43と同一高さの位置に配置されるように行う。このエッチングは、例えばイオンミリングを用いて行う。このエッチングによって形成された面と面43は、媒体対向面ABSの主要面33となる。この工程によって、幅細部12PAの一部と非磁性層13の一部は、主要面33よりも突出することになる。図14ないし図20に示した一連の工程を、第1のエッチング工程と呼ぶ。
図21は、次の工程を説明するためのヘッド集合体313の断面図である。図22は、図21における幅細部12PAおよび非磁性層13の各端面の近傍を拡大して示す断面図である。図23は、図22における幅細部12PAおよび非磁性層13の各端面を示す平面図である。この工程では、非磁性層13をエッチングマスクとして用いて、幅細部12PAのうちの突出した部分の一部をエッチングする。このエッチングは、例えばイオンミリングを用いて行う。このエッチング工程を、第2のエッチング工程と呼ぶ。
図21ないし図23において、矢印は、イオンミリングにおけるイオンビームの中心の進行方向を表している。第2のエッチング工程では、イオンビームが非磁性層13側から幅細部12PA側へ進行するようにエッチングを行う。図22に示したように、イオンビームの中心の進行方向が研磨面41に対してなす角度θ1は、−10〜30°の範囲内であることが好ましい。主要面33の平坦性を損なわずに、幅細部12PAのうちの突出した部分の一部をエッチングするために、角度θ1は0°に近いことが好ましい。なお、角度θ1における正負の符号は、イオンビームの中心が研磨面41の上方から研磨面41に向かう場合を正とし、逆の場合を負とする。ここで、角度θ1の好ましい範囲内に負の値が含まれることについて説明する。イオンミリング装置におけるイオンガンのイオン出射部はある大きさを有することから、イオンミリングにおけるイオンビームは、ある太さを有すると共に、イオンビームの進行方向は、イオンビームの中心の進行方向を中心とした、ある広がりを有する。そのため、角度θ1が負の値であっても、イオンビームは、研磨面41に対してなす角度が0°以上となる成分を有する場合がある。この場合、イオンビームは、非磁性層13および幅細部12PAの突出した部分に入射する。更に、非磁性層13および幅細部12PAの突出した部分は、主要面33よりも突出していることから、研磨面41に対してなす角度が0°に近い負の値となるイオンビームは、非磁性層13および幅細部12PAの突出した部分に入射し得る。これらのことから、角度θ1は、0に近ければ負の値であってもよい。
また、図23に示したように、幅細部12PAおよび非磁性層13の各端面を上から見たときに、イオンビームの中心の進行方向が、幅細部12PAと非磁性層13との界面に垂直な方向に対してなす角度θ2は、−30〜30°の範囲内で変化させることが好ましい。なお、角度θ2における正負の符号は、イオンビームの中心が図23における左側から右側に進行する場合を負とし、逆の場合を正とする。
図21ないし図23は、第2のエッチング工程の初期段階を表している。図24および図25は、第2のエッチング工程の完了段階を表している。図24は、磁極層12および非磁性層13の各端面の近傍を示す断面図である。図25は、図24における磁極層12および非磁性層13の各端面を示す平面図である。図24および図25に示したように、第2のエッチング工程では、幅細部12PAのうちの突出した部分の一部がエッチングされることにより、磁極層12の第1の部分12Aと第2の部分12Bとが形成される。すなわち、幅細部12PAのうちの突出した部分は、一部がエッチングされて第1の部分12Aとなり、幅細部12PAのうちの残りの部分は第2の部分12Bとなる。
第2のエッチング工程では、イオンビームの中心の進行方向を前述のように設定することにより、幅細部12PAおよび非磁性層13の突出した部分の幅が狭められると共に、幅細部12PAの突出した部分において、非磁性層13から遠い部分ほど多くエッチングされる。その結果、媒体対向面ABSの一部を構成する第1の部分12Aの端面31の形状は、非磁性層13に接する辺よりも反対側の辺が短い台形形状となる。なお、第2のエッチング工程では、端面31の形状を、非磁性層13に接する辺とは反対側の辺のない三角形形状とすることも可能である。
なお、主要面33のうち、第2のエッチング工程においてエッチングされることを防止したい部分には、第2のエッチング工程の前にフォトレジスト等による被覆層を被せておいてもよい。
次に、媒体対向面ABSに、例えばエッチングによって浮上用のレールを形成する。次に、媒体対向面ABSが形成された各ヘッド予定部311が互いに分離されるように、ヘッド集合体313を切断する。これにより、磁気ヘッドを含むスライダが完成する。ヘッド集合体313が、複数列に配列された複数のヘッド予定部311を含んでいた場合には、媒体対向面ABSが形成された1列分のヘッド予定部311が分離されるように、ヘッド集合体313を切断した後、ヘッド集合体313の残りの部分について、図13ないし図25に示した工程を実行する。
以上説明したように、本実施の形態では、磁極層12は、第1の部分12A、第2の部分12Bおよび第3の部分12Cを有している。第2の部分12Bの幅は第1の部分12Aの幅よりも大きく、第3の部分12Cの幅は第2の部分12Bの幅よりも大きい。すなわち、磁極層12の幅は、媒体対向面ABSに近づくに従って段階的に小さくなる。これにより、本実施の形態によれば、トラック幅を小さくしながら十分な記録磁界を発生させることができる。以下、このことを、シミュレーションの結果を参照して、具体的に説明する。
このシミュレーションでは、第1および第2の比較例における磁極層のモデルと、本実施の形態における磁極層のモデルとについて、記録媒体の表面の位置における記録磁界を求めた。図26は、第1の比較例における磁極層の形状を表している。図28は、第2の比較例における磁極層の形状を表している。図30は、本実施の形態における磁極層の形状を表している。図26、図28および図30において、符号50は記録媒体を示している。また、図26、図28および図30において、左右方向がトラック幅方向である。
図26に示した第1の比較例における磁極層は、記録媒体50に対向する端面53を有する先端部分52を含んでいる。先端部分52の幅は一定である。端面53は、媒体対向面の一部を構成している。先端部分52の一部は、媒体対向面のうち、磁極層によって構成される部分を除いた全ての部分54よりも記録媒体50側に突出している。
図28に示した第2の比較例における磁極層は、先端部分55を含んでいる。先端部分55の形状は、図26に示した第1の比較例における先端部分52のトラック幅方向の両側の角部を面取りした形状になっている。従って、先端部分55における記録媒体50に対向する面は、記録媒体50の面に平行な端面56Aと、この端面56Aのトラック幅方向の両側に配置された2つの斜面56Bとを含んでいる。端面56Aおよび斜面56Bは、媒体対向面の一部を構成している。先端部分55の一部は、媒体対向面のうち、磁極層によって構成される部分を除いた全ての部分54よりも記録媒体50側に突出している。
図30に示した本実施の形態における磁極層は、既に説明した通り、第1の部分12Aと第2の部分12Bとを有している。第1の部分12Aは、媒体対向面のうち、磁極層によって構成される部分を除いた全ての部分54よりも記録媒体50側に突出している。
図26における先端部分52の幅、図28における先端部分55の最大の幅および図30における第2の部分12Bの幅は等しい。また、図26における端面53と記録媒体50との間の距離、図28における端面56Aと記録媒体50との間の距離、および図30における端面31と記録媒体50との間の距離は等しい。
図27は、図26に示した磁極層を用いた場合におけるトラック幅方向の位置と記録磁界の大きさとの関係を表している。図29は、図28に示した磁極層を用いた場合におけるトラック幅方向の位置と記録磁界の大きさとの関係を表している。図31は、図30に示した磁極層を用いた場合におけるトラック幅方向の位置と記録磁界の大きさとの関係を表している。図27、図29および図31において、横軸はトラック幅方向の位置を表し、縦軸は記録磁界の大きさを表している。なお、図27、図29および図31における横軸、横軸の各数値の単位は、共に任意単位である。
ここで、図27、図29および図31に示した記録磁界の大きさの変化を表す各曲線における半値幅を比較する。図27に示した曲線における半値幅は2.4(任意単位)であり、図29に示した曲線における半値幅は2.0(任意単位)であり、図31に示した曲線における半値幅は1.8(任意単位)である。このことから、図30に示した本実施の形態における磁極層によれば、図26および図28に示した各比較例における磁極層に比べて、実効的なトラック幅が小さくなることが分かる。また、図31に示した曲線におけるピーク値は、図27および図29に示した各曲線におけるピーク値よりも大きい。これらのことから、本実施の形態によれば、トラック幅を小さくしながら十分な記録磁界を発生させることができることが分かる。
以下、本実施の形態におけるその他の特徴について説明する。まず、本実施の形態では、磁極層12の第1の部分12Aの端面31の幅が、基板1に近づくに従って小さくなっている。これにより、本実施の形態によれば、隣接トラック消去を防止することができる。
また、本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、第1の部分12Aは、第2の部分12Bの端面32よりも記録媒体側に突出している。従って、本実施の形態では、エッチングによって第1の部分12Aの形状を決定することが容易である。これにより、本実施の形態によれば、均質で量産に適した磁気ヘッドを実現することが可能になる。
また、本実施の形態では、フォトリソグラフィによって第1の部分12Aの形状を決定するのではなく、エッチングによって第1の部分12Aの形状を決定している。従って、本実施の形態によれば、フォトリソグラフィにおける光学的な限界を超えてトラック幅を小さくすることができる。
また、本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法は、ヘッド予定部311が複数列に配列された磁気ヘッド用基礎構造物310(図11参照)を作製する工程と、基礎構造物310における複数のヘッド予定部311を互いに分離して、複数の磁気ヘッドを作製する工程とを備えている。磁気ヘッドを作製する工程は、基礎構造物310を、媒体対向面ABSとなる領域の近傍で切断して、複数のヘッド予定部311を含むヘッド集合体313を作製する工程(図11参照)と、ヘッド集合体313において、基礎構造物310を切断することによって形成された面を研磨する工程(図13参照)と、研磨する工程において研磨された面に対してエッチングを行って、幅細部12PAの一部を、エッチングによって形成された面よりも突出させる第1のエッチング工程(図14ないし図20参照)と、第1のエッチング工程の後に、幅細部12PAのうちの突出した部分の一部をエッチングして、第1の部分12Aと第2の部分12Bとを形成する第2のエッチング工程(図21ないし図25参照)とを含んでいる。従って、本実施の形態では、ヘッド集合体313に含まれる複数のヘッド予定部311について一括して、研磨する工程、第1のエッチング工程および第2のエッチング工程を行って、第1の部分12Aと第2の部分12Bとを形成することができる。これにより、本実施の形態によれば、均質な磁気ヘッドを量産することが可能になる。
また、本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法では、幅細部12PAの一部をエッチングすることによって第1の部分12Aと第2の部分12Bを形成する。従って、本実施の形態では、基礎構造物310を作製する工程において、幅細部12PAの長さをある程度大きく形成することができる。そのため、本実施の形態によれば、幅細部12PAを精度よく形成することができる。また、本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法では、媒体対向面ABSの主要面33は、第1のエッチング工程によって形成される。この主要面33の位置は、第1のエッチング工程におけるエッチングの条件を制御することによって、正確に制御することができる。これらのことから、本実施の形態によれば、図2に示したネックハイトNHの大きさのばらつきを小さくすることができる。これにより、本実施の形態によれば、均質な磁気ヘッドを量産することが可能になる。
また、本実施の形態では、基礎構造物310を切断して形成されたヘッド集合体313において、エッチングによって磁極層12の形状を決定する。ヘッド集合体313は基礎構造物310よりも小さい。そのため、本実施の形態によれば、基礎構造物310を作製する過程でエッチングによって磁極層12の形状を決定する場合に比べて、エッチングによって決定される磁極層12の形状のばらつきは小さくなる。また、本実施の形態では、幅細部12PAの一部をエッチングすることによって第1の部分12Aと第2の部分12Bを形成する際に、磁性層12Pは、その周囲に配置された絶縁層9Cおよび絶縁層24によって強固に支持されている。従って、本実施の形態によれば、第1の部分12Aと第2の部分12Bを形成した後に、磁極層12が倒壊したり変形したりすることがない。これらのことから、本実施の形態によれば、磁極層12を精度よく形成することができる。
また、本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法において、第2のエッチング工程は、イオンビームの中心の進行方向が、研磨する工程において研磨された面(研磨面41)に対してなす角度θ1が−10〜30°の範囲内となるイオンミリングを用いてもよい。この場合には、第1のエッチング工程においてエッチングによって形成された面の平坦性を損なわずに、幅細部12PAのうちの突出した部分の一部をエッチングすることが可能になる。
更に、本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法において、基礎構造物310を作製する工程は、幅細部12PAのうちの少なくとも第1の部分12Aとなる部分の上に非磁性層13を形成する工程を含み、第1のエッチング工程は、幅細部12PAの一部と共に非磁性層13も突出させ、第2のエッチング工程は、非磁性層13をエッチングマスクとして用いて、幅細部12PAのうちの突出した部分の一部をエッチングする。これにより、本実施の形態によれば、台形形状または三角形形状の端面31を有する第1の部分12Aを、容易に形成することが可能になる。
また、本実施の形態によれば、第1の部分12Aに対して、記録媒体の進行方向Tの前側(スライダにおける空気流出端側)に非磁性層13が配置され、且つこの非磁性層13が第1の部分12Aに接している。そのため、第1の部分12Aにおける非磁性層13に接する面は平坦になる。これにより、本実施の形態によれば、記録媒体におけるビットパターン形状の歪みを抑えて、線記録密度を向上させることができる。
以下、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置について説明する。まず、図32を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。磁気ディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体である磁気ディスクに対向するように配置される。このスライダ210は、主に図4における基板1および保護層15からなる基体211を備えている。基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、磁気ディスクに対向するようになっている。この一面には、媒体対向面(エアベアリング面)ABSが形成されている。磁気ディスクが図32におけるZ方向に回転すると、磁気ディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図32におけるY方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によって磁気ディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図32におけるX方向は、磁気ディスクのトラック横断方向である。スライダ210の空気流出側の端部(図32における左下の端部)の近傍には、本実施の形態に係る磁気ヘッド100が形成されている。
次に、図33を参照して、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222、このロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。ベースプレート224は、スライダ210を磁気ディスク262のトラック横断方向Xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、このアーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
図33は、本実施の形態に係るヘッドアームアセンブリを示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
次に、図34および図35を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例と本実施の形態に係る磁気ディスク装置について説明する。図34は磁気ディスク装置の要部を示す説明図、図35は磁気ディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252とは反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、磁気ディスク装置に組み込まれる。磁気ディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚の磁気ディスク262を有している。各磁気ディスク262毎に、磁気ディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応し、スライダ210を支持すると共に磁気ディスク262に対して位置決めする。
本実施の形態に係る磁気ディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210を磁気ディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210を磁気ディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、磁気ディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、磁気ディスク262に記録されている情報を再生する。
本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置は、前述の本実施の形態に係る磁気ヘッドと同様の効果を奏する。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明は、磁極層12に対して記録媒体の進行方向Tの後側(スライダにおける空気流入端側)に補助磁極層8が配置された磁気ヘッドに限らず、磁極層12に対して記録媒体の進行方向Tの前側(スライダにおける空気流出端側)にシールド層が配置された磁気ヘッドにも適用することができる。
また、実施の形態では、基体側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
本発明の一実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの磁極層および非磁性層のうちの媒体対向面の近傍における部分を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの磁極層を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの磁極層の端面を示す正面図である。 本発明の一実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。 本発明の一実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法における一工程を示す断面図である。 図6に示した工程に続く工程を示す断面図である。 図7に示した工程に続く工程を示す断面図である。 図8に示した工程に続く工程を示す断面図である。 図9に示した工程に続く工程を示す断面図である。 本発明の一実施の形態における磁気ヘッド用基礎構造物の平面図である。 図11に示した磁気ヘッド用基礎構造物に含まれる、磁極層となる磁性層を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法においてヘッド集合体を研磨する工程を示す断面図である。 図13に示した工程に続く工程を示す断面図である。 図14に示した工程に続く工程を示す断面図である。 図15の一部を拡大して示す断面図である。 図15に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図17の一部を拡大して示す断面図である。 図17に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図19の一部を拡大して示す断面図である。 図19に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図21の一部を拡大して示す断面図である。 図22における幅細部および非磁性層の各端面を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法における第2のエッチング工程の完了段階を示す断面図である。 図24における磁極層および非磁性層の各端面を示す平面図である。 第1の比較例における磁極層の形状を表す説明図である。 図26に示した磁極層を用いた場合におけるトラック幅方向の位置と記録磁界の大きさとの関係を表す特性図である。 第2の比較例における磁極層の形状を表す説明図である。 図28に示した磁極層を用いた場合におけるトラック幅方向の位置と記録磁界の大きさとの関係を表す特性図である。 本発明の一実施の形態における磁極層の形状を表す説明図である。 図30に示した磁極層を用いた場合におけるトラック幅方向の位置と記録磁界の大きさとの関係を表す特性図である。 本発明の一実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ディスク装置の要部を説明するための説明図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ディスク装置の平面図である。
符号の説明
3…下部シールド層、4…絶縁層、5…MR素子、6…上部シールド層、7…非磁性層、8…補助磁極層、9…ギャップ層、10…薄膜コイル、11…連結層、12…磁極層、12A…第1の部分、12B…第2の部分、12C…第3の部分、13…非磁性層、24…絶縁層。

Claims (8)

  1. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    前記記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイルと、
    前記コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって前記情報を前記記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層と、
    前記コイルおよび磁極層が積層される基板とを備えた垂直磁気記録用磁気ヘッドであって、
    前記磁極層は、媒体対向面に垂直な方向に沿って媒体対向面側から順に配置された第1の部分、第2の部分および第3の部分を有し、
    前記第2の部分の幅は前記第1の部分の幅よりも大きく、
    前記第3の部分の幅は前記第2の部分の幅よりも大きく、
    前記第1の部分は、前記媒体対向面の一部を構成する端面を有し、
    前記第2の部分は、前記媒体対向面の他の一部を構成する端面を有し、
    前記第1の部分は、前記第2の部分の前記端面よりも前記記録媒体側に突出し、
    前記第1の部分の前記端面における前記基板から遠い辺はトラック幅を規定し、
    前記第1の部分の前記端面の幅は、前記基板に近づくに従って小さくなることを特徴とする垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  2. 更に、前記第1の部分における前記基板から遠い面に接するように配置された非磁性層を備え、
    前記第1の部分は、前記媒体対向面のうち前記第1の部分および非磁性層によって構成される部分を除いた全ての部分よりも前記記録媒体側に突出していることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  3. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    前記記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイルと、
    前記コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって前記情報を前記記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層と、
    前記コイルおよび磁極層が積層される基板とを備え、
    前記磁極層は、媒体対向面に垂直な方向に沿って媒体対向面側から順に配置された第1の部分、第2の部分および第3の部分を有し、
    前記第2の部分の幅は前記第1の部分の幅よりも大きく、
    前記第3の部分の幅は前記第2の部分の幅よりも大きく、
    前記第1の部分は、前記媒体対向面の一部を構成する端面を有し、
    前記第2の部分は、前記媒体対向面の他の一部を構成する端面を有し、
    前記第1の部分は、前記第2の部分の前記端面よりも前記記録媒体側に突出し、
    前記第1の部分の前記端面における前記基板から遠い辺はトラック幅を規定し、
    前記第1の部分の前記端面の幅は、前記基板に近づくに従って小さくなる垂直磁気記録用磁気ヘッドを製造する方法であって
    基板に対して複数の前記コイルと複数の前記磁極層となる磁性層とを形成して、それぞれ後に前記磁気ヘッドとなるヘッド予定部が複数列に配列された磁気ヘッド用基礎構造物を作製する工程と、
    前記基礎構造物における複数の前記ヘッド予定部を互いに分離して、複数の磁気ヘッドを作製する工程とを備え、
    前記磁性層は、前記磁極層の第1および第2の部分となる幅細部と、前記磁極層の第3の部分となる幅広部とを有し、
    前記磁気ヘッドを作製する工程は、
    前記基礎構造物を、前記媒体対向面となる領域の近傍で切断して、複数のヘッド予定部を含むヘッド集合体を作製する工程と、
    前記ヘッド集合体において、前記基礎構造物を切断することによって形成された面を研磨する工程と、
    前記研磨する工程において研磨された面に対してエッチングを行って、前記幅細部の一部を、エッチングによって形成された面よりも突出させる第1のエッチング工程と、
    前記第1のエッチング工程の後に、前記幅細部のうちの突出した部分の一部をエッチングして、前記第1の部分と第2の部分とを形成する第2のエッチング工程とを含むことを特徴とする垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  4. 前記第2のエッチング工程は、イオンビームの中心の進行方向が前記研磨する工程において研磨された面に対してなす角度が−10〜30°の範囲内となるイオンミリングを用いることを特徴とする請求項3記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  5. 前記磁気ヘッド用基礎構造物を作製する工程は、前記幅細部のうちの少なくとも前記第1の部分となる部分の上に非磁性層を形成する工程を含み、
    前記第1のエッチング工程は、前記幅細部の一部と共に前記非磁性層も突出させ、
    前記第2のエッチング工程は、前記非磁性層をエッチングマスクとして用いて、前記幅細部のうちの突出した部分の一部をエッチングすることを特徴とする請求項4記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドの製造方法。
  6. 請求項1または2記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと
    を備えたことを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
  7. 請求項1または2記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、
    前記スライダを記録媒体のトラック横断方向に移動させるためのアームと
    を備え、前記サスペンションが前記アームに取り付けられていることを特徴とするヘッドアームアセンブリ。
  8. 請求項1または2記載の垂直磁気記録用磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを支持すると共に前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と
    を備えたことを特徴とする磁気ディスク装置。

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