JP2007045748A - 毛成長サイトカインの産生調整剤、及びそのサイトカインの産生調整剤を配合した養毛剤 - Google Patents

毛成長サイトカインの産生調整剤、及びそのサイトカインの産生調整剤を配合した養毛剤 Download PDF

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浩一 仲尾次
Yasuhiro Yoshida
康弘 吉田
Kaoru Sakai
薫 酒井
Kazuhiko Hamada
和彦 濱田
Kazuhiko Hasegawa
一彦 長谷川
Mikio Tsuboi
幹生 坪井
Yuichi Ikeda
雄一 池田
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Abstract

【課題】 優れた脱毛防止効果や発毛効果等の養毛効果を有する毛成長サイトカインの産生調整剤、及びそのサイトカインの産生調整剤を配合した養毛剤に関し、脱毛防止効果や発毛効果に優れた養毛剤を提供することを課題とする。
【解決手段】 藍藻類、又はその加水分解物を含有することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、優れた脱毛防止効果や発毛効果等の養毛効果を有する毛成長サイトカインの産生調整剤、及びそのサイトカインの産生調整剤を配合した養毛剤に関する。
高齢化社会を迎えた今日では、食生活の変化や社会的なストレスの増大も伴い、脱毛症の人口は増加しつつある。一般に、頭部の脱毛の原因としては、毛包や皮脂腺等の器官における男性ホルモンの活性化、毛乳頭や毛包への血流量の低下による栄養物質の供給不足、上皮組織の角化異常等によるふけの過剰発生、過剰な皮脂分泌、過酸化物の生成による頭皮の異常、栄養摂取のアンバランス、ストレス等の多様な原因が考えられている。
従来の養毛剤は、一般に、これらの禿や脱毛等の原因と考えられる要素を除去し、或いは、軽減する作用を持つ物質を配合することによって調製されているものである。例えば、頭皮における血液循環を良好にするために、センブリエキス、ビタミンE又はその誘導体、ニコチン酸ベンジル、アセチルコリン誘導体、セファランチン等の血流促進剤が配合され、過剰な皮脂分泌等により起こる頭皮の炎症を抑制するためにグリチルレチン酸誘導体等の消炎剤が配合され、男性ホルモンを抑制するためにエストラジオール等の女性ホルモン剤が配合され、また、毛包等への栄養補給のためにセリン、メチオニン等のアミノ酸類、ビタミンB6等のビタミン類等が配合され、禿や脱毛の予防及び治療に用いられている。
たとえば下記特許文献1には、セリン、メチオニン等のアミノ酸や、センブリエキスが配合された養毛剤が開示され、特許文献2には、グリチルレチン酸、センブリエキス、ビタミンE等が配合された養毛剤が開示され、特許文献3には、ビタミンE誘導体、セファランチン、ニコチン酸ベンジル、センブリエキス、エストラジオール等が配合された養毛剤が開示されている。
特開平9−241131号公報 特開平9−241134号公報 特開平11−180834号公報
しかしながら、現在までに多くの試みがなされているにもかかわらず、脱毛防止効果や発毛効果等の養毛効果は必ずしも充分なものではなかった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、脱毛防止効果や発毛効果に優れた養毛剤を提供することを課題とする。
毛髪の毛根には毛乳頭と称される組織があり、毛乳頭が種々のサイトカインを産生することにより、毛成長をコントロールすることが近年報告されている。毛成長を促進するサイトカインとしてHGF(肝細胞増殖因子)、IGF−I(インシュリン様成長因子−I)があり、また毛成長を抑制するサイトカインとしてTGF−β(トランスフォーミング成長因子−β)がある。従って、毛乳頭が産生するHGFやIGF−Iの産生を促進させるか、或いはTGF−βの産生を阻害させることにより、頭髪の成長を促すことができると考えられる。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、藍藻類、又はその加水分解物に、上記HGFの産生を促進し、或いはTGF−βの産生を抑制する作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、毛成長サイトカインの産生調整剤に係る請求項1記載の発明は、藍藻類、又はその加水分解物を含有することを特徴とする。またHGFの産生促進及びTGF−βの産生抑制作用を有する毛成長サイトカインの産生調整剤に係る請求項2記載の発明は、藍藻類、又はその加水分解物を含有することを特徴とする。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の毛成長サイトカインの産生調整剤において、藍藻類がオルソスピラ属であることを特徴とする。さらに、養毛剤に係る請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の毛成長サイトカインの産生調整剤を配合したことを特徴とする。
本発明によって、優れた脱毛防止効果や発毛効果を有し、人体に対して安全性の高い養毛剤を提供することが可能となった。
本発明の毛成長サイトカインの産生調整剤は、上述のように藍藻類、又はその加水分解物を含有するものである。ここで「含有する」とは、本発明の毛成長サイトカインの産生調整剤が藍藻類のみからなるもの、或いは藍藻類の加水分解物のみからなるものであってもよく、また毛成長サイトカインの産生調整剤に藍藻類、又はその加水分解物以外のものが含有されていてもよいことを意味する。
藍藻類、又はその加水分解物のいずれにもHGFの産生促進又はTGF−βの産生抑制の作用が認められるが、後述するように、加水分解物の方に優れたHGFの産生促進又はTGF−βの産生抑制の作用が認められる。
本発明の毛成長サイトカインの産生調整剤に用いる藍藻類としては、例えば、ユレモ目のオルソスピラ(Arthrospira)属、スピルリナ(Spirulina)属、ハロスピルリナ(Halospirulina)属等、ネンジュモ目のアナベナ(Anabena)属、ノーストック(Nostoc)属等、クロオコックス目のシネココッカス(Synechococcus)属等が例示される。
これらの藍藻類のなかでも、好ましくはユレモ目、より好ましくはオルソスピラ属、スピルリナ属、ハロスピルリナ属の藻が用いられる。これら3属の藻は、いずれも「スピルリナ」と通称されており、タンパク質の含有量がきわめて多いことから健康食品等として広く使用されている。
オルソスピラ属の藍藻類としては、たとえばArthrospira PCC8005、Arthrospira maxima、Arthrospira fushiformis、Arthrospira FACHB438、Arthrospira FACHB439、Arthrospira plantensis(Spirulina plantensis)、Arthrospira OUQDS6、Arthrospira sp.等を使用することができる。
またスピルリナ属の藍藻類としては、たとえばSpirulina MPIS4、
Spirulina strainCCC、Spirulina subsala等を使用することができる。さらにハロスピルリナ属の藍藻類としては、Halospirulina CCC、Halospirulina MPI、Halospirulina tapeticola等を使用することができる。
本発明においては、上述のように藍藻類の加水分解物を好適に使用することができる。
本発明者等が鋭意研究したところ、特にミャンマー国内のYe Kharr(イェーカー)湖及びTwin Taung(ツウィンタン)湖の各湖に生息する藻に、HGFの産生促進及びTGF−βの産生抑制の優れた作用が認められることを見出した。
これらの藻について16SrRNA遺伝子の塩基配列の部分相同性検索を行ったところ、その相同性は次のとおりであった。
〔Ye Kharr(イェーカー)湖の藻〕
Arthrospira PCC8005との相同性 :98.8%
Arthrospira maximaとの相同性 :99.3%
Arthrospira fushiformisとの相同性 :99.3%
Arthrospira plantensisとの相同性 :98.8%
Arthrospira sp.との相同性 :98.4%
Lyngbya sp.との相同性 :94.2%
Anabena sp.との相同性 :88.2%
Oscillatoria spongeliaeとの相同性 :89.7%
Spirulina strainCCCとの相同性 :91.0%
Halospirulina tapeticolaとの相同性:89.2%
〔Twin Taung(ツウィンタン)湖の藻〕
Arthrospira PCC8005との相同性 :99.1%
Arthrospira maximaとの相同性 :99.5%
Arthrospira fushiformisとの相同性 :99.5%
Arthrospira plantensisとの相同性 :99.1%
Arthrospira sp.との相同性 :98.8%
Lyngbya sp.との相同性 :94.7%
Anabena sp.との相同性 :89.2%
Oscillatoria spongeliaeとの相同性 :90.0%
Spirulina strainCCCとの相同性 :91.6%
Halospirulina tapeticolaとの相同性:90.1%
以上の結果からも明らかなように、Ye Kharr(イェーカー)湖の藻及び
Twin Taung(ツウィンタン)湖の藻は、ユレモ目リングビア属、ネンジュモ目アナベナ属、ユレモ目ユレモ属(Oscillatoria spongeliae)、ユレモ目スピルリナ属、ユレモ目ハロスピルリナ属の各藍藻類との相同性に比べ、ユレモ目オルソスピラ属の藍藻類との相同性が高いことから、Ye Kharr(イェーカー)湖の藻及びTwin Taung(ツウィンタン)湖の藻は、いずれもオルソスピラ属に属する藍藻類であると認定することができる。
ちなみに、Ye Kharr(イェーカー)湖の藻とTwin Taung(ツウィンタン)湖の藻との相同性は99.0%であった。この2種の藍藻類をミャンマースピルリナと称する。尚、上記16SrRNA遺伝子の塩基配列の部分相同性は、得られたスピルリナDNAから16SrRNA遺伝子専用プライマーを用いて16SrRNA遺伝子の遺伝領域をPCR法により増幅した後、ABI PRISM 310 Genetic Analyzer(PE Biosysytems社製)を用いたサーマルシークエンス法により塩基配列を決定し、NCBI(National Center for Biotechnology Information)の生物検索ソフトBLASTを用いて求めた。
尚、PCR法で用いたプライマーの塩基配列は次のとおりである。
(16SrRNA Forward)
5’−AGAGTTTGATCCTGGCTCAG−3’
(16SrRNA Reverse)
5’−AAAGGAGGTGATCCAGCC−3’
またDNAポリメラーゼとしては、AmpliTaq Gold DNA polymerase (PE Biosystems) を用いた。
さらに温度条件は次の通りである。
(1)95℃ 10分
(2)95℃ 1分
(3)47℃〜56℃ 1分
(4)72℃ 1分
(5)72℃ 10分
尚、(2)〜(4)の変性、アニーリング、ポリメラーゼ伸長の各工程は、は30サイクル行った。また(3)のアニーリングでは47℃〜56℃の温度範囲で最適の条件を求め、それを温度条件とした。
上述のように、毛成長の促進は、HGFの産生を促進し、或いはTGF−βの産生を抑制することでなされるので、本発明の毛成長サイトカインの産生調整剤には、HGFの産生促進作用のみを有する藍藻類若しくはその加水分解物、及びTGF−βの産生抑制作用のみを有する藍藻類若しくはその加水分解物のいずれをも含む。しかしながら、
上記オルソスピラ属の藍藻類、とりわけ上記ミャンマースピルリナには、HGFの産生促進作用と、TGF−βの産生抑制作用との双方の作用が認められるので、特に好適に使用することができる。
本発明の藍藻類の加水分解物は、藻類を構成するタンパク質が加水分解されて生成するポリペプチド、アミノ酸、アミンなどで構成されている。前記加水分解物は、たとえば平均分子量100〜20000のペプチド混合物を含んでいることが好ましい。
加水分解は、藍藻類またはその粉末などの処理物に、たとえば酸、アルカリ、酵素等を作用させることにより行われる。酸としては、たとえば塩酸、リン酸、硫酸、硝酸などの無機酸、p−トルエンスルホン酸(PTS)、メタンスルホン酸などの有機酸などが挙げられる。前記酸としては添加後に系内で酸を生成する水溶性化合物を用いてもよい。酸の使用量は、用いる酸の濃度および種類によって異なるが、例えば、1〜60重量%程度で使用される。酸の使用量、濃度、種類を適宜選択することにより、加水分解処理物の平均分子量を調整することができる。
アルカリとしては、たとえばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩などが例示できる。アルカリは、用いるアルカリの濃度および種類によって異なるが、例えば1〜60重量%程度で使用される。アルカリの使用量、濃度、種類を適宜選択することにより、加水分解処理物の平均分子量を調整することができる。
上記酸およびアルカリによる加水分解は、たとえば藍藻類またはその処理物の水に分散させた分散懸濁液に酸またはアルカリを添加し、常圧、減圧、加圧の何れかの雰囲気下、加熱下で撹拌または還流させることにより行われる。加水分解時の処理温度は、たとえば40〜110℃、好ましくは、70〜100℃、特に好ましくは75〜95℃である。処理時間は、たとえば2〜12時間、好ましくは5〜10時間程度である。加水分解時の圧力、温度、反応時間は、加水分解により生成されるペプチド混合物の平均分子量に応じて適宜選択される。酸またはアルカリによる加水分解処理後は、速やかに中和処理を行うことにより、所望の平均分子量のペプチド混合物からなる加水分解物を得ることができるため好ましい。さらに、必要に応じて減圧真空蒸留操作による脱アンモニア処理、電気透析器を用いた脱塩処理、活性炭処理、濾過処理等の処理が行われる。たとえばアルカリによる加水分解処理後には、減圧真空蒸留操作による脱アンモニア処理を行うことが好ましい。アンモニアの除去が不十分であると、後の変色の原因となるためである。
加水分解に用いる酵素としては、タンパク質を加水分解するプロテアーゼ(アルカリプロテアーゼ等)、ペプチダーゼが好ましく、例えばRhizopus(リゾプス)属、Aspergillus(アスペルギルス)属、Mucor(ムコール)属、Bacilus(バチルス)属、Pseudomonas(シュードモナス)属、Streptococcus(ストレプトコッカス)属、Escherichia(エシェリシア)属等の微生物由来の酵素、トリプシン、レニン、パンクレアチン等の動物由来の酵素、パパイン、ブロメライン、フィシン等の植物由来の酵素等を用いることができる。好ましくは、Rhizopus(リゾプス)属、Aspergillus(アスペルギルス)属、Bacilus(バチルス)属由来の酵素が用いられ、これらの精製品や粗製品を単独でまたは複数を組み合わせて使用される。使用する酵素により特性の異なる加水分解物(ペプチド混合物)を得ることができる。酵素反応条件としては、特に限定されず、用いる酵素の種類に応じて適宜選択される。酵素の添加量は、加水分解物の平均分子量が上記の範囲内となる量を用いるのが好ましく、藍藻類の乾燥重量1gに対するタンパク分解酵素の活性単位を10〜50000単位、好ましくは100〜30000単位の範囲から適宜選択される。
こうして得られた加水分解物は、さらに慣用の分離、濃縮、精製手段を施すことができる。藍藻類は、通常、フィコシアニン(青色色素)等の水溶性色素、クロロフィル、カロチン等の脂溶性色素を豊富に含んでいる。本発明に用いる藍藻類の加水分解物は、上記方法により得た加水分解物に色素除去処理を施すことも可能である。色素の除去方法としては、遠心分離、濾過、溶媒抽出、活性炭等による吸着処理などの分離精製手段を用いることができる。濾過処理は、例えば、濾紙、濾布、メンブレンフィルターなどを用いて行うことができる。
溶媒抽出に用いる溶媒としては、有色色素が溶解しうる溶媒であれば特に限定されず、たとえばアルコール、ケトン、エーテル、酢酸エチル等のエステルを用いることができる。なかでもアルコールが好ましく、化粧品用途の観点からエチルアルコール等の低級アルコールが好ましく用いられる。溶媒抽出は、前記溶媒を添加し、たとえば所定時間静置する方法、加熱還流操作を行う方法により実施される。脂溶性色素は前記抽出溶媒を添加後、静置することにより除去することも可能である。一方、藍藻類に水溶性色素が非常に多く含まれており、これらの水溶性色素の除去を目的とする場合には、静置では十分に色素が除去されず、加熱還流操作を施すことが好ましい。
吸着処理には、例えば、活性炭などの多孔性物質を用いることができる。吸着は、たとえば活性炭を添加し、たとえば10分〜5時間、好ましくは30分〜3時間撹拌することによって行われる。
これらの色素除去手段は、単独でまたは複数組み合わせて用いられる。藻類は、一般に色素の含有量が多いため、色素を十分に除去するためには、通常、上記の手段を2以上組み合わせたり、除去操作を繰り返すことを要する。また、脂溶性色素は比較的低温で除去することが可能であるが、水溶性色素を除去する場合には、加熱下で還流するなどの操作を行うことが好ましい。
色素除去工程における処理温度は、処理手段に応じて適宜選択できるが、たとえば0〜120℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは0〜85℃、特に4〜75℃程度である。水溶性色素の除去処理は低温で行うことが多いが、雑菌の混入を防ぐことができる範囲で室温〜85℃で行うこともできる。色素除去は、減圧下、加圧下、常圧下のいずれかの雰囲気下で行ってもよい。色素除去により、淡黄色の処理液が得られる。
上記方法により色素を除去することにより、同時に臭いを除くこともできる点で有利である。色素除去工程は、上記の加水分解処理の前工程および後工程のいずれに設けてもよいが、色素除去工程の後に加水分解処理工程を設けることが好ましい。
本発明の養毛剤中のスピルリナ加水分解物の配合量は、通常乾燥固形分として、0.0001〜50重量%とすることが好ましい。0.0001重量%未満では本発明の効果が充分に得られない可能性があり、一方、50重量%を越えても、その増量に見合った効果の向上は認められないからである。この観点から、0.001〜10重量%が特に好ましい。
本発明の養毛剤中には本発明の効果を損なわない範囲において、一般に化粧料で用いられ、或いは医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤に用いられる各種任意成分を必要に応じて適宜配合することができる。このような任意成分として、例えば、精製水、エタノール、油性成分、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、薬効成分、粉体、紫外線吸収剤、色素、香料、乳化安定剤等を挙げることができる。
本発明の養毛剤の形態は、液状、乳液、軟膏、クリーム、ゲル、エアゾール、石けん等外皮に適用可能な性状のものであれば問われるものではなく、必要に応じて適宜基剤成分等を配合して所望の形態の養毛剤を調製することができる。また、本発明の養毛剤は、医薬品、医薬部外品又は化粧品等の多様な分野において適用可能である。
本発明の養毛剤は、脱毛の治療や予防に用いることが可能であり、例えば男性性脱毛症の治療や予防、女性に多いびまん性脱毛症の治療や予防、円形脱毛症の治療等に広く用いることができる。なお、ここに示した脱毛疾患名は例示であり、これらの脱毛疾患に本発明の養毛剤の適用可能な疾患が限定されるものではない。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
ミャンマースピルリナ(ミャンマー国Ye Kharr(イェーカー)湖に生息する藍藻類ユレモ目オルソスピラ属の種)を60℃で乾燥して得た粉末1容量部に純水5容量部を加え、4℃で2日間放置した後、遠心分離と濾過を繰り返し行い、60℃で乾燥することにより、青色色素が除去されたスピルリナ粉末を得た。得られた乾燥粉末1容量部にエチルアルコール5容量部を加え、4つ口フラスコに移し、4時間加熱還流を行った。系外に取り出した後、濾液に着色が見られなくなるまで濾過を繰り返し行い、スピルリナの粗抽出液物を得た。さらに、60℃で乾燥することにより、スピルリナの粗抽出物の乾燥粉末を得た。
(実施例2)
実施例1で得た乾燥粉末1容量部と10重量%濃度水酸化ナトリウム水溶液5容量部とを入れ、85℃で6時間、加熱還流した。系外に移し、減圧真空蒸留操作により、脱アンモニア処理を行い、直ちに10重量%濃度塩酸を加えて処理液を中和した(pH6〜7.5)。濾過操作を繰り返し行うことにより、透明な液体を回収した後、電気透析器を用いて脱塩処理を行った(4μS以下)。さらに以下の方法で活性炭処理を行った。すなわち、1重量%の活性炭を加えて2時間撹拌し、静置後、濾紙による濾過処理、次いでφ0.2μmメンブレンフィルターによる濾過処理を施すことにより、スピルリナの加水分解物を得た。
(実施例3)
4つ口フラスコに、実施例1で得た乾燥粉末1容量部と4N塩酸5容量部とを入れ、85℃で8時間、加熱還流した。系外に移し、4N水酸化ナトリウム水溶液を加えて処理液を中和した(pH6〜7.5)。濾過操作を繰り返し行うことにより、透明な液体を回収した後、電気透析器を用いて脱塩処理を行った(4μS以下)。さらに以下の方法で活性炭処理を行った。すなわち、1重量%の活性炭を加えて2時間撹拌し、静置後、濾紙による濾過処理、次いでφ0.2μmメンブレンフィルターによる濾過処理を施すことにより、スピルリナの加水分解物を得た。
(実施例4)
実施例1で得た乾燥粉末1容量部に純水5容量部を入れ、pH9.5に調製した後、4つ口フラスコへ移し、タンパク質分解酵素[アルカリプロテアーゼ(長瀬産業社製):力価5万ユニット]0.002容量部を加え、37℃で2時間保持することにより酵素処理を施した。系外に移し、4N水酸化ナトリウム水溶液を用いて処理液をpH11以上に調整した後、減圧真空蒸留操作によりアンモニアを除去した。濾過操作を繰り返し行うことにより、透明な液体を回収した後、電気透析器を用いて脱塩処理を行った(4μS以下)。さらに以下の方法で活性炭処理を行った。すなわち、1重量%の活性炭を加えて2時間撹拌し、静置後、濾紙による濾過処理、次いでφ0.2μmメンブレンフィルターによる濾過処理を施すことにより、スピルリナの加水分解物を得た。
(試験例1)
〔ヒト毛乳頭細胞のHGF産生能に対する作用試験〕
ヒト毛乳頭細胞を12wellプレートに2×104/wellで播種し、10%牛胎児血清を添加したダルベッコ変法MEM培地(DMEM培地)で5日間培養した。培養5日目にDMEM培地で細胞を洗浄後、各濃度(0.0001重量%、0.001重量%、0.01重量%)のスピルリナ粗抽出物(実施例1)あるいはスピルリナ加水分解物(実施例2)を含むDMEM培地を加え、さらに培養を続けた。3日間培養した後、培養上澄を回収し、培養上澄に含まれるHGFの量をヒトHGFImmunoassay キット(R&Dシステム社製)を用いて測定した。スピルリナ粗抽出物およびスピルリナ加水分解物のHGF産生促進効果はDMEM培地のみで培養した場合のHGF量を100とした場合の値(比率)で示した。その結果を表1及び表2に示す。
Figure 2007045748
Figure 2007045748
表1及び表2からも明らかなように、実施例1のスピルリナ粗抽出物及び実施例2のスピルリナ加水分解物はともに毛乳頭細胞によるHGF産生を促進する作用を有していた。しかし、そのHGF産生促進の活性は、実施例2のスピルリナ加水分解物の方が実施例1のスピルリナ粗抽出物よりも顕著に高かった。
(試験例2)
〔ヒト毛乳頭細胞のTGF−β産生能に対する作用試験〕
ヒト毛乳頭細胞を12wellプレートに2×104/wellで播種し、10%牛胎児血清を添加したダルベッコ変法MEM培地(DMEM培地)で5日間培養した。培養5日目にDMEM培地で細胞を洗浄後、各濃度(0.0001重量%、0.001重量%、0.01重量%)のスピルリナ粗抽出物(実施例1)あるいはスピルリナ加水分解物(実施例2)を含むDMEM培地を加え、さらに培養を続けた。3日間培養した後、培養上澄を回収し、培養上澄に含まれるTGF−βの量をヒトTGF−β Immunoassay キット(R&Dシステム社製)を用いて測定した。スピルリナ粗抽出物およびスピルリナ加水分解物のTGF−β産生阻害効果はDMEM培地のみで培養した場合のTGF−β量を100とした場合の値(比率)で示した。その結果を表3及び表4に示す。
Figure 2007045748
Figure 2007045748
表3及び表4からも明らかなように、実施例1のスピルリナ粗抽出物及び実施例2のスピルリナ加水分解物はともに毛乳頭細胞によるTGF−β産生を抑制する作用を有していた。しかし、そのTGF−β産生抑制の活性は、実施例2のスピルリナ加水分解物の方が実施例1のスピルリナ粗抽出物よりも顕著に高かった。
(試験例3)
〔マウスを用いた毛成長促進作用試験〕
C3H/Heマウス(8週齢、雄)の背部を剃毛し、1日に1回、0.1重量%のスピルリナ粗抽出物(実施例1)を含む50%エタノール溶液あるいは0.1重量%のスピルリナ加水分解物(実施例2)を含む50%エタノール溶液を0.1mlずつ、15日間塗布した。一方、抽出物を含まない50%エタノール溶液を、同様にC3H/Heマウスの背部に1日に1回塗布し、これを対照群とした。スピルリナ粗抽出物およびスピルリナ加水分解物の毛成長促進効果は、剃毛後15日目における剃毛部の毛再生面積率を比較することにより調べた。その結果を表5に示す。
Figure 2007045748
表5からも明らかなように、スピルリナ粗抽出物およびスピルリナ加水分解物はともに毛成長を促進する作用を有していた。さらに、その活性はスピルリナ加水分解物の方がスピルリナ粗抽出物よりも顕著に高かった。
(処方例1)
本処方例は、ヘアークリームの処方例であり、その組成は次のとおりである。
配合成分 重量%
精製ラノリン 4.0
流動パラフィン 40.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 4.0
モノステアリン酸ソルビタン 1.5
モノステアリン酸グリセリン 2.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
セタノール 2.0
エデト酸四ナトリウム 0.1
スピルリナ加水分解物(実施例2) 2.0
1,3−ブチレングリコール 4.0
ラウリル硫酸トリエタノールアミン 1.0
香料 0.1
精製水 残量
(処方例2)
本処方例は、ヘアローションの処方例であり、その組成は次のとおりである。
配合成分 重量%
酢酸−dl−α−トコフェロール 0.05
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
l−メントール 0.1
スピルリナ加水分解物(実施例2) 3.0
香料 0.1
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
ジプロピレングリコール 3.0
エタノール 60.0
精製水 残量

Claims (4)

  1. 藍藻類、又はその加水分解物を含有することを特徴とする毛成長サイトカインの産生調整剤。
  2. 藍藻類、又はその加水分解物を含有することを特徴とする、HGFの産生促進及びTGF−βの産生抑制作用を有する毛成長サイトカインの産生調整剤。
  3. 藍藻類がオルソスピラ属である請求項1又は2記載の毛成長サイトカインの産生調整剤。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の毛成長サイトカインの産生調整剤を配合したことを特徴とする養毛剤。
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JP2013213039A (ja) * 2013-06-21 2013-10-17 Pias Arise Kk 毛成長サイトカインの産生調整剤、並びにそのサイトカインの産生調整剤を配合した育毛剤、医薬部外品、及び化粧料

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