JP2007045696A - プレス成形用プリフォームの製造方法および成形装置、プレス成形用プリフォーム、ならびに光学素子の製造方法 - Google Patents

プレス成形用プリフォームの製造方法および成形装置、プレス成形用プリフォーム、ならびに光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プレス成形に適した形状のプリフォームを高い生産性のもとに熔融ガラスから直接生産するプレス成形用プリフォームの製造方法および成形装置、比較的体積が大きく、かつ上下面の曲率が近似した熔融ガラスから直接成形されたプレス成形用プリフォーム、光学素子を高い生産性のもとに製造する光学素子の製造方法の提供。
【解決手段】熔融ガラス塊を成形型上に供給し、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げ、プレス成形用プリフォームに成形するプレス成形用プリフォームの製造方法。前記盛り上げ操作は、先端部にガス噴出口を有するノズルを前記熔融ガラス塊上方に配置し、前記ガス噴出口から前記中心領域よりも外側に向けて放射状にガスを噴出することによって、または、先端部にガス噴出口を有するノズルを前記熔融ガラス塊上方に配置し、前記ガス噴出口からガスを噴出して前記中心領域近傍の雰囲気の圧力を局所的に減少させることによって行われる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス製光学素子をプレス成形によって製造する際に使用するプレス成形用プリフォームの製造方法及び成形装置、ならびに前記プリフォームをプレス成形して光学素子を製造する光学素子の製造方法に関する。
精密プレス成形などのガラスのプレス成形に使用するプリフォームを熔融ガラスから直接、成形する方法が知られている。この方法は、ガラスブロックなどの素材を切断し、研削、研磨してプリフォームを作る方法に比べ、ガラスブロックなどの中間成形体を作る必要がなく、さらに中間成形体を加工する必要もないため、極めて高い生産性のもとにプリフォームを量産できる方法として注目されている。
上記方法で比較的体積の大きいプリフォームを成形しようとすると、冷却に伴ってガラス内部の体積が収縮し、これによってプリフォーム表面にくぼみ(所謂、ヒケ)が発生することがある。このようなくぼみができると、プレス成形時にくぼみとプレス成形型との間にガスが閉じ込められ(ガストラップという)、ガスが閉じ込められた部分にガラスが充填されず、プレス成形型成形面の形状がガラスに転写されないため、光学素子の形状精度が著しく低下してしまう。
また、プレス成形により光学素子を得るにあたり、プレス成形型(下型)にプリフォームを供給する方法としては、下型上にプリフォームを落下供給する方法がある。このような落下供給法を使用する場合には、落下時にプリフォームの上下面が反転し、本来は上型成形面と対向すべきプリフォーム上面が下型成形面上に供給されることがある。このように上下面が反転した状態でプレス成形が行われると、プリフォーム表面の曲率とプレス成形型成形面の曲率が意図したものとならず、ガストラップが発生することがある。そこで、上記の落下供給法を使用する場合のガストラップの発生を防止するためには、上下面の曲率が近似したプリフォームを使用することが考えられる。しかし、前述のように、熔融ガラスから直接、比較的体積の大きいプリフォームを成形しようとすると、冷却に伴ってガラス内部の体積が収縮し上面が凹んでしまうか、または平坦化してしまうため、上下面の曲率を近づけることは困難である。
特許文献1には、ガストラップの原因となるヒケによるくぼみ発生を防止するため、成形型上の熔融ガラス塊上面をノズルで吸引して盛り上げることが提案されている。しかし、特許文献1に記載の方法では、吸引力を高めると、熔融ガラス塊上面が吸引ノズルに吸い込まれ、配管等の中にまでガラスが入り込んでしまうことがあり、その場合には、吸引操作を中断してノズルのメンテナンスを行う必要があるという問題があった。
特開2001−163627号公報
本発明は、ガストラップなどの問題を引き起こすことのない、プレス成形に適した形状のプリフォームを、高い生産性のもとに熔融ガラスから直接生産するプレス成形用プリフォームの製造方法および成形装置を提供すること、比較的体積が大きく、かつ上下面の曲率が近似した、熔融ガラスから直接成形されたプレス成形用プリフォームを提供すること、ならびに前記プリフォームまたは前記方法により作製されたプリフォームを使用して光学素子を高い生産性のもとに製造する光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[1] 熔融ガラス塊を成形型上に供給し、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げ(以下、「盛り上げ操作」という)、プレス成形用プリフォームに成形するプレス成形用プリフォームの製造方法において、
前記盛り上げ操作は、先端部にガス噴出口を有するノズルを前記熔融ガラス塊上方に配置し、前記ガス噴出口から、前記中心領域よりも外側に向けて放射状にガスを噴出することによって行われることを特徴とするプレス成形用プリフォームの製造方法。
[2] 熔融ガラス塊を成形型上に供給し、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げ(以下、「盛り上げ操作」という)、プレス成形用プリフォームに成形するプレス成形用プリフォームの製造方法において、
前記盛り上げ操作は、先端部にガス噴出口を有するノズルを前記熔融ガラス塊上方に配置し、前記ガス噴出口からガスを噴出して、前記中心領域近傍の雰囲気の圧力を局所的に減少させることによって行われることを特徴とするプレス成形用プリフォームの製造方法。
[3] 前記ガスは、ノズル先端部の中心部を囲むように形成されたガス噴出口から噴出されることを特徴とする[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記ガス噴出口からのガスの噴出とともに、熔融ガラス塊上面中心領域近傍の雰囲気ガスを吸引することを特徴とする[3]に記載の方法。
[5] 前記雰囲気ガスは、ノズル先端部の中心部に形成されたガス吸引口から吸引されることを特徴とする[4]に記載の方法。
[6] 前記ガス噴出口から噴出されるガスにより、前記熔融ガラス塊の上昇を抑えることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 前記ガス噴出口から噴出されるガスは加熱されていることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 前記盛り上げ操作を、前記熔融ガラス塊上面の粘度が105dPa・s以上になるまで続けることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9] 回転対称軸が1本の回転対称体であって、回転対称軸に沿って最大の肉厚を有し、
前記回転対称軸と表面の2つの交点の一方を含む面を第一の面、前記交点の他方を含む面を第二の面とし、第一の面および第二の面において、前記交点を中心にした、外径の1/3を直径とした円内部分の形状がともに外側に凸状となっており、
第一の面の前記円内部分の曲率半径をR1、第二の面の前記円内部分の曲率半径をR2としたとき、2×|R1−R2|/(R1+R2)が30%以内、外径に対する最大の肉厚の割合が0.4〜0.7、体積が400〜3500mm3であって、
熔融ガラス塊を冷却する過程で成形したものである、ガラス製のプレス成形用プリフォーム。
[10] 凹面形状の上型および下型を有する成形型を使用し、前記下型上にプリフォームを落下供給した後、上型と下型の間でプレス成形することにより光学素子を得るために使用される、[9]に記載のプレス成形用プリフォーム。
[11] 成形型上に供給した熔融ガラス塊を、前記ガラス塊を冷却する過程でプレス成形用プリフォームに成形するプレス成形用プリフォーム成形装置において、
前記成形型と、
先端部の中心部を囲むようにガス噴出口が形成されたノズルと、
前記成形型上に供給された熔融ガラス塊の上面中心部の上方に前記ノズル先端部の中心が位置するように前記成形型および/または前記ノズルを移動させる手段
を有し、
前記ノズルは、前記熔融ガラス塊の上面中心部と前記ノズル先端部の中心部を対向させた状態で、前記熔融ガラス塊の上面中心領域よりも外側に向けて、前記ガス噴出口からガスを放射状に噴出させ、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げるための手段であることを特徴とするプレス成形用プリフォームの成形装置。
[12] 成形型上に供給した熔融ガラス塊を、前記ガラス塊を冷却する過程でプレス成形用プリフォームに成形するプレス成形用プリフォーム成形装置において、
前記成形型と、
先端部の中心部を囲むようにガス噴出口が形成されたノズルと、
前記成形型上に供給された熔融ガラス塊の上面中心部の上方に前記ノズル先端部の中心が位置するように前記成形型および/または前記ノズルを移動させる手段
を有し、
前記ノズルは、前記熔融ガラス塊の上面中心部と前記ノズル先端部の中心部を対向させた状態で、前記ガス噴出口からガスを噴出させ、熔融ガラス塊上面の中心領域近傍の雰囲気の圧力を局所的に減少させて、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げるための手段であることを特徴とするプレス成形用プリフォームの成形装置。
[13] 前記ノズルは、ノズル先端部の中心部にガス吸引口を有することを特徴とする[11]または[12]に記載の成形装置。
[14] ガラス製のプリフォームを加熱し、プレス成形してガラス製光学素子を作製する光学素子の製造方法において、
前記プリフォームとして、[1]〜[8]のいずれかに記載の方法により作製したプリフォームまたは[9]もしくは[10]に記載のプリフォームを使用することを特徴とする光学素子の製造方法。
[15] 前記プレス成形は、少なくとも上型と下型を有し、上型成形面の形状と下型成形面の形状が異なるプレス成形型を用い、予め加熱したプリフォームを前記下型上に供給して行われることを特徴とする[14]に記載の光学素子の製造方法。
本発明によれば、ノズルへの熔融ガラス塊の吸い付きを起こさずに、ガストラップなどの問題を引き起こすことのないプレス成形に適した形状のプレス成形用プリフォームを安定して、かつ高い生産性のもとに製造する方法、および前記方法を実現するための成形装置を提供することができる。
また、本発明によれば、取り扱いが容易で耐衝撃性に優れたプレス成形用プリフォームを提供することができる。
更に、本発明によれば、前記プリフォームを使用して光学素子を高い生産性のもとに製造する光学素子の製造方法を提供することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。

[プレス成形用プリフォームの製造方法]
本発明の第一の態様のプレス成形用プリフォームの製造方法(以下、「製法I」ともいう)は、
熔融ガラス塊を成形型上に供給し、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げ(盛り上げ操作)、プレス成形用プリフォームに成形するプレス成形用プリフォームの製造方法において、
前記盛り上げ操作は、先端部にガス噴出口を有するノズルを前記熔融ガラス塊上方に配置し、前記ガス噴出口から、前記中心領域よりも外側に向けて放射状にガスを噴出することによって行われることを特徴とするプレス成形用プリフォームの製造方法
である。
製法Iでは、熔融ガラス塊上方に配置したノズルのガス噴出口から、熔融ガラス塊上面の中心領域よりも外側に向けて放射状にガスを噴出する。このようにガスを噴出することにより、成形型上の熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げることができる。これは、上記のようにガスを噴出することにより熔融ガラス上面の中心領域近傍の雰囲気の圧力が局所的に減少して周囲の圧力よりも低くなる(負圧になる)からと考えられる。
前述のように、成形型上の熔融ガラス塊上面をノズルで吸引して盛り上げると、熔融ガラス上面が吸引ノズルに吸い付いてしまい、吸引操作を中断してノズルのメンテナンスを行う必要がある。それに対し、製法Iによれば、噴出ガスを用いるため、ガラス塊の吸い付きの問題なく、盛り上げ操作を行い、プレス成形に適した形状のプレス成形用プリフォームを製造することができる。また、吸引により盛り上げ操作を行うと、周囲のホコリ等の浮遊物が吸い寄せられ、熔融ガラスに付着することがある。プリフォームに付着した異物はレンズ表面に残るため、レンズが不良品になってしまう。製法Iでは、ガスの吹き付けにより盛り上げ操作を行うため、そのような問題を回避することもできる。プリフォームへの異物の付着を防止するためには、上記ガスとして、フィルターを通して異物を除去したものを用いることが好ましく、フィルターを通して直径20μm以上の粒子を除去したガスを用いることが更に好ましい。
以下、製法Iの工程を順次説明する。
製法Iでは、まず、熔融ガラス塊を成形型上、好ましくは、成形型上面に形成した凹部上に供給する。熔融ガラス塊の成形型上への供給方法としては、脱泡、均質化した熔融ガラスを一定の流出速度で連続してパイプから流出し、流出する熔融ガラス流の下端部をパイプ下方に置いた成形型上で受け、成形型を鉛直下方に急降下して、熔融ガラス流から成形型上の熔融ガラス流下端部を分離し、上記成形型の凹部上に分離した熔融ガラス塊を受ける方法(第1の降下切断法という。)、前記方法において流出する熔融ガラス流の下端部をパイプ下方に置いた支持体で受け、支持体を鉛直下方に急降下して、熔融ガラス流から支持体上の熔融ガラス流下端部を分離し、上記分離した熔融ガラス塊を成形型の凹部上に供給する方法(第2の降下切断法という。)、または、前記方法において流出する熔融ガラス流の下端部をパイプ下方に置いた支持体で受け、支持体による支持を急速に取り除いて、熔融ガラス流から支持体で支持していた熔融ガラス流下端部を分離し、上記分離した熔融ガラス塊を成形型の凹部上に供給する方法(以下、支持体除去による切断法という。)などがある。第1の降下切断法において、熔融ガラス流の下端部を成形型の凹部で受けてもよいし、成形型の凹部周辺部など成形型の凹部以外の位置で受けてもよい。
第1の降下切断法、第2の降下切断法、支持体除去による切断法はいずれも熔融ガラス流を切断刃によって切断する方法と異なり、熔融ガラス塊に切断痕を残さずに所定量の熔融ガラス塊を分離し、成形型上に供給することを可能にするものである。
成形型上面に形成した凹部の底を中心とし、少なくとも熔融ガラス塊を載置する部分、好ましくは凹部の中央部を中心にした、凹部全体の面積の60%以上の領域(より好ましくは60〜70%の領域)に複数のガス噴射細孔を設け、上記ガス噴射細孔からガスを噴射して熔融ガラス塊を浮上させながらプリフォームに成形(浮上成形という。)することができる。成形型の温度を熔融ガラス塊との融着を防止できる温度に保つと、熔融ガラス塊と成形型の温度差は極めて大きくなる。このように熔融ガラス塊に比べて低温に保たれている成形型に熔融ガラス塊が直接触れると、接触部分においてガラスが局部的に冷却され、収縮するため、ガラス表面にシワが生じて滑らかな表面をもつプリフォームを得ることができなくなるおそれがある。さらに温度が低下したガラスが成形型に直接触れると、カン割れと呼ばれる現象によりガラスが破損してしまうこともある。それに対し、浮上成形によれば、ガラスと成形型の接触は低減されるため、上記のような問題を解消することができるとともに、凹部表面の形状がプリフォーム表面に転写されることを防止することができる。
前述のガス噴射細孔は、凹部上の熔融ガラス塊の上面と下面が反転するような回転を生じさせないよう、熔融ガラス塊を載置する部分に均一にかつ十分な数を分布させることが好ましい。ガス噴出細孔の内径は、400μm以下とすることが好ましく、200〜300μmとすることがより好ましい。なお、凹部を多孔質材料で形成し、多孔質材料を通してガスを噴射して浮上成形を行ってもよい。噴射するガスの量、圧力は、熔融ガラス塊を浮上成形することができ、かつ凹部で熔融ガラス塊が上記回転を生じないように安定した状態を保つことができるように定めることが好ましい。こうすれば、凹部上の熔融ガラス塊の上面と下面が入れ替わることを回避することができる。そこで、以下、凹部上の熔融ガラス塊の上方に面した表面を上面、凹部に対向する面を下面と定義する。下面の形状は概ね凹部の形状に沿ったものとなる。そして、プリフォームの表面も、成形、固化前の熔融ガラス塊上面に相当する面(便宜上、プリフォームの上面という。)と熔融ガラス塊下面に相当する面(便宜上、プリフォームの下面という。)に区分けすることができる。
前述のように浮上成形を行うことにより、プリフォーム下面の形状を、成形型凹部の形状を反転した形状に近づけることができる。よって、プリフォーム下面の形状は、成形型凹部の形状を調整することにより、所望の形状とすることができる。しかし、プリフォーム上面の形状は熔融ガラス塊上面が自由表面のままプリフォーム上面に成形されるので、熔融ガラス塊の体積、凹部の形状、熔融ガラス塊の表面張力などの諸要因によって決まってしまう。その上、ガラス冷却時のヒケの影響によって、上面が大きく盛り上がったプリフォームを成形することは困難になる。
そこで製法Iでは、先端部にガス噴出口を有するノズルを成形型上の熔融ガラス塊上方に配置し、ガス噴出口から、熔融ガラス塊上面の中心領域よりも外側に向けて放射状にガスを噴出し、熔融ガラス塊の上面の盛り上げを行う。これにより、従来の吸引による方法のようにノズルへの熔融ガラスの吸い付きを起こすことなく、盛り上げ操作を行うことができる。このとき、熔融ガラス塊上面の平面視上の中心部が最も盛り上がるように、そして、前記中心位置から周辺部に至るにつれて熔融ガラス塊上面の高さが単調に減少するように盛り上げを行うことが好ましい。更に、上記中心位置を含む熔融ガラス塊の垂直断面において、上面の輪郭線に変曲点ができないように盛り上げを行うことが好ましい。上記放射状のガス噴出は、ノズル先端部の中心と熔融ガラス塊上面の中心を結んだ仮想上の直線の周りに均一にガスが噴出するように行うことが望ましい。このようなガス噴出により、熔融ガラス塊上面の中心部を中心にして対称な盛り上げを行うことができる。更に、前記仮想上の直線の周り全方向に均一な量のガスを噴出することが最も好ましい。後述するプリフォームの回転対称性が失われない範囲でガスの噴出方向を減らすこともできるが、噴出方向は少なくとも4方向以上とし、各方向におけるガス噴出量を等しくすることが望ましい。
製法Iによれば、熔融ガラス塊上面の中心領域よりも外側に向けて放射状にガスを噴出することにより、ノズルから噴出するガスの風圧により、熔融ガラス塊全体の上昇を抑えつつ、盛り上げ操作を行うことができる。熔融ガラス塊全体の上昇を抑えるために、ガラス塊の上昇を規制する部材を熔融ガラス塊に直接接触させると、熔融ガラス塊上面に部材で押さえた痕ができ、上面に段差や上記変曲点があるプリフォームができてしまう。しかし、製法Iでは、熔融ガラス塊上面の周辺部に下向きの風圧を加えて熔融ガラス塊全体の上昇を抑えることができるので、プリフォーム上面に部材で押さえた痕をつけることなく、表面が滑らかで上記変曲点のないプリフォームを得ることができる。また、従来の吸引ノズルによる方法と比べて容易かつ安定的に上面の盛り上げを行うこともできる。なお、ガラス塊上面の盛り上げを安定して行うため、噴出するガスは一定の流量とし、連続して噴出することが望ましい。噴出するガスとしては、ガラスと反応しないガスを用いることが好ましく、具体的には、空気、窒素、不活性ガスなどを挙げることができる。製法Iにおいて使用するノズルや盛り上げ操作の詳細は、後述する。
本発明の第二の態様のプレス成形用プリフォームの製造方法(以下、「製法II」ともいう)は、
熔融ガラス塊を成形型上に供給し、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げ(盛り上げ操作)、プレス成形用プリフォームに成形するプレス成形用プリフォームの製造方法において、
前記盛り上げ操作は、先端部にガス噴出口を有するノズルを前記熔融ガラス塊上方に配置し、前記ガス噴出口からガスを噴出して、前記中心領域近傍の雰囲気の圧力を局所的に減少させることによって行われることを特徴とするプレス成形用プリフォームの製造方法
である。
製法IIでは、先端部にガス噴出口を有するノズルを前記熔融ガラス塊上方に配置し、前記ガス噴出口からガスを噴出して、前記中心領域近傍の雰囲気の圧力を局所的に減少させることによって盛り上げ操作を行う。熔融ガラス塊上面の中心領域近傍の雰囲気の圧力を局所的に減少させるためのガスの噴出方法としては、製法Iのように、前記中心領域よりも外側に向けて放射状にガスを噴出する方法を用いることができる。なお、熔融ガラス塊中心領域近傍の雰囲気の圧力が局所的に減少していることは、水面にガスを噴出するノズルを接近させると、水面が盛り上がることによって確認することができる。また、紙などのシートを近づけると、シートがノズルに引き寄せられることによっても容易に確認することができる。
製法IIにおける熔融ガラス塊の供給方法、等の詳細は、先に製法Iについて述べた通りである。
盛り上げ操作について
以下に、本発明における盛り上げ操作の具体的態様を説明する。但し、本発明は以下に示す態様に限定されるものではない。
第1の方法(盛り上げ方法1という。)は、成形型上の熔融ガラス塊上面の中心領域よりも外側の周辺部にガスを吹き付ける方法である。例えば、成形型上面に形成された凹部上の熔融ガラス塊上面に前記ノズルの先端部を近づけて、前記ノズル先端部の中心部が前記熔融ガラス塊上面の中心部の上方に位置するように前記先端部を熔融ガラス塊上面に対向させた状態で、前記先端部の中心部を囲むように形成したガス噴出口からガスを噴出して熔融ガラス塊の上面の盛り上げを行うことができる。
盛り上げ方法1は、ノズルのガス噴出口から下向きにガスを噴出することにより、熔融ガラス塊上面の周辺部に下向きの風圧を加えるとともに、前記周辺部によって囲まれた、熔融ガラス塊上面の中心領域に接する気体の圧力を局所的に減少させて負圧を発生させ、この負圧により上記中心領域を盛り上げることができる。この方法では、上記ガス吹き付けにより、熔融ガラス塊全体の上昇を抑える効果と熔融ガラス塊上面の盛り上げ効果を同時に得ることができるので、ノズルへの熔融ガラス塊の吸い付きに注意を払うことなく、しかも、成形型凹部上の安定した位置において熔融ガラス塊上面の盛り上げを行うことができる。
第2の方法(盛り上げ方法2という。)は、前記ノズル先端部の中心部が前記熔融ガラス塊上面の中心部の上方に位置するように前記先端部を熔融ガラス塊上面に対向させた状態で、ガス噴出口から熔融ガラス塊上面の周辺部を囲むように、即ち、熔融ガラス塊の外側にガスを噴出して熔融ガラス塊の上面の盛り上げを行うことを特徴とする。この方法では、ガス噴出口から斜め下方に向けて熔融ガラス塊の外側にガスを噴出する。そのため、熔融ガラス塊が上昇しない限り、ガスは直接熔融ガラス塊に吹きかからない。ガスが熔融ガラス塊に直接吹きかかると、その部分の冷却が局所的に促進され、極端な場合には熔融ガラス塊上面にヒケによるくぼみができるおそれがあるが、盛り上げ方法2によれば、ガスの吹きかかるガラスの部分を小さくし、またガスの吹きかかる量を小さくすることにより、ヒケによるくぼみが生じやすい体積の大きい、中心部分が厚いプリフォームでも安定して上面の盛り上げを行うことができる。
第3の方法(盛り上げ方法3という。)は、先端部の中心部にガス吸引口を、前記ガス吸引口の周囲を囲むガス噴出口を有するノズルを用い、前記成形型上の熔融ガラス塊上面にノズルの先端部を近づけて、前記ノズル先端部の中心部が前記熔融ガラス塊上面の中心部の上方に位置するように前記先端部を熔融ガラス塊上面に対向させた状態で、前記ガス吸引口から熔融ガラス塊上面付近の雰囲気ガスを吸引するとともに前記ガス噴出口からガスを噴出して熔融ガラス塊の上面の盛り上げを行う方法である。
盛り上げ方法3では、例えば円筒状の外側管の内部に、同軸上に円筒状の内側管を配した二重管構造のノズルを使用する。ノズル先端部の外側管の開口部はガス噴出口、内側管の開口部はガス吸引口となる。そのようなノズルの詳細については後述する。成形型上の熔融ガラス塊上面にノズルの先端部を近づけて、ノズル先端部の中心部、すなわちガス吸引口が熔融ガラス塊上面の中心部の上方に位置するようにノズル先端部を熔融ガラス塊上面に対向させた状態で、ガス噴出とガス吸引を同時に行う。ガス吸引口の面積は熔融ガラス塊上面の中心部の平面視上の面積よりも十分大きくするとともに、熔融ガラス塊上面の平面視上の面積よりも小さくして、外側管のガス噴出口より噴出するガスが熔融ガラス塊上面の周辺部に吹き付けられるようにすることが好ましい。このようにすることによって、ガス噴出口より噴出するガスが熔融ガラス塊全体の上昇を抑えた状態で、ガス吸引による熔融ガラス塊上面の盛り上げを行うことができる。
盛り上げ方法1、3において、熔融ガラス塊上面の周辺部に吹き付けるガスの温度が低いと熔融ガラス塊上面外周部の冷却が促進され、熔融ガラス塊上面外周部と中央部の温度差が拡大し、硬化が遅れる上面中央部にヒケが生じやすくなる。よって、上記吹き付けるガスを加熱してから噴出することが望ましい。ガスの加熱温度は、ヒケによるくぼみが発生しないように調整、設定すればよく、200℃以上を目安にすることができる。
なお、盛り上げ方法2では、ガスを熔融ガラス塊に直接吹き付けないようにするが、ヒケによるくぼみ発生の防止に万全を期すため、ノズルから噴出させるガスを加熱することが好ましい。ガスの加熱温度の調整、設定は盛り上げ方法1、3と同様である。
また、熔融ガラス塊上面の盛り上げ操作は、ガラスの冷却が進み、前記操作を終了しても上面の形状が盛り上げ操作を行う前の形状に戻らず、中心肉厚が十分大きいプリフォームを得ることができるよう、熔融ガラス塊表面の粘度が105dPa・s以上になるまで続けることが望ましく、105〜107dPa・sの範囲になるまで続けることがより好ましく、106〜107dPa・sの範囲になるまで続けることがさらに好ましい。
ガラスの冷却がさらに進んで、概ね転移温度近傍にまで温度低下してから、成形型凹部上から成形したプリフォームを取り出す。取り出したプリフォームは急激な温度低下で割れないように徐冷する。以上の工程により、プレス成形に適した形状のプリフォームを得ることができる。
ノズルについて
次に、盛り上げ操作に使用されるノズルの構造および機能について説明する。
前述の盛り上げ操作のためには、例えば耐熱性材料(例えばステンレス)製のノズルを使用することができる。前記ノズルは、例えば円筒形状をしており、先端部にガスを噴出するガス噴出口を有する。ノズルの中心部を遮蔽し、ガスを噴出しない構造とし、この中心部を囲むように、例えば円環状にガス噴出口を設けることができる。この場合、円環状の中心はノズル先端部の中心部に相当する。このような構造を実現するには、ノズル先端部を開口部とし、開口部に細目の耐熱性ネットを張り、中心部に相当するネットの目を塞いで中心部の周りのみを開口部として残し、この開口部をガス噴出口とすればよい。または、ノズル内部のガス流路を円環状に形成し、中心部に相当する部分にはガス流路を設けない構造にしてもよい。このようなノズルの具体的態様については、後述する。但し、ノズル先端部の中心部からはガスを噴出させず、中心部の周りからガスを噴出させる構造であれば、上記の例以外の構造としても差支えない。
中心部およびガス噴出口の大きさは、成形しようとするプリフォームの大きさや盛り上げたい部分の大きさに基づいて決めればよい。例えば、熔融ガラス塊上面の周辺部にガスを吹き付ける場合は、ガス噴出口の内径を小さくすることにより、熔融ガラス塊上面中央部の曲率半径を小さくすることができる。また、熔融ガラス塊上面の周辺部を囲むようにガスを噴出する場合は、ガスが上記周辺部に直接かからない方向にガス噴出口の方向、ノズルと熔融ガラス塊との距離を調整すればよい。
ガス噴出口からのガスの噴出とともに、熔融ガラス塊上面中心領域近傍の雰囲気ガスを吸引するには、同心状の二重管構造を有するノズルを使用することが好ましい。二重管の外側の管と内側の管の間を噴出するガスの流路とし、そのノズル先端部側の開口部をガス噴出口とする。内側の管のノズル先端部側の開口部はガス吸引口とすることができる。そのようなノズルの具体的態様については、後述する。ガス吸引口から吸引されたガスは内側の管の内部を通り、ノズルの他端に接続した管を通って吸引装置へと流れ、吸引装置外部へと排出される構成とすることができる。内側の管の開口部、すなわち吸引口の大きさ、および、外側の管の開口部、すなわちガス噴出口の大きさは、前述と同様に、成形しようとするプリフォームの大きさや盛り上げたい部分の大きさに基づいて決めればよい。吸引されるガスは高温状態になるので、その流路は耐熱性の材料で構成することが好ましく、吸引装置にガスが達する際にはガスの温度が十分低下するように管の長さ、または必要に応じて管の周りを冷却する。
前述のように、ガス噴出口から噴出するガスは、ガラスのヒケによるくぼみ発生を防止する上から、加熱することが望ましい。その温度設定は、成形したプリフォームにくぼみが発生しないように調整、設定すればよい。一つの目安としてガスの加熱温度は200℃以上、好ましくは250℃以上とする。このように高温のガスを噴出するには、ガスをノズルに導く管をノズル同様、耐熱性材料、例えばステンレスなどで作り、この管の周りにヒーターを巻いて内部を流れるガスを所望の温度にまで加熱すればよい。
ガス噴出量は熔融ガラス塊上面の盛り上がり状態を確認しながら適宜設定することができる。そのために、ノズルから噴出するガスの流量を調整、設定するためのガス流量調整設定器を用いることが好ましい。ガス流量は一度適正な値に設定した後は、前記流量を維持するようにすることが好ましい。ガス流量の安定化は、周知の方法、装置により実現することができる。ノズルと熔融ガラス塊との距離は、プリフォームの盛り上がり状態を確認しながら適宜、ノズルを鉛直方向に動かして調整することが好ましい。
前記ノズルを鉛直に配置し、熔融ガラス塊上面が前述のように対称になるように盛り上げ操作を行うことが好ましい。盛り上げ操作時には、ノズル先端部の中央部が熔融ガラス塊上面の中心部と対向するように、ノズルと成形型を位置決めすることが好ましい。そのためには、予めノズル先端部の中心が停留位置における成形型凹部の中心の鉛直上方に位置するよう位置決めし、ノズルを退避させる場合でもノズルの水平方向の位置が変わらないように上下方向にノズルを動かす機構を設けて退避を行うこと、または、ノズルを退避させる代わりにノズルに流す噴出ガスを止める方法を用いる(噴出ガスの流・止を制御する)ことが好ましい。または、ノズルと熔融ガラス塊上面の距離、両者の位置関係を一定に保った状態で、熔融ガラス塊とともにノズルを移動して盛り上げ操作を継続的に行うことが好ましい。
前述のようにガス吸引口を有するノズルを使用する場合には、ガス吸引口が熔融ガラス塊上面の中心部と対向するように、ノズルと成形型を位置決めすることが好ましい。そのためには、予めノズルのガス吸引口の中心が停留位置における成形型凹部の中心の鉛直上方に位置するよう位置決めし、ノズルを退避させる場合でもノズルの水平方向の位置が変わらないように上下方向にノズルを動かす機構を設けて退避を行うこと、または、ノズルを退避させる代わりにガスの吸引を止める方法(ガス吸引のON、OFF)を用いることが好ましい。
成形対象のガラスについて
次に、本発明のプリフォームの製造方法において使用されるガラスについて説明する。
本発明のプレス成形用プリフォームの製造方法によって製造されたプリフォームは、例えばガラス製光学素子の製造に使用される。そのため、成形対象とするガラスは、光学素子の使用目的に応じた光学ガラスとすればよい。光学ガラスの種類は、特に限定されない。流出時の粘性の面からの制限は特にないが、好ましくは100dPa・s以下、より好ましくは70dPa・s以下、さらに好ましくは50dPa・s以下のガラスを成形対象にすることができる。
ところで、体積が300mm3以上のプリフォームを流出時のガラスの粘性が10dPa・s以下のガラスを使用して成形する場合、成形型上面に形成した凹部上の熔融ガラス塊上面が平らになりやすく、従来の吸引のみによって熔融ガラス塊上面を盛り上げる方法ではガストラップを確実に防止するまで上面を盛り上げることは難しい。従来の吸引のみの方法で上記熔融ガラス塊上面を盛り上げようとすると、吸引力を増加させるためにノズル吸引口を熔融ガラス塊上面に接近させなければならず、その結果、熔融ガラス塊上面がノズル吸引口に吸い込まれてしまう。しかし、本発明によれば、前述のように、熔融ガラス塊上面の盛り上げを熔融ガラス塊全体の上昇を抑えながら行うことができるため、上記のようにガラスがノズルに吸い付くことを確実に防止することができる。
したがって、本発明のプレス成形用プリフォームの製造方法は、体積が300mm3以上のプリフォームを流出時のガラスの粘性が10dPa・s以下のガラスを使用して成形する場合に好適である。このようなガラスとしては、液相温度が800℃以上のリン酸塩ガラス、液相温度が900℃以上のB23およびLa23含有ガラスなどを例示することができる。
また、組成の面からは、精密プレス成形時の還元の問題および環境影響への配慮からPbを含まないものが望ましく、精密プレス成形時にプレス成形型成形面を酸化によって劣化させないために砒素を含まないガラスが望ましい。
プリフォームの体積、形状について
次に、本発明のプリフォームの製造方法において製造されるプリフォームの体積、形状について説明する。
本発明に限らず、熔融ガラス塊から直接プリフォームを成形する、所謂、熱間成形法と呼ばれるプリフォームの成形法では、前述のように成形型上面の凹部上で熔融ガラス塊の上面と下面とを反転させずにプリフォームを成形する場合と、成形型上面の凹部上で熔融ガラス塊をあらゆる軸の周りに回転させながら球状のプリフォームを成形する場合などがある。
本発明のプリフォームの製造方法は、前述のように熔融ガラス塊の上面と下面を反転させずに成形を行うことにより、比較的体積の大きいプリフォームを良好に製造することができる。具体的には、本発明のプリフォームの製造方法は、好ましくは300〜3500mm3、より好ましくは400〜3500mm3の体積を有するプリフォームの成形に好適である。
プリフォームをプレス成形して作る光学素子の代表的なものはレンズであって、概して光軸を回転対称軸とする回転体形状をしている。このような形状の光学素子をプレス成形するには、プリフォームの形状も回転体形状にすると都合が良い。球状のプリフォームを成形する方法では、当然、プリフォームは回転体形状となるが、熔融ガラス塊の上面と下面とを反転させずにプリフォームを成形する場合においても、回転体形状に成形することが望まれる。その場合、成形型凹部の少なくとも熔融ガラス塊を載置する部分の形状、好ましくは凹部全体の形状を凹部の中心軸の周りの任意の角度の回転に対して対称となる形状にする。前述のようにプリフォーム下面は、凹部形状の反転形状とすることができ、プリフォーム下面にも凹部と同様の対称性を付与することができる。一方、プリフォーム上面は自由表面となるから上面形状もある軸の周りの任意の角度の回転に対して対称となる。プリフォーム上面と下面は1本の対称軸を共有し、プリフォームはこの軸を中心とする回転体形状となる。
プリフォーム下面の曲率半径(絶対値)を小さくするには成形型凹部の曲率半径(絶対値)を小さくすればよく、プリフォーム上面の曲率半径(絶対値)を小さくするには熔融ガラス塊上面の盛り上げを十分大きくすればよい。このようにして、プリフォーム上面と下面の曲率半径を所望の値にすることができる。
プリフォームを加熱してプレス成形型によりプレスする際、例えばプリフォーム下面をプレスする型成形面が凹形状であって曲率半径がプリフォーム下面の曲率半径よりも小さいと、型成形面とプリフォーム下面の間でガストラップがおきる可能性が生じる。同様のことはプリフォーム上面についても言えるため、プリフォーム上面と下面の曲率半径の絶対値を小さくすることが望ましい。プリフォームの形状が上記のように、回転対称軸が1本の回転体の場合、プリフォーム上面、下面とも外側に凸形状をしているため、回転対称軸に沿った肉厚が最大の肉厚(以下、中心肉厚という。)となる。また、回転対称軸方向から見たときのプリフォームの直径を外径と呼ぶことにすると、ガストラップを効果的に防止できるプリフォームは、外径に対する中心肉厚の割合(中心肉厚/外径)が大きいものである。しかし、熔融ガラス塊上面と下面の反転を行わずにプリフォームを成形する場合、上記割合には上限がある。上記好ましいプリフォーム体積において、外径に対する中心肉厚の割合(中心肉厚/外径)の好ましい範囲は0.3〜0.7の範囲である。
プリフォームを量産し、これらプリフォームをプレス成形して光学素子を量産する場合、多数個のプリフォームを自動搬送してプレス成形装置に導入する必要上、上面と下面の曲率差が大きいプリフォームでは、プリフォームを搬送トレイに並べる際に多数個のプリフォームの向きを揃える、すなわちトレイ上でプリフォームの決まった面が上向きになるように並べる必要があった。プリフォームの向きが不揃いの状態で、自動搬送手段によりプレス成形装置にプリフォームを導入すると、前述のようにプリフォーム表面の曲率とプレス成形型成形面の曲率の組み合わせによっては、プレス成形時にガストラップが発生するおそれがある。また、トレイに向きを揃えてプリフォームを配置しても、プレス成形型にプリフォームを落下供給する場合、落下時の衝撃でプレス成形型内、すなわちプレス成形型の下型上でプリフォームが反転し、プリフォーム表面の曲率とプレス成形型成形面の曲率の組み合わせが意図するものとならず、ガストラップが発生する組み合わせになってしまうことがある。したがって、プリフォームの上面と下面の曲率半径の差が小さいことが望ましい。このようなプリフォームであれば、トレイ上でプリフォームの上下面が反転しても、または、プレス成形型した下型上でプリフォームが反転しても上記問題を回避することができる。
以上の観点から、プリフォームの上下面の曲率半径を以下の範囲にまで近づけることが好ましい。まず、プリフォーム上面または下面のいずれかに相当する面を第一の面とする。この面は、回転対称軸との交点を含む。第一の面において、プリフォームの外径の1/3を直径とし、前記交点を中心にした仮想的な円を描き、この円内部分の曲率半径をR1とする。同様に、プリフォーム上面または下面のうち第一の面でない面を第二の面とする。この面も回転対称軸との交点を含む。第二の面において、プリフォームの外径の1/3を直径とし、前記交点を中心にした仮想的な円を描き、この円内部分の曲率半径をR2とする。
上記プリフォームは第一の面および第二の面の前記円内部分の形状がともに外側に凸状となっている。そのため、プレス成形型による加圧開始時にはプレス成形型の成形面がまず第一の面と回転対称軸との交点および第二の面と回転対称軸との交点が接触することになり、加圧が進むにつれて上記交点に近い部分のガラスから型成形面に接触することになる。そのため、ガストラップを発生することなくプレス成形を行うことができる。なお、本発明によれば、前記の第一の面および第二の面において上記以外の部分も凹みがなくなだらかな曲面であるプリフォームを得ることができる。
また、2×|R1−R2|/(R1+R2)を好ましくは30%以内、より好ましくは20%以内、更に好ましくは15%以内、より一層好ましくは10%以内とすることにより、プリフォームがプレス成形型内で反転しても支障がなく、多数のプリフォームをトレイに配列する場合でもすべてのプリフォーム上面を同じ向きを揃える手間を省くことができる。
ガストラップは比較的、プレス温度が低く、粘度の高い状態のガラスをプレス成形する場合に発生しやすい。さらに、高い精度が要求されるプレス成形品ではガストラップによる形状精度の低下は徹底して防止しなければならない。精密プレス成形には上記2つの要求がともに存在するから、本発明のプリフォームの製造方法は精密プレス成形用プリフォームの製造方法として好適である。
中型または大型の光学素子、例えばレンズを精密プレス成形する際、光学素子の多様な形状に対し、プレス成形型内にガラスが十分に広がり、ガストラップをも防止するためのプレス成形用プリフォームの形状について検討を重ねた結果、プリフォームの上下面の曲率半径の差を上記範囲内にするとともに、外径に対する最大の肉厚が0.3〜0.7(好ましくは0.4〜0.7)、体積が300〜3500mm3(好ましくは400〜3500mm3)のプリフォームを成形すればよいことを経験的に見出した。上記形状のプリフォームは、本発明のプリフォームの製造方法により製造することができる。なお、外径に対する最大の肉厚の割合が0.3以上、好ましくは0.4以上であれば、精密プレス成形によりプレス成形型内にガラスを完全に広げることができ、精密プレス成形品の目的とする形状精度を得ることができる。但し、外径に対する最大の肉厚の割合が0.7を超えると、形状が球に近くなるため、前記2つの面の曲率半径の差を小さくする意味が薄れる。また、上記体積範囲において、外径に対する最大の肉厚の割合を0.7超にするとプリフォーム表面に変曲点が生じやすくなり、精密プレス成形に適したプリフォームを得にくくなる。しかも、外径に対する最大の肉厚の割合が0.7を超えると、型上でのプリフォームの安定性(すわり)が悪くなり、プレスしたレンズが偏肉しやすくなる。そのため、外径に対する最大の肉厚の範囲を0.3〜0.7(より好ましくは0.4〜0.7)とすることが好ましい。体積が上記範囲内であれば、上記外径に対する最大の肉厚のプリフォームを容易に得ることができ、また、プリフォーム表面の変曲点の発生を防止しつつ、前記2つの面の曲率半径の差を小さくすることができる。
以上の観点から、本発明のプレス成形用プリフォームの製造方法により、以下のプリフォームを製造することが好ましい。
回転対称軸が1本の回転体であって、回転対称軸に沿って最大の肉厚を有する光学ガラスよりなるプレス成形用プリフォームであって、
前記回転対称軸と表面の2つの交点の一方を含む面を第一の面、前記交点の他方を含む面を第二の面とし、
第一の面および第二の面において、前記交点を中心にした、外径の1/3を直径とした円内部分の形状がともに外側に凸状となっており、
第一の面の前記円内部分の曲率半径をR1、第二の面の前記円内部分の曲率半径をR2としたとき、2×|R1−R2|/(R1+R2)が30%以内、好ましくは20%以内、より好ましくは15%以内、更に好ましくは10%以内、外径に対する最大の肉厚の割合が0.3〜0.7、好ましくは0.4〜0.7、体積が300〜3500mm3、好ましくは400〜3500mm3の精密プレス成形に好適なプレス成形用プリフォーム。
ここで、上記最大の肉厚とは上記の中心肉厚に相当する。なお、本発明では、製造されたプリフォームの表面に、プレス成形時の離型効果を高めるため、炭素含有膜や自己組織化膜を被覆してもよい。
[プレス成形用プリフォーム]
次に、本発明のプレス成形用プリフォームについて説明する。
本発明のプレス成形用プリフォームは、ガラス製のプレス成形用プリフォームであって、以下の形状を有し、かつ熔融ガラス塊を冷却する過程で成形したものである。
回転対称軸が1本の回転対称体であって、回転対称軸に沿って最大の肉厚を有し、
前記回転対称軸と表面の2つの交点の一方を含む面を第一の面、前記交点の他方を含む面を第二の面とし、第一の面および第二の面において、前記交点を中心にした、外径の1/3を直径とした円内部分の形状がともに外側に凸状となっており、
第一の面の前記円内部分の曲率半径をR1、第二の面の前記円内部分の曲率半径をR2としたとき、2×|R1−R2|/(R1+R2)が30%以内、外径に対する最大の肉厚の割合が0.4〜0.7、体積が400〜3500mm3である。
本発明のプレス成形用プリフォームは、凹面形状の上型および下型を有する成形型を使用し、前記下型上にプリフォームを落下供給した後、上型と下型の間でプレス成形することにより光学素子を得るために好適に使用することができる。
前述のように、前記の第一の面および第二の面において、前記交点を中心にした、外径の1/3を直径とした円内部分の形状がともに外側に凸状となっていれば、プレス成形型による加圧開始時にはプレス成形型の成形面がまず第一の面と回転対称軸との交点および第二の面と回転対称軸との交点が接触することになり、加圧が進むにつれて上記交点に近い部分のガラスから型成形面に接触することになる。そのため、ガストラップを発生することなくプレス成形を行うことができる。なお、前記の第一の面および第二の面においては上記以外の部分も凹みがなくなだらかな曲面であることが好ましい。
また、先に説明したように、落下供給法では落下時の姿勢や落下時の衝撃等でプレス成形型の下型上でプリフォームが反転し、プリフォーム表面の曲率とプレス成形型成形面の曲率の組み合わせが意図するものとならず、ガストラップが発生することがある。それに対し、前記[2×|R1−R2|/(R1+R2)]が30%以内であれば、上面と下面の曲率が近似しているため、落下供給時に上下面が反転しリフォーム表面の曲率とプレス成形型成形面の曲率の組み合わせが意図したものにならなかったとしても、ガストラップの発生を低減することができる。落下供給法を使用する場合のガストラップ発生を効果的に防止する観点から、前記[2×|R1−R2|/(R1+R2)]は、好ましくは20%以内、より好ましくは15%以内、更に好ましくは10%以内である。
また、前述のように、前記プリフォームの外径に対する最大の肉厚の割合が0.4〜0.7であれば、精密プレス成形によりプレス成形型内にガラスを完全に広げることができ、精密プレス成形品の目的とする形状精度を得ることができる。
次に、本発明のプレス成形用プリフォームが、熔融ガラス塊を冷却する過程で成形したものであることによって得られる効果を説明する。
1個分の質量がプリフォームの質量に相当する熔融ガラス塊を冷却する際、冷却は表面からの放熱によって進むため、中心部に比べて表面の冷却速度のほうが大きくなる。そうするとガラス塊の表面部が固化して流動性を失った後に中心部が固化するため、中心部が表面部を内部に引っ張るような応力が発生する。熔融ガラスから直接プリフォームを成形する場合には、このような状態でガラス塊全体が固化し、プリフォームが成形されるが、上記応力のためプリフォーム表面部には圧縮応力層が生じる。つまり、プリフォームは風冷強化された状態になるため、大きなガラス成形体からガラスを切り出し、研削、研磨して作製したプリフォームよりも耐衝撃性に優れるという特徴を有する。
ここで圧縮応力層はプリフォーム全表面にわたり形成される。本発明のプリフォームの形状は上記のとおり回転対称性を有するので対称に冷却されやすい。また、外径に対する最大の肉厚も0.4以上なので極端に冷えやすい部位がないため、上記冷却が外乱の影響を受けにくい。ガラスが対称に冷却されることにより、プリフォーム中の応力分布も回転対称になる。逆にガラスの冷却が非対称に進むと表面部において圧縮応力が大きい部位が生じ、その部位のまわりには引っ張り応力が生じることになるから耐衝撃性が低下してしまう。
さらに本発明のプリフォームは全表面が熔融状態のガラスが固化して形成された面、所謂、火作り面になっているので、潜傷を含む傷がない状態になっている。プリフォームを精密プレス成形する際に加熱したり、前記成形の前に炭素含有膜などの潤滑性膜をコートする際に加熱する場合、急速にプリフォームの加熱をスタートすると、表面に傷があるプリフォームは破損しやすいのに対し、本発明のプリフォームは表面が火作り面になっているので耐熱衝撃性に優れ、短時間の加熱によるプリフォームの破損を回避することもできる。
更に、本発明のプリフォームは、全表面が熔融状態のガラスが固化して形成された面(火作り面)であるため、全表面が外側に凸の曲面によって構成される。本発明において、全表面が外側に凸の曲面によって構成されるプリフォームは、プリフォーム表面上の任意の点における曲率を任意の方向に測定したとき、曲率の絶対値が0を超えるものに限られる。つまり、全表面が外側に凸の曲面によって構成されるプリフォームでは、プリフォーム表面を1つの平面に接触させたとき、プリフォーム表面と前記平面の接点は1つのみ存在する。そのため、プレス成形型にプリフォームを導入する際に、安定した状態でプレス成形型内にセットすることができる。仮にプリフォームの一部に平面部があると、平面部が成形型に接地することにより不安定な状態でセットされることになり、プレス成形に支障をきたすが、本発明のプリフォームによればこのような不具合を回避することもできる。
前述の通り、本発明のプリフォームは、第一の面と第二の面の曲率半径が同等または同等に近いので、落下供給時など、プリフォームを取扱う際にプリフォームが反転してもプレス成形時にガストラップなどのトラブルを解消できる上に、耐衝撃性にも優れるため、プリフォームの反転が生じるような衝撃がプリフォームに加わっても破損しにくい。従来の方法では、比較的体積の大きなプリフォームの上面を盛り上げることは困難であったため、熔融ガラスから直接、比較的大きな体積を有し、かつ上下面の曲率が近いプリフォームを製造することは困難であった。それに対し、本発明によれば、400〜3500cm3、更には430〜3500cm3という比較的大きな体積を有するとともに、上下面の曲率が近く、形状、優れた耐衝撃性、耐熱衝撃性が相まって取扱いが容易なプリフォームを提供することができる。
[プレス成形用プリフォーム成形装置]
本発明の第一の態様のプレス成形用プリフォーム成形装置(以下、「装置I」ともいう)は、
成形型上に供給した熔融ガラス塊を、前記ガラス塊を冷却する過程でプレス成形用プリフォームに成形するプレス成形用プリフォーム成形装置において、
前記成形型と、
先端部の中心部を囲むようにガス噴出口が形成されたノズルと、
前記成形型上に供給された熔融ガラス塊の上面中心部の上方に前記ノズル先端部の中心が位置するように前記成形型および/または前記ノズルを移動させる手段
を有し、
前記ノズルは、前記熔融ガラス塊の上面中心部と前記ノズル先端部の中心部を対向させた状態で、前記熔融ガラス塊の上面中心領域よりも外側に向けて、前記ガス噴出口からガスを放射状に噴出させ、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げるための手段であることを特徴とするプレス成形用プリフォームの成形装置
である。
装置Iの成形型は、好ましくは、その上面に凹部を有する。凹部の形状の詳細は、前述の通りである。成形型は、ステンレス、カーボン等の耐熱性材料により構成することが好ましい。
装置Iは、好ましくは、複数個の成形型と、前記複数個の成形型を搬送する搬送手段を有する。例えば、ターンテーブルとターンテーブルをインデックス回転する回転駆動装置を前記搬送手段とし、ターンテーブルの回転軸を中心とした円周上に等間隔に複数個の成形型を配置する。上記搬送手段により、複数個の成形型が、停留位置において停留した後、次の停留位置に移動するという動作を繰り返しながら周回移動する。この態様の装置において、例えば、特定の停留位置に停留している成形型に熔融ガラス塊を供給するようにする。以下、この位置をキャスト位置(または第1の停留位置)と呼ぶことにする。
熔融ガラス塊の供給は、前述の第1の降下切断法を行う手段を装置Iに付加し、キャスト位置で、熔融ガラスを一定流量で流出するパイプ先端に成形型を近づけ、熔融ガラス流下端部を受けた後に成形型を急降下して、第1の降下切断法によって凹部に所定重量の熔融ガラス塊を受けるようにしてもよいし、第2の降下切断法または支持体除去による切断法を行う手段を装置Iに付加し、支持体を用いて所定重量の熔融ガラス塊を分離し、キャスト位置で停留する成形型の凹部に供給してもよい。熔融ガラスをパイプから一定流量で流出させることにより、熔融ガラス塊を分離する時間間隔を一定に維持すれば、一定重量の熔融ガラス塊を分離することができ、結果としてプリフォームの重量精度を高くすることができる。なお、熔融ガラス塊の調製方法は前述の通りである。
次いで、キャスト位置から搬出された成形型の次の停留位置以降の停留位置において、成形型上に供給された熔融ガラス塊の上面中心部の上方に前記ノズル先端部の中心が位置するように成形型を移動させる。ノズルは成形型の移動を妨げない位置に固定してもよいし、成形型が移動しているときには上方に退避させておき、成形型が停留する際に同期してノズルを熔融ガラス塊上面に近づけ、成形型の移動開始時には再び上方に退避させるよう、ノズル移動手段を設けてもよい。または、成形型が移動しているときはノズルに流すガスを止め、ノズル直下に成形型が入った時点からタイミングを計り盛り上げ操作を行ってもよい。
前述のように、熔融ガラス塊上面の盛り上げは、熔融ガラス塊を形成するガラスの粘度が低粘度であるときに行うことが好ましい。したがって、ノズルを配置する停留位置は、キャスト位置の次の停留位置(第2の停留位置という)、または第2の停留位置および第2の停留位置以降の停留位置とすることが望ましい。このようにすることにより、低粘度の熔融ガラス塊上面を比較的容易に盛り上げることができる。なお、熔融ガラス塊上面の盛り上げを中止することにより、熔融ガラス塊上面の盛り上がりが減少したり、ヒケによって上面がくぼんでしまうと、その後に盛り上げ操作を再開しても熔融ガラス塊上面を十分盛り上げてからガラスを固化することは難しくなる。したがって、熔融ガラス塊上面の盛り上げ操作を開始してから継続的に行うことが望ましく、成形型の移動中も熔融ガラス塊上面上方の位置を保ちつつ、ノズルを成形型とともに移動させ、継続してガスを噴出させることが望ましい。
比較的大きなプリフォームを成形する場合、流出直後、例えば第2の停留位置において、ガス噴出口の径が大きいノズルを使用し、このノズルを熔融ガラス塊上面を上面上方に配置し、ガスを噴出することにより熔融ガラス塊上面を全体的に盛り上げることができる。次いで、ガス噴出口の径が小さいノズルを使用し、第3の停留位置においてガスを噴出してガラス塊上面の中心部を盛り上げることができる(なお、ガラス塊の外周部は硬化が早いので、早い段階で盛り上げ操作を行うことが望ましい)。これにより、熔融ガラス塊上面を広い範囲にわたり盛り上げることができる。このような方法は、特に体積が600mm3以上のプリフォームの成形に好適である。
成形型の停留時間はガラスの種類や熔融ガラス塊の大きさなどの諸条件によって適宜調整すればよいが、3〜30秒の範囲とすることが好ましい。停留位置間の移動に要する時間についても、同様に諸条件によって適宜調整すればよいが、パイプの先端から熔融ガラスが液滴となって落ちる前に次の停留位置に成形型を移動する必要がある。
成形型上面の凹部にはガス噴出孔を設け、前述のように、ガスを噴射して浮上成形を可能にすることが好ましい。浮上成形の詳細は前述のとおりである。
熔融ガラス塊が冷却し、プリフォームに成形された後、成形型凹部より取り出す。取り出しの機構としては、凹部上のプリフォーム上面を吸引して成形型から取り出すロボット機構や、成形型を傾斜させて凹部からプリフォームを転がして出す機構、またはガスを吹き付けてプリフォームを緩衝材上に吹き飛ばす機構などを用いればよい。取り出したプリフォームは徐冷盤上に配置するなどして徐冷することが望ましい。
プリフォームの取り出しは、ガラスが転移温度近傍またはそれ以下になったときを目安に行えばよい。プリフォームを取り出した後の成形型は再び、キャスト位置へと搬送され、熔融ガラス塊が供給される。このようにして成形型を循環して移送することにより、一定形状、一定重量のプリフォームを多量に製造することができる。
本発明の第二の態様のプレス成形用プリフォーム成形装置(以下、「装置II」ともいう)は、
成形型上に供給した熔融ガラス塊を、前記ガラス塊を冷却する過程でプレス成形用プリフォームに成形するプレス成形用プリフォーム成形装置において、
前記成形型と、
先端部の中心部を囲むようにガス噴出口が形成されたノズルと、
前記成形型上に供給された熔融ガラス塊の上面中心部の上方に前記ノズル先端部の中心が位置するように前記成形型および/または前記ノズルを移動させる手段
を有し、
前記ノズルは、前記熔融ガラス塊の上面中心部と前記ノズル先端部の中心部を対向させた状態で、前記ガス噴出口からガスを噴出させ、熔融ガラス塊上面の中心領域近傍の雰囲気の圧力を局所的に減少させて、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げるための手段であることを特徴とするプレス成形用プリフォームの成形装置
である。
装置IIでは、熔融ガラス塊の上面中心部と前記ノズル先端部の中心部を対向させた状態で、前記ガス噴出口からガスを噴出させ、熔融ガラス塊上面の中心領域近傍の雰囲気の圧力を局所的に減少させて、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げる。熔融ガラス塊上面の中心領域近傍の雰囲気の圧力を局所的に減少させるには、装置Iのようにガス噴出口からガスを噴出すればよい。装置IIにおけるプリフォーム成形の詳細は、先に装置Iについて述べた通りである。また、装置IおよびIIにおけるノズルおよび盛り上げ操作の詳細は、先に本発明のプレス成形用プリフォームの製造方法について述べた通りである。
本発明のプレス成形用プリフォームの製造方法および成形装置によれば、熔融ガラス塊上面のノズルへの吸い付きが起こらないので、熔融ガラス塊上面付近の負圧を大きくすることができ、上面を盛り上げにくい熔融ガラス塊であっても十分な盛り上げを行うことができ、従来の方法に比べ、盛り上げの程度を大きくすることもできる。
特に、本発明によれば、上下面の曲率半径が小さく、かつ両面の曲率半径が同等のプリフォームを高い生産性のもとに製造することができる。
[光学素子の製造方法]
本発明は、更に、
ガラス製のプリフォームを加熱し、プレス成形してガラス製光学素子を作製する光学素子の製造方法において、
前記プリフォームとして、本発明のプレス成形用プリフォームの製造方法により作製したプリフォームまたは本発明のプレス成形用プリフォームを使用することを特徴とする光学素子の製造方法
に関する。
前述のように、本発明のプレス成形用プリフォームの製造方法によれば、ガストラップなどの問題を引き起こすことのないプレス成形に適した形状のプレス成形用プリフォームを安定して、かつ高い生産性のもとに作製でき、この方法により得られたプレス成形用プリフォームを用いることにより、光学素子を高い生産性のもとに製造することができる。
本発明の光学素子の製造方法では、精密プレス成形によって光学素子を製造することが好ましい。精密プレス成形は、モールドオプティクス成形法とも呼ばれ、プレス成形によって光学機能面の形状を形成する方法であり、既に当該発明の属する技術分野においてはよく知られたものである。光学素子の光線を透過したり、屈折させたり、回折させたり、反射させたりする面を光学機能面と呼ぶ。例えばレンズを例にとると非球面レンズの非球面や球面レンズの球面などのレンズ面が光学機能面に相当する。精密プレス成形法は、プレス成形型の成形面を精密にガラスに転写することにより、プレス成形で光学機能面を形成する方法である。つまり光学機能面を仕上げるために研削や研磨などの機械加工を加える必要がない。
精密プレス成形法に使用するプレス成形型としては、公知のもの、例えば炭化珪素、超硬材料などの型材の成形面に離型膜を設けたものを用いることができる。中でも、炭化珪素製のプレス成形型を用いることが好ましい。離型膜としては、炭素含有膜、貴金属合金膜などを使用することができ、耐久性、コストの面などから、炭素含有膜を用いることが好ましい。
精密プレス成形法では、プレス成形型の成形面を良好な状態に保つため、成形時の雰囲気を非酸化性ガス雰囲気にすることが望ましい。非酸化性ガスとしては、窒素、窒素と水素の混合ガスなどを用いることが好ましい。
次に本発明の光学素子の製造方法に特に好適な精密プレス成形法について説明する。
(精密プレス成形法1)
この方法は、プレス成形型に前記プリフォームを導入し、前記成形型とプリフォームを一緒に加熱し、精密プレス成形するというものである(以下、精密プレス成形法1とういう)。
精密プレス成形法1において、プレス成形型と前記プリフォームの温度をともに、プリフォームを構成するガラスが106〜1012dPa・sの粘度を示す温度に加熱して精密プレス成形を行うことが好ましい。
また前記ガラスが1012dPa・s以上、より好ましくは1014dPa・s以上、さらに好ましくは1016dPa・s以上の粘度を示す温度にまで冷却してから精密プレス成形品をプレス成形型から取り出すことが望ましい。
上記の条件により、プレス成形型成形面の形状をガラスにより精密に転写することができるとともに、精密プレス成形品を変形することなく取り出すこともできる。
(精密プレス成形法2)
この方法は、前記プリフォームを加熱した後に、プレス成形型に導入し、精密プレス成形する、すなわち、プレス成形型とプリフォームを別々に予熱し、予熱したプリフォームをプレス成形型に導入して精密プレス成形するというものである(以下、精密プレス成形法2という)。
この方法によれば、前記プリフォームをプレス成形型に導入する前に予め加熱するので、サイクルタイムを短縮化しつつ、表面欠陥のない良好な面精度の光学素子を製造することができる。
なおプレス成形型の予熱温度をプリフォームの予熱温度よりも低く設定することが好ましい。このようにプレス成形型の予熱温度を低くすることにより、前記型の消耗を低減することができる。
また、この方法によれば、プリフォーム加熱をプレス成形型内で行う必要がないので、使用するプレス成形型の数を少なくすることもできる。
精密プレス成形法2において、前記プリフォームを構成するガラスが109dPa・s以下、より好ましくは109dPa・sの粘度を示す温度に予熱することが好ましい。
また、前記プリフォームを浮上しながら予熱することが好ましく、さらに前記プリフォームを構成するガラスが105.5〜109dPa・s、より好ましくは105.5dPa・s以上109dPa・s未満の粘度を示す温度に予熱することがさらに好ましい。
またプレス開始と同時またはプレスの途中からガラスの冷却を開始することが好ましい。
なおプレス成形型の温度は、前記プリフォームの予熱温度よりも低い温度に調温されるが、前記ガラスが109〜1012dPa・sの粘度を示す温度を目安にすればよい。
この方法において、プレス成形後、前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上にまで冷却してから離型することが好ましい。
本発明では、少なくとも上型と下型を有し、上型成形面の形状と下型成形面の形状が異なるプレス成形型を用い、予め加熱したプリフォームを前記下型上に供給してプレス成形を行うことができる。本発明によれば、上面、下面とも所望の面形状を有するプリフォームを製造することができるので、このプリフォームを用いることにより、上型、下型の成形面形状が異なるプレス成形型を用いても、ガストラップなどの問題を引き起こすことなく、光学素子を高い生産性のもとに製造することができる。また、本発明のプリフォームは上下面の曲率が近似しているため、プリフォームを下型上に落下供給する際に上下面が反転したとしても、ガストラップの発生を低減することができる。
精密プレス成形された光学素子はプレス成形型より取り出され、必要に応じて徐冷される。また、レンズを成形した場合には、心取り加工を行ってもよい。
このようにして、本発明によれば、球面レンズ、非球面レンズ、マイクロレンズなどの各種のレンズ、回折格子、回折格子付のレンズ、レンズアレイ、プリズムなどの各種光学素子、用途としてはデジタルカメラやフィルム内蔵カメラの撮像光学系を構成するレンズ、カメラ付携帯電話搭載の撮像レンズ、CDやDVDをはじめとする光記録式媒体のデータ読取および/またはデータ書込み用に使用する光線を導光するためのレンズなどの各種光学素子を作製することができる。また、銅含有ガラス製のプリフォームを使用すれば、半導体撮像素子の色補正機能を有する光学素子を作製することもできる。中でもデジタルカメラ搭載のレンズを製造する方法として好適である。
なお、これら光学素子には必要に応じて、反射防止膜、全反射膜、部分反射膜、分光特性を有する膜などの光学薄膜を設けることもできる。
以下、本発明を実施例に基づき更に説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
(例1)
図1は、本発明のプレス成形用プリフォームの成形装置の一例の平面視図である。ターンテーブル1上には12個の成形型2がターンテーブルの回転軸の周りに等間隔に配置されている。これらの成形型2は、図示しない回転装置によりターンテーブル1をインデックス回転することによって、12の停留位置に順次、移動と停留を繰り返しながら移送される。
12箇所の停留位置のうち、図1に供給位置と示されている位置の上方に熔融ガラスを流出するパイプ3が配置されており、パイプ上端には図示しない熔融ガラス槽を設けてあり、ここで清澄、均質化した熔融ガラスを加熱、蓄積する。熔融ガラス槽内の熔融ガラスはパイプ3から連続して一定流量で流出する。供給位置に停留する成形型2は流出するガラス流の下端を受けるため上方に持ち上げられ、パイプ3のガラス流出口に近い位置で待機する。待機中の成形型2の凹部で上記熔融ガラス流の下端を受け、熔融ガラス流の下端とパイプ3のガラス流出口側の間にくびれを形成する。次に、前記成形型を鉛直下方に急降下して熔融ガラス流のくびれ部から下の部分を分離して、熔融ガラス塊5を上記成形型2の凹部上に載せる。このようにして熔融ガラス塊5を成形型2の凹部上に供給した後、ターンテーブル1を図1において反時計回りに回転させ、熔融ガラス塊5を載せた成形型2を次の停留位置に水平方向に移送する。このような動作を成形装置が繰り返すことにより、凹部上に熔融ガラス塊5を載せた成形型が水平方向に、かつ図1で示すように反時計回りに回転移送される。成形型2の移送の過程で凹部上の熔融ガラス塊はプリフォームに成形される。
例1では、成形型の凹部上にある熔融ガラス塊およびプリフォームならびに熔融ガラス塊がプリフォームに成形される過程のものを便宜上、一括してガラスと呼ぶ。
成形型2の凹部の内面全域にわたり、図示しないガス噴射孔が複数設けられている。これらのガス噴出孔からガスを噴出して凹部上のガラスに上向きの風圧を加えて、ガラスを凹部から浮上させ、あるいは断続的に浮上させてガラスと成形型の接触時間を短くする。
供給位置の次の停留位置以降の上方にはガスを噴出するノズル4が適宜配置されている。熔融ガラス塊上面の曲率半径が大きくならないように、前記曲率半径の小さい状態が維持されるように、熔融ガラス塊上面の曲率半径が変わらなくなるまで各停留位置で盛り上げ操作を行う。あるいは、停留位置に限らず、前述のようにガスを噴出するノズルを熔融ガラス塊とともに移動して、盛り上げ操作を継続して行ってもよい。
ノズル4は図示しない調整機構により、ノズル先端の高さを調整できるようになっている。ターンテーブル1をインデックス回転することにより、ノズル4の下方の停留位置に停留していた成形型2は凹部上にガラスを載せた状態で図1の取り出し位置と示されている停留位置までガラスを搬送する。
ノズル4の一例として、図2に示すようなノズルを示すことができる。図2(a)はノズル4先端部付近の垂直断面図(ノズルの中心軸を含む断面を示した図)であり、図2(b)はノズル4の先端部をノズルの中心軸の方向から見た図である。
図2に示すようにノズル4の先端部には耐熱性のネットがノズル4の開口部全域に弛まないように張られている。ネットの中央にノズルの中心軸と円形の遮蔽物6の中心が一致するように遮蔽物6を設け、ノズルから噴出するガスを遮蔽物6で遮蔽する。遮蔽物6はネットの網目を細かくしておき、網目を一つ一つ塞ぐようにして形成してもよいし、円形の遮蔽板をネットに貼り付けたものでもよい。遮蔽物6がノズル先端部の中心部となり、図2(b)において遮蔽物6(先端部の中心部)の回りを囲む円環状の開口部がガス噴出口7となる。ガス噴出口7にはネットが張られているが、ネットの網目がガス流路となるため、ネットはガスの噴出を妨げない。
ノズル4の他の例は、図3−1に示すものである。図3−1(a)はノズル4先端部付近の垂直断面図(ノズルの中心軸を含む断面を示した図)であり、図3−1(b)はノズル4の先端部をノズルの中心軸の方向から見た図である。ノズル4は円筒状の外側管4−1の内部に、同軸上に中実円柱状の棒4−2を配した構造になっている。外側管4−1と棒4−2の間に形成された空間はノズルから噴出するガスの流路になる。棒4−2の先端部は先端に行くにしたがい径が太くなっている。また、外側管4−1の先端部内径も先端に行くにしたがい内径が太くなっていて、先端部において噴出するガスの流路はガス噴出口9に向かいつつ、ノズル中心軸から外側に向かうように形成される。ガス噴出口9からガスは図3−1(a)において斜め下方に噴出する。
図3−1に示す構造を有するノズルを用いて盛り上げ操作を行う場合には、所望の盛り上げ操作を行うために、ノズルの形状、特にノズル先端部のガス噴出口の形状を調整することが好ましい。この点を、図3−2に基づき更に説明する。
例えば、ノズル先端部の開口面積(ガス噴出口開口面積)を調整することにより、ガス噴出量を調整することができる。図3−2(a)に、棒4−2先端部の形状を変更することにより、ノズル先端部の開口面積を調整する例を示す。図3−2(a)(i)に示すノズルよりも、図3−2(a)(ii)に示すノズルの方が開口面積(ガス噴出口開口面積)が小さいので、ガス噴出量は少なくなる。噴出ガス量を少なくすれば、熔融ガラス塊の端部にガスがかかっても、冷却促進の程度は小さいため、ヒケが生じにくくなることが期待できる。また、ヒケを防止するためには、熔融ガラス塊端部にガスがかかりにくい先端構造のノズルを用いることが有効である。そのようなノズル構造としては、図3−2(b)に示すものを挙げることができる。
また、図3−2(c)(i)〜(iii)に示すように、棒4−2の形状およびノズル先端部からの突出量を調整することにより、盛り上げ操作における盛り上げの程度を制御することができる。例えば、図3−2(c)(iii)に示すように、棒4−2先端部を大きくし、かつ外側管4−1端部よりも外側へ大きく突出させれば、ガスは熔融ガラス塊上面周辺部を囲むように(熔融ガラス塊の外側に)噴出される。これは、盛り上げ操作により曲率半径の大きな形状のプリフォームを得るために有効である。一方、盛り上げ操作により、曲率半径の比較的小さな形状のプリフォームを得るためには、図3−2(c)(i)に示すように、棒4−2先端部を小さくし、かつ外側管4−1端部からの突出量を小さくするか、または突出させないことが有効である。
ノズル4の他の例は、図4に示すものである。図4(a)はノズル4先端部付近の垂直断面図(ノズルの中心軸を含む断面を示した図)であり、図4(b)はノズル4の先端部をノズルの中心軸の方向から見た図である。ノズル4は円筒状の外側管4−1の内部に、同軸上に円筒状の内側管4−2を配した2重管構造になっている。外側管4−1と内側管4−2の間に形成された空間はノズルから噴出するガスの流路となり、内側管4−2の内部はノズル外部から吸引した気体の流路になる。内側管4−2の開口部は前記ガスを吸引するためのガス吸引口8として機能し、内側管4−2の回りの外側管4−1の開口部がガス噴出口9として機能する。この場合、ガス吸引口8と内側管4−2の端部がノズル4先端部の中心部に相当する。
図2に示したノズルを第1のノズル、図3−1に示したノズルを第2のノズル、図4に示したノズルを第3のノズルとすると、第1のノズルの内径は、プリフォームの外径の70%以上の範囲で設定することが好ましく、第1のノズルの中心部の直径はノズルの外径の40〜80%の範囲で設定することが好ましい。第2のノズルは、ガスを斜め下方に噴出するため、成形型凹部上の熔融ガラス塊上面の周辺部を囲むようにガスが流れるようにガス噴出口の方向、ガス噴出口の寸法、ノズルと熔融ガラス塊上面の距離を決めればよい。第3のノズルの外径は、プリフォームの外径の70%以上の範囲で設定することが好ましく、第3のノズルの中心部の直径はノズルの外径の10〜80%の範囲で設定することが好ましい。
第1、第2、第3のいずれのノズルを使用する場合でも、ノズル4の先端部の中心部を、上記位置に停留する成形型の凹部上に供給された熔融ガラス塊の上面の中心部の真上にノズルの位置合わせをする。成形型の移動経路、停留位置は一定しているので、一度、ノズル4の位置を合わせればよい。なお、上記位置合わせは成形型の停留位置を調整して行ってもよいし、ノズルと成形型の停留位置の両方を調整して行ってもよい。
このように位置合わせがなされた状態で、停留中の成形型上にある熔融ガラス塊5上面の中心部とノズル4先端部の中心部が対向する。この状態で、ノズル4のガス噴出口からガスが一定流量で噴出しているので、第1のノズルおよび第3のノズルを使用した場合は、ノズル4から噴出するガスが熔融ガラス塊5上面の周辺部に吹き付けられる。このガスの吹き付けにより熔融ガラス塊5上面の周辺部には下向きの風圧が加わる。
第1のノズルを使用した場合、ノズル先端部の中心部は遮蔽物6によって噴出するガスが遮蔽されているので、遮蔽物6と熔融ガラス塊上面の遮蔽物6と対向する部分(中心領域)の間の空間の圧力が局所的に減少する。
第2のノズルではガスは直接熔融ガラス塊に吹きかからないが、ガラス自身が上昇し、ノズルに接近した場合にはノズルから吹き出すガスがガラスの外周部に当たり、吸い付きを防止する。
第3のノズルを使用した場合、ノズル先端部のガス吸引口8から熔融ガラス塊上面の中心領域近傍の気体が吸引され、圧力が局所的に減少する。
第1、第2、第3のいずれのノズルを使用しても、熔融ガラス塊上面の周辺部には下向きの風圧が加わり、熔融ガラス塊上面の周辺部に囲まれた面に接する気体の圧力が局所的に減少するので、熔融ガラス塊全体の上昇を抑えつつ、熔融ガラス塊の上面を盛り上げることができる。
例1では、B23、La23をはじめとするガラス成分を含む屈折率(nd)が1.8近傍、アッベ数(νd)が46近傍、軟化温度が640℃の光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームを上記装置を用いて成形した。ノズルとして第1のノズルを使用し、ガス噴出口を直径8mm、遮蔽物の直径を5.5mmとした。ノズルから噴出するガスの温度は300℃とし、流量を10リットル/分とした。噴出するガスの種類は空気、窒素、不活性ガスなどを使用すればよい。このようにして、熔融ガラス塊表面の粘度が105dPa・s以上になるまで熔融ガラス塊上面の盛り上げ操作を行った。
図5は第1のノズルを使用して、成形型凹部上の熔融ガラス塊の上面を盛り上げる操作を真横から見た模式図である。熔融ガラス塊5は成形型2の凹部表面に設けられた図示しない複数のガス噴射孔から噴射するガスによって上向きの風圧13を受け、凹部上で浮上した状態になっている。風圧13は熔融ガラス塊5の下面に均等に加えることが望ましい。そのためには、成形型2の凹部表面全域または凹部表面の少なくとも熔融ガラス塊5の下方の位置する領域に均等に複数のガス噴出孔を分布させることが望ましい。この浮上は凹部と熔融ガラス塊の接触が完全に絶たれた状態に限定されるものではなく、熔融ガラス塊よりも低温の凹部に熔融ガラス塊表面が接触することにより生じるガラス表面の皺を防止し、ガラスの冷却過程においてカン割れが生じないよう、ガラスが成形型から浮上したり、成形型に接触したりする挙動を断続的に繰り返すようにして両者の接触時間を低減させるような浮上も含む。なお、凹部から噴射させるガスの種類は空気、窒素、不活性ガスなどを用いることができる。
ノズル4先端部の中心部は熔融ガラス塊5上面の周辺部によって囲まれた部分に対向している。第1のノズルではガス噴出口7、第3のノズルではガス噴出口9からガス10を熔融ガラス塊5上面の周辺部に全周のわたり均等に吹き付ける。ガス10の吹き付けにより、熔融ガラス塊5上面の周辺部には全周にわたり下向きの風圧12が均等に加わる。このようにすることにより、熔融ガラス塊5は成形型2上でバランスを崩すことなく、安定して盛り上げ操作を行うことができる。
図6は第2のノズルを使用して、成形型凹部上の熔融ガラス塊の上面を盛り上げる操作を真横から見た模式図である。成形型2および熔融ガラス塊を浮上させるためのガス噴出は図5に示したものと同じである。ノズル4先端部の中心部は熔融ガラス塊5上面の周辺部によって囲まれた部分に対向している。第2のノズルではガス噴出口9からガス10を熔融ガラス塊5上面の周辺部全周を囲むように均等に吹き付ける。ガス10の噴出より、熔融ガラス塊5上面付近に負圧が発生し、熔融ガラス塊上面を盛り上げることができるが、熔融ガラス塊上面の吸引は行っていないので、ノズル内に熔融ガラスが吸い込まれることはない。
第1のノズル、第2のノズル、第3のノズルのいずれを使用しても、熔融ガラス塊5上面の周辺部で囲まれた部分上方の圧力は減少するため、熔融ガラス塊5上面の中央部には上向きの力11が加わる。熔融ガラス塊5上面の周辺部は風圧12により下方に押され、中央部は上向きの力11が働くので、熔融ガラス塊5の上昇を抑えつつ熔融ガラス塊5上面の中央部盛り上げを行うことができる。
第1のノズル、第2のノズルを使用すると、風圧12の発生、消滅と力11の発生、消滅は連動しているので、両者の同期は自動的に実現される。第3のノズルを使用する場合、ノズルによるガス吸引の開始とガス噴出の開始、ノズルによるガス吸引の終了とガス噴出の終了を同期して行えばよい。但し、第1のノズル、第2のノズル、第3のノズルともノズルから一定流量のガスを連続して噴出させ、第3のノズルの場合はガスの吸引も一定の吸引量で連続して行えば、上記同期の必要はない。
第1のノズル、第2のノズルは構造も簡単で、ガス噴出量によらずに熔融ガラス塊5を吸い上げることもなく、ガスの調整も噴出量のみを調整すればよいという特長がある。
第3のノズルは風圧12と力11のバランスを任意に設定することができるという特長がある。このような特長を考慮し、使用するノズルを選択すればよい。なお、使用可能なノズルは上記3種類に限られない。
そして、上記盛り上げ操作終了後、成形型の凹部上でガラスを浮上させながら成形、冷却してプリフォームにし、成形型から取り出して徐冷した。プリフォームを取り出した成形型は再び、供給位置に移送され、上記工程を繰り返し行うために循環使用される。
このようにして、上記光学ガラスからなる重量2370mg、外径11.7mm、最大肉厚7.2mm、体積が490mm3、上面および下面の曲率半径がともに9mm(曲率半径の差が0mm。よって2×|R1−R2|/(R1+R2)は0となる。)の回転体形状のプリフォームを量産した。プリフォームは回転対称軸に対して直交する平面に対して対称であり、上面および下面はプリフォームの外に凸形状をしており、変曲点が存在しなかった。また、プリフォームの重量公差は±1%以内であった。
得られたプリフォームには失透や脈理などの欠陥は認められず、精密プレス成形用のガラスプリフォームとして好適なものであった。
第1のノズルに変えて第2のノズル、第3のノズルを使用しても上記同様のプリフォームを量産することができた。
なお、熔融ガラス塊上面の盛り上げ操作は、供給位置の次の停留位置に限られず、供給位置の次の停留位置、供給位置の次の次の停留位置というように、熔融ガラス塊表面の粘度が105dPa・s以上になるまで複数の停留位置において行ってもよい。
(例2)
例1で作製した精密プレス成形用プリフォームを、図7に示すプレス装置を用いて精密プレス成形して非球面レンズを得た。具体的にはプリフォーム14を、上型15、下型16および胴型17からなるプレス成形型の下型16と上型15の間に設置した後、石英管18内を窒素雰囲気としてヒーター19に通電して石英管18内を加熱した。プレス成形型内部の温度を成形されるガラスが108〜1010dPa・sの粘度を示す温度に設定し、同温度を維持しつつ、押し棒20を降下させて上型15を押して成形型内にセットされたプリフォーム14をプレスした。プレスの圧力は8MPa、プレス時間は30秒とした。プレスの後、プレスの圧力を解除し、精密プレス成形されたガラス成形品を下型16及び上型15と接触させたままの状態で前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上になる温度まで徐冷し、次いで室温まで急冷してガラス成形品を成形型から取り出し非球面レンズを得た。得られた非球面レンズは、極めて高い面精度を有するレンズであった。精密プレス成形により得られた非球面レンズには、必要に応じて反射防止膜を設けた。
次に同様のプリフォームを別の方法で精密プレス成形した。この方法では、ガスを噴出する浮上具上において、浮上しながらガラス素材を構成するガラスの粘度が108dPa・sになる温度にガラス素材を予熱する。浮上具は、複数の部材によって構成されており、ガラス素材を浮上させるときには、各部材を密着し、その上でガラス素材を浮上状態で保持する。一方で上型、下型、胴型を備えるプレス成形型を加熱し、前記ガラスが109〜1012dPa・sの粘度を示す温度にし、ガラス素材を支持する浮上具を下型上へ移動し、浮上具を構成する部材を互いに離間し、離間した部材間の隙間から、予熱したガラス素材を下型上に落下供給して精密プレス成形する。プレスの圧力は10MPaとした。プレス開始とともにガラスとプレス成形型の冷却を開始し、成形されたガラスの粘度が1012dPa・s以上となるまで冷却した後、成形品を離型して非球面レンズを得た。得られた非球面レンズは、極めて高い面精度を有するレンズであった。精密プレス成形により得られた非球面レンズには必要に応じて反射防止膜を設けた。なお、ガラス素材が落下供給によって上下面が反転することがあってもガストラップは発生しなかった。
このようにして、内部品質の高いガラス製光学部品を生産性よく、しかも高精度に得ることができた。
なお、例2で作製した非球面レンズなどのレンズに必要に応じて心取り加工を施してもよい。心取り加工はレンズの光学機能面(レンズ面)のまわりを機械加工することにより行う。
例2では、プリフォームが例1に記載した形状、寸法等を有しているため、ガストラップなどの問題は生じなかった。
また、プリフォームの上面と下面の曲率半径が等しいので、プリフォームをトレイ上に配置し、搬送するなど、多量のプリフォームを扱う際、上面と下面を区別して扱う必要が無かったため、作業効率を向上することもできた。
さらに、プリフォームを成形型に導入する際にも、プリフォームの上面と下面を区別して扱う必要が無かったため、作業効率を向上することもできた。
本発明によれば、ノズルへの熔融ガラス塊の吸い付きを起こさずに、ガストラップなどの問題を引き起こすことのないプレス成形に適した形状のプレス成形用プリフォームを安定して、かつ高い生産性のもとに製造する方法、及び前記方法を実現するための成形装置を提供することができる。
さらに、前記プリフォームを使用して光学素子を高い生産性のもとに製造する光学素子の製造方法を提供することができる。
本発明のプレス成形用プリフォームの成形装置の一例の平面視図である。 盛り上げ操作に使用するノズルの一例を示す。 盛り上げ操作に使用するノズルの一例を示す。 盛り上げ操作に使用するノズルの一例を示す。 盛り上げ操作に使用するノズルの一例を示す。 図2に示すノズルを使用して、成形型凹部上の熔融ガラス塊の上面を盛り上げる操作を真横から見た模式図である。 図3−1に示すノズルを使用して、成形型凹部上の熔融ガラス塊の上面を盛り上げる操作を真横から見た模式図である。 プレス成形装置の概略図である。

Claims (15)

  1. 熔融ガラス塊を成形型上に供給し、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げ(以下、「盛り上げ操作」という)、プレス成形用プリフォームに成形するプレス成形用プリフォームの製造方法において、
    前記盛り上げ操作は、先端部にガス噴出口を有するノズルを前記熔融ガラス塊上方に配置し、前記ガス噴出口から、前記中心領域よりも外側に向けて放射状にガスを噴出することによって行われることを特徴とするプレス成形用プリフォームの製造方法。
  2. 熔融ガラス塊を成形型上に供給し、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げ(以下、「盛り上げ操作」という)、プレス成形用プリフォームに成形するプレス成形用プリフォームの製造方法において、
    前記盛り上げ操作は、先端部にガス噴出口を有するノズルを前記熔融ガラス塊上方に配置し、前記ガス噴出口からガスを噴出して、前記中心領域近傍の雰囲気の圧力を局所的に減少させることによって行われることを特徴とするプレス成形用プリフォームの製造方法。
  3. 前記ガスは、ノズル先端部の中心部を囲むように形成されたガス噴出口から噴出されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ガス噴出口からのガスの噴出とともに、熔融ガラス塊上面中心領域近傍の雰囲気ガスを吸引することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記雰囲気ガスは、ノズル先端部の中心部に形成されたガス吸引口から吸引されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記ガス噴出口から噴出されるガスにより、前記熔融ガラス塊の上昇を抑えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ガス噴出口から噴出されるガスは加熱されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記盛り上げ操作を、前記熔融ガラス塊上面の粘度が105dPa・s以上になるまで続けることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 回転対称軸が1本の回転対称体であって、回転対称軸に沿って最大の肉厚を有し、
    前記回転対称軸と表面の2つの交点の一方を含む面を第一の面、前記交点の他方を含む面を第二の面とし、第一の面および第二の面において、前記交点を中心にした、外径の1/3を直径とした円内部分の形状がともに外側に凸状となっており、
    第一の面の前記円内部分の曲率半径をR1、第二の面の前記円内部分の曲率半径をR2としたとき、2×|R1−R2|/(R1+R2)が30%以内、外径に対する最大の肉厚の割合が0.4〜0.7、体積が400〜3500mm3であって、
    熔融ガラス塊を冷却する過程で成形したものである、ガラス製のプレス成形用プリフォーム。
  10. 凹面形状の上型および下型を有する成形型を使用し、前記下型上にプリフォームを落下供給した後、上型と下型の間でプレス成形することにより光学素子を得るために使用される、請求項9に記載のプレス成形用プリフォーム。
  11. 成形型上に供給した熔融ガラス塊を、前記ガラス塊を冷却する過程でプレス成形用プリフォームに成形するプレス成形用プリフォーム成形装置において、
    前記成形型と、
    先端部の中心部を囲むようにガス噴出口が形成されたノズルと、
    前記成形型上に供給された熔融ガラス塊の上面中心部の上方に前記ノズル先端部の中心が位置するように前記成形型および/または前記ノズルを移動させる手段
    を有し、
    前記ノズルは、前記熔融ガラス塊の上面中心部と前記ノズル先端部の中心部を対向させた状態で、前記熔融ガラス塊の上面中心領域よりも外側に向けて、前記ガス噴出口からガスを放射状に噴出させ、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げるための手段であることを特徴とするプレス成形用プリフォームの成形装置。
  12. 成形型上に供給した熔融ガラス塊を、前記ガラス塊を冷却する過程でプレス成形用プリフォームに成形するプレス成形用プリフォーム成形装置において、
    前記成形型と、
    先端部の中心部を囲むようにガス噴出口が形成されたノズルと、
    前記成形型上に供給された熔融ガラス塊の上面中心部の上方に前記ノズル先端部の中心が位置するように前記成形型および/または前記ノズルを移動させる手段
    を有し、
    前記ノズルは、前記熔融ガラス塊の上面中心部と前記ノズル先端部の中心部を対向させた状態で、前記ガス噴出口からガスを噴出させ、熔融ガラス塊上面の中心領域近傍の雰囲気の圧力を局所的に減少させて、前記熔融ガラス塊上面の少なくとも中心領域を盛り上げるための手段であることを特徴とするプレス成形用プリフォームの成形装置。
  13. 前記ノズルは、ノズル先端部の中心部にガス吸引口を有することを特徴とする請求項11または12に記載の成形装置。
  14. ガラス製のプリフォームを加熱し、プレス成形してガラス製光学素子を作製する光学素子の製造方法において、
    前記プリフォームとして、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法により作製したプリフォームまたは請求項9もしくは10に記載のプリフォームを使用することを特徴とする光学素子の製造方法。
  15. 前記プレス成形は、少なくとも上型と下型を有し、上型成形面の形状と下型成形面の形状が異なるプレス成形型を用い、予め加熱したプリフォームを前記下型上に供給して行われることを特徴とする請求項14に記載の光学素子の製造方法。
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