JP2007045652A - 実環境での炭酸化能力を改善したγビーライト含有セメント系材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高湿の自然環境下でも炭酸化の進行が可能なγビーライト含有セメント系材料を提供する。
【解決手段】セメント100質量部に対しγビーライト10〜85質量部を含む混練物のセメント硬化体において、表面からシリコーン系撥水材を浸透させることにより平均厚さ5〜20mmの撥水表層を形成したことを特徴とする実環境での炭酸化能力を改善したセメント系材料。前記混練物は、水粉体比を20〜50%としたものが好適である。シリコーン系撥水材としては、ポリオルガノシロキサン1質量部に対しアルキルアルコキシシラン10〜50質量部を含み、ポリオルガノシロキサンとアルキルアルコキシシランの合計含有量が60〜90質量%に調整されたエマルジョンが使用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、γビーライト(γC2S)を含む高耐久性セメント系材料であって、特に、海洋環境をはじめとする高湿な環境での炭酸化促進を図ったセメント系材料に関する。
通常のセメントには、エーライト:3CaO・SiO2(組成式C3S)、ビーライト:2CaO・SiO2(組成式C2S)、アルミネート:3CaO・Al23(組成式C3A)、フェライト:4CaO・Al23・Fe23(組成式C4AF)等のセメント鉱物が含まれている。このうちビーライトは、ポルトランドセメントの主要鉱物成分の1つであり、水和熱や乾燥収縮を減少させ、また化学抵抗性を増大させる機能を有すると考えられている。
ビーライトはCaOとSiO2を主成分とするダイカルシウムシリケートの1種であり、α型、α'型、β型およびγ型が存在し、それぞれ結晶構造や密度が異なる。このうちα型、α'型、β型は水と反応して水硬性を示す。これに対しγ型は、水硬性を示さず、かつ二酸化炭素と反応するという特性を有する。ポルトランドセメントをはじめとする通常のセメントには、このγ型のビーライト(γビーライト)は基本的に含まれていない。
γビーライトを含むセメント硬化体は、炭酸化することにより強度が向上することが知られている。例えば、特許文献1にはγビーライトを含むセメント系材料を炭酸化すると、優れた強度を有する炭酸化硬化体が得られることが記載されている。これはセメント系材料を内部まで全体的に炭酸化することで顕著な強度発現性を期待したものである。特許文献2にはγビーライトを含むセメント硬化体の表面から少なくとも2mm以上を炭酸化することにより、曲げ強度の顕著な向上が認められることが記載されている。
本出願人らの最近の研究によれば、γビーライトの含有量を増大させたセメント硬化体の表層部を炭酸化すると、単に強度レベルが向上するだけでなく、表層部を顕著に緻密化できることがわかってきた。そして、その緻密化した表層部はCaの溶脱に対する抵抗が非常に高く、塩化物遮蔽効果にも優れることが確認された。このようなセメント系材料は長期にわたって優れた耐久性を呈するものであり、本出願人らは先に特願2004−375549号として提案した。
γビーライトを富化したセメント硬化体が炭酸ガス等で緻密化するメカニズムについては未解明な部分も多いが、以下のように考えられる。すなわち、通常のセメント硬化体が炭酸化(中性化)する場合には、セメントの水和反応によって生じたCa(OH)2が炭酸ガス等と反応してCaCO3になるのであるが、セメント硬化体中にγビーライトが多量に存在すると、γビーライトが水和反応せずに直接炭酸ガス等と反応して多量のCaCO3とSiO2を生成する。さらにセメントの水和反応で生じたCa(OH)2も炭酸ガス等と反応してCaCO3になる。このため、通常のセメント硬化体に比べ早期に多量の反応生成物が生じ、これがセメント硬化体内の空隙を埋めて緻密化すると考えられる。
一方、セメント系材料に塩害、アルカリ骨材反応、凍害などに対する抵抗力を付与する手法として、セメント硬化体の表面に撥水材を浸透させる表面改質方法が知られている。撥水材の浸透した表層部は外部からの水の浸入を防ぐので、それに起因した劣化(塩害等)が抑制される。最近では、特許文献3に示されるように、セメント硬化体の表面に塗布したときに液ダレを起こさず、浸透力の高いシラン・シロキサン系撥水材が開発されている。
特開2003−212617号公報 特開2004−107129号公報 特開2004−338980号公報
前述のように、γビーライトを含むセメント硬化体の表層部を炭酸化すると、その炭酸化領域でセメントマトリクスが緻密化してCaの溶脱に対する抵抗力が増大し、セメント系材料の耐久性を顕著に改善することができる。炭酸化の処理は室内において強制的に行うことができるため、γビーライトを用いた高耐久性セメント系材料として、プレキャストコンクリートの実用化が検討されている。
他方、現場打設により構築されるセメント系材料では、管理された条件下で強制的な炭酸化処理を施すことが難しい。しかしγビーライトを含有するセメント系材料では、大気中の二酸化炭素によって自然に炭酸化される過程においても緻密化が進行するため、現場での施工後に耐久性の経時的な向上効果が期待される。この点は、強制的な炭酸化処理を省いたプレキャスト部材についても同様である。
しかしながら、セメント系材料の炭酸化は周囲の環境に大きく左右されることから、現場施工後に自然環境下で炭酸化させる場合は、炭酸化の進行(すなわち緻密化の進行)を意図した通りにコントロールすることは必ずしも容易ではない。発明者らの検討によれば、特に、「高湿」な環境においては炭酸化が進みにくく、高耐久性を安定して付与することが困難であることがわかった。代表的な高湿環境として海洋環境が挙げられる。これはセメント系材料にとって高耐久性が要求される使用環境であり、このような環境下の構造物にこそγビーライトにより表層を緻密化した高耐久性セメント系材料を使用したいところである。
そのような高耐久性は、プレキャスト部材により実現することが可能である。しかし、実際にはセメント系構造物の全ての部材をプレキャスト部材で賄うことは難しく、通常、現場打設により構築せざるを得ない部材も相当量存在する。
本発明は、現場打設で構築されるセメント系材料、あるいは強制炭酸化処理を経ずに現場に設置されるプレキャストセメント系材料において、一般的な湿度環境の現場はもとより、特に高湿な環境の現場であっても、大気中の二酸化炭素により安定して経時的な耐久性の付与が可能な、炭酸化能力を改善したγビーライト含有セメント系材料を提供しようというものである。
発明者らは種々検討の結果、表層に撥水層を形成したγビーライト含有セメント系材料において、高湿な環境での炭酸化能力が飛躍的に向上することを見出した。すなわち本発明では、セメント100質量部に対しγビーライト10〜85質量部を含む混練物のセメント硬化体において、表面からシリコーン系撥水材を浸透させることにより撥水表層を形成したことを特徴とする実環境での炭酸化能力を改善したセメント系材料が提供される。「セメント系材料」は、モルタルまたはコンクリートの硬化した材料である。γビーライトには2CaO・SiO2の他、Al23、Fe23、MgO、Na2O、K2O、TiO2、MnO、ZnO、CuO等の酸化物が不純物として固溶している場合があるが、そのような鉱物を固溶したγビーライトも本発明でいうγビーライトに含まれる。
前記混練物において、水粉体比を20〜50%としたものが好適な対象となる。「水粉体比」は、水と粉体成分との質量比である。ここでいう粉体にはセメント、γビーライト、混和材料が含まれ、骨材を除く。
撥水表層の平均厚さは5〜20mmであることが好ましい。撥水表層の厚さは、セメント系材料を表面から垂直に割裂した断面に水を散布し、水による濡れ色を示さない「疎水層」の厚さを測定することで定まる。材料表面に沿って例えば10mm間隔で疎水層の厚さを測定し、その平均値を撥水表層の平均厚さとすればよい。
シリコーン系撥水材は、ポリオルガノシロキサン1質量部に対しアルキルアルコキシシラン10〜50質量部を含み、ポリオルガノシロキサンとアルキルアルコキシシランの合計含有量が60〜90質量%に調整されたエマルジョンが好適である。
本発明によれば、従来、大気中の二酸化炭素による経時的な炭酸化が困難であった高湿な環境においても、安定的な炭酸化が実現できるようになった。材料中にはγビーライトが含まれているので、表層部を自然環境下で緻密化することができる。この緻密化した表層は、先に特願2004−375549号で示したとおり、Caの溶脱に対する高い抵抗力を呈し、セメント系材料に顕著な耐久性をもたらすものである。したがって本発明は、放射性廃棄物処分場や海洋重要構造物など、優れた耐久性・信頼性が要求されるコンクリート構造物を構築する部材として好適であり、特に現場打設により構築される部材の耐久性向上に大きく寄与しうる。
本発明で適用するシリコーン系撥水材は、セメント硬化体の表面に塗布したとき、硬化体内部に浸透し、セメントマトリクスの空隙から水が浸入することを防止する作用を有するものである。これは、塗料などのいわゆる「表面被覆材」ではなく、撥水性の成分がセメントマトリクスに浸透して表層部に撥水層を形成するタイプの「表面改質材」である。
コンクリートに撥水性を付与する表面改質材として、従来からシラン系のものが使用されている。しかし、その撥水成分の分子は比較的小さいため、撥水成分が浸透しても、その後揮発してセメント硬化体の表層部にとどまる量が希薄になりやすい。そうすると、自然環境での炭酸化に必要な期間、撥水性を維持することが困難である。最近では、シラン・シロキサン系の表面改質材が実用化されている。これは、分子の小さいシランに加え、分子の大きいシロキサンを配合させたものであり、シランは主として浸透性および撥水性を担い、シロキサンは主として表面近傍にとどまってシラン分子の揮発を防ぐ機能を有する。そのため、セメント硬化体の表層部には十分な量の撥水成分が長期にわたって存在し、セメント系材料の劣化防止に優れた性能を発揮するものである。
このような撥水材は、セメントマトリクスに浸透して細孔を埋めてしまうのではなく、細孔の表面に疎水基が並ぶようにして撥水性を付与する材料である。そのため、水は通さないが、水蒸気その他の気体成分の透過性は維持される。従来このタイプの撥水材は、上記のような撥水表層の性質を利用して、塩害やアルカリ骨材反応によるコンクリートの劣化を防止する補修材として使用されてきた。ところが発明者らは詳細な検討の結果、この撥水表層は、セメント硬化体の炭酸化能力を高く維持する機能を呈することを見出した。すなわち、炭酸化は高湿な環境では進行しにくく、相対湿度40〜65%程度の範囲で最も進行しやすい。周囲の湿度がこれより大幅に高い環境でも、当該撥水表層を形成したセメント硬化体では、相対湿度40〜65%の場合とあまり変わらない炭酸化能力を発揮するのである。そのメカニズムについては不明な点も多いが、水の浸入を防ぎ、かつ水蒸気を透過させる当該撥水表層の性質によって、セメント硬化体の内部は、相対湿度が40〜65%の場合と同様の状態に保たれるものと推察される。つまり、撥水表層は調湿作用を有すると考えられる。このタイプの表面改質材を炭酸化のコントロールに適用した例は見当たらない。
本発明では、前述のシラン・シロキサン系の撥水材が好適に使用できる。γビーライトを配合したセメント系材料において、大気中の二酸化炭素による炭酸化によって十分な耐久性を付与するには、2年間程度は撥水性を維持することが望まれる。シラン・シロキサン系のシリコーン系撥水材では、撥水表層の厚さが5〜20mm程度になるように塗布量を調整することにより、自然環境での炭酸化に必要な期間の撥水性が維持される。撥水表層の厚さ、すなわち撥水成分の浸透深さは、撥水材のエマルジョン中に含まれるシランとシロキサンの濃度、塗布量などによってコントロールできる。また、対象となるセメント系材料の水粉体比によっても多少影響される。
本発明に適した撥水材として、ポリオルガノシロキサン1質量部に対しアルキルアルコキシシラン10〜50質量部を含み、ポリオルガノシロキサンとアルキルアルコキシシランの合計含有量が60〜90質量%に調整されたエマルジョンからなるものを挙げることができる。このような配合のものは水粉体比を比較的小さくして作ったセメント硬化体(すなわち比較的空隙の少ないセメント硬化体)に適用しても良好な浸透性を呈し、かつ、粘度が適正化されていることなどから、液ダレが防止される。このシリコーン系撥水材のより具体的な構成は特許文献3に開示されており、その技術を利用したシリコーン系撥水材はすでに商品化されている。
本発明で対象とするセメント硬化体は、セメント100質量部に対しγビーライト10〜85質量部を含む混練物のセメント硬化体である。γビーライトをこの範囲で含むものにおいて、炭酸化したときの緻密化による耐久性の向上(Caの溶脱に対する抵抗力など)が認められる。特に高い耐久性を実現するためにはセメント100質量部に対しγビーライト30〜85質量部を含む混練物のセメント硬化体が好ましく、50〜85質量部、さらには70〜85質量部が一層好ましい
セメントには一般的なポルトランドセメントなどが使用できる。混和材料や、骨材などについても、特に制約はなく、一般的な公知のものを所定量配合すればよい。ただし、放射性廃棄物処分場や海洋重要構造物など、特に優れた耐久性・信頼性が要求される構造物への適用を前提としたとき、セメント硬化体自体の緻密性が高いことが有利であり、そのためには、水粉体比を20〜50%、好ましくは25〜40%とした混練物のセメント硬化体が好適な対象となる。
このようなセメント硬化体は、現場打設により構築する場合に特に効果的であるが、プレキャスト部材にも適用できる。いずれも、一般的なセメント系部材の製造に準じて製造することができる。
表面からシリコーン系撥水材を浸透させるには、脱型後に、その撥水材のエマルジョンをセメント硬化体表面に塗布すればよい。塗布の時期は、脱型後、約3〜7日程度気乾養生した後とすることが好ましい。塗布の方法は、刷毛塗りでも、スプレー塗布でも構わない。塗布量は、塗布後3日間気乾養生したのちの撥水表層の平均厚さが5〜20mm程度となるように、エマルジョンの種類、およびセメント硬化体の種類(特に水粉体比)に応じてコントロールすればよい。その適正範囲は予めテストピースによる実験を行い、そのデータに基づいて設定することができる。
〔実施例1〕
低熱ポルトランドセメント、γビーライト、フライアッシュおよびシリカフュームを、45:35:20:5の質量割合で混合し、水粉体比が30%、s/a(細骨材率)が46%となるようにコンクリートの混練物を作り、これを型枠に打設した。使用したγビーライトの粉体は、γビーライトの純薬から合成したものであり、ブレーン比表面積は約4000cm2/gである。打設後、常温の室内(平均相対湿度約60%)にて28日間養生したのち脱型した。このコンクリート供試体のサイズはφ100×200(mm)である。脱型後に、さらに常温の室内(平均相対湿度約60%)にて28日間気乾養生したのち、以下に示すシリコーン系撥水材のエマルジョンを供試体の表面に200g/m2となるように刷毛を用いて塗布した。
<撥水材エマルジョン>
・アルキルアルコキシシラン: イソオクチルトリエトキシシラン
・ポリオルガノシロキサン: 25℃における粘度約30mPa・s、組成式CH3Si(OC25)0.81.1
・乳化剤: エチレンオキシド単位を10個持つイソトリデシルアルコールグルコールエーテル
上記ポリオルガノシロキサン2g、上記乳化剤0.13g、水10gを高速で混合・攪拌し、さらに上記アルキルアルコキシシラン38gを4回に分けて高速で混合・攪拌して得たエマルジョン。
これは、ポリオルガノシロキサン1質量部に対しアルキルアルコキシシラン19質量部を含み、ポリオルガノシロキサンとアルキルアルコキシシランの合計含有量が79.8質量%である。
一部の供試体については、撥水表層の平均厚さを以下のようにして調べた。すなわち、エマルジョン塗布後、常温の室内(平均相対湿度約60%)にて3日間気乾養生したのち、供試体を塗布面に垂直に割裂し、その断面(割裂面)に水を散布し、水による濡れ色を示さなかった「疎水層」の厚さを測定した。測定は材料表面に沿って10mm間隔で行い、その平均値を撥水表層の平均厚さとした。
他の供試体は、海洋環境で2年間の暴露に供した。この環境は、相対湿度が平均65%以上の高湿な環境である。2年間の暴露を終えた供試体について、表層部の平均炭酸化深さを以下のようにして調べた。すなわち、供試体をその表面に垂直に割裂し、その断面(割裂面)にフェノールフタレイン1%溶液を噴霧し、供試体表面付近の変色しない領域の厚さを測定した。測定は材料表面に沿って10mm間隔で行い、その平均値を平均炭酸化深さとした。
これらの結果を表1に示す(以下の例において同じ)。
〔比較例1〕
実施例1において、撥水材エマルジョンを塗布しなかったこと以外、実施例1と同様の条件で実験を行った。
Figure 2007045652
表1からわかるように、本発明で規定するγビーライト含有セメント硬化体に、シリコーン系撥水材を浸透させることにより撥水表層を形成した実施例のセメント系材料は、高湿の海洋環境においても、大気中の二酸化炭素によって表層部を十分炭酸化することができた。この炭酸化された表層部は、γビーライトの作用で緻密化したものであり、長期にわたる高耐久性が期待される。これに対し、撥水表層を形成しなかった比較例のセメント系材料は、高湿の海洋環境では炭酸化の進行が非常に遅く、γビーライトを配合したことによるメリットを引き出せなかった。

Claims (4)

  1. セメント100質量部に対しγビーライト10〜85質量部を含む混練物のセメント硬化体において、表面からシリコーン系撥水材を浸透させることにより撥水表層を形成したことを特徴とする実環境での炭酸化能力を改善したセメント系材料。
  2. 前記混練物は、水粉体比を20〜50%としたものである請求項1に記載のセメント系材料。
  3. 撥水表層の平均厚さが5〜20mmである請求項1または2に記載のセメント系材料。
  4. シリコーン系撥水材は、ポリオルガノシロキサン1質量部に対しアルキルアルコキシシラン10〜50質量部を含み、ポリオルガノシロキサンとアルキルアルコキシシランの合計含有量が60〜90質量%に調整されたエマルジョンである請求項1〜3に記載のセメント系材料。
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