以下に、遊技球を取り込んだ上で遊技が開始される遊技機に関する一実施の形態につき図面に基づいて説明する。
本実施の形態における遊技機は、遊技に際して所定数の遊技媒体(遊技価値)としての遊技球(例えばパチンコ機と同様の遊技球:パチンコ球)を必要とし、所定条件が成立した場合には複数の遊技球、場合によっては大量の遊技球が払い出されるよう構成されている。なお、遊技球はパチンコ球に限られず、広義には鋼球であればよい。
まず、遊技機1の外観構成及び内部構造の概略を説明する。ここで、図1は遊技機1の全体を示す斜視図、図2は遊技機1の正面図、図3は遊技機本体の前面構成を示す正面図、図4は図2におけるA―A線で示す位置の内部構造を簡略に示す構成図、図5は遊技機1の背面図である。
図1〜図3に示すように、遊技機1は、本体枠としての外枠2と、外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前面枠3とを備えている。この場合、外枠2と前面枠3とは、その左端の上部及び下部においてヒンジ31,32により開閉可能に連結されている。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって、全体として矩形状をなす。また、前面枠3は、外形寸法が外枠2よりも僅かに小さな四角枠状の板材よりなり、外枠2の前面に当接するようにして設けられている。前面枠3には、その裏面から外枠2の内周面に沿って背面側に延びる裏セット盤16が取り付け固定されており、その裏セット盤16に、後述するリールユニットや、遊技球の取り込み又は払い出しのための装置(いわゆる裏セット)や、各種制御装置等が搭載されるようになっている。本実施の形態では、基本的に外枠2、前面枠3及び該前面枠3に設けられる裏セット盤16等により遊技機本体が構成されている。
前面枠3の前面側には、当該前面枠3に対して開閉可能な開閉扉としての前面扉4が設けられると共に、この前面扉4の下方に下皿ユニット5が設けられている。すなわち、前面枠3の前面側は前面扉4と下皿ユニット5とにより覆い隠されるようになっており、前面扉4が開放されることにより、下皿ユニット5よりも上方の前面枠3及びそれに搭載された各種機構(ベルトユニット等)が前方に露出されるようになっている。前面枠3と前面扉4とは、その左端の上部及び下部のヒンジ33,34により開閉自在に連結されている。従って、前面扉4は、前面枠3に対してその左側部を中心に右側部が回動される。
前面扉4及び下皿ユニット5の前面は、遊技機全体として一体的な外観をなすよう連続的な立体形状にて形成されており、遊技機1の概ね外周全体で環状をなしかつ遊技機前面に突出する環状部6,7を有する。環状部6,7は遊技機正面から見てほぼ左右対称の形状をなす。これら環状部6,7には、発光ダイオード等よりなる発光体8,9が多数埋設されており(図2右下の一部破断部参照)、遊技に際しこの発光体8,9が発光することにより、例えば環状部6,7が一斉に又は遊技機外周を周回して光るようになっている。環状部6のうち、最上部に位置するトップ部6aは他の部位よりも一層前方に突出しており、トップ部6aには、左右一対のランプ表示部10が設けられると共に、同じく左右一対のスピーカ11が設けられている。また、環状部6において高さ方向中央部付近には、内側に括れた括れ部6bが設けられ、その括れ部6bにもランプ表示部12,13が設けられている。
環状部6,7(発光体8,9)やランプ表示部10,12,13等は、表示内容の多様化や表示演出の重厚化等を意図しつつ遊技の際の補助演出を行うために設けられるものであって、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行する。例えば、ビッグボーナスゲームを獲得しうる状態になったときに、環状部6,7(発光体8,9)を一斉に又は周回させるように発光させたり、全てのランプ表示部10,12,13を点灯又は点滅等させたりすることで、遊技者への告知が行われる。
本実施の形態における遊技機1は、現実の遊技球の取り込みを必要条件として遊技が行われ、所定条件の成立に伴い所定個数の遊技球の払出が行われるよう構成されている。遊技媒体として遊技球を用いるための構成を以下に説明する。すなわち、図3に示すように、前面枠3に取り付け固定された裏セット盤16には、その前面側下方に上皿形成体17が着脱可能に取り付けられている。図6は、上皿形成体17の構成を示す斜視図である。
上皿形成体17には貯留部としての上皿18が形成されており、その上皿18は、後述する取込ユニット30への投入口に通じる主上皿部18aと、その上流側に位置する副上皿部18bとを有する。基本的に、主上皿部18aは、後述する払出機構より払い出された遊技球を貯留するものである一方、副上皿部18bは、図示しない球貸し機のノズルから供給される遊技球を受け取り、主上皿部18aへ導くものであり、主上皿部18a内の遊技球は、球案内部19を通じて投入口に流れ込む。球案内部19は、遊技球を一列に整列させて投入口に供給することができるようになっており、球案内部19にはステンレスカバー(保護カバー)20が取り付けられている。主上皿部18a及び副上皿部18bは折り返すようにして前後に重複して設けられ、副上皿部18bは図6の左側に向けて幾分下方に傾斜し、主上皿部18aは図5の右側に向けて幾分下方に傾斜している。故に、主上皿部18a及び副上皿部18b内の遊技球は順序よく下流側に流れ、上述したように、投入口に流れ込む。
上皿形成体17の左右両端部には装着固定部21が設けられており、この装着固定部21を裏セット盤16側に締結することにより、上皿形成体17が裏セット盤16に装着されるようになっている。装着固定部21の締結解除により、上皿形成体17が裏セット盤16から離脱される。装着固定部21は裏セット盤16に対して着脱自在であればその締結手法は任意でよく、裏セット盤16側に設けた被締結穴に締結具(例えばナイラッチ(登録商標))を押し込むワンプッシュ式の締結手法や、裏セット盤16側に設けたネジ穴に雄ネジを螺着する手法等が適用できる。
そして、上皿形成体17が裏セット盤16に装着された状態で、前面扉4が閉じられると、裏セット盤16と前面扉4との間で上皿形成体17が固定される。上皿形成体17にはその長手方向に延びるフランジ22が設けられており、このフランジ22が前面扉4の裏面に挟持されるようになっている。すなわち、フランジ22を挟み込むように前面扉4の裏面の対応位置には挟持用凹所が形成されていることから、前面扉4の閉状態時において上皿形成体17の脱落が防止されるとともに、上皿18に貯留される大量の遊技球の重量をも支えることができる。また、図1や図2に示すように、前面扉4のうち、上皿形成体17に対応する部分(操作部100)は前面側に膨出しており、かつその膨出部の上面が開口している。このため、前面扉4が閉状態にあるときには、上皿形成体17の上皿18が膨出部(操作部100)の上方に開放されるようになる。以上の構成により、上皿形成体17を遊技機本体又は前面扉4から容易に取り外すことができるとともに、上皿形成体17を取り外した上で、上皿18(特に球案内部19)の清掃作業等が行いやすくなる。また、後述する操作部100等の点検、修理等が前面扉4の裏側から行いやすくなる。つまり、メンテナンス性の向上が図られる。前面扉4の膨出部分は操作部100となっており、前面扉4のうち、操作部100の直上には奥壁64が設けられている。これら操作部100及び奥壁64の構成については後述することとする。
取込ユニット30(図3参照)は裏セット盤16に設けられており、遊技者による操作に基づき取込ユニット30を介して遊技球が所定個数ずつ取り込まれる。そして、所定個数分の遊技球が取り込まれることで遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられるようになっている。このとき、取り込まれた遊技球は、図示しない排出経路を介して遊技機1の外部に排出される。
ここで、取込ユニット30の構成について説明する。取込ユニット30の全体が表された図7に示すように、取込ユニット30には3個の取込装置35,36,37が重なるようにして設けられており、取込ユニット30は全体として略立方体形状となっている(以下の説明では、図7において手前側に位置する取込装置35を「第1取込装置」、中央に位置する取込装置36を「第2取込装置」、奥側に位置する取込装置37を「第3取込装置37」とする)。この取込ユニット30は、第1取込装置35を遊技機前側、第3取込装置37を後側として配設されるようになっている。また、各取込装置35〜37の上面には、遊技球入口35a,36a,37aが形成されており、これら遊技球入口35a〜37aは前後方向に並んでいる。
各取込装置35〜37には、図8に示すように、上皿18に貯留されている遊技球が球振分け通路38を介して流入することとなる。球振分け通路38は、上皿18の投入口に連通されており、取込ユニット30の上方へと延びている。また、球振分け通路38は、取込ユニット30側に向けて遊技球が流下していくように傾斜しており、その下流側が仕切板38a,38bにより分岐している。詳細には、球振分け通路38の下流側は、まず第1仕切板38aにより2方向に分岐し、さらにこの分岐した一方の通路の下流側で第2仕切板38bにより2方向に分岐している。この場合に、分岐した各通路への遊技球の振分けがスムーズに行われるように、各仕切板38a,38bの上流側端部は一方の通路又は両方の通路に向けて傾斜している。各仕切板38a,38bにより分岐された通路の下流側端部には、各遊技球入口35a〜37aに対応させて落下孔38cが形成されている。以上のような構成であることにより、上皿18に貯留されている遊技球は、球振分け通路38を流下し各仕切板38a,38bによりいずれかの落下孔38cへと誘導され、落下孔38cを介して各取込装置35〜37内に流入していくこととなる。なお、上記のように球振分け通路38により各取込装置35〜37への遊技球の振分けを行うのではなく、上皿18上で遊技球の振分けを行う構成としてもよい。この場合、上皿18上に仕切板及び落下孔を設ける構成となる。
次に、取込装置35〜37の構成を、図9〜図11を用いて説明する。但し、各取込装置35〜37は、概ね同様の構成をしているため、ここでは基本的に第3取込装置37を例に挙げて説明する。図9は、取込装置37の内部構造を示す断面図、図10は、取込装置37を分解して示す斜視図、図11は、取込ユニット30の一部を分解して示す斜視図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図9に示す状態で上下左右の各方向を記載する。
第3取込装置37は、表裏一対のハウジング部材161,162を備えており、何れも樹脂成形品よりなる(以下、ハウジング部材161を「第1ハウジング」、ハウジング部材162を「第2ハウジング」という)。第1ハウジング161は略四角形状をしているのに対して、第2ハウジング162は第1ハウジング161に比べその右下側が切り欠かかれた形状となっている。そして、両ハウジング161,162がネジ等により結合されることにより前面の右側に開口を有する略四角箱状の筐体が構成されている。また、第1ハウジング161及び第2ハウジング162の上面には、上述した遊技球入口37aを形成するための切欠161a,162aが形成されている。
また、第3取込装置37には、遊技球を一列で通過させるための遊技球通路165が形成されている。詳しくは、第1ハウジング161には、第1ハウジング161の壁部W1からハウジング内側に向けて延びるほぼ等幅の通路壁161bが設けられるとともに、第2ハウジング162にも同様に通路壁(図示略)が設けられており、これらを含む四方の通路壁に囲まれて遊技球通路165が区画形成されている。
遊技球通路165は、ハウジング161,162の中央付近にて二股に分岐されており、遊技球入口37aから通路分岐位置まで延びる上流通路167と、通路分岐位置から鉛直方向に延びる取込通路168と、通路分岐位置から左斜め下方に延びる排出通路169とからなる。遊技の開始条件としての所定個数の遊技球は取込通路168を通じて取り込まれる。また、遊技終了時などにおける遊技球の精算の際には排出通路169を通じて上皿18及び第3取込装置37内などに貯留されている遊技球が下皿41に排出される。
上流通路167は、ほぼ水平方向に設けられているが、詳細には若干下方に傾斜している。これにより、遊技球入口37aから第3取込装置37内に入ってきた遊技球は、上流通路167においてほぼ水平方向に並びつつ、下流側へと流下していく。また、上流通路167には、遊技球の流れを一定に整えるための整流部170が設けられている。この整流部170の構成について図12を用いて詳細に説明する。図12は整流部170の中央部を水平線で切断した平断面図であり、図の上側は第1ハウジング161の壁面(壁部W1)を示し、下側は第2ハウジング162の壁面(壁部W2)を示す。図12に示すように、整流部170において、第1ハウジング161には円弧状の凹部171が形成されるとともに、第2ハウジング162には、凹部171に対向して三角形山状の突起172が形成されている。かかる場合、上流通路167を下流に流れてくる遊技球が整流部170に達すると、遊技球が突起172に衝突し、流れの向きを矢印の如く変えた後、更に突起172に対向する凹部171の内壁に衝突する。こうして、遊技球は流れの向きを変えつつ凹部171側に迂回するようにして下流側に流れる。
このとき、遊技球は整流部170を通過する毎に流れの勢いが消されその後の流下速度が低減されることから、その通過後における後述する遊技球検知の際の検知ミスが低減される。また、多数の遊技球が数珠繋ぎとなって第3取込装置37に取り込まれた場合に、整流部170を通過すると、速度差によって隣接する遊技球間に間隔ができることから、複数の遊技球を1個の遊技球として誤検知する不具合も抑制される。
また、上流通路167には、その最上流側から一筋の突条173が設けられており、当該突条173は取込通路168の最下流側まで設けられている(但し、整流部170における突条173の設置は任意である)。突条173は、上流通路167及び取込通路168を区画形成する四方の通路壁のうち少なくとも1つに形成され、本実施の形態では、第1ハウジング161において遊技球を横から保持する通路壁のほぼ中央部に突条173が形成されている。
取込通路168には、前記分岐位置のすぐ下流に取込用ゲート部材175が設けられている。取込用ゲート部材175は、上下方向に延びる長尺状となっており、通路外に配設された支軸176により支持される基部175aと、通路壁に設けた切欠部179を介して取込通路168内に出没する爪部175bとを有する。取込用ゲート部材175は、上流通路167と取込通路168とのコーナー部分の内側の領域に配置され、爪部175bが取込通路168内に出没することにより、取込通路168内の遊技球の通過が阻止又は許容されるようになっている。
ここで、取込用ゲート部材175の駆動機構について図9を用いて説明する。取込用ゲート部材175の駆動源としてソレノイド181が用いられている。ソレノイド181は、本体部181aと出力軸181bとを主要構成部品として備えており、本体部181aへの電気的な信号の入力に基づき通電され、出力軸181bが伸縮方向に移動する。当該ソレノイド181は、取込用ゲート部材175の右方において、出力軸181bが下方へと突き出るように配設されている。そして、図11に示すように、ソレノイドカバー182によりハウジング161に固定されている。また、ソレノイド181の配設される位置は、第3取込装置37の右下部であるため、第2ハウジング162の切り欠かかれた位置に相当し、ソレノイド181は第2ハウジング162により覆われていない(図7参照)。
ソレノイド181の出力軸181bの先端部にはガイド183が取り付けられている。ガイド183には回動片184の一部が係合されており、同回動片184の他部が取込用ゲート部材175の後端に駆動連結されている。符号185は、出力軸180を常に伸長方向に付勢するコイルバネであり、符号186は、回動片184のほぼ中央部に設けられ同回動片184を回動可能に支持する支軸である。
本構成によれば、ソレノイド181への通電がない場合には、図示の如くコイルバネ185の付勢力によって出力軸181bが伸長した状態で保持され、取込用ゲート部材175の爪部175bが取込通路168内に突出し取込通路168が閉鎖される。なおこのとき、取込用ゲート部材175の後端部分がストッパ187に当接しており、当該取込用ゲート部材175がそれ以上図の反時計回り方向に回動しないよう規制されている。つまり、実際の使用状態では、取込用ゲート部材175の爪部175bに遊技球がのりその状態で遊技球の通過が阻止されるが、取込用ゲート部材175は遊技球の重みにより図の反時計回り方向に力を受ける。この際、ストッパ187により取込用ゲート部材175の動きが制止される。
そして、ソレノイド181の通電に伴い、コイルバネ185の付勢力に抗して出力軸181bが縮み方向に移動すると、ガイド183及び回動片184を介して取込用ゲート部材175が回動する(図9では時計回り方向に回動する)。このとき、取込用ゲート部材175の爪部175bが取込通路168外に引っ込んだ状態となる。また、ソレノイド181への通電を中止すると、コイルバネ185の付勢力によって出力軸181bが伸長方向に移動し、取込用ゲート部材175の爪部175bが取込通路168内に突出した状態となる。
また、図9に示すように、取込通路168には、取込用ゲート部材175のすぐ下流側に上下一対のカウントセンサ201,202が設置されている。これらカウントセンサ201,202は、取込用ゲート部材175による取込通路168の開放時において当該取込通路168を通過する遊技球を検知するものであって、同センサ201,202により遊技の開始条件である所定個数の遊技球の取り込みが確認できるようになっている。
ここで、カウントセンサ201,202の構成について図10を用いて説明する。各センサ201,202は、発光素子と受光素子とを備えた周知の光学式センサにて構成されている。詳細には、光学式センサは、第1ハウジング161の壁部W1側から第2ハウジング162の壁部W2側に向けて(前後方向に)延びるセンサ本体部205と、当該センサ本体部205の両端から両ハウジング161,162に沿って取込通路168側に延びるアーム部203,204とが一体形成されたセンサユニット200として設けられている。一方のアーム部203にはその先端側に、カウントセンサ201,202を構成する受光素子が上下に並ぶように配設されており、他方のアーム部204には受光素子の対向位置に同じくカウントセンサ201,202を構成する発光素子が配設されている。
両アーム部203,204間の距離は、取込通路168の幅よりも若干長くなっている。そして、上流通路167と取込通路168とのコーナー部分の内側の領域であって取込用ゲート部材175とソレノイド181との間に設けられた貫通窓188にセンサ本体部205が挿通され、さらに両アーム部203,204が取込用ゲート部材175を跨ぎ、且つ取込通路168を挟んだ状態でセンサユニット200が配設されている。これにより、センサユニット200が取込用ゲート部材175やその他駆動機構と集約して配設された構成となっている。
この場合に、図9の破線で示すように、アーム部203,204は、その先端が取込通路168の中心付近に位置している。これに伴って、カウントセンサ201,202が取込通路168の中心(突条173)からオフセットした位置に配置されているので、連続して流下してくる遊技球を好適に検知することができる。即ち、遊技球は球形状をなし、中心付近の位置よりも外寄りの位置の方が、各センサの前方を通過する際の通過時間(すなわち、センサによる遊技球検知時間)が短くなるため、カウントセンサ201,202の位置を取込通路168の中心線よりもずらすことで、1の遊技球を検知してから次の遊技球を検知するまでの時間を長く確保することができるからである。
なお、第1ハウジング161及び第2ハウジング162の外面には、それぞれアーム部203,204の厚さ(前後方向の長さ)と同程度の深さであって、アーム部203,204の上下方向の長さと同程度の幅の嵌合溝189が形成されており、アーム部203,204は当該嵌合溝189に収容された構成となっている。また、センサ本体部205には、発光素子及び受光素子を機能させるための機能回路を有する図示しないセンサ基板が収容されている。センサ基板には、主制御装置131へと繋がる信号線が接続されるコネクタ部205aが設けられている。コネクタ部205aはソレノイド181と対面しており、ソレノイド181とセンサ本体部205とが近接しているのに伴ってコネクタ部205aもソレノイド181に近接している。
次に、図13を用い、カウントセンサ201,202による遊技球検知の概要を説明する。なお、図13(a)は各センサ201,202に対する遊技球の通過位置を示し、図中、B1,B2,B3の各通過課程での遊技球を示す。また、図13(b)は遊技球通過に伴う各センサ201,202の出力波形(波形整形後の矩形波形)を示し、便宜上遊技球の通過時にON出力となる論理を示す。なお、このON出力が球検知信号に該当する。
遊技球が取込用ゲート部材175を通過した後、図13(a)のB1位置に達すると、上側のセンサ201の出力がONとなり(t1のタイミング)、続いてB2位置に達すると、下側のセンサ202の出力がONとなる(t2のタイミング)。その後、上側のセンサ201の出力がOFFになり(t3のタイミング)、更にB3位置に達すると下側のセンサ202の出力がOFFとなる(t4のタイミング)。この場合、所定の時間条件の下、上側のセンサ201→下側のセンサ202の順で各センサがONした時にのみ遊技球が正規に取り込まれたと判断される。すなわち、上側のセンサ201がONしてから下側のセンサ202がONするまでに所定時間を経過した場合や、通常時とは逆に下側のセンサ202→上側のセンサ201の順で各センサがONした場合には、エラーとなって、その旨が報知等されるとともに遊技が禁止されるようになっている。故に、例えば、遊技球にひも等を付けて上下させることにより、あたかも複数の遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為が防止できるようになっている。
排出通路169には、前記通路分岐位置のすぐ下流側に排出用ゲート部材190が設けられている。この排出用ゲート部材190について図11、図14〜図16等を用いて説明する。図14は、第3取込装置37の背面図である。図15は、排出用ゲート部材190の動作を説明するための図である。また、図16は、排出用ゲート部材190と排出通路169との関係を説明するための図である。なお、図16では、図の上側が排出通路169側であり、図の下側が上流通路167側である。
排出用ゲート部材190は、合成樹脂製であり、図11に示すように、3つの通路遮蔽部191aと各通路遮蔽部191aの下側端部にてこれらを連結する連結部191bとを有している。連結部191bの手前側端部には、排出用ゲート部材190をハウジング161,162の厚さ方向の所定位置に保持させるべく力が加えられることとなる基端部192が形成されている。この基端部192とその隣りに位置する通路遮蔽部191aとの間、及び隣り合う2つの通路遮蔽部191a間は遊技球通過領域となっており、その間の長さは少なくとも遊技球の通過が可能となる長さ寸法となっている。また、連結部191bの奥側端部には、奥側へと延びる延出部191cが形成されている。
各取込装置35〜37の両ハウジング161,162には排出通路169の入口部分に、排出用ゲート部材190の断面形状に対応した透孔193a,193bが形成されており、この透孔193a,193bを介して排出用ゲート部材169が全取込装置35〜37を貫通するようにして挿通されている。但し、基端部192は、ハウジング161,162内に位置しておらず、第1取込装置35の第2ハウジング162の外面に固定されているカバー194内に収容されている。カバー194には、透孔194aが形成されており、基端部192に一体形成された突起部192aは透孔194aから手前側に突出している(図7参照)。基端部192と第2ハウジング162との間には、図11に示すように、バネ195が介在しており、このバネ195により基端部192は常に前方へと付勢されている。この場合に、カバー194は基端部192の前方への移動を規制するストッパとしての役割を果たす。また、通路遮蔽部191a及び隣り合う通路遮蔽部191a間の距離とを合わせた長さは、取込装置のハウジング161,162の厚さと同じであり、そのため各取込装置35〜37のハウジング161,162内には通路遮蔽部191aが1つずつ配置されることとなる。
また、第3取込装置37の第1ハウジング161の背面には、図11、図14に示すように、ゲート位置検知センサ210が配設されている。ゲート位置検知センサ210は略コ字状をしており、一方のアーム部210aの先端側に発光素子210cが配設され、他方のアーム部210bにおける発光素子210cの対向位置に受光素子210dが配設されている。ゲート位置検知センサ210は、図14の状態で見て、両アーム部210a,210bが透孔193aの下側部分を挟むようにして配設されている。なお、この透孔193aの下側部分には、排出用ゲート部材190の延出部191cが挿通されている。
バネ195の付勢力により基端部192がカバー194に当接している状態(排出用ゲート部材190が閉位置にある状態)では、図15(a)に示すように、各排出通路169の半分以上を塞ぐように通路遮蔽部191aが突出している。これにより、上流通路167から流れてきた遊技球の通過(排出通路169を介しての遊技球の排出)が阻止される。この場合に、延出部191cは、第3取込装置37のハウジング161,162内にある。
突起部192aが奥側へ押されると、バネ195の付勢力に抗して排出用ゲート部材190が奥側へスライド移動する。この場合に、延出部191cの先端部がゲート位置検知センサ210の両素子間を遮るタイミングが、排出用ゲート部材190が排出通路169を遊技球の半径分以上開放するタイミングよりも前となるように、延出部191cの長さ寸法や両素子の配置位置が設定されている。よって、図15(b)に示すように、通路遮蔽部191aにより排出通路169の遊技球の通過が阻止されている状態において、延出部191cの先端部がハウジング161,162外に突出し、ゲート位置検知センサ210の両素子間を遮る。これにより、ゲート位置検知センサ210から主制御装置131に対して延出部191cを検知した旨の信号が出力される。
その後、図15(c)に示すように、各取込装置35〜37の排出通路169には連結部191bが配置されることとなる(排出用ゲート部材190が開位置に動作される)。これにより、上流通路167から流下してきた遊技球の通過(排出通路169を介しての遊技球の排出)が許可される。
ここで、通路遮蔽部191aは、図16(a)に示すように、その排出通路169に突出する側の先端部(図16の左側端部)が先細り形状をしている。そして、その先細り部分は、上流通路167側の面が通路方向に対して垂直面となっており、排出通路169側の面が通路方向に対して傾斜面となっている。従って、図16(b)に示すように排出通路169の遊技球の通過を許可する状態から、図16(c)に示すように排出通路169の遊技球の通過を阻止する状態へと移行する際には、連結部191b上にあった遊技球は通路遮蔽部191aにより排出通路169側へと押されることとなる。上流通路167及び排出通路169が重力落下方向に延びるように形成されている構成において、上記のように遊技球を排出通路169側へと押し出す構成とすることにより、前記状態の移行をスムーズに行うことができる。また、例えば、通路遮蔽部191aの先端が上記のように先細りしていない構成では、遊技球が通路壁と通路遮蔽部191aとの間に挟み込まれてしまうおそれがある。これに対して、上記構成であれば、このような不都合が生じるおそれを低減することができる。
次に、排出用ゲート部材190の駆動機構について図17及び図18を用いて説明する。図17は、排出用ゲート部材190の駆動機構を説明するための説明図である。図18は、排出用ゲート部材190の駆動機構を説明するための縦断面図である。
前面扉4には、操作部材211が設けられている。操作部材211の前面には突起211aが設けられ、背面には押し出し部211bが設けられている。押し出し部211bは、一方の端部が低位部となり他方の端部が高位部となるように片側に傾斜している。前面扉4には横長のスライド孔4aが形成されており、突起211aはスライド孔4aから前方に突出している。突起211aが指等によりスライド孔4aの長手方向に押されることで、操作部材211が左右方向に移動する構成となっている。操作部材211の押し出し部211bの側方にはストッパ212が設けられており、操作部材211は押し出し部211bの側部(すなわち、図17の状態で右側端部)がストッパ212に当接する方向(すなわち、図17の右方)に、図示しない付勢手段により付勢されている。これにより、操作部材211は、指等により操作されていない状態では押し出し部211bがストッパ212に当接する位置で保持され(図17の状態)、指等により操作された状態では付勢力に抗して図17の左方に移動する。
操作部材211の奥側の載置部214上には、操作部材211の動きを排出用ゲート部材190に伝達するためのリンク部材215が設けられている。リンク部材215は、前後方向に延びており、操作部材211側の端部にはローラ部215aが設けられている。ローラ部215aはリンク部材215の厚み方向に延びる円柱状をしており、その中心を回転軸として回転可能に取り付けられている。また、図18に示すように、載置部214には直線状に延びる溝214aが形成されており、リンク部材215には溝214a側へと突出する付勢受け215bが形成されている。この付勢受け215bは溝214a内に設けられたバネ224により操作部材211側に付勢されている。これにより、リンク部材215が操作部材211側に付勢され、ローラ部215aは押し出し部211bの傾斜面に当接している。
リンク部材215の排出用ゲート部材190側の端面は、当該排出用ゲート部材190の突起部192aと対向している。また、リンク部材215の排出用ゲート部材190側の端部には、リンク部材215から左右(図17の状態で見て)に突出するようにしてスライドピン216が挿通されている。スライドピン216は、突起部192a及びリンク部材215の左右両端(図17の状態で見て)に設けられたガイド壁217にも挿通されている。詳細には、ガイド壁217は載置部214から上方へと起立しており、その壁部には前後方向に延びるスリット217aが形成されている。このスリット217aにスライドピン216の両端が挿通されている。
次に、操作部材211及びリンク部材215を介した排出用ゲート部材190の駆動態様について説明する。
取込装置35〜37による遊技球の取り込みを開始させ遊技を行おうとする場合においては、遊技者は基本的に操作部材211を操作しない。これにより、リンク部材215は押し出し部211bの低位部に当接し、排出用ゲート部材190は閉位置にある。よって、排出通路169が閉状態となっている。この場合に、ゲート位置検知センサ210により排出用ゲート部材190が閉位置にあること(排出通路169が閉状態であること)が検知される。
また、取込装置35〜37内に残った遊技球を排出しようとする場合においては、遊技者は操作部材211を操作する。これにより、リンク部材215と押し出し部211bとの当接部位が押し出し部211bの低位部から高位部に移行するのに伴って、リンク部材215が排出用ゲート部材190側に押し出される。そして、リンク部材215が排出用ゲート部材190の突起部192aを押し出すことにより、排出用ゲート部材190が開位置にスライド移動し排出通路169が開状態となる。この場合に、ゲート位置検知センサ210により排出用ゲート部材190が開位置にあること(排出通路169が開状態であること)が検知される。
次に、図19を用い、第3取込装置37による実際の遊技球の取込動作を説明する。図19(a)は初期状態を示し、同(b)は遊技球Bの取込状態を示し、同(c)は遊技球Bの排出状態を示す。なお、実際の遊技に際し、上流通路167には続々と遊技球Bが入ってくるが、図19(a)〜(c)では、5個の遊技球Bのみを図示している。
図19(a)に示す初期状態では、ソレノイド181が非通電の状態にあるため取込用ゲート部材175の爪部175bは取込通路168内に突出しており、さらに排出用ゲート部材190が初期位置にあるため排出通路169の入口には通路遮蔽部191aが位置する。故に、取込用ゲート部材175及び排出用ゲート部材190を通じての遊技球Bの通過は許容されていない。つまり、上流通路167内の複数の遊技球Bのうち、先頭の遊技球が爪部175b及び通路遮蔽部191aにて支持された状態となっている。
また、図19(b)に示す遊技球Bの取込状態では、ソレノイド181の通電により爪部175bが取込通路168外に引っ込んだ状態となる。これにより、遊技球Bが取込通路168内を流れて遊技球の取込が行われる。
さらに、図19(c)に示す遊技球Bの排出状態では、操作部材211が操作されることにより突起部192aが奥側へと押され、排出用ゲート部材190が奥側へと移動し、排出通路169の入口には連結部191bが配置される。これにより、遊技球Bが排出通路169内を下流側に流れて遊技球排出が行われる。このとき、遊技球Bは、爪部175b上を転がりながら通過する。
ここで、本実施の形態では、取込通路168と排出通路169とが同時に開状態とならない構成となっている。これにより、取込通路168を通過する遊技球のカウントセンサ201,202における検知ミスを防止することができる。
即ち、上述した取込状態では、図20(a)に示すように、通路遮蔽部191aは取込通路168の通路壁の一部を構成する。よって、分岐位置に到達した遊技球は、通路遮蔽部191aに衝突し流れの勢いが減じられ、その後取込通路168へと流れる。これにより、同一の軌道(図20(a)にて一点鎖線で示す)で取込通路168を遊技球が通過する。従って、カウントセンサ201,202における遊技球の検知が上述したとおりに行われ、遊技球の検知が確実に行われる。
一方、両通路168,169が同時に開状態となると、取込通路168に遊技球が流入するとしても当該遊技球が通路遮蔽部191aに衝突しないため、図20(b)に示すように、通常の取り込み時と遊技球の挙動が異なるものとなる。つまり、取込通路168を通過する遊技球の挙動が乱れる。この場合に、上述したとおり、カウントセンサ201,202が取込通路168の中心からオフセットした位置に配置されている。よって、図20の状態で見て左側の通路壁に沿って遊技球が通過すると、カウントセンサ201,202における遊技球の検知時間が通常時よりも短くなり、通過したと判定されないおそれがある。一方、図20の状態で見て右側の通路壁に沿って遊技球が通過する場合であっても、挙動が乱れることで1の遊技球が減速されると、その後の遊技球と1まとまりでカウントセンサ201,202の位置を通過する。この場合、複数の遊技球が取込通路168を通過したにも関わらず、1個の遊技球のみが通過したと判定されるおそれがある。
なお、上記構成では、取込ユニット30を構成する取込装置35〜37の数は3個であったが、各取込装置35〜37はほぼ同様の構成をしており、さらに排出用ゲート部材190という1つの部材により各取込装置35〜37における排出通路169への遊技球の通過が阻止及び許容される構成となっているので、同様の構成の取込装置を第1取込装置35と第3取込装置37との間に配設し、さらに排出用ゲート部材190の通路遮蔽部191aの数を増やすことで、取込装置35〜37の数を4個、5個、又は6個以上と容易に増やすことができる。
裏セット盤16の裏側には、遊技中の所定条件の成立時において遊技球の払出を行う払出機構が設けられている。すなわち、図5に示すように、裏セット盤16の裏側の最上部にはタンク25が設けられており、このタンク25には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク25の下方にはタンクレール26が連結され、更にタンクレール26の下流側にはケースレール27が連結されている。払出装置28はケースレール27の下流側に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が行われる。そして、払出装置28より払い出された遊技球は遊技球通路ユニット29を通じて前記上皿18に供給される。
タンクレール26、ケースレール27、払出装置28等の払出機構は、後述するリールユニット70(実際には、同リールユニット70を包囲する保護カバー135)を迂回するようにして配置されている。また、図5(遊技機1の背面図)では右端の上下部分で前面枠3が開閉可能に軸支されており、前述の払出機構は軸側に配置されている。この場合、払出機構には多数の遊技球が貯留されその重量は自ずと大きくなるが、払出機構が軸側に設けられるため、前面枠3の開閉を支障なく行うことができるようになる。またこのとき、軸部材(ヒンジ31,32)にかかる重量負担が軽減されるため、同軸部材(ヒンジ31,32)を保護する効果も併せて得られる。払出機構と同様に前記取込装置35〜37も軸側に設けられていることから、遊技球の取り扱いに関する機構が全て軸側にまとめられ、遊技球の流れに関する不具合時の対応が容易になり、さらに前面扉4を開き不正に遊技球の払い出しや取り込みを行わせるといった行為を抑制することができる。
取込装置35〜37が作動すると、それに伴い上皿18にある遊技球が所定個数ずつ取り込まれる。また、遊技中に所定条件が成立した場合には、払出装置28が作動し、これによりタンク25に貯留されている遊技球が、遊技球通路ユニット29等を介して基本的には上皿18に払い出される。
一方、図1等に示すように、前面扉4の前面下方に設けた下皿ユニット5には下皿41が形成され、下皿ユニット5の奥方の側面には下皿排出口42が形成されている。前記上皿18等に遊技球が満タンに貯留されている状態であって更に払出装置28から遊技球が払い出される場合には、下皿排出口42を介して下皿41に遊技球が払い出される。下皿41に隣接して灰皿44が形成されている。
前面扉4前面の膨出部よりなる操作部100は、その下面が台形状(凸状)に切り欠かれており(実際には、後述するストップボタン操作面113の下方部分が切り欠かれている)、この操作部100の下方空間(切り欠きによりできた空間)は、下皿41に貯まった遊技球を掻き出すために手を差し入れる空間でもある。
下皿ユニット5には球抜き穴45が形成されており、球抜きボタン46を押すことで図示しない球抜き機構が連動し、下皿41に貯まった遊技球が球抜き穴45から下方に排出されるようになっている。
環状部6のトップ部6aの下方には、上部パネル59が配設されている。上部パネル59は、透明性の合成樹脂により形成されており、その後面には機種名や遊技に関わるキャラクタなどが描かれた半透明性のフィルムが該キャラクタなどを遊技機前方から識別できるように貼り付けられている。そして、上部パネル59の内側には、該上部パネル59を内側から照らすための上部ライト59aが配設されており、この上部ライト59aの光によりフィルムに描かれたキャラクタなどが照らされるため、該キャラクタなどを遊技者が視認しやすい構成となっている。なお、透明性の上部パネル59に、上記機種名や遊技に関わるキャラクタなどが直接印刷されている構成であってもよい。また、上部パネル59は傾けて配設されていることにより、上部パネル59の前面は若干下方を向いた構成となっている。当該遊技機1で遊技を行う遊技者の目の高さは、上部パネル59の下縁付近に位置するので、上部パネル59の前面が下方に向いていると、当該上部パネル59の前面の視認性が向上する。
上部パネル59の下方には、該上部パネル59よりも遊技機1の前方に張り出すようにして立体形状をなすケース体60が配設されている。当該ケース体60は、黒色に着色された合成樹脂により形成されており、また、その上端が上部パネル59の下端に沿うような形状となっており、左右両端が環状部6の左右の括れ部6bの内側部に沿うような形状となっており、さらに下端が上皿18の上端に沿うような形状となっている。そして、ケース体60は、上部パネル59、括れ部6b及び上皿18に囲まれる領域に配設されている。ケース体60は、上から順に上方傾斜部61と、枠部62と、下方傾斜部63と、奥壁64とからなり、枠部62が最も前方に張り出している。枠部62には、中央に開口が設けられており、当該開口には、透明性の合成樹脂により形成され、リールに付された図柄の一部を視認可能とする透明パネル65が配設されている。上述したように、ケース体60において枠部62が最も前方に張り出しているため、透明パネル65は上部パネル59よりも遊技機前方に位置する。ケース体60は、図4に示すように、リールユニット70のすぐ前方に位置しており、外枠2、前面枠3及び保護カバー135と共にリールユニット70の収容領域を形成している。そして、透明パネル65が上部パネル59よりも遊技機前方に張り出した構成であることにより、比較的サイズの大きいリールユニット70の配置が可能となっている。但し、透明パネル65が極端に遊技機前方に張り出した構成とならないようにするために、リールユニット70の奥側端部が保護カバー135の奥側端部付近に位置するようにリールユニット70が配置されており、さらに保護カバー135の奥側には制御装置などを配設していない。なお、リールユニット70の構成については、後に詳細に説明する。
上方傾斜部61は、その上端が上部パネル59の下端に接しており、当該上部パネル59と枠部62及び当該枠部62に配設されている透明パネル65とを連結するような構成となっている。また、上方傾斜部61は、リールユニット70の手前側の上方に位置している。そして、黒色に着色された合成樹脂により形成されていることにより、遊技ホールにおける天井照明や上部ライト59aなどからの光が上方傾斜部61により遮断される構成となっている。これにより、上記光がリールユニット70に照射され、その照射された位置にある図柄の視認性が低下するといったことが防止されている。仮に、このような光の透過を遮断する手段が不具備である構成の場合には、上記光がリールユニット70に照射され、その反射光により光が照射された位置の図柄の視認性が著しく低下することとなってしまう。当該遊技機1の遊技は、遊技者が透明パネル65を介して視認できる領域を通過する図柄を視認して、予め設定された有効ライン上に所定の図柄の組合せを停止させるべく所定のタイミングで図柄の変動を停止させることにより行われる。従って、図柄の視認性が低下することは、遊技興趣の低下を引き起こす要因となりかねない。これに対して、本実施の形態の構成であれば、このような不都合が生じるおそれはない。また、上方傾斜部61が黒色に着色された合成樹脂により形成されていることにより、外部から遊技機1の内部構造が視認できないようになっている。また、上方傾斜部61の前面は、奥側から手前側に向けて下方に傾斜している。これにより、上部パネル59が透明パネル65よりも奥側に位置している構成であったとしても、当該上部パネル59に表示されている内容を透明パネル65に邪魔されることなく遊技者に視認させることができる。仮に、上方傾斜部61の前面が上記のように傾斜しておらず、例えば、略水平である構成の場合には、上部パネル59の下縁と透明パネル65の上縁とが同じ高さとなってしまい、遊技者の目の高さが透明パネル65の上縁付近である状況下においては上部パネル59に表示されている内容の一部が視認できなくなるおそれがあるからである。
枠部62に配設されている透明パネル65は、平面状となっている。これにより、遊技ホールにおける天井照明などの光が透明パネル65において反射するのが防止されている。仮に、透明パネル65が曲面上の場合には、上記照明の光の反射が顕著に発生することとなり、図柄の視認性が著しく低下するおそれがあるが、本実施の形態では、このような不都合が生じるおそれはない。さらに、透明パネル65は、その前面が上方を向いている。これにより、図柄の視認性の向上が図られている。一方、枠部62は、上記のとおり黒色に着色された合成樹脂により形成されているので、リールユニット70周辺の構造が外部から視認できないようになっている。
下方傾斜部63の前面は、枠部62の下端から奥側に向けて下方に傾斜している。そして、その奥側端部が奥壁64の上端に相当する。これにより、奥壁64を、透明パネル65に比してある程度奥側に配設することができる。即ち、図4に示すように、下方傾斜部63及び奥壁64の奥側には、リールユニット70の手前側下部が位置しており、当該部分は曲面状となっている。そして、当該曲面に合せるように下方傾斜部63を傾斜させることにより、奥壁64をリールユニット70に接触させない範囲で、できる限り奥側に配置することができる。また、下方傾斜部63の前面が上記のように傾斜していることにより、奥壁64が透明パネル65よりも奥側に位置している構成であったとしても、奥壁64に設けられている獲得数表示部122などに表示されている内容を透明パネル65に邪魔されることなく遊技者に視認させることができる。仮に、下方傾斜部63の前面が、略水平である構成の場合には、透明パネル65の下縁と奥壁64の上縁とが同じ高さとなってしまい、遊技者の目の高さが透明パネル65の上縁付近である状況下においては獲得数表示部122などに表示されている内容が視認できなくおそれがあるからである。また、下方傾斜部63が黒色に着色された合成樹脂により形成されていることにより、外部から遊技機1の内部構造が視認できないようになっている。
奥壁64は、下方傾斜部63の下端からほぼ鉛直下方に所定範囲に渡って延びており、その中央が開口されている。そして、この開口には、獲得数表示部122及び情報表示部123が設けられている。また、奥壁64の下方には、操作部100が前面に配設された上皿18が位置する。そして、奥壁64は、透明パネル65よりも奥側に位置し、さらに上皿18の奥行き方向の中央付近の上方に位置している。この構成であることにより、操作部100が遊技機前方へと突出するのを極力抑えつつ、遊技者が上皿18へと遊技球を補充するための空間が確保されている。仮に、奥壁64が透明パネル65よりも奥側に位置しておらず、例えば、透明パネル65と同程度に遊技機前方に張り出している構成の場合には、遊技者が上皿18へと遊技球を補充するための空間を確保すべく、上皿18を遊技機前方へと膨出させる必要がある。この場合、上皿18の前方には操作部100が位置するので、結果的に操作部100を遊技機前方へと突出させることとなってしまう。当該遊技機1の遊技は、遊技機1の前方に配設された固定式の椅子に座っている遊技者が、遊技回毎に操作部100を操作することにより行われるので、操作部100を遊技機前方へと突出させると、遊技者の胴体と操作部100までの距離が短くなってしまい操作部100の各遊技回毎の操作が窮屈なものとなってしまう。これは、継続して遊技を行う遊技者にとっては大きな負担となるおそれがある。また、当該不都合を解消すべく、遊技機1と椅子との距離を長くすると、透明パネル65から遊技者の目までの距離が長くなってしまうので、図柄の視認性の低下を招くおそれがある。さらには、この場合、椅子の間の距離が短くなり遊技ホールにおける従業員や客の通行スペースが狭くなってしまう。また、操作部100が遊技機前方に突出すると、遊技ホールなどにおいて前面扉4を回動させたときの操作部100の先端の移動範囲が広くなってしまい、当該操作部100の先端が遊技者に当たってしまうおそれがある。これに対して、本実施の形態であれば、このような不都合が生じるおそれはない。また、奥壁64は、黒色に着色された合成樹脂により形成されている。これにより、遊技機1外部から内部構造が視認できないようになっている。
また、説明の便宜上、図示による説明は省略するが、ケース体60の背面には、これも同様にパネル状をなすフロントライト部材が重ね合わせるようにして取り付けられている。フロントライト部材は発光手段を構成するものであり、光源(ライト)と、光源からの光をパネル面に沿って導入しかつパネル面に略垂直な方向に反射させパネル外部へ発する透明な導光パネルとを有して構成されている。つまり、このフロントライト部材によればその後方に向けて略垂直に面発光が行われ、後述するベルトユニット70のベルト表面(図柄)が明るく照射されることとなる。この場合、透明パネル65による図柄の視認範囲に対して面発光が行われる。
次に、表示装置としてのリールユニット70の構成を図3、図21、図22を用いて説明する。図21は、リールユニット70を遊技機本体から取り出して示す斜視図であり、同図には、当該リールユニット70の前面、すなわち図柄表示面を左手前側に示している。また、図22は、左リールの組立斜視図である。
リールユニット70は、可変表示手段を構成し、前面扉4の裏側において前方より裏セット盤16に設置されている。即ち、ベルトユニット70は、金属製のベース80(ベース部材)を具備している。ベース80はリールユニット70の背面側の背面部80a、上側の上面部80b及び下側の下面部80cとよりなる。上面部80bの前側端部には、その端部の一部を折り曲げ形成することにより被固定部としての支持固定部81が2カ所設けられている。そして、それぞれの支持固定部81には、1個ずつ挿通孔81aが形成されている。一方、下面部80cの前側端部には、その端部の全体を折り曲げ形成することにより被固定部としての支持固定部82が設けられている。そして、当該支持固定部82には、両端に1個ずつ挿通孔82aが形成されている。リールユニット70の裏セット盤16への取り付け固定は、挿通孔81a,82aに挿通させたネジを裏セット盤16に螺着させることにより行われている。
また、ベース80には、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール71、中リール72、右リール73が収容されている。各リール71,72,73は、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール71,72,73の回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール71,72,73の表面の一部は透明パネル65を介して視認可能な状態となっている。また、リール71,72,73が正回転すると、透明パネル65を介してリール71,72,73の表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール71,72,73は、それぞれがステッピングモータ74,75,76に連結されており、各ステッピングモータ74,75,76の駆動により各リール71,72,73が個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール71,72,73は同様の構成をしているため、ここでは左リール71を例に挙げて図22に基づいて説明する。
左リール71は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51が形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ74の駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ74の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール71が円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ74は、リールユニット70(図21)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール71と一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール71が1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール71の角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ74は例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ74の回転位置、すなわち左リール71の回転位置が制御される。
各リール71,72,73の各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が透明パネル65から視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を透明パネル65から視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール71,72,73に付された図柄のうち、透明パネル65を介して全体を視認可能な図柄数は、主として透明パネル65の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール71,72,73がすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
さらに、説明の便宜上、図示による説明は省略するが、本リールユニット70には、透明パネル65を介して視認可能な図柄を後方より照明するためのバックライト(後方発光手段)が設けられている。このバックライトは蛍光ランプ等により構成され、各リールの内周側において透明パネル65を介して視認可能な図柄を後方より照明するように配置される。
ここで、各リール71,72,73に付される図柄について説明する。図23には、左リール71,中リール72,右リール73のそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール71,72,73にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール71,72,73に対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール71,72,73に実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。そして、図23に示すように、各リール71,72,73に巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
本実施の形態において、「7」図柄や「青年」図柄が後述する有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、75個の遊技球の払出が行われるとともにビッグボーナスゲームへの突入がなされるようになっている。また、「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、75個の遊技球の払い出しが行われるとともにレギュラーボーナスゲームへの突入がなされるようになっている。また、「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、遊技球の払出は行われずリプレイゲームへの突入がなされるようになっている。
更に、小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には75個の遊技球の払出が、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には40個の遊技球の払出が行われる。また、左リール71の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には10個の遊技球の払出が行われる。すなわち、中リール72及び右リール73の「チェリー」図柄は遊技球の払出とは無関係であり、言わば無意味な図柄である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係に遊技球の払出が行われるため、左リール71の複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止された場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけの遊技球の払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では20個の遊技球の払出が行われる。
図5に示すように、遊技機1の背面において裏セット盤16には、遊技に関する各種の制御を行うための主制御装置131が設置されている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるIOポート、バッファとして機能する入出力ドライバ、各種抽選の際に用いられる乱数回路、リセット信号を出力するリセット回路等を含む制御回路基板より構成されている。
同じく裏セット盤16には、保護カバー135に収容される形で各種ランプ8〜10,12,13やスピーカ11の制御を行うためのサブ制御装置132が設置されている。サブ制御装置132も同様に、CPU、ROM、RAM等を具備しており、主制御装置131からの制御信号を受信するが主制御装置131側には信号を送信しない一方向通信構成を採っている。裏セット盤16には主制御装置131と並ぶようにして払出制御装置136が設置されている。払出制御装置136もCPU、ROM、RAM等を備え、入出力バッファを介して主制御装置131と双方向通信構成を採っている。主制御装置131、サブ制御装置132及び払出制御装置136は、何れも透明又は非透明な制御基板ボックスに収容されており、かつ制御基板ボックスが封印された状態でそれぞれ裏セット盤16に固定されている。なお、リールユニット70は、ケース部材としての無色透明な保護カバー135内に収容されて一体化されている。
裏セット盤16には、保護カバー135(リールユニット70)の側面に接するようにして、電源装置133が設置されている。電源装置133は、前述した主制御装置131、サブ制御装置132、払出制御装置136等の制御装置やその他払出装置28等に必要な電源を供給するための電源基板と、該電源装置を収容する無色透明な基板ボックスと、電源基板の内外で生じたノイズを排除するためのノイズ対策用の金属板とを具備し、それらが一体的に組み付けられて構成される。なお、裏セット盤16には、リールユニット70のすぐ横に縦長の凹部134が設けられており、この凹部134に電源装置133の側部が収容されるようになっている。これにより、電源装置133は、遊技機1の奥行き方向に延びる向きに縦長に配置された状態で取り付けられる。
なお、主制御装置131、サブ制御装置132、電源装置133、払出制御装置136等の配置は、以上説明した配置に限定されるものではない。
電源装置133には、電源スイッチやリセットスイッチや設定キー挿入孔などが設けられている。なお、電源スイッチは、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチは、遊技機1の各種状態をリセットするためのスイッチである。本遊技機1は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチを押しながら電源スイッチをオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチがオンされている状態でリセットスイッチを押した場合には、エラー状態がリセットされる。設定キー挿入孔は、ホール管理者などが出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔へ挿入して操作することにより、遊技機1の設定状態(当選確率設定処理)を例えば「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
図24に示すように、本遊技機1の透明パネル65には、横方向に平行となるように3本、斜め方向にたすき掛けとなるように2本、計5本の有効ラインが設定されている。すなわち、有効ラインとして、上・中・下の横ライン(上ライン、中央ライン、下ライン)と、一対の斜めライン(右上がりライン、右下がりライン)とが設定されている。勿論、最大有効ライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大有効ライン数を変更するようにしてもよい。なお、遊技者に有効ラインを一層理解し易くするために、ベット数に応じて有効化されるラインを明示的に表示するライン表示部を設けてもよい。
図1,図2に示すように、前記前面扉4の膨出部分に設けられた操作部100の左側には、各リール71〜73を一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー101が設けられている。スタートレバー101は可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成する。また、スタートレバー101の下側には操作部材211の操作片211aが配置されている。
スタートレバー101の右側にはストップボタン操作面113が設けられ、そのストップボタン操作面113には、回転中の各リール71〜73を個別に停止させるためのストップボタン102,103,104が設けられている。各ストップボタン102〜104は、停止対象となるリール71〜73毎にそれぞれ設けられている。ストップボタン102〜104は、可変表示を停止させる停止手段、及び可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。なお、本実施の形態では、前記ストップボタン102〜104が押圧操作されないまま所定時間経過すると、前記リール71〜73が停止させられるよう構成されている。
操作部100(前面扉4の膨出部分)の上面には平坦状の操作補助面105が形成されている。この操作補助面105は、その背後の上皿18を取り囲むようにしてアーチ状に設けられ、遊技機前面との間に上皿18と略同形状の開口部106が形成されている。前面扉4を閉じた状態では、この開口部106を介して上皿18が上方に開口する構造となっている。また、操作補助面105は、前方(手前側)に向けて下降するよう僅かに傾斜して設けられている。但し、その傾斜はなくてもよいし、逆に後方に向けて下降する傾斜であってもよい。
ここで、操作補助面105においてストップボタン102〜104(ストップボタン操作面113)の直上部分は、その前後方向の幅が略均一であり、操作補助面105の後方縁部(図1のL部)は直線状に構成されている。この場合、遊技者が各ストップボタン102〜104を親指で押圧操作することを想定すると、人差し指や中指など他の指を操作補助面105の後方縁部(L部)にかけるようにするとよい。その状態で手を左右に移動することにより、操作補助面105上を沿うようにして、各ストップボタン102〜104を連続的に押圧操作することができるようになる。言い換えれば、上皿部分に指をかけて上記押圧操作を行うことができる。要するに、操作補助面105が平坦でありかつその後方縁部が直線であるため、その操作補助面105を利用し、各ストップボタン102〜104の連続的な押圧操作を素早くかつスムーズに実施することができる。
また、上皿18(本実施の形態では特に図5等に示す副上皿部18b)には、操作補助面105側を幾分高くするようにして段差や傾斜を設けておくようにしてもよい。すなわち、上皿18の前方が高く、後方が低くなるよう高低差を設けておく。これによれば、上皿18内に遊技球が貯留されたとしても多くは上皿18の低い部位(すなわち、操作補助面105から離れた部位)に貯まることとなる。それ故、上皿18を指かけ部として利用する場合に、指と遊技球とが干渉するといった不都合が回避できる。
スタートレバー101の上方(すなわち、遊技者にとっては左手側)において、操作部100の操作補助面105には、遊技球の取り込みを開始させるための入力操作手段を構成するボタン状のベットスイッチが設けられている。本実施の形態では、ベットスイッチとしてマックスベットスイッチ109が設けられている。
マックスベットスイッチ109には、操作が有効に受け付けられる状態であることを報知する発光体(発光部材)が設けられている。発光体はマックスベットスイッチ109のボタン押圧部に内蔵されており、発光体の発光に伴い当該ボタン押圧部が発光する構成となっている。発光体は、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられる状態である場合に点灯(又は点滅)し、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられた後、又は受け付けられない状態である場合に消灯する。或いは、発光体は、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられる状態である場合に赤色で発光し、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられた後、又は受け付けられない状態である場合に青色で発光するものであっても良い。
マックスベットスイッチ109は、1回押圧操作される毎に、上皿18の遊技球が「15個」ずつ取込装置35〜37により取り込まれる。これにより、前記5本の有効ラインがすべて有効化される。そして、この状態が最大ベット状態である。つまり、マックスベットスイッチ109の1回の押圧操作がなされた時点で、それ以上の遊技球の取り込みは行われないようになっている。従って、本実施の形態では最大ベット状態となった上で、さらにマックスベットスイッチ109が押圧操作された場合には、該操作が無効化されるようになっている。但し、特別遊技状態であるビッグボーナスゲーム中のジャックインゲームにあっては、マックスベットスイッチ109の1回の押圧操作により5個分(1ベット分)の遊技球が取り込まれるようになっている。この場合、前記5本の有効ラインのうちの中央ラインのみが有効化される。
さらに、前面扉4の表示部63には、獲得遊技球の個数を表示する獲得数表示部122と、ビッグボーナスゲーム中の情報(例えばゲーム回数等)を表示するための情報表示部123とがそれぞれ設けられている。本実施の形態では、これら各表示部122,123は3桁の7セグメント表示器によって構成されているが、桁数は特に限定されるものではないし、液晶表示器等によって代替することも当然可能である。
なお、遊技機1(前面扉4)の上部には、ビッグ報知部、リプレイ報知部、小役報知部等の各種報知部(図示略)が適宜設けられるとよい。これら各種報知部は遊技機1の上部以外の場所に設けてもよいし、共通の報知部で異なる態様の報知を行うようにしてもよい。また、かかる報知部として環状部6,7を利用してもよい。例えば、ビッグ報知部は、各リール71〜73の停止時に「7」図柄が有効ライン上に揃った場合、ビッグボーナスゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。リプレイ報知部は、各リール71〜73の回転停止時に「リプレイ」図柄が有効ライン上に揃った場合、リプレイゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。小役報知部は、各リール71〜73の回転停止時に小役図柄としての「スイカ」図柄等が有効ライン上に揃った場合、所定数の遊技球を獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。なお、これら各報知部は表示によって報知することとしたが、これに代えて或いはこれに加えて、遊技機1(前面扉4の上部)に備えられるスピーカ11によって音声により報知してもよい。
次に、当該遊技機1の電気的構成について、図25のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源装置133の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、遊技機10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。なお、電源装置133からの電源は、主制御装置131以外にも、サブ制御装置132、払出制御装置136などに直接又は間接的に電源が供給される。また、電源装置133に設けられたリセットスイッチ138の操作に基づく各種信号は主制御装置131及び払出制御装置136に送信され、これにより、前記した球抜き処理等が実行される。
主制御装置131の入力側には、精算スイッチ111の押圧操作を検出する精算検出センサ111a、マックスベットスイッチ109の押圧操作を検出するマックスベット検出センサ109a、スタートレバー101の操作を検出するスタート検出センサ101a、各ストップボタン102〜104の操作を個別に検出するストップ検出センサ102a,103a,104a、各リール71〜73の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55等の各種センサが接続されている。
主制御装置131の出力側には、リールユニット70に搭載されたステッピングモータ74〜76並びに表示部63に設けられた獲得数表示部122及び情報表示部123が接続されている。
また、主制御装置131には、取込装置35〜37が接続されている。具体的には、主制御装置131の入力側に取込装置35〜37のカウントセンサ201,202及びゲート位置検知センサ210が接続されており、主制御装置131の出力側に取込装置35〜37のソレノイド181が接続されている。
また、主制御装置131には、双方向通信することができるように払出制御装置136が接続されている。従って、主制御装置131からのコマンドを払出制御装置136が受信したり、払出制御装置136からの信号を主制御装置131が受信することができる。また、払出制御装置136には、払出装置28が接続されている。
さらに、主制御装置131の出力側には、サブ制御装置132が接続されている。サブ制御装置132の出力側には、発光体8,9、各ランプ表示部10,12,13、スピーカ11が接続されている。主制御装置131からは、サブ制御装置132に対しその時々の遊技情報が信号として送信されるようになっている。各遊技情報に関する信号を入力したサブ制御装置132では、各種信号に基づき、自身の制御プログラムに基づき、種々の演出を実行する。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが割込み回路を始めとしたタイマ回路、データ送受信回路など遊技機1において必要な各種の処理回路や、ベットカウンタなどといった各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図26以降に示される各種のフローチャートに示される処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、遊技機1の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置133からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM153には、排出操作フラグやベット操作フラグなどといった各種のデータを一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチの操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチの操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいて遊技機1の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、電源装置133からの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
次に、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図26等のフローチャートを参照しながら説明する。かかる主制御装置131の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図26はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置133から主制御装置131のCPU151に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込端子)に停電信号が出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153のバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153の停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図27は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図28を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポートにおける出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。
なお、電源装置133の電源部は、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施の形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して割込み許可を出す割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール71,72,73を回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ74〜76を駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポートに接続された各種センサ(図25参照)の状態を監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、取込装置35〜37による遊技球の取り込みを制御する遊技球取込処理を行う。なお、当該遊技球取込処理については後に詳細に説明する。ステップS209では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ減算処理を行う。ステップS210では、遊技球のベット数や、払い出し数をカウントした結果を外部集中端子板へ出力するカウンタ処理を行う。ちなみに、外部集中端子板へ出力された情報は、当該外部集中端子板を通じてホール管理装置等に送信される。
ステップS211では、サブ制御装置132へコマンドなどを送信するコマンド出力処理を行う。ステップS212では、獲得数表示部122及び情報表示部123にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS213では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部122,123に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS214では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS215では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS216にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を、図29に示すフローチャートを用いて詳しく説明する。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチのオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、次にステップS402ではリセットスイッチ138がオン操作されているか否かを判定する。リセットスイッチ138がオン操作されている場合にはステップS403に進み、RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。
その後、ステップS404では設定キーが設定キー挿入孔に挿入されているか否かを判定する。設定キーが挿入されている場合にはステップS405に進み設定変更処理を行う。設定変更処理として、先ずRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。そして、予め設定された複数段階の設定状態(例えば「設定1」〜「設定6」)のうちどの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。
ステップS406では停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされていない、すなわち先のステップS403又はステップS405にてRAM153のデータがクリアされている場合には、後述する通常処理に進み、本処理を終了する。
ステップS406において停電フラグがセットされた状態にあるときには、ステップS408以降に示す復電処理に移行する。停電フラグがセットされた状態にあるということは、ステップS403のRAMクリア処理、ステップS405の設定変更処理等のサブルーチン処理が全く実行されていないことを意味する。従って、RAM153のデータは全く書き替えられていないこととなり、復電処理ではRAM153のデータなどが正常であるかどうかなどの確認処理が必要となる。そのためにまず、ステップS408ではRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値がゼロでなかったときには、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。そのため、このような場合にはステップS409にてエラー表示処理を行う。エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポートに接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うと共に、リセットスイッチがON操作されるまでかかる状態を維持する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS410に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS411において、復電処理時に使用する復電コマンドをサブ制御装置132に送信する。その後、ステップS412にて遊技状態として打ち止めおよび自動精算設定保存処理を行い、ステップS413にてスタート検出センサ101a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS414にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、前記タイマ割込みのウォッチドッグタイマクリア処理が実行されることとなる。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図30のフローチャートに基づき説明する。
ステップS501では、RAM153内に設けられたベットフラグ格納エリアにベットフラグがセットされている否か、すなわち遊技球がベットされているか否かを判定する。ベットフラグは、タイマ割込み処理の遊技球取込処理にてセットされる。そこで、遊技球取込処理について、図31のフローチャートを用いて説明する。
遊技球取込処理では、先ずステップS601で、RAM153内に設けられた排出操作フラグ格納エリアに排出操作フラグがセットされているか否かを判定する。排出操作フラグは、ゲート位置検知センサ210により排出用ゲート部材190の延出部191cが検知されることでセットされ、ゲート位置検知センサ210により延出部191cが検知されなくなることにより消去されるフラグである。すなわち、排出操作フラグは、排出用ゲート部材190が開位置に動作した場合にセットされ、その後、排出用ゲート部材190が閉位置に動作することで消去されるフラグである。
排出操作フラグがセットされていなかった場合には、ステップS602にて取込用ゲート部材175の駆動源であるソレノイド181が通電されているか否かを判定する。その結果、通電されていなかった場合には、ステップS603に進み、RAM153内に設けられたベット操作フラグ格納エリアにベット操作フラグがセットされているか否かを判定する。ベット操作フラグは、マックスベットスイッチ109が遊技者により操作され、主制御装置131がマックスベット検出センサ109aからON信号を受信することによりセットされるフラグである。但し、リール71〜73が回転している間や遊技球の払い出し等が行われている間(すなわち、取込不許可状態中)にマックスベットスイッチ109が操作されたとしても、ベット操作フラグはセットされない。リール71〜73が回転している間などに遊技球の取り込みが行われないようにするためである。
ベット操作フラグがセットされていなかった場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ベット操作フラグがセットされていた場合には、ステップS604にてすべての取込装置35〜37のソレノイド181に信号を出力する。これにより、ソレノイド181が通電され、それに伴って取込用ゲート部材175が駆動され、すべての取込装置35〜37において取込通路168が開状態となる。
ステップS602にて肯定判定した場合(即ち、ソレノイド181が既に通電されていた場合)及びステップS604の処理の後には、ステップS605にて各取込装置35〜37におけるセンサユニット200から遊技球の通過を検知した旨の信号を入力したかどうかを判定する。その結果、当該信号を入力していた場合には、ステップS606にてベットカウンタにセンサユニット200が検知した遊技球の数をカウントアップする。ベットカウンタは取込装置35〜37により取り込まれた遊技球の数を記憶するカウンタである。その後、ステップS607に進み、ベットカウンタの値が15か否かを判定することで、遊技球の取り込みが完了したか否かを判定する。遊技球の取り込みが完了していた場合には、ステップS608にてベットフラグ格納エリアにベットフラグをセットし、さらにベットカウンタの値を0とした後に、ステップS609に進む。
ステップS609では、すべての取込装置35〜37のソレノイド181への信号の出力を停止する。これにより、取込用ゲート部材175の駆動が停止されることで取込通路168が閉状態となり、取込装置35〜37による遊技球の取り込みが終了する。また、ステップS609においてはベット操作フラグ格納エリアに格納されているベット操作フラグを消去する。
一方、ステップS605にて否定判定した場合(即ち、センサユニット200から遊技球の通過を検知した旨の信号を入力していなかった場合)、及びステップS607にて否定判定した場合(即ち、ベットカウンタが15でなかった場合)には、ステップS610にて、ステップS604でソレノイド181をONしてから取込許容時間が経過したか否かを判定する。取込許容時間が経過していなかった場合にはそのまま本処理を終了し、取込許容時間が経過していた場合には上述したステップS609の処理を行った後に本処理を終了する。このように、取込許容時間が経過したか否かを判定することにより、上皿18に遊技球が貯留されていないにも拘わらず取込ソレノイド181が励磁され続けてしまうことを防止することができる。なお、この場合に、ベットカウンタに記憶されている数の遊技球が払出装置28を介して遊技者に払い戻される。
排出操作フラグがセットされていなかった場合には以上のような処理が実行されるが、排出操作フラグがセットされていた場合にはステップS601で否定判定することによりステップS611に進む。ステップS611では、ソレノイド181が通電されているか否かを判定する。その結果、ソレノイド181が通電されていなかった場合には、そのまま本処理を終了する。これにより、排出用ゲート部材190が開位置にある状態では、マックスベットスイッチ109が操作されたとしても遊技球の取り込みは開始されない。一方、ソレノイド181が通電されていた場合には、上述したステップS609の処理を実行した後に本処理を終了する。これにより、遊技球の取り込みが行われている状況下で排出用ゲート部材190が開位置に動作する場合には遊技球の取り込みが停止されることとなる。なお、この場合に、ベットカウンタに記憶されている数の遊技球が払出装置28を介して遊技者に払い戻される。
図30の通常処理の説明に戻り、ベットフラグがセットされているときには、ステップS502にてスタートレバー101が操作されたか否かを判定する。ステップS501,S502が共にYESの場合には、ステップS503の抽選処理、ステップS504のリール制御処理、ステップ505の払出監視処理、ステップS506の特別遊技状態処理を順に実行し、ステップS501に戻る。なお、ステップS502にて肯定判定した場合に、ベットフラグ格納エリアにセットされているベットフラグを消去する。一方、ステップS501にてベットフラグがセットされていない、またはステップS502にてスタートレバー101が操作されていない場合には、ステップS501に戻る。
以下、ステップS503の抽選処理、ステップS504のリール制御処理を、図32、図33のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ステップS505の払出監視処理では払出制御装置136にて実行される後述する遊技球払出処理を監視する。また、ステップS506の特別遊技状態処理では、ビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲームの開始又は終了の判定などを行う。これら払出監視処理及び特別遊技状態処理の詳細な説明は、便宜上、省略する。
先ずステップS503の抽選処理について、図32のフローチャートに基づき説明する。
ステップS701では、遊技機1の現在の設定状態等に基づき、当否判定用の乱数テーブルを選択する。ここで、遊技機1の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。なお、当否判定用の乱数テーブルは、上述した以外のものが設定されている構成であってもよく、また、設定状態に基づくテーブルのみが設定されている構成であってもよい。
ステップS702では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー101が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そしてステップS703にていずれかの役に当選したか否かを判定し、いずれの役にも当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合にはステップS704に進み、その役に応じた当選フラグをセットすると共に図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。続いてステップS705ではリール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAMのスベリテーブル格納エリアに格納する。ここで、スベリテーブルとは、ストップボタン102〜104が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリール71〜73をどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
次に、ステップS504のリール制御処理について、図33のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS801においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、マックスベットスイッチ109の操作後にスタートレバー101が操作されたとしても、直ちに各リール71〜73が回転しないことがある。
ウエイト処理に続いてステップS802のリール始動処理を行い、各リール71〜73を回転させる。その後、ステップS803に進み、左リール71が回転を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、経過していない場合には所定時間が経過するまで待機する。所定時間が経過した場合にはステップS804に進み、ストップボタン102〜104のいずれかが押圧操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ102a〜104aからのON信号を受信しているか否かを判定する。すなわち、本実施の形態では、左リール71が回転を開始してから所定時間が経過するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップボタン102〜104が押下操作されても、ストップ検出センサ102a〜104aからのON信号を無効化する。停止指令が発生していない場合にはステップS805に進み、予め定められた各リール71〜73の最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS804に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS806に進んで回転中の全てのリールを強制的に停止させる強制停止処理を行う。
一方、ステップS804にてストップボタン102〜104のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS807に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップボタンに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップボタンが押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップボタンを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。なお、ステップS806の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行う。
続いて、ステップS808では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップボタンが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS809に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リールにて「チェリー」図柄が下ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
一方、ステップS808で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS810に進み、第2停止指令か否か、つまり3つのリールのうち1つのリールが停止し2つのリールが回転しているときにストップボタンが押下操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS811に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つのリールが停止したときにその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ11から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外にランプ表示部10,12,13を用いた演出を行ってもよい。
そして、ステップS806の強制停止処理の後、ステップS809のスベリテーブル変更処理の後、ステップS810にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS811の停止目判定処理を行った後には、ステップS812にて左、中、右リール71,72,73のすべての回転が停止したか否かを判定する。回転が停止していなかった場合にはステップS804に戻り、回転が停止していた場合には続くステップS813にて払出判定処理を行って本処理を終了する。
払出判定処理とは、役が有効ライン上に並んでいることを条件の1つとして遊技球の払出数を設定する処理である。具体的には、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときにはランプ表示部10等にてエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。また、有効ライン上に並んでいる役と当選した役が一致しているときには払出予定数格納エリアに並んだ役と対応する払出数をセットし、さらに当該払出数の情報を払出制御装置136に出力すべく、払出数の情報を含んだ払出数コマンドをセットする。
次に、払出制御装置136のCPUにおいて実行される遊技球払出処理について、図34のフローチャートに基づき説明する。
遊技球払出処理では、先ずステップS901にて払出検出カウンタがカウントした払出数と、払出制御装置136のRAMに格納されたコマンドから判断される払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS902にて払出装置28を駆動して遊技球を上皿18に払い出す。このとき、ステップS903では払出装置28に設けられた払出検出センサの検出信号に応じて払出数を1インクリメントする。また、この際、主制御装置131に対して払出数を1インクリメントした旨の払出コマンドが出力される。そしてその後、ステップS901に戻る。ステップS901で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS904にて払出装置28を停止させ、本処理を終了する。なお、払出数は払出予定数分の遊技球を払い出したときにリセットされる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
取込装置35〜37において、手動操作による排出用ゲート部材190の開動作に伴い排出通路169が開状態となり、その状態であることが判定された場合、取込通路168が閉状態にあるように制御される構成とすることで、両通路168,169が同時に開状態となることが防止される。両通路168,169が同時に開状態となると、取込通路168に遊技球が流入するとしても当該遊技球が排出用ゲート部材190の通路遮蔽部191aに衝突しないため、通常の取り込み時と遊技球の挙動が異なるものとなる。つまり、取込通路168を通過する遊技球の挙動が乱れる。この場合、カウントセンサ201,202における遊技球の検知ミスが発生し得る。これに対して、両通路168,169が同時に開状態となることを防止することで、カウントセンサ201,202における遊技球の検知ミスを防止することができる。
特に、カウントセンサ201,202が取込通路168の中心からオフセットした位置に配置された構成では、遊技球の挙動が乱れ、取込通路168を通過する際の遊技球の軌道がカウントセンサ201,202寄りの通常時の軌道からそれると、カウントセンサ201,202の遊技球の検知時間(球検知信号の出力期間)が短くなり、遊技球が通過したと判定されない可能性が高くなる。また、カウントセンサ201,202寄りの通常時の軌道を通るとしても、挙動が乱れることで1の遊技球が減速されると、その後の遊技球と1まとまりでカウントセンサ201,202に検知され得る。この場合、複数の遊技球が取込通路168を通過したにも関わらず、1個の遊技球だけが取り込まれたと判定されてしまう。これに対して、両通路168,169が同時に開状態となることを防止することで、上記のような遊技球の検知ミスを防止することができる。
なお、両通路168,169が同時に開状態となることを防止することなくカウントセンサ201,202における遊技球の検知ミスを防止しようとすると、カウントセンサ201,202を通路幅方向の中央寄りの位置に配置することで、遊技球を検知し易くする必要がある。しかしながら、かかる構成においては、カウントセンサ201,202を通路幅方向の外寄りの位置に配置した効果が失われ好ましくない。
排出用ゲート部材190が手動操作により動作する構成であることにより、主制御装置131の制御処理負荷が軽減される。また、遊技機1の故障時等のように遊技機1の電源が切られた状態においても、取込装置35〜37内に残っている遊技球を簡易的に取り出すことができる。
ゲート位置検知センサ210が操作部材211やリンク部材215の位置を検知するのではなく排出用ゲート部材190の位置を検知する構成とすることにより、排出用ゲート部材190が開位置にあるか否かを直接検知することができ、操作部材211の状態に関係なく排出用ゲート部材190が開位置にあるか否かを検知することができる。よって、例えば、排出用ゲート部材190の通路遮蔽部191aと排出通路169の通路壁との間に遊技球が挟まれた場合や、排出用ゲート部材190を閉位置に向けて付勢するバネ195が外れた場合などであっても、両通路168,169が同時に開状態になることを防止することができる。
排出用ゲート部材190の延出部191cの先端部がゲート位置検知センサ210の両素子間を遮るタイミングが、排出用ゲート部材190が排出通路169を遊技球の半径分以上開放するタイミングよりも前となるように、延出部191cの長さ寸法や両素子の配置位置を設定した。これにより、排出用ゲート部材190が閉位置から開位置に動作する場合、開位置に達する前にゲート位置検知センサ210は排出用ゲート部材190を検知する。よって、排出通路169が開状態となる前に、取込通路168が閉状態にあるようにすることができ、取込通路168の遊技球の通過を禁止することができる。
ここで、ゲート位置検知センサ210の両素子間を遮るタイミングを、排出通路169を遊技球の半径分以上開放するタイミングよりも前としたのは、遊技球の半径分以上開放されると遊技球の流下方向の先端部が排出用ゲート部材190の通路遮蔽部191aに当たらずに取込通路168へ流入するおそれがあり、さらに、遊技球が排出通路169の通路壁と排出用ゲート部材190との間に嵌まり込むおそれがあるからである。そして、これらの場合、遊技球の挙動が乱れ、カウントセンサ201,202における遊技球の検知ミスが発生してしまうからである。
取込装置35〜37(遊技球通路165)を複数設ける構成とすることにより、各遊技回毎の遊技球の取り込みに要する時間を短縮化することができる。当該遊技機1においては、所定個数(例えば、15個)の遊技球の取り込みが完了したことを条件としてリール71〜73の回転が許容されるので、遊技球の取り込みに要する時間は遊技の強制的な中断時間となってしまう。そして、この遊技の強制的な中断時間が長くなると、遊技者に退屈感を与える要因となるおそれがあり、さらには当該遊技機の単位時間当たりの遊技回数(遊技の進行速度)が減少してしまうおそれがある。これに対して、本構成であれば、この強制的な中断時間を短くすることができる。
取込装置35〜37が複数設けられている構成において、排出用ゲート部材190により各取込装置35〜37の排出通路169を介した遊技球の排出をまとめて阻止又は許容する構成とすることにより、各取込装置35〜37内に配設される部材数を減少させることができる。排出通路169を介した遊技球の排出を阻止又は許容する部材を、各取込装置35〜37に対して個別に設ける必要がないからである。これにより、各取込装置35〜37が小型化されるので、複数の取込装置35〜37を設ける構成において、遊技機1内部における取込装置35〜37を配置するための空間の縮小化を実現することができる。また、構成の簡略化を図ることができ、さらには部材数が減少することに伴って部材管理や製造コストという面から好適なものとなる。
なお、以上説明した実施の形態の他、例えば次のように実施してもよい。
(a)ゲート位置検知センサ210による排出用ゲート部材190の検知位置の変更例を図35(a)〜(d)に示す。
まず図35(a),(b)では、カバー194にゲート位置検知センサ210が設けられており、さらに基端部192から手前側に延びるようにして延出部221が形成されている。当該構成では、図35(a)に示すように、排出用ゲート部材190が閉位置にある場合にゲート位置検知センサ210が延出部221を検知し、図35(b)に示すように、排出用ゲート部材190が開位置にある場合にゲート位置検知センサ210が延出部221を検知しないこととなる。この場合、ゲート位置検知センサ210が延出部221を検知している間は排出通路169が閉状態にあると判定し、延出部221を検知しなくなることにより排出通路169が開状態にあると判定する構成とすることで、上記実施の形態と同様の遊技球取込処理にて両通路168,169が同時に開状態となることを防止することができる。
また図35(c),(d)では、ゲート位置検知センサ210が第3取込装置37のハウジング161,162内に設けられており、さらに第3取込装置37のハウジング161,162内にある通路遮蔽部191aが上記実施の形態における延出部の役割を果たす。当該構成では、図35(c)に示すように、排出用ゲート部材190が閉位置にある場合にゲート位置検知センサ210が通路遮蔽部191aを検知せずに、図35(d)に示すように、排出用ゲート部材190が開位置にある場合にゲート位置検知センサ210が通路遮蔽部191aを検知する。本構成であれば、排出用ゲート部材190に上記実施の形態における延出部を設ける必要がないので、排出用ゲート部材190の形状をシンプルなものとすることができる。
また、上記構成以外にも、例えば、ゲート位置検知センサ210が操作部材211やリンク部材215の位置を検知するように配置されている構成としてもよい。
(b)上記実施の形態では、ゲート位置検知センサ210が発光素子及び受光素子とからなる光学式センサにより構成されていたが、例えば、超音波センサなどにより構成してもよい。
(c)操作部材211及びリンク部材215を介して排出用ゲート部材190を手動操作可能な構成とするのではなく、排出用ゲート部材190の一端を遊技機前面から突出させ、排出用ゲート部材190を直接手動操作することで排出通路169を開閉する構成としてもよい。
(d)排出用ゲート部材190が操作部材211及びリンク部材215を介して手動操作可能な構成とするのではなく、排出用ゲート部材190がソレノイドなどの電動アクチュエータにより駆動される構成としてもよい。但し、主制御装置131の処理負荷を軽減すべく、電動アクチュエータは主制御装置131に制御されることなく駆動する構成としてもよい。具体的には、遊技機前面(前面扉4)に排出スイッチを設け、当該排出スイッチが押圧操作されることにより、電動アクチュエータの電源回路が閉じられ電動アクチュエータが駆動する構成とする。当該構成であっても、ゲート位置検知センサ210により排出通路169が開状態にあることを検知する構成とすることにより、両通路168,169が同時に開状態となることを防止することができる。
(e)上記実施の形態では、カウントセンサ201,202が光学式センサにより構成されていたが、これを変更してもよい。例えば、超音波式センサにより構成してもよい。当該センサでは、発信部から発せられる超音波の反射波又は透過波が到達するまでの時間差により遊技球を検知する。従って、両通路168,169が同時に開状態となることで取込通路168を通過する際の遊技球の軌道が乱れ、例えば、複数の遊技球が1まとまりで検知位置を通過すると、複数の遊技球が通過したにも関わらず1個の遊技球のみが取り込まれたと判定されるおそれがある。これに対して、上記実施の形態のように、両通路168,169が同時に開状態とならないようにすることで、上記不都合の発生を防止することができる。また、カウントセンサ201,202を電磁式の近接センサにより構成してもよい。
(f)カウントセンサ201,202が取込通路168の中心に配置されている構成であってもよい。この場合であっても、両通路168,169が同時に開状態となると、複数の遊技球が1まとまりで検知位置を通過するおそれがある。これに対して、上記実施の形態のように、両通路168,169が同時に開状態とならないようにすることで、上記不都合の発生を防止することができる。
(g)遊技球通路165の形状が上記実施の形態とは異なる構成であってもよい。例えば、遊技球通路165を逆Y字状となるように二股に分岐させる構成とする。この場合、鉛直方向に延びる上流通路部の最下流部から二股に分岐した通路が取込通路及び排出通路となる。そして、取込通路及び排出通路の入口部分にそれぞれゲート部材を設け、各通路を開閉する構成とする。また、遊技球通路165をト字状となるように二股に分岐させる構成とする。この場合、鉛直方向に延びる上流通路部の最下流部から鉛直方向に連続して延びる通路が排出通路であり、鉛直方向に対して傾斜する方向に延びる通路が取込通路である。そして、取込通路及び排出通路の入口部分にそれぞれゲート部材を設け、各通路を開閉する構成とする。これらの構成では、分岐位置に到達した際の遊技球の速度が上記実施の形態よりも大きくなるため、遊技球の取り込み時に排出用ゲート部材に衝突させて流れの勢いを減じる必要性が増す。この場合に、両通路が同時に開状態となると、遊技球の挙動の乱れが上記実施の形態よりも大きくなるおそれがある。これに対して、両通路168,169が同時に開状態とならないようにすることで、カウントセンサ201,202における検知ミスを防止することができる。
(h)上記実施の形態では、取込装置35〜37が複数連設されている構成であったが、取込装置が1個のみ設けられている構成であってもよい。この場合であっても上記実施の形態のように排出用ゲート部材を操作手段を介して手動操作可能とすることにより、排出通路を介しての遊技球の排出が好適に行われる。また、取込装置の数が少なくなると、上記実施の形態よりも所定数の遊技球の取り込みに要する時間が長くなる。そして、当該時間が長くなると、遊技球の取り込みが行われている状況下において操作手段が操作される可能性が高くなる。この場合に、ゲート位置検知センサ210を設け、排出通路169を介しての遊技球の排出が許容されている間は取込通路168を介しての遊技球の取り込みを阻止するようにすることで、遊技球の取り込みを支障なく行わせることができる。
また、取込装置が2個、4個又は5個以上設けられている構成であってもよい。この場合においても、操作部材211やゲート位置検知センサ210などを設けることにより、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(i)上記実施の形態の遊技機1では、ベット操作手段としてマックスベットスイッチ109のみが配設されている構成であったが、1ベットスイッチや2ベットスイッチも配設されている構成であってもよい。つまり、通常遊技において、1ベット遊技や2ベット遊技を行うことができる構成とする。
(j)上記実施の形態の遊技機1は、クレジット機能(仮想遊技媒体の記憶機能)を持たない構成としたが、このクレジット機能を持つ構成としても良い。
(k)補助演出用の情報付与手段を遊技機1に設置する構成としてもよい。同情報付与手段は、例えば、リールユニット70の前面側にて当該リールユニット70に一体化して設置したり、ケース体60において透明パネル65の近傍(左右上下のいずれか)に設置したり、ケース体60よりも上方に設置したり、環状部6のうちトップ部6aに設置したりすればよい。情報付与手段としては、電気的表示装置の一種たる液晶表示装置を用いることが可能であり、さらに他の電気的表示装置、例えばCRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管等を用いてもよい。また、電気的表示装置以外にも、スピーカ等の音声発生装置を用いてもよく、これにより遊技者に対してダイナミックな音声演出が可能となる。さらに、音声発生装置たるスピーカ11と表示装置との組み合わせとして情報付与手段を構成してもよい。
(l)上記実施の形態では、リール71〜73は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材であり、その外周面に図示しない帯状のベルトが巻回される構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が周回体に相当する。また、円筒骨格部材を設けずに外周面に図柄が付された帯状のベルトをリール71〜73の変わりに用いる構成としてもよい。かかる場合には、このベルトが周回体に相当する。
(m)上記実施の形態における遊技球の、最大取り込み数、払出個数等はあくまでも例示であって、上記数値に特に限定されるものではない。
1…遊技機、2…外枠、3…前面枠、4…前面扉、28…払出装置、35〜37…取込装置、70…リールユニット、71〜73…リール、101…スタートレバー、102〜104…ストップボタン、109…取込開始操作手段としてのマックスベットスイッチ、131…主制御装置、161,162…ハウジング部材、167…取込通路としての上流通路、168…取込通路、169…排出通路、175…取込用ゲート部材、181…ソレノイド、190…排出用ゲート部材、200…遊技球検知手段としてのセンサユニット、201,202…カウントセンサ、210…排出ゲート検知手段としてのゲート位置検知センサ、211…操作部材、211a…突起、211b…押し出し部、215…リンク部材。