JP2007043755A - 無線通信システムおよび無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ハンドオーバ処理の制御を簡単化し、通信効率を高め、通信の高信頼性を実現する無線制御局、これを含む無線通信システム、および無線通信方法を提供する。
【解決手段】 複数の同じ受信信号のうち受信状況の良い方を選択する手段を有する、少なくとも1つの端末局と、所定の第1の基地局118i+1と端末局との通信開始を検知する手段、端末局にハンドオーバ処理を要求する手段、および端末局のハンドオーバ先の制御局116nに端末局への送信信号を転送する手段を有し、所定の第1の基地局118i+1を含む第1の基地局群と接続する第1の制御局116n−1と、第1の制御局116n−1から転送された送信信号を、所定の第2の基地局126i−1を介して端末局に送信する手段を有し、所定の第2の基地局126i−1を含む第2の基地局群と接続する第2の制御局116nとを備える。
【選択図】 図16

Description

本発明は、移動通信サービス等で用いられる無線通信システム、無線通信方法、および無線制御局に係り、特に、無線通信システムにおける、無線端末局が移動しても通信を維持するための技術、すなわちハンドオーバ技術に関する。
図19は、移動交換局に複数の無線基地局が接続された無線通信システムの一例を示す。図19に示すように、移動通信網200によってサービスが提供される地域(サービスエリア)は、多数の無線基地局(BS:Base Station)202により、「セル」と呼ばれる無線ゾーン204に分割して覆われている。そして、いくつかの無線基地局202は、移動交換局(MSC:Mobile Services Switching Center)206で束ねられ、各移動交換局206によって管轄・制御されている。無線端末局(MS:Mobile Station)208は、多数の無線基地局202の中のいずれかとの間で無線通信を行い、その移動と共に、通信相手の無線基地局202の切り替えを行う。また、ゲートウェイ移動交換局(G−MSC:Gateway-MSC)210は、他の固定網212と相互接続する際の中継点であり、移動通信網200は、ゲートウェイ移動交換局210を介して、他の固定網212と接続されている。
ここで、無線端末局208が通信中にセル204を横切った場合に、無線基地局202との通信を継続させるためには、通信回線の切り替え、つまり無線端末局208と接続する無線基地局202を変更するハンドオーバ処理が必要となる。図19に示したシステムにおいては、無線端末局208から接続中の無線基地局202を介して移動交換局206に出力される制御信号(たとえばハンドオーバ用のメッセージ)に基づいてハンドオーバ処理が行われている。
しかしながら、各無線基地局202が受け持つセルの半径が小さいと、通信回線を切り替える機会が頻繁となり、大変繁雑な処理が必要となってしまう。特に、路車間通信高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)の一つとして注目を浴びているAHS(Advanced cruise-assist Highway System)におけるなどの場合、セル半径は高々50m〜100m程度と非常に小さく、このため通信回線の切り替えの頻度は非常に高くなってくる。つまり、高速移動する車が一つのセル内に滞在する時間は非常に短く、頻繁にハンドオーバ処理を行わなければならない。このようなAHSに、従来のハンドオーバ技術を適用した場合、通信処理に占めるハンドオーバ処理の割合は非常に大きなものとなってしまう。そして、その結果、通信効率が非常に悪くなってしまうという問題がある。
さらに、AHSは車の自動走行を支援するシステムであるため、高い信頼性が要求されるシステムであると言える。したがって、AHSでは、セル間の移動を行う場合の通信継続は必須機能であり、ハンドオーバの失敗は許されない。しかし、従来のハンドオーバ技術では、ハンドオーバ先(移動先)の通信回線の確保は何ら保証されていない。つまり、ハンドオーバ先の通信回線が全て使用されていた場合には、通信中の車はハンドオーバできず、基地局との通信が途切れてしまうという問題がある。
以上述べたように、一つの無線基地局がカバーするエリア(セル)が小さく、車などの高速移動体を対象とした、AHSなどの無線通信システムにおいては、ハンドオーバ処理の頻度が非常に高くなってくる。したがって、従来のハンドオーバ技術では、通信効率の劣化および通信の低信頼性を招いてしまうという問題があった。
本発明は、上述の如き従来の問題点を解決するために成されたものであり、その目的は、ハンドオーバ処理の制御を簡単化し、通信効率を高め、通信の高信頼性を実現する無線制御局、これを含む無線通信システム、および無線通信方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも1つの端末局と、複数のビームパターンを形成する複数の基地局と、その複数の基地局と接続し、端末局ごとに固定のチャネルを割り当てて、かつ基地局のビームパターンを制御することにより、端末局と無線通信する制御局であって、同一のチャネルが割り当てられた異なる端末局と送受信する場合には、そのチャネル間で相互干渉しないようにビームパターンを制御する手段を有する制御局とを具備する無線通信システムであることを第1の特徴とする。
この第1の発明によれば、1つの制御局(無線制御局)が、管轄する複数の基地局(無線基地局)の何れかのビームパターンを制御し、その無線基地局を介して端末局(無線端末局)と直接無線通信する。すなわち、無線端末局に送信される信号は無線制御局内で変調され、無線基地局を介して無線端末局に送信される。一方、無線端末局から送信された信号は、無線基地局を介して受信され、その信号は無線制御局内で復調される。そして、無線制御局はさらに、無線端末局それぞれに固定のチャネル(無線チャネル)を割り当てて、管轄するエリア内では、そのチャネルの変更を原則行わない。つまり、制御局が、送受信信号の変復調および各無線基地局のビームパターンを制御し、かつ管轄する無線基地局間では各無線端末局に固定の無線チャネルを割り当てているので、無線基地局間における無線端末局のハンドオーバ処理を無線制御局が制御可能となり、さらにその制御の容易化を図ることができる。このため、無線端末局のハンドオーバ処理の効率化し、無線基地局と無線端末局との間の通信の信頼性を高めることができる。
本発明の第1の特徴は、特に、無線端末局が高速に移動し、かつ無線端末局の移動方向が限定されるシステムに適用されて場合に非常に有効である。たとえば、従来技術で述べたAHS(Advanced cruise-assist Highway System)である。この場合、「無線端末局」は、道路を走行する車、あるいはその車に搭載される移動端末局となる。そして、無線基地局は、道路に沿って一定間隔で配置されることになる。無線端末局の移動先(ハンドオーバ先)は、直線部の多い高速道路等では、予測可能であり、その分ハンドオーバ処理の制御が容易となり、それにより通信の信頼性をより一層高めることができる。
本発明の第1の特徴において、無線制御局は、各無線基地局のビームパターンを制御し、同一の無線チャネルの相互干渉を防止することで、異なる無線端末局に同一の無線チャネルを用いて送受信することができる。このため、同一無線チャネルを繰り返し利用することができ、それにより、周波数の有効利用を図ることができる。
本発明の第2の特徴は、上記の第1の特徴で述べた無線制御局に係り、複数のビームパターンを形成する複数の基地局と接続し、その基地局それぞれに設けられた、複数のアンテナ素子から成るアンテナを制御することにより、端末局と無線通信する無線制御局であって、基地局それぞれのアンテナを制御するアンテナ制御部と、端末局と送受信される信号を変復調する少なくとも1つの変復調部と、を有する無線制御局であることである。
この第2の発明によれば、無線制御局は、各無線基地局のアンテナを制御し、各無線基地局を介して無線端末局を直接無線通信することが可能となる。ここで、「複数のアンテナ素子から成るアンテナ」とは、複数のアンテナ素子が配置されたアダプティブアレーアンテナやスマートアンテナ等のことを示しており、複数のビームパターンを形成し、移動する無線端末局を追跡して走査することができる。より具体的には、送受信に利用する各無線基地局のアンテナ素子の重み付けを設定することで、最適なビームパターンを形成することができる。
上記の第1の特徴で述べたように、異なる無線端末局に同一の無線チャネルを用いて送受信する場合には、この重み付けによって、ビームパターンの相互干渉が防止される。
本発明の第3の特徴も、上記の第1の特徴で述べた無線制御局に係り、道路に沿って配置された複数の基地局と接続し、その複数の基地局を制御することにより、道路を走行する少なくとも1つの端末局と無線通信する無線制御局であって、同一の速度または同一の車線の端末局ごとに同一のチャネルを割り当てる手段と、前記端末局の速度および車線の少なくとも一方を検知する手段と、端末局の速度または車線が変化した場合には、変化後の速度または車線に基づいて、割り当てチャネルを変更する手段と、を有する無線制御局であることである。
この第3の発明は、具体的には、上記の第1の特徴で述べた、各無線端末局に割り当てられる無線チャネルの設定例に係るものである。ここで、「同一の速度」、「同一の車線」は、全くの同一であることを要求するものではなく、実質的に同一であれば足りる。具体的には、道路を走行する無線端末局(車)間で追い越し、追い抜き等、同一無線チャネル間で相互干渉が起こらない範囲であれば良いことを意味している。
この第3の発明によれば、同じ移動速度、車線を持つ無線端末局ごとに、同一の無線チャネルを割り当てることで、相互干渉を招くことなく、同一無線チャネルを繰り返し利用することができる。このため、周波数利用効率が向上し、制御局は、より多くのチャネル数を確保することができる。
本発明の第4の特徴は、道路に沿って配置された複数の基地局と接続し、その複数の基地局を制御することにより、道路を走行する少なくとも1つの端末局と無線通信する無線制御局であって、隣接する無線制御局との境界が、道路の直線部上に配置されている無線制御局であることである。ここで、「隣接する無線制御局との境界」とは、各無線制御局が制御する無線基地局の管轄エリアが集まって構成された各無線制御局のカバーエリア同士の境界を示している。
この第4の発明によれば、無線制御局間における無線端末局のハンドオーバ先(移動先)が特定され、無線端末局のハンドオーバ処理の制御を容易化できる。
本発明の第5の特徴は、複数の同じ受信信号のうち受信状況の良い方を選択する手段を有する、少なくとも1つの端末局と、所定の第1の基地局と端末局との通信開始を検知する手段、その端末局にハンドオーバ処理を要求する手段、およびハンドオーバ先の制御局にその端末局への送信信号を転送する手段を有し、所定の第1の基地局を含む第1の基地局群と接続する第1の制御局と、その第1の制御局から転送された送信信号を、所定の第2の基地局を介して端末局に送信する手段を有し、所定の第2の基地局を含む第2の基地局群と接続する第2の制御局とを有する無線通信システムであることである。
この第5の発明によれば、無線制御局間における無線端末局のハンドオーバ処理の効率化を図ることができる。すなわち、無線制御局間のハンドオーバにおいて、ハンドオーバ元である第1の無線制御局は、無線端末局と所定の第1の無線基地局との通信開始を検知すると、無線端末局にハンドオーバ処理を要求し、無線端末局側でハンドオーバ処理の準備を開始する。第1の無線制御局はさらに所定の第1の無線基地局を介して無線端末局に送信する信号を、無線端末局のハンドオーバ先である第2の無線制御局に転送する。そして、第2の制御局は、転送された信号を無線端末局に送信する。このため、無線端末局には同一の信号が第1および第2の無線制御局の両方から送信されることになる。無線端末局は、この2つの信号の受信状況を比較し、その移動と共に第2の無線制御局からの信号の受信状況の方が良くなった時点で、第1の無線制御局からの信号の受信を中止し、ハンドオーバ処理を終了する。したがって、無線端末局の第1の無線制御局から第2の無線制御局への通信切り替えをスムーズに行うことができ、このためハンドオーバ処理の制御を容易にすることができる。
本発明の第6の特徴は、第1の制御局に接続された所定の第1の基地局と、道路を走行する端末局との通信開始を検知する工程と、その端末局にハンドオーバ処理を要求する工程と、所定の第1の基地局を介してその端末局に送信する信号を第2の制御局に転送する工程と、第2の制御局に接続された所定の第2の基地局を介してその信号を端末局に送信する工程と、端末局が受信する2つの信号のうち受信状況の良い方を選択する工程とを少なくとも含む無線通信方法であることである。
この第6の発明は、上記の第5の特徴に述べた無線通信システムが実現する無線通信方法に係るものであり、上記の第5の特徴と同じ効果を有している。
本発明によれば、ハンドオーバ処理の制御を容易化し、通信の信頼性を向上させる無線通信システムを提供できる。
本発明によれば、ハンドオーバ処理の制御を容易化し、通信の効率化を図る無線通信システムを提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、各基地局が担当するエリア(セル)が複数集まって、移動通信網のサービスエリア全体を構成している。図1では、説明の簡単化のため、1つの制御局が管轄する基地局を3つとして説明する。
図1の本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、無線基地局10n−1,10n,10n+1が担当するエリア(以下、「基地局エリア」と呼ぶ)12n−1,12n,12n+1がサービスエリアの一部を分割して覆っている。各無線基地局10n−1,10n,10n+1は、複数のビームパターンを形成可能なアンテナ14n−1,14n,14n+1をそれぞれ有している。
そして、各基地局エリア12n−1,12n,12n+1は、そのアンテナ14n−1,14n,14n+1のビームパターンが形成する複数のエリア(以下、「ビームエリア」と呼ぶ)16−1,16−2,……,16−mで構成されている。各無線基地局10n−1,10n,10n+1は、それぞれのアンテナ14n−1,14n,14n+1を介して基地局エリア12n−1,12n,12n+1内の無線端末局18(18a,18b,18c)と無線通信を行う。
図19の無線通信システムと同様、無線基地局10n−1,10n,10n+1は、1つの無線制御局20で束ねられているが、本発明においては、各無線基地局10n−1,10n,10n+1が、無線端末局18から受信する信号を復調する復調部、および無線端末局18に送信する信号を変調する変調部を共に有していない点が、図19の従来の構成と異なっている。つまり、図1の本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいては、各無線基地局10n−1,10n,10n+1は、受信時の復調および送信時の変調(変復調)を行わず、変調された受信信号を無線制御局20に伝送し、また無線制御局20で変調された信号を無線端末局18に送信するだけである。そして、本発明では、この変復調は、無線基地局10n−1,10n,10n+1を管轄する無線制御局20によって行う点に特徴がある。
すなわち、本発明の第1の実施の形態では、受信系(無線端末局18から無線基地局10n−1,10n,10n+1へ)の場合であれば、無線基地局10n−1,10n,10n+1が、その基地局エリア12n−1,12n,12n+1内の無線端末局18から変調された信号を受信すると、その信号をそのまま無線制御局20に伝送する。そして、変復調部22を有する無線制御局20が、その変調された信号を復調する。一方、送信系(無線基地局10n−1,10n,10n+1から移動端末18へ)の場合には、無線制御局20の変復調部22であらかじめ信号を変調し、その変調された信号を無線基地局10n−1,10n,10n+1を介して無線端末局18に送信する。
ここで、通常、無線制御局20と無線基地局10n−1,10n,10n+1との間は有線回線を介して接続されている。たとえば光ケーブルにより無線信号を伝送するRoF(Radio on Fiber)伝送等が挙げられる。そして、無線制御局20と無線基地局10n−1,10n,10n+1との間には、各種の情報信号だけでなく、無線制御局20が無線基地局10n−1,10n,10n+1を制御するための制御信号等も伝送される。また、無線制御局20はネットワーク24を介して他の無線制御局26と接続されている。なお、当然ではあるが、他の無線制御局26にも複数の無線基地局(図示しない)が接続されている。
図2は、図1の無線制御局20および無線基地局10n−1,10nの具体的構成例を示すブロック図である。この例では、送信系(無線基地局10n−1,10nから無線端末局18へ)の場合を示している。ただし、図2では、説明の簡単化のため、基本的な構成のみが示されており、周波数変換部等は省略されている。図2に示すように、無線制御局20は、送信信号を変調する変調部28と、無線基地局10n−1,10nのアンテナ14n−1,14nを制御するアンテナ制御部30と、変調部28で変調された送信信号を電気信号から光信号に変換するE/O変換部32(32a,32b,32c,32d)と、を備えている。図2では、一つの変調部28で無線基地局10n−1および10nの両方に伝送される送信信号を変調しているが、変調部28の数はこれに限るものではない。たとえば、管轄する無線基地局ごとに専用の変調部を設けた構成であっても良い。
一方、無線基地局10n−1は、無線制御局20から伝送された送信信号を再び光信号から電気信号に変換するO/E変換部34(34a,34b)と、送信信号を電波として放射するアンテナ素子36(36a,36b)と、を備えている。同様に、無線基地局10nは、無線制御局20から伝送された送信信号を再び光信号から電気信号に変換するO/E変換部38(38a,38b)と、送信信号を電波として放射するアンテナ素子40(40a,40b)と、を備えている。アンテナ素子36および40は、図1のアンテナ14n−1および14nを構成する複数のアンテナ素子の一部であり、ここでは送信用のものに相当する。
そして、無線制御局20と無線基地局10n−1,10nとは光ファイバ42(42a,42b,42c,42d)を介して接続されている。
次に、送信系の場合における、図1の無線制御局20および無線基地局10n−1,10nの動作について図2を参照して説明する。まず、無線制御局20の変調部28は送信信号を変調し、周波数変換部(図しない)、アンテナ制御部30などを介して、E/O変換部32に出力する。E/O変換部32は、送信信号を光周波数領域に変換し、それぞれに接続された光ファイバ42(42a,42b,42c,42d)を介して、無線基地局10n−1,10nに伝送する。そして、無線基地局10n−1,10nは、伝送された送信信号をO/E変換部34,38により再び電気信号に変換し、増幅などを行った後、アンテナ素子36,40を用いて電波として放射する。
ここで、無線制御局20内のアンテナ制御部30は、次のようにして無線基地局10n−1,10nのアンテナ素子36,40を制御する。すなわち、アンテナ制御部30は、アンテナ素子36,40に設定する最適な重み(ウェイト)を選択することで、無線端末局18に対するビームパターンを最適なものとする機能を有している。具体的な制御手法としては、たとえばアンテナ素子36,40の励振振幅、励振位相の設定が挙げられる。そして、アンテナ制御局30は、アンテナ素子36,40を制御することで、移動する無線端末局18に対して常にビームが向くように、そのビームを走査する。
たとえば図1において、無線端末局18が、無線端末局18aの位置から無線端末局18bの位置を経由して無線端末局18cの位置に移動する場合には、次のような制御が行われる。まず、無線端末局18が無線端末局18aの位置からから18bの位置に移動する間は、無線基地局10n−1のアンテナ素子36のみを利用する。そして、無線端末局18の移動と共に、ビームエリア16をビームエリア16−1からビームエリア16−mに順次変化させ、常に無線端末局18にビームが向くようにする。
無線端末局18が無線端末局18bの位置から無線基地局10nの基地局エリア12n内に入ろうとすると、アンテナ制御部30は、制御対象を無線基地局10n−1のアンテナ素子36から無線基地局10nのアンテナ素子40に変更する。そして、上記と同様に、アンテナ素子40を制御し、無線端末局18に対して最適なビームパターンを形成する。さらに、無線端末局18が無線端末局18cの位置に移動し、無線基地局10n+1の基地局エリア12n+1内に進入する場合には、アンテナ制御部30は、制御対象を無線基地局10nのアンテナ素子40から無線基地局10n+1のアンテナ素子(図示しない)に変更し、同様な制御を行う。このようにして、アンテナ制御部30が各無線基地局10n−1,10n,10n+1のアンテナ素子36,40等を制御することで、各無線基地局10n−1,10n,10n+1は、移動する無線端末局18に対して常に最適なビームパターンを形成することができ、それにより無線端末局18との良好な無線通信が可能となる。
図3は、受信系(無線端末局18から無線基地局10n−1,10nへ)の場合における、図1の無線制御局20および無線基地局10n−1,10nの具体的構成例を示すブロック図である。受信系の場合にも、図2に示した送信系の場合と同様の構成で同様な機能を実現することができる。ただし、信号の流れが逆になるので、受信系では、図2に示した送信系の場合において、無線制御局20内の変調部28を、復調部44に、E/O変換部32を、O/E変換部48に、アンテナ制御部30を、構成の異なるアンテナ制御部46に、それぞれ置換えられている。また、無線基地局10n−1,10n内のO/E変換部34,38も、E/O変換部50,54に置換えられている。
ここで、図3の無線制御局20内のアンテナ制御部46には、具体的には、無線基地局10n−1,10nの受信用のアンテナ素子52,56それぞれで受信された信号の受信強度や信号波形等を測定する受信信号測定部60が設けられている。そして、この測定部60の測定結果に基づいて、アンテナ制御部46は、アンテナ素子が形成するビームパターンの最適化を図ることができる。たとえば、測定部60の測定結果から受信強度の大きなアンテナ素子52,56のみを選択することで、最強の信号のみを受信し、不要な電波(干渉信号)を受信しないようにすることができる。また、各アンテナ素子52,56の重みを設定することにより、除去したい干渉波が到来する方向に、ビームパターンのヌル点(零点)を形成しても良い。干渉波の方向にヌル点を向けることで、その干渉波の受信を除去できるからである。あるいは、所望の信号の方向に最大利得のビームが向くようにアンテナ素子52,56を動作させても良い。
なお、本発明の第1の実施の形態においては、無線制御局20に接続される無線基地局10n−1,10n,10n+1の数や各無線基地局10n−1,10n,10n+1に設置されるアンテナ素子数などは図1乃至図3に示した構成に限られるものではない。また、送信系と受信系を別々に説明したが、無線制御局20および無線基地局10n−1,10n,10n+1が送信系と受信系の両方の構成を備えたものであってももちろん構わない。この場合、分波器やサーキュレータ、スイッチ等を利用すれば、各無線基地局のアンテナ素子36,40,52,56については送信系と受信系で共用化することも可能である。また、変調部28と復調部44を合わせて1つの変復調部としてももちろん構わない。
さて、本発明の第1の実施の形態は、いわゆる移動通信システムの中でも、特に、高度道路交通システム(以下、「ITS」と略す)における路車間通信を対象とするものである。ここで、路車間通信の特徴について説明する。車(無線端末局)は通常、道路上を走行するため、車の移動方向は何らかの制限を受ける。
高速道路であれば、インターチェンジやサービスエリア等を除けば、車は一直線に走行するのみで右左折をしない。したがって、ITSを対象とする無線基地局は、道路に沿って一例につながって配置される。このことは、無線通信におけるハンドオーバ技術の観点から見ると、各無線基地局のハンドオーバ先が限定されているものと見なすことができる。たとえば図1において、無線端末局18が無線端末局18aの位置から無線端末局18bの位置を通過して無線端末局18cの位置に移動する場合を考えてみる。つまり、基地局エリア12n−1、基地局エリア12n、基地局エリア12n+1、…の順に通過するように無線端末局18が移動する。また、前述したように、基地局エリア12n−1では、ビームエリア16−1、ビームエリア16−2、ビームエリア16−3、…、ビームエリア16−mの順に走査される。このような基地局エリア16が直列に(一列に)連なっている無線システムに、本発明を適用すれば、ハンドオーバ先が、上記のように限定されているため、ハンドオーバの制御が大幅に簡単化される。それにより、信頼性の高い無線通信システムを提供できる利点がある。
以下、ITSに適用される、本発明の第1の実施の形態の動作について図1を参照して説明する。本発明の第1の実施の形態において、無線制御局20は、たとえば無線基地局10n−1の基地局エリア12n−1内の無線端末局(ここでは、「車」である)18に対し、ある特定の無線チャネルを割り当てる。この無線チャネルは、無線端末局18が基地局エリア12n−1内にいる間は、その無線端末局18のみが利用できる。一般に、多元接続(Multiple Access)の実現方法として、時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)、周波数分割多元接続(FDMA:Frequency Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、が挙げられる。
たとえばTDMAの場合には、上記の無線チャネルはタイムスロットに相当する。またFDMAの場合には周波数帯域に相当し、CDMAの場合にはPN(Pseudo Noise)符号(拡散符号)に相当する。
無線端末局18は、割り当てられた無線チャネルを使って信号を送信する。送信された信号は、もちろん無線基地局10n−1が受信するわけであるが、その信号を受信するのは、常に無線基地局10n−1だけに限られるわけではない。たとえば、無線基地局10n−1に隣接する無線基地局10nも受信することが可能である。
仮に、無線基地局10n−1の基地局エリア12n−1内の無線端末局18からの情報信号を無線基地局10n−1および10nの両方が受信したとする。この場合、無線基地局10n−1および10nそれぞれが受信した同一の信号が、無線制御局20に伝送されることになる。そして、無線制御局20は、伝送された2つの信号から、無線端末局18が存在する基地局エリアを判定することができる。基地局エリアの判定は、たとえば次の手順で実行される。
(a)2つの信号の受信電界強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を測定する。
(b)測定された2つのRSSIの大きさを比較する。
(c)比較結果から、RSSIの最も大きい無線基地局の基地局エリアに無線端末局18が存在すると判定する。
無線制御局20は、無線端末局18に対して送信すべき情報がある場合には、無線端末局18が存在すると判定された無線基地局(たとえば、無線基地局10n−1)を介して、信号を送信すれば良い。そして、無線制御局20は、無線端末局18からの信号の送信がある度に上記の判定を行うが、無線端末局18が別の無線基地局(たとえば、無線基地局10n)の基地局エリア12n内に存在すると判定されるまでは、無線基地局10n−1を介して信号を送信することになる。
また、無線制御局20は、無線端末局18が送信する信号により、受信時における、無線基地局の最適なビームパターンを選択することができる。(1)たとえば図3で示した構成であれば、アンテナ制御部46内の受信信号測定部60により、無線基地局10n−1,10nの受信強度や信号波形等を測定できる。各アンテナ素子52,56の受信強度をモニターし、最も受信強度の大きなアンテナ素子52,56を選べば、その無線基地局の最適なビームパターンを選択できる。また、(2)各アンテナ素子の受信信号により最適な重み付けを設定するアダプティブアレイを構成し、最適なビームパターンを選択しても良い。無線端末局18にビームを向けたり、干渉波の抑圧を行うことで、所望のビームパターンを選択可能となる。あるいは(3)外部センサなどにより無線端末局18の位置を認識し、無線端末局18に対して最適なビームを向けることで、最適なビームパターンを選択しても良い。
無線制御局20は、上記の方法により選択された受信ビームパターンとその対象となった無線端末局18の識別情報とを関連付けてビームパターン情報を生成し、所定の記憶装置に格納する。そして、信号を無線端末局18に送信する場合には、その無線端末局18のビームパターン情報を参照することで、最適な送信ビームパターンを形成できる。なお、無線基地局20と無線端末局18との間の伝送方式がTDD(Time Division Duplex)方式で、かつ固定のスロット割当をする場合は、受信スロットで用いたビームパターンをそのまま送信ビームパターンとして利用できるので、ビームパターン情報を保持する必要はなくなる。
上述したように、本発明の第1の実施の形態では、無線端末局18からの信号により、無線端末局18が存在する無線基地局を判定している。したがって、この実施の形態では、無線端末局18が存在する無線基地局ついてのみ最適な受信ビームパターンを選択すれば十分である。無線制御局20は、送信時には、該当する無線基地局に最適な送信ビームパターン形成し、信頼性の高い無線通信を実現する。その手順は、たとえば次の手順で実行される。図4は、送信時における最適なビームパターンを形成する際の手順を示すフローチャートである。図4に示すように、まず最初、無線制御局20は、無線端末局18の送信信号を受信した全無線基地局のRSSIを測定する(ステップS101)。次に、無線制御局20は、測定したRSSIの中から最大のものを選択する。つまり、無線端末局18が存在する無線基地局を判定する(ステップS102)。選択された最大RSSIの無線基地局の最適受信ビームパターンを選択する(ステップS103)。無線端末局18に対して送信すべき情報がない場合には(ステップS104NO)、再びステップS101に戻り、無線端末局18の送信信号を受信する全無線基地局のRSSIを測定する。
一方、無線端末局18に対して送信すべき情報がある場合には(ステップS104YES)、ステップS103で選択された最適受信ビームパターンおよびその対象となった無線端末局18の識別情報をビームパターン情報として保持する(ステップS105)。そして、ステップS105で保持されたビームパターン情報に基づいて、今度は無線端末局18に対する送信ビームパターンを、その無線基地局に形成した後(ステップS106)、無線端末局18に情報信号を送信する(ステップS107)。
上記したように、本発明の第1の実施の形態は、ITS路車間通信を対象としている。このITS路間通信では、無線端末局18の移動先(ハンドオーバ先)は限定される。したがって、実際には、図4に示した手順のように、無線端末局18の送信信号を受けた無線基地局すべてのRSSIを測定すること(図4のステップS101)は不要となる。つまり、無線端末局18の移動先は予測されるので、一度最大RSSIを選択し、無線端末局18の位置を特定した後は、現在無線端末局18が存在する無線基地局と、その移動先に対応する無線基地局(隣接する無線基地局)だけを、RSSI測定対象とすれば良いことになる。図5は、この場合の手順を示すフローチャートである。図5に示すように、最初、無線制御局20は、無線端末局18の送信信号を受信した全無線基地局のRSSIを測定する(ステップS201)。次に、無線制御局20は、測定したRSSIの中から最大のものを選択し、無線端末局18が存在する無線基地局を特定する(ステップS202)。選択された最大RSSIの無線基地局の最適受信ビームパターンを選択する(ステップS203)。無線端末局18に対して送信すべき情報がない場合には(ステップS204NO)、今度は、ステップS202で特定された無線基地局とそれに隣接する無線基地局に対して、無線端末局18の送信信号のRSSIを測定する(ステップS205)。そして、ステップS202に戻る。
一方、無線端末局18に対して送信すべき情報がある場合には(ステップS204YES)、ステップS203で選択された最適受信ビームパターンおよびその対象となった無線端末局18の識別情報をビームパターン情報として保持する(ステップS206)。そして、ステップS206で保持されたビームパターン情報に基づいて、今度は無線端末局18に対する送信ビームパターンを、その無線基地局に形成した後(ステップS207)、無線端末局18に情報信号を送信する(ステップS208)。この場合には、無線制御局20の処理負担を減らすことができ、それにより全体の処理時間の短縮化できる
さらに、本発明の第1の実施の形態においては、周波数の有効利用のため、同一の無線制御局のエリア内で、複数の無線端末局に同一の無線チャネルを割り当てる。このため、各無線基地局で送受信される情報が互いに干渉を及ぼさないようにする必要がある。以下では、図1で、無線基地局10n−1の基地局エリア12n−1に存在する無線端末局18aおよび無線基地局10n+1の基地局エリア12n+1に存在する無線端末局18cに同じ無線チャネルを割り当てる場合について説明する。図6に、上記の場合における、図1の無線制御局20および無線基地局10n−1,10n+1の具体的構成例を示すブロック図を示す。
なお、図6は、図2と同様に、送信系の場合を示している。また、説明の簡単化のため、基本的な構成のみが示されており、周波数変換部等は省略されている。
図6に示すように、無線制御局20は、信号を変調する変調部62(62a,62b)と、無線基地局10n−1,10n+1のアンテナ14n−1,14n+1を制御するアンテナ制御部64と、変調部62で変調された信号を電気信号から光信号に変換するE/O変換部66(66a,66b,66c,66d)と、を備えている。ここで、変調部62aおよび62bは、周波数共用の場合(同じ周波数を利用する場合)には、同一の無線チャネルで動作する。
一方、無線基地局10n−1は、無線制御局20から伝送された送信信号を再び光信号から電気信号に変換するO/E変換部68(68a,68b)と、送信信号を電波として放射するアンテナ素子70(70a,70b)と、を備えている。無線基地局10n+1は、無線制御局20から伝送された送信信号を再び光信号から電気信号に変換するO/E変換部72(72a,72b)と、送信信号を電波として放射するアンテナ素子74(74a,74b)と、を備えている。
アンテナ素子70および74は、図1のアンテナ14n−1および14n+1を構成する複数のアンテナ素子の一部であり、ここでは送信用のものに相当する。
そして、無線制御局20と無線基地局10n−1,10n+1とは光ファイバ76(76a,76b,76c,76d)を介して接続されている。
次に、図1の無線制御局20および無線基地局10n−1,10n+1の動作について図6を参照して説明する。変調部62は送信信号を変調し、アンテナ制御部64に出力する。アンテナ制御部64は、その送信信号の送信に利用されるアンテナ素子70,74を選択する。さらに、選択したアンテナ素子70,74に対応する送信信号に所定の重み付けを行う。この重み付けによって、アンテナ素子70が形成するビームパターンとアンテナ素子74が形成するビームパターンとの相互干渉が回避されることになる。
たとえば、変調部62aからの送信信号に対しては、無線基地局10n−1のアンテナ素子70が選択され、その送信信号に所定の重み付けが行われる。アンテナ制御部64で重み付けられた送信信号は、E/O変換部66aおよび66b、光ファイバ76aおよび76b、O/E変換部68を介して、アンテナ素子70より放射される。同様に、変調部62bからの送信信号に対しては、無線基地局10n+1のアンテナ素子74が選択され、所定の重み付けされた送信信号がアンテナ素子74より放射される。各アンテナ素子70,74の重み付けにより、アンテナ素子70のビームパターンとアンテナ素子74のビームパターンは相互干渉することはない。このため、無線基地局10n−1と無線基地局10n+1において同一の無線チャネルを共用しても通信回線上何ら問題はない。
図7に、図6のアンテナ制御部64の具体的構成のブロック図を示す。図7に示すように、アンテナ制御部64は、変調部62からの送信信号を分配する分配器78(78a,78b)と、送信信号に所定の重み付けを行う重み付け器80(80a,80b,80c,80d)と、送信に利用するアンテナ素子70,74を選択するマトリクススイッチ82(82a,82b)と、分配された送信信号を合成する合成器84(84a,84b,84c,84d)と、を備えている。変調部62からの送信信号は、先ず分配器78により、各無線基地局10n−1,10n+1が送信の際に用いるアンテナ素子数に対応した数に分配される。
ここでは、各無線基地局10n−1,10n+1はそれぞれ2つのアンテナ素子70,74を有しているので、送信信号は2分配されることになる。分配された送信信号はそれぞれ重み付け器80によって所定の重み付けがなされ、マトリクススイッチ82に出力される。マトリクススイッチ82は、アンテナ素子70,74それぞれに対応した複数の出力ポートを有し、送信に利用するアンテナ素子70,74を選択してそのアンテナ素子70,74に対応する合成器84に送信信号を出力する。合成器84は、対応するアンテナ素子70,74に出力される、マトリクススイッチ82aおよび82bの両方からの信号を合成する。そして、合成器84の出力信号がそれぞれに対応するアンテナ素子70,74に出力されることになる。なお、図7では、1つのアンテナ素子70,74が、2つの変調部62aおよび62bからの送信信号で共用されるため、合成器84が必要となる。1つのアンテナ素子70,74が複数の変調部62からの送信信号で共用されない場合には合成器の代わりにスイッチを用いても良い。
このような構成により、アンテナ制御部64は、所定のアンテナ素子70,74を選択し、選択されたアンテナ素子70,74に所定の重み付けを行うことができる。このため、アンテナ素子70が形成するビームパターンとアンテナ素子74が形成するビームパターンとの相互干渉が回避され、同一の無線チャネルを利用することが可能となる。すなわち、一つの無線制御局20のカバーするエリア内で同一チャネルを繰り返し利用できるため、限られた周波数資源を有効活用する意味で非常に有効である。
図6において、送信信号がディジタル信号であれば、図7の構成とは異なり、アンテナ制御部64の構成の大部分をソフトウェアで実現することも可能である。たとえば、DSP(Digital Signal Processor)を用いて実現できる。この場合、ソフトウェアの書き換えにより容易に構成や制御を変えることができ、システムのバージョンアップや変更に対する柔軟性が大きい利点がある。ただし、この場合、アンテナ制御部64からの信号をD/A変換器等によりディジタル信号からアナログ信号へ変換する必要がある。
上記のように、同一の無線制御局のエリア内で、複数の無線端末局に同一の無線チャネルを割り当てた場合、無線制御局は異なる無線端末局からの送信信号を同一チャネルで受信してしまうことがある。この場合に、各無線端末局に対する適切な無線基地局を1つを選択する方法として、次の2つの方法が挙げられる。
(1)各無線端末局に対し、予め候補となる無線基地局を選択しておき、その中からRSSIの最も大きな無線基地局を選択する方法。
(2)各無線基地局の受信信号それぞれを復調し、そのパケットの宛先アドレス、送信元アドレス等の情報を利用し、それらが同一のパケットであるかを判定する方法。
同一のパケットであると判定された場合、受信した無線基地局の中から最大RSSIの無線基地局を適切な無線基地局として選択すれば良い。また、これにより無線端末局が同一無線制御局内を移動する間は、ハンドオーバ要求等のメッセージの送受信なしに、無線基地局の切り替えが可能となる。また、無線制御局が管轄するすべての無線基地局に対し、同一の無線チャネルを割り当てているため、これら無線基地局間のハンドオーバを行った時に、ハンドオーバ先における帯域不足等による呼の切断が生じない。このため、シームレスな通信が可能となる。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、無線基地局間のビーム制御およびハンドオーバ制御を無線制御局で行うことができる。さらに、無線基地局間のハンドオーバ先が一意に決まり、簡単な制御により無線基地局間のハンドオーバを実現できる。
なお、本発明の第1の実施の形態は、双方向通信に適用したものであるが、たとえばアップリンクのみの通信にも本発明は適用できる。その場合、無線制御局は受信手段しか持たないため、変調部等は不要になる。また、チャネル割当もアップリンクのチャネルのみを割り当てればよい。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態では、本発明の第1の実施の形態における、無線チャネルの設定例を、5つの例を用いて説明する。
(第1の無線チャネル設定例)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る第1の無線チャネル設定例を説明するための図である。図8では、説明の簡単化のため、1つの制御局が管轄する基地局を5つとして説明する。また、一つの制御局内で利用可能な無線チャネルの数を3つとする。
図8に示す無線通信システムでは、無線制御局86が、5つの無線基地局88(88a,88b,88c,88d,88e)を管轄し、それぞれの制御を行っている。そして、この5つの無線基地局88は道路90(90a,90b)に沿ってほぼr間隔ごとに設置されている。各無線基地局88は、アンテナ92(92a,92b,92c,92d,92e)を有しており、アンテナ92のビームパターンにより構成される基地局エリア(図示しない)内の無線端末局94(94a,94b,94c,94d,94e)と、所定の無線チャネルを用いて無線通信を行う。ここで、各アンテナ92は、1つ以上のビームパターンを持つアンテナ、またはビームパターン形状が可変であるアンテナであり、たとえば複数のアンテナ素子によるアレーアンテナで構成すれば良い。
第1の無線チャネル設定例は、次の手順で実行される。
(a)無線制御局86が、各無線基地局88を介して、道路90上を移動する無線端末局94の速度を感知する。この無線端末局94の速度を検知する方法としては、無線基地局88のセンサ(電波センサ、光センサなど)により検知する方法、無線端末局94が搭載された移動体自身がスピードメータにより速度を測定し、この情報を無線基地局88へ伝達する方法などが考えられる。
(b)感知された無線端末局94の速度に基づいて、無線端末局94の速度をグループ化する。このグループ化は、無線制御局86が利用可能な無線チャネル数に応じて実行される。図8では、無線端末局94a,94b,94eが速度v1(=80km/h)、無線端末局94cが速度v2(=100km/h)、無線端末局94dが速度v3(=120km/h)で道路90上を同一方向に移動している。このため、たとえばグループ化は、速度v1のグループ1、速度v2のグループ2、速度v3のグループ3のように設定される。
(c)設定されたグループそれぞれに無線チャネルの割り当てを行う。図9に、その割り当ての例を示す。図9では、グループ1(速度v1)にチャネルCh1,グループ2(速度v2)にチャネルch2,グループ3(速度v3)にチャネルch3がそれぞれ割り当てられている。
この第1の無線チャネル設定例では、同一速度を有する無線端末局94ごとにグループ化し、各グループごとに異なる無線チャネルを割り当てることで、同一チャネルを用いたビームパターンが交わる(互いに干渉する)ことを防止している。具体的には、図8において、同一速度(同一平均速度)v1の無線端末局94a,94bおよび94e間で追い抜き、または追い越しは起こらない。このため、図9に示すように、この無線端末局94a,94bおよび94eに同一の無線チャネルch1を割り当てて、同一無線チャネルch1間干渉を防止することで、無線チャネルch1を繰り返し利用することを可能としている。
すなわち、この第1の無線チャネル設定例によれば、周波数の利用効率を向上させ、より多くの無線チャネルを確保することができる。また、車間距離を短くした車群走行であるプラトーン走行にも有効である。
(第2の無線チャネル設定例)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る第2の無線チャネル設定例を説明する。図10に、この第2の設定例を説明するための図を示す。なお、図8および9と同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。
上記の第1の無線チャネル設定例でのグループ化は、無線端末局の移動速度に基づいて行ったが、この第2の無線チャネル設定例では、無線端末局の走行車線に基づいてグループ化を実行するものである。なお、図10では、同一車線を走行する無線端末局は、同一速度を有しているものとする。
第2の無線チャネル設定例は、次の手順で実行される。
(a)無線制御局86が、各無線基地局88を介して、無線端末局98の走行車線を感知する。この無線端末局98の走行車線を検知する方法としては、無線基地局88のセンサ(電波センサ、光センサなど)により検知する方法、無線端末局98が搭載された移動体自身に備えられた車載センサなどにより、移動体自身の位置を測定し、この情報を無線基地局88へ伝達する方法などが考えられる。
(b)感知された無線端末局98の走行車線に基づいて、無線端末局98の走行車線をグループ化する。このグループ化は、無線制御局86が利用可能な無線チャネル数に応じて実行される。図10に示すように、無線端末局98aおよび98bが車線96a、無線端末局98cおよび98dが車線96b、無線端末局98eが車線96cで、同一方向に移動している。このため、たとえばグループ化は、車線96aのグループ1、車線96bのグループ2、車線96cのグループ3ように設定される。
(c)設定されたグループそれぞれに無線チャネルの割り当てを行う。図11に、その割り当ての例を示す。図11では、グループ1(車線96a)にチャネルCh4,グループ2(車線96b)にチャネルch5,グループ3(車線96c)にチャネルch6がそれぞれ割り当てられている。
この第2の無線チャネル設定例では、同一車線を走行する無線端末局98ごとにグループ化し、各グループごとに異なる無線チャネルを割り当てる。それにより同一チャネルを用いたビームパターンが交わる(互いに干渉する)ことを防止する。具体的には、図11に示すように、異なる車線96上を走行する無線端末局98間では、追い抜き、または追い越しは起こらない。このため、同一車線を走行する無線端末局98ごとに同一の無線チャネルを割り当てて、同一無線チャネル間の干渉を防止することで、同一無線チャネルを繰り返し利用することを可能としている。
すなわち、この第2の無線チャネル設定例によっても、周波数の利用効率を向上させ、より多くの無線チャネルを確保することができる。また、車間距離を短くした車群走行であるプラトーン走行にも有効である。
また、この第2の無線チャネル設定例では、異なる2つの車線の距離が、各々で利用される無線チャネルが干渉しなくなる距離だけ離れている場合には、さらに同一無線チャネルの再利用が可能となる。たとえば図11では、車線96aと車線96cとが一車線(車線96b)の幅だけ空間的に離れている。したがって、チャネルch4とチャネルch6を同一チャネルとすれば、無線チャネル数を3から2に減ずることができる。それにより、さらに周波数利用効率を向上させることができる。
(第3の無線チャネル設定例)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る第3の無線チャネル設定例を説明する。図12に、この第3の無線チャネル設定例を説明するための図を示す。なお、図8および9と同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。
この第3の設定例は、上記の第1および第2の設定例において、無線端末局の速度が変化した場合に適用するものである。ここでは、利用可能な無線チャネル数を2つとし、グループ化は無線端末局の異なる2つの移動速度ごとに実行されているものとする。
図12において、最初、無線端末局100aは車線102aを走行し、無線端末局100bは車線102bをそれぞれ走行し、共に同一速度v1(=80km/h)で走行している。無線端末局100の移動速度に基づいてグループ化を行い、たとえば、速度v1のグループ1、速度v2(=100km/h)のグループ2のように設定する。そして、グループ1(無線端末局100aおよび100b)にチャネルch1、グループ2にチャネルch2を割り当てる。
その後、無線端末局100bが加速し、v2まで速度を上げると、無線端末局100bは無線端末局100aを追い抜くこととなり、チャネルCh1の相互干渉が起こり得る。したがって、この場合には、無線端末局100bに割り当てるのチャネルをch1からch2に変更する。
このように、第3の無線チャネル設定例によれば、同一チャネルを利用している無線端末局が干渉を起してしまう状況を事前に防ぐことが可能となる。つまり、チャネルを変更したことにより、図12に示すように、アンテナ92のビームパターンが交わることがないので同一チャネル間干渉を防ぐことができる、また、逆に減速した場合も同様にチャネルを変更し、同一チャネル間干渉を防ぐことができる。
(第4の無線チャネル設定例)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る第4の無線チャネル設定例を説明する。図13に、この第4の無線チャネル設定例を説明するための図を示す。なお、図8および9と同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。
この第4の設定例は、上記の第1および第2の設定例において、無線端末局の走行車線が変化した場合に適用するものである。ここでは、利用可能な無線チャネル数を2つとし、グループ化は無線端末局の異なる2つの走行車線ごとに実行されているものとする。
図13において、最初、無線端末局104aが車線106bを、速度v1(=80km/h)で走行している。また、無線端末局104aの後方には、無線端末局104bが速度v2(=100km/h)で、同じ車線106bを走行している。無線端末局104の走行車線に基づいてグループ化し、たとえば、走行車線106aのグループ1、走行車線106bのグループ2(無線端末局104aおよび104b)のように設定する。そして、グループ1にチャネルch1、グループ2にチャネルch2を割り当てる。
その後、無線端末局104bが無線端末局104aに接近し、無線端末局104aが無線端末局104bに道を譲る場合、無線端末局104aの車線変更が必要となる。この場合、無線制御局86は、車線106aに車線変更した無線端末局104aに割り当てるチャネルをch2からch1に変更する制御を行う。
このように、第4の無線チャネル設定例によれば、同一チャネルを割り当てた無線端末局間での追い抜き、追い越しを防ぎ、図13に示すように、アンテナ92のビームパターンが交わることを防止できる。このため、同一チャネル間干渉を防ぐことができ、広範囲で同一チャネルの利用ができるので、周波数利用効率が向上する。
(第5の無線チャネル設定例)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る第5の無線チャネル設定例を説明する。図14に、この第5の無線チャネル設定例を説明するための図を示す。この第5の設定例は、上記の第1乃至第4の設定例において、無線端末局の移動速度および位置情報(たとえば走行車線)を、無線制御局により検知する例を示すものである。なお、図8および9と同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。
図14において、無線端末局108は、その移動速度を、速度メータ、ジャイロ、GPS、磁気センサー等を使って認識する。また、その位置情報を、ジャイロ、GPS、磁気センサー、CCDカメラ等を使って認識する。そして、無線端末局108は、チャネルch1を使って速度情報および位置情報を送信情報aとして無線基地局92を介して無線制御局86に送信する。
一方、無線端末局108は、チャネルch1を使って受信情報bを無線基地局92を介して受信し、無線制御局86からの道路交通情報を取得する。
このように、この第5の無線チャネル設定例では、無線制御局86は、無線基地局92を介して、無線端末局108の移動速度、位置情報を検知でき、チャネルの割り当てを容易に行うことができる。
(第6の無線チャネル設定例)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る第6の無線チャネル設定例を説明する。図15に、この第6の無線チャネル設定例を説明するための図を示す。この第6の設定例は、上記の第5の設定例において、複数の無線端末局が異なる移動速度を有している例に適用されるものである。なお、図8および9と同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。
図15において、複数の無線端末局112a、112b,112c,112dおよび112eが同一の速度v1(比較的遅い速度)で、車線114a上を走行している。また、無線端末局112fが速度v2(比較的速い速度)で、車線114b上を走行している。具体的には、車線114aでは、事故の発生、インターチェンジ付近等により、交通渋滞が起こっており、無線端末局112a、112b,112c,112dおよび112eの速度が遅くなっている。一方、車線114bでは交通渋滞は起こっておらず、無線端末局112fは順調に移動し、その速度は速いものとなっている。
渋滞のない車線114bにおいては、無線端末局112fの移動速度が速いため、無線基地局88間のハンドオーバ処理の頻度は高くなる。一方、渋滞した車線114aにおいては、車間距離が短くなり、1つの無線基地局88が担当する無線端末局112の数は増えるが、ハンドオーバ処理の頻度は低くなる。また、無線基地局88が与える道路交通情報と無線端末局112が与える速度情報、位置情報の変化は緩やかなものとなる。このため、無線端末局112が止まったり渋滞した場合には、移動速度が速い場合よりも、無線基地局88との通信を行う時間的な間隔を広げることができる。これにより、さらに同一チャネルの再利用が可能となり、周波数利用効率を向上させることができる。
また、本発明の第1および第2の実施の形態では、無線制御局86が無線端末局112のハンドオーバ処理を制御するためには、各無線基地局88のアンテナ92により形成されるビームパターンを無線端末局112に追随するようにしなければならない。そのためには、無線基地局88と無線端末局112との間で、随時何らかの無線信号の送受信が必要となる。ここで、この送受信は、1つビームが形成するビームエリア内で、少なくとも一度行う必要がある。なぜなら、本発明の第1の実施の形態で述べたように、無線制御局86は、無線端末局112の送信信号を受信することで、最適な送信ビームパターンを選択するからである。したがって、無線端末局112は、送信すべき情報がない場合であっても、何らかの送信信号を無線基地局88を介して、無線制御局86に送信しなければならない。そして、その送信周期は、無線端末局112の移動速度に応じて設定される。
より具体的には、無線端末局112が高速に移動する場合、ビームパターンの切り替えの頻度が高くなるため、送信周期を短くすれば良い。逆に、低速に移動する場合には切り替え頻度が低くなるため、送信周期を長くすれば良い。これにより、外部センサ等を用いることなく、無線制御局86は、最適な送信ビームパターンを形成し、管轄エリア内の無線端末局112のハンドオーバ処理を制御できる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。上記の第1および第2の実施の形態においては、1つの無線制御局が管轄するエリア内での、無線基地局間のハンドオーバ処理の例であったが、この第3の実施の形態は、異なる2つの無線制御局間のハンドオーバ処理の例である。図16は、本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムでは、上記の第1の実施の形態と同様、各基地局が担当するエリア(セル)が複数集まって、移動通信網のサービスエリア全体を構成している。また、図16でも、説明の簡単化のため、1つの制御局が管轄する基地局を3つとして説明する。
図16の本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムでは、無線制御局116n−1は、3つの無線基地局118i−1,118i、118i+1と接続し、各々を制御している。各無線基地局118は、複数のビームパターンを形成し、無線端末局(図示しない)と無線通信可能なアンテナ120i−1,120i,120i+1をそれぞれ有している。各無線基地局118は、それぞれのアンテナ120のビームパターンの制御によって、担当する基地局エリア122i−1,122i,122i+1内の無線端末局との無線通信を行う。つまり、無線制御局116n−1は、複数の基地局エリア122で構成されるエリア124n−1全体を管轄している。
同様に、無線制御局116nは、3つの無線基地局126i−1,126i、126i+1と接続し、各々を制御している。各無線基地局126は、複数のビームパターンを形成し、無線端末局(図示しない)と無線通信可能なアンテナ128i−1,128i,128i+1をそれぞれ有している。各無線基地局126は、それぞれのアンテナ128のビームパターンの制御によって、担当する基地局エリア130i−1,130i,130i+1内の無線端末局との無線通信を行う。つまり、無線制御局116nは、複数の基地局エリア130で構成されるエリア124n全体を管轄している。
なお、図示はしないが、無線制御局116n+1においても、同様に、3つの無線基地局が接続され、エリア124n+1全体を管轄している。また、無線制御局116n−1,116n,116n+1はネットワーク132を介して互いに接続されている。
本発明の第3の実施の形態は、上記の第1および第2の実施の形態と同様、特に、高度道路交通システム(ITS)における路車間通信を対象とするものである。そして、図16に例示するように、無線端末局が走行する直線道路134には、入線用道路136や出線用道路138、インターチェンジ140などが接続されており、各無線制御局116に接続された無線基地局118は、これらを全てカバーする必要がある。
この第3の実施の形態の特徴は、各無線制御局116のカバーエリアの境界を直線道路上に配置した点にある。たとえば図16の場合では、無線制御局116n−1のカバーエリア124n−1と無線制御局116nのカバーエリア124nとの境界A−A’を直線道路134上に配置している。このように配置することで、最も煩雑になる無線制御局116間のハンドオーバ処理の制御を簡単化することができる。
すなわち、この境界A−A’を直線道路134上に配置することにより、無線端末局の移動先となる無線基地局118の基地局エリア122,130は一意に決めることができる。このため、ハンドオーバ先の無線基地局118,126が特定され、ハンドオーバ処理の制御が簡単化できる。通常、無線制御局116間のハンドオーバ処理は、通信回線の確立をもう一度最初から行わなければならない場合が多く、このような場合にはハンドオーバに時間がかかり、長い間通信が途絶えてしまうことも考えられる。路車間通信では、将来的に移動体の自動運転なども視野に入れており、もし、ハンドオーバに時間がかかるようであると致命的な問題になる可能性もある。本発明の第3の実施の形態によれば、直線道路134上に無線制御局116のカバーエリア124の境界を配置することで、このような問題を解決し、通信の信頼性、さらには安全性を向上させる意味で効果は大きい。
なお、本発明の第1および第2の実施の形態によれば、1つの無線制御局116に管轄される複数の無線基地局118,126内のビームパターン制御は容易で、この無線基地局118,126間でのハンドオーバは比較的容易かつ高い信頼性で行うことができる。したがって、入出線用道路136,138やインターチェンジ140などは、1つの無線制御局116により制御(接続)されている無線基地局118,126のエリアによってカバーできるように、各無線基地局118,126を配置することで、無線通信システム全体でさらに信頼性の高い通信を実現することができる。
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態によれば、無線制御局間における無線端末局のハンドオーバ先(移動先)が特定され、無線端末局のハンドオーバ処理の制御を容易化できる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態は、上記の第3の実施の形態において、無線制御局間におけるハンドオーバ処理の具体的な制御例を示すものである。図17は、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、上記の第1乃至第3の実施の形態と同様、各基地局が担当するエリア(セル)が複数集まって、移動通信網のサービスエリア全体を構成している。
図17の本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、第1の無線制御局142は、N個の無線基地局BS(G1,1)、BS(G1,2)、BS(G1,3)、…、BS(G1,N−2)、BS(G1,N−1)、BS(G1,N)と接続し、各々を制御している。そして、第1の無線制御局142は、N個の無線基地局BS(G1,1)〜BS(G1,N)からなる第1の無線基地局群G1を用いて、道路144上の一部にITSサービスを提供している。また、同様に、第2の無線制御局146は、M個の無線基地局BS(G2,1)、BS(G2,2)、BS(G2,3)、…、BS(G2,M−2)、BS(G2,M−1)、BS(G2,M)と接続し、各々を制御している。そして、第2の無線制御局146は、M個の無線基地局BS(G2,1)〜BS(G2,M)からなる第2の無線基地局群G2を用いて、道路144上の他の一部にITSサービスを提供している。第1の無線制御局142と第2の無線制御局146は、ネットワーク148を通じて、無線端末局150との通信呼の受け渡しが可能である。なお、図17では、無線端末局150が、道路144上を、第1の無線基地局群G1から第2の無線基地局群G2の方向に向かって移動しているものとする。
第1および第2の無線制御局142,146は、それぞれが管轄する第1および第2の無線基地局群G1,G2のうちの何れの無線基地局が無線端末局150と交信しているかを逐次監視する機能を有している。さらに、上記の第1および第2の実施の形態と同様、それぞれが管轄する無線基地局群内の基地局間のハンドオーバ処理を制御している。
次に、本発明の第4の実施の形態の動作について図18を参照して説明する。図18は、本発明の第4の実施の形態に係るハンドオーバ処理の手順を示すフローチャートである。図18に示すように、無線端末局150の移動に伴い、ハンドオーバ処理開始の起点となる無線基地局BS(G1,Kc)(Kc≦N)と無線端末局150との交信開始が、第1の無線制御局142により検知される(ステップS301)。ここで、無線基地局BS(G1,Kc)は、第1の無線制御局142が制御する無線基地局群G1と第2の無線制御局が制御する無線基地局群G2との境界(以下、「制御境界」と記す)に近接する、無線基地局群G1内の無線基地局である。より具体的には、図17の場合には、制御境界に最も近い無線基地局BS(G1,N)、あるいは無線基地局BS(G1,N)に隣接する無線基地局BS(G1,N−1)やBS(G1,N−2)といった、制御境界近傍の無線基地局(G1,K)(K<1)に相当する。
次に、無線端末局150と無線基地局BS(G1,Kc)との交信開始が検知されると、第1の無線制御局142は、無線端末局150に対しハンドオーバ処理動作の開始を要求する制御信号(ハンドオーバ要求信号)を、無線基地局BS(G1,Kc)を介して送信する(ステップS302)。
次に、第1の無線制御局142は、無線基地局BS(G1,Kc)から無線端末局150に送信されている情報を、ネットワーク148を介して第2の無線制御局146に転送する(ステップS303)。
次に、第2の無線制御局146は、転送された情報を含む信号を、制御境界に近接する無線基地局BS(G2,Lc)(Lc≧1)を介して、無線端末局150に送信する。この送信は、第1の無線制御局142から第2の無線制御局146に対する指示に基づいて行われる(ステップS304)。ここで、無線基地局BS(G2,Lc)は、制御境界に近接する、無線基地局群G2内の無線基地局である。より具体的には、図17の場合には、制御境界に最も近い無線基地局BS(G2,1)、あるいは無線基地局BS(G2,1)に隣接する無線基地局BS(G2,2)やBS(G2,3)といった、制御境界近傍の無線基地局(G1,L)(L>1)に相当する。
次に、ハンドオーバ処理を開始した無線端末局150は、無線基地局群G1および無線基地局群G2の両方から送信される、同一の情報を含む2つの信号の受信を開始する(ステップS305)。
次に、2つの信号を受信する無線端末局150は、一定の周期で、それらの受信状況を比較する。そして、無線基地局群G1(ハンドオーバ元)からの信号の受信状況の方が良好である限り、その比較を継続する(ステップS306)。
そして、無線端末局150の移動と共に、無線基地局群G2(ハンドオーバ先)からの信号の受信状況が良好になった時点で、無線基地局群G1からの信号の受信を中止し、ハンドオーバ処理を終了する(ステップS307)。なお、無線端末局150が無線基地局群G1からの信号の受信を中止した後の具体的な処理としては、次のような2つのものが考えられる。
(1)無線端末局150は、無線基地局群G1からの信号の受信を中止するとともに、無線基地局群G2を介してその中止処理をした旨を第2の無線制御局146に通知する。第2の無線制御局146は、その旨を第1の無線制御局142に通知し、その通知を受けた第1の無線制御局142は無線端末局150に対する送信を中止する。この第1の処理は、渋滞などで無線端末局150の移動速度が非常に遅く、無線端末局150から無線基地局群G1への信号の受信強度の変動が明らかでない場合に、誤って第1の無線制御局142が無線基地局群G1からの送信を中止するといった誤動作を防ぐ効果がある。
(2)第1の無線制御局142は、無線端末局150から無線制御局群G1への送信信号の受信強度を検出し、十分な品質を得られなくなった時点で、送信を中止する。そして、無線端末局150への送受信制御を第2の無線制御局146に委譲する。この第2の処理によれば、上記(1)の第1の処理と比べて、無線制御局間の信号やその他の制御信号を減らすことができる。
一般に、TDMA移動通信においては、受信電界強度などの受信品質の比較を複数スロットで行い、これまで通信していた無線基地局との受信品質が、他の無線基地局との受信品質に比較して劣るようになったことを検出してハンドオーバを行っている。この場合、受信品質の判断から、実際に無線制御局間のハンドオーバ制御のためのやり取りが行われてハンドオーバが完了するまでに要する時間は非常に長くなってしまう。このため、高速で移動する無線端末局でも品質劣化を起こさずにハンドオーバするためには、制御境界に近接する2つの基地局エリア同士で非常に大きなオーバーラップ領域を確保する必要があった。
これに対し、有料道路のように分岐がなく、ある一定方向に向かって無線端末局が移動する場合、制御境界等の無線制御局間のハンドオーバが生じる位置範囲はあらかじめ予測することができる。本発明の第4の実施の形態の特徴は、この予測可能なハンドオーバが生じる位置範囲において、あらかじめ送るべき情報を隣接する無線制御局間で共有し、同時に同一の無線端末局に対して送信する点にある。この特徴により、TDMA移動通信におけるハンドオーバのような、受信電界強度などの受信品質の比較のみに頼る方法に比べ、高速道路のように非常に移動速度が速い場合でも、無線制御局間のオーバーラップ領域を少なくすることが可能となる。また、通信が途絶える確率を大幅に抑えることができるとともに、制御時間が短縮されるという利点が生じる。
本発明の第4の実施の形態において、無線基地局群G1およびG2の両方から同一情報を含む信号を送信する場合の無線チャネルの設定については、次のようなことが考えられる。まず、複局同時通信(たとえば、「移動通信の基礎」(奥村.進士編、電子情報通信学会、1986年、P.180)に記されている)を用いる場合には、基本的には同一周波数で送信し、わずかな周波数オフセットによりダイバーシチ効果を得ることが考えられる。この場合は、他に通信スロットを新たに割り当てる必要がなく、周波数利用効率の向上と制御の簡略化という効果が得られる。また、第1および第2の無線制御局142,146同士でTDMスロット同期が確保できる場合には、同一スロットで送信することも考えられる。その他、TDMの場合は別のTDMスロットを用い、受信側では複数のTDMスロットを受信することが考えられる。また、CDMの場合は別の拡散符号を用い、受信側では複数の符号に対する逆拡散を行うことが考えられる。
また、上記の第2の実施の形態で述べたように、第1無線制御局142は、無線端末局150の速度情報を取得する機能を持つことができる。したがって、本発明の第4の実施の形態では、第1無線制御局142は、無線端末局150の移動速度に応じて、無線基地局群G1の中から無線基地局BS(G1,Kc)の位置を適切に選択し、ハンドオーバ処理の信頼性を向上させ、消費電力を低減することができる。
すなわち、無線端末局150の速度が速い場合には、無線基地局BS(G1,Kc)を、第1および第2の無線制御局142,146の制御境界から離れる方向に移動させる。それにより、無線端末局150が、制御境界に達するまでの時間を長くすることができる。このため、その時間内でハンドオーバ制御を完全に終了することが可能となり、ハンドオーバ未終了の無線端末局150が隣接する無線基地局群G2の領域に入ってしまうことを防止することができる。
逆に、たとえば、無線端末局(車)150の渋滞が起こっており、速度が非常に低いあるいは止まっているような状況では、無線基地局BS(G1,Kc)を、制御境界に近づく方向に移動させれば良い。なぜなら、無線端末局150の速度が遅い場合、あまり無線基地局BS(G1,Kc)が制御境界から離れていると、ハンドオーバ制御に必要な時間よりも早く制御が開始されてしまい、まだ無線端末局150が無線基地局群G2の領域に達しないのに、ハンドオーバのための送信信号が無線基地局群G2側から無駄に送信されることになるからである。また、無線端末局150においても、ハンドオーバのための複数の基地局の受信動作が無駄に行われることになり消費電力の増加が生じてしまう。特に、渋滞、インターチェンジ付近等の場合、1つの無線基地局が管轄する無線端末局150の数が非常に多くなっているので、トラヒック密度がハンドオーバに関する通信によりさらに大きくなってしまう。このため、輻輳が発生しやすくなったりパケットの廃棄率が大きくなり、通信状況を悪化させてしまう。
本発明第4の実施の形態では、道路144の直線部分では、無線基地局群G1およびG2の各無線基地局は、道路144に沿って一定間隔rで配置されている。ここで、制御境界に最も近い、無線基地局BS(G1,N)と無線基地局BS(G2,1)との間隔r’をより短くすることで、各無線基地局に同様のアンテナや送信電力を用いた場合でも、無線基地局BS(G1,N)の基地局エリアと無線基地局BS(G2,1)の基地局エリアとがオーバーラップする範囲が広くなり、無線端末局150がハンドオーバに要する時間内にインフラ側との通信が途絶える確率を減少させることができるという効果が得られる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る第1および第2の無線制御局142,146の送受信時に、伝送レートの異なる複数の変調方式を許容した場合には、上記のハンドオーバ動作における送受信の際には伝送レートの低い変調方式を選択すれば良い。それにより、伝送レートが高い場合と比べて、無線基地局群G2に属する無線基地局と無線端末局150との通信に必要な精度のビット同期を早く得ることができ、ハンドオーバ動作にかかる時間を短縮する効果を得ることができる。
なお、伝送レートの異なる複数の変調方式としては、たとえば、同じ信号点遷移を持つがボーレートのみが異なる場合、同じボーレートで信号点遷移が異なる場合(たとえばQPSKと16QAM)、ボーレートと信号点遷移の両方を変える場合、が考えられる。
また、複数の変調方式としては、1024QAMと256QAMと16QAMとQPSK、ないしはそのうちの少なくとも2つを用いた組み合わせ、1024QAM−OFDMと256QAM−OFDMと16QAM−OFDMとQPSK−OFDM、ないしはそのうちの少なくとも2つを用いた組み合わせ、16PSKと8PSKとQPSKとBPSK、ないしはそのうちの少なくとも2つを用いた組み合わせ、などが考えられる。上記の組合せは、いずれも、単一の変調回路や単一の復調回路で変調や復調が可能であり、送信機あるいは受信機を容易に構成できる利点がある。また、ITS分野で比較的よく使われるFSKとQPSKという組合せも、該分野における既存の送受信回路を流用できる利点があると考えられる。
なお、上述したようにハンドオーバ時に複局同時送信を行う場合、互いの干渉を防ぎ、可能な限りダイバーシチゲインを得るためには、ボーレートが低いほうが好ましいという利点がある。
以上説明したように、本発明の第4の実施の形態によれば、無線端末局の第1の無線制御局から第2の無線制御局への通信切り替えをスムーズに行うことができ、このためハンドオーバ処理の制御を容易にすることができる。さらに、無線制御局間における無線端末局のハンドオーバ処理の効率化を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。 送信系の場合における、図1の無線制御局20および無線基地局10n−1,10nの具体的構成例を示すブロック図である。 受信系の場合における、図1の無線制御局20および無線基地局10n−1,10nの具体的構成例を示すブロック図である。 送信時における最適なビームパターンを形成する際の手順を示すフローチャートである。 送信時における最適なビームパターンを形成する際の他の手順を示すフローチャートである。 送信系の場合における、図1の無線制御局20および無線基地局10n−1,10n+1の具体的構成例を示すブロック図である。 図6のアンテナ制御部64の具体的構成のブロック図を示す。 本発明の第2の実施の形態に係る第1の無線チャネル設定例を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る第1の無線チャネル設定例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る第2の無線チャネル設定例を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る第2の無線チャネル設定例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る第3の無線チャネル設定例を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る第4の無線チャネル設定例を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る第5の無線チャネル設定例を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る第6の無線チャネル設定例を説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係るハンドオーバ処理の手順を示すフローチャートである。 移動交換局に複数の無線基地局が接続された従来の無線通信システムの一例を示す。
符号の説明
10,88,118,126 無線基地局
12,122,130 基地局エリア
14,92,120,128 アンテナ
16 ビームエリア
18,94,98,100,104,108,112,150 無線端末局(車)
20,26,86,116 無線制御局
22 変復調部
24,132,148 ネットワーク
28,62 変調部
30,46,64 アンテナ制御部
32,38,50,54,66 E/O変換部
34,48,68,72 O/E変換部
36,40,52,56,70,74 アンテナ素子
42,58,76 光ファイバ
44 復調部
60 受信信号測定部
78 分配器
80 重み付け器
82 マトリクススイッチ
84 合成器
90,96,102,106,110,114,144 道路(車線)
124 カバーエリア
134 直線道路
136 入線用道路
138 出線用道路
140 インターチェンジ
142 第1の無線制御局
146 第2の無線制御局
200 移動網
202 無線基地局(BS:Base Station)
204 セル
206 移動交換局(MSC:Mobile Services Switching Center)
208 無線端末局(MS:Mobile Station)
210 ゲートウェイ移動交換局(G−MSC:Gateway-MSC)
212 固定網

Claims (9)

  1. 複数の同じ受信信号のうち受信状況の良い方を選択する手段を有する、少なくとも1つの端末局と、
    所定の第1の基地局と端末局との通信開始を検知する手段、前記端末局にハンドオーバ処理を要求する手段、および前記端末局のハンドオーバ先の制御局に前記端末局への送信信号を転送する手段を有し、前記所定の第1の基地局を含む第1の基地局群と接続する第1の制御局と、
    該第1の制御局から転送された前記送信信号を、所定の第2の基地局を介して前記端末局に送信する手段を有し、前記所定の第2の基地局を含む第2の基地局群と接続する第2の制御局
    とを有することを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記所定の第1および第2の基地局は、前記第1および第2の制御局の境界に近接して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記端末局は、道路を走行する端末局であり、
    前記所定の第1および第2の基地局を含む前記第1および第2の基地局群の少なくとも一部は、前記道路の直線部に沿って配置されていることを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 前記第1の制御局は、
    前記端末局の速度を検知する手段と、
    前記検知された速度に応じて、前記所定の第1の基地局を前記第1の基地局群に含まれる他の第1の基地局に変更する手段
    とを有することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  5. 前記道路に沿って配置された第1および第2の基地局群は、所定の間隔で配置され、かつ最も近接する第1の基地局と第2の基地局との間隔は、前記所定の間隔よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
  6. 前記第1および第2の制御局は、ハンドオーバ処理を行う場合には、伝送レートの低い変調方式を用いて端末局と送受信することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  7. 第1の制御局に接続された所定の第1の基地局と、道路を走行する端末局との通信開始を検知する工程と、
    前記端末局にハンドオーバ処理を要求する工程と、
    前記所定の第1の基地局を介して前記端末局に送信する信号を第2の制御局に転送する工程と、
    前記第2の制御局に接続された所定の第2の基地局を介して前記信号を前記端末局に送信する工程と、
    前記端末局が受信する2つの信号のうち受信状況の良い方を選択する工程
    とを少なくとも含むことを特徴とする無線通信方法。
  8. 前記所定の第1および第2の基地局は、前記第1および第2の制御局の境界に近接して配置されていることを特徴とする請求項7に記載の無線通信方法。
  9. 前記第1の制御局は、前記所定の第1の基地局を含む第1の基地局群と接続し、前記第2の制御局は、前記所定の第2の基地局を含む第2の基地局群と接続し、前記所定の第1および第2の基地局を含む第1および第2の基地局群の少なくとも一部は、前記道路の直線部に沿って配置されていることを特徴とする請求項8に記載の無線通信方法。
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