JP2007043451A - 高周波電力増幅用電子部品 - Google Patents

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幹一郎 竹中
Hisanori Namie
寿典 浪江
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Abstract

【課題】 高周波電力増幅用電子部品における方向性結合器の性能を向上させる。
【解決手段】 例えば、2段構成からなる電力増幅回路の出力段であり、それぞれ同一素子サイズのトランジスタからなる2つのパワーアンプPA2a,PA2bと、この2つのパワーアンプPA2a,PA2bの各出力ノードに一端が接続され、他端が共通に接続された伝送線路MS1,MS2とを設ける。そして、伝送線路MS1とMS2の間には、これらと近接および平行して伝送線路MS4を配置し、伝送線路MS4の一端を終端抵抗素子Rtに接続し、他端を電力検出回路220に接続する。更に、例えば伝送線路MS2と伝送線路MS4の間に容量素子Ceを設ける。これによって、伝送線路MS1,MS2を主線路、伝送線路MS4を副線路とする小型で高い方向性を備えた方向性結合器を実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波電力増幅用電子部品に関し、特に携帯電話機等の高周波電力増幅回路およびその出力電力の検出に用いる方向性結合器を含んだ電子部品に適用して有効な技術に関するものである。
本発明者が検討したところによれば、高周波電力増幅回路およびその出力電力の検出に用いる方向性結合器の技術に関しては、以下のようなものが考えられる。
例えば、特許文献1には、高周波電力増幅用電子部品において、その方向性結合器の小型化を可能にする技術が示されている。この電子部品は、変調された高周波信号を増幅するMOSトランジスタ等の電力増幅回路と、この電力増幅回路の出力ノードに設けられた出力整合回路を含んでいる。そして、この出力整合回路の一部(出力整合回路の線路内における電力増幅回路の出力ノードに近い一部)を主線路として、これと近接かつ平行に副線路が配置される。更に、この主線路と副線路の間には容量素子が接続され、副線路の一端(電力増幅回路の出力ノードと反対側)には抵抗素子が接続され、副線路の他端には出力電力検出回路が接続される。
このような構成において、前述した主線路、副線路、容量素子および抵抗素子によって方向性結合器が形成される。ここで、この副線路は、電力増幅回路の出力ノードに近い部分の主線路と結合することになるが、この主線路の特性インピーダンスが低いため、副線路の長さを短くすることが可能となる。すなわち、小型化が実現できる。
また、例えば、非特許文献1には、高周波電力増幅回路の構成として、3段あるいは2段で構成された電力増幅回路の最終段素子を、2つの同じ素子サイズの増幅素子を並べて構成し、それぞれに出力整合回路を設けて合成する構成が示されている。これによって、最終段素子を1つの増幅素子で構成する場合と比較して、高出力あるいは高線形出力を実現することが可能となる。
特開2005−184631号公報 「1998年 アイ・イー・イー・イー インターナショナル・ソリッドステート・サーキッツ・コンファレンス、ダイジェスト・オブ・テクニカル・ペーパーズ(1998 IEEE International Solid-State Circuits Conference, Digest of Technical Papers)」、p.50−52
ところで、前記のような高周波電力増幅回路および方向性結合器の技術について本発明者等が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
例えば、携帯電話システムでは、他の携帯電話との混信を避けるため、基地局が携帯電話機に対し、交信に必要な最小限の発信パワーを出力させるためのパワーコントロール信号を発信する。携帯電話機は、このパワーコントロール信号を受信すると、例えばAPC(Automatic Power Control)と呼ばれる回路が電力送信部のパワーアンプを制御し、所望の発信パワーを出力する。したがって、携帯電話機には、パワーアンプの発信パワーを検出するための手段が必要となる。そして、このような手段は、パワーアンプの発信パワーを取り出すための方向性結合器と、この方向性結合器の出力から発信パワーの大きさを検出する電力検出回路によって実現できる。
こうした中、例えば、特許文献1に述べられているような方向性結合器を図15に示す。図15は、本発明の前提として検討した方向性結合器の構成例を示す模式図である。図15においては、電力増幅回路(パワーアンプ)に接続されインピーダンス整合回路となる伝送線路MS11を主線路とし、それに沿って副線路としてもう1本の伝送線路MS14が配置される。さらに、この主線路MS11と副線路MS14の間を容量素子Ceで接続する。副線路MS14の一端には、終端抵抗素子Rtが接続され、他端には電力検出回路220が接続される。
このような構成では、並行する2本の伝送線路MS11,MS14間の鎖交磁束による磁界結合と、その間に配置する容量素子Ceによる電界結合のバランスを取ることによって、十分な方向性が得られる。また整合回路の構成、規模をあまり変えずに整合回路に方向性結合器を付加することができる。方向性結合器は、一般的にカプラとも呼ばれ、様々の方式が存在するが、図15のようにインピーダンス整合回路を利用することで小型化を可能にした方向性結合器を、以降、マイクロカプラと呼ぶ場合がある。なお、一般的なカプラは、通常、インピーダンス整合回路の先(50Ωにインピーダンス変換された先)に取り付けられ、インピーダンス整合回路より先の伝送線路上に設けられたり、あるいは外付け部品として組み込まれる場合もある。いずれにしても、マイクロカプラに比べると大型になる。
図16は、図15の方向性結合器を含んだ高周波電力増幅用電子部品の構成例を示す回路図である。図16に示す電子部品は、例えば、通信方式としてCDMA(Code Division Multiple Access)方式を用いる通信機器の高周波電力増幅用電子部品に適用されたLD−MOSFET(Lateral Diffusion Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を増幅素子とする2段構成のパワーアンプPA1,PA2を含んでいる。その各段は、1個の増幅素子を含むドライバ段のパワーアンプ(以下、ドライバ段と略す)PA1と、1個の増幅素子を含む出力段のパワーアンプ(以下、出力段と略す)PA2からなる。ドライバ段PA1および出力段PA2の入力側および出力側には、それぞれ整合回路10,11,12aが設けられる。
LD−MOSFET(以下、LDMOSと略す)のゲート幅(Wg)としては、例えば、ドライバ段PA1が4mm、出力段PA2が24mmである。ドライバ段PA1および出力段PA2の前後にそれぞれ設けられた各整合回路10,11,12a内では、積層基板上の伝送線路MS11,MS13,MS15とチップ部品の容量素子およびインダクタンス素子によって入出力整合が行なわれ、出力電力を効率よく引き出すように設計している。
ここで、整合回路12a内には、図15で述べたようなマイクロカプラが設けられている。すなわち、整合回路12aを構成する伝送線路MS11には、これに沿ってもう1本の伝送線路MS14が配置される。さらに、これらの伝送線路MS11,MS14の間がチップ部品の容量素子Ceで配線される。この整合回路12aの伝送線路MS11を主線路とし、それに沿ったもう1本の伝送線路MS14を副線路として方向性結合器が構成される。
この方向性結合器の反射波の取り出し口は、終端抵抗素子Rtにより終端し、同じく進行波の取り出し口は、電力検出回路220に接続して出力電力を検波する。例えば、整合回路12aの先に設けられるアンテナなどの負荷インピーダンスが変動し、反射波が増大しても、反射波の電力は電力検出回路220には入力されないため、進行波の電力のみを検出できる。一例として、Cell帯(824〜849MHz)用に設計された図16のような構成において、そのマイクロカプラを含む整合回路12aに対して行った電磁界シミュレーション結果を図17に示す。この図に示すように、方向性結合器(マイクロカプラ)の性能を示す数値で、上記方向性結合器の副線路で検出される進行波(送信信号)と端子Poutに接続される図示しないアンテナ(ANT)からの反射波との電力の割合を示す方向性(Directivity)の数値として12dBを得ることが可能となっている。
一方、非特許文献1に述べられているような高周波電力増幅回路は、例えば、次のようなものとなっている。図18は、本発明の前提として検討した高周波電力増幅回路の構成例を示す回路図である。この増幅回路の構成は、DD−CIMA(Divided Device and Collectively Impedance matched Amplifier)と呼ばれる技術が用いられている。
図18に示す増幅回路は、図16同様にCDMA方式を用いる通信機器の高周波電力増幅用電子部品に適用されたLDMOSを用いた2段構成のパワーアンプを含んでいる。その各段の内、ドライバ段PA1には、1個のLDMOSが使われているが、出力段PA2a,PA2bには、それぞれに1個ずつLDMOSを含むことで、合計2個のLDMOSが使用される。また、出力段PA2a,PA2bの先には、並列な伝送線路MS1,MS2を備えた整合回路12bが設けられている。LDMOSのゲート幅(Wg)としては、例えば、ドライバ段PA1が4mm、出力段PA2a,PA2bが1つあたり12mmである。ドライバ段PA1および出力段PA2a,PA2bの前後にそれぞれ設けられた各整合回路10,11,12b内では、積層基板上の伝送線路MS1〜3,MS5とチップ部品の容量素子およびインダクタンス素子によって入出力整合が行なわれ、出力電力を効率よく引き出すように設計している。
また、バイアス制御回路230により、各段のパワーアンプPA1,PA2a,PA2bに動作点制御用のバイアス電圧がかかるようになっており、この電圧を制御することで電力増幅率を制御している。このようなDD−CIMA技術は、ゲート幅を大きくしていくと出力電力が飽和する特性の解決策として開発され、高出力あるいは高線形出力を実現する技術である。この回路技術によって、1つの素子が出し得る出力電力のおよそ2倍の出力電力が得られ、最大線形出力もおよそ2倍となる。
ところで、通常、線形増幅器においては、波形が歪むことを避けるため最大線形出力近くで正確に出力電力を測定しなければならない。したがって、たとえ負荷インピーダンスが変動し、大きな反射波が増幅器に入ってきたとしても、それを除去するだけの十分な方向性をもった方向性結合器が求められる。
本発明者等は、最終出力段に2つの増幅素子を含む電力増幅回路と前記2つの増幅素子の出力にそれぞれ接続される2つのインピーダンス整合回路を備えた構成、例えば上記DD−CIMA技術を用いて構成された高周波電力増幅回路に対し、上記の様な要求を満たすことが出来る方向性結合器の検討を行い、最適な形態を見出すに至った。
本発明の目的は、最終出力段に2つの増幅素子を含む電力増幅回路と、前記2つの増幅素子の出力にそれぞれ接続される2つのインピーダンス整合回路を備えた構成の高周波電力増幅用電子部品における方向性結合器の性能を向上させることにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明による高周波電力増幅用電子部品は、最終出力段に2つの増幅素子を含む電力増幅回路と、2つの増幅素子の出力にそれぞれ接続される2つのインピーダンス整合回路を備えた構成において、この2つのインピーダンス整合回路を主線路として、2つの主線路の間に、これらと近接および平行して副線路が配置されるものとなっている。そして、この副線路の一端は終端抵抗に接続され、他端は電力検出回路に接続される。
すなわち、前述したDD−CIMA技術を用いた増幅器が備える並列する2本の伝送線路を主線路として、この間の位置に副線路を配置することで方向性結合器が形成されるものとなっている。このような構成を用いると、副線路が2本の主線路から磁界結合を受けるため、方向性結合器の方向性を向上させることが可能となる。また、2本の主線路は、低インピーダンスであるため、副線路の長さが例えば1mm程度(伝送される信号波長の数10分の1以下の長さ)でよく、方向性結合器の小型化が可能となる。
なお、実際には、十分な方向性を得るために、このような磁界結合に加えて電界結合が必要となる。この電界結合は、主線路と副線路の間を容量素子で接続することで得ることができる。この容量素子は、例えば、2本の主線路のいずれか一方と副線路を接続するように配置すればよく、また、2本の主線路の両方と副線路をそれぞれ接続するように配置してもよい。前者を用いると、後者に比べて容量素子の実装面積を削減できる。一方、後者を用いると、前者に比べて2本の主線路の対称性がよくなる。
また、電力増幅回路と電力検出回路が同一の半導体チップに形成されている場合、この容量素子を、半導体チップ上のMIM容量素子で実現してもよい。すなわち、例えば、MIM容量素子の一端を2つの増幅素子の一方の出力端子に接続し、他端を電力検出回路に接続すればよい。このような構成を用いると、更に小型化を図ることが可能となる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、高周波電力増幅用電子部品において、方向性結合器の方向性を向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品において、その構成の一例を示す回路図である。図1に示す電子部品は、CDMA方式を用いる通信機器の高周波電力増幅用電子部品に適用されたLDMOSを用いた2段構成の電力増幅回路(パワーアンプ)を含んでいる。その内、ドライバ段のパワーアンプ(以下、ドライバ段と略す場合有り)PA1は、入力端子Pinから整合回路10を介して高周波電力が入力され、その電力を増幅して出力段のパワーアンプ(以下、出力段と略す場合有り)PA2a,PA2bに出力する。整合回路10では、容量素子C2,C3やインダクタンス素子L1、および直流カット用の容量素子C1などによってインピーダンス整合が行われる。
ドライバ段PA1の出力ノードには、その出力バイアスとして電源電圧Vdd1が供給され、PA1の出力ノードと電源電圧Vdd1と出力段PA2a,PA2bの入力ノードとの間には、整合回路11が設けられる。整合回路11では、インピーダンス整合回路となる伝送線路MS5やデカップリングコンデンサと呼ばれる容量素子C5や直流カット用の容量素子C4などによってインピーダンス整合が行われる。
なお、図示はしないが、ドライバ段のパワーアンプPA1は、例えば1個のLDMOSによって構成され、出力段のパワーアンプPA2a,PA2bは、例えば同一素子サイズのLDMOSによってそれぞれ構成される。すなわち、出力段PA2a,PA2bは、同一素子サイズのLDMOSを2つ並列に配置したような構成となる。ドライバ段PA1のLDMOSのゲート幅(Wg)は、例えば4mmであり、出力段PA2a,PA2bのLDMOSのゲート幅(Wg)は、例えば、1個あたり12mmである。また、バイアス制御回路230は、各段のパワーアンプPA1,PA2a,PA2bに対して動作点制御用のバイアス電圧(各LDMOSのゲートバイアス)を印加し、この電圧に大きさによって電力増幅率を制御する。
出力段のパワーアンプPA2a,PA2bは、ドライバ段PA1からの出力電力を更に増幅して整合回路12に出力する。整合回路12は、伝送線路MS1〜4、容量素子C6〜C11、およびインダクタンス素子L2などを含み、方向性結合器が組み込まれた構成となっている。伝送線路MS1,MS2は、それぞれパワーアンプPA2a,PA2bに接続され、それぞれの出力電力を伝送すると共にインピーダンス整合回路として機能する。また、伝送線路MS1,MS2は、それぞれ平行して配置され、2つの出力電力を合成するためパワーアンプPA2a,PA2bと異なる側の一端が共通に接続されている。このような構成は、前述したように、増幅回路の出力段として素子を2つ並列に配して並列に整合を行うDD−CIMAの構成となっている。この構成によって合成された出力電力は、更に、インピーダンス整合回路となる伝送線路MS3に入力され、直流カット用の容量素子C11を介して出力端子Poutに出力される。
また、伝送線路MS1,MS2と伝送線路MS3の間のノードには、パワーアンプPA2a,PA2bの出力バイアスとなる電源電圧Vdd2が供給される。電源電圧Vdd2は、チョークコイルと呼ばれるインダクタンス素子L2やデカップリングコンデンサと呼ばれる容量素子C9などを備える。各伝送線路MS1〜3には、インピーダンス整合のための容量素子C6〜C8,C10が取り付けられている。伝送線路MS1,MS2の特性インピーダンスは、パワーアンプPA2a,PA2bの出力インピーダンスにもよるが、例えば、10Ω以下であり、伝送線路MS3の特性インピーダンスは、例えば、50Ωより小さい数10Ω程度の値である。
このような構成において、本発明の特徴は、出力段PA2a,PA2bのそれぞれの出力に接続された伝送線路MS1,MS2を主線路として、この平行する2つの主線路の間の位置で、2つの主線路と近接および平行するように伝送線路MS4が設けられることにある。この伝送線路MS4は、副線路となり、この副線路MS4と2つの主線路MS1,MS2によって方向性結合器が形成される。なお、副線路MS4における出力段PA2a,PA2b側と異なる一端は抵抗素子Rtで終端され、出力段PA2a,PA2b側の一端は電力検出回路220に接続される。更に、ここでは副線路MS4と主線路MS2の間に容量素子Ceが設けられているが、この容量素子Ceの配置等は後述するように種々変更可能である。
図2は、本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品を構成する素子の配置の一例を示す平面図である。図2に示す電子部品は、例えば、PCS帯(1.85GHz〜1.91GHz)およびCell帯(824〜849MHz)の2つの帯域に対応したパワーアンプモジュールとなっており、各帯域毎に図1と同様の回路構成が組み込まれている。このような電子部品は、例えば、低温焼成基板を用いて作られ、各層間がビアを用いて電気的に接続された積層基板によって構成される。ここでは、その表層の構成を示している。
図2では、積層基板上にダイボンディングされた半導体チップの中に、ドライバ段および出力段のパワーアンプPA1,PA2a,PA2bと、電力検出回路(Power Detector)220と、バイアス制御回路(Bias Controller)230と、ドライバ段の手前の整合回路10またはその一部が組み込まれている。この半導体チップ内に組み込まれた整合回路10は、MIM(Metal Insulator Metal)容量およびスパイラルインダクタなどによって実現される。ドライバ段のパワーアンプPA1の出力は、整合回路11内の直流カット用の容量素子C4などを介して出力段のパワーアンプPA2a,PA2bに入力される。
パワーアンプPA2a,PA2bの出力は、それぞれ、複数本(ここでは3本)のボンディングワイヤを介して整合回路12内の伝送線路MS1,MS2に接続される。伝送線路MS1と伝送線路MS2は、その一部の箇所で平行に配置され、この箇所において、MS1とMS2の間に、これらと近接および平行するように伝送線路MS4が配置される。これによって、方向性結合器が形成される。伝送線路MS4と伝送線路MS2は、容量素子Ceで接続される。伝送線路MS4における反射波の取り出し口となる一端は、終端抵抗素子Rtによって終端され、進行波の取り出し口となる他端は、内層導体を介して半導体チップ内の電力検出回路220に接続される。
なお、図1において伝送線路MS1とMS2を合成する伝送線路MS3は、図2においては、内層導体によって形成される。これによって、同一導体層内で伝送線路MS4と終端抵抗素子Rtとを接続する配線スペースを容易に確保できる。また、ここでは、図1における伝送線路MS5も内層導体によって形成されている。
伝送線路MS1,MS2,MS4は、例えば、銀などの導体ペーストを用いて作られた導体層でのパターンにより実現される。これらの3つの伝送線路MS1,MS2,MS4の下側には、誘電体層を挟んで共通のグラウンド面となる導体層のパターンが配置されている。主線路となる伝送線路MS1,MS2の幅は、例えば、0.15mmから0.25mmである。一方、副線路となる伝送線路MS4の幅は、例えば、0.10mmから0.15mmである。また、伝送線路MS1,MS2のそれぞれと伝送線路MS4との間隔は、例えば0.10mm程度である。更に、副線路MS4の長さ(主線路MS1,MS2と近接および平行に配置されている箇所の長さ)は、1.0mm程度となっている。
以上のように、図1および図2に示すような電子部品では、出力段に2個のパワーアンプを用いるDD−CIMA技術を用いているため、出力段を1個のパワーアンプで構成する場合と比較して、より大きな最大線形出力電力が得られる。そして、2個のパワーアンプのそれぞれに対して整合を行う2本の伝送線路(主線路)の間に副線路が配置されているため、2本の主線路のそれぞれの周囲に発生した磁界が副線路330で鎖交することになる。DD−CIMA技術においては、並列する主線路における電流の位相は一致しているため、この電流により発生した磁界は、副線路においても同位相となる。そのため、副線路では鎖交磁束が強め合い、十分な磁界結合が得られる。また、容量素子を介して1本の主線路と副線路の間に電界結合が生じる。これらの2種の結合がバランスすることにより、副線路にて主線路の進行波と反射波を分けて取り出せる。
このようなことから、例えば、アンテナなどによって負荷インピーダンスが変動し、反射波が増大しても、電力検出回路には、反射波の電力が入力されず、進行波の電力のみが入力されるため、出力電力のみを正確に検出できる。そして、出力電力を正確に検出できる結果、最大線形出力以上の電力を出力してしまうことが避けられるため、波形を歪ませることがなくなる。更に、このような方向性結合器は、図2に示したように通信波長の数10分の1以下となる1.0mm程度の線路長で実現できるため、電子部品の小型化も可能となる。
ところで、図1、図2に示したような方向性結合器の構成を見出すにあたり、本発明者等は、その他の各種構成に対して検討を行った。この検討結果について以下に説明する。
まず、DD−CIMA技術を用いた増幅回路の出力電力を検出する場合、インピーダンス整合回路を経た先から出力電力を検出する一般的なカプラでは電子部品の小型化が困難となる。そこで、インピーダンス整合回路内にカプラを組み込むマイクロカプラ技術の適用を検討した。この場合、マイクロカプラの配置として、例えば図3〜図5の3種類が考えられる。図3および図4は、本発明にあたって検討した方向性結合器の配置例を示す模式図である。一方、図5は、本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品において、その方向性結合器の配置例を示す模式図であり、図1と等価な配置構成を示すものである。なお、図3〜図5の構成は、いずれもCell帯(824〜849MHz)において最適となるように設計されているものとする。
図3においては、図1の出力段PA2a,PA2bのような構成を備えたパワーアンプ部210と、このパワーアンプ部210内のそれぞれのパワーアンプに接続される伝送線路(インピーダンス整合回路)MS1,MS2と、2本の伝送線路MS1,MS2の電力を合成する伝送線路(インピーダンス整合回路)MS3が示されている。なお、ここでは、パワーアンプと伝送線路MS1,MS2の接続に、それぞれ、複数本(例えば各3本ずつ)のボンディングワイヤ70を用いている例を示している。
そして、このようなDD−CIMAの構成に対して、伝送線路MS3を主線路として、これと近接かつ平行に副線路となる伝送線路MS4を設けている。伝送線路MS4の一端には、終端抵抗Rtが接続され、他端には、ボンディングワイヤ71を介して電力検出回路220が接続される。また、主線路MS3と副線路MS4の間は、容量素子Ceによって接続されている。
図8は、図3の構成に対して電磁界シミュレーションを行った結果を示すグラフである。図8では、周波数を横軸として、縦軸に挿入損失(Loss)、結合度(Coupling)およびアイソレーション(Isolation)の値をプロットしている。挿入損失とは、方向性結合器の主線路における入力電力と出力電力の比率であり、結合度とは、方向性結合器の主線路における入力電力と副線路における電力検出回路側から得た電力の比率であり、アイソレーションとは、方向性結合器の主線路における入力電力と副線路の終端抵抗側から得た電力の比率である。方向性(Directivity)は、方向性結合器の副線路で検出される主線路上の進行波(送信信号)と端子Poutに接続される図示しないアンテナ(ANT)からの反射波との電力の割合であり結合度とアイソレーションの差分によって表され、この値が大きい程方向性が備わっており高性能となる。
図8から判るように、図3の構成は、挿入損失において最適に設計されたCell帯(824〜849MHz)の周波数において、6dBの方向性を備えている。この値は、図17で前述した従来技術のマイクロカプラを用いた場合の12dBと比較して劣っている。この要因は、電力が合成されて1本の伝送線路MS3になったところでは、整合のためのインピーダンス変換により、主線路となる伝送線路MS3のインピーダンスが高くなっており、その電流密度が不足するためと考えられる。電流密度が不足した結果、主線路MS3の周囲の磁界強度が不足する。そのため副線路MS4で十分な鎖交磁束が得られず、結果として、この構成の方向性結合器では十分な方向性と十分な結合度が得られない。
図4においては、図3と同様のDD−CIMAの構成に対して、伝送線路MS2を主線路として、これと近接かつ平行に副線路となる伝送線路MS4を設けている。伝送線路MS4の一端には、終端抵抗Rtが接続され、他端には、ボンディングワイヤ71を介して電力検出回路220が接続される。また、主線路MS2と副線路MS4の間は、容量素子Ceによって接続されている。
図9は、図4の構成に対して電磁界シミュレーションを行った結果を示すグラフである。この図から判るように、図4の構成は、挿入損失において最適に設計されたCell帯(824〜849MHz)の周波数において、10dBの方向性を備えている。この値は、図17で前述した従来技術のマイクロカプラを用いた場合の12dBと比較して若干劣っている。
図4の構成では、DD−CIMA技術によりパワーアンプの出力電力が2つの伝送線路MS1,MS2に分割されているため、主線路となる伝送線路MS2を伝播する電力が、DD−CIMA技術を用いない場合と比較して半分になっている。伝播する電力が半減した結果、主線路MS2の電流密度は半減している。電流密度が半減した結果、主線路MS2の周囲の磁界強度が不足する。そのため副線路MS4で十分な鎖交磁束が得られず、結果として、この構成の方向性結合器では十分な方向性と十分な結合度が得られないと考えられる。
図5においては、図3と同様のDD−CIMAの構成に対して、伝送線路MS1,MS2を主線路として、この間の位置で、MS1およびMS2と近接かつ平行に副線路となる伝送線路MS4を設けている。伝送線路MS4の一端には、終端抵抗素子Rtが接続され、他端には、ボンディングワイヤ71を介して電力検出回路220が接続される。また、主線路MS2と副線路MS4の間は、容量素子Ceによって接続されている。
図10は、図5の構成に対して電磁界シミュレーションを行った結果を示すグラフである。この図から判るように、図5の構成は、挿入損失において最適に設計されたCell帯(824〜849MHz)の周波数において、20dBの方向性を備えている。この値は、図17で前述した従来技術のマイクロカプラを用いた場合の12dBを大きく上回っている。
図5の構成では、主線路として並列に配置された伝送線路(インピーダンス整合回路)MS1,MS2の間に、副線路MS4が配置されているため、2本の主線路MS1,MS2の周囲に発生した磁界が、それぞれ副線路MS4で鎖交する。DD−CIMA技術において、並列した伝送線路MS1,MS2では電流の位相は一致しているため、この電流により発生した磁界は、副線路MS4において同位相である。そのため副線路330では鎖交磁束が強め合い、更に容量素子Ceによる電界結合がバランスして、結果として、この構成の方向性結合器のみにおいて十分な方向性と十分な結合度が得られる。なお、今回の検討によると、この場合の容量素子Ceとして適した値は、0.4pF〜1.0pF程度である。
ここで、図5における方向性結合器と図15におけるマイクロカプラとで、各周波数毎にその方向性を値を比較した結果を図12に示す。この図に示すように、基本波Foにおいて、本発明による方向性結合器が20dB程度であるのに対して、従来技術となる図15のマイクロカプラは12dB程度となっている。
これは、図5の方向性結合器では、従来技術のマイクロカプラと比較しても、副線路においてより多くの磁束が鎖交するため、より高い方向性と結合度が得られるものと考えられる。なお、2倍波(2Fo)においては、同等の方向性となるが、2次高調波の出力電力は、整合回路において基本波と比較して−40dBc程度に低減されるので、検出される電力にはほとんど寄与しない。したがって、方向性結合器の性能として2倍波での方向性は特に問題にはならない。このように、図5に示したようなDD−CIMA技術を利用した方向性結合器を用いることで、従来技術のマイクロカプラと比較して、方向性の向上が実現可能となる。また、マイクロカプラと同様の小型化を図ることが可能となる。
図6は、本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品において、図5の方向性結合器を変形した構成の一例を示す模式図である。図6に示す構成は、図5に示した構成と比較して主線路MS1,MS2と副線路MS4を接続する容量素子の構成が異なっている。すなわち、図6の構成では、主線路MS1と副線路MS4の間に容量素子Ce1が設けられ、主線路MS2と副線路MS4の間に容量素子Ce2が設けられている。その他の構成は、図5と同様である。
図11は、図6の構成に対して電磁界シミュレーションを行った結果を示すグラフである。この図から判るように、図6の構成は、挿入損失において最適に設計されたCell帯(824〜849MHz)の周波数において、20dBの方向性を備えており、図5の構成と同等の方向性が得られる。この構成を用いると、図5の構成と比較してチップ部品の容量素子が1個増えるためサイズが大きくなるが、並列する出力整合の両方にチップ部品の容量素子Ce1,Ce2を接続するので、並列するインピーダンス整合回路MS1,MS2の対称性が良くなる。
図7は、本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品において、図5の方向性結合器を更に変形した構成の一例を示す模式図である。図7に示す構成は、図5に示した構成と比較して主線路MS1,MS2と副線路MS4を接続する容量素子の構成が異なっている。すなわち、図7の構成では、半導体チップ上にて、例えば、出力段のパワーアンプPA2bの出力端子(LDMOSであるならばドレイン端子)と副線路MS4の電力検出回路220への取り込み口とをMIM容量素子Cemにて接続する。その他の構成は、図5と同様である。
このような構成を用いることでも、図5の構成と同等の方向性が実現可能となる。また、図7の構成では、図5におけるチップ部品の容量素子Ceが削減できるため、更に小型化を図ることが可能となる。
図13は、本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品を用いた無線通信システムの構成例を示すブロック図である。ここでは、例えば、GSM(Global System for Mobile Communications)と、DCS(Digital Cellular System)またはPCS(Personal Communication Services)のような2つの通信方式を備えた携帯電話機の構成例を示している。図13に示すシステムは、例えば、ベースバンドモジュール100と、パワーアンプモジュール200と、フロントエンドモジュール300などから構成される。これらのモジュールは、特に制限はされないが、例えば、それぞれに対応した3つのICデバイスで実現する場合や、パワーアンプモジュール200とフロントエンドモジュール300を一つのICデバイスに統合することで、2つのICデバイスで構成する場合などがある。
ベースバンドモジュール100は、ベースバンド回路110と、その送信信号から高調波成分を除去するバンドパスフィルタBPF1,BPF2と、ベースバンド回路110への受信信号を増幅するロウノイズアンプLNA1,LNA2と、その出力から不要波を除去するバンドパスフィルタBPF3,BPF4などから構成される。ベースバンド回路110は、GSMやDCSのシステムにおけるGMSK変復調やEDGEモードのPSK変復調を行う機能や、送信データ(ベースバンド信号)に基づいてI,Q信号を生成したり受信信号から抽出されたI,Q信号を処理する機能などを備えている。
その送信系回路には、例えば、GSMとDCSの送信信号をそれぞれ増幅する可変利得アンプGCA1,GCA2と、これらの出力をそれぞれ発振器VCO1,VCO2で発生した発振信号によってアップコンバートするミキサTx−MIX1,Tx−MIX2が含まれる。また、受信系回路には、例えば、GSMとDCSの受信信号を、それぞれ発振器VCO1,VCO2で発生した発振信号によってダウンコンバートするミキサRx‐MIX1,Rx−MIX2が含まれる。なお、可変利得アンプGCA1,GCA2の利得は、利得制御回路111によって制御される。
パワーアンプモジュール200は、前述した本実施の形態の電子部品に該当する。ここでは、GSM用の増幅回路(パワーアンプ部)210aとDCS用の増幅回路210bが設けられており、それぞれの増幅回路が前述したようなDD−CIMAの構造を備えている。増幅回路210a,210bの出力電力は、バイアス制御回路230によって制御され、それぞれの出力電力は、整合回路に対して設けられた方向性結合器242a,242bによって取り出され、電力検出回路220によって検出される。
ここで、バイアス制御回路230に対しては、ベースバンドモジュール100より、GSMかDCSかを示すモード選択信号VBANDと、定電流Icontが供給される。バイアス制御回路230は、VBANDとIcontに基づいて、モードに応じたバイアス電流を生成し、このバイアス電流をパワーアンプ部210aか210bのいずれかに供給する。また、電力検出回路220は、その検出電圧VDETをベースバンドモジュール100内の利得制御回路111に出力する。利得制御回路111は、検出電圧VDETと内部の出力レベル指示信号Vrampとを比較して、可変利得アンプGCA1,GCA2に対するパワー制御信号PCSを生成してそれらのゲインを制御する。そして、この制御によって、パワーアンプ部210a,210bに入力する高周波信号の振幅が制御され、これに伴いパワーアンプ部210a,210bの出力電力も制御される。
フロントエンドモジュール300は、パワーアンプ部210a,210bの送信出力から高調波などのノイズを除去するロウパスフィルタLPF1,LPF2と、GSMの信号とDCSの信号を合成したり分離したりする分波器DPX1,DPX2と、送受信の切替えスイッチT/R−SWなどを含んでいる。そして、切替えスイッチT/R−SWには、アンテナANTが接続される。
図14は、本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品を用いた無線通信システムの他の構成例を示すブロック図である。図13で述べたシステムが利得制御回路111によって出力電力の制御を行っていたのに対し、図14のシステムは、パワーアンプモジュール200内にAPC回路250を備えることで出力電力の制御を行う構成となっている。その他の構成は、図13と同様であるため説明は省略する。
図14のシステムでは、APC回路250に対して、電力検出回路220からの検出電圧VDETと、ベースバンドモジュール100からの出力レベル指示信号Vrampが入力される。APC回路250は、この2つの入力を比較して、バイアス制御回路230に対して出力制御信号Vapcを出力する。バイアス制御回路230は、出力制御信号Vapcに応じてパワーアンプ部210a,210bのゲインを制御し、これに応じてパワーアンプ部210a,210bの出力電力が変化するように制御される。
以上のような無線通信システムでは、2つの通信方式に対応しているため、各モジュールのサイズが大きくなってしまう。パワーアンプモジュール200においては、2系統のパワーアンプ部210a,210bに伴う出力系が必要となるため、高性能に加えて小型化が求められる。こうした中、前述したような方向性結合器は、小型で高い方向性を実現可能なため、有益なものとなる。
なお、図13および図14のシステムにおいては、可変利得アンプGCA1,GCA2の後段にミキサTx‐MIX1,Tx−MIX2が設けられているが、可変利得アンプGCA1,GCA2の前段にミキサTx‐MIX1,Tx−MIX2を設けても良い。また、図13および図14には示されていないが、前記モジュール以外に、ベースバンドモジュール100に対する制御信号やパワー制御信号の基になる出力レベル指示信号を生成してシステム全体を制御するマイクロプロセッサ(CPU)を設けるようにしても良い。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施の形態では、パワーアンプの増幅素子としてLDMOSを用いたが、バイポーラ・トランジスタやGaAsMESFET、ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ(HBT)、HEMT(High Electron Mobility Transistor)等他のトランジスタを用いても良い。また、ここでは、パワーアンプと電力検出回路が同一の半導体チップ上に形成される例を示したが、電力検出回路を別の半導体チップ上に形成したり、またはダイオード等のディスクリートの部品で形成した場合でも、本発明の適用は可能である。
本発明の半導体装置は、携帯電話システムにおいて、その送信電力を発生する電子部品であるパワーアンプモジュールに適用して特に有益な技術であり、これに限らず、例えば無線LANやRFID(Radio Frequency Identification)など、各種無線通信システムを構成するパワーアンプモジュールに対して広く適用可能である。
本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品において、その構成の一例を示す回路図である。 本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品において、その配置構成の一例を示す平面図である。 本発明にあたって検討した方向性結合器の配置例を示す模式図である。 本発明にあたって検討した方向性結合器の配置例を示す模式図である。 本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品において、その方向性結合器の配置例を示す模式図である。 本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品において、図5の方向性結合器を変形した構成の一例を示す模式図である。 本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品において、図5の方向性結合器を更に変形した構成の一例を示す模式図である。 図3の構成に対して電磁界シミュレーションを行った結果を示すグラフである。 図4の構成に対して電磁界シミュレーションを行った結果を示すグラフである。 図5の構成に対して電磁界シミュレーションを行った結果を示すグラフである。 図6の構成に対して電磁界シミュレーションを行った結果を示すグラフである。 図5における方向性結合器と図15におけるマイクロカプラとで、各周波数毎の方向性の比較結果を示すグラフである。 本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品を用いた無線通信システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態による高周波電力増幅用電子部品を用いた無線通信システムの他の構成例を示すブロック図である。 本発明の前提として検討した方向性結合器の構成例を示す模式図である。 図15の方向性結合器を含んだ高周波電力増幅用電子部品の構成例を示す回路図である。 図16の構成に対して電磁界シミュレーションを行った結果を示すグラフである。 本発明の前提として検討した高周波電力増幅回路の構成例を示す回路図である。
符号の説明
ANT アンテナ
BPF バンドパスフィルタ
C,Ce 容量素子
Cem MIM容量素子
DPX 分波器
GCA 可変利得アンプ
L インダクタンス素子
LPF ロウパスフィルタ
LNA ロウノイズアンプ
MS 伝送線路
PA パワーアンプ
Pin 入力端子
Pout,RFout 出力端子
Rt 終端抵抗素子
Tx−MIX,Rx−MIX ミキサ
T/R−SW 切り替えスイッチ
Vdd 電源電圧
VCO 発振器
10,11,12,12a,12b 整合回路
70,71 ボンディングワイヤ
100 ベースバンドモジュール
110 ベースバンド回路
111 利得制御回路
200 パワーアンプモジュール
210,210a,210b パワーアンプ部
220 電力検出回路
230 バイアス制御回路
242a,242b 方向性結合器
250 APC回路
300 フロントエンドモジュール

Claims (10)

  1. 変調された高周波信号を増幅し、最終出力段は共通の入力信号を受ける第1増幅素子と第2増幅素子からなる2個の増幅素子によって構成される電力増幅回路と、
    前記第1増幅素子の出力ノードに一端が接続された第1インピーダンス整合回路と、
    前記第2増幅素子の出力ノードに一端が接続され、前記第1インピーダンス整合回路と平行に配置される部分を含み、他端が前記第1インピーダンス整合回路の他端に接続された第2インピーダンス整合回路と、
    前記電力増幅回路の出力電力の大きさを検出する電力検出回路とを備えた高周波電力増幅用電子部品であって、
    前記第1インピーダンス整合回路と前記第2インピーダンス整合回路を主線路として、前記2本の主線路の間の位置に、前記2本の主線路と近接して平行に副線路が配置され、
    前記電力増幅回路の出力電力と前記副線路を結合する容量素子が配置され、
    前記副線路の前記最終出力段側の一端は前記電力検出回路に接続され、他端は終端抵抗に接続されることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  2. 請求項1記載の高周波電力増幅用電子部品において、
    前記容量素子は、前記副線路に対して前記第1インピーダンス整合回路または前記第2インピーダンス整合回路を接続するように配置されることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  3. 請求項1記載の高周波電力増幅用電子部品において、
    前記容量素子は、複数の容量素子からなり、
    前記複数の容量素子の一方は、前記第1インピーダンス整合回路と前記副線路を接続するように配置され、
    前記複数の容量素子の他方は、前記第2インピーダンス整合回路と前記副線路を接続するように配置されることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  4. 請求項1記載の高周波電力増幅用電子部品において、
    前記電力増幅回路と前記電力検出回路は、同一の半導体チップ上に形成され、
    前記容量素子は、前記半導体チップ上に形成されたMIM容量素子であり、一端が前記第1増幅素子または前記第2増幅素子の出力ノードに接続され、他端が前記電力検出回路に接続されることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  5. 請求項1記載の高周波電力増幅用電子部品において、
    前記2本の主線路のインピーダンスは、それぞれ10Ω以下であり、
    前記副線路の長さは、伝送される波長の数10分の1以下であることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  6. 半導体チップが搭載された積層基板からなる高周波電力増幅用電子部品であって、
    前記半導体チップは、
    変調された高周波信号を増幅し、最終出力段は共通の入力信号を受ける第1増幅素子と第2増幅素子からなる2個の増幅素子によって構成される電力増幅回路と、
    入力端子から入力された電力の大きさを検出する電力検出回路とを備え、
    前記積層基板には、
    前記第1増幅素子の出力端子に一端が接続され、インピーダンス整合を行う第1伝送線路と、
    前記第2増幅素子の出力端子に一端が接続され、前記第1伝送線路と平行に配置される部分を含み、インピーダンス整合を行う第2伝送線路と、
    前記第1伝送線路の他端と前記第2伝送線路の他端に共通に接続され、前記第1増幅素子および前記第2増幅素子からの出力電力を合成し、インピーダンス整合を行う第3伝送線路と、
    前記第1伝送線路と前記第2伝送線路の間に配置され、前記2本の伝送線路と近接して平行に配置される部分を含み、前記最終出力段側の一端が前記電力検出回路の入力端子に接続される第4伝送線路と、
    前記第4伝送線路の他端に接続される抵抗素子とが設けられることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  7. 請求項6記載の高周波電力増幅用電子部品において、
    前記積層基板には、さらに、前記第4伝送線路に対して前記第1伝送線路または前記第2伝送線路を接続する容量素子が設けられることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  8. 請求項6記載の半導体装置において、
    前記半導体チップは、さらに、前記第1増幅素子または前記第2増幅素子の出力端子近辺に一端が接続され、前記電力増幅回路の入力端子近辺に他端が接続されたMIM容量素子を備えることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  9. 請求項6記載の高周波電力増幅用電子部品において、
    前記第1伝送線路、前記第2伝送線路および前記第4伝送線路は、前記積層基板上の表層に形成され、
    前記第3伝送線路は、前記積層基板内の内層に形成されることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
  10. 請求項6記載の高周波電力増幅用電子部品において、
    前記第4伝送線路における前記2本の伝送線路と近接して平行に配置される部分の長さは、伝送される波長の数10分の1以下であることを特徴とする高周波電力増幅用電子部品。
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