JP2007042351A - マグネトロン駆動電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マグネトロンにおける負荷の開放故障や、短絡故障に対して、発熱や危険電圧、過大電流を生じることなく安全に停止状態にできるマグネトロン駆動電源装置の提供。
【解決手段】フォトカプラ9,10、コンデンサ11、コンパレータ12、ANDゲート13、14、及びORゲート15から構成される保護回路を有し、フォトカプラ9は高圧整流回路5のコンデンサC1にパルス状の充電電流が流れ高電圧が立ち上がって行くのを、コンデンサ11に相似波形で発生させ、コンパレータ12により臨界電圧を超えたか否か判定する。フォトカプラ10は高圧整流回路5の出力電流の有無を検出し、コンパレータ12の臨界電圧検出と相互で、ANDゲート13,14にて判定する。判定の結果、異常信号をORゲート15でまとめてスイッチングコントロール部6aに伝達し、スイッチングを停止させ電源を異常停止状態にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、商用電源等の交流電源を整流して得られた単方向電源をスイッチングしてマグネトロンに印加する直流高圧電源を生成するマグネトロン駆動電源装置に関する。
従来のマグネトロン駆動電源装置には、整流前の交流入力側にカレントトランスや抵抗を設けて入力電流を検出するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図3は、そのような入力電流検出方式のマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図である。この従来のマグネトロン駆動電源装置は、単相100Vや200Vまたは三相の200Vの電源1が整流器2を介して単方向電源になる。この単方向電源を入力とし、スイッチング素子3でスイッチングトランス4を流れる電流を高周波でスイッチングし、スイッチングトランス4の二次側に電力を変換する。スイッチングトランス4は二次側に高圧が得られるような巻数比で構成されており、高圧整流回路5はスイッチングトランス4の二次側を2個のダイオードD1,D2等による全波倍電圧整流を行い高圧の直流電圧を得る。この高圧直流電圧(−4kV)をマグネトロン(図示せず)に印加し、所定のアノード電流を流す。また、マグネトロンのマイクロ波出力を一定に保つようにするために、スイッチングコントロール部6で入力電圧とカレントトランス7,8で検出した電流とを入力信号とし、それぞれの電圧・電流を演算して電力が一定になるようにスイッチング素子3を制御している。
特開昭63−271884号公報
ところで、上記のようなスイッチング電源回路を用いたマグネトロン駆動電源装置は、負荷が低インピーダンスのマグネトロンのため、電源の出力特性は一般的に低電流型の制御を行っている。したがって、仮に電源の負荷が開放になると、電源は設定された電流を負荷に流そうとして、電源の出力電圧が異常に高くなる。この電圧は正常時の2倍程度にもなり非常に危険であり、場合によっては、高電圧回路の耐電圧を超えて部品破壊に至る場合もある。また、電源の負荷が短絡した場合は、電源自体が定電流型の特性をしているので基本的には過大な電流は流れないが、負荷に供給されるはずの電力の大部分が電源装置本体で消費されるようになるので、長時間の放置では発熱等の危険を伴うものであった。
また、マグネトロン駆動電源装置の高圧出力の片側は接地され、反対にスイッチング等の制御回路側は、単相100Vや200Vまたは三相200Vの一次側に接続されて使用されるのが一般的であり、高圧側で異常を検出する手段を設けるには専用に低圧の絶縁電源が必要となり、装置内のスペースや部品コストの面で非常に煩わしいものであった。ひいては、電源の一次側で簡易的もしくは他の機能と併用して負荷の開放または短絡を検出する検出回路を設けることも行われているが、電源の一次側における検出で負荷の開放と短絡の双方共確実に対応するものは無かった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、入力電流を安全かつ安定して検出することができるマグネトロン駆動電源装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のマグネトロン駆動電源装置は、単方向電源と前記単方向電源の出力を高周波に変換するスイッチング素子と、前記スイッチング素子の駆動回路を有するスイッチング制御回路と、スイッチングトランスと、前記スイッチングトランスの二次側に高圧整流回路とを備えたマグネトロンに電力を供給するマグネトロン駆動電源装置において、前記高圧整流回路に高圧電圧の立ち上がりを検出する電圧検出手段と、負荷への出力電流を検出する電流検出手段と、前記電圧検出手段および前記電流検出手段の出力を演算処理する演算回路とを設け、前記演算回路の信号により前記スイッチング素子の動作を制御することを特徴とする。
かかる構成によれば、マグネトロン駆動電源装置の二次側で負荷の開放と短絡の双方を検出し、検出結果に応じた駆動制御を行うことができる。
また、前記電圧検出手段がフォトカプラ等の光絶縁変換素子であることが好ましい。
また、前記電流検出手段がカレントトランス等の絶縁型電流変換機であることが好ましい。
本発明のマグネトロン駆動電源装置によれば、マグネトロン特有のフィラメント断線による負荷の開放故障や、アノード・カソード間のタッチによる短絡故障に対して、発熱や危険電圧、過大電流を生じることなく当該マグネトロン駆動電源装置を安全に停止状態にできる。
また、電源装置本体により負荷の異常信号を出力することができるので、負荷である消耗品のマグネトロンの定期交換を怠っても、異常時の対処が分かり易く短時間で済むようになる。
また、電源装置本体において、保護回路の主要な部分がスイッチングの制御回路側に接続されるので、別途保護回路用の絶縁低圧電源等を設ける必要がなく、コストや装置内のスペース面で有利となる。
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図である。なお、この図において前述した図3と同一の作用をなす部分については同じ符号を付け、またその説明を省略する。
図1において、単相又は三相の電源1は整流器2を通り単方向電源になる。この単方向電源を入力としスイッチング素子3でスイッチングトランス4を流れる電流を高周波でスイッチングし、スイッチングトランス4の二次側に電力を変換する。スイッチングトランス4は二次側に高圧が得られるような巻数比で構成してあり、高圧整流回路5はスイッチングトランス4の二次側を2個のダイオードD1,D2等による全波倍電圧整流を行い高圧の直流電圧を得る。この高圧直流電圧(−4kV)をマグネトロン(図示せず)に印加し、所定のアノード電流を流す。また、マグネトロンのマイクロ波出力を一定に保つようにするため、ここではスイッチングコントロール部6aで入力電圧とカレントトランス7で検出した電流とを入力信号とし、それぞれの電圧・電流を演算して電力が一定になるようスイッチング素子3を制御する。例えば、単方向電源から入力した電圧が低下した場合は、スイッチング素子3のスイッチング時間を長くし、高圧整流回路5の電圧が低下するのを防ぐよう制御する。結果的に電流が増えるので電力が一定に保たれるように制御していることになる。このとき、単方向電源から入力した電圧とカレントトランス7に流れる電流とを掛算した値も一定となる。
保護回路はフォトカプラ9,10、コンデンサ11、コンパレータ12、ANDゲート13、14、ORゲート15から構成され、フォトカプラ9は高圧整流回路5のコンデンサC1にパルス状の充電電流が流れ高電圧が立ち上がって行くのを、フォトカプラ9のトランジスタの出力でコンデンサ11に相似波形で発生させ、臨界電圧を超えたか判定する。フォトカプラ10は高圧整流回路5の出力電流の有無を検出し、コンパレータ12の臨界電圧検出と相互で、次の二つの異常をANDゲート13,14にて判定する。
1、コンパレータ12の出力がLレベルで、負荷電流検出がHレベル→負荷ショート
2、コンパレータ12の出力がHレベルで、負荷電流検出がLレベル→負荷オープン
これらの異常信号をORゲート15でまとめてスイッチングコントロール部6aに伝達し、スイッチングを停止させ電源を異常停止状態にする。
上記した本実施の形態におけるマグネトロン駆動用電源の動作について説明する。
負荷の開放、短絡を検出する手段として、まず負荷であるマグネトロンは電気的特性上アノード電圧を0Vから徐々に電圧を上げていくと、ある電圧迄は殆ど電流が流れずそこを超えると急激に電流が流れる(便宜上急激に電流が流れ出す電圧を臨界電圧と記載する)。しかし、この臨界電圧は概ね3〜5kVと高くマグネトロンのアノード定格電圧に近い値であるが、まず、この臨界電圧を検出し判定することが必須である。この臨界電圧を直接検出するために一般には、高抵抗で高精度のデバイダー回路やハイインピーダンスのコンパレータやその電源と数多くの部品・コストが必要であり煩わしい。
そこで、本発明者は、マグネトロン駆動用電源の高圧部が立ち上るタイミングに着目した。電源一次側のスイッチングによりスイッチングトランス4の二次側での高圧コンデンサC1へのパルス状の充電電流を、フォトカプラ9のLED側に流すことで検出する。このフォトカプラ9のフォトトランジスタ側は一次側の制御回路に接続され、またその出力はコンデンサ11に接続され、フォトカプラ9のLED側に流れる電流と相似関係にあるフォトトランジスタ側のコレクター電流でその出力のコンデンサ11を充電し、コンデンサ11両端の電位を上昇させる。つまり、高圧整流回路5のコンデンサC1の電圧上昇の縮小版のコピー動作が制御回路側でも行われる。制御回路側には低圧電源があるのでコンパレータ12等簡単な回路で電圧判定が可能である。
次にマグネトロンのアノード電流の検出であるが、これは電源の出力に直列にフォトカプラ10のLED側を接続しフォトトランジスタ側を制御回路側に接続することで信号伝達が可能である。
ここで負荷であるマグネトロンの開放・短絡を判定する方法として、前述方法で制御回路に伝達された信号を用い、開放判定は、高圧検出コンパレータ12により、フォトカプラ9で検出される電圧が臨界電圧以上の判定であって、且つ、フォトカプラ10によるアノード電流検出が電流なしと判定した場合「開放」と判定される。次に短絡判定は、高圧検出コンパレータ12により、フォトカプラ9で検出される電圧が臨界電圧以下の判定であって、且つ、フォトカプラ10によるアノード電流検出が電流ありと判定した場合「短絡」と判定される。
以上の「開放」または「短絡」を判定した時点でスイッチングコントロール部6aに停止信号を伝達し、スイッチングを停止させることで電源本体を危険状態から回避させる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2に係るマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図である。なお、この図において前述した図1と同一の作用をなす部分については同じ符号を付け、またその説明を省略する。
図2において、単相又は三相の電源1は整流器2を通り単方向電源になる。この単方向電源を入力としスイッチング素子3でスイッチングトランス4を流れる電流を高周波でスイッチングし、スイッチングトランス4の二次側に電力を変換する。スイッチングトランス4は二次側に高圧が得られるような巻数比で構成してあり、高圧整流回路5はスイッチングトランス4の二次側を2個のダイオードD1,D2等による全波倍電圧整流を行い高圧の直流電圧を得る。この高圧直流電圧(−4kV)をマグネトロン(図示せず)に印加し、所定のアノード電流を流す。また、マグネトロンのアノード電流を一定に保つようにするため、ここではスイッチングコントロール部6bでカレントトランス8で検出した電流が予め設定した電流と同じになるようスイッチング素子3を制御する。
仮に、何らかの要因でアノード電流が低下しようとした場合、スイッチング素子3のスイッチング時間を長くし、高圧整流回路5の電圧が低下するのを防ぐよう制御する。結果的に電流が変化せず定電流の制御をしている。
保護回路については、図1に示される実施の形態1の回路と同じ動作であるため、説明を省略する。
本発明にかかるマグネトロン駆動電源装置は、電子レンジや工業用、医療用などに用いられるマイクロ波応用機器のマグネトロンを駆動するためのマグネトロン駆動電源装置として有用である。
本発明の実施の形態1におけるマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図 本発明の実施の形態2におけるマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図 従来のマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図
符号の説明
6a,6b スイッチングコントロール部
9,10 フォトカプラ
11 コンデンサ
12 コンパレータ
13,14 ANDゲート
15 ORゲート

Claims (3)

  1. 単方向電源と前記単方向電源の出力を高周波に変換するスイッチング素子と、前記スイッチング素子の駆動回路を有するスイッチング制御回路と、スイッチングトランスと、前記スイッチングトランスの二次側に高圧整流回路とを備えたマグネトロンに電力を供給するマグネトロン駆動電源装置において、前記高圧整流回路に高圧電圧の立ち上がりを検出する電圧検出手段と、負荷への出力電流を検出する電流検出手段と、前記電圧検出手段および前記電流検出手段の出力を演算処理する演算回路とを設け、前記演算回路の信号により前記スイッチング素子の動作を制御することを特徴とするマグネトロン駆動電源装置。
  2. 前記電圧検出手段がフォトカプラ等の光絶縁変換素子であることを特徴とする請求項1に記載のマグネトロン駆動電源装置。
  3. 前記電流検出手段がカレントトランス等の絶縁型電流変換機であることを特徴とする請求項1または2に記載のマグネトロン駆動電源装置。
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