JP2007038694A - 高気密エアバッグ - Google Patents

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Abstract

【課題】気密性が高く、収納性にも優れた寸法精度の高いエアバッグを提供する。
【解決手段】合成繊維からなる2枚の織物を、室温硬化型接着シール材で接合してなるエアバッグにおいて、該室温硬化型接着シール材の25℃におけるチクソトロピー指数が1.5〜6であり、かつ該合成繊維からなる織物のカバーファクターが1500〜2100であるエアバッグである。前記室温硬化型接着シール材の25℃における粘度が、100〜500Pa・sであることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、接着シール材により接合された合成繊維からなる織物からなるエアバッグに関するものであり、さらに詳しくは、気密性が高く、収納性にも優れた、寸法精度の高いエアバッグに関するものである。
エアバッグ装置は、車両の衝突などの急激な減速を検知するセンサー、センサーからの信号を受けて高圧ガスを発生するインフレータ、インフレータからの高圧ガスにより展開して乗員の衝撃を緩和するエアバッグ、および、エアバッグシステムが正常に機能しているか否かを判断する診断回路より構成される。
近年では、運転席用エアバッグや助手席用エアバッグだけではなく、側面衝突に対応するサイドエアバッグやカーテンシールドエアバッグなど、様々な形態のエアバッグが普及しはじめている。それらのなかでも特に、車両の横転に対応するカーテンシールドエアバッグなどは、車両乗員の頭部への衝撃を吸収するために、車両が横転している数秒間にわたる長時間のバッグの内圧保持が必要とされている。そのため、これらの様々な形態のエアバッグに対応するためには、今まで以上にエアバッグの気密性を高めて膨張持続時間を長くすることができるエアバッグの開発が急務である。
このようなエアバッグとして、特許文献1には、2枚のパネルの縁部同士が、糸による縫合と、弾性接着剤による接着とにより接合されているものが開示されている。このような弾性接着剤としては、具体的にはシリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤、ニトリルゴム系接着剤およびポリサルファイド系接着剤などが例示される。なかでも、シリコーン系接着剤としては、シリコーンRTV接着剤が好適であるとしている。シリコーンRTV接着剤を用いれば、加熱などのエネルギーが不要であり、環境面や生産コスト面で有利である。
特開2001−1854号公報
ところで、シリコーンRTV接着剤を用いると、貼り合わせた後に接着剤が硬化するまでの時間が必要である。そのため、塗布、貼り合わせおよび硬化の間に接着剤付近に外部応力がかかると、接着剤層が変形するおそれがある。このような接着剤層の変形により、部分的に接着剤層が薄く細い部分が生じると、エアバッグの展開時にガス漏れが発生し、所望の展開性能が得られなくなる。したがって、接着剤層が変形したエアバッグはロスとなり、生産性が劣る。とくにカーテンシールドエアバッグの場合には、運転席用エアバッグなどと比較して寸法が大きいため、接着剤層のごくわずかな部分の欠点が全体として大きな製造ロスにつながるおそれがある。
本発明は、前記課題を解決するものであり、接着シール材により接合された合成繊維織物からなるエアバッグに関して、気密性が高く、収納性にも優れた、寸法精度の高いエアバッグを容易に提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、合成繊維からなる2枚の織物を、室温硬化型接着シール材で接合してなるエアバッグにおいて、該室温硬化型接着シール材の25℃におけるチクソトロピー指数が1.5〜6であり、かつ該合成繊維からなる織物のカバーファクターが1500〜2100であるエアバッグである。
前記室温硬化型接着シール材の25℃における粘度が、100〜500Pa・sであることが好ましい。
本発明によれば、合成繊維からなる2枚の織物を、室温硬化型接着シール材で接合してなるエアバッグにおいて、前記室温硬化型接着シール材の25℃におけるチクソトロピー指数が1.5〜6であり、かつ前記合成繊維からなる織物のカバーファクターが1500〜2100であることを特徴とすることにより、気密性が高く、収納性にも優れた、寸法精度の高いエアバッグを提供することができる。
また、前記室温硬化型接着シール材の25℃における粘度が、100〜500Pa・sであることを特徴とすることにより、さらに接着シール部の寸法精度に優れたエアバッグを容易に提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明のエアバッグの平面図、図2は、図1のエアバッグの接合部2の断面図、図3は、接着シール材の配置説明図、図4および図5は、接着シール材の厚さ調整法の説明図、図6は、他の接着シール材の厚さ調整法の説明図である。なお、ここではカーテンシールドエアバッグについて説明するが、本発明はこれに限らず、運転席用エアバッグ、助手席用エアバッグ、サイドエアバッグ、ニーエアバッグおよび歩行者保護用エアバッグなどにも適用可能である。
図1に示すように、本発明のエアバッグ1は、接着シール材3により合成繊維からなる織物4aおよび4b(以下、単に合成繊維織物または織物という場合がある)が接合されている。
すなわち、図2に示すように2枚の合成繊維織物4aおよび4bの接合部が接着シール材3を介して接合されている。図2では、さらに、その接合部が、縫製糸2により縫合されている場合を示している。
本発明で使用する合成繊維からなる織物としては、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン12またはナイロン46などのポリアミド繊維、および、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維から構成される織物が、経済性や強度の点から好適に用いられる。
さらに、これら合成繊維には、耐熱向上剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤などを含有させることができる。
これら合成繊維の単糸強度は、エアバッグとしての物理的特性を満足させるために5.4g/デシテックス以上であることが好ましい。より好ましくは、7.0g/デシテックス以上である。また、これら合成繊維の総繊度については、150〜500デシテックスであることが好ましい。より好ましくは150〜470デシテックス、さらに好ましくは235〜470デシテックスである。150デシテックスより小さいと、織物の強度を維持することができない傾向にある。また、500デシテックスをこえると、織物の厚さが増大し、バッグの収納性が悪くなる傾向にある。
これら合成繊維の単繊維の断面形状については、丸、扁平、三角、長方形、平行四辺形、中空または星型など、とくに限定されるものではない。なかでも、生産性やコスト面からは丸断面のものが好ましく、また、織物の厚さを薄くでき、バッグの収納性がよくなるという点では、扁平断面のものが好ましい。
前記織物の組織としては、平織、綾織、朱子織およびこれらの変化織、多軸織などの織物が使用される。なかでも、とくに機械的特性に優れることから、平織物が好ましい。
前記合成繊維からなる織物のカバーファクターについては、1500〜2100である。好ましくは、1800〜2100である。カバーファクターが1500より小さいと、織物の開口部が大きくなるため、バッグの気密性を得ることが困難となる。また、カバーファクターが2100をこえると、織物の厚さおよび重量が増大し、織物が硬くなるため、エアバッグの収納性が悪くなる。ここで、カバーファクターとは、織物のタテ糸総繊度をD1(dtex)、タテ糸密度をN1(本/2.54cm)とし、ヨコ糸総繊度をD2(dtex)、ヨコ糸密度をN2(本/2.54cm)としたとき、(D1×0.9)1/2×N1+(D2×0.9)1/2×N2で表される。
前記合成繊維織物を精練し、熱セットする。次いで、前記織物の少なくとも片面をエラストマーで被覆することが好ましい。このようにして、本発明で使用する基布を得ることができる。前記エラストマーは、織物両面を被覆してもよい。とくに、エアバッグの収納性を考慮し、基布の厚さを薄くすることができるという点で、織物の片面のみを被覆するのが好ましい。
本発明で使用するエラストマーとしては、シリコーン系エラストマーおよびウレタン系エラストマーなどから適宜選択すればよい。なかでも、耐熱性および耐寒性などに優れるシリコーン系エラストマーが好適である。シリコーン系エラストマーとしては、ジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、トリメチルシリコーンゴムまたはフロロシリコーンゴムなどを含有するものが好ましく例示され、硬化剤、接着向上剤、充填剤、補強剤および顔料などが適宜配合されていてもよい。また、そのタイプについては、無溶剤型、溶剤希釈型または水分散型など、とくに限定されるものではない。なかでも、作業性、環境の面から無溶剤型のものが好適である。
エラストマーの塗布量としては、5〜60g/m2が好ましい。より好ましくは、20〜50g/m2である。塗布量が5g/m2より少ないと、基布の通気性が高くなり、バッグの気密性に問題が発生する傾向にある。また、塗布量が60g/m2をこえると、基布の厚さが厚くなって、バッグの収納性に問題が発生する傾向にある。
エラストマーの被覆方法としては、ナイフコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティングおよびラミネートなどの方式が挙げられる。なかでも、均一な皮膜形成ができる点で、ナイフコーティングが好ましい。
得られた前記基布は、通常ロール状に巻き取り、所定の長さにカットされる。なお、基布を巻き取ったロールは、ポリエチレンシートなどで密閉して、保管することが好ましい。さらに、温湿度が制御されている保管庫に保存するのが、より好ましい。
次いで、少なくとも片面がエラストマーで被覆された前記基布を、所望の形状に裁断する。裁断方法は、レーザー裁断、ナイフ裁断または超音波裁断などから適宜選択すればよい。また、裁断品はシワがつかないように広げて保管することが好ましい。裁断品を折り畳む必要がある場合には、折り畳み部が大きな円弧を描くように治具などで固定する方法が、シワを防止するのに効果的であり、好ましい。
本発明に使用される接着シール材3は、基布(織物)との接着性を考慮して、シリコーン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリアミド系接着剤、ニトリルゴム系接着剤およびポリサルファイド系接着剤などから適宜選定すればよく、熱可塑性のものであっても熱硬化性のものであってもよい。また、その硬化機構としては、室温湿気硬化型、室温縮合反応型、室温付加反応型、加熱硬化型または電子線硬化型などのものが挙げられるが、加熱などのエネルギーが不要であり、環境面や生産コスト面で有利であるため、本発明においては、室温硬化型接着剤を用いる。
前記接着シール材の形態としては、1液、2液、3液以上の液状のものがある。なかでも、1液タイプのものより2液以上のタイプのものが、保存安定性の点でより好ましい。
前記接着シール材の塗布方法については、ディスペンサー、スクリーンプリントまたはスプレーなどにて塗布する方法などが挙げられ、適宜選択すればよい。
ここで、前記接着シール材の25℃におけるチクソトロピー指数は、1.5〜6の範囲である。好ましくは、1.5〜3である。チクソトロピー指数とは、一定温度において、回転粘度計により測定される5rpm時の粘度を50rpm時の粘度で除した値である。25℃におけるチクソトロピー指数が1.5より小さいと、基布上に塗布した接着シール材を所望の厚さに調整した後、硬化するまでの間に接着シール材が流動しやすくなり、調整した接着シール部の形状を維持することができなくなる。チクソトロピー指数が1.5以上であると、接着シール部に意図的に大きな外力を加えない限り、接着シール材は流動しにくい。これに対し、チクソトロピー指数が6をこえると、接着シール材を塗布する場合にせん断応力に対する粘度変化が大きく、塗布形状を制御することが困難となる。なお、本発明で使用する接着シール材は室温硬化型であるため、チクソトロピー指数は、接着シール材の硬化が始まる前、すなわち、1液タイプの場合は、容器から取り出してすぐ、2液以上のタイプの場合は、それらを混合してすぐに測定する。
前記接着シール材の25℃における粘度は、100〜500Pa・sの範囲が好ましい。さらに好ましくは、200〜400Pa・sの範囲である。粘度が100Pa・sより低いと、接着シール材が流動しやすく、塗布した後に接着シール材が広がったり、気泡が混入したりする傾向にある。また、粘度が500Pa・sをこえると、塗布作業性や塗布精度の点で劣る傾向にある。なお、前記チクソトロピー指数と同様に、粘度の測定も接着シール材の硬化が始まる前に測定する。
前記接着シール材の塗布幅については、5〜20mmが好ましい。より好ましくは、5〜15mmである。幅が5mmより狭いと、後工程で施される縫製部が、接着シール材からずれてしまう傾向にある。また、20mmより広いと、接合部が嵩高になるため、バッグの収納性に劣る傾向にある。また、接着シール材の厚さについては、0.05〜2mmが好ましい。より好ましくは、0.1〜1mmである。厚さが0.05mmより薄いと、バッグの気密性が保持出来ない傾向にあり、厚さが2mmをこえると、接合部が嵩高になるため、バッグの収納性に劣る傾向にある。
前記エアバッグ1の製造方法について、以下に例示して説明する。
図3に示すように、天盤5aの上に裁断された基布4aを配置する。天盤5a上に基布4aを固定する方法としては、天盤5a上に吸引用の細孔を多数配設して、バキュームする方法などが用いられる。接着シール材3を定量ポンプ6で送液し、ノズル7を通して吐出する。
次いで、図4に示すように、天盤5aの端部にスペーサー8a、8bを配置し、接着シール材3の上から基布4bが積層されている天盤5bを重ね合わせる。天盤5bもバキュームで基布4bを吸引している。
ここで、基布4aおよび4bをそれぞれ天盤5aおよび5b上に配置する前に、予備加熱処理を施してもよい。予備加熱処理の温度範囲は、60〜150℃の範囲が好ましい。より好ましくは、60〜120℃である。60℃より低いと、シワの除去効果が少なく、150℃をこえると、基布の寸法変化が大きくなるため、エアバッグの寸法精度が劣る傾向にある。また、ヒーター以外の予備加熱処理方法としては、熱板プレスおよびスチームアイロンなどの方法があげられる。さらに、対向する加圧ローラーを備えた予備加熱処理装置を使用すると、予備加熱処理を連続的に行うことが可能となるため、コスト面で有利となるため好ましい。予備加熱処理工程から次の接着シール材を配設する工程までの間隔は、通常24時間以内が好ましい。24時間以上経過すると、予備加熱処理の効果が弱くなり、除去された基布のシワが回復する傾向にある。
予備加熱処理を行う場合、前記基布のアイロン収縮率は、±2%以内であることが好ましい。より好ましくは、±1%以内である。アイロン収縮率が±2%をこえると、予備加熱処理時の寸法変化が大きくなり、得られるエアバッグの寸法が変化するため、所望の衝撃吸収性能が発揮されない傾向にある。ここで、アイロン収縮率とは、JIS L1057 織物及び編物のアイロン収縮率試験方法のA−1法(乾熱アイロン法)により測定される。繊維の種類がナイロンの場合は、アイロンの温度は120℃とする。
図5に示すように、天盤5aと天盤5bを圧着することにより、接着シール材3の厚さは、スペーサー8a、8bにより規定される厚さに調整される。厚さの調整方法としては、図6に示すように、天盤5aに対して所定の高さに制御されている圧着ローラー9により、圧着する方法でもよい。
なお、2枚の基布を重ね合わせるのではなく、1枚の基布を折り重ねる場合は、図7に示すように、折り返し線10を中心として、略対称となるように裁断した基布4を用いる。必ずしも、折り返し線10を中心とした完全な対称である必要はなく、一方の凹部または凸部がないなど、異なった形状でも構わない。次いで、基布4を、前記接着シール材配設工程と同様に天盤5aの上に配置し、折り返し線10を境界線として半分の基布上のみに接着シール材を配設した後、接着シール材3の上から折り返し線10を境界線としたもう半分の基布を折り重ねる。最後に、前記と同様に接着シール材の厚さを調整するために圧着する。また、前記と同様に、予備加熱処理を行ってもよい。この場合は、予備加熱処理が一度に処理できるという利点がある。
その後、室温硬化型接着剤が硬化するまで、室温で放置する。接着シール材3の接着が完了することで、基布4aと4bとの接合は完了するが、エアバッグとしてのより強固な接合を求める場合には、接合部(すなわち、接着シール部上)を縫製糸2により縫合すればよい。接合部の縫製については、公知の条件で行えばよく、とくに限定されるものではない。
次に本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもその実施例に限定されるものではない。評価方法を以下に示す。
(1)粘度
回転粘度計(BROOKFIELD DIGITAL VISCOMETER MODEL HBTD)を用い、ローターNo.7、10rpm時の25℃における粘度を測定した。
(2)チクソトロピー指数
回転粘度計(BROOKFIELD DIGITAL VISCOMETER MODEL HBTD)を用い、25℃において、ローターNo.7を用いたときの、5rpm時の粘度を50rpm時の粘度で除してチクソトロピー指数を求めた。
(3)収納性
織物を5枚重ねになるように蛇腹状に折り畳み、荷重100g/cm2を加えたときの厚さを測定した。
(4)シール部幅バラツキ
長さ1m、幅0.5mの2枚の基布の間に、幅10mmになるよう調整された接着シール材を挟んで硬化させた試料を30個作製し、試料の接着シール部幅の寸法を測定して、最大幅と最小幅の差を求めた。
(5)気密性
図1のガス供給部(図示せず)から窒素ガスを内圧100kPaになるまで充填した後、ガス供給を停止した。ガス供給停止後5秒後で10kPaを保持しているものを○、ガス供給停止後5秒後の内圧が10kPa以下のもの、およびガス供給時に内圧が100kPaに達しないものを×として判定した。
実施例1
総繊度470デシテックス(dtex)、72フィラメント、断面形状丸形、単糸強度8.8g/デシテックスのナイロン66繊維を経糸および緯糸に使用し、織密度がともに46本/2.54cmになるようにウォータージェットルームで製織して、カバーファクターが1885の平織物を得た。なお、得られた織物を精練し、185℃×30秒間で熱セットした後、シリコーンコーティングエラストマーとして、無溶剤型液状シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング株式会社製、主成分メチルビニルシリコーンゴム、加熱硬化型)を用いて、ナイフコーターにより、塗布量が25g/m2になるようにコーティングを行った。その後、180℃×2分間で熱処理を行い、コーティング基布を得た。
次いで、前記コーティング基布を図1に示す形状に2枚裁断し、コーティング面に室温硬化型接着シール材(東レ・ダウコーニング株式会社製、主成分メチルビニルシリコーンゴム、室温付加反応型接着剤、チクソトロピー指数1.72、25℃における粘度198Pa・s)をノズルを通して所定の位置に塗布した。その後、もう1枚の裁断基布と重ね合せ、スペーサーで高さを調整した天盤間で前記基布間を圧着した。これを、室温で24時間硬化させて、接着シール材(幅10mm、厚さ1mm)で2枚の基布を接合した。
次いで、接着シール材の幅方向中央部を貫通するように、1400dtexのナイロン66縫製糸を用いて、運針数3.5針/cmの本縫いで縫製して、本発明のエアバッグを得た。
得られたエアバッグを前記評価方法にて評価した結果、表1に示すように気密性、収納性および寸法精度に優れるエアバッグであった。
実施例2
総繊度350dtex、72フィラメントのナイロン66繊維を経糸および緯糸に使用し、織密度がともに58本/2.54cmになるようにウォータージェットルームで製織して、カバーファクターが2059の平織物とした以外は、実施例1と同様な手順でエアバッグを得た。得られたエアバッグを前記評価方法にて評価した結果、表1に示すように気密性、収納性および寸法精度に優れるエアバッグであった。
比較例1
総繊度470dtex、72フィラメントのナイロン66繊維を経糸および緯糸に使用し、織密度がともに55本/2.54cmになるようにウォータージェットルームで製織して、カバーファクターが2254の平織物とした以外は、実施例1と同様な手順でエアバッグを得た。得られたエアバッグを前記評価方法にて評価した結果、表1に示すように気密性および寸法精度に優れるエアバッグであるが、収納性に劣っていた。
比較例2
接着シール材として室温硬化型接着剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、一液室温硬化形接着剤、主成分メチルビニルシリコーンゴム、トルエン希釈品、チクソトロピー指数1.48、25℃における粘度64Pa・s)を用いた以外は、実施例1と同様な手順でエアバッグを得た。得られたエアバッグを前記評価方法にて評価した結果、表1に示すように気密性と収納性に優れるエアバッグであるが、寸法精度に劣っていた。
Figure 2007038694
本発明のエアバッグの平面図である。 図1のエアバッグ接合部における断面図である。 接着シール材の配置説明図である。 本発明における接着シール材の厚さ調整法の説明図である。 本発明における接着シール材の厚さ調整法の説明図である。 本発明における他の接着シール材の厚さ調整法の説明図である。 本発明における裁断品の一例を示す平面図である。
符号の説明
1 エアバッグ
2 縫製糸
3 接着シール材
4、4a、4b 基布
5a、5b 天盤
6 定量ポンプ
7 ノズル
8a、8b スペーサー
9 圧着ローラー
10 折り返し線

Claims (2)

  1. 合成繊維からなる2枚の織物を、室温硬化型接着シール材で接合してなるエアバッグにおいて、該室温硬化型接着シール材の25℃におけるチクソトロピー指数が1.5〜6であり、かつ該合成繊維からなる織物のカバーファクターが1500〜2100であるエアバッグ。
  2. 前記室温硬化型接着シール材の25℃における粘度が、100〜500Pa・sである請求項1記載のエアバッグ。
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