JP2007038555A - 光走査装置および該装置の制御方法 - Google Patents

光走査装置および該装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 共振型の振動ミラーにより走査される光ビームを光検出センサなどの検出手段で検出し、該検出結果に基づき振動ミラーを制御する光走査装置において、振動ミラーが破壊されるのを未然に防止する。
【解決手段】 光ビームが有効走査領域を走査する前後で走査光ビームが第1および第2光検出センサにより検出され、これらの検出結果により有効走査領域を光ビームが走査する時間Tp1,Tp2が計測される。そして、その計測時間Tp1,Tp2に基づき有効走査領域を走査した直後の光ビームの最大振幅角θmaxが予測され、該予想結果θmaxが破壊限界角θth以上となっている際には、直ちに偏向器の駆動が停止される。
【選択図】 図7

Description

この発明は、共振型の振動ミラーを用いて光ビームを偏向して主走査方向に走査させる光走査装置および該装置の制御方法に関するものである。
従来から偏向器として、マイクロマシニング技術を利用して製造した共振型の振動ミラーを使用した光走査装置が提案されている。この振動ミラーは駆動軸回りに振動可能に構成された偏向ミラー面を有しており、外部から与えられる駆動信号に応じて偏向ミラー面を正弦振動させることで偏向ミラー面に入射する光ビームを主走査方向に偏向させる。また、光走査装置では、所定位置に光検出センサが設けられており、光ビームの走査範囲の一端(最大振幅付近)を通過する光ビームを検出可能となっている。そして、該光検出センサからの出力信号に基づき駆動信号を制御して光ビームの振幅角を所定値に調整する、いわゆる振幅制御を行っている。したがって、振幅制御を行うためには光検出センサに走査光ビームが入射する、つまり光ビームの最大振幅角が光検出センサの配設位置に対応する角度以上となるように振動ミラーを駆動させる必要がある。そこで、例えば特許文献1に記載の装置では、予め設定した初期駆動電流(駆動制御量)の駆動信号を与えて共振型アクチュエータ(本願発明の「振動ミラー」に相当)を駆動する。そして、フォトダイオード(光検出センサなどの検出手段)によりレーザビームが検出されるまで、駆動信号の電流設定値を徐々に増加させている。そして、レーザビームの検出後に、該検出結果に基づきレーザビームの振幅制御を行っている。
特開2003−140078号公報([0041]〜[0043]、図7)
従来装置では、共振型アクチュエータ等の振動ミラーの振幅を制御すべく制御部が設けられている。この制御部はフォトダイオードなどの検出手段から出力される信号に基づき駆動電流などの駆動制御量を制御するように構成されており、駆動制御量の制御により振動ミラーの振幅を調整している。このため、ノイズや外乱などの影響により制御部が不適正な駆動信号を振動ミラーに与えてしまうと、振動ミラーの振幅角が大きく変動してしまうことがある。特に、ノイズなどの影響が振動ミラーを加振する方向に作用すると、振動ミラーが破壊限界角を超えて振動して破壊されてしまうことがある。したがって、振動ミラーにより光ビームを走査させる光走査装置では、振動ミラーが破壊限界角まで振動するのを確実に防止することが非常に重要となる。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、共振型の振動ミラーにより走査される光ビームを光検出センサなどの検出手段で検出し、該検出結果に基づき振動ミラーを制御する光走査装置において、振動ミラーが破壊されるのを未然に防止することを目的とする。
この発明の光走査装置は、主走査方向において所定幅の有効走査領域上に光ビームを走査させる光走査装置であって、上記目的を達成するため、以下のように構成している。
この装置の第1態様は、光ビームを射出する光源と、主走査方向とほぼ直交する駆動軸回りに共振振動する振動ミラーを有し、該振動ミラーによって光源から射出された光ビームを偏向して、有効走査領域に対応する第1走査範囲を含むとともに該第1走査範囲を超える、第2走査範囲で光ビームを走査する偏向手段と、主走査方向の第1方向側で、第2走査範囲内で、かつ第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを検出して信号を出力する第1検出手段と、第1方向と逆の第2方向側において、第2走査範囲内で、かつ第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを検出して信号を出力する第2検出手段と、第1および第2検出手段からの出力信号に基づき振動ミラーに与えるミラー駆動信号を制御して振動ミラーの振幅を調整する制御手段とを備え、制御手段は、第1および第2検出手段からの出力信号により有効走査領域を光ビームが走査する時間を計測して有効走査領域を走査した直後の光ビームの振幅を予測し、該予想結果に応じて振動ミラーの駆動を停止することを特徴としている。
この装置の第2態様は、光ビームを射出する光源と、主走査方向とほぼ直交する駆動軸回りに共振振動する振動ミラーを有し、該振動ミラーによって光源から射出された光ビームを偏向して、有効走査領域に対応する第1走査範囲を含むとともに該第1走査範囲を超える、第2走査範囲で光ビームを走査する偏向手段と、主走査方向の第1方向側で、第2走査範囲内で、かつ第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを検出して信号を出力する第1検出手段と、第1方向と逆の第2方向側において、第2走査範囲内で、かつ第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを検出して信号を出力する第2検出手段と、第1および第2検出手段からの出力信号に基づき振動ミラーに与えるミラー駆動信号を制御して振動ミラーの振幅を調整する制御手段とを備え、制御手段は、光ビームが有効走査領域を走査されるごとに第1および第2検出手段からの出力信号により有効走査領域を光ビームが走査する時間を計測しながら、走査時間の変動に基づき光ビームの振幅変動を予測し、該予想結果に応じて振動ミラーの駆動を停止することを特徴としている。
また、この発明にかかる光走査装置の制御方法は、光源から射出される光ビームを共振振動ミラーにより主走査方向に偏向して有効走査領域上に光ビームを走査させる光走査装置であって、有効走査領域に対応する第1走査範囲を含むとともに該第1走査範囲を超える、第2走査範囲で光ビームを走査するように振動ミラーを駆動しながら、主走査方向の第1方向側において第2走査範囲内でかつ第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを第1検出手段により検出し、また第1方向と逆の第2方向側において第2走査範囲内でかつ第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを第2検出手段により検出し、第1および第2検出手段からの出力信号に基づき振動ミラーに与えるミラー駆動信号を制御して振動ミラーの振幅を調整する光走査装置の制御方法であって、上記目的を達成するため、以下のように構成している。
この制御方法の第1態様は、第1および第2検出手段からの出力信号により有効走査領域を光ビームが走査する時間を計測する工程と、走査時間に基づき有効走査領域を走査した光ビームの振幅を予測する工程と、予想結果に応じて振動ミラーの駆動を停止する工程とを備えたことを特徴としている。
この制御方法の第2態様は、光ビームが有効走査領域を走査されるごとに第1および第2検出手段からの出力信号により有効走査領域を光ビームが走査する時間を計測する工程と、走査時間の変動に基づき光ビームの振幅変動を予測する工程と、予想結果に応じて振動ミラーの駆動を停止する工程とを備えたことを特徴としている。
このように構成された光走査装置では、共振振動する振動ミラーによって光ビームは主走査方向に往復移動する。また、第1および第2検出手段がそれぞれ第1および第2方向側に配設され、第2走査範囲内で、かつ第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを検出して信号を出力する。そして、第1および第2検出手段からの出力信号に基づき振動ミラーに与えるミラー駆動信号が制御され、その結果、振動ミラーおよび光ビームの振幅が調整される。このように構成された光走査装置では、ノイズや外乱などの影響により制御手段が不適正な駆動信号を振動ミラーに与えてしまうことがある。このような現象が生じた場合には、制御手段は不適切なミラー駆動信号を出力してしまう。そして、このミラー駆動信号を受けた振動ミラーは振幅を大きく変動させ、振動ミラーの破壊に導く可能性がある。
ここで、本願発明者が着目した第1点目は、光ビームの振幅と走査時間との関係である。すなわち、この光走査装置では、走査光ビームは有効走査領域から遠ざかる方向に移動した後、振動ミラーの反転動作により走査光ビームの走査方向が逆転し、該走査光ビームは有効走査領域に向かって移動する。例えば光ビームが第1方向に移動しながら有効走査領域に向かって移動すると、該光ビームは第2検出手段を通過して信号が出力される。そして、第2検出手段を通過した光ビームは有効走査領域を第1方向に走査され、さらに第1検出手段を通過する。この通過タイミングで第1検出手段から信号が出力される。したがって、第1および第2検出手段からの出力信号により光ビームの走査時間を計測することができる。この走査時間は光ビームの振幅と密接に関連しており、一定の周波数(振動ミラーを駆動する周波数)で振動ミラーが共振振動している装置では、例えば後述する図6に示すように、振幅増大により走査時間が短くなり、逆に振幅減少により走査時間は長くなる。したがって、有効走査領域を通過した後の光ビームの振幅を走査時間から予想することができる。
そこで、この発明の第1態様(光走査装置および該装置の制御方法)では、光ビームが有効走査領域を走査する前後で走査光ビームが第1および第2検出手段により検出され、これらの検出結果により有効走査領域を光ビームが走査する時間が計測される。そして、その計測時間に基づき有効走査領域を走査した直後の光ビームの振幅が予測され、該予想結果に応じて振動ミラーの駆動が停止される。その結果、ノイズや外乱などにより振動ミラーに対して不適切なミラー駆動信号が与えられたとしても、ミラーの駆動を停止させて振動ミラーの破壊を確実に防止することができる。
また、本願発明者が着目した第2点目は、共振型の振動ミラーにおいては、ミラー駆動信号が変更されたとしても振動ミラーの振幅が瞬間的に変動するわけではなく、光走査を繰り返すごとに振動ミラーの振幅は徐々に変化する点である。つまり、振動ミラーに対して不適切なミラー駆動信号が与えられたとしても、光走査を繰り返している間に振動ミラーの振幅は徐々に増大する一方、走査時間は徐々に減少する。したがって、光ビームの振幅変動を監視しておくことで振動ミラーの最大振幅角がミラー破壊に至る程度の振幅角、つまり破壊限界角に向けて増大していることを確認することができる。
そこで、この発明の第2態様(光走査装置および該装置の制御方法)では、有効走査領域での光ビームの走査ごとに第1および第2検出手段からの出力信号により有効走査領域での光ビームの走査時間が計測される。そして、走査時間の変動に基づき光ビームの振幅変動が予測され、該予想結果に応じて振動ミラーの駆動が停止される。その結果、ノイズや外乱などにより振動ミラーに対して不適切なミラー駆動信号が与えられたとしても、ミラーの駆動を停止させて振動ミラーの破壊を確実に防止することができる。
図1は本発明にかかる光走査装置の一実施形態を装備した画像形成装置を示す図である。この画像形成装置は、いわゆるタンデム方式のカラープリンタであり、潜像担持体としてイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の4色の感光体2Y,2M,2C,2Kを装置本体5内に並設している。そして、各感光体2Y,2M,2C,2K上のトナー像を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナー像のみを用いてモノクロ画像を形成する装置である。すなわち、この画像形成装置では、ユーザからの画像形成要求に応じてホストコンピュータなどの外部装置から画像形成指令がコントローラ1に与えられると、このコントローラ1からの画像信号、基準信号および各種の制御信号に応じてエンジン部EGが作動して複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートSに画像形成指令に対応する画像を形成する。
このエンジン部EGでは、4つの感光体2Y,2M,2C,2Kのそれぞれに対応して帯電ユニット,現像ユニット,露光ユニットおよびクリーニング部が設けられている。このように,各トナー色ごとに,感光体,帯電ユニット,現像ユニット,露光ユニットおよびクリーニング部を備えて該トナー色のトナー像を形成する画像形成手段が設けられている。そして,コントローラ1からの信号に応じて画像形成手段の各部が制御されて画像形成が実行される。なお,これらの画像形成手段(感光体,帯電ユニット,現像ユニット,露光ユニットおよびクリーニング部)の構成はいずれの色成分についても同一であるため,ここではイエローに関する構成について説明し,その他の色成分については相当符号を付して説明を省略する。
感光体2Yは図1の矢印方向(副走査方向)に回転自在に設けられている。より具体的には,感光体2Yの一方端部には,駆動モータ(図示省略)が機械的に接続されており、コントローラ1からの回転駆動指令に基づき駆動制御される。これによって感光体2Yが回転移動する。また、このようにして駆動される感光体2Yの周りにその回転方向に沿って、帯電ユニット3Y、現像ユニット4Yおよびクリーニング部(図示省略)がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3Yは例えばスコロトロン帯電器で構成されており、コントローラ1からの帯電バイアス印加によって感光体2Yの外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。そして、この帯電ユニット3Yによって帯電された感光体2Yの外周面に向けて露光ユニット6Yから走査光ビームLyが照射される。これによって画像形成指令に含まれるイエロー画像データに対応する静電潜像が感光体2Y上に形成される。このように露光ユニット6(6Y,6M,6C,6K)が本発明にかかる光走査装置の一実施形態となっている。なお、露光ユニット6および露光ユニットを制御するための露光制御部の構成および動作については後で詳述する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4Yによってトナー現像される。この現像ユニット4Yはイエロートナーを内蔵している。そして、コントローラ1から現像バイアスが現像ローラ41Yに印加されると、現像ローラ41Y上に担持されたトナーが感光体2Yの表面各部にその表面電位に応じて部分的に付着する。その結果、感光体2Y上の静電潜像がイエローのトナー像として顕像化される。なお、現像ローラ41Yに与える現像バイアスとしては、直流電圧、もしくは直流電圧に交流電圧を重畳したもの等を用いることができるが、特に感光体2Yと現像ローラ41Yとを離間配置し、両者の間でトナーを飛翔させることでトナー現像を行う非接触現像方式の画像形成装置では、効率よくトナーを飛翔させるために直流電圧に対して正弦波、三角波、矩形波等の交流電圧を重畳した電圧波形とすることが好ましい。
現像ユニット4Yで現像されたイエロートナー像は、一次転写領域TRy1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。また、イエロー以外の色成分についても、イエローと全く同様に構成されており、感光体2M、2C、2K上にマゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像がそれぞれ形成されるとともに、一次転写領域TRm1、TRc1、TRk1でそれぞれ中間転写ベルト71上に一次転写される。
この転写ユニット7は、2つのローラ72、73に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ72を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向R2に回転させるベルト駆動部(図示省略)とを備えている。また、中間転写ベルト71を挟んでローラ73と対向する位置には、該ベルト71表面に対して不図示の電磁クラッチにより当接・離間移動可能に構成された二次転写ローラ74が設けられている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、一次転写タイミングを制御することで各トナー像を重ね合わせてカラー画像を中間転写ベルト71上に形成するとともに、カセット8から取り出されて中間転写ベルト71と二次転写ローラ74との間の二次転写領域TR2に搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。一方、モノクロ画像をシートSに転写する場合には、ブラックトナー像のみを感光体2Kに形成するとともに、二次転写領域TR2に搬送されてくるシートS上にモノクロ画像を二次転写する。また、こうして画像の2次転写を受けたシートSは定着ユニット9を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部に向けて搬送される。
なお、中間転写ベルト71へトナー像を一次転写した後の各感光体2Y,2M,2C,2Kは、不図示の除電手段によりその表面電位がリセットされ、さらに、その表面に残留したトナーがクリーニング部により除去された後、帯電ユニット3Y,3M,3C,3Kにより次の帯電を受ける。
また、ローラ72の近傍には、転写ベルトクリーナ75が図示を省略する電磁クラッチによってローラ72に対して近接・離間移動可能となっている。そして、ローラ72側に移動した状態でクリーナ75のブレードがローラ72に掛け渡された中間転写ベルト71の表面に当接し、二次転写後に中間転写ベルト71の外周面に残留付着しているトナーを除去する。
図2は本発明の光走査装置の一実施形態たる露光ユニットの構成を示す主走査断面図、図3は図2の露光ユニット(光走査装置)における光ビームの走査領域を示す図、図4は図1の画像形成装置の露光ユニットおよび露光ユニットを制御するための露光制御部(本発明の「制御手段」に相当)の構成を示す図である。以下、これらの図面を参照しつつ、露光ユニット6、露光制御部(ミラー駆動制御部111、周波数制御部112および計測部113)の構成および動作について詳述する。なお、この実施形態では、各色ごとに露光ユニット6、ミラー駆動制御部111、および計測部113を有しているが、それらの構成はいずれの色成分についても同一であるため、ここではイエローに関する構成について説明し、その他の色成分については相当符号を付して説明を省略する。
この露光ユニット6Y(6M,6C,6K)は露光筐体61を有している。そして、露光筐体61に単一のレーザー光源62が固着されており、レーザー光源62から光ビームを射出可能となっている。このレーザー光源62には、図4に示すように、コントローラ1から出力される画像信号Svが入力される。この画像信号Svは画像形成指令に含まれるイエロー画像データに対応する信号であり、この画像信号Svに応じてレーザー光源62がON/OFF制御されてレーザー光源62からイエロー画像データに対応して変調された光ビームLyが射出される。
また、この露光筐体61の内部には、レーザー光源62からの光ビームを感光体2Yの表面(図示省略)に走査露光するために、コリメータレンズ631、シリンドリカルレンズ632、偏向器65、走査レンズ66が設けられている。すなわち、レーザー光源62からの光ビームは、コリメータレンズ631により適当な大きさのコリメート光にビーム整形された後、副走査方向Yにのみパワーを有するシリンドリカルレンズ632に入射される。そして、シリンドリカルレンズ632を調整することでコリメート光は副走査方向Yにおいて偏向器65の偏向ミラー面651付近で結像される。このように、この実施形態では、コリメータレンズ631およびシリンドリカルレンズ632がレーザー光源62からの光ビームを整形するビーム整形系63として機能している。
この偏向器65は半導体製造技術を応用して微小機械を半導体基板上に一体形成するマイクロマシニング技術を用いて形成されるものであり、共振振動する振動ミラーで構成されている。すなわち、偏向器65では、共振振動する偏向ミラー面(振動ミラー面)651により光ビームを主走査方向Xに偏向可能となっている。より具体的には、偏向ミラー面651は主走査方向Xとほぼ直交する駆動軸(ねじりバネ)周りに揺動自在に軸支されるとともに、作動部652から与えられる外力に応じて駆動軸周りに揺動する。この作動部652はミラー駆動制御部111からのミラー駆動信号に基づき偏向ミラー面651に対して静電気的、電磁気的あるいは機械的な外力を作用させて偏向ミラー面651を予め設定された駆動周波数で振動させる。なお、作動部652による駆動方式は静電吸着、電磁気力あるいは機械力などのいずれの方式を採用してもよく、それらの駆動方式は周知であるため、ここでは説明を省略する。
このようにして駆動される偏向器65には、例えば特開平9−197334号公報に記載されたような共振周波数調整部653が設けられており、偏向器65の共振周波数を変化させることが可能となっている。すなわち、この共振周波数調整部653では偏向器65のねじりバネ(図示省略)に電気抵抗素子が形成されるとともに、該電気抵抗素子が露光制御部の周波数制御部112と電気的に接続されている。そして、周波数制御部112による電気抵抗素子への通電制御によりねじりバネの温度が変化する。これによって、ねじりバネのバネ定数が変化し、偏向器65の共振周波数を変更させることができる。このように偏向器65の共振周波数を駆動制御量とし、共振周波数を変化させることで偏向ミラー面651の振幅角を制御可能となっている。そこで、この実施形態では、後述するように共振周波数が予め設定された駆動周波数と不一致である場合には、共振周波数調整部653により偏向器65の共振周波数を変動させて駆動周波数とほぼ一致させている。なお、偏向器65の共振周波数を変化させる具体的な構成はこれに限定されるものではなく、従来より周知の構成を採用することができる。
また、ミラー駆動制御部111はミラー駆動信号の周波数や電圧などの駆動条件、つまり駆動制御量を変更設定することができるように構成されている。したがって、必要に応じてミラー駆動信号の周波数を変更設定することが可能となっている。また、ミラー駆動信号の電圧を変更させることで振幅値を調整することも可能となっている。
そして、偏向器65の偏向ミラー面651で偏向された光ビームは走査レンズ66に向けて偏向される。この実施形態では、走査レンズ66は、感光体2の表面上の有効走査領域ESRの全域においてF値が略同一となるように構成されている。したがって、走査レンズ66に向けて偏向された光ビームは、走査レンズ66を介して感光体2Yの表面の有効走査領域ESRに略同一のスポット径で結像される。これにより、光ビームが主走査方向Xと平行に走査して主走査方向Xに伸びるライン状の潜像が感光体2の表面上に形成される。なお、この実施形態では、偏向器65により走査可能な走査範囲(本発明の「第2走査領域」)SR2は、図3に示すように、有効走査領域ESR上で光ビームを走査させるための走査範囲(本発明の「第1走査範囲」)SR1よりも広く設定されている。また、第1走査範囲SR1が第2走査範囲SR2の略中央部に位置しており、光軸に対してほぼ対称となっている。さらに、同図中の符号θirは有効走査領域ESRの端部に対応する偏向ミラー面651の振幅角を示し、符号θsは次に説明する光検出センサに対応する偏向ミラー面651の振幅角を示している。
また、上記のように構成された露光ユニット6では、光ビームを往復走査させることが可能となっている。つまり、主走査方向Xの(+X)方向側から(−X)方向側に光ビームを走査させることも、逆に(−X)方向側から(+X)方向側に光ビームを走査させることも可能となっている。このように、この実施形態では、(+X)および(−X)方向が本発明の「第1方向」および「第2方向」にそれぞれ相当する。
また、この実施形態では、図2に示すように、走査光ビームの走査経路の開始または終端を折り返しミラー69a,69bにより光検出センサ60A,60Bに導いている。これらの折り返しミラー69aおよび光検出センサ60Aは、第1方向(+X)側において、光ビームが有効走査領域ESRを走査する際に掃引して形成される掃引面の外に配設されている。一方、折り返しミラー69bおよび光検出センサ60Bは、第2方向(−X)側において、光ビームが有効走査領域ESRを走査する際に掃引して形成される掃引面の外に配設されている。また、折り返しミラー69a,69bは、光ビームが有効走査領域ESRの略中心を走査する際の光軸に対して略対称に配設されている。したがって、光検出センサ60A,60Bは光軸に対して略対称に配設されているのと同等に考えることができる。
これらの光検出センサ60A,60Bによる走査光ビームの検出信号Hsyncは露光制御部の計測部113に伝達され、該計測部113において偏向器65の振幅角、有効走査領域ESRを光ビームが走査する走査時間や駆動周期などに関連する駆動情報が算出される。そして、この計測部113において算出された実測情報がミラー駆動制御部111に伝達され、ミラー駆動制御部111は後述するように振幅制御やミラー駆動の停止処理などを行う。
また、光検出センサ60A,60Bからの水平同期信号Hsyncはコントローラ1にも直接入力されており、光ビームが有効走査領域ESRを主走査方向Xに走査する際の同期信号として機能させている。すなわち、これらのセンサ60A,60Bは水平同期信号Hsyncを得るための水平同期用読取センサとして機能している。
ところで、上記のように構成された装置では、偏向器65が振動停止している状態で画像形成指令が与えられると、画像形成開始前に起動処理を実行して光ビームがコントローラ1と同期しながら偏向器65によって良好に走査されるように調整している。すなわち、偏向器65を作動させるための駆動制御量を予めメモリ(図示省略)に記憶されている初期値に設定する。より具体的には、ミラー駆動信号および共振周波数調整部653に与える信号の電気特性値(周波数、電圧や電流)をメモリから読み出し、設定している。そして、初期設定の完了後に、上記した初期値でミラー駆動が開始される。このとき、偏向器65の振幅は例えば図5に示すようにゼロから徐々に増大していく。そして、振幅角がHsync相当角θsに達する、つまり走査光ビームを光検出センサ60A,60Bを通過するタイミングで信号Hsyncが光検出センサ60A,60Bから出力される。この後、光検出センサ60A,60Bからの出力信号Hsyncに基づく振幅制御が実行される。
なお、この実施形態では、光検出センサ60A,60Bの各々から短時間に続けて出力される2つの信号Hsyncの時間差Tnpに基づき振幅制御を行っている。すなわち、振動ミラーにより構成された偏向器65を用いた装置では、有効走査領域ESRから遠ざかる方向に走査移動している光ビームが光検出センサ60A,60Bを通過すると、第1検出信号Hsyncが出力される。その後、走査光ビームは最大振幅角θmaxで反転動作した偏向ミラー面651により走査方向が反転される。そして、走査光ビームが有効走査領域ESRに向かって移動し、センサ位置(Hsync相当角θs)を通過するタイミングで第2検出信号Hsyncが光検出センサ60A,60Bから出力される。このように、この実施形態では、有効走査領域ESRから光検出センサ60A,60Bを経由して再び有効走査領域ESRに戻る往復光ビームを光検出センサ60A,60Bが検出して該検出に応じて信号Hsyncを出力している。また、これらの検出信号Hsyncは偏向器65の振動周期ごとに出力され、各振動周期(振幅の1周期に相当)での第1および第2検出信号Hsyncの間隔Tnpは最大振幅角θmaxに関連している。そこで、この実施形態では、計測部113において第1および第2検出信号の間隔Tnpを振幅角に関連する振幅関連情報として求めてミラー駆動制御部111に与えている。また、ミラー駆動制御部111は計測部113からの振幅関連情報とコントローラ1から与えられる信号Sdで示される振幅目標値とに基づき作動部652に与えるミラー駆動信号の電圧や電流を調整している。なお、振幅制御の具体的な手法については、これに限定されるものではなく、従来より周知の振幅制御を用いることができる。
こうして振幅制御が正常に行われている間においては、第1および第2検出信号の間隔Tnpはほぼ一定であり、最大振幅角θmaxも振幅目標値となっている。例えば、両側走査の光走査装置では、光ビームを第1方向(+X)側から第2方向(−X)側に走査させる往路走査と、第2方向(−X)側から第1方向(+X)側に走査させる復路走査とが繰り返して行われる。そして、この装置において振幅制御が正常に行われている場合には、図6(a)に示すように、往路側および復路側において以下のようにして光ビームの走査が行われる。
まず、往路側では、光ビームが第2方向(−X)に移動しながら有効走査領域ESRに向かって移動すると、該光ビームは第1光検出センサ60Aの配設位置たる第1センサ位置を通過して第1光検出センサ60Aから信号Hsyncが出力される。そして、第1光検出センサ60Aを通過した光ビームは有効走査領域ESRを第2方向(−X)に走査され、さらに第2光検出センサ60Bの配設位置たる第2センサ位置を通過する。この通過タイミングで第2光検出センサ60Bから信号Hsyncが出力される。したがって、第1および第2光検出センサ60A,60Bからの出力信号Hsyncにより光ビームの走査時間TP1を計測することができる。また、第2光検出センサ60Bを通過した光ビームは偏向器65の偏向ミラー面651の反転動作により第1方向(+X)に切り替えられ、有効走査領域ESRに向かって走査される。そのため、上記信号Hsyncに続いて間隔Tnp-で第2光検出センサ60Bから検出信号Hsyncが出力される。
そして、第2光検出センサ60Bを通過した光ビームが第1方向(+X)に有効走査領域ESRを走査され、さらに第1光検出センサ60Aの配設位置たる第1センサ位置を通過する。この通過タイミングで第1光検出センサ60Aから信号Hsyncが出力される。したがって、第2および第1光検出センサ60B,60Aからの出力信号Hsyncにより光ビームの走査時間TP2を計測することができる。また、第1光検出センサ60Aを通過した光ビームは偏向器65の偏向ミラー面651の反転動作により第2方向(−X)に切り替えられ、有効走査領域ESRに向かって走査される。そのため、上記信号Hsyncに続いて間隔Tnp+で第1光検出センサ60Aから検出信号Hsyncが出力される。
このように第1および第2光検出センサ60A,60Bから出力される信号Hsyncは偏向器65の動作と関連している。特に、走査時間Tp1、Tp2は光ビームの振幅と密接に関連しており、一定の周波数(偏向器65を駆動する周波数、つまりミラー駆動信号の周波数)で偏向器65が共振振動している装置では、例えば図6に示すように、振幅増大により走査時間が短くなり、逆に振幅減少により走査時間は長くなる。したがって、有効走査領域ESRを通過した後の光ビームの振幅を走査時間Tp1、Tp2から予想することができる。
そこで、この実施形態では、走査時間Tp1、Tp2を監視し、異常動作(最大振幅角θmaxが破壊限界角に向けて増大する振幅動作)を確認すると、偏向器65の駆動を停止している。以下、図6および図7を参照しつつ詳述する。
図6は偏向器の振幅状態を示す図である。また、図7は図1の画像形成装置に装備された露光ユニットの動作を示すフローチャートである。この実施形態では、上記のようにして振幅制御が開始されたことを確認する(ステップS1)と、有効走査領域ESRを光ビームが往路走査するのに要する時間Tp1を計測する(ステップS2)。より具体的には、第1方向(+X)側で光ビームが第2方向(−X)に移動しながら有効走査領域ESRに向かって移動すると、該光ビームは第1光検出センサ60Aの配設位置たる第1センサ位置を通過して第1光検出センサ60Aから信号Hsyncが出力される。そして、第1光検出センサ60Aを通過した光ビームは有効走査領域ESRを第2方向(−X)に走査され、さらに第2光検出センサ60Bの配設位置たる第2センサ位置を通過する。この通過タイミングで第2光検出センサ60Bから信号Hsyncが出力される。そこで、2つの信号Hsyncを受け取った計測部113が両信号の時間差から走査時間Tp1を求める。
また、計測部113から走査時間Tp1に関する情報を受け取ったミラー駆動制御部111は走査時間Tp1に基づき第2方向(−X)側での最大振幅角θmaxを予測する(ステップS3)。そして、予測される最大振幅角θmaxがミラー破壊に至る程度の振幅角、つまり破壊限界角θth以上であるか否かをミラー駆動制御部111が判定する(ステップS4)。
この判定結果が「NO」であるときには、有効走査領域ESRを光ビームが復路走査するのに要する時間Tp2を計測する(ステップS5)。より具体的には、第2方向(−X)側で光ビームが第1方向(+X)に移動しながら有効走査領域ESRに向かって移動すると、該光ビームは第2光検出センサ60Bの配設位置たる第2センサ位置を通過して第2光検出センサ60Bから信号Hsyncが出力される。そして、第2光検出センサ60Bを通過した光ビームは有効走査領域ESRを第1方向(+X)に走査され、さらに第1光検出センサ60Aの配設位置たる第1センサ位置を通過する。この通過タイミングで第1光検出センサ60Aから信号Hsyncが出力される。そこで、2つの信号Hsyncを受け取った計測部113が両信号の時間差から走査時間Tp2を求める。
また、計測部113から走査時間Tp2に関する情報を受け取ったミラー駆動制御部111は走査時間Tp2に基づき第1方向(+X)側での最大振幅角θmaxを予測する(ステップS6)。そして、予測される最大振幅角θmaxが破壊限界角θth以上であるか否かをミラー駆動制御部111が判定する(ステップS7)。この判定結果が「NO」であるときには、そのままミラー駆動を継続するとともに、ステップS2に戻って上記一連の処理を繰り返す。
一方、ステップS4またはS7において、予測した最大振幅角θmaxが破壊限界角θth以上であると判定した際には、ミラー駆動制御部111は直ちに作動部652へのミラー駆動信号の出力を停止し、ミラー駆動を停止させる(ステップS8)。
以上のように、この実施形態によれば、光ビームが有効走査領域ESRを走査する前後で走査光ビームが第1および第2光検出センサ60A,60Bにより検出され、これらの検出結果により有効走査領域ESRを光ビームが走査する時間Tp1,Tp2が計測される。そして、その計測時間Tp1,Tp2に基づき有効走査領域ESRを走査した直後の光ビームの最大振幅角θmaxが予測され、該予想結果θmaxが破壊限界角θth以上となっている際には、直ちに偏向器65の駆動が停止される。その結果、ノイズや外乱などにより偏向器65の作動部652に対して不適切なミラー駆動信号が与えられたとしても、ミラーの駆動を停止させて偏向器65の破壊を確実に防止することができる。
なお、上記実施形態では、光ビームの往路側および復路側で走査時間を計測しているが、例えば図8に示すように往路走査時間Tp1のみを計測して往路走査直後の光ビームの最大振幅角θmaxを予測したり、逆に復路走査時間Tp2のみを計測し、復路走査直後の光ビームの最大振幅角θmaxを予測するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、ミラー駆動を停止するか否かの判断基準たるしきい値(本願発明の「所定値」に相当)θthを破壊限界に対応する角度に設定しているが、もちろんミラー破壊をより確実に防止するために、しきい値を破壊限界角よりも若干小さな値、つまり振幅目標値よりも大きく、かつ破壊限界角より小さな値に設定してもよい。
ところで、上記実施形態では、往路走査(または復路走査)に要する時間に基づき往路走査(復路走査)直後の光ビームの振幅を予想し、その予想結果に基づきミラー破壊の可能性を予測しているが、以下に詳述するように走査時間Tp1、Tp2の変動からミラー破壊の可能性を予測し、ミラー破壊を未然に防止するように構成してもよい。
図9はこの発明にかかる光走査装置の制御方法の他の実施形態を示すフローチャートである。また、図10は図9の実施形態における偏向器の振幅状態および検出信号の出力状態を示す図である。この実施形態では、上記のようにして振幅制御が開始されたことを確認する(ステップS11)と、先の実施形態と同様にして有効走査領域ESRを光ビームが往路走査するのに要する時間Tp1と、有効走査領域ESRを光ビームが復路走査するのに要する時間Tp2を計測する(ステップS12、S13)。そして、計測部113から走査時間Tp1,Tp2に関する情報を受け取ったミラー駆動制御部111は走査時間差ΔT(=Tp1−Tp2)を求める(ステップS14)。ここで、走査時間差ΔTを求める意味について説明する。
偏向器65の振幅が増大した場合には、振幅増大後の走査時間Tp1、Tp2が振幅増大前の走査時間よりも短くなり、走査時間の減少が認められる。しかも、共振型の偏向器(振動ミラー)65においては、ミラー駆動信号が変更されたとしても偏向器65の振幅が瞬間的に変動するわけではなく、往復走査を繰り返すごとに偏向器65の振幅は徐々に変化する。したがって、走査時間差、つまり走査時間の減少量ΔTを監視することで偏向器65の最大振幅角がミラー破壊に至る程度の振幅角、つまり破壊限界角に向けて増大していることを確認することができる。そこで、この実施形態では、減少量ΔT、つまり連続走査している間に走査時間が減少する割合を示す減少率を求め、その減少量(減少率)ΔTに基づき振幅変動を監視しておくことで偏向器65の最大振幅角がミラー破壊に至る程度の振幅角、つまり破壊限界角に向けて増大していることを予測し、その予想結果に応じて偏向器65の駆動を停止している。
図9に戻って説明を続ける。減少量ΔTが求まると、減少量ΔTが予め設定した臨界値ΔTth以上となっているか否か、つまり走査時間の減少率が大きくなり破壊限界に近づいているか否かを判定している(ステップS15)。そして、このステップS15で「NO」と判定されると、偏向器65の振幅変動はない、あるいは許容範囲であると判断し、そのままミラー駆動を継続するとともに、次の往路走査に要する時間Tp1を求め(ステップS16)、次式
減少量ΔT=Tp2−Tp1
に基づき減少量ΔTを求める(ステップS17)。そして、減少量ΔTが予め設定した臨界値ΔTth以上となっているか否か、つまり走査時間の減少率が大きくなり破壊限界に近づいているか否かを判定している(ステップS18)。そして、このステップS18で「NO」と判定されると、偏向器65の振幅変動はない、あるいは許容範囲であると判断し、そのままミラー駆動を継続するとともに、ステップS13に戻って上記一連の処理を繰り返す。
一方、ステップS15またはS18において、減少量ΔTがΔTth以上であると判定した際には、ミラー駆動制御部111は直ちに作動部652へのミラー駆動信号の出力を停止し、ミラー駆動を停止させる(ステップS19)。
以上のように、この実施形態によれば、有効走査領域ESRでの光ビームの走査ごとに第1および第2光検出センサ60A,60Bからの出力信号により有効走査領域ESRでの光ビームの走査時間Tp1,Tp2が計測される。そして、走査時間の減少量ΔTに基づき偏向器65の振幅変動を予測し、減少量ΔTが予め設定した臨界値ΔTth以上となっており、偏向器65の振幅変動がミラー破壊に向かっていると予想される際には、偏向器65の駆動が直ちに停止される。その結果、ノイズや外乱などにより偏向器65の作動部652に対して不適切なミラー駆動信号が与えられたとしても、ミラーの駆動を停止させて偏向器65の破壊を確実に防止することができる。
また、上記実施形態では、往路走査の走査時間Tp1と復路走査の走査時間Tp2との時間差(減少量)ΔTを本願発明の「減少率」として求めているが、往路走査ごとに走査時間Tp1の変動を本発明の「減少率」として求めたり、逆に復路走査ごとに走査時間Tp2の変動を本発明の「減少率」として求めてもよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、第2走査範囲SR2の両端部の各々に対応して光検出センサ60A,60Bが配置されているが、センサの個数や配置などについてはこれに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、1個の光検出センサ60Cと折り返しミラー69c〜69eで走査光ビームを検出するようにしてもよい。この場合、ミラー69c,69eおよび光検出センサ60Cにより本発明の「第1検出手段」が構成される一方、ミラー69dおよび光検出センサ60Cにより本発明の「第2検出手段」が構成されている。
また、上記実施形態では、タンデム方式のカラー画像形成装置の露光ユニットに本発明にかかる光走査装置を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、いわゆる4サイクル方式のカラー画像形成装置あるいは単色画像を形成するモノクロ画像形成装置の露光ユニットに本発明を適用することができる。また、光走査装置の適用対象は画像形成装置に装備される露光ユニットに限定されるものではなく、光ビームを被走査面上に走査させる光走査装置全般に適用することができる。
さらに、上記実施形態では、振動ミラーとしてマイクロマシニング技術を用いて形成された偏向器65を採用しているが、共振振動する振動ミラーを用いて光ビームを偏向して光ビームを走査させる光走査装置全般に本発明を適用することができる。
本発明にかかる光走査装置の一実施形態を装備した画像形成装置。 露光ユニット(光走査装置)の構成を示す主走査断面図。 図2の露光ユニットにおける光ビームの走査領域を示す図。 図2の露光ユニットおよび露光制御部の構成を示す図。 起動時における偏向器の基本的動作を示す図。 偏向器の振幅状態を示す図。 露光ユニット(光走査装置)の動作を示すフローチャート。 この発明の他の実施形態の動作を示すフローチャート。 この発明の別の実施形態の動作を示すフローチャート。 図9に示す実施形態における偏向器の振幅状態および検出信号の出力状態を示す図。 この発明のさらに別の実施形態の動作を示すフローチャート。
符号の説明
60A〜60C…光検出センサ(検出手段)、 65…偏向器(振動ミラー)、 111…ミラー駆動制御部(制御手段)、 651…偏向ミラー面、 Hsync…水平同期信号(出力信号)、 Ly,Lm,Lc,Lk…(走査)光ビーム、 Tp1,Tp2…走査時間、 X…主走査方向、 (+X)…第1方向、 (−X)…第2方向

Claims (7)

  1. 主走査方向において所定幅の有効走査領域上に光ビームを走査させる光走査装置であって、
    光ビームを射出する光源と、
    前記主走査方向とほぼ直交する駆動軸回りに共振振動する振動ミラーを有し、該振動ミラーによって前記光源から射出された光ビームを偏向して、前記有効走査領域に対応する第1走査範囲を含むとともに該第1走査範囲を超える、第2走査範囲で光ビームを走査する偏向手段と、
    前記主走査方向の第1方向側において、前記第2走査範囲内で、かつ前記第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを検出して信号を出力する第1検出手段と、
    前記第1方向と逆の第2方向側において、前記第2走査範囲内で、かつ前記第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを検出して信号を出力する第2検出手段と、
    前記第1および第2検出手段からの出力信号に基づき前記振動ミラーに与えるミラー駆動信号を制御して前記振動ミラーの振幅を調整する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記第1および第2検出手段からの出力信号により前記有効走査領域を光ビームが走査する時間を計測して前記有効走査領域を走査した直後の光ビームの振幅を予測し、該予想結果に応じて前記振動ミラーの駆動を停止することを特徴とする光走査装置。
  2. 前記制御手段は、走査時間から予想される光ビームの振幅が所定値以上であるときに前記振動ミラーの駆動を直ちに停止する請求項1記載の光走査装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記第1検出手段から出力信号が出力された後に前記第2検出信号から出力信号が出力されるまでの時間に基づき前記第1方向側から前記第2方向側に前記有効走査領域を走査する光ビームの走査時間を計測し、該走査時間に基づき前記第2方向側での該光ビームの振幅を予測する一方、
    前記第2検出手段から出力信号が出力された後に前記第1検出信号から出力信号が出力されるまでの時間に基づき前記第2方向側から前記第1方向側に前記有効走査領域を走査する光ビームの走査時間を計測し、該走査時間に基づき前記第1方向側での該光ビームの振幅を予測する請求項1または2記載の光走査装置。
  4. 主走査方向において所定幅の有効走査領域上に光ビームを走査させる光走査装置であって、
    光ビームを射出する光源と、
    前記主走査方向とほぼ直交する駆動軸回りに共振振動する振動ミラーを有し、該振動ミラーによって前記光源から射出された光ビームを偏向して、前記有効走査領域に対応する第1走査範囲を含むとともに該第1走査範囲を超える、第2走査範囲で光ビームを走査する偏向手段と、
    前記主走査方向の第1方向側において、前記第2走査範囲内で、かつ前記第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを検出して信号を出力する第1検出手段と、
    前記第1方向と逆の第2方向側において、前記第2走査範囲内で、かつ前記第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを検出して信号を出力する第2検出手段と、
    前記第1および第2検出手段からの出力信号に基づき前記振動ミラーに与えるミラー駆動信号を制御して前記振動ミラーの振幅を調整する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、光ビームが前記有効走査領域を走査されるごとに前記第1および第2検出手段からの出力信号により前記有効走査領域を光ビームが走査する時間を計測しながら、走査時間の変動に基づき光ビームの振幅変動を予測し、該予想結果に応じて前記振動ミラーの駆動を停止することを特徴とする光走査装置。
  5. 前記制御手段は、光ビームの走査ごとに走査時間が減少する割合を示す減少率が予め設定された臨界値以上になると、前記振動ミラーの駆動を停止する請求項4記載の光走査装置。
  6. 光源から射出される光ビームを共振振動ミラーにより主走査方向に偏向して有効走査領域上に光ビームを走査させる光走査装置であって、前記有効走査領域に対応する第1走査範囲を含むとともに該第1走査範囲を超える、第2走査範囲で光ビームを走査するように前記振動ミラーを駆動しながら、前記主走査方向の第1方向側において前記第2走査範囲内でかつ前記第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを第1検出手段により検出し、また前記第1方向と逆の第2方向側において前記第2走査範囲内でかつ前記第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを第2検出手段により検出し、前記第1および第2検出手段からの出力信号に基づき前記振動ミラーに与えるミラー駆動信号を制御して前記振動ミラーの振幅を調整する光走査装置の制御方法であって、
    前記第1および第2検出手段からの出力信号により前記有効走査領域を光ビームが走査する時間を計測する工程と、
    前記走査時間に基づき前記有効走査領域を走査した光ビームの振幅を予測する工程と、
    前記予想結果に応じて前記振動ミラーの駆動を停止する工程と
    を備えたことを特徴とする光走査装置の制御方法。
  7. 光源から射出される光ビームを共振振動ミラーにより主走査方向に偏向して有効走査領域上に光ビームを走査させる光走査装置であって、前記有効走査領域に対応する第1走査範囲を含むとともに該第1走査範囲を超える、第2走査範囲で光ビームを走査するように前記振動ミラーを駆動しながら、前記主走査方向の第1方向側において前記第2走査範囲内でかつ前記第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを第1検出手段により検出し、また前記第1方向と逆の第2方向側において前記第2走査範囲内でかつ前記第1走査範囲を外れた位置を移動する走査光ビームを第2検出手段により検出し、前記第1および第2検出手段からの出力信号に基づき前記振動ミラーに与えるミラー駆動信号を制御して前記振動ミラーの振幅を調整する光走査装置の制御方法であって、
    光ビームが前記有効走査領域を走査されるごとに前記第1および第2検出手段からの出力信号により前記有効走査領域を光ビームが走査する時間を計測する工程と、
    走査時間の変動に基づき光ビームの振幅変動を予測する工程と、
    前記予想結果に応じて前記振動ミラーの駆動を停止する工程と
    を備えたことを特徴とする光走査装置の制御方法。
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