JP2007037239A - マンホールの防水管補修工法及びマンホールの防水工法 - Google Patents

マンホールの防水管補修工法及びマンホールの防水工法 Download PDF

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Abstract

【課題】工事期間も短く、工事費用も安価で、かつ安全なマンホールの防水管補修工法を提供する。
【解決手段】マンホール内において、防水管2の腐食したフランジ部を取り除いた防水管2の開口縁に合わせて、別設の短筒の両端にフランジ部を有する割フランジ管4をケーブル3の左右から合わせて内壁面1aに固着し、ケーブル3の外周に巻きまわした定着シートの外周にFRPライニング材8を巻きまわして筒状に形成したものをケーブル3に沿って割フランジ管4内及び防水管2内に跨った位置まで挿入し、これらのものをその内側から、同じくケーブル3に沿って挿入した拡径チューブにより拡径させてFRPライニング材8を割フランジ管4内周面及び防水管2内周面に圧着させて固定し、その後、拡径チューブ及び定着シートを割フランジ管4内及び防水管2内から撤去する。
【選択図】図1

Description

この発明は、地中線等用のマンホール内の側壁に設け、当該マンホール内に、地中に埋設された管路のケーブルを引き込む、防水管の補修工法及び当該マンホールの防水工法に関するものである。
従来、地中には多くの電力線や通信線等のケーブルが埋設されている。これらのケーブルは、大小の鋼管等から成る保護管を多数接続した管路の中に挿通されている。これらの管路内に挿通されたケーブルは、一定の距離で、マンホール内に引き込まれて分岐や接続させたり、その他、各種の設備等に接続されている。
マンホール内にケーブルを引き込むために上記管路と接続する管として、図16に示すように、防水管2がある。この図16では、マンホールAの側壁1に多条の防水管2を設けている。この防水管2は、マンホールAの内壁面1aに一端を突出させ、その突出端にフランジ部2aを設け、このフランジ部2aの正面に、ケーブル防水装置(図示省略、以下同じ)の円盤状の板体を重ねて密閉し、この防水管2内に挿通されたケーブル3の周囲を塞いで、地中に浸み込んだ雨水等がこの防水管2の中を伝わってマンホールA内やケーブル防水装置内に浸入しないようにしている。
これらの防水管2は、鋳鉄等の金属から出来ているが、長年の使用により、特に上記フランジ部2aが腐食して破損することがあり、この様な場合、ケーブル防水装置の円盤状の板体による密閉も失われて、防水管2を通じて雨水等がマンホールA内やケーブル防水装置内に浸入し、これらに雨水等が溜まりケーブル3自体にも悪影響を及ぼしていた。また、ケーブル3の防水管2内の固定が不十分なものとなっていた。さらに、マンホールA内に雨水等が溜まった場合、これらの水をかき出してから作業をしなければならず、さらに、下水道に流すとなれば下水道局に申請する必要があり、手間が掛かると共に、費用も掛かる。
この様な場合、マンホールAの側壁1の防水管2を設けた外側の個所Bを掘削し、既設の上記防水管2を、当該防水管2及び管路9を胴締めしたコンクリートC及びマンホールAの側壁1ごと壊し、その後、新しい防水管をマンホールAの側壁1と共に新たに設けていた。
特開2000−283377号公報
しかしながら、この方法では、地面の掘削、防水管及び管路を胴締めしたコンクリートをマンホールの側壁ごと壊して新たに作り直すなど大ごとであり、工事期間も長くかかり、多大な費用を必要とする。また、この様な大々的な工事となっているため活線ケーブルが有る場合には、ほとんどこのケーブルの改修工事と共に補修工事を行うのが現状であった。そのため、ケーブルの改修工事を行なう時までは、防水管の補修については、放置されていることもしばしば見受けられた。さらに、活線ケーブルの場合、この様な工事を行うことは極めて危険なものとなっていた。また、この場合、既設のケーブルがあるため、割防水管を合わせて使用するためその継目からの漏水が考えられ、また、マンホールの躯体補修の継目からも漏水が考えられた。
そこで、この発明は、これらの点を鑑みて為されたもので、工事期間も短く、工事費用も安価で、かつ安全なマンホールの防水管補修工法を提供して上記課題を解決するものである。なお、この工法によれば、補修の場合に限らず、新しいマンホールの施工の際にも採用し得るものである。
請求項1の発明は、地中に埋設されたマンホールの側壁を通して設けられ、当該マンホールの内壁面側に突出した一端がフランジ部を有する防水管であって、ケーブルが挿通された当該防水管の経年使用による上記フランジ部の腐食又は損壊に対する補修工法において、当該マンホール内において、上記防水管の腐食又は損壊したフランジ部及びマンホールの内壁面に突出した部分を取り除き、当該フランジ部及びマンホールの内壁面に突出した部分を取り除いた防水管の開口縁に合わせて、別途設けた短筒の両端にフランジ部を有する割フランジ管を上記ケーブルの左右から合わせてマンホールの内壁面に固着する。当該ケーブルの外周に巻きまわした一定幅の定着シートの外周に一定幅のライニング材を巻きまわして筒状に形成したものを当該ケーブルに沿って当該割フランジ管内及び防水管内に跨った位置まで挿入し、これらのものをその内側から、同じくケーブルに沿って挿入した拡径チューブにより拡径させて上記ライニング材を上記割フランジ管内周面及び防水管内周面に圧着させて固定し、その後、上記拡径チューブ及び上記定着シートを上記割フランジ管内及び防水管内から撤去するマンホールの防水管補修工法とした。
請求項2の発明は、地中に埋設されたマンホールの側壁を通して設けられ、当該マンホールの内壁面近くに先端が位置するように設けられた管路であって、当該内壁面の管口の周囲の開口縁はアールを取って丸く設けられた、ケーブルが挿通された当該管路の防水工法において、上記マンホール内において、上記管口の開口縁に合わせて、別途設けた短筒の両端にフランジ部を有する割フランジ管を上記ケーブルの左右から合わせてマンホールの内壁面に固着し、当該ケーブルの外周に巻きまわした一定幅の定着シートの外周に一定幅のライニング材を巻きまわして筒状に形成したものを当該ケーブルに沿って当該割フランジ管内及び管路内に跨った位置まで挿入し、これらのものをその内側から、同じくケーブルに沿って挿入した拡径チューブにより拡径させて上記ライニング材を上記割フランジ管内周面及び管路内周面に圧着させて固定し、その後、上記拡径チューブ及び上記定着シートを上記割フランジ管内及び管路内から撤去するマンホールの防水工法とした。
請求項3の発明は、地中に埋設されるマンホールの防水工法において、上記マンホールの施工時に、当該マンホールの側壁の施工位置であって当該側壁の内壁面に相当する位置に、ケーブルを挿通する管路の先端を位置させて当該側壁を形成し、当該側壁の内壁面にある管路の開口縁に合わせて、別途設けた短筒の両端にフランジ部を有するフランジ管を当該内側壁に固着し、巻きまわした一定幅の定着シートの外周に一定幅のライニング材を巻きまわして筒状に形成したものを当該フランジ管内及び管路内に跨った位置まで挿入し、これらのものをその内側から拡径チューブにより拡径させて上記ライニング材を上記フランジ管内周面及び管路内周面に圧着させて固定し、その後、上記拡径チューブ及び上記定着シートを上記フランジ管内及び管路内から撤去するマンホールの防水工法とした。
請求項4の発明は、上記割フランジ管又はフランジ管は、短筒の一端にフランジ状の板体を設け、他端に環状フランジを設けて構成し、当該割フランジ管又はフランジ管をマンホールの内壁面に固着の際、当該割フランジ管又はフランジ管の開口部をマンホールの内壁面の防水管又は管口の開口部に合わせてフランジ状板体をマンホールの内壁面に当接させ、当該フランジ状板体に設けた貫通孔にアンカーボルトを嵌め入れて固定する上記請求項1に記載のマンホールの防水管補修工法、又は上記請求項2、3の何れかに記載のマンホールの防水工法とした。
請求項5の発明は、上記ライニング材は、FRPプリプレグである上記請求項1、4の何れかに記載のマンホールの防水管補修工法、又は上記請求項2、3、4の何れかに記載のマンホールの防水工法とした。また、請求項6の発明によれば、上記拡径チューブは、帯状のものでケーブル外周に巻きまわし、別途設けたコンプレッサよりエアホースを介して拡径チューブを膨らます構成としたことを特徴とする、上記請求項1、4、5の何れかに記載のマンホールの防水管補修工法、又は上記請求項2、3、4、5の何れかに記載のマンホールの防水工法。
請求項1の発明によれば、既設の防水管のフランジ部にほぼ近い構成から成る、分割可能な割フランジ管を設けて、これを既設の防水管の補修工事に使用したので、ケーブルが挿通されているマンホール内の防水管の補修工事であっても、安全に、防水管の補修工事が出来る。さらに、この割フランジ管と既設の防水管にまたがって内周面にライニング材を固着して、防水効果を上げると共に内周面を平滑化し、挿通したケーブルを保護している。また、新たにマンホール脇の地面を掘削する必要がなく、マンホール内から施工出来ることにより、大幅なコストダウンにつながり、施工日数も大幅に短縮することが出来る。また、割防水管を使用せず、マンホールの躯体補修も行わないので漏水の恐れがない。その結果、随時、必要なときに防水管の補修工事が行え、極めて効率的であり、地中線の敷設や維持に大きく貢献するものである。
請求項2の発明によれば、内壁面の管口の周囲の開口縁をアールを取って丸く設け、ケーブルが挿通されたマンホールであっても、この割フランジ管を使用して、防水管を使用せず、安全、安価、かつ容易にマンホールの防水処置を行うことが出来、また、管路内周面を平滑化しケーブルを保護することが出来る。さらに、請求項3の発明によれば、新しくマンホールを施工する場合でも、このフランジ管を使用して、防水管を使用せず、安全、安価、かつ容易にマンホールの防水処置を行うことが出来る。また、従来は、マンホールの側壁のコンクリート打設の際、フランジ部を設けた防水管を一体に形成するため、側壁を形成する型枠を多数分割して設けるため手間がかかっていたが、この発明では、マンホールの側壁を形成する際、フランジ部を有する防水管を側壁と一体に設けないため、マンホールの側壁を形成するコンクリートの型枠を簡素化することが出来る。
さらに、請求項4の発明によれば、短筒の両端にフランジ部を設けてなる割フランジ管又はフランジ管を使用して、マンホールの防水管補修等を行うので、従来の防水管を使用せず、マンホールの側壁を壊す必要も無く、上記工事を安価で、日数もかからず、容易に行うことが出来る。また、請求項5の発明によれば、上記ライニング材は、FRPプリプレグとしたので、短時間でより確実に当該ライニング材を固着することが出来、当該工法をより効果的にするものである。さらに、請求項6の発明によれば、上記拡径チューブは、帯状のものでケーブル外周に巻きまわし、別途設けたコンプレッサよりエアホースを介して拡径チューブを膨らます構成としたので、狭い管路内に容易に挿入出来ると共に、容易に拡径チューブを膨らませて拡径させることが出来、確実にライニング材を割フランジ管等の内周面に圧着させることが出来、この工法の信頼性を高めるものである。
地中に埋設されたマンホールの側壁を通して設けられ、当該マンホールの内壁面側に突出した一端がフランジ部を有する防水管であって、ケーブルが挿通された当該防水管の経年使用による上記フランジ部の腐食又は損壊に対する補修工法において、当該マンホール内において、上記防水管の腐食又は損壊したフランジ部及びマンホールの内壁面に突出した部分を取り除き、当該フランジ部及びマンホールの内壁面に突出した部分を取り除いた防水管の開口縁に合わせて、別途設けた短筒の両端にフランジ部を有する割フランジ管を上記ケーブルの左右から合わせてマンホールの内壁面に固着する。
当該ケーブルの外周に巻きまわした一定幅の定着シートの外周に一定幅のライニング材を巻きまわして筒状に形成したものを当該ケーブルに沿って当該割フランジ管内及び防水管内に跨った位置まで挿入し、これらのものをその内側から、同じくケーブルに沿って挿入した拡径チューブにより拡径させて上記ライニング材を上記割フランジ管内周面及び防水管内周面に圧着させて固定し、その後、上記拡径チューブ及び上記定着シートを上記割フランジ管内及び防水管内から撤去する。
以下、この発明の実施例1を図に基づいて説明する。
まず、この発明のマンホールの防水管の補修工法について説明する。図2に示すのは、地中に設けられた既設の地中線用のマンホールAの断面図である。このマンホールAの右側の側壁1には、9条(3×3)の既設の防水管2(図2では、3条のみ記載)があり、これらの防水管2によって、このマンホールAの外側から複数のケーブル3がマンホールA内に引き込まれている。
これらの既設の防水管2のマンホールA側にあるフランジ部2a及び防水管2の一部は、経年の使用により、全体又はその一部が腐食して破損し、当該フランジ部2aの開口面に装着されたケーブル防水装置(図示省略)の円盤状の板体も壊れ、防水管2の防水が破れて当該防水管2を通じてマンホールA内にマンホールAの外の雨水や地下水などが浸入し易い状態となっている。
最初に、マンホールA内において、残っているフランジ部2a及び防水管2の一部を撤去してマンホールAの内壁面1aに防水管2の開口部が残るようにする。その際、この防水管2には、ケーブル3が挿通されているので、このケーブル3を傷つけないように作業を行う。
そして、上記防水管2の開口部の端縁に合わせ、別途設けた二つ割フランジ管4(以下、「割フランジ管」という。)を取付ける。この割フランジ管4は鋳鉄製で、図3乃至5に示すように、短筒4jの一端に正方形状でフランジ状の板体4aを設け、他端に環状フランジ部4cを設け、短筒4jの内側は、円形状の開口部4bとして設けている。この環状フランジ部4cの外周縁には等間隔で多数の略半楕円のボルト溝4dを設けている。そして、これらの板体4a、フランジ部4c及び短筒4jは、左右に二つ割りになっている。
また、板体4aの四隅には貫通孔4eを夫々穿って設けている。さらに、この割フランジ管4における板体4aと環状フランジ部4cの間の短筒4jの二つ割りの当接面外周に夫々リブ4fを設け、これらのリブ4fの略中央部に夫々貫通孔を穿ち、この割フランジ管4を左右から当接させた際、これらの二分割された各部分を固定するために上記リブ4fの貫通孔の一方からボルト4gを挿通し、他方から当該ボルト4gの突出部をナット4hで螺着する。
この様な割フランジ管4を左右の二つに分離し、ケーブル3を、図6に示すように、左右から挟んで、割フランジ管4の板体4aの開口縁を防水管2の開口縁に当接させ、割フランジ管4の板体4aの裏面を防水管2の開口縁の周囲の内壁面1aに当接させる。そして、板体4aの四隅の貫通孔4eに夫々アンカーボルト5を嵌め入れてマンホールAの内壁面1a内に螺着して、この割フランジ管4を取り付ける。
その後、マンホールA内の割フランジ管4の手前にあるケーブル3の一定個所の周囲に、図7に示すように、別途設けた、一定幅の長方形状から成る拡径チューブ6を巻き回して設ける。この拡径チューブ6は、内部にエアを送り込むと膨らむものである。また、この拡径チューブ6には、拡径チューブ6内に圧縮エアを送り込むためのエアホース6aが接続されて伸びている。
この拡径チューブ6の外周に、図8に示すように、長方形状に設けたテフロン(登録商標)製の定着シート7を巻き回して被覆する。さらに、この定着シート7の外周に、図9に示すように、この定着シート7の幅より短い幅で既設の防水管2の内周の長さを有する長方形状のFRPライニング材8を巻き回して筒状に設ける。
このFRPライニング材8は、例えば、図10に示すように、ロービングクロス8a(縦横に編み込んだガラス繊維)を上下からチョップドストランドマット8b(ガラス繊維の不織布)で挟んで成したガラスマットに、特殊熱硬化性樹脂(エポキシ系樹脂)を含浸させて形成したFGRPのプリプレグや、その他通常のFRPに熱硬化性樹脂を含浸させて形成したFRPプリプレグである。これらのプリプレグは、常温では2〜3時間で硬化するが、加熱することにより硬化を早めることも出来る。
この様に、FRPライニング材8で巻きまわした定着シート7及び拡径チューブ6をケーブル3上を移動させて、図11に示すように、上記割フランジ管4内及び防水管2内に挿入する。そして、この状態で、この拡径チューブ6内に、別途設けたコンプレッサからエアホース6aを通して圧縮エアを送ってこの拡径チューブ6を膨張拡径させて上記定着シート7を拡径して、図1に示すように、FRPライニング材8を割フランジ管4の内周面及び防水管2の内周面にまたがらせて圧着させて固定する。その後、拡径チューブ6の圧縮エアを抜き、拡径チューブ6を定着シート7と共にケーブル3上を移動させて上記防水管2から撤去する。
この様にして、マンホールA内において、側壁1に設けた既設の防水管2の腐食して破損したフランジ部2a等を補修し、さらに、新たに取り付けた割フランジ管4の正面にケーブル防水装置の円盤状の板体を当接させ、この板体に予め設けられた貫通孔を割フランジ管4の環状フランジ部4cの外周縁に設けたボルト溝4dの位置に合わせ、これらに正面からボルト(図示省略)を通し、裏側でナット(図示省略)で締め付けて固定する。こうして、破損された防水管2の防水機能を再び設けることが出来る。
この様に、この実施例1によれば、ケーブル3が挿通されているマンホールA内の防水管2の補修工事であっても、防水管2の補修が出来る。また、新たにマンホールA脇の外側の個所Bの地面を掘削する必要がなく、マンホールA内から施工出来ることにより、大幅なコストダウンにつながり、施工日数も大幅に短縮することが出来る。例えば、4条の管路を全て補修する場合、上記従来の方法による施工では、工事期間は約30日であったが、この実施例1の工法によれば、工事期間は4日であった。この様に、工事期間は26日の短縮となった。さらに、施工完了後は、マンホールAの防水性及び防水管2の材質を環境に適合させることにより信頼性が向上するものと考えられる。
次に、この発明の実施例2を図に基づいて説明する。
上記実施例1と重複する構成については、その説明を省略し、異なる構成についてのみ述べる。この実施例2では、図12に示すように、既設のマンホールAであって、防水管2が埋設されておらず、管路9の先端が側壁1に設けた一端がラッパ口の貫通孔内に挿通され、この管路9の先端からケーブル3がマンホールA内に引き込まれている場合においても、この割フランジ管4を使用して防水処置を施すことが出来る。
この場合、マンホールAの内壁面1aには、管路9の先端が露出しているが、この管路9の先端は、内壁面1aから一段奥に位置しており、内壁面1aにおける開口縁の周囲の個所1bは、アールをとって丸く設けられ、いわゆるラッパ口を形成している。これは、マンホールA内において、管路9の先端から伸ばされたケーブル3が、内壁面1aの開口縁の角ばった個所によって傷付かない様にするためである。
この様な場合も、上記実施例1と同様に、二つに分離した割フランジ管4によって、ケーブル3を左右から挟んで合わせ、割フランジ管4の板体4aの開口縁を管路9の開口縁の位置に合わせ、さらに、割フランジ管4の板体4aの裏面を管路9の開口縁の周囲の内壁面1aに当接させる。そして、板体4aの四隅の貫通孔4eに夫々アンカーボルト5を嵌め入れてマンホールAの内壁面1a内に螺着して、この割フランジ管4を取り付ける。
この後、割フランジ管4の内周面及び管路9の内周面に、拡径チューブ6と定着シート7を使用してFRPライニング材8を固定して防水するのは、上記と同様である。また、この時、図12に示すように、管路9の開口縁と割フランジ管4の板体4aの裏側との間に隙間が生じているが、上記FRPライニング材8を設けることにより、支障なく、防水及び内面処理をすることが出来る。
さらに、この発明の実施例3を図に基づいて説明する。
上記実施例1又は2と重複する構成については、その説明を省略し、異なる構成についてのみ述べる。この実施例3では、マンホールAを新設する際、防水管2を使用しないで、フランジ管のみを使用して、マンホールA内の防水を行う工法を説明する。
この実施例3では、新しいマンホールAの側壁1の施工時に、図13に示すように、この側壁1の施工位置であって、この側壁1の内壁面1aに相当する位置に、管路9の先端を位置させて当該側壁1を形成する。その際、コンクリートの型枠は、フランジ部を有する防水管を設けないため、マンホールの側壁1を形成するコンクリートの型枠を簡素化することが出来る。また、この実施例3において使用するフランジ管4´は、二つ割りのものではなく、一体に形成されたものであり、二つ割り以外の構成については、上記割フランジ管4と同様のものである。
この施工した側壁1の内壁面1aにある管路9の開口縁にフランジ管4´の板体4aの開口縁を当接させ、さらに、フランジ管4´の板体4aの裏面を管路9の開口縁の周囲の内壁面1aに当接させ、板体4aの四隅の貫通孔4eに夫々アンカーボルト5を嵌め入れてマンホールAの内壁面1a内に螺着して取り付ける。この後、フランジ管4´の内周面及び管路9の内周面に、拡径チューブ6と定着シート7を使用してFRPライニング材8を固定して防水するのは、上記と同様である。
さらに、図14及び図15に示すように、既設のマンホールAであって、側壁1に新たに管路9のための管口を増設する場合においても、このフランジ管4´を使用して防水処置を施すことが出来る。
この場合、マンホールAの側壁1の管路9を設ける箇所を切削して貫通孔10を設け、この貫通孔10の内壁面1a側の管口にフランジ管4´の開口縁の位置を合わせ、さらに、フランジ管4´の板体4aの裏面を管路9の管口の周囲の内壁面1aに当接させ、この板体4aの四隅の貫通孔4eに夫々アンカーボルト5を嵌め入れてマンホールAの内壁面1a内に螺着して取り付ける。
また、ここでは、マンホールAの側壁1の外側を掘削して貫通孔10の外側の開口部に位置する個所に、特殊異物継手11を取付けて管路9を接続固定している。この特殊異物継手11は、短筒の一端に正方形状でフランジ状の板体を設け、短筒の内側は円形状の開口部として設け、この短筒の内周には段部を設けている。この特殊異物継手11を外壁面1cに取り付ける方法は、上記割フランジ管4やフランジ管4´と同様である。
この後、フランジ管4´の内周面、貫通孔10の内周面及び特殊異物継手11の内周面に、拡径チューブ6と定着シート7を使用してFRPライニング材8を固定して防水するのは、上述の通りである。
なお、上記実施例1では、割フランジ管4は鋳鉄製としているが、FRPによって設けても良い。また、割フランジ管4にケーブル防水装置の円盤状の板体を取付けるのに、板体の貫通孔と割フランジ管4の環状フランジ部4cの外周縁に設けたボルト溝4dにボルトを通し、ナットで締め付けて固定しているが、割フランジ管4の環状フランジ部4cの外周縁に設けるのはボルト溝4dに限らず、貫通孔から成るボルト孔でもよい。
また、上記実施例1では、FRPライニング材8を割フランジ管4の内周面及び防水管2の内周面に圧着させて固定する方法としては、割フランジ管4及び防水管2の外側において、拡径チューブ6、定着シート7及びFRPライニング材8をまとめて一度に巻きまわして重ねているが、これらの他、割フランジ管4の手前にあるケーブル3の一定個所の外周を、隙間を空けて、定着シート7で巻き回して設け、さらに、この定着シートの外周にFRPライニング材8で巻き回して筒状に設ける。この様に、FRPライニング材8で巻きまわした定着シート7をケーブル3上を移動させて上記割フランジ管4内及び防水管2内に挿入する。その後、この割フランジ管4の手前にあるケーブル3の一定個所に、拡径チューブ6を巻き回して設け、この拡径チューブ6をケーブル3上を移動させて上記割フランジ管4内及び防水管2内の定着シート7とケーブル3との隙間に挿入するようにしても良い。
さらに、上記実施例1及び2において、割フランジ管4を使用し、上記実施例3ではフランジ管4´を使用しているが、もちろん、実施例3において、フランジ管4´に代えて割フランジ管4を使用しても良い。また、上記実施例1又は3において、フランジ部2aを撤去した防水管2又は管路9の開口縁に、この割フランジ管4又はフランジ管4´を設けるのに、必ずしも割フランジ管4やフランジ管4´の板体4aの開口縁を防水管2又は管路9の各開口縁に当接させる必要は無く、ほぼ近い位置にあれば、FRPライニング材8の圧着により、支障なく、防水される。
さらに、上記実施例1及び2では、ケーブル3を用いて説明しているが、この発明の工法が使用出来るものであれば、電力線や通信線等のケーブル、その他の配線等のマンホールにも使用できるものである。
この発明の実施例1の割フランジ管を使用して既設の防水管を補修した状態を示す断面図である。 この発明の実施例1において、マンホールで既設の防水管のフランジ部等が侵食して破損している状態を示す一部断面図である。 この発明の実施例1に使用する割フランジ管の正面図である。 この発明の実施例1に使用する割フランジ管の右側面図である。 この発明の実施例1に使用する割フランジ管の平面図である。 この発明の実施例1のマンホール内において、防水管の開口部の手前の位置で、二つに分割された割フランジ管により左右からケーブルを挟みつつある状態を示す斜視図である。 この発明の実施例1の収縮している拡径チューブにエアを給気することにより膨張して拡径する様子を示す説明図である。 この発明の実施例1の定着シートを巻きまわして筒状に設ける様子を示す説明図である。 この発明の実施例1の巻きまわした定着シートの外周にFRPライニング材を巻きまわして設けている状態を示す説明図である。 この発明の実施例1のFRPライニング材の全体及びその構造を示す説明図である。 この発明の実施例1の割フランジ管内及び防水管内のケーブルの外周に、巻きまわした拡径チューブの外周に定着シートを巻きまわし、さらに、その外周にFRPライニング材を巻きまわしたものを位置させた状態を示す正面図である。 この発明の実施例2であって、割フランジ管を、防水管を設けていない管路の防水に使用した状態を示す断面図である。 この発明の実施例3のフランジ管を使用して、新設のマンホールの施工時に防水管を使用しないでマンホールの側壁を施工した状態を示す断面図である。 この発明の実施例3の他の例であって、既設のマンホールの内壁面に新たに管路を増設すべく、側壁に貫通孔を設け、フランジ管を取り付け、側壁の外壁面に特殊異物継手を使用して管路を接続している状態を示す断面図である。 この発明の実施例3の他の例であって、既設のマンホールの内壁面に新たに管路を増設すべく、側壁に貫通孔を設け、フランジ管を取り付け、側壁の外壁面に特殊異物継手を使用して管路を接続し、防水及び内面処置した状態を示す断面図である。 従来のマンホールであって、防水管を使用してケーブルをこのマンホール内に引き込んでいる状態を示す一部断面図である。
符号の説明
A マンホール
1 側壁 1a 内壁面
2 防水管 2a フランジ部
3 ケーブル 4 割フランジ管
4´ フランジ管 4a 板体
4b 開口部 4c 環状フランジ部
6 拡径チューブ 7 定着シート
8 FRPライニング材 9 管路

Claims (6)

  1. 地中に埋設されたマンホールの側壁を通して設けられ、当該マンホールの内壁面側に突出した一端がフランジ部を有する防水管であって、ケーブルが挿通された当該防水管の経年使用による上記フランジ部の腐食又は損壊に対する補修工法において、
    当該マンホール内において、上記防水管の腐食又は損壊したフランジ部及びマンホールの内壁面に突出した部分を取り除き、当該フランジ部及びマンホールの内壁面に突出した部分を取り除いた防水管の開口縁に合わせて、別途設けた短筒の両端にフランジ部を有する割フランジ管を上記ケーブルの左右から合わせてマンホールの内壁面に固着し、
    当該ケーブルの外周に巻きまわした一定幅の定着シートの外周に一定幅のライニング材を巻きまわして筒状に形成したものを当該ケーブルに沿って当該割フランジ管内及び防水管内に跨った位置まで挿入し、これらのものをその内側から、同じくケーブルに沿って挿入した拡径チューブにより拡径させて上記ライニング材を上記割フランジ管内周面及び防水管内周面に圧着させて固定し、その後、上記拡径チューブ及び上記定着シートを上記割フランジ管内及び防水管内から撤去することを特徴とする、マンホールの防水管補修工法。
  2. 地中に埋設されたマンホールの側壁を通して設けられ、当該マンホールの内壁面近くに先端が位置するように設けられた管路であって、当該内壁面の管口の周囲の開口縁はアールを取って丸く設けられた、ケーブルが挿通された当該管路の防水工法において、
    上記マンホール内において、上記管口の開口縁に合わせて、別途設けた短筒の両端にフランジ部を有する割フランジ管を上記ケーブルの左右から合わせてマンホールの内壁面に固着し、
    当該ケーブルの外周に巻きまわした一定幅の定着シートの外周に一定幅のライニング材を巻きまわして筒状に形成したものを当該ケーブルに沿って当該割フランジ管内及び管路内に跨った位置まで挿入し、これらのものをその内側から、同じくケーブルに沿って挿入した拡径チューブにより拡径させて上記ライニング材を上記割フランジ管内周面及び管路内周面に圧着させて固定し、その後、上記拡径チューブ及び上記定着シートを上記割フランジ管内及び管路内から撤去することを特徴とする、マンホールの防水工法。
  3. 地中に埋設されるマンホールの防水工法において、
    上記マンホールの施工時に、当該マンホールの側壁の施工位置であって当該側壁の内壁面に相当する位置に、ケーブルを挿通する管路の先端を位置させて当該側壁を形成し、当該側壁の内壁面にある管路の開口縁に合わせて、別途設けた短筒の両端にフランジ部を有するフランジ管を当該内側壁に固着し、巻きまわした一定幅の定着シートの外周に一定幅のライニング材を巻きまわして筒状に形成したものを当該フランジ管内及び管路内に跨った位置まで挿入し、これらのものをその内側から拡径チューブにより拡径させて上記ライニング材を上記フランジ管内周面及び管路内周面に圧着させて固定し、その後、上記拡径チューブ及び上記定着シートを上記フランジ管内及び管路内から撤去することを特徴とする、マンホールの防水工法。
  4. 上記割フランジ管又はフランジ管は、短筒の一端にフランジ状の板体を設け、他端に環状フランジを設けて構成し、当該割フランジ管又はフランジ管をマンホールの内壁面に固着の際、当該割フランジ管又はフランジ管の開口部をマンホールの内壁面の防水管又は管口の開口部に合わせてフランジ状板体をマンホールの内壁面に当接させ、当該フランジ状板体に設けた貫通孔にアンカーボルトを嵌め入れて固定することを特徴とする、上記請求項1に記載のマンホールの防水管補修工法、又は上記請求項2、3の何れかに記載のマンホールの防水工法。
  5. 上記ライニング材は、FRPプリプレグであることを特徴とする、上記請求項1、4の何れかに記載のマンホールの防水管補修工法、又は上記請求項2、3、4の何れかに記載のマンホールの防水工法。
  6. 上記拡径チューブは、帯状のものでケーブル外周に巻きまわし、別途設けたコンプレッサよりエアホースを介して拡径チューブを膨らます構成としたことを特徴とする、上記請求項1、4、5の何れかに記載のマンホールの防水管補修工法、又は上記請求項2、3、4、5の何れかに記載のマンホールの防水工法。
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