JP2007037091A - 通信システムおよびそのタイミング制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】送信器におけるタイミングを最適化し、正しいタイミングで安定した情報伝送を可能にする通信システム、タイミング制御方法を提供する。
【解決手段】受信器20のタイミング制御部240の指示により、送信器10の位相変調器102を駆動するタイミングCLKを1ステップずつシフトさせ、受信器20でそのときのクロックシフト量と干渉結果をモニタしてメモリ250に記録する。記録したデータから最適タイミングを決定することによって、送信器10の位相変調を駆動するクロックが正しいタイミングに設定することができる。これは光信号のチャネルとクロック信号のチャネルとを波長分割多重伝送した場合に生じる波長分散による群速度分散を補償したことに相当する。
【選択図】図1

Description

本発明は通信システムに係り、特に通信装置の動作タイミングを決定するための方法および装置に関する。
光通信の分野において、量子暗号鍵配布システムは伝送路の高秘匿性を実現するものとして近年盛んに研究されており種々の提案がなされている。
基本的なものとしては、Bennett, Brassardの論文(非特許文献1)に、2通りの基底を用いて送信器および受信器で量子暗号鍵を共有するシステムが提案されている。この提案によれば、送信器において、量子の状態を表す2通りの基底(D,R)と2値の乱数データ(0,1)との組み合わせによる計4通りの情報を用いて光子を位相変調し送信する。受信器では、送信器とは独立した基底(D,R)で光子を受信して受信データを保存する。その後、通常のチャネルを用いて送信時と受信時の基底が同じであるか否かを検証し、同じ基底の受信データだけから最終的な共有秘密データを決定する。
特に、スイスのジュネーブ大学で提案されたPlug&Play方式の量子暗号鍵配布システム(非特許文献2)は、光ファイバ伝送路における偏光の揺らぎを補償することができるため、偏光に敏感な量子暗号鍵配布システムを実用化するための方式として期待されている。Plug&Play方式の概略的構成を図23に示す。
図23に示すように、Plug&Play方式では、量子暗号鍵を受信する受信器に設けられたレーザLDが光パルスPを生成する。光パルスPは光カプラにより2分割され、一方の光パルスP1は短いパス(Short Path)を、他方の光パルスP2は長いパス(Long Path)をそれぞれ通ってダブルパルスとして送信器へ送信される。
送信器にはファラデーミラーと位相変調器Aが設けられ、受信した光パルスP1およびP2はファラデーミラーで反射することで偏光状態が90度回転して受信器へ返送される。その際、位相変調器Aは光パルスP2が通過するタイミングで光パルスP2を位相変調し、位相変調された光パルスP2*aが受信器へ返送される。
受信器の偏光ビームスプリッタPBSは、送信器から受信した光パルスP1およびP2*aの偏光状態が90度回転していることから、これら受信パルスをそれぞれ送信時とは異なるパスへ導く。すなわち受信した光パルスP1は長いパスを通り、位相変調器Bを通過するタイミングで位相変調され、位相変調された光パルスP1*bが光カプラに到達する。他方、送信器で位相変調された光パルスP2*aは送信時とは異なる短いパスを通って同じく光カプラに到達する。したがって、送信器側で位相変調された光パルスP2*aと受信器側で位相変調された光パルスP1*bとが干渉し、その結果が光子検出器APD0またはAPD1により検出される。なお、光子検出器としてはアバランシェ・フォトダイオード(Avalanche Photo Diode)が用いられ、ガイガーモードで駆動される。
このように、受信器で発生した1つの光パルスが2分割され、それにより得られたダブルパルスP1およびP2が受信器と送信器との間でそれぞれ変調を受けながら往復し、全体として同じ光パスを通過して干渉する。したがって、光子検出器APD0またはAPD1で観測される干渉結果は光ファイバ伝送路の遅延変動が相殺され、送信器での位相変調量と受信器での位相変調量との差に依存するものとなる。
このような構成を有するPlug&Play方式では次のような同期をとる必要がある。(1)送信器では、受信器から送られた光パルスP2が通過するタイミングに合わせて位相変調器Aに位相変調量に応じた電圧を印加する必要がある。
(2)受信器では、送信器から反射されてきた光パルスP1が通過するタイミングに合わせて位相変調器Bに位相変調量に応じた電圧を印加する必要がある。
(3)さらに、受信器では、戻ってきた光パルスの入射タイミングに合わせて光子検出器APD0およびAPD1にバイアスを印加する必要がある(ガイガーモードでの超高感度受信)。
このように、量子暗号鍵配布システムにおいて実際に高い干渉特性を実現して量子暗号鍵を安定して生成するためには、送信側の位相変調器A、受信側の位相変調器Bおよび光子検出器APDを光パルスが到達するタイミングに合わせて駆動するというタイミング制御が不可欠である。
これが通常の光通信であれば特に問題となることはないが,量子暗号鍵配布システムではパルス当たりのフォトン数が1個以下と非常に少なく、送信器から送信したデータは伝送路の損失によって消滅し受信器へはほとんど届かない上、届くデータは確率によって決まるので光子をリタイミングできない。そこで、鍵配布を行う量子信号とは別に、クロックを供給するクロック信号を送信器と受信器の間で授受することによりタイミングを合わせる方式が採用されている。
ただし、クロック信号を光伝送路を通して送受信する場合であっても、光伝送路の伸縮を考慮しなければならない。例えば,距離20kmの光ファイバの環境温度が10°C上昇すると3.2mの伸長が起こる。この伸長量は、システムクロックが62.5MHzの場合、1ビットに相当する。
光伝送路の伸縮に起因する量子信号と同期信号とのタイミングのズレは、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)技術を用いて量子信号とクロック信号とを波長多重し同じ伝光送路上を伝搬させることで回避することができる。
例えば、特表平08−505019号公報(特許文献1)には、古典チャネルを利用してビット同期その他システムの較正を行う方法が提案されている。特許文献1に記載された方法では、同一の伝送路に量子チャネルと古典チャネルとを設け、古典チャネルを利用して光パワーの微弱な量子チャネルのクロック同期を行っている(6ページ4行〜27行、Fig. 4参照)。
"QUANTUM CRYPTOGRAPHY, PUBLIC KEY DISTRIBUTION AND COIN TOSSING" IEEE Int. Conf. on Computers, Systems, and Signal Processing, Bangalore, India, pp.175-179, Bennett, Brassard "Automated 'plug & play' quantum key distribution", Electronics Letters, Vol.34, No.22, p2116-2117, G. Ribordy 特表平08−505019号公報(6ページ4行〜27行、Fig.4参照)
しかしながら、波長分割多重伝送で量子信号とクロック信号とを伝送すると、波長が異なるチャネル間で群速度分散(GVD: Group Velocity Dispersion)が異なるため伝播遅延差が生じ、依然として、量子信号とクロック信号の間にタイミングずれが生じてしまう。このようなチャネル間の伝播遅延差は、異なるチャネル信号間で同期をとるシステムにとって解決すべき重要な課題である。
また、上述した量子暗号鍵配布システムのような位相変調を利用して情報を送信するシステムの場合、送信器の位相変調器を駆動するタイミングが正しいかどうかは、受信器での検出結果を参照しない限り判断できない。したがって、たとえ伝送遅延差を補償したクロックで位相変調器を駆動する場合であっても、その補償した結果が正しいかどうかは受信器での受信結果を参照しない限り決定できない。
そこで本発明の目的は上記従来の課題を解決することにある。特に、送信器におけるタイミングを最適化し、正しいタイミングで安定した情報伝送を可能にする通信システム、タイミング制御方法を提供する。
さらに、位相変調を施される光信号とクロック信号とを波長分割多重伝送した場合の群速度分散を補償し、位相変調器を正しいタイミングで駆動して高速で安定した暗号鍵の配布を可能にする光通信システムを提供する。
本発明による通信システムは複数の通信チャネルを通して第1通信器と第2通信器との間で情報伝送を行うものであり、前記第1通信器は、与えられた変調タイミングに従って送信すべき原情報により搬送信号を変調し一の通信チャネルを通して送信する変調手段と、前記変調タイミングを変更可能なタイミング供給手段と、を有し、前記第2通信器は、 前記一の通信チャネルを通して受信した信号を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記第1通信器の前記変調タイミングを別の通信チャネルを通して制御するタイミング制御手段と、を有する。
前記第2通信器は、前記検出手段に検出タイミングを供給する検出タイミング供給手段を更に含み、前記タイミング制御手段は、前記変調タイミングの制御終了後に、前記検出手段の検出結果に基づいて前記検出タイミングを制御することが望ましい。前記タイミング制御手段は、前記変調タイミングを時間軸上でずらしながら前記検出手段の検出結果を監視し、所望の検出結果が得られる変調タイミングを検索する。また、前記タイミング制御手段は、前記検出タイミングを時間軸上でずらしながら前記検出手段の検出結果を監視し、所望の検出結果が得られる検出タイミングを検索する。
このように、第1通信器の変調タイミングは第2通信器から制御され、第2通信器は制御した変調タイミングによる検出結果をモニタすることで、第2通信器の変調タイミングを容易に最適化することができる。
前記第1通信器は、前記変調手段による変調の深さを変更可能な第1制御手段を更に含み、前記第2通信器は、前記検出手段の検出結果に基づいて前記変調の深さを前記別の通信チャネルを通して制御する第2制御手段を更に含むことも可能である。たとえば、前記変調手段は前記搬送信号に対して印加電圧に応じた位相差を与える位相変調器であり、前記変調タイミングは前記搬送信号が当該位相変調器を通過する時間領域である。前記第2通信器は、前記位相変調器に印加される電圧を変化させながら前記検出手段の検出結果を監視し、所望の検出結果が得られる印加電圧、すなわち変調の深さを検索することができる。
本発明による光通信システムによれば、第1通信器は、与えられた変調タイミングで送信すべき原情報に従った位相制御信号により光信号を位相変調し一の通信チャネルを通して送信する位相変調手段と、前記変調タイミングを変更可能なタイミング供給手段と、別の通信チャネルを通して前記第2通信器との間で制御信号を送受信し前記位相変調手段および前記タイミング供給手段を制御する第1制御手段と、を有する。第2通信器は、前記一の通信チャネルを通して受信した光信号から光学干渉により前記原情報を検出するための検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記第1通信器の前記変調タイミングを制御する制御信号を前記別の通信チャネルを通して前記第1制御手段へ送信する第2制御手段と、を有する。
前記第2制御手段は、前記位相変調手段に前記位相制御信号を印加する時間領域を時間軸上でシフトさせるための前記制御信号を前記第1制御手段へ順次送信し、その都度、前記検出手段の前記光学干渉により変化する検出結果を記録する記憶手段を有する。前記記憶手段に記録された時間軸上のシフト量とその検出結果の変化に基づいて、所望の検出結果が得られるシフト量から前記位相制御信号の印加時間領域を決定する。
望ましくは、前記第2制御手段は、前記位相制御信号の複数の値の各々に対して、前記位相変調手段に印加する時間領域を時間軸上でシフトさせるための前記制御信号を前記第1制御手段へ順次送信し、その都度前記検出手段の前記光学干渉により変化する検出結果を前記位相制御信号の各値について記録する。前記第2制御手段は、前記位相制御信号の各値について前記記録された時間軸上のシフト量とその検出結果の変化に基づいて、前記位相制御信号の各値について所望の検出結果が得られるシフト量から前記位相制御信号の印加時間領域を決定する。
本発明の他の側面によれば、複数の通信チャネルを通して送信器と受信器との間で情報伝送を行うためのタイミング制御方法において、前記送信器は、変調タイミングに従って、送信すべき原情報により搬送信号を変調し、変調された搬送信号を一の通信チャネルを通して前記受信器へ送信し、前記受信器は、前記一の通信チャネルを通して受信した信号を検出し、その検出結果に基づいて前記変調タイミングを制御する制御信号を別の通信チャネルを通して前記送信器へ送信し、前記制御信号を前記別の通信チャネルを通して受信した前記送信器は、前記制御信号に従って前記変調タイミングを変化させる、ことを特徴とする。
前記受信器は、前記別の通信チャネルを通して前記送信器の変調の深さを変化させる制御信号を前記送信器へ送信し、それによる前記検出結果の変化に基づいて前記送信器の変調の深さを制御することが望ましい。本発明の一実施例によれば、前記受信器は、前記検出結果を常時監視し、前記検出結果が所定レベルより劣化すると前記送信器の変調の深さを変化させる制御信号を前記送信器へ送信し、前記変調の深さを変化させる制御信号による前記検出結果の変化に基づいて前記送信器の変調の深さを調整する。
本発明のさらに他の側面によれば、複数の通信チャネルを通して他の通信器との間で情報伝送を行うためのタイミング制御方法において、a)前記他の通信器の変調タイミングを初期値に設定するための制御信号を一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、b)前記他の通信器の変調タイミングをシフトさせる制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、c)他の通信チャネルを通して前記他の通信器から受信した変調された信号を検出し、d)前記b)およびc)を所定回数繰り返し、前記c)における検出結果をその都度記録し、e)前記記録された検出結果とそのときの変調タイミングのシフト量とに基づいて、前記他の通信器の変調タイミングを決定する、ことを特徴とする。
本発明のさらに別の側面によれば、変調タイミングのシフト範囲を粗く検索して大きく変調タイミング範囲を特定しておき、それを初期値として細かいシフト量で検索し、最終的に変調タイミングを決定することもできる。
以上説明したとおり,本発明の通信システムによれば、第1通信器の変調タイミングは第2通信器から制御され、第2通信器は制御した変調タイミングによる検出結果をモニタすることで、第2通信器の変調タイミングを最適化することができる。本発明の一実施形態によれば、受信器からの制御により送信器における位相変調のタイミングを1ステップずつシフトさせ、1ステップシフトごとに受信器での検出結果をメモリに格納し、その格納データに基づいて送信器の位相変調の最適タイミングを決定する。したがって、送信器の位相変調が正しいタイミングであることを受信器側で確認することができ、その結果、受信器における光子検出器の駆動タイミングを光子入射タイミングに正確に合わせることが可能となる。このことは、位相変調を施される光信号とクロック信号とを波長分割多重伝送した場合の群速度分散を補償したことに相当する。すなわち、安定した変調タイミングで変調器を駆動でき、意図した位相の変調を施すことが可能となる。
また、本発明による光通信システムによれば安定した位相変調および光子検出が可能となる。したがって、量子暗号鍵配布システムに適用した場合、鍵配布を行う光信号のチャネルとクロック信号を伝送するチャネルとを波長分割伝送しても、波長分散による光信号とクロック信号のタイミング差が補償されることとなり、高速・安定な鍵配布が可能となる。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態による光通信システムの構成を示すブロック図である。ここでは、2つの通信装置のうち量子通信の送信側を送信器10、受信側を受信器20と呼び、それらが光伝送路30により光学的に接続されているシステム構成を例示する。
送信器10に設けられた量子ブロック100は、送信すべき原情報に従って光信号を変調する変調手段を含み、同期ブロック110から供給されるクロック信号CLKに従って動作する。さらに、送信器10にはデータ通信部120および通信制御部130が設けられ、データ通信部120により受信器20との間で制御信号のやりとりを行い、通信制御部130は受信器20からの制御信号に従って量子ブロック100および同期ブロック110を制御する。
受信器20に設けられた量子ブロック200は、送信器10から入射した光信号を検出する検出手段を含み、同期ブロック210から供給されるクロック信号CLKに従って動作する。さらに、受信器20には、送信器10との間で制御信号のやりとりを行うデータ通信部220と、量子ブロック200および同期ブロック210を制御する通信制御部230とが設けられている。
受信器20には、さらに、通信制御部230を制御して送信器10および受信器20のタイミングを最適化するタイミング制御部240が設けられ、最適化タイミングを決定するための測定データを格納するメモリ250と、タイミング制御プログラムを格納するプログラムメモリ260とが接続されている。なお、送信器10に設けられた同期ブロック110および受信器20に設けられた同期ブロック210は、量子信号とは異なる波長でクロック信号を波長分割多重伝送する。同期ブロック110および210は、クロック信号を送信する光源として波長安定化レーザをそれぞれ有し、また量子ブロック100および200に安定したクロック信号CLKを供給する。
送信器10において、同期ブロック110は量子ブロック100へクロック信号CLKを供給して量子通信のための光変調タイミングを決定するが、受信器20からの指示に従って、そのクロック信号の位相をシフトさせ光変調タイミングを時間軸上で移動させることが可能である。
同様に、受信器20においても、同期ブロック210は量子ブロック200へクロック信号CLKを供給して量子通信のための検出タイミング(具体的には光変調タイミングおよび光検出タイミング)を決定するが、タイミング制御部240の制御下でクロック信号の位相をシフトさせてこれらタイミングを時間軸上で移動させることが可能である。
本発明によれば、送信器10の光変調タイミングおよび受信器20検出タイミングは、後述するように、受信器20のタイミング制御部240の指令に従って最適化することが可能である。タイミング制御部240は、プログラムメモリ260に格納されたタイミング制御プログラムを実行するプログラム制御プロセッサにより実現可能である。
1.第1実施例
図2は本発明の第1実施例による温度無依存型Plug&Playシステムの構成を示すブロック図である。なお、図1に示すブロックと同様のブロックには同一の参照番号が付されている。本実施例によるPlug&Play方式の基本的な構成および動作は、図23で説明したとおりであるが、送信器においてファラデーミラーの代わりにPBSループを採用した点が異なっている。
送信器10の量子ブロック100はPBSループ104と可変光減衰器105とを有し、PBSループ104は、位相変調器102および偏光ビームスプリッタ(PBS)103から構成される。
位相変調器102は、同期ブロック110から供給されるクロック信号に従って、通過する光パルス列に対して位相変調を行う。位相変調の深さは、通信制御部130により与えられる位相制御信号により決定され、ここでは基底(+/×)および乱数(0/1)の4通りの組み合わせにそれぞれ対応する4通りの深さ(0、π/2、π、3π/2)となる。位相制御信号は変調の深さに対応した電圧であり、光パルスが位相変調器102を通過するタイミングで位相変調器102に印加され、当該光パルスの位相変調が行われる。
PBSループ104はファラデーミラーと同様の機能を有し、入射光の偏光状態が90度回転して送出される。本実施例のPBSループについては後述する。
受信器20の量子ブロック200は、図23に示す構成と基本的に同じである。同期ブロック210から供給されるクロック信号に従ってレーザ201により生成された光パルスPは、光サーキュレータ202により光カプラ203へ導かれ、光カプラ203により2分割される。分割された一方の光パルスP1は短いパス(Short Path)204を通って偏光ビームスプリッタ(PBS)207へ送られる。分割された他方の光パルスP2は長いパス(Long Path)205に設けられた位相変調器206を通してPBS207へ送られる。これら光パルスP1およびP2はPBS207で合波され、ダブルパルスとして波長多重フィルタ40および光伝送路30を通して送信器へ送信される。なお、短いパス(Short Path)204と長いパス(Long Path)205は偏波保存ファイバであり、光サーキュレータ202と光カプラ203は偏波保存型である。また、同期ブロック110および210で送受信されるクロック信号は量子ブロック100および200で送受信される光パルスとは別波長の信号であり、波長多重フィルタ40および50によって合分波され、光伝送路30中を波長分割多重伝送される。
送信器10において、伝送路30から波長多重フィルタ50および可変光減衰器105を通して到来したダブルパルスP1およびP2は、PBS103でさらに分離され、時計回りのダブルパルスP1CWおよびP2CWと反時計回りのダブルパルスP1CCWおよびP2CCWの4つのパルス、すなわちカルテットパルスとなって位相変調器102をそれぞれ反対方向で通過し、それぞれ出射したポートとは反対のPBSポートへ入射する。
位相変調器102は、後述するように、時計回りのダブルパルスの後方のパルスP2CWを前方のパルスP1CWに対して位相変調するとともに、反時計回りのダブルパルスと時計回りのダブルパルスとの間にπの位相差を与える。このように、位相変調器102は、カルテットパルスの各パルスに任意の位相変調を施すようにタイミング制御される必要がある。
こうして必要に応じて位相変調されたカルテットパルスはPBS103で合波され再びダブルパルスに戻る。上述したように後方のパルスのみが伝送情報により位相変調されたので、出射ダブルパルスをP1およびP2*aと記す。このときPBSループ入射時に対して出射時は偏波が90°回転しているので、結果的にファラデーミラーと同等の効果が得られる。
受信器の偏光ビームスプリッタPBSは、送信器から受信した光パルスP1およびP2*aの偏光状態が90度回転していることから、これら受信パルスをそれぞれ送信時とは異なるパスへ導く。すなわち受信した光パルスP1は長いパスを通り、位相変調器206を通過するタイミングで指定された基底で位相変調され、位相変調された光パルスP1*bが光カプラ203に到達し、他方、光パルスP2*aは送信時とは異なる短いパスを通って同じく光カプラに到達する。
こうして送信器側で位相変調された光パルスP2*aと受信器側で位相変調された光パルスP1*bとが干渉し、その結果が光子検出器APD0またはAPD1により検出される。光子検出器APD0およびAPD1は、同期ブロック210から供給されるクロック信号に従ってガイガーモードで駆動され、その検出信号は通信制御部230へ出力される。後述するように、タイミング制御部240は、タイミング制御シーケンスにおいて検出された光子検出器APD0およびAPD1の検出信号をメモリ250に蓄積し、最適タイミングの決定に利用する。
1.1)PBSループでの位相変調
以下、PBSループの動作を説明する。
図3は、送信器のPBSループの動作を説明するための模式的構成図である。上述したように、入射したダブルパルスP1およびP2は、PBS103で直交した偏光成分に分離され、カルテットパルス301〜304になる。光パルス301および302は光パルスP1の一偏光成分およびその直交偏光成分にそれぞれ対応し、光パルス303おおび304は光パルスP2の一偏光成分およびその直交偏光成分にそれぞれ対応する。
PBS103の2つのループ側ポートは、定偏波光ファイバで位相変調器102の2つの光ポートにそれぞれ接続されているが、その光路長は異なっている。ここでは、光パルス301および303が光パルス302および304よりも時間Tだけ早く位相変調器102に入射するように、光路長が設定されているものとする。この時間差Tは、光パルス幅より長くダブルパルスP1とP2の間隔より短く設定される。
図4はPBSループを伝播する光パルスの時間順序を示す説明図である。光パルス301および303は光パルス302および304よりも時間Tだけ早く位相変調器102に到達するので、各光パルスは、図4(A)〜(F)に示すように異なった時刻t1〜t6で位相変調器102を通過する。したがって、パルス間隔に同期して位相変調器102に印加する電圧を変化させることにより各光パルスに異なった位相差を与えることができる。ここでは、各パルスに与える位相差を表1のように設定する。
Figure 2007037091
表1に示すように、基底が“+”、乱数値が“0”の場合には光パルス301と303の間に0の位相差、基底が“+”、乱数値が“1”の場合には光パルス301と303の間にπの位相差、基底が“×”、乱数値が“0”の場合には光パルス301と303の間にπ/2の位相差、基底が“×”、乱数値が“1”の場合には光パルス301と303の間に3π/2の位相差をそれぞれ与える。さらに、光パルス301および303と光パルス302および304との間には光パルス301と光パルス303との間と同じ大きさの位相差を与え、同時に光パルス301と光パルス302との間、光パルス303と光パルス304との間にはπの位相差を与える。
このように量子暗号鍵配布システムでは,ダブルパルスまたはカルテットパルスの各パルスに任意の位相変調を施さなければならない。すなわち,電圧で位相を制御する位相変調器102および206では、各パルスが通り過ぎるタイミングで必要な変調を与えるための電圧を印加する必要があり、位相変調器を駆動するタイミングが正しくないと誤ったパルスを変調してしまう。よって、位相変調器102および206を駆動するクロックのタイミング制御を行い、そのタイミングが正しいことを確認しなければならない。以下、本実施例におけるタイミング制御手順について詳細に説明する。
1.2)タイミング制御手順
図5は本発明の一実施例によるタイミング制御手順を示すフローチャートである。本実施例によるタイミング制御は、まず送信器10について行われ、その後で受信器20について実行される。送信器10のタイミング制御はすべて受信器20のタイミング制御部240の指示により行われる。
図5において、まず、タイミング制御部240は、受信器20をトレーニングモードに設定し、これによって光子検出器APD0およびAPD1はガイガーモードではなく固定バイアスで動作し平均光パワーの測定を行う。続いて、タイミング制御部240は、通信制御部230を制御してデータ通信部220から送信器10へトレーニングモードへのモード変更信号を送信する。これによって、送信器10の通信制御部130は可変光減衰器105の損失量を減少させ、出力される光パワーを通常の通信レベルまで大きくする(ステップS401)。したがって、通常の光パワーのダブルパルスが受信器20から送信器10へ送信され、送信器10から上述したように受信器20へ折り返されることになる。
トレーニングモードに設定されると、タイミング制御部240は通信制御部230を制御して、4通りの基底および乱数の組み合わせから1つを選択し、選択された基底を受信器20の位相変調器206に設定し、選択された基底および乱数値の組み合わせを送信器10の通信制御部130へ指定する(ステップS402)。これにより、通信制御部130は位相変調器102に対して位相制御信号を出力し、選択された基底および乱数値に対応する変調の深さの位相を設定する。
続いて、タイミング制御部240は、送信器10の位相変調器102に印加される電圧のタイミングシフトをリセットするように送信器10の通信制御部130へ指示する(ステップS403)。これによって、同期ブロック110はクロック信号CLKのシフト量を初期値0にリセットする。
タイミングシフトが初期化されると、タイミング制御部240は通信制御部130へタイミングシフトを指示し、これによって同期ブロック110は、所定の整数Nを用いて、位相変調器102への電圧印加タイミングを2π/Nだけシフトさせ、このタイミングで設定された位相変調の電圧が印加される(ステップS404)。これによって、通過するカルテットパルスの各光パルスが上述したように変調され、ダブルパルスとして受信器10へ折り返される。
受信器10は、受信したダブルパルスを上述したように指定された基底により位相変調器206で変調し、光カプラ203で干渉させてAPD0およびAPD1で光パワーを測定し、それらの測定値をメモリ250に記録する(ステップS405)。詳しくは後述する。
タイミング制御部240は、位相変調器102への電圧印加タイミングを2π/Nずつシフトさせながら、すべての電圧印加タイミングについて測定されるまで上記ステップS404〜S405を繰り返し、選択された基底および乱数値に対する受光パワーの測定値を記録する(ステップS406)。
タイミング制御部240は、以上のステップS402〜S406を、4通りの基底および乱数の組み合わせすべてについて実行する(ステップS407)。4通りの基底および乱数の組み合わせでの測定が終了すると(ステップS407のYES)、タイミング制御部240はメモリ250に記録されたAPD0およびAPD1の測定結果に基づいて、送信器の最適タイミングを決定し受信器20の通信制御部130に通知され、同期ブロック110に設定される(ステップS408)。なお最適タイミングの決定方法については後述する。
こうして送信器10の最適タイミングが決定された後、受信器20のタイミング検索が開始される。送信器10のタイミング調整を先に行うのは、送信器の変調タイミングが最適でないと、干渉が起こらず光子検出器APD0およびAPD1に光子が出力しないので受信器の検出タイミング検索もできないからである。
受信器のタイミング検索では、まず、タイミング制御部240は、受信器20を量子モードに設定し光子検出器APD0およびAPD1をガイガーモードで動作させ、さらに通信制御部230を制御してデータ通信部220から送信器10へ量子モードへのモード変更信号を送信する。これによって、送信器10の通信制御部130は可変光減衰器105の損失量を増大させ、出力される光パワーをパルス当たり1個以下のレベルまで低下させる(ステップS501)。したがって、通常の光パワーのダブルパルスが受信器20から送信器10へ送信され、送信器10からは上述したように変調された微弱パワーの光パルスが受信器20へ折り返されることになる。
量子モードに設定されると、タイミング制御部240は通信制御部230を制御して、4通りの基底および乱数の組み合わせから1つを選択し、選択された基底を受信器20の位相変調器206に設定し、選択された基底および乱数値の組み合わせを送信器10の通信制御部130へ指定する(ステップS502)。これにより、通信制御部130は位相変調器102に対して位相制御信号を出力し、選択された基底および乱数値に対応する変調の深さの位相を設定する。上述した送信器タイミング検索処理により位相変調器102の駆動タイミングは最適化されている。
続いて、タイミング制御部240は通信制御部230を介して同期ブロック210を制御し、光子検出器APD0、APD1に印加される電圧のタイミングシフトをリセットする(ステップS503)。すなわち、同期ブロック210はクロック信号CLKのシフト量を初期値0にリセットする。
タイミングシフトが初期化されると、タイミング制御部240は通信制御部230を介して同期ブロック210を制御し、所定の整数Nを用いてクロック信号CLKを2π/Nだけシフトさせ、光子検出器APD0およびAPD1へ逆バイアス電圧を印加する(ステップS504)。これによって、送信器から到来した微弱パワーのパルスP1が位相変調器206によって位相変調され、その結果であるパルスP1*bと到来パルスP2*aとの干渉結果が光子検出器APD0またはAPD1により検出され、この光子検出結果がメモリ250に記録される(ステップS505)。詳しくは後述する。
タイミング制御部240は光子検出器APD0、APD1への電圧印加タイミングを2π/Nずつシフトさせながら、すべての電圧印加タイミングが終了するまで上記ステップS504〜S505を繰り返し、選択された基底および乱数値に対する光子検出結果を記録する(ステップS506)。
タイミング制御部240は、以上のステップS502〜S506を、4通りの基底および乱数の組み合わせすべてについて実行する(ステップS507)。ただし、後述する最適点が見出せるならば、4通りの組み合わせ全てについて実行する必要はない。必要な基底および乱数の組み合わせでの測定が終了すると(ステップS507のYES)、タイミング制御部240はメモリ250に記録されたAPD0およびAPD1の光子検出結果に基づいて、受信器の最適タイミングを決定する(ステップS508)。最適タイミングの決定方法については後述する。
以下、本実施例における送信器10のクロックタイミング検索については図6〜図12を参照し、受信器20のクロックタイミング検索については図13および図14を参照しながら更に詳細に説明する。
1.3)送信器のクロックタイミング検索
図6(a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて送信器のタイミング制御シーケンスを示すハンドシェイク図であり、図7(a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器で測定される平均パワーの変化を模式的に示すグラフであり、図8〜図11は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて送信器でのタイミングシフトと受信器での測定結果との関係を模式的に示す図である。
a)基底+,乱数0(0変調)
まず受信器20のタイミング制御部240は位相変調器206の受信基底を“+”にセットし、さらに送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“+”、乱数“0”に対応する変調の深さに設定するよう指示する。この結果、上述した表1に示すように、カルテットパルスの各光パルスに与える位相変調の位相は、位相変調器102を通り過ぎる順で記述すると、“0−π−0−π”となる。
送信器10の位相変調器102は同期ブロック110から供給されるクロックによって駆動されるので、位相変調器102による光パルスの位相変調タイミングはクロックを供給するタイミングによる。受信器20からの指示により、同期ブロック110はクロックのタイミングを0から2πまで任意のステップでシフトさせることができる。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の同期ブロック110のクロックのシフト量をクリアして0にするように指示し、クロックシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまで、次のステップS1〜S4をN回繰り返す。
(S1)受信器20のタイミング制御部240は送信器10の通信制御部130に同期ブロック110のクロックCLKを1ステップシフトするよう指示する。
(S2)送信器10の通信制御部130は同期ブロック110のクロックを1ステップシフトさせる。これによって、送信器10の位相変調器102を駆動するタイミングが1ステップずれる。
(S3)送信器10での1ステップシフトにより、受信器20の光検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーがそれぞれ変化する。
(S4)APD0およびAPD1の観測値をメモリ250に格納する。なお、後述するように、乱数“0”を送信した場合はAPD0に光が出力されるべきなので、干渉消光比はAPD1の観測値に対するAPD0の観測値の比(APD0/APD1)で表す。
このようにしてメモリ250に格納されたタイミングシフト量φに対する観測値の変化を図7(a)に示す。図7の横軸はクロックシフト量φ、縦軸は光パワーPであり、APD0の観測光パワー(実線)およびAPD1の観測光パワー(破線)を模式的に示す。
図7(a)に示すように、クロック位相が正しいときには、APD0で光パルスが検出され、APD1ではほとんど検出されない。クロック位相がずれるにしたがって干渉がとれなくなるが、更にクロック位相がずれると再び干渉が戻って今度はAPD1で検出されるようになる。このようにクロックシフト量φの変化にしたがって周期的にAPD0の検出出力が変動する。
図8は、基底“+”、乱数“0”の場合のクロックシフト量φに対するAPD0の検出出力の周期的変化を説明するための模式図である。クロック位相が正しいとき(ズレ0)には、上述した“0−π−0−π”の順序で各光パルスに対して正しい位相変調が施され、APD0に光が出力されるが、クロック位相がずれるにしたがって干渉がとれなくなり、クロック位相がπ/2だけずれると(ズレπ/2)、再び干渉が取れるようになって今度はAPD1に光が出力されるようになる。このようにして図7(a)に示すような周期的に変化するAPD観測値が得られる。
b)基底+,乱数1(π変調)
受信器20のタイミング制御部240は、受信器20の基底を“+”にしたまま、送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“+”、乱数“1”に対応する変調の深さに設定するよう指示する。この結果、上述した表1に示すように、カルテットパルスの各光パルスに与える位相変調の位相は、位相変調器102を通り過ぎる順で記述すると、“0−π−π−0”となる。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の同期ブロック110のクロックのシフト量をクリアして0にするように指示し、クロックシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまで、上記ステップS1〜S4をN回繰り返す。これによって受信器20の光検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーがそれぞれ変化し、それらの観測値をメモリ250に格納する。なお、後述するように、乱数“1”を送信した場合はAPD1に光が出力されるべきなので、干渉消光比をAPD1/APD0で表す。
このようにしてメモリ250に格納されたタイミングシフト量φに対する観測値の変化を図7(b)に示す。図7(b)に示すように、クロック位相が正しいときには、APD1で光パルスが検出され、APD0ではほとんど検出されない。クロック位相がずれるにしたがって干渉が取れなくなってAPD0およびAPD1のパワーが等しくなり、更にクロック位相がずれると再び正しい干渉に戻ってAPD1で検出されるようになる。このようにクロックシフト量φの変化にしたがって周期的にAPD1の検出出力が変動する。
図9は、基底“+”、乱数“1”の場合のクロックシフト量φに対するAPD1の検出出力の周期的変化を説明するための模式図である。クロック位相が正しいとき(ズレ0)には、上述した“0−π−π−0”の順序で各光パルスに対して正しい位相変調が施されるが、クロック位相がπ/2だけ外れると(ズレπ/2)、干渉が取れなくなってAPD0およびAPD1のパワーが等しくなり、更にクロック位相がπだけ外れると(ズレπ)、再び干渉が戻ってAPD1から出力される。このようにして図7(b)に示すような周期的に変化するAPD観測値が得られる。
c)基底×,乱数0(π/2変調)
まず受信器20のタイミング制御部240は位相変調器206の受信基底を“×”にセットし、さらに送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“×”、乱数“0”に対応する変調の深さに設定するよう指示する。この結果、上述した表1に示すように、カルテットパルスの各光パルスに与える位相変調の位相は、位相変調器102を通り過ぎる順で記述すると、“0−π−π/2−3π/2”となる。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の同期ブロック110のクロックのシフト量をクリアして0にするように指示し、クロックシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまで、上記ステップS1〜S4をN回繰り返す。これによって受信器20の光検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーがそれぞれ変化し、それらの観測値をメモリ250に格納する。なお、干渉消光比はAPD0/APD1で表す。
このようにしてメモリ250に格納されたタイミングシフト量φに対する観測値の変化を図7(c)に示す。図7(c)に示すように、クロック位相が正しいときには、APD0で光パルスが検出され、APD1ではほとんど検出されない。クロック位相がずれるにしたがって干渉がとれなくなってAPD0およびAPD1のパワーが等しくなり、更にクロック位相がずれると再び干渉が戻ってくるが、今度はAPD1で検出されるようになる。このようにクロックシフト量φの変化にしたがって周期的にAPD0およびAPD1の検出出力が変動する。
図10は、基底“×”、乱数“0”の場合のクロックシフト量φに対するAPD0およびAPD1の検出出力の周期的変化を説明するための模式図である。クロック位相が正しいとき(ズレ0)には、上述した“0−π−π/2−3π/2”の順序で各光パルスに対して正しい位相変調が施されるが、クロック位相がπ/2だけ外れると(ズレπ/2)、干渉がとれなくなってAPD0およびAPD1のパワーが等しくなる。更にクロック位相がπだけ外れると(ズレπ)、再び干渉が戻ってくるが、今度はAPD1で検出されるようになる。このようにして図7(c)に示すような周期的に変化するAPD観測値が得られる。
d)基底×,乱数1(3π/2変調)
受信器20のタイミング制御部240は、受信器20の基底を“×”にしたまま、送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“×”、乱数“1”に対応する変調の深さに設定するよう指示する。この結果、上述した表1に示すように、カルテットパルスの各光パルスに与える位相変調の位相は、位相変調器102を通り過ぎる順で記述すると、“0−π−3π/2−π/2”となる。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の同期ブロック110のクロックのシフト量をクリアして0にするように指示し、クロックシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまで、上記ステップS1〜S4をN回繰り返す。これによって受信器20の光検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーがそれぞれ変化し、それらの観測値をメモリ250に格納する。なお、干渉消光比はAPD1/APD0で表す。
このようにしてメモリ250に格納されたタイミングシフト量φに対する観測値の変化を図7(d)に示す。図7(d)に示すように、クロック位相が正しいときには、APD1で光パルスが検出され、APD0ではほとんど検出されない。クロック位相がずれるにしたがって干渉がとれなくなってAPD0およびAPD1のパワーが等しくなり、更にクロック位相がずれると再び干渉が戻ってくるが、今度はAPD0で検出されるようになる。このようにクロックシフト量φの変化にしたがって周期的にAPD0およびAPD1の検出出力が変動する。
図11は、基底“×”、乱数“1”の場合のクロックシフト量φに対するAPD0およびAPD1の検出出力の周期的変化を説明するための模式図である。クロック位相が正しいとき(ズレ0)には、上述した“0−π−3π/2−π/2”の順序で各光パルスに対して正しい位相変調が施されるが、クロック位相がπ/2だけ外れると(ズレπ/2)、干渉がとれなくなってAPD0およびAPD1のパワーが等しくなる。更にクロック位相がπだけ外れると(ズレπ)、再び干渉が戻ってくるが、今度はAPD0で検出されるようになる。このようにして図7(d)に示すような周期的に変化するAPD観測値が得られる。
1.4)送信器の最適タイミング決定
図7において、APD0およびAPD1の光パワー比、すなわち干渉消光比を点線で示す。上述したように、乱数“0”を送信した場合は干渉消光比をAPD0/APD1で表し、乱数“1”を送信した場合は干渉消光比をAPD1/APD0で表す。なお、ここで示す干渉消光比は、クロックシフト量φに対する極大点および極小点の変動を模式的にプロットしたものであり、縦軸の値が実際の値を表すものではない。APD0およびAPD1に出力された光パワーを測定した値とそのときの送信器10のクロックシフト量φとは、すべて受信器20のメモリ250に記憶されている。このデータから送信器10のクロックの最適タイミングを決定する。
図12は、メモリ250に格納されているAPD0およびAPD1の観測光パワーデータとクロックシフト量とのデータテーブルを模式的に示す図である。すなわち、図7で示す4通りの組み合わせにそれぞれ対応する観測データは、図12のようなテーブル形式で格納されている。これを用いて次の手順で最適タイミングを決定する。
(1)4通りの変調について干渉消光比を計算する:(Ai, Bi, Ci, Di)
(2)4通りの干渉消光比の積を計算する:(Ei=Ai*Bi*Ci*Di)
(3)Eiが最大となる位相を選択する:(φ(Max[E1,E2,…EN]))
このようにして決定したシフト量φは、図7に示す最適ラインにより示されるφ値であり、このシフト量のクロック信号CLKが光パルスに同期した最適のタイミングを与える。ただし、既に述べたように、最適ラインを求めることが可能であるならば、図7で示す4通りの組み合わせ全ての観測データを使用する必要はない。
1.5)受信器の最適タイミング検索
次に受信器のクロックの最適タイミング検索について図13および図14を参照しながら説明する。量子暗号鍵配布システムでは,鍵配布を行う信号の光パワーがパルス当たり1フォトン以下と非常に小さいので、アバランシェ・フォトダイオード(APD)で高感度受信を行うためにガイガーモード受信を行う必要がある。ガイガーモードでは、光子を検出するタイミングのみバイアス電圧を高くするが、高いバイアス電圧を印加すると光子信号ではなくノイズを出力する可能性が高くなるので、バイアスの印加タイミングをできるだけ光子到来のタイミングに合致させることが望ましい。バイアス電圧を高くするタイミングを正しく設定することで光子を検出でき、暗号鍵の共有が可能となる。
図13(a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器のタイミング制御シーケンスを示すハンドシェイク図であり、図14(a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器で検出されるパワーの変化を示すグラフである。受信器20のクロックの最適タイミングはローカルに判定できるので、送信器10のタイミング制御の場合よりも制御信号のやりとりが少ない。送信器10には、上述したように基底と乱数の組み合わせにより4通りの変調あるので、送信器10の変調ごとに受信器20のクロックの最適タイミングを検索する。
受信器のタイミング検索では、まず、タイミング制御部240は、受信器20を量子モードに設定し、送信器10へ量子モードへのモード変更信号を送信する。これによって、通常の光パワーのダブルパルスが受信器20から送信器10へ送信され、送信器10からは上述したように変調された微弱パワーの光パルスが受信器20へ折り返される。
量子モードに設定されると、タイミング制御部240は通信制御部230を制御して、自己の量子ブロック200の受信基底を“+”にセットし、更に送信器10の量子ブロック100の基底を“+”、乱数を“0”にセットするよう指示する。APD0およびAPD1は同期ブロック210から供給されるクロック信号CLKによってガイガーモード駆動されるので,APD0およびAPD1のバイアス電圧を高くするタイミングはクロック信号CLKを供給するタイミングによって決まる。同期ブロック210はクロックのタイミングを任意のステップで0から2πまでシフトさせることができる。クロックのタイミングシフトはすべて受信器20内でローカルに行われる。
まず、受信器20のタイミング制御部240は同期ブロック210にクロックステップを0にするよう指示し、続いてクロック信号CLKを1ステップシフトするように指示することで、光子検出器APD0およびAPD1へ逆バイアス電圧を印加する。これによって、送信器10から到来した微弱パワーのパルスP1が位相変調器206によって位相変調され、その結果であるパルスP1*bと到来パルスP2*aとの干渉結果が光子検出器APD0またはAPD1により検出され、光子検出結果としてメモリ250に格納される。
タイミング制御部240は、光子検出器APD0、APD1への電圧印加タイミングを1ステップずつシフトさせながら、すべてのクロックシフトが2πになるまで繰り返し、設定された基底“+”、乱数“0”に対する光子検出結果を記録する。
このようにしてメモリ250に格納されたタイミングシフト量φに対する観測値の変化を図14(a)に示す。図14の横軸はクロックシフト量φ、縦軸はAPD0の観測光パワー(実線)およびAPD1の観測光パワー(破線)を模式的に示す。図14(a)に示すように、クロック位相が正しいときには、送信器10から送った乱数の値0によってAPD0で光子が検出され、クロック位相がずれると光子は検出されなくなる。
以下同様にして、図13(b)〜(d)に示すように、送信器10の基底と乱数の組み合わせを、基底+と乱数1、基底×と乱数0、基底×と乱数1に順次変更し、図14(b)〜(d)に示すように、それぞれ受信器20のクロックタイミングをシフトさせてAPD0およびAPD1の光子検出結果をメモリ250に格納する。
1.6)受信器の最適タイミング決定
図14(a)〜(d)には、APD0およびAPD1の出力パワー比、すなわち光子検出比が点線で示されている。ここでは、乱数“0”を送信した場合はAPD0に光が出力されるべきなので、APD1の観測値に対するAPD0の観測値の比(APD0/APD1)を光子検出として表す。また,乱数“1”を送信した場合はAPD1に光が出力されるべきなので、APD0の観測値に対するAPD1の観測値の比(APD1/APD0)を光子検出として表す。なお、ここで示す干渉消光比は、クロックシフト量φに対する極大点および極小点の変動を模式的にプロットしたものであり、縦軸の値が実際の値を表すものではない。
APD0およびAPD1の出力パワーとそのときの受信器20のクロックシフト量φはすべてメモリ250に記憶されている。このデータから受信器20のクロックの最適タイミングを決定するが、決定手法は上記1.5)で説明した送信器10の場合と同様であるから説明は省略する。
こうして決定したシフト量のクロック信号CLKは光パルスの入射タイミングによく同期している。また、同じ受信器20内であるので、このようにして決定したシフト量のクロックCLKは受信器の位相変調器206にも使用される。
1.7)効果
以上説明したように,本実施例によれば、まず受信器20からの制御により、送信器10における位相変調のタイミングを1ステップずつシフトさせ、1ステップシフトごとに受信器20での検出結果をメモリ250に格納し、その格納データに基づいて送信器10の位相変調の最適タイミングを決定する。したがって、送信器10の位相変調が正しいタイミングであることを受信器側で確認することができ、その結果、受信器20における光子検出器の駆動タイミングを光子入射タイミングに正確に合わせることが可能となる。こうして安定した位相変調および光子検出が可能となり、量子暗号鍵配布システムに適用した場合、高速・安定な鍵生成を実現することができる。
2.第2実施例
図15は本発明の第2実施例による量子暗号鍵配布システムの構成を示すブロック図である。本実施例による量子暗号鍵配布システムは、第1実施例と同じくPlug&Play構成を採用しているが、送信器10の量子ブロック100にPBSループではなくファラデーミラーが用いられている点が異なっている。なお、図2に示すブロックと同一機能を有するブロックには同一の参照番号を付して詳細は省略する。
送信器10の量子ブロック100はファラデーミラー101、位相変調器102および可変光減衰器105が直列に接続されて構成されている。伝送路30からやってきたダブルパルスはファラデーミラー101で反射して偏波がπ/2回転し、位相変調器102で後方のパルスのみ変調が施される。すなわち位相変調器102は、往復するダブルパルスのうち復路方向のダブルパルスの後方パルスが通過するタイミングに合わせて、基底と乱数の組み合わせから0、π、π/2、3π/2の4通りの変調を行う。
したがって、本実施例におけるシステムは、第1実施例に比べて、送信器10の位相変調102に供給されるクロックCLKの位相が異なり、その結果、光子検出器APD0、APD1で検出される干渉結果が異なるのみであり、位相変調器102を駆動するクロックの最適タイミングと光子検出器APD0、APD1を駆動するクロックの最適タイミングを決定する手法は第1実施例の図5で説明した手順と同様である。そこで第1実施例で用いた図5および図6を適宜参照しながら、本実施例の動作を簡単に説明する。
2.1)タイミング制御手順
本実施例によるタイミング制御においても、第1実施例と同様に、まず送信器10について行われ、その後で受信器20について実行される。送信器10のタイミング制御はすべて受信器20のタイミング制御部240の指示により行われる。
図5を参照して、まず、タイミング制御部240は、受信器20をトレーニングモードに設定し、これによって光子検出器APD0およびAPD1はガイガーモードではなく固定バイアスで動作し平均光パワーの測定を行う。続いて、タイミング制御部240は、通信制御部230を制御して送信器10へトレーニングモードへのモード変更信号を送信する。これによって、送信器10の通信制御部130は可変光減衰器105の損失量を減少させ、出力される光パワーを通常の通信レベルまで大きくする(ステップS401)。したがって、通常の光パワーのダブルパルスが受信器20から送信器10へ送信され、送信器10のファラデーミラー101で折り返され、上述したように位相変調されてから受信器20へ送り返される。
トレーニングモードに設定されると、タイミング制御部240は通信制御部230を制御して、4通りの基底および乱数の組み合わせから1つを選択し、選択された基底を受信器20の位相変調器206に設定し、選択された基底および乱数値の組み合わせを送信器10の通信制御部130へ指定する(ステップS402)。これにより、通信制御部130は位相変調器102に対して位相制御信号を出力し、選択された基底および乱数値に対応する変調の深さの位相を設定する。
続いて、タイミング制御部240は、送信器10の位相変調器102に印加される電圧のタイミングシフトをリセットするように送信器10の通信制御部130へ指示する(ステップS403)。これによって、同期ブロック110はクロック信号CLKのシフト量を初期値0にリセットする。
タイミングシフトが初期化されると、タイミング制御部240は通信制御部130へタイミングシフトを指示し、これによって同期ブロック110は、所定の整数Nを用いて、位相変調器102への電圧印加タイミングを2π/Nだけシフトさせ、このタイミングで設定された位相変調の電圧が印加される(ステップS404)。これによって、受信器20から到来したダブルパルスは往路では位相変調器102をそのまま通過し、ファラデーミラー101で反射した復路ではダブルパルスの後方パルスのみが位相変調器102で変調され、受信器10へ送り返される。
受信器10は、受信したダブルパルスを上述したように指定された基底により位相変調器206で変調し、光カプラ203で干渉させてAPD0およびAPD1で光パワーを測定し、それらの測定値をメモリ250に記録する(ステップS405)。
タイミング制御部240は、位相変調器102への電圧印加タイミングを2π/Nずつシフトさせながら、すべての電圧印加タイミングについて測定されるまで上記ステップS404〜S405を繰り返し、選択された基底および乱数値に対する受光パワーの測定値を記録する(ステップS406)。
タイミング制御部240は、以上のステップS402〜S406を、4通りの基底および乱数の組み合わせすべてについて実行する(ステップS407)。4通りの基底および乱数の組み合わせでの測定が終了すると(ステップS407のYES)、タイミング制御部240はメモリ250に記録されたAPD0およびAPD1の測定結果に基づいて、送信器の最適タイミングを決定する(ステップS408)。最適タイミングの決定方法については後述する。
こうして送信器10の最適タイミングが決定された後、受信器20のタイミング検索が開始される。受信器20のタイミング検索は第1実施例と同様であるから、以下、送信器10のタイミング検索について説明する。
2.2)送信器のクロックタイミング検索
図16(a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器で測定される平均パワーの変化を示すグラフである。ただし、ファラデーミラー101と位相変調器102との間の光路差は無視した。
a)基底+,乱数0(0変調)
まず受信器20のタイミング制御部240は位相変調器206の受信基底を“+”にセットし、さらに送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“+”、乱数“0”に対応する変調の深さに設定するよう指示する。この場合、往路で通過するダブルパルスの後方パルスP2に与える位相変調の深さは0である。したがって、同期ブロック110のクロックのシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまでN回繰り返しても、受信器20の光検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーは変化しない。それらの観測値をメモリ250に格納する。なお、乱数“0”を送信した場合はAPD0に光が出力されるべきなので、干渉消光比はAPD0/APD1で表す。
このようにしてメモリ250に格納されたタイミングシフト量φに対する観測値の変化を図16(a)に示す。図16の横軸はクロックシフト量φ、縦軸はAPD0の観測光パワー(実線)およびAPD1の観測光パワー(破線)を模式的に示す。
b)基底+,乱数1(π変調)
受信器20のタイミング制御部240は、受信器20の基底を“+”にしたまま、送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“+”、乱数“1”に対応する変調の深さに設定するよう指示する。この場合、往路で通過するダブルパルスの後方パルスP2に与える位相変調の深さはπである。同期ブロック110のクロックのシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまでN回繰り返すと、受信器20の光検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーがそれぞれ変化する。
乱数“1”を送信した場合はAPD1に光が出力されるべきなので、図16(b)に示すように、クロック位相が正しいときにはAPD1で光パルスが検出され、APD0ではほとんど検出されない。クロック位相がずれるにしたがって干渉がとれなくなるが、更にクロック位相がずれると再び干渉が戻って今度はAPD0で検出されるようになる。このようにクロックシフト量φの変化にしたがって周期的にAPD1およびAPD0の検出出力が変動する。
c)基底×,乱数0(π/2変調)
まず受信器20のタイミング制御部240は位相変調器206の受信基底を“×”にセットし、さらに送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“×”、乱数“0”に対応する変調の深さに設定するよう指示する。この場合、往路で通過するダブルパルスの後方パルスP2に与える位相変調の深さはπ/2である。同期ブロック110のクロックのシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまでN回繰り返すと、受信器20の光検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーがそれぞれ変化する。
乱数“0”を送信した場合はAPD01に光が出力されるべきなので、図16(c)に示すように、クロック位相が正しいときにはAPD0で光パルスが検出され、APD1ではほとんど検出されない。クロック位相がずれるにしたがって干渉がとれなくなるが、更にクロック位相がずれると再び干渉が戻って今度はAPD1で検出されるようになる。このようにクロックシフト量φの変化にしたがって周期的にAPD1およびAPD0の検出出力が変動する。
d)基底×,乱数1(3π/2変調)
受信器20のタイミング制御部240は、受信器20の基底を“×”にしたまま、送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“×”、乱数“1”に対応する変調の深さに設定するよう指示する。この場合、往路で通過するダブルパルスの後方パルスP2に与える位相変調の深さは3π/2である。同期ブロック110のクロックのシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまでN回繰り返すと、受信器20の光検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーがそれぞれ変化する。
乱数“1”を送信した場合はAPD1に光が出力されるべきなので、図16(d)に示すように、クロック位相が正しいときにはAPD1で光パルスが検出され、APD0ではほとんど検出されない。クロック位相がずれるにしたがって干渉がとれなくなるが、更にクロック位相がずれると再び干渉が戻って今度はAPD0で検出されるようになる。このようにクロックシフト量φの変化にしたがって周期的にAPD1およびAPD0の検出出力が変動する。
2.3)効果
以上説明したように,本実施例によれば、まず受信器20からの制御により、送信器10における位相変調のタイミングを1ステップずつシフトさせ、1ステップシフトごとに受信器20での検出結果をメモリ250に格納し、その格納データに基づいて送信器10の位相変調の最適タイミングを決定する。したがって、送信器10の位相変調が正しいタイミングであることを受信器側で確認することができ、その結果、受信器20における光子検出器の駆動タイミングを光子入射タイミングに正確に合わせることが可能となる。こうして安定した位相変調および光子検出が可能となり、量子暗号鍵配布システムに適用した場合、高速・安定な鍵生成を実現することができる。
3.他のタイミング制御手順
上述した第1実施例では、図5に示すように、タイミングシフト量を初期化した後、一定シフト量2π/Nで順次位相変調タイミングをシフトさせ、そのときの受光パワーの変化を記録することで、最適タイミングの検索を行っている。しかしながら、本発明はこのタイミング制御手順に限定されるものではなく、他のタイミング制御手順を採用することもできる。
3.1)第3実施例
図17は本発明の第3実施例によるタイミング制御手順を示すフローチャートである。ただし、図5のステップと同じ機能のステップには同一参照符号を付して説明は省略する。
本実施例によるタイミング制御は、基本的なフローとしては図5に示す第1実施例のタイミング制御手順と同様であるが、検索開始の初期値を0ではなく、経験的に定められた位置(2π/N)*i(iは整数)に設定する。すなわち、使用される位相変調器や電気回路の特性や伝送距離などを考慮すれば、ある程度のシフト量を予想することが可能であるから、その近傍のある程度余裕を持った検索範囲を整数iおよびjで規定し、その範囲でタイミング検索を実行する。
詳しくは、図17において、タイミング制御部240は整数iおよびjを予め格納しておき、乱数および基底が指定されると(ステップS402)、送信器10の位相変調器102に印加される電圧のタイミングシフトを所定位置(2π/N)*iにリセットするように送信器10の通信制御部130へ指示する(ステップS403a)。これによって、同期ブロック110はクロック信号CLKのシフト量を初期値(2π/N)*iにリセットする。
タイミングシフトが初期化されると、タイミング制御部240は通信制御部130へタイミングシフトを指示し、これによって同期ブロック110は、位相変調器102への電圧印加タイミングを初期値から2π/Nだけシフトさせ、このタイミングで設定された位相変調の電圧が印加される(ステップS404)。これによって、通過するカルテットパルスの各光パルスが上述したように変調され、ダブルパルスとして受信器10へ折り返される。
受信器10は、受信したダブルパルスを上述したように指定された基底により位相変調器206で変調し、光カプラ203で干渉させてAPD0およびAPD1で光パワーを測定し、それらの測定値をメモリ250に記録する(ステップS405)。
こうして、タイミング制御部240は、位相変調器102への電圧印加タイミングを2π/Nずつシフトさせながら、予め定められた数jの回数だけ上記ステップS404〜S405を繰り返し、選択された基底および乱数値に対する受光パワーの測定値を記録する(ステップS406a)。以下同様に、ステップS402〜S406を、4通りの基底および乱数の組み合わせすべてについて実行し(ステップS407)、送信器の最適タイミングを決定する(ステップS408)。このように経験的の知識を利用することで迅速に検索することができる。
受信器のタイミング検索においても、同様に、予め経験的に定められる検索範囲を整数iおよびjで定めておき、タイミングを初期値(2π/N)*iにリセットし(ステップS503a)、j回だけステップS504〜S505を繰り返す。
3.2)第4実施例
図18は本発明の第4実施例によるタイミング制御手順を示すフローチャートである。 本実施例による送信器タイミング検索は、まず粗検索(ステップS602〜S608)によって最適タイミングが存在する範囲をある程度特定し、続いてその範囲を密に検索(ステップS609〜S614)することで最適タイミングの位置を高速かつ正確に特定することができる。
また、本実施例による受信器タイミング検索は、1組の乱数および基底を指定して光子検出結果を記録し、それに基づいて最適タイミングが存在する範囲をある程度特定し(ステップS702〜S707)、続いてその範囲を他の乱数および基底の組を指定しながら検索(ステップS708〜S703)することで最適タイミングの位置を高速かつ正確に特定することができる。以下詳述する。
A)送信器タイミング検索
図18において、まず、タイミング制御部240は整数M、N(ただし、M<N)およびj(ただし、j<N)を予め格納している。送信器タイミング検索が開始されると、タイミング制御部240は受信器20をトレーニングモードに設定し、さらに送信器10へトレーニングモードへのモード変更信号を送信する(ステップS601)。トレーニングモードに設定されると、タイミング制御部240は4通りの基底および乱数の組み合わせから1つを選択し、選択された基底を受信器20の位相変調器206に設定し、選択された基底および乱数値の組み合わせを送信器10へ通知する(ステップS602)。
続いて、タイミング制御部240は、送信器10の位相変調器102に印加される電圧のタイミングシフトをリセットするように送信器10へ指示し(ステップS603)、続いて送信器10へタイミングシフトを指示する。これによって送信器10の同期ブロック110は、所定の整数Mを用いて、位相変調器102への電圧印加タイミングを2π/Mだけシフトさせ、このタイミングで設定された位相変調の電圧が印加される(ステップS604)。これによって、通過するカルテットパルスの各光パルスが上述したように変調され、ダブルパルスとして受信器10へ折り返される。
受信器10は、受信したダブルパルスを上述したように指定された基底により位相変調器206で変調し、光カプラ203で干渉させてAPD0およびAPD1で光パワーを測定し、それらの測定値をメモリ250に記録する(ステップS605)。
タイミング制御部240は、位相変調器102への電圧印加タイミングを2π/Mずつシフトさせながら、M個の電圧印加タイミングすべてについて測定されるまで上記ステップS604〜S605を繰り返し、選択された基底および乱数値に対する受光パワーの測定値を記録する(ステップS606)。MはNよりも小さい数値であるから、シフトステップ2π/Mは通常よりも大きなステップとなり粗検索が可能となる。
タイミング制御部240は、以上のステップS602〜S606を、4通りの基底および乱数の組み合わせすべてについて実行する(ステップS607)。4通りの基底および乱数の組み合わせでの測定が終了すると(ステップS607のYES)、タイミング制御部240はメモリ250に記録されたAPD0およびAPD1の測定結果に基づいて、送信器の最適タイミングが存在する最適タイミング位置(2π/M)*iを次の密検索の初期値に決定する。最適タイミングの決定方法は第1実施例で説明したとおりである。
続いて、タイミング制御部240は、送信器10の位相変調器102に印加される電圧のタイミングシフトを上記決定された最適タイミング(2π/M)*iに設定するように送信器10へ指示し(ステップS608)、さらに4通りの基底および乱数の組み合わせから1つを選択して受信器20の位相変調器206に設定し、選択された基底および乱数値の組み合わせを送信器10へ通知する(ステップS609)。続いて送信器10へタイミングシフトを指示することで、送信器10の同期ブロック110は、所定の整数Nを用いて、位相変調器102への電圧印加タイミングを2π/Nだけシフトさせ、このタイミングで設定された位相変調の電圧が印加される(ステップS610)。これによって、通過するカルテットパルスの各光パルスが上述したように変調され、ダブルパルスとして受信器10へ折り返される。
受信器10は、受信したダブルパルスを上述したように指定された基底により位相変調器206で変調し、光カプラ203で干渉させてAPD0およびAPD1で光パワーを測定し、それらの測定値をメモリ250に記録する(ステップS611)。
タイミング制御部240は、位相変調器102への電圧印加タイミングを2π/Nずつシフトさせながら、j個の電圧印加タイミングすべてについて測定されるまで上記ステップS610〜S611を繰り返し、選択された基底および乱数値に対する受光パワーの測定値を記録する(ステップS612)。NはMよりも大きい値であるから、シフトステップ2π/Nはより細かいステップとなり密検索が可能となる。
タイミング制御部240は、以上のステップS6092〜S612を、4通りの基底および乱数の組み合わせすべてについて実行する(ステップS613)。4通りの基底および乱数の組み合わせでの測定が終了すると(ステップS613のYES)、タイミング制御部240はメモリ250に記録されたAPD0およびAPD1の測定結果に基づいて、送信器の最適タイミングを決定する(ステップS614)。
B)受信器タイミング検索
受信器のタイミング検索では、まず、タイミング制御部240は、受信器20を量子モードに設定し光子検出器APD0およびAPD1をガイガーモードで動作させ、さらに送信器10へ量子モードへのモード変更信号を送信する。これによって、送信器10の通信制御部130は可変光減衰器105の損失量を増大させ、出力される光パワーをパルス当たり1個以下のレベルまで低下させる(ステップS701)。
量子モードに設定されると、タイミング制御部240は4通りの基底および乱数の組み合わせから1つを選択し、選択された基底を受信器20の位相変調器206に設定し、選択された基底および乱数値の組み合わせを送信器10の通信制御部130へ指定する(ステップS702)。
続いて、タイミング制御部240は同期ブロック210を制御し、光子検出器APD0、APD1に印加される電圧のタイミングシフトを0にリセットする(ステップS703)。タイミングシフトが初期化されると、タイミング制御部240は同期ブロック210を制御し、所定の整数Nを用いてクロック信号CLKを2π/Nだけシフトさせ、光子検出器APD0およびAPD1へ逆バイアス電圧を印加する(ステップS704)。これによって、送信器から到来した微弱パワーのパルスの干渉結果が光子検出器APD0またはAPD1により検出され、この光子検出結果がメモリ250に記録される(ステップS705)。
タイミング制御部240は光子検出器APD0、APD1への電圧印加タイミングを2π/Nずつシフトさせながら、すべての電圧印加タイミングが終了するまで上記ステップS704〜S705を繰り返し、選択された基底および乱数値に対する光子検出結果を記録する(ステップS706)。タイミングシフトが終了すると(ステップS706のYES)、タイミング制御部240はメモリ250に記録されたAPD0およびAPD1の光子検出結果に基づいて、当該乱数および基底の組み合わせにおける受信器の最適タイミング(2π/N)*iを決定し、それを次の検索における初期値に設定する(ステップS707)。最適タイミングの決定方法については既に説明したとおりである。
続いて、タイミング制御部240は、上記決定された最適タイミング(2π/N)*iを初期値として、さらに残りの3通りの基底および乱数の組み合わせから1つを選択して受信器20の位相変調器206に設定し、選択された基底および乱数値の組み合わせを送信器10へ通知する(ステップS708)。
続いて、タイミング制御部240は同期ブロック210を制御し、所定の整数Nを用いてクロック信号CLKを2π/Nだけシフトさせ、光子検出器APD0およびAPD1へ逆バイアス電圧を印加する(ステップS709)。これによって、送信器から到来した微弱パワーのパルスの干渉結果が光子検出器APD0またはAPD1により検出され、この光子検出結果がメモリ250に記録される(ステップS710)。
タイミング制御部240は光子検出器APD0、APD1への電圧印加タイミングを2π/Nずつシフトさせながら、j回すべての電圧印加タイミングが終了するまで上記ステップS709〜S710を繰り返し、選択された基底および乱数値に対する光子検出結果を記録する(ステップS711)。タイミングシフトが終了すると(ステップS711のYES)、ステップS708〜S711を、残りの基底および乱数の組み合わせすべてについて実行する(ステップS712)。4通りの基底および乱数の組み合わせでの測定が終了すると(ステップS712のYES)、タイミング制御部240はメモリ250に記録されたAPD0およびAPD1の測定結果に基づいて、受信器の最適タイミングを決定する(ステップS713)。最適タイミングの決定方法については既に説明したとおりである。
[第2実施形態]
本発明は、量子鍵配布システムに適用されるだけではなく、次に説明するように送信側の変調タイミングを確認することが必要な光通信システム一般に適用可能である。以下、送信器が位相変調した光パルスを受信器で受信する一方向システムを適用例として説明する。
図19は本発明の第2実施形態による光通信システムの構成を示すブロック図である。送信器には、量子ブロックの代わりに、レーザ光源106および位相変調器102を含む位相変調ブロック150が設けられている。レーザ光源106はパルス駆動されて光パルスを出力し、位相変調器102により位相変調されて光ファイバ伝送路30へ送出される。また、送信器には、第1実施形態と同様の機能を有する同期ブロック110、データ通信部120および通信制御部130が設けられている。
受信器には、量子ブロックの代わり光検出ブロック280が設けられ、さらに第1実施形態と同様の機能を有するデータ通信部220、メモリ250および通信制御部270が設けられている。本実施形態における通信制御部270は、上述したタイミング制御と同様の時間方向制御機能に加えて、後述するように送信器側のタイミング信号の電圧制御機能を有する。通信制御部270はデータ通信部220および120を通して送信器の通信制御部130と通信可能である。
光検出ブロック280では、光検出器APD0およびAPD1に接続された光カプラ203と光伝送路30に接続された光カプラ207との間に短いパス(Short Path)204および長いパス(Long Path)205を並列に設け、その光路差を1ビット分に調整している。
位相変調ブロック150と光検出ブロック280との間で伝送される光信号は光パワーが通常のレベルの信号であるから、受信器側の光検出ブロック280では、Gated Geiger Mode受信を行う必要がなく光検出器APD0およびAPD1は固定バイアスで動作する。
具体的には、レーザ光源106は、たとえばRZ(Return to Zero)信号によりパルス駆動され、その出力光パルス列は位相変調器102で0またはπの位相変調を施される。伝送路30を伝搬した後、光パルスは受信器の光カプラ207で2分岐され、短いパス(Short Path)204を通った光パルス列と長いパス(Long Path)205を通って1ビット遅延した光パルス列とが光カプラ203で干渉する。その結果、位相差が0であればAPD0で受信され、位相差がπであればAPD1で受信される。すなわち、送信器で“0−0”または“π−π”を送信したときには受信器はAPD0で受信し、送信器で“0−π”または“π−0”を送信したときには受信器はAPD1で受信する。
しかしながら,第1実施形態と同様に、位相変調器102の変調タイミングは送信器自信では判断できないため、受信器側で確認する必要がある。
4.第5実施例
4.1)タイミング信号の時間方向制御
図20は本発明の第5実施例による送信器のタイミング制御手順を示すハンドシェイク図であり、図21は本発明の第5実施例による送信器のタイミング制御手順を示すフローチャートである。送信器の制御はすべて受信器からの指示により行われる。送信器の位相変調器102は同期ブロック110から供給されるクロックによって駆動されるので、位相変調器102を駆動するタイミングはクロックを供給するタイミングによる。同期ブロック110は、受信側の通信制御部270の指示により、クロックのタイミングを任意のステップで0から2πまでシフトさせることができる。
まず、受信器の通信制御部270は、データ“00”を指定して送信器へ通知し(ステップS801)、データ通信部220および120を介して送信器の同期ブロック110のクロックシフト量をクリアして0にするように指示する(ステップS802)。続いて、送信器の同期ブロック110のクロックシフト量が2πになるまで次のステップが繰り返される。
まず、受信器の通信制御部270は送信器の通信制御部130に送信器同期ブロック110のクロックを1ステップ(2π/N)シフトするよう指示し、送信器の通信制御部130は同期ブロック110のクロックを1ステップシフトさせる(ステップS803)。送信器の位相変調器102を駆動するタイミングが1ステップずれることで、結果として受信器の光検出ブロック280の光カプラ203で干渉してAPD0またはAPD1が受光する光パワーに反映され、APD0およびAPD1の受信パワー測定結果をメモリ250に格納する(ステップS804)。
こうして全てのタイミングシフトが終了すると(ステップS805のYES)、以下同様にして、残りの3通りの送信データの組み合わせ“11”、“01”および“10”についても、それぞれAPD0およびAPD1に出力されるパワーを測定してメモリに格納する(ステップS806)。
4通り全ての送信データの組み合わせについて測定が終了すると(ステップS806のYES)、メモリ250に格納された測定結果から、送信データ“0−0”および“π−π”のときはAPD0に出力し、送信データ“0−π”または“π−0”のときはAPD1に出力するシフト量を最適タイミングとして決定する(ステップS807)。
4.2)タイミング信号の電圧制御
しかしながら、実際はクロックの時間方向の制御だけでは十分ではない。位相変調器102で位相“0”や“π”といった変調を与えたとしても、実際に位相が“0”または“π”であるとは限らない。なぜなら位相変調器102の位相は電圧によって制御されており、送信器の環境温度の変化によって与える電圧と変調位相の関係が変動するからである。よって、受信器の通信制御部270はAPD0およびAPD1から得られる干渉消光比を常に監視し、干渉消光比が劣化したときは位相変調器102の電圧値を微調整する必要がある。
図22は本発明の第5実施例による送信器の位相変調器に対する電圧制御手順を示すフローチャートである。通信制御部270はAPD0およびAPD1により測定される受光パワーを常時入力し(ステップS901)、それらの干渉消光比Eを計算する(ステップS902)。
干渉消光比Eが所定のしきい値ETHより劣化した場合には(ステップS903のYES)、通信制御部270はデータ通信部220および120を介して送信器の通信制御部130に送信器の位相変調器102の電圧を1ステップ(例えば100mV)だけ変化(上昇あるいは下降)させるよう指示する(ステップS904)。位相変調器102の電圧が1ステップ変化することで、光パルスの位相が変化するので、結果として受信器で干渉してAPD0およびAPD1が受光する光パワーに反映される。このAPD0およびAPD1の測定結果をメモリ250に格納する(ステップS905)。
上記ステップS904〜S905を予め設定した電圧値を中心に例えば±1Vの範囲で繰り返す。こうしてメモリ250に格納された測定結果を用いて、電圧を変化させて干渉消光比Eが最大となる電圧値を最適電圧として設定する。
このように位相変調器102に印加される電圧を最適化することで、上記時間方向の最適化制御を効果的に実行することができる。なお、送信器側のタイミング信号の時間方向制御機能および電圧制御機能を有する通信制御部270は、本実施形態だけでなく、上記第1実施形態による受信器の通信制御部230およびタイミング制御部240に代えて設けてもよい。
4.3)効果
以上説明したように、本実施例によれば、まず受信器20からの制御により、送信器10における位相変調のタイミングを1ステップずつシフトさせ、1ステップシフトごとに受信器20での検出結果をメモリ250に格納し、その格納データに基づいて送信器10の位相変調の最適タイミングを決定する。したがって、送信器10の位相変調が正しいタイミングであることを受信器側で確認することができる。さらに、本実施例によれば、受信器において干渉消光比を常にモニタし、劣化した場合に位相変調器を駆動する電圧を微調することによって正しい位相の変調を行うことができる。このように制御することで、安定した信頼性の高い位相変調が可能な光通信システムを実現することができる。
なお、本発明は、上述したPlug&Play方式の双方向方式だけでなく、一方向の量子暗号鍵配布方式にも適用可能であり、量子暗号通信におけるすべての方式で適用可能である。さらに、量子暗号鍵配布に限定されるものではなく光信号のパワーが通常のレベルで行う一般的な光通信の位相変調システムでも適用可能である。
本発明の第1実施形態による光通信システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施例による温度無依存型Plug&Playシステムの構成を示すブロック図である。 送信器のPBSループの動作を説明するための模式的構成図である。 PBSループを伝播する光パルスの時間順序を示す説明図である。 本発明の一実施例によるタイミング制御手順を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて送信器のタイミング制御シーケンスを示すハンドシェイク図である。 (a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器で測定される平均パワーの変化を模式的に示すグラフである。 基底および乱数の組み合わせが(+、0)の場合の送信器でのタイミングシフトと受信器での測定結果との関係を模式的に示す図である。 基底および乱数の組み合わせが(+、1)の場合の送信器でのタイミングシフトと受信器での測定結果との関係を模式的に示す図である。 基底および乱数の組み合わせが(×、0)の場合の送信器でのタイミングシフトと受信器での測定結果との関係を模式的に示す図である。 基底および乱数の組み合わせが(×、1)の場合の送信器でのタイミングシフトと受信器での測定結果との関係を模式的に示す図である。 メモリ250に格納されているAPD0およびAPD1の観測光パワーデータとクロックシフト量とのデータテーブルを模式的に示す図である。 (a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器のタイミング制御シーケンスを示すハンドシェイク図である。 (a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器で検出されるパワーの変化を模式的に示すグラフである。 本発明の第2実施例による量子暗号鍵配布システムの構成を示すブロック図である。 (a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器で測定される平均パワーの変化を模式的に示すグラフである。 本発明の第3実施例によるタイミング制御手順を示すフローチャートである。 本発明の第4実施例によるタイミング制御手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態による光通信システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第5実施例による送信器のタイミング制御手順を示すハンドシェイク図である。 本発明の第5実施例による送信器のタイミング制御手順を示すフローチャートである。 本発明の第5実施例による送信器の位相変調器に対する電圧制御手順を示すフローチャートである。 Plug&Play方式の概略的構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 送信器
100 量子ブロック
101 ファラデーミラー
102 位相変調器
103 PBS
104 PBSループ
105 可変光減衰器
106 レーザ
110 同期ブロック
120 データ通信部
130 通信制御部
20 受信器
200 量子ブロック
201 レーザ
202 光サーキュレータ
203 光カプラ
204 Short Path
205 Long Path
206 位相変調器
207 PBS
208,209 光検出器(APD)
210 同期ブロック
220 データ通信部
230 通信制御部
240 タイミング制御部
250 メモリ
260 プログラムメモリ
30 光伝送路
40,50 波長多重フィルタ

Claims (42)

  1. 複数の通信チャネルを通して第1通信器と第2通信器との間で情報伝送を行う通信システムにおいて、
    前記第1通信器は、
    与えられた変調タイミングに従って、送信すべき原情報により搬送信号を変調し、一の通信チャネルを通して送信する変調手段と、
    前記変調タイミングを変更可能なタイミング供給手段と、
    を含み、
    前記第2通信器は、
    前記一の通信チャネルを通して受信した信号を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に基づいて前記第1通信器の前記変調タイミングを別の通信チャネルを通して制御するタイミング制御手段と、
    を含む、
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 前記タイミング制御手段は、前記変調タイミングを時間軸上でずらしながら前記検出手段の検出結果を監視し、所望の検出結果が得られる変調タイミングを検索することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記第2通信器は、前記検出手段に検出タイミングを供給する検出タイミング供給手段を更に含み、
    前記タイミング制御手段は、前記変調タイミングの制御終了後に、前記検出手段の検出結果に基づいて前記検出タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  4. 前記タイミング制御手段は、前記検出タイミングを時間軸上でずらしながら前記検出手段の検出結果を監視し、所望の検出結果が得られる検出タイミングを検索することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
  5. 前記第1通信器は、前記変調手段による変調の深さを変更可能な第1制御手段を更に含み、
    前記第2通信器は、前記検出手段の検出結果に基づいて前記変調の深さを前記別の通信チャネルを通して調整する第2制御手段を更に含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  6. 前記変調手段は前記搬送信号に対して印加電圧に応じた位相差を与える位相変調器であり、前記変調タイミングは前記搬送信号が当該位相変調器を通過する時間領域であることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  7. 前記タイミング制御手段は、前記位相変調器に電圧を印加する時間領域を時間軸上でずらしながら前記検出手段の検出結果を監視し、所望の検出結果が得られる電圧印加時間領域を検索することを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
  8. 複数の通信チャネルを通して第1通信器と第2通信器との間で情報伝送を行う光通信システムにおいて、
    前記第1通信器は、
    与えられた変調タイミングで、送信すべき原情報に従った位相制御信号により光信号を位相変調し、一の通信チャネルを通して送信する位相変調手段と、
    前記変調タイミングを変更可能なタイミング供給手段と、
    別の通信チャネルを通して前記第2通信器との間で制御信号を送受信し、前記位相変調手段および前記タイミング供給手段を制御する第1制御手段と、
    を含み、
    前記第2通信器は、
    前記一の通信チャネルを通して受信した光信号から光学干渉により前記原情報を検出するための検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に基づいて前記第1通信器の前記変調タイミングを制御する制御信号を前記別の通信チャネルを通して前記第1制御手段へ送信する第2制御手段と、
    を含む、
    ことを特徴とする光通信システム。
  9. 前記第2制御手段は、前記位相変調手段に前記位相制御信号を印加する時間領域を時間軸上でシフトさせるための前記制御信号を前記第1制御手段へ順次送信し、その都度、前記検出手段の前記光学干渉により変化する検出結果を記録する記憶手段を有することを特徴とする請求項8に記載の光通信システム。
  10. 前記第2制御手段は、前記記憶手段に記録された時間軸上のシフト量とその検出結果の変化に基づいて、所望の検出結果が得られるシフト量から前記位相制御信号の印加時間領域を決定することを特徴とする請求項9に記載の光通信システム。
  11. 前記第2制御手段は、前記位相制御信号の複数の値の各々に対して、前記位相変調手段に印加する時間領域を時間軸上でシフトさせるための前記制御信号を前記第1制御手段へ順次送信し、その都度前記検出手段の前記光学干渉により変化する検出結果を前記位相制御信号の各値について記録する記憶手段を有することを特徴とする請求項8に記載の光通信システム。
  12. 前記第2制御手段は、前記位相制御信号の各値について前記記憶手段に記録された時間軸上のシフト量とその検出結果の変化に基づいて、前記位相制御信号の各値について所望の検出結果が得られるシフト量から前記位相制御信号の印加時間領域を決定することを特徴とする請求項11に記載の光通信システム。
  13. 前記第2通信器は前記検出手段に検出タイミングを供給する検出タイミング供給手段を更に有し、
    前記検出手段は、
    前記一の通信チャネルを通して受信した光信号を光学干渉させる光学干渉系と、
    前記光学干渉系からの出射光を受光する光検出器と、
    を含み、
    前記第2制御手段は、前記変調タイミングの制御が終了した後、前記検出タイミングにしたがって前記光検出器に対して光検出用バイアス電圧を印加し、そのときの前記光検出器の検出結果に基づいて前記検出タイミングを制御することを特徴とする請求項8に記載の光通信システム。
  14. 前記第2制御手段は、前記検出タイミングの時間領域を時間軸上で順次シフトさせ、その都度、前記光検出器の検出結果を記録する記憶手段を有することを特徴とする請求項13に記載の光通信システム。
  15. 前記第2制御手段は、前記記憶手段に記録された時間軸上のシフト量とその検出結果の変化に基づいて、所望の検出結果が得られるシフト量から前記検出タイミングの時間領域を決定することを特徴とする請求項13に記載の光通信システム。
  16. 前記第2制御手段は、前記位相制御信号の複数の値の各々に対して、前記検出タイミングの時間領域を時間軸上で順次シフトさせ、その都度、前記光検出器の検出結果を前記位相制御信号の各値について記録する記憶手段を有することを特徴とする請求項13に記載の光通信システム。
  17. 前記第2制御手段は、前記位相制御信号の各値について前記記憶手段に記録された時間軸上のシフト量とその検出結果の変化に基づいて、前記位相制御信号の各値について所望の検出結果が得られるシフト量から前記検出タイミングの時間領域を決定することを特徴とする請求項16に記載の光通信システム。
  18. 前記変調タイミングの制御は、前記光信号を通常の光パワーに設定して行われ、前記光検出器には前記光検出用バイアス電圧が固定バイアスとして印加され、
    前記検出タイミングの制御は、前記光信号を極めて微弱な光パワーに設定して行われ、前記光検出器には前記検出タイミングに従って前記光検出用バイアス電圧が印加される、
    ことを特徴とする請求項13に記載の光通信システム。
  19. 前記極めて微弱な光パワーは1フォトン/パルス以下であることを特徴とする請求項18に記載の光通信システム。
  20. 前記複数の通信チャネルは波長多重され、波長の異なるチャネル間の伝搬遅延差が補償されることを特徴とする請求項1または8に記載の光通信システム。
  21. 複数の通信チャネルを通して光受信器との間で情報伝送を行う光送信器において、
    与えられた変調タイミングで、送信すべき原情報に従って光信号を位相変調し、一の通信チャネルを通して前記光受信器へ送信する位相変調手段と、
    前記変調タイミングを変更可能なタイミング供給手段と、
    別の通信チャネルを通して前記受信器から受信した制御信号に従って前記変調タイミングをシフトさせる制御手段と、
    を有し、前記光受信器において前記変調タイミングを制御可能にしたことを特徴とする光送信器。
  22. 複数の通信チャネルを通して光送信器との間で情報伝送を行う光受信器において、
    一の通信チャネルを通して前記光受信器から受信した位相変調された光信号を光学的に干渉させる光学干渉手段と、
    前記光学干渉手段からの出射光を受光する光検出手段と、
    前記光検出手段の検出結果に基づいて前記送信器の位相変調タイミングを制御する制御信号を別の通信チャネルを通して前記送信器へ送信する制御手段と、
    を有し、前記送信器の位相変調タイミングを制御可能にしたことを特徴とする光受信器。
  23. 請求項21に記載の光送信器と請求項22に記載の光受信器とを備えた量子暗号鍵配布システム。
  24. 複数の通信チャネルを通して送信器と受信器との間で情報伝送を行うためのタイミング制御方法において、
    前記送信器は、変調タイミングに従って、送信すべき原情報により搬送信号を変調し、変調された搬送信号を一の通信チャネルを通して前記受信器へ送信し、
    前記受信器は、前記一の通信チャネルを通して受信した信号を検出し、その検出結果に基づいて前記変調タイミングを制御する制御信号を別の通信チャネルを通して前記送信器へ送信し、
    前記制御信号を前記別の通信チャネルを通して受信した前記送信器は、前記制御信号に従って前記変調タイミングを変化させる、
    ことを特徴とするタイミング制御方法。
  25. 前記送信器は、前記制御信号に従って前記変調タイミングを時間軸上で順次シフトさせ、その都度、前記受信器は検出結果を監視し、所望の検出結果が得られる変調タイミングを検索することを特徴とする請求項24に記載のタイミング制御方法。
  26. 前記受信器は、前記変調タイミングの制御終了後に、検出タイミングを時間軸上でずらしながら前記検出結果を監視し、所望の検出結果が得られる検出タイミングを検索することを特徴とする請求項24または25に記載のタイミング制御方法。
  27. 前記受信器は、
    前記送信器における所定の複数の変調の深さの各々に対して、前記変調タイミングを時間軸上でシフトさせるための前記制御信号を前記第1制御手段へ順次送信し、
    前記複数の変調の深さの各々について前記検出結果の変化を記録する、
    ことを特徴とする請求項24に記載のタイミング制御方法。
  28. 前記受信器は、前記複数の変調の深さの各々について前記記録された時間軸上のシフト量とその検出結果の変化に基づいて、前記複数の変調の深さの各々における所望の検出結果が得られるシフト量から前記変調タイミングを決定することを特徴とする請求項27に記載のタイミング制御方法。
  29. 前記受信器は、さらに、前記別の通信チャネルを通して前記送信器の変調の深さを変化させる制御信号を前記送信器へ送信し、それによる前記検出結果の変化に基づいて前記送信器の変調の深さを調整することを特徴とする請求項24に記載のタイミング制御方法。
  30. 前記受信器は、
    前記検出結果を常時監視し、
    前記検出結果が所定レベルより劣化すると、前記送信器の変調の深さを変化させる制御信号を前記送信器へ送信し、
    前記変調の深さを変化させる制御信号による前記検出結果の変化に基づいて前記送信器の変調の深さを調整する、
    ことを特徴とする請求項29に記載のタイミング制御方法。
  31. 複数の通信チャネルを通して他の通信器との間で情報伝送を行うためのタイミング制御方法において、
    a)前記他の通信器における複数の変調の深さの1つを順次指定し、指定された変調の深さを前記他の通信器に設定するための制御信号を一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    b)前記他の通信器の変調タイミングを初期値に設定するための制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    c)前記他の通信器の変調タイミングをシフトさせる制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    d)他の通信チャネルを通して前記他の通信器から受信した変調された信号を検出し、
    e)前記c)およびd)を所定回数繰り返し、前記d)における検出結果をその都度記録し、
    f)前記複数の変調の深さの全てが終了するまで前記a)〜e)を繰り返し、
    g)前記記録された検出結果とそのときの変調タイミングのシフト量とに基づいて、前記他の通信器の変調タイミングを決定する、
    ことを特徴とするタイミング制御方法。
  32. 前記a)における初期値と前記d)における所定回数とによって前記変調タイミングのシフト範囲を限定することを特徴とする請求項31に記載のタイミング制御方法。
  33. h)前記他の通信器の変調タイミングが決定されると、前記他の通信器の光信号を極めて微弱な光パワーに設定するための制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    i)前記他の通信器における複数の変調の深さの1つを順次指定し、指定された変調の深さを前記他の通信器に設定するための制御信号を一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    j)自己の通信器の検出タイミングを初期値に設定し、
    k)前記検出タイミングをシフトさせ、
    l)前記i)で設定された検出タイミングに従って、前記他の通信チャネルを通して前記他の通信器から受信した変調された信号を検出し、
    m)前記k)およびl)を所定回数繰り返し、前記l)における検出結果をその都度記録し、
    n)前記複数の変調の深さの全てが終了するまで前記h)〜m)を繰り返し、
    o)前記記録された検出結果とそのときの検出タイミングのシフト量とに基づいて、前記自己の通信器の検出タイミングを決定する、
    ことを特徴とする請求項31に記載のタイミング制御方法。
  34. 前記j)における初期値と前記m)における所定回数とによって前記検出タイミングのシフト範囲を限定することを特徴とする請求項33に記載のタイミング制御方法。
  35. 複数の通信チャネルを通して他の通信器との間で情報伝送を行うためのタイミング制御方法において、
    a)前記他の通信器における複数の変調の深さの1つを順次指定し、指定された変調の深さを前記他の通信器に設定するための制御信号を一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    b)前記他の通信器の変調タイミングを第1シフト量だけシフトさせる制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    c)他の通信チャネルを通して前記他の通信器から受信した変調された信号を検出し、
    d)前記b)およびc)を所定のシフト範囲が終了するまで繰り返し、前記c)における検出結果をその都度記録し、
    e)前記複数の変調の深さの全てが終了するまで前記a)〜d)を繰り返し、
    f)前記記録された検出結果とそのときの変調タイミングのシフト量とに基づいて、前記他の通信器の変調タイミングの初期値を決定し、前記他の通信器の変調タイミングを前記初期値に設定するための制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    g)前記他の通信器における複数の変調の深さの1つを順次指定し、指定された変調の深さを前記他の通信器に設定するための制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    h)前記他の通信器の変調タイミングを、第1シフト量より小さい第2シフト量だけシフトさせる制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    i)前記他の通信チャネルを通して前記他の通信器から受信した変調された信号を検出し、
    j)前記h)およびi)を所定回数繰り返し、前記i)における検出結果をその都度記録し、
    k)前記複数の変調の深さの全てが終了するまで前記g)〜j)を繰り返し、
    l)前記j)で記録された検出結果とそのときの変調タイミングのシフト量とに基づいて、前記他の通信器の変調タイミングを決定する、
    ことを特徴とするタイミング制御方法。
  36. m)前記他の通信器の変調タイミングが決定されると、前記他の通信器の光信号を極めて微弱な光パワーに設定するための制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    n)前記複数の変調の深さの1つを指定し、
    o)自己の通信器の検出タイミングを初期値に設定し、
    p)前記検出タイミングをシフトさせ、
    q)前記p)で設定された検出タイミングに従って、前記他の通信チャネルを通して前記他の通信器から受信した変調された信号を検出し、
    r)前記p)およびq)を所定回数繰り返し、前記q)における検出結果をその都度記録し、
    s)前記記録された検出結果とそのときの変調タイミングのシフト量とに基づいて、前記自己の通信器の第1検出タイミングを決定し、
    t)自己の通信器の検出タイミングの初期値として前記第1検出タイミングを設定し、
    u)前記n)で指定された変調の深さを除く残りの複数の変調の深さの1つを順次指定し、
    v)前記検出タイミングをシフトさせ、
    w)前記v)で設定された検出タイミングに従って、前記他の通信チャネルを通して前記他の通信器から受信した変調された信号を検出し、
    x)前記v)およびw)を所定回数繰り返し、前記w)における検出結果をその都度記録し、
    y)前記残りの複数の変調の深さの全てが終了するまで前記v)〜x)を繰り返し、
    z)前記x)で記録された検出結果とそのときの検出タイミングのシフト量とに基づいて、前記自己の通信器の最適検出タイミングを決定する、
    ことを特徴とする請求項35に記載のタイミング制御方法。
  37. コンピュータに、複数の通信チャネルを通して他の通信器との間で情報伝送を行うためのタイミング制御を実行させるためのプログラムにおいて、
    a)前記他の通信器における複数の変調の深さの1つを順次指定し、指定された変調の深さを前記他の通信器に設定するための制御信号を一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    b)前記他の通信器の変調タイミングを初期値に設定するための制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    c)前記他の通信器の変調タイミングをシフトさせる制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    d)他の通信チャネルを通して前記他の通信器から受信した変調された信号を検出し、
    e)前記c)およびd)を所定回数繰り返し、前記d)における検出結果をその都度記録し、
    f)前記複数の変調の深さの全てが終了するまで前記a)〜e)を繰り返し、
    g)前記記録された検出結果とそのときの変調タイミングのシフト量とに基づいて、前記他の通信器の変調タイミングを決定する、
    ステップを有することを特徴とするコンピュータプログラム。
  38. 前記a)における初期値と前記d)における所定回数とによって前記変調タイミングのシフト範囲を限定することを特徴とする請求項37に記載のコンピュータプログラム。
  39. h)前記他の通信器の変調タイミングが決定されると、前記他の通信器の光信号を極めて微弱な光パワーに設定するための制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    i)前記他の通信器における複数の変調の深さの1つを順次指定し、指定された変調の深さを前記他の通信器に設定するための制御信号を一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    j)自己の通信器の検出タイミングを初期値に設定し、
    k)前記検出タイミングをシフトさせ、
    l)前記i)で設定された検出タイミングに従って、前記他の通信チャネルを通して前記他の通信器から受信した変調された信号を検出し、
    m)前記k)およびl)を所定回数繰り返し、前記l)における検出結果をその都度記録し、
    n)前記複数の変調の深さの全てが終了するまで前記h)〜m)を繰り返し、
    o)前記記録された検出結果とそのときの検出タイミングのシフト量とに基づいて、前記自己の通信器の検出タイミングを決定する、
    ことを特徴とする請求項37に記載のコンピュータプログラム。
  40. 前記j)における初期値と前記m)における所定回数とによって前記検出タイミングのシフト範囲を限定することを特徴とする請求項39に記載のコンピュータプログラム。
  41. コンピュータに、複数の通信チャネルを通して他の通信器との間で情報伝送を行うためのタイミング制御を実行させるためのプログラムにおいて、
    a)前記他の通信器における複数の変調の深さの1つを順次指定し、指定された変調の深さを前記他の通信器に設定するための制御信号を一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    b)前記他の通信器の変調タイミングを第1シフト量だけシフトさせる制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    c)他の通信チャネルを通して前記他の通信器から受信した変調された信号を検出し、
    d)前記b)およびc)を所定のシフト範囲が終了するまで繰り返し、前記c)における検出結果をその都度記録し、
    e)前記複数の変調の深さの全てが終了するまで前記a)〜d)を繰り返し、
    f)前記記録された検出結果とそのときの変調タイミングのシフト量とに基づいて、前記他の通信器の変調タイミングの初期値を決定し、前記他の通信器の変調タイミングを前記初期値に設定するための制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    g)前記他の通信器における複数の変調の深さの1つを順次指定し、指定された変調の深さを前記他の通信器に設定するための制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    h)前記他の通信器の変調タイミングを、第1シフト量より小さい第2シフト量だけシフトさせる制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    i)前記他の通信チャネルを通して前記他の通信器から受信した変調された信号を検出し、
    j)前記h)およびi)を所定回数繰り返し、前記i)における検出結果をその都度記録し、
    k)前記複数の変調の深さの全てが終了するまで前記g)〜j)を繰り返し、
    l)前記j)で記録された検出結果とそのときの変調タイミングのシフト量とに基づいて、前記他の通信器の変調タイミングを決定する、
    ことを特徴とするコンピュータプログラム。
  42. m)前記他の通信器の変調タイミングが決定されると、前記他の通信器の光信号を極めて微弱な光パワーに設定するための制御信号を前記一の通信チャネルを通して前記他の通信器へ送信し、
    n)前記複数の変調の深さの1つを指定し、
    o)自己の通信器の検出タイミングを初期値に設定し、
    p)前記検出タイミングをシフトさせ、
    q)前記p)で設定された検出タイミングに従って、前記他の通信チャネルを通して前記他の通信器から受信した変調された信号を検出し、
    r)前記p)およびq)を所定回数繰り返し、前記q)における検出結果をその都度記録し、
    s)前記記録された検出結果とそのときの変調タイミングのシフト量とに基づいて、前記自己の通信器の第1検出タイミングを決定し、
    t)自己の通信器の検出タイミングの初期値として前記第1検出タイミングを設定し、
    u)前記n)で指定された変調の深さを除く残りの複数の変調の深さの1つを順次指定し、
    v)前記検出タイミングをシフトさせ、
    w)前記v)で設定された検出タイミングに従って、前記他の通信チャネルを通して前記他の通信器から受信した変調された信号を検出し、
    x)前記v)およびw)を所定回数繰り返し、前記w)における検出結果をその都度記録し、
    y)前記残りの複数の変調の深さの全てが終了するまで前記v)〜x)を繰り返し、
    z)前記x)で記録された検出結果とそのときの検出タイミングのシフト量とに基づいて、前記自己の通信器の最適検出タイミングを決定する、
    ことを特徴とする請求項41に記載のコンピュータプログラム。

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