JP2007035714A - 基体表面の洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 超臨界流体を使用した基体表面の洗浄方法において、その洗浄能力の向上を図る。
【解決手段】 超臨界流体に対して融点が臨界温度以上である副成分を1種類以上含み、副成分が超臨界流体と相分離することで固体微粒子を形成し、超臨界流体中に分散した固体微粒子が被洗浄物の表面に衝突する衝撃力を用いて汚染を除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば半導体基板、液晶基板、半導体マスク、その他などの基体の表面洗浄に適した基体表面の洗浄方法に関する。
近年、例えば半導体デバイスの高集積化、微細化、高機能化に伴い、デバイスの幾何学的な構造は著しく微細化・複雑化してきている。それに応じてパターン間に残された微小な異物やエッチング残渣を除去する洗浄工程、及びエッチング液の除去/乾燥工程が益々重要となっている。しかし、幾何学的構造が微細化・複雑化すると、従来のウェット洗浄工程および乾燥工程では対応できなくなってくる。
具体的には、第一に、次世代の半導体デバイス製造の前工程(FEOL)では、回路パターン幅が数10nmで、2倍以上のアスペクト比(高さ/幅)が求められている。半導体基板上に形成した材料膜に対して、レジストパターンをマスクとしたパターンエッチングにより微細パターンを形成するため、レジストパターンのアスペクト比も必然的に増加する。このような高アスペクト微細構造は、高さが高いほど、また幅が薄いほど最大破断応力が小さくなるので、回路パターンやレジストパターンが微細化するほど機械的強度は著しく低下する。
一方、ウェット乾燥工程の毛管圧力は構造の寸法に反比例する。このため、次世代の微細パターンに対して、RCA洗浄に代表される薬液を用いたウェット洗浄工程後に純水によるリンス洗浄および乾燥工程を行うと、液体の表面張力によりパターンと基板の下地間、あるいはパターン同士に吸引が発生してパターン倒れが発生し、デバイスの歩留りが低下する。
第二に、次世代の半導体デバイス製造の前工程(FEOL)では、素子分離やキャパシタ形成のために高いアスペクト比を持つ溝も形成される。この溝の内部に入った汚染やレジスト残渣を除去するために従来のウェット洗浄を行っても、盲腸構造の溝内部に液体状態の洗浄剤は十分浸透せず、更にエッチング後の古い洗浄剤と新鮮な洗浄剤の交換効率が悪く、溝内部の異物が十分除去できない。
第三に、半導体ウェハ上に能動素子を形成した後の配線工程(BEOL)において、信号のRC遅延を低減するために、配線に電気抵抗の小さい銅や銀を用いると共に、配線間の絶縁体材料として誘電率の低いSiOFやMSQ(Methyl Silses Quioxane)などの低誘電率材料(いわゆるlow−k材)が用いられる。しかし、次世代の絶縁体材料の構造としては、低誘電体中に比誘電率=1の空気を介在させてトータルの誘電率を低減するポーラス構造の検討が進められている。ポーラスの低誘電率材料に対して水を含む洗浄液で洗浄すると、乾燥後の低誘電率材料の表面には水に起因する水酸基が残留して、材料の誘電率を上げてしまい所望の性能が期待できなくなる。
第四に、半導体基板にセンサーや表示素子などの機械的要素を組み込む、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスも用途が広がり、MEMS特有の3次元中空構造が量産されている。圧力センサーなど、中空構造を有するデバイスの形成は、予め犠牲層と呼ばれる材料を成膜した後、梁(ビーム)となる膜部分を成膜し、その後に犠牲層を除去して3次元中空部を作成するMEMSプロセスが一般化している。この3次元中空構造の洗浄に関しても、液体状態の洗浄剤は中空構造内部に十分浸透せず、更にエッチング後の古い洗浄剤と新鮮な洗浄剤の交換効率が悪く、中空部内部の異物が十分に除去できない。また、乾燥工程においては、液体の毛管応力で構造の可動部(梁の部分)が基板に貼り付き回復しない現象が見られる。
以上の問題があるため、これら次世代の半導体デバイスは、従来の半導体プロセスで用いられるような、薬液による洗浄工程、純水によるリンス洗浄工程、リンス洗浄後のスピンドヤイヤーによる乾燥工程、或いはイソプロピルアルコールなどの有機溶剤による蒸気乾燥からなる洗浄工程を微小構造体の洗浄/乾燥プロセスに適用することが難しい。
これらの課題を解決するために、表面張力を持たない「超臨界流体」を利用する洗浄あるいは乾燥工程が提案されている。超臨界流体とは、図3Aに示すように、固有の臨界温度(Tc)、臨界圧力(Pc)で特徴つけられている臨界点C以上の温度と圧力の状態で、液体と気体との区別ができなくなる非凝縮性の高密度流体である。Tは3重点である。超臨界二酸化炭素の場合、臨界温度Tc:31.0〔℃〕、臨界圧力Pc:7.4〔MPa〕である。超臨界流体の表面張力はゼロであり、毛管圧力に起因するパターンの倒壊は避けることが可能である。また、超臨界流体は一般的な液体と比べて粘度が著しく小さいため粘性抵抗が小さく、深い溝状の構造や中空構造の内部まで浸透することが可能である。一方、超臨界流体は気体の状態と比べて他の液体や固体を溶解する力が極めて大きく、基板表面に付着した汚染物を溶解できるだけではなく適当な洗浄助剤を添加することも可能であり、さらに気体の状態と比べて密度が高く、洗浄後に脱離したパーティクル状汚染などを運搬および排除する能力に優れる。
このため、超臨界流体は、微細化・複雑化した半導体デバイスの製造工程における構造の洗浄および乾燥に有効な技術である。特に高いアスペクト比を有する数10nm以下の微細パターン、MEMSなどの複雑な幾何学構造、水や熱に脆い物、長い乾燥時間を要する物などに対しては超臨界流体を用いた洗浄プロセスは優位性を有する。超臨界流体としては、適当な臨界点(Tc=31〔℃〕、Pc=7.4〔MPa〕)を有して、毒性、腐食性、引火性がなく安全であること、及び経済的な見地から二酸化炭素(CO2 )が工業的に広く使用されている。二酸化炭素は再利用可能であり、薬液を用いる洗浄プロセスと比較すると環境に対する負荷が少ない洗浄プロセスになることが期待できる。
しかし、超臨界二酸化炭素に代表される有機系の超臨界流体は、半導体ウェハ表面に付着する有機物を溶解して抽出することが可能であるが、無機系のパーティクル状汚染や下地のシリコンあるいはシリコン化合物など、無機系の材料をエッチングする作用がない。このため、有機系の超臨界流体ではウェハ表面に付着したパーティクル状汚染を従来の薬液使用する洗浄の場合のように効率よく除去することができない。金属汚染に関しても、超臨界二酸化炭素に代表される極性が低い超臨界流体は、金属の溶媒抽出平衡定数が極めて低いために、実質的に洗浄が困難である。
この課題を解決するために、超臨界流体にパーティクル状汚染やウェハ表面をエッチングする成分であるフッ素化合物や、金属汚染をエッチングする酸、あるいは金属汚染と醋体を形成するキレート化合物や配位子を添加することもある。添加剤の相溶性を高めるために、相溶剤(エントレーナ)を添加することも行われている。有機物汚染の除去能力を高めるために、有機溶媒を添加することも行われている。
従来技術における超臨界流体を使用した半導体ウェハ洗浄装置および具体的な洗浄プロセスは、例えば特許文献1に開示されている。
特開昭63−179530号公報 特開平10−209101号公報
従来の超臨界流体を利用した半導体ウェハ洗浄技術における最大の課題は、超臨界流体の粘性率および密度が通常の液体と比べて低いために、流体の粘性率に比例するせん断応力や、流体の密度に比例する動圧力が低く、超臨界流体が半導体ウェハ表面の近傍を高速で流れても、表面に付着するパーティクル状汚染に対して作用する物理的力は低く、その結果パーティクル状汚染や、十分に架橋硬化した後のレジストなど、ウェハ表面に強固に付着して且つ超臨界流体に対して溶解性の無い物質に対する剥離能力が低く、これら汚染物を短時間で除去することは極めて困難であった。
上記特許文献2には、これらの課題の解決手段の一例が開示されている。すなわち、洗浄容器内で、被洗浄半導体ウェハ表面に超臨界状態の洗浄物質をさらしつつ、上記洗浄容器内より高圧で形成した洗浄物質の固形微粒子を噴射して洗浄し、最終的にこの固形微粒子を昇華プロセスで除去する手段が提案されている。具体的には、超臨界流体である超臨界状態の二酸化炭素に対して、より高圧(10〜12〔MPa〕)の液化二酸化炭素をウェハ表面に向けてノズルから噴出することで、噴出した二酸化炭素が微細な固体状態の二酸化炭素(ドライアイス)になり、ドライアイス微粒子の物理的な衝突作用でウェハ表面に付着したパーティクルを効果的に除去できる。ウェハ表面に残留したドライアイスは、減圧後にウェハを加熱昇華させて除くことができる。この手段により、超臨界流体でも強い物理力が得られ、強固に付着したパーティクル状汚染や架橋硬化後のレジストも現実的な時間で除去が可能と記載されている。
ところで、二酸化炭素の臨界温度(Tc=31℃)における固化圧は約570〔MPa〕であるため、超臨界流体容器内にせいぜい20〔MPa〕に加圧されたドライアイス固形微粒子は、熱力学的には本質的に不安定であり、ノズルから噴出した直後は固形微粒子であったとしても、ウェハ表面に衝突する前に超臨界状態に相変化してしまい、固形微粒子の衝突による物理的洗浄力は期待できない。
噴出径の大きいノズルを用いて粒径の大きいドライアイスを大量に噴出すれば、ドライアイス微粒子の一部は、固体状態を保ったままウェハに衝突できるが、粒径が大きいために微細パターンを破壊する弊害があり、微細パターンの隙間のパーティクル状汚染を完全に除去することができない。
本発明は、上述の点に鑑み、超臨界流体を使用する洗浄において、洗浄能力の向上を図った基体表面の洗浄方法を提供するものである。
本発明に係る基体表面の洗浄方法は、超臨界流体に対して臨界圧力において臨界温度以上で融点を持つ副成分を1種類以上含み、副成分が超臨界流体中で固体微粒子を形成し、超臨界流体中に分散した固体微粒子が被洗浄物の表面に衝突する衝撃力を用いて汚染を除去することを特徴とする。
本発明に係る洗浄方法によれば、超臨界流体中に、臨界圧力における融点が臨界温度以上である副成分を固体微粒子化して分散させることにより、超臨界流体の流れに伴いこの固体微粒子が被洗浄物の表面に衝突して汚染を表面より剥離する。剥離された汚染は超臨界流体と共に流れ排出される。従って、洗浄能力が向上し、汚染を確実に除去することができる。
本発明に係る実施の形態においては、表面に微細パターンを有する、あるいは有しない基体表面に付着しているパーティクル状汚染や架橋硬化後の残渣レジストなどを、総称として汚染と定義する。
本実施の形態の洗浄方法は、超臨界流体中では熱力学的に不安定なドライアイス微粒子を用いることに代えて、臨界流体相で安定に存在できる洗浄用微粒子が分散している超臨界流体―微粒子の混相流体を採用し、その混相流体を加速して被洗浄物である基体、例えばウェハに向けて噴出する手法を講じる。
超臨界流体―固形微粒子の混相流体の形成手法として、第一の例は、超臨界流体を溶媒とした際の溶質の溶解度が大きな温度依存性および圧力依存性を有することを利用して、超臨界流体の臨界温度以上および臨界圧力以上で固相になる溶質を、高い溶解度が得られる圧力/温度条件下で超臨界流体内に完全に溶解した後に、超臨界状態を保ったまま急激な減圧などの手段により溶解度を大きく低下させて溶媒としての超臨界流体から溶質を相分離させて、超臨界流体中に固形微粒子を発生させる方法が挙げられる。
超臨界流体―固形微粒子の混相流体の形成手法として、第二の例は、固形微粒子の成分として超臨界流体に対して溶解度の低い材料を選定し、その他に超臨界流体に対して溶解度の高い溶媒を選定し、前記溶媒に対して固形微粒子の成分を溶解した混合溶液を形成し、この混合溶液を超臨界流体に注入すると、溶媒は速やかに超臨界流体に溶け込むが、溶質は超臨界流体に溶けないために超臨界流体中に固形微粒子が析出する。この手法は貧溶媒化法と呼ばれ、超微粒子の形成手法として超臨界流体の有力な応用分野に考えられている。
古典的核生成理論に従えば、液体から固形微粒子が成長する際の核の発生は、固形微粒子の表面張力に強く支配されるが、超臨界流体は表面張力を持たないために、通常溶媒の再沈法などに比べると生成する微粒子の平均粒径が著しく低減し、ミクロンサイズ以下の微細構造の隙間にも入り込める微細な粒子の生成が可能で、微細構造の隙間に付着したパーティクル状汚染も除去できる。
これらの固形微粒子の形成手法は特許文献2に開示されている手法と異なり、洗浄容器内で超臨界流体による洗浄圧力と同じ、あるいは超臨界流体による洗浄圧力以下の圧力で微粒子を形成するものである。
かかる手法によって生成されて超臨界流体に分散した洗浄用固形微粒子が超臨界流体よりも密度が高いと、超臨界流体の流れによって加速された固形微粒子は慣性によりウェハ表面に付着したパーティクル状汚染や架橋硬化後のレジストに直接衝突して、その衝撃力で汚染物やレジストを完全に除去することができる。洗浄後に表面に付着した洗浄用固形微粒子は汚染の原因となるが、洗浄用固形微粒子を含まない超臨界流体でリンスすることで除去する。または洗浄用固形微粒子の溶解度が上がるように超臨界流体の温度と圧力を制御することで、洗浄用微粒子の再溶解による除去を行う。この洗浄用固形微粒子が融点以下で適当な蒸気圧を持つなら、最後に痕跡として残った洗浄用微粒子を昇華させて完全に除去することができる。その結果、洗浄および乾燥プロセス中に被洗浄物は表面張力を有する液体と接することは無いので、パターン破壊やウォーターマークの発生を避けることができる。
以下、図面を参照してさらに本発明の実施の形態を詳細に説明する。
先ず、図1の模式図を参照して、本実施の形態で使用する被洗浄物である基体を1個ずつ洗浄/乾燥処理する枚葉式の洗浄装置の構成を説明する。この洗浄装置は、多数の基体を同時に洗浄/乾燥処理するバッジ式としても使用できる。
本実施の形態に係る洗浄装置40は、被洗浄物である基体1を収容して実質的に超臨界流体で洗浄する処理装置10と、超臨界流体となる主成分と他の物質(副成分)を混合する予備混合槽17と、超臨界流体となる主成分、本例では二酸化酸素(CO2 )を収容したCO2 ボンベ19と、それぞれ上記他の物質である薬液を収容した薬液タンク20、21とを備えて成る。
処理装置10は、上側に開口部12が設けられ、内部に基体1を収納する処理室11と、開口部12を密閉する蓋13を有して構成される。処理室11と蓋13との間にはOリングから成るシール部材14が配置され、蓋13は、締め付け具(例えば、ねじ)15によって、処理室11に固定される。従って、処理室11の内部は、蓋13とシール部材14とによって完全に密閉された状態とすることが可能である。例えば微小構造体(すなわち、微細パターン)を表面に構築した基体1は、開口部12を介して処理室11に搬入出でき、回転が可能な基体保持台16にセットされる。基体1をセットした後の処理装置10は、蓋13によって密閉される。
処理装置10には、超臨界流体の供給口27と薬液混合口28、処理室11内に導入された処理流体を排出するための排出口29と、リンス用のリンス液供給口38と、処理室11内に導入された処理流体を加熱あるいは冷却するための加熱冷却手段35とを備えている。超臨界流体の供給口27および薬液混合口28は基体1の直径方向に移動が可能であり、基体保持台16の回転動作と協調して動作することにより、基体1の全面に渡って超臨界流体および薬液を基体1に表面に噴出することが可能である。排出口29は配管及び排出弁33を介して排出液分離装置34に連結される。
なお、処理室11の内部には、複数の基体1を載置、保持するための基体保持カセットを配置しても良い。
予備混合槽17では、CO2 供給口24と、薬液供給口25と、超臨界流体を処理装置10へ送るための排出口26と、予備混合槽17内を減圧するための排気口39とを有する。予備混合槽17の内部には攪拌用のミキサー36、光学式のパーティクルカウンタ37が配置され、外側に加熱冷却手段35が配置される。さらに予備混合槽17には観察窓18が設けられる。排気口39は配管を通して減圧弁42に連結される。
予備混合槽17側の超臨界流体の排出口26と処理装置10側の超臨界流体の供給口27は、供給弁32を介して配管により連結される。予備混合槽17側の薬液供給口25と、処理装置10側の薬液混合口28は、それぞれ配管を介して共通の高圧3方弁31に連結される。高圧3方弁31は薬液タンク20、21に通じる配管に連結される。CO2 ボンベ19、予備混合槽17側のCO2 供給口24及び処理装置10側のリンス液供給口38は、それぞれ配管を通して3方弁43に連結される。CO2 ボンベ19は、インライン加熱冷却機22及び昇圧ポンプ23を介して配管により予備混合槽17のCO2供給口24に連結される。薬液タンク20、21は、配管を通して且つ低圧3方弁30、インライン加熱冷却機22及び昇圧ポンプ23を介して高圧3方弁31に連結される。
この洗浄装置40では、例えば超臨界流体として二酸化炭素を用いた場合には、CO2 ボンベ19から、加熱冷却手段22および昇圧ポンプ23を介して、二酸化炭素の臨界圧力Pc=7.4〔MPa〕以上に昇圧した二酸化炭素を、CO2 供給口24を通して予備混合槽17に導入する。その後、予備混合槽17に備えられた加熱冷却手段35によって二酸化炭素の臨界温度Tc=31〔℃〕以上に加熱すると、最初は気体相と液体相に分離していた二酸化炭素が、臨界温度Tcを超えると気液界面が消失し、単相の超臨界流体へと変化する。相変化の挙動は予備混合槽17に設けた観察窓18から目視出来る他に、予備混合槽17内に設置した光学式のパーティクルカウンタ37で完全に超臨界流体に変化したことが確認できる。
超臨界流体に他の物質を添加・混合するために、薬液タンク20および21から二種類の薬液を圧送し、3方弁30で混合した後に、加熱冷却手段22および昇圧ポンプ23を用いて加熱および昇圧して、供給口25を通して予備混合槽17に導入する。薬液タンク20及び21は固体状の材料を融解するための図示しないヒータを備えている。予備混合槽17のミキサー36により超臨界流体と薬液は攪拌され、攪拌の状況は観察窓18で目視されると同時に、光学式のパーティクルカウンタ37で粒子径と単位体積あたりの粒子数がモニターされる。本実施の形態では添加する薬液を2種類としたが、薬液を3種類以上用いる場合は、薬液タンク及び混合弁を必要なだけ増設すればよい。
予備混合槽17で混合された超臨界流体は、超臨界流体の排出口26から、供給弁32を介して処理装置10側の超臨界流体の供給口27を通して、処理室11に導入される。一方、処理装置10には薬液を直接処理室11に導入するための前述した薬液混合口28が備えられ、必要に応じて使い分けられる。処理室11内に供給口27から噴出された超臨界流体は、回転する基体保持台16に保持された基体1の表面に噴射される。このために、基体1の表面は常に流れを伴った超臨界流体に晒される。また供給口27は基体1の直径方向に移動しながら超臨界流体を噴出することも可能であり、基体1の全面を均一な超臨界流体の流れの場に晒すことも可能である。処理室1の側壁には、処理室11内に導入された処理流体を加熱あるいは冷却し、且つ一定の温度に保持する前述の加熱冷却手段35が備えられているため、同じ温度を保ち洗浄を行うことと、加熱あるいは冷却により超臨界流体に対する溶媒の溶解度を変えて、分散した微粒子を溶解させることが可能である。
流体排出手段は、処理室11に配設された流体排出口29から背圧弁33を介して接続された排出液分離装置34とから成る。背圧弁33は、処理室11の内部圧力が一定圧力以上になると開き、処理室11内に導入された処理流体を排出させる機能を有する。背圧弁33によって、処理室11内の圧力、温度を一定に保つことができる。排出液分離装置34においては、背圧弁33の下流に排出された溶媒、固形微粒子及び除去された汚染物質、又はその他の物質の圧力が大気圧に戻ることにより、液体または固体として分離される媒質(例えば、固形成分)が排出液/粉として回収され、一方、気体として排気されるもの(例えば、二酸化炭素)は排気ガスとして回収される。その排気ガスは、図示していないが、基体回収部により回収される。回収された排出液や排気ガスを利用できる状態にして、再利用することもできる。また、排出液分離装置34内にはフィルターが備えられ、除去されたパーティクルやレジストの破片が効率よく回収される。
次に、上述の洗浄装置40を用いた本発明に係る洗浄方法の実施の形態を説明する。
〔第1実施の形態〕
超臨界流体を溶媒とした際の溶質の溶解度が大きな温度依存性および圧力依存性を有することを利用した、固形微粒子の分散法、および前記混相流体による洗浄プロセスを説明する。
超臨界流体に対する溶質の溶解度は、超臨界流体の密度に大きく依存する。例えば、図2に示すナフタレン/超臨界CO2 系の圧力―溶解度曲線から、35〔℃〕において10〔MPa〕ではナフタレンが1%溶解するのに対して、同じ温度で圧力を8〔MPa〕に下げると溶解度は0.01%まで急激に低下する。この溶解度変化は、圧力低下に伴う超臨界流体の密度の低下により、溶解力が低下することに起因し、どのような溶質でも同じ傾向を示す(例えば、図3Bに示す超臨界CO2 系の圧力―密度の曲線参照)。 以下、本プロセスに特に好ましい、固形微粒子を形成する材料の性質を記す。
第一に、40〔℃〕、10〔MPa〕における飽和溶解度が0.1重量%から20重量%の範囲であり、圧力を8〔MPa〕に低下することで溶解度が1/10に低下する材料が、効果的に微粒子が発生するために特に好ましい。40〔℃〕、10〔MPa〕における飽和溶解度が0.1重量%以下の材料は微粒子が殆ど発生せず、40〔℃〕、10〔MPa〕における飽和溶解度が20重量%以上の材料は、発生する微粒子の粒径が大きくなり、微細構造の隙間に入ったパーティクル状汚染を効果的に洗浄できない。
第二に、固形微粒子の成分が超臨界流体中で固体として存在するためには、分散溶媒である超臨界流体の臨界圧力における臨界温度(二酸化炭素の場合は31〔℃〕)以上に融点を持つ必要がある。
第三に、洗浄後に基体表面に残留した固形微粒子を、昇華によって除去するためには、融点以下で十分な蒸気圧(昇華圧)を持つ必要がある。実用的なプロセス速度を持たせるには、融点以下で100〔Pa〕以上の蒸気圧を持つことが好ましく、その結果、減圧により5分以内に基体表面に残留した固形微粒子を昇華によって除去することができる。
具体的には図に示したナフタレンの他に、1―エチルナフタレン、2―エチルナフタレン、2,3―ジメチルナフタレン、2―メトキシナフタレン、ヘキサエチルベンゼン、ヘキサメチルベンゼンなどの芳香族化合物類、フェニル酢酸、オルトトルイル酸、2―フランカルボン酸、無水フタル酸などのカルボン酸類、n―フェニレンジアミン等のアミン類、ショウノウなどのケトン類、シュウ酸ジメチル、酒石酸ジメチル、安息香酸フェニルなどのエステル類、など、上記3つの条件を満たす材料であれば如何なる材料でも用いることは可能であるが、人体に対する安全性が高く、微粒子の径を小さくするために表面張力が低い材料が更に好ましい。
これらの材料を固形微粒子化すると同時に、金属汚染の除去や、パーティクル状汚染の付着力低減を目的として、基板表面、パーティクル、および金属汚染に対してエッチング作用のある材料、例えばフッ酸化合物や3級アミン類を添加しても良い。また有機汚染やフォトレジストの残渣の除去を目的として、アルコール類のような有機溶媒を添加しても良い。
第1実施の形態においては、 被洗浄物である基体1を洗浄装置40の処理室11に搬入して基体保持台16にセットし、蓋13により密閉する。最初に、超臨界流体の主成分、本例では二酸化炭素をCO2 タンク19から導出し、インライン加熱冷却機22及び昇圧ポンプ23を介して加熱、昇圧して超臨界CO2 流体として3方弁43を操作して処理装置10の処理室11内に導入して、処理室11内をリンスする。
次に、薬液タンク20、21中の薬液、例えば1種類であれば薬液タンク20中の上記3つの条件を満たす薬液による副成分をヒータで溶解し、予備混合槽17に所要量を導入する。一方、CO2 のボンベ19から、加熱冷却手段22および昇圧ポンプ23を介して、臨界温度以下の所要の温度、臨界圧力以上の圧力に加熱および昇圧した超臨界流体となる主成分、例えば二酸化炭素を所要量、CO2 供給口24を通して予備混合槽17に導入する。その後、予備混合槽のミキサー36で攪拌しながら、予備混合槽17の加熱冷却手段35で臨界温度以上の温度まで加熱する。これにより、液状の二酸化炭素は超臨界状態になる。更に超臨界流体と薬液は十分攪拌され、観察窓18から目視観察で、内部の流体が完全に1相になっていることを確認する。次に、減圧弁42を介して予備混合槽17内の副成分が融解した超臨界流体を超臨界状態となる圧力の範囲内で急激に減圧する。これにより、副成分の溶解度は低下して、超臨界流体から副成分を相分離させて固体微粒子を析出する。
予備混合槽17内で形成した固体微粒子が分散した超臨界流体を、供給口27から超臨界流体処理装置10の処理室11に導入し、固体微粒子を含む超臨界流体の流れを基体1表面に供給して基体1の表面を洗浄する。このとき、固体微粒子が基体表面の汚染物に衝突してその衝撃力で汚染物を基体表面より剥離することにより、その後は超臨界流体と共に汚染物が排出される。洗浄処理後に、昇圧ポンプで昇圧した超臨界二酸化炭素を導入して処理装置10中の超臨界流体の圧力を上げると固体微粒子は全て超臨界流体に溶解する。次いで、リンスを兼ねて超臨界二酸化炭素を連続的に導入して処理室11内の副成分を含む超臨界流体を排出口20から排出する。排出液分離装置34に入った洗浄処理後の超臨界流体は、圧力を大気圧に低下することにより、二酸化炭素ガスと液体または粉体に分離する。溶媒である二酸化炭素などの物質は、気体として分離され、排気され、回収される。回収された排出液、排出粉や排気ガスは、再利用することもできる。超臨界流体が完全に排出された処理室11を25〜100〔℃〕で加熱すると、基体表面に残留した副成分による固体微粒子は短時間で全て昇華して除去される。昇華を促進するためには、図示しないポンプで処理室11内を大気圧以下に減圧することも効果がある。
〔第2実施の形態〕
超臨界流体に対して溶解度の高い物質を溶媒として、超臨界流体に対して溶解度の低い物質を前記溶媒に溶解させた混合溶液を形成し、この混合溶液を超臨界流体に注入すると、溶媒は速やかに超臨界流体に溶け込むが、溶質は超臨界流体に溶けないために超臨界流体中に固体微粒子が析出する。本実施の形態は、貧溶媒化法を用いた固体微粒子形成に関する例である。
本実施の形態のプロセスに好ましい、固体微粒子を形成する材料の性質は次の通りである。
第一に、超臨界流体に対して溶解度の高い良溶媒であるアルコール類(例えばメタノール、エタノール等)やアルカン類(例えばヘキサン、ヘブタン等)、Nメチルピロリドン、DMF、DMSO、アセトン、に対して高い溶解度、例えば5重量%以上の高い溶解度を持ち、超臨界流体、例えば超臨界二酸化炭素に対しては適当な圧力条件で低い溶解度、例えば0.1%以下の溶解度が低い材料が好ましい。
第二に、固体微粒子の成分が超臨界流体中で固体として存在するためには、分散溶媒である超臨界流体の臨界圧力における臨界温度(例えば二酸化炭素の場合は31〔℃〕)以上に融点を持つ必要がある。
第三に、洗浄後に基体表面に残留した固体微粒子を、昇華によって除去するためには、融点以下で十分な蒸気圧(昇華圧)を持つ必要がある。実用的なプロセス速度を持たせるには融点以下で100〔Pa〕以上の蒸気圧を持つことが好ましく、その結果、減圧により5分以内に基体表面に残留した固形微粒子を昇華によって除去することができる。
具体的には、2ブチン1,4ジオール、1,6ヘキサンジオール、等のジアルコール類、ベンセンスルフォン酸、などのスルフォン酸類、クロトン酸などのカルボン酸類、nフェニレンジアミンなどのジアミン類、その他、ホルムアニリド、ニトログアニジン、フェナントレン、ヒドロキノリン、ニコチン酸、尿素など上記3つの条件を満たす材料であれば如何なる材料でも用いることが可能であるが、人体に対する安全性が高く、微粒子の径を小さくするために表面張力が低い材料は更に好ましい。基本的には極性の高い材料が適応できる。
これらの材料を固体微粒子化すると同時に、金属汚染の除去や、パーティクル状汚染の付着力低下を目的として、基板表面、パーティクル、および金属汚染に対してエッチング作用のある材料、例えばフッ酸化合物や3級アミン類を添加しても良い。また有機汚染やフォトレジストの残渣の除去を目的として、アルコール類のような有機溶媒を添加しても良い。
第2実施の形態においては、被洗浄物である基体1を処理装置10の処理室11に搬入して基体保持台16にセットし、蓋13により密閉する。
次に、超臨界流体の主成分、本例では二酸化炭素をCO2 のボンベ19から導出し、加熱冷却機22および昇圧ポンプ23を介して、臨界温度以下の所要温度、超臨界圧力に加熱、昇圧した二酸化炭素を所要量、予備混合槽17の供給口24を通して予備混合槽17に導入し、直ちに供給口27から処理装置10の処理室11に導入し、超臨界温度まで加熱して超臨界流体にし、この超臨界流体を、供給弁32を操作して直ちに処理装置10の供給口27から処理室11内に導入する。
次に、上記3つの条件を満たす副成分となる材料を所要量だけ超臨界流体に対して高い溶解度を有する溶媒に溶解した溶液を、薬液タンク20に入れ、3方弁31を操作して直接、処理装置10の薬液混合口28から処理室11に所要量だけ噴出する。これにより、超臨界流体に対して溶解度の高い溶媒は超臨界流体に溶け込むが、溶解度の低い副成分は急激に析出して微粒子化し、固体微粒子となり、超臨界流体内に分散する。
一方、基体保持台16の回転により、基体1の表面に固体微粒子を含む超臨界流体が流れ、基体1の表面を洗浄する。このとき、第1実施の形態と同様に、固体微粒子が基体表面の汚染物に衝突してその衝撃力で汚染物を基体表面より剥離することにより、その後は超臨界流体と共に汚染物が排出される。洗浄処理後に、リンスを兼ねて超臨界二酸化炭素を連続的に導入して固体微粒子を含む超臨界流体を排出口20から排出する。排出液分離装置34に入った洗浄処理後の超臨界流体は、予めパーティクルと副成分の微粒子をフィルターで分離した後に、圧力を大気圧に低下することにより、気液分離する。溶媒である二酸化炭素などの物質は、気体として分離され、排気され、回収される。超臨界流体が完全に排出された処理装置10の処理室11を25〜100〔℃〕で加熱すると、基体表面に残留した固体微粒子は短時間で全て昇華して除去される。昇華を促進するためには、図示しないポンプで処理室11内を大気圧以下に減圧することも効果がある。
本実施の形態によれば、超臨界流体を使用する半導体ウェハの洗浄において、昇華性の固体微粒子を超臨界流体内に添加することで、微粒子がパーティクル状汚染やレジストと衝突してパーティクル状汚染やレジストを引き剥がし、洗浄効果を向上させることができる。
気液界面が微小構造体の梁構造を通過しないため、微小構造体は表面張力で破壊されることがなく、表面に水の痕跡が残らず、比誘電率が上がってしまう問題を回避することができる。
本実施の形態は、半導体の微小構造体、例えばMEMS、大規模集積回路の高いアスペクト比のパターン形成、ホールやレジストパターンの形成、フォトマスクの形成などにも同様に適用できる。
本発明は、例えば半導体基板、液晶基板、半導体マスク、その他などの基体の表面洗浄に適するが、特に表面に構造体などの所要のパターンが形成された基体、例えば半導体基板、液晶基板、半導体マスクの表面洗浄に適用して好適である。
次に、本発明の実施例について説明する。
〔第1実施例〕
本実施例は、固形微粒子材料としてナフタレンを用いた場合である。
被洗浄物である基体1として、CMOSデバイスのゲートパターン幅が65nmで、高さが185nm(アスペクト比=3)の微細構造が全面に形成された8インチのシリコンウェハを使用した。この基体1には成膜プロセス中に、直径50nm以上のパーティクル状汚染が平均25000個付着していることがレーザ光散乱検出方式の表面検査装置によりカウントされている。このウェハを超臨界流体処理装置10の処理室11に入れて、基体保持台16にセットして、蓋13により密閉した。
次に、薬液タンク20中のナフタレン(融点:80.5〔℃〕)をヒータで溶解し、予備混合槽17に50g導入する。一方、CO2 のボンベ19から、加熱冷却手段22および昇圧ポンプ23を介して、温度:25〔℃〕、圧力:10〔MPa〕に加熱および昇圧した二酸化炭素5Kgを、CO2 供給口24を通して予備混合槽17に導入する。その後、予備混合槽のミキサー26で攪拌しながら、予備混合槽17の加熱冷却手段35で40〔℃〕まで加熱すると、液状の二酸化炭素は超臨界状態になり、更に超臨界流体とナフタレンは十分攪拌され、観察窓18から目視観察で、内部の流体が完全に1相になっていることを確認した。このナフタレンが1重量%融解した超臨界流体を8.4〔MPa〕まで急激に減圧すると、ナフタレンの溶解度は低下して、微粒子となり析出した。予備混合槽17内のパーティクルカウンタ37でナフタレン微粒子の粒径分布を評価すると、平均径は8μm、最小径は50nmであった。
上記手法で形成した、ナフタレンの固形微粒子が分散した超臨界流体を、供給口27から超臨界流体処理装置10の処理室11に導入し、微粒子を含む超臨界流体の流れが基体表面を2〔m/s〕以上で流れる場を形成した。3分間の洗浄処理後に、超臨界流体処理装置10中の超臨界流体の圧力を10〔MPa〕まで挙げると、ナフタレン微粒子は全て超臨界流体に溶解した。次いで、処理室11に超臨界二酸化炭素を導入してナフタレンを含む洗浄後の超臨界流体を置換した。その後、背圧弁33をゆっくり開けて、処理室11を降圧して、排出口29から超臨界流体を完全に排出した。排出液分離装置34に入った洗浄処理後の超臨界流体は、圧力が大気圧に低下することにより、溶媒である二酸化炭素は分離され、回収される。回収された排出液や排気ガスは、再利用することもできる。その後、超臨界流体処理装置10の処理室11を50〔℃〕に保ちながら図示しない排気ポンプで100〔Pa〕まで減圧した。その結果、基体表面に残留したナフタレンは全て昇華して除去された。
本洗浄プロセスを経た後の基体1に付着したパーティクル状汚染を計測すると1000個以下になり、除去率は96%以上となった。また洗浄中の固形微粒子の衝突によるゲートパターンの破壊は皆無であった。
同じパターンが形成されたデバイスを、バッチ式のRCA洗浄機で、硫酸+過酸化水素の混合薬液、塩酸+過酸化水素+水の混合薬液、アンモニア+過酸化水素+水の混合薬液、希フッ酸、で洗浄した後に、純水でリンスし、イソプロパノールで置換して乾燥した結果、パーティクル状汚染は超臨界流体洗浄と同様に除去できたが、IPA乾燥時のIPAの表面張力に起因する張り付きにより、ウェハ面内で0.84%のゲートパターンに破損が見られた。
一方、ナフタレンの固形微粒子を添加しない超臨界流体で洗浄すると、ゲートパターンに破損は観測されないが、洗浄プロセス後の基体1に付着したパーティクル状汚染を計測すると10000個程度残留し、除去率は60%に留まった。
〔実施例2〕
次に、半導体ウェハ上に能動素子を形成した後のデュアルダマシン配線工程において、ポーラスのMSQ(Methyl Silses Quioxane)により、幅2μm、および幅0.5μmで深さ2μmの2段の溝を形成後に、微細構造を形成するための硬化したフォトレジスト除去、および溝内部のパーティクル状汚染を洗浄する目的として、本発明を適用した実施例を記載する。
実施例1と同様に8インチのシリコンウェハを使用し、このウェハを超臨界流体処理装置10の処理室11に入れて、基体保持台16にセットして蓋13により密閉した。固形微粒子材料として、シュウ酸ジメチル(融点:53〔℃〕)を用いた。更に、レジストのサイドに固着したシリコン酸化膜をエッチングするために、20ppmのフッ酸、および相溶化剤として1%のメタノールを添加した超臨界流体を使用した。シュウ酸ジメチルの濃度は1重量%である。
実施例1と同様のプロセスで、高圧で溶解させた溶質(シュウ酸ジメチル)を減圧して固形微粒子を分散した超臨界流体を形成し、供給口27から超臨界流体処理装置10の処理室11に導入し、基体1を4分間洗浄した。次に超臨界流体の圧力を10〔MPa〕まで上げることでシュウ酸ジメチル微粒子はすべて超臨界流体に溶解した。次いで、処理室11に超臨界二酸化炭素を導入してシュウ酸ジメチル、フッ酸、およびメタノールを含む洗浄後の超臨界流体を置換した。その後、背圧弁33をゆっくり開けて、処理室11
を降圧して、排出口29から超臨界流体を完全に排出した。排出液分離装置34に入った洗浄処理後の超臨界流体は、圧力が大気圧に低下することにより、気液分離し、二酸化炭素は回収された。剥離したレジストはフィルターで回収された。その後、超臨界流体処理装置10の処理室11を50〔℃〕に保ちながら図示しない排気ポンプで100〔Pa〕まで減圧した。その結果、基体表面に残留したシュウ酸ジメチルは全て昇華して除去された。
本洗浄プロセスを経た後の基体1に付着したレジストは痕跡を残さず除去され、また洗浄後の誘電体の比誘電率は洗浄前と同じく1.9であった。さらに、溝パターン中のパーティクル状汚染をSEMによる抜き取り評価を行ったが、残留したパーティクル状汚染は全く観測されない。
同じポーラスのMSQパターン上のレジストを、酸素プラズマでアッシングした後に、硫酸と過酸化水素の混合物で残留物を除くと、レジストは完全に除去できたが、低誘電体材料の微細孔の表面が酸化されて水酸基が残留し、比誘電率は2.3となった。
〔実施例3〕
前述の第2実施の形態に対応した実施例について記載する。この第3実地例は、固形微粒子材料としてホルムアニリドを用いた場合である。
基体1として、実施例1と同じく、CMOSデバイスのゲートパターン幅が65nmで、高さが185nmの微細構造が全面に形成された8インチのシリコンウェハを使用した。この基体1には成膜プロセス中に、直径50nm以上のパーティクル状汚染が平均25000個付着していることがレーザ光散乱検出方式の表面検査装置によりカウントされている。このウェハを超臨界流体処理装置10の処理室11に入れて、基体保持台16にセットして、蓋13により密閉した。
次に、CO2 のボンベ19から、加熱冷却手段および昇圧ポンプ23を介して、温度:25℃、圧力:8MPaに加熱および昇圧した二酸化炭素5Kgを、CO2 供給口24を通して予備混合槽17に導入し、直ちに供給口27から超臨界流体処理装置10の処理室11に導入した。
次に、ホルムアニリドを10%アセトンに溶解した溶液を薬液タンク20に入れ、3方弁31を操作して直接、超臨界流体処理装置10の薬液混合口28から処理室11に100g噴出した。その結果、超臨界流体に対して溶解度の高いアセトンは超臨界流体に相溶したが、溶解度の低いホルムアニリドは急激に析出して微粒子化し、平均粒径が1.3μmの固形微粒子となり、超臨界流体内に分散した。
基体保持台16の回転により、基体1に対して微粒子を含む超臨界流体の平均流速が基体表面を2〔m/s〕以上で流れる場を形成した。5分間の洗浄処理後に、処理室11に超臨界二酸化炭素を導入してホルムアニリドの微粒子とアセトンを含む洗浄後の超臨界流体を置換し、排出口29から排出した。排出液分離装置34に入った洗浄処理後の超臨界流体は、予めパーティクルとホルムアニリドの微粒子をフィルターで分離した後に、二酸化炭素は、気体として分離され回収される。その後、清浄な超臨界流体で1度リンスしてから、超臨界流体処理装置10の処理室11を50〔℃〕に保ちながら図示しない排気ポンプで100〔Pa〕まで減圧した。その結果、気体表面に残留したホルムアニリドは5分間で全て昇華して除去された。
本洗浄プロセスを経た後の気体に付着したパーティクル状汚染を計測すると500個以下になり、除去率は98%以上となった。また洗浄中の固形微粒子の衝突によるゲートパターンの破壊は皆無であった。
本発明に適用される洗浄装置の実施の形態を示す概略構成図である。 本発明の説明に供する超臨界二酸化炭素に対するナフタレンの溶解度(35℃において)を示す溶解度―圧力曲線図である。 A,B 超臨界二酸化炭素系の相図、及び超臨界二酸化炭素系の圧力―密度の曲線図である。
符号の説明
1・・被洗浄物(基体)、10・・処理装置、11・・処理室、12・・開口部、13・・蓋、17・・予備混合槽、18・・観察窓、19・・CO2 ボンベ、20、21・・薬液タンク、22・・インライン加熱冷却機、23・・昇圧ポンプ、24・・CO2 供給口、25・・薬液供給口、26・・超臨界流体排出口、27・・超臨界流体供給口、28・・薬液混合口、29・・超臨界流体排出口、30・・低圧3方弁、31・・高圧3方弁、32・・供給弁、33・・排出弁、34・・排出液分離装置、35・・ヒータ、37・・ミキサー、37・・パーティクルカウンタ、40・・洗浄装置、42・・減圧弁、43・・3方弁

Claims (5)

  1. 超臨界流体に対して臨界圧力における融点が臨界温度以上である副成分を1種類以上含み、前記副成分が前記超臨界流体中で固体微粒子を形成し、
    超臨界流体中に分散した前記固体微粒子が被洗浄物の表面に衝突する衝撃力を用いて汚染を除去する
    ことを特徴とする基体表面の洗浄方法。
  2. 前記固体微粒子の形成は、
    前記超臨界流体の主成分に対して圧力の増加と共に飽和溶解度が増加する性質を有する副成分を、予め洗浄条件より高圧にして前記超臨界流体の主成分に相溶させた後に、
    前記超臨界流体の圧力を低下させて前記超臨界流体から前記副成分を相分離させて固体微粒子を生成する
    ことを特徴とする請求項1記載の基体表面の洗浄方法。
  3. 前記固体微粒子の形成は、
    前記副成分を溶解した溶媒を超臨界流体中に導入して、超臨界流体の溶解に伴い溶媒が膨張することで、溶媒に対する副成分の溶解度が低下し、溶媒中の副成分を固体微粒子として析出する
    ことを特徴とする請求項1記載の基体表面の洗浄方法。
  4. 前記固体微粒子となる副成分の融点が31℃以上であり、前記超臨界流体の主成分が二酸化炭素である
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の基体表面の洗浄方法。
  5. 前記固体微粒子が分散した前記超臨界流体を加圧して被洗浄物の基板表面に噴出する
    ことを特徴とする請求項1記載の基体表面の洗浄方法。
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