JP2007031647A - 固相合成を利用した超短半減期核種を含む化合物の製造方法およびそれに用いる化合物 - Google Patents

固相合成を利用した超短半減期核種を含む化合物の製造方法およびそれに用いる化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】未反応物との分離が容易であり、かつ簡便な操作によって、超短半減期核種標識薬物の合成ができる方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示される化合物。

式(1)中、Solidは固相物質である。一般式(1)で示される化合物と一般式MFで示されるフッ素化合物とを反応させることを含む超短半減期核種標識薬物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、超短半減期核種を含む化合物の製造方法、およびこの製造方法に用いる化合物に関する。特に、固相合成を利用した製造方法に関する。
PET(Positron Emission Tomography)は核医学検査の中でも、検出感度が高く、定量性にもすぐれ、診断及び治療における重要な非侵襲的方法のひとつである。PET法における、大きな問題のひとつは、超短半減期核種を組み込んだ標識薬剤をどう合成するかということである。標識医薬品の合成が容易でないことには三つの主な理由がある。第一に、超短半減期核種は非常に限られた試薬としてしか供給されない、第二に合成及び精製を短時間で行わなければならない、第三に、操作が簡便でなければならないことである。
超短半減期核種のなかでも18Fは半減期も約110分と比較的長く、複雑な反応や多段階の反応も余裕を持って行うことができる。また、PETでは7〜8時間の追跡も可能であり、11Cでは2時間が限界であることを考えると応用の範囲は広い。また18F原子を薬物分子に導入した際の、F原子とH原子の類似性や代謝に対する抵抗性など幾つかの利点もある。
しかし、従来の標識薬剤の合成は既存の合成法の組み合わせにより行っているもので、合成できる標識薬剤には限界がある。これまでの液相法における標識薬剤の合成は、有機溶媒中に標識薬剤前駆体および触媒を溶解しそこへ18Fを加え反応を行う。反応終了後有機溶媒、触媒、未反応前駆体および18Fを取り除く事により、標識化合物を得ている(非特許文献1)。
Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals Vol. XXV, No.5, 497-507.
超短半減期核種標識薬物の合成での大きな問題のひとつは大量の未反応物との分離である。従来法である液相での合成では、この問題を解決するのは困難である。さらに、前述のように、操作が簡便でなければ実用化できない。
そこで本発明の目的は、未反応物との分離が容易であり、かつ簡便な操作によって、超短半減期核種標識薬物の合成ができる方法を提供することにある。
本発明者らは、固相反応技術をもちいて、簡便で実用的な18Fの新規導入法を開発し、従来の方法では合成できなかった新しい18F標識薬剤を開発するとともに、既知薬剤のより簡便で効率的な合成法を確立した。
即ち、特定の結合を介して固相(ビーズ)表面に結合した前駆化合物に、フッ素化試薬(例えば、KF等)を作用させ、18Fを導入した標識化合物だけが固相表面から外れるようにすることで、未反応の前駆体は固体に結合したままとなり、標識化合物と未反応前駆体の分離が容易に行えることを見いだして本発明を完成させた。
本発明は以下の通りである。
[1]下記一般式(1)で示される化合物。
式(1)中、Solidは固相物質であり、
R1は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R2は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R3は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R4は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
あるいはR3およびR4は共同して下記式(4)で示される基である。
式(4)中、R5は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、炭素数6〜7の芳香環または炭素数1〜16のシリル基である。
[2]前記固相物質は、粒子状物である[1]に記載の化合物。
[3]前記固相物質は、ポリスチレンまたはシリカゲルである[1]または[2]に記載の化合物。
[4]R1は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物。
[5]R1は、メチル基であり、R2は、ベンジル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物。
[6]下記一般式(1)で示される化合物と一般式MF(Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムである)で示されるフッ素化合物とを反応させることを含む下記一般式(2)で示される化合物の製造方法。
式(1)および(2)中、R1は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R2は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R3は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R4は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
あるいはR3およびR4は共同して下記式(4)で示される基である。
式(4)中、R5は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、炭素数6〜7の芳香環または炭素数1〜16のシリル基である。
[7]Fが18Fまたは19Fである[6]に記載の製造方法。
[8]MFのMは、テトラアルキルアンモニウムである[6]または[7]に記載の製造方法。
[9]前記固相物質は、粒子状物である[6]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]前記固相物質は、ポリスチレンまたはシリカゲルである[6]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]R1は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である[6]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]R1は、メチル基であり、R2は、ベンジル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である[6]〜[11]のいずれかに記載の製造方法。
[13]下記一般式(3)で示される化合物とSolid-SO2Clとを塩基物質の存在下に反応させることを含む下記一般式(1)で示される化合物の製造方法。
式(1)および(3)中、Solidは固相物質であり、
R1は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R2は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R3は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R4は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
あるいはR3およびR4は共同して下記式(4)で示される基である。
式(4)中、R5は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、炭素数6〜7の芳香環または炭素数1〜16のシリル基である。
[14]前記塩基物質が、ピリジン、水素化ナトリウム、またはアミン類である[13]に記載の製造方法。
[15]前記固相物質は、粒子状物である[13]または[14]に記載の製造方法。
[16]前記固相物質は、ポリスチレンまたはシリカゲルである[13]〜[15]のいずれかに記載の製造方法。
[17]R1は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である[13]〜[16]のいずれかに記載の製造方法。
[18]R1は、メチル基であり、R2は、ベンジル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である[13]〜[16]のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、超短半減期核種標識薬物を調製するに当たり、標識化合物と未反応前駆体の分離が容易に行える。また、本発明の合成法は、自動合成にも対応でき実用性、汎用性の高い方法である。さらに、比較的半減期の長い18Fの標識薬剤の合成法を確立することで、PET薬剤の供給化にも道が開けると考えられる。これにより合成できる標識薬剤の数は飛躍的に増大し、画期的な診断薬の創製が可能となる。
固相の合成を用いた、本発明の超短半減期核種標識薬物の合成の概念図を図1に示す。図1は、固相担体を用い、超短半減期核種標識薬として18F-FDG(2-Fluoro-2-Deoxy-Glucose)を合成する例である。図中の合成前駆体がFDGである。まず、ポリマー担体にFDG(合成前駆体)を結合し、次いでフッ素化試薬(図中では、F-)を反応させることで、標識薬物のみが得られる。この際、未反応の合成前駆体は固相に結合しており、標識薬物と容易に分離できる。また、FDG(合成前駆体)を結合した固相担体を予め用意しており、そこに、フッ素化試薬を反応させることで目的とする標識薬物が1段階で得られることから、操作も容易であり、短時間での合成が可能である。
[合成前駆体を固相担体に結合した化合物]
本発明は、合成前駆体を固相担体に結合した化合物に関し、この化合物は、下記一般式(1)で示される化合物である。
式(1)中、Solidは固相物質であり、固相物質は、具体的には粒子状物であることができる。粒子状物の粒子径は、分離の容易さや粒子状の合成の容易さ等を考慮して適宜決定できる。通常は、平均粒子径が、例えば、10〜1000μmの範囲あることができ、好ましくは、100〜300μmの範囲である。
固相物質は、より具体的には、ポリスチレンまたはシリカゲルであることができる。
R1、R2、R3およびR4は、いずれも独立に、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基である。炭素数1〜7のアルキル基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、ベンジル、メトキシベンジル、 t−ブチル、アリルであることができ、好ましくは、メチル、ベンジル、メトキシベンジルである。炭素数1〜7のアシル基は、例えば、アセチル、トリクロロアセチル、ピバロイル、レブノイル、ベンゾイルであることができ、好ましくは、アセチル、ベンゾイルである。炭素数1〜16のシリル基は、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリルであることができ、好ましくは、トリメチルシリル、t-ブチルジメチルシリルである。
R3およびR4は共同して下記式(4)で示される基であることもできる。
式(4)中、R5は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、炭素数6〜7の芳香環または炭素数1〜16のシリル基であり、アルキル基、アシル基、およびシリル基は、上記R1等について例示したものと同様である。炭素数6〜7の芳香環は、例えば、フェニル、メトキシフェニルであることができ、好ましくは、フェニルである。
一般式(1)で示される化合物は、より好ましくは、R1が炭素数1〜7のアルキル基であり、R2が炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4が共同して式(4)で示される基であり、R5が水素原子である化合物である。さらに、具体的には、R1がメチル基であり、R2がベンジル基であり、R3およびR4が共同して式(4)で示される基であり、R5が水素原子である化合物である。
[超短半減期核種標識薬物の合成]
本発明は、一般式(1)で示される化合物(合成前駆体を固相担体に結合した化合物)と一般式MFで示されるフッ素化合物とを反応させることを含む一般式(2)で示される化合物の製造方法を包含する。一般式(2)で示される化合物が超短半減期核種標識薬物である。
式(1)および(2)中のSolid 、R1、R2、R3およびR4は、上記で説明したと同様である。(2)中のFは18Fである。(2)中のFは18F以外に19Fであることもできる。
一般式MF中のMは、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)またはアンモニウムである。さらに、アンモニウムは、NH4以外に、テトラアルキルアンモニウムであることもできる。テトラアルキルアンモニウムとしては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等を挙げることができる。
一般式(1)の化合物と一般式MFで示されるフッ素化合物との反応は、一般式(1)の化合物を1モルに対して、例えば、一般式MFで示されるフッ素化合物を1〜100モルの範囲、好ましくは5〜20モルの範囲を用い、溶媒中、室温で行うことができる。溶媒は、反応性および溶解性等を考慮して適宜選択することができるが、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ハロゲン化炭化水素、ジオキサン、DMF、DMSO、アルコール類、水等であることができる。尚、反応温度は、反応速度等を考慮して、室温より高い温度または低い温度とすることもできる。
反応後、目的生成物を含む液相と固相とを分離し、さらに液相から溶媒を除去することで、目的生成物を得ることができる。得られた目的生成物は、必要により、常法を用いて精製することもできる。
一般式(2)で示される化合物は、より好ましくは、R1が炭素数1〜7のアルキル基であり、R2が炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4が共同して式(4)で示される基であり、R5が水素原子である化合物である。さらに、具体的には、R1がメチル基であり、R2がベンジル基であり、R3およびR4が共同して式(4)で示される基であり、R5が水素原子である化合物である。
本発明の固相合成技術を用いた超短半減期核種標識薬物の合成方法は、固相担体側を脱離基とし、標識する化合物前駆体を結合させ、18Fを含むフッ素化試薬を作用させ、フッ素化された標識化合物のみを固相担体より脱離させて、18Fを導入する方法である。
18F-FDGはD-グルコースの水酸基が18Fで置き変わった分子で、腫瘍細胞において蓄積される。腫瘍マーカーとしてPETで最もよく用いられているPET用標識薬剤である。本発明では、この18F-FDGを固相合成により簡便に合成することができ、その波及効果は大きい。
[合成前駆体を固相担体に結合した化合物の合成方法]
一般式(1)で示される化合物(合成前駆体を固相担体に結合した化合物)は、一般式(3)で示される化合物とSolid-SO2Clとを塩基物質の存在下に反応させることを含む方法により合成できる。
式(1)および(3)中、Solid、R1、R2、R3およびR4は、上記で説明したと同様である。
Solid-SO2Clは、Solid(固相物質)がポリスチレンまたはシリカゲルであるものは、市販品として入手可能である。これら市販品は、ポリスチレンまたはシリカゲルとSO2Clと結合している物であり、求核的スカベンジャーとして利用されるものである。
塩基物質は、例えば、ピリジン、水素化ナトリウム、アミン類であることができる。
一般式(3)で示される化合物とSolid-SO2Clとの反応は、一般式(3)で示される化合物を1モルに対して、例えば、Solid-SO2Clを1〜10モルの範囲、好ましくは1〜5モルの範囲、塩基物質を1〜50モルの範囲、好ましくは2〜10モルの範囲を用い、溶媒中、室温で行うことができる。溶媒は、反応性および溶解性等を考慮して適宜選択することができるが、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ハロゲン化炭化水素、ジオキサン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルフォキシド、アルコール類、水等であることができる。尚、反応温度は、反応速度等を考慮して、室温より高い温度または低い温度とすることもできる。
反応後、原料化合物(3)を含む液相と固相とを分離することで、目的生成物である式(1)の化合物を得ることができる。得られた化合物(1)は、必要により、常法を用いて精製することもできる。
尚、一般式(3)で示される化合物は、グルコピラノシド等の糖化合物を原料として公知の方法により合成することができる。
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
以下のスキームにしたがって、例1〜5によって、固相(ポリスチレン)に結合したメチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド を合成した。
例1
メチル 4, 6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシドの合成
メチル β-D-グルコピラノシド 1/2 H2O (20 g, 東京化成) をギ酸 100 mL に溶解し、ベンズアルデヒド 100 mL を加えた。室温で 5 分間撹拌し、その後、石油エーテル 800 mL と 1.6 M 炭酸カリウム水溶液 800 mL の混合溶媒に反応液をゆっくり加えた。生じた白色結晶を濾過後、白色状の化合物を得た。その結晶を塩化メチレン/ヘキサンで再結晶を行い白色針状結晶の化合物 メチル 4, 6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシド(17.54 g, 収率= 60.3 %)を得た。
例2
メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシド の合成
メチル 4, 6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシド (5.05 g) と酸化ジブチルスズ (4.68 g) をトルエン 300 mL に溶解し、Dean-Stark を取り付け油浴で130-135℃に加熱し 5 時間加熱還流を行った。反応溶液を留去し真空乾燥後、窒素雰囲気下で乾燥後、N, N'-ジメチルホルムアミド 100 mL と臭化ベンジル 1.40 mL を加え 100℃で 26 時間撹拌した。反応液に少量の氷片を加えた後、反応液に純水 250 mL を加えこの水層をジエチルエーテル 250 mL で3回抽出した。ジエチルエーテル層を飽和食塩水 250 mL で1回洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/2 から 1/1)により精製し、メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシド (3.36 g, 収率=50.4%) を得た。
例3
メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-アラビノ-ヘキソピラノシド-2-ウロースの合成
メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシド (1 g) を N, N'-ジメチルホルムアミド 15 mL と無水酢酸 30 mL に溶解し、18 時間撹拌した。反応液に純水 100 mL を加えこの水層をジエチルエーテル 100 mL で3回抽出した。ジエチルエーテル層を飽和食塩水 250 mL で1回洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン= 1/1)により精製し、メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-アラビノ-ヘキソピラノシド-2-ウロース(0.85 g, 収率=85.8%) を得た。
例4
メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド の合成
氷冷下、メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-アラビノ-ヘキソピラノシド-2-ウロース(0.83 g) を 塩化メチレン 20 mL とメタノール 20 mL に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム (0.47 g) を加え 5 時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 100 mL を加えこの水層をジエチルエーテル 100 mL で3回抽出した。ジエチルエーテル層を飽和食塩水 250 mL で1回洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン= 2/1)により精製し、メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド (0.77 g, 収率=91.9%) を得た。
例5
メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド の固相への結合
メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド (0.36 g) を N, N'-ジメチルホルムアミド 10 mL に溶解し、水素化ナトリウム (0.19g, 純度 60%) を加え 20 分回転した。その後、固相担体 (Aldrich製、Sulfonyl chloride polymer-bound) を 0.69 g 加え 4 日間回転した。その後、メタノール 10 mL を加え、桐山濾過器を用いて固相担体を濾別後、真空乾燥を行い固相単体を 0.86 g 得た。また、濾液から 0.22 g の原料を回収した。
例6
以下のスキームにしたがって、メチル 2-フルオロ-2-デオキシ-3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-アラビノ-ヘキソピラノシド を合成した。
上記得られた固相単体 0.86 g にアセトニトリル 10 mL と乾燥テトラブチルアンモニウムフルオリド (0.97 g) を加え、室温で30 分後に HPLC 分析を行い、FDG の生成を確認した。
HPLC の分析条件を下記に記した。
測定条件
・測定機種:Waters 社製 2695 Separations Module, 2487 Dual λ Absorbance Detect or
・検出波長:254 nm
・カラム:CAPCEL PAK(SHISEIDO)(4.6φ x 150mm)
・移動相:リニア‐グラジエント
グラジエント条件
A: 水、B: メタノール、(0min→30min, %B: 20%-100%)、流速: 1.0 ml/min
カラム温度:25 ℃
・分析時間:30分
・メチル 2-フルオロ-2-デオキシ-3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-アラビノ-ヘキソピラノシド の保持時間:25.55 min(標品)、25.45 min(サンプル)
本発明は、PET試薬の合成分野に有用である。

Claims (18)

  1. 下記一般式(1)で示される化合物。
    式(1)中、Solidは固相物質であり、
    R1は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
    R2は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
    R3は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
    R4は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
    あるいはR3およびR4は共同して下記式(4)で示される基である。
    式(4)中、R5は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、炭素数6〜7の芳香環または炭素数1〜16のシリル基である。
  2. 前記固相物質は、粒子状物である請求項1に記載の化合物。
  3. 前記固相物質は、ポリスチレンまたはシリカゲルである請求項1または2に記載の化合物。
  4. R1は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. R1は、メチル基であり、R2は、ベンジル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 下記一般式(1)で示される化合物と一般式MF(Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムである)で示されるフッ素化合物とを反応させることを含む下記一般式(2)で示される化合物の製造方法。
    式(1)および(2)中、R1は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
    R2は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
    R3は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
    R4は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
    あるいはR3およびR4は共同して下記式(4)で示される基である。
    式(4)中、R5は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、炭素数6〜7の芳香環または炭素数1〜16のシリル基である。
  7. Fが18Fまたは19Fである請求項6に記載の製造方法。
  8. MFのMは、テトラアルキルアンモニウムである請求項6または7に記載の製造方法。
  9. 前記固相物質は、粒子状物である請求項6〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記固相物質は、ポリスチレンまたはシリカゲルである請求項6〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. R1は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である請求項6〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. R1は、メチル基であり、R2は、ベンジル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である請求項6〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 下記一般式(3)で示される化合物とSolid-SO2Clとを塩基物質の存在下に反応させることを含む下記一般式(1)で示される化合物の製造方法。
    式(1)および(3)中、Solidは固相物質であり、
    R1は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
    R2は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
    R3は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
    R4は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
    あるいはR3およびR4は共同して下記式(4)で示される基である。
    式(4)中、R5は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、炭素数6〜7の芳香環または炭素数1〜16のシリル基である。
  14. 前記塩基物質が、ピリジン、水素化ナトリウム、またはアミン類である請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記固相物質は、粒子状物である請求項13または14に記載の製造方法。
  16. 前記固相物質は、ポリスチレンまたはシリカゲルである請求項13〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17. R1は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である請求項13〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. R1は、メチル基であり、R2は、ベンジル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である請求項13〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
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