JP2007031647A - 固相合成を利用した超短半減期核種を含む化合物の製造方法およびそれに用いる化合物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(1)で示される化合物。
式(1)中、Solidは固相物質である。一般式(1)で示される化合物と一般式MFで示されるフッ素化合物とを反応させることを含む超短半減期核種標識薬物の製造方法。
【選択図】なし
Description
即ち、特定の結合を介して固相(ビーズ)表面に結合した前駆化合物に、フッ素化試薬(例えば、KF等)を作用させ、18Fを導入した標識化合物だけが固相表面から外れるようにすることで、未反応の前駆体は固体に結合したままとなり、標識化合物と未反応前駆体の分離が容易に行えることを見いだして本発明を完成させた。
[1]下記一般式(1)で示される化合物。
R1は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R2は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R3は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R4は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
あるいはR3およびR4は共同して下記式(4)で示される基である。
[2]前記固相物質は、粒子状物である[1]に記載の化合物。
[3]前記固相物質は、ポリスチレンまたはシリカゲルである[1]または[2]に記載の化合物。
[4]R1は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物。
[5]R1は、メチル基であり、R2は、ベンジル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物。
[6]下記一般式(1)で示される化合物と一般式MF(Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムである)で示されるフッ素化合物とを反応させることを含む下記一般式(2)で示される化合物の製造方法。
R2は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R3は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R4は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
あるいはR3およびR4は共同して下記式(4)で示される基である。
[7]Fが18Fまたは19Fである[6]に記載の製造方法。
[8]MFのMは、テトラアルキルアンモニウムである[6]または[7]に記載の製造方法。
[9]前記固相物質は、粒子状物である[6]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]前記固相物質は、ポリスチレンまたはシリカゲルである[6]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]R1は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である[6]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]R1は、メチル基であり、R2は、ベンジル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である[6]〜[11]のいずれかに記載の製造方法。
[13]下記一般式(3)で示される化合物とSolid-SO2Clとを塩基物質の存在下に反応させることを含む下記一般式(1)で示される化合物の製造方法。
R1は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R2は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R3は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R4は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
あるいはR3およびR4は共同して下記式(4)で示される基である。
[14]前記塩基物質が、ピリジン、水素化ナトリウム、またはアミン類である[13]に記載の製造方法。
[15]前記固相物質は、粒子状物である[13]または[14]に記載の製造方法。
[16]前記固相物質は、ポリスチレンまたはシリカゲルである[13]〜[15]のいずれかに記載の製造方法。
[17]R1は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である[13]〜[16]のいずれかに記載の製造方法。
[18]R1は、メチル基であり、R2は、ベンジル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である[13]〜[16]のいずれかに記載の製造方法。
本発明は、合成前駆体を固相担体に結合した化合物に関し、この化合物は、下記一般式(1)で示される化合物である。
本発明は、一般式(1)で示される化合物(合成前駆体を固相担体に結合した化合物)と一般式MFで示されるフッ素化合物とを反応させることを含む一般式(2)で示される化合物の製造方法を包含する。一般式(2)で示される化合物が超短半減期核種標識薬物である。
一般式(1)で示される化合物(合成前駆体を固相担体に結合した化合物)は、一般式(3)で示される化合物とSolid-SO2Clとを塩基物質の存在下に反応させることを含む方法により合成できる。
以下のスキームにしたがって、例1〜5によって、固相(ポリスチレン)に結合したメチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド を合成した。
メチル 4, 6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシドの合成
メチル β-D-グルコピラノシド 1/2 H2O (20 g, 東京化成) をギ酸 100 mL に溶解し、ベンズアルデヒド 100 mL を加えた。室温で 5 分間撹拌し、その後、石油エーテル 800 mL と 1.6 M 炭酸カリウム水溶液 800 mL の混合溶媒に反応液をゆっくり加えた。生じた白色結晶を濾過後、白色状の化合物を得た。その結晶を塩化メチレン/ヘキサンで再結晶を行い白色針状結晶の化合物 メチル 4, 6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシド(17.54 g, 収率= 60.3 %)を得た。
メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシド の合成
メチル 4, 6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシド (5.05 g) と酸化ジブチルスズ (4.68 g) をトルエン 300 mL に溶解し、Dean-Stark を取り付け油浴で130-135℃に加熱し 5 時間加熱還流を行った。反応溶液を留去し真空乾燥後、窒素雰囲気下で乾燥後、N, N'-ジメチルホルムアミド 100 mL と臭化ベンジル 1.40 mL を加え 100℃で 26 時間撹拌した。反応液に少量の氷片を加えた後、反応液に純水 250 mL を加えこの水層をジエチルエーテル 250 mL で3回抽出した。ジエチルエーテル層を飽和食塩水 250 mL で1回洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/2 から 1/1)により精製し、メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシド (3.36 g, 収率=50.4%) を得た。
メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-アラビノ-ヘキソピラノシド-2-ウロースの合成
メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシド (1 g) を N, N'-ジメチルホルムアミド 15 mL と無水酢酸 30 mL に溶解し、18 時間撹拌した。反応液に純水 100 mL を加えこの水層をジエチルエーテル 100 mL で3回抽出した。ジエチルエーテル層を飽和食塩水 250 mL で1回洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン= 1/1)により精製し、メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-アラビノ-ヘキソピラノシド-2-ウロース(0.85 g, 収率=85.8%) を得た。
メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド の合成
氷冷下、メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-アラビノ-ヘキソピラノシド-2-ウロース(0.83 g) を 塩化メチレン 20 mL とメタノール 20 mL に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム (0.47 g) を加え 5 時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液 100 mL を加えこの水層をジエチルエーテル 100 mL で3回抽出した。ジエチルエーテル層を飽和食塩水 250 mL で1回洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン= 2/1)により精製し、メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド (0.77 g, 収率=91.9%) を得た。
メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド の固相への結合
メチル 3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド (0.36 g) を N, N'-ジメチルホルムアミド 10 mL に溶解し、水素化ナトリウム (0.19g, 純度 60%) を加え 20 分回転した。その後、固相担体 (Aldrich製、Sulfonyl chloride polymer-bound) を 0.69 g 加え 4 日間回転した。その後、メタノール 10 mL を加え、桐山濾過器を用いて固相担体を濾別後、真空乾燥を行い固相単体を 0.86 g 得た。また、濾液から 0.22 g の原料を回収した。
以下のスキームにしたがって、メチル 2-フルオロ-2-デオキシ-3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-アラビノ-ヘキソピラノシド を合成した。
測定条件
・測定機種:Waters 社製 2695 Separations Module, 2487 Dual λ Absorbance Detect or
・検出波長:254 nm
・カラム:CAPCEL PAK(SHISEIDO)(4.6φ x 150mm)
・移動相:リニア‐グラジエント
グラジエント条件
A: 水、B: メタノール、(0min→30min, %B: 20%-100%)、流速: 1.0 ml/min
カラム温度:25 ℃
・分析時間:30分
・メチル 2-フルオロ-2-デオキシ-3-O-ベンジル-4, 6-O-ベンジリデン-β-D-アラビノ-ヘキソピラノシド の保持時間:25.55 min(標品)、25.45 min(サンプル)
Claims (18)
- 下記一般式(1)で示される化合物。
R1は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R2は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R3は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R4は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
あるいはR3およびR4は共同して下記式(4)で示される基である。
- 前記固相物質は、粒子状物である請求項1に記載の化合物。
- 前記固相物質は、ポリスチレンまたはシリカゲルである請求項1または2に記載の化合物。
- R1は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
- R1は、メチル基であり、R2は、ベンジル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
- 下記一般式(1)で示される化合物と一般式MF(Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムである)で示されるフッ素化合物とを反応させることを含む下記一般式(2)で示される化合物の製造方法。
R2は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R3は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R4は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
あるいはR3およびR4は共同して下記式(4)で示される基である。
- Fが18Fまたは19Fである請求項6に記載の製造方法。
- MFのMは、テトラアルキルアンモニウムである請求項6または7に記載の製造方法。
- 前記固相物質は、粒子状物である請求項6〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記固相物質は、ポリスチレンまたはシリカゲルである請求項6〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
- R1は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である請求項6〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
- R1は、メチル基であり、R2は、ベンジル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である請求項6〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
- 下記一般式(3)で示される化合物とSolid-SO2Clとを塩基物質の存在下に反応させることを含む下記一般式(1)で示される化合物の製造方法。
R1は水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R2は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R3は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
R4は、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、または炭素数1〜16のシリル基であり、
あるいはR3およびR4は共同して下記式(4)で示される基である。
- 前記塩基物質が、ピリジン、水素化ナトリウム、またはアミン類である請求項13に記載の製造方法。
- 前記固相物質は、粒子状物である請求項13または14に記載の製造方法。
- 前記固相物質は、ポリスチレンまたはシリカゲルである請求項13〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
- R1は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜7のアルキル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である請求項13〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
- R1は、メチル基であり、R2は、ベンジル基であり、R3およびR4は共同して式(4)で示される基であり、R5は水素原子である請求項13〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
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