JP2007031635A - 石鹸組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
身体洗浄用の石鹸組成物について、有機ゲルマニウムによる保湿、除菌および美白作用を有する石鹸組成物を提供する。
【解決手段】
石鹸基剤70〜85重量%に対して、少なくともナノクラスター有機ゲルマニウム水、有機ゲルマニウムおよび天然グリセリンを含む添加物を15〜30重量%加えて均一に加熱撹拌後、得た石鹸素地を型枠に注入し、冷却・固化および成型した石鹸素地を常温で5〜10日間乾燥し、さらに20〜21℃の恒温室で約2ヶ月間乾燥して熟成させる。
【選択図】図1
身体洗浄用の石鹸組成物について、有機ゲルマニウムによる保湿、除菌および美白作用を有する石鹸組成物を提供する。
【解決手段】
石鹸基剤70〜85重量%に対して、少なくともナノクラスター有機ゲルマニウム水、有機ゲルマニウムおよび天然グリセリンを含む添加物を15〜30重量%加えて均一に加熱撹拌後、得た石鹸素地を型枠に注入し、冷却・固化および成型した石鹸素地を常温で5〜10日間乾燥し、さらに20〜21℃の恒温室で約2ヶ月間乾燥して熟成させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、身体洗浄用の石鹸組成物に関し、ナノクラスター水に溶解した有機ゲルマニウムが皮膚の細胞間質に浸透しやすいことにより、有機ゲルマニウムによる保湿、除菌および美白作用を有する石鹸組成物に関する。
低刺激性の石鹸組成物は、ラウリル硫酸ナトリウムのような中性に近い陰イオン性の界面活性剤またはN−アシルグルタミン酸ナトリウムのような弱酸性の界面活性剤を含有する。石鹸素地として、遊離アルカリの影響を低減する目的で脂肪酸トリエタノールアミン塩を加えたり、スルホコハク酸アルキルエステルまたはそのエチレンオキシド付加物の塩を添加することもある。この種の石鹸組成物は、一般に、低刺激性の点で不十分であるうえに、使用時にべたつき感やぬめり感を有し、さらに乾燥後にはがさつき感があって保湿作用の点でも問題があった。
一方、人の肌は、加齢に従ってシミの現出や小皺の増加による皮膚トラブルが顕著になり、その遅速は、人によって皮膚皮脂の過酸化度に相関している。皮脂の過酸化度は、常に外気と接触する顔面や手足の皮膚については大気中の酸化物に左右されやすく、窒素酸化物に代表される大気中の酸化物は近年増加する傾向にある。市販の化粧品による酸化物対策はゼロに等しく、化粧品に添加される抗酸化剤は主に化粧品成分の油脂やロウ類の劣化防止に配合され、アスコルビン酸、トコフェロール、ビタミンAなどについても、皮膚脂質の過酸化を殆ど防止できない。皮膚の老化は、皮脂の過酸化脂質の増加で促進されても、日常使用する石鹸組成物に保湿剤を配合すると、皮膚の保湿性の低下を防ぎ、こじわの増加などの皮膚の老化を防止する一手段となる。
前記の観点から、天然の保湿剤としてハチミツなどを加えた石鹸組成物が存在する。特開平7−179895号は、人体の皮膚から吸収されやすいという有機ゲルマニウムを石鹸組成物に添加したり、または有機ゲルマニウムを配合した餌料を蜜蜂に給餌し、その蜜蜂から採取したハチミツを添加したハチミツ石鹸を提案している。また、特開平8−225438号では、有機ゲルマニウムを給餌した蜜蜂から採取したハチミツを有効成分とする化粧料組成物を提案し、具体的な化粧料組成物として通常の化粧品および外用の医薬部外品を例示している。
特開平7−179895号公報
特開平8−225438号公報
特開平7−179895号は、石鹸組成物に含まれる有機ゲルマニウムによって、疲労回復および冷症、しもやけ、水虫などの防止に効果があると説明する。石鹸組成物がハチミツと有機ゲルマニウムを含有すると、ハチミツの保湿作用によって使用時にがさつき感がなく、低刺激性であって滑らかな感触を有するうえに、有機ゲルマニウムを皮膚から吸収することの薬用効果を謳っている。しかしながら、石鹸組成物で手や顔を洗った程度では、有機ゲルマニウムは殆ど皮膚に吸収されず、ハチミツによる保湿作用も大して高くない。ハチミツの添加は、天然由来の保湿剤として、石鹸組成物の使用者に安心感を与えることが主たる効果にすぎない。
本発明は、従来の石鹸組成物に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、保有ナノクラスター水によって有機ゲルマニウムの皮膚への浸透性を高め、有機ゲルマニウムによる保湿および除菌の効能を高めた石鹸組成物を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、有機ゲルマニウムをナノクラスター水に溶解することにより、ナノクラスター水を長期間安定して保有できる高浸透性の石鹸組成物を提供することである。
本発明に係る石鹸組成物は、石鹸基剤に対して、少なくともナノクラスター水および有機ゲルマニウムを加えて均一に加熱撹拌後、型枠に注入して冷却・固化する。より詳しくは、石鹸基剤70〜85重量%に対して、少なくともナノクラスター有機ゲルマニウム水、有機ゲルマニウムおよび天然グリセリンを含む添加物を15〜30重量%加えて均一に加熱撹拌後、得た石鹸素地を型枠に注入して冷却・固化する。
本発明の石鹸組成物では、冷却・固化および成型した石鹸素地を常温で5〜10日間乾燥し、さらに20〜21℃の恒温室で約2ヶ月間乾燥して熟成させる。また、本発明の石鹸組成物は、出荷時の水分が25〜26重量%、遊離アルカリが0.1重量%以下であると好ましい。
本発明を図面によって説明すると、本発明の石鹸組成物は、図1に例示するような工程で製造する。この石鹸組成物は、石鹸基剤70〜85重量%と、有機ゲルマニウムおよびナノクラスター水などの添加物15〜30重量%とを加えて均一に加熱撹拌する。石鹸基剤の量が70重量%未満であると、石鹸素地の凝固点が約45℃以下になり、流動性が高くなって固化しにくくなる。一方、石鹸基剤の量が85重量%を超えると、石鹸素地の凝固点が約55℃以上になり、流動性が低くなって固化しやすく、石鹸素地が均一に混合しにくくなる。
石鹸組成物において、石鹸基剤のほかの添加物は、少なくともナノクラスター水および有機ゲルマニウムである。さらに、比較的多量のグリセリンおよびスクロース、セリシン,加水分解コンキオリン,加水分解シルクなどの蛋白質成分、イソプロパノールやエタノールなどのアルコール、センブリ,シャクヤク,イリス,スギナ,アロエ,カミツレ,ユーカリ油,グリシルリチン酸ジカリウムなどの植物抽出成分、ヒアルロン酸,トレハロース,オリゴ糖,コンドロイチン硫酸ナトリウム,コラーゲン,ドロキシプロリン,プロリンなどの保湿成分、プラセンタエキス,エラグ酸,アスコルビン酸グルコシド,ビタミンCなどの美白成分、トリメチルグリシン,グリシン,L−セリン,結晶性セルロース,ポリエチレン末などの角質クリア成分、ラベンダー油などの香料を例示できる。所望に応じて、石鹸素地を着色する場合には少量の顔料または染料を適宜添加する。
石鹸素地は、公知の方法で製造すればよく、鹸化法によって油脂をアルカリで鹸化するかまたは中和法によって油脂から脂肪酸を調製し、その脂肪酸をアルカリで中和する。石鹸の性質は動物性または植物性の原料油脂の性質に大きく左右されるので、用途に応じた油脂を選択することを要し、化粧石鹸の場合は牛脂が80%、ヤシ油が20%の油脂を選択の目安とする。機械練りの場合には、油脂や脂肪酸などを加熱溶解し、これに苛性ソーダなどのアルカリ水溶液を加えて鹸化または中和し、さらに塩析や乾燥を行えばよい。枠練りの場合には、油脂や脂肪酸などに低級アルコールを加えて加熱溶解し、これにアルカリ水溶液を加えて鹸化または中和すればよい。
本発明で用いるグリセリンは、石油系原料であるプロピレンを原料として化学的合成法によって製造されたものよりも、油脂を鹸化した際に副成されるグリセリンをそのまま使用すると好ましく、このグリセリンを天然グリセリンと称する。一般に、油脂を鹸化した際には、廃液中に15〜20%のグリセリンが含まれている。また、天然グリセリンは、油脂をオートクレーブ中で高温で高圧水蒸気で加水分解して脂肪酸を製造する際にも得ることができる。
用いる石鹸基剤には、主成分として脂肪酸アルカリ塩が含まれる。脂肪酸アルカリ塩の脂肪酸は、炭素数が8〜24である直鎖状や分岐鎖状で飽和または不飽和の脂肪酸であり、一般に炭素数は12〜18であると好ましい。この脂肪酸として、ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,イソステアリン酸などの飽和脂肪酸、オレイン酸,リノール酸,リノレン酸,リシノール酸などの不飽和脂肪酸、これらの混合物であるヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸および硬化牛脂脂肪酸が例示できる。脂肪酸アルカリ塩のアルカリとしては、ナトリウム,カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム,マグネシウムなどのアルカリ土類金属、エタノールアミン−N−メチルタウリンアルカリ塩などの有機アミンが例示でき、一般にナトリウム塩やカリウム塩が好適である。この脂肪酸アルカリ塩は、単独または2種以上を組み合わせて添加してもよい。
石鹸基剤の成分として、脂肪酸アルカリ塩以外に、固型石鹸の場合に通常配合される成分を追加してもよい。例えば、N−長鎖アシルアミノ酸塩,アルキル硫酸エステル塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩,ヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩などのアニオン界面活性剤、イミダゾリン系両性界面活性剤,ベタイン系両性界面活性剤などの両性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル,ポリオキシアルキレングリセリルエーテル,ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド,マルチトールヒドロキシ脂肪族エーテルなどの非イオン界面活性剤、トリメチルアルキルアンモニウムクロライドなどのカチオン界面活性剤が例示できる。
添加する有機ゲルマニウムに関して、ゲルマニウムは、原子記号Ge、元素番号32の金属と非金属の中間的な性質の半金属元素であり、ミネラルの一種で、霊芝や朝鮮人参などの植物にも含まれている。有機ゲルマニウムは、人間の体に対して薬理的な作用があり、その化学的合成が確立されている。有機ゲルマニウムは、化学薬品とは違い、人間が持っている自然治癒力を高めることで様々な病気の治癒および肌の老化を防ぎ、副作用が全く無く且つ毒性も無いことから、未来の療法や化粧料として期待が掛けられ、特に、癌の免疫療法において多くの成功例が報告されている。
有機ゲルマニウムでは、分子中のゲルマニウムは半導体物質として、プラスの電荷を持つ物質と接触するとマイナスの電気を持ち、相手の物質がマイナスであるとその逆の働きをして、電気を帯びた物質と結びつく性質がある。有機ゲルマニウムは、飲用すると赤血球と同じように、水に溶けてマイナスイオンになった酸素を捕捉して全身の細胞まで運び、酸性の源である水素イオンが水となって消滅させて体調が良くなり、体内の細胞が新鮮な酸素に満ちて活動的になる。また、有機ゲルマニウムがナノクラスターに溶解した態様で皮膚に吸収されると、皮膚表面のpH調整を行い、悪玉といわれる水素イオンを排除できるという効能がある。一般に、皮脂の過酸化度は、常に外気と接触する顔面や手足の皮膚では大気中の酸化物に影響され、水素イオンによって皮膚表面が酸性の状態になると、皮膚細胞の活動が衰えて皮膚の老化が進行する原因となる。水溶性の有機ゲルマニウムが皮膚に吸収されると、有機ゲルマニウムがマイナスの電気を帯びて水素イオンを引きつけ、皮膚表面から水素イオンを排除することにより、皮膚の細胞も新鮮な酸素に満ちて活動的になる。
有機ゲルマニウムは、温水によって水溶液化することが可能であり、溶媒はミネラルウォータ、滅菌濾過水または蒸留水が一般的である。溶媒であるナノクラスター水は、その水分子の集合体の大きさが通常の水道水の約100分の1であり、水分子の構造が小さいので浸透性が高く、皮膚細胞のすみずみへ容易に浸透することが可能である。したがって、有機ゲルマニウムを皮膚表面によく吸収させるには、該有機ゲルマニウムをナノクラスター水に溶解させることが望ましい。水溶性の有機ゲルマニウムとして、化1のプロパゲルマニウムが例示できる。
水溶性の有機ゲルマニウムは、前記化1のほかに、エチルカルボキシゲルマニウムセスキオキサイド((GeCH2CH2COOH)2O3)、L−アルギニンゲルマニウム、L−リジンゲルマニウムなどでもよい。好適な有機ゲルマニウムは、プロパゲルマニウムおよびエチルカルボキシゲルマニウムセスキオキサイドである。プロパゲルマニウムおよびエチルカルボキシゲルマニウムセスキオキサイドは、温水に溶け、生物学的活性が存在することが認められている。
有機ゲルマニウム化合物の製造法は、例えば、特公昭59−35917号、特開昭61−5087号、特公昭62−25678号で開示されている。有機ゲルマニウムは、生物学的活性が存在することが認められているが、水溶液にして皮膚に塗布した際に体内への吸収性つまり浸透性が高くなく、効能が優れている割りには実際の作用効果があまり高くならず、しかも水溶液の場合には保存可能期間が比較的短いことが問題であった。
有機ゲルマニウムは、その副作用に関して、無機ゲルマニウムを有機化した物質であって副作用が無いことが確認されており、毒性試験についても安全確認済みであり、健康食品として広く使用されている。植物性の有機ゲルマニウムとは、エノキダケを用い、バイオテクノロジーによってゲルマニウムを有機化している。一方、無機ゲルマニウムは、仮に服用すると体外に排出されることなく、腎臓にたまって腎毒症で死に至るケースもあり、無機ゲルマニウムを健康食品として販売することは禁止されている。
一方、ナノクラスター水とは、通常の水に比べて凝集する水分子の数が少なく、小さい集合構造の水についての名称であり、人体の体液とほぼ等しい集合構造である水を意味する。ナノクラスター水は、人体にとって有益であるため、現在、電子水として市販されている。この電子水は、電極の入ったタンクの中に水を貯え、静電気を長時間加えることで製造するために非常に高価であり、主として点滴用水などの医療用である。
ナノクラスター水は、通常の水を非常に微細な多孔質フィルターで濾過すれば比較的容易に製造でき、この種のフィルターとして、例えば特公昭63−66777号で開示された多孔質ガラス成形物を使用すればよい。この多孔質ガラス成形物は、貫通細孔の孔径が200〜10000nmであり、通常の水がこの多孔質ガラス成形物を通過すると集合構造が改質され、大きな集合構造から均一で小さい分子集団となる。通常の水を多孔質ガラス成形物で濾過すると、水の集合構造が改質され、大きな集合構造から均一で小さい分子集団となるが、数日間の保存で元の大きな集合構造に戻りやすく、保存が利かないため、クラスター水または添加剤として販売することができない。保存のためにデンプンなどを添加しても、保存が完全でないうえに、保存剤が人体に有害になる場合もしばしば発生している。
本発明で用いるナノクラスター水には、有機ゲルマニウムを溶解させておくことを要する。有機ゲルマニウムは、水中でイオン化するとともに酸素を発生することにより、ナノクラスター水の再凝集を防いで安定化させ、石鹸組成物中で常温で長期間保存することが可能となる。石鹸組成物中において、ナノクラスター水は凝集する水分子の数が少なく、羊水や脳水のような人体の体液とほぼ等しい集合構造の水分として存在する。一方、有機ゲルマニウムはナノクラスター水に溶解しているから、通常の有機ゲルマニウム水溶液に比べて浸透性がより高く、体内への吸収性が非常に高いことで有機ゲルマニウムの効能をいっそう有効に活用できる。
有機ゲルマニウム溶解のナノクラスター水は、通常の原料水を図2に例示するような工程で製造する。この原料水は、火山地帯の地層・岩石のすき間や割れ目に存在する地下水であると好ましく、通常の水道水などを利用することも可能である。図2に示す製造工程において、除菌工程1,3,6の数は、原料水の品質に応じて適宜に増減すればよい。
図2に示す固形物除去工程2をクラスター化工程5の前に行い、原料水から微細な固形物を完全に除去した後にクラスター化させ、用いる多孔質ガラスフィルターの細孔が原料水で早期に目詰まりすることを防ぐ。固形物除去工程2では、ゴミ細菌や空気対策の除菌フィルター、サイクロン式のサンドセパレーター、メタフィルター、素焼濾過機、真空筒濾過機、加圧式パルプ濾過機、半透膜濾過機、限外濾過機などを用いる。クラスター化工程5を経たナノクラスター水について、水分子の集合体の大きさは、通常の水道水の約100分の1である。
具体的には、第1除菌工程1において、火山地帯の地下水である湧水を原水タンクに集水する。原水タンクは、通気孔を設け且つ除菌フィルター付きの20klタンクである。この原水は、樹脂ライニングのサニタリーポンプによって送水され、固形物除去工程2において、サイクロン式のサンドセパレータを経て500メッシュのステンレス鋼製フィルターで濾過して固形物を除去する。固形物除去後の原水は、第2除菌工程3において、空気除菌フィルター付きの20klステンレス鋼タンクに集水し、ステンレス鋼サニタリーポンプによって送水される。また、1次クラスター化工程5において、この原水は、孔径1.0μmおよび0.22μmの多孔質ガラスカートリッジフィルターを順次通し、大きい集合構造の凝集水をほぼナノクラスター化させる。得たナノクラスター水は、第3除菌工程6において、除菌フィルター付きの20klステンレス鋼タンクに集水し、ステンレス鋼サニタリーポンプによって送水される。
クラスター化工程5,10で用いる多孔質ガラスフィルターは、通常、孔径0.1〜20μmである細孔を有し、例えば、Al2O3:7〜15重量%、B2O3:6〜12重量%、Na2O:3〜7重量%、CaO:3〜7重量%を含有する。この多孔質ガラスフィルターを製造するには、天然の火山灰シラス、炭酸カルシウム、ホウ酸、ソーダ灰、マグネシウムなどを混合し、約1350℃で溶融して基礎ガラスを合成する。この溶融物の温度が1200℃に低下すると、吹きガラス法によって直径10mm、長さ500mmの中空ガラス管を成形する。この中空ガラス管の内側と外側にアルミナ粉末を塗布し、加熱炉中で20時間熱処理してから、2%フッ酸に10分間浸漬し、さらに1規定塩酸に4時間浸漬する。最後に0.5規定水酸化ナトリウム水溶液で処理して残留シリカを除き、中和、水洗および乾燥を経て中空管状の多孔質ガラスフィルターを得る。
この多孔質ガラスフィルターについて、孔径が0.1nm未満であると、該フィルタが使用時に目詰まりを起こしやすいうえに濾過効率が相当に低くなり、20μmを超えると孔径が大きすぎるため、複数回の濾過処理を行っても完全なナノクラスター水を得ることができない。多孔質ガラスフィルターによる濾過の回数は、1回だけであると大きな集合構造の水分子が残存する場合があるため、2回または3回以上濾過して水全体をほぼ完全にナノクラスター化させる。好ましくは、有機ゲルマニウムを溶解させるGe溶解工程7の後に、再クラスター化工程10において、有機ゲルマニウムの添加で凝集を起こしがちな水分子を再度ナノクラスター化させる。
Ge溶解工程7では、有機ゲルマニウムの粉末をナノクラスター水に添加して溶解させる。有機ゲルマニウムの混合は、半密閉のクッションタンクを行うと効率が良く、原水タンクや濾過タンクで行うとロスが発生しやすい。有機ゲルマニウムをナノクラスター水に溶解させると、有機ゲルマニウムのイオン化によってナノクラスター水が再凝集することを防止するとともに、有機ゲルマニウムの溶解で水中に酸素が発生することにより、ナノクラスター水が酸素富化によって腐敗しなくなる。また、生理活性を有する有機ゲルマニウムは、ナノクラスター水に溶解することで人体への浸透性が高まり、有機ゲルマニウムの効能をいっそう有効に活用できる。
具体的には、Ge溶解工程7において、ナノクラスター水を500リットルのステンレス鋼タンクである半密閉のクッションタンクに導入し、さらに20kgのプロパゲルマニウムの微粉末を添加して溶解させる。溶解が完了すれば、ステンレス鋼サニタリーポンプによって送水する。次に、Ge溶解工程7で有機ゲルマニウムの粉末を添加して溶解させた後に、ナノクラスター水を殺菌することを要する。この殺菌には、プレート式熱交換機などを用い、約120℃で30分間程度処理すればよい。例えば、殺菌工程8において、石鹸組成物をプレート式熱交換機によって120℃で30秒間殺菌してから87℃まで冷却することにより、殺菌とともにプロパゲルマニウムを完全に溶解させる。
再クラスター化工程10において、ナノクラスター有機ゲルマニウム水を500メッシュのステンレス鋼製のラインフィルターで濾過し、ついで孔径2.0の多孔質ガラスを取り付けたステンレス鋼製のラインフィルターで濾過し、ナノクラスター有機ゲルマニウム水をさらに均一にナノクラスター化させる。得たナノクラスター有機ゲルマニウム水は、瓶詰め工程12において、転倒殺菌機によってキャップ内側を30秒間殺菌し、冷却機によって85℃から40℃まで冷却する。
得たナノクラスター有機ゲルマニウム水は、凝集する水分子の数が少なく、羊水や脳水のような人体の体液とほぼ等しい集合構造であり、通常の有機ゲルマニウム水溶液に比べて体内への吸収性が非常に高い。このナノクラスター有機ゲルマニウム水は、水の集合構造が一般に不安定で様々な不純物を取り込んで大きく凝集する性質があっても、有機ゲルマニウムのイオン化によってナノクラスター水が再凝集することを防止し、常温で長期間保存することが可能である。
本発明に係る石鹸組成物は、有機ゲルマニウムをナノクラスター水に溶解することにより、有機ゲルマニウムがナノクラスター水によって通常のものよりも皮膚への浸透性がより高くなって体内へ吸収されやすく、有機ゲルマニウムの保湿、除菌および美白作用をいっそう有効に活用できる。本発明の石鹸組成物では、ナノクラスター水に溶解した有機ゲルマニウムがイオン化することにより、ナノクラスター水の再凝集を防いで安定化させ、石鹸組成物中でナノクラスター水を常温で長期間保有することが可能となる。石鹸組成物中において、有機ゲルマニウムを溶解したナノクラスター水は凝集する水分子の数が少なく、羊水や脳水のような人体の体液とほぼ等しい集合構造の水分として存在する。
本発明の石鹸組成物は、皮膚の細胞間質に浸透しやすい水溶液状態の有機ゲルマニウムを含み、低刺激性であって使用時につっぱり感がなく、使用後にはさっぱりした感触が得られるため、皮膚の洗浄に好適である。本発明の石鹸組成物は、セリシン,加水分解コンキオリン,加水分解シルクなどの蛋白質成分を含むことで滑らかな感触も有し、加齢によるシミの現出や小皺の増加による皮膚トラブルも防止できる。
本発明の石鹸組成物は、伝統的な石鹸製造法を用い、油脂を炊いて苛性ソーダと反応させると、長期間の熟成工程を必要としても、天然グリセリンを含んだ高品質の石鹸となる。この石鹸組成物は、天然グリセリンおよび有機ゲルマニウムを含んでいるので、洗い上がり時に肌が特にしっとりとしてつっぱり感が無く、肌に優しい石鹸である。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明に係る石鹸組成物の製造工程の概略を図1に例示する。図1では、伝統的な石鹸製造法に従って、油脂を炊いて苛性ソーダと反応させ、天然グリセリンを含んだ高品質の石鹸組成物を得る。
図1の石鹸素地の製造工程14において、下記の物質を反応釜に入れる。釜炊きを行って全体を均一に混練し、鹸化、撹拌、冷却する。プロパゲルマニウムは、ナノクラスター水に溶解して添加する以外に微粉末の固形物も添加する。
石鹸基剤 79重量%
イソプロパノール 適量
精製水(ナノクラスタープロパゲルマニウム水) 適量
特製白糖(スクロース) 14.7重量%
濃グリセリン(天然グリセリン) 2.5重量%
ヒドロキシエタンジスルホン酸(エチドロン酸) 0.2重量%
プロパゲルマニウム 2.0重量%
加水分解コンキオリン液 0.049重量%
加水分解シルク液 0.49重量%
セリシン 0.049重量%
ラベンダー油 0.09重量%
イソプロパノール 適量
精製水(ナノクラスタープロパゲルマニウム水) 適量
特製白糖(スクロース) 14.7重量%
濃グリセリン(天然グリセリン) 2.5重量%
ヒドロキシエタンジスルホン酸(エチドロン酸) 0.2重量%
プロパゲルマニウム 2.0重量%
加水分解コンキオリン液 0.049重量%
加水分解シルク液 0.49重量%
セリシン 0.049重量%
ラベンダー油 0.09重量%
1次検査工程16において、遊離アルカリ分析を行う。この際に、遊離アルカリが0.1%以下であることを要する。分析の結果、得た石鹸素地は、製造時に水分43.80重量%、遊離アルカリ0.02重量%であった。
得た石鹸素地は、型入れ・型抜き工程18において、筒に流し込んで冷却・固化させる。裁断工程20において、石鹸製品に見合った重さの形状に裁断し、裁断面を整える。さらに、乾燥工程22において、裁断した石鹸組成物を常温で約1週間かけて乾燥する。表面カット工程24において、石鹸組成物の裁断面を均一に整え、表面を研磨する。
熟成工程26において、石鹸素地を20〜21℃の恒温恒湿の室で約2ヶ月寝かして乾燥する。湯浸工程28において、乾燥した石鹸組成物をぬるま湯にくぐらせ、表面を柔らかくする。さらに、中拭き工程30において、石鹸組成物を滑らかな状態にしてから、その検査と修正を行い、表面を中拭きする。型打ち工程32において、石鹸組成物をプレスで加圧成型し、刻印する。仕上げ拭き工程34において、ポリシング作業を行い、石鹸組成物の表面を艶出しする。
中間検査工程36において、社内基準に従って全数を検査して、重量、付着ゴミ、形状などを調べる。最終仕上げ工程38において、石鹸組成物を包装し、最終検査を行って出荷する。出荷時の検査項目は下記の通りである。
水分(%) 25〜26重量%
遊離アルカリ(%) 0.1重量%以下
香り ラベンダー・石鹸の微香あり
色相 黒色透明
重量(g) 103〜115g(標準100g)
形状および寸法 直径68mmの円形、変形、キズ、ひび割れがないこと
水分(%) 25〜26重量%
遊離アルカリ(%) 0.1重量%以下
香り ラベンダー・石鹸の微香あり
色相 黒色透明
重量(g) 103〜115g(標準100g)
形状および寸法 直径68mmの円形、変形、キズ、ひび割れがないこと
得た石鹸組成物は、各検査項目について出荷時の結果は下記の通りであった。
水分(%) 25.4重量%
遊離アルカリ(%) 0.02重量%
香り 標準品と差異がなかった
色相 標準品と差異がなかった
重量(g) 109.60g
外観 標準品と差異がなかった
包装形態 標準品と差異がなかった
水分(%) 25.4重量%
遊離アルカリ(%) 0.02重量%
香り 標準品と差異がなかった
色相 標準品と差異がなかった
重量(g) 109.60g
外観 標準品と差異がなかった
包装形態 標準品と差異がなかった
得た石鹸組成物は、適量を水またはぬるま湯でよく泡立て、洗顔および身体の清浄を行った後に洗い流せばよい。
14 石鹸素地の製造工程
16 1次検査工程
18 型入れ・型抜き工程
20 裁断工程
22 乾燥工程
24 表面カット工程
26 熟成工程
28 湯浸工程
30 中拭き工程
32 型打ち工程
34 仕上げ拭き工程
36 中間検査工程
38 最終仕上げ工程
16 1次検査工程
18 型入れ・型抜き工程
20 裁断工程
22 乾燥工程
24 表面カット工程
26 熟成工程
28 湯浸工程
30 中拭き工程
32 型打ち工程
34 仕上げ拭き工程
36 中間検査工程
38 最終仕上げ工程
Claims (4)
- 石鹸基剤に対して、少なくともナノクラスター水および有機ゲルマニウムを加えて均一に加熱撹拌後、型枠に注入して冷却・固化する石鹸組成物。
- 石鹸基剤70〜85重量%に対して、少なくともナノクラスター有機ゲルマニウム水、有機ゲルマニウムおよび天然グリセリンを含む添加物を15〜30重量%加えて均一に加熱撹拌後、得た石鹸素地を型枠に注入して冷却・固化する石鹸組成物。
- 冷却・固化および成型した石鹸素地を常温で5〜10日間乾燥し、さらに20〜21℃の恒温室で約2ヶ月間乾燥して熟成させる請求項1または2記載の石鹸組成物。
- 出荷時の水分が25〜26重量%、遊離アルカリが0.1重量%以下である請求項1または2記載の石鹸組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005220202A JP2007031635A (ja) | 2005-07-29 | 2005-07-29 | 石鹸組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005220202A JP2007031635A (ja) | 2005-07-29 | 2005-07-29 | 石鹸組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007031635A true JP2007031635A (ja) | 2007-02-08 |
Family
ID=37791263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005220202A Pending JP2007031635A (ja) | 2005-07-29 | 2005-07-29 | 石鹸組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007031635A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011001316A (ja) * | 2009-06-19 | 2011-01-06 | Japan Algae Co Ltd | アルカリ石鹸組成物 |
CN106753917A (zh) * | 2016-12-14 | 2017-05-31 | 浙江大学 | 一种用丝胶溶液制备丝胶精油手工皂的方法 |
CN106833976A (zh) * | 2016-12-14 | 2017-06-13 | 浙江大学 | 一种用丝素蛋白溶液制备丝素精油手工皂的方法 |
KR20210066568A (ko) * | 2019-11-28 | 2021-06-07 | 전라남도 | 아메리카왕거저리 오일을 포함하는 항균용 조성물 |
-
2005
- 2005-07-29 JP JP2005220202A patent/JP2007031635A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011001316A (ja) * | 2009-06-19 | 2011-01-06 | Japan Algae Co Ltd | アルカリ石鹸組成物 |
CN106753917A (zh) * | 2016-12-14 | 2017-05-31 | 浙江大学 | 一种用丝胶溶液制备丝胶精油手工皂的方法 |
CN106833976A (zh) * | 2016-12-14 | 2017-06-13 | 浙江大学 | 一种用丝素蛋白溶液制备丝素精油手工皂的方法 |
KR20210066568A (ko) * | 2019-11-28 | 2021-06-07 | 전라남도 | 아메리카왕거저리 오일을 포함하는 항균용 조성물 |
KR102348162B1 (ko) | 2019-11-28 | 2022-01-07 | 전라남도 | 아메리카왕거저리 오일을 포함하는 항균용 조성물 |
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