JP2007029776A - 排気ガス処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気ガス処理装置において、設備コストの上昇を抑制しながら排気ガスの浄化性能の向上を図る。
【解決手段】ボイラ11に連結される排気ガス通路12に、エアヒータ13、ガスガスヒータの熱回収部14、電気集塵機15、脱硫装置16、ガスガスヒータの再加熱部17、煙突18を設けると共に、電気集塵機15の上流側における排気ガス通路12に過酸化水素を注入する過酸化水素注入装置21を設け、過酸化水素注入装置21に過酸化水素水タンク22を連結する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に、石炭を原料とした火力発電所に設置されるボイラから排出される排気ガスを浄化処理する排気ガス処理装置に関する。
石炭を原料とした火力発電所に設置されるボイラでは、排出される排気ガス中にダストや亜硫酸ガスなどが多く含まれており、これらを効率良く浄化処理する必要がある。一般には、ボイラの排気ガス通路に電気集塵機や脱硫装置等を設けてこれらを浄化処理している。
図4は、従来の一般的な排気ガス処理装置の概略図である。従来の一般的な排気ガス処理装置において、図4に示すように、ボイラ001からの排気ガス通路002に、エアヒータ003を介して電気集塵機004を設け、この電気集塵機004の下流側にガスガスヒータの熱回収部005、ガスガスヒータの再加熱部007及び脱硫装置006を設け、その下流側に煙突008が設けられている。従って、ボイラ001から排出された排気ガスは、エアヒータ003により所定の温度(例えば、120℃〜160℃)まで冷却され、電気集塵機004によりダストが捕集された後、熱回収部005により更に冷却されてから脱硫装置006に導入され、当外部で液吸収により亜硫酸ガス(SO2)が処理され、ガスガスヒータの再加熱部007により加熱されて煙突108から大気に放出される。
ところで、電気集塵機は、集塵極と放電極との間に高圧電流場を生成することでコロナ放電を行い、この間を通過する排気ガス中のダストの粒子を荷電し、この荷電された粒子を集塵極の表面に捕集するようにしている。このため、電気集塵機の集塵性能は、ダストの粒子の電気抵抗値に左右されるものであり、電気抵抗値104Ωcm〜1011Ωcmの範囲にあるダストは、集電極に捕集されて堆積した状態で、その堆積したダスト層内を適度に電流が流れるために供給する電流、電圧が共に安定し、高い集塵性能を確保できる。
しかし、石炭火力では、この電気抵抗が高いため、それを低くするための手段がいろいろと講じられ、たとえば煙道の中に水を噴霧し、温度を下げたり、また水分を増やしたり、あるいはSO3ガスそのものを注入することなどの対策が公知である。また、最近では、ガスガスヒータを有する脱硫装置を含む排煙処理装置では「この電気抵抗値を下げるために、排気ガスの温度を更に低下させてから電気集塵機で処理するものが実用化されており、従来よりさらにEPの運転温度を下げて運転するため、低低温EP方式排ガス処理装置と呼ばれている。
図5は、従来の低低温EP方式排ガス処理装置の概略図である。従来の低低温EP方式排ガス処理装置において、図5に示すように、ボイラ011からの排気ガス通路012に、エアヒータ013を介して電気集塵機015及び脱硫装置016を設け、この電気集塵機015の上流側にガスガスヒータの熱回収部014を設ける一方、脱硫装置016の下流側にガスガスヒータの再加熱部017を設け、その下流側に煙突018が設けられている。従って、ボイラ011から排出された排気ガスは、エアヒータ013により所定の温度(例えば、120℃〜160℃)まで冷却され、ガスガスヒータの熱回収部014により所定の温度(例えば、90℃〜110℃)まで更に冷却されてから、電気集塵機015によりダストが捕集された後、脱硫装置016により亜硫酸ガス(SO2)が処理され、ガスガスヒータの再加熱部117により加熱されて煙突118から大気に放出される。
電気集塵機の集塵性能を向上するために電気抵抗値を下げることが必要であるが、電気抵抗値を下げるためには、上述したように、排気ガスの温度を低下させる技術の他に、ダストの水分量を増加させたり、排気ガス中の硫黄酸化物SO3の量を増加させることが考えられている。
このような従来の排気ガス処理装置としては、下記特許文献1に記載されたものがある。
特開平07−308601号公報
ところで、上述した排気ガス処理は、石炭を原料とした火力発電所に設置されるボイラから排出された排気ガスを浄化処理するものであるが、原料となる石炭の品質が異なると、排気ガスの性状も異なる。つまり、石炭の品質が異なると、灰の性状そのものが異なるとともに、排気ガス中の水分量、SO3量が異なり、電気集塵機の集塵性能に起因する電気抵抗値がばらついてしまう。従って、上述した従来の低低温EP方式排ガス処理装置のように、ボイラ011からの排気ガスをエアヒータ013及びガスガスヒータの熱回収部014により十分に冷却してから電気集塵機015に投入しても、ダストを効率良く捕集することができないことがある。
この場合、電気集塵機におけるダスト粒子の電気抵抗値を下げるために、排気ガスの水分量を増加させることが考えられるが、電気抵抗値を適正値まで下げるため排気ガスの水分量を増加させるには莫大な水分が必要となり、設備コストが大幅に増加すると共に、排気ガス量が増加して処理コストも増加してしまう。また、電気集塵機におけるダスト粒子の電気抵抗値を下げるために、排気ガス中のSO3量を増加させることが考えられるが、この場合、気体であるSO2をタンクに貯蔵し、これを酸化触媒などで酸化させ、ノズルなどで排気ガス中に噴霧しなければならず、設備コストが増加してしまう。
特に、低低温領域では、ガス中のSO3の割合が少し増えるだけでも、大幅に電気抵抗が下げることができるため、必要な量はごくわずかですむが、そのために排気ガス中のSO3量を増加させる設備を設けることは設備コストが増加する。
一方、特許文献1に記載された排気ガス処理装置では、ボイラから排出された排気ガスに対して、硫酸を気化したSO3を注入することで電気抵抗値を下げ、これを電気集塵機に投入して処理することで性能を向上させるようにしている。ところが、SO3を注入するために硫酸を用いることで、機器の腐食を招く可能性があり、アンモニアを注入することで残留したミスト状のSO3を中和させている。そのため、設備が大掛かりなものとなって設備コストや製造コストが増加してしまうという問題がある。
本発明はこのような課題を解決するものであり、設備コストの上昇を抑制しながら排気ガスの浄化性能の向上を図った排気ガス処理装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1の発明の排気ガス処理装置は、ボイラから排出された排気ガスの排気ガス通路に電気集塵機を設けると共に、該電気集塵機の上流側における前記排気ガス通路に過酸化水素を注入する過酸化水素注入装置を設けたことを特徴とするものである。
請求項2の発明の排気ガス処理装置では、前記過酸化水素注入装置は、過酸化水素水を加熱して気体として前記排気ガス通路に注入することを特徴としている。
請求項3の発明の排気ガス処理装置では、前記過酸化水素注入装置は、過酸化水素水を貯留するタンクと、該タンクに貯留された過酸化水素水をチャンバ内に噴射して微細化する微細化ノズルと、前記チャンバ内に高温空気を供給して微細化された過酸化水素水を加熱する加熱装置と、前記チャンバ内で気体となった過酸化水素を前記排気ガス通路に噴霧する噴霧ノズルとを有することを特徴としている。
請求項4の発明の排気ガス処理装置では、前記過酸化水素注入装置は、過酸化水素水を前記排気ガス通路中の排気ガスにより加熱し、気体として前記排気ガス通路に噴霧することを特徴としている。
請求項5の発明の排気ガス処理装置では、前記過酸化水素注入装置は、前記排気ガス通路中の排気ガスの流量及び温度に応じて前記排気ガス通路への過酸化水素の注入量を制御することを特徴としている。
請求項6の発明の排気ガス処理装置では、前記過酸化水素注入装置は、前記電気集塵機の荷電情報に応じて前記排気ガス通路への過酸化水素の注入量を調整することを特徴としている。
請求項7の発明の排気ガス処理装置では、前記電気集塵機の下流側における前記排気ガス通路に湿式脱硫装置を設け、前記過酸化水素注入装置の下流側で且つ前記電気集塵機の上流側における前記排気ガス通路に排気ガスの熱を回収する熱回収部を設ける一方、前記湿式脱硫装置の下流側における前記排気ガス通路に前記熱回収部で回収した熱により排気ガスを再加熱するガスガスヒータを設けたことを特徴としている。
請求項1の発明の排気ガス処理装置によれば、ボイラから排出された排気ガスの排気ガス通路に電気集塵機を設けると共に、この電気集塵機の上流側における排気ガス通路に過酸化水素を注入する過酸化水素注入装置を設けたので、過酸化水素注入装置により排気ガスに対して過酸化水素を付加すると、排気ガス中の亜硫酸ガスが過酸化水素と反応して硫黄酸化物SO3が生成され、排気ガス中のSO3量が増加して電気抵抗値が低下することで、電気集塵機の集塵性能が向上することとなり、その結果、設備コストの上昇を抑制しながら、排気ガスの浄化性能を向上することができる。
請求項2の発明の排気ガス処理装置によれば、過酸化水素注入装置は、過酸化水素水を加熱して気体として排気ガス通路に注入するので、気体として過酸化水素を貯蔵する必要はなく、設備コストの上昇を抑制することができる。
請求項3の発明の排気ガス処理装置によれば、過酸化水素注入装置として、過酸化水素水を貯留するタンクと、このタンクに貯留された過酸化水素水をチャンバ内に噴射して微細化する微細化ノズルと、チャンバ内に高温空気を供給して微細化された過酸化水素水を加熱する加熱装置と、チャンバ内で気体となった過酸化水素を排気ガス通路に噴霧する噴霧ノズルを設けたので、最低限の設備で酸化水素水を容易に過酸化水素として排気ガス通路に噴霧することができ、作業性を向上することができる。
請求項4の発明の排気ガス処理装置によれば、過酸化水素注入装置は、過酸化水素水を排気ガス通路中の排気ガスにより加熱し、気体として排気ガス通路に噴霧するので、過酸化水素水を気体にするための加熱源を排気ガスとすることで、別途加熱コストを不要として設備コストを低減することができる。特に、噴霧する量がごくわずかですむ場合には、気化チャンバなどの設備を設けることなく、微細化した過酸化水素水を空気とともに排気ガス中の中に設けられた過酸化水素供給管を経由して供給することで排気ガスの熱で気化させることが可能である。
請求項5の発明の排気ガス処理装置によれば、過酸化水素注入装置は、排気ガス通路中の排気ガスの流量及び温度に応じて排気ガス通路への過酸化水素の注入量を制御するので、排気ガスの流量変動や温度変動に応じて過酸化水素の注入量を随時対応させるフィードフォワード制御を実施することで、電気集塵機の高い集塵性能を安定して維持することができる。
請求項6の発明の排気ガス処理装置によれば、過酸化水素注入装置は、電気集塵機の荷電情報に応じて排気ガス通路への過酸化水素の注入量を調整するので、電気集塵機の荷電情報に応じて過酸化水素の注入量を調整するフィードバック制御を実施することで、電気集塵機の高い集塵性能を安定して維持することができる。
請求項7の発明の排気ガス処理装置によれば、電気集塵機の下流側に湿式脱硫装置を設け、過酸化水素注入装置の下流側で電気集塵機の上流側に排気ガスの熱を回収する熱回収部を設ける一方、湿式脱硫装置の下流側に熱回収部で回収した熱により排気ガスを再加熱するガスガスヒータを設けたので、電気集塵機に流入する排気ガスの温度を所定温度にすることで、安定した集塵性能を確保することができる一方、脱硫装置の処理性能を向上して白煙等排出を抑制することができ、また、熱回収部で回収した熱により排気ガスを再加熱してから排出するため、排気ガスの熱を効率的に利用して用いることで、燃料コストを低減することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る排気ガス処理装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施例に係る排気ガス処理装置の概略構成図、図2は、本実施例の排気ガス処理装置における過酸化水素注入装置の概略構成図、図3は、電気集塵機における排気ガス温度に対する電気抵抗値を表すグラフである。
本実施例の排気ガス処理装置において、図1に示すように、ボイラ11に連結される排気ガス通路12にはエアヒータ(AH)13が連結されており、このエアヒータ13の下流側には電気集塵機(EP)14が連結されており、この電気集塵機15の下流側には脱硫装置(FGD)16が連結されている。そして、この電気集塵機15の上流側にガスガスヒータの熱回収部(GGH)14が設けられる一方、脱硫装置16の下流側にはガスガスヒータの再加熱部(GGH)17が設けられており、再加熱部17の下流側に煙突18が設けられている。
ボイラ11は、石炭を原料とする発電プラントに設置されたものであり、排気ガス通路12に排出される排気ガスは、ダストのほかに亜硫酸ガス(SO2)等の有毒ガスを含んでいる。エアヒータ13は、ボイラ11から排出された排気ガス(例えば、350℃〜400℃)を適正温度(120℃〜160℃)に冷却するものである。ガスガスヒータの熱回収部14は、排気ガスと冷却ガスとの間で熱交換を行うことで、排気ガスを適正温度(90℃〜110℃)に冷却するものである。
電気集塵機15は、排気ガス中のダストの粒子を荷電し、この荷電された粒子を捕集するものである。即ち、図示しないが、板状または円筒形状をなす複数の集塵極を設けると共に、この各集塵極に対応して所定間隔をあけて放電極をそれぞれ設け、この集塵極と放電極との間に高圧電流場を生成し、排気ガスを流す。すると、両極間にコロナ放電が発生し、負にイオン化された無数のガス分子が陽極の方へ移動し、排気ガス中のダスト粒子と衝突して荷電する。この荷電された粒子を各集塵極へ集められ、その表面に捕集して堆積される。そして、集塵極に堆積したダスト粒子は、槌打ち装置で払い落とされて搬出される。
脱硫装置16は、湿式の排煙脱硫装置であって、排気ガス中の亜硫酸ガスを回収液に回収するものであり、排気ガスの温度の適正所の温度領域は、例えば、60℃以下となっている。第2ガスヒータ17は、脱硫装置16から排出された排気ガス(例えば、60℃)を適正温度(110℃以上)に加熱するものであり、加熱源として、第1ガスヒータ14にて、ボイラ11から排出された排気ガスと熱交換して加熱された冷却ガスを用いる。
ところで、上述した電気集塵機15は、排気ガス中のダスト粒子を荷電し、この荷電された粒子を集塵極の表面に捕集して堆積するものであることから、堆積した粒子の電気抵抗値が高いと絶縁破壊を引き起こし、逆極性のイオンが飛び出す、所謂、逆電離現象が発生して集塵効率が低下する。即ち、電気集塵機15の集塵性能は、ダスト粒子の電気抵抗値に左右されるものであり、この電気抵抗値を低く維持することで、荷電が適度に失われるために電流と電圧が安定して高い集塵性能を確保することができる。この場合、ダスト粒子の電気抵抗値を下げるためには、排気ガスの温度、ダストの水分量、排気ガス中の硫黄酸化物SO3量を増加させることが必要となる。
即ち、図3に示すように、電気集塵機15に捕集されたダスト粒子に対して、電気抵抗はダスト粒子の内部を通じて電流を流す体積伝導によるもの、またその粒子の表面を通して電流を流す表面伝導の合成によりその値が決定されるが、その内部を通る体積伝導にあっては、排気ガス温度が低下するほど電気抵抗値が高くなる傾向を示す。一方、ダスト粒子に対してその表面(水分)を通る表面伝導にあっては、排気ガス温度が低下するほど電気抵抗値が低くなる傾向を示し、この場合、排気ガス中の水分量が増加するほど低下する。従って、このダスト粒子に対する体積伝導と表面伝導(水分)を考慮すると、同図に一点差線で示すように、排気ガス温度が低温(90℃〜110℃)領域で、特に、排気ガス温度が低下するほど電気抵抗値が低くなる傾向を示す。
また、電気集塵機15に捕集されたダスト粒子に対してその表面(SO3)を通る表面伝導にあっては、排気ガス温度が低下するほど電気抵抗値が低くなる傾向を示し、この場合、排気ガス中のSO3量が増加すると、水分よりもより顕著に電気抵抗が低下する。従って、このダスト粒子に対する体積伝導と表面伝導(水分)に加えて表面伝導(SO3)を考慮すると、同図に実線で示すように、排気ガス温度が低低温(90℃〜110℃)領域で、上述した一点差線で示すものより更に排気ガス温度が低下するほど電気抵抗値が低くなる傾向を示す。
このようなことを考慮し、本実施例では、排気ガス温度を低下させた低低温(90℃〜110℃)領域で、排気ガス中のSO3量を増加させることで排気ガス中のダスト粒子の電気抵抗値を低下させ、電気集塵機15の集塵性能を向上させるようにしている。なお、上記の90℃〜110℃というガス温度範囲は低低温方式の代表的な温度範囲を示したもので、その温度の上下には多少のばらつきがあることが許容できることはいうまでもない。
即ち、図1に示すように、ガスガスヒータの熱回収部14及び電気集塵機15の上流側における排気ガス通路12に対して、過酸化水素(H22)を注入する過酸化水素注入装置21を設けている。この過酸化水素注入装置21は、過酸化水素水を所定量だけ貯留する過酸化水素水タンク22が接続され、この過酸化水素水タンク22の過酸化水素水を加熱して気体(過酸化水素)としてから排気ガス通路12に供給する。この場合、発電プラントには過酸化水素水を製造する過酸化水素水製造設備23が設置されており、過酸化水素水タンク22には、この酸化水素水製造設備23から定期的に過酸化水素水が補充されることで、所定量の過酸化水素水を貯留することができる。
この過酸化水素注入装置21において、図2に示すように、過酸化水素水を貯留する過酸化水素水タンク22に連結される過酸化水素水供給通路31には、供給ポンプ32及び流量調整弁33が装着されている。そして、この過酸化水素水供給通路31は気化用チャンバ34内に挿入され、その先端部に微細化ノズル35が装着されている。従って、供給ポンプ32を駆動すると、過酸化水素水タンク22に貯留された過酸化水素水が流量調整弁33により流量された後、過酸化水素水供給通路31を通って気化用チャンバ35に供給され、ここで微細化ノズル35により過酸化水素水を噴射して微細化することができる。
一方、エア供給ファン36に連結されるエア供給通路37には、蒸気式加熱装置38が装着されており、その先端部は気化用チャンバ34に連結されている。従って、エア供給ファン36を駆動すると、エアが蒸気式加熱装置38により高温に加熱された後、ホットエアがエア供給通路37を通して気化用チャンバ34に供給することで、この気化用チャンバ34内で微細化された過酸化水素水を加熱することができる。
そして、この気化用チャンバ34には、過酸化水素供給管39が連結され、この過酸化水素供給管39は排気ガス通路12内に挿通され、先端部に複数の噴霧ノズル40が装着されている。従って、気化用チャンバ34内で加熱されて気体となった過酸化水素を過酸化水素供給管39を通して排気ガス通路12に供給し、各噴霧ノズル40から排気ガスに対して噴霧することができる。特に、噴霧する量がごくわずかですむ場合には、気化チャンバ34などの設備を設けることなく、微細化した過酸化水素水を空気とともに排気ガス通路12の中に設けられた過酸化水素供給管39を経由して供給することで排気ガスの熱で気化させることが可能である。
また、図1に示すように、過酸化水素注入装置21は、制御装置41により排気ガス通路12への過酸化水素の注入量を制御することができる。即ち、制御装置41には、ボイラ11の図示しない制御部から排気ガスの流量と温度が入力されると共に、電気集塵機15の荷電情報(電流及び電圧から導き出される集塵性能)が入力されるようになっている。
従って、制御装置41は、排気ガスの流量が増加したり、温度が上昇したときには、過酸化水素の注入量を増加する一方、排気ガスの流量が減少したり、温度が低下したときには、過酸化水素の注入量を減少する。そして、制御装置41は、排気ガスの流量や温度の変化に応じて過酸化水素の注入量を変更した後、電気集塵機15の荷電情報に応じて過酸化水素の注入量を調整する。即ち、制御装置41は、排気ガスの流量変動や温度変動に応じて過酸化水素の注入量を随時対応させるフィードフォワード制御を実施すると共に、電気集塵機15の荷電情報に応じて過酸化水素の注入量を調整するフィードバック制御を実施している。
このように構成された本実施例の排気ガス処理装置において、ボイラ11から排出された排気ガスは排気ガス通路12を通って排出され、エアヒータ13により所定の温度(例えば、120℃〜160℃)まで冷却される。そして、過酸化水素注入装置21は、排気ガス通路12を流動する排気ガスに対して過酸化水素を注入する。即ち、供給ポンプ32を駆動し、過酸化水素水タンク22に貯留された過酸化水素水を流量調整弁33により流量した後、過酸化水素水供給通路31を通して供給し、微細化ノズル35により気化用チャンバ35に噴射して微細化する。一方、エア供給ファン36を駆動し、エアを蒸気式加熱装置38により加熱した後、ホットエアをエア供給通路37を通して気化用チャンバ34に供給することで、この気化用チャンバ34内で微細化された過酸化水素水を加熱する。そして、気化用チャンバ34内で加熱されて気体となった過酸化水素を過酸化水素供給管39を通して供給し、各噴霧ノズル40から排気ガス通路12の排気ガスに対して噴霧する。
すると、排気ガス通路12の排気ガスに対して過酸化水素が供給されることで、下記反応が起こる。
SO2+H22 → SO3+H2
即ち、排気ガス中の亜硫酸ガスに対して過酸化水素が反応することで、硫黄酸化物SO3が生成される。
そして、過酸化水素を供給することで硫黄酸化物SO3が増加した排気ガスは、ガスガスヒータの熱回収部14により所定の温度(例えば、90℃〜110℃)まで冷却されてから電気集塵機15に投入される。すると、この電気集塵機15は、排気ガス中のダスト粒子が荷電して集塵極の表面に捕集するが、このとき、排気ガスは多くの硫黄酸化物SO3を有していることから電気抵抗値が低下しており、効率良くダストを捕集することができる。
その後、ダストが星有された排気ガスは、脱硫装置16により亜硫酸ガスが回収処理された後、ガスガスヒータの再加熱部17により加熱されて煙突18で大気に放出される。
また、過酸化水素注入装置21が排気ガス通路12を流動する排気ガスに対して過酸化水素を注入するとき、制御装置41は、排気ガスの流量変動や温度変動に応じて過酸化水素の注入量を随時対応させるフィードフォワード制御を実施すると共に、電気集塵機15の荷電情報に応じて過酸化水素の注入量を調整するフィードバック制御を実施することで、排気ガスの性状に応じた過酸化水素を供給することができる。
このように本実施例の排気ガス処理装置にあっては、ボイラ11に連結される排気ガス通路12に、エアヒータ13、ガスガスヒータの熱回収部14、電気集塵機15、脱硫装置16、ガスガスヒータの再加熱部17、煙突18を設けると共に、電気集塵機15の上流側における排気ガス通路12に過酸化水素を注入する過酸化水素注入装置21を設けている。
従って、過酸化水素注入装置21により排気ガスに対して過酸化水素を付加すると、排気ガス中の亜硫酸ガスが過酸化水素と反応して硫黄酸化物SO3が生成され、排気ガス中のSO3量が増加して電気抵抗値が低下することで、電気集塵機15の集塵性能が向上することとなり、その結果、設備コストの上昇を抑制しながら、排気ガスの浄化性能を向上することができる。
また、過酸化水素注入装置21は、過酸化水素水を加熱して気体として排気ガス通路12に注入している。従って、気体として過酸化水素を貯蔵する必要はなく、設備コストの上昇を抑制することができる。
また、過酸化水素注入装置21は、過酸化水素水タンク22に貯留された過酸化水素水を供給ポンプ32により供給し、微細化ノズル35により気化用チャンバ21内に噴射して微細化する一方、蒸気式加熱装置38によりこの気化用チャンバ34に高温空気を供給して微細化された過酸化水素水を加熱し、気化用チャンバ34内で気体となった過酸化水素を噴霧ノズル40により排気ガス通路12に噴霧するようにしている。従って、最低限の設備で酸化水素水を容易に過酸化水素として排気ガス通路12に噴霧することができ、作業性を向上することができる。
更に、制御装置41は、排気ガス通路中の排気ガスの流量及び温度に応じて排気ガス通路12への過酸化水素の注入量を制御し、電気集塵機15の荷電情報に応じて排気ガス通路への過酸化水素の注入量を調整するようにしている。従って、排気ガスの流量変動や温度変動に応じて過酸化水素の注入量を随時対応させるフィードフォワード制御を実施すると共に、電気集塵機の荷電情報に応じて過酸化水素の注入量を調整するフィードバック制御を実施することで、電気集塵機の高い集塵性能を安定して維持することができる。
なお、上述した本実施例の排気ガス処理装置にあっては、過酸化水素水タンク22の過酸化水素水を気化用チャンバ35に噴射する一方、ホットエアを気化用チャンバ34に供給し、ここで過酸化水素水を加熱して気体とし、過酸化水素を噴霧ノズル40から排気ガス通路12に噴霧するようにしたが、この構成に限定されるものではない。例えば、過酸化水素水を供給する供給管を排気ガス通路内に挿入し、過酸化水素水が供給管を移動する間に排気ガスの熱により加熱して気体とし、気体となった過酸化水素排気ガス通路に噴霧するようにしてもよい。これによって過酸化水素水を気体にするための加熱源を排気ガスとすることで、別途加熱コストを不要として設備コストを低減することができる。
また、上述した実施例では、本発明の排気ガス処理装置を、電気集塵機の上流側にガスガスヒータの熱回収部を配置した低温式の排気ガス処理装置に適用したが、電気集塵機の下流側にガスガスヒータの熱回収部を配置した高温式の排気ガス処理装置に適用してもよい。
本発明に係る排気ガス処理装置は、排気ガス中に過酸化水素を供給してから電気集塵機に投入することで、電気集塵機での電気抵抗を下げて集塵性能を向上するようにしたものであり、どのような場所に設置される排気ガス処理装置にも適用することができる。
本発明の一実施例に係る排気ガス処理装置の概略構成図である。 本実施例の排気ガス処理装置における過酸化水素注入装置の概略構成図である。 電気集塵機における排気ガス温度に対する電気抵抗値を表すグラフである。 従来の一般的な排気ガス処理装置の概略図である。 従来の低低温EP方式排ガス処理装置の概略図である。
符号の説明
11 ボイラ
12 排気ガス通路
14 ガスガスヒータの熱回収部
15 電気集塵機
16 脱硫装置
17 ガスガスヒータの再加熱部
21 過酸化水素注入装置
22 過酸化水素水タンク
23 過酸化水素水製造設備
31 過酸化水素水供給通路
32 供給ポンプ
33 流量調整弁
34 気化用チャンバ
35 微細化ノズル
36 エア供給ファン
37 エア供給通路
38 蒸気式加熱装置
39 過酸化水素供給管
40 噴霧ノズル
41 制御装置

Claims (7)

  1. ボイラから排出された排気ガスの排気ガス通路に電気集塵機を設けると共に、該電気集塵機の上流側における前記排気ガス通路に過酸化水素を注入する過酸化水素注入装置を設けたことを特徴とする排気ガス処理装置。
  2. 請求項1に記載の排気ガス処理装置において、前記過酸化水素注入装置は、過酸化水素水を加熱して気体として前記排気ガス通路に注入することを特徴とする排気ガス処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の排気ガス処理装置において、前記過酸化水素注入装置は、過酸化水素水を貯留するタンクと、該タンクに貯留された過酸化水素水をチャンバ内に噴射して微細化する微細化ノズルと、前記チャンバ内に高温空気を供給して微細化された過酸化水素水を加熱する加熱装置と、前記チャンバ内で気体となった過酸化水素を前記排気ガス通路に噴霧する噴霧ノズルとを有することを特徴とする排気ガス処理装置。
  4. 請求項1または2に記載の排気ガス処理装置において、前記過酸化水素注入装置は、過酸化水素水を前記排気ガス通路中の排気ガスにより加熱し、気体として前記排気ガス通路に噴霧することを特徴とする排気ガス処理装置。
  5. 請求項1に記載の排気ガス処理装置において、前記過酸化水素注入装置は、前記排気ガス通路中の排気ガスの流量及び温度に応じて前記排気ガス通路への過酸化水素の注入量を制御することを特徴とする排気ガス処理装置。
  6. 請求項5に記載の排気ガス処理装置において、前記過酸化水素注入装置は、前記電気集塵機の荷電情報に応じて前記排気ガス通路への過酸化水素の注入量を調整することを特徴とする排気ガス処理装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載の排気ガス処理装置において、前記電気集塵機の下流側における前記排気ガス通路に湿式脱硫装置を設け、前記過酸化水素注入装置の下流側で且つ前記電気集塵機の上流側における前記排気ガス通路に排気ガスの熱を回収する熱回収部を設ける一方、前記湿式脱硫装置の下流側における前記排気ガス通路に前記熱回収部で回収した熱により排気ガスを再加熱するガスガスヒータを設けたことを特徴とする排気ガス処理装置。
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