以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。先ず、図1乃至図3を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体構成について説明する。図1は、パチンコ機を示す正面図である。図2は、本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。図3は、パチンコ機1の裏面構成を示す背面図である。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ機1は、外枠2、本体枠3、遊技盤4、前面枠5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面一側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。また、本体枠3は、前枠体8、遊技盤装着枠9、及び機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前側に形成された前枠体8は、外枠2前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。なお、本実施形態では、パチンコ機1の正面を視認する視線方向を前側(前面側)とし、これとは反対側(例えば、前枠体8に対する本体枠3側)を後側(背面側)とする。
また、本体枠3は、合成樹脂材によって一体に形成されると共に、前面側に遊技盤装着枠9が背面側に機構装着枠10がそれぞれ形成されている。これによって、合成樹脂製の本体枠3は、従来の前枠(内枠、前面枠等と呼ばれることがある)と、機構板(裏機構板、裏セット板等と呼ばれることがある)との機能を兼ね備えている。
前枠体8の後部に一体的に形成された遊技盤装着枠9には、遊技盤4が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。また、遊技盤装着枠9の左側部には、係合突部33が上下に2つ形成され、遊技盤装着枠9の右側部には、係合凹部36(図24参照)が上下に2つ形成されている。また、遊技盤4の盤面(前面)の左側部には係合突部33と対応する係止穴34が上下に2つ形成され、遊技盤4の盤面の右側部には係合凹部36と対応する係合フック35が上下に2つ形成されている。係合フック35は、遊技盤4と遊技盤装着枠9とを係脱可能に係止する。
また、遊技盤4の盤面には、外レールと内レールとを備えた案内レール11が設けられている。また、遊技盤装着枠9よりも下方に位置する前枠体8の前側下部の一側寄りには、下部スピーカ14が装着されている。また、前枠体8前面の下部領域内の上側部分には、遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く発射レール15が傾斜状に装着されている。一方、前枠体8前面の下部領域内の下側部分には、下前面部材16が装着されている。下前面部材16前面のほぼ中央には、下皿17が設けられ、片側寄りには操作ハンドル18が設けられている。
また、図2に示すように、本体枠3(前枠体8)のヒンジ機構7が設けられる側とは反対側となる開放側の後面には、外枠2に対して本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対して前面枠5を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置19が装着されている。施錠装置19は、外枠2に設けられた閉止具20に係脱可能に係合して本体枠3を閉鎖状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック21と、前面枠5の開放側の後面に設けられた閉止具22に係脱可能に係合して前面枠5を閉鎖状態に施錠する上下複数の扉施錠フック23とを備えている。
しかして、シリンダー錠24の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで、本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に鍵が回動操作されることで、扉施錠フック23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作が行えるように、前枠体8及び下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出して配置されている。
なお、本実施例では、時計回り方向に鍵を回動操作することで外枠2に対して本体枠3が解錠され、反時計回り方向に鍵を解錠操作することで本体枠3に対して前面枠5が解錠される。このように、回動操作の方向を異ならせるだけで、本体枠3又は前面枠5のいずれかを解錠させることができる。また、施錠装置19は、本体枠3を閉塞状態に施錠したときに、鍵以外の外部操作によって本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されないように本体枠施錠フック21をロックするロック機構をさらに備えている。しかして、本体枠3を閉塞状態に施錠したときには、ロック機構により本体枠施錠フック21がロックされる。また、本体枠施錠フック21よりも外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙に近い側(図2において右側方)にリブが突設形成され、当該リブにより本体枠施錠フック21が外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙から針金等を差し込んで直接本体枠施錠フック21を操作しようとしてもリブに当接する。従って、外枠2と本体枠3(前面枠3)との間隙から針金等により本体枠3を不正に解錠する悪質行為を防止することができる。
本体枠3前面の一側には、ヒンジ機構25によって前面枠5が前方に開閉可能に装着されている。前面枠5は、扉本体フレーム26、上皿28を備えて構成されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成され、前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。扉本体フレーム26のほぼ中央には、後述する遊技盤4の遊技領域12を前方から透視可能なほぼ円形状の開口窓30が形成されている。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられ、該窓枠31には、透明板32が装着されている。
なお、本実施例では、遊技盤4の下方にシリンダー錠24を配置し、遊技盤4の右方に配置された施錠装置19を薄型化することで、遊技盤4に形成された遊技領域12の面積を従来よりも拡大することができ、遊技者の視認に対する興趣を高めることができる。また、遊技領域12を拡大することで、遊技領域12の中央部分に後述するセンターユニット40が配置されても、該センターユニット40の下方に配置された可変入賞装置70に遊技球を誘導し難いとの印象を与えることがない。また、遊技領域12の拡大に合わせて前面枠8の開口窓30も拡大され、該前面枠8の剛性が低下することとなるが、上皿28を一体的に構成する前面枠8とすることで、前面枠8の剛性の低下を抑制している。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、下部に上皿28が前面枠8と一体的に設けられ、左右両側部に枠ランプ27(発光手段)が、上部に上部スピーカ29が装着されている。なお、枠ランプ27は、後述する画像表示装置42にて実行される演出の演出態様に応じて点灯・消灯制御され、上部スピーカ29及び上述した下部スピーカ14は、画像表示装置42にて実行される演出の演出態様に応じて複数種類の音出力態様の音出力制御が実行される。このように、画像表示装置42にて実行される演出に同期して枠ランプ27の点灯・消灯制御、上部スピーカ29及び下部スピーカ14の音出力制御、を実行することにより演出効果を高め、遊技者の興趣を向上させるためのものである。また、上部スピーカ29及び下部スピーカ14では、悪質行為が実行されたことを報知する警告音、遊技に関するエラー状態が発生したことを報知する情報音、等の出力も行われる。
次に、本体枠3の裏面構成について説明すると、図3に示すように、本体枠3の裏面上側には、遊技島に設置される球揚送装置から供給される遊技球を貯留する球タンク140と、球タンク140と払出装置109(球払出手段)とを接続し、球タンクに貯留される遊技球を流下せしめるタンクレール141と、が配置されている。なお、タンクレール141によって球タンク140と接続される払出装置109は、ユニット状に形成され、タンクレール141からの遊技球を受け入れて遊技球の払い出しを指示する信号に基づいて所定個数の遊技球を払い出す。
また、タンクレール141の下方には、基板等が内蔵される基板保護カバー142が設けられている。なお、基板保護カバー142は、タンクレール141から落下した球によってこれら基板類が損傷するのを防止すると共に、各基板への悪質行為を防止する役割を担っている。また、基板保護カバー142は、パチンコ機1の背面側に張り出しており、その下方に主基板101が配置されている。また、主基板101の遊技盤4背面側にはサブ統合基板111(図5に符号のみ記載)が配置されている。しかして、主基板101及びサブ統合基板111の上方がパチンコ機1の背面側に張り出した基板保護カバー142によって覆われ、タンクレール141から落下した球によって主基板101及びサブ統合基板111が損傷するのを防止している。
また、本体枠3の裏面下側一側に発射装置135(球発射手段)が取り付けられている。この発射装置135は、発射レール15に送られた球を発射する発射ハンマーと、発射ハンマーに往復回動動作を付与する発射モータ等を集約して設けることにより構成され、操作ハンドル18と関連付けられている。また、発射装置135の右側方には、払出基板105が設けられている。払出基板105は、主基板101からの遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信したことに基づいて払出装置109を駆動制御する。
次に、遊技盤4に設けられる各種構成部材及び装置について図4を参照して説明する。図4は、遊技盤4を示す正面図である。
上述した案内レール11の内側には、遊技領域12が区画形成され、遊技領域12の中央部分には、センターユニット40が配設されている。なお、センターユニット40の正面左上部、及び、左下端部には、遊技球が通過可能な通路が形成されると共に遊技球が通過したことに基づいて揺動する揺動通路部材43(球通過部)が設けられている。また、センターユニット40の正面右上部には、遊技盤4の前面に対して略水平(略平行)に回転駆動制御される回転役物61が設けられている。本実施形態では、回転役物61は作動(駆動)時においては常に時計回りに回転駆動される。
また、センターユニット40の正面左上部(センターユニット40の正面左上部に設けられた揺動通路部材43の上方)には、発光体(本実施形態では、LED)の点灯制御により普通図柄の変動表示を行う普通図柄表示器44が設けられている。本実施形態では、普通図柄表示器44に内蔵されるLEDを赤色と、緑色と、に交互に点灯することにより普通図柄を変動表示し、所定期間経過後に赤色、又は、緑色、の一方で停止表示することにより普通図柄の表示結果を導出する。
また、普通図柄表示器44の右上方には、複数個の発光体(本実施形態では、4個のランプ)により構成され、点灯・消灯制御される普図始動記憶LED48が設けられている。また、普図始動記憶LED48の下方には、遊技状態に応じて発光体(本実施形態では、LED)を点灯制御する状態表示LED45が設けられている。普通図柄表示器44、普図始動記憶LED48及び状態表示LED45の前面には各々に対応した装飾レンズカバーが設けられている。
また、センターユニット40の中央後方には、画像表示装置42(賞球数表示手段、表示手段)が視認可能に設けられている。なお、本実施形態では、画像表示装置42は、左・中・右の3つの領域を有し、各領域にて各々が識別可能な複数種類の装飾図柄(識別情報)の変動表示を行うものである。また、画像表示装置42には、装飾図柄とは異なる演出画像も表示制御される。
また、画像表示装置42の上方には、パチンコ機1前下方に光照射する上部ランプ88が設けられ、その一部が視認可能となっている。上部ランプ88は、画像表示装置42にて実行される演出と同期して点灯・消灯制御され、画像表示装置42にて表示制御される内容の演出効果を高めるためのものである。
また、画像表示装置42の上方左右方向略中央には、特別図柄表示器41が視認可能に設けられている。なお、特別図柄表示器41は、複数個の発光体(本実施形態では、4個のLED)によって構成され、これらの発光体を所定の態様で点灯・消灯制御することにより特別図柄を変動表示し、特別図柄の表示結果として所定の態様でLEDを点灯するものである。また、特別図柄表示器41の左側方には、複数個の発光体(本実施形態では、○及び×が付された2個のLED)により構成され、点灯・消灯制御される大当り種類表示LED46が設けられている。
また、画像表示装置42の前方下部には、センターユニット40の左上部に設けられた揺動通路部材43によって誘導された遊技球が転動可能なステージ50(球転動面)が設けられている。
また、センターユニット40の一部を構成すると共に、センターユニット40の外縁を形成する前面装飾体80(装飾部材)が設けられている。しかして、前面装飾体80には、上述した揺動通路部材43が設けられると共に、普通図柄表示器44、普図始動記憶LED48、及び状態表示LED45に対応する装飾レンズカバーが設けられている。
さらに、前面装飾体80の下縁部には、前記ステージ50の一部を構成する排出ステージ80a(球転動面)が形成されている。排出ステージ80aは、パチンコ機1手前方向に所定の角度で傾斜してステージ50上を転動する遊技球を遊技領域12に排出可能にする。
センターユニット40の左側方には、ゲート74が設けられている。ゲート74には、ゲート74を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ74a(図6参照)が設けられている。なお、上述した普通図柄表示器44における普通図柄の変動表示は、ゲート74を遊技球が通過し、ゲートスイッチ74aにより遊技球が検出されたことに基づいて開始される。即ち、ゲートスイッチ74aによる遊技球の検出に応じて普通図柄表示器44における普通図柄の変動表示が許可される。
また、センターユニット40の中央下方には、可変入賞装置70が配設されている。可変入賞装置70は、上方から遊技球が入賞可能な第1始動口72(始動入賞口)と、第1始動口72の下方に設けられた第2始動口73(始動入賞口)と、第1始動口72に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ70a(始動検出手段:図5に符号のみ記載)と、第2始動口73に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ70b(始動検出手段:図5に符号のみ記載)と、を備えている。また、第2始動口73の両側には、ソレノイド71aにより下部を支点として回動可能な一対の可動片71が設けられている。第2始動口73は、通常、上方に位置する第1始動口72と、第2始動口73の両側に位置する可動片71により塞がれて遊技球が入賞不可能な閉塞状態となっており、ソレノイド71aを可動して可動片71を回動させ、遊技球が左右方向から入賞可能な開放状態に制御する。また、第1始動口72に遊技球が入賞し、始動口スイッチ70aによって検出されたことに基づいて所定数(例えば、3個)の遊技球の払い出しが行われ、第2始動口73に遊技球が入賞し、始動口スイッチ70bによって検出されたことに基づいて所定数(例えば、4個)の遊技球の払い出しが行われる。
なお、前記前面装飾体80の下縁部に形成された排出ステージ80aは、可変入賞装置70の真上に位置しており、これによって排出ステージ80aから排出された遊技球は、第1始動口72及び第2始動口73に入賞し易くなっている。但し、排出ステージ80aの球排出部分は、遊技球の直径寸法に比べて幅広に形成されている。このため、排出ステージ80aでの遊技球の排出部分によって第1始動口72又は第2始動口73に遊技球が入賞する割合が様々に異なるようになっている。即ち、排出ステージ80aから排出された遊技球が第1始動口72及び第2始動口73に入賞し易い構成とは、遊技球がステージ50上を転動(後述する円形誘導部54上での転動を含む)することなく第1始動口72又は第2始動口73に入賞する場合に比べて入賞し易いことをいい、排出ステージ80aから排出された遊技球は、必ずしも第1始動口72又は第2始動口73に入賞するものではない。
また、前面装飾体80の左右下端部に設けられる揺動通路部材43に遊技球が進入することにより、可変入賞装置70が配設する遊技領域12の中央方向に遊技球を誘導可能になる。即ち、前面装飾体80の正面左上部に設けられた揺動通路部材43によって遊技球がステージ50に誘導されなかった場合にも、前面装飾体80の左右下端部に位置する揺動通路部材43に遊技球が進入することにより可変入賞装置70が配設する遊技領域12の中央方向に誘導されるため、遊技領域12の中央方向に遊技球が誘導されない場合に比べて第1始動口72及び第2始動口73への入賞率が高まる。なお、揺動通路部材43は、遊技球が通過したときに遊技盤4の前面表面上に垂直に突出した回転軸を中心として左右に揺動する。このように、遊技球が通過したときに揺動通路部材43が左右に揺動するため、遊技球の通過を確認できると共に、遊技に変化を与えることができ、遊技者を飽きさせないようにすることができる。
このように、揺動通路部材43に遊技球が進入することによりステージ50上に遊技球を誘導するか、又は、可変入賞装置70が配設する遊技領域の中央方向に遊技球を誘導するため、揺動通路部材43に遊技球が進入したときに第1始動口72及び第2始動口73への入賞に対する期待感を高めることができる。
可変入賞装置70の下方には、大入賞口装置75(可変入賞装置)が配設されている。大入賞口装置75は、内部に所定の領域の大入賞口を有している。また、大入賞口は、その入口が横長長方形状に形成され、大入賞口装置75は、大入賞口の入口の前面に設けられ、ソレノイド76aにより下部を支点として回動可能な前面扉76と、大入賞口に入賞した遊技球を検出するカウントスイッチ75a(入賞球検出手段:図5に符号のみ記載)と、を備えている。なお、大入賞口装置75は、通常、前面扉76が起立し、大入賞口の入口を塞ぐことで遊技球が入賞不可能な閉塞状態(第1状態)に制御され、ソレノイド76aを可動し、前面扉76の下部を支点としてパチンコ機1手前方向に回動させ、遊技球が入賞可能な開放状態(第2状態)に制御する。また、大入賞口に遊技球が入賞し、カウントスイッチ75aによって検出されたことに基づいて所定数(例えば、15個)の遊技球の払い出しが行われる。
また、大入賞口装置75の下方となる遊技領域12の最下部には、遊技領域12を流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球を遊技領域12から排出するアウト口77が設けられている。また、遊技領域12には、上方から遊技球が入賞可能な複数の一般入賞口13も設けられ、一般入賞口13に遊技球が入賞したことに基づいて所定数の遊技球の払い出しが行われる。なお、一般入賞口13に入賞した遊技球は一般入賞口スイッチ13a(図5に符号のみ記載)によって検出され、一般入賞口13に遊技球が入賞し、一般入賞口スイッチ13aによって検出されたことに基づいて所定数(例えば、10個)の遊技球の払い出しが行われる。
また、図示しないが、遊技盤4の遊技領域12に設けられるセンターユニット40等の各装置には複数のランプ及びLED等が設けられている(例えば、上部ランプ88等)。そして、画像表示装置42にて実行される演出の演出態様に応じてランプ及びLED等を点灯・消灯制御することにより演出効果を高めている。以下、これらのランプ及びLEDを遊技盤ランプということがある。また、図示しないが、遊技盤4の前面(遊技領域12が形成される側)には遊技球の流下方向を変化させ、遊技球の挙動を面白くする複数の障害釘(障害部材)が突設している。
図5は、主基板グループ及び周辺基板グループにおける回路構成の一例を示すブロック図である。なお、主基板グループ及び周辺基板グループを構成する各種基板は遊技盤4の背面側に取り付けられる。
主基板グループは、主基板101及び払出基板105によって構成されている。主基板101は、中央演算装置としてのCPU102、読み出し専用メモリとしてのROM103(図柄変動態様記憶手段)、読み書き可能メモリとしてのRAM104を備えている。CPU102は、ROM103に格納されている遊技制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御する共に、周辺基板グループ、払出基板105、に送信するコマンド(演出コマンド、払出コマンド等)を作成したりする。また、RAM104には、主基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主基板101には、ゲートスイッチ74a、始動口スイッチ70a,70b、カウントスイッチ75a、一般入賞口スイッチ13a、等からの検出信号が入力される。そして、CPU102は、これら入力された検出信号に応じた処理を実行する。即ち、入力された検出信号に基づいてソレノイド71a,76a、特別図柄表示器41、普通図柄表示器44、特図始動記憶ランプ47(発光部材)、普図始動記憶LED48、状態表示LED45、大当り種類表示LED46、等へ駆動信号を出力する。さらに、払出基板105に入賞に応じた遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを出力する。
また、払出基板105は、中央演算装置としての払出CPU106、読み出し専用メモリとしての払出ROM107、読み書き可能メモリとしての払出RAM108を備えている。なお、上述した始動口スイッチ70a,70b、カウントスイッチ75a、一般入賞口スイッチ13a、等により遊技球が検出されたときに、各スイッチから検出信号が主基板101に入力され、検出信号が入力されたことに基づいて主基板101に搭載されるCPU102から払出基板105に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが送信される。そして、払出基板105は、主基板101から受信した払出コマンドを処理し、払出装置109(払出モータ)に払出コマンドに応じた個数の払い出しを実行するための駆動信号を出力する。駆動信号が入力されたことに基づいて払出装置109により遊技球の払い出しが行われる。
また、払出基板105には、遊技球を遊技領域12に向けて発射する発射モータを備えた発射装置135も接続される。そして、操作ハンドル18が操作されたことに基づいて発射装置135によって発射モータを駆動し遊技球を打ち出す。なお、図示しないが発射装置135には、操作ハンドル18には遊技者が触れていることを検知するタッチセンサが内蔵され、タッチセンサによって遊技者が触れていることを検知し、さらに操作ハンドル18が操作されたことに基づいて発射装置135により発射モータを駆動可能な状態となる。なお、下皿が満タンになったことを検出する下皿満タンスイッチを設け、下皿満タンスイッチからの検出信号が入力されたときに操作ハンドル18の操作を受付不能な状態に制御し、発射装置135による発射モータの駆動不可能な状態にしてもよい。即ち、払出装置109から払い出された遊技球は上皿28に貯留されるが、上皿28に貯留しきれない遊技球の払い出しが行われた場合には、上皿28と連通した下皿17に貯留される。この状態でさらに払出装置109からの遊技球が払い出された場合に下皿17が満タンとなったことを検出する下皿満タンスイッチによって検出信号を出力し、この検出信号が入力されたときに操作ハンドル18の操作を受付不能な状態に制御してもよい。この場合には、下皿満タンスイッチからの検出信号が入力されなくなったことに基づいて操作ハンドル18の操作を受付可能な状態へ制御するように構成してもよい。
周辺基板グループは、サブ統合基板111、ランプ中継基板119、役物制御基板115、及び、表示制御基板120によって構成される。サブ統合基板111は、統合CPU112(表示制御手段、発光制御手段)、統合ROM113、統合RAM114を備えている。また、サブ統合基板111は、音出力に関する制御を行う音源IC128、及び、音出力に関する読み出し専用メモリとしての音ROM127も備えている。統合CPU112は、統合ROM113に格納されている演出制御プログラムを実行することにより主基板101から受信された演出コマンドに基づく処理を実行する。また、統合RAM114には、サブ統合基板111で実行される種々の処理において生成される各種データ、入出力信号、主基板101から受信した演出コマンド、等の情報が一時的に記憶される。そして、統合CPU112は、RAM114に記憶されている主基板101から受信した演出コマンドを読み出し、読み出した演出コマンドに基づいて表示制御基板120に表示コマンドを送信したり、ランプ中継基板119に役物演出コマンドおよび駆動信号を送信したり、音源IC128によって演出コマンドに基づく音出力態様を音ROM127から読み出し、読み出した音出力態様に応じた駆動信号(音情報)を上部スピーカ29及び下部スピーカ14に出力したり、枠ランプ27に駆動信号を出力したりする。
ランプ中継基板119は、サブ統合基板111から受信した役物演出コマンドを遊技盤ランプ及び役物制御基板115に送信する。なお、ランプ中継基板119では、サブ統合基板111から送信される役物演出コマンドを遊技盤ランプ及び役物制御基板115に送信するだけであり、実質的には遊技盤ランプ及び役物制御基板115の制御はサブ統合基板111が行う。以下、ランプ中継基板119を省略して説明する場合がある。
役物制御基板115は、中央演算装置としての役物CPU116、読み出し専用メモリとしての役物ROM117、読み書き可能メモリとしての役物RAM118を備えている。また、表示制御基板120は、中央演算装置としての表示CPU121、読み出し専用メモリとしての表示ROM122、読み書き可能メモリとしての表示RAM123を備えている。
また、役物制御基板115に搭載される役物CPU116は、サブ統合基板111からランプ中継基板119を経由して受信した役物演出コマンドに基づいてモータ63及びLED61aに駆動信号を出力する。モータ63に駆動信号を出力することにより回転役物61が回転駆動制御され、LED61aに駆動信号を出力することにより所定の残影が表示される。また、表示制御基板120に搭載される表示CPU121は、サブ統合基板111からの表示コマンドに基づいて画像表示装置42を制御する。
ここで、上述した各種構成部材及び装置等が設けられた遊技盤4にて実現される遊技について説明する。遊技者が操作ハンドル18を操作することによりパチンコ機1の裏面側に設けられる発射装置135によって遊技球が打ち出される。発射装置135から打ち出された遊技球は、発射レール15及び案内レール11を通って遊技領域12の上部に放出され、遊技領域12を障害釘等に衝突しながらアウト口77に向かって流下する。そして、遊技領域12を流下する遊技球がゲート74を通過し、ゲートスイッチ74aによって検出されると、普通図柄表示器44で普通図柄の変動表示(LEDが緑色と赤色とで交互に点灯表示)が開始される。
なお、ゲートスイッチ74aにより遊技球が検出されると、所定範囲の普通図柄当り判定乱数を更新するカウンタから普通図柄当り判定乱数を抽出する。そして、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示を開始するときに、普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとするか否かの判定を行い、変動表示の結果、判定結果に応じた態様(本実施形態では、当りであれば赤色の点灯表示、はずれであれば緑色の点灯表示)でLEDを停止表示する。
また、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示を実行中に遊技球がゲート74を通過し、ゲートスイッチ74aにより遊技球が検出されたことに基づいて抽出された普通図柄当り判定乱数は、所定個数(本実施形態では、4個)まで記憶可能とされ、記憶される普通図柄当り判定乱数の個数は普図始動記憶LED48の点灯個数によって表示される。具体的には、普図始動記憶LED48は、ゲート74の通過が有効である(普通図柄の始動記憶数が4未満のとき)ときにゲートスイッチ74aにより遊技球を検出する毎にLEDを1つ点灯させ、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示を開始する毎に点灯しているLEDを1つ消灯させる。
本実施形態では、普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとする判定がなされた場合には、普通図柄の変動表示を開始して、所定期間経過後に赤色に点灯した状態で停止表示した後、ソレノイド71aを可動することにより可動片71を回動させて可変入賞装置70を所定期間開放状態に制御する。一方、普通図柄当り判定乱数に基づいてはずれとする判定がなされた場合には、普通図柄の変動表示を開始して、所定期間経過後に緑色に点灯した状態で停止表示し、可変入賞装置70を開放状態に制御しない。具体的には、普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとする判定がなされた場合には、普通図柄の変動表示を開始して、所定期間経過後に赤色に点灯した状態で停止表示した後、ソレノイド71aを可動して第2始動口73の可動片71を所定時間(例えば、0.5秒)開放する。そして、所定期間経過したときに再びソレノイド71aを可動して可動片71を閉塞する。一方、普通図柄当り判定乱数に基づいてはずれとする判定がなされた場合には、普通図柄の変動表示を開始して、所定期間経過後に緑色に点灯した状態で停止表示した後、可動片71を開放する制御を行わず第2始動口73に遊技球が入賞不可能な閉塞状態に制御されるが、第1始動口72は遊技球を入賞可能な状態となっている。
また、第1始動口72、又は、第2始動口73に遊技球が入賞し、始動口スイッチ70a及び始動口スイッチ70bにより遊技球が検出されると、特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示を開始可能な状態(例えば、大当り遊技中でない状態、及び、特別図柄及び装飾図柄の変動表示中でない状態)であれば、特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示が開始されると共に、画像表示装置42で装飾図柄の変動表示が開始される。特別図柄、及び、装飾図柄の変動表示は所定期間経過後に停止され、停止時の特別図柄が特定の表示態様(大当りとなる複数の発光体の点灯の組み合わせ:大当り図柄)である場合には、装飾図柄の停止図柄(左・中・右の装飾図柄全てが停止した状態)も特定の表示態様(同一の装飾図柄の組み合わせ:大当り図柄(特定表示結果))となり、「大当り遊技状態(利益付与状態)」の制御を開始する。
即ち、ソレノイド76aを駆動し、大入賞口の入口を塞いでいる前面扉76の下部を支点としてパチンコ機1手前方向に回動させて大入賞口装置75を開放状態に制御し、所定時間(例えば、30秒)、あるいは所定個数(例えば、9個)の遊技球が大入賞口に入賞してカウントスイッチ75aによって検出されるまで大入賞口を開放した状態に維持する。その後、ソレノイド76aを駆動し、前面扉76の下部を支点として起立させて大入賞口の入口を塞ぎ、大入賞口装置75を閉塞状態に制御する。そして、大入賞口装置75を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの開閉サイクル(特別動作:以下、これをラウンド動作という)を例えば15回繰り返し実行(15ラウンド実行)したときに大当り遊技状態を終了させる(可変入賞動作制御手段)。このように、大当り遊技状態に制御された場合には、大入賞口が開放され、該開放された大入賞口に遊技球を入賞させることで、第1始動口72及び第2始動口73に遊技球を入賞させるよりも短時間で多量の遊技球を獲得可能であるため、遊技者の興趣を高めることができる。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、大当り遊技状態にて実行される最大ラウンド数は、機種毎に異なっており、例えば、「15回」に設定されるもの、「10回」に設定されるもの、及び「5回」に設定されるものがある。つまりサブ統合基板111では、三種類の大当り遊技状態の中から、一つの大当り遊技状態が、主基板101から送信される制御コマンドに基づいて決定されるようになっている。
なお、本実施形態では、左・中・右の装飾図柄は、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止するように制御される。装飾図柄の停止図柄とは、左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始して中装飾図柄が停止表示されることにより左・中・右の装飾図柄全てが停止表示された状態の図柄の組み合わせをいう。
また、停止時の特別図柄が特定の表示態様のうちさらに特別態様(確変大当りとなる複数の発光体の点灯の組み合わせ)である場合には、装飾図柄の停止図柄も特別態様(確変大当り図柄:本実施形態では、同一の特定図柄の組み合わせ)となり、大当り遊技状態に制御した後、次に大当り遊技状態となる確率が高くなる(本実施形態では、確率変動状態では1/70、確率変動状態以外では、1/495)。即ち、確率変動状態という遊技者にさらに有利な状態になる。確率変動状態では、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示するまでの変動時間と、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示を開始してから普通図柄を停止表示するまでの変動時間と、を通常状態よりも短縮する制御、普通図柄表示器44における普通図柄の変動表示の結果が「当り」となる確率を高める制御、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示の結果「当り」となったことに基づいて開放される可動片71の開放時間を通常状態よりも延長する制御(本実施形態では、通常状態では、0.5秒、時短状態及び確率変動状態では、0.8秒)、可変入賞装置70が開放状態にされる開放回数を通常状態よりも増加させる制御(本実施形態では、通常状態では、1回、時短状態及び確率変動状態では、3回)、等の時短制御も行われる。
また、停止時の特別図柄が特定の表示態様のうち特別態様とは異なる非特別態様(非確変大当りとなる複数の発光体の点灯の組み合わせ)である場合には、装飾図柄の停止図柄も非特別態様(非確変大当り図柄:本実施形態では、同一の非特定図柄の組み合わせ)となり、大当り遊技状態に制御した後、特別図柄表示器41にて所定回数(本実施形態では、100回)の特別図柄の変動表示が実行されるまで特別図柄の変動時間と、普通図柄の変動時間と、を通常状態よりも短縮する制御、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示の結果「当り」となったことに基づいて開放される可動片71の開放時間を通常状態よりも延長する制御、可変入賞装置70が開放状態にされる開放回数を通常状態よりも増加させる制御、等の時短制御が実行される。時短状態では、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示が所定回数実行されるまでは、第2始動口73への入賞確率が増加し、所定期間での特別図柄の変動表示の実行回数を増加させることができるため遊技者に有利な状態となる。また、上述した確率変動状態では、時短制御に加えて、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示の結果が「当り」となる確率が高められるため時短状態よりもさらに遊技者に有利な状態となる。なお、通常状態とは、上述した確率変動状態、及び、時短状態、以外の状態である。
なお、上述したように、本実施形態では、第1始動口72に遊技球が入賞し、始動口スイッチ70aによって検出されたときに3個、第2始動口73に遊技球が入賞し、始動口スイッチ70bによって検出されたときに4個、の遊技球が払い出される。第1始動口72は、上述したように、常に上方から遊技球を入賞可能であることから、遊技球の入賞に対する払出個数が多すぎると始動口(第1始動口72及び第2始動口73)への入賞を(運営者側の不利益解消等により)抑制されてしまい、結果的に抽選遊技(大当り遊技状態とするか否かの判定)の期待が減ることで遊技者に不快感を与えてしまう。また、払出個数が少なすぎると抽選遊技に必要とする遊技球の数が増大してしまい、結果的に過度の投資が必要となり遊技者に不利益を与えてしまう。一方、第2始動口73は、後述する時短状態及び確率変動状態においては遊技者に有利な遊技を提供するものであり、可動片71の開放時間及び開放回数の延長制御を行うようにし、該第2始動口73への入賞確率を増加させている。しかし、遊技球の入賞に対する払出個数が少なすぎると、発射球に対して払出数が少なくなり、有利な遊技状態にも関わらず遊技球が減ることで遊技者に不快感を与えてしまう。これらの事象を考慮し、第1始動口72及び第2始動口73それぞれの払出個数(3,4個)が設定されている。
また、特別図柄表示器41における特別図柄の表示結果と、画像表示装置42における装飾図柄の表示結果と、は対応している。即ち、特別図柄表示器41及び画像表示装置42にて特別図柄及び装飾図柄の変動表示を開始するときに大当りとしない判定がなされた場合には、特別図柄表示器41にて特定の表示態様とは異なるはずれ状態となる態様でLEDを点灯させて特別図柄を停止表示すると共に、画像表示装置にて特定の表示態様とは異なるはずれ状態となる表示結果(はずれ図柄:大当り図柄以外の図柄、本実施形態では、少なくとも2種類以上の識別情報(図柄)の組み合わせ)を導出する。
また、画像表示装置42にて変動表示される装飾図柄は特別図柄表示器41にて変動表示される特別図柄とは異なる演出用の図柄であり、特別図柄表示器41にて行われる変動表示の内容を演出用の装飾図柄を用いてより演出効果を高めて遊技者に表示するものである。つまり、特別図柄表示器41におけるLEDが特定の表示態様で点灯表示された場合には大当り遊技状態に移行制御するが、万が一、画像表示装置42にて装飾図柄の表示結果が特定の表示態様となっても特別図柄表示器41におけるLEDが特定の表示態様で点灯表示されない場合には大当り遊技状態に移行制御されない。
また、本実施形態では、状態表示LED45が上述した確率変動状態にて赤色に点灯制御され、上述した時短状態にて緑色に点灯制御される。そして、時短状態及び確率変動状態を終了したとき、即ち、通常状態への制御を開始したとき、及び、大当り遊技状態に制御されたときに状態表示LED45を消灯する。
また、本実施形態では、大当り遊技状態の実行中に上述した大当り種類表示LED46を点灯する。具体的には、大当り遊技状態の種類に応じて、大当り種類表示LED46の○が付された左側のLEDと、×が付された右側のLEDと、のいずれか一方、又は、両方を点灯する。本実施形態では、1種類の大当り遊技状態にのみ制御可能であるため、大当り種類表示LED46を点灯制御しても効果を奏しないが、複数種類の大当り遊技状態に制御可能に構成した場合には、複数種類の大当り遊技状態に対応して大当り種類表示LED46を点灯・消灯制御することにより大当り遊技状態の種類を把握することができる。
例えば、複数種類の大当り遊技状態として、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「7回」が設定された第1大当り遊技状態と、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「15回」が設定された第2大当り遊技状態と、を実行可能な構成とした場合に、第1大当り遊技状態の実行中に大当り種類表示LED46の右側のLED(×が付されたLED)を点灯させ、第2大当り遊技状態の実行中に大当り種類表示LED46の左側のLED(○が付されたLED)を点灯させる制御を実行するようにしてもよい。このように、本実施形態におけるパチンコ機1は、複数種類の大当り遊技状態に制御可能な遊技機にも対応可能に構成される。
次に、上述したセンターユニット40のステージ50上の構成について図6乃至図12を参照して詳細に説明する。図6は、遊技盤4を右上方から見た斜視図である。
図6に示すように、センターユニット40の左側縁部後方及び右側縁部後方(パチンコ機1背面側)には、前面装飾体80の左上部に設けられた揺動通路部材43に進入した遊技球を遊技盤4のステージ50に誘導する球誘導部材65(通路構成部材)が位置している。
また、球誘導部材65は、下流部(後述する分岐部673)が二股に分岐して遊技球をいずれか一方に誘導する分岐通路67(球通路、経路、通路本体)と、揺動通路部材43を分岐通路67に連結する連結通路66と、から構成され、揺動通路部材43に進入した遊技球は連結通路66に排出された後、連結通路66を転動して球誘導部材65の入口から分岐通路67に進入し、分岐通路67を流下して球誘導部材65の外部に排出する出口である上部誘導口68及び下部誘導口69の一方から排出される。なお、上部誘導口68及び下部誘導口69は、複数の排出口の一例である。また、上部誘導口68は、第1の排出口の一例であり、下部誘導口69は、第2の排出口の一例である。
図7に、球誘導部材65の断面図を示す。図7に示すように、球誘導部材65の内部は、分岐通路67が遊技球1個分の幅寸法の通路形状で形成されている。また、分岐通路67は、所定の幅寸法(ステージユニット50aの幅寸法と同等又は小さい幅寸法)で屈曲形成され、遊技球をパチンコ機1の奥行方向(図示左側方向)と手前側方向(図示右側方向)とに転動させつつ流下させる屈曲部671(奥行き誘導通路部)と、略遊技球1個分の幅寸法で形成されると共に屈曲部671を流下した遊技球を略垂直に流下させる送込部672と、二股に分岐して上部誘導口68又は下部誘導口69の一方に振り分ける分岐部673(振分部)と、からなる。なお、本実施形態における分岐通路67は、少なくとも送込部672が遊技球1個分の幅寸法で形成されていればよく、屈曲部671及び分岐部673は、遊技球1個分の幅寸法で形成されていなくてもよい。
また、屈曲部671は、複数層の通路がその端部で接続した1本の球通路からなり、揺動通路部材43に進入した遊技球Q1は、連結通路66を経て、球誘導部材65の入口から分岐通路67に放出される。そして、分岐通路67に放出された遊技球Q2は、屈曲部671にてパチンコ機1の奥行方向に転動し、分岐通路67の内壁に衝突してその勢い(進入速度)を弱めると共に、流下してパチンコ機1の手前方向に誘導される。このように、本実施形態では、分岐通路67が所定の距離幅(図7において左右方向の通路幅)で屈曲形成されるため、屈曲部671内で転動する遊技球がその勢い(転動速度)が強まる前に分岐通路67の内壁に衝突してその勢いを弱まるように形成され、分岐通路67内に進入した遊技球の勢い(転動速度)を抑制したり、安定させたりできる。
なお、屈曲部671を流下して手前方向(図7において右方向))に誘導された遊技球は、再び分岐通路67の内壁に衝突して略真下(垂直)に流下して、送込部672に進入する。送込部672は、遊技球の1個分の幅寸法を有し、遊技球を規制して略真下(垂直)に流下させて分岐部673に送り込む。分岐部673には、その送込部672の奥行方向の幅の略中央に球誘導部材65の露出していない背面(ステージ50から遠い側の面)から突設される分岐部材67a(分岐振分手段、突起部材)が設けられている。そして、送込部672から送り込まれた遊技球Q3は、その中心部がこの分岐部材67aの表面と垂直に衝突(当接)し、上部誘導口68又は下部誘導口69の一方に導かれる。また、上部誘導口68に誘導された遊技球Q4は、後述する上部レール52上に落下して円形誘導部54向かって転動し、下部誘導口69に誘導された遊技球Q5は、後述する下部レール53上に落下して円形誘導部54に向かって転動する。
なお、分岐部材67aの上部表面(分岐通路67を流下する遊技球が当接する面)は、略平坦に形成され、この分岐部材67aによって分岐部673を2つの領域に分割している。このように構成することにより、分岐通路67を流下する遊技球が分岐部材67aに衝突して上部誘導口68と下部誘導口69との一方に不規則に誘導されるため、上部レール52と下部レール53との振分率が偏ることを防止できる。また、送込部672から送り込まれて分岐部材67aに当接した遊技球Q3の左右方向に遊技球1個分以上の空間を有するように(遊びを有するように)、即ち、遊技球Q3の自由度を高めるように分岐部673が形成されるため、分岐部材67aに当接した遊技球が分岐通路67内にて挟み込まれて球詰まりを生じてしまうことを防止できる。
また、分岐通路67を流下する遊技球は必然的に分岐部材67aに衝突する。また、分岐通路67にてパチンコ機1の奥行方向及び手前方向に転動して分岐通路67の内壁に衝突することによりその勢い(進入速度)を弱めるが、分岐通路67によって弱められた後の勢いが一定以上である場合であっても、分岐部材67aと衝突することによりその勢いを完全に抑制することができる。即ち、分岐通路67を流下してパチンコ機1の手前方向に誘導された遊技球は、再び分岐通路67の内壁に衝突して略真下に流下する。そして、分岐部材67aの上部に略垂直に衝突するため、その勢いを完全に止めることが可能となる。
また、本実施形態では、分岐通路67によって遊技球の勢い(流下速度)が抑制されて、分岐部材67aに衝突する以前に遊技球の勢い(流下速度)が弱まるため、分岐部材67aの負荷が軽減でき、分岐部材67aを長持ちさせることができる。さらに、本実施形態では、分岐通路67を流下する遊技球は、分岐部材67aの上部に衝突するが、分岐部材67aを幅狭縦長形状(図7において、左右方向の幅寸法が小さく、上下方向の幅寸法が大きい)の部材により形成することで分岐部材67aの耐久性を高めている。
また、分岐部材67aの上部表面の高さ位置と、上部レール52及び下部レール53の高さ位置と、を所定の幅寸法内(例えば、2cm以内)となるように分岐部材67aが設けられている。即ち、分岐部材67aに当接した遊技球Q3は、分岐部材67aから上部レール52又は下部レール53上に落下する。このとき、分岐部材67aの上部表面の高さ位置と、上部レール52及び下部レール53の高さ位置と、の差が大きい程、上部レール52及び下部レール53に与えられる衝撃が増し、上部レール52及び下部レール53が壊れ易くなる。本実施形態では、分岐部材67aの上部表面の高さ位置と、上部レール52及び下部レール53の高さ位置と、の差を小さくすることで上部レール52及び下部レール53の負荷を軽減でき、上部レール52及び下部レール53を長持ちさせることが可能となる。
また、分岐通路67を形成する球誘導部材65は、透明な合成樹脂材料(例えば、ポリカーボネイト等)によって形成されている。これにより、分岐通路67内を通過する遊技球は、遊技者から視認可能な構成となっている。分岐通路67は、通路底壁、通路内側壁、及び通路外側壁から構成され、分岐通路67の通路外側壁となる球誘導部材65の壁面部65a(通路外側壁、球視認部、経路の外壁)は、図8(A),(B)に示すように(同図中には、遊技者側から見てステージ50の右側端部に位置する球誘導部材65を例示する)、ステージ50の中央側に盛り上がった湾曲面形状に形成されている。また、このような湾曲面形状の通路外側壁(壁面部65a)を有する分岐通路67の屈曲部671は、図8(A)に示すように、その通路外側壁がパチンコ機1の正面位置となる遊技者から視認できるようにステージ50の奥行き幅方向(前後方向)に対して若干の傾斜角(なめらかな曲面)を持って延設されている。言い換えれば、ステージ50の奥行き幅に対する前後方向及び左右方向に遊技球を誘導する分岐通路67の屈曲部671は、正面から見て下流側(送込部672との連通側)が上流側(連結通路66との連通側)に比べて外側に位置するように通路の延設方向が設定されている。これにより、屈曲部671内を流下する遊技球は、その流下に伴って徐々に外側に誘導されるようになっている。従って、屈曲部671内を複数の遊技球が通過する場合、屈曲部671の下流側を通過する遊技球R1は、屈曲部671の上流側を通過する遊技球R2に比べて外側に位置することとなり、正面視で遊技球R1,R2同士が完全に重なり合うことがない。なお、実施形態の構成によれば、奥行き誘導通路部を一つの通路部で形成する(複数の通路部を繋ぎ合わせたような構成とは違う)ので、スムーズに遊技球を誘導することができる。
また、分岐通路67における湾曲面形状の通路外側壁(壁面部65a)には、前述した上部誘導口68及び下部誘導口69が穿設されるものであるが、壁面部65aがステージ50の奥行き幅方向(前後方向)に対してなめらかな曲面を持って延設されることで、各誘導口68,69についても、その開口部分がパチンコ機1の正面位置となる遊技者から視認できるようになっている。即ち、正面から見て分岐部材67aを境として外側部分には下部誘導口69の開口部分が視認でき、分岐部材67aを境として内側部分には上部誘導口68の開口部分が視認できる。このため、図8(B)に示すように、分岐部材67aによって下部誘導口69側に振り分けられた遊技球R3は、分岐部材67aを境として正面視で外側に位置する開口(下部誘導口69)から排出される一方、分岐部材67aによって上部誘導口68側に振り分けられた遊技球R4は、分岐部材67aを境として正面視で内側に位置する開口(上部誘導口68)から排出されることになり、遊技球がいずれの誘導口68,69から排出されるかが明確に認識できるようになっている。
なお、上部誘導口68から排出される遊技球は、後述の上部レール52を介して円形誘導部54に誘導され、下部誘導口69から排出される遊技球は、後述の下部レール53を介して円形誘導部54に誘導されるものであるが、上部レール52を流下した遊技球は、下部レール53を流下した遊技球に比べて勢いよく円形誘導部54に送り込まれることで後述の案内通路58に入り易くなり、結果として始動口(第1始動口72)に入賞し易い構成となっている(詳細については後述する)。従って、上部誘導口68から遊技球が排出されるか、あるいは下部誘導口69から遊技球が排出されるかによって、その後、遊技球が始動口(第1始動口72)に入賞し易いか否かが大まかに判断できる。このため、上記したような遊技球がいずれの誘導口68,69から排出されるかが明確に認識できる構成は、ステージ50上(上部レール52、下部レール53、円形誘導部54を含む)での遊技球の球流れの興趣をより一層高めるようになっている。なお、円形誘導部54は、環状転動許容手段の一例である。円形誘導部54の表面は、転動面の一例である。上部レール52、下部レール53、及び円形誘導部54は、上段球転動面の一例である。一方、ステージ50及び球受けステージ80aは、下段球転動面の一例である。また、上部レール52、下部レール53、及び円形誘導部54は、レール形状の通路の一例である。上部レール52及び円形誘導部54は、第1の誘導通路の一例であり、下部レール53及び円形誘導部54は、第2の誘導通路の一例である。上部レール52及び下部レール53は、受入レールの一例である。円形誘導部54は、送込レールの一例である。
また、透明な合成樹脂材料によって形成された球誘導部材65(分岐通路67)の背面側には、複数のLED95が実装されたLED基板94(光照射手段)が設けられている。そして、LED95の発光は、分岐通路67の背面側から透明な球誘導部材65を透してステージ50中央側に照射されることで、分岐通路67を含む球誘導部材65全体を光装飾するようになっている。また、分岐通路67を通過する遊技球は、LED95の発光によって分岐通路67内のいずれの部分を通過中であるかが遊技者からより見易くなっている。
図9は、遊技盤4を前上方から見た斜視図である。また、図6及び図9に示すように、センターユニット40には、前面装飾体80の下部外壁から奥行方向に所定の幅を有するステージ50が画像表示装置42の前下方に位置するように設けられている。なお、ステージ50は、前面装飾体80の左上部に設けられた揺動通路部材43から導入された遊技球が転動可能な領域を形成している。また、ステージ50の表面は、パチンコ機1手前方向に所定の角度で傾斜し、ステージ50上を転動する遊技球をパチンコ機1手前方向に排出するように構成されている。
また、ステージ50の中央部には、遊技球1個分の通路形状をなす案内通路58(誘導通路)が形成されている。また、案内通路58は、ステージ50の下方に下り、そこから前面側へ屈曲して延びて前面装飾体80の下部外壁中央に形成された放出口51(球排出部)と接続される。放出口51は、前面装飾体80の下部外壁における可変入賞装置70の真上に形成され、案内通路58に填り込んだ遊技球が放出口51へと誘導されて放出口51から真下に放出されることにより第1始動口72に入賞し易くなる。なお、放出口51は、前面装飾体80の下縁部に形成された排出ステージ80aの下方(排出ステージ80aに比べて第1始動口72に近い位置)に配置される共に、案内通路58と連通した遊技球1個分の開口形状に形成されている。このため、放出口51から排出された遊技球は、高い確率(ほぼ100%に近い確率)で第1始動口72に入賞し易くなっている。
また、ステージ50の表面には、ステージ50上部表面から所定の高さ(本実施形態では、遊技球の直径寸法以上の高さ)を有する複数の支持部材57が突出形成されている。そして、ステージ50の左右方向略中央部に突出形成される複数の支持部材57の上部には中空円形状の(環状の球誘導通路の形状をなす)円形誘導部54がパチンコ機1手前方向に所定の角度で傾斜するように載置される。なお、円形誘導部54は、外周及び内周に沿って円形誘導部54の表面から上方に突出形成される壁部54a(球誘導通路としての両側壁部分:突部)を有し、外周及び内周の壁部54aによって囲まれた溝部54b(球誘導通路としての底面部分)を有する。また、支持部材57は、円柱形状をなすと共に、その断面の直径寸法が遊技球の直径寸法よりも小さい値で形成されている。これにより、ステージ50上を転動する遊技球は、支持部材57の裏面側で停留することなく、パチンコ機1手前方向に排出されるようになっている。
また、円形誘導部54の溝部54bは、所定の幅(本実施形態では、遊技球の直径寸法より広い幅)を有し、遊技球の転動が可能である。本実施形態では、遊技球の直径寸法よりも十分に広い幅を有するように溝部54bが形成され、円形誘導部54における遊技球の自由度を高めることで、円形誘導部54における遊技球の転動それぞれに変化を持たせることができる。また、本実施形態では、円形誘導部54の外周及び内周の壁部54aは円形誘導部54の上部表面から上方に遊技球の直径寸法よりも小さい高さを有するように突出形成され、円形誘導部54の溝部54bを転動する遊技球の略全体が視認可能となっている。
なお、本実施形態では、円形誘導部54をパチンコ機1手前方向に所定の角度で傾斜するように載置するが、円形誘導部54の外周に沿って壁部54aが突出形成されるため、円形誘導部54の溝部54bを転動する遊技球は外周と接触して内側に弾かれ、円形誘導部54からパチンコ機1手前方向に落下しない。即ち、壁部54aは、円形誘導部54からの遊技球の落下を防止する落下防止手段である。また、本実施形態では、壁部54aを遊技球の直径寸法よりも小さい高さを有するように突出形成することで溝部54bを転動する遊技球を視認可能としているが、壁部54aを透明樹脂(例えば、ABS樹脂等のアクリル樹脂等)で形成することにより、壁部54aを円形誘導部54(溝部54b)の上部表面からの高さを遊技球の直径寸法以上となる高さで突出形成してもよい。
また、円形誘導部54の内周の壁部54aは、その一部が切り取られた切欠部を有する。本実施形態では、円形誘導部54の内周奥側の一部に穿設された切欠部54cと、内周手前側の一部に穿設された切欠部54dとを有し、内周手前側の切欠部54dは内周奥側の切欠部54cよりも広範囲に亘って壁部54aが切り取られ、内周手前側の切欠部54dに対応する溝部54b(溝部54bにおける内周手前側の切欠部54dのパチンコ機1の手前側に位置する部分)はパチンコ機1奥側に傾斜し、内周手前側の切欠部54d方向に遊技球を排出する。また、円形誘導部54は、その中空部の下方に案内通路58が位置するように載置され、円形誘導部54の奥側の切欠部54cと案内通路58とを連結する上部誘導路55が形成されると共に、円形誘導部54の手前側の切欠部54dの一部と案内通路58とを連結する下部誘導路56が形成されている。
また、円形誘導部54の奥行方向の奥位置の左右両部には、ステージ50に突出形成される支持部材57の上部に載置し、球誘導部材65の上部誘導口68と、円形誘導部54と、を橋掛けする上部レール52が連結し、円形誘導部54の奥行方向の手前位置の左右両部には、ステージ50に突出形成される支持部材57の上部に載置し、球誘導部材65の下部誘導口69と、円形誘導部54と、を橋掛けする下部レール53が連結される。なお、上部レール52及び下部レール53の上流端は、前記分岐部材67aを挟んで近接設置している(図6参照)。
また、上部レール52及び下部レール53は、図10に示すように、それぞれ誘導通路の両側壁部分を形成する棒状のレール部材59a(棒状部材)と、誘導通路の底面部分を形成して上部レール52及び下部レール53の強度を増加させると共にレール部材59aの間隔を一定に保たせる枕木部材59bと、を有している。なお、本実施形態では、レール部材59aの間隔が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように枕木部材59bが遊技球の直径寸法よりも小さい幅で形成され、上部レール52及び下部レール53を転動する遊技球は、レール部材59aに挟持されつつ流下する。従って、上部レール52及び下部レール53を転動する遊技球が視認可能となる。
また、上部レール52及び下部レール53は、上部誘導口68及び下部誘導口69から円形誘導部54に向けて所定の下り傾斜を有するように設けられる。また、本実施形態では、遊技球がレール部材59aに挟持されて流下するため、進行方向、即ち、円形誘導部54に流下する方向以外への転動が規制され、一方向、即ち、円形誘導部54に流下する方向への転動が許可される。
また、上部レール52及び下部レール53の下流部(円形誘導部54に近い側)は、転動する遊技球が円形誘導部54の曲率に沿って送り込まれるように湾曲している。このため、上部レール52及び下部レール53を転動する遊技球は、その勢いを殺すことなく円形誘導部54に遊技球を誘導される。
なお、レール部材59aの間隔を遊技球の直径寸法以上として枕木部材59b上を遊技球が転動するように構成してもよく、この場合には、レール部材59aを枕木部材59bの上部表面から遊技球の直径寸法よりも小さい程度の高さを有するように突出形成することで、枕木部材59bを転動する遊技球が視認可能としてもよいし、レール部材59aを透明樹脂(例えば、ABS樹脂等のアクリル樹脂等)により形成することによりレール部材59aの高さに制限されることなく遊技球を視認可能となるように構成してもよい。
また、本実施形態では、ステージ50上部表面から遊技球の直径寸法以上の高さを有する複数の支持部材57に円形誘導部54、上部レール52、及び、下部レール53が載置されるため、円形誘導部54、上部レール52、及び、下部レール53を転動する遊技球と、ステージ50上を転動する遊技球と、が接触しない。このため、円形誘導部54、上部レール52、及び、下部レール53を転動する遊技球がステージ50上を転動する遊技球によって弾かれてステージ50上に落下し、円形誘導部54、上部レール52、及び、下部レール53を転動しているときの始動口(第1始動口72及び第2始動口73)への入賞率よりも低くなることによって遊技者の興趣が低下することを防止できる。
なお、前面装飾体80の左上部に設けられた揺動通路部材43に進入した遊技球は、球誘導部材65の連結通路66により分岐通路67に誘導される。そして、分岐通路67を流下し、上部誘導口68から上部レール52の上流端に排出された遊技球は、上部レール52上を転動して円形誘導部54の溝部54bに誘導され、下部誘導口69から下部レール53の上流端に排出された遊技球は、下部レール53上を転動して円形誘導部54の溝部54bに誘導される。このようにして、円形誘導部54に誘導された遊技球は、溝部54bを転動して円形誘導部54の切欠部54c,54dの一方から落下し、円形誘導部54から排出される。
また、円形誘導部54の内周奥側の切欠部54cから排出された遊技球は、上部誘導路55を通って案内通路58に誘導される。一方、内周手前側の切欠部54dから排出された遊技球は、下部誘導路56を通って案内通路58に誘導可能であるが、切欠部54dに対して下部誘導路56が幅狭で形成されるため、一部の遊技球は案内通路58に誘導されずにステージ50の表面に落下してパチンコ機1手前方向に転動し、排出ステージ80aから排出される。案内通路58に進入した遊技球は、前面装飾体80に形成された放出口51へと誘導されて排出される。
ここで、円形誘導部54からの遊技球の球流れについて図10を参照して説明する。図10は、円形誘導部54を示す縦断面図である。図10に示すように、上部レール52又は下部レール53を流下した遊技球が円形誘導部54に送り込まれると、当該遊技球は、円形誘導部54上を転動することで、円形誘導部54の通路形状(環状)に沿って回転して動く。その後、遊技球の回転速度が減速すると、遊技球は、円形誘導部54に穿設された切欠部54c,54dの一方から落下して円形誘導部54から排出される。内周奥側の切欠部54cから排出される遊技球P1は、上部誘導路55を通って案内通路58に入り込み、案内通路58を通過して放出口51から再度遊技領域12に排出される。なお、放出口51は、前述したように可変入賞装置70の真上に形成されており、これによって放出口51から排出された遊技球、即ち内周奥側の切欠部54cから排出される遊技球P1は、始動口(第1始動口72)への入賞率が高く(ほぼ100%に近い確率)なっている。
次に、内周手前側の切欠部54dから排出される遊技球の球流れについて説明する。内周手前側の切欠部54dから排出される遊技球は、下部誘導路56上を流下するものと、下部誘導路56から外れてステージ50上にそのまま落下するものとに分かれる。下部誘導路56上を流下する遊技球P2は、上部誘導路55上を流下する遊技球(内周奥側の切欠部54cから排出される遊技球P1)と同様に、案内通路58に入り込み、案内通路58を通過して放出口51から再度遊技領域12に排出される。これにより、内周手前側の切欠部54dから排出されて下部誘導路56上を流下する遊技球P2は、始動口(第1始動口72)への入賞率が高く(ほぼ100%に近い確率)なっている。一方、下部誘導路56から外れてステージ50上に落下した遊技球P3は、ステージ50上をパチンコ機1手前方向に転動し、幅広の球排出部分を有する排出ステージ80aから再度遊技領域12に排出される。このため、内周手前側の切欠部54dから排出された後に下部誘導路56から外れてステージ50上に落下した遊技球P3は、放出口51から再度遊技領域12に排出される遊技球P1,P2に比べて始動口(第1始動口72又は第2始動口73)への入賞率が低くなっている。
なお、上部レール52を流下して勢いよく円形誘導部54に送り込まれた遊技球は、円形誘導部54上を勢いよく転動してそのまま上部誘導路55又は下部誘導路56に送り込まれ易くなっている。このため、上部レール52を流下した遊技球は、下部レール53を流下した遊技球に比べて案内通路58に入り易く、始動口(第1始動口72)に入賞し易い構成となっている。
ところで、上記したようなステージ50の構成において、ステージ50上を転動する遊技球は、下部誘導路56から外れてステージ50上に落下した遊技球だけではなく、障害釘との衝突によって遊技領域12からステージ50上に跳ね上がった遊技球も転動するようになっている。即ち、排出ステージ80a下方の遊技領域12を流下する遊技球が障害釘に衝突してステージ50(排出ステージ80aを含む)上に跳ね上がり、ステージ50を転動して再度排出ステージ80a(球排出部分)から遊技領域12に排出される場合がある。このため、円形誘導部54を転動した遊技球が下部誘導路56から外れてステージ50上に落下した場合には、当該遊技球(P3)がステージ50上に跳ね上がった遊技球に弾かれるときがある。従って、排出ステージ80aから第1始動口72及び第2始動口73に向けて排出される遊技球P3が跳ね上がった遊技球との衝突によって排出方向が変わり、始動口(第1始動口72又は第2始動口73)に入賞する可能性がまったくない方向に排出される事態を生じる場合がある。これに対して、円形誘導部54を転動した遊技球が上部誘導路55又は下部誘導路56を通った後に案内通路58を介して放出口51から遊技領域12に排出される場合、当該遊技球(P1,P2)は、ステージ50上に跳ね上がった遊技球に弾かれることなく、遊技領域12に排出される。このため、第1始動口72に向けて排出される遊技球P1,P2は、跳ね上がった遊技球と衝突することがないので、始動口(第1始動口72又は第2始動口73)に入賞する可能性がまったくない方向に遊技球P1,P2が排出される事態を生じることがない。
また、本実施形態では、上部レール52の上流端部(上部誘導口68)の高さ位置は、下部レール53(下部誘導口69)に比べて高い位置に配置されている。言い換えれば、上部レール52は、下部レール53に比べて傾斜角度が大きくとられている。このため、分岐通路67によって上部誘導口68側に分岐誘導された遊技球は、傾斜角度の大きい上部レール52上を流下することで、勢いよく円形誘導部54に送り込まれる。これに対して、分岐通路67によって下部誘導口69側に分岐誘導された遊技球は、傾斜角度の小さい下部レール53上を流下することで、勢いが抑えられて円形誘導部54に送り込まれる。従って、上部レール52上を流下した遊技球は、下部レール53上を流下した遊技球に比べて円形誘導部54上にて転動する幅(移動幅:円形誘導部54の外周に沿って転動する回転数)が大きくなる。このように、分岐通路67によって遊技球の誘導方向を分岐(上部レール52又は下部レール53)することで、円形誘導部54に送り込む遊技球の勢い(流下速度)を異ならせることができ、円形誘導部54上での球流れの態様に変化を持たせることができる。
なお、本実施形態では、円形誘導部54の奥行方向の奥位置(パチンコ機1の正面に対面する遊技者から遠い側)の上部レール52の上流端部を下部レール53の上流端部よりもステージ50表面からの高さ位置が高くなるように構成し、ステージ50の奥行方向の奥位置に配置される上部レール53上を転動する遊技球の視認を下部レール53によって妨げられないため、上部レール52を遊技球が転動した場合にも遊技者の興趣を低下させない。
また、上述したように、揺動通路部材43から進入した遊技球はその勢いが完全に抑えられて、上部誘導口68にて上部レール52又は下部誘導口69にて下部レール53の上流端に誘導される。また、上部レール52及び下部レール53が上流端(上部誘導口68及び下部誘導口69)から円形誘導部54に向けて所定の下り傾斜を有するように設けられるため、上部レール52及び下部レール53それぞれによって付勢されて遊技球が所定の勢いで円形誘導部54に送り込まれる。このため、揺動通路部材43に進入する遊技球の勢い(進入速度)に起因することなく円形誘導部54にて十分に遊技球を転動させることが可能となり、その性能を十分に発揮することができる。即ち、円形誘導部54における遊技球の転動幅は、上部レール52及び下部レール53それぞれによって付勢された勢い(転動速度)のみに起因し、揺動通路部材43に進入する遊技球の勢いが弱い(進入速度が遅い)場合であってもその影響を受けて円形誘導部54での移動幅(遊技球の回転回数)が狭くならない。
なお、本実施形態では、円形誘導部54を中空円形状の部材によって形成し、円形誘導部54を転動する遊技球を切欠部54c,54dの一方から落下させることにより案内通路58又はステージ50の表面に落下させるが、円形誘導部54を複数の穴を有する円形状(中空でない)に形成し、複数の穴のうちいずれかを案内通路58と連通させ、他の穴を案内通路58と連通させないように形成するようにしてもよい。即ち、案内通路58と連通する穴に遊技球が落下したときにのみ案内通路58に遊技球が進入するようなクルーン状に円形誘導部54を形成してもよい。
また、前面装飾体の左上部に設けられた揺動通路部材43における遊技球の初速が速い場合には、円形誘導部54の溝部54bにおける遊技球の移動幅がさらに広くなるが、円形誘導部54の溝部54bに沿って周回し、上部誘導路55及び下部誘導路56に誘導される機会が増大するため、遊技者の始動口(第1始動口72又は第2始動口73)への入賞に対する期待感を向上させることができる。
また、ステージ50の上部表面には、特図始動記憶ランプ47が突出形成されている。特図始動記憶ランプ47は、図11に示すように、ステージ50上に立設された円柱形状の支柱部47aと、該支柱部47aの上端部分に設けられた点灯部47bと、を備えている。支柱部47a及び点灯部47bは、それぞれ透光性を有する合成樹脂材料によって一体成形されており、点灯部47bは、ベルを象った形状に形成され、その内部にランプが内蔵される。また、点灯部47bの後面部分(画像表示装置42と対向する側の面部分)には、反射塗料が塗布されており、その反射塗料の塗布部分(図11に示す点灯部47bの網掛け部分)がリフレクター部47cを構成している。リフレクター部47cは、内臓ランプの光を後方(画像表示装置42側)に透過することなく前方(遊技者側)に反射することで、遊技者側からの特図始動記憶ランプ47の点灯/消灯における視認性を向上するようになっている。なお、点灯部47bの後面部分にリフレクター部47cを設けることで奏し得る効果としては、特図始動記憶ランプ47の視認性の向上に加え、内臓ランプの光を後方に透過させないことで、画像表示装置42での画像表示の視認性も向上するようになっている。
また、ステージ50上の特図始動記憶ランプ47は、ステージ50の左手前部であり下部レール53よりもパチンコ機1の手前側となる位置に2つ、ステージ50の右手前部であり下部レール53よりもパチンコ機1の手前側となる位置に2つ、の合計4つ突出形成されており、これら4つの特図始動記憶ランプ47は、それぞれ先端部に象られたベル(点灯部47b)の高さが全て一致するように形成されている。即ち、正面視で左右両側からそれぞれ中央に向って下り傾斜したステージ50上において、左右両側に位置する2つの特図始動記憶ランプ47は、中央寄りに位置する2つの特図始動記憶ランプ47に比べて支柱部47aの高さが短く形成されることで、点灯部47bの高さ位置が全て一致するようになっている。また、4つの特図始動記憶ランプ47は、それぞれ正面視でステージ50の中央に寄った位置に設けられることで、始動記憶数を示す点灯が遊技者側から確認し易いようになっている。
また、上記した4つの特図始動記憶ランプ47は、前述したようにそれぞれ下部レール53よりもパチンコ機1の手前側となる位置、言い換えればステージ50(球受けステージ80aを含む)が遊技領域12に臨む一端側に突設されている。このため、遊技領域12を流下する遊技球が障害釘に衝突してステージ50(球受けステージ80aを含む)上に跳ね上がるような場合でも、跳ね上がった遊技球は、必ずしもステージ50(球受けステージ80aを含む)上に入り込むことはなく、ステージ50上の特図始動記憶ランプ47と衝突して再度遊技領域12に跳ね戻されることがある。
ところで、上記した特図始動記憶ランプ47は、遊技球の直径よりも大きい高さ寸法(ステージ50面から点灯部47bの上端までの高さ寸法)に形成される。これにより、遊技領域12から跳ね上がった遊技球が特図始動記憶ランプ47を飛び越してステージ50上に入り込むことを回避することができる。また、特図始動記憶ランプ47は、ステージ50(球受けステージ80aを含む)の遊技領域12に臨む一端部分に沿って複数(実施形態中では、4つ)並設されている。このため、本実施形態のように、ステージ50(球受けステージ80aを含む)の遊技領域12に臨む一端部分を幅広に形成した場合でも、複数の特図始動記憶ランプ47によって遊技領域12から跳ね上がった遊技球の侵入を阻止することができる。然も、4つの特図始動記憶ランプ47は、それぞれステージ50の中心線に対して左右対称となる位置に配置されており、ステージ50の左右両方向から流れ込んで跳ね上がる遊技球を均等に阻止することができる。
また、ステージ50は、その基体となる構成部材(以下、これをステージ基体89(面基体)という)が非透光性の合成樹脂材料によって形成されており、ステージ基体89の複数箇所(具体的には、図12に示すように、円形誘導部54の下方となるステージ50の中央箇所と、左右の球誘導部材65の近傍となるステージ50の両側箇所)には、透光性の合成樹脂材料からなる透光装飾部材90(透光部、透光部材)が取り付けられている。透光装飾部材90の上面は、平坦面状をなしてステージ50面の一部を構成すると共に、その形状が「池」の形を象った外周曲線形状に形成されている。なお、ステージ50の前端側(遊技者側)には、透光装飾部材90の上面とステージ基体89の上面とによって、前端側に向かって下る段差が形成される。これにより、ステージ50から遊技領域12に向かって転動する遊技球に勢いを付けることができる。
透光装飾部材90の下方には、透光装飾部材90と同様に透光性の合成樹脂材料からなる乱反射板91と、ランプ基板92とが設けられている。乱反射板91は、透光装飾部材90の外周形状に沿った板状の部材からなり、その上面には、乱反射用の凹凸部91aが連続的に形成されている。なお、凹凸部91aは、ステージ50の中央位置を中心として放射状に連なって形成されている。また、透光装飾部材90と乱反射板91は、一体的にステージ基体89にビス止めして取り付けられる。また、透光装飾部材90の外周端部には、透光装飾部材90の下面と乱反射板91の上面(凹凸部91a)との間に所定の間隔を設けるための位置決め用のフランジ片90aが全周に亘って立設されている。ランプ基板92は、その上面に複数のランプ93が実装され、該複数のランプ93が乱反射板91の下面と当接した状態で透光装飾部材90の下方に配置される。
そして、ランプ基板92のランプ93から照射される光は、乱反射板91によって乱反射されて透光装飾部材90を下方から照明する。言い換えれば、ステージ50上の「池」を象った透光装飾部材90が部分的に光照明される。これにより、ステージ50(透光装飾部材90)上を光装飾することができると共に、ステージ50(透光装飾部材90)上を転動する遊技球は、ランプ93の光によって下方から照らされ、その視認性が向上される。なお、透光装飾部材90を下方から照明する光(ランプ93から照射される光)は、乱反射板91によって乱反射されることで、透光装飾部材90の下方を均一に照明する。
また、ランプ93から照射される光は、透光装飾部材90を透してその上方に照射される。このため、枕木を備えた線路のようなレール形状(溝部54b,59bに複数の穴が連続的に穿設された形状)をなす円形誘導部54、上部レール52、及び下部レール53に対して、ランプ93から照射される光は、溝部54b,59bの穴を通して上方に透過する。従って、円形誘導部54、上部レール52、及び下部レール53を流下する遊技球においても、ステージ50(透光装飾部材90)上を転動する遊技球と同様に、ランプ93の光によって下方から照らされ、その視認性が向上される。
次に、図13を用いて、センターユニット40の正面右上部に設けられる回転役物61について説明する。図13は、回転役物61を含む回転ユニット60を右上方から見た斜視図である。なお、図4に示すように、本実施形態における回転役物61は、棒状の筐体形状で形成され、その内部に複数(本実施形態では、8個)の発光体として多色発光可能な(赤色(Red)発光素子と、緑色(Green)発光素子と、青色(Blue)発光素子と、による組み合わせから構成される)LED61aを備えている。
また、本実施形態では、センターユニット40の正面右上部に回転役物61が設けられている。上述したように、パチンコ機1においては、遊技領域12の左上方から遊技球が打ち出される。また、一般的に、パチンコ機1にて遊技を行う遊技者は、センターユニット40の左側に遊技球を流下させて第1始動口72及び第2始動口73への遊技球の入賞を狙う。このため、本実施形態では、最も遊技者の遊技に影響を与えない遊技領域12の正面右上部に対応するセンターユニット40の正面右上部に回転役物61を設けている。
図13に示すように、回転ユニット60は、モータ63の回転軸(モータ軸63a)の先端部に設けられた回転役物61と、回転役物61を回転駆動するモータ63と、モータ63の回転軸(モータ軸63a)が内蔵されると共に、各種基板を備えた回転役物本体62と、回転役物本体62に螺着される取付基板64と、から構成される。また、モータ軸63aの先端部には回転役物61が装着され、回転役物61の背面側にはモータ軸63aが内蔵されると共に役物制御基板115等からの信号を中継する中継基板が内蔵される回転役物本体62が位置し、さらにその背面側にモータ63が位置している。また、取付基板64が回転役物本体62に螺着され、この取付基板64に形成された取付孔64aにネジを挿入して遊技盤4の背面側に螺着する。
本実施形態における回転役物61は、前面の前面板611と、上下の側板612と、左右の側板613と、背面の底板614(図14(B)参照)と、によって直方体状(棒状ともいう)に形成される。また、底板614から前面板611までの高さ<上側の側板612から下側の側板612までの縦の長さ<左側の側板613から右側の側板613までの横の長さ、の順に長くなるように形成されている。なお、本実施形態における回転役物61は、少なくとも左側の側板613から右側の側板613までの横の長さが他の辺よりも長くなるように構成すればよく、底板614から前面板611までの高さと上側の側板612から下側の側板612までの縦の長さとが同一であってもよいし、一方が長くなるようにしてもよい。
また、上下の側板612と、左右の側板613と、背面の底板614と、は一体的に形成され、底板614から上方に開口した状態となっている。そして、開口を塞ぐように前面板611を上方から装着することにより密閉する。なお、回転役物61の内部には、赤色(Red)発光素子と、緑色(Green)発光素子と、青色(Blue)発光素子と、による組み合わせから構成され、多色発光可能な8個のLED61a、該LED61aを発光制御するIC(図示しない)、LED61a及びICに供給する電力を蓄電するコンデンサ(図示しない)、等が搭載される基板が内蔵される。
本実施形態では、底板614から前面板611方向に上部が前面板611と略平行に形成されると共に、側板612、613の一方から回転役物61の内側方向に突出するように形成された複数の保持部614aが設けられている。保持部614aは、底板614から所定の高さ(前面板611方向への高さ)を有するように形成され、上述した基板が載置されるものである。また、この基板が載置されることにより回転役物61の内部領域が前面板611側と底板614側との2つの領域に分割される。後述するが、基板の背面側(基板の底板614側)にはコンデンサ、IC等が搭載され、保持部614aは、コンデンサ、ICが搭載可能となるように突出形成される。即ち、底板614からの高さは、コンデンサ、IC等が搭載可能な程度であればよい。
また、図示しないが、前面板611には、底板614及び側板611、613に形成された保持部614aに対応する位置に保持部が形成されている。底板614及び側板611、613に形成された保持部614aと前面板611に形成された保持部とは載置される基板の厚みと同程度の間隔を有するように形成される。そして、前面板611を装着していない状態で回転役物61内部に基板を挿入し、保持部614aに基板を載置する。そして、前面板611を装着することにより前面板に形成された保持部と底板614及び側板611、613に形成された保持部614aとによって基板が挟持されて固定される。さらに、底板614側から底板614、基板、前面板611、をネジで螺着して密閉することにより回転役物61が組み立てられる。また、このとき基板は回転役物61の内側周側面に当接した状態であり、底板614及び側板611、613に形成された保持部614aと前面板611に形成された保持部とによって挟持されることにより回転役物61内部にかっちりと固定されて回転役物61を回転させたときに回転役物61と一体的に回転する。
また、回転役物61の上下の側板612の底板614側及び底板614には複数の通気孔61bが設けられている。回転役物61を回転することにより通気孔61bから空気が流入し、回転役物61の内部の空気を循環する。なお、回転役物61に内蔵される基板に搭載されるLED61a、IC、コンデンサ、等は、基板にはんだ付けされる。また、LED61a、IC、コンデンサ、等は、動作するときに発熱し、はんだが溶けて基板から剥がれ落ちたり、接触不良を生じたりする虞がある。このため、通気孔61bを形成し、回転役物61を回転させたときに回転役物61内部の空気を循環させることによりLED61a、IC、コンデンサ、等を冷却して温度上昇を抑えるように構成している。また、回転役物61に内蔵される基板にコンデンサを搭載して蓄電することにより、LED61a及びICを安定して駆動できる。
図14(A)は、回転ユニット60の側面図であり、図14(B)は、図14(A)にて回転役物61をX−Y平面で切った場合の断面図である。
なお、図14(B)には図示しないが、LED61a、IC、コンデンサ、等を搭載した基板は、回転役物61の上下の側板612と、左右の側板613と、によって囲まれた領域と同程度の領域を有して回転役物61の内側周側面に当接し、かつ、回転役物61の前面板611に対して平行に取り付けられている。また、LED61aは、基板の前面に搭載され、IC及びコンデンサは、基板の背面に搭載される。また、図14(B)に示すように、回転役物61の底板614の中央(底板614長手方向中央線と、底板614短手方向中央線と、の交点)にモータ63のモータ軸63aが挿入され、回転役物61の中央と、回転役物61の回転軸と、は一致している。即ち、本実施形態における回転役物61は、モータ軸63aから底板614の長手方向一端側の長さと、底板614の長手方向他端側の長さと、が同一であり、かつ、モータ軸63aから底板614の短手方向一端側の長さと、底板614の短手方向他端側の長さと、が同一である。
また、本実施形態では、基板の略中央から左右の側板613の一端側の領域に基板短手方向中央線に沿って等間隔でLED61aが搭載される(図4参照)。また、LED61aが搭載される一端側の領域においてその基板背面には基板短手方向中央線に沿ってICが搭載され、LEDが搭載されない他端側の領域においてその基板背面には基板短手方向中央線に沿ってコンデンサが搭載されている。さらに、本実施形態では、ICを回転役物61の回転軸(回転役物61の中央)から基板長手方向の近い位置に設置し、コンデンサを回転役物61の回転軸(回転役物61の中央)から基板長手方向の遠い位置(回転役物61の基板長手方向端部に近い位置)に設置すると共に、基板短手方向中央線に沿って各部材を設置することにより、LED61a及びICが搭載される一端側と、コンデンサが搭載される他端側と、の重量バランスを均等に保ち、基板の中央に基板の重心となるように構成している。なお、基板の中央は、回転役物61の中央と一致し、回転役物61の重心は基板の重心と一致する。上述したように、モータ軸63aは、回転役物61の中央に挿入され、回転役物61の中央と、回転役物61の回転軸と、は一致しているため、回転役物61の重心(回転役物61に内蔵される基板の重心)と、回転役物61の回転軸と、は一致している。
このように、本実施形態では、モータ軸63aを中心として重量バランスが均等になるように回転役物61が形成され、回転役物61の重心と、回転役物61の回転軸と、が一致するため、遠心することを防止できると共に、遠心により発生する振動を低減させることができる。さらには、モータ63を高速回転させることが可能になると共に、モータ63の急回転及び急停止させることが可能となり、ひいては、モータの脱調を防止することができる。
以上のように構成される回転ユニット60は、役物CPU116からの駆動信号に基づいてモータ63を高速で駆動することにより回転役物61を高速回転(本実施形態では、1分間に1200回転)させる。また、このときLED61aを所定の発光パターンデータ(例えば、発光時間、発光位置、発光色、等を示すデータ)で発光制御することにより複数種類の態様(例えば、花火等)の残影(残像ともいう)を表示させる。一般的にモータ63の回転速度を上げることによりきれいな残影を表示できる。本実施形態では、モータ63を1分間に600回転の回転数で回転させることによっても残影を表示することが可能であったが、よりきれいな残影を表示するためには1分間に1200回転程度の回転数が必要である。なお、モータ63の回転数を1分間に1200回転以上にすることでさらにきれいな残影を表示するように構成してもよい。
このように、本実施形態では、所定の発光パターンデータに基づいてモータ63を高速で回転させるとともにLED61aを発光制御することにより複数種類の態様の残影を表示する。換言すれば、モータ63による回転役物61の回転駆動が安定したときにLED61aを発光制御することにより所定の残影を表示する。そのため、常に安定した残影表示を行うことが可能となる。また、回転役物61を回転駆動することにより宛も表示器が設けられているかの印象を与えることができ、回転役物61の可動範囲にわたって設けられた複数個のLEDにより構成された表示器を用いて複数種類の態様を表示する場合に比べて搭載するLED61aの個数を減らすことができるため、パチンコ機1の製造コストを低減できるという利点がある。しかし、残影を表示するためにはモータ63を高速で回転させなければならず、モータ63を高速で回転させることにより振動の発生及び振動の度合い(大きさ)が増大し、遊技領域12を流下する遊技球やステージ50上を転動する遊技球に影響を与える虞があった。本実施形態で用いられるパチンコ機1は、モータ63を駆動することにより発生する振動が遊技球の転動に影響を与えないようにセンターユニット40を構成する各部材の遊技盤4への取付方法を工夫している。以下、センターユニット40を構成する各部材の遊技盤4への取付方法について説明する。
図15は、遊技盤4の前面方向から見たセンターユニット40の分解斜視図であり、図16は、遊技盤4の背面方向から見たセンターユニット40の分解斜視図である。また、図20は、遊技盤4の背面図であり、図21は、遊技盤4の背面斜視図である。
図15及び図16に示すように、本実施形態のセンターユニット40は、遊技盤4を挟んで前後に分割された前面装飾体80及びリアユニット83から構成される。具体的には、遊技盤4の前面側に前面装飾体80が位置し、この前面装飾体80は遊技盤4に対してその前面側から取り付けられる。逆に遊技盤4の背面側には、取付ユニット81(取付部材)と、背面装飾体82(装飾部材)と、回転役物61を含む回転ユニット60と、から構成されるリアユニット83が位置し、遊技盤4に対してその背面側から取り付けられる。さらに、背面装飾体82は、取付基板86と、球誘導部材65と、前記ステージ50のうち前面装飾体80の下縁部に形成された球受けステージ80aを除くステージユニット50a(転動面形成部材)と、上部装飾体87と、画像表示装置42と表示制御基板120とを含む表示ユニット85と、から構成される。
また、遊技盤4には、その合板材を厚み方向に刳り貫いた貫通孔4aが形成されている。この貫通孔4aは、遊技領域12の中央からやや上よりの範囲にかけて大きく開口しており、その開口形状は、前面装飾体80の外形にほぼ合致している。センターユニット40を構成する各部材のうち遊技盤4の前面側から取り付けられる前面装飾体80は、その中央部及び右上部が厚み方向に刳り貫かれた中空形状を有している。
なお、リアユニット83のうち最も遊技盤4に近い側に位置する取付ユニット81は、その中央から右上部にかけて厚み方向に刳り貫かれた開口部を有し、前面側に左右一対のボス孔81aが形成され、取付ユニット81の右上部に形成された開口部の背面側上方にはボス81bが形成されている。また、取付ユニット81の背面側には、複数の取付ボス81cも形成されている。さらに、取付ユニット81は、遊技盤4の背面に対向する前面がほとんどフラットな形状に成形されており、このフラットな前面が遊技盤4と接するように取り付けられる。リアユニット83が遊技盤4に取り付けられると、フラットな前面が遊技盤4の背面に密着する(但し製造誤差や歪みによる隙間は許容される)。
また、取付ユニット81のフラットな前面は、貫通孔4aには嵌め込まれないものの、その一部は貫通孔4aに対向する位置関係にある。即ち、取付ユニット81が遊技盤4に取り付けられると、その前面は部分的に貫通孔4aの内側に張り出し、貫通孔4aを通じて遊技盤4の前面側に露出される。但し、この露出する部分は前面装飾体80に覆い隠されるため、遊技者からは直接的に視認されない。
また、取付ユニット81の背面に位置する背面装飾体82は、開口部を有する筐体形状に形成された取付基板86と、取付基板86の開口部下方に取り付けられるステージユニット50aと、取付基板86の開口部両端にステージユニット50a上に立設するように取り付けられた球誘導部材65と、取付基板86の開口部の背面側から取り付けられた表示ユニット85と、取付基板86の開口部上方に取り付けられた上部装飾体87と、から構成される。なお、取付基板86の筐体底面部分には、画像表示装置42の表示画面を臨設するための貫通穴が穿設されている。ステージユニット50a、球誘導部材65、及び、上部装飾体87は、それぞれ取付基板86の背面側(筐体底面の裏面側)からネジを挿入して螺着することにより取付基板86に取り付けられる。即ち、ステージユニット50aは、ステージ50以外の部分(具体的には、画像表示装置42の表示画面の外周を額縁状に装飾する額縁部50b)が取付基板86にネジで螺着される。さらに、表示ユニット85の背面側からネジを挿入して螺着して取付基板86に取り付けることで背面装飾体82が組み立てられる。なお、表示ユニット85は、画像表示装置42と、画像表示装置42を表示制御する表示制御基板120と、を一体化した部材である。
また、取付基板86における開口部の外周には、鍔状フランジ部86bが形成されており、該鍔状フランジ部86bには、取付ユニット81に形成された取付ボス81cと対応する複数のボス孔86a(取付部)が形成される。そして、取付ユニット81の取付ボス81cが取付基板86のボス孔86aに差し込まれることにより背面装飾体82の位置決めがなされると共に、取付基板86のボス孔86aの一部に取付基板86の背面側からネジを挿入して取付ユニット81と螺着することにより背面装飾体82が取付ユニット81に取り付けられる。
なお、背面装飾体82が位置決めされて取付ユニット81に取り付けられることにより球誘導部材65が取付ユニット81の開口部左右両端に、ステージユニット50aが取付ユニット81の開口部下端部に、上部装飾体87が取付ユニット81の開口部上端部に、それぞれ位置するように取り付けられる。また、ステージユニット50aは、その一部がフラットに形成され、取付ユニット81のフラットな前面と同一面となるように取り付けられている。このように、取付ユニット81の開口部の背面側には、球誘導部材65、ステージユニット50a、上部装飾体87、及び、取付基板86の開口部背面側から取り付けられる表示ユニット85の画像表示装置42、が位置する。また、ステージユニット50a及び球誘導部材65は、取付ユニット81の開口部から奥行方向奥側に所定の幅を有し、取付ユニット81の開口部の背面側には、ステージユニット50a、球誘導部材65、上部装飾体87、及び画像表示装置42によって囲まれる所定範囲の空間を有している。
ところで、上記した背面装飾体82と取付ユニット81との取り付け構造において、背面装飾体82の前端部分、具体的には図17に示すようにステージユニット50a(ステージ50)前端における左右両端部分に、取付ユニット81に対する取り付け位置規制用の遊嵌凸部96が設けられている。一方、取付ユニット81の背面側には、図18に示すように、背面装飾体82側の遊嵌凸部96と対応する遊嵌凹部97が設けられている。なお、図18中には、背面視で右側に位置するボス孔81aの上方に設けられた遊嵌凹部97のみを図示するが、背面視で左側に位置するボス孔81aの上方にも同様に遊嵌凸部96と対応する遊嵌凹部97が設けられている。そして、背面装飾体82を取付ユニット81に取り付けた状態で、遊嵌凸部96は、図19(A)に示すように、遊嵌凹部97内に若干の遊びを持って嵌合(遊嵌)される。
なお、背面装飾体82は、前述したように背面装飾体82を構成する取付基板86のボス孔86aが取付ユニット81(取付ボス81c)にネジ止めされて取り付けられるものであるが、このような構成において、背面装飾体82を構成するステージユニット50aは、直接、取付ユニット81にネジ止めされることがない。また、ステージユニット50aは、ステージ50以外の部分(額縁部50b)が取付基板86の背面側からネジで螺着して組み付けられている。このため、ステージ50の前端部分は、固定されることなく取付ユニット81の背面側に配置されることとなる。
そこで、上記したステージ50前端の左右両端部分に設けられた遊嵌凸部96を取付ユニット81の遊嵌凹部97に遊嵌することで、ビス止めされないステージ50の取り付け位置を規制するようになっている。即ち、背面装飾体82を取付ユニット81に取り付けた状態において、ステージユニット50aのステージ50部分は、直接的に取付基板86及び取付ユニット81にネジ止めされることがないので、ネジの締め付けによってステージ50に歪みが生じることを回避でき、結果として、ステージ50上で設計と違う偏った方向に遊技球を誘導することを回避できる。然も、ステージ50の前端部分は、遊嵌凸部96が取付ユニット81の遊嵌凹部97に遊嵌されることで、ステージ50に外力が加わった場合(例えば、組み付け時にステージ50の上面を押さえ込む等)でも、ステージ50面に生じる歪を最小限に押さえ込むことができ、外力によってステージ50が破損するのを防止するようになっている。具体的には、ステージ50に外力が加わらない通常の取り付け状態では、遊嵌凸部96と遊嵌凹部97との間には若干の隙間が生じて相互間で作用し合うことはないが、ステージ50に外力が加わってステージ50面に歪が生じた状態では、図19(B)に示すように、遊嵌凸部96の上端又は下端が遊嵌凹部97と当接することで(図19(B)中には、遊嵌凸部96の下端が遊嵌凹部97と当接した場合を例示)、それ以上ステージ50面が押し上げられたり又は押し下げられることを回避する。
また、上述したように、回転ユニット60は、回転役物61と、モータ63と、回転役物本体62と、取付基板64と、から構成される。また、回転役物本体62には、取付ユニット81に形成されたボス81bに対応してボス孔62aが形成される。そして、取付ユニット81のボス81bが回転役物本体62のボス孔62aに差し込まれることにより回転ユニット60の位置決めがなされる。このとき、回転役物本体62は回転ユニット60の位置決めをする役割を担うが、回転ユニット60自体は回転役物本体62に取り付けられない。本実施形態では、回転ユニット60の取付基板64に形成された取付孔64aにネジを挿入して遊技盤4の背面に直接螺着することにより回転ユニット60が遊技盤4に固着される(図20及び図21参照)。また、遊技盤4に回転ユニット60が固着されるときには、モータ63のモータ軸63aが遊技盤4の背面に対して略垂直な状態となるように取り付けられる。
なお、リアユニット83を組み立てるには、まず、回転ユニット60の回転役物61を取付ユニット81の開口部から挿入して取付ユニット81の開口部の右上部から前方に突出させ、さらに、取付ユニット81の背面側に形成されたボス81bを回転役物本体62のボス孔62aに差し込む。この状態で、取付ユニット81の背面側から取付ユニット81の取付ボス81cを取付基板86のボス孔86aに差し込むと共に、その一部のボス孔86aに取付基板86の背面側からネジを挿入して取付ユニット81と螺着することによりリアユニット83が組み立てられる。また、背面装飾体82の取付基板86の右上部が削り取られ、取付ユニット81の右上部に回転ユニット60を配置可能としている。つまり、取付基板86の右上部を削り取ることにより回転ユニット60を挿入する空間が形成され、リアユニット83に回転ユニット60を構成部材として備えることが可能となる。
このようにして組み立てられたリアユニット83では、回転ユニット60が取付ユニット81に螺着されていないため、回転ユニット60が外れてしまう虞がある。本実施形態では、取付基板86の削り取られた右上部の背面側に上方に突出形成された滑落防止部材84を備えている。この滑落防止部材84は、リアユニット83を組み立てたときに、回転ユニット60の回転役物本体62の背部に位置し、回転役物本体62と接触することにより回転ユニット60の滑落を防止するものである。なお、回転ユニット60及び取付ユニット81を遊技盤4に螺着したときには、滑落防止部材84と、回転役物本体62と、は接触しない。
遊技盤4の前面側から取り付けられる前面装飾体80は、その前後方向でみると遊技盤4に対向する後半分の部位(連結挿入部)が貫通孔4a内にすっぽり填り込む形状に成形されており、前面装飾体80は、その後半分の部位を貫通孔4a内に嵌め込んだ状態で遊技盤4に取り付けられるものとなっている。前面装飾体80の後半分の部位は、その前後方向でみた厚みがちょうど遊技盤4の厚みとほぼ同じに設定されている。このため前面装飾体80が遊技盤4に取り付けられると、その後半分の部位は遊技盤4の背面に肌合わせされる(いわゆる面一の状態)。
さらに、前面装飾体80には、後半分の部位から後方に向けて突出するボス80bが形成されている(挿入連結部)。ボス80bは前面装飾体80の下部位置に2本形成されており、いずれも貫通孔4aを通じて遊技盤4の前面側から挿入されると、遊技盤4の背面からさらに後方に突出する。このボス80bは、前面装飾体80及びリアユニット83が遊技盤4に対して前後から取り付けられると、貫通孔4aを通じてリアユニット83にまで達し、取付ユニット81のボス孔81aに差し込まれることにより取付ユニット81と相互に位置決めされるものである。このように、本実施形態では、遊技盤4の前面側から取り付けられる前面装飾体80と、遊技盤4の背面側から取り付けられる取付ユニット81と、が相互に位置決めするように構成されるため、遊技盤4への取り付けが容易になる。
一方、前面装飾体80が遊技盤4に取り付けられた状態で、その前半分の部位は遊技盤4の前面側に突出する。この前半分の部位は、その厚みが例えば案内レール11等とほぼ同じに設定されている。このため、前面装飾体80が遊技盤4に取り付けられると、その前半分の部位は遊技領域12内で盤面から手前に突出し、それによって遊技球の流下を誘導・案内する存在となる。
以上のように構成される前面装飾体80と、リアユニット83と、をそれぞれネジで遊技盤4に螺着することによりセンターユニット40が組み立てられる。なお、前面装飾体80の開口部と、取付ユニット81の開口部と、はその大きさが略等しくなるように形成され、前面装飾体80とリアユニット83とが相互に位置決めされてセンターユニット40が組み立てられることにより前面装飾体80の開口部と、取付ユニット81の開口部と、が合致する。なお、上述したように、取付ユニット81の開口部の背面側には、球誘導部材65、ステージユニット50a、上部装飾体87、及び、取付基板86の開口部背面側から取り付けられる表示ユニット85の画像表示装置42、が位置するため、センターユニット40においては、その前面側から球誘導部材65、ステージユニット50a、上部装飾体87、及び、取付基板86の開口部背面側から取り付けられる表示ユニット85の画像表示装置42、が視認可能な状態となっている。
なお、上述したように、ステージユニット50aは、その一部がフラットに形成されて取付ユニット81のフラットな前面と同一面となるように取り付けられ、前面装飾体80の下端部と当接してステージ50を形成している。また、前記上部装飾体87は、画像表示装置42周りの装飾性を高めると共に、不透明な樹脂で形成されてパチンコ機1の背部を視認不可能にする目隠しとしての機能を奏するものである。また、前面装飾体80及びリアユニット83を遊技盤4に取り付けることにより、回転役物61が前面装飾体80の開口部の右上部を突き抜けて遊技盤4の前方に突出し、遊技者から直接的に視認可能な状態となる。即ち、回転役物61は、前面装飾体80に覆い隠されることなく遊技盤4の前面側に露出し、遊技者から直接的に視認可能な状態となっている。
なお、回転ユニット60は、取付基板64に形成された取付孔64aにネジを挿入して遊技盤4の背面に直接螺着することにより遊技盤4に固着される。また、本実施形態では、取付基板64は遊技盤4の背面側から見て上方と左側との二股に分れ、その遊技盤4の背面に接する部分に取付孔64aとしてそれぞれに3つの孔が形成されている。遊技盤4に螺着するときにはそのうち1つの孔を用いて遊技盤4の背面側から見て上方と左側との2箇所をネジで螺着する。回転ユニット60を不具合等により交換する際には、以前に遊技盤4の背面にネジを螺着した孔が形成され、再び回転ユニット60を固着することが困難である。このため、取付孔64aの他の孔を用いてネジで螺着することにより回転ユニット60を遊技盤4に螺着することを可能としている。つまり、取付孔64aは、予備の孔を備えている。
図22は、S−T平面で遊技盤4を切った場合の断面図であり、図23は、図22(B)の拡大図である。
図22(B)に示すように、本実施形態では、ステージ50が遊技盤4の背面からさらに奥行方向(パチンコ機1奥行方向)に所定の幅を有し、このステージ50の奥行方向の端部位置に画像表示装置42が位置している。つまり、遊技盤4からさらに背面側に奥まった位置に画像表示装置42が設けられている。また、回転ユニット60は、遊技盤4に対してモータ軸63aが略垂直となるように取り付けられ、回転役物61が遊技盤4の表面よりも前方に突出して設けられる。また、回転役物61は、センターユニット40の右上部に配置される。
このように回転役物61は、画像表示装置42と所定距離(センターユニット40に設けられたステージ50を挟み込む距離)だけ離れて設置されているため、表示が重なり合う位置が遊技者の視線の位置により異ならせることが出来る。
例えば、どの位置から見ても回転ユニット60の表示と画像表示装置42の表示が重複する表示領域で、特定の位置から遊技者が見た場合にのみ、当落に関係する情報などが視認できるようにするなど、奥行きがあるセンターユニット40において、表示装置同士に間に所定距離があることで行なえる従来に無い演出が可能となると共に、遊技者は、表示を見るために見る位置を変化させるなど、さらなる遊技性を遊技者に提供することが出来る。
また、回転ユニット60は、その一部が取付ユニット81と接する(遊嵌している)が、他の部分は、取付ユニット81及び背面装飾体82と接しない。具体的には、図23に示すように、回転ユニット60の回転役物本体62に形成されたボス孔62aに取付ユニット81に形成されたボス81bが差し込まれることにより取付ユニット81と回転ユニット60とが接した状態ではあるが、他の部分は、図22(B)において上下左右方向及び前後方向にずれた状態で回転ユニット60と接していない。
上述したように、ステージ50に設けられた案内通路58に填り込んだ遊技球は第1始動口72及び第2始動口73に入賞し易くなるため、ステージ50が振動してしまうとステージ50上に設けられた各部材(円形誘導部54、上部レール52、下部レール53、等)に振動が伝播し、案内通路58へ填り込もうとする遊技球の転動に影響を与え、第1始動口72及び第2始動口73への入賞に影響が生じ、遊技者に不利な状態となる虞がある。
本実施形態では、回転ユニット60を直接遊技盤4に螺着し、ステージ50が螺着される背面装飾体82及び背面装飾体82が螺着される取付ユニット81に螺着しないため、回転ユニット60にてモータ63を駆動することにより発生する振動の取付ユニット81、背面装飾体82及び前面装飾体80への伝播を低減できる。ひいては、第1始動口72及び第2始動口73への入賞に影響を与えないように構成することができる。
なお、遊技盤4の背面側から取り付けられる取付ユニット81及び背面装飾体82は、合成樹脂等により形成されて軽いものとなる。このため、取付ユニット81及び背面装飾体82に回転ユニット60を螺着して駆動した場合には、回転ユニット60を駆動することにより発生する振動が伝播し易い。また、背面装飾体82には、ステージ50の一部を構成し、第1始動口72及び第2始動口73への入賞に関わるステージユニット50aが含まれるため、背面装飾体82に振動が伝播することによりステージ50にも振動が伝播し、遊技者に不利となる虞がある。
それに対して、一般に、遊技盤4は板自体が重いことに加えて、上述した主基板グループ及び周辺基板グループの各種基板が設けられると共に画像表示装置42等の各種装置が取り付けられるため重いものとなる。このように、遊技盤4が重いものであるために回転ユニット60を遊技盤4に取り付けて駆動した場合には、回転ユニット60を駆動することにより発生する振動が遊技盤4に伝播し難い。さらには、回転ユニット60によって発生する振動が遊技盤4を経由して取付ユニット81、背面装飾体82、及び、前面装飾体80へ伝播し難い。
また、本実施形態では、回転ユニット60の回転役物本体62に形成されたボス孔62aに取付ユニット81に形成されたボス81bが差し込まれることにより取付ユニット81と回転ユニット60とが接した状態ではあるが、回転ユニット60が遊技盤4に螺着されて振動が抑止されるためボス81bから取付ユニット81に振動が伝播しない。このように、本実施形態では、遊技盤4に直接回転ユニット60を螺着し、取付ユニット81及び背面装飾体82に螺着しないことで取付ユニット81及び背面装飾体82への振動の伝播を低減させることが可能となる。
なお、本実施形態では、回転ユニット60の回転役物本体62に形成されたボス孔62aに取付ユニット81に形成されたボス81bが差し込まれることにより取付ユニット81と回転ユニット60との一部が接するように構成しているが、ボス孔62a及びボス81bを設けないように構成することにより取付ユニット81と回転ユニット60とが接しないように構成してもよい。この場合には、回転ユニット60の位置決めがない状態となるが、遊技盤4の背面に取付孔64aに対応した位置決め用の印(例えば、孔、マーク、等)を設けることにより正常な取付位置に回転ユニット60を取り付けられるように構成してもよい。
また、本実施形態では、回転役物61を棒状の筐体形状で形成し、その内部に複数種類のLED61aを備えたため、回転役物61の重量が嵩み、回転役物61を回転駆動するためにトルクの大きいモータ63を用いている。そのため、回転役物61を回転駆動するときにモータ63による振動が大きくなる。この実施の形態では、回転ユニット60を駆動することにより発生する振動を抑止するために遊技盤4をパチンコ機1に取り付ける方法について工夫している。以下に説明する。図24は、パチンコ機1に遊技盤4を取り付けた状態で前面枠5を取り外した状態の正面図である。また、図25は、遊技盤4の取付機構の拡大図である。
図24に示すように、遊技盤装着枠9の左側部上下に2つ形成された係合突部33と、遊技盤4の盤面(前面)の左側部上下に2つ形成された係止穴34と、により遊技盤4の左側部が係止され、遊技盤装着枠9の右側部上下に2つ形成された係合凹部36と、遊技盤4の盤面の右側部上下に2つ形成された係合フック35と、により遊技盤4の右側部が係合される。
なお、係合フック35は、係合凹部36と係止可能なLOCK位置と、退避するUNLOCK位置と、の2つの位置において遊技盤4と遊技盤装着枠9とを係脱可能に係止する。図25に示すように、係合フック35は、合成樹脂材によって横方向に長尺に形成され、その長手方向の一端部には、遊技盤装着枠9の係合凹部36に係脱可能に係合して遊技盤4を固定する係止部35aが一体に形成されている。また、係合フック35は、上下部に突設された軸部35dを有し、格納凹部39には、軸部35dを挟持するレール(図示しない)が形成され、軸部35dを格納凹部39のレール内でスライドさせることによって係合フック35を図示左右方向への移動を可能とする。しかして、軸部35dを軸として係止部35aがパチンコ機1の手前方向に位置するように係合フック35を回転させることにより格納凹部39内に嵌め込まれる。
さらに、係合フック35の長手方向の係止部35aが設けられていない他端部には、格納凹部39に拘束されている係止フック35の抜け出しを防止する逆止部35eが設けられている。逆止部35eは、格納凹部39に設けられる図示しない逆止突起と係合し、軸部35dを軸として係止部35aがパチンコ機1の奥方向に位置するように回転することが防止されると共に、係合フック35を格納凹部39内に確実に拘束する。なお、逆止部35eを図示右側方向に押圧することで逆止部35eと逆止突起との係合が解除され、係合フック35を移動可能な状態とすることができる。
また、逆止部35eの図示右側方には、係合フック35を進退動作させてLOCK並びにUNLOCK操作するハンドル部35bが一体に形成されている。このハンドル部35bは略四角環状に形成されている。しかして、ハンドル部35bを操作して係合フック35をLOCK位置に移動させることにより係止部35aが遊技盤4の外側に突出して係合凹部36と係止可能な状態となり、ハンドル部35bを操作して係合フック35をUNLOCK位置に移動させることにより係止部35aが遊技盤4の外側に突出することなく退避して係合凹部36と係止不可能な状態となる。
また、本実施例において、遊技盤4に設けられた格納凹部39と係合フック35とは、LOCK位置と、UNLOCK位置との2位置において係合フック35の進退動作が規制される。即ち、係合フック35は、格納凹部39の上下部に位置して遊技盤4に凹設された第1規制凹部39a及び第2規制凹部39bに係合可能に係合フック35の上下部に突設されたピン状の規制凸部35cを備えている。そして、第1規制凹部39aと規制凸部35cとが対応する位置に係合フック35を移動してハンドル部35bを押圧して逆止部35eと逆止突起とを係合させることにより第1規制凹部39aに規制凸部35cが嵌込まれて係合し、係合フック35がLOCK位置に拘束されて図示左右方向への移動が規制される。一方、第2規制凹部39bと規制凸部35cとが対応する位置に係合フック35を移動してハンドル部35bを押圧して逆止部35eと逆止突起とを係合させることにより第2規制凹部39bに規制凸部35cが嵌め込まれて係合し、係合フック35がUNLOCK位置に拘束されて図示左右方向への移動が規制される。
なお、係合フック35のハンドル部35bを押圧して軸部35dを軸として係止部35aがパチンコ機1の手前方向に位置するように係合フック35を回転させることにより係合凹部36に挿入した係止部35aは、係合凹部36を図示手前方向に押圧する。これにより遊技盤4が遊技盤装着枠9内にパチンコ機1の奥方向に押圧されて遊技盤装着枠9にかっちりと固定される。即ち、遊技盤4の左側部に形成された係止穴34を遊技盤装着枠9の左側部に形成された係合突部33に当接させた後、遊技盤4の左側部を回転軸として回転させて遊技盤4を遊技盤装着枠9に嵌め込むことで係止穴34と係合突部33とを係合すると共に、遊技盤4の右側部に形成される係合フック35を操作して規制凸部35cが第2規制凹部39bに嵌め込まれて係合することで係合フック35がUNLOCK位置に拘束された状態から、規制凸部35cが第1規制凹部39aに嵌め込まれて係合することで係合フック35がLOCK位置に拘束された状態に移動し、係止部35aが遊技盤4の外側に突出して遊技盤装着枠9に形成された係合凹部36と係止すると共に遊技盤4をパチンコ機1の奥方向に押圧することにより遊技盤4が遊技盤装着枠9に固定されて係止される。
さらに、遊技盤4の左下部には、係止フック38が形成され、遊技盤装着枠9の左下部には係止フック38と対応する付勢ロック部37が設けられている。遊技盤4を遊技盤装着枠9に装着した場合には付勢ロック部37が係止フック38を下方に付勢して係止する。なお、付勢ロック部37によって係止フック38を下方に付勢することにより遊技盤4に下方への付勢力を作用しつつ係止することができる。これにより遊技盤4が遊技盤装着枠9の下縁部と密着して下方に押圧固定される。
このように、本実施形態では、遊技盤4の左側部を係合突部33と係止穴34とにより係合すると共に、係合凹部36に係止部35aが挿入されて係止すると共に遊技盤4をパチンコ機1の奥方向に押圧することにより遊技盤4が遊技盤装着枠9にかっちりと固定されて係止される。なお、本実施形態では、係止フック38と付勢ロック部37とにより遊技盤4を下方に押圧固定することによりさらにかっちりと遊技盤4を遊技盤装着枠9に固定することができる。また、遊技盤装着枠9は、本体枠3に一体形成されるため、遊技盤装着枠9に遊技盤4が固定されるということは、遊技盤4がパチンコ機1に固定されるということを意味する。また、パチンコ機1は、遊技場に設置される際、複数の遊技機が配列する遊技島に外枠2が釘付け等により装着されて、パチンコ機1が振動しないようにしている。即ち、遊技盤4、遊技盤4とパチンコ機1、遊技盤4とパチンコ機1と遊技島、のいずれかによって構成される伝播抑制手段により回転役物61のモータ63により発生する振動の伝播が抑制され、遊技盤4を確実に固定して振動の発生を抑止でき、遊技盤4表面を流下する遊技球の転動に影響を与えない。
さらに、本実施形態では、回転役物61が遊技領域12の右上側に位置するように取り付けられ、その近傍に係合フック35が位置し、上述したように係合フック35と係合凹部36とにより遊技盤4がかっちりと固定される。このため、近傍に位置する固定部材としての係合フック35及び係合凹部36によりモータ63により発生する振動が抑制されると共に、モータ63により発生する振動の伝播が抑制される。なお、固定部材として係止フック及び付勢ロック部37の近傍に回転役物61を位置するように取り付けることによりモータ63により発生する振動を抑制すると共に、モータ63により発生する振動の伝播を抑制するように構成してもよい。一方、遊技領域12の左側方に回転役物61が位置するように取り付けられた場合には、近傍に固定部材としての係合フック35及び係合凹部36が位置しないため、モータ63により発生する振動を抑制する効果が薄くなり、モータ63により発生する振動の伝播を抑制されない。即ち、係合フック35及び係合凹部36では遊びがないように係合するが、係合突部33及び係止穴34では若干の遊びを有するように係止されるため、振動の伝播を抑制する効果が薄い。
また、このようにパチンコ機1に固定された遊技盤4に回転役物61を直接螺着した場合には、遊技盤4に回転ユニット60からの振動が伝播し難く、回転役物61を回転させた場合に発生する振動が抑止されて遊技領域12を流下する遊技球の転動に影響しない。さらに、振動が抑止されることにより遊技盤4からステージ50への振動の伝播が低減され、ステージ50上の遊技球の転動に影響を与えない。ひいては、第1始動口72及び第2始動口73への入賞に影響を与えない。また、回転ユニット60の振動が抑止されることにより取付ユニット81と回転ユニット60とが接する部分から取付ユニット81に振動が伝播することが防止される。
ところで、本実施形態に係る遊技領域12は、従来の一般的な遊技領域の大きさに比べて大きく設定されている。具体的に、従来の一般的な遊技領域では、最大横幅寸法がほぼ394mmに設定され、高さ寸法が396mmに設定される。これに対して、本実施形態に係る遊技領域12は、図26に示すように、最大横幅寸法W1がほぼ431mmに設定され、高さ寸法H1が417mmに設定されている。このため、横幅寸法W2が196mm、高さ寸法H2が119mmの大きめの表示画面を有する画像表示装置42を遊技領域12のほぼ中央に配置すると共に、画像表示装置42の右上部分に長さ寸法Lが116mmの回転役物61を配置した本実施形態の構成においても、センター役物(センターユニット40)の左右側方における球通過領域の横幅寸法W3としてほぼ60mmの領域を確保することができる。即ち、遊技領域12内に大きめのセンター役物を配置した本実施形態の構成においても、センター役物の左右側方の球通過領域を充分にとることができ、遊技領域12内での遊技球の球流れに対して支障を来たすことがない。
また、本実施形態の構成によれば、分岐通路67は、装飾部材(前面装飾体80及び背面装飾体82)の側部に配置される。このため、装飾部材の側部の横幅を大きくとることなく(画像表示装置42を大きめの表示画面を有する構成とした場合でも、分岐通路67を備えたセンター役物自体を極端に大型化することなく)、分岐通路67内での遊技球の誘導距離を長くとることができ、ひいては球流れに対する興趣を向上することができる。また、センター役物(画像表示装置42及び装飾部材)は、遊技領域12のほぼ中央位置に配置される。このため、センター役物の左右側方における遊技領域12、即ちセンター役物の左右側方の球通過領域を充分にとることができ、遊技領域12内での遊技球の球流れに対して支障を来たすことがない。
以上のように、本実施形態の構成によれば、分岐通路67とステージ50とが一体的に組み付けられて遊技盤4の貫通孔4aに背面側から取り付けられる背面装飾体82と、遊技盤4の前面に取り付けられることで貫通孔4aに臨設される背面装飾体82の前端部分を装飾する前面装飾体80と、を備え、背面装飾体82は、ステージ50が形成されたステージユニット50aと、背面装飾体82を遊技盤4の背面側に取り付けるためのボス孔86aが形成された取付基板86と、を含み、ステージユニット50aは、ステージ50以外の部分で取付基体86と組み付けられる。これにより、ステージ50に歪みが生じることを回避でき、結果として、ステージ50上で設計と違う偏った方向に遊技球を誘導することを回避できる。
また、本実施形態の構成によれば、取付基板86は、開口部を有する筐体形状に形成されると共に、該筐体底面部分にステージユニット50aが組み付けられ、ボス孔86aは、開口部の外周に形成された鍔状フランジ部86bに形成される。これにより、背面装飾体82を遊技盤4の背面側に取り付ける際にボス孔86aに外力(ネジ止め等の締付力)がかかっても、取付基板86の鍔状フランジ部86b乃至筐体側面部分で外力を吸収することができるので(鍔状フランジ部86b乃至筐体側面部分にのみ歪が生じる)、ステージ50に歪みが生じることを確実に回避できる。
また、取付ユニット81を備えることで、取付ユニット81を介して遊技盤4の背面側に背面装飾体82を取り付ける構成とすることができ、取り付けに伴うステージ50の歪みをより一層回避することができる。また、ステージ50の前端部分には、遊嵌凸部96が設けられ、取付ユニット81には、遊嵌凸部96を遊嵌する遊嵌凹部97が設けられる。これにより、ステージ50に外力が加わった場合(例えば、組み付け時にステージ50を押さえ込む等)でも、ステージ50に生じる歪を最小限に押さえ込むことができ、ステージ50の破損を防止することができる。
なお、実施形態中では、本発明に係る球視認部として通路外側壁を透明な材料によって形成することで構成しているが、これに限らず、通路外側壁に穿設された開口部を球視認部としてもよい。また、本発明に係る誘導面部をなめらかな曲面から構成しているが、これに限らず、直線的に延びる平坦面から構成してもよい。
また、一般的に、始動入賞(第1始動口72及び第2始動口73への遊技球の入賞)の頻度(始動入賞率)を遊技場側で抑えるような場合には、ワープ通路(本実施形態では、球誘導部材65)での遊技球の誘導を抑えること、言い換えればワープ入口(本実施形態では、揺動通路部材43)に遊技球が入り難くなるように釘調整することで、始動入賞の頻度を抑えるようになっているが、このような釘調整を行った場合、球転動面上を転動する遊技球は、殆どが障害釘との衝突によって遊技領域から球転動面上に跳ね上がった遊技球になってしまう。ところが、従来の一般的な球転動面は、連続的なひとつながりの段差状に形成されていた。このため、遊技領域から跳ね上がった遊技球は、遊技領域に隣接する最下段の球転動面でしか転動されず、球転動面上に載っても直ぐに遊技領域に排出されてしまい、球転動面上に遊技球が存在する期間が短くなっていた。これに対して、本実施形態の構成によれば、上下二段に重畳して球転動面を構成することで、下段球転動面としてのステージ50(ステージユニット50a)の奥行き幅を広くとることができ、球転動面上に遊技球が存在する期間を長くすることができ、ひいては球転動面上での遊技球の球流れに対する興趣を低下することがない。
また、始動入賞の頻度(始動入賞率)を遊技場側で抑えるような場合に、ワープ通路(本実施形態では、球誘導部材65)での遊技球の勢いを抑えることでステージ50上での遊技球の転動幅を狭くし、案内通路58に遊技球を填り込ませないようにすることで始動入賞の頻度を抑える場合があるが、本実施形態では、ステージ50上に設けられた円形誘導部54における遊技球の転動幅は、上部レール52及び下部レール53それぞれによって付される勢いに起因し、前面装飾体の左上部に設けられた揺動通路部材43における遊技球の初速が遅い場合であってもその影響を受けて移動幅が狭くならないため、始動入賞への期待感を低下させず、ひいては球転動面上での遊技球の球流れに対する興趣を低下させない。
なお、本発明に係る球排出通路の構成としては、実施形態中に記載の案内通路58に限定するものではない。以下、球排出通路の変形例について説明する。但し、その他の構成は、上記した実施形態と共通の構成であるので、その説明は便宜的に省略するものである。変形例の球排出通路は、円形誘導部54の前端部分(遊技領域12側)に、壁部a54及び溝部54bと連通して延設される誘導通路(図示しない)の構成であり、当該誘導通路の前端部(下流端部)が遊技球を遊技領域12に排出する球排出部となる。そして、円形誘導部54上での球流れによって遊技球が球通路に流れ込むと、ステージ50の上方位置から直接的に遊技球が遊技領域12に排出される。このため、障害釘との衝突によって遊技球がステージ50上に跳ね上がるような場合でも、円形誘導部54から球排出通路を通って遊技領域12に排出される遊技球は、ステージ50上に跳ね上がった遊技球と衝突することがないので、球排出通路から排出される遊技球の排出方向は変わることがなく、ひいては球転動面からの遊技球の排出(円形誘導部54を経た球排出通路からの排出)に対する遊技者の期待感を損なわせることがない。
また、本実施形態では、円形誘導部54に壁部54aと溝部54bとを備え、壁部54aを遊技球の略全体が視認可能となるように突設したが、これに限らず、円形誘導部54の表面から遊技球の略全体が視認可能となるような溝を形成し、該溝に沿って遊技球を転動するように構成してもよい。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主基板101で実行される種々の制御処理について図27乃至図37を参照して説明する。図27は、主基板101に搭載されるCPU102が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。図28は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図29は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図30は、主基板101で更新される乱数を示す一覧表図である。図31は、遊技処理の一例を示すフローチャートである。図32は、変動開始処理を示すフローチャートである。図33は、大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。図34は、変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図35は、変動表示パターンテーブルの一例を示す一覧表図である。図36は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。図37は、大当り開始コマンドと大当り確率及び大当りの継続率との関係を示す一覧表図である。なお、タイマ割込処理は、主基板101に搭載されるCPU102により所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。
図27に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、CPU102は、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、RAM104に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM104に記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM104をクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定:割込タイミングの設定等)を行う。なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM104に現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM104に記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAM消去スイッチがオンであれば、RAM104をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理にて主基板101に搭載されるRAM104にバックアップデータが保存されていない場合には、RAM104をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときにサブ統合基板111に主基板101が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主基板101が起動したことをサブ統合基板111に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM104にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理が終了すると、CPU102は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU102は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成する。即ち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主基板101に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主基板101に搭載されるCPU102により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧が(この実施の形態では、24V)復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM104にバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、即ち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
図28は、電源断発生時処理(ステップS4)の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理は、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。CPU102は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAM104のチェックサムを算出し、RAM104の所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM104の内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
次いで、CPU102は、RAM104の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、CPU102は、RAM104へのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることによって、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU102には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、図28の無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU102が起動することになる。
図29は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、この実施の形態では、メイン処理の実行中に主基板101に搭載されるCPU102により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU102は、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS19の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ74a、始動口スイッチ70a,70b、カウントスイッチ75a、一般入賞スイッチ13a等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出基板105に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを設定する。ステップS13の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS14の遊技処理では、遊技の進行状態に応じてパチンコ機1を制御する処理が実行される。ステップS15の普通図柄遊技では、普通図柄表示器44に関わる制御処理を実行する。ステップS16の普通電動役物遊技では、可動片71を開閉制御するための処理を実行する。ステップS17の特別図柄遊技では、遊技処理(ステップS14)の処理の結果に基づいて特別図柄表示器41を変動表示する制御を実行する。ステップS18の特別電動役物遊技では、ソレノイド76aを可動制御して前面扉76の開閉制御を実行する。ステップS19のコマンド伝送出力処理では、遊技処理(ステップS14)でセットされた演出コマンドをサブ統合基板111に送信する処理を実行する。また、コマンド伝送出力処理(ステップS19)では、パチンコ機1への電力供給が開始されたときに電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドをサブ統合基板111に送信する処理も行われる。さらに、コマンド伝送出力処理(ステップS19)では、始動口スイッチ70a,70bで検出される、第一始動口72または第二始動口73への入賞状態をサブ統合基板111に送信する処理も行われる。ステップS20のI/Oポート出力処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理(信号出力手段)、特図始動記憶ランプ47に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS11からステップS20の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS21)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS13)および乱数更新処理2(ステップS3)で主基板101に搭載されるCPU102により更新される各種乱数について図30を参照して説明する。図30に示すように、この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定)に用いられる大当り判定乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに確変大当りとするか否かの判定(確変判定)に用いられる確変判定乱数、大当り判定にて大当り遊技状態を発生させないと判定されたときにリーチ態様を伴うはずれとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器41に表示されている特別図柄の変動表示パターンを決定するために用いられる変動表示パターン乱数、可変入賞装置70の可動片71を開放状態に制御するか否かの判定(普通図柄当り判定)に用いられる普通図柄当り判定乱数、等がある。なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動表示パターンを決定するとともに、画像表示装置42にて表示制御される装飾図柄の変動表示パターンを決定するようにしてもよい。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定乱数、確変判定乱数、および可変入賞装置70の可動片71を開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定乱数の更新を行う。即ち、大当り遊技状態の発生および可変入賞装置70の可動片71を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、可変入賞装置70の可動片71を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者不利な状態となることを防止できる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生および普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定乱数および変動表示パターン乱数の更新を行う。なお、主基板101で更新される乱数は、上記したものに限られず、乱数更新処理2では、大当り判定乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる大当り判定乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
図31は、遊技処理(ステップS14)の一例を示すフローチャートである。遊技制御処理において、CPU102は、まず、第1始動口72および第2始動口73に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS30)。具体的には、始動口スイッチ70a,70bから検出信号が出力されたか否かを判別し、始動口スイッチ70a,70bから検出信号が出力された場合には第1始動口72または第2始動口73に遊技球が入賞した(ステップS30にてYES)と判別し、始動口スイッチ70a,70bからの検出信号が出力されていなければ第1始動口72および第2始動口73に遊技球が入賞していない(ステップS30にてNO)と判別する。ステップS30にて第1始動口72または第2始動口73に遊技球が入賞したと判別したときには、各種乱数(大当り判定乱数、確変判定乱数、等)を取得し、RAM104に設けられている保留球数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS31)。そして、ステップS31で保留球数カウンタが4未満であれば、始動記憶格納処理を行う(ステップS32)。なお、ステップS30で始動口スイッチ70a,70bがオンしていない場合、およびステップS31で保留球数カウンタの値が4である場合、には、始動記憶格納処理を実行しない。その後、CPU102は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS40〜ステップS44のうちいずれかの処理を行う。
始動記憶格納処理では、保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、保留球数カウンタの加算に伴って特図始動記憶ランプ47の点灯表示態様(点灯表示させるランプの個数)を変更する処理と、取得した乱数値(この実施の形態では、大当り判定乱数、確変判定乱数)をRAM104に設けられた始動記憶の保存領域に保留球数カウンタのカウント値に対応させて記憶する処理と、を行う。このように、保留球数カウンタは、始動記憶の保存領域に記憶される乱数値の数を示すカウンタである。また、ステップS31において保留球数カウンタの値が上限値である場合にはステップS30で取得した乱数値を破棄する。なお、ステップS30で第1始動口72または第2始動口73に遊技球が入賞したと判別したときには、ステップS30〜ステップS32の間で各種乱数を取得すればよく、例えば、ステップS30で各種乱数を取得せずに、ステップS31で保留球数カウンタが上限値未満であることを判別した後に、各種乱数を取得してもよいし、始動記憶格納処理(ステップS32)で取得するようにしてもよい。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS40)では、始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する。処理選択フラグが「1」のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS41:図柄変動態様決定手段)では、特別図柄および装飾図柄の変動表示に関わる設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットする。処理選択フラグが「2」のときに実行される変動中処理(ステップS42)では、変動表示パターン設定処理(ステップS41)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて特別図柄表示器41における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。このとき、変動開始処理(ステップS40)にて大当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、大当り遊技状態とする判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
また、処理選択フラグが「3」のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS43)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には、大入賞口装置75の開放回数等の設定を行う。処理選択フラグが「4」のときに実行される大当り遊技中処理(ステップS44)では、カウントスイッチ75aによって検出された遊技球の個数を判別し、所定個数(この実施の形態では、9個)の遊技球が大入賞口に入賞したとき、または、所定期間(この実施の形態では、30秒)が経過したとき大入賞口装置75を閉塞状態にするための処理を行う。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数(この実施の形態では、15回)に達していなければ、再び、大入賞口装置75を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達したときには、処理選択フラグを「0」に更新する。
図32は、変動開始処理(ステップS40)の一例を示すフローチャートである。変動開始処理において、CPU102は、保留球数カウンタの値が0であるか否か判別する(ステップS401)。上述したように、保留球数カウンタの値は、始動記憶の保存領域に格納される乱数値の数を示すものであるため、ステップS401で保留球数カウンタの値が0であれば、始動記憶がないと判別されて処理を終了する。
一方、ステップS401で保留球数カウンタの値が0でなければ、始動記憶移行処理を実行する(ステップS402)。始動記憶移行処理では、保留球数カウンタを1減算する処理と、RAM104に設けられた始動記憶の保存領域に記憶される各種乱数をシフトした後、始動記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される各種乱数(大当り判定乱数等)を読み出す処理と、を行う。具体的には、始動記憶の保存領域にて保留球数カウンタのn(n=1、2、3、4)に対応する保存領域に記憶されている各種乱数を始動記憶の保存領域における保留球数カウンタのn−1(n=0、1、2、3)に対応する保存領域に記憶させる。
次いで、ステップS402で保留記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した大当り判定乱数を用いて大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する大当り判定処理を行った後(ステップS403:当落判定手段)、処理選択フラグを「1」に更新する(ステップS404)。処理選択フラグを「1」に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(ステップS14)が実行されたときに変動表示パターン設定処理(ステップS41)が実行可能となる。
図33は、大当り判定処理(ステップS403)の一例を示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU102は、後述するステップS57でセットされる確変状態フラグがON状態であるか(セットされているか)否かを判別する(ステップS51)。確変状態フラグがON状態であれば、確変時大当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS52:高確率状態制御手段)、確変状態フラグがON状態でなければ(OFF状態であれば)、通常時大当り判定テーブル(図示しない)を選択する(ステップS53:通常状態制御手段)。なお、一例を挙げると、確変時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定乱数と一致することにより大当り遊技状態を発生させることが決定される大当り判定値が14個設定され、大当りとなる確率である大当り確率が1/70となっている。一方、通常時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定値が2個設定され、大当り確率が1/495となっている。なお、詳細は後述するが、本実施形態では、通常時に大当りとなる確率は、機種毎に異なっており、例えば、「1/495」、「1/393」、及び「1/270」、のいずれかに設定されている。
そして、ステップS52,S53で選択した確変時大当り判定テーブル、または、通常時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値と、が一致するか否かによって、大当り遊技状態を発生させるか否か判定する(ステップS54)。ステップS52,S53で選択した確変時大当り判定テーブル、または、通常時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される大当り判定乱数の値)と、が一致することに基づいて大当り遊技状態を発生させると判定したときには、大当りフラグをON状態(セット)とした後に(ステップS55)、所定の判定値が設定された確変判定テーブル(図示しない)に基づいて確変大当りとするか否かを判定する(ステップS56:高確率状態判定手段)。具体的には、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した確変判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される確変判定乱数の値)と、確変判定テーブルに設定されている判定値と、が一致するか否かに基づいて確変大当りとするか否か判定する。なお、本実施形態では、確変突入率(大当りのうち確変大当りとする割合)が2/3となるように、即ち、0〜8までの9個の確変判定乱数のうち確変大当りとすることに決定される6個の判定値が確変判定テーブルに設定されている。
ステップS56で、確変判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した確変判定乱数の値と、が一致したことに基づいて確変大当りと判定されたときには、確変状態フラグをON状態(セット)とする(ステップS57)。一方、ステップS54で大当りとしない(はずれとする)と判定されたとき、および、ステップS56で確変大当りとしない(非確変大当りとする)と判定されたとき、には、以下の処理を実行することなく処理を終了する。なお、大当りフラグおよび確変状態フラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM104に記憶される。また、大当りフラグおよび確変状態フラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、大当りフラグおよび確変状態フラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
なお、確変状態フラグは、大当り遊技状態終了後に確率変動状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技中処理(ステップS44)にて大当り遊技状態を終了するときに確変状態フラグがセットされていれば、確変状態フラグをリセットし、確変状態を示す確変フラグをセットする処理が実行される。確変フラグがセットされた状態では、上述した確率変動状態に制御され、例えば、上述したステップS52の確変時大当り判定テーブルが選択されて確率変動状態以外の状態(通常状態、時短状態)よりも大当り遊技状態を発生させると判定される確率が高まる。また、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて確変フラグがセットされている場合には、確変フラグをリセットする処理が実行される。
図34は、変動表示パターン設定処理(ステップS41)の一例を示すフローチャートである。変動表示パターン設定処理において、CPU102は、今回の変動表示の結果、大当りとするか否か、即ち、大当りフラグがセットされているか否かを判別する(ステップS410)。大当りフラグがセットされていれば(ON状態であれば:リーチ状態成立手段)、大当り図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定された大当り時変動表示パターンテーブル(図35参照)を選択する(ステップS411)。一方、大当りフラグがセットされていなければ(OFF状態であれば)、リーチ判定乱数を取得し、RAM104の所定の保存領域に記憶するとともに、所定の判定値が設定されたリーチ判定テーブルに設定されている判定値と、取得したリーチ判定乱数の値と、が一致するか否かによって、リーチとするか否かを判定する(ステップS412)。なお、リーチ判定テーブルでは、リーチ確率(リーチ態様とする割合)が1/12.5となるように、即ち、0〜24までの25個のリーチ判定乱数のうち2個の判定値がリーチ判定テーブルに設定されている。
ステップS412でリーチ態様とすると判定されたときには(リーチ状態成立手段)、リーチ態様を伴うはずれ図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定されたリーチ時変動表示パターンテーブル(図35参照)を選択し(ステップS413)、ステップS412でリーチ態様としないと判定されたときには、リーチ態様を伴わないはずれ図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定されたはずれ時変動表示パターンテーブル(図35参照)を選択する(ステップS414)。そして、変動表示パターン乱数を取得し、RAM104の所定の保存領域に記憶するとともに、ステップS411,S413,S414で選択された大当り時変動表示パターンテーブル、リーチ時変動表示パターンテーブル、または、はずれ時変動表示パターンテーブルのいずれか1つの変動表示パターンテーブルに設定されている判定値と、取得した変動表示パターン乱数の値と、が一致する変動表示パターンに決定する(ステップS415)。
次いで、ステップS415で決定した変動表示パターンを指定する演出コマンドとして変動表示パターンコマンドをセットし(ステップS416)、当該変動表示パターンに応じた変動時間を主基板101に搭載されるRAM104に設けられたタイマ(この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS417)。ステップS417では、ステップS415で決定した変動表示パターンに設定されている変動時間を有効期間タイマにセットする。なお、ステップS416でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。また、変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理でサブ統合基板111に送信するときには、特別図柄遊技にて特別図柄表示器41に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる。
ここで、図35を参照して変動表示パターンについて説明する。図35は、変動表示パターンの一例を示す一覧表図である。この実施の形態では、変動番号1から変動番号20までの複数種類の変動表示パターンが設けられている。なお、変動番号1の通常変動とは、リーチ態様を伴わないはずれとなる場合に用いられる変動表示パターンである。また、変動番号2〜変動番号20の各変動表示パターンは、リーチ態様を伴う変動表示パターンであり、当落の結果に応じて大当りとなる場合と、はずれとなる場合と、がある。
しかして、上述したはずれ時変動表示パターンテーブルには、変動番号1の通常変動に全ての判定値が割り振られている。また、上述したリーチ時変動表示パターンテーブルには、変動番号2〜変動番号20の各変動表示パターンのうち当落の結果がはずれとなる変動表示パターンが設定され、上述した大当り時変動表示パターンテーブルには、変動番号2〜変動番号20の各変動表示パターンのうち当落の結果が大当りとなる変動表示パターンが設定され、各変動表示パターンに判定値が振り分けられている。
変動番号2〜変動番号20の各変動表示パターンは、画像表示装置42での演出態様(リーチ態様)に応じて複数種類に分類される。具体的に、変動番号2,3の各変動表示パターンは、「ノーマルリーチ」の演出態様であり、変動番号4,5の各変動表示パターンは、「ジェットコースターリーチ」の演出態様であり、変動番号6,7の各変動表示パターンは、「ピレネーリーチ」の演出態様であり、変動番号8,9の各変動表示パターンは、「バイキングリーチ」の演出態様であり、変動番号10,11の各変動表示パターンは、「コーヒーカップリーチ」の演出態様であり、変動番号12,13の各変動表示パターンは、「観覧車リーチ」の演出態様であり、変動番号14,15の各変動表示パターンは、「花火リーチ」の演出態様であり、変動番号16〜20の各変動表示パターンは、「お化け屋敷リーチ」の演出態様である。
また、上記した複数種類のリーチ態様のうち「花火リーチ」及び「お化け屋敷リーチ」は、それぞれ大当り信頼度が高く設定されたスーパーリーチとなっている。即ち、リーチ時における「花火リーチ」の変動表示パターンとなる変動番号14に対する判定値の振分数「2」と、大当り時における「花火リーチ」の変動表示パターンとなる変動番号15に対する判定値の振分数「120」とから、「花火リーチ」の大当り信頼度は、ほぼ60.3%となる。また、リーチ時における「お化け屋敷リーチ」の変動表示パターンとなる変動番号16に対する判定値の振分数「2」と、大当り時における「お化け屋敷リーチ」の変動表示パターンとなる変動番号17〜20に対する判定値の振分総数「140」とから、「お化け屋敷リーチ」の大当り信頼度は、ほぼ63.9%となる。但し、ここに記載した大当り信頼度は、リーチ確率を「1/12.5」に設定すると共に大当り確率を「1/495」に設定した場合を例示している。
この実施の形態の変動表示パターンコマンドは、2バイト構成のデータであり、各変動表示パターンコマンドには、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの変動時間やリーチ演出を特定するためのデータが含まれる。また、変動表示パターンコマンドの1バイト目のデータは、当該演出コマンドが変動表示パターンコマンドであることを示すデータを含み、変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータは、前記変動時間およびリーチ演出を特定するためのデータ等を含む。
主基板101に搭載されるCPU102は、変動表示パターンコマンドを決定したときに1バイト目のデータを「10H」の状態でセットし、ステップS415で決定した変動表示パターンに応じたデータを変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータとしてセットする。しかして、CPU102によりこの変動表示パターンコマンドをサブ統合基板111に送信することによって、ステップS415で決定した変動表示パターンに応じた変動時間およびリーチ演出等を特定する情報をサブ統合基板111に通知する。
なお、この実施の形態では、1つの変動表示パターンには、異なる2つの変動時間が設定されている。上述したように、変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータには、当該変動表示パターンの変動時間(通常の変動時間)を指定するデータが含まれる。この実施の形態では、変動表示パターンコマンドの1バイト目のデータを「10H」から「11H」に変更してセットすることにより、当該変動表示パターンの変動時間(通常の変動時間)を所定期間(例えば、5秒)減算した時間(短縮変動時間)に変更することを示す。即ち、通常の変動時間とする場合には、ステップS415で決定した変動表示パターンコマンド(1バイト目のデータが「10H」の変動表示パターンコマンド)をサブ統合基板111に送信し、短縮変動時間とする場合には、ステップS415で決定した変動表示パターンコマンド(1バイト目のデータが「10H」の変動表示パターンコマンド)の1バイト目のデータを「11H」に変更した後、サブ統合基板111に送信する。
サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、受信した演出コマンドの1バイト目のデータが「10H」または「11H」であるときに変動表示パターンコマンドを受信したと判断する。しかして、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、受信した変動表示パターンコマンドの1バイト目のデータが「10H」であるときには、2バイト目のデータに応じた変動時間に対応するデータ(例えば、後述する表示コマンド等)をセットする一方、受信した変動表示パターンコマンドの1バイト目のデータが「11H」であるときには、2バイト目のデータに応じた変動時間を所定期間減算した時間に対応するデータをセットする。
このように、この実施の形態では、通常の変動時間とする場合には、変動表示パターンコマンドの1バイト目を「10H」とし、短縮変動時間とする場合には、変動表示パターンコマンドの1バイト目を「11H」とする。サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、受信した変動表示パターンコマンドの1バイト目のデータにより通常の変動時間であるか、短縮変動時間であるか、を判別するとともに2バイト目のデータに基づく変動表示パターンの全体の変動表示時間を把握して、変動表示を開始させるための処理を行う。
具体的には、通常の変動時間(変動表示パターンの1バイト目が「10H」の場合)として通常変動時間が各々に設定される変動表示パターンの1バイト目のデータを「11H」に書き換えることにより2バイト目のデータによって示される変動表示パターンを短縮変動時間で実行することを統合CPU112に通知する。このように、この実施の形態では、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112は、変動表示パターンコマンドの1バイト目のデータに基づいて2バイト目のデータに基づく変動表示パターンの変動時間(通常変動時間と短縮変動時間とのいずれであるか)を特定する。
また、この実施の形態では、通常状態にて参照する各変動表示パターンテーブル(大当り時変動表示パターンテーブル、リーチ時変動表示パターンテーブル、はずれ時変動表示パターンテーブル)と、時短状態および確率変動状態にて参照する各変動表示パターンテーブルと、を同一の変動表示パターンテーブルで構成している。また、変動表示パターンテーブルに基づいて決定した変動表示パターンに応じた変動表示パターンコマンドとしてステップS416では、まず1バイト目のデータとして「10H」がセットされ、2バイト目のデータとして当該変動表示パターンに応じたデータがセットされる。即ち、ステップS416では、まず通常状態に応じた変動表示パターンコマンドがセットされる。その後、現在の遊技状態、即ち、現在の遊技状態が通常状態であるか、または、現在の遊技状態が確率変動状態および時短状態であるかを判別し、現在の遊技状態が確率変動状態または時短状態であれば、変動表示パターンコマンドの1バイト目を「11H」に書き換える処理を行う。
そして、ステップS417で変動表示パターンに応じた変動時間を有効期間タイマにセットするときに変動表示パターンコマンドの1バイト目のデータを参照し、「10H」であれば、通常の変動時間を有効期間タイマにセットし、「11H」であれば、短縮変動時間を有効期間タイマにセットする。このようにすることにより、各遊技状態に応じて変動表示パターンテーブルを複数種類用意する必要がないため、主基板101に搭載されるROM103のデータ量を削減できる。なお、ステップS417で変動時間を有効期間タイマにセットするときに、現在の遊技状態を判別して有効期間タイマにセットする変動時間を把握するようにしてもよい。即ち、ステップS417で現在の遊技状態が通常状態であれば、通常の変動時間を有効期間タイマにセットし、現在の遊技状態が確率変動状態または時短状態であれば、短縮変動時間を有効期間タイマにセットするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、ステップS416で変動表示パターンコマンドをセットした後、遊技状態に応じて変動表示パターンコマンドの1バイト目を書き換える処理を行うが、変動表示パターンテーブルに基づいて変動表示パターンを決定した後、現在の遊技状態に応じて1バイト目のデータとして「10H」または「11H」を1バイト目のデータとして選択し、決定した変動表示パターンの2バイト目のデータと組み合わせた2バイトの変動表示パターンコマンドをセットするようにしてもよい。また、変動表示パターンコマンドをサブ統合基板111に送信する以前に変動表示パターンコマンドの1バイト目を書き換えるようにすればよく、例えば、コマンド伝送出力処理(ステップS19)にて変動表示パターンコマンドをサブ統合基板111に送信するときに遊技状態を判別し、遊技状態が時短状態または確率変動状態であれば変動表示パターンコマンドの1バイト目を「11H」に書き換えるようにしてもよい。
また、通常状態において始動記憶数に応じて(例えば、始動記憶数が所定個数(例えば、3個)以上であるとき)短縮変動時間とする(変動表示パターンコマンドの1バイト目のデータを「10H」から「11H」に書き換える)ようにしてもよいし、時短状態および確率変動状態にて始動記憶数に応じて(例えば、始動記憶数が所定個数(例えば、1個)以下であるとき)通常変動時間とする(変動表示パターンコマンドの1バイト目のデータを「11H」に書き換えることなく「10H」とする)ようにしてもよい。
また、ステップS417では、ステップS416でセットした変動表示パターンコマンドを確認し、1バイト目が「10H」であれば、2バイト目によって示される変動表示パターンに設定される変動時間のうち通常変動時間を有効期間タイマにセットし、1バイト目が「11H」であれば、2バイト目によって示される変動表示パターンに設定される変動時間のうち短縮変動時間を有効期間タイマにセットする。
次いで、CPU102は、確変状態フラグがセットされているか否か確認し(ステップS418)、確変状態フラグがセットされているときには、確変大当りであることを示す演出コマンドとして確変大当りコマンドをセットする(ステップS419)。そして、処理選択フラグを「2」に更新する(ステップS420)。なお、ステップS419にてセットされた確変大当りコマンドは、変動表示パターンコマンドとともにコマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板111に送信される。これによりサブ統合基板111に搭載される統合CPU112に今回の変動表示の結果、確変大当りとなることを認識させることが可能となる。
なお、上述した特別図柄の変動時間(通常変動時間および短縮変動時間)は、サブ統合基板111に送信される変動表示パターンコマンドによって指定される装飾図柄の変動時間とほぼ一致して設定されており、ステップS415では特別図柄の変動時間に応じた装飾図柄の変動時間を有する変動表示パターンに決定される。即ち、特別図柄の変動時間と装飾図柄の変動時間とは、完全に一致していなくてもよい。また、ステップS417で変動時間がセットされた有効期間タイマは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)で変動表示パターンコマンドをサブ統合基板111に送信するときにスタートし、変動中処理(ステップS42)で有効期間タイマがタイムアウトしたときに特別図柄表示器41に駆動信号を出力して特別図柄の変動表示をCPU102により停止制御させるとともに、サブ統合基板111に装飾図柄の変動表示停止を指示する演出コマンド(変動停止コマンド)を送信する。なお、サブ統合基板111では、変動停止コマンドを受信したことに基づいて装飾図柄の停止を確定表示するための制御を行う。
また、表示装置に複数の表示領域を設け、それぞれの表示領域にて図柄を変動表示する場合には、上述した大当り判定処理にて大当りとする判定がなされたときに、特定の表示結果で停止表示する表示ラインを複数有する場合には、いずれかの表示ラインにて未だ停止していない図柄が所定の図柄で停止することにより当該表示ラインに停止表示される図柄が特定の表示結果となる状態、または、いずれかの表示ラインにて全ての図柄が特定の表示結果となるような組み合わせで同期して変動表示している状態、をリーチ態様という。即ち、リーチ態様とは、特定の表示結果(大当り表示)の一歩手前を表す態様(大当りとなる直前の態様)である。この実施の形態では、上述した表示ラインを1つだけ有し、画像表示装置42に表示される左・中・右の装飾図柄のうち左装飾図柄と右装飾図柄と(任意の2つの装飾図柄の組み合わせでもよい)が同一の図柄で停止し、中装飾図柄(任意の2つの装飾図柄の組み合わせが停止した状態では残りの装飾図柄)については変動表示している状態、または、画像表示装置42に表示される全ての装飾図柄が同一の図柄の組み合わせで同期して変動表示している状態(例えば、左・中・右の装飾図柄が常に同一の図柄となるように同期して変動表示している状態)をリーチ態様といい、リーチ態様となった後、枠ランプ27、遊技盤ランプ、画像表示装置42、上部スピーカ29、および下部スピーカ14等により実行される演出(例えば、枠ランプ27を所定の態様で点灯・点滅、画像表示装置42にて所定の画像表示、上部スピーカ29および下部スピーカ14にて所定の音声出力)をリーチ演出という。
図36は、大当り遊技処理(大当り遊技開始処理(ステップS43)及び大当り遊技中処理(ステップS44):利益付与状態制御手段)の一例を示すフローチャートである。大当り遊技処理において、CPU102は、大当り遊技を開始するタイミングであるか否かを判別する(ステップS430)。大当り遊技を開始するタイミングであれば、大当り開始コマンドをセットする(ステップS431)。大当り開始コマンドは、オープニングコマンドとも称されるものであり、画像表示装置42に、「大当りである旨」を表示させることを指示するためのコマンドである。特に、本例では、図37に示すように、大当りが発生する確率(以下、大当り確率という)と大当りの継続率との組み合わせに対して、互いに異なるように、複数の大当り開始コマンド(2001H〜2009H)が割当てられている。例えば、大当り確率が「1/495」で、大当りの継続率が「68%」のパチンコ機においては、大当り開始コマンドとして「2003H」が設定される。なお、「大当りの継続率」とは、「大当り」の場合に、確変状態フラグがセットされる割合、即ち「確変大当り」となる割合である。
また、大当り開始コマンドは、2バイト構成のデータであり、詳細は後述するが、大当り開始コマンドには、BGMの変更の有無を判定する際に大当りの継続回数と比較される基準回数と、大当りにおける最大ラウンド数とをそれぞれ特定するためのデータが含まれている。具体的には、大当り開始コマンドの1バイト目のデータは、当該演出コマンドが大当り開始コマンドであることを示しており、2バイト目のデータは、基準回数及び最大ラウンド数を特定するためのデータとなっている。
一方、図36において、大当り遊技を開始するタイミングでない場合には、大当り遊技を終了するタイミングであるか否かを判別する(ステップS432)。大当り遊技を終了するタイミングであれば、大当り終了コマンドをセットする(ステップS433)。大当り終了コマンドは、エンディングコマンドとも称されるものであり、画像表示装置42に、「大当りが終了した旨」を表示させることを指示するためのコマンドである。
また、大当り遊技を終了するタイミングでもない場合には、大当り遊技中であるか否かを判別する(ステップS434)。大当り遊技中であれば、大当り遊技中コマンドをセットする(ステップS435)。大当り遊技中コマンドには、各ラウンドの開始時に発信されるラウンド数コマンドと、ラウンド中に遊技球が大入賞口に入賞しカウントスイッチ75aによって検出された時に発信されるカウントコマンドとが含まれている。なお、ラウンド数コマンドは、大入賞口を開放状態にしたことを画像表示装置42に表示させるためのコマンドであり、ラウンド数に応じた複数種類(例えば16種類)のコマンドが用いられている。また、カウントコマンドは、各ラウンドにおいて大入賞口に入賞した遊技球の数(カウント値)を画像表示装置42に表示させるためのコマンドであり、カウント値に応じて例えば10種類のコマンドが用いられている。
次に、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112によって実行される処理について説明する。図38はサブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図39は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。
図38に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、統合CPU112は、初期設定処理を行う(ステップS71)。この初期設定処理では、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114をクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS71)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS72)。
この実施の形態では、統合CPU112は、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、即ち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS72で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS73)、16ms定常処理を行う(ステップS74)。
この16ms定常処理では、主基板101から受信した演出コマンドに基づいて画像表示装置42、枠ランプ27,遊技盤ランプ、スピーカ14,29、回転ユニット60等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS72に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS73〜ステップS74を繰り返し行う。一方、ステップS72で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図39は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、サブ統合CPU112は、ステップS91〜ステップS95の処理を実行する。ステップS91のコマンド解析処理では、主基板101から受信した演出コマンドを解析する。ステップS92の演出制御処理(表示制御手段、変動表示制御手段)では、変動表示パターンコマンドに基づいて画像表示装置42に関わる制御処理を実行する。具体的には、後述する予告演出の設定、装飾図柄の停止図柄の決定、等を行う。
また、ステップS93の音制御処理では、効果音(例えばBGMや音声)を発生させるための、スピーカ14,29に関わる制御処理を実行する。なお、この音制御処理では、大当りの継続状態に応じてBGMを変更する処理が行われる。
ステップS94のランプ制御処理では、遊技盤ランプ、枠ランプ27に関わる制御処理が行われる。ステップS95の情報出力処理では、表示制御基板120に表示コマンドを送信するとともに、ランプ中継基板119に役物演出コマンドを送信する。ステップS96の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS92)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS91〜ステップS96の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS91のコマンド解析処理から)実行しない。即ち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS72で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS96)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図40は、コマンド解析処理(ステップS91)の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、統合CPU112は、まず、主基板101から演出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS601)。この実施の形態では、主基板101から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、受信したコマンドを、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114における受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられ、コマンド受信割込処理では、演出コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。ステップS601では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、演出コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の演出コマンドを読み出す(ステップS602)。
そして、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるか判別し(ステップS603)、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば(ステップS603にてYES)、変動表示パターン受信フラグをセットするとともに、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114における変動表示パターン格納領域に格納する(ステップS604)。
一方、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドでなければ(ステップS603にてNO)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであるか判別し(ステップS605)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであれば(ステップS605にてYES)、確変大当りフラグをセットする(ステップS606)。また、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドでなければ(ステップS605にてNO)、受信した演出コマンドに対応したフラグをセットする(ステップS607)。
図41は、演出制御処理(ステップS92)の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、統合CPU112は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS700〜ステップS702のうちいずれかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS700:停止図柄情報決定手段)では、変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンドおよび確変大当りコマンドに応じて装飾図柄の停止図柄を決定するとともに、予告演出等の設定を行う。
処理選択フラグが「1」のときに実行される装飾図柄変動処理(ステップS701)では、変動停止コマンドを受信したときに表示制御基板120に表示コマンドを送信して装飾図柄の変動表示を停止させる制御を行う。
処理選択フラグが「2」のときに実行される大当り表示処理(ステップS702)では、主基板101から送信される大当り開始コマンドに応じて画像表示装置42に大当り遊技状態の開始を示す表示や大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御を行う。
図42は、装飾図柄変動開始処理(ステップS700)の一例を示すフローチャートである。装飾図柄変動開始処理において、統合CPU112は、まず、変動表示パターン受信フラグがセットされているか判別する(ステップS710)。変動表示パターン受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)のステップS604でセットされ、主基板101から変動表示パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。即ち、ステップS710で変動表示パターン受信フラグがセットされていなければ(ステップS710にてNO)、変動表示パターンコマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動表示パターン受信フラグがセットされていれば(ステップS710にてYES)、変動表示パターン受信フラグをリセットし(ステップS711)、受信した変動表示パターンコマンドに基づく変動表示パターンが大当りを発生させる変動表示パターンであるか(当りパターンであるか)判別する(ステップS712)。当りパターンであるか否かは、変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータを参照することにより確認できる。
変動表示パターンが当りパターンでなければ(ステップS712にてNO)、はずれ図柄の停止図柄を決定する(ステップS713)。また、変動表示パターンが当りパターンであれば(ステップS712にてYES)、確変大当りフラグがセットされているか判別し(ステップS714)、確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS714にてYES)、確変大当り図柄の停止図柄を決定し(ステップS715)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS714にてNO)、非確変大当り図柄の停止図柄を決定する(ステップS716)。また、確変大当りフラグは、大当り表示処理(ステップS702)にて大当り遊技状態を開始するときにリセットされる。なお、確変大当りフラグがリセットされる時期はこれに限らず、例えば、装飾図柄変動処理(ステップS701)で装飾図柄の変動表示を停止させるとき、具体的には、変動停止コマンドを受信したときにリセットするようにしてもよいし、大当り表示処理(ステップS702)で大当り遊技状態を終了するときにリセットするようにしてもよい。
この実施の形態では、装飾図柄の確変大当り図柄として同一の奇数図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を停止図柄として決定し、装飾図柄の非確変大当り図柄として同一の偶数図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を停止図柄として決定する。また、ステップS713ではずれ図柄の停止図柄を決定するときに、リーチ態様を伴う変動表示パターンであるかを判別し、リーチ態様を伴う変動表示パターンであれば、左・中・右の装飾図柄のうち左および右の装飾図柄が同一図柄であり、中の装飾図柄は左および右の装飾図柄とは異なる図柄となる停止図柄に決定する。一方、リーチ態様を伴わない変動表示パターンであれば、左・中・右の装飾図柄のそれぞれが異なる図柄となる停止図柄に決定する。
次いで、統合CPU112は、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判定を行う予告選択処理を実行した後(ステップS717)、変動表示パターンと後述する予告種類格納領域に記憶される予告パターンとステップS713,S715,S716で決定した装飾図柄の停止図柄とに応じた表示コマンドをセットする(ステップS718)。そして、処理選択フラグを「1」に更新して処理を終了する(ステップS719)。なお、ステップS718でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS95)にて表示制御基板120に送信され、表示制御基板120に搭載される表示CPU121により当該表示コマンドを受信したことに基づいて画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示の実行を開始する。また、ステップS718で予告種類格納領域に記憶される予告パターンを読み出したときには、当該予告パターンを読み出した後、予告種類格納領域の内容をクリアする。これにより、次回の装飾図柄の変動表示にて誤って以前の装飾図柄の変動表示を開始するときに決定した予告パターンに基づく予告演出が実行されることを防止できる。
図43は、予告選択処理(ステップS717)の一例を示すフローチャートである。予告選択処理において、統合CPU112は、まず、変動表示パターンがお化け屋敷リーチパターンであるか判別する(ステップS731)。具体的には、変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータが「10H」〜「14H」のいずれかであるか判別する。変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータが「10H」〜「14H」のいずれかであれば(ステップS731にてYES)、雷予告パターンテーブルを選択し(ステップS732)、ステップS740に移行する。
一方、変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータが「10H」〜「14H」のいずれかでなければ(ステップS731にてNO)、変動表示パターンが当りパターンであるか判別し(ステップS733)、当りパターンであれば(ステップS733にてYES)、確変大当りフラグがセットされているか判別する(ステップS734)。そして、確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS734にてYES)、確変当り時予告パターンテーブル(図44参照)を選択し(ステップS735)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS734にてNO),非確変当り時予告パターンテーブル(図44参照)を選択する(ステップS736)。そして、ステップS740の処理に移行する。
また、変動表示パターンが当りパターンでなければ(ステップS733にてNO)、変動表示パターンがリーチパターン(リーチ態様を伴う変動表示パターン)であるか判別する(ステップS737)。変動表示パターンがリーチパターンであるか否かは、変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータを参照することにより確認できる。即ち、変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータが「01H」でなければリーチパターンである。変動表示パターンがリーチパターンであれば(ステップS737にてYES)、リーチはずれ時予告パターンテーブル(図44参照)を選択し(ステップS738)、変動表示パターンがリーチパターンでなければ(ステップS737にてNO)、通常はずれ時予告パターンテーブル(図44参照)を選択する(ステップS739)。そして、ステップS740の処理に移行する。
次いで、統合CPU112は、予告判定乱数を抽出する(ステップS740)。なお、予告判定乱数は、乱数更新処理(ステップS96)にて更新される。そして、ステップS735,S736,S738,S739にて選択した予告パターンテーブル(確変当り時予告パターンテーブル、非確変当り時予告パターンテーブル、リーチはずれ時予告パターンテーブル、通常はずれ時予告パターンテーブル)と、ステップS740で抽出した予告判定乱数とに基づいて予告パターンを決定し(ステップS741)、予告演出を実行する場合には(ステップS742)、ステップS741にて決定した予告パターンをサブ統合基板111に搭載される統合RAM114の予告種類格納領域に記憶する(ステップS743)。そして、処理を終了する。また、ステップS742で予告演出を実行しない場合には、以降の処理を実行することなく処理を終了する。
図44は、予告パターンテーブルの一例を示す一覧表図である。この実施の形態では、画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示を開始してから所定態様が表示されるまで(この実施の形態では、左および右の装飾図柄が停止するまで)に上述したモータ63を駆動制御し、モータ63(回転役物61)の回転を安定させた後に回転役物61のLED61aを発光制御して、晴(太陽マーク100a)、雲(雲マーク100b)、雨(傘マーク100c)、雪(雪だるまマーク)、雷(雷マーク100d)のうちいずれかの態様の残影を表示する予告パターンを実行する予告演出を実行する。なお、この実施の形態では、雷予告パターンテーブル以外の予告パターンテーブルには、予告演出を実行しない場合にも判定値が振り分けられている。
上述したステップS741では、ステップS740で抽出した予告判定乱数を用いてステップS731〜ステップS739で選択した予告パターンテーブルを参照し、予告演出を実行するか否か決定するとともに予告演出を実行する場合には実行する予告パターンを決定する。なお、お化け屋敷リーチパターンに応じた変動表示パターンコマンドを受信したときに選択される雷予告パターンテーブルにおいては、全ての判定値が雷マーク100dを表示する予告パターンに振り分けられ、雷予告パターンテーブルが選択されたときには、必ず雷マーク100dを表示するように制御される。これは、お化け屋敷リーチパターンに応じた変動表示を実行するときに、回転役物61によって表示される雷マーク100dに同期して画像表示装置42にて演出表示を行い、回転役物61の残影表示と、画像表示装置42の表示と、を関連させた演出を実行するためである。このように、雷マーク100dは、お化け屋敷リーチパターンに基づく変動表示を開始することを示す態様である。
また、この実施の形態では、当りとする判定がなされたときに(例えば、CPU102により大当り判定処理(ステップS403)にて大当り判定乱数および当り値が一致すると判定され、サブ統合基板111にて大当りとなる変動表示パターンを受信したとき)当りとしない判定がなされたときよりも高い割合で回転役物61の回転駆動による予告演出を実行するように予告パターンテーブルを構成している。即ち、当りとなるときに選択される確変当り時予告パターンテーブルおよび非確変当り時予告パターンテーブルでは、はずれとなるときに選択されるリーチはずれ時予告パターンテーブルおよび通常はずれ時予告パターンテーブルに比べて「予告なし」に振り分けられる判定値の数が少ない。そのため、当りとなる場合には、はずれとなる場合に比べて回転役物61の作動による予告演出を実行する割合が高まるため、回転役物61を回転駆動させたときに遊技者の大当り遊技状態に対する期待感を高めることができる。
また、確変大当りとなる場合に選択される確変当り時予告パターンテーブルは、「予告なし」に判定値が振り分けられていない。即ち、確変大当りの場合に、雷予告パターン以外の変動表示パターンが指示されたときには、常に回転役物61の回転駆動による予告演出を実行する。一方、非確変大当りの場合には、「予告なし」にも判定値が振り分けられている。そのため、確変大当りとなる場合には、確変大当りとならない場合に比べて予告演出を実行する割合が高まるため、回転役物61を回転駆動させたときに遊技者の確変大当りに対する期待感を高めることができる。また、非確変大当りとなる場合に選択される非確変当り時予告パターンテーブルでは、雪だるまマークを表示する予告パターンに判定値が振り分けられていない。一方、確変大当りとなる場合、リーチ態様を伴うはずれとなる場合、リーチ態様を伴わないはずれとなる場合、には、雪だるまマークを表示する予告パターンに判定値が振り分けられている。このようにすることで、雪だるまマークを表示する予告パターンに基づく予告演出が実行されたときには、確変大当りかまたははずれとなることを認識できる。そのため、雪だるまマークを表示する予告パターンに基づく予行演出が実行されたときに遊技者の確変大当りに対する期待感を高めることができる。
また、雪だるまマークを表示する予告パターンでは、大当りとなる予告パターンテーブル(この実施の形態では、確変当り時予告パターンテーブル)に振り分けられる判定値の個数がはずれとなる予告パターンテーブル(この実施の形態では、リーチはずれ時予告パターンテーブル)に振り分けられる判定値の個数の約3倍となっている。即ち、雪だるまマークを表示する予告パターンにおいては、はずれとなるときよりも大当りとなるときに選択される割合が高い。従って、雪だるまマークが表示されたときに遊技者の大当り遊技状態に対する期待感を向上させることが可能となる。このように、この実施の形態では、雪だるまマークが表示されたときに大当りとなる割合が平均である(基準値である)ことを示すとともに、大当りとなったときに確変大当りとなることを示す態様である。なお、この実施の形態では、雪だるまマークを表示する予告パターンに基づく予告演出が実行されたときの理論上の大当り期待度(当該予告演出が実行される割合(全出現率)のうち大当りとなる割合(大当り時の出現率);大当り期待度=大当り時の出現率/全出現率)は、約7%となるように設定されている。
また、はずれとなるときにリーチ態様を伴うはずれとなる場合に選択されるリーチはずれ時予告パターンテーブルは、リーチ態様を伴わないはずれとなる場合に選択される通常はずれ時予告パターンテーブルに比べて「予告なし」に振り分けられる判定値の数が少ない。そのため、リーチ態様を伴わないはずれとなる場合に、回転役物61が回転駆動してもリーチ態様とならなかったときに遊技者の大当り遊技状態に対する期待感を低下させてしまうことを防ぎ、回転役物61を回転駆動することにより実行される予告演出による大当り遊技状態の期待感を装飾図柄の表示結果を表示するまで持続させることができる。
また、はずれとなるときにリーチ態様を伴わないはずれとなる場合に選択される通常はずれ時予告パターンテーブルは、傘マーク100cを表示する予告パターンにのみ判定値が割り振られている。そして、確変当り時予告パターンテーブルにおいては、傘マーク100cを表示する予告パターンに判定値が振り分けられていない。また、傘マーク100cを表示する予告パターンでは、大当りとなる予告パターンテーブル(この実施の形態では、非確変当り時予告パターンテーブル)に振り分けられる判定値の個数がはずれとなる予告パターンテーブル(この実施の形態ではリーチはずれ時予告パターンテーブルおよび通常はずれ時予告パターンテーブル)に振り分けられる判定値の個数の1/2となっている。即ち、傘マーク100cを表示する予告パターンにおいては、当りとなるときよりもはずれとなるときに選択される割合が高い。従って、傘マーク100cが表示されたときに遊技者の大当り遊技状態に対する期待感を然程高まらない。このように、この実施の形態では、傘マーク100cが表示されたときに大当りとなる割合が低い(基準値よりも低い)、換言すれば、「サムイ」ことを示すとともに、大当りとなったときに非確変大当りとなることを示す態様である。なお、この実施の形態では、傘マーク100cを表示する予告パターンに基づく予告演出が実行されたときの理論上の大当り期待度は、約0.1%となるように設定されている。
また、この実施の形態では、確変当り時予告パターンテーブルおよび非確変当り時予告パターンテーブルは、リーチはずれ時予告パターンテーブルおよび通常はずれ時予告パターンテーブルよりも太陽マーク100aを表示する予告パターンに振り分けられる判定値の個数が格段に多くなるように構成される。また、太陽マーク100aを表示する予告パターンでは、通常はずれ時予告パターンテーブルに判定値が振り分けられていない。そして、太陽マーク100aを表示する予告パターンにおいては、はずれとなるときよりも当りとなるときに選択される割合が非常に高い。従って、太陽マーク100aが表示されたときに遊技者の大当り遊技状態に対する期待感を飛躍的に向上させることができる。このように、この実施の形態では、太陽マーク100aが表示されたときに大当りなる割合が非常に高い(基準値よりも高い)、換言すれば、「アツイ」ことを示す態様である。なお、この実施の形態では、太陽マーク100aを表示する予告パターンに基づく予告演出が実行されたときの理論上の大当り期待度は、約50%となるように設定されている。
また、雲マーク100bを表示する予告パターンでは、大当りとなる予告パターンテーブル(この実施の形態では、確変当り時予告パターンテーブルおよび非確変当り時予告パターンテーブル)に振り分けられる判定値の個数がはずれとなる予告パターンテーブル(この実施の形態では、リーチはずれ時予告パターンテーブル)に振り分けられる判定値の個数の約3倍であり、上述した雪だるまマークを表示する予告パターンと略同程度となっている。即ち、雲マーク100bを表示する予告パターンにおいては、はずれとなるときよりも大当りとなるときに選択される割合が高い。従って、雲マーク100bが表示されたときに遊技者の大当り遊技状態に対する期待感を向上させることが可能となる。このように、この実施の形態では、雲マーク100bが表示されたときに大当りとなる割合が平均である(基準値)であることを示すとともに、大当りとなったときに確変大当りとなることを示す態様である。なお、この実施の形態では、雲マーク100bを表示する予告パターンに基づく予告演出が実行されたときの理論上の大当り期待度(当該予告演出が実行される割合(全出現率)のうち大当りとなる割合(大当り時の出現率);大当り期待度=大当り時の出現率/全出現率)は、約7%となるように設定されている。
このように、この実施の形態では、予告演出にて残影により表示される態様によって遊技者に大当りとなる割合の高低、または、大当りとなったときに確変大当りとなること、を示すため、残影により表示される態様に注目させることができる。また、太陽マーク100aにより最も大当りとなる割合が高いことを示し、傘マーク100cにより最も大当りとなる割合が低いことを示し、一般的に雨の天気よりも晴れの天気を良い印象として認識する傾向が高いため、大当りとなる割合の高低を遊技者に容易に把握させることができる。なお、各態様における大当りとなる割合は、上記した例に限らない。例えば、雲マーク100bおよび雪だるまマークが表示されたときの大当りとなる割合を略同等とし、太陽マーク100aが表示されたときの大当りとなる割合を雲マーク100bおよび雪だるまマークよりも高くして、傘マーク100cが表示されたときの大当りとなる割合を雲マーク100bおよび雪だるまマークが表示されたときの大当りとなる割合よりも低くするようにすればよい。また、各態様に対応する大当りとなる割合の順序はこれらに限られるものではなく、例えば、太陽マーク100aが表示されたときの大当りとなる割合を雲マーク100bおよび雪だるまマークが表示されたときの大当りとなる割合よりも低くし、傘マーク100cが表示されたときの大当りとなる割合を雲マーク100bおよび雪だるまマークが表示されたときの大当りとなる割合よりも高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、変動表示パターンによって統合CPU112が当該変動表示パターンに基づく変動表示が大当りとなる変動表示であるか否かを特定するように構成しているが、変動表示パターンを送信するときに変動表示パターンとは別に大当りとなるか(確変大当りであるか、非確変大当りであるか)を指示するコマンドを送信し、当該コマンドに基づいて統合CPU112が当該変動表示パターンに基づく変動表示が大当りとなる変動表示であるか否かを特定するように構成してもよい。
また、本実施形態の役物制御基板115に搭載される役物ROM117には、回転役物61の回転態様およびLED61aの発光態様を示す複数の発光パターンデータが記憶されている。また、上述した予告選択処理(ステップS717)で予告演出を実行すると判定されたときには、ランプ制御処理(ステップS94)で当該予告演出および受信した変動表示パターンに応じた役物演出コマンドをセットし、情報出力処理(ステップS95)でランプ中継基板119に送信する。
役物制御基板115に搭載される役物CPU116は、ランプ中継基板を介して役物演出コマンドを受信したことに基づいて、役物ROM117から当該役物演出コマンドに応じた発光パターンデータを選択し、当該発光パターンデータに基づいてモータ63およびLED61aに駆動信号を出力する。
なお、発光パターンデータは、プロセスタイマの設定値と、当該プロセスタイマに設定される期間におけるモータ63の駆動態様を示す駆動データと、当該プロセスタイマに設定される期間におけるLED61aの発光態様を示す発光データと、の組み合わせである制御プロセスが複数集まったデータで構成されている。役物CPU116は、発光パターンデータを参照し、当該制御プロセスのプロセスタイマに設定されている期間だけ当該制御プロセスに設定されている駆動態様でモータ63を駆動制御するとともに当該制御プロセスに設定されている発光態様でLED61aを駆動制御する。そして、当該制御プロセスのプロセスタイマに設定される期間が経過したときに、制御プロセスを当該発光データの次に設定される制御プロセスに切り換え、当該制御プロセスに基づいてモータ63およびLED61aの制御を行う。
また、上述したように発光データは、役物ROM117に記憶されている。発光データは、各変動表示パターンおよび予告演出(LED61aの発光態様(リーチ演出にて表示される花火マーク100eを含む))の種類のそれぞれに応じて用意されている。従って、役物CPU116は、変動表示パターンの種類と予告演出の種類とに応じて使用する発光パターンデータを選択する。これにより、画像表示装置42における装飾図柄の変動表示と同期して回転役物61を所定の発光パターンで回転駆動すると共に、回転役物61の内部に設けられるLED61aを所定の発光パターンで発光制御することが可能となり、画像表示装置42の前方に所定の残影が表示され、画像表示装置42の表示と同期した演出を実行することが可能になる。
ここで、役物制御基板115に搭載される役物CPU116によるモータ63およびLED61aへの制御信号の伝達方法について説明する。図45は、役物制御基板115および回転ユニット60内部の回路構成の一例を示すブロック図である。上述したように、この実施の形態のLED61aそれぞれは、赤色(Red)発光素子と、緑色(Green)発光素子と、青色(Blue)発光素子と、の組み合わせから構成されている。即ち、それぞれのLED61aがRGB発光により全発光色を表示可能(フルカラー表示可能)に構成されている。
また、回転ユニット60の回転役物本体62内部には、回転役物本体62に取り付けられた基板に搭載される赤外線LED60aおよび電源供給部60bが設けられるとともに、回転役物本体62の外部のモータ63により回転役物本体62内部に挿入されたモータ軸63aに固定された基板上に搭載されるフォトトランジスタ60cおよびモータ軸63aに固定されたスリップリング60dが設けられている。しかして、役物制御基板115に搭載される役物CPU116は、発光パターンデータの制御プロセスに設定された発光データに基づいてRGBそれぞれの発光素子に対しての駆動信号を出力するときに、赤外線LED60aに駆動信号を出力して赤外線LED60aを点滅させる。そして、赤外線LED60aの発光をフォトトランジスタ60cで受光し、LED61aに駆動信号を伝達する。このように、役物制御基板115からLED61aへの駆動信号は、無線通信により伝達される。また、電源供給部60bから供給される電源電圧は、スリップリング60dを介してフォトトランジスタ60cおよびLED61aに供給される。また、役物CPU116は、当該制御プロセスに設定された駆動データに基づいてモータ63に駆動信号を出力する。これにより、モータ63の回転駆動に同期してLED61aを発光制御でき、所定の残影を表示することが可能となる。
なお、この実施の形態では、LED61の赤系統色(例えば、赤色等の暖色;遊技者に暖かい感じを与える色)の発光により上述した太陽マーク100aの残影を表示し、LED61の遊技者に暖かい感じも寒い感じも与えない色(例えば、白色等)の発光により上述した雲マーク100bおよび雪だるまマークを表示し、LED61の青系統色(例えば、青色等の寒色;遊技者に寒い感じを与える色)の発光により上述した傘マーク100cを表示する。この実施の形態では、大当りとなる割合が高いことをLED61の赤色発光により示し、大当りとなる割合が低いことをLED61の青色発光により示している。そして、大当りとなる割合が普通であることをLED61の白色発光により示している。このように、大当りとなる割合の高低によりLED61の発光色を変化させるため、LED61の発光色により大当りとなる割合の高低を容易に把握できる。さらに、この実施の形態では、上記した態様と組み合わせることにより、大当りとなる割合の高低を遊技者にさらに容易に把握させることができる。
ここで、上述した予告演出の一例について図46を参照して説明する。図46は、予告演出における予告パターンの一例を示す説明図である。なお、図46(A)は、太陽マーク100aの一例であり、図46(B)は、雲マーク100bの一例であり、図46(C)は、傘マーク100cの一例であり、図46(D)は、雷マーク100dの一例である。
なお、本実施形態における回転ユニット60は、回転役物61の回転範囲が画像表示装置42の前後方向の一部と重なるように遊技盤4と略水平に回転役物61を回転駆動する。具体的には、図46に示すように、回転役物61は、画像表示装置42の前方にて回転駆動され、回転駆動されることによって回転役物61の長手方向の長さの4分の1程度が画像表示装置42の図示正面右上角部を基点に画像表示装置42の中央方向に対して扇状に覆う位置を通過する。このように構成することにより、画像表示装置42に注目している遊技者にも回転役物61が駆動されたことを認識させ易くなり、さらに、画像表示装置42にて実行される演出と回転役物61の回転駆動制御とをより密接に同期させて実行することが可能となる。また、回転役物61が画像表示装置42の前方に浮き出ているような印象を与えることができるため、表示情報(画像表示装置42の表示内容および回転役物61(LED61a)の表示内容)の立体感を出すことができる。
なお、画像表示装置42が回転役物61によって覆われる領域は、画像表示装置42の全領域の略25%以下程度が望ましい。即ち、画像表示装置42では多様な演出表示が可能であり、画像表示装置42の付加的な演出表示を行う回転役物61(LED61a)により画像表示装置42を覆う領域を必要以上に大きくしてしまうことで、演出表示の内容が乏しい回転役物61(LED61a)が目立ち過ぎてしまい、反ってパチンコ機1における演出効果が低下する可能性がある。そのため、回転役物61によって画像表示装置42を覆う領域を略25%以下程度とすることで画像表示装置42の演出表示と回転役物61(LED61a)の演出表示を理想的なバランスで実行でき、パチンコ機1における演出効果を増大させることが可能となる。
図46(A)〜図46(D)に示すように、統合CPU112は、予告選択処理(ステップS717)で回転役物61によっていずれかの予告パターンを選択すると、当該予告パターンと変動表示パターンと停止図柄とに応じた表示コマンドを表示制御基板120に送信するとともに、当該予告パターンおよび変動表示パターンに応じた役物演出コマンドをランプ中継基板119に送信する。表示制御基板120に搭載される表示CPU121は、受信した表示コマンドに基づいて表示ROM122からプロセスデータを読み出し、当該プロセスデータに基づいてタイマ(表示画像の切替タイミング等を示す)を設定するとともに、画像表示装置42に駆動信号を出力して装飾図柄の変動表示を開始する。
また、役物制御基板115に搭載される役物CPU116は、ランプ中継基板119を介して受信した役物演出コマンドに基づいて発光パターンを選択するとともに当該役物演出コマンドに応じたタイマ(回転役物61の駆動時間、駆動開始時期、等)をセットし、選択した発光パターンおよびタイマに基づいてモータ63およびLED61aに駆動信号を出力する。これにより、画像表示装置42の表示内容に同期して回転役物61により残影として図46(A)に示す太陽マーク100a、図46(B)に示す雲マーク100b、図46(C)に示す傘マーク100c、図46(D)に示す雷マーク100dが表示される。
例えば、図46(D)では、回転役物61の残影により雷マーク100dを表示するとともに、画像表示装置42に回転役物61によって表示される雷マーク100dからの閃光42b、および、キャラクタ42aが雷に撃たれる態様を表示制御する。このように、この実施の形態では。回転役物61により所定の残影を表示するとともに、画像表示装置42にて当該残影に対応した表示を行うことにより回転役物61の表示内容と画像表示装置42の表示内容とを関連付けて予告演出を実行するため、画像表示装置42の表示内容を残影によってより演出効果を高めることが可能である。
また、図46(A)〜図46(D)に示すように、各予告パターンにて表示される残影は、画像表示装置42の前方に画像表示装置42の一部と重なって表示される(画像表示装置42の一部に重畳して残影が表示される)。このため、画像表示装置42に注目している遊技者に回転役物61が駆動されたことをより認識させ易くなると共に、回転役物61にて表示される残影にも注目させることが可能となる。また、複数種類の態様の残影が画像表示装置42に表示される画像よりも前方に浮き出てくるように表示されるため、遊技者に更なるインパクトを与えることができる。
また、図46(A)〜図46(D)に示すように、回転役物61にて表示される残影の背部に位置する画像表示装置42の表示内容は透けて見える。即ち、本実施形態では、回転役物61を画像表示装置42の前方にて画像表示装置42の一部を覆うように回転駆動する(回転役物61の可動範囲が画像表示装置42の表示領域の一部と重畳する)が、上述したように、回転役物61をモータ63により高速回転(1分間に1200回転の回転数)させることによって、画像表示装置42の一部を覆う位置での回転役物61の通過時間が短くなるため、画像表示装置42が透けて見える。なお、回転役物61を回転駆動する際に画像表示装置42が透けて見える状態にする場合には、回転役物61の回転速度を1分間に700回転以上とすることが望ましい。
また、この実施の形態では、回転役物61を回転駆動するときに、統合CPU112は、遊技領域12に設けられる各装置に設けられる遊技盤ランプのうち回転役物61の近傍に位置するランプ及びLED等を発光させないように制御している。即ち、図46(A)〜図46(D)で回転役物61を回転駆動しているときに、統合CPU112は、ランプ制御処理(ステップS94)にて遊技盤ランプに駆動信号を出力しないように制御し、例えば、上部ランプ88を消灯状態で維持する。このように、回転役物61の近傍に位置するランプおよびLED等を消灯状態で維持することにより、回転役物61(LED61a)により表示される残影が視認し難くなることを防止するとともに、回転役物(LED61a)により表示される残影をさらに際立たせ、残影による態様(太陽マーク100a、雲マーク100b、傘マーク100c、雪だるまマーク等)を容易に認識することができる。なお、回転役物61の背部にLEDを設けた場合にも回転役物61を駆動制御するときに当該LEDの発光制御を行わないようにすることにより回転役物61(LED61a)により表示される残影が視認し難くなることを防止してもよい。
また、本実施形態では、表面の長手方向中央から一端側にのみLED61aが搭載された直方体状の回転役物61により残影を表示している。なお、LED61aを回転役物61の表面の長手方向一端から長手方向他端に亘って搭載するように構成してもよく、この場合には、モータの回転速度を本実施形態の回転速度(1分間に1200回転)よりも遅くしても(例えば、1分間に600回転)きれいな残影を表示することが可能であるが、LED61aの個数が増加することにより表示される残影の見た目上の輝度(明るさ)が増大し、残影の背面側に位置する画像表示装置42の表示内容が視認し難いという問題が発生する。また、回転役物61の回転速度をさらに遅くすることにより残影の見た目上の輝度(明るさ)を減少させることが可能であるが、回転役物61の回転速度を遅くすることにより回転役物61によって背面側の画像表示装置42の一部を覆う位置での回転役物61の通過時間が長くなるため、画像表示装置42の一部が視認できない状態になってしまう。
また、上述したように、本実施形態では、直方体状の回転役物61の中央と、回転役物61の回転軸と、を一致させることにより回転役物61の中央を回転軸として回転させるようにしているが、回転役物の長手方向端部に遊技盤4と略垂直にモータ軸を挿入して回転役物の長手方向端部を中心として回転させると共にLEDを発光制御することにより残影を表示することも可能ではある。ところが、モータ軸と重心とが一致していないため、モータにかかる負荷が増大し、モータを高速回転させることが困難であると共に、急回転および急停止させることが困難である。また、遠心が発生し、振動が増大してしまう。このように、モータを高速回転できないため、きれいな残影を表示できない。これらの問題点は、回転役物の重量を減らしたり回転役物の長さを小さくしたりすること等で遠心力を低減させて、モータの付加を低減し、解決できるが、回転役物の重量を減らすことにより搭載可能なLEDの個数や種類(単色発光)が限られ、多彩な演出を実行できず、回転役物の長さが制限されることにより回転役物の回転駆動に対してのインパクトが小さくなり、回転役物にて実行される演出の効果が薄れてしまうこととなる。
また、回転役物の長手方向端部に遊技盤4と垂直にモータ軸を挿入して回転役物の長手方向端部を中心として往復駆動すると共にLEDを発光制御することにより残影を表示する(例えば、LEDを取り付けたメトロノーム等の振り子式の機械)ことも可能ではあるが、一方に駆動した状態から他方に駆動させるときに一端停止させなければならないため、一端停止した部分における残影の明るさ(所定位置での輝度)が増大してしまう。また、急回転および急停止を繰り返し実行するため、モータを高速回転させることが困難であると共に、モータにかかる負荷が増大する。また、遠心が発生し、振動が増大してしまう。このように、モータを高速回転できないため、きれいな残影を表示できない。これらの問題点は、回転役物の重量を減らしたり回転役物の長さを小さくしたりすること等で遠心力を低減させて、モータの付加を低減し、解決できるが、回転役物の重量を減らすことにより搭載可能なLEDの個数や種類(単色発光)が限られ、多彩な演出を実行できず、回転役物の長さが制限されることにより回転役物の回転駆動に対してのインパクトが小さくなり、回転役物にて実行される演出の効果が薄れてしまうこととなる。
また、ドラムやリール等の中心部に遊技盤4と略水平に設けられたモータ軸を挿入してドラムおよびリール等の中心部を中心として回転駆動すると共に、ドラムおよびリール等の表面に設けられたLEDを発光制御することにより残影を表示することも可能ではあるが、ドラムおよびリールの一部しか視認できず、回転する領域の全てで残影を表示することができない。さらに、ドラムおよびリール等の一部が遊技盤4の背部に入り込んだ状態で設置され、遊技島にパチンコ機1を取り付けた場合には遊技盤4の背部の領域に制限があるため、ドラムおよびリール等の大型化が困難であった。即ち、パチンコ機1を遊技島に取り付けたときに背中合わせになるパチンコ機1同士が接しない程度の領域しかパチンコ機1の背面の領域を使用できないため、ドラムおよびリールを大型化することが困難である。
また、ドラムおよびリール等を画像表示装置42の前方に画像表示装置42の一部が覆われるように設置した場合には、画像表示装置42の一部が常にドラムおよびリールによって覆われる状態となるため、ドラムおよびリールによって覆われる領域が視認不可能な状態になってしまう。本実施形態では、モータ63のモータ軸63aが遊技盤4の表面に対して略垂直に設けられてこのモータ軸63aを回転軸として回転役物61を遊技盤4と略水平に回転駆動させるため、回転役物61の回転する領域全てが視認可能となり、回転役物61の回転する領域全てで残影を表示することができる。また、回転役物61の大きさが遊技盤4の背部の領域と関係しないため、回転役物61の大型化が容易である。
なお、本実施形態で用いられるランプは、発光体の一例であり、それらに限定されるものではない。即ち、本実施形態でLEDを用いて構成した装置をランプによって構成してもよいし、他の発光体を用いて構成してもよい。また、この実施の形態では、LED61aの前方に位置する前面板611の一部に透明な透光性樹脂により形成されるレンズ61cを備えている(図46(G)参照)。そして、回転役物61におけるレンズ61c以外の部分を不透明な非透光性樹脂により形成することで、確実にLED61aからの光を散乱させることなくレンズ61cから照射し、パチンコ機1の前方に向けて照射できる。
また、本実施形態では、個々のLED61aによる発光の点(ドット)で複数種類の態様を表示する。このように、構成することによりLED61aにより表示される態様がはっきりしない(ぼやける)ことを防いでいる。また、レトロな雰囲気を出すことができ、遊技者の興味を引くことができる。なお、回転役物61のレンズ61cの透過度を低くする(半透明にする)ことでLED61aの個々の発光が目立たないようにしてもよい。この場合には、レンズ61cの透過度を低くすることにより直接LED61aを視認不可能(LED61a個々の発光を目立たなくすること)となり、それぞれのLED61aによる発光がレンズ61cで干渉し合い、レンズ61cの一面にむらなく表示されて滑らかな態様を表示できる。
このように、レンズ61cの透過度を変化させることにより、LED61aの輝度を変化させることが可能である。具体的には、透過度を高くすることによりLED61aの輝度を高めることが可能となり、レンズの透過度を低くすることによりLED61aの輝度を低下させることが可能となる。この場合には、LED61aの実際の輝度を変化させることなく見た目上の輝度を変化させることが可能となる。即ち、LED61aの輝度が弱い場合には、画像表示装置42の前方にて回転役物61を回転させるとともにLED61aを点滅させることにより残影を表示しても表示がはっきりせずに遊技者にインパクトを与えることができない。この場合には、レンズ61cの透過度を高くすることによりLED61aの見た目上の輝度を高めることができる。
一方、LED61aの輝度が強い場合には、画像表示装置42の前方にて回転役物61を回転させるとともにLED61aを点滅させることにより残影を表示すると、残影が強すぎてしまい(LED61aによる発光が明る過ぎてしまい)画像表示装置42の内容が視認し難くなってしまう。この場合には、レンズ61cの透過度を低くすることによりLED61aの見た目上の輝度を低下させることができる。このように、LED61aの性能に依存することなくLED61aの発光による理想的な輝度を実現することが可能となる。
また、本実施形態では、サブ統合基板111からランプ中継基板119を介して受信した役物演出コマンドに基づいてモータ63およびLED61aを駆動するが、回転役物61を回転させる時期はこれに限られない。例えば、パチンコ機1への電力供給を開始してから継続してモータ63を駆動して回転役物61を回転駆動した状態とし、電力供給を停止したことに基づいてモータ63の駆動を停止して回転役物61を停止した状態としてもよい。この場合には、回転役物61が常に回転駆動されるため、回転役物61(LED61a)による演出表示の実行タイミングを把握できなくなり、回転役物61(LED61a)により残影が表示されたときに遊技者にさらにインパクトを与えることが可能となる。また、本実施形態では、回転役物61およびモータ63を含む回転ユニット60の振動を抑えるように遊技盤4に取り付けられるが、回転ユニット60の振動を抑える構成としていない場合にも回転役物61を常に駆動した状態とすることは有効である。即ち、回転役物61を回転させるとき、および、回転役物61の回転を停止させるとき、にモータ63により発生する振動は最も大きくなる。そして、モータ63が安定して回転するときには振動の発生が小さい。このため、パチンコ機1への電力供給がなされている間、継続して回転役物61を回転駆動した状態とすることにより、大きな振動の発生を抑止し、ステージ50上を転動する遊技球の転動、および、遊技領域12を流下する遊技球の転動に影響を与えない。
また、本実施形態における回転役物61は、棒状の部材によって形成されるが、少なくとも遊技盤4の前面に対して略水平に回転駆動されるものであればその形状は問わない。例えば、扇風機の羽根のような形状であってもよい。
また、本実施形態では、回転役物61に搭載されるLED61aを8個としているが、回転役物61の中央に回転軸を挿入し、回転役物61の回転軸と回転役物61の重心とが一致するように構成すれば、搭載されるLEDの個数は問わない。また、回転役物61の回転軸と回転役物61の重心とが一致しない場合に、回転役物61の背面側(底板614の外側)の所定の位置にネジ等を螺着することにより微調整し、重量バランスを均等に保つようにしてもよい。
なお、回転役物61の回転速度の変化によって複数種類の演出を実行可能に構成してもよく、例えば、1分間に600回転の回転速度と、1分間に1200回転の回転速度と、1分間に1800回転の回転速度と、に回転駆動可能に回転ユニット60を構成し、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始するとき(画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示を開始するとき)に大当りとする判定がなされたときに速い回転速度で回転役物61を駆動する割合を高め、はずれとする判定がなされたときに遅い回転速度で回転役物61を駆動する割合を高めるように構成することにより、速い回転速度で回転役物61が回転駆動されたときに大当り期待度(大当りとなる割合)が高くなるように構成してもよい。
また、回転役物61を時計回りと反時計回りとのいずれにも回転駆動可能に回転ユニット60を構成し、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始するとき(画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示を開始するとき)に大当りとする判定がなされたときに一方の回転方向(例えば、反時計回り)に駆動する割合を高め、はずれとする判定がなされたときに他方の回転方向(例えば、時計回り)に駆動する割合を高めるように構成することにより、一方の回転方向(例えば、反時計回り)に回転駆動したときに大当り期待度が高くなるように構成してもよい。
なお、図46においては、画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示を開始してから所定態様が表示されるまで(この実施の形態では、左および右の装飾図柄が停止するまで)に実行される予告演出にて回転役物61により所定の残影を表示するものについて説明したが、この実施の形態では、前記所定の態様がリーチ態様となってから全ての装飾図柄が停止表示するまでに実行されるリーチ演出においても回転役物61により所定の残影を表示する変動表示パターン(この実施の形態では、変動番号14,15の花火リーチを実行する変動表示パターン)を設けている。回転役物61により所定の残影を表示するリーチ演出について図47を参照して説明する。
図47および図48は、変動番号15の花火リーチ「当り」の変動表示パターンの一例を示す説明図である。主基板101にて変動番号15の変動表示パターンが選択され、サブ統合基板111にて当該変動表示パターンを示す変動表示パターンコマンドを受信すると、情報出力処理(ステップS95)にて当該変動表示パターンに応じた表示コマンドを表示制御基板120に送信するとともに、当該変動表示パターンに応じた役物演出コマンドをランプ中継基板119に送信する。表示制御基板120に搭載される表示CPU121は、受信した表示コマンドに基づいて表示ROM122からプロセスデータを読み出し、当該プロセスデータに基づいてタイマ(表示画像の切替タイミング等を示す)を設定するとともに、画像表示装置42に駆動信号を出力して装飾図柄の変動表示を開始する。
また、役物制御基板115に搭載される役物CPU116は、ランプ中継基板119を介して受信した役物演出コマンドに基づいて発光パターンを選択するとともに当該役物演出コマンドに応じたタイマ(回転役物61の駆動時間、駆動開始時期、等)をセットし、選択した発光パターンおよびタイマに基づいてモータ63およびLED61aに駆動信号を出力する。これにより、図47(A)〜図48(G)に示すように、画像表示装置42の表示内容と同期して回転役物61により所定の残影(花火、数字100f(例えば、図47(E)および図47(F)に示す「7」)、文字)が表示される。
具体的には、花火リーチ演出が実行されると、回転役物61を回転駆動するとともにLED61aを発光制御して回転役物61の残影により花火が打ち上がるときの光跡(花火の玉の導火線に付いた火による光が空に向かって(上方に)移動していく光の残影として見える筋)を下方から上方に移動させて表示する(図47(A))。そして、回転役物61の回転軸から放射状に花火が広がるように花火マーク100eを表示する(図47(B))。このとき、回転役物61の残影により表示される花火マーク100eに対応して画像表示装置42にて花火を表示制御する。そして、残影により複数の花火が打ち上がる態様を表示するとともに画像表示装置42にて花火を表示制御する(図47(C))。
次いで、回転役物61およびLED61aによる残影として花火の火の粉が落ちる態様を表示し(図47(D))、残影として火の粉により数字100f(この場合には、「7」)形成される態様を表示する(図47(E)〜図47(F))。そして、装飾図柄を停止表示する(図48(G))。このように、この実施の形態では。回転役物61により所定の残影を表示するとともに、画像表示装置42にて当該残影に対応した表示を行うことにより回転役物61の表示内容と画像表示装置42の表示内容とを関連付けてリーチ演出を実行するため、画像表示装置42の表示内容を残影によってより演出効果を高めることが可能である。
なお、図48(G)に示すように、モータ63を駆動していない停止状態では、回転役物61の初期位置として画像表示装置42の一部を覆わない位置に停止している。また、モータ63を駆動して回転役物61を回転駆動した場合であっても、モータ63を停止させるときには回転役物61を初期位置で停止させるように制御する。即ち、図45には示していないが、この実施の形態における回転ユニット60は、回転役物本体62の内部に初期位置を検出する初期位置センサ(位置検出手段)を備えており、モータ63を停止させるときには、初期位置センサによる検出に基づいて画像表示装置42の一部を覆わない位置で回転役物61を停止させるようにモータ63を駆動制御する。このように、この実施の形態では、回転役物61を回転駆動していない状態において、画像表示装置42の一部が回転役物61によって覆われ、画像表示装置42の表示内容の一部を視認できない状態となることを防止している。
また、図48(G)に示すように、回転役物61は、その棒状筐体のレンズ61c以外の外部表面は所定の色彩で塗装されるとともに、所定のグラフィックデザインが施され、モータ63を駆動していない停止状態においても前面装飾体80および画像表示装置42の装飾性を高めている。また、回転役物61のレンズ61c以外の棒状筐体の外部表面の色彩と、前面装飾体80の回転役物61の背面側の部分の色彩と、を暗色の同系色で塗装することで、回転役物61が前面装飾体80と同化し、回転役物61が目立たないようにするとともに、LED61aを発光制御するときにLED61aの発光を目立たせる(際立たせる)ことが可能となるため、回転役物61(LED61a)により残影を表示したときに遊技者の注目をさらに集めることができる。また、グラフィックデザインを回転役物61の一面に施していないため、回転役物61(LED61a)により残影を表示するときにグラフィックデザインが邪魔になり残影を視認し難いという不具合を防止できる。
また、この実施の形態では、残影により上述した太陽マーク100a、雲マーク100b、傘マーク100c、雪だるまマーク、雷マーク100d、花火マーク100e、数字100f、文字、等を表示可能であるが、これらの表示される態様は、上述した例に限らない。即ち、これらの最終的な態様を突然表示させるようにしてもよいし、これらの最終的な態様の一部を表示した状態から全体が表示した状態となるように表示することによりこれらの最終的な態様が移動してきたように表示させるようにしてもよいし、これらの最終的な態様となる以前の態様から徐徐に最終的な態様が形成されるように表示させるようにしてもよい。例えば、上述した雲マーク100bを突然表示させるようにしてもよいし、回転役物61の駆動領域外部から雲マーク100bが移動してきたように表示させるようにしてもよいし、雲マーク100bを小さく表示した状態から徐々に大きい表示にすることで遠くの雲が近づいてきたように表示させるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態では、回転役物61を回転駆動するとともにLED61aを発光制御することにより遊技者にあたかも画像表示装置42の表示領域が拡張されたかのような印象を与えることができる。即ち、表示領域拡張手段としての回転ユニット60を有する。
続いて、大当り表示処理について、図49〜図55を基に詳細に説明する。図49は大当り表示処理(ステップS702)の一例を示すフローチャート、図50は基準回数設定テーブルを示す説明図、図51は大当り演出テーブルを示す説明図である。また、図52〜図55は大当り演出における特別演出の一例を示す説明図である。
図49に示すように、大当り表示処理において、統合CPU112は、まず、大当り開始コマンドの受信フラグがセットされているか判別する(ステップS751)。この受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)でセットされ、主基板101から大当り開始コマンドを受信したことを示すフラグである。そして、ステップS751で大当り開始コマンドの受信フラグがセットされていなければ(ステップS751にてNO)、大当り開始コマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、大当り開始コマンドの受信フラグがセットされていれば(ステップS751においてYES)、その受信フラグをリセットし、画像表示装置42にオープニング画面を表示させる(大当り開始表示:ステップS752)。オープニング画面とは、大当り動作を発生させる場合に、それに先立って通知される、抽選結果(例えば「大当り」という表示画面)である。つまり、主基板101では、この画面が画像表示装置42で表示された後、大入賞口を開放状態とし、遊技球が多量に入賞しやすい状態(有利遊技状態)とする。
また、受信した大当り開始コマンドに対応したデータを、基準回数設定テーブル553から抽出する(ステップS753)。基準回数設定テーブル553は、図50に示すように、例えば9種類の大当り開始コマンドと、基準回数とを関連付けて記憶したものである。基準回数は、大当りの継続回数と比較される数値であり、本例では、大当りの継続率(図37参照)と対応している。具体的には、大当りの継続率が「68%」の機種における大当り開始コマンド(2001H〜2003H)に対しては、基準回数が「5」に設定され、大当りの継続率が「75%」の機種における大当り開始コマンド(2004H〜2006H)に対しては、基準回数が「10」に設定され、大当りの継続率が「84%」の機種における大当り開始コマンド(2007H〜2009H)に対しては、基準回数が「15」に設定されている。つまり、基準回数設定テーブル553における基準回数は、大当りの継続率が低いほど(即ち大当りの継続が困難になるほど)、基準回数が小さくなるように設定されている。このため、「確変大当り」が発生する可能性が低いほど、比較的少ない継続回数で演出態様が変更されるようになる。
また、基準回数設定テーブル553では、大当り開始コマンドに対して、大当り動作における最大ラウンド数も関連付けられて記憶されている。最大ラウンド数は、大入賞口に所定数の遊技球が入賞するまで、または一定時間が経過するまで大入賞口を開放状態にするという、ラウンド動作を、繰り返す回数であり、本例では夫々の機種に対応した三種類の最大ラウンド数が記憶されている。なお、この最大ラウンド数は、遊技機における大当り確率(図37参照)、即ち当否判定において大当りとなる確率に対応している。具体的には、大当り確率が「1/270」の機種における大当り開始コマンド(2001H,2004H,2007H)に対しては、最大ラウンド数が「5」に設定され、大当り確率が「1/393」の機種における大当り開始コマンド(2002H,2005H,2008H)に対しては、最大ラウンド数が「10」に設定され、大当り確率が「1/495」の機種における大当り開始コマンド(2003H,2006H,2009H)に対しては、最大ラウンド数が「15」に設定されている。つまり、基準回数設定テーブル553における最大ラウンド数は、大当り確率が低いほど(即ち大当りを発生させることが困難になるほど)、最大ラウンド数が多くなるように設定されている。
このように、ステップS753では、基準回数設定テーブル553から、大当り開始コマンドに対応する基準回数及び最大ラウンド数が抽出され、これらのデータを基に、大当り演出の一部として行われる特別演出の演出態様が決定されるとともに、効果音として発生されるBGMを変更させるか否かが判別される。
統合CPU112は、大当り開始コマンドに対応する最大ラウンド数を抽出すると、この最大ラウンド数と、図51に示す大当り演出テーブル558と、抽出された決定用乱数とに基づいて、特別演出の演出態様を決定する(ステップS754)。詳細に説明すると、図51に示すように、最大ラウンド数が抽出されると、まず、繰り返される複数のラウンド動作の中で、特別演出を実行させる対象ラウンドを決定する。大当り演出テーブル558は、最大ラウンド数と、特別演出を導出させる対象ラウンドの組合せとが関連付けて記憶された演出パターン記憶手段555を有しており、これを基にラウンドの組合せパターンを決定する。具体的には、最大ラウンド数が「5」の場合、即ち繰り返されるラウンド動作の回数が5回の場合には、1ラウンド〜4ラウンドが特別演出の対象ラウンドとなり、最大ラウンド数が「10」の場合には、6ラウンド〜9ラウンドが特別演出の対象ラウンドとなり、最大ラウンド数が「15」の場合には、11ラウンド〜14ラウンドが特別演出の対象ラウンドとなる。つまり、いずれのパターンにおいても、四つのラウンドが対象となるが、最大ラウンド数が多い場合(例えば10ラウンドまたは15ラウンドの場合)には、その後半部分で実行されるラウンドにおいて特別演出が行われるように設定されている。
特別演出の対象ラウンドが決定すると、次に、決定用乱数抽出手段(後述する)によって抽出された決定用乱数を基に、大当り演出テーブル558における、22種類の演出パターン501の中から一つの演出パターンが決定され、さらに、その演出パターンに対応する特別演出が大当り演出テーブル558から抽出される。本例では、特別演出として26通りの演出(演出A〜演出Z)が設けられており、この中から各演出パターンに対応する四つの特別演出が、対象ラウンドに関連付けて抽出される。例えば、最大ラウンドが「15」である場合に、決定用乱数によって3番目の演出パターンが選択された場合には、11ラウンドに対して演出Aが導出され、12ラウンドに対して演出W、13ラウンドに対して演出X、14ラウンドに対して演出Rが夫々導出される。
ここで、特別演出の具体例について図52〜図55を基に説明する。これらの特別演出は、いずれも二人のキャラクタ(キャラクタA,キャラクタB)が登場し、ツッコミとボケとによって遊技者に滑稽を感じさせる演出から構成されている。また、26種類の特別演出は、五つのテーマに大別されている。つまり、演出Aは「旗揚げゲーム」に関するものであり、演出B〜演出Gは「伝言ゲーム」に関するものであり、演出H〜演出Qは「シンデレラのパロディ」に関するものであり、演出S〜演出Vは「犯人を追いかける刑事」に関するものであり、演出W〜演出Zは「歯医者と患者との会話」に関するものである。なお、これらの特別演出は、一つの演出(即ち一つのラウンドに対応する演出)で話を完結させるものもあれば、ツッコミだけのもの、またはボケだけのものもある。つまり、一つの演出で話が完結している場合には、その演出は単独で導出されるが、ツッコミとボケとが二つまたはそれ以上の演出に跨る場合には、一連の演出として導出されるように組合せが設定されている。また、各演出では、ツッコミ及びボケが開始される前に、カチンコ(映画等で撮影をする際に、カメラの前で打ち鳴らされる小さな黒板の付いた拍子木)、及びタイトル(ネタの名称)が導出され、演出の終了時に出演者の氏名等からなるエンディング表示が導出される。なお、複数の演出に跨って一連の演出が導出される場合には、一連の演出の最初にのみカチンコ及びタイトルが表示されるようになっており、途中の段階の演出においてはこれらの表示は省略されている。
演出Aは、図52(A)に示すように、キャラクタAとキャラクタBとが並んで旗揚ゲームをするものである。つまり、一方の手に赤色の旗を、他方の手に白色の旗を持って、いずれか一方の旗を掛け声に合せて上げ下げするゲームである。ここで、本来なら「赤上げて」という掛け声に合せて赤色の旗を上げる動作を行うのであるが、この特別演出では、キャラクタAが「赤食べて」と言って赤色の旗を食べるという演出が行われる。その後、キャラクタAのボケに対し、キャラクタBのツッコミ(「なんでも食うな」という会話)を含む演出が行われる。
演出B〜演出Gは、図52(B)〜図52(G)に示すように、キャラクタBからキャラクタAに伝言された内容を、キャラクタAが繰り返し述べる、所謂、伝言ゲームに関するものである。ここで、本来なら同じ内容を繰り返すのであるが、キャラクタAがパチンコ機に関する内容を食べ物に関する内容と聞き違えるという演出が行われる。具体的に、演出Bでは、「確変が続くといいな」という伝言が行われ、これに対して演出Cでは、「カツ丼が…」と聞き違えるボケが行われる。また、同様に、演出Dでは、「よく回る台がいいよね」という伝言が行われ、これに対して演出Eでは、「よく回る回転寿司が…」と聞き違えるボケが行われる。また、演出Fでは、「無制限出し放題」という伝言が行われ、これに対して演出Gでは、「無制限食べ放題」と聞き違えるボケが行われる。このように、伝言ゲームに関する演出では、二つの演出が組となり、二つのラウンドに跨って連続的に導出される。
演出H〜演出Rは、図53(H)〜図54(R)に示すように、キャラクタAまたはキャラクタBが、一足の靴にあう女性を探す演出、即ち「シンデレラのパロディ」に関するものである。具体的には、演出Hでは、キャラクタBが大衆の前に一足の靴を置き、「この靴にぴったりの女性を探しています」というツッコミが行われ、これに対し演出Iでは、大柄の女性(キャラクタAに類似)がその靴を履こうとして靴を壊してしまう演出が行われる。また、演出Jでは、キャラクタAが大衆の前に靴を置き、「この靴にぴったりの女性をお姫様にするよ」というツッコミが行われ、これに対し演出Kでは、靴のサイズにぴったりの女性が現れるが、その女性が振り返ると、女装したキャラクタBであることに気づきガッカリする演出が行われる。
また、演出Lでは、キャラクタAが大衆の前に一足の靴を置き、「この靴にぴったりの女性を探しています」という、演出Jと同様の演出が行われるものの、その後、大衆が一斉にいなくなり、「みんなイヤなのかよ」といって怒る演出が行われる。また、演出Mでは、靴に女性が吸込まれる演出が行われ、演出NではキャラクタAとそっくりの大柄の女性が大勢集まる演出が行われる。さらに、演出Oでは、大衆の前に靴を置いたキャラクタBが実は靴屋であり、在庫がたくさんあるという演出が行われ、演出P及び演出Qでは、演出Oと同様、キャラクタBが靴屋であるという場面から開始されるが、キャラクタAが登場して靴を持ち去ったり、または靴がロケットのように飛び去ることにより、靴がなくなる(売り切れる)という演出が行われる。また、演出Rでは、キャラクタAが靴を持って大衆の前に登場するが、キャラクタBがキャラクタAの顔に抱きついているため、女性を探すことができなくなるという演出が行われる。
演出S〜演出Vは、図55(S)〜図55(V)に示すように、キャラクタAまたはキャラクタBが、犯人を追いかける際の動作に関するものである。具体的に、演出Sでは、キャラクタA及びキャラクタBが走りながら犯人を追いかける場面で、太っているキャラクタAから「待ってよ〜」や「暑いよ〜」等の弱音が発せられるが、その弱音が「僕のカツ丼返してよ〜」と食べ物の話題に変わるという演出が行われる。一方、演出T〜演出Vは、エレベータで犯人を追いかける場面であり、演出Tでは、キャラクタAがエレベータに乗ると、重量オーバーでエレベータの作動が停止するという演出が行われる。また、演出Uでは、エレベータの下降速度が速すぎてエレベータが破壊してしまう演出が行われる。また、演出Vでは、エレベータが上昇し過ぎて宇宙に到達してしまう演出が行われる。
演出W〜演出Zは、図55(W)〜図55(Z)に示すように、歯医者に関するものであり、演出Wでは、患者であるキャラクタAを、歯医者であるキャラクタBが治療する演出が行われる。演出Y〜演出Zは演出Wに続いて行われる演出であり、患者が歯医者に歯の状態を確認すると、歯医者が難しそうな顔をして一言述べるという演出が行われる。具体的に、演出Xでは「全部太っていますな」との返答がなされ、演出Yでは「第9レースは3−8が本命だな」との返答がなされ、演出Zではギリシャ語の返答がなされる、という演出が行われる。
なお、これらの特別演出は、4コマ漫画のように画像が順に変化し、夫々の台詞が吹出しによって表示されるようになっている。
このように、図49のステップS745において特別演出が決定されると、次に、大当りコマンドを受信したタイミングが、高確率中または時短中であるか否かを判別する(ステップS755)。つまり、前回発生した大当りが「確変大当り」であり、それによって大当り継続中となっているか否かを判別する。そして、大当り継続中に大当り開始コマンドを受信した場合には(ステップS755においてYES)、大当りの継続回数を加算し(ステップS756)、その加算後の継続回数が、ステップS753によって決定された基準回数nよりも大きいか否かを判別する(ステップS757)。そして、大当りの継続回数が基準回数nよりも大きい場合には、大当り演出中に行われるBGMを変更するためのフラグを設定する(ステップS758)。例えば、基準回数が「5」に設定された機種では、大当りの継続回数が5回以上になると、大当り演出中の効果音を、第一BGMから第二BGMに変更する。なお、大当り開始コマンドを受信した際に、大当り継続中でない場合には(ステップS755においてNO)、継続回数に「1」をセットし(ステップS759)、大当り表示処理を終了する。
なお、図49のフローチャートには示していないが、大当り演出中、主基板101からラウンド数コマンドが発信された場合には、そのラウンド数コマンドに基づいて、何回目のラウンド動作として大入賞口(大入賞口装置75)が開放されたのかを、画像表示装置42に表示させるための設定が行われる。また、主基板101からカウントコマンドが発信された場合には、そのカウントコマンドに基づいて、大入賞口に入賞した遊技球の数(カウント数)を画像表示装置42に表示させるための設定が行われる。さらに、主基板101から大当り終了コマンドが発信された場合には、その大当り終了コマンドに基づいて、大当り動作が終了する旨を画像表示装置42に表示(大当り終了表示)させるための設定が行われると共に、大当り中での大入賞口への入賞に基づいて払い出された遊技球の数(賞球数)を賞球履歴として画像表示装置42に表示(賞球履歴表示)させるための設定が行われる。
次に、上記した大当り終了時における画像表示装置42での賞球履歴表示について図56乃至図59を参照して説明する。図56及び図58は、大当り中における大入賞口装置75、カウントスイッチ75a、画像表示装置42、及び枠ランプ27の動作を例示するタイムチャートである。図57及び図59は、画像表示装置42での賞球履歴表示の具体例を示す説明図である。
なお、図56は、ほぼ平均出球数の賞球が払い出された場合の各種構成部材の動作を例示するタイムチャートであり、図58は、平均出球数よりも遥かに多い賞球が払い出された場合の各種構成部材の動作を例示するタイムチャートである。ここでいう平均出球数(賞球の規定総数)とは、1回のラウンドで大入賞口を閉塞制御する入賞球数(本実施形態では、9個)×1個の遊技球が大入賞口に入賞することで払い出される賞球数(本実施形態では、15個)×1回の大当りにおける総ラウンド数(本実施形態では、15ラウンド)の計算値であり、本実施形態のパチンコ機1における平均出球数は、2025個(=9×15×15)となる。
先ず、ほぼ平均出球数の賞球が払い出される場合の各種構成部材(大入賞口装置75、カウントスイッチ75a、画像表示装置42、及び枠ランプ27)の動作について図56を参照して説明する。図56において、大当り遊技状態が開始されると(大当り信号がONになると)、これと同時に、画像表示装置42には、大当り遊技状態が開始された旨を遊技者に認識させる大当り開始表示が行われ、また、枠ランプ27は、赤青の点滅制御(通常態様)が開始されて遊技領域12外周となるパチンコ機1の前面を光装飾する。その後、大当り遊技状態の開始から所定期間が経過すると、大入賞口装置75の開放制御を開始し(1ラウンド(1R)目の開始)、これと同時に画像表示装置42の表示がラウンド表示に切り替えられる。
そして、前述したように所定時間(30秒)あるいは所定個数(9個)の遊技球が大入賞口に入賞してカウントスイッチ75aによって検出されるまで大入賞口を開放し、その後、大入賞口装置75を閉塞制御する開閉サイクル(ラウンド)を15回繰り返し実行(15ラウンド実行)する。なお、各ラウンド間には、1.5秒のインターバル期間(大入賞口装置75の閉塞状態を維持する期間)が設定されている。図56中には、1R〜15Rの全てのラウンドでそれぞれ9個の遊技球が大入賞口に入賞して、これらの遊技球がカウントスイッチ75aによって検出された場合(但し、図56中では、3R目の後半から11R目の終了までの期間について図示を省略している)を例示すると共に、大入賞口の閉塞直前に10個目以降の遊技球が入賞して当該遊技球がインターバル期間でカウントスイッチ75aによって検出された場合を例示する(図56中には、1Rと2Rのインターバル期間及び14Rと15Rのインターバル期間でそれぞれ1個の遊技球が検出された場合を示す)。
その後、最終ラウンドとなる15Rの終了(15R目の大入賞口装置75の閉塞)と同時に、画像表示装置42の表示は、大当り遊技状態が終了する旨を遊技者に認識させる大当り終了表示に切り替えられ、その1.5秒後に賞球履歴表示に切り替えられる。その後は、画像表示装置42による賞球履歴表示が終了するのと同時に大当り信号がOFFとなり、大当り遊技状態が終了する。なお、大当り遊技状態中、大入賞口への入賞に基づく賞球の払い出し総数(賞球数)が平均出球数に到達した場合、カウントスイッチ75aによる球検出(具体的には、カウントスイッチ75aによって賞球数2025個(平均出球数)と対応する135個目の遊技球が検出されたこと)に基づいて、枠ランプ27の制御を赤青点滅から青点灯(特定態様)に切り替えて、その旨を遊技者に認識させるようになっている。図56中では、最終ラウンド(15R)における3個目の入賞球が賞球数2025個と対応する135個目の遊技球となり、当該遊技球がカウントスイッチ75aによって検出されるのと同時に、枠ランプ27が青点灯に切り替え制御された場合を例示している。このような枠ランプ27の青点灯は、大当り遊技状態の終了(大当り信号のOFF)と同時に解除され、その後は通常時の枠ランプ27の点灯・点滅制御が行われる。
また、図56の大当り終了表示後に画像表示装置42に表示される賞球履歴表示は、図57(A)に示すとおりである。賞球履歴表示は、図57(A)に示すように、「ラウンド数」、「入賞球数」、「賞球数」、及び「消化時間」の各項目が設けられ、これらの各項目に対して各ラウンド(所定の区切単位)毎の実数値が上下方向に連なる複数行に分けて表示される(賞球数表示制御手段)。なお、上下方向に連なる複数行の賞球履歴表示は、上端側の「1R」から下端側の「15R(ファイナル)」に向って画像表示装置42にスクロール表示されるようになっている。
具体的に、図56に示した大当り遊技状態でのカウントスイッチ75aの球検出と対応する図57(A)の賞球履歴表示において、1R〜15R(最終ラウンド)の各ラウンド中にそれぞれ9個の入賞球が検出されたことを示す表示として「ラウンド数」の「1R」〜「15R(ファイナル)」には、個々に「入賞球数」に「9個」が表示され、当該9個の入賞に基づいて払い出される「135個」が「賞球数」に表示される(但し、図57(A)中では、「1R」、「2R」、「3R」、「14R」、「15R(ファイナル)」に対してのみ図示し、その他のラウンド(「4R」〜「13R」)に対しては図示を省略している)。また、図56中には、「1R」、「2R」、「3R」、「14R」、「15R(ファイナル)」の「消化時間」としてそれぞれ大入賞口の最大開放時間となる30秒未満の「14秒」、「12秒」、「17秒」、「13秒」、「16秒」が表示された場合を例示しているが、この消化時間とは、大入賞口装置75の開放が開始されてから9個目の入賞球が検出されて大入賞口装置75が閉塞されるまでの時間である。
さらに、図57(A)に示す賞球履歴表示には、「ラウンド数」の「1R」と「2R」の間に「1R〜2R」が表示され、「14R」と「15R(ファイナル)」の間に「14R〜15R」が表示され、それぞれの「入賞球数」に「1個」が表示され、当該1個の入賞に基づいて払い出される「15個」が「賞球数」に表示される。これにより、1R目及び14R目における大入賞口の閉塞直前に、それぞれ10個目の遊技球が入賞して当該遊技球が個々のインターバル期間でカウントスイッチ75aによって検出された旨、言い換えれば10個目の入賞球によって余分に15個の賞球が払い出された旨を遊技者に認識させるようになっている。また、賞球履歴表示の最終行には、「トータル」の項目が設けられており、その「トータル」の項目に対応した「入賞球数」には大当り中に大入賞口に入賞した入賞球の総数となる「141個」が表示され、「賞球数」には大当り中の大入賞口への入賞に伴って払い出される賞球の総数となる「2115個」が表示され、「消化時間」には大当り中に大入賞口が開放した累積時間となる「225秒」が表示される。
ところで、前記図56に示した大当り遊技状態でのカウントスイッチ75aの球検出と対応する図57(A)の賞球履歴表示では、ラウンドにおける大入賞口の閉塞直前に10個目以降の遊技球が入賞し、トータルとして平均出球数よりも若干多い賞球が払い出された場合(「トータル」の「入賞球数」が平均入賞球数(135個)を上回る「141個」となり、「トータル」の「賞球数」が平均賞球数(平均出球数:2025個)を上回る「2115個」となる場合)を例示しているが、遊技場側での出球調整によって大入賞口への遊技球の寄りが若干辛く調整され、実際に払い出された賞球の総数が平均出球数よりも若干少なくなった場合には、図57(B)に示すような賞球履歴表示が画像表示装置42に表示される。
図57(B)の賞球履歴表示においては、「トータル」の「入賞球数」が平均入賞球数(135個)を下回る「132個」となり、「トータル」の「賞球数」が平均賞球数(平均出球数:2025個)を下回る「1980個」となり、「トータル」の「消化時間」が前記図57(A)に示した「225秒」に比べて大幅に上回る「390秒」となる。具体的には、1R〜15R(最終ラウンド)の全てのラウンドで9個の入賞球が検出されるのではなく、ラウンド(図57(B)中では、「3R」と「14R」)によっては8個の入賞球しか検出されずに「入賞球数」に「8個」が表示され、当該8個の入賞に基づいて払い出される「120個」が「賞球数」に表示される。また、このようなラウンドでは、「消化時間」として大入賞口の最大開放時間となる「30秒」が表示される。また、図57(B)の賞球履歴表示では、大入賞口への遊技球の寄りが若干辛く調整されて、ラウンドにおける大入賞口の閉塞直前に10個目以降の遊技球が入賞することがないので、前記図57(A)に示した賞球履歴表示と違い、インターバル期間の「入賞球数」及び「賞球数」の表示がなくなる。また、図示しないが、図57(B)の賞球履歴表示を行う大当り遊技状態では、大入賞口への入賞に基づく賞球の払い出し総数(賞球数)が平均出球数に到達することがないので、枠ランプ27は、赤青点滅の制御が大当り期間中継続して行われる(青点灯の制御に切り替えられることがない)。
次に、平均出球数よりも遥かに多い賞球が払い出された場合の各種構成部材(大入賞口装置75、カウントスイッチ75a、画像表示装置42、及び枠ランプ27)の動作について図58を参照して説明する。図58において、大当り遊技状態が開始されると(大当り信号がONになると)、これと同時に、画像表示装置42には、大当り遊技状態が開始された旨を遊技者に認識させる大当り開始表示が行われ、また、枠ランプ27は、赤青の点滅制御が開始されて遊技領域12外周となるパチンコ機1の前面を光装飾する。その後、大当り遊技状態の開始から所定期間が経過すると、大入賞口装置75の開放制御を開始し(1ラウンド(1R)目の開始)、これと同時に画像表示装置42の表示がラウンド表示に切り替えられる。
そして、前記図56の大当り遊技状態と同様に、大入賞口装置75の開閉サイクル(ラウンド)を15回繰り返し実行(15ラウンド実行)する。図58中には、1R〜15Rの全てのラウンドでそれぞれ9個の遊技球が大入賞口に入賞して、これらの遊技球がカウントスイッチ75aによって検出された場合(但し、図58中では、3R目の後半から11R目の終了までの期間について図示を省略している)を例示すると共に、大入賞口の閉塞直前に10個目以降の遊技球が入賞して当該遊技球がインターバル期間でカウントスイッチ75aによって検出された場合を例示する(図58中には、1Rと2Rのインターバル期間、2Rと3Rのインターバル期間、12Rと13Rのインターバル期間、及び14Rと15Rのインターバル期間でそれぞれ3個の遊技球が検出された場合を示す)。
その後、最終ラウンドとなる15Rの終了(15R目の大入賞口装置75の閉塞)と同時に、画像表示装置42の表示は、大当り遊技状態が終了する旨を遊技者に認識させる大当り終了表示に切り替えられ、その1.5秒後に賞球履歴表示に切り替えられる。その後は、画像表示装置42による賞球履歴表示が終了するのと同時に大当り信号がOFFとなり、大当り遊技状態が終了する。
また、図58の大当り遊技状態中では、前記図56の大当り遊技状態と同様に、大入賞口への入賞に基づく賞球の払い出し総数(賞球数)が平均出球数に到達した時点で枠ランプ27の制御を赤青点滅から青点灯に切り替える。図58中では、12Rにおける3個目の入賞球が賞球数2025個と対応する135個目の遊技球となり、当該遊技球がカウントスイッチ75aによって検出されるのと同時に、枠ランプ27が青点灯に切り替え制御された場合を例示している。その後、大入賞口への入賞に基づく賞球の払い出し総数(賞球数)が平均出球数に対する所定増しの数値(実施形態中では、2340個)に到達すると、カウントスイッチ75aによる球検出(具体的には、カウントスイッチ75aによって賞球数2340個と対応する156個目の遊技球が検出されたこと)に基づいて、枠ランプ27の制御を青点灯から赤点灯(特別態様)に切り替えて、賞球の払い出し量が異常に多い旨を遊技場の従業員に認識させるようになっている。
なお、上記したように枠ランプ27を赤点灯する構成は、賞球履歴表示が行われる以前にパチンコ機1全体で異常報知を行うためのものであり、その後に表示される賞球履歴表示を従業員が視認して、トラブルや多量の賞球を払い出すような釘調整を遊技場側で行っていないときには、遊技者の悪質行為(例えば、ワイヤー等の装具を遊技領域12内に挿入し、該装具によって大当り中のインターバル期間も大入賞口装置75を開放させることで、平均出球数よりも遥かに多い賞球が払い出されるようにする行為)を確実に立証できるようにしている。言い換えれば、大当り中の賞球に対して悪質行為が行われた場合、従業員が賞球履歴表示を見落とさないタイミングで枠ランプ27を赤点灯させるようになっている。また、枠ランプ27が青点灯から赤点灯に切り替わる際には、その切り替わりが明確に視認できるように、青点灯から徐々に紫点灯に切り替わり、その後、紫点灯から徐々に赤点灯に切り替わるようになっている。
ところで、従来、一般的に、パチンコ機は、賞球が払い出された旨を遊技場側に認識させる賞球信号が遊技場側のホールコンピュータに出力されるようになっている。これにより、通常の遊技状態においては、悪質行為によって多量の賞球が払い出されるような場合、その賞球信号によって異常に多い賞球が払い出されたことを遊技場側は把握することができ、悪質行為を発見できるようになっている。しかしながら、大当り遊技状態は、多量の賞球が払い出されることを前提とした遊技状態であるため、悪質行為によって規定の賞球払い出し量(平均出球数)に上乗せして賞球が払い出されるような場合には、悪質行為によって賞球の払い出しが上乗せされたことを把握すること(大当り中の悪質行為を発見すること)は困難であった。これに対して、本実施形態の構成によれば、上記したように枠ランプ27の赤点灯や大当り終了時の賞球履歴表示を行うことで、悪質行為によって規定の賞球払い出し量に上乗せして賞球が払い出されるような場合でも、その旨を遊技場側に知らせることができ、確実に大当り中の悪質行為を発見することができる。
図58中では、14Rにおける3個目の入賞球が賞球数2340個と対応する156個目の遊技球となり、当該遊技球がカウントスイッチ75aによって検出されるのと同時に、枠ランプ27が赤点灯に切り替え制御された場合を例示している。このような枠ランプ27の赤点灯は、大当り遊技状態の終了(大当り信号のOFF)後も継続的に行われ、大当り遊技状態終了後の最初の図柄変動開始と同時に解除され、その後は通常時の枠ランプ27の点灯・点滅制御が行われる。なお、平均出球数に対する所定増しの数値としている「2340個」は、大当り中に「156個」の遊技球が大入賞口に入賞したことを異常と判定することで設定された値であり、この「156個」の値は、15ラウンド(1回の大当りにおける総ラウンド数)×9個(1回のラウンドで大入賞口を閉塞制御する入賞球数)×1.15(制御処理上の設定数となる115%)+1(制御処理上の都合により加算される数値)の計算値(156.25)に基づいて設定されている。
また、図58の大当り終了表示後に画像表示装置42に表示される賞球履歴表示は、図59に示すとおりである。賞球履歴表示は、図59に示すように、「ラウンド数」、「入賞球数」、「賞球数」、及び「消化時間」の各項目が設けられ、これらの各項目に対して各ラウンド毎の実数値が上下方向に連なる複数行に分けて表示される。なお、上下方向に連なる複数行の賞球履歴表示は、上端側の「1R」から下端側の「15R(ファイナル)」に向って画像表示装置42にスクロール表示されるようになっている。
具体的に、図58に示した大当り遊技状態でのカウントスイッチ75aの球検出と対応する図59の賞球履歴表示において、1R〜15R(最終ラウンド)の各ラウンド中にそれぞれ9個の入賞球が検出されたことを示す表示として「ラウンド数」の「1R」〜「15R(ファイナル)」には、個々に「入賞球数」に「9個」が表示され、当該9個の入賞に基づいて払い出される「135個」が「賞球数」に表示される(但し、図57(A)中では、「1R」、「2R」、「3R」、「13R」、「14R」、「15R(ファイナル)」に対してのみ図示し、その他のラウンド(「4R」〜「12R」)に対しては図示を省略している)。また、図59中には、「1R」、「2R」、「3R」、「13R」、「14R」、「15R(ファイナル)」の「消化時間」としてそれぞれ大入賞口の最大開放時間となる30秒未満の「19秒」、「17秒」、「22秒」、「20秒」、「18秒」、「18秒」が表示された場合を例示している。
さらに、図59に示す賞球履歴表示には、「ラウンド数」の「1R」と「2R」の間に「1R〜2R」が表示され、「2R」と「3R」の間に「2R〜3R」が表示され、「14R」と「15R(ファイナル)」の間に「14R〜15R」が表示され、それぞれの「入賞球数」に「3個」が表示され、当該3個の入賞に基づいて払い出される「45個」が「賞球数」に表示される。これにより、各インターバル期間でそれぞれ10個目から13個目となる3個の遊技球が入賞して当該遊技球が個々のインターバル期間でカウントスイッチ75aによって検出された旨、言い換えればインターバル期間中に大入賞口を悪質行為によって開放してそれぞれの入賞によって各インターバル期間中に45個の賞球が払い出された旨を遊技場の従業員に認識させるようになっている。また、賞球履歴表示の「トータル」の項目に対応した「入賞球数」には平均入賞球数(135個)を遥かに上回る「174個」が表示され、「賞球数」には平均賞球数(平均出球数:2025個)に対する所定増しの数値(2340個)を上回る「2610個」が表示され、「消化時間」には「300秒」が表示される。
なお、以上説明した図57(A),(B)及び図59の賞球履歴表示は、大当り遊技状態における最終ラウンド(最大ラウンド数)を15ラウンド(15回)としたものを例示しているが、前述したように最終ラウンド(最大ラウンド数)が10ラウンド(10回)又は5ラウンド(5回)となる大当り遊技状態においては、それぞれ賞球履歴表示に表示される「ラウンド数」の最終ラウンドが「10R(ファイナル)」、「5R(ファイナル)」として表示される。このため、最終ラウンドが10ラウンド又は5ラウンドとなって大当り中の賞球総数が15ラウンドのものに比べて明らかに減少するような場合でも、賞球履歴表示を表示することでその旨を遊技者に認識させることができる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、大当り中の各ラウンド(所定の区切単位)毎に払い出された(付与される)賞球具合を賞球履歴表示として視認可能に表示する画像表示装置42を備える。これにより、大当り遊技状態における様々なタイミングでの賞球の付与状況(情報)を遊技者に把握させることができ、ひいては、大当り遊技状態での遊技内容をマンネリ化することなく、大当り遊技状態での遊技者の遊技意欲を高めることができる。また、このような大当り遊技状態における様々なタイミングでの賞球の払い出し情報は、遊技場側にとっても有益な情報となる。具体的には、大当り中における様々なタイミングでの大入賞口装置75への遊技球の寄りを遊技場側が確認できるため、遊技者に対して塩梅のよいサービスが提供できているか否かが明確に把握できる。これにより、賞球払い出し情報に基づいて出球調整を行うことが可能になり、他の遊技場とは一味違ったサービスを遊技者に提供することができる。
また、本実施形態の構成によれば、遊技領域12のほぼ中央位置に配置されて装飾図柄(識別情報)を変動表示する画像表示装置42に賞球履歴表示を行う機能を併合している。これにより、遊技者の関心が高い図柄の表示を最も注目し易い位置(遊技領域12のほぼ中央位置)で行うことができ、然も遊技者が注目する箇所を1箇所に集約することができるので、全般的に遊技者を遊技に集中させることができる。また、遊技球の打ち込みを一旦停止して一息付くことができる大当り遊技状態の終了時に賞球履歴表示を行うので、遊技者に対して、より印象深く大当り遊技状態を鑑みさせることができる(大当り遊技状態のいずれのタイミングでどの位の賞球が払い出されたかを把握させることができる)。さらには、大入賞口装置75の最終ラウンドにおける開放動作が終了してから、大入賞口装置75が閉塞状態に移行する直前に入賞した遊技球を検出可能な所定期間(実施形態中では、1.5秒)の経過後に賞球履歴表示を行うようになっている。このため、大入賞口装置75への入賞に基づいて払い出された賞球具合を正確に賞球払い出し情報として表示することができる。
また、本実施形態の構成によれば、大入賞口装置75における複数回の開閉動作(特別動作)の実行期間となる各ラウンドを所定の区切単位として賞球履歴表示を行うようになっている。これにより、詳細に賞球の付与状況を遊技者に認識させることができる。また、ラウンド間のインターバル期間中に入賞球の検出がある場合には、当該遊技球の検出に基づいて払い出された賞球具合を、ラウンド中に検出された入賞に基づいて払い出された賞球具合とは別に表示する。これにより、閉塞状態に移行する直前に大入賞口装置75に遊技球が入賞するような場合、その遊技球の入賞に基づいて払い出された賞球具合を個別に表示することで、遊技者に対して得をした気分にさせることができる。また、このような構成において、インターバル期間中の賞球が異常に多いときには、その旨を表示する賞球払い出し情報によって遊技場側の従業員に異常(悪質行為やトラブル)が発生していることを知らせることができる。なお、実施形態中では、インターバル期間中の賞球数を個別に賞球履歴表示として表示しているが、これに限らず、インターバル期間中に多量の賞球が払い出された場合には、その旨が認識できるような表示を行うようにしてもよい。
また、本実施形態の構成によれば、大入賞口装置75の開放状態への移行が開始されてから、大入賞口装置75への所定数(本実施形態では、9個)の入賞が検出されたことを条件として大入賞口装置75を閉塞状態に移行する。これにより、大入賞口装置75の1回の開閉動作によって払い出される賞球具合、ひいては1回の大当り遊技状態の制御によって払い出される賞球の総数を規定することができる。また、大入賞口装置75の開放状態への移行が開始されてから、予め定めた所定時間(実施形態中では、30秒)が経過したことを条件として大入賞口装置75を閉塞状態に移行する。これにより、大入賞口装置75の開閉動作の実行期間を規制することができ、ひいては1回の大当り遊技状態の制御期間を規制することができる。
また、本実施形態の構成によれば、パチンコ機1の前面に配置されて光装飾を行う枠ランプ27を備え、大当り中に払い出された賞球の累積数に応じて枠ランプ27の発光を制御するようになっている。これにより、賞球の払い出しに応じてパチンコ機1の前面を光装飾することができ、賞球を獲得する遊技者の喜びをより一層高めることができる。また、払い出された賞球の累積数が、大当り遊技状態の1回の制御によって払い出される賞球の平均出球数(規定総数)となったとき、枠ランプ27を大当り遊技状態中における通常態様となる赤青点滅から特定態様となる青点灯に切り替えて表示制御する。これにより、賞球の払い出し数が平均出球数に到達した旨を遊技者に認識させることができる。さらには、払い出された賞球の累積数が、大当り遊技状態の1回の制御によって払い出される賞球の平均出玉数に対する所定増しの数値となったとき、異常を発報する特別態様となる赤点灯で枠ランプ27を表示制御する。これにより、大入賞口装置75の入賞に基づいて払い出される賞球具合が異常に多い旨を遊技場側の従業員に知らせることができる。また、この構成によれば、払い出された賞球の累積数が異常に多くなると同時にその旨を枠ランプ27によって従業員に知らせることができ、その後、画像表示装置42に表示される賞球履歴表示によって悪質行為を確実に立証することができる。
また、本実施形態の構成によれば、賞球履歴表示には、ラウンド毎で払い出された賞球具合に加えて、大当り遊技状態の1回の制御によって払い出された賞球の総数が表示される。これにより、遊技者が賞球の平均出球数に比べて多くの賞球を獲得できたか否かを容易に判断することができる。また、賞球履歴表示には、ラウンド毎で払い出された賞球具合に加えて、大入賞口装置75に入賞した(カウントスイッチ75aにより検出された)遊技球の数と、ラウンドの消化時間となる大入賞口装置75の開放時間(特別動作の実行期間)とが表示される。これにより、より一層、賞球履歴表示に対する遊技者の関心を高めることができる。
ところで、実施形態の構成によれば、賞球履歴表示として、純増の賞球数を表示する構成となっている。即ち、大当り中に打ち込んだ遊技球のうち入賞することなくアウト口77に回収された遊技球を減算していないので、大当り終了後に実際に残った遊技球の数よりも多少多目に表示することで、若干なりとも遊技者を得した気分にさせることができる。また、実施形態中の構成によれば、特別に不正検出用の信号をホール側に出力する等、複雑な信号制御を行うことなく、賞球履歴表示によって簡単に大当り中に得られる賞球に対する悪質行為を立証することができる。
なお、実施形態中では、大当りの終了時に賞球履歴表示を比較的短い時間行って次の遊技に移行する構成としているが、これに限定するものではない。例えば、賞球の総数が平均出球数に対する所定増しの数値となった場合には、従業員の操作があるまでその賞球履歴表示を継続するようにして、悪質行為が行われた裏付けを残すようにしてもよい。但し、悪質行為以外のトラブル等によって平均出球数に対する所定増しの数値となることがあり得え、然も長めに賞球履歴表示を行うことで、遊技者の遊技意欲を半減させる等の弊害を伴う虞があるため、実施形態中のように比較的短時間で賞球履歴表示を行うことが望ましい。
また、実施形態中では、平均出玉数に対する所定増しの数値となったときに、枠ランプ27を赤点灯で表示制御して異常を発報する構成となっているが、これ以外にも1ラウンド目の開始以前に大入賞口装置75に入賞(カウントスイッチ75aによる遊技球の検出)がある等、大入賞口装置75への入賞に対して異常が発生した場合には、その時点で枠ランプ27を赤点灯して異常を発報するようにしてもよい。また、最終ラウンドにおける大入賞口の閉塞から1.5秒後が経過した時点で賞球履歴表示を行うことで、最終ラウンドにおける大入賞口の閉塞直前に入賞した10個目以降の遊技球を確実に検出して、大当り中の賞球の総数を確実に賞球履歴表示に反映させて表示する構成としているが、この構成に限定するものではない。例えば、最終ラウンドにおける大入賞口の閉塞と同時に賞球履歴表示を開始するようにしてもよい。但し、この場合には、最終ラウンドにおける大入賞口の閉塞以降にカウントスイッチ75aで検出された遊技球に基づいて払い出される賞球数もリアルタイムで賞球履歴表示に反映させて表示する必要がある。
また、実施形態中では、各ラウンドを所定の区切単位として賞球履歴表示を行う構成としているが、所定の区切単位はこれに限定しない。例えば、大入賞口装置75の開閉動作において、開放動作が開始されてから次の開放動作が開始されるまでの期間を所定の区切単位としたり、予め定めた所定時間(例えば、30秒)の経過を所定の区切単位としたり、大当り遊技状態の制御期間を等分割した期間(例えば、320秒の消化時間を10等分した32秒毎の期間)を所定の区切単位として賞球履歴表示を行うようにしてもよい。
さらには、実施形態中では、大当り中の最初のラウンドの開始時点から最終のラウンドの終了時点(所定条件が成立する時点)までの期間を所定の区切単位に区切り、該区切単位毎の賞球履歴表示を行う構成としているが、これに限定せず、大当り信号(認識信号)の出力期間を所定の区切単位に区切り、該区切単位毎の賞球履歴表示を行う構成としてもよい。この場合、各ラウンドと、各ラウンド間のインターバル期間と、大当り信号の出力が開始されてから最初のラウンドが開始されるまでのラウンド開始期間と、最終のラウンドが終了してから大当り信号の出力が停止するまでのラウンド終了期間と、をそれぞれ所定の区切単位として賞球履歴表示を行うようにすればよい。また、このような構成において、インターバル期間中に遊技球の検出がないときは、インターバル期間の賞球具合を表示しないようにしたり、あるいはインターバル期間の賞球具合を0個として表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。