JP2007028887A - モータ電力散逸に基づく推定モータ温度を使用するモータ温度制御 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの過熱を防止するとともにモータ温度の直接測定によらないモータ温度監視制御システム及び方法を提供する。
【解決手段】モータ電力散逸を制限することによりモータの温度を所定の最高温度値に制限する方法であって、モータ206近くの周囲温度を検出するステップと、モータ電力散逸316を決定するステップと、検出された周囲温度と決定されたモータ電力散逸に基づいてモータ巻線温度を推定するステップと、推定されたモータ巻線温度に基づいて、モータ温度を所定時間期間に所定の最高温度に上昇させる最大モータ電力散逸を決定するステップと、モータ電力散逸を前記決定された最大モータ電力散逸より下に制限するステップと、を含む。
【選択図】 図3
【解決手段】モータ電力散逸を制限することによりモータの温度を所定の最高温度値に制限する方法であって、モータ206近くの周囲温度を検出するステップと、モータ電力散逸316を決定するステップと、検出された周囲温度と決定されたモータ電力散逸に基づいてモータ巻線温度を推定するステップと、推定されたモータ巻線温度に基づいて、モータ温度を所定時間期間に所定の最高温度に上昇させる最大モータ電力散逸を決定するステップと、モータ電力散逸を前記決定された最大モータ電力散逸より下に制限するステップと、を含む。
【選択図】 図3
Description
本発明は一般にモータ温度制御に関し、特にモータにより散逸された電力に基づいてモータ温度を制御するシステム及び方法に関する。
典型的に、航空機には、位置制御可能時に航空機をある目標位置から別の目標位置に誘導する複数の操縦面がある。航空機に備えられる操縦面の個数と種類は一定でないが、典型的に主操縦面と副操縦面がある。主操縦面はピッチ軸、ヨー軸及びロール軸での航空機の動きを制御するのに使用されるものであり、副操縦面は航空機の揚力または抗力あるいは両方に作用を及ぼすのに使用されるものである。
一部の航空機では、操縦面は乗務員の入力や自動操縦装置を介して制御される。自動操縦装置は航空機の少なくとも一部の航空機操縦面を所望の位置に動かす適切な位置コマンドを発生する。ほとんどの場合、この運動は操縦面に連結されたアクチュエータを介して行われる。いくつかの自動操縦装置では、この種のアクチュエータの一部または全部が電気機械式アクチュエータである。典型的に電気機械式アクチュエータはコントローラから各種モータコマンドが入力される電気モータを備える。モータコマンドに応答してモータからトルクが発生し、これがアクチュエータに伝わって操縦面を動かす。
モータコマンドは、過熱せずにモータがコマンドに対応できるようモータ電力散逸を十分に小さくして、または十分に短い間隔で行うことが好ましい。ただし、そのようにできない場合もある。したがって、モータ温度を測定し、測定温度に基づいてモータ電力を制限して過熱を防止することが求められる。しかしながら、モータの回転のため温度センサの取付が実施不可能ではないまでも困難であるため、モータ温度の直接測定は通常実用的でない。
したがって、モータの過熱を防止するとともにモータ温度の直接測定によらないモータ温度監視制御システム及び方法のニーズがある。本発明は少なくともこのニーズに応えるものである。
本発明は、過熱防止のためモータ駆動を制限する制御ループ内でモータ電力散逸の演算結果とモータの熱的モデルに基づいてモータ温度を制御する。
実施形態において単なる例として、モータ電力散逸を制限することによりモータ温度を所定の最高温度値に制限する方法は、モータ近くの周囲温度を検出し、モータ電力散逸を決定し、検出した周囲温度と決定したモータ電力散逸に基づいてモータ巻線温度を推定する。所定時間でモータ温度を所定の最高温度値に上昇させる最大モータ電力散逸が推定した巻線温度に基づいて決定される。モータ電力散逸は決定した最大電力散逸以下の値に制限される。
別の例示の実施形態において、モータ温度制限システムは周囲温度センサと、モータ電力散逸決定手段と、熱的モデル手段と、電力散逸限界決定手段と、制限手段を備える。周囲温度センサはモータ近くの周囲温度を検出し、周囲温度に相当する周囲温度信号を供給する。モータ電力散逸決定手段はモータコマンドに応答してモータ電力散逸に相当するモータ電力散逸信号を供給する。熱的モデル手段は周囲温度信号とモータ電力散逸信号に応答してモータ巻線温度を推定し、それに相当するモータ巻線温度信号を供給する。電力散逸限界決定手段はモータ巻線温度信号に応答して、モータに供給された場合にモータ温度を所定時間で最高温度値に上昇させる最大モータコマンドを決定し、それに相当するモータ電力散逸限界信号を供給する。制限手段はモータ電力散逸限界信号に応じ、モータに供給するモータコマンドをモータ電力散逸限界信号に基づいて制限する。
さらに別の実施形態において、操縦面アクチュエータシステムはアクチュエータモータと、操縦面アクチュエータと、周囲温度センサと、アクチュエータコントローラを備える。アクチュエータモータはアクチュエータモータコマンドを受けるように接続され、コマンドを受けた際に駆動力を供給するように設定される。操縦面アクチュエータは駆動力を受けるように結合され、駆動力を受けた際にコマンド位置に移動する。周囲温度センサはアクチュエータモータ近くの周囲温度を検出するように動作し、それに相当する周囲温度信号を供給する。アクチュエータコントローラは周囲温度信号を受けるように接続されるとともに、操縦面位置コマンドを受ける。アクチュエータコントローラは周囲温度信号と操縦面位置コマンドに応答して動作してアクチュエータモータにアクチュエータモータコマンドを供給し、アクチュエータモータ温度を所定の最高温度に制限する。アクチュエータコントローラはモータ電力散逸決定手段と熱的モデル手段と、電力散逸限界決定手段と、制限手段を備える。モータ電力散逸決定手段はアクチュエータコマンドに応答してモータ電力散逸に相当するモータ電力散逸信号を供給する。熱的モデル手段は周囲温度信号とモータ電力散逸信号に応答してモータ巻線温度を推定し、それに相当するモータ巻線温度信号を供給する。電力散逸限界決定手段はモータ巻線温度信号に応答して、アクチュエータモータに供給された場合にアクチュエータモータ温度を所定時間で所定の最高温度値に上昇させるアクチュエータモータ最大電力を決定し、それに相当するアクチュエータ最大モータ電力散逸信号を供給する。リミッタ手段はアクチュエータ最大モータ電力散逸信号に応じ、アクチュエータモータに供給されるアクチュエータモータコマンドを決定されたアクチュエータモータ最大電力に基づいて制限する。
好適なモータ温度制御システムに関する他の特徴、効果は本発明の原理を例として説明する図面を参照してなされる以下の詳細な説明から明らかになる。なお、図面において同様な番号は同様な要素を示す。
以下の詳細な説明は性質上例示にすぎず、本発明またはその適用、実施を制限するものでない。また、前記発明の背景または下記の説明で提示される如何なる理論にも拘束されないものである。この点につき、下記のシステム及び方法は操縦システムで実施されるものとして説明するが、同システム及び方法はモータを使用する他の各種装置、システムで実施可能である。
まず図1に、例示の航空機の一部と例示の操縦面アクチュエーションシステムの概略図を示す。図示の例において、航空機100は、主操縦面として、1対の昇降舵102、方向舵104及び1対の補助翼106を備えるとともに、副操縦面として、複数のフラップ108、スラット112及びスポイラー114を備える。主操縦面102〜106はピッチ軸、ヨー軸及びロール軸を回転軸とする航空機の動きを制御する。すなわち、昇降舵102はピッチ軸まわりの航空機運動を制御するのに使用され、方向舵104はヨー軸まわりの航空機運動を制御するのに使用され、補助翼106はロール軸まわりの航空機運動を制御するのに使用される。なお、ヨー軸まわりの航空機運動は航空機をバンキングさせることにより、あるいはエンジンの推力レベルを航空機100の左側と右側とで変えることによっても発生する。
副操縦面108〜114は航空機100の揚力と抗力に作用する。例えば、航空機100の揚力を上げることが求められる離着陸時に、フラップ108とスラット112は引き込み位置から引き出し位置に動かされる。フラップ108は引き出し位置で揚力と抗力を共に増加させるため、航空機100は所定の対気速度下で急降下や短距離での離陸が可能になる。スラット112は引き出し位置で揚力を増加させ、典型的にフラップ108と併用される。一方、スポイラー114は揚力を減少させ、典型的に着陸時に行われるように引き込み位置から引き出し位置に動かすとエアーブレーキとして航空機100の速度低下を助けることなどに使用される。
操縦面102〜114は乗務員からの入力により所望の位置に動かされる。すなわち、図示しないパイロットコントロールと操縦面を連結する図示しない機械的リンク機構により、操縦面102〜114が駆動される。また、主操縦面102〜106は、乗務員からの入力に加え、または代わりに、自動操縦装置120を介して動かされる。自動操縦装置120は自動操縦コンピュータ122と複数の主操縦面アクチュエータ装置124を備える。なお、典型的には副操縦面108〜114にもそれぞれ1以上の副操縦面アクチュエータ装置が連結されているが、図示と説明の便宜上、副操縦面アクチュエータは図示を略しこれ以上の説明は省略する。
自動操縦コンピュータ122は作動時に操縦面位置コマンドを該当する主操縦面アクチュエータ装置124に供給する。主操縦面アクチュエータ装置124は操縦面位置コマンドに応答して該当する主操縦面102〜106をコマンドの指示する操縦面位置に動かす。
自動操縦装置120は各種個数の主操縦面アクチュエータ装置124を用いて実現される。また、一主操縦面102〜106当たりの主操縦面アクチュエータ装置124の個数も一定でない。図示の実施形態の自動操縦装置120の場合、アクチュエータ装置124は対をなし、これが各主操縦面102〜106に結合する構成になっている。自動操縦装置120は種々の主操縦面アクチュエータ124を用いて実現することもできるが、図示の実施形態では、個別のリモートアクチュエータコントローラ126を介してそれぞれ制御される電気機械式のモータ駆動アクチュエータで主操縦面アクチュエータ124を実現している。各アクチュエータコントローラ126は図示しない1以上の通信チャンネルを介して自動操縦コンピュータ122から供給される適切な操縦面位置コマンドを受ける。これに応答してアクチュエータコントローラ126は主操縦面アクチュエータ124の駆動モータにアクチュエータモータコマンドを供給する。モータはアクチュエータコントローラ126からアクチュエータモータコマンドを受けると、それに応答して時計回りまたは反時計回りに回転してアクチュエータ126を第1の方向または第2の方向に駆動することにより、主操縦面102〜106に適宜、上下または左右の動きを生じさせる。
アクチュエータモータコマンドは各種信号を用いて実現可能であるが、図示の実施形態の場合、パルス幅変調(PWM)信号でアクチュエータモータコマンドを実装している。PWM信号のデューティ比はモータに供給される平均電流、ひいてはモータの出力トルクを制御する。前記のように、アクチュエータモータコマンドの如何によってはアクチュエータモータから高トルクが発生し、その結果、電力散逸が大きくなる可能性がある。このため、それぞれのアクチュエータコントローラ126で、操縦面の作動時にアクチュエータモータの過熱を防止する制御ループを実現している。
図2にアクチュエータコントローラ126において実現される制御ループの例を示し、以下詳細に説明するが、その前に留意事項として、制御ループは機能ブロック図で表しているが、図示と説明の便宜上にすぎず、制御ループは各種構成、各種手法により実現可能である。例えば、制御ループは、一部または全体を、デジタルまたはアナログ回路によるハードウェアで実現でき、あるいはソフトウェアまたはファームウェアにより、あるいはハードウェアとソフトウェアとファームウェアの各種組合せにより実現することができる。また、「回路」または「機能」という用語を使用しているが、この用語は個別の回路または回路要素を用いた実施形態に限定される意味でない。むしろ、この用語は各種回路または機能を実現する上で、部分または全部を、1以上のプログラム可能なまたは特定用途向けの集積回路、多数のデジタルまたはアナログハードウェア部品、ソフトウェアまたはファームウェア、あるいはこれらの各種組合せで実現した形態を包含する意味である。
制御ループの説明に進むと、制御ループ200は位置コントローラ202と熱コントローラ204の双方を実現したものである。位置コントローラ202は位置制御用として現在知られている、あるいは将来開発される様々な位置コントローラのいずれでも実現可能である。図2に示すように、位置コントローラ202は必要な位置コマンドとして、例えば上述したいずれかの自動操縦コンピュータ122から与えられる操縦面位置コマンドを受けるとともに、熱コントローラ204から供給されるモータ電力散逸限界(PDISSIPATE_LIM)を受ける。位置コマンドとモータ電力散逸限界(PDISSIPATE_LIM)に応答して位置コントローラ202は例えば上述したアクチュエータモータコマンドのような、電力を制限したモータコマンドをモータ206に供給する。モータ206はこの電力制限モータコマンドに応答して、コマンドの指示方向に回転し、駆動力を例えば主操縦面アクチュエータ装置124に供給する。位置コントローラ202は閉ループ位置制御を行うため、位置フィードバック信号(θ)も受ける。位置フィードバック信号は例えば、レゾルバなどの図示しないモータ位置センサまたはLVDT(リニア可変差動変圧器)などで構成したアクチュエータ位置センサまたは操縦面位置センサ128(図1参照)から供給される。なお、電力制限モータコマンドは種々の物理量のいずれでもよく、また種々の方式のいずれでもよい。例えば、電力制限モータコマンドは電流または電圧で表現でき、また上述した可変デューティ比のPWM信号などで実装可能である。
熱コントローラ204は周囲温度センサ208から周囲温度信号(TA)を受けるとともに、位置コントローラ202からモータ206に供給される電力制限モータコマンドを受ける。次に進む前に、周囲温度センサ208としては、例えば、RTD(抵抗温度検出器)、熱電対または光温度センサなどを初めとする種々の温度センサのいずれでもよい。また、温度センサ208は種々の設定形態のいずれでもよく、各種場所のどこに設置してもよいが、周囲温度センサ208はその温度信号がモータ206の周囲温度を表すようにモータ206の十分近くに設置することが好ましい。代表的な取付場所として、個々のアクチュエータモータ206に係るアクチュエータコントローラ126の回路板(図示せず)がある。
説明を続けると、熱コントローラ204は周囲温度信号(TA)と電力制限モータコマンドに応答して、モータ206の瞬時電力散逸を算出するとともに、モータ206の熱的モデルを用いて所定時間(τ)内に所定最高温度(TMAX)を超えない範囲でモータ206が散逸できる最大電力を決定する。次に、熱コントローラ204は、決定した最大モータ電力散逸に対応したモータ電力散逸限界(PDISSIPATE_LIM)を決定し、位置コントローラ202に供給する。なお、所定の最高温度(TMAX)はメーカー指定の温度であり、モータ206、正確にはその回転子巻線が過熱せずに得られる最高温度に相当するものである。また、所定時間(τ)は設計パラメータであり、後で詳述する熱コントローラ204の利得係数として実現される。所定時間として選定される値は求められる性能と応答特性に応答して変わる。例えば、比較的大きな値の場合、モータが最高温度(TMAX)に達するまでに比較長い時間がかかり、その間モータ電力は徐々に制限される。一方、比較的小さな値の場合、(後で詳述する)電力制限が行われるより前にモータ温度が最高温度(TMAX)に近づいていく。
図3に位置コントローラ202と熱コントローラ204の詳細な機能ブロック図を示し、以下これについて説明する。位置コントローラ202は上で示唆したように従来の各種位置コントローラで実現でき、システムによって異なる。この点につき、図示の実施形態に示す位置コントローラ202は従来の比較機能302、従来のモータ伝達関数(G)304、従来のフィードバック伝達関数(H)306を備える。位置コントローラ202のこれらの部分に関する詳細な説明は本発明を実施し、または詳細に説明する上で不要であるので省略する。ただし、従来のほとんどの位置コントローラと異なり、図示の位置コントローラ202にはリミッタロジック308が追加されている。
リミッタロジック308はモータ伝達関数(G)304から供給されるモータコマンドを所定の範囲内に制限し、それにより得られた電力制限モータコマンドをモータ206に供給する。すなわち、リミッタロジック308は、モータ伝達関数(G)から供給されたモータコマンドがリミッタロジック308内に設定したモータコマンド限界値312、314間にあるときは同コマンドを制限しないが、モータ伝達関数(G)から供給されたモータコマンドがモータコマンド限界値312、314を超えたときは超えた方の限界値312、314に等しくコマンドを設定する。図3に示すように、モータコマンド限界値312、314は熱コントローラ204から供給されるモータ電力散逸限界(PDISSIPATE_LIM)に基づいて設定される。
熱コントローラ204はモータ電力決定機能316と熱的モデル318と電力散逸限界決定機能322を備える。モータ電力決定機能316はモータ206に供給されている電力制限モータコマンドを受ける。これに応じ、モータ電力決定回路316は電力制限モータコマンドに応答してモータ206が散逸している瞬時電力を決定し、それに相当するモータ電力散逸信号(PMOTOR_DISSIPATE)を熱的モデル318に供給する。
熱的モデル318はモータ電力散逸信号(PMOTOR_DISSIPATE)と周囲温度信号(TA)を受け、これに応答して、モータ巻線温度(TW)とモータハウジング温度(TH)を算出し、その温度信号を電力散逸限界決定機能322に供給する。この機能を実現するため、熱的モデル318はモータメーカーが指定した各種モータ変数を等価回路に組み込む。図4に等価回路の例400を示す。図示のように、等価回路400を実現するのに使用されるモータ変数として、モータ巻線熱容量(CW)、モータハウジング熱容量(CH)、モータ巻線からモータハウジングへの熱抵抗(RWH)、モータハウジングから周囲への熱抵抗(RHA)がある。なお、一部の実施形態では、モータ206の物理的形態如何により、モータハウジングに関する熱容量(CH)と熱抵抗(RWH)は無視してよく、熱的モデル318に含める必要はない。また、一部の実施形態では、他のモータ構成要素の温度を推定し、それに対応する変数を熱的モデル318に組み込むことができる。
熱的モデル318は図に示した等価回路モデル400に基づき、次の微分方程式を数値積分することにより、モータ巻線温度(TW)とモータハウジング温度(TH)を連続的に算出する。
なお、モータ巻線温度(TW)とモータハウジング温度(TH)の各初期値としてモータまたはシステムの電源オフ直前に算出した周囲温度(TA)と各温度(TW、TH)のうち高い値が電源オン時に設定されることが望ましい。これにより、モータ内部温度が控えめに推定されることになり、短い停電や長い停電の後でもモータの過熱を確実に防止することができる。また、電源オフ時のモータ巻線温度(TW)とモータハウジング温度(TH)の値は電源オフに先立って不揮発性メモリ324(図3参照)に記憶することが望ましい。
図3において、電力散逸限界決定機能322はモータ巻線温度(TW)とモータハウジング温度(TH)の信号に応答して、所定時間で所定の最高温度(TMAX)を超えない範囲でモータ206が散逸できる最大電力散逸(PMAX_DISSIPATE)を決定する。さらに電力散逸限界決定機能322は決定した最大モータ電力散逸(PMAX_DISSIPATE)に対応したモータ電力散逸限界(PDISSIPATE_LIM)を決定する。次に電力散逸限界決定機能322は電力散逸限界(PDISSIPATE_LIM)をリミッタロジック308に供給し、同ロジック308はこれを用いてモータコマンド限界値312、314を設定する。
上述した図3の熱コントローラ204は種々のアルゴリズム、回路、コンポーネントのいずれでも、また種々の設定形態のいずれでも実現可能である。特定の実現形態は例えばモータコマンドの実現形式に依存して変わる。例えば、図示の実施形態では、モータコマンドは前記のように、モータ206に供給される平均電流を制御する可変デューティ比のPWM信号で実現される。図5に可変デューティ比PWM信号を供給するシステムで使用される熱コントローラ204の好適な実施形態の詳細を示し、以下説明する。
図5の熱コントローラ204において、モータ電力決定機能316は2数学的な平方関数502と乗算関数504を備える。平方関数502はモータ206に供給される可変平均電流信号(Iavg)で実現した電力制限モータコマンドを受け、平均モータ電流を数学的に平方する(I2 avg)。平方平均モータ電流(I2 avg)は乗算関数504に供給され、同関数504において平方平均モータ電流に、別の製造者特定のパラメータであるモータ巻線抵抗(RW)を数学的に乗じることにより、瞬時モータ電力散逸(例えば、P=I2 avgRW)が求められ、モータ電力散逸信号(PMOTOR_DISSIPATE)として供給される。
前記方法論を実現する熱的モデル318はモータ電力散逸信号(PDISSIPATE_LIM)と周囲温度信号(TA)を受け、モータ巻線温度(TW)とモータハウジング温度(TH)を算出し、その信号を限界位置コマンド決定機能322に供給する。電力散逸限界決定機能322は2つの減算関数506、508と2つの乗算関数512、514と1つの加算関数516を備える。これらの関数は次式を実行するように設定されている。
この式により、モータ206の温度が所定時間期間(τ)内に所定最高モータ温度(TMAX)を超えないような温度レートを生じる最大の電力散逸(PMAX_DISSIPATE)が求められる。
さらに図5に示すように、電力散逸限界決定機能322は第3及び第4の乗算関数518、522と平方根関数524を備える。第3の乗算関数518は最大モータ電力散逸にモータ巻線抵抗(RW)の逆数を乗じて最大平均電流の平方(I2 max_avg=PMAX_DISSIPATE/RW)を求める。最大平均電流の平方は平方根関数524に供給され、最大モータ電力散逸(PMAX_DISSIPATE)を発生させる正の最大平均電流(Imax_avg)が求められる。第4の乗算関数522において最大平均電流に負の1(−1)を乗じることにより、最大モータ電力散逸(PMAX_DISSIPATE)を発生させる負の最大平均電流(Imax_avg)が求められる。モータコマンドは、少なくとも図示の実施形態に関する限り、可変デューティ比のPWM信号で実現しているため、正の最大電流と負の最大電流(Imax_avg,−Imax_avg)は位置コントローラ202に供給されるモータ電力散逸限界(PDISSIPATE_LIM)を表しており、リミッタロジック308でモータコマンド限界値312、314を設定するのに使用される。
図5に示す実装形態と前記説明から分かるように、モータ206の温度が最高温度(TMAX)近くにないときは、熱を制限する必要はなく、位置コントローラ202がモータ206の動作を制御する。一方、モータ温度が最高温度(TMAX)に近づいてくると、モータ電流の絶対値が最大平均電流(Imax_avg)と等しくなり、熱コントローラ204によりモータ206制御が行われるようになることでモータ温度が制限される。
以上、少なくとも1つの実施形態について本発明を詳細に説明してきたが、種々の変更があり得ることは明らかである。また、実施形態は単なる例示にすぎず、如何なる意味でも本発明の範囲、適用または構成を限定するものではない。むしろ、前記の詳細な説明は本発明の具体的実施形態を実施する上で役に立つロードマップを当業者に提供するものである。また、実施形態の諸要素の関数及び配置について、特許請求の範囲に記載されるように本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更が可能である。
Claims (3)
- モータ電力散逸を制限することによりモータの温度を所定の最高温度値に制限する方法であって、
前記モータ近くの周囲温度を検出するステップと、
前記モータ電力散逸を決定するステップと、
前記検出された周囲温度と決定されたモータ電力散逸に基づいてモータ巻線温度を推定するステップと、
前記推定されたモータ巻線温度に基づいて、モータ温度を所定時間期間で前記所定の最高温度に上昇させる最大モータ電力散逸を決定するステップと、
前記モータ電力散逸を前記決定された最大モータ電力散逸より下に制限するステップと、
を含む方法。 - 前記検出された周囲温度と前記決定されたモータ電力散逸に基づいてモータハウジング温度を推定するステップと、
前記推定された巻線温度と前記推定されたハウジング温度に基づいて最大モータ電力散逸を決定するステップと、をさらに含み、
前記モータ巻線温度と前記モータハウジング温度は前記モータの熱的モデルを用いて推定され、
前記モータ巻線温度は前記熱的モデルから導かれる次式を数値積分することにより推定され、
TW= 巻線温度
TH= ハウジング温度
P = 電力散逸
TA= 測定された周囲温度
CW= 巻線熱容量
CH= ハウジング熱容量
RWH= 熱抵抗、ハウジング対する巻線
RHA= 熱抵抗、周囲に対するハウジング
前記モータハウジング温度は前記熱的モデルから導かれる次式を数値積分することにより推定される、
TW= 巻線温度
TH= ハウジング温度
P = 電力散逸
TA= 測定された周囲温度
CW= 巻線熱容量
CH= ハウジング熱容量
RWH= 熱抵抗、ハウジングに対する巻線
RHA= 熱抵抗、周囲に対するハウジング
ことを特徴とする請求項1記載の方法。 - モータ近くの周囲温度を検出するように動作して周囲温度を表す周囲温度信号を供給する周囲温度センサ(208)と、
モータコマンドに応答し、モータによる電力散逸を表すモータ電力散逸信号を供給するモータ電力散逸決定手段(316)と、
前記周囲温度信号と前記モータ電力散逸信号に応答して、(i)モータ巻線温度を推定し、(ii)モータ巻線温度を表すモータ巻線温度信号を供給する、熱的モデル手段(318)と、
前記モータ巻線温度信号に応答して、(i)前記モータに供給された場合に、前記モータ温度を所定時間期間に所定の最高温度値に上昇させるモータ最大電力を決定し、(ii)モータ最大電力を表すモータ電力散逸限界信号を供給する、電力散逸限界決定手段(322)と、
前記モータ電力散逸限界信号に応答して、前記モータに供給されるモータコマンドを前記決定されたモータ電力散逸限界信号に基づいて制限するリミッタ手段(308)と、
を備えるシステム。
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