JP2007028394A - 画像圧縮装置、画像伸長装置、画像データ、画像処理方法、エッジ検出方法、及びプログラム - Google Patents
画像圧縮装置、画像伸長装置、画像データ、画像処理方法、エッジ検出方法、及びプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 画像処理装置2は、2×2サイズの画像ブロックを単位として、複数の画素及び複数の色成分(Y成分、Cr成分及びCb成分)の階調値を含むデータセット値を生成し、画像ブロックにCGエッジが含まれているか否かに応じて、データセット値に含まれるCb成分及びCr成分の色成分をサブサンプリング(間引き)し、これらのデータセット値を予測符号化方式により符号化する。
【選択図】図2
Description
上記目的を達成するために、本発明にかかる画像圧縮装置は、カラー画像のデータ圧縮を行う画像圧縮装置であって、入力された画像データから、既定数の画素からなる画素群を抽出する抽出手段と、入力された画像データにおける階調変化度を判定する階調変化判定手段と、前記階調変化判定手段により判定された階調変化度に応じて、前記抽出手段により抽出された画素群毎に、複数の色成分のうちの一部について、画像データの解像度を減少させる解像度変換手段とを有する。
また、本発明にかかる画像伸長装置は、画素群に含まれる複数の階調値に相当するデータセット間の相関関係に基づいて、各データセットの値を生成するデータセット値生成手段と、前記データセット値生成手段により生成されたデータセット値の中から、画素群に含まれる各画素の階調値を切り出す切出し手段と、一部の色成分について解像度変換がなされた否かを示す識別情報に基づいて、前記切出し手段により切り出された階調値のうち、一部の色成分の階調値に対して解像度変換を行う解像度変換手段とを有する。
また、本発明にかかる画像データは、カラー画像の画像データであって、既定数の画素からなる画素群の階調値を含むデータセットと、少なくとも1つのデータセットを識別する識別情報とを有し、少なくとも1つのデータセットは、前記画素群に関する、第1の色成分の階調値と、前記画素群に関する、第1の色成分の階調値よりも数の少ない、第2の色成分の階調値とを含み、前記識別情報は、第2の色成分の階調値の数が第1の色成分の階調値よりも少ないデータセットを識別するための情報である。
また、本発明にかかる画像処理方法は、カラーの画像データを処理する画像処理方法であって、入力された画像データから、既定数の画素からなる画素群を抽出し、入力された画像データにおける階調変化度を判定し、判定された階調変化度に応じて、抽出された画素群毎に、複数の色成分のうちの一部について、画像データの解像度を減少させる。
また、本発明にかかるエッジ検出方法は、コンピュータグラフィックのエッジを検出するエッジ検出方法であって、エッジ検出の対象となる対象領域に含まれる複数の画素の階調値を互いに比較し、対象領域に含まれる画素の階調値と、対象領域の周囲にある画素の階調値とを比較し、対象領域に含まれる画素同士の比較結果、及び、対象領域内の画素と対象領域外の画素との比較結果に基づいて、対象領域内にエッジが存在するか否かを判定する。
また、本発明にかかるプログラムは、入力された画像データから、既定数の画素からなる画素群を抽出するステップと、入力された画像データにおける階調変化度を判定するステップと、判定された階調変化度に応じて、抽出された画素群毎に、複数の色成分のうちの一部について、画像データの解像度を減少させるステップとをコンピュータに実行させる。
まず、本発明の理解を助けるために、その背景及び概略を説明する。
例えば、LZ符号化方式などの予測符号化方式では、既定の参照位置の画素値を参照して予測データを生成し、生成された予測データと注目画素の画像データとが一致する場合に、一致した予測データの参照位置など(以下、参照情報)が注目画素の符号データとして符号化される。
そのため、各画素毎に、注目画素の画像データと予測データとの一致判定を行う必要がある。
そこで、本実施形態における画像処理装置2は、入力された画像を、既定サイズのブロック(既定数の画素からなる画素群)に分割し、各ブロック間の相関関係を用いて、入力画像を符号化する。より具体的には、本画像処理装置2は、それぞれのブロックに含まれる画素群の画素値をまとめて1つのデータセット値を生成し、各ブロックのデータセット値を、1つの画素の画素値とみなして予測符号化処理を行う。
これにより、複数の画素に関する一致判定処理を一度に行うことができるため、符号化処理をより高速化できる。
そこで、本実施形態における画像処理装置2は、各ブロックに含まれる複数の画素の一部の色成分の解像度を、他の色成分の解像度よりも低くして符号化する。より具体的には、画像処理装置2は、画素値の変更による影響が顕在化しにくい色成分の解像度を低下させる。
この解像度変換により、データセット値のデータ量がより小さく、より高い圧縮率が実現できる。
なお、色エッジとは、少なくとも1つの色成分(例えば、色相又は彩度)の階調値が基準値よりも大きく変化する画像領域をいう。
次に、実施形態における画像処理装置2のハードウェア構成を説明する。
図1は、本発明にかかる画像処理方法が適応される画像処理装置2のハードウェア構成を、制御装置21を中心に例示する図である。
図1に例示するように、画像処理装置2は、CPU212及びメモリ214などを含む制御装置21、通信装置22、HDD・CD装置などの記録装置24、並びに、LCD表示装置あるいはCRT表示装置およびキーボード・タッチパネルなどを含むユーザインターフェース装置(UI装置)25から構成される。
画像処理装置2は、例えば、本発明にかかる符号化プログラム5(後述)及び復号化プログラム6(後述)がプリンタドライバの一部としてインストールされた汎用コンピュータであり、通信装置22又は記録装置24などを介して画像データを取得し、取得された画像データを符号化又は復号化してプリンタ装置3に送信する。
図2は、制御装置21(図1)により実行され、本発明にかかる画像処理方法(符号化方法)を実現する第1の符号化プログラム5の機能構成を例示する図である。
図2に例示するように、第1の符号化プログラム5は、色変換部500、ブロック抽出部510、色エッジ判定部520、解像度変換部530、識別情報付与部540、及び予測符号化部550を有する。
また、色エッジ判定部520は、内内比較部522及び内外比較部524を含む。
例えば、色変換部500は、画像読取り又は画像出力に用いられる色空間(例えば、RGB色空間、CMYK色空間など)の画像データを、輝度成分(または明度成分)と他の色成分(例えば、色差成分、色相成分、彩度成分)とが分離された色空間(YCbCr色空間、Lab色空間、Luv色空間、マンセル色空間など)の画像データに変換する。
本例の色変換部500は、RGB色空間で表現された画像データを、YCbCr色空間の画像データに変換する。
より具体的には、色エッジ判定部520は、ブロック抽出部510により抽出されたブロックそれぞれにおける階調変化量を算出する。
本例の色エッジ判定部520は、処理対象である注目ブロックに含まれる画素間で階調値を比較する内内比較部522、及び、注目ブロック内の画素の階調値とこの画素に隣接する注目ブロック外の画素の階調値とを比較する内外比較部524を含み、内内比較部522による比較結果と、内外比較部524による比較結果とに基づいて、解像度変換を許可するか否か(すなわち、注目ブロック内にコンピュータグラフィクのエッジ(以下、CGエッジ)が存在するか否か)を判定する。
より具体的には、解像度低減部530は、色エッジ判定部520により注目ブロック内にCGエッジが存在すると判定された場合に、いずれの色成分に関しても解像度変換処理を行わず、注目ブロック内にCGエッジが存在しないと判定された場合に、一部の色成分の解像度を減少させる。例えば、解像度低減部530は、他の色成分と比較して、画素値の変更が顕在化しにくい色成分の画像データに対して、解像度を低下させる解像度変換処理を施す。
本例の解像度低減部530は、色エッジ判定部520からの指示に応じて、色変換部500によりYCbCr色空間に変換された画像データのうち、Cb成分及びCr成分の画像データに対して、解像度を低下させる解像度変換処理を施す。
解像度低減部530は、例えば、解像度変換処理として、ブロックに含まれる複数の画素の平均値(各色成分毎の階調値の平均)、最頻値、又は、中央値を算出する。
本例の識別情報付与部540は、予測符号化部550により生成される予測誤差に対して、間引きIDを付与する。
図3(A)に例示するように、本例のブロック抽出部510(図2)は、入力された画像データを、2×2サイズのブロックに分割する。2×2サイズのブロックとは、互いに直交する方向が2画素である画像領域であり、本例のブロックは、主走査方向に2画素、副走査方向に2画素の画像領域である。各ブロックには、画素0、画素1、画素2及び画素3の4つが画素が含まれている。また、各画素には、YCbCr色空間のY成分、Cb成分、及びCr成分が含まれている。
なお、ブロック抽出部510により抽出されるブロックの形状は、任意であり、例えば、互いに離間した複数の画素をまとめて1つのブロックとしてもよい。
図3(C)に例示するように、色エッジ判定部520の内内比較部522は、注目ブロックに含まれる画素の階調値を互いに比較する。すなわち、内内比較部522は、「画素0」の階調値と、「画素1」の階調値と、「画素2」の階調値と、「画素3」の階調値とを互いに比較する。本例では、注目ブロックに含まれる全ての画素が同一の階調値を有する場合に、色エッジが存在しないものと判定され、解像度変換処理が許可される。また、注目ブロックに含まれる画素間で階調値が異なることを条件として、解像度変換処理が禁止される。
また、色エッジ判定部520の内外比較部524は、注目ブロックに含まれる画素の階調値と、この画素に隣接する注目ブロック外の隣接画素の階調値とを比較する。すなわち、本例の内内比較部522は、「画素0」の階調値と、「隣接画素0」の階調値とを比較し、同様に、「画素1」の階調値と「隣接画素1」の階調値とを比較し、「画素2」の階調値と「隣接画素2」の階調値とを比較し、「画素3」の階調値と「隣接画素3」の階調値とを比較する。本例では、いずれかの組合せにおいて、階調値が一致した場合に、注目ブロックがコンピュータグラフィック部分に相当すると判定される。
従って、色エッジ判定部520は、内内比較部522により注目ブロックに含まれる画素間で階調値が異なると判定され、かつ、内外比較部524によりいずれかの組合せにおいて階調値が一致する(すなわち、コンピュータグラフィック部分であると判定される)場合に、この注目ブロックにおける解像度変換を禁止する。
図3(D)に例示する変形例は、図3(C)に例示するものと比較すると、より多くのラインバッファを必要とするが、コンピュータグラフィック部分をより正確に判定することができる。
図4(A)に例示するように、ブロック抽出部510により抽出されたブロックには、「画素0」、「画素1」、「画素2」及び「画素3」それぞれのY成分、Cb成分、及びCr成分の階調値が含まれている。
本例のブロック抽出部510は、ブロックに含まれる複数の階調値(12個の階調値)を、色成分毎に分類し、図4(A)に例示するように、色成分毎にまとめて配置して、データセット値を生成する。本例では、まず、「Y0」(画素0のY成分に相当)から「Y3」(画素3のY成分に相当)までが配置され、この後ろに、「Cb0」(画素0のCb成分に相当)から「Cb3」(画素3のCb成分に相当)まで配置され、さらにこの後ろに、「Cr0」(画素0のCr成分に相当)から「Cr3」(画素3のCr成分に相当)が配置される。なお、Y0からCr3までの各値は、本例では、8ビットで表現されている。従って、解像度変換前のデータセットは、96ビットのビット列である。
次に、解像度低減部530は、ブロックにCGエッジが存在しないと判定された場合に、データセット値の中の、Cb成分に分類された階調値(すなわち、ブロックに含まれる画素群のCb成分)と、Cr成分に分類された階調値(すなわち、ブロックに含まれる画素群のCr成分)とを間引く。具体的には、解像度低減部530は、ブロックに含まれる画素群のCb成分の平均階調値を算出して、算出されたCb成分の平均値をこのブロックに含まれる画素群のCb成分値とし、ブロックに含まれる画素群のCr成分の平均階調値を算出して、算出されたCr成分の平均値をこのブロックに含まれる画素群のCr成分値とする。
これにより、Cb成分に相当する部分(4つの階調値)、及び、Cr成分に相当する部分(4つの階調値)が、それぞれ1つのCb値(階調値)及びCr値(階調値)に変換され、解像度変換後のデータセットは、48ビットのビット列となる。
そこで、本例の識別情報付与部540は、図4(B)及び図4(C)に例示するように、それぞれのデータセット値(第1のデータセット値又は第2のデータセット値)に対して、間引きIDを付与する。本例では、間引きID「0」が、第1のデータセット値900(すなわち、色成分毎の解像度が一致しているデータセット値)を示し、間引きID「1」が、第2のデータセット値902(すなわち、色成分毎の解像度が一致していないデータセット値)を示す。
図5に例示するように、予測符号化部550は、複数の予測部552(第1予測部552a、第2予測部552b、第3予測部552c、第4予測部552d)、予測誤差算出部554、ラン計数部556、選択部558、及び符号生成部560を含む。
より具体的には、第1予測部552a〜第4予測部552dは、それぞれ参照ブロックA〜D(図6を参照して後述)のデータセット値(本例における予測データ)と、注目ブロックX(図6を参照して後述)のデータセット値とを比較して、データセット値が一致した場合(すなわち、予測が的中した場合)に、自己を識別する予測部IDをラン計数部556に対して出力し、これ以外の場合に、一致しなかった旨をラン計数部556に対して出力する。
なお、予測部552は、1種類以上であればよく、例えば、参照ブロックAを参照する第1予測部552aのみを設けてもよい。
より具体的には、予測誤差算出部554は、既定の参照位置にあるブロックのデータセット値に基づいて、注目ブロックのデータセット値を予測し、その予測値を注目ブロックの実際のデータセット値から減算し、予測誤差値として選択部558に対して出力する。予測誤差算出部554の予測方法は、符号データの復号化処理における予測方法と対応していればよい。
本例の予測誤差算出部554は、第1予測部552aと同じ参照位置(参照ブロックA)のデータセット値を予測値とし、この予測値と実際のデータセット値(注目ブロックXのせータセット値)との差分をコンポーネント毎(Y0〜Y3、Cb、及び、Crのそれぞれについて)算出する。
なお、注目ブロックが最左端である場合のように、参照ブロックAが実在しない場合に、予測誤差算出部554は、デフォルトブロックのデータセット値(既定の値)を予測値として、予測誤差を算出する。デフォルトブロックのデータセット値のうち、色差成分に相当する値は、例えば0に設定されている。
本例のラン計数部558は、全ての予測部552において予測値が注目画素の画素値と一致しなかった場合に、内部カウンタでカウントされている予測部ID及びその連続数を出力する。
図6(A)に例示するように、複数の予測部552それぞれの参照位置は、注目ブロックXとの相対位置として設定されている。具体的には、第1予測部552aの参照ブロックAは、注目ブロックXの主走査方向上流に設定され、第2予測部552bから第4予測部552dの参照ブロックB〜Dは、注目ブロックXの上方(副走査方向上流)の主走査ライン上に設定されている。
いずれかの予測部552(参照ブロック)で予測が的中した場合には、ラン計数部556(図5)は、予測が的中した予測部552(参照ブロック)について、予測部IDの連続数を増加させ、全ての予測部552(参照ブロック)で予測が的中しなかった場合に、カウントしていた予測部IDの連続数を選択部558に出力する。
符号生成部560は、図6(B)に例示するように、各予測部552(参照位置)と符号とを互いに対応付けており、注目ブロックXとデータセット値が一致した参照位置に対応する符号を出力する。なお、それぞれの参照位置に対応付けられている符号は、例えば、各参照位置の的中率に応じて設定されたエントロピー符号であり、的中率に応じた符号長となる。
図7は、符号化プログラム5(図2)による符号化処理(S10)のフローチャートである。
図7に示すように、ステップ100(S100)において、色変換部500(図2)は、入力された画像データ(RGB色空間の画像データ)を、YCbCr色空間の画像データに変換し、変換された画像データ(YCbCr色空間の画像データ)をブロック抽出部510に出力する。
また、ブロック抽出部510は、注目ブロックXに含まれる画素群の画素値(Y成分、Cb成分、及びCr成分)を色成分毎に分類して配列し、解像度変換前のデータセット(図4(A))を作成し、作成されたデータセットを色エッジ判定部520及び解像度低減部530に出力する。
具体的には、識別情報付与部540は、色エッジ判定部520によりCGエッジが存在すると判定された場合(すなわち、解像度変換処理が禁止された場合)に、間引きID「0」を予測符号化部550に出力し、色エッジ判定部520によりCGエッジが存在しないと判定された場合(すなわち、解像度変換処理が許可された場合)に、間引きID「1」を予測符号化部550に出力する。
また、予測誤差算出部554(図5)は、新たに入力された注目ブロックのデータセット値と、参照ブロックAのデータセット値との差分を、8ビット毎(すなわち、コンポーネント毎)に算出し、算出された差分(すなわち、予測誤差値)に、識別情報付与部540から入力された間引きIDを添付して選択部558に出力する。すなわち、注目ブロックの予測誤差値は、第1の誤差値900’(図6(D))又は第2の誤差値902’(図6(E))となる。
符号化プログラム5は、いずれかの予測部552において注目ブロックXのデータセット値と予測データとが一致した場合に、S155の処理に移行し、いずれの予測部552においても注目ブロックXのデータセット値と予測データとが一致しなかった場合に、S160の処理に移行する。
なお、符号化プログラム5は、次のブロックに対する処理を行うべくS105に戻る。
選択部558は、ラン計数部556から各予測部IDのカウント値が入力されると、入力されたカウント値に基づいて、予測部IDの最長連続数を算出し、算出された最長連続数及び予測部IDを符号生成部560に出力する。
その後に、選択部558は、予測誤差算出部554から入力された最新の予測誤差(すなわち、全ての予測部552において予測が的中しなかった注目ブロックXに関する予測誤差)を符号生成部560に出力する。
図8に示すように、ステップ112(S112)において、色エッジ判定部520(図2)に注目ブロックのデータセットが入力されると、内内比較部522は、注目ブロック内の画素の階調値が画素間で比較し、全ての画素間で一致しているか否かを判断する。
ステップ114(S114)において、色エッジ判定部520は、全ての画素間で階調値が一致している場合に、注目ブロックにエッジが存在しないと判定して、S122の処理に移行し、注目ブロックにおいていずれかの画素の階調値が他の画素の階調値と異なる場合に、注目ブロックにエッジが存在すると判定して、S116の処理に移行する。
ステップ118(S118)において、色エッジ判定部520は、いずれかの組合せにおいて階調値が一致している場合に、注目ブロックに存在するエッジをCGエッジであると判定して、S120の処理に移行し、いずれの組合せにおいても階調値が一致しない場合に、注目ブロックに含まれるエッジを自然画像(すなわち、光学的に読み取られた画像)のエッジであると判定して、S122の処理に移行する。
ステップ122(S122)において、色エッジ判定部520は、注目ブロックに対する解像度変換処理(色成分毎に異なる解像度変換処理)を許可する旨を解像度低減部530及び識別情報付与部540に出力する。
次に、上記のように符号化された符号データの復号化方法について説明する。
図9は、制御装置21(図1)により実行される復号化プログラム6の機能構成を例示する図である。
図9に例示するように、復号化プログラム6は、復号値生成部600、識別情報抽出部610、復号値分割部620、補間処理部630及びデータ出力部640を有する。
より具体的には、復号値生成部600は、予測部ID及びその連続数が復号化された場合に、この予測部IDに対応する参照ブロック(既に復号化されたブロック、又は、画像の上流端に設定されたデフォルトブロック)のデータセット値(第1のデータセット値900又は第2のデータセット値)を読み出し、そのデータセット値を連続数だけ繰り返し出力する。
また、復号値生成部600は、予測誤差が復号化された場合に、既定の予測データと、この予測誤差(第1の誤差値900’又は第2の誤差値902’)との和を、データセット値(第1のデータセット値900又は第2のデータセット値902)として出力する。本例の復号値生成部600は、復号化された予測誤差値と、直前に復号化されたデータセット値(すなわち、参照ブロックAのデータセット値)との和を、この注目ブロックのデータセット値として、識別情報抽出部610に出力する。
また、識別情報抽出部610は、間引きIDが除去されたデータセット値を復号値分割部620に出力する。
本例の復号値分割部610は、間引きIDが除去された第1のデータセット値900(図4(B))又は第2のデータセット値902(図4(C))を8ビットずつ分割し、分割されたビット列(すなわち、各画素及び各色成分の階調値)のうち、Y成分の階調値をデータ出力部640に出力し、Cr成分及びCb成分を補間処理部630に出力する。
例えば、補間処理部630は、識別情報抽出部610から入力される間引きIDが「1」である場合に、Cb成分及びCr成分を、Y成分の個数だけ(すなわち、各ブロックに含まれる画素数だけ)単純に複製してもよいし、近傍ブロックのCb成分又はCr成分に基づいて、例えば線形補間法又はキュービックコンボリューション法などにより補間してもよい。
また、補間処理部630は、識別情報抽出部610から入力される間引きIDが「0」である場合に、Cb成分及びCr成分をそのまま(すなわち、解像度変換を行わずに)データ出力部640に出力する。
また、Cb成分及びCr成分の画素値変更は、Y成分よりも画質劣化として顕在化しにくいので、本実施形態の画像処理装置2は、Cb成分及びCr成分を主走査方向及び副走査方向に1/2に間引くことにより、データセットのデータ量を減少させて、より高い圧縮率を実現することができる。
また、CGエッジに相当する画像領域のCb成分又はCr成分が変動すると画質劣化が顕在化するので、本実施形態の画像処理装置2は、CGエッジの有無に応じて、Cb成分及びCr成分の解像度変換を行い、画質劣化を抑制する。
次に、上記実施形態の変形例を説明する。
上記実施形態では、色変換後にCGエッジの有無を判定しているが、これに限定されるものではなく、例えば、CGエッジの有無を判定した後に、CGエッジが存在しないブロックのみを色変換してもよい。
図10において、色エッジ判定部520は、ブロック抽出部510により抽出されたブロック(RGB画像)においてCGエッジの有無を判定し、CGエッジが存在するブロックの画像データ(RGB)をそのまま予測符号化部530に出力し、CGエッジが存在しないブロックの画像データ(RGB)を色変換部500に出力して色空間を変換させる。
これにより、色変換部500は、CGエッジが存在しないブロックのみ(すなわち、解像度変換が許可されるブロックのみ)、RGB画像をYCbCr画像に変換することになる。すなわち、色変換処理の処理量を抑えることができる。
また、色エッジ判定部520は、ヒストグラム又はエントロピーなどの画像特徴量に基づいて、注目ブロックがコンピュータグラフィック領域であるか自然画像領域(光学的に読み取られた画像の領域)であるかを判断し、注目ブロックが自然画像領域である場合に、解像度低減部530により解像度変換処理を許可してもよい。
また、ブロック抽出部510及び解像度低減部530により作成された画像データ(第1のデータセット値900及び第2のデータセット値902が混在する画像データ)は、既にデータ圧縮処理が施されたものと考えることもでき(Cb成分及びCr成分が間引かれているため)、この画像データそのものを圧縮データとして送受信又は記憶等してもよい。
5,52・・・符号化プログラム
500・・・色変換部
510・・・ブロック抽出部
520・・・色エッジ判定部
522・・・内内比較部
524・・・内外比較部
530・・・解像度低減部
540・・・識別情報付与部
550・・・予測符号化部
6・・・復号化プログラム
600・・・復号値生成部
610・・・識別情報抽出部
620・・・復号値分割部
630・・・補間処理部
640・・・データ出力部
900・・・第1のデータセット
902・・・第2のデータセット
Claims (19)
- カラー画像のデータ圧縮を行う画像圧縮装置であって、
入力された画像データから、既定数の画素からなる画素群を抽出する抽出手段と、
入力された画像データにおける階調変化度を判定する階調変化判定手段と、
前記階調変化判定手段により判定された階調変化度に応じて、前記抽出手段により抽出された画素群毎に、複数の色成分のうちの一部について、画像データの解像度を減少させる解像度変換手段と
を有する画像圧縮装置。 - 前記階調変化判定手段は、前記抽出手段により抽出されるそれぞれの画素群における階調値の変化量が基準値以下であるか否かを判定し、
前記解像度変換手段は、前記階調変化判定手段により階調値の変化量が基準値以下であると判定された画素群について、一部の色成分の解像度を減少させ、前記階調変化判定手段により階調値の変化量が基準値よりも大きい画素群について、解像度の変換を行わない
請求項1に記載の画像圧縮装置。 - 前記階調変化判定手段は、前記抽出手段により抽出されるそれぞれの画素群において、階調値が一致しているか否かを判定し、
前記解像度変換手段は、画素群に含まれる全ての画素の階調値が一致している場合に、この画素群について、一部の色成分の解像度を減少させ、画素群に含まれるいずれかの画素の階調値が他の画素の階調値と異なる場合に、この画素群について、解像度の変換を行わない
請求項1に記載の画像圧縮装置。 - 複数の色成分には、色差成分又は色相成分が含まれており、
前記階調変化判定手段は、少なくとも色差成分又は色相成分の階調値が画素群内において一致しているか否かを判定し、
前記解像度変換手段は、少なくとも色差成分又は色相成分の階調値が全て一致している画素群について、色差成分又は色相成分の解像度を減少させ、色差成分又は色相成分の階調値が互いに異なる画素群について、色差成分又は色相成分の解像度変換を行わない
請求項3に記載の画像圧縮装置。 - 入力された画像データが、光学的に読み取られた画像であるか否かを判定する属性判定手段
をさらに有し、
前記解像度変換手段は、前記属性判定手段による判定結果に応じて、複数の色成分のうちの位置部について、画像データの解像度を減少させる
請求項1に記載の画像圧縮装置。 - 前記属性判定手段は、前記抽出手段により抽出される画素群毎に、光学的に読み取られた画像であるかコンピュータにより生成された画像であるかを判断し、
前記解像度変換手段は、前記属性判定手段により光学的に読み取られた画像であると判定された画素群について、解像度変換を行わず、前記属性判定手段によりコンピュータにより生成された画像であると判定された画素群について、一部の色成分の解像度を減少させる
請求項5に記載の画像圧縮装置。 - 前記階調変化判定手段は、
前記抽出手段により抽出される画素群に含まれる画素の階調値を互いに比較する画素群内比較手段と、
前記抽出手段により抽出される画素群に含まれる画素の階調値と、この画素群の周囲にある画素の階調値とを比較する画素群内外比較手段と
を含み、
前記解像度変換手段は、前記画素群内比較手段による比較結果と、前記画素群内外比較手段による比較結果とに基づいて、一部の色成分の解像度変換を行うか否かを決定する
請求項1に記載の画像圧縮装置。 - 前記画素群内比較手段は、画素群に含まれる画素の階調値が全て一致するか否かを判定し、
前記画素群内外比較手段は、画素群に含まれるいずれかの画素の階調値と、これらの画素と隣接する画素群外の既定画素の階調値とが一致するか否かを判定し、
前記解像度変換手段は、前記画素群内比較手段により全て一致すると判定され、かつ、前記画素群内外比較手段によりいずれかの画素について一致すると判定された画素群についてのみ、一部の色成分の解像度を減少させる
請求項7に記載の画像圧縮装置。 - 前記抽出手段により抽出された画素群間の相関関係に基づいて、入力された画像データを符号化する符号化手段
をさらに有する請求項1〜8のいずれかの画像圧縮装置。 - 前記符号化手段は、前記抽出手段により抽出されたそれぞれの画素群を互いに比較して、これらの一致度合いを示す一致データを符号化する
請求項9に記載の画像圧縮装置。 - 前記抽出手段により抽出された画素群の階調値に対して、前記解像度変換手段により解像度の変換がなされたか否かを識別するための識別情報を付与する識別情報付与手段
をさらに有する請求項1〜8のいずれかに記載の画像圧縮装置。 - 前記抽出手段により抽出された画素群の複数の階調値を比較して、処理対象である注目画素群の階調値と、他の画素群の階調値との差分が既定の範囲内である場合に、階調値が一致した旨を符号化し、この注目画素群の階調値と、他の画素群の階調値との差分が前記既定の範囲外である場合に、この注目画素群の階調値と、他の画素群の階調値との差分を符号化する符号化手段
をさらに有し、
前記識別情報付与手段は、前記符号化手段により注目画素群の階調値と他の画素群の階調値との差分が符号化された場合に、この差分に対して、この注目画素群について解像度変換がなされたか否かを示す識別情報を付与する
請求項11に記載の画像圧縮装置。 - 画素群に含まれる複数の階調値に相当するデータセット間の相関関係に基づいて、各データセットの値を生成するデータセット値生成手段と、
前記データセット値生成手段により生成されたデータセット値の中から、画素群に含まれる各画素の階調値を切り出す切出し手段と、
一部の色成分について解像度変換がなされた否かを示す識別情報に基づいて、前記切出し手段により切り出された階調値のうち、一部の色成分の階調値に対して解像度変換を行う解像度変換手段と
を有する画像伸長装置。 - カラー画像の画像データであって、
既定数の画素からなる画素群の階調値を含むデータセットと、
少なくとも1つのデータセットを識別する識別情報と
を有し、
少なくとも1つのデータセットは、
前記画素群に関する、第1の色成分の階調値と、
前記画素群に関する、第1の色成分の階調値よりも数の少ない、第2の色成分の階調値と
を含み、
前記識別情報は、第2の色成分の階調値の数が第1の色成分の階調値よりも少ないデータセットを識別するための情報である
画像データ。 - 前記画素群は、互いに近接する画素の集合であり、
前記識別情報により識別される前記データセットの第2の色成分の階調値は、画素群に含まれる複数の画素に対する1つの階調値である
請求項14に記載の画像データ。 - 前記第1の色成分は、カラー画像の輝度成分又は明度成分に相当し、
前記第2の色成分は、カラー画像の色相成分、彩度成分又は色差成分に相当する
請求項14に記載の画像データ。 - カラーの画像データを処理する画像処理方法であって、
入力された画像データから、既定数の画素からなる画素群を抽出し、
入力された画像データにおける階調変化度を判定し、
判定された階調変化度に応じて、抽出された画素群毎に、複数の色成分のうちの一部について、画像データの解像度を減少させる
画像処理方法。 - コンピュータグラフィックのエッジを検出するエッジ検出方法であって、
エッジ検出の対象となる対象領域に含まれる複数の画素の階調値を互いに比較し、
対象領域に含まれる画素の階調値と、対象領域の周囲にある画素の階調値とを比較し、
対象領域に含まれる画素同士の比較結果、及び、対象領域内の画素と対象領域外の画素との比較結果に基づいて、対象領域内にエッジが存在するか否かを判定する
エッジ検出方法。 - 入力された画像データから、既定数の画素からなる画素群を抽出するステップと、
入力された画像データにおける階調変化度を判定するステップと、
判定された階調変化度に応じて、抽出された画素群毎に、複数の色成分のうちの一部について、画像データの解像度を減少させるステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
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