JP2007024805A - 原子炉格納容器内冷却設備およびその改造方法 - Google Patents

原子炉格納容器内冷却設備およびその改造方法 Download PDF

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浩一 吉野
Tetsushi Oishi
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Abstract

【課題】 プラント運転開始後に、原子炉格納容器内設備の配置変更などをせずに、原子炉格納容器内温度を充分に低く保つめの原子炉格納容器内冷却設備を提供する。
【解決手段】 原子炉格納容器内冷却設備は、原子炉格納容器外に配置されて冷却水を生成して供給する換気空調系冷凍機5と、原子炉格納容器外に配置されて換気空調系冷凍機5から供給された冷却水をさらに冷却する原子炉格納容器空調機用冷却手段9と、原子炉格納容器内に配置されて原子炉格納容器空調機用冷却手段9により冷却された冷却水により原子炉格納容器内の雰囲気ガスを冷却して冷却ガスを生成する原子炉格納容器空調機3と、冷却ガスを原子炉格納容器内の複数箇所に給気するダクト4と、を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原子炉格納容器内冷却設備およびその冷却能力を増すための改造方法に関する。
従来の原子力発電所の原子炉格納容器内冷却設備は、原子炉格納容器内に設置された各機器類の正常な運転のために、原子炉格納容器内の雰囲気を適切な温湿度状態に保持することを目的に、原子炉格納容器内に設置した原子炉格納容器空調機にて原子炉格納容器内の各機器類からの発熱を除却するものである(特許文献1参照)。
従来の原子炉格納容器内冷却設備は、原子炉圧力容器を収納している原子炉格納容器の中の雰囲気ガスを原子炉格納容器空調機により冷却し、ダクトにより原子炉格納容器内の各所に冷却ガスを給気することで、原子炉格納容器内の各機器類からの発熱を除却する。
原子炉格納容器空調機で雰囲気ガスを冷却したことにより暖められた原子炉格納容器空調機の冷却水は、冷却水配管により、原子炉格納容器の外に設置された換気空調系冷凍機によって冷却される。この換気空調系冷凍機は、他の換気空調系冷却コイルにも冷却水を供給する。
換気空調系冷凍機により冷却された冷却水は再び原子炉格納容器空調機に送水され、原子炉格納容器内の雰囲気ガスを冷却する。
原子炉格納容器内冷却設備では、原子炉格納容器内雰囲気ガスを冷却し給気するとともに、換気空調系冷凍機に排熱し原子炉格納容器内を適切な温度に保つ設備である。
特公昭61−55074号公報
従来の原子炉格納容器内冷却設備は、プラント運転開始後に原子炉格納容器内の各機器の発熱が増加し、雰囲気温度が上昇した場合において、原子炉格納容器内には機器や配管が数多く設置されておりスペースに余裕がないことから、雰囲気温度を低下させるための原子炉格納容器空調機や、ダクトの追加設置が困難な状況となっている。
また、換気空調系冷凍機は原子力発電所内の換気空調系冷却コイルや空調機に冷却水を供給する機能も有していることから、原子炉格納容器空調機のみの冷却水を増加することや、冷却水温度を低下させることができない。
このため、格納容器内の雰囲気温度が上昇した場合に、雰囲気温度を低下するには原子炉格納容器内機器の配置変更や、換気空調系冷凍機の取替を行なう大幅な改造工事が必要となる。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、プラント運転開始後に原子炉格納容器内の各機器の発熱が増加し、雰囲気温度が上昇する場合に、原子炉格納容器内設備の配置変更や換気空調系冷凍機取替の影響を及ぼすことなく、原子炉格納容器内設備に適切な雰囲気温度をするための原子炉格納容器内冷却設備およびその冷却設備の改造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の原子炉格納容器内冷却設備は、原子炉格納容器外に配置され、冷却水を生成して供給する換気空調系冷凍機と、原子炉格納容器外に配置され、前記換気空調系冷凍機から供給された冷却水をさらに冷却する原子炉格納容器空調機用冷却手段と、原子炉格納容器内に配置され、前記原子炉格納容器空調機用冷却手段により冷却された冷却水により原子炉格納容器内の雰囲気ガスを冷却して冷却ガスを生成する原子炉格納容器空調機と、前記冷却ガスを前記原子炉格納容器内の複数箇所に給気するダクトと、を有することを特徴とする。
また、本発明の原子炉格納容器内冷却設備の改造方法は、原子炉格納容器外に配置され、冷却水を生成して供給する換気空調系冷凍機と、原子炉格納容器内に配置され、前記換気空調系冷凍機で生成された冷却水により原子炉格納容器内の雰囲気ガスを冷却して冷却ガスを生成する原子炉格納容器空調機と、前記冷却ガスを前記原子炉格納容器内の複数箇所に給気するダクトと、が既設である場合に、前記換気空調系冷凍機から供給された冷却水をさらに冷却して前記原子炉格納容器空調機に供給する原子炉格納容器空調機用冷却手段を原子炉格納容器外に新たに設置すること、を特徴とする。
本発明の原子炉格納容器内冷却設備およびその改造方法によれば、原子炉格納容器内設備の配置変更や換気空調系冷凍機取替などを必要とせず、原子炉格納容器空調機からの給気温度を低下することができ、原子炉格納容器内設備に適切な雰囲気温度を提供することができる。
以下に、本発明に係る原子炉格納容器内冷却設備の実施形態を、図面を参照しながら説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る原子炉格納容器内冷却設備の第1の実施形態の模式的構成図である。図1において、既設の設備として、原子炉格納容器2内に、原子炉圧力容器1、原子炉格納容器空調機3、ダクト4および冷却水配管6が配置されている。また、原子炉格納容器2外の既設設備として、換気空調系冷凍機5、冷却水配管6、換気空調系冷却コイル7が配置されている。また、原子炉格納容器内冷却設備の改造工事における新設設備として、原子炉格納容器2外に、原子炉格納容器空調機冷却水ポンプ8および原子炉格納容器空調機用冷凍機9が配置されている。冷却水配管6の原子炉格納容器2外の部分で、原子炉格納容器空調機冷却水ポンプ8および原子炉格納容器空調機用冷凍機9の近くは新設となる。
換気空調系冷凍機5は冷却水を生成し、この冷却水は、冷却水配管6および原子炉格納容器空調機冷却水ポンプ8を介して原子炉格納容器空調機用冷凍機9に送られる。原子炉格納容器空調機用冷凍機9で、冷却水はさらに冷却されて、原子炉格納容器空調機3に送られる。原子炉格納容器空調機3では原子炉格納容器2内の雰囲気ガスを冷却して冷却ガスを生成し、冷却水は暖められて冷却水配管6を通って換気空調系冷凍機5に戻される。原子炉格納容器空調機3で生成された冷却ガスはダクト4を介して原子炉格納容器2内の各部に送られる。冷却水配管6は、分岐して、冷却水の一部が原子炉格納容器内冷却設備以外の換気空調系冷却コイル7に送られるようになっている。
本実施形態によれば、原子炉格納容器2外にて原子炉格納容器空調機3に供給される冷却水の温度を低下させることにより、原子炉格納容器空調機3からの給気温度を低下することができる。このようにして、原子炉格納容器2内設備の配置変更や換気空調系冷凍機取替の影響を及ぼすことなく、原子炉格納容器2内設備に適切な雰囲気温度を提供することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る原子炉格納容器内冷却設備の第2の実施形態を図2に基づき説明する。図2において、既設の設備として、第1の実施形態と同様に、原子炉格納容器2内に、原子炉圧力容器1、原子炉格納容器空調機3、ダクト4および冷却水配管6が配置され、また、原子炉格納容器2外の既設設備として、換気空調系冷凍機5、冷却水配管6、換気空調系冷却コイル7が配置されている。また、原子炉格納容器内冷却設備の改造工事における新設設備として、本実施形態では、原子炉格納容器2外に、原子炉格納容器空調機冷却水ポンプ8、原子炉格納容器空調機用冷凍機9および原子炉格納容器空調機冷却用水槽10が配置されている。冷却水配管6の原子炉格納容器2外の部分で、原子炉格納容器空調機冷却水ポンプ8、原子炉格納容器空調機用冷凍機9および原子炉格納容器空調機冷却用水槽10の近くは新設となる。
換気空調系冷凍機5は冷却水を生成し、この冷却水は、冷却水配管6を介して原子炉格納容器空調機用冷却水槽10に送られる。原子炉格納容器空調機用冷却水槽10内の冷却水は、原子炉格納容器空調機3に送られ、原子炉格納容器2内の雰囲気ガスと熱交換して暖められ、換気空調系冷凍機5に戻される。
原子炉格納容器空調機用冷却水槽10内の冷却水の一部は、原子炉格納容器空調機冷却水ポンプ8を介して原子炉格納容器空調機用冷凍機9に送られ、ここでさらに冷却されて原子炉格納容器空調機用冷却水槽10に戻される。これにより、原子炉格納容器空調機用冷却水槽10内の冷却水の温度は、換気空調系冷凍機5から送り出されたときよりも低温になっている。
本実施形態によれば、原子炉格納容器2外にて原子炉格納容器空調機3に供給される冷却水の温度を低下させることにより、原子炉格納容器空調機3からの給気温度を低下することができる。このようにして、原子炉格納容器2内設備の配置変更や換気空調系冷凍機取替の影響を及ぼすことなく、原子炉格納容器2内設備に適切な雰囲気温度を提供することができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明に係る原子炉格納容器内冷却設備の第3の実施形態を図3に基づき説明する。図3において、既設の設備として、第1の実施形態と同様に、原子炉格納容器2内に、原子炉圧力容器1、原子炉格納容器空調機3、ダクト4、冷却水配管6が配置され、また、原子炉格納容器2外の既設設備として、換気空調系冷凍機5、冷却水配管6、換気空調系冷却コイル7が配置されている。また、原子炉格納容器内冷却設備の改造工事における新設設備として、本実施形態では、原子炉格納容器2外に、原子炉格納容器空調機用空冷コンデンサ11、冷媒配管12および原子炉格納容器空調機用冷媒熱交換器13が配置されている。冷却水配管6の原子炉格納容器2外の部分で、原子炉格納容器空調機用冷媒熱交換器13の近くは新設となる。
換気空調系冷凍機5は冷却水を生成し、この冷却水は、冷却水配管6を通して原子炉格納容器空調機用冷媒熱交換器13に送られて、ここでさらに冷却される。原子炉格納容器空調機用冷媒熱交換器13で冷却された冷却水は、原子炉格納容器空調機3に送られ、原子炉格納容器空調機3で原子炉格納容器2内の雰囲気ガスと熱交換して暖められ、換気空調系冷凍機5に戻される。
本実施形態によれば、原子炉格納容器2外にて原子炉格納容器空調機3に供給される冷却水の温度を低下させることにより、原子炉格納容器空調機3からの給気温度を低下することができるので、原子炉格納容器2内設備の配置変更や換気空調系冷凍機取替の影響を及ぼすことなく、原子炉格納容器2内設備に適切な雰囲気温度を提供することができる。
本発明に係る原子炉格納容器内冷却設備の第1の実施形態の模式的構成図。 本発明に係る原子炉格納容器内冷却設備の第2の実施形態の模式的構成図。 本発明に係る原子炉格納容器内冷却設備の第3の実施形態の模式的構成図。
符号の説明
1…原子炉圧力容器、2…原子炉格納容器、3…原子炉格納容器空調機、4…ダクト、5…換気空調系冷凍機、6…冷却水配管、7…換気空調系冷却コイル、8…原子炉格納容器空調機冷却水ポンプ、9…原子炉格納容器空調機用冷凍機(原子炉格納容器空調機用冷却手段)、10…原子炉格納容器空調機用冷却水槽(原子炉格納容器空調機用冷却手段)、11…原子炉格納容器空調機用空冷コンデンサ(原子炉格納容器空調機用冷却手段)、12…冷媒配管、13…原子炉格納容器空調機用冷媒熱交換器

Claims (5)

  1. 原子炉格納容器外に配置され、冷却水を生成して供給する換気空調系冷凍機と、
    原子炉格納容器外に配置され、前記換気空調系冷凍機から供給された冷却水をさらに冷却する原子炉格納容器空調機用冷却手段と、
    原子炉格納容器内に配置され、前記原子炉格納容器空調機用冷却手段により冷却された冷却水により原子炉格納容器内の雰囲気ガスを冷却して冷却ガスを生成する原子炉格納容器空調機と、
    前記冷却ガスを前記原子炉格納容器内の複数箇所に給気するダクトと、
    を有することを特徴とする原子炉格納容器内冷却設備。
  2. 前記原子炉格納容器空調機用冷却手段は、
    前記換気空調系冷凍機から供給された冷却水をさらに冷却する原子炉格納容器空調機用冷凍機と、
    前記換気空調系冷凍機からの冷却水を前記原子炉格納容器空調機用冷凍機に送水する原子炉格納容器空調機冷却水ポンプと、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の原子炉格納容器内冷却設備。
  3. 前記原子炉格納容器空調機用冷却手段は、
    前記換気空調系冷凍機から供給された冷却水を貯蔵する原子炉格納容器空調機用冷却水槽と、
    原子炉格納容器空調機用冷却水槽内の冷却水をさらに冷却する原子炉格納容器空調機用冷凍機と、
    前記原子炉格納容器空調機用冷却水槽内の冷却水の一部を前記原子炉格納容器空調機用冷凍機に送水する原子炉格納容器空調機冷却水ポンプと、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の原子炉格納容器内冷却設備。
  4. 前記原子炉格納容器空調機用冷却手段は、
    前記換気空調系冷凍機から供給された冷却水を、冷媒との熱交換によってさらに冷却する原子炉格納容器空調機用熱交換器と、
    前記冷媒を冷却する原子炉格納容器空調機用空冷コンデンサと、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の原子炉格納容器内冷却設備。
  5. 原子炉格納容器外に配置され、冷却水を生成して供給する換気空調系冷凍機と、
    原子炉格納容器内に配置され、前記換気空調系冷凍機で生成された冷却水により原子炉格納容器内の雰囲気ガスを冷却して冷却ガスを生成する原子炉格納容器空調機と、
    前記冷却ガスを前記原子炉格納容器内の複数箇所に給気するダクトと、
    が既設である場合に、
    前記換気空調系冷凍機から供給された冷却水をさらに冷却して前記原子炉格納容器空調機に供給する原子炉格納容器空調機用冷却手段を原子炉格納容器外に新たに設置すること、
    を特徴とする原子炉格納容器内冷却設備の改造方法。
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