JP2007024713A - 放射線画像変換パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた耐久性を有し、画像のムラがなく、かつ鮮鋭度の向上した放射線画像を得ることができる放射線画像変換パネルの提供。
【解決手段】 支持体上に、輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートと該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように設けられた保護層からなる放射線画像変換パネルにおいて、該保護層の表面粗さの算術平均傾斜Δaが0.01〜0.2であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
【選択図】 なし

Description

本発明は、輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルに関し、さらに詳しくは、例えば鮮鋭性が良好で画像のムラがなく、かつ耐久性にも優れた放射線画像変換パネルに関するものである。
1.本願の請求項1〜8の発明の背景技術
X線画像で代表される放射線画像は、病気診断用など多方面にわたり用いられている。このX線画像を得る方法としては、被写体を通過した放射線を、蛍光体層(蛍光スクリーンともいう)に照射し、蛍光体層で発生した可視光を、ハロゲン化銀写真感光材料(以下、感光材料ともいう)等に照射し、その後の現像処理を施して可視画像を得る、いわゆる放射線写真方式が主に利用されている。しかしながら、近年では、ハロゲン化銀塩を有する感光材料による画像形成方法に代わり、蛍光体層から直接画像を取り出す新たな方法が提案されている。
上記方法としては、被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を、例えば光または熱エネルギーで励起することにより、この蛍光体がX線の吸収により蓄積した放射線エネルギーを蛍光として放射し、この蛍光を検出し、画像化する方法である。具体的には、例えば、米国特許第3,859,527号及び特開昭55−12144号公報などに記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換方法である。
この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線画像変換パネルを利用するもので、詳しくは、この放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に、被写体を透過した放射線を当て、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを蓄積させ、その後、輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による信号を、例えば光電変換した電気信号として取り出し、この信号を感光材料などの既存の画像記録材料、或いはCRTなどに代表される画像表示装置上に可視像として再生する方法である。
上記の放射線画像記録の再生方法は、従来の放射線用感光材料と増感紙とを組み合わせて用いる放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点がある。
この技術に用いられる輝尽性蛍光体層の表面(支持体に面していない側の表面)には、通常、保護層が設けられており、蛍光体層を化学的な変質或いは物理的な衝撃から保護している。この保護層としては、セルロース誘導体やポリメチルメタクリレートの如き透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、或いはポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートのような有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護膜形成用シートないしはフィルムを別に製作して、これを蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、或いは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが知られている。
このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。従来より放射線画像変換パネルに用いられてきた輝尽性蛍光体の例としては、例えば、特開昭55−12145号、同55−160078号、同56−74175号、同56−116777号、同57−23673号、同57−23675号、同58−206678号、同59−27289号、同59−27980号、同59−56479号、同59−56480号等に記載の希土類元素賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体;特開昭59−75200号、同60−84381号、同60−106752号、同60−166379号、同60−221483号、同60−228592号、同60−228593号、同61−23679号、同61−120882号、同61−120883号、同61−120885号、同61−235486号、同61−235487号等に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体;特開昭59−12144号に記載の希土類元素賦活オキシハライド蛍光体;特開昭58−69281号に記載のセリウム賦活3価金属オキシハライド蛍光体;特開昭60−70484号に記載のビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体;特開昭60−141783号、同60−157100号に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロ燐酸塩蛍光体;特開昭60−157099号に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロ硼酸塩蛍光体;特開昭60−217354号に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属水素化ハロゲン化物蛍光体;特開昭61−21173号、同61−21182号に記載のセリウム賦活希土類複合ハロゲン化物蛍光体;特開昭61−40390号に記載のセリウム賦活希土類ハロ燐酸塩蛍光体;特開昭60−78151号に記載の2価のユーロピウム賦活ハロゲン化セリウム・ルビジウム蛍光体;特開昭60−78153号に記載の2価のユーロピウム賦活ハロゲン蛍光体;特開平7−233369号に記載の液相から析出させた14面体希土類金属賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体;等が知られている。
上記の輝尽性蛍光体のうちで、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する希土類元素賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、及びヨウ素を含有するビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体は、高輝度の輝尽発光を示す。
これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後に再度放射線画像の蓄積を行うことができ、繰り返し使用できることが利点の一つである。すなわち、従来の放射線写真法では、1回の撮影ごとに放射線用感光材料を消費するのに対して、この放射線画像変換方法では、放射線画像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。
上述したように、放射線画像記録再生方法は数々の優れた利点を有する方法であるが、この方法に用いられる放射線画像変換パネルにあっても、できる限り高感度でかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良い画像を与えるものであることが望まれている。
また、この方法の実施における放射線画像変換パネルは、放射線の照射(放射線画像の記録)・励起光の照射(記録された放射線画像の読み取り)・消去光の照射(残存する放射線画像の消去)というサイクルで繰り返し使用される。
そして放射線画像変換パネルの各ステップへの移行はベルト、ローラ等の搬送手段により行われ、このような繰り返しの使用によって励起光照射側のパネル表面(すなわち、保護層表面)に汚れや擦り傷が発生すると、得られる放射線画像の画質の低下を招くことから、パネル表面は繰り返し使用されてもできる限り汚れや擦り傷が生じにくく、耐久性が高いことが要求されている。
また、カセッテタイプでも放射線画像変換パネルの各ステップへの移行はベルト、ローラ等の搬送手段により行われ、このような繰り返しの使用が行われ、この際に光源及び駆動系の存在により装置内温度は室内温度に比べ高い状態となる。
また、専用機タイプでは放射線画像変換パネルの搬送は無いのものの、カセッテタイプと異なり連続撮影による連続使用による光源の熱のためにより装置内温度がカセッテタイプ以上に高くなる場合がある。熱がかかると画像のムラが劣化することが分かっており、従って耐熱性が高いことが要求されている。
一方、従来より、放射線画像変換パネルにより得られる画像の鮮鋭度は保護膜の膜厚が薄ければ薄いほど高くなると考えられていた。しかしながら、保護膜の膜厚が薄いと、繰り返しの使用により、保護膜表面に擦り傷や亀裂などが生じ易くなって耐久性が低下しがちである。そこで、保護膜の膜厚をできるだけ薄くして鮮鋭度の低下を抑制しながら、かつ防傷性や搬送耐久性など保護層として必要な機能を有するように、保護層材料として適切なものが選択された。例えば、ポリエチレンテレフタレートのような強度があって透明性が高いものを用いたり、数種類の樹脂を組み合わせたり、耐傷性の高いフッ素系樹脂含有樹脂組成物層を塗設したり、或いは保護層自体を多層構成とすることが行われている。
しかしながら、従来技術では、機器での長期間にわたる耐久性を得るためにはどうしても、保護層を厚くしなくてはならず、その結果、鮮鋭性が低下してしまうという欠点があった。
また、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレンナフタレートフィルム等フィルムを保護層として使用した場合、被写体の放射線画像以外の濃淡すなわち画像ムラや、フッ素系樹脂含有樹脂組成物層を塗設に起因すると思われる画像ムラが出現するという問題点もあった。これらの画像ムラに対して、特開昭59−42500号や特公平1−57759号には保護層のヘイズ率を高くしてこれらの画像ムラを解消する手段が示されている。しかしながら保護層のヘイズ率を高くすると、さらに鮮鋭性が低下してしまうという欠点がある。
この為、保護層が、プラスチックフィルムと、その上に塗布形成された光散乱性微粒子を含むフッ素系樹脂含有樹脂組成物層で構成される技術(例えば、特許文献1を参照。)や、保護フィルムが励起光吸収層を有し更に表面粗さを規定した技術(例えば、特許文献2を参照。)が開示されているが、鮮鋭度の改善が不十分であったり、鮮鋭度と画像ムラを高度に両立することには未だ問題があった。
2.本願の請求項9〜12の発明の背景技術
従来、放射線画像を得るために銀塩を使用しないで放射線像を画像化する方法として、支持体上に輝尽性蛍光体層が設けられた放射線画像変換パネルを用いて放射線像を記録する方法が開発されている。
放射線画像変換パネルを用いて放射線像を記録するには、被写体を透過した放射線を輝尽性蛍光体層で吸収し、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを蓄積させる。輝尽性蛍光体中に蓄積された放射線エネルギーは、輝尽性蛍光体層に可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)を照射して時系列的に励起させることにより、輝尽発光として放出させることができる。この光の強弱による信号を、例えば光電変換して電気信号とすることで、ハロゲン化銀写真感光材料などの記録材料、CRTなどの表示装置上に可視像として再生することができる。
輝尽性蛍光体としては、下記一般式(1)で示された輝尽性蛍光体、特にeが0.003≦e≦0.005の範囲内の数値を示す輝尽性蛍光体を用いることで、高感度の放射線画像変換パネルが得られることが示されている(例えば、特許文献3を参照)。
1X・aM2X’2・bM3X’’3:eA ・・・(1)
[ここで、M1はLi、Na、K、Rb及びCsから選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属原子であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNiから選ばれる少なくとも一種の二価の金属原子であり、M3はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInから選ばれる少なくとも一種の三価の金属原子であり、X、X’及びX’’はF、Cl、Br及びIから選ばれる少なくとも一種のハロゲン原子であり、AはEu、Tb、In、Ga、Cs、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgから選ばれる少なくとも一種の金属原子であり、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0.0001<e≦1.0の範囲の数値を示す。]
上記の輝尽性蛍光体のうちで、特にヨウ素を含有する二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する希土類元素賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、及びヨウ素を含有するビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体は、高輝度の輝尽発光を示す。
これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後に再度放射線画像の蓄積を行うことができ、繰り返し使用できることが利点の一つである。すなわち、従来の放射線写真法では、一回の撮影ごとに放射線用感光材料を消費するのに対して、この放射線画像変換方法では、放射線画像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。
このような放射線画像変換パネルは医療用のX線画像診断機器等にも多く用いられている。放射線画像変換パネルは、一般にシート上の支持体に輝尽性蛍光体が積層され、放射線撮影用カセッテに収納されて取り扱われることが多い。
放射線撮影用カセッテ(以下、「カセッテ」という)とは、放射線画像変換パネルを収納可能な平たい筐体であって、搬送時または撮影時における輝尽性蛍光体の物理的損傷を防止するとともに、撮影後の輝尽性蛍光体に励起光が照射されて蓄積された画像情報が消滅するのを防止するものである。図6に示すように、放射線画像変換パネル30は、輝尽性蛍光体層31がカセッテ40の前面板41に対向するように配置されてカセッテ40に収納される。
放射線撮影は、放射線画像変換パネル30を収納したカセッテ40の前面板41の外側面に対向して被写体50を配置し、被写体50を透過したX線をカセッテ40内の放射線画像変換パネル30に照射して行う。この方法による放射線撮影は、銀塩を使用する方式と比較して極めて少ない被爆線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができる。
この方法の実施における放射線画像変換パネルは、放射線の照射(放射線画像の記録)・励起光の照射(記録された放射線画像の読み取り)・消去光の照射(残存する放射線画像の消去)というステップを繰り返して使用される。各ステップへの移行はベルト、ローラ等の搬送手段により行われる。
上述したように、放射線画像記録再生方法は数々の優れた利点を有する方法であるが、この方法に用いられる放射線画像変換パネルにあっても、できる限り高感度でかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良い画像を与えるものであることが望まれている。
従来、放射線画像変換パネルにより得られる画像の鮮鋭度は保護層の膜厚が薄ければ薄いほど高くなると考えられていた。しかし保護層の膜厚が薄いと、繰り返しの使用により、保護層表面に擦り傷や亀裂などが生じ易くなって耐久性が低下しがちである。
特にカセッテタイプの放射線画像変換パネルは搬送手段により繰り返し搬送される時に、蛍光体表面にある保護層に異物が付着することがある。この異物が硬い場合、保護層表面上での擦れから保護層表面に傷が発生することがあった。このように保護層表面に傷が生じると、画像に影響することが分かっており、耐傷性が高い保護層が要求されている。
そこで、保護層の膜厚をできるだけ薄くして鮮鋭度の低下を抑制しながら、かつ耐傷性や搬送耐久性など保護層として必要な機能を有するように、保護層材料として適切なものが選択された。例えば、ポリエチレンテレフタレートのような強度があって透明性が高いものを用いたり、数種類の樹脂を組み合わせたり、耐傷性の高いフッ素系樹脂含有樹脂組成物層を塗設したり、或いは保護層自体を多層構成とすることが行われている(例えば、特許文献4を参照)。
また、保護層が励起光吸収層を有し更に表面粗さを規定することで、高い搬送耐久性を有し、かつ高い感度を維持しながら、鮮鋭度向上させた放射線画像変換パネルもある(例えば、特許文献5を参照)。
しかし、ポリエチレンナフタレート等のフィルムを保護層として使用した場合、被写体の放射線画像以外の濃淡すなわち画像ムラが出現するという問題点があった。またフッ素系樹脂含有樹脂組成物層を塗設すると、それに起因すると思われる画像ムラが出現するという問題点もあった。
表面粗さを規定した放射線画像変換パネルにおいても、鮮鋭度の改善が不十分であり、鮮鋭度と画像ムラをさらに向上させる必要があった。しかし、ポリエチレンナフタレート等のフィルムを保護層として使用した場合、被写体の放射線画像以外の濃淡すなわち画像ムラが出現するという問題点があった。またフッ素系樹脂含有樹脂組成物層を塗設すると、それに起因すると思われる画像ムラが出現するという問題点もあった。
表面粗さを規定した放射線画像変換パネルにおいても、鮮鋭度の改善が不十分であり、鮮鋭度と画像ムラをさらに向上させる必要があった。
特開平10−82899号公報 特開2002−122698号公報 特開2003−028995号公報 特開平10−82899号公報 特開2002−122698号公報
本願の請求項1〜4の発明の目的は優れた耐久性を有し、画像のムラがなく、かつ鮮鋭度の向上した放射線画像を得ることができる放射線画像変換パネルを提供することにある。
本願の請求項5〜8の発明の目的は優れた耐熱性を有し、画像のムラがなく、かつ鮮鋭度の向上した放射線画像を得ることができる放射線画像変換パネルを提供することにある。
本願の請求項9〜12の発明の目的は、優れた耐傷性を有しながら、画像のムラがなく、かつ鮮鋭度の向上した放射線画像を形成することができる放射線画像変換パネルを提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に、輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートと該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように設けられた保護層からなる放射線画像変換パネルにおいて、該保護層の表面粗さの算術平均傾斜Δaが0.01〜0.2であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
(請求項2)
前記保護層が励起光を吸収するように着色された励起光吸収層を有していることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネル。
(請求項3)
前記励起光吸収層を有する保護層の励起光波長における光透過率が、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる保護層の光透過率の50%〜98%であることを特徴とする請求項2に記載の放射線画像変換パネル。
(請求項4)
所定の大きさに断裁された前記蛍光体シートと、該蛍光体シートの上下に配置され、蛍光体シートと実質的に接着しておらず、その周縁が蛍光体シートの周縁より外側にあり、蛍光体シートの全表面を被覆するように設けられた防湿性保護フィルムとからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
(請求項5)
支持体上に、輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートと該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルにおいて、
該保護層の外側の表面粗さの算術平均傾斜Δaが0.01〜0.1であり、
且つ、該保護層のプレート側である内側の表面粗さRa(μm)が0.05μm〜0.45μmであり、輝尽性蛍光体層が塗布設置型であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
(請求項6)
支持体上に、輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートと該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルにおいて、
該保護層の外側の表面粗さの算術平均傾斜Δaが0.01〜0.1であり、
且つ、該保護層のプレート側である内側の表面粗さRa(μm)が0.05μm〜0.45μmであり、輝尽性蛍光体層が気相堆積型であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
(請求項7)
前記保護層が励起光を吸収するように着色された励起光吸収層を有していることを特徴とする請求項5又は6に記載の放射線画像変換パネル。
(請求項8)
所定の大きさに断裁された前記蛍光体シートと、該蛍光体シートの上下に配置され、蛍光体シートと実質的に接着しておらず、その周縁が蛍光体シートの周縁より外側にあり、蛍光体シートの全表面を被覆するように設けられた防湿性保護フィルムとからなることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の放射線画像変換パネル。
(請求項9)
支持体上に輝尽性蛍光体層を塗設した蛍光体シートと、該輝尽性蛍光体層を被覆するように設けた保護層を有する放射線画像変換パネルにおいて、該保護層の外側の表面の算術平均傾斜Δaが0.014〜0.2であり、このとき該保護層と同じ材質からなる保護層表面の算術平均傾斜Δaを0.009の保護層からなる放射線画像パネルをBとすると、Bに対して画像の傷に対する強度が1.3倍以上となる関係が成り立ち、且つ、輝尽性蛍光体層が塗布設置型であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
(請求項10)
支持体上に輝尽性蛍光体層を気相堆積法により設けた蛍光体シートと、該輝尽性蛍光体層を被覆するように設けた保護層を有する放射線画像変換パネルにおいて、該保護層の外側の表面の算術平均傾斜Δaが0.014〜0.2であり、このとき該保護層と同じ材質からなる保護層表面の算術平均傾斜Δaを0.009の保護層からなる放射線画像パネルをBとすると、Bに対して画像の傷に対する強度が1.3倍以上となる関係が成り立ち、且つ、輝尽性蛍光体層が気相堆積型であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
(請求項11)
前記保護層上に励起光を吸収する励起光吸収層を設けることを特徴とする請求項9又は10に記載の放射線画像変換パネル。
(請求項12)
前記蛍光体シートは所定の大きさに断裁されて形成されるとともに、前記保護層は前記蛍光体シートの全表面を被覆するように前記蛍光体シートの上下に配置した防湿性保護フィルムを、前記蛍光体シートの周縁よりも外側部分で互いに接着して形成されることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
本発明の請求項1〜4の発明の放射線画像変換パネルは優れた耐久性を有し、画像のムラがなく、かつ鮮鋭度の向上し優れた効果を有する。
本発明の請求項5〜8の発明の放射線画像変換パネルは優れた耐熱性を有し、画像のムラがなく、かつ鮮鋭度の向上し優れた効果を有する。
本発明の請求項9または10に記載の発明によれば、耐傷性の高い放射線画像変換パネルを得ることができる。
本発明の請求項11に記載の発明によれば、保護層に励起光吸収層を設けることで、保護層の界面で散乱、反射した励起光を吸収することができ、放射線画像変換パネルの鮮鋭性を向上させることができる。
本発明の請求項12に記載の発明によれば、蛍光体シートを確実に封止することができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本願発明の算術平均傾斜Δaについて述べる。
ここでいう、算術平均傾斜ΔaとはJIS−B−0660(1998)で規定した方法で測定した値をいう。
算術平均傾斜Δaを調整する手段としては、表面型押しによる方法や、マット材などの添加材を添加する方法等の種々の方法がある。
1.本発明の請求項1〜4のの発明について詳細に述べる。
請求項1に係る発明では、支持体上に、輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートと該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように設けられた保護層からなる放射線画像変換パネルにおいて、該保護層の表面粗さの算術平均傾斜Δaが0.01〜0.2であることが特徴である。
また、請求項2に係る発明では、保護層が励起光を吸収するように着色された励起光吸収層を有していることが特徴である。
請求項3に係る発明では、励起光吸収層を有する保護層の励起光波長における光透過率が、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる該保護層の光透過率の50〜98%であることが特徴である。
請求項4に係る発明では、保護層の表面粗さの算術平均傾斜Δaが0.02以上、0.2以下であることが特徴である。
請求項5に係る発明では、所定の大きさに断裁された前記蛍光体シートと、該蛍光体シートの上下に配置され、蛍光体シートと実質的に接着しておらず周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にあり、蛍光体シートの全表面を被覆するように設けられた防湿性保護フィルムからなる放射線画像変換パネルであることが特徴である。
本発明の保護フィルム(樹脂層、保護層)としては、ポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム等が使用でき、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等のフィルムが、透明性、強さの面で保護フィルムとして好ましく、フッ素系樹脂含有樹脂組成物層としては、フッ素を含むオレフィン(フルオロオレフィン)の重合体またはフッ素を含むオレフィンを共重合体成分として含む共重合体が耐傷性の面で好ましい
本発明でいう表面粗さの算術平均傾斜Δaとは、JIS−B0660(1998)による算術平均傾斜Δaのことである。
また本発明でいう励起光を吸収するように着色された励起光吸収層とは、励起光を選択的に吸収する着色剤を含有する層のことであって、保護フィルムの一方の面に塗設されてあってもよいし、両面に塗設されてあってもよいし、或いは保護フィルム自体が着色され励起光吸収層となっていてもよい。
本発明でいう、保護フィルムの励起光波長における光透過率が、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる該保護フィルムの光透過率の98%〜50%であるとは、励起光吸収層を備えていないこと以外は同一構成の保護フィルムの同じ波長における平均透過率に対して98%〜50%であることを意味する。
本発明に用いる保護層は、前記セルロース誘導体やポリメチルメタクリレートなどのような透明な有機高分子物質、或いはポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムが、必要とされる搬送耐久性にあわせた厚さで蛍光体層上に形成すればよいが、強度の点から有機高分子フィルムの方が好ましく、必要に応じてフッ素系樹脂含有樹脂組成物層を塗設することができる。
所定の大きさに断裁された、支持体上に輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートへの水分の進入をより確実に低減するためには、蛍光体シートの上下の防湿性保護フィルムの周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にあり、蛍光体シートの周縁部より外側の領域で該上下の防湿性保護フィルムが融着或いは接着剤により接着している封止構造(図1)とすることで、蛍光体シートの外周部からの水分進入も阻止できる。
また、この封止構造を実現するにあたって、該蛍光体面側の防湿性保護フィルムの蛍光体シートに接する側の最外層の樹脂層を、熱融着性を有する樹脂とすることにより、蛍光体シートの周縁部より外側の領域で、該上下の防湿性保護フィルムが融着可能となり封止作業を効率化できる。
本発明でいう熱融着性フィルムとは、一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムのことで、例えばエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等が挙げられるが、これに限られるものではない。
本発明の保護フィルムとして、前記融着フィルムを使用する場合は、必要とされる防湿性にあわせて融着フィルムを複数枚積層することにより最適な防湿性とすることができる。この場合の積層方法としては、一般に知られているどのような方法でもかまわないが、望ましくは、ドライラミネート方式が作業性の面で優れている。
また保護フィルムの表面の表面粗さの算術平均傾斜Δaを0.02以上とするためには、保護フィルム表面にシリカ等の無機物を分散したフッ素系樹脂含有樹脂組成物層液を塗設する方法や、前記フィルムを複数枚積層する方法において、最表面の樹脂フィルム種を選択する方法等があるが、これに限られるものではない。
各種表面形状の樹脂フィルムは広く市場に出回っており、必要とされる算術平均傾斜Δaを有するフィルムを選択することは容易である。
ポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等のフィルムは、強さの面で保護フィルムとして優れた物性を有するにも関わらず、屈折率が大であるために、保護フィルム内部に入射した励起光の一部がフィルムの上下の界面で繰り返し反射して、走査された場所から離れた場所まで伝搬し、輝尽発光を放出させ鮮鋭性が低下する。また、保護フィルムの上下の界面で蛍光体層表面と反対方向に反射された励起光も光検出装置間や周辺部材で再反射して、走査された場所からさらに遠く離れた場所の輝尽性蛍光体層を励起させ輝尽発光を放出させるため、これによりさらに鮮鋭性が低下する。励起光は赤から赤外の長波長のコヒーレントな光であるために、積極的に散乱光や反射光を吸収しない限り、保護フィルム内部や読み取り装置内部の空間で吸収される量は少なく、離れた場所まで伝搬し鮮鋭性を悪化する。
本発明に関わる励起光吸収層は、この散乱光や反射光を抑制する効果があると推測される。
また本発明によりポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等のフィルムを保護層の構成要素として使用した場合も、被写体の放射線画像以外の濃淡すなわち画像ムラや、保護フィルムの製造工程中に起因すると思われる線状のノイズ等が減少する。
この効果は算術平均傾斜Δaが0.01以上であることによって顕著となる。
この値付近の傾斜角Δaで、保護層界面での励起光の全反射が防止されると推測されるが、励起光吸収層が保護フィルムに備わっていない場合はこの効果は小さいことから、上記効果は励起光吸収層の散乱防止効果と、表面粗さの算術平均傾斜Δaの全反射防止の相乗効果であると推測される。
本発明により、耐傷性の高い保護フィルムを、画質を劣化させることなく必要な厚みで使用できるようになるため、長期にわたる耐久性に優れた放射線画像変換パネルの実現が可能となった。
保護フィルムに樹脂フィルムを使用する場合、必要とされる耐傷性や防湿性にあわせて、樹脂フィルムや樹脂フィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムを複数枚積層した構成とすることができる。
またこの場合は、積層された樹脂フィルム間に励起光吸収層を設けることによって、励起光吸収層が物理的な衝撃や化学的な変質から保護され、安定したプレート性能が長期間維持できより好ましい。励起光吸収層は複数箇所に設けてもよいし、樹脂フィルムを積層するための接着層に着色剤を含有させ励起光吸収層としてもよい。
保護フィルムと蛍光体シートを接着するに際しては、既知のどのような方法でもかまわないが、保護フィルムの蛍光体シートに接する側に予め接着剤を塗設しておき、熱ローラ等で熱融着する方法が作業的にも簡単である。
保護フィルムの表面形状は、使用する樹脂フィルムを選択することや、樹脂フィルム表面に無機物等を含んだ塗膜を塗設することで容易に調整できる。また、この塗膜を着色し、励起光吸収層とすることも可能である。さらに近年では任意の表面形状の樹脂フィルムは容易に入手可能である。
放射線画像変換パネルの保護フィルムを着色し、鮮鋭性を向上する方法については、特公昭59−23400号に、放射線画像変換パネルを構成する支持体、下引層、蛍光体層、中間層、保護層の各層が着色された場合の種々の実施形態の一例として記載されているが、具体的な保護フィルムについての記載はなく示唆もない。
本発明の放射線画像変換パネルの保護フィルムに使用される着色剤としては、該放射線画像変換パネルの励起光を吸収する特性を有する色剤が用いられる。
好ましくは、保護フィルムの励起光波長における光透過率が、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる該保護フィルムの光透過率の50〜98%となるように励起光吸収層を設けることである。光透過率が98%を超えると本発明の効果は小さく、50%未満では放射線画像変換パネルの輝度が急激に低下してくる。
いかなる着色剤を用いるかは放射線画像変換パネルに用いる輝尽性蛍光体の種類によって決まるが、放射線画像変換パネル用の輝尽性蛍光体としては、通常、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が用いられる。このため、着色剤としては通常、青色〜緑色の有機系もしくは無機系の着色剤が用いられる。
青色〜緑色の有機系着色剤の例としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト社製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学社製)、スミアクリルブルーF−GSL(住友化学社製)、D&CブルーNo.1(ナショナル・アニリン社製)、スピリットブルー(保土谷化学社製)、オイルブルーNo.603(オリエント社製)、キトンブルーA(チバ・ガイギー社製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土谷化学社製)、レイクブルーA、F、H(協和産業社製)、ローダリンブルー6GX(協和産業社製)、ブリモシアニン6GX(稲畑産業社製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学社製)、シアニンブルーBNRS(東洋インキ社製)、ライオノルブルーSL(東洋インキ社製)が挙げられる。青色〜緑色の無機系着色剤の例としては、群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−CoO−NiO系顔料が挙げられるがこれらに限られるものではない。
本発明の放射線画像変換パネルにおいて用いられる支持体としては、各種高分子材料が用いられる。特に情報記録材料としての取り扱い上、可撓性のあるシート或いはウェブに加工できるものが好適であり、この点からいえばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルムが好ましい。
また、これら支持体の厚みは用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜1000μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましくは80μm〜500μmである。
これらの支持体の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。
さらに、これら支持体は、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層が設けられる面に下引層を設けてもよい。
本発明において輝尽性蛍光体層に用いられる結合剤(結着剤ともいわれている)の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴムのような天然高分子物質;及び、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルなどのような合成高分子物質などにより代表される結合剤を挙げることができる。
このような結合剤の中で特に好ましいものは、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリエステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキル(メタ)アクリレートとの混合物及びポリウレタンとポリビニルブチラールとの混合物である。尚、これらの結合剤は架橋剤によって架橋されたものであってもよい。輝尽性蛍光体層は、例えば、次のような方法により下塗層上に形成することができる。
まず輝尽性蛍光体、及び結合剤を適当な溶剤に添加し、これらを充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体粒子及び該化合物の粒子が均一に分散した塗布液を調製する。
一般に結合剤は輝尽性蛍光体1質量部に対して0.01〜1質量部の範囲で使用される。しかしながら得られる放射線画像変換パネルの感度と鮮鋭性の点では結合剤は少ない方が好ましく、塗布の容易さとの兼合いから0.03〜0.2質量部の範囲がより好ましい。
輝尽性蛍光体層用塗布液の調製に用いられる溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素及びそれらの混合物などが挙げられる。
尚、塗布液には、該塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後の輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。
上記のようにして調製された塗布液を、次に下塗層の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、例えば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いることにより行うことができる。
次いで、形成された塗膜を徐々に加熱することにより乾燥して、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形成を完了する。輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は20μm〜1mmとする。ただし、この層厚は50μm〜500μmとするのが好ましい。
輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボールミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高速インペラー分散機、Kadyミル、及び超音波分散機などの分散装置を用いて行われる。調製された塗布液をドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥することにより輝尽性蛍光体層が形成される。
本発明の放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層の厚みは、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と輝尽性蛍光体との混合比等によって異なるが、10μm〜1000μmの範囲から選ばれるのが好ましく、10μm〜500μmの範囲から選ばれるのがより好ましい。
支持体上に蛍光体層が塗設された蛍光体シートは、所定の大きさに断裁することが行われている。断裁に際してはどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面から化粧断裁機、打ち抜き機等を用いることが望ましい。
2.本発明の請求項5〜9の発明について詳細に述べる。
本発明の保護フィルム(樹脂層、保護層)としては、ポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム等が使用でき、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等のフィルムが、透明性、強さの面で保護フィルムとして好ましく、フッ素系樹脂含有樹脂組成物層としては、フッ素を含むオレフィン(フルオロオレフィン)の重合体またはフッ素を含むオレフィンを共重合体成分として含む共重合体が耐傷性の面で好ましい。
また本発明では励起光を吸収するように着色された励起光吸収層を好適に使用可能である。励起光吸収層とは、励起光を選択的に吸収する着色剤を含有する層のことであって、保護フィルムの一方の面に塗設されてあってもよいし、両面に塗設されてあってもよいし、或いは保護フィルム自体が着色され励起光吸収層となっていてもよい。
本発明の保護層は、前記セルロース誘導体やポリメチルメタクリレートなどのような透明な有機高分子物質、或いはポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムが、必要とされる搬送耐久性にあわせた厚さで蛍光体層上に形成すればよいが、強度の点から有機高分子フィルムの方が好ましく、必要に応じてフッ素系樹脂含有樹脂組成物層を塗設することができる。
所定の大きさに断裁された、支持体上に輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートへの水分の進入をより確実に低減するためには、蛍光体シートの上下の防湿性保護フィルムの周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にあり、蛍光体シートの周縁部より外側の領域で該上下の防湿性保護フィルムが融着或いは接着剤により接着している封止構造(図1)とすることで、蛍光体シートの外周部からの水分進入も阻止できる。
また、この封止構造を実現するにあたって、該蛍光体面側の防湿性保護フィルムの蛍光体シートに接する側の最外層の樹脂層を、熱融着性を有する樹脂とすることにより、蛍光体シートの周縁部より外側の領域で、該上下の防湿性保護フィルムが融着可能となり封止作業を効率化できる。
本発明でいう熱融着性フィルムとは、一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムのことで、例えばエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等が挙げられるが、これに限られるものではない。
本発明の保護フィルムとして、前記融着フィルムを使用する場合は、必要とされる防湿性にあわせて融着フィルムを複数枚積層することにより最適な防湿性とすることができる。この場合の積層方法としては、一般に知られているどのような方法でもかまわないが、望ましくは、ドライラミネート方式が作業性の面で優れている。
また保護フィルムの表面の表面粗さの算術平均傾斜Δaを大きくするためには、保護フィルム表面にシリカ等の無機物を分散したフッ素系樹脂含有樹脂組成物層液を塗設する方法や、前記フィルムを複数枚積層する方法において、最表面の樹脂フィルム種を選択する方法等があるが、これに限られるものではない。
各種表面形状の樹脂フィルムは広く市場に出回っており、必要とされる算術平均傾斜Δaを有するフィルムを選択することは容易である。
また保護層のプレート側である内側の表面粗さRa(μm)とはJISの粗さ形状パラメータ(JIS−B−0601(1994)で定義された算術平均粗さRaのことである。
表面粗さは、使用する樹脂フイルムの粗さを選択することや樹脂フイルム表面に無機物等を含んだ塗膜を塗設することで容易に調整できる。また、この塗膜を着色し励起光吸収層とすることも可能である。さらに近時では任意の表面粗さの樹脂フイルムは容易に入手可能である。
ポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等のフィルムは、強さの面で保護フィルムとして優れた物性を有するにも関わらず、屈折率が大であるために、保護フィルム内部に入射した励起光の一部がフィルムの上下の界面で繰り返し反射して、走査された場所から離れた場所まで伝搬し、輝尽発光を放出させ鮮鋭性が低下する。また、保護フィルムの上下の界面で蛍光体層表面と反対方向に反射された励起光も光検出装置間や周辺部材で再反射して、走査された場所からさらに遠く離れた場所の輝尽性蛍光体層を励起させ輝尽発光を放出させるため、これによりさらに鮮鋭性が低下する。励起光は赤から赤外の長波長のコヒーレントな光であるために、積極的に散乱光や反射光を吸収しない限り、保護フィルム内部や読み取り装置内部の空間で吸収される量は少なく、離れた場所まで伝搬し鮮鋭性を悪化する。
本発明に関わる励起光吸収層は、この散乱光や反射光を抑制する効果があると推測される。
また本発明によりポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等のフィルムを保護層の構成要素として使用した場合も、被写体の放射線画像以外の濃淡すなわち画像ムラや、保護フィルムの製造工程中に起因すると思われる線状のノイズ等が減少する。
この効果は算術平均傾斜Δaが0.01以上であることによって顕著となる。
この値付近の算術平均傾斜Δaで、保護層界面での励起光の全反射が防止されると推測されるが、励起光吸収層が保護フィルムに備わっていない場合はこの効果は小さいことから、上記効果は励起光吸収層の散乱防止効果と、表面粗さの算術平均傾斜Δaの全反射防止の相乗効果であると推測される。
本発明により、耐熱性の高い保護フィルムを、画質を劣化させることなく必要な厚みで使用できるようになるため、長期にわたる耐熱性に優れた放射線画像変換パネルの実現が可能となった。
保護フィルムに樹脂フィルムを使用する場合、必要とされる耐傷性や防湿性にあわせて、樹脂フィルムや樹脂フィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムを複数枚積層した構成とすることができる。
またこの場合は、積層された樹脂フィルム間に励起光吸収層を設けることによって、励起光吸収層が物理的な衝撃や化学的な変質から保護され、安定したプレート性能が長期間維持できより好ましい。励起光吸収層は複数箇所に設けてもよいし、樹脂フィルムを積層するための接着層に着色剤を含有させ励起光吸収層としてもよい。
保護フィルムと蛍光体シートを接着するに際しては、既知のどのような方法でもかまわないが、保護フィルムの蛍光体シートに接する側に予め接着剤を塗設しておき、熱ローラ等で熱融着する方法が作業的にも簡単である。
保護フィルムの表面形状は、使用する樹脂フィルムを選択することや、樹脂フィルム表面に無機物等を含んだ塗膜を塗設することで容易に調整できる。また、この塗膜を着色し、励起光吸収層とすることも可能である。さらに近年では任意の表面形状の樹脂フィルムは容易に入手可能である。
放射線画像変換パネルの保護フィルムを着色し、鮮鋭性を向上する方法については、特公昭59−23400号に、放射線画像変換パネルを構成する支持体、下引層、蛍光体層、中間層、保護層の各層が着色された場合の種々の実施形態の一例として記載されているが、具体的な保護フィルムについての記載はなく示唆もない。
本発明の放射線画像変換パネルの保護フィルムに使用される着色剤としては、該放射線画像変換パネルの励起光を吸収する特性を有する色剤が用いられる。
好ましくは、保護フィルムの励起光波長における光透過率が、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる該保護フィルムの光透過率の98%〜50%となるように励起光吸収層を設けることである。光透過率が98%を超えると本発明の効果は小さく、50%未満では放射線画像変換パネルの輝度が急激に低下してくる。
いかなる着色剤を用いるかは放射線画像変換パネルに用いる輝尽性蛍光体の種類によって決まるが、放射線画像変換パネル用の輝尽性蛍光体としては、通常、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が用いられる。このため、着色剤としては通常、青色〜緑色の有機系もしくは無機系の着色剤が用いられる。
青色〜緑色の有機系着色剤の例としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト社製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学社製)、スミアクリルブルーF−GSL(住友化学社製)、D&CブルーNo.1(ナショナル・アニリン社製)、スピリットブルー(保土谷化学社製)、オイルブルーNo.603(オリエント社製)、キトンブルーA(チバ・ガイギー社製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土谷化学社製)、レイクブルーA、F、H(協和産業社製)、ローダリンブルー6GX(協和産業社製)、ブリモシアニン6GX(稲畑産業社製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学社製)、シアニンブルーBNRS(東洋インキ社製)、ライオノルブルーSL(東洋インキ社製)が挙げられる。青色〜緑色の無機系着色剤の例としては、群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−CoO−NiO系顔料が挙げられるがこれらに限られるものではない。
本発明の放射線画像変換パネルにおいて用いられる支持体としては、各種高分子材料が用いられる。特に情報記録材料としての取り扱い上、可撓性のあるシート或いはウェブに加工できるものが好適であり、この点からいえばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルムが好ましい。
また、これら支持体の厚みは用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜1000μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましくは80μm〜500μmである。
これらの支持体の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。
さらに、これら支持体は、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層が設けられる面に下引層を設けてもよい。
輝尽性蛍光体層が塗布設置型の場合
本発明において輝尽性蛍光体層に用いられる結合剤(結着剤ともいわれている)の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴムのような天然高分子物質;及び、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルなどのような合成高分子物質などにより代表される結合剤を挙げることができる。
このような結合剤の中で特に好ましいものは、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリエステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキル(メタ)アクリレートとの混合物及びポリウレタンとポリビニルブチラールとの混合物である。尚、これらの結合剤は架橋剤によって架橋されたものであってもよい。輝尽性蛍光体層は、例えば、次のような方法により下塗層上に形成することができる。
まず輝尽性蛍光体、及び結合剤を適当な溶剤に添加し、これらを充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体粒子及び該化合物の粒子が均一に分散した塗布液を調製する。
一般に結合剤は輝尽性蛍光体1質量部に対して0.01〜1質量部の範囲で使用される。
しかしながら得られる放射線画像変換パネルの感度と鮮鋭性の点では結合剤は少ない方が好ましく、塗布の容易さとの兼合いから0.03〜0.2質量部の範囲がより好ましい。
輝尽性蛍光体層用塗布液の調製に用いられる溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素及びそれらの混合物などが挙げられる。
尚、塗布液には、該塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後の輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。
上記のようにして調製された塗布液を、次に下塗層の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、例えば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いることにより行うことができる。
次いで、形成された塗膜を徐々に加熱することにより乾燥して、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形成を完了する。輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は20μm〜500μmとする。ただし、この総厚は50μm〜3mmとするのが好ましい。
輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボールミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高速インペラー分散機、Kadyミル、及び超音波分散機などの分散装置を用いて行われる。調製された塗布液をドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥することにより輝尽性蛍光体層が形成される。
輝尽性蛍光体層が気相堆積型の場合
〈輝尽性蛍光体〉
輝尽性蛍光体層を形成する輝尽性蛍光体としては、例えば特開昭61−236890号に記載されている二価ユーロピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体等があり、例えば、ヨウ素を含有する希土類元素賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、特には輝尽性蛍光体がEu付加BaFI化合物等が挙げられるが、本発明の放射線画像変換パネルに好ましく用いられる輝尽性蛍光体としては、例えば、特開昭48−80487号に記載されているBaSO4:Axで表される蛍光体、特開昭48−80488号記載のMgSO4:Axで表される蛍光体、特開昭48−80489号に記載されているSrSO4:Axで表される蛍光体、特開昭51−29889号に記載されているNa2SO4、CaSO4及びBaSO4等にMn、Dy及びTbの中少なくとも1種を添加した蛍光体、特開昭52−30487号に記載されているBeO、LiF、MgSO4及びCaF2等の蛍光体、特開昭53−39277号に記載されているLi247:Cu,Ag等の蛍光体、特開昭54−47883号に記載されているLi2O・(Be22)x:Cu,Ag等の蛍光体、米国特許第3,859,527号に記載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、La22S:Eu,Sm及び(Zn,Cd)S:Mnxで表される蛍光体があげられる。又、特開昭55−12142号に記載されているZnS:Cu,Pb蛍光体、一般式がBaO・xAl23:Euであげられるアルミン酸バリウム蛍光体、及び、一般式がM(II)O・xSiO2:Aで表されるアルカリ土類金属珪酸塩系蛍光体があげられる。
又、特開昭55−12143号に記載されている一般式が(Ba1−x−yMgxCay)Fx:Eu2+で表されるアルカリ土類フッ化ハロゲン化物蛍光体、特開昭55−12144号に記載されている一般式がLnOX:xAで表される蛍光体、特開昭55−12145号に記載されている一般式が(Ba1−xM(II)x)Fx:yAで表される蛍光体、特開昭55−84389号に記載されている一般式がBaFX:xCe,yAで表される蛍光体、特開昭55−160078号に記載されている一般式がM(II)FX・xA:yLnで表される希土類元素賦活二価金属フルオロハライド蛍光体、一般式ZnS:A、CdS:A、(Zn,Cd)S:A,Xで表される蛍光体、特開昭59−38278号に記載されている下記いずれかの一般式
xM3(PO42・NX2:yA
xM3(PO42:yA
で表される蛍光体、特開昭59−155487号に記載されている下記いずれかの一般式
nReX3・mAX′2:xEu
nReX3・mAX′2:xEu,ySm
で表される蛍光体等、又、特開昭61−228400号に記載されている一般式M(I)X:xBiで表されるビスマス賦活アルカリハライド蛍光体等が好ましいのものとしてあげられる。
しかしながら、特開昭61−72087号、特開平2−58000号等に記載されたような、下記一般式(1)で表されるアルカリハライド系輝尽性蛍光体が特に好ましい。
一般式(1)
1X・aM2X′2・bM3X″3:eA
式中、M1はLi,Na,K,Rb及びCsから選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属であり、M2はBe,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Cu及びNiから選ばれる少なくとも1種の2価金属原子であり、M3はSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,Ga及びInから選ばれる少なくとも1種の3価金属原子であり、X,X′及びX″はF,Cl,Br及びIから選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、AはEu,Tb,In,Ga,Cs,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Gd,Lu,Sm,Y,Tl,Na,Ag,Cu及びMgから選ばれる少なくとも1種の金属であり、又、a,b及びeは、それぞれ0≦a<0.5,0≦b<0.5,0<e≦0.2の範囲の数値を表す。
これら一般式(1)において、M1はK、RbおよびCsから選ばれることが好ましく、XはBrおよびIから選ばれることが好ましい。
また、M2はBe、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれることが好ましく、M3はY、Ce、Sm、Eu、Al、La、Gd、Lu、GaおよびInから選ばれることが好ましい。更に、bとしては0≦b≦0.01であることが好ましく、AはEu、Cs、Sm、TlおよびNaから選ばれることが好ましい。
これらのアルカリハライド系輝尽性蛍光体は気相堆積法により基板上に成膜することで、基板の法線方向に対し一定の傾きをもった(勿論、傾きがなく、基板面に対して垂直でもよいが)細長い柱状結晶を形成する。この様な柱状結晶の形成により、輝尽励起光(又輝尽発光)の横方向への拡散を抑えることができるため、輝尽発光による画像の鮮鋭性がよいことがこれらの蛍光体を用いたときの特徴である。アルカリハライド系輝尽性蛍光体のなかでもRbBr及びCsBr系蛍光体が高輝度、高画質であり好ましい。
本発明において、特に好ましいのはこれらの中でも下記一般式(2)で表される蛍光体である。
一般式(2)
CsX:A
式中、XはBr又はIを表し、AはEu,In,Ga又はCeを表す。
中でもCsBr系蛍光体が特に輝度が高く高画質であり、また本発明の製造方法による基板或いは基板との付着性(接着性)の向上効果も高く好ましい。
本発明において好ましい、これらの輝尽性蛍光体を用いて得られる柱状結晶、即ち各々の結晶がある間隙をおいて柱状に成長している結晶は、前記、特開平2−58000号に記載された方法により得ることができる。
即ち、基板上に輝尽性蛍光体の蒸気又は該原料を供給し、蒸着等の気相成長(堆積)させる方法によって独立した細長い柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層を得ることができる。
例えば、蒸着時の輝尽性蛍光体の蒸気流を基板に垂直な方向に対し0〜5度の範囲で入射させることにより、基板面に対してほぼ垂直柱状の結晶を得ることが出来る。
これらの場合において、基板と坩堝との最短部の間隔は輝尽性蛍光体の平均飛程に合わせて概ね10cm〜60cmに設置するのが適当である。
蒸発源となる輝尽性蛍光体は、均一に溶解させるか、プレス、ホットプレスによって成形して坩堝に仕込まれる。この際、脱ガス処理を行うことが好ましい。蒸発源から輝尽性蛍光体を蒸発させる方法は電子銃により発した電子ビームの走査により行われるが、これ以外の方法にて蒸発させることもできる。
また、蒸発源は必ずしも輝尽性蛍光体である必要はなく、輝尽性蛍光体原料を混和したものであってもよい。
また、賦活剤は母体(basic substance)に対して賦活剤(actibator)を混合したものを蒸着してもよいし、母体のみを蒸着した後、あとから賦活剤をドープしてもよい。例えば、母体をCsBrとした場合、CsBrのみを蒸着した後、例えば賦活剤であるInをドープしてもよい。即ち、結晶が独立しているため、膜が厚くとも充分にドープ可能であるし、結晶成長が起こりにくいので、MTFは低下しないからである。
ドーピングは形成された蛍光体の母体層中にドーピング剤(賦活剤)を熱拡散、イオン注入法によって行うことが出来る。
〈蛍光体層厚み、結晶の大きさ等〉
これらの方法により形成した柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層の層厚は目的とする放射線画像変換パネルの放射線に対する感度、輝尽性蛍光体の種類等によって異なるが、50μm〜1000μmの範囲から選ばれるのが好ましく、50μm〜800μmから選ばれるのがより好ましい。
これらの柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層において変調伝達関数(MTF)をよくするためには、柱状結晶の大きさ(柱状結晶を基板と平行な面から観察したときの各柱状結晶の断面積の円換算した直径の平均値であり、少なくとも100個以上の柱状結晶を視野中に含む顕微鏡写真から計算する)は0.5〜50μm程度がよく、更に好ましくは、0.5〜20μmである。即ち、柱状結晶が0.5μmより細い場合は、柱状結晶により輝尽励起光が散乱される為にMTFが低下するし、柱状結晶が50μm以上の場合も輝尽励起光の指向性が低下し、MTFは低下する。
該輝尽性蛍光体を気相成長(堆積)させる方法としては蒸着法、スパッタ法及びCVD法がある。
蒸着法は基板(支持体)を蒸着装置内に設置したのち、装置内を排気すると同時に窒素等の不活性なガスを導入口から導入して1.33Pa〜1.33×10-3Pa程度の真空とし、次いで、輝尽性蛍光体の少なくとも1つを抵抗加熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発させて支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚みに堆積させる。この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層が形成されるが、前記蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、前記蒸着工程では複数の抵抗加熱器或いはエレクトロンビームを用いて蒸着を行うことも可能である。また蒸着法においては、輝尽性蛍光体原料を複数の抵抗加熱器或いはエレクトロンビームを用いて蒸着し、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。更に蒸着法においては、蒸着時に必要に応じて基板(支持体)を冷却或いは加熱してもよい。また、蒸着終了後、輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
スパッタ法は前記蒸着法と同様に基板をスパッタ装置内に設置した後、装置内を一旦排気して真空とし、次いでスパッタ用のガスとしてAr、Ne等の不活性ガスを装置内に導入して1.33Pa〜1.33×10-3Pa程度のガス圧とする。次に、前記輝尽性蛍光体をターゲットとして、スパッタリングすることにより基板表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに堆積させる。このスパッタ工程では蒸着法と同様に複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能であるし、それぞれを用いて同時或いは順次、前記ターゲットをスパッタリングして輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、スパッタ法では、複数の輝尽性蛍光体原料をターゲットとして用い、これを同時或いは順次スパッタリングして、基板上で目的とする輝尽性蛍光体層を形成する事も可能であるし、必要に応じてO2、H2等のガスを導入して反応性スパッタを行ってもよい。更に、スパッタ法においては、スパッタ時必要に応じて基板を冷却或いは加熱してもよい。また、スパッタ終了後に輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
CVD法は目的とする輝尽性蛍光体或いは輝尽性蛍光体原料を含有する有機金属化合物を熱、高周波電力等のエネルギーで分解することにより、基板上に結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層を得るものであり、いずれも輝尽性蛍光体層を基板の法線方向に対して特定の傾きをもって独立した細長い柱状結晶に気相成長させることが可能である。
これらの柱状結晶は前記の通り特開平2−58000号に記載された方法、即ち、基板上に輝尽性蛍光体の蒸気又は該原料を供給し、蒸着等の気相成長(堆積)させる方法で得ることができる。
図2は、支持体上に輝尽性蛍光体層が蒸着により形成される様子を示す図であるが、輝尽性蛍光体蒸気流16の支持体面の法線方向(R)に対する入射角度をθ2(図では60°で入射している)とすると、形成される柱状結晶の支持体面の法線方向(R)に対する角度はθ1(図では約30°、経験的には大体半分になる)で表され、この角度で柱状結晶17が形成される。
この様にして支持体12上に形成した輝尽性蛍光体層は、結着剤を含有していないので、指向性に優れており、輝尽励起光及び輝尽発光の指向性が高く、輝尽性蛍光体を結着剤中に分散した分散型の輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルより層厚を厚くすることができる。更に輝尽励起光の輝尽性蛍光体層中での散乱が減少することで像の鮮鋭性が向上する。
また、柱状結晶間の間隙に結着剤等充填物を充填してもよく、輝尽性蛍光体層の補強となるほか、高光吸収の物質、高光反射率の物質等を充填してもよい、これにより前記補強効果をもたせるほか、輝尽性蛍光体層に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散の低減に有効である。
高光反射率の物質とは、輝尽励起光(500〜900nm、特に600〜800nm)に対する反射率の高いものをいい、例えばアルミニウム、マグネシウム、銀、インジウムその他の金属など、白色顔料及び緑色から赤色領域の色材を用いることができる。
白色顔料は輝尽発光も反射することができる。白色顔料として、TiO2(アナターゼ型、ルチル型)、MgO、PbCO3・Pb(OH)2、BaSO4、Al23、M(II)FX(但し、M(II)はBa、Sr及びCaの中の少なくとも一種であり、XはCl、及びBrのうちの少なくとも一種である。)、CaCO3、ZnO、Sb23、SiO2、ZrO2、リトポン(BaSO4・ZnS)、珪酸マグネシウム、塩基性珪硫酸鉛、塩基性燐酸鉛、珪酸アルミニウムなどがあげられる。これらの白色顔料は隠蔽力が強く、屈折率が大きいため、光を反射したり、屈折させることにより輝尽発光を容易に散乱し、得られる放射線画像変換パネルの感度を顕著に向上させる。
また、高光吸収率の物質としては、例えば、カーボン、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄など及び青の色材が用いられる。このうちカーボンは輝尽発光も吸収する。
また、色材は、有機若しくは無機系色材のいずれでもよい。有機系色材としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キトンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライオノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。またカラーインデクスNo.24411、23160、74180、74200、22800、23154、23155、24401、14830、15050、15760、15707、17941、74220、13425、13361、13420、11836、74140、74380、74350、74460等の有機系金属錯塩色材もあげられる。
無機系色材としては群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−Co−NiO系顔料があげられる。
本発明の放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層の厚みは、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と輝尽性蛍光体との混合比等によって異なるが、10μm〜1000μmの範囲から選ばれるのが好ましく、10μm〜500μmの範囲から選ばれるのがより好ましい。
支持体上に蛍光体層が塗設された蛍光体シートは、所定の大きさに断裁することが行われている。断裁に際してはどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面から化粧断裁機、打ち抜き機等を用いることが望ましい。
1.請求項9〜12の発明について詳細に述べる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の放射線画像変換パネルは、図4に示すように、支持体12に輝尽性蛍光体層15が形成されいる蛍光体シート19と、蛍光体シート19の少なくとも輝尽性蛍光体層15を被覆して封止する防湿性保護フィルム20とからなる。
支持体12としては、各種高分子材料が用いられる。特に情報記録材料としての取り扱い上、可撓性のあるシート或いはウェブに加工できるものが好適であり、この点からいえばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルムが好ましい。
また、これら支持体12の厚みは材質等によって異なるが、一般的には80μm〜1000μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましくは80μm〜500μmである。
これらの支持体12の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。さらに、これら支持体12は、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層が設けられる面に下引層を設けてもよい。
輝尽性蛍光体層15は50μm以上、好ましくは300〜500μmの層厚に形成される。輝尽性蛍光体層12に用いる輝尽性蛍光体としては、従来周知のものを使用することができるが、特に一般式(1)で表されるものを使用することができる。
1X・aM2X’2・bM3X’’3:eA ・・・一般式(1)
前記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体において、M1は、Li、Na、K、Rb及びCs等の各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子を表し、中でもRb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子が好ましく、更に好ましくはCs原子である。
2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNiから選ばれる少なくとも一種の二価金属原子であり、特に、Be、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれる少なくとも一種の二価金属原子であることが好ましい。のアルカリ金属原子である。
3はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びIn等の各原子から選ばれる少なくとも1種の三価の金属原子を表すが、中でも好ましく用いられるのはY、Ce、Sm、Eu、Al、La、Gd、Lu、Ga及びIn等の各原子から選ばれる三価の金属原子である。
AはEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子である。
輝尽性蛍光体の輝尽発光輝度向上の観点から、X、X′及びX″はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲンで原子を表すが、F、Cl及びBrから選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子が好ましく、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子が更に好ましい。
本発明において、特に好ましいのはこれらの中でも下記一般式(2)で表される蛍光体である。
一般式(2)
CsX:A
式中、XはBr又はIを表し、AはEu,In,Ga又はCeを表す。
中でもCsBr系蛍光体が特に輝度が高く高画質であり、また本発明の製造方法による基板或いは基板との付着性(接着性)の向上効果も高く好ましい。
前記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体は、例えば以下に述べる製造方法により製造される。
まず蛍光体原料として、以下の組成となるように炭酸塩に酸(HI、HBr、HCl、HF)を加え混合攪拌した後、中和点にて濾過を行い得られた後、ろ液の水分を蒸発気化させて以下の結晶を作製する。
蛍光体原料としては、
(a)NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr及びCsIから選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられる。
(b)MgF2、MgCl2、MgBr2、MgI2、CaF2、CaCl2、CaBr2、CaI2、SrF2、SrCI2、SrBr2、SrI2、BaF2、BaCl2、BaBr2、BaBr2・2H2O、BaI2、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2、ZnI2、CdF2、CdCl2、CdBr2、CdI2、CuF2、CuCl2、CuBr2、CuI、NiF2、NiCl2、NiBr2及びNiI2の化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられる。
(c)前記一般式(1)において、Eu、Tb、In、Cs、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMg等の各原子から選ばれる金属原子を有する化合物が用いられる。
(d)賦活剤Aは、例えばEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子が用いられる。
一般式(I)で表される化合物において、aは0≦a<0.5、好ましくは0≦a<0.01、bは0≦b<0.5、好ましくは0≦b≦0.01、eは0<e≦0.2、好ましくは0<e≦0.1である。
上記の数値範囲の混合組成になるように前記(a)〜(d)の蛍光体原料を秤量し、純水にて溶解する。
この際、乳鉢、ボールミル、ミキサーミル等を用いて充分に混合してもよい。
次に、得られた混合液のpH値Cを0<C<7に調整するように所定の酸を加えた後、水分を蒸発気化させる。
次に、得られた原料混合物を石英ルツボあるいはアルミナルツボ等の耐熱性容器に充填して電気炉内で焼成を行う。焼成温度は500〜1000℃が好ましい。焼成時間は原料混合物の充填量、焼成温度等によって異なるが、0.5〜6時間が好ましい。
焼成雰囲気としては少量の水素ガスを含む窒素ガス雰囲気、少量の一酸化炭素を含む炭酸ガス雰囲気等の弱還元性雰囲気、窒素ガス雰囲気、希ガス雰囲気等の中性雰囲気あるいは少量の酸素ガスを含む弱酸化性雰囲気が好ましい。
なお、前記の焼成条件で一度焼成した後、焼成物を電気炉から取り出して粉砕し、しかる後、焼成物粉末を再び耐熱性容器に充填して電気炉に入れ、前記と同じ焼成条件で再焼成を行えば輝尽性蛍光体の発光輝度を更に高めることができ、また、焼成物を焼成温度より室温に冷却する際、焼成物を電気炉から取り出して空気中で放冷することによっても所望の輝尽性蛍光体を得ることができるが、焼成時と同じ、弱還元性雰囲気、中性雰囲気あるいは弱酸化性雰囲気のままで冷却してもよい。
また、焼成物を電気炉内で加熱部より冷却部へ移動させて、弱還元性雰囲気、中性雰囲気あるいは弱酸化性雰囲気で急冷することにより、得られた輝尽性蛍光体の輝尽による発光輝度をより一層高めることができる。
輝尽性蛍光体層15は、上記の輝尽性蛍光体を用いて気相堆積法や塗布法により支持体12の一方の面へ形成される。気相堆積法としては、蒸着法、スパッタリング法、CVD法などを用いることができる。
蒸着法では、まず、断裁して支持体12となる支持体材料を蒸着装置内に設置した後、装置内を排気して1.33×10-4Pa程度の真空度とする。次いで、輝尽性蛍光体をプレス、またはホットプレスによって成形してルツボに充填したものを蒸発源として蒸着装置内の蒸発装置に設置し、抵抗加熱法、エレクトロンビーム法等の方法で加熱蒸発させて、支持体12表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに成長させる。
この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層15が形成される。上記の蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍光体層15を形成することも可能である。
また、上記の蒸着工程では複数の抵抗加熱機あるいはエレクトロンビームを用いて複数の輝尽性蛍光体原料を蒸発源として共蒸着し、支持体12上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層15を形成することも可能である。
スパッタリング法では、蒸着法と同様、支持体12をスパッタリング装置内に設置した後、装置内を一旦排気して1.33×10-4Pa程度の真空度とし、次いでスパッタリング用のガスとしてAr、Ne等の不活性ガスをスパッタリング装置内に導入して1.33×10-1Pa程度のガス圧とする。次に、輝尽性蛍光体をターゲットとして、スパッタリングすることにより、支持体12上に輝尽性蛍光体層15を所望の厚さに成長させる。
このスパッタ工程では蒸着法と同様に複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能であるし、それぞれを用いて同時或いは順次、前記ターゲットをスパッタリングして輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、スパッタ法では、複数の輝尽性蛍光体原料をターゲットとして用い、これを同時或いは順次スパッタリングして、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体層を形成する事も可能であるし、必要に応じてO2、H2等のガスを導入して反応性スパッタを行ってもよい。更に、スパッタ法においては、スパッタ時必要に応じて支持体を冷却或いは加熱してもよい。また、スパッタ終了後に輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
CVD法は目的とする輝尽性蛍光体或いは輝尽性蛍光体原料を含有する有機金属化合物を熱、高周波電力等のエネルギーで分解することにより、支持体上に結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層を得るものであり、いずれも輝尽性蛍光体層を支持体の法線方向に対して特定の傾きをもって独立した細長い柱状結晶に気相成長させることが可能である。
なお、気相堆積法における輝尽性蛍光体層15の成長速度は、0.05μm/min〜300μm/minであることが好ましい。成長速度が0.05μm/min未満の場合には放射線画像変換パネルの生産性が悪く好ましくない。また成長速度が300μm/minを超える場合には成長速度のコントロールが難しく好ましくない。
上記の気相堆積法による輝尽性蛍光体層15の作成において、輝尽性蛍光体層15が形成される支持体12の温度は、50℃〜400℃に設定することが好ましく、蛍光体の特性上は100℃〜250℃が好ましく、支持体12に樹脂を用いる場合には樹脂の耐熱性を考慮して50℃〜150℃、さらに好ましくは50℃〜100℃がよい。
図5は、支持体12上に輝尽性蛍光体層15が蒸着により形成される様子を示す図である。支持体ホルダ16に固定された支持体12面の法線方向(R)に対する輝尽性蛍光体の蒸気流16の入射角度をθ2(図では60°)とし、形成される柱状結晶17の支持体12面の法線方向(R)に対する角度をθ1(図では30°)とすると、経験的にはθ1は2の約半分となり、この角度で柱状結晶17が形成される。
輝尽性蛍光体の柱状結晶17の成長角は10〜70°がよく、好ましくは20°〜55°である。成長角を10〜70°にするには、入射角を20〜80°にすればよく20〜55°にするには入射角を40〜70°にすればよい。成長角が大きいと支持体12に対して柱状結晶17が倒れすぎ、膜が脆くなる。
輝尽性蛍光体または輝尽性蛍光体原料の蒸気流を支持体12面に対しある入射角をつけて供給するには、支持体12を蒸発源に対し互いに傾斜させる配置を取る方法がある。あるいは、支持体12と蒸発源とを互いに平行に設置し、蒸発面からスリット等により斜め成分のみ支持体12上に蒸着させるように規制する等の方法をとることができる。
これらの場合において、支持体12と蒸発源との最短部の間隔は輝尽性蛍光体の平均飛程に合わせて概ね10cm〜60cmに設置するのが好ましい。
柱状結晶17からなる輝尽性蛍光体層15において変調伝達関数(MTF)をよくするためには、柱状結晶17の大きさは0.5〜50μm程度がよく、更に好ましくは、0.5〜20μmである。即ち、柱状結晶17が0.5μmより細い場合は、柱状結晶17により輝尽励起光が散乱される為にMTFが低下するし、柱状結晶17が50μm以上の場合も輝尽励起光の指向性が低下し、MTFは低下する。
なお、柱状結晶17の大きさは、柱状結晶17を支持体12と平行な面から観察したときの各柱状結晶13の断面積の円換算した直径の平均値であり、少なくとも100個以上の柱状結晶17を視野中に含む顕微鏡写真から計算する。
また、各柱状結晶17間の間隙の大きさは30μm以下がよく、更に好ましくは5μm以下がよい。間隙が30μmを越える場合は蛍光体層中の蛍光体の充填率が低くなり、感度が低下してしまう。
柱状結晶17の太さは支持体12の温度、真空度、蒸気流入射角度等によって影響を受け、これらを制御することによって所望の太さの柱状結晶17を作製することが可能である。
この様にして支持体12上に形成した輝尽性蛍光体層12は、結着剤を含有していないので、指向性に優れており、輝尽励起光及び輝尽発光の指向性が高く、輝尽性蛍光体を結着剤中に分散した分散型の輝尽性蛍光体層15を有する放射線画像変換パネルより層厚を厚くすることができる。更に輝尽励起光の輝尽性蛍光体層15中での散乱が減少することで像の鮮鋭性が向上する。
また、柱状結晶間の間隙に結着剤等充填物を充填し、輝尽性蛍光体層15の補強としてもよい。また高光吸収率の物質、高光反射率の物質等を充填してもよい。これにより前記補強効果をもたせるほか、輝尽性蛍光体層15に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散をほぼ完全に防止できる。
高光反射率の物質とは、輝尽発光(400〜600nm、特に400〜500nm)に対する反射率の高いものをいい、白色顔料、及び紫色から青色領域の色材(青色系色材)を用いることができる。
白色顔料として、TiO2(アナターゼ型、ルチル型)、MgO、PbCO3・Pb(OH)2、BaSO4、Al23、M(II)FX(但し、M(II)はBa、Sr及びCaの中の少なくとも一種であり、XはCl、及びBrのうちの少なくとも一種である。)、CaCO3、ZnO、Sb23、SiO2、ZrO2、リトポン(BaSO4・ZnS)、珪酸マグネシウム、塩基性珪硫酸鉛、塩基性燐酸鉛、珪酸アルミニウム、アルミニウム、マグネシウム、銀、インジウムなどが挙げられる。これらの白色顔料は隠蔽力が強く、屈折率が大きいため、光を反射したり、屈折させることにより輝尽発光を容易に散乱し、得られる放射線画像変換パネルの輝度を顕著に向上させうる。
また、青色系色材は、有機若しくは無機系色材のいずれでもよい。有機系色材としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナショナル・アニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キトンブルーA(チバ・ガイギー製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライオノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。またカラーインデクスNo.24411、23160、74180、74200、22800、23154、23155、24401、14830、15050、15760、15707、17941、74220、13425、13361、13420、11836、74140、74380、74350、74460等の有機系金属錯塩色材も挙げられる。無機系色材としては群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−Co−NiO系顔料が挙げられる。
高光吸収率の物質としては、例えば、カーボン、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄などが用いられる。
塗布法では、まず、輝尽性蛍光体及び結合剤を適当な溶剤に添加し、これらを充分に混合して輝尽性蛍光体及び結合剤の粒子が均一に分散した塗布液を調整し、支持体11となる支持体材料上に塗布して作成する。
塗布液の調製に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル、トリオール、キシロース等の芳香族化合物、メチレンクロライド、エチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素及びこれらの混合物などが挙げられる。
結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴムのような天然高分子物質;及び、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルなどのような合成高分子物質などにより代表される結合剤を挙げることができる。
このような結合剤の中で特に好ましいものは、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリエステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキル(メタ)アクリレートとの混合物及びポリウレタンとポリビニルブチラールとの混合物である。尚、これらの結合剤は架橋剤によって架橋されたものであってもよい。
この際、結合剤は輝尽性蛍光体1質量部に対して0.01〜1質量部の範囲で使用される。しかしながら、放射線画像変換パネルの感度及び鮮鋭性の点では結合剤は少ないことが好ましく、塗布の容易さとの兼ね合いから0.03〜0.2質量部の範囲がより好ましい。
なお塗布液には、塗布液中における輝尽性蛍光体の分散性を向上させるための分散剤や、塗布後の輝尽性蛍光体層15中における輝尽性蛍光体と結合剤との結合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていてもよい。
分散剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤等を挙げることができる。また、可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニル等の燐酸エステル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル、グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチル等のグリコール酸エステル、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステル等のポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。
塗布液の調整は、ボールミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高速インペラー分散機、Kadyミル、及び超音波分散機等の分散装置を用いて行われる。
調整された塗布液はドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いて支持体材料上に塗布する。次いで、形成された塗膜を徐々に加熱することにより乾燥させることにより輝尽性蛍光体層15が形成される。
気相堆積法または塗布法により形成される輝尽性蛍光体層12の膜厚は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、10〜1000μmの範囲から選ばれるのが好ましく、10〜500μmの範囲から選ばれることがより好ましい。
輝尽性蛍光体層15を支持体材料に設けたら、支持体材料を輝尽性蛍光体層15とともに所定の大きさに断裁して蛍光体シート19とする。断裁は一般のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面から化粧断裁機、打ち抜き機などを使用することが好ましい。なお支持体材料が充分小さい場合には、断裁を行わずに支持体材料を支持体12として使用してもよい。
以上のようにして蛍光体シート19を形成したら、輝尽性蛍光体層15を被覆し蛍光体シート19を封止する防湿性保護フィルム20を設ける。
防湿性保護フィルム20としては、ポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム等が使用でき、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等のフィルムが、透明性、強さの面で防湿性保護フィルム20として好ましく、フッ素系樹脂含有樹脂組成物層としては、フッ素を含むオレフィン(フルオロオレフィン)の重合体またはフッ素を含むオレフィンを共重合体成分として含む共重合体が耐傷性の面で好ましい。
本発明に用いる防湿性保護フィルム20は、前記セルロース誘導体やポリメチルメタクリレートなどのような透明な有機高分子物質、或いはポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムが、必要とされる搬送耐久性にあわせた厚さで蛍光体層上に形成すればよいが、強度の点から有機高分子フィルムの方が好ましく、必要に応じてフッ素系樹脂含有樹脂組成物層を塗設することができる。
また防湿性保護フィルム20に励起光を吸収する励起光吸収層を設けてもよい。励起光吸収層とは、励起光を選択的に吸収する着色剤を含有する層のことであって、防湿性保護フィルム20の一方の面に塗設されてあってもよいし、両面に塗設されてあってもよいし、或いは防湿性保護フィルム20自体が着色され励起光吸収層となっていてもよい。
好ましくは、防湿性保護フィルム20の励起光波長における光透過率が、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる該防湿性保護フィルム20の光透過率の98%〜50%となるように励起光吸収層を設けることである。光透過率が98%を超えると本発明の効果は小さく、50%未満では放射線画像変換パネルの輝度が急激に低下してくる。
いかなる着色剤を用いるかは、用いる輝尽性蛍光体の励起光及び輝尽発光の波長によって決まる。放射線画像変換パネルには、通常、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が用いられる。このため、着色剤としては通常、青色〜緑色の有機系もしくは無機系の着色剤が用いられる。
青色〜緑色の有機系着色剤の例としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト社製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学社製)、スミアクリルブルーF−GSL(住友化学社製)、D&CブルーNo.1(ナショナル・アニリン社製)、スピリットブルー(保土谷化学社製)、オイルブルーNo.603(オリエント社製)、キトンブルーA(チバ・ガイギー社製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土谷化学社製)、レイクブルーA、F、H(協和産業社製)、ローダリンブルー6GX(協和産業社製)、ブリモシアニン6GX(稲畑産業社製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学社製)、シアニンブルーBNRS(東洋インキ社製)、ライオノルブルーSL(東洋インキ社製)が挙げられる。青色〜緑色の無機系着色剤の例としては、群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−CoO−NiO系顔料が挙げられるが、これらに限られるものではない。
防湿性保護フィルム20に屈折率が大きい材料を用いた場合には、内部に入射した励起光の一部がフィルムの上下の界面で繰り返し反射して、走査された場所から離れた場所まで伝搬し、輝尽発光を放出させ鮮鋭性が低下することがあり、鮮鋭性が低下する。励起光は赤から赤外の長波長のコヒーレントな光であるために、積極的に散乱光や反射光を吸収しない限り、防湿性保護フィルム20内部や読み取り装置内部の空間で吸収される量は少なく、離れた場所まで伝搬し鮮鋭性を悪化する。励起光吸収層は、この散乱光や反射光を抑制する効果があると推測される。
この効果は、防湿性保護フィルム20の外側の表面の算術平均傾斜Δaが0.01以上であることによって顕著となる。ここで、算術平均傾斜Δaとは、前述定義した、算術平均傾斜Δaのことである。
この値付近の算術平均傾斜Δaで、保護層界面での励起光の全反射が防止されると推測されるが、励起光吸収層が防湿性保護フィルム20に備わっていない場合はこの効果は小さいことから、上記効果は励起光吸収層の散乱防止効果と、防湿性保護フィルム20の外側の表面の算術平均傾斜Δaの全反射防止の相乗効果であると推測される。なお、防湿性保護フィルム20の外側の表面の算術平均傾斜Δaが0.1以上であると励起光の透過率が低下するため好ましくない。
防湿性保護フィルム20の外側の表面の算術平均傾斜Δaを大きくするためには、表面型押しによる方法や、マット材などの添加材を添加する方法がある。また、防湿性保護フィルム20表面にシリカ等の無機物を分散したフッ素系樹脂含有樹脂組成物層液を塗設する方法や、複数枚のフィルムを積層する方法において、最表面の樹脂フィルム種を選択する方法等があるが、これに限られるものではない。
各種表面形状の樹脂フィルムは広く市場に出回っており、必要とされる算術平均傾斜Δaを有するフィルムを選択することは容易である。表面粗さは、使用する樹脂フィルムの粗さを選択することや樹脂フィルム表面に無機物等を含んだ塗膜を塗設することで容易に調整できる。また、この塗膜を着色し励起光吸収層とすることも可能である。さらに近時では任意の表面粗さの樹脂フィルムは容易に入手可能である。
なお、防湿性保護フィルム20に樹脂フィルムを使用する場合、必要とされる耐傷性や防湿性にあわせて、樹脂フィルムや樹脂フィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムなどを複数枚積層した構成としてもよい。
この場合は、積層された樹脂フィルム間に励起光吸収層を設けることによって、励起光吸収層が物理的な衝撃や化学的な変質から保護され、安定したプレート性能が長期間維持できより好ましい。励起光吸収層は複数箇所に設けてもよいし、樹脂フィルムを積層するための接着層に着色剤を含有させ励起光吸収層としてもよい。
上記の防湿性保護フィルムを、所定の大きさに断裁された蛍光体シートの上下に配置し、蛍光体シート19の周縁部より外側の領域で上下の防湿性保護フィルム20を融着あるいは接着剤により接着する。これにより図1に示すような封止構造を形成することができ、蛍光体シート19への水分の進入をより確実に阻止することができる。
また、この封止構造を実現するにあたって、防湿性保護フィルム20の蛍光体シート19に接する側の面に、熱融着性を有する樹脂の層を設けることにより、蛍光体シート19の周縁部より外側の領域で、上下の防湿性保護フィルム20が融着可能となり封止作業を効率化できる。
ここで熱融着性フィルムとは、一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムのことで、例えばエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等が挙げられるが、これに限られるものではない。
防湿性保護フィルム20に融着フィルムを使用する場合は、必要とされる防湿性にあわせて融着フィルムを複数枚積層することにより最適な防湿性とすることができる。この場合の積層方法としては、一般に知られているどのような方法でもかまわないが、望ましくは、ドライラミネート方式が作業性の面で優れている。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明の実施態様はこれらの実施例により限定されるものではない。
1.本願の請求項1〜4の発明の実施例
実施例1
《放射線画像変換パネルの作製》
(輝尽性蛍光体層の作製)
輝尽性蛍光体(BaFBr085015:0.001Eu2+)200g、ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業社製、パンデックスT5265)8.0g、及び黄変防止剤:エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、EP1001)2.0gをメチルエチルケトンに添加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度が30Pa・s(25℃)の蛍光体層形成用塗布液を調製した。この塗布液をポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:300μm)の上に塗布乾燥し、輝尽性蛍光体層(厚さ:230μm)を得た。
(保護フィルム1の作製)
蛍光体シートの保護フィルムは厚さ12μmポリエチレンテレフタレート(PET)を使用した。PETフィルムの蛍光体側に接する側に接着剤(バイロン300:東洋紡株式会社製)を塗布乾燥し、接着層(1μm)とした。
またPETフィルムの反対面には下記の方法にて、表1に示す各種の励起光透過率と表面粗さを有する励起光吸収層を塗設した。
(励起光吸収層の作製)
フッ素系樹脂:フルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体(旭硝子社製ルミフロンLF100、50質量%キシレン溶液)50g、架橋剤:イソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートHX、固形分:100質量%)5g、及びアルコール変性シリコーンオリゴマー(ジメチルポリシロキサン骨格を有し、両末端に水酸基(カルビノール基)を有するもの、信越化学工業社製X−22−2809、固形分:66質量%)0.5gをメチルエチルケトン溶媒に添加し、粘度0.1〜0.3Pa・sの塗布液を作った。次いで、この塗布液に、予めメチルエチルケトンに分散させた有機系青色着色剤(ザボンファーストブルー3G、ヘキスト社製)とシリカ(粒径0.2〜2.0μm)の混合分散液を添加してし、PETフィルムの表面にドクターブレードを用いて塗布し、次いで120℃で20分間熱処理して熱硬化させることで励起光吸収層を形成した。
このときの着色剤及びシリカの添加量を調節することで任意の算術平均傾斜Δaと光線透過率を有する励起光吸収層を作製した。ここでいう励起光吸収層の光線透過率とは、He−Neレーザー光(633nm)の光波長における光透過率を、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる該保護フィルムの光透過率と比較した場合の値とした。
(保護フィルム1の接着)
輝尽性蛍光体層塗布サンプルを20cm×20cmの正方形に断裁し、上記の各種の表面粗さと励起光吸収層を有する積層保護フィルムを使用し、接着層を下側にして重ね合わせ100℃の加熱ロールを用いて加圧圧着した。
以上のようにして、放射線画像変換パネル1〜10を作製した。
(保護フィルム2の作製)
次いで、蛍光体シートの蛍光体面側の保護フィルムとして、下記(A)で示された構成のものを使用した。
構成(A)
マット化フィルム/VMPET12/シーラントフィルム30
マット化フィルム:表面がマット加工された各種フィルム(市販品)
VMPET:アルミナ蒸着PET(市販品:東洋メタライジング社製)
シーラントフィルム:熱融着性フィルムでCPP(キャステングポリプロピレン)を使用
各樹脂フィルムの後ろの数字はフィルムの膜厚(μm)を示す。
上記“/”はドライラミネーション接着層で、接着剤層の厚みが2.5μmであることを意味する。使用したドライラミ用の接着剤は2液反応型のウレタン系接着剤である。
この時使用した接着剤溶液に、予めメチルエチルケトンに分散溶解させた有機系青色着色剤(ザボンファーストブルー3G、ヘキスト社製)を添加しておくことで、接着剤層の全てを励起光吸収層とした。またこのときの添加量を調節することで励起光吸収層の光線透過率を調節した。
また同時にマット化フィルムの品種を変更することで表面粗さの算術平均傾斜Δaを調節し、各種の粗さの積層保護フィルムを作製した。
蛍光体シートの支持体面側の保護フィルムは、シーラントフィルム/アルミ箔フィルム9μm/ポリエチレンテレフタレート(PET)188μmの構成のドライラミネートフィルムとした。またこの場合の接着剤層の厚みは1.5μmで2液反応型のウレタン系接着剤を使用した。
(蛍光体シートの封止)
上記により得られた蛍光体シートを45cm×45cmの正方形に断裁し、上記各種の表面粗さと励起光吸収層を有する積層保護フィルムを使用し、減圧下で周縁部をインパルスシーラーを用いて融着することで封止した。図1に本発明の放射線画像変換パネルの断面図を示す。
尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したインパルスシーラーのヒーターは8mm幅のものを使用した。
以上のようにして、放射線画像変換パネル11〜20を作製した。
《放射線画像変換パネルの評価》
上記により作製した放射線画像変換パネル1〜20を用い、以下の評価を実施した。
1)鮮鋭性の評価
鮮鋭性については、放射線画像変換パネルに鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して電気信号に変換し、これをアナログ/デジタル変換してハードディスクに記録し、記録をコンピューターで分析してハードディスクに記録されているX線像の変調伝達関数(MTF)を調べた。下記の表1には空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値(%)が示されている。この場合MTF値が高いほど鮮鋭性がよい。
2)画像ムラ、線状ノイズの評価
放射線画像変換パネルに管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像として再生し出力装置より2倍に拡大してプリントアウトし、得られたプリント画像を目視により観察して画像ムラや線状ノイズの出現を評価した。画像ムラ及び線状ノイズそれぞれについて全く発生のない状態を0、一番激しい発生のものを5として下記のように評価し表1に示した。
0:画像ムラや線状ノイズが全くない
1:面内の1〜2ヵ所に淡い画像ムラや線状ノイズが見られる
2:面内の3〜4ヵ所に淡い画像ムラや線状ノイズが見られる
3:面内の3〜4ヵ所に画像ムラや線状ノイズが見られ、うち1〜2ヵ所が濃い
4:面内の5ヵ所以上に画像ムラや線状ノイズが見られるが、濃いところが4ヵ所以下
5:面内の5ヵ所以上に濃い画像ムラや線状ノイズが見られる
3)輝度の評価
感度の測定は放射線画像変換パネルに管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光してその強度を測定することで行った。尚、表1の輝度は励起光吸収を有しない表面粗さが0.005μmの場合の保護層の輝度を1.00とした場合の相対輝度である。
以上により得られた評価結果を、下記表1に示した。
Figure 2007024713
表1の結果より、本発明に係るパネルは、鮮鋭度、画像ムラ、線状ノイズが改善されており、特に励起光吸収層を設けたパネルは、高い感度を維持しながら、鮮鋭度、画像ムラ、線状ノイズが顕著に改善されることが分かった。
2.請求項5〜9の発明の実施例
実施例1
《放射線画像変換パネルの作製》
(塗布設置型の輝尽性蛍光体層の作製)
輝尽性蛍光体(BaFBr0.85I0.15:0.001Eu2+)200g、ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業社製、パンデックスT5265)8.0g、及び黄変防止剤:エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、EP1001)2.0gをメチルエチルケトンに添加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度が30Pa・s(25℃)の蛍光体層形成用塗布液を調製した。この塗布液をポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、厚さ:300μm)の上に塗布乾燥し、輝尽性蛍光体層(厚さ:230μm)を塗設した輝尽性蛍光体サンプル(蛍光体シート)を得た。
(気相堆積型の輝尽性蛍光体層の作製)
1mm厚、面積410mm×410mmの結晶化ガラス(日本電気ガラス社製)支持体(基板)の表面に、図3に示す気相堆積(蒸着)装置を用いて輝尽性蛍光体(CsBr:Eu)を有する輝尽性蛍光体層を形成した。
尚、蒸着にあたっては、前記支持体を前記気相堆積装置内に設置し、次いで、蛍光体原料(CsBr:Eu)をプレス成形し水冷したルツボ(図示していいない)にいれ蒸着源とした。
その後、気相堆積装置内を排気口にポンプを接続して排気し、更にガス導入口から窒素を導入して(流量1000smlm(sccm:standard ml/min(1×10-63/min)))、装置内の真空度を6.65×10-3Paに維持した後、蒸着源を650℃に加熱し、ガラス支持体(基板)の一方の面に、CsBr:0.0001Euからなるアルカリハライド蛍光体を支持体表面の法線方向から(すなわち、スリットと蒸着源を支持体の法線方向にあわせ(θ2=約0度))、支持体と蒸発源の距離(d)を60cmとして、支持体と平行な方向に支持体を搬送しながら蒸着を行なった。輝尽性蛍光体層の膜厚が400μmとなったところで蒸着を終了させ、輝尽性蛍光体サンプル(蛍光体シート)を作製した。
(保護フィルム1の作製)
蛍光体シートの保護フィルムは厚さ12μmポリエチレンテレフタレート(PET)を表1に示す各種の算術平均傾斜Δaを有するものを使用した。PETフィルムの蛍光体側に接する側に接着剤(バイロン300:東洋紡株式会社製)を塗布乾燥し、接着層(1μm)とした。
またPETフィルムの反対面には下記の方法にて、表2に示す各種の表面粗さRaを有する励起光吸収層を塗設した。
(励起光吸収層の作製)
フッ素系樹脂:フルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体(旭硝子社製ルミフロンLF100、50質量%キシレン溶液)50g、架橋剤:イソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートHX、固形分:100質量%)5g、及びアルコール変性シリコーンオリゴマー(ジメチルポリシロキサン骨格を有し、両末端に水酸基(カルビノール基)を有するもの、信越化学工業社製X−22−2809、固形分:66質量%)0.5gをメチルエチルケトン溶媒に添加し、粘度0.1〜0.3Pa・sの塗布液を作った。次いで、この塗布液に、予めメチルエチルケトンに分散させた有機系青色着色剤(ザボンファーストブルー3G、ヘキスト社製)とシリカ(粒径0.2〜2.0μm)の混合分散液を添加してし、PETフィルムの表面にドクターブレードを用いて塗布し、次いで120℃で20分間熱処理して熱硬化させることで励起光吸収層を形成した。
このときの着色剤及びシリカの添加量を調節することで任意の任意の表面粗さRaと光線透過率を有する励起光吸収層を作製した。ここでいう励起光吸収層の光線透過率とは、He−Neレーザー光(633nm)の光波長における光透過率を、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる該保護フィルムの光透過率と比較した場合の値とした。
(保護フィルム2の作製)
次いで、蛍光体シートの蛍光体面側の保護フィルムとして、下記(A)で示された構成のものを使用した。
構成(A)
マット化フィルム/VMPET12/シーラントフィルム30
マット化フィルム:表面がマット加工された各種フィルム(市販品)
VMPET:アルミナ蒸着PET(市販品:東洋メタライジング社製)
シーラントフィルム:熱融着性フィルムでCPP(キャステングポリプロピレン)を使用
各樹脂フィルムの後ろの数字はフィルムの膜厚(μm)を示す。
上記“/”はドライラミネーション接着層で、接着剤層の厚みが2.5μmであることを意味する。使用したドライラミ用の接着剤は2液反応型のウレタン系接着剤である。
この時使用した接着剤溶液に、予めメチルエチルケトンに分散溶解させた有機系青色着色剤(ザボンファーストブルー3G、ヘキスト社製)を添加しておくことで、接着剤層の全てを励起光吸収層とした。
また同時にマット化フィルムの品種を変更することで表面粗さの算術平均傾斜Δaを調節し、かつ、シーラントフィルムの表面粗さRaを選択して各種の粗さの積層保護フィルムを作製した。
(蛍光体シートの支持体面側の保護フィルム:裏面保護フィルムの作製)
蛍光体シートの支持体面側の保護フィルムは、シーラントフィルム/アルミ箔フィルム9μm/ポリエチレンテレフタレート(PET)188μmの構成のドライラミネートフィルムとした。またこの場合の接着剤層の厚みは1.5μmで2液反応型のウレタン系接着剤を使用した。
(蛍光体シートの封止)
上記により得られた各蛍光体シートを45cm×45cmの正方形に断裁し、保護フィルム1及び2を使用し、減圧下で周縁部をインパルスシーラーを用いて融着することで封止した。
尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したインパルスシーラーのヒーターは8mm幅のものを使用した。
以上のようにして、放射線画像変換パネル1〜21を作製した。
《放射線画像変換パネルの評価》
上記により作製した放射線画像変換パネル1〜21を用い、以下の評価を実施した。
1)鮮鋭性の評価
鮮鋭性については、放射線画像変換パネルに鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して電気信号に変換し、これをアナログ/デジタル変換してハードディスクに記録し、記録をコンピューターで分析してハードディスクに記録されているX線像の変調伝達関数(MTF)を調べた。下記の表1には空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値(%)が示されている。この場合MTF値が高いほど鮮鋭性がよい。
2)画像ムラ、線状ノイズの評価
放射線画像変換パネルに管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像として再生し出力装置より2倍に拡大してプリントアウトし、得られたプリント画像を目視により観察して画像ムラや線状ノイズの出現を評価した。画像ムラ及び線状ノイズそれぞれについて下記のように評価し表1に示した。
なお、耐熱性評価としてオーブンに80℃2日間加速劣化した後にも同様な評価を行った。
◎:画像ムラや線状ノイズが全くない
○:面内の1〜2ヵ所に淡い画像ムラや線状ノイズが見られる
△:面内の3〜4ヵ所に淡い画像ムラや線状ノイズが見られる
×:面内の5ヵ所以上に画像ムラや線状ノイズが見られるが、濃いところが4ヵ所以下
××:面内の5ヵ所以上に濃い画像ムラや線状ノイズが見られる
以上により得られた評価結果を、下記表2に示した。
Figure 2007024713
本願の発明が比較に比して優れていることが分かる。
3.本願の請求項9〜12の発明の実施例
(実施例1)
塗布設置型の蛍光体シートを45cm×45cmの正方形に断裁した。保護フィルム1に用いられるPETフィルムには表面の算術平均傾斜Δa=0.017であるものを使用した。また励起光吸収層には着色剤を入れず、光線透過率が99.5%となるようにした。
保護フィルム1を蛍光体シートの輝尽性蛍光体層側に配置するとともに裏面保護フィルムを支持体側に配置した。保護フィルム1は励起光吸収体層側の面を輝尽性蛍光体層側に向けて配置した。
減圧下で保護フィルム1と、裏面保護フィルムとを周縁部でインパルスシーラーを用いて融着することにより蛍光体シートを封止した。なお、融着部から蛍光体シートの周縁部までの距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したインパルスシーラーのヒーターは8mm幅のものを使用した。
(実施例2)
実施例1のPETフィルムに表面の算術平均傾斜Δa=0.014であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が95.0%となるようにした。
(実施例3)
実施例1のPETフィルムに表面の算術平均傾斜Δa=0.019であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が90.0%となるようにした。
(実施例4)
実施例1のPETフィルムに表面の算術平均傾斜Δa=0.050であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が80.0%となるようにした。
(実施例5)
実施例1のPETフィルムに表面の算術平均傾斜Δa=0.100であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が70.0%となるようにした。
(実施例6)
実施例1の蛍光体シートに気相堆積型のものを使用した。またPETフィルムに表面の算術平均傾斜Δa=0.017であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が95.0%となるようにした。
<比較例1>
実施例1のPETフィルムに表面の算術平均傾斜Δa=0.006であるものを使用した。また励起光吸収層には着色剤を入れず、光線透過率が99.5%となるようにした。
<比較例2>
実施例1のPETフィルムに表面の算術平均傾斜Δa=0.011であるものを使用した。また励起光吸収層には着色剤を入れず、光線透過率が99.5%となるようにした。
<比較例3>
実施例1のPETフィルムに表面の算術平均傾斜Δa=0.006であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が98.0%となるようにした。
<比較例4>
実施例1のPETフィルムに表面の算術平均傾斜Δa=0.010であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が98.0%となるようにした。
<比較例5>
実施例1の蛍光体シートに気相堆積型のものを使用した。またPETフィルムに表面の算術平均傾斜Δa=0.006であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が95.0%となるようにした。
(実施例7)
実施例1の保護フィルム1の代わりに保護フィルム2を用いた。保護フィルム2に用いられるマット化フィルムには表面の算術平均傾斜Δa=0.014であるものを使用した。
また励起光吸収層には着色剤を入れず、光線透過率が99.5%となるようにした。保護フィルム2はシーラントフィルム側の面を輝尽性蛍光体層側に向けて配置した。
(実施例8)
実施例7の励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が95.0%となるようにした。
(実施例9)
実施例7のマット化フィルムに、表面の算術平均傾斜Δa=0.019であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が90.0%となるようにした。
(実施例10)
実施例7のマット化フィルムに、表面の算術平均傾斜Δa=0.050であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が80.0%となるようにした。
(実施例11)
実施例7のマット化フィルムに、表面の算術平均傾斜Δa=0.100であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が70.0%となるようにした。
(実施例12)
実施例7の蛍光体シートに気相堆積型のものを使用した。またマット化フィルムに、表面の算術平均傾斜Δa=0.017であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が95.0%となるようにした。
<比較例6>
実施例7のマット化フィルムに、表面の算術平均傾斜Δa=0.006であるものを使用した。また励起光吸収層には着色剤を入れず、光線透過率が99.5%となるようにした。
<比較例7>
実施例7のマット化フィルムに、表面の算術平均傾斜Δa=0.006であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が98.0%となるようにした。
<比較例8>
実施例7のマット化フィルムに、表面の算術平均傾斜Δa=0.010であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が98.0%となるようにした。
<比較例9>
実施例7の蛍光体シートに気相堆積型のものを使用した。またマット化フィルムに、表面の算術平均傾斜Δa=0.006であるものを使用した。また励起光吸収層に着色剤を入れ、光線透過率が95.0%となるようにした。
《放射線画像変換パネルの評価》
上記により作製した放射線画像変換パネルを用い、以下の評価を実施した。
1)鮮鋭性の評価
放射線画像変換パネルに鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して電気信号に変換し、これをアナログ/デジタル変換してハードディスクに記録し、記録をコンピューターで分析してハードディスクに記録されているX線像の変調伝達関数(MTF)を調べた。
下記の表3には空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値(%)が示されている。この場合MTF値が高いほど鮮鋭性がよい。
2)画像ムラ、線状ノイズの評価
放射線画像変換パネルに管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像として再生し出力装置より2倍に拡大してプリントアウトし、得られたプリント画像を目視により観察して画像ムラや線状ノイズの出現を評価した。画像ムラ及び線状ノイズそれぞれについて下記のように評価し表3に示した。
◎:画像ムラや線状ノイズが全くない
○:面内の1〜2ヵ所に淡い画像ムラや線状ノイズが見られる
△:面内の3〜4ヵ所に淡い画像ムラや線状ノイズが見られる
×:面内の5ヵ所以上に画像ムラや線状ノイズが見られるが、濃いところが4ヵ所以下
××:面内の5ヵ所以上に濃い画像ムラや線状ノイズが見られる
3)画像の傷に対する強度の評価
新東科学社製の連続加重式引掻強度(スクラッチ)試験機 HEIDON−18を用いて測定した。1milのサファイア針を用いて適宜加重を変えて、放射線画像変換パネルA(基準品:測定すべきBの保護層と同じ材質からなり、保護層表面の算術平均傾斜Δa=0.009である放射線画像変換パネル)及びB(測定サンプル)のスクラッチ試験を実施した。
次いで光学濃度1.0のベタ画像を出力した時にスクラッチ試験による保護層表面の傷について、画像影響を目視で確認可能な荷重を読み取った。この評価を10サンプル行った平均の荷重をA、B各々求め、Aを基準としたBの平均荷重の比(Bの傷の開始する10サンプルの平均荷重/Aの傷の開始する10サンプルの平均荷重)をBの画像の傷に対する強度とした。なお、下記のように評価して表3に示した。
1.3倍以上:○
1.0倍以上1.3倍未満:△
1.0倍未満:×
以上、1)〜3)により得られた評価結果を、下記表3に示した。
Figure 2007024713
輝尽性蛍光体層を被覆する保護フィルムの表面の算術平均傾斜Δaが0.013以上であるものは、表面の算術平均傾斜Δaが0.009であるものに対し、傷に対する強度が1.3倍以上であった。
励起光吸収層に着色剤を入れた場合と入れない場合では、入れたもののほうが画像ムラや線状ノイズが少なかった。
以上示したように、本発明によれば、優れた耐傷性を有しながら、画像のムラや線状ノイズがなく、かつ鮮鋭度の向上した放射線画像を形成することができる放射線画像変換パネルを得ることができる。
本発明の請求項1〜4の発明の放射線画像変換パネルの一例を示す断面図である。 本発明の請求項5〜8の発明の支持体上に輝尽性蛍光体層が蒸着法により形成される様子の一例を示す図である。 本発明の請求項5〜8の発明の蒸着により支持体上に輝尽性蛍光体層を作製する方法の一例を示す概略図である。 本発明の請求項9〜12の発明の放射線画像変換パネルの形態例を示す断面図である。 本発明の請求項9〜12の発明の放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層の形成方法を示す断面図である。 本発明の請求項9〜12の発明の放射線画像変換パネルを用いた撮像方法を示す模式図である。
符号の説明
11 蛍光体
12 支持体
13 積層保護フィルム
14 アルミラミネートフィルム
15 輝尽性蛍光体層
17 柱状結晶
18 支持体ホルダ
19 蛍光体シート
20 防湿性保護フィルム

Claims (12)

  1. 支持体上に、輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートと該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように設けられた保護層からなる放射線画像変換パネルにおいて、該保護層の表面粗さの算術平均傾斜Δaが0.01〜0.2であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
  2. 前記保護層が励起光を吸収するように着色された励起光吸収層を有していることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネル。
  3. 前記励起光吸収層を有する保護層の励起光波長における光透過率が、該励起光吸収層を有しないことだけが異なる保護層の光透過率の50%〜98%であることを特徴とする請求項2に記載の放射線画像変換パネル。
  4. 所定の大きさに断裁された前記蛍光体シートと、該蛍光体シートの上下に配置され、蛍光体シートと実質的に接着しておらず、その周縁が蛍光体シートの周縁より外側にあり、蛍光体シートの全表面を被覆するように設けられた防湿性保護フィルムとからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  5. 支持体上に、輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートと該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルにおいて、
    該保護層の外側の表面粗さの算術平均傾斜Δaが0.01〜0.1であり、
    且つ、該保護層のプレート側である内側の表面粗さRa(μm)が0.05μm〜0.45μmであり、輝尽性蛍光体層が塗布設置型であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
  6. 支持体上に、輝尽性蛍光体層が設けられている蛍光体シートと該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルにおいて、
    該保護層の外側の表面粗さの算術平均傾斜Δaが0.01〜0.1であり、
    且つ、該保護層のプレート側である内側の表面粗さRa(μm)が0.05μm〜0.45μmであり、輝尽性蛍光体層が気相堆積型であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
  7. 前記保護層が励起光を吸収するように着色された励起光吸収層を有していることを特徴とする請求項5又は6に記載の放射線画像変換パネル。
  8. 所定の大きさに断裁された前記蛍光体シートと、該蛍光体シートの上下に配置され、蛍光体シートと実質的に接着しておらず、その周縁が蛍光体シートの周縁より外側にあり、蛍光体シートの全表面を被覆するように設けられた防湿性保護フィルムとからなることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  9. 支持体上に輝尽性蛍光体層を塗設した蛍光体シートと、該輝尽性蛍光体層を被覆するように設けた保護層を有する放射線画像変換パネルにおいて、該保護層の外側の表面の算術平均傾斜Δaが0.014〜0.2であり、このとき該保護層と同じ材質からなる保護層表面の算術平均傾斜Δaを0.009の保護層からなる放射線画像パネルをBとすると、Bに対して画像の傷に対する強度が1.3倍以上となる関係が成り立ち、且つ、輝尽性蛍光体層が塗布設置型であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
  10. 支持体上に輝尽性蛍光体層を気相堆積法により設けた蛍光体シートと、該輝尽性蛍光体層を被覆するように設けた保護層を有する放射線画像変換パネルにおいて、該保護層の外側の表面の算術平均傾斜Δaが0.014〜0.2であり、このとき該保護層と同じ材質からなる保護層表面の算術平均傾斜Δaを0.009の保護層からなる放射線画像パネルをBとすると、Bに対して画像の傷に対する強度が1.3倍以上となる関係が成り立ち、且つ、輝尽性蛍光体層が気相堆積型であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
  11. 前記保護層上に励起光を吸収する励起光吸収層を設けることを特徴とする請求項9又は10に記載の放射線画像変換パネル。
  12. 前記蛍光体シートは所定の大きさに断裁されて形成されるとともに、前記保護層は前記蛍光体シートの全表面を被覆するように前記蛍光体シートの上下に配置した防湿性保護フィルムを、前記蛍光体シートの周縁よりも外側部分で互いに接着して形成されることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
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