JP2007024693A - 高分子材料の耐久性評価システム及び方法、並びにプログラム及び記録媒体 - Google Patents

高分子材料の耐久性評価システム及び方法、並びにプログラム及び記録媒体 Download PDF

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Akihiro Matsuda
昭博 松田
Shuichi Yabana
修一 矢花
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Abstract

【課題】 高分子材料の耐久性を種類を問わずに正確且つ迅速に評価する。
【解決手段】 耐久性評価システム1は、複数の高分子材料の劣化因子に関するデータを記憶するメモリ7と、耐久性の評価を行う対象とする高分子材料部品としてのゴム部品2の温度を測定する温度センサ3と、メモリ7から高分子材料部品についての劣化因子に関するデータを抽出する劣化因子抽出部6aと、この劣化因子抽出部6aによってメモリ7から抽出された劣化因子に関するデータと、温度センサ3によって測定された前記温度とを用いてゴム部品2の永久ひずみをアレニウスの式から算出する永久ひずみ算出部6bと、この永久ひずみ算出部6bでの算出結果と劣化因子に関するデータの1つであるゴム部品2の永久ひずみの基準値とを比較してゴム部品2の耐久性を評価する耐久性評価部6cとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、高分子材料の耐久性評価システム及び方法、並びにプログラム及び記録媒体に関し、さらに詳しくは、シール材、パッキンなどに用いられる高分子材料の耐久性を評価する高分子材料の耐久性評価システム及び方法、並びにプログラム及び記録媒体に関する。
ゴムなどの高分子材料は、生活用品から工業機器や医療器具など多岐にわたって使用されている。例えば、発電用機械の配管や機械内部に使われるシール材の多くも高分子材料を利用しており、高温及び高圧環境下で油や水を封入する役割を担っている。
通常、これらシール材には、一定条件下で使用した場合の耐久年数等が保証されているが、使用環境がシール材で保証されている条件下とは異なるものであったり、使用環境条件が変動する場合もある。このような場合には、保証されている耐久年数よりも早く劣化して、重大な事故につながる可能性があるし、逆に、保証されている耐久年数よりも長持ちするにもかかわらず、保証された耐久年数毎にシール材の交換を行うと、不必要なコストが発生してしまう。よって、シール材等の耐久性を正確に評価して、メンテナンス時期を正確に見積もることは非常に重要である。
温度の変化を受けながら性能が劣化する高分子材料の耐久性を評価する方法としては、高分子材料からなる部品の一部を切り取った試験体の破断や弾性力などの特性から耐久性を評価する方法(例えば、特許文献1参照)や対象とする高分子材料からなる部品の劣化における活性化エネルギーの2倍の活性化エネルギーを有するサーミスタを用いて耐久性を評価する方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特開平11−344431号 特開平3−211450号
しかしながら、特許文献1の手法では、部品の一部を破壊しなければならないことから、現場で使用中の部品を用いて耐久性を評価することができないという問題を有している。特許文献2の手法では、評価を行う対象となる高分子材料ごとに活性化エネルギーの2倍のエネルギーを持つ特別なサーミスタを用いる必要があり、例えば、多種類の高分子材料部品が用いられる発電用機械などにおいては、全ての高分子材料部品についてその耐久性を良好に評価することができなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、高分子材料の耐久性を種類を問わずに正確且つ迅速に評価することができるようにした高分子材料の耐久性評価システム及び方法、並びにプログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明にかかる高分子材料の耐久性評価システムは、複数の高分子材料の劣化因子に関するデータを記憶する記憶手段と、耐久性の評価を行う対象とする高分子材料部品の温度を測定する温度測定手段と、 前記記憶手段から前記高分子材料部品についての前記劣化因子に関するデータを抽出する劣化因子抽出手段と、この劣化因子抽出手段によって前記記憶手段から抽出された前記劣化因子に関するデータと、前記温度測定手段によって測定された前記温度とを用いて前記高分子材料部品の永久ひずみをアレニウスの式から算出する永久ひずみ算出手段と、この永久ひずみ算出手段での算出結果と前記劣化因子に関するデータの1つである前記高分子材料部品の永久ひずみの基準値とを比較して前記高分子材料部品の耐久性を評価する耐久性評価手段とを備えたことを特徴としている。
したがって、高分子材料部品に対応する劣化因子に関するデータを自動的に抽出し、このデータと、高分子材料部品の温度とを用いて永久ひずみをアレニウスの式から算出し、この算出結果と基準値とを比較することにより高分子材料部品の耐久性を評価するようにしたので、高分子材料の種類を問わずに正確且つ迅速に高分子材料部品の耐久性を評価することができる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の高分子材料の耐久性評価システムにおいて、前記永久ひずみ算出手段は、予め定められた時間間隔で測定された前記温度の履歴を用いて前記高分子材料部品の永久ひずみを積算し、前記耐久性評価手段は、前記永久ひずみ算出手段での積算値と前記基準値とを比較して前記高分子材料部品の耐久性を評価するとしている。この場合、高分子材料部品の耐久性をより一層正確に評価することができる。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の高分子材料の耐久性評価システムにおいて、前記永久ひずみ算出手段は、前記温度の履歴を反復して用いることにより前記高分子材料部品の永久ひずみを積算するとしている。この場合、高分子材料部品における残存する使用期間を正確且つ容易に求めることができる。
また、請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の高分子材料の耐久性評価システムにおいて、耐久性評価手段での評価結果を報知する報知手段を備えたものであるとしている。この場合、報知手段により耐久性評価手段での評価結果を正確且つ容易に把握することができる。
請求項5記載の発明にかかる高分子材料の耐久性評価方法は、複数の高分子材料の劣化因子に関するデータを記憶手段に記憶するステップと、耐久性の評価を行う対象とする高分子材料部品の温度を測定し、前記記憶手段に記憶するステップと、前記複数の高分子材料の劣化因子に関するデータから前記高分子材料部品についての前記劣化因子に関するデータを劣化因子抽出手段によって抽出するステップと、その抽出された前記劣化因子に関するデータと、前記温度測定手段によって測定された前記温度とを用いて前記高分子材料部品の永久ひずみを永久ひずみ算出手段でアレニウスの式から算出するステップと、その算出結果と前記劣化因子に関するデータの1つである前記高分子材料部品の前記永久ひずみの基準値とを比較して前記高分子材料部品の耐久性を評価するステップとを備えたことを特徴としている。
したがって、高分子材料部品の耐久性を評価するにあたって、高分子材料部品に対応する劣化因子に関するデータを自動的に抽出し、このデータと高分子材料部品の温度とを用いて永久ひずみをアレニウスの式から算出し、この算出結果と基準値とを比較することにより高分子材料部品の耐久性を評価するようにしたので、高分子材料の種類を問わずに正確且つ迅速に高分子材料部品の耐久性を評価することができる。
請求項6記載の発明にかかるプログラムは、複数の高分子材料の劣化因子に関するデータを記憶する記憶手段と、この記憶手段から耐久性の評価を行う対象とする高分子材料部品についての前記劣化因子に関するデータを抽出する劣化因子抽出手段と、この劣化因子抽出手段によって前記記憶手段から抽出された前記劣化因子に関するデータと、温度測定手段によって測定された前記温度とを用いて前記高分子材料部品の永久ひずみをアレニウスの式から算出する永久ひずみ算出手段と、この永久ひずみ算出手段での算出結果と前記劣化因子に関するデータの1つである前記高分子材料部品の永久ひずみの基準値とを比較して前記高分子材料部品の耐久性を評価する耐久性評価手段としてコンピュータを機能させることを特徴としている。
したがって、コンピュータで高分子材料部品の耐久性を評価するにあたって、高分子材料部品に対応する劣化因子に関するデータを自動的に抽出し、このデータと高分子材料部品の温度とを用いて永久ひずみをアレニウスの式から算出し、この算出結果と基準値とを比較することにより高分子材料部品の耐久性を評価するようにしたので、高分子材料の種類を問わずに正確且つ迅速に高分子材料部品の耐久性を評価することができる。
請求項7記載の発明にかかる記録媒体は、請求項6記載のプログラムが記憶されるとともに、そのプログラムをコンピュータで読み取ることのできるものであるとしている。したがって、記録媒体を利用して上記のプログラムをコンピュータにインストールすることにより、コンピュータで高分子材料の耐久性を評価するにあたって、高分子材料に対応する劣化因子に関するデータを自動的に抽出し、このデータと高分子材料部品の温度とを用いて永久ひずみをアレニウスの式からから算出し、この算出結果と基準値とを比較することにより高分子材料部品の耐久性を評価するようにしたので、高分子材料の種類を問わずに正確且つ迅速に高分子材料部品の耐久性を評価することができる。
以上のように、請求項1記載の高分子材料の耐久性評価システム、請求項5記載の分子材料の耐久性評価方法、請求項6記載のプログラム、及び請求項7記載の記録媒体によれば、取り替える必要のない高分子材料部品と取り替える必要のある高分子材料部品とを正確且つ迅速に把握することができるので、コストの削減と安全性の向上に寄与することができる。特に、複数の高分子材料部品の耐久性を評価する場合には、各高分子材料部品ごとに専用の耐久性評価システムを用意しなくても、まとめてその耐久性を正確且つ迅速に評価することができるので、コストを大幅に削減することができる。
また、請求項2記載の発明の場合、予め定められた時間間隔で測定された温度の履歴を用いて永久ひずみを積算し、その積算値と基準値とを比較して高分子材料部品の耐久性を評価するようにしたので、高分子材料部品の取り替え時期をより一層正確に把握することができ、安全性の更なる向上に寄与することができる。
また、請求項3記載の発明の場合、予め定められた時間間隔で測定された温度の履歴を反復して用いることにより永久ひずみを積算するようにしたので、高分子材料部品の残存する使用期間を正確且つ迅速に把握することができ、これによりコストの更なる削減と安全性の更なる向上に寄与することができる。
また、請求項4記載の発明の場合、報知手段により耐久性評価手段での評価結果を容易に把握することができるので、作業効率が高まり、コストの更なる削減に寄与することができる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜10に本発明の高分子材料の耐久性評価システムおよび方法の一実施形態を示す。本発明の高分子材料の耐久性評価システム1(以下、「耐久性評価システム1」と称する)は、複数の高分子材料の劣化因子に関するデータを記憶する記憶手段としてのメモリ7と、耐久性の評価を行う対象とする高分子材料部品としてのゴム部品2の温度を測定する温度測定手段としての温度センサ3と、メモリ7から高分子材料部品についての劣化因子に関するデータを抽出する劣化因子抽出手段としての劣化因子抽出部6aと、この劣化因子抽出部6aによってメモリ7から抽出された劣化因子に関するデータと、温度センサ3によって測定された前記温度とを用いてゴム部品2の永久ひずみをアレニウスの式から算出する永久ひずみ算出手段としての永久ひずみ算出部6bと、この永久ひずみ算出部6bでの算出結果と劣化因子に関するデータの1つであるゴム部品2の永久ひずみの基準値とを比較してゴム部品2の耐久性を評価する耐久性評価手段としての耐久性評価部6cとを備えるものである。
図1に示すように、耐久性評価システム1は、例えば、発電用機械(図示省略)で使用されるゴム部品2の耐久性を評価するものであり、温度センサ3、パーソナルコンピュータ4、読み取り装置5、入力装置8、及び表示装置9とから構成されている。なお、本実施形態ではゴム部品2としてオイルシールを例に挙げている。
温度センサ3は、ゴム部品2の内部と表面の温度を測定するものであり、CPU3a、検出部3b、タイマー3c、メモリ3d、及び通信アンテナ3eを備えている。温度センサ2にはバッテリ(図示省略)が搭載されており、温度センサ2の各部はバッテリから電力を供給し、電源(図示省略)をオンすることにより作動を開始し、電源をオフすることにより作動を終了する。CPU3aは、温度センサ2の各部の動作を制御している。検出部3bは、例えば、2組の熱電対(図示省略)からなり、一方の熱電対の一端はゴム部品2の内部に埋設されており、他端はCPU3aに接続されている。また、他方の熱電対の一端はゴム部品2の表面に取り付けられており、他端はCPU3aに接続されている。これらの熱電対によって検出されたゴム部品2の内部と表面の温度は電気信号としてCPU3aに入力される。
タイマー3cは、電源がオンされたことに応答して計時を開始し、予め定められた時間間隔で(例えば1〜4時間間隔で)、そのときの時刻を示す電気信号をCPU3aに入力する。CPU3aは、タイマー3cから電気信号が入力される毎に検出部3bからゴム部品2の内部と表面の温度を読み取り、この温度をA/D変換部(図示省略)によりデジタルの温度データに変換する。そして、この温度データに対して検出部3bからゴム部品2の温度を読み取ったときの時刻を示す時刻識別タグを付加した後、その温度データを時系列に従ってメモリ3dに順次保存する。
温度センサ2は、通信アンテナ3eを用いて読み取り装置5との間で無線通信を行う。通信アンテナ3eは、読み取り装置5からの発信される電波信号を受信するとともに、CPU3aからの指令に従って電波信号を外部に発信する。なお、本実施形態ではゴム部品2の温度を測定するにあたって熱電対を用いているが、温度センサ3の形態は適宜に変更可能であり、市販されている温度センサを用いて測定することも可能である。例えば、市販されている温度センサで、温度の測定を行なう対象物に上記の検出部3bに相当するパットを貼り付け、これにより温度を測定するといったものが知られているが、このような形態の温度センサを用いて温度を測定しても良い。
パーソナルコンピュータ4は、パーソナルコンピュータ4の各部の動作制御を行うCPU(中央演算処理装置)6と、劣化因子データファイル7a及び温度データファイル7bが格納されるメモリ7とを備えており、CPU2には、読み取り装置5、キーボード(図示省略)及びマウス(図示省略)から構成される入力装置8、及び報知手段としての表示装置9が接続されている。
メモリ7には、複数の劣化因子データファイル7aが予め格納されている。これらの劣化因子データファイル7aには、ゴム部品の名称、ゴム部品の材質の他に、下記の熱劣化促進試験で得られた劣化因子に関するデータが記録されている。劣化因子データファイル7aは、例えば、下記の熱劣化促進試験で得られた実験結果を入力装置8によりパーソナルコンピュータ4に入力し、その実験結果からCPU6を用いてゴム部品の劣化因子に関するデータを求める。
以下、熱劣化促進試験の具体的な内容と劣化因子データファイル7aの内容とを説明する。熱劣化促進試験では、上記の発電用機械内の温度を想定した恒温槽(図示省略)を用いる。この恒温層の温度は−10℃〜200℃程度の範囲で設定される。この恒温槽には複数種類のゴム部品(図示省略)が収容されている。恒温槽に収容されているゴム部品としては、例えば発電用機械で使用されるゴム材料からなる部品が選ばれている。発電用機械で使用されるゴム材料としては、例えば、天然ゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、イソプレンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。
恒温槽内において、各ゴム部品を初期形状の10〜50%の圧縮率で金属製の治具を用いて圧縮する。劣化期間を1〜3年とし、定期的に恒温槽から取り出し、永久ひずみεの測定を実施する。この永久ひずみεは、初期形状における圧縮方向の長さL0が、L1の長さへ圧縮を受けて一定期間後にL2になった場合(JIS6301参照)、次式で表される。なお、ゴム部品がシール材であり、ゴム部品の断面が円形である場合、L0は直径となる。また、測定を行う期間は試験の直後は短く、それ以後は徐々に長くなるように設定する。
<数1>
ε={(L0−L2)/(L0−L1)}×100(%)
ここで、永久ひずみ(ε)の時間(T)による伸長が、架橋構造の切断と再構成によって生じる化学一次反応で進むと考えると、架橋構造の切断と再構成の反応Aは次式によって予測することができる。ここでAは化学反応の尺度であり、T=0のときA=0となる。また、A0は化学反応物の初期濃度、kは化学反応に関する反応速度定数、Hは所謂頻度因子と呼ばれる劣化に関する化学的な材料定数、Tは時間、θは絶対温度、Rは気体定数、Eは所謂頻度因子と呼ばれる劣化に関する活性化エネルギーである。
一定温度(θ0)を仮定すると、数式2と数式3は理論解が次式によって算出することができる。ここでA0はひずみの最終的な値となる。
ここで、化学反応度Aによって永久ひずみ(ε)が発生していると考えると、永久ひずみと時間との関係式を下記の数式5または数式6のように表すことができる。
なお、この数式5では、最終ひずみは100%へと漸近する。ここで最終ひずみが初期の勾配で時間と線形関係で増える以下の式を評価式として加える。
熱劣化促進試験によって得られた温度(θ0)、永久ひずみ(ε)、時間(T)から、時間(T)と永久ひずみ(ε)とを温度と圧縮率ごとにプロットし、数式5または数式6を用いてフィッティングを行い、永久ひずみの成長に関する活性化エネルギーEと化学的な定数Hを決定する。数式5と数式6のいずれを用いてフィッティングを行うかは、誤差評価を行うなどして判断する。つまり、数式5と数式6とでより良く近似できる方を選択してフィッティングを行う。
劣化因子データファイル7aは、熱劣化促進試験で用いられた各ゴム部品について作成される。各ゴム部品毎の劣化因子データファイル7aには、熱劣化促進試験の温度(θ0)、活性化エネルギーE、化学的な定数H、ゴム部品の永久ひずみの基準値(εL)、数式5及び数式6のうちのフィッティングに用いた方の数式が劣化因子に関するデータとして記録される。劣化因子に関するデータを劣化因子データファイル7aに追加する場合には熱劣化促進試験を継続して行い、上記の手順を再度繰り返す。なお、ゴム部品の永久ひずみの基準値とは、ゴム部品を交換する基準となる永久ひずみの値のことを示す。また、本実施形態では、熱劣化促進試験によって得られた劣化因子に関するデータに基づいて劣化因子データファイル7aを作成する例を挙げているが、ゴム部品を製造、販売しているメーカが提供するデータに基づいて劣化因子データファイル7aを作成しても良く、劣化因子に関するデータの取得方法は適宜に決定すれば良い。
読み取り装置5は、温度センサと無線通信を行って温度センサ2のメモリ3dに保存されている温度を読み取るものであり、CPU5a、通信アンテナ5b、及びメモリ5cを備えている。
CPU5aは、読み取り装置5の各部の動作を制御しており、読み取り装置5に設けられている操作部(図示省略)の入力操作に応答して通信アンテナ5bに電気信号を入力する。通信アンテナ5bは、CPU5aから入力された電気信号に応答して電波信号を外部に発信する。通信アンテナ3eは、読み取り装置5から発信された電波信号を受信すると、その電波信号を電気信号に変換し、これをCPU3aに入力する。CPU3aは、通信アンテナ3eから入力された電気信号に応答してメモリ3dに保存されている温度データを読み出し、これを電気信号として通信アンテナ3eに入力する。通信アンテナ3eは、CPU3aから入力された電気信号を電波信号に変換し、それを外部に発信する。通信アンテナ5bは、温度センサ3から発信された電波信号を受信し、この電波信号を電気信号に変換し、これを変復調回路(図示省略)を介してCPU5aに入力する。CPU5aは、通信アンテナ5bから入力された電気信号に応答して、温度センサ3から読み取った温度データをメモリ5cに保存する。
読み取り装置5のCPU5aは、ケーブル(図示省略)及び外部I/F(図示省略)を介してパーソナルコンピュータ4のCPU6に接続可能となっている。 読み取り装置5がパーソナルコンピュータ4に接続されると、読み取り装置5の各部の動作はパーソナルコンピュータ4のCPU6によって制御される。CPU6は、入力装置8での入力操作に応答して読み取り装置5のメモリ5cから温度データを読み出し、この温度データに基づいて温度データファイル7bを作成し、これをメモリ7に保存する。
図2に示すように、CPU6は、ハードディスクなどの大容量記憶手段に格納されたプログラムを実行することによって劣化因子抽出部6a、永久ひずみ算出部6b、耐久性評価部6c、及び表示制御部6dとして機能する。
劣化因子抽出部6aは、劣化因子データファイル7aからゴム部品2の劣化因子に関するデータを抽出するものである。劣化因子抽出部6aは、入力装置8からゴム部品2を特定する事項が入力されたことに応答して、メモリ7からゴム部品2に関する劣化因子データファイル7aを読み出し、この劣化因子データファイル7aからゴム部品2についての劣化因子に関するデータを抽出し、それを永久ひずみ算出部6bに入力する。また、劣化因子抽出部6aは、ゴム部品2の永久ひずみの基準値であるεLを劣化因子データファイル7aから読み出し、耐久性評価部6cに入力する。なお、上記の「ゴム部品2を特定する事項」とは、ゴム部品2の名称および材質を示し、そのコマンド入力の形態は適宜に設定すれば良い。
永久ひずみ算出部6bは、下記の数式9または数式10に示すアレニウスの式を用いて永久ひずみを算出するものである。永久ひずみ算出部6bは、劣化因子抽出部6aによる劣化因子に関するデータの抽出に同期して、温度データファイル7bからゴム部品2の温度データを読み出す。そして、その読み出した温度データが示す値と、劣化因子抽出部6aによって抽出された劣化因子に関するデータが示す値とを数式9または数式10に代入して永久ひずみを積算する。
数式5に示した永久ひずみの推定式は一定温度(θ0)における理論式であるが、温度が変化する際の永久ひずみの増加は数式2から以下のようになる。
時間によって温度(θ)が変化するため、以下のように永久ひずみを積算する積分型へ書き換える。
温度センサ3によりゴム部品2の温度を測定し、その温度をメモリ3dに記憶した回数をN、N回目の測定における時刻をT(N)、測定が行われた時間間隔、すなわちタイマー3cがCPU3aに電気信号を入力する時間間隔をΔT、時刻T(N)における永久ひずみε(N)とすると、数式8は増分形となり数式5を用いると次式のようになる。
また、数式6を用いた場合は次式のようになる。
数式9または数式10によって温度勾配がある場所で使われるゴム部品2のN回目の温度測定が終了した時刻であるT(N)における永久ひずみを予め定められた時間間隔で測定された温度の履歴を用いて積分することができる。ここで、温度の履歴とは、温度データファイル7bに格納されている時刻識別タグが付加された温度データのことを示す。
永久ひずみ算出部6bは、数式9または数式10により積算した積算値を耐久性評価部6cに入力する。また、積算値を示す電気信号を表示制御部6dに入力する。表示制御部6dは、永久ひずみ算出部6bから入力された電気信号に応答して表示装置9の画面に積算値を表示する。
耐久性評価部6cは、永久ひずみ算出部6bから入力された積算値ε(N)とゴム部品2の永久ひずみの基準値であるεLとを比較し、ゴム部品2の耐久性を評価するものである。耐久性評価部6cは、ε(N)とεLとを比較し、この比較結果を示す電気信号を表示制御部6dに入力する。表示制御部6dは、耐久性評価部6cから入力された電気信号に応答して表示装置9の画面に耐久性評価部6cでの評価結果を表示する。つまり、次式が成立している場合には、表示装置9の画面にゴム部品2の交換を促すコメントを表示し、次式が成立していない場合には、表示装置9の画面にゴム部品2を交換する必要がないことを示すコメントを表示する。
<数11>
ε(N)>εL
以上のように、永久ひずみ算出部6bは、予め定められた時間間隔で測定された温度の履歴を用いてゴム部品2の永久ひずみを積算する永久ひずみ算出手段として機能する。
永久ひずみ算出部6bは、入力装置8の所定の入力操作に応答して、上記のN回目までに測定された温度の履歴を反復使用して永久ひずみを積算する。上記の「所定の入力操作」とは、ゴム部品2における残存する使用期間の計算を実行することを指示する入力操作を示し、そのコマンド入力の形態は適宜に設定すれば良い。
以下、温度の履歴の反復使用による積算方法について詳細に説明する。ゴム部品2は発電用機械の運転サイクルや季節の移り変わりにより温度変動に規則性を有している。この特性に基づいて、時刻T(0)から測定が行われた最終の時刻T(N)までの温度の履歴θ(0)からθ(N)を用いて、その温度変動が繰り返し発生すると過程し、温度の履歴を反復する回数をM+1とし、いまだに測定が行われていない時刻、つまりT(N)以降の時刻における時刻T(I)と温度θ(I)とを次式によって算出し、この式によって得られた温度履歴の反復を仮定した温度θ(MN)と時刻T(MN)とを数式9または数式10に代入し、Mを増大させながら繰り返し計算する。このような計算を行うと、図3及び図9に示すように、現在から将来にかけての永久ひずみの予測が可能となる。また、温度センサ3による測定回数を増やすと、図4に示すように、温度θと時刻Tのデータも更新され、永久ひずみをより一層正確に求めることができる。なお、図9における縦軸の劣化度は本実施形態における永久ひずみに相当するものであり、図中の曲線Aは、ゴム部品2の劣化度の基準値を示し、曲線Bは、温度センサ3によって得られた温度データに基づいて算出されたゴム部品2の劣化度と使用年数との関係を示し、曲線Cは、異なる環境下で得た温度データに基づいて算出されたゴム部品2の劣化度を示す。また、ゴム部品2の劣化度の基準値は、図10に示すように材質によって異なる(図中ではシール材A、シール材B、シール材Cとしている)。したがって、材質によってゴム部品2の交換時期も異なる。
永久ひずみ算出部6bは、温度の履歴を反復して用いることによって得られた永久ひずみの積算値が数式11を満たした時点で数式9または数式10による繰り返し計算を終了し、このときの時刻T’を耐久性評価部6cに入力する。時刻T’はゴム部品2の交換時刻を示す。
耐久性評価部6cは、上記の繰り返し計算が終了した時刻T’から時刻T(N)を減算することによりゴム部品2の残存する使用期間を求める。また、耐久性評価部6cは、ゴム部品2の残存する使用期間を示す残存使用期間信号を表示制御部6dに入力する。表示制御部6dは耐久性評価部6cから入力された残存使用期間信号に応答して表示装置9の画面に耐久性評価部6cでの評価結果、すなわちゴム部品2の残存する使用期間を表示する。
以上のように、永久ひずみ算出部6bは、温度データファイル7bに格納されている温度の履歴を反復して用いることによりゴム部品2の永久ひずみを積算する永久ひずみ算出手段として機能する。また、表示装置9は、耐久性評価部6cでの評価結果を報知する報知手段として機能する。
次に、上記構成による作用について図5〜図7のフローチャートを参照しながら説明する。先ず、温度センサ3における処理の手順について図5のフローチャートを参照しながら説明する。電源がオンされるとタイマー3cが計時を開始する(S1)。CPU3aは、タイマー3cが所定時間を計時したか否かを識別し、タイマー3cが所定時間を計時した場合にはS3に進み、タイマー3cが所定時間を計時していない場合には待機状態となる(S2)。CPU3aは、ゴム部品2の温度を読み取る(S3)。ゴム部品2の温度データに時刻識別タグを付加する(S4)。時刻識別タグが付加された温度データをメモリ3dに保存する(S5)。CPU3aは、温度センサ3による測定を終了することを示す入力操作が行われたか否かを識別し、その入力操作が行われていない場合には、S2に戻りS3〜S5の処理を再度行い、その入力操作が行われた場合には処理を終了する(S6)。
次に、読み取り装置5における処理の手順について図6のフローチャートを参照しながら説明する。操作部による読み取り開始の指示を受けて、CPU5aは温度センサ3のメモリ3dから温度データを読み取る(S1)。読み取った温度データをメモリ5cに保存する(S2)。
次に、パーソナルコンピュータ1における処理の手順について図7のフローチャートを参照しながら説明する。入力装置8による読み取り開始の指示を受けて、CPU6は読み取り装置5のメモリ5cからゴム部品2の温度データを読み取る(S1)。読み取ったゴム部品2の温度データから温度データファイル7bを作成する(S2)。入力装置8によってゴム部品2を特定する事項が入力されたことを契機に、ゴム部品2に対応する劣化因子データファイル7aを選択する(S3)。劣化因子データファイル7aから劣化因子に関するデータを抽出するとともに、温度データファイル7bからゴム部品2の温度データを読み出す(S4)。劣化因子データファイル7aから抽出された劣化因子に関するデータが示す値と、温度データファイル7bから読み出された温度データが示す値とを数式9または数式10に代入して永久ひずみの積算を行う(S5)。永久ひずみの積算値ε(N)とゴム部品2の永久ひずみの基準値であるεLとを比較し、耐久性の評価を行う(S6)。ゴム部品2の交換が必要な場合はS8に進み、ゴム部品2の交換が不必要な場合はS9に進む(S7)。表示装置9の画面にゴム部品2の交換を促すコメントを表示する(S8)。表示装置9の画面にゴム部品2を交換する必要がないことを示すコメントを表示する(S9)。CPU6は、ゴム部品2における残存する使用期間の計算を実行することを示す指示を入力装置8から受けたか否かを識別し、指示を受けた場合はS11に進み、指示を受けていない場合は処理を終了する(S10)。温度データファイル7bからゴム部品2における温度の履歴を反復して数式9または数式10に代入し、永久ひずみの積算を行う(S11)。温度データに付加されている時刻識別タグを参照してゴム部品2における残存する使用期間を算出する(S12)。表示装置9の画面にゴム部品2における残存する使用期間を表示する(S13)。
図8は、記録媒体11(例えば、CD、フレキシブルディスク、ICメモリ、MO等)をパーソナルコンピュータ1にインストールする例を示しており、記録媒体11には、図7のフローチャートで示すような手段を、CPU6とメモリ7とを含むパーソナルコンピュータ4で実現するためのプログラムが格納されている。この場合、例えば、複数の高分子材料の劣化因子に関するデータを記憶する記憶手段と、この記憶手段から耐久性の評価を行う対象とする高分子材料部品についての前記劣化因子に関するデータを抽出する劣化因子抽出手段と、この劣化因子抽出手段によって前記記憶手段から抽出された前記劣化因子に関するデータと、温度測定手段によって測定された前記温度とを用いて前記高分子材料部品の永久ひずみをアレニウスから算出する永久ひずみ算出手段と、この永久ひずみ算出手段での算出結果と前記劣化因子に関するデータの1つである前記高分子材料部品の永久ひずみの基準値とを比較して前記高分子材料部品の耐久性を評価する耐久性評価手段とをパーソナルコンピュータ1で機能させるためのプログラムを記録媒体11に記録する。そして、この記録媒体11を読み取り装置10に装填して、プログラムをパーソナルコンピュータ4にインストールする。また、上記プログラムを、記録媒体11を利用してインストールする代わりに、インターネットを利用してパーソナルコンピュータ4に配信させることができる。
以上のように、本発明の耐久性評価システム1によれば、劣化因子データファイル7aからゴム部品2に対応する劣化因子に関するデータを抽出し、この劣化因子に関するデータと温度データとを用いてゴム部品2の永久ひずみをアレニウスの式から算出するようにしたので、ゴム部品2に関する耐久性の評価を正確且つ迅速に行うことができ、これによりコストの削減と安全性の向上に寄与することができる。また、温度センサ3によって測定された温度の履歴を反復して用いて永久ひずみを算出するようにしたので、ゴム部品2における残存する使用期間を正確且つ容易に求めることができる。具体的には、図9に示すように、1〜2年の温度測定によって数十年後の永久ひずみを予測することができ、これによりゴム部品2の交換時期を的確に把握することができる。
また、劣化因子データファイル7aには複数種類のゴム部品に関する劣化因子に関するデータが記録されているので、耐久性評価システム1を様々なゴム部品に対して汎用的に使用することができ、これにより従来のようにゴム部品の種類ごとに専用の耐久性評価システムを用いる必要がなくなり、大幅なコストダウンを図ることができる。さらに、ゴム部品2における耐久性の評価結果を表示装置9の画面に表示するようにしたので、評価結果を容易に把握することができ、これにより作業効率の向上を図ることができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上記実施形態ではゴム部品2に対してのみ評価を行なったが、発電用機械にはゴム部品2以外に複数のゴム部品が用いられており、これら全てのゴム部品を対象にして耐久性の評価を行なっても良い。この場合、例えば、各ゴム部品について温度センサ3を設置する。温度センサ3から温度データを読み取る際には、読み取り装置5を各ゴム部品に近付けて無線通信を行なってデータを取得する。読み取り装置5で読み取った温度データは、各ゴム部品毎の温度データファイルとしてパーソナルコンピュータ4のメモリ7に格納される。各温度データファイルは入力装置8での入力操作に応じてCPU6によって適宜に読み出され、以降、図7に示すフローチャートに従って処理が実行される。このように複数のゴム部品について耐久性の評価を行なう場合、各ゴム部品の耐久性の評価を迅速に行なうことができ、コストを大幅に削減することができる。
上記実施形態では、ゴム部品2としてオイルシールを用いたが、これに限ることなく、チューブ、ケーブル皮膜、パッキンなどであっても良い。
上記実施形態では、ゴム部品2の耐久性を評価したが、評価の対象とする材質をゴムに限定する必要はなく、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂であっても良く、高分子材料からなる部品であればどのようなものであっても良い。この場合、熱劣化促進試験により各部品の劣化因子に関するデータを求め、これを劣化因子データファイルとしてメモリ7に予め格納しておく。
上記実施形態では、数式11を用いて耐久性の評価を行なったが、次式を用いて評価を行なっても良い。
<数式13>
ε(N)≧εL
上記実施形態では、温度センサ3によりゴム部品2の表面と内部の温度を測定したが、ゴム部品2が発電用機械の内部に封入されている場合には、温度センサ3の検出部3bをゴム部品2に近接させて測定を実行すれば良い。
上記実施形態では、報知手段として表示装置9を用いたが、スピーカやランプを用いて評価結果を報知するようにしても良い。この場合、ゴム部品2の交換が必要であるといった評価結果が得られたときには、例えば、スピーカから「交換が必要です」といった音声を出力し、ゴム部品2の交換が不必要であるといった評価結果が得られたときには、例えば、スピーカから「交換の必要はありません」といった音声を出力するようにすれば良い。このような音声を発生させる場合、音声プログラムをメモリ7に予め記憶させておき、評価結果に応じて音声プログラムを読み出し、この音声プログラムに従ってスピーカを制御すれば良い。また、ランプを用いて評価結果を報知する場合には、例えば、ランプの発光パターンによりゴム部品2の交換が必要であるか否かを報知すれば良い。このような発光パターンを発生させる場合、発光パターンプログラムをメモリ7に予め記憶させておき、評価結果に応じて発光パターンプログラムを読み出し、この発光パターンプログラムに従ってランプを制御すれば良い。さらに、表示装置9、スピーカ、及びランプを任意に組み合わせてゴム部品2の評価結果を報知するようにしても良く、これによりユーザーは、ゴム部品2の評価結果をより一層正確に且つ容易に把握することができる。
上記実施形態では、温度センサ3のCPU3aが読み取り装置5からの指令に応答してメモリ3dに保存されている温度データを読み出して通信アンテナ3eから発信するようにしたが、温度センサ3にRFID(Radio Frequency Identification)タグを設け、このRFIDタグのメモリに温度データを記憶し、このRFIDタグに専用の読み取り装置を近付けて温度データを非接触で読み取るようにしても良い。このようにRFIDタグを使用することにより簡素な構造でデータ通信を行なうことができ、コストの低廉化に寄与することができる。
上記実施形態では、温度センサ3と読み取り装置5との間で無線通信を行って温度データを読み取るようにしたが、温度センサ3とパーソナルコンピュータ4とをケーブルで接続して温度センサ3から温度データを読み出すことも可能である。
上記実施形態では、読み取り装置5とパーソナルコンピュータ4とを別個に設けたが、読み取り装置5とパーソナルコンピュータ4とをユニット化して、このユニット化した装置と温度センサ3との間で無線通信を行うようにしても良い。
上記実施形態では、パーソナルコンピュータ4を用いて各種データファイルの保存、永久ひずみの算出、耐久性の評価などを行ったが、これに限ることなく、各種データファイルを保存するメモリと、永久ひずみの算出や耐久性の評価などの処理を実行するCPUまたはMPUとを備えた装置を用いても良く、その形態は適宜に変更可能である。なお、パーソナルコンピュータ4としては、持ち運びが便利なノート型パソコンを採用することが好ましい。
本発明の耐久性評価システムの電気的構成の要部を示す機能ブロック図である。 CPUの電気的構成の要部を示す機能ブロック図である。 温度の履歴を反復させたときの温度と時刻との関係を示すグラフである。 温度の履歴を反復させたときの温度と時刻との関係を示すグラフであり、温度測定を継続して行ったときの態様を示す。 温度センサにおける処理の流れを示すフローチャートである。 読み取り装置における処理の流れを示すフローチャートである。 パーソナルコンピュータにおける処理の流れを示すフローチャートである。 プログラムが格納された記録媒体をパーソナルコンピュータにインストールする場合の説明図である。 劣化度と使用年数との関係を示すグラフである。 材質の異なるゴム部品における劣化度の基準値と使用年数との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 耐久性評価システム
2 ゴム部品
3 温度センサ
4 パーソナルコンピュータ
5、10 読み取り装置
6 CPU
6a 劣化因子抽出部
6b 永久ひずみ算出部
6c 耐久性評価部
6d 表示制御部
7 メモリ
8 入力装置
9 表示装置
11 記録媒体

Claims (7)

  1. 複数の高分子材料の劣化因子に関するデータを記憶する記憶手段と、
    耐久性の評価を行う対象とする高分子材料部品の温度を測定する温度測定手段と、
    前記記憶手段から前記高分子材料部品についての前記劣化因子に関するデータを抽出する劣化因子抽出手段と、
    この劣化因子抽出手段によって前記記憶手段から抽出された前記劣化因子に関するデータと、前記温度測定手段によって測定された前記温度とを用いて前記高分子材料部品の永久ひずみをアレニウスの式から算出する永久ひずみ算出手段と、
    この永久ひずみ算出手段での算出結果と前記劣化因子に関するデータの1つである前記高分子材料部品の永久ひずみの基準値とを比較して前記高分子材料部品の耐久性を評価する耐久性評価手段とを備えたことを特徴とする高分子材料の耐久性評価システム。
  2. 前記永久ひずみ算出手段は、予め定められた時間間隔で測定された前記温度の履歴を用いて前記高分子材料部品の永久ひずみを積算し、前記耐久性評価手段は、前記永久ひずみ算出手段での積算値と前記基準値とを比較して前記高分子材料部品の耐久性を評価することを特徴とする請求項1記載の高分子材料の耐久性評価システム。
  3. 前記永久ひずみ算出手段は、前記温度の履歴を反復して用いることにより前記高分子材料部品の永久ひずみを積算することを特徴とする請求項2記載の高分子材料の耐久性評価システム。
  4. 前記耐久性評価手段での評価結果を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の高分子材料の耐久性評価システム。
  5. 複数の高分子材料の劣化因子に関するデータを記憶手段に記憶するステップと、
    耐久性の評価を行う対象とする高分子材料部品の温度を測定し、前記記憶手段に記憶するステップと、
    前記複数の高分子材料の劣化因子に関するデータから前記高分子材料部品についての前記劣化因子に関するデータを劣化因子抽出手段によって抽出するステップと、
    その抽出された前記劣化因子に関するデータと、前記温度測定手段によって測定された前記温度とを用いて前記高分子材料部品の永久ひずみを永久ひずみ算出手段でアレニウスの式から算出するステップと、
    その算出結果と前記劣化因子に関するデータの1つである前記高分子材料部品の前記永久ひずみの基準値とを比較して前記高分子材料部品の耐久性を評価するステップとを備えたことを特徴とする高分子材料の耐久性評価方法。
  6. 複数の高分子材料の劣化因子に関するデータを記憶する記憶手段と、この記憶手段から耐久性の評価を行う対象とする高分子材料部品についての前記劣化因子に関するデータを抽出する劣化因子抽出手段と、この劣化因子抽出手段によって前記記憶手段から抽出された前記劣化因子に関するデータと、温度測定手段によって測定された前記温度とを用いて前記高分子材料部品の永久ひずみをアレニウスの式から算出する永久ひずみ算出手段と、この永久ひずみ算出手段での算出結果と前記劣化因子に関するデータの1つである前記高分子材料部品の永久ひずみの基準値とを比較して前記高分子材料部品の耐久性を評価する耐久性評価手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  7. 請求項6記載のプログラムが記録されるとともに、そのプログラムをコンピュータで読み取ることのできる記録媒体。
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