JP2007022840A - 磁化炭化物の製造方法、及び排水処理方法 - Google Patents

磁化炭化物の製造方法、及び排水処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 原料として調達される木質材料の品質に関わらず、優れた浄水作用を持続できる磁化炭化物を安定して、しかも低価格にて製造できる磁化炭化物の製造方法、及び磁化炭化物を利用した排水処理方法を提供する。
【解決手段】 磁性成分を含有する木質材料1を、摂氏300乃至800度の過熱蒸気2の中で乾留することにより磁化炭化物Pを製造する。磁化炭化物Pを用いて排水処理方法を実行すれば、圃場等から溢れ出る排水を浄化し、この処理済水を河川や沼湖へ放流できるので、過剰な有機物による生態系への悪影響を懸念する必要がなくなる。しかも、磁化炭化物Pはリンや農薬成分の吸着に優れているため、これらが河川や沼湖へ至るのを未然に防止できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水中の有機物を効果的に吸着でき又は分解できる磁化炭化物の製造方法、及び富栄養化水の浄化を促進して河川等に不要な有機物が流入するのを予防できる排水処理方法に関する。
家屋解体廃材、流木、間伐材、剪定枝のような廃材の他、余剰の木材等の木質材料は近年において増加傾向にある。木質材料の焼却処分には二酸化炭素の排出を伴なうことから、これを避けるために木質材料を炭化して炭化物を製造し、炭化物を利用した水の浄化が試みられている。下記の特許文献には水浄化装置が開示されている。
特開特開2000−107782号公報
例えば、雨季に水田等の圃場から溢れ出る排水は、下水処理施設に集められる等して浄化されることは殆どなく、多くの場合、圃場に設けた排水溝を通じて河川や沼湖へ放流される。また、圃場の排水には、稲等の栽培に必要な有機物や農薬成分が含まれており、このような排水が、広域に分布する多数の圃場から一度に河川や沼湖へ流入すると、生態系に悪影響を及ぼすことが知られている。
しかしながら、圃場に係る排水処理は個々の農家に委ねられており、浄水施設を建設する場合、その建設費用、及び運転費用が農家に多大な経済的負担を強いることになる。また、一定体積の炭化物が吸着できる有機物の量には限界があるので、長期間浄水に利用した炭化物を廃棄し、新たな炭化物を準備しなければならない。このため、炭化物の廃棄と準備を頻繁に繰り返せば更なる手間の増大と出費の高騰が起こる。また、既に例示した廃材は、極めて安価に調達できるものであるが、その形態又は品質が著しく多様であるので、このような廃材から、リンや農薬成分を吸着するのに適した炭化物を安定して製造するのは困難である。従って、炭化物を利用できる浄水施設の建設、及びその運転に多額の費用を投じても、所期の費用効果が得られないという問題がある。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑みて成されたものであり、原料として調達される木質材料の品質に関わらず、優れた浄水作用を持続できる磁化炭化物を安定して、しかも低価格にて製造できる磁化炭化物の製造方法、及び磁化炭化物を利用した排水処理方法を提供することを目的とする。
本発明に係る磁化炭化物の製造方法は、磁性成分を含有する木質材料を、摂氏300乃至800度の過熱蒸気の中で乾留することを特徴とする。
また、本発明に係る磁化炭化物の製造方法は、木質材料を粉砕する工程と、溶媒中の磁性成分を前記木質材料に含浸させる工程と、前記木質材料と共に水を乾留炉に投入し摂氏300乃至800度に加熱する工程とを含むものである。
本発明に係る排水処理方法は、磁化炭化物を浄化槽に蓄積する工程と、有機物を含んだ富栄養化水を前記浄化槽に導入し、前記磁化炭化物による前記富栄養化水の浄化を進行させる工程と、前記磁化炭化物により浄化された水を、前記浄化槽から排水する工程とを実行するものである。
また、本発明は、圃場から排水される有機物を含んだ富栄養化水の排水処理方法に係るものであって、磁化炭化物を浄化槽に蓄積する工程と、前記富栄養化水を前記浄化槽に導入し、前記磁化炭化物に前記有機物を吸着させることにより前記富栄養化水を浄化する工程と、前記磁化炭化物により浄化された水を、前記浄化槽から排水する工程と、以上の工程を複数回繰り返す毎に、前記磁化炭化物に吸着された前記有機物を、該磁化炭化物と共に前記圃場へ還元する工程とを実行するものである。
本発明に係る磁化炭化物の製造方法によれば、磁性成分を含有する木質材料を過熱蒸気の中で乾留し、同時に、磁性成分が摂氏300乃至800度まで加熱されることにより磁化するので、木質材料は炭化物となり、しかも木質材料は全体として磁気を帯びる。このような炭化物を以下で「磁化炭化物」と称する。
また、当該製造方法によれば、乾留の過程で、木質材料を過熱蒸気によって包囲できるので、過熱蒸気が熱膨張して乾留炉内の空気を乾留炉の外へ押出そうとする。このため、必ずしも乾留炉を密閉することによって空気を遮断しなくても、乾留を良好に行えるので、気密性に優れた高価な乾留炉を用いる場合に比較して、磁化炭化物の製造コストを低減することができる。しかも、過熱蒸気の蓄熱により木質材料を加熱することにより、乾留に要する熱量を木質材料へ効率良く短時間で伝達できるので、磁化炭化物の製造時間を短縮することができる。
また、本発明に係る磁化炭化物の製造方法によれば、木質材料を粉砕することにより、例えば木質チップを形成し、この木質チップに溶媒中の磁性成分を含浸させれば、磁化炭化物の原料を準備できる。従って、あらゆる木質材料が混じった廃材を原料として当該製造方法を実施する場合でも、木質材料の磁性成分の含有量を所望に調整し、リンや農薬成分を吸着するのに適した磁化炭化物を安定して製造することができる。
また、本発明に係る排水処理方法によれば、上記の磁化炭化物を蓄積した浄化槽に、有機物を含む富栄養化水を導入し、磁化炭化物の浄化作用により富栄養化水に含まれる有機物の濃度を減少させられる。また、磁性成分を有する磁化炭化物には微生物等が繁殖しやすく、微生物等による水質浄化の促進を果たすことができる。このように浄化された富栄養化水を以下で「処理済水」と称する。更に、処理済水が浄化槽から排水された後で、新たな富栄養化水を浄化槽に導入すれば、当該排水処理方法を繰り返すことができる。
以上のように、当該排水処理方法を実行すれば、例えば圃場から溢れ出る排水を浄化し、処理済水を河川や沼湖へ放流できるので、過剰な有機物による生態系への悪影響を懸念する必要がなくなる。しかも、磁化炭化物はリンや農薬成分の吸着に優れているため、これらが河川や沼湖へ至るのを未然に防止することができる。
また、上記の通り磁化炭化物はその製造コストが比較的安価であるため、使用後の磁化炭化物の廃棄と新たな磁化炭化物の準備を繰り返しても、出費が嵩むことは特にない。また、当該排水処理方法を実施するには、例えば、浄化槽に利用できる水槽等を圃場付近に埋設し、このような水槽等に蓄積した磁化炭化物が流出するのを止める金網等があれば足りる。従って、当該排水処理方法は、圃場の排水処理を行えるような大掛かりな排水施設の建設費や運用費を農家が負担しなくて済むという利点がある。
また、富栄養化水の浄化と処理済水の排出とを、例えば1年間に複数回繰り返した場合、磁化炭化物の浄化作用が徐々に弱くなるが、このように長期間浄水に利用した磁化炭化物と共に磁化炭化物に吸着された有機物を圃場へ還元すれば、長期間に富栄養化水に伴なって圃場から流出した有機物を再び圃場に戻せることに加え、磁化炭化物による圃場の土壌改良を行うことができる。しかも、浄化作用が弱くなった磁化炭化物を遠方まで搬送し処分する等の手間と費用を節減することができる。特に、摂氏300乃至800度の中温域で乾留された磁化炭化物は、摂氏800度を超える高温で乾留された炭化物に比較して、圃場に投入した後で速やかに分解するという利点がある。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で、本発明の属する技術分野の常識に照らして自明の要素には、その呼称のみを記し詳細な図示又は説明を省略する。
図1(a)乃至(c)に示すように、本発明に係る磁化炭化物の製造方法は、磁性成分を含有する木質材料1を、摂氏300乃至800度の過熱蒸気2の中で乾留するものであり、以下のa〜dの指標で区分された各工程に従い実行される。また、磁性成分とは、天然木の組成成分であるか、又は人工的に木質繊維に浸透された物質であるかに関わらず、例えば鉄又はニッケルのような元素を意味する。
a:木質材料1を破砕機等を用いて粉砕することにより、木質チップ3を形成する。木質チップ3は、木質材料1を大きさの略揃った小片となるように砕いたものであるが、木質材料1又は木質チップ3の寸法、形状、又は比重については、特に限定されることはない。また、木質チップ3を10mm又は25mmの目を有する篩にかけて、その大きさを揃えるようにしても良い。、
b:木質チップ3に磁性成分を含浸させることにより、木質チップ3に含まれる磁性成分の含有量を所望に調整する。例えば、フェノール溶液1リットル当りに塩化鉄0.01モルを溶かして得られる溶媒4に、木質チップ3を沈めて、溶媒4を木質チップ3の木質繊維の中へ徐々に浸透させる。この工程は、木質チップ3の素材が磁性成分を豊富に含有する天然木であるなら省略しても良い。上記の「含浸」とは、磁性成分が木質チップ3の内部に浸透し、又は磁性成分が木質チップ3の表面に付着することを意味する。
上記aの工程で準備する原料として、あらゆる木質材料1が混じった極めて安価な廃材を調達しても良い。この場合でも、上記bの工程で、木質材料1の磁性成分の含有量を所望に調整できるので、品質の安定した磁化炭化物Pを製造することができる。
c:磁性成分を含有した木質チップ3を過熱蒸気2の中で乾留する。この工程は、木質チップ3と共に水を乾留炉5に投入し、摂氏約300乃至800度まで加熱する。木質チップ3が上記bの工程を経たものであれば、摂氏約700度まで加熱するのが好ましい。乾留炉5の熱源としては、ガスバーナ等を適用しても良いが、水分を含んだ木質チップ3は、高周波誘導加熱によって瞬時に温度上昇させることができる。或いは、木質チップ3だけを乾留炉5に投入し、ボイラ等から過熱蒸気2を乾留炉5へ供給しても良い。
上記cの工程で、木質チップ3の磁性成分は、上記の温度まで加熱されることにより磁化するので(周知の現象)、木質チップ3の全体が磁気を帯びて磁化炭化物Pとなる。また、木質チップ3を加熱する温度を摂氏約300乃至800度までの中温域に設定したのは、次の理由による。即ち、中温域の上限を摂氏800度としたのは、これ以上に木質チップ3を加熱すると、磁性成分の磁化が起こり難いことによる。中温域の下限は、乾留が可能であれば更に低く設定しても良い。
更に、上記cの工程では、乾留の過程にある木質チップ3を過熱蒸気2によって包囲できるので、過熱蒸気2が熱膨張して乾留炉5内の空気を乾留炉5の外へ押出そうとする。このため、必ずしも乾留炉5を密閉することによって空気を遮断しなくても、乾留を良好に行えるので、通常の乾留、即ち木質チップ3を気密性に優れた高価な乾留炉5に投入し、この乾留炉5から空気を排除した状態で木質チップ3を加熱する方法に比較して、製造コストを低減することができる。しかも、過熱蒸気2の蓄熱により木質チップ3を加熱するので、乾留に要する熱量を木質チップ3に伝達する時間を短くし、磁化炭化物Pの製造時間を短縮することができる。
d:乾留炉5に投入した総ての木質チップ3が炭化するのを見計らって上記cの工程で行った加熱を停止する。そして、磁化炭化物Pがある程度放熱するのを待って磁化炭化物Pを乾留炉5から搬出する。この時点で、磁化炭化物Pの大きさは、乾留前の木質チップ3の半分程度に収縮する。
図2に示すように、本発明に係る排水処理方法を実施するには、例えば畜産養殖場、堆肥場、畑、水田等の圃場6の付近に、導入口7と排水口8をそれぞれ両端上部に設けた浄化槽9を埋設する。浄化槽9には、圃場6から排出される富栄養化水W1をある程度溜められる容積を有するものであれば、蓋付きの水槽、又は桝等のあらゆる容器を適用できる。圃場6の泥が浄化槽9へ直に流入しないように、圃場6から浄化槽9の導入口7へ至る水路に泥溜槽10を設置することが望ましい。また、浄化槽9が水で満たされた状態で、浄化槽9に蓄積される磁化炭化物Pが浄化槽9から流出するのを止める金網等があれば好ましい。符号11は、導入口7から排水口8に向いて流れる富栄養化水W1を浄化槽9の内部で蛇行させるための2枚の整流板を指している。
当該排水処理方法によれば、磁化炭化物Pを蓄積した浄化槽9の内部に、有機物を含む富栄養化水W1を導入口7を経て導入し、富栄養化水W1が導入口7から排水口8へ通り抜ける間、或いは、富栄養化水W1を浄化槽9の内部に所定の時間滞留させておく間に、磁化炭化物Pに富栄養化水W1の有機物を吸着させることができる。また、磁化炭化物Pが有機物を分解する菌等の微生物の繁殖床(微生物担体)としての役割を果たす場合は、上記の有機物の分解に加え、分解された有機物の成分を磁化炭化物Pに吸着させることができる。また、微生物自身が鉄分を有するものが知られており、このような微生物は、特に磁性成分として鉄分を有する磁化炭化物Pを好んで生息し繁殖する。従って、磁化炭化物Pを用いることで微生物による水質浄化の促進を果たすことができる。
更に、新たな富栄養化水W1が導入口7から浄化槽9へ流入すると、既に浄化された処理済水W2が浄化槽9から排水されるので、当該排水処理方法を連続的に繰り返すことができる。また、磁化炭化物Pは、既述の製造工程で水蒸気を用いて乾留されるため炭化した後に細粉が殆ど発生しない。従って、細粉が処理済水W2に混入することが殆どなく、細粉に伴なった養分の流出も極めて少ない。この点は、炭の細粉が発生しやすい木炭に比べて優れている。
以上のように、当該排水処理方法によれば、圃場6から溢れ出る排水を浄化槽9の内部で浄化した後で、排水口8から河川や沼湖へ放流できるので、過剰な有機物による生態系への悪影響を懸念する必要がなくなる。しかも、磁化炭化物Pはリンや農薬成分の吸着に優れているため、これらが河川や沼湖へ至るのを未然に防止することができる。
図3,4の中で三角印でプロットした磁化炭化物P(特殊炭II)に係るデータは、それぞれ処理済水W2に含まれるリンの濃度、及びプレチラクロール(農薬成分)の濃度を示している。図3,4は、それぞれの縦軸に、リン又はプレチラクロールの濃度を示し、これらの濃度が横軸に示した時間の経過に従って変化していることを表している。他の印でプロットした活性炭(特殊炭I)、及び2通りの備長炭に係るデータは、磁化炭化物Pに代えて木炭や備長炭等を用いて富栄養化水W1の浄化を行った場合の比較例である。上記の三角印でプロットしたデータと、他の印でプロットしたデータとを比較すれば、当該排水処理方法による顕著な効果が明らかである。
図5は、導入口71と排水口81をそれぞれ両端上部に設けた浄化槽91と、圃場6から導入口71に富栄養化水W1に伴なって流入する枯葉等を受け止めて枯葉等を富栄養化水W1から分離させる浮遊物分離篭12と、導入口71から排水口81に向いて流れる富栄養化水W1を浄化槽91の内部で蛇行させるための3枚の整流板13とを備える。3枚の整流板13のそれぞれの間には磁化炭化物Pが充填される。
浄化槽9を用いて排水処理を行う場合、浄化槽91の内部に富栄養化水W1を導入口71を経て導入し、更に新たな富栄養化水W1が導入口71から浄化槽91へ流入すると、浄化槽91の内部の処理済水W2が浄化槽91から排水される点は、既述の通りである。このように、富栄養化水W1の浄化と処理済水W2の排出とを複数回繰り返す毎に、浄化作用が弱くなった磁化炭化物Pを浄化槽9から取出し、浄化作用が弱くなった磁化炭化物Pと共にこれに吸着された有機物を圃場6へ還元すれば、長期間に富栄養化水W1に伴なって圃場6から流出した有機物を再び圃場6に戻すことができる。しかも、磁化炭化物Pによる圃場6の土壌改良も同時に行える。また、磁化炭化物Pは、摂氏800度を超える高温で乾留した一般的な炭化物(木炭等)に比較して、圃場6に投入した後で速やかに分解するという利点がある。
また、磁化炭化物Pは、既述の製造工程で10mm又は25mmの篩の目で選別された木質チップ3を乾留したものであり、その乾留後の大きさは半分程度の5mm又は13mm以下にまで収縮している。このような小粒の磁化炭化物Pを浄化槽91に堆積させた場合、多数の磁化炭化物Pが密集するので、密集した磁化炭化物Pを富栄養化水W1が通過する間に、富栄養化水W1に含まれる固形成分を濾過することができる。従って、富栄養化水W1に含まれる水溶性の成分は磁化炭化物Pに吸着され、上記のように濾過された固形成分もまた磁化炭化物Pと共に浄化槽91に残留するので、圃場6に投入する磁化炭化物Pの栄養価を高めることができる。
また、小型の浄化槽91による浄化能力を最大限に活かすには、導入口71から流入する富栄養化水W1の流量を少なく保つ一方、浄化槽91における富栄養化水W1の滞留時間を長くすることにより、富栄養化水W1の磁化炭化物Pへの浸透を促し、その過程で磁化炭化物Pの濾過能力や吸着能力を発揮させることが望ましい。
例えば、圃場6への降雨量が増大したときに、浄化槽91に流入する富栄養化水W1の流量を制限できるように、排水調整手段14を圃場6に設置しても良い。排水調整手段14は、図6に示すように、上下方向に延びる多数のスリット15を胴部に形成した導水筒16の内部を、浄化槽91の導入口71に連通させたものである。導水筒16の胴部の下端部には、略C形の止水リング17が着脱自在に巻付けられる。圃場6の富栄養化水W1が実線L1で示した水位のとき、止水リング17は導水筒16から取外される。この状態で、富栄養化水W1はスリット15の下端付近を経て導水筒16の内部へ流入し、浄化槽91の導入口71まで達する。そして、富栄養化水W1が実線L2で示した水位を超えたときに、図示のように導水筒16に止水リング17が巻付けられると、スリット15の下端付近が止水リング17で遮られる分、浄化槽91の導入口71まで達する富栄養化水W1の流量が制限されるので、小型の浄化槽91による浄化能力を最大限に活かすことができる。
或いは、止水リング17は1体しか図示していないが、図示の止水リング17の上方に別の止水リングを配置し、別の止水リングを導水筒16の胴部に巻付けても良い。この場合、止水リング17と別の止水リングとの間を通過する富栄養化水W1だけが、スリット15を経て導水筒16の内部へ流入する。これによって浄化槽91に達する富栄養化水W1が一定量に制限されるので、小型の浄化槽91による浄化能力を最大限に活かすことができる。以上のように、排水調整手段14に圃場6の水量調整の機能を担わせることは、浄化槽91の容積を小さくするのに有利である。
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施できる。例えば、実施例2,3で使用した磁化炭化物Pについては、必ずしも実施例1の方法で製造されたものでなくても良い。
本発明は、圃場の排水処理を専らとするものではなく、家庭、工場、又は公園等の排水を浄化するのにも有益な技術である。
本発明の実施例1に係る磁化炭化物の製造方法を(a)乃至(c)の順に示す説明図。 本発明の実施例2に係る排水処理方法に適用した浄化装置の概略図。 本発明の実施例2に係る排水処理方法による効果の一例を示すグラフ。 本発明の実施例2に係る排水処理方法による効果の他例を示すグラフ。 本発明の実施例3に係る排水処理方法に適用した浄化装置の概略図。 本発明の実施例3に係る排水処理方法に適用した排水調整手段の使用例を示す斜視図。
符号の説明
1:木質材料
2:過熱蒸気
3:木質チップ
4:溶媒
5:乾留炉
6:圃場
9,91:浄化槽
P:磁化炭化物
W1:富栄養化水

Claims (4)

  1. 磁性成分を含有する木質材料を、摂氏300乃至800度の過熱蒸気の中で乾留することを特徴とする磁化炭化物の製造方法。
  2. 木質材料を粉砕する工程と、溶媒中の磁性成分を前記木質材料に含浸させる工程と、前記木質材料と共に水を乾留炉に投入し摂氏300乃至800度に加熱する工程とを含む磁化炭化物の製造方法。
  3. 磁化炭化物を浄化槽に蓄積する工程と、
    有機物を含んだ富栄養化水を前記浄化槽に導入し、前記磁化炭化物による前記富栄養化水の浄化を進行させる工程と、
    前記磁化炭化物により浄化された水を、前記浄化槽から排水する工程と、
    を実行する排水処理方法。
  4. 圃場から排水される有機物を含んだ富栄養化水の排水処理方法であって、
    磁化炭化物を浄化槽に蓄積する工程と、
    前記富栄養化水を前記浄化槽に導入し、前記磁化炭化物に前記有機物を吸着させることにより前記富栄養化水を浄化する工程と、
    前記磁化炭化物により浄化された水を、前記浄化槽から排水する工程と、
    以上の工程を複数回繰り返す毎に、前記磁化炭化物に吸着された前記有機物を、該磁化炭化物と共に前記圃場へ還元する工程と、
    を実行する排水処理方法。
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