JP2007020569A - 糖尿病モデル - Google Patents

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Abstract

【課題】糖尿病ラットを製造する方法と、該ラットの糖尿病を回復させる化合物を同定する方法を提供する。
【解決手段】糖尿病誘発性試料(Purina 5008またはKLIBA 2437)を与えたZucker糖尿病脂肪質(ZDF)ラットを、生後5〜6週間で離乳させた後、Kliba 2437を含む高脂肪飼料で1〜2週間飼育して、糖尿病ラットを製造する。当該糖尿病ラットに、対象となる化合物を投与し、糖尿病を回復させることが出来る化合物を同定する。
【選択図】なし

Description

本発明は、糖尿病を回復させることができる糖尿病の介入療法に適した化合物を同定する方法に使用することができる糖尿病ラットを製造する方法に関する。
過去数十年間、肥満および2型糖尿病(T2D)有病率の劇的な増加が、主として米国で見られてきたが、ヨーロッパおよび発展途上国でも進行している。世界中で、T2Dは糖尿病のあらゆる症例(遺伝性インスリン依存性糖尿病またはT1D、および非インスリン依存性真性糖尿病またはT2D)のうちの85〜90%に相当する(非特許文献1参照)。レプチン経路、インスリン分泌もしくはその受容体、またはGLUT4(インスリン感受性グルコース輸送)に影響するいくつかの突然変異が同定されているが、肥満とT2Dのほとんどの症例は非遺伝的起源由来であり、ライフスタイルが引き金となる(運動不足、高カロリー食等)。T2Dと肥満は双方とも高い罹患率、死亡率(非特許文献2参照)、および医療費(非特許文献3参照)を伴う。
T2Dの主な特徴は、インスリン抵抗性とインスリン分泌不全である。インスリンは様々な器官(特に、筋肉、肝臓、および脂肪組織)でグルコース取り込みを刺激する、膵β細胞で合成され分泌される重要なホルモンである。インスリンはまた、グルコース-6-ホスファターゼをコードする遺伝子の発現を制御することによって肝臓のグルコース生産(HGP)を調節し、脂肪組織中の脂質分解を阻害する(非特許文献4参照)。標的組織がインスリンの正常な濃度に応答できなくなると、インスリンの作用が弱くなる(すなわちインスリン抵抗性)。
この調節不全が始まり、しかも処置されない場合、正常血糖値(正常循環グルコースレベル)を保つためにβ細胞のインスリン分泌量が増加する(すなわち高インスリン血症)。しかし、処置しないでいると、β細胞が十分なインスリンを生産できず、循環グルコースが増加する(高血糖症)(図1)。十分なβ細胞が生存していて、正常血糖値を保つのに適切な速度でインスリンを分泌している限り、T2Dは生じない(非特許文献5参照)。インスリン抵抗性を引き起こす機構は、過去何年間にもわたって多くのグループによって深く研究されている。インスリン感受性非脂肪組織(肝臓および筋肉)中に遊離脂肪酸(FFA)が蓄積されると、これらの組織におけるインスリン媒介性グルコース取り込みが損なわれうる(非特許文献6参照)ことが広く受け入れられている。さらに、肝臓による脂質生産が増加すると脂肪酸の酸化が促進され、肝臓のグルコース生産のインスリン依存性阻害が減少することによってグルコース新生(GNG)が増加し、高血糖症をさらに悪化させる(非特許文献7参照)。
T2Dの進行は他の代謝障害を伴う。代謝症候群(X症候群)と呼ばれる、インスリン抵抗性、グルコース耐性減損、動脈高血圧、腹部肥満、および異常脂血症のクラスター(非特許文献8参照)が主な心臓血管リスクの原因となる因子群であると、成人治療委員会III(Adult Treatment Panel III; ATPIII)によって定義されている(非特許文献9参照)。多くの前臨床研究により、T2D患者における高血圧の進行にインスリンが主要な役割を果たしていることが示唆された(非特許文献10参照)。しかし、臨床処置の主な目標は、グルコース代謝の異常を診断し処置することである。実際、高い血糖値は微小血管合併症の主な危険因子であると英国予想糖尿病研究(UK Prospective Diabetes Study; UKPDS、非特許文献11参照)により報告されている。T2D患者のグルコースレベルを正常レベルの近くに保つことにより、神経障害(T2D患者の50〜60%で生じる)、網膜症、腎障害等の欠損の発症が予防されることが示された(糖尿病は米国における失明および終末期腎不全の主な原因である)(非特許文献12;非特許文献13参照)。
数年前、食事、運動、および減量に基づく非薬理学的療法が米国で行われた(非特許文献14参照)。これらの主要なライフスタイルの変更は、体重過剰糖尿病患者において血糖濃度を低下するばかりでなく、心臓血管疾患(CVD)に対する危険因子の発生を減少させ、あるいは遅らせた(非特許文献15参照)。しかしながら、病状の進行した糖尿病患者には、その糖血症を制御し、合併症の発症を実質的に予防するか減少させる特定の薬物療法が必要である。現在の抗糖尿病療法は、(1)インスリン分泌促進物質として一般に公知の薬剤の使用によるインスリン生産の改善、または(2)肝臓グルコース生産の阻害あり、もしくは阻害なしでの、インスリン感作剤として公知の薬剤による全身インスリン作用の改善のいずれかによる循環グルコースの厳密な制御に基づいている(図1)。
ロシグリタゾン(Avandia(登録商標))、ピオグリタゾン(Actos(登録商標))、およびトログリタゾン(Rezulin(登録商標))に現在代表されるチアゾリジンジオン(TZD)クラス由来の抗糖尿病剤(米国で1997年以来市販されている)が、末梢インスリン媒介性グルコース取り込みを増加させるのに有効な薬剤である。TZDは、グルコースおよび脂質代謝における遺伝子発現を制御する核ホルモン受容体ファミリーの転写因子であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPARガンマ)の薬理学的アゴニストである。PPARガンマ薬剤は、高血糖症、高脂血症、および高インスリン血症を抑制し、特に末梢脂質貯蔵細胞において、前脂肪細胞の成熟脂肪細胞への分化と増殖を増加してインスリン感受性を改善した(非特許文献16参照)。このように、PPARガンマの活性化は、末梢脂肪細胞における脂肪酸貯蔵を増加し、循環脂肪酸を低下し、筋肉および肝臓におけるトリグリセリドレベルを減少する。PPARガンマ薬剤は、インスリン抵抗性と治療に対する応答との濃度相関性が高い、アディポネクチン、TNFアルファ、およびレジスチン等のいくつかの循環因子の発現を変える(非特許文献17参照)。
T2Dおよびインスリン抵抗性の適切な動物モデルが、治療薬剤のインビボ効力を特徴付けるために必須の前臨床手段である。過去20年間に開発されたT2Dの動物モデルのほとんどは遺伝子に基づいている。db/dbマウス、ob/obマウス、GKラット、ZDFラット、およびfa/faラット等の自然発生糖尿病(またはインスリン抵抗性および肥満)げっ歯類モデルが、薬剤開発分野において世界中で最も一般的に使用されている(非特許文献18参照)(表1)。これらの動物モデルのうち、糖尿病誘発性飼料(Purina 5008またはKLIBA 2437)を与えたZucker糖尿病脂肪質(ZDF)ラットは、代謝病(グルコース不耐性、高血糖症、インスリン抵抗性、および高トリグリセリド血症)、β細胞不全、肥満、および弱度の高血圧をヒトと同様に発症するが、より速く進行するので、最も魅力的なモデルである。主な血漿パラメータの初期変化が7〜8週齢に始まり、12週齢以上で顕性の糖尿病(β細胞不全および腎不全)になる(図2)。
この迅速な代謝低下のため、市販の抗糖尿病剤(ロシグリタゾン(PPARガンマ)およびラジグリタザール(PPARアルファガンマ))では、ZDFラットにおけるT2Dの主な特徴の回復は達成されない。しかしながら、ZDFラットで長期処置(13週)により(非特許文献19参照)、または中等度糖尿病を有するきわめて若い動物(非特許文献20;非特許文献21参照)で、T2Dが予防されることが示された。Zuckerおよびfa/fa系列由来のVDF(Vancouver Diabetic Fatty)ラットと呼ばれる若干異なるT2Dモデル(DPPIV阻害剤による介入療法で使用された)が、グルコース耐性、末梢インスリン感受性、およびβ細胞機能を部分的に改善できることが、あるチームにより報告された(非特許文献22;非特許文献23参照)。このモデルは、高血糖症でなく、弱いグルコース不耐性であり、末梢インスリン抵抗性がないことを特徴とし、糖尿病ではないことに注意が必要である。本発明の目的は、ヒトにおける2型糖尿病の進行をよりよく表すだけでなく、より強い反応を薬剤療法に対して示す前臨床動物モデルを開発することである。
(表1)代謝疾患の主な前臨床げっ歯類モデル
A:飼料または化学的薬剤により誘発される代謝疾患のげっ歯類モデル
B:遺伝子欠陥により誘発されるインスリン抵抗性およびT2Dのげっ歯類モデル
Figure 2007020569
King et al., 1998, Diabetes care, 21, 1414-31 Stiegler et al., 1992, Diabetic medicine, 9, 646-53 Rubin et al., 1994, The Journal of clinical endocrinology and metabolism, 78, 809A-809F Murray et al., 2000, Harper's biochemistry, Appleton & Lange Kahn, 1998, Cell, 92, 593-596 Randle et al., 1963, Lancet, 1, 785-9 Boden, 2003, Life sciences, 72, 977-88 Reaven, 1988, Diabetes, 37, 1595-607 Grundy et al., 2004, Circulation, 109, 433-8 Scherrer et al., 1997, Circulation, 96, 4104-13 UK Prospective Diabetes Study, 1998, Lancet, 352, 837-53 Klein, 1995, Diabetes care, 18, 258-68 Teutsch et al., 1989, American journal of kidney diseases, 13, 11-3 Tinker et al., 1994, Journal of the American Dietetic Association, 94, 507-11 Schneider et al., 1995, Diabetes Reviews, 3, 378-407 Gurnell et al., 2003, The Journal of clinical endocrinology and metabolism, 88, 2412-21 Greenfield et al., 2004, Clinics in dermatology, 22, 289-95 Chen et al., 2004, Diabetes, Obesity and Metabolism, 10, 1-13 Shibata et al., 2000, British journal of pharmacology, 130, 495-504 Brand et al., 2003, American journal of physiology. Endocrinology and metabolism. pp. E841-54. United-States.: NLM Pickavance et al., 2005, British journal of pharmacology, 144, 308-16 Pospisilik et al., 2002, Diabetes, 51, 2677-83 Pospisilik et al., 2002, Diabetes, 51, 943-50
このように、ヒトの場合のように抗糖尿病薬による介入療法に対する感受性を増加するために、ZDFラットを糖尿病誘発性飼料(Purina 5008、すなわち6.6%脂肪と23.5%タンパク質を含むKLIBA 2437)飼育下で通常達成されるよりも糖尿病性を少なくする(ヒトの状態により近くする)ことが本発明の目的である。
この目的のため、3グループのZDFラットを異なる飼料で飼育した。最初のグループには、離乳時に開始し、続けて11週間、糖尿病誘発性飼料(Kliba 2437)を与えた(fullグループ);第2のグループは糖尿病誘発性飼料で4週間飼育し、その後固形飼料(4.5%脂肪と18.5%タンパク質を含むKliba 3436)で7週間飼育した(mildグループ);第3のグループは糖尿病誘発性飼料で2週間飼育し、次いで固形飼料で9週間飼育した(lowグループ)。
本発明(1)は、離乳後のラットを高脂肪飼料で1〜2週間飼育する工程を含む、糖尿病ラットを製造する方法である。
本発明(2)は、ラットがZDFラットである本発明(1)の方法である。
本発明(3)は、5〜6週間後に離乳させる、本発明(1)または(2)の方法である。
本発明(4)は、高脂肪飼料がKliba 2437を含む本発明(1)〜(3)のいずれかの方法である。
本発明(5)は、糖尿病を回復させることができる化合物を同定する方法であって、
a)離乳後のラットを高脂肪飼料で1〜2週間飼育し、その後固形飼料で飼育する工程、
b)対象となる化合物を投与する工程、
c)該化合物により糖尿病が回復したかどうかを決定する工程、
を含む方法である。
本発明(6)は、ラットがZDFラットである本発明(5)の方法である。
本発明により、糖尿病ラットを製造する方法と、該ラットの糖尿病を回復させる化合物を同定する方法が提供された。
糖尿病誘発性飼料とは、系統(マウスまたはラット)を糖尿病(T2Dまたは真性糖尿病またはNIDDM:非インスリン依存性真性糖尿病)にする飼料である。すなわち、高血糖症+高トリグリセリド血症が最初に起こり、+インスリン抵抗性、次いでミクロおよびマクロ管脈構造疾患、腎不全、心臓病等の関連疾患の発症を意味する。この特定の飼料がなければ、動物は健康を保つ。
全体的パラメータに対する飼料の効果(BW、FI、およびWI)
本研究の期間中、動物の体重は増加した。未処置ZDFラットの体重(BW)は6週齢で約230gであり(表2)、飼育の11週間後には410〜450gに達した。糖尿病誘発性および/または固形飼料(高/中/低)のいずれかで飼育した偽薬グループ間、またはZLグループと比較して、有意差のBW増加は検出されなかった。飼料のタイプにかかわらず、各動物は1日あたり約30gを摂取した。未処置fullグループとmildグループの研究中に、飼料摂取または体重増加の変化は観測されなかった。lowグループは固形飼料へ切り替える時に若干のFI増加を示した。
代謝血漿パラメータに対する飼料の効果
研究の開始時、健常なZDFラット(6週齢)は、食後の状態で測定して比較的正常なグルコース、HbA1C、インスリン、およびTCレベルを有した(表2)。対照的に、週齢が一致したZLラットは、ZDFと比較してインスリンレベルおよびTGレベルが極めて低く、NEFAレベルが高いことが特徴である。これらのデータはプロバイダーが報告するデータと一致していた(図2)。
グルコース代謝に対する飼料の効果
グルコース、HbA1C、およびインスリンレベル
同じ飼料で飼育したZLラットで効果がなかったこととは対照的に、糖尿病誘発性飼料で継続的に飼育したZDFラット(fullグループ)は、速やかに高血糖症および高インスリン血症になり、HbA1Cレベルが上昇した(図2)。糖尿病誘発性飼料で長期間飼育すると(ZDF fullグループ)、ラットはまず高インスリン血症を急速に発症し、次いで4週間後にインスリン抵抗性となった(すなわち10週齢)。糖尿病誘発性飼料で4週間飼育し、次いで固形飼料に切り替えたZDFラット(mildグループ)は、fullグループと比較して、グルコース、HbA1C、およびインスリンレベルの増加に関しては同様な時間経過を示したが、高血糖症の程度は低かった(23.0±1.7mM vs. 29.5±1.8mM)(図4A)。
2週間のみ糖尿病誘発性飼料で飼育したZDFラット(lowグループ)では、12週齢(すなわち糖尿病誘発性飼料による飼育の2週間+固形飼料飼育の4週間の後)で血漿グルコースが上昇し始め、本研究の15週齢で18.7±2.0mMに達したが、これはfullグループ(29.5±1.8mM)(p<0.01)およびmildグループ(23.9±1.7mM)の両グループと比較して有意に低かった(図4)。
糖尿病誘発性飼料飼育の2週間の後に達成された高インスリン血症(約6.5ng/ml)は15週齢まで維持され、fullグループおよびmildグループとは対照的にβ細胞不全がないことが示唆された。研究の終了時、lowグループは、グルコースレベルは変化せずに(17.3±1.9mM)(図4A)、インスリンレベルの低下(図4C)を示した。このグルコース刺激インスリン分泌の機能的欠陥は、重篤な糖尿病の状態が発症する前にインスリン欠失が進行していることを反映している可能性がある。
(表2)糖尿病誘発性飼料で飼育した6週齢ZDFおよびZLラットで測定した基礎血漿パラメータレベル
p<0.05または**p<0.01(ZLラットと比較)、ANOVAの後にDunnettポストホック検定
Figure 2007020569
食後グルコースに対する効果(OGTT)
研究期間全体を通じた糖尿病誘発性飼料による継続飼育(fullグループ)、または4週間糖尿病誘発性飼料によって飼育した後の固形飼料への切り替え(mildグループ)は、絶食条件下でラットを強い高血糖症(FBG上昇)にすると同時に、OGTT中に得られたグルコース変動値で明らかなように、グルコース不耐性にした(図5)。これらの2つのグループ間でFBGまたはグルコース変動(グルコースAUC)に差は見られず、糖尿病誘発性飼料による飼育を4週間に短縮することによってはグルコース耐性は改善されないことが示された。糖尿病誘発性飼料を継続的に与えたZDFラット(fullグループ)は、ZLと比較して重度のグルコース不耐性となった(AUC 2213 vs. 779)。糖尿病誘発性飼料で2週間飼育後に固形飼料に切り替えたZDFラット(lowグループ)は、ZDF fullグループ(9.6±1.0mM)と比較して、絶食条件下で中等度高血糖症(6.9±0.5mM)を示しただけであった(表3、図5)。
(表3)ZDFラットにおけるグルコース耐性に対する飼料条件の効果
研究および飼育期間の終了時のOGTT前およびOGTT中に測定した絶食パラメータとグルコース変動(AUC)のまとめ
N=8〜10/グループ、**p<0.01またはp<0.05(ZLラットと比較)
F検定の後にt検定またはMann Whitney
Figure 2007020569
それにもかかわらず、lowグループのFBGレベルはZLラットと比較して有意に高かった(4.3±0.0mM、p<0.05)。この短い糖尿病誘発性飼料による飼育期間によって、ZLラットと比較してかなり絶食時インスリンレベルが上昇し、絶食時グルコースレベルが強く減少し、インスリン抵抗性インデックス(HOMA)が上昇し(25.4±5.8 vs. 2.0±0.1、p<0.01)、これは経時的に持続した。このことは、この中等度糖尿病ラットモデルにおける持続性の強いインスリン抵抗性を示した。
まとめると、これらのデータは、ZDFラットに糖尿病誘発性飼料で4週間または11週間飼育することにより、高血糖症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、グルコース不耐性およびインスリン抵抗性、β細胞不全に導くという同程度の劇的な代謝変化が誘発されたことを示した。対照的に、幼若ZDFラットを糖尿病誘発性飼料に離乳後の2週間限定すると、β細胞不全の兆候なく中等度糖尿病およびインスリン抵抗性になった。ZDFラットに糖尿病誘発性飼料で2週間のみ飼育すると、高血糖症の発症が有意に遅延した。本明細書に示すデータによって、12週齢から増加し始めたグルコース以外は、lowグループにおける代謝パラメータの全体的な変化は10週齢で安定化することが示唆された(図4)。
脂質代謝に対する飼料の効果
ZDF(fullグループ)で観察された高血糖症、HbA1C上昇、およびβ細胞不全に加えて、脂質パラメータの変化が生じた。例えば、糖尿病誘発性飼料による4週間の飼育後に、血漿TGが1.4±0.1mMから10.6±1.8mMへ劇的に増加した。研究の終了時点で、血漿TGは9.59±1.31mMに安定化した(図6)。血漿TGの上昇は、血漿TC(2.9±0.2mMから4.9±0.3mM)、および循環NEFA(0.20±0.04mMから0.36±0.02mM)の漸進的増加を伴った(図6)。最初の4週間を糖尿病誘発性飼料の摂取に制限すると、重度の高トリグリセリド血症を遅らせて一時的に減少させた(図6A)が、最終的に研究の終了時にはfullグループと違わなかった。対照的に、離乳後の最初の2週間を糖尿病誘発性飼料で飼育したZDFラット(lowグループ)は漸進的に高トリグリセリド血症になったのみであった(図6A)。飼料の変化は、NEFAおよびTCの増加における差を生じなかった(図6BおよびC)が、4週間の飼料飼育の後に血漿アディポネクチンレベルが有意に増加し(fullグループ、mildグループ、およびlowグループでそれぞれ37±7%、32±6%、および2±11%)、飼料誘発インスリン抵抗効果が示唆された。
膵島の形態およびβ細胞の完全性に対する効果
幼若ZDFラットを11週間、糖尿病誘発性飼料で飼育する(fullグループ)すると、同じ飼料で飼育したZLラットと比較してβ細胞構造に劇的な変化が誘発された。ZDFラットの膵臓では膵島の構造の破壊が認められる(図7)。膵島は膵外分泌部へ不規則な突起を伴って肥大し、内分泌細胞は外分泌組織内に拡散している。死んだβ細胞が増加し、β細胞の量が減少し、β細胞内のインスリン含有量が減少する(データ示さず)。(lowグループおよびmildグループの膵臓の検査は現在調査中)。
ピオグリタゾンによる介入処置
処置前のZDFラットの代謝状態
介入処置を10週齢のZDFで開始し、7週間行った。処置の開始時、fullグループおよびmildグループは、高血糖症(それぞれ17.4±2.6mMおよび13.6±14.0mM)、高インスリン血症(4.8±1.0ng/mlおよび7.4±0.5ng/ml)であり、週齢が一致するZLと比較して全ての脂質パラメータ(特にトリグリセリド)が増加していた(図8)。糖尿病誘発性飼料で2週間のみ飼育することでは、完全糖尿病ZDF(fullグループ)と比較して血漿パラメータレベルが有意に改善したが、中等度糖尿病ZDFラット(lowグループ)は、健常ZLラットと比較して高いトリグリセリド、コレステロール、およびNEFA血漿レベルが依然として特徴とした(図6)。対照的に、lowグループZDF正常血糖は、ZLグループと同様の値を有していた(図4)(それぞれ6.9±0.5mM vs. 4.3±0.0mM)。
BW、FI、およびWIに対するピオグリタゾンの効果
ピオグリタゾンによる長期処置により、媒体グループと比較してZDFラットのBWが増加した(文献データと一致)。ピオグリタゾンで誘導されたBW増加は、lowグループ、mildグループ、およびfullグループZDFラットで同程度であり、媒体に対して約+30%であった。さらに、毎日の食物摂取(24時間にわたって測定)は、全ての処置グループで約30gから約50gに増加した。期待される通り、WIはFIの変化に比例して増加した。このように、7週間の処置による累積FI増加が、BWの増加に寄与した可能性が高い。PPARアゴニストによるBWの増加が、ヒトと比較してげっ歯類(マウスおよびラット)で過大になることは周知の効果である。ピオグリタゾン療法下で体重が増加するにもかかわらず、代謝プロフィールは有意に改善された(以下に考察する)。
グルコース代謝に対するピオグリタゾンの効果
グルコース、HbA1c、およびインスリンレベル
上記のように、糖尿病誘発性飼料は、ZDFラットで血漿グルコース、インスリン、およびHbA1c(%)レベルを増加する。ピオグリタゾンでfullグループZDFラットを処置すると、血糖値が強く減少した(図8A)。血糖制御の改善は処置の2週間後にはっきりとし、処置期間全体にわたって部分的に維持された。循環グルコースの減少は、HbA1cの有意な減少を伴った(図8B)。
ピオグリタゾンは、処置の開始時にfullグループZDFの高インスリン血症を有意に減少したが、この効果は5週間後に消失した(図8C)。同様の所見がmildグループZDFラットでも観察され、糖尿病状態の改善も療法による長期改善のいずれも、fullグループでもmildグループでも達成されないことが示唆された。対照的に、中等度糖尿病ZDFラット(lowグループ)のピオグリタゾンによる処置により、高血糖症の発症およびHbA1Cの増加が、双方の値が未処置ZLラットの値と同様である程度に、完全に阻止された(図8A、B)。さらにピオグリタゾンは、処置の第2週目から高インスリン血症を強く回復させ、この効果は研究終了時まで維持された。7週間の処置期間の最後に、ピオグリタゾン投与lowグループは、インスリンレベルの有意な減少を示し(2.1±0.2ng/ml)、この値は非糖尿病ZLラット(0.8±0.1ng/ml、p<0.05)と比較してわずかに高いだけであった。
まとめると、これらのデータにより、中等度糖尿病ZDFラット(lowグループ)の長期処置下では、高血糖症、HbA1c、および高インスリン血症が、ZLラットに匹敵するレベルへと正常化されたが、mildグループまたはfullグループでは達成されなかったことが示された。
食後グルコースに対するピオグリタゾンの効果(OGTT)
糖尿病誘発性飼料で11週間(fullグループ)および4週間(mildグループ)飼育したZDFラットは、2週間のみ糖尿病誘発性飼料で飼育した中程度にグルコース不耐性であるのみであるZDFラット(lowグループ)と比較して、極度にグルコース不耐性であった。それにもかかわらず、研究の10週後にlowグループで測定されたグルコース変動は、ZLより有意に大きかった(AUC: 1565±188 vs. 779±15、表3参照)。ピオグリタゾンによる6週間の処置により、mildグループおよびfullグループのグルコース耐性が、媒体と比較して同程度にそれぞれ29%および31%と有意に改善されたが、ZLラットのレベルにまでは正常化されなかった(図9)。対照的にlowグループは、媒体と比較してAUCが36%減少したが、ZLに近いグルコース変動値(AUC: それぞれ1000±48および779±15)に達し、ピオグリタゾン処置に対して若干感受性が高かった。
lowグループにおけるグルコース代謝改善に対するピオグリタゾンの強い効力は、媒体と比較して有意なFBGの減少にも反映され(5.1±0.1mM vs. 6.9±0.4mM、p<0.05)、非糖尿病ZLラットにおけるFBGレベル(4.3±0.0mM)に近かった(図9A)。mildグループおよびfullグループでは、ピオグリタゾンがFBGを減少させる能力は処置の7週間後に若干見られ、レベルはそれぞれ6.6±1.3mMおよび6.7±0.9mMに達した。これらのデータは、ピオグリタゾンが、疾患の進行した段階の動物(fullグループおよびmildグループ)において効果がはるかに弱いことを示している。
脂質代謝に対するピオグリタゾンの効果
完全糖尿病ZDFラット(fullグループ)のピオグリタゾンによる処置では、媒体と比較して血漿トリグリセリドレベルが69.5±5.2%と強力に減少された。TGレベルの改善は処置の開始後早期(2週間)に観察され、処置全体を通じて持続された。しかしながら、血漿TGレベルは、ZLラットよりも有意に高いままであった(2.9±0.6mM vs. 1.1±0.1mM、p<0.01)(図10A)。また、血漿TGの減少と平行する血漿NEFAレベルの若干の改善が観察された(データ示さず)。血漿TGを低下させるピオグリタゾンの効果は、mildグループおよびfullグループで同程度の大きさであった。対照的に、ピオグリタゾンは、lowグループの高トリグリセリド血症をほとんど完全に即座に正常化した。処置の終了時、lowグループの平均血漿TGレベルは、fullグループのレベル(1.6±0.1mM vs. 2.8±0.5mM)より有意に低く、非糖尿病ZLグループの値(1.1±0.1mM)近くに達した。
興味深いことに、ピオグリタゾンは、どの処置グループにおいても血漿総コレステロールレベルを変化させなかった(図10B)。総コレステロールレベルは、低いレベルの非糖尿病ZLグループ(2.2±0.1mM、p<0.01)と比較して、全てのZDFグループでピオグリタゾン処置ありでもなしでも高いままであった。ピオグリタゾンによりTCが低下しないことは、リポタンパク質粒子に変化がないことを意味しない。実際、ピオグリタゾンはLDLcおよびVLDLcを減少させ、TCレベルを変化させずにHDLcを増加した可能性がある。この質問に対処するためには、FPLC分離と血漿のリポタンパク質組成の分析が必要であろう。
インスリン抵抗性に対するピオグリタゾンの効果
処置の6週間後、ピオグリタゾンは全てのグループで絶食時インスリンレベルを同程度のレベルに減少させた(full、mild、およびlowグループ:それぞれ2.0±0.4、1.6±0.3、および1.7±0.1ng/ml)。HOMA値は、fullグループがmildグループまたはlowグループよりもなおインスリン抵抗性であることを示した(14.1±2.7(full)、10.9±1.9(mild)、および9.4±0.8(low))。
lowグループにおけるピオグリタゾンによる代謝パラメータ、グルコース耐性およびインスリン抵抗性の有意な改善にもかかわらず、HOMA値はZL(2.0±0.1)より更に重要であった。全てのグループで、処置の7週間後にベースラインと比較してピオグリタゾンによる処置によりアディポネクチンレベルが3〜5倍増加し(データ示さず)、インスリン感作作用が確認された。
このように、本発明は、糖尿病ラットを作製する方法であって、離乳後1〜2週間、ラットを高脂肪飼料で飼育する工程を含む方法に関する。好ましい態様では、ラットはZDFラットである。高脂肪飼料は、本明細書に記載の糖尿病誘発性飼料である。
高脂肪飼料は、6%を超える脂肪、好ましくは10%を超える脂肪(飽和および/または不飽和)を含有する飼料である。固形飼料は、6%以下の脂肪、好ましくは約4.5>%脂肪(飽和および/または不飽和)を含有する。
ラットの離乳は5〜6週齢より後に行うことが好ましい。好ましい態様では、高脂肪飼料はKliba 2437を含む。最も好ましい態様では、ラットを離乳後2週間、高脂肪飼料で飼育する。
本方法で作製される動物の重要な利点の一つは、糖尿病が可逆性であるため、介入療法用の化合物を同定できるということであって、一方、既知のモデルでは糖尿病の誘発が可逆性でないので、予防処置用の化合物しか同定できない。
本発明はまた、糖尿病を回復させることができる化合物を同定する方法であって、a)ラットを離乳後1〜2週間、高脂肪飼料で飼育し、その後固形飼料で飼育する工程と、b)対象となる化合物を投与する工程と、c)該化合物により糖尿病が回復したかどうかを決定する工程とを含む方法を提供する。ラットはZDFラットであることが好ましい。糖尿病ラットは、先に記載した方法により生産されたラットであることが、より好ましい。糖尿病を回復させることができる化合物は、基準化合物の効果と比較した場合に、または媒体のみと比較した場合に、糖尿病の指標であるパラメータを非糖尿病対照動物に匹敵するレベルにまで回復させる化合物である。基準媒体である負の対照と比較して上記化合物による糖尿病の回復は、例えば血糖値の減少、HbA1cの、好ましくは未処置ZLラットのレベルと同様のレベルへの減少、高インスリン血症の減少、FBGの減少、AUCの減少、高トリグリセリド血症の減少でありうる。化合物による糖尿病の回復を決定するために、上記パラメータの任意の1つまたはその組み合わせ、またはその全てを決定することができ、それらの値をさらに別のパラメータの測定値と組み合わせてもよい。このような別のパラメータは、例えば膵臓(β細胞)、腎臓(糸球体硬化症)、および眼(白内障、微小血管の変化)等の重要な器官の構造の検査を含みうる。タンパク尿症およびアルブミン尿症の分析により、このT2Dの新しいモデルの特徴付けが完成するであろう。さらに、通常のZDFラットは軽度の高血圧であるとされているので、この新しいモデルの高血圧度を決定することも重要であると考えられる。
本ZDFラットモデルのような、T2D、インスリン抵抗性、および異常脂質血症の特徴を有する動物モデルに対するPPARガンマまたはPPARアルファガンマの突出した有益な効果に関する研究は、これまでに報告されていない。既存の研究では、代謝プロフィールの改善は、PPARアルファガンマアゴニストによる予防療法(内部データ、Shibata et al., 1998)、または糖尿病のごく初期のZDF(8週齢、インスリン抵抗性なし、中等度高血糖症)でのみ達成された(PICKAVANCE, L., C., BRAND, C., L., WASSERMANN, K. & WILDING, J., P.H. (2005). The dual PPARalpha/gamma agonist, ragaglitazar, improves insulin sensitivity and metabolic profile equally with pioglitazone in diabetic and dietary obese ZDF rats. British journal of pharmacology, 144, 308-16.
;Brand et al., 2002)。中等度T2Dの本モデルを特徴付けるため、ヒトで広く使用されているピオグリタゾン(Actos(登録商標))を検討した。げっ歯類モデルでは、経口投与の場合、ピオグリタゾンは3〜30mg/kg/dの範囲の投与量で効力が証明された。肥満でインスリン抵抗性のZucker fa/faラットにおいて得られたデータにより、10mg/kg/dが極めて有効な投与量(最大ではないが)であることが示された。
本研究では、成体ZDFラットを安定に中等度糖尿病にし、抗糖尿病薬による介入療法に高感受性にする実験条件を決定した。本研究は、5〜6週齢ZDFラットを4週間のみ高脂肪飼料に限定することにより、高脂肪飼料で継続的に維持されたZDFラットと同程度に糖尿病にさせることを示した。これらの高度に糖尿病の動物はピオグリタゾン処置に対する感受性が弱い。対照的に、高脂肪飼料で飼育する期間を4週間から2週間に減らし、その後通常の固形飼料にもどすことにより、糖尿病の病状(高血糖症、抗トリグリセリド血症)の発病と重症度を遅らせ、明白なインスリン抵抗性を防ぎ、β細胞不全を防止し、グルコース不耐性の程度を制限した。この遅延中等度T2D ZDFモデル段階は研究の11週間ずっと維持され、抗糖尿病薬による介入療法に対してはるかに感受性であった。
本明細書に示すデータにより、高脂肪飼料で4週間飼育すると不可逆的にZDF完全糖尿病になるが、2週間ではならないことが示された。これらのデータは、ZDFラットにおける糖尿病誘発性飼料による4週間の飼育中のある時点でラットは糖尿病が進行した段階に進み、おそらくβ細胞不全を伴うことにより、薬剤療法に対して感受性が少なくなることを示唆している。この差は、脂質毒性または糖毒性がより大きいせいである可能性がある。処置なしでは、lowグループには代償性高インスリン血症が見られたが、これは高血糖症を正常化するには不十分なものであった。最後に、17週齢でインスリンレベルが減少し始めたが、これは多分β細胞不全を反映しているものと思われる。ZDFラットにおけるインスリン濃度の減少は、インスリン含有量減少に関連する膵β細胞の欠陥機能により生じたようである。研究の終わりまでインスリン分泌は高いままであり、2週間の糖尿病誘発性飼料が12週齢のZDFラットの膵島中のインスリン含有量を増加させたものと思われた。2週間の糖尿病誘発性飼料は高血糖症を減少しトリグリセリドの蓄積を遅らせたことから、lowグループで観察されたβ細胞機能の維持は、β細胞不全がβ細胞への負荷が上昇した結果であるという考察と一致している。中等度糖尿病のZDFラット(lowグループ)と同程度の代謝障害を誘発するためには、糖尿病誘発性飼料で1週間飼育することで十分かもしれない。
ピオグリタゾンは全てのグループで末梢組織におけるインスリン感受性を増大する(ピオグリタゾンによる処置でアディポネクチンレベルが3〜5倍増加)ので(Shibata et al., 1998)、ピオグリタゾンはインスリン感受性を改善することによりβ細胞の働きすぎを抑制し、次いで高血糖症と高脂血症を予防すると考えられる。
本研究で、ピオグリタゾンは高血糖症と高脂血症とを予防したが、血清コレステロールレベルに対する効果は観察されなかった。PPARアルファが脂質代謝を調節することが報告され(BRAND, C., L., STURIS, J., GOTFREDSEN, C., F., FLECKNER, J., FLEDELIUS, C., HANSEN, B., F., ANDERSEN, B., YE, J., MING, SAUERBERG, P. & WASSERMANN, K. (2003). Dual PPARalpha/gamma activation provides enhanced improvement of insulin sensitivity and glycemic control in ZDF rats. In American journal of physiology. Endocrinology and metabolism. pp. E841-54. United-States.: NLM.;PICKAVANCE, L., C., BRAND, C., L., WASSERMANN, K. & WILDING, J., P.H. (2005). The dual PPARalpha/gamma agonist, ragaglitazar, improves insulin sensitivity and metabolic profile equally with pioglitazone in diabetic and dietary obese ZDF rats. British journal of pharmacology, 144, 308-16.)、ZDFに対するコレステロール低下効果はPPARアルファ/ベータ二重アゴニストを用いて説明されている。
従って、本発明は、成体ZDFラットを(1)安定的に中等度糖尿病にする、(2)抗糖尿病薬による介入療法に完全に感受性にする、実験条件を初めて提供する。
参考文献
その他の文献は、以下に示す通りである。
Figure 2007020569
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略語リスト
AUC 曲線下面積
BRdU ブロモデオキシウリジン
BW 体重
FBG 絶食時血糖
FPLC 高速液体クロマトグラフィー
HbA グリコシル化ヘモグロビンA1
HDLc 高密度リポタンパク質コレステロール
HGP 肝臓グルコース生産
HOMA インスリン抵抗性指数
LDLc 低密度リポタンパク質コレステロール
NEFA 非エステル化脂肪酸
OGTT 経口グルコース耐性試験
PAS 過ヨウ素酸シッフ試薬
PPAR ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体
SEM 平均値の標準誤差
T2D 2型糖尿病
TC 総コレステロール
TG トリグリセリド
VLDLc 超低密度リポタンパク質コレステロール
WAT 白色脂肪組織
WI 水取り込み
ZDF Zucker糖尿病肥満ラット
ZL Zucker低脂肪質ラット
実施例1:動物
この研究では、5週齢の非糖尿病雄ZDFラット(ZDF fa/faまたはZDF)および低脂肪質同腹仔(年齢一致)ラット(ZDF+/?またはZL)をCh. River Laboratoriesから購入した。動物を12:12昼夜サイクル(点灯午前6:00〜午後6:00)、温度22〜24℃、湿度50〜60%の室内で3〜4匹/ケージに入れた。ラットには自由に摂食させ、水を常時飲めるようにした。新鮮な餌を毎週供給し、水を週2回交換し、ケージを週3回清掃した。
非機能性レプチン受容体に対して同型接合の雄ZDFラット(fa/fa)は、肥満、高脂血症、および高血糖症を発症する。対照的に、同型接合の優性
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および異型接合
Figure 2007020569
遺伝子型のラットは、低脂肪質、正常血糖、および非糖尿病である(表1)。
ZDFおよびZLラットを5週齢で発注した。到着後に1週間順応させ、短時間の麻酔(イソフルラン)後に6週齢ラットの眼窩後方から1mlの血液を採集した。グルコース、インスリン、トリグリセリド、NEFA、コレステロールの血漿レベル、およびBWにしたがって、ラットをZDF肥満ラット10匹ずつの6グループにランダムにふりわけた。ZLラット10匹の1グループを、研究期間にわたって対照グループとして構成し、追跡した(図3)。3グループのZDFラットを、飼料混合物として媒体(未処置)またはピオグリタゾン(処置)のいずれかを与えた。それぞれの未処置/処置グループのZDFラット中、1つを11週間(fullグループ)、1つを4週間(mildグループ)、または1つを2週間(lowグループ)、高脂質飼料で飼育した。
実施例2:飼料および処置調製飼料
処置飼料は経口投与し、飼料混合物として調製した。この投与法は、動物のストレスを減らし、投与量の誤差を避け、手間を最少にするために、経口強制給餌より好ましい。ピオグリタゾン(90kgの飼料に十分な量)を18Lの水に溶解した。各10匹のラットの3つの処置グループに対し、6Lの溶液を30kgの糖尿病誘発性飼料(7%の脂質を含むKLIBA 2437)と組み合わせるか、または12Lを60kgの固形飼料(Kliba 3436)と混合した。飼料を40℃を超えない温度で注意深く乾燥し、ペレットとした。平均飼料消費量を約100g/kg体重/日と仮定すると、各動物はピオグリタゾンを10mg/kg体重/日の用量で摂取すると予想される。グラフと表は、期待される1日あたりの投与量によるデータを表す。研究中、飼料摂取を毎日記録し、各ラットが平均100g飼料/kg体重/日を消費したことを確認した(データ示さず)。
以下の詳細なプロトコールを非制限的実施例として使用した。
5週齢の60匹のZDF/GMI-fa/faのグループおよび10匹のZDF/GMI-+/?低脂肪質ラット(GMI/Charles River)のグループを、高炭水化物飼料(KLIBA 2437、35%デンプン、5%スクロース)で飼育した。ラットの低脂肪質ZDFグループを対照として確保した。
順応期の5日後、午前9時にイソフルランによる短い麻酔後に眼窩後方から1mlの血液を採集した。グルコース、インスリン、トリグリセリド、NEFA、コレステロールの血漿レベル、および体重により、ラットを6グループの10匹のZDF肥満ラットと1グループの10匹のZDF低脂肪質ラットにランダムにふりわけた。6グループ中の3グループを媒体で処置し、3グループをピオグリタゾンで処置した。各1グループを12週間、4週間、または2週間、高脂肪飼料で飼育した。同じスロットの4匹のラットをベースライン組織病理学測定に用いた。
グループ1には、ZDF KLIBA MIX1媒体緩衝液を含む飼料2437を適宜与えた。
グループ2および3には、ZDF KLIBA MIX2媒体緩衝液を含む飼料3430を適宜与えた。
グループ4には、ZDF KLIBA MIX3(ピオグリタゾン10mg/kg飼料2437)を適宜与えた。
グループ5および6には、ZDF KLIBA MIX4(ピオグリタゾン10mg/kg飼料3430)を適宜与えた。
グループ7(低脂肪質)には、ZDF KLIBA MIX1媒体緩衝液を含む飼料2437を適宜与えた。
様々な血液および血漿パラメータのために、2週間毎にイソフルランによる短い麻酔後に眼窩後方より1mlの血液を採取した。処置の最初、中間、および最後に尿検査用ストリップ(Bayer製Labstix)を用いて尿パラメータを採集した。
7週間の処置後、6匹の絶食ラットにOGTTを行った。1週間後、全ての動物に給餌条件で、イソフルランによる短い麻酔後に眼窩後方より2.5mlの血液を採取した。最後に、グループあたり7匹のラットを最後の採血後に屠殺し、肝臓を取り出して秤量した。1週間後に、組織学的および免疫組織学的検査のため、グループあたり3匹の残りのラット(OGTTグループから)にE. Atzpodienを与えた。
処方:
18L水性媒体中に化合物(9g)を分散
30kgの粉砕飼料2437中に6L溶液を混合し、KLIBAによって試料を嗜好化
60kgの粉砕飼料3430中に12L溶液を混合し、KLIBAによって試料を嗜好化
飼料:
12週間、4週間、または2週間にわたってZDF飼料(Kliba 2437±化合物)
ZDF安定飼料(Kliba 3430±化合物)
飼料組成(Kliba 2437およびKliba 3436)
ZDFラット2437用特別飼料
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小げっ歯類
汎用飼料、押出成型品
3436
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Figure 2007020569
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所与の値は空気乾燥飼料成分で計算した平均値。
市販形式:3436.0.13:12.5kg紙袋中に15mmの押出物
3436.0.12:12.5kg紙袋中に15mmの押出物
密封ポリエチレン内袋
実施例3:化学製品
ピオグリタゾン[(±)-5-[[4-[2-(5-エチル-2-ピリジニル)エトキシ]フェニル]メチル]-2,4-]は分子式C19H20N2O3S・HClと分子量392.90ダルトンを有する。構造式は以下の通り:
Figure 2007020569
ピオグリタゾンはSequoia(UK)により供給され、商品名Actos(登録商標)で登録されている。
実施例4:血液・器官採取および生化学分析
血液の採取は、給餌時間帯の2〜5時間後と、最後の経口投与の2時間後に、常に午前中(午前9〜11時)に行った(飼料は午前7時に除去した)。軽く麻酔(イソフルラン)したラットから、EDTAを含むチューブ中に眼窩後部から血液(約200μL)を採取し、遠心処理(6000rpm、20分、4℃)するまで氷上に保存した。血液採取の時間経過は、6週齢に始まり、ベースライン(10週)、ならびに処置の2週間、4週間、5週間、および7週間後(すなわち、それぞれ12、14、15、および17週目)であった。
主な血漿生化学パラメータ(グルコース(Gluco-quant、例えばRef. 1447513)、TG(例えば11730711)、TC(CHOL(例えば11491458)、NEFA(カタログ番号11 383 175 001);全てRoche Molecular Diagnosticsより)を蛍光法で定量した。HbA1c(%)の定量を、免疫比濁分析(Tina-quant、例えばRoche Molecular Diagnosticsの11822039)を用いて全血において行った。グリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)は、グルコースの正常ヘモグロビン(HbA)への非酵素的共有結合付着により形成される。赤血球中、HbA1cへ変換されるHbAの速度は、血糖の平均割合と共に増加する。HbA1cは赤血球中で約10週間安定であるので、そのレベルは測定前数週間の血糖バランスを反映する。HbA1cは、糖尿病合併症と、HbA1cを減少し、それに応じて合併症のリスクを減少する介入処置の予測因子である(UKPDS, 1998)。HbA1c(%)は次のように計算した:HbA1c(%)=87.6(HBA1c/Hb)+2.27。
市販のELISAキット(LINCO(登録商標))を用いて、インスリンとアディポネクチンの血漿濃度を定量した。アディポネクチンは、インスリン感受性と絶食血漿インスリン濃度と負の相関関係にあるアディポカインである(GOLDSTEIN, B.J. (2002). Insulin resistance as the core defect in type 2 diabetes mellitus. American Journal of Cardiology, 90, 3G-10G.)。アディポネクチン血漿濃度はT2D患者で減少しており、脂肪細胞で生産されるという事実にもかかわらず、個体がより肥満になるにつれてアディポネクチンが減少し、インスリン抵抗性が増加する(MATSUZAWA, Y., FUNAHASHI, T. & NAKAMURA, T. (1999). Molecular mechanism of metabolic syndrome X: contribution of adipocytokines adipocyte-derived bioactive substances. Annals of the New York Academy of Sciences, 892, 146-54.
)。
経口グルコース耐性試験(OGTT)を各グループの動物10匹中の6匹で行った。処置の6週間後(16週齢)、ラットを終夜(約16時間)絶食させた。そして、ベースライングルコースとインスリン測定用に、意識のある動物(尾静脈)から血液を採取した。次いで動物にグルコースを経口投与(1g/kg体重)し、血漿グルコースの時間経過を直接血糖濃度測定(GlucoTrend(登録商標))により+15分、+30分、+60分、および+120分で決定した。グルコース負荷後の血糖濃度の漸進的変化の研究は、生物がグルコースを使用する能力に関する情報を与える。台形法則を用いて、120分間のグルコース濃度の曲線下面積(AUC)としてグルコース耐性を計算し、ベースラインからの変化(ΔAUC)を計算した。OGTT中、絶食インスリンおよび絶食血糖(FBG)レベルを考慮してHOMA指数も評価した。HOMA:[FBG(mM)(絶食インスリン(μU)/22.5)]。HOMA指数により、末梢インスリン抵抗性が解釈される。インスリンの測定をMercodia Rat Insulin ELISAキットを使用して行った。
研究の終わりとして、ラットを断頭して屠殺(軽く麻酔後)し、全動物から血液を採取して、組織学的および免疫組織学的検査のために器官(膵臓、肝臓、腎臓、WAT、眼)をグループあたり3匹の動物から取り出した。
実施例6:体重/飼料摂取測定
電子天秤を用いてオンラインデータ取得システム(DATATOX)により体重と飼料消費を記録した。
実施例7:組織病理学および免疫組織化学的解析
7週間の処置期間の終わりに、全ての動物をCO2で屠殺し、放血し剖検した。剖検の6時間前にグループあたり3匹のラットに100mg/kgのBrdU(ブロモデオキシウリジン、生組織中の増殖(生存)細胞を検出するために用いられる一般的な化学薬品)を腹腔注入した。肝臓、腎臓、膵臓、および腸間白色脂肪組織(WAT)を試料採取し、10%緩衝ホルマリン中で少なくとも24時間固定した。さらに、透過型電子顕微鏡検査用に、膵臓および腎臓片を、0.1M Na-カコジラート緩衝液(pH7.4)中の2mg/mLのCaCl2と共に2%ホルムアルデヒドおよび2.5%グルタルアルデヒドで固定した。固定後、全ての器官をParaplast中に包理した。2〜3μmで切片を切り出し、以下のように染色した:ヘマトキシリンエオシン(HE):肝臓、腎臓、膵臓、WAT;PAS:腎臓;Fat Red:凍結腎臓切片。膵臓切片を含むスライドを、BrdU、インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、またはBrdUとインスリンの双方を検出するための抗体で染色し、免疫組織化学的評価を行った。
実施例8:データ収集および解析
全ての生データ(全体的パラメータ(BW、FI)、および血液・血漿パラメータ)を手動またはエクセル表上で収集し、フォーマット化したエクセルシート中に電子化し、毎日バックアップを行う守秘Rocheサーバー上に記憶した。数値は平均値±SEMとして解析した。
データは平均値±SEMとして表される。非正規分布データに対する不対t検定またはMann-Whitney検定により、糖尿病(ZDF)および低脂肪質対照間でパラメータを比較した。各パラメータに対する飼料の効果を、異なる飼料グループのそれぞれの数値とfullグループ中の数値とを、対照との多重比較のための1方向ANOVAとその後のDunett検定によって比較することにより測定した。各処置グループとそのそれぞれの対照未処置グループ間の差の有意性を、t検定またはMann-Whitney検定により評価した(分散均一性を試験するためには、F検定を先に行う)。
Windows用ソフトウエアSTATVIEW(バージョン5.01、SAS Institute, Inc., SAS Campus Drive, Cary, NC27513)を用いてデータ解析を行った。
代謝欠陥のまとめ:器官と経路の関係を示す図である。(1)糖代謝と脂質代謝の間の相互関係と、(2)インスリン抵抗性およびT2Dをもたらす因子および障害とをまとめたスキームを示す(Prospects of research in Diabetes Mellitus, JAMA, 2001;285:628-632から)。 雄ZDFラットにおける代謝パラメータの年齢依存性変化を示す図である。 研究設計を示す図である。糖尿病誘発性飼料(黄色バー)または固形飼料(黒直線)で飼育したZDFラットで行った異なる飼育期間を表す研究設計スキームを示す。低脂肪質ZDF(ZL)ラットを全研究期間中、糖尿病誘発性飼料で飼育した。ピオグリタゾン処理(赤線で表示)を10週齢で開始し、17週齢まで行った。各グループは10匹のラットで構成した。グルコース耐性試験(OGTT)を処置期間の最後に行った(処置6週間後)。生化学分析のために、処置前および処置中に数回、血液を採取した。6匹のラットのみをOGTTを行う対象とした。 糖尿病誘発性飼料および/または固形飼料で飼育したZDFラットにおけるグルコース、HbA1c、およびインスリンレベルの変化を示す図である。グループあたりN=8〜10。データは平均値±SEMで表す。ZDFおよびZLはベースラインで6週齢であった(処置-4週間)。p<0.05または**p<0.01(fullグループと比較)、ANOVAに続いてDunnettポストホック検定。Mann-Witney検定によりZLをfullグループと比較。 10週間の飼育後のZDFラットのグルコース耐性に対する飼料の影響を示す図である。グループあたりN=8〜10。**p<0.01またはp<0.05(fullグループと比較)。ANOVAに続いてポストホックDunnett検定。Mann-Whitney検定またはt検定によりZLをfullグループと比較。 糖尿病誘発性飼料および/または固形飼料で飼育したZDFラットにおける血漿TG、NEFA、およびTCレベルの変化を示す図である。グループあたりN=8〜10。データは平均値±SEMで表す。ZDFおよびZLはベースラインで6週齢であった(処置-4週間)。p<0.05または**p<0.01(fullグループと比較)、ANOVAに続いてDunnettポストホック検定。 ZLラットに対するZDFラットにおけるβ細胞の免疫組織化学を示す図である。インスリンに対する抗体を使用してインスリンを染色した(免疫組織化学法)。代表的な写真を示す(グループあたりn=6中)。 fullグループにおけるグルコースパラメータ(グルコース[A]、HbA1C[B]、およびインスリン[C])に対するピオグリタゾン(10mg/kg)の効果を示す図である。処置を10週齢で開始し、飼料混合物として投与した。週齢一致媒体未処置ZDFラットおよび低脂肪質(ZL)ラットを対照として使用した。数値は平均値+SEMで表す。グループあたりN=8〜10。**p<0.01またはp<0.05(それぞれの媒体処理ZDFラットと比較)。++p<0.01または+p<0.05(ZLラットと比較)。F検定後にT検定。 mildグループにおけるグルコースパラメータ(グルコース[A]、HbA1C[B]、およびインスリン[C])に対するピオグリタゾン(10mg/kg)の効果を示す図である。処置を10週齢で開始し、飼料混合物として投与した。週齢一致媒体未処置ZDFラットおよび低脂肪質(ZL)ラットを対照として使用した。数値は平均値+SEMで表す。グループあたりN=8〜10。**p<0.01またはp<0.05(それぞれの媒体処理ZDFラットと比較)。++p<0.01または+p<0.05(ZLラットと比較)。F検定後にT検定。 lowグループにおけるグルコースパラメータ(グルコース[A]、HbA1C[B]、およびインスリン[C])に対するピオグリタゾン(10mg/kg)の効果を示す図である。処置を10週齢で開始し、飼料混合物として投与した。週齢一致媒体未処置ZDFラットおよび低脂肪質(ZL)ラットを対照として使用した。数値は平均値+SEMで表す。グループあたりN=8〜10。**p<0.01またはp<0.05(それぞれの媒体処理ZDFラットと比較)。++p<0.01または+p<0.05(ZLラットと比較)。F検定後にT検定。 ピオグリタゾンによる処理6週間後の絶食血糖レベルおよびグルコース耐性を示す図である。A:FBGに対する効果;B:Δベースラインとして表されたAUCグルコースに対する効果;C:fullグループ、mildグループ、およびlowグループにおけるOGTT期間中およびピオグリタゾン処置6週間後に測定したグルコース変動曲線。グループあたりN=8〜10。**p<0.05(それぞれの媒体処置ZDFラットと比較)。++p<0.01または+p<0.05(ZLラットと比較)。F検定後にt検定。 異なる飼料グループ(fullグループ、mildグループ、およびlowグループ)におけるZDF脂質パラメータ(トリグリセリド[A]、コレステロール[B])に対するピオグリタゾン(10mg/kg)の効果を示す図である。処置を10週齢で開始し、飼料混合物として投与した。週齢一致媒体未処置ZDFラットおよび低脂肪質(ZL)ラットを対照として使用した。数値は平均値+SEMで表す。グループあたりN=8〜10。**p<0.01またはp<0.05(それぞれの媒体処置ZDFラットと比較)。++p<0.01または+p<0.05(ZLラットと比較)。F検定後にT検定。

Claims (6)

  1. 離乳後のラットを高脂肪飼料で1〜2週間飼育する工程を含む、糖尿病ラットを製造する方法。
  2. ラットがZDFラットである、請求項1記載の方法。
  3. 5〜6週間後に離乳させる、請求項1または2記載の方法。
  4. 高脂肪飼料がKliba 2437を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 糖尿病を回復させることができる化合物を同定する方法であって、
    a)離乳後のラットを高脂肪飼料で1〜2週間飼育し、その後固形飼料で飼育する工程、
    b)対象となる化合物を投与する工程、
    c)該化合物により糖尿病が回復したかどうかを決定する工程、
    を含む方法。
  6. ラットがZDFラットである、請求項5記載の方法。
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