JP2007019090A - ステージ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 磁場の変動が抑制されており、スループットの向上を図ることが可能なステージ装置を提供する。
【解決手段】 ステージ装置1は、ベースプレート10上に位置するステージプレート20をベースプレート10に対して略平行に移動せしめるものである。そして、ステージ装置1は、一方向に延在しており、ベースプレート10に略平行に配置され磁性を有するねじ部31と、ねじ部31に取り付けられねじ部31の軸線L周りの回転に伴ってねじ部31に沿って移動すると共に、磁性を有するナット32と、ベースプレート10とステージプレート20との間に配置されステージプレート20に固定されると共に、ナット32を保持するナットホルダ50と、ねじ部31の延在方向に延びており磁性材料からなる磁気シールド部60であって、ナットホルダ50とステージプレート20との間に配置される磁気シールド部60と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】 ステージ装置1は、ベースプレート10上に位置するステージプレート20をベースプレート10に対して略平行に移動せしめるものである。そして、ステージ装置1は、一方向に延在しており、ベースプレート10に略平行に配置され磁性を有するねじ部31と、ねじ部31に取り付けられねじ部31の軸線L周りの回転に伴ってねじ部31に沿って移動すると共に、磁性を有するナット32と、ベースプレート10とステージプレート20との間に配置されステージプレート20に固定されると共に、ナット32を保持するナットホルダ50と、ねじ部31の延在方向に延びており磁性材料からなる磁気シールド部60であって、ナットホルダ50とステージプレート20との間に配置される磁気シールド部60と、を備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電子ビーム露光装置等の電子ビームを利用する装置に好適に適用されるステージ装置に関するものである。
半導体ウエハなどを露光する電子ビーム露光装置などでは、ウエハを搬送したりチップ間移動をさせるために大きなストロークを持った粗動ステージ装置と、その粗動ステージ装置のステージプレート上に設けられており、数nm〜10nm程度の位置決めを行う微動ステージ装置とが利用されている。電子ビーム露光装置では、ウエハに露光する電子ビームの偏向や電子ビームを収束させるために磁場を利用しているため、磁場への影響を低減する観点から粗動ステージ装置及び微動ステージ装置としては、高真空(10―4Pa)化で動作し、更に非磁性であることが求められている。
従って、微動ステージ装置において、ステージを駆動する駆動機構には、ピエゾアクチュエータが利用されている。また、粗動ステージ装置においては、特許文献1に記載されているように、ステージを駆動する駆動機構には、超音波アクチュエータが利用されている。
特開2002−359170号公報
粗動ステージ装置の駆動機構として超音波アクチュエータを採用した場合、超音波アクチュエータを連続して運転させると発熱するため、超音波アクチュエータを冷却させる期間を設ける必要がある。そのため、超音波アクチュエータを有する粗動ステージ装置を備えた電子ビーム露光装置では、超音波アクチュエータの停止期間を設けなければならず、結果として、ステージ装置を利用した電子ビーム露光装置のスループットが低下する虞があった。
そこで、本発明に係るステージ装置は、磁場の変動が抑制されており、スループットの向上を図ることが可能なステージ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るステージ装置は、ベースプレート上に位置するステージプレートをベースプレートに対して略平行に移動せしめるステージ装置であって、一方向に延在しており、ベースプレートに略平行に配置され磁性を有するねじ部と、ねじ部に取り付けられねじ部の軸線周りの回転に伴ってねじ部に沿って移動すると共に、磁性を有するナットと、ベースプレートとステージプレートとの間に配置されステージプレートに固定されると共に、ナットを保持するナットホルダと、ねじ部の延在方向に延びており磁性材料からなる磁気シールド部であって、ナットホルダとステージプレートとの間に配置される磁気シールド部と、を備えることを特徴とする。
上記構成のステージ装置では、ねじ部が軸線方向に回転することによってナットが延在方向に移動する。ナットは、ナットホルダを介してステージプレートに連結されていることから、ステージプレートは、ナットの移動によってベースプレートに対してねじ部の軸線方向に移動する。このとき、ねじ部の回転やナットの移動によって生じる磁場は、磁性材料からなる磁気シールド部によってシールドされる。これにより、ステージプレートに対してベースプレートと反対側での磁場の変動が抑制されることになる。その結果として、例えば、電子ビーム露光装置などにステージ装置を利用しても、ねじ部及びナットから発生する磁場による電子ビームへの影響が低減される。
また、例えば、超音波モータを利用する場合のように、冷却のための停止期間を設けなくてもよいことから、ステージ装置を適用した装置(例えば、電子ビーム露光装置)のスループットが向上する。
また、本発明に係るステージ装置では、(1)ナットホルダは、ナットを収容するナット収容部であってステージプレートとの間に磁気シールド部を挟むように配置されるナット収容部と、ナット収容部から延びておりナット収容部とステージプレートとを連結する連結部と、を有し、(2)磁気シールド部は、ねじ部の軸線方向に延びる第1のベース部と第1のベース部の長手方向に延びる一対の縁部からベースプレート側に向けて設けられた第1の側壁部とを有する第1のシールド部材であって、第1の側壁部間にナット収容部が位置するようにナット収容部とステージプレートとの間に配置される第1のシールド部材と、ねじ部の軸線方向に延びており第1のベース部とステージプレートとの間に配置される第2のベース部を有しており、ベースプレートに略直交する方向の長さが第1のシールド部材の長さよりも短い第2のシールド部材と、を有し、第2のベース部の厚さは、第1のベース部及び第1の側壁部の厚さよりも厚いことが好適である。
第1のベース部に設けられた一対の第1の側壁部間にナット収容部が位置するように第1のシールド部材をナット収容部に被せていることから、ナットの移動によって発生する磁場を効率的にシールドできる。また、第1のベース部とステージプレートとの間に配置された第2のベース部の厚さが第1のベース部及び第1の側壁部の厚さより厚いので、ステージプレートにおいてベースプレートと反対側での磁場の変動がより生じにくくなっている。
また、ベースプレートに直交する方向において、第2のシールド部材の長さは、第1のシールド部材の長さよりも短いことから、ナット収容部の側方には主に第1のシールド部材が位置することになる。この場合、磁気シールド部を配置する空間のうちナット収容部の側方の部分を小さくすることができるので、ナット収容部とステージプレートとを連結する連結部をより大きくできる。その結果として、ナットホルダの剛性が向上することになり、ステージプレートの位置精度の向上が図られている。
更にまた、本発明に係るステージ装置では、第2のシールド部材は、第2のベース部が有しており軸線方向に延びる一対の縁部からベースプレート側に向けて設けられた一対の第2の側壁部と、第2のベース部が有しており軸線方向に略直交する方向に延びる一対の縁部からベースプレート側に延びる一対の第3の側壁部とを有することが好ましい。
上記構成では、ねじ部及びナットから発生した磁束は、第1〜第3の側壁部が有すると共にベースプレートと対向する端面、及び、第1の側壁部が有すると共にねじ部に直交する端面から放射されることになる。そのため、第1及び第2のシールド部材からは、ベースプレートに平行、又はベースプレート側に放射される。その結果として、ステージプレートに対してベースプレートと反対側での磁場の変動が抑制される。
更に、本発明に係るステージ装置が有する磁気シールド部は、ねじ部及びナットから発生し吸収した磁束線をベースプレートに平行又はベースプレート側に放射する磁束放射面を有することが好適である。上記磁束放射面を有することによって、磁気シールド部から放射される磁束は、ベースプレートに平行、又はベースプレート側に放射されることになる。その結果として、ステージプレートに対してベースプレートと反対側での磁場の変動が抑制される。
本発明のステージ装置によれば、磁場の変動を抑制し、且つ、スループットの向上が図られている。
以下、図面を参照して本発明に係るステージ装置の好適な実施形態について説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同じ符合を付すものとし、重複する説明は省略する。
図1〜図3に示すステージ装置1は、半導体ウエハ(以下、「ウエハ」という)などに電子ビームを露光する電子ビーム露光装置に適用されるものであり、一方向に延在し互いに平行なリニアガイド11,11が固定されたステージベース10(ベースプレート)を有する。ステージ装置1の電子ビーム露光装置への適用時において、ステージベース10は、電子ビーム露光装置内の真空チャンバ内に設けられた定盤に固定される。本実施形態では、リニアガイド11,11の延在方向をX軸として、X軸に直交する方向であってステージベース10の表面に直交する方向をZ軸方向とし、X軸及びZ軸に直交する方向をY軸方向とする。
ステージベース10上には、リニアガイド11,11に嵌合し摺動可能なガイド受け21,21が固定されたX軸テーブル20(ステージプレート)が設けられている。リニアガイド11,11とガイド受け21,21とが摺動可能であることからX軸テーブル20はステージプレートに対して平行であってX軸方向に移動する。すなわち、ステージ装置1は、X軸ステージ装置であり、ウエハを搬送したりチップ間移動をさせるために大きなストロークを持った粗動ステージ装置として利用される。
このステージ装置1の電子ビーム露光装置への適用時において、X軸テーブル20上には、ステージ装置1と同様の構成を有するY軸ステージ装置であってY軸方向に移動するY軸テーブルを備えたY軸ステージ装置が搭載される。なお、ステージ装置1上に搭載されるY軸ステージ装置のステージベースをX軸テーブル20としてもよい。そして、Y軸ステージ装置上には、数nm〜数十nmの精度でウエハの位置を調整する微動ステージ装置が搭載され、微動ステージ装置上に設けられたウエハに対して電子ビームが照射されることになる。
前述したように、ステージ装置1は、電子ビーム露光装置で利用されるため、ステージベース10、リニアガイド11,11、ガイド受け21,21及びX軸テーブル20は、高真空環境(例えば、10―4Pa)下に適用可能であって非磁性な材質のものから形成されている。
図2及び図3に示すように、ステージ装置1は、X軸テーブル20を数十μm〜数μmの精度で駆動する駆動機構としてボールねじ30を有する。ボールねじ30は、X軸に延在するねじ軸としてのねじ部31と、ねじ部31にボール(不図示)を介して取り付けられたナット32とから構成されている。ねじ部31、ボール及びナット32は、ステージ装置1の位置精度を上げる観点及び耐久性の観点からクロムモリブデン鋼やステンレス鋼などから形成されており、磁性を有する。
ボールねじ30が有するねじ部31は、ねじ部31の軸線L方向に離れた一対のベアリングホルダ41,41によって軸線L周りに回転可能に保持されている。ベアリングホルダ41,41は、ステージベース10の中央部に形成されX軸方向に延在する溝部10a内においてステージベース10に固定されている。ベアリングホルダ41,41は、ステージベース10に、例えば、ねじ止めにより直接固定されてもよいし、固定部材91,92(後述)を介して固定されてもよい。これによって、ねじ部31はステージベース10に平行に配置されステージベース10に対して固定される。
ねじ部31の一端は、連結シャフトSに接続されており、連結シャフトSを介して真空チャンバ外の、例えば、ACサーボモータ(不図示)に接続される。これにより、例えばACサーボモータを駆動してねじ部31が回転すると、ベアリングホルダ41,41間でナット32がX軸方向(ねじ部31の軸線L方向)に移動する。
ステージ装置1は、ナット32を保持しX軸テーブル20に固定するためのナットブロック50を有する。ナットブロック50は、外形が略四角形状のナット収容部51を有しており、ナット32は、ナット収容部51に収容され、例えば、ねじ止めなどによってナットブロック50に固定されている。
また、ナット収容部51は、ナット収容部51の側部の下側(下半分の部分)から斜め上方(X軸テーブル20側)に延びるアーム部(連結部)52,52を介してX軸テーブル20からステージベース10側に向かって所定の距離離してX軸テーブル20に固定されている。アーム部52は、その端部がX軸テーブル20に形成された凹部状のアーム収容部20a(図3参照)に収容されており、例えば、X軸テーブル20の表面側からねじ止めされてX軸テーブル20に連結されている。これによって、ナット32の移動に伴いX軸テーブル20がリニアガイド11にガイドされながらX軸方向に移動する。
X軸テーブル20をX軸方向に移動させる場合、ねじ部31及びナット32は、磁性を有することから、ねじ部31の回転やそれに伴うナット32の移動によって磁場が発生する。この磁場をシールドするために、ステージ装置1では、ナットブロック50の移動範囲及びねじ部31のほぼ全長に渡って、透磁率の高い材料からなる磁気シールド部60が設けられている。
磁気シールド部60は、ナットブロック50とX軸テーブル20との間、より具体的には、X軸テーブル20、ナット収容部51及びアーム部52によって形成される空間内に配置されている。なお、Z軸方向のステージ装置1の高さを低くするために、X軸テーブル20の中央部には、磁気シールド部60を配置するための凹部20bを形成しておくことは好適である。
磁気シールド部60のX軸方向の長さは、ステージベース10のX軸方向の長さにほぼ等しく、ねじ部31を保持する一対のベアリングホルダ41,41間の距離よりも長くなっている。これにより、ねじ部31の全長をカバーできておりねじ部31の回転に伴う磁場をシールドできる。
磁気シールド部60は、第1のシールド部材70と、第2のシールド部材80とを有する。第1のシールド部材70は、厚さ約1mmであってニッケルを78%含有するPC(Ni-Mo,Cu-Fr)パーマロイからなるシールド材が、X軸方向から見て略U字状になるように成形されたものである。より具体的には、第1のシールド部材70は、X軸方向に延在する板状のベース部(第1のベース部)71を有しており、ベース部71が有しておりX軸方向に延びる一対の縁部にステージベース10側に向けて一対の側壁部(第1の側壁部)72,72が立設されている。
側壁部72,72のZ軸方向の長さは、ナットブロック50のZ軸方向の長さの約半分の長さであり、第1のシールド部材70は、ナット収容部51の上半分、すなわち、ねじ部31よりもX軸テーブル20側を覆うようにナット収容部51に被せられて配置されている。そして、第1のシールド部材70は、ステージベース10に固定されたシールド固定用の固定部材91,92に、例えば、ねじ止めにより固定されている。
また、第2のシールド部材80は、箱状であって、X軸方向に延在する平板状のベース部(第2のベース部)81を有し、ベース部81の4つの縁部のうち、X軸方向に延びる一対の縁部に側壁部(第2の側壁部)82,82が立設され、Y軸方向に延びる一対の縁部に側壁部(第3の側壁部)83,83が立設されている。第2のシールド部材80は、第1のシールド部材70上に配置されて、側壁部72,72の両端部で固定部材91,92に例えばねじ止めされてステージベース10に固定されている。
第2のシールド部材80は、第1のシールド部材70を構成する厚さ約1mmのシールド材が3枚積層されたものから構成されている。よって、ベース部81及び側壁部82,83の厚さD2は、ベース部71及び側壁部72の厚さD1よりも厚い。
また、第2のシールド部材80のZ軸方向の長さT2は、第1のシールド部材70のZ軸方向の長さT1よりも短く、第2のシールド部材80は、第1のシールド部材70の上部を覆うように第2のシールド部材80に被せられている。これにより、ナット収容部51の側方には、側壁部72が主に位置することになる。
アーム部52,52は、磁気シールド部60を配置する空間を形成するようにナット収容部51からX軸テーブル20に延びているが、上記のように、ナット収容部51の側方に側壁部72が主に位置するようになっていることで、ナット収容部51の側方での磁気シールド部60を配置する空間を小さくすることができている。これにより、アーム部52をより大きくできるので、アーム部52の剛性が高くなる。
上記構成のステージ装置1では、連結シャフトSを介してサーボモータの回転力がねじ部31に伝達される。そして、ねじ部31が回転するとナット32がX軸方向に移動する。ナット32は、ナットブロック50を介してX軸テーブル20に固定されているため、ナット32の移動に伴いX軸テーブル20がX軸方向に移動する。
ステージ装置1では、X軸テーブル20の駆動機構にボールねじ30を利用しているため、X軸テーブル20を所望の位置に高精度に移動させることが可能である。また、超音波アクチュエータのように冷却するために停止させる必要がないので、ステージ装置1を利用した電子ビーム露光装置でのスループットの向上を図ることができている。
また、ねじ部31の回転やそれに伴うナット32の移動によって磁場が発生しても、磁気シールド部60によって発生した磁場をシールドするために上記のようにボールねじ30を採用したことによって電子ビームが影響をうけにくい。
また、磁気シールド部60が、厚さ及び形状の異なる第1及び第2のシールド部材70,80を組み合わせたものであることが重要である。厚さのより薄い第1のシールド部材70をU字状とすることで、シールド材によってナット収容部51をより広く覆うことが可能であり、且つ、アーム部52を大きくしてY軸方向におけるアーム部52とナット収容部51との間の隙間を小さくすることができている。
これによって、ナットブロック50と磁気シールド部60とが干渉せずに磁気シールド部60を配置するための空間ができるようにナットブロック50がナット収容部51とアーム部52,52とから形成されていても、ナットブロック50の剛性の低下が抑制されている。従って、ボールねじ30の駆動力が、より確実にX軸テーブル20に伝達されることになる。また、第1のシールド部材70の上部に、第2のシールド部材80を配置することで、X軸テーブル20に向かう磁束をより確実にシールドでき、電子ビームへの影響をより低減できている。
また、図2及び図3に示すように、第1のシールド部材70のベース部71及び側壁部72が有する端面71a,72a,72bと、第2のシールド部材80の側壁部82及び側壁部83が有する端面82a,83aとは、ボールねじ30によって発生した磁場のうち第1及び第2のシールド部材70,80内を通った磁束を放射する磁束放射面として機能する。
そして、第1のシールド部材70は、U字状を有するため、端面71a,72bは、ZY平面に略平行になっている。また、端面72aは、ステージベース10側を向いている。また、第2のシールド部材80が箱状を有することから、端面82a,83aはステージベース10側を向いている。その結果、端面71a,72a,72b,82a,83aからは、ステージベース10に平行、又は下向きに磁束が放射される。言い換えれば、上向きの磁束の量が少ない。そのため、ボールねじ30によって発生する磁場が電子ビームに影響をより与えない。
次に、ステージ装置1をモデル化した実験装置による実験結果に基づいてより具体的に磁気シールド部による磁気シールドの効果について説明する。
図4(a)は、実験装置の上面図であり、図4(b)は、実験装置の側面図である。実験装置100は、床101上に一定の間隔で配置された台102,102によって支持されたボールねじ30を有する。ボールねじ30の材質は、SUS440Cであった。実験装置100においては、ねじ部31の延在方向をY軸とし、鉛直方向をZ軸とし、Y軸及びZ軸に直交する方向をX軸とした。
また、実験装置100は、ボールねじ30の中央部からX軸方向に約300mm離して磁力計104を配置した。そして、ねじ部31を回転させてナット32を図4においてY軸の負の方向に移動させたときに発生する磁場の変化を磁力計104で測定した。
実験において、先ず、ボールねじ30と磁力計104との間に磁気シールド部105を配置しなかった場合と磁気シールド部105を配置した場合の磁場の変化を測定した。この実験においては、磁気シールド部105は、厚さ1mmであって板状のPCパーマロイ(78%ニッケル)からなるシールド材を用いた。
図5(a)は、磁気シールド部105を配置しなかった場合の磁力計104の計測結果である。図5(b)は、磁気シールド部105を配置した場合の磁力計104の計測結果である。図5(a),(b)において、横軸は時間(秒)を示し、縦軸は、磁場強度(nT)を示している。
図5(a)に示すように磁気シールド部105がない場合には、20nT程度の変動がみられたが、磁気シールド部105を設けることで約半分の変動量である10nT程度になった。これにより、磁気シールド部105を設けることによってボールねじ30によって生じる磁場の変動を電子ビームに影響を与えない10nT程度まで低減できることが分かる。
次に、磁気シールド部105の厚さを変化させて磁場の変化を測定した。磁気シールド部105としては、PCパーマロイ(78%ニッケル)からなり厚さ1mmの平板形状のシールド材と、そのシールド材を2枚積層したシールド材とを利用した。
図6(a)は、磁気シールド部105の厚さを1mmとした場合の磁力計104の計測結果である。図6(b)は、磁気シールド部105の厚さを2mmとした場合の磁力計104の計測結果である。図6(a),(b)に示すように、磁気シールド部105の厚さが1mmの時の変動量は10nTであり、2mmのときの変動量は8nTであって、磁気シールド部105の厚さが厚いほどシールド効果があることが分かった。
更に、磁気シールド部の形状を変化させて磁場の変化を測定した。磁気シールド部としては、図4(a),(b)に示すような平板形状の磁気シールド部105と、図7に示すU字状の磁気シールド部106とを用いた。U字形状の磁気シールド部106を利用する際には、実験装置100において、磁気シールド部105の代わりに磁気シールド部106の側壁部が床101に平行になるように磁気シールド部106を配置した。なお、磁気シールド部106の厚さは、平板形状及びU字形状のもの何れも1mmとし、PCパーマロイ(78%ニッケル)から形成した。
図8(a)は、磁気シールド部105として平板形状のものを使用した場合の磁力計104の計測結果である。図8(b)は、U字状の磁気シールド部106を使用した場合の磁力計104の計測結果である。
図8(a),(b)に示すように、平板形状の磁気シールド部105を使用した場合の磁気変動は10nT程度であって、U字状にした場合は、8nT程度であった。従って、平板形状よりもU字状の方がシールド効果が高いことが分かった。
以上の実験結果より、磁気シールド部として、より厚いものをU字状にして配置することによってボールねじ30による磁場を効果的にシールドできることが分かる。従って、略U字状の第1のシールド部材70と箱状の第2のシールド部材80とを組み合わせた磁気シールド部60を利用することで、ボールねじ30を駆動源としたことによる電子ビームへの影響を効率的に低減できることになる。なお、ナットブロック50の剛性を確保して磁場をシールドする観点から第1のシールド部材70の厚さを第2のシールド部材80より薄くしていることは前述の通りである。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、磁気シールド部60は、第1及び第2のシールド部材70,80を有するとしたが、何れか一方でもよい。更に、第1のシールド部材70の形状は、U字形状のものに限らず、第2のシールド部材80の形状は箱状に限らない。第1及び第2のシールド部材70,80の形状は、磁束放射面が電子ビーム側に向いていない、すなわち、磁束放射面からステージベース10に平行、又はステージベース10に向かう方向に磁束が放射される形状であればよい。
更に、ナットブロック50では、アーム部52,52の端部は互いに離れているとしたが、それらは繋がっていてもよい。すなわち、ナットブロック50においてナット収容部51からX軸テーブル20に延びる連結部に磁気シールド部60を通す貫通孔が形成されているとしてもよい。
また、磁気シールド部60は、PCパーマロイから形成されているとしたが、高透磁率を有するものから形成されていればよい。磁気シールド部60の材質としては、パーマロイの他に、フェライトや電磁鋼板が例示される。
更に、上記実施形態では、ステージ装置1は、Y軸ステージ装置と組み合わされて、電子ビーム露光装置に利用される粗動ステージ装置として利用されるとしたが、ステージ装置1を単独で用いても良い。
また、第1及び第2のシールド部材70,80は、厚さ1mmのシールド材から構成されるとしたが、シールド材の厚さは、1mmに限定されない。また、第2のシールド部材80は、第1のシールド部材70を構成するシールド材を3枚積層したものとしたが、例えば、厚さ3mmのシールド材を利用してもよい。
1…ステージ装置、10…ステージベース(ベースプレート)、20…X軸テーブル(ステージプレート)、31…ねじ部、32…ナット、50…ナットブロック(ナットホルダ)、51…ナット収容部、52…アーム部(連結部)、60…磁気シールド部、70…第1のシールド部材、80…第2のシールド部材、71…ベース部(第1のベース部)、71a,72a,72b…端面(磁束放射面)、72…側壁部(第1の側壁部)、80…第2のシールド部材、81…ベース部(第2のベース部)、82…側壁部(第2の側壁部)、83…側壁部(第3の側壁部)、82a,82a,83a,83a…端面(磁束放射面)。
Claims (4)
- ベースプレート上に位置するステージプレートを前記ベースプレートに対して略平行に移動せしめるステージ装置であって、
一方向に延在しており、前記ベースプレートに略平行に配置され磁性を有するねじ部と、
前記ねじ部に取り付けられ前記ねじ部の軸線周りの回転に伴って前記ねじ部に沿って移動すると共に、磁性を有するナットと、
前記ベースプレートと前記ステージプレートとの間に配置され前記ステージプレートに固定されると共に、前記ナットを保持するナットホルダと、
前記ねじ部の軸線方向に延びており磁性材料からなる磁気シールド部であって、前記ナットホルダと前記ステージプレートとの間に配置される磁気シールド部と、
を備えることを特徴とするステージ装置。 - 前記ナットホルダは、
前記ナットを収容するナット収容部であって前記ステージプレートとの間に前記磁気シールド部を挟むように配置されるナット収容部と、
前記ナット収容部から延びており前記ナット収容部と前記ステージプレートとを連結する連結部と、
を有し、
前記磁気シールド部は、
前記ねじ部の軸線方向に延びる第1のベース部と前記第1のベース部の長手方向に延びる一対の縁部から前記ベースプレート側に向けて設けられた一対の第1の側壁部とを有する第1のシールド部材であって、前記一対の第1の側壁部間に前記ナット収容部が位置するように前記ナット収容部と前記ステージプレートとの間に配置される第1のシールド部材と、
前記ねじ部の軸線方向に延びており前記第1のベース部と前記ステージプレートとの間に配置される第2のベース部を有しており、前記ベースプレートに略直交する方向の長さが前記第1のシールド部材の長さよりも短い第2のシールド部材と、
を有し、
前記第2のベース部の厚さは、前記第1のベース部及び前記第1の側壁部の厚さよりも厚いことを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。 - 前記第2のシールド部材は、
前記第2のベース部が有しており前記軸線方向に延びる一対の縁部から前記ベースプレート側に向けて設けられた一対の第2の側壁部と、前記第2のベース部が有しており前記軸線方向に略直交する方向に延びる一対の縁部から前記ベースプレート側に延びる一対の第3の側壁部とを有することを特徴とする請求項2に記載のステージ装置。 - 前記磁気シールド部は、前記ねじ部及び前記ナットからの磁束線を前記ベースプレートに平行、又は前記ベースプレート側に放射する磁束放射面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のステージ装置。
Priority Applications (1)
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JP2005196444A JP2007019090A (ja) | 2005-07-05 | 2005-07-05 | ステージ装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017005183A (ja) * | 2015-06-15 | 2017-01-05 | 矢崎総業株式会社 | コイルユニット |
CN108987291A (zh) * | 2017-05-31 | 2018-12-11 | 捷进科技有限公司 | 半导体制造装置和半导体器件的制造方法 |
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2005
- 2005-07-05 JP JP2005196444A patent/JP2007019090A/ja active Pending
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