JP2007018895A - コネクタの保護構造 - Google Patents

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Satoru Fujiwara
覚 藤原
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Abstract

【課題】多数本の電線の接続を含む施工が容易で確実な防水が得られ、解体、再組立も容易にかつ確実に実施できるようにする。
【解決手段】ケーブル1a、1b中の多数本の電線2a、2bは、一対の合成樹脂製のコネクタ3a、3bにより接続されている。コネクタ3a、3b内には電線2a、2bに接続した接続端子が収納されている。
2つ割りの保護筒11をコネクタ3a、3bの周囲に被着し、両側の小径部の端部にブッシュング12を突き当て、このブッシュング12のテーパ面にスリーブ13を当接する。そして、スリーブ13をナット14によりコネクタ3a側に押さえ付け、ナット14を保護筒11のねじ部11aに螺合し、スリーブ13を介してブッシュング12を保護筒11の端部に固定する。かくすることにより、ブッシュング12は保護筒11の端に強く押し付けられると共に絶縁被覆9を緊締し、絶縁被覆9と保護筒11を固定し連結する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電線を接続したコネクタを保護するコネクタの保護構造に関するものである。
多数本の電線を束ねたケーブルをコネクタにより接続する場合に、温度等の環境変化によってケーブルに捩れや伸縮が生ずると、その負荷はコネクタにかかり、コネクタが破損するなどの虞れがある。
そこで、従来では信号線同士を個々にスリーブなどにより接続した上で、接続部をケースに納め、防水を兼ねて、ケース内に例えば粘着性絶縁剤を充填して固定し、保護する場合がある。
しかしこの方法では、配線の組み直しなどがあると、接続部の電線を切断して再度、新しいコネクタを使用して組み立てなければならず多大な処理時間を要する。
また、この従来の手順は施工が厄介であり、しかも夜間作業などにおいては、熟練者でなければ施工がなかなか困難である。
本発明の目的は、簡易にかつ確実に実施できるコネクタの保護構造を提供することにある。
上述の目的を達成するための本発明に係るコネクタの保護構造の技術的特徴は、ケーブルの絶縁被覆により被覆した複数本の電線同士の接続、解離を可能とし、後方に接続端子に接続した前記電線をそれぞれ引き出した一対のコネクタに対し保護筒により覆う場合において、前記保護筒の両端を前記ケーブルの絶縁被覆に固定し、前記ケーブルの捩れ、伸縮の変位を前記保護筒で受け、前記コネクタに伝達しないようにしたことにある。
本発明に係るコネクタの保護構造によれば、多数本の電線の接続を含む施工が容易に実施でき、解体、再組立も容易にかつ確実に実施可能で、ケーブルに捩り、伸縮が加わっても、コネクタに直接応力が加わることなく、接続特性に悪影響を与えることはない。
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は実施例の縦断面図、図2は分解斜視図であり、ケーブル1a、1b中の多数本の電線2a、2bは、一対の合成樹脂製のコネクタ3a、3bにより接続されている。コネクタ3a、3b内には接続端子が収納されており、これらの接続端子に電線2a、2bがそれぞれ接続されており、コネクタ3aと3bとを嵌合すると、双方の接続端子が電気的に接続されるようになっている。
なお、コネクタ3a、3b同士の間は図示しない合成ゴム製のシール部材により合わせ目から水が浸入しないようにされ、更に各電線2a、2bごとにコネクタ3a、3bのハウジングとの間がシール部材により同様にシールされているため、コネクタ3a、3bの前方又は後方からコネクタ3a、3b内に水が浸入することはない。
なお、本実施例1では電線2a、2bの本数が多く、コネクタ3a、3b同士の嵌合、解除に大きな力を必要とするため、例えばコネクタ3aにはカム溝4を有する回動レバー5が設けられ、カム溝4に相手側コネクタ3bに設けたピン6を係止して、回動レバー5の回動による両者のてこ作用によってコネクタ3a、3b同士を大きな力を要せずに嵌合、解離するようにしている。
コネクタ3aの後方には、合成樹脂製又は金属製の筒状プロテクタ7が連結されている。なお、コネクタ3bの後方にも同様な筒状プロテクタ7が配置され、コネクタ3aとほぼ対象の構造とされているが、以後、コネクタ3bの後方部の構造についての説明は省略する。
筒状プロテクタ7内のコネクタ3a側は、コネクタ3aの後部を覆うと共に嵌合する形状に形成され、コネクタ3aとの間に合成ゴム製のシール部材8が介在されており、筒状プロテクタ7への前方からの水の浸入が阻止されている。
更に、筒状プロテクタ7とケーブル1a、1bの絶縁被覆9との間に、合成ゴムから成る円筒状のグロメット10が介在されている。このグロメット10には、前方の小径孔10aと後方の大径孔10bとが形成され、小径孔10aには電線2aが挿通され、大径孔10bには絶縁被覆9が挿入するようにされ、絶縁被覆9の切口9aは小径孔10aと大径孔10bとの段部に当接するようにされている。
また、大径孔10bの内面及び外面には断面波形が形成され、この波形形状によって筒状プロテクタ7内への後方からの水の浸入が阻止されている。なお、この波形形状によるグロメット10の絶縁被覆9に対する摺動抵抗は、グロメット10の大径孔10bの内径、グロメット10の外径を調整して、後述する理由により筒状プロテクタ7の内面に対する摺動抵抗よりも大きくされている。
更に、これらのコネクタ3a、3b、両側の筒状プロテクタ7の周囲は、合成樹脂製又は金属製の略紡錘状とされた2つ割りの保護筒11によって覆われている。保護筒11の中央部はコネクタ3a、3bを収容するために大径とされ、両側にゆくにつれ小径とされている。また、保護筒11の両端部はケーブル1a、1bが通過し得る孔部が設けられ、筒状プロテクタ7の移動を制約している。保護筒11の両端には、合成ゴム製の略円筒形のブッシュング12が突き当てられ、ブッシュング12の外側のテーパ面に、このテーパ面に適合する環状形状の金属製スリーブ13が嵌合されている。
ブッシュング12、スリーブ13の上から金属製又は合成樹脂製のナット14が被着され、このナット14は保護筒11の端部に設けたねじ部11aに螺合され、内側に向けて設けた縁部11bによってブッシュング12をスリーブ13を介して保護筒11の中央側に向けて押さえ付けている。なお、保護筒11の内外面に補強用のリブ11cが形成されている。
このコネクタの組立については、先ずケーブル1aの絶縁被覆9を所定位置で切り取り、電線2aを所定の長さに切り揃える。次いで、図2に示すように絶縁被覆9に、ナット14、スリーブ13、ブッシュング12、グロメット10の順に挿着する。グロメット10を図1に示すように押し込んで絶縁被覆9の切口を小径孔10aと大径部10bとの段部に当接しておく。続いて、シール部材8を前端部に取り付けた筒状プロテクタ7をグロメット10上に挿着する。なお、コネクタ3b側については、コネクタ3bに筒状プロテクタ7を装着した状態を示している。
次に、各電線2aの芯線を露出し、芯線に接続端子を圧着により接続する。なお、この際に各電線2aにはコネクタ3a内への浸水を防止するための前述した図示しない円筒状のシール部材を挿着しておく。そして、電線2aを付設した全ての接続端子をコネクタ3aの後方から、それぞれの端子収容孔に挿着し、コネクタ3aを同様に処理したコネクタ3bと嵌合する。
なお、ケーブル1a、1bでは絶縁被覆9の内側に、ステンレス製のコルゲート管が内層されていることがあり、この場合にはケーブル1a、1b自体の捩回が困難なので、コネクタ3a、3bに接続したケーブル1a、1bから引き出した電線2a、2bを捩ることにより、コネクタ3a、3bを向かい合わせることができる。
続いて、筒状プロテクタ7をコネクタ3a側に引き寄せ、図示しない連結機構により筒状プロテクタ7の前端部をコネクタ3aの後部に嵌合し、シール部材8によりこの間を防水構造とする。この際に、グロメット10は絶縁被覆9に対しては緊く挿着されているために、筒状プロテクタ7を前方に移動しても、グロメット10が筒状プロテクタ7に追従して共に移動することはない。
その後に、2つ割りの保護筒11をコネクタ3a、3bの周囲に被着し、両側の小径部の端部にブッシュング12を突き当て、このブッシュング12のテーパ面にスリーブ13を当接する。そして、スリーブ13をナット14によりコネクタ3a側に押さえ付け、ナット14を保護筒11のねじ部11aに螺合し、スリーブ13を介してブッシュング12を保護筒11の端部に固定する。かくすることにより、ブッシュング12は保護筒11の端部に強く押し付けられると共に、絶縁被覆9を緊締し、結果的に絶縁被覆9と保護筒11は連結され、強固に固定される。
このようにして図3に示すように、保護筒11によりコネクタ3a、3b、両側の筒状プロテクタ7は機械的に保護され、コネクタ3a、3bの後方に連結した筒状プロテクタ7内への浸水は、シール部材8、グロメット10により防止され、ケーブル1a、1b内に水が入り込むことも阻止される。
また、使用中の温度などの環境変化によりケーブル1a、1bが捩回、伸縮しても、その捩回等の変位による応力は保護筒11によって受け止められる。また、この捻回等が内部等に伝達されても、少々の捩回等は筒状プロテクタ7内において電線2a、2bによって吸収される。
なお、コネクタ3a、3bにおける接続端子の位置を変更するなどの必要が生じて分解する場合には、ナット14を緩めて保護筒11を外し、筒状プロテクタ7をコネクタ3a、3bから外して外方にずらし、コネクタ3a、3b同士を解離してから接続端子を入れ換えれば容易に変更が可能となる。再組立については、先に説明した順序に従って行えばよい。
図4は実施例1で用いたケーブル1a、1bよりも、更に多数の電線2a、2bを有し、大径のケーブル1a、1bを用いた場合の縦断面図、図5は分解斜視図を示している。
コネクタ3a、3bに連結された筒状プロテクタ7’とケーブル1a、1bの絶縁被覆9間には、筒状プロテクタ7’の後方から、合成ゴムから成るフランジ付きの筒状で内外面に断面波型を形成したグロメット21が挿入され、筒状プロテクタ7’内は防水構造とされている。また、ケーブル1a、1bに対し絶縁被覆9上に合成樹脂製のケーブル固定具22が装着されると共に固定されている。
この固定具22は絶縁被覆9に対して外面をテーパ面としたスリット付きのスリーブ23を被着して、締付具24とナット25を用いてスリーブ23の内径を縮小して、絶縁被覆9に固定するようになっている。締付具24の内面はスリーブ23のテーパ面に外接するテーパ面とされ、その外周には外ねじ24aが刻設されている。また、ナット25は締付具24を覆い、その内ねじ25aは締付具24の外ねじ24aと螺合するようにされている。
締付具24のコネクタ3a側には2本のピン24bが突出されており、これらのピン24bは締付具24とグロメット21の間に挿入された多角リング26の2つの円弧溝26aにそれぞれ挿通されている。なお、多角リング26の外形の多角部26bは六角形などの多角形とされている。
また、コネクタ3a、3b、筒状プロテクタ7’、ケーブル固定具22の上に、合成樹脂製又は金属製の2つ割りの保護筒11’が被着され、ナット14により固定されている。そして、保護筒11’の内側には、多角リング26の多角部26bが嵌まり込む同形の凹部27が形成されている。
組立時には、ナット14、スリーブ13、ブッシュング12を絶縁被覆9に装着する。これらの部材は、ケーブル1a、1bが実施例1の場合よりも大きくなっているので、実施例1の部材よりも大型となっている。続いて、ケーブル固定具22をナット25、スリーブ23、締付具24、多角リング26の順に挿通し、最後にグロメット21、筒状プロテクタ7’を挿通する。
ここで、実施例1と同様に電線2aに接続端子を接続してから、全ての接続端子をコネクタ3aに挿着し、コネクタ3aを同様に処理したコネクタ3bと嵌合する。続いて、筒状プロテクタ7’とコネクタ3a側に引き寄せ、筒状プロテクタ7’をコネクタ3aに連結してから、絶縁被覆9と筒状プロテクタ7’の後部の隙間にグロメット21を押し込み、筒状プロテクタ7’の内部を防水構造とする。
続いて、ケーブル固定具22を絶縁被覆9上の所定位置に固定する。この場合に、先ずスリーブ23上に締付具24を被せ、締付具24のピン24bを多角リング26の円弧溝26aに挿入し、これらをできるだけ筒状プロテクタ7’側に寄せた上で、締付具24の外ねじ24aにナット25の内ねじ25aを被せる。ここで、ナット25を回転して内ねじ25aを外ねじ24aに螺合してゆくと、締付具24とナット25は相対的に引き寄せられ、締付具24の内面のテーパ面によりスリーブ23のテーパ面が締め付けられ、スリーブ23はスリットを狭めながら、その内径を縮小することにより絶縁被覆9上に強固に固定される。
その後に保護筒11’を周囲に被着すると、保護筒11’内に設けられた多角形の凹部27が多角リング26の多角部26bの位相と一致していなくとも、つまり角度がずれていても、多角リング26は円弧溝26aにより或る程度の角度だけ回動が可能であり、保護筒11’同士を強く合わせると、多角リング26が自然に回動して保護筒11’の凹部27内に嵌まり込む。続いて、実施例1と同様に保護筒11’のねじ部11aにナット14を螺合して、2つ割りの保護筒11’を一体化する。
これにより、ケーブル1aは保護筒11’に固定されることになり、ケーブル1aに捩れ、伸縮が加わっても、これらの力はブッシュング12を介して保護筒11’が受けることになる。更に、絶縁被覆9はケーブル固定具22の多角リング26を介して保護筒11’に固定されるので、保護筒11’によるコネクタ3a、3bの保護は確実となる。なお、保護筒11’の被着時における多角リング26の円弧溝26aの長さに相当する捩り分は、コネクタ3a側に伝えられるが、これらの捩りは電線2aが捩れることにより吸収される。なお、コネクタ3b側においてもこれらの作用は同じである。
実施例1の縦断面図である。 分解斜視図である。 組立状態の斜視図である。 実施例2の縦断面図である。 分解斜視図である。 組立状態の斜視図である。
符号の説明
1a、1b ケーブル
2a、2b 電線
3a、3b コネクタ
7、7’ 筒状プロテクタ
8 シール部材
9 絶縁被覆
10、21 グロメット
11、11’ 保護筒
12 ブッシュング
14、25 ナット
22 ケーブル固定具
23 スリーブ
24 締付具
26 多角リング

Claims (5)

  1. ケーブルの絶縁被覆により被覆した複数本の電線同士の接続、解離を可能とし、後方に接続端子に接続した前記電線をそれぞれ引き出した一対のコネクタに対し保護筒により覆う場合において、前記保護筒の両端を前記ケーブルの絶縁被覆に固定し、前記ケーブルの捩れ、伸縮の変位を前記保護筒で受け、前記コネクタに伝達しないようにしたことを特徴とするコネクタの保護構造。
  2. 前記絶縁被覆をゴム製ブッシュングにより締め付け、該ブッシュングをナットにより前記保護筒に固定することを特徴とする請求項1に記載のコネクタの保護構造。
  3. 前記絶縁被覆に固定具を固定し、該固定具が前記保護筒の内側に嵌合し前記絶縁被覆と前記保護筒との相対的な回転を不能にすることを特徴とする請求項2に記載のコネクタの保護構造。
  4. 前記固定具の一部に多角形部を設け、該多角形部が前記保護筒内の多角凹部に嵌合するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のコネクタの保護構造。
  5. 前記多角形部は前記絶縁被覆の中心を中心にして若干角度回転自在として、前記保護筒の多角凹部に嵌合し易くしたことを特徴とする請求項4に記載のコネクタの保護構造。
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