JP2007016842A - メタルタッチ型の流体流通制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】メタルタッチ型のボールバルブにおいて、金属製の弁体と金属製のシートリングとの接触によるかじり現象を抑制乃至は阻止し、それら両者間のシール性を維持して、その耐久性を向上せしめること。
【解決手段】貫通孔(10)を有するボール形状の金属製弁体(6)に対して、円筒状の金属製シートリング(8)を直接に当接せしめ、かかる弁体(6)の回動によって、該弁体(6)の前記貫通孔(10)と該シートリング(8)の内孔(8b)との間の連通又は遮断を行なうようにしたメタルタッチ構造のボールバルブ(2)において、該シートリング(8)を、オーステナイト系ステンレス基地内部に微細球状炭化バナジウムが均一分散されてなる金属組織を有する鋳鉄にて形成した。
【選択図】図1
【解決手段】貫通孔(10)を有するボール形状の金属製弁体(6)に対して、円筒状の金属製シートリング(8)を直接に当接せしめ、かかる弁体(6)の回動によって、該弁体(6)の前記貫通孔(10)と該シートリング(8)の内孔(8b)との間の連通又は遮断を行なうようにしたメタルタッチ構造のボールバルブ(2)において、該シートリング(8)を、オーステナイト系ステンレス基地内部に微細球状炭化バナジウムが均一分散されてなる金属組織を有する鋳鉄にて形成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、メタルタッチボールバルブやメタルタッチドラムフィーダの如きメタルタッチ型の流体流通制御装置の改良に係り、特に、一軸回りに回動せしめられる回動体の外周面に対して、円筒状の金属製シートリングを直接に当接せしめ、かかるシートリングの内孔を導かれる流体の流通又は遮断を行ない得るようにしたメタルタッチ構造の流体流通制御装置において、そのシール特性を向上せしめる技術に関するものである。
従来から、流体流通制御装置の一つであるボールバルブ(ボール弁)は、弁体の開弁時に管路と同じ断面形状の流路が確保されるところから、流れがストレートであり、また圧力損失が少ない等の特徴を有しており、そのため、固形物の管路輸送時にも障害にはならない等の利点を有し、液状物の如き流体のみならず、粉体等の固形物の輸送管路にも、その流通又は遮断を行なうべく、用いられている。
そして、そのようなボールバルブの一つとして知られているメタルタッチ型のものは、例えば、特許文献1、2等に明らかにされているように、貫通孔を有するボール形状の金属製弁体と、円筒形状の金属製シートリングとを備え、かかる弁体に対して、シートリングを直接に当接して、押し付けることによって、それらの当接面におけるシールを図りつつ、弁体を、その中心を通る一軸回りに回動させることにより、かかる弁体の貫通孔とシートリングの内孔との間の連通又は遮断を行ない、以て、管路の流通又は遮断が実現されるようになっている。
しかしながら、この種のメタルタッチ型のボールバルブにあっては、弁体とシートリングとの間が金属同士の摺動となるところから、金属表面にとっては最も過酷な状態となって、軋み、かじり、焼付き等の問題が惹起され易くなるために、それらの摺動面の硬度を高める対策が採られ、例えば、金属製の弁体(ボール)には、自溶性合金溶射皮膜やハードクロムメッキ加工等の表面硬化処理が施される一方、シートリングには、その弁体側当接面に、ステライト等の硬質合金の肉盛による表面硬化処理が施されているのであるが、それら弁体とシートリングとの間のシール性は、必ずしも充分であると言い得るものではなかったのである。
例えば、そのような弁体とシートリングとの間の金属摺動部位が無潤滑(脱脂)状態になると、金属摺動特有の摩擦抵抗の増加や軋み等が発生し、更にシートリングに発生した引っ掻き傷が、弁体表面に転写され、それがまた、シートリングに傷をつけるといった、傷の転写の繰返しによって、弁体全体に拡散していくこととなり、これによって、バルブとしての完全なシール性が損なわれ、以て耐久的なシール性を確保することが極めて困難となるのであり、特に、弁内の流体が硬質の微粉体の場合にあっては、摺動部間に存在する微粉体によって発傷が促進され易くなるのである。
また、特許文献3においては、弁体とシートリングとのそれぞれの接触面に、セラミックス体を設けてなる構造のボール弁が、明らかにされているが、それら弁体やシートリングの本体は、基本的には、金属製とされており、そして、それら金属製の弁体本体やシートリング本体に対して、リング状や円弧断面形状のセラミックス体を一体的に固設してなる構造が、採用されているのであるが、それらセラミックス体をそれぞれ金属製の弁体本体やシートリング本体に一体的に設けることは、材質が異なるが故に、極めて困難であることに加えて、それらセラミックス体を、その目的とする形状に正確に形成することが難しく、そのために、弁体とシートリングとの間に隙間が発生し易いものであるところから、シール性において、信頼性が充分であるとは言い難いものであった。
なお、流体流通制御装置としては、上述のボールバルブの他、軸回りに回動せしめられる円筒形のドラムの外周面に対して、円筒状の金属製シートリングを直接に当接せしめ、かかるドラムの回動によって、該ドラムの外周面に設けた開口部と該シートリングの内孔との間の連通又は遮断を行なうようにしたメタルタッチ構造のドラムフィーダ等も知られているが、このドラムフィーダにおけるドラムの如き回動体とシートリングとの間のシール構造にあっても、事情は上記と同様であり、同様な問題が内在しているのである。
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、メタルタッチ型の流体流通制御装置において、金属製の弁体やドラムの如き回動体と金属製のシートリングとの接触によるかじり現象を抑制乃至は阻止し、それら両者間のシール性を効果的に維持して、その耐久性を向上せしめることにある。
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、一軸回りに回動せしめられる回動体の外周面に対して、円筒状の金属製シートリングを直接に当接せしめ、該シートリングの内孔を導かれる流体の流通又は遮断を行ない得るようにしたメタルタッチ構造の流体流通制御装置において、該シートリングを、オーステナイト系ステンレス基地内部に微細球状炭化バナジウムが均一分散されてなる金属組織を有する鋳鉄にて形成したことを特徴とするメタルタッチ型の流体流通制御装置を、その要旨とするものである。
また、本発明は、貫通孔を有するボール形状の金属製弁体に対して、円筒状の金属製シートリングを直接に当接せしめ、かかる弁体の回動によって、該弁体の前記貫通孔と該シートリングの内孔との間の連通又は遮断を行なうようにしたメタルタッチ構造のボールバルブにおいて、該シートリングを、オーステナイト系ステンレス基地内部に微細球状炭化バナジウムが均一分散されてなる金属組織を有する鋳鉄にて形成したことを特徴とするメタルタッチボールバルブをも、その要旨とするものである。
さらに、本発明は、軸回りに回動せしめられるドラムの外周面に対して、円筒状の金属製シートリングを直接に当接せしめ、かかるドラムの回動によって、該ドラムの外周面に設けた開口部と該シートリングの内孔との間の連通又は遮断を行なうようにしたメタルタッチ構造のドラムフィーダにおいて、該シートリングを、オーステナイト系ステンレス基地内部に微細球状炭化バナジウムが均一分散されてなる金属組織を有する鋳鉄にて形成したことを特徴とするメタルタッチドラムフィーダをも、その要旨とするものである。
このように、本発明に従うメタルタッチ型の流体流通制御装置にあっては、シートリングの材質が、オーステナイト系ステンレス基地内部に微細球状炭化バナジウムが均一分散されてなる金属組織を有する鋳鉄とされていることにより、そのようなシートリングと金属製の回動体との間の金属摺動が、かかる鋳鉄中に存在する微細球状炭化バナジウムにて有利に改善されるものと考えられ、それによって、回動体やシートリングの硬度をより一層高めることなく、回動体とシートリングとの接触によるかじり現象が効果的に抑制乃至は阻止され得て、それら回動体とシートリングの両者間のシール性が一段と向上され、以て、シール性の耐久性に優れたメタルタッチ型の流体流通制御装置、具体的にはボールバルブやドラムフィーダが、有利に実現され得たのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明が適用されるメタルタッチ型の流体流通制御装置の一つであるボールバルブの一例が、断面図の形態において示されている。そこにおいて、メタルタッチ型のボールバルブ2は、液体や粉体等の流体の輸送管路の一部を構成し、その両端に流体の出入り口となる開口部4a、4aを有する弁箱4と、この弁箱4内に設けられて、両端の開口部4a、4aに連通された弁室内に収納されたボール型の弁体6と、かかる弁室内において、弁体6の両側に配置されて、内端面が摺接せしめられる二つの円筒状のシートリング8、8とを含んで構成されている。
より具体的には、弁体6は、全体的にボール形状を呈し、その中心を通って貫通するように、弁箱4の両端の開口部4a、4aに接続される管路の径に略等しい径を有する貫通孔10が、弁体6の直径方向に設けられている。そして、この弁体6の貫通孔10に直交するように、弁軸12が一体的に設けられ、更に、この弁軸12の端部に取り付けられる操作レバー14を回動させることにより、弁体6が、弁軸12の軸回りに、弁箱4内において回動せしめられるようになっている。なお、ここで、弁体6は、耐食性や耐熱性等の点から、従来と同様に、SUS304の如きステンレス鋼等の金属材質とされており、更に、その表面には、硬質クロムメッキ又は自溶性合金の溶射等の表面硬化処理が、施されている。
一方、かかる弁体6を挟んで、その両側に配置される金属製のシートリング8、8は、それぞれ、内側の端面において、弁体6に直接に当接せしめられて、それらの間のシールを行ない得るようになっている。即ち、各シートリング8、8の内端面8a、8aが、弁体6の球面に対応した形状とされ、弁体6の球面に対する当接によって、それらの間に間隙が生じないようにして、シールが実現されているのである。また、それぞれのシートリング8、8は、その外側の端部において、弁箱4の開口部4a、4aに螺合せしめられる抑えリング16、16との間に介装された押圧ばね18、18による付勢力によって、それらの内端面8a、8aが弁体6の球面に押し付けられて、それらの間のシール性が更に高められ得るようになっている。なお、各シートリング8、8の内孔8b、8bの大きさは、弁体6の貫通孔10と同様な大きさとされ、接続される管路と同様な大きさの流路が、形成されるようになっている。
そして、このような構造のボールバルブ2にあっては、操作レバー14による弁軸12の回動によって、弁体6が回動せしめられ、その貫通孔10が両側のシートリング8、8の内孔8b、8bに連通せしめられ、或いはシートリング8、8の内端面8a、8aが、弁体6の貫通孔10の開口せしめられていない球面に当接させられることにより、それら貫通孔10と内孔8b、8bとの間の遮断が行なわれ、これによって、弁体6による開弁・閉弁作動が行なわれるようになっているのである。
本発明は、このようなメタルタッチ型のボールバルブ2において、シートリング8を、オーステナイト系ステンレス基地内部に微細球状炭化バナジウムが均一分散されてなる金属組織を有する鋳鉄にて、形成することとしたものであり、これによって、かかる鋳鉄中に存在する微細球状炭化バナジウムの作用にて、シートリング8と弁体6との間の接触によるかじり現象を、効果的に抑制乃至は阻止することが出来ることとなり、以て、従来と同様な硬度の材質からなるシートリングを用いた場合に比較して、弁体6とシートリング8との間のシール性を著しく向上せしめ得ることとなり、その耐久性、ひいてはボールバルブ2の使用期間を効果的に延長せしめ得るのである。
なお、ここで、シートリング8を与える上記した所定の鋳鉄は、ステンレス球状炭化物鋳鉄材料や球状炭化物合金白鋳鉄等として知られており、例えば、特開2000−313934号公報、特開2002−275573号公報、特開2003−13171号公報等に開示のものが、適宜に用いられることとなるが、特に、本発明にあっては、重量基準にて、炭素(C):2.5〜3.0%、珪素(Si):1.0〜1.5%、クロム(Cr):18〜21%、ニッケル(Ni):8〜11%、バナジウム(V):11〜13%を含む、残部が実質的に鉄(Fe)よりなる(不純物を含む)組成のものが、有利に用いられることとなる。
このように、本発明にあっては、弁体6に当接せしめられるシートリング8が、また、上記した所定の鋳鉄材料を用いて、通常の鋳造操作にて形成され得るものであるところから、従来の如く、シートリングの内端面に対する肉盛等による表面硬化処理は全く必要でなく、また、セラミックス体を設ける必要もないところから、その製作性も一段と向上され得ることとなるのである。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、上記の実施形態では、流体流通制御装置の一つであるボールバルブに対して、本発明を適用した例が示されているが、一軸回りに回動せしめられる回動体の外周面に対して、円筒状の金属製シートリングを直接に当接せしめ、該シートリングの内孔を導かれる流体の流通又は遮断を行ない得るようにしたメタルタッチ構造の流体流通制御装置であれば、何れに対しても、本発明を適用可能であり、先に言及した、図3に示される如きドラムフィーダに対しても、有利に適用することが出来る。
因みに、図3に示されるドラムフィーダ20は、両端の回動軸22によって軸回りに回動せしめられる、両端が閉塞された円筒形のドラム24と、このドラム24を挟んで対向位置し、更にこのドラム24の外周面に直接に摺接せしめられる入側のシートリング26及び出側のシートリング28とを有している。また、かかるドラム24には、入側のシートリング26の内孔を通じて導かれる流体をドラム24内に収容するための開口部30が、設けられている。そして、ドラム24が回動して、上方に開口部30が位置するときには、下方(出側)のシートリング28をシールしながら、上方(入側)のシートリング26の内孔と開口部30とが連通されて、ドラム24内に流体が供給されるようになっている。更に、ドラム24が回動(回転)移動して、開口部30が下方に位置せしめられると、上方のシートリング26がドラム24の外周面にてシールされる一方、開口部30は、下方のシートリング28の内孔に連通せしめられて、ドラム24内に収容された流体が下方のシートリング28の内孔内に排出されることとなり、これによって、一定量の流体の供給が行なわれ得るようになっているのである。
そして、かかる構造のドラムフィーダ20において、シートリング26及び28に対して本発明が適用され、それらシートリング26、28が、それぞれ、オーステナイト系ステンレス基地内部に微細球状炭化バナジウムが均一分散されてなる金属組織を有する鋳鉄にて形成されることにより、先に例示のボールバルブと同様な作用・効果を享受し得るのである。なお、このような構造のドラムフィーダ20は、一般に、粉粒体供給用として有利に用いられることとなる。
また、ボールバルブ2自体の構造やドラムフィーダ20自体の構造にあっても、公知の各種の構造が採用され、そこで用いられているシートリングに対して、本発明が有利に適用され得るのである。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において、実施され得るものであり、また、そのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
先ず、図1〜図2に示されるボールバルブ構造において、下記表1に示される3種類の弁体(6)とシートリング(8)の組合せ:試験1〜3よりなるボールバルブ(2)を、それぞれ準備した。なお、試験1及び試験2の組合せは、比較例であり、試験3の組合せが本発明例である。そして、かかる試験例3におけるシートリング(8)を構成する母材:ECORRは、C:2.75重量%、Si:1.29重量%、Cr:19.35重量%、Ni:9.32重量%、V:11.55重量%、及びFe:残部、からなる成分組成を有し、そしてその金属組織がオーステナイト系ステンレス基地内部に微細球状炭化バナジウムが均一分散されてなる鋳鉄にて構成されており、通常の鋳造操作にて得られた鋳造品(引張強度:675N/mm2 、伸び:5%、硬さ:HV370)である。
次いで、かかる試験1〜3の組合せからなるボールバルブ(2)について、それぞれ、下記表2に示されるバルブ作動条件のもとに、耐久試験を実施した。なお、この耐久試験においては、ドライな状況で実験を行なうと、大気中のオイルミストや湿気、温度等によって、摺動面の抵抗にバラツキが生じるところから、再現性を向上するために、バルブ内にトルエンを充填し、作動条件が一定になるようにした。トルエンは粘性が水より低く、有機溶剤のために脱脂作用があり、ドライな状態に近いと言うことが出来る。また、かかる耐久試験における評価項目としては、経時的な作動性(トルク)及びリーク量を求めると共に、分解による弁体とシートリングの損傷程度を観察して、評価を行なった。
かかる耐久試験の結果、試験1の組合せに係るボールバルブにおいては、弁体を10万回作動させた後に、その分解を行なったところ、シートリングとの摺動面の全面に亘って、均等に、摺動痕が表れていることを認めた。4万回〜5万回にかけて、上下に摺動痕が現れ始め、その後、徐々に中央部に押し寄せて、約8万回で摺動部全体に拡がったものと認められた。図4に、10万回作動までのトルクと漏れの変化量を示すが、トルク及び漏れ量共に、6万回を境にして、一定値を示している。
また、試験2に係る組合せのボールバルブ(2)の耐久試験においては、弁体とシートリングの摺動面の硬度(HV)が向上されているために、弁体は10万回の作動でも漏れの発生のないものであったが、16万回の作動を越えた頃から、漏れが生じていることを認めた。そして、作動:20万回で、バルブを分解すると、弁体の表面には、下方部に摺動痕が広がっていることが認められ、これは、シートリングの最下部から傷が徐々に広がったものと考えられる。また、シートリングには、ボールの最下部に相当する部分に、僅かに強い引っ掻き傷が生じていることを認めた。図5に、20万回作動までの、トルクと漏れの変化量を示すが、トルクは7〜8万回まで上昇し、その後は一定に落ち着くことが認められる一方、リークについては、16万回までは何等認められなかった。
これに対して、本発明に従う所定の鋳鉄であるECORRからなるシートリングを用いた組合せである試験3のボールバルブにあっては、その耐久試験において、作動が10万回を経て、20万回に至っても、漏れの発生は全く認められなかった。また、弁体(ボール)9は、作動回数が重なるにつれて、光沢がどんどん増していく傾向があることを認めた。そして、試験後において、バルブの分解を行なったところ、弁体にも、シートリングにも、傷の発生は何等認められなかった。
図6に、20万回作動までのトルクと、漏れの変化量を示すが、トルクは10万回まで上昇し、その後は一定に落ち着き、またリークについては、20万回まで何等認められていない。
以上の結果よりして、本発明に従う試験3に係る組合せからなるボールバルブにあっては、シートリングの硬度がHV370であり、試験1の組合せに係るボールバルブにおけるシートリング(ステライト盛)の硬度(HV350)と略同程度であるにも拘らず、摺動痕の発生、換言すれば、かじりの発生が著しく抑制乃至は阻止せしめられ、また、シートリングの硬度を著しく高めた試験2の組合せに係るボールバルブよりも、摺動痕の発生が少ないことが認められ、これによって、本発明に従う試験3に係る組合せからなるボールバルブのシール性の高さが、容易に理解され得るのである。特に、採用されたバルブ作動条件下において、シートリング面圧は、最悪の環境を想定して、通常の3倍以上とされていることを考慮に入れると、試験例3に係る組合せからなるボールバルブのシール性の向上効果は、極めて顕著なものであると言うことが出来るのである。
2 ボールバルブ 4a 開口部
4 弁箱 6 弁体
8 シートリング 8a 内端面
8b 内孔 10 貫通孔
12 弁軸 14 操作レバー
16 抑えリング 18 押圧ばね
20 ドラムフィーダ 22 回転軸
24 ドラム 26、28 シートリング
30 開口部
4 弁箱 6 弁体
8 シートリング 8a 内端面
8b 内孔 10 貫通孔
12 弁軸 14 操作レバー
16 抑えリング 18 押圧ばね
20 ドラムフィーダ 22 回転軸
24 ドラム 26、28 シートリング
30 開口部
Claims (3)
- 一軸回りに回動せしめられる回動体の外周面に対して、円筒状の金属製シートリングを直接に当接せしめ、該シートリングの内孔を導かれる流体の流通又は遮断を行ない得るようにしたメタルタッチ構造の流体流通制御装置において、
該シートリングを、オーステナイト系ステンレス基地内部に微細球状炭化バナジウムが均一分散されてなる金属組織を有する鋳鉄にて形成したことを特徴とするメタルタッチ型の流体流通制御装置。 - 貫通孔を有するボール形状の金属製弁体に対して、円筒状の金属製シートリングを直接に当接せしめ、かかる弁体の回動によって、該弁体の前記貫通孔と該シートリングの内孔との間の連通又は遮断を行なうようにしたメタルタッチ構造のボールバルブにおいて、
該シートリングを、オーステナイト系ステンレス基地内部に微細球状炭化バナジウムが均一分散されてなる金属組織を有する鋳鉄にて形成したことを特徴とするメタルタッチボールバルブ。 - 軸回りに回動せしめられるドラムの外周面に対して、円筒状の金属製シートリングを直接に当接せしめ、かかるドラムの回動によって、該ドラムの外周面に設けた開口部と該シートリングの内孔との間の連通又は遮断を行なうようにしたメタルタッチ構造のドラムフィーダにおいて、
該シートリングを、オーステナイト系ステンレス基地内部に微細球状炭化バナジウムが均一分散されてなる金属組織を有する鋳鉄にて形成したことを特徴とするメタルタッチドラムフィーダ。
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Legal Events
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Effective date: 20110308 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |