JP2007013674A - 総合通話品質評価装置および総合通話品質評価方法 - Google Patents

総合通話品質評価装置および総合通話品質評価方法 Download PDF

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雅 小野木
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Abstract

【課題】 E−model等の適用が困難な利用環境条件や伝送遅延時間における総合通話品質の推定精度の劣化を低減し、より高精度な総合通話品質評価を可能とする。
【解決手段】 総合通話品質評価装置10は、試験信号を評価対象系Sに送信する試験信号発生器14と、測定インターフェース12と、音質を測定する音質測定部16と、片側伝送遅延時間を測定する伝送遅延時間測定部18と、第1の心理劣化量に変換する第1の心理劣化量変換部20と、総合主観評価試験結果を記憶した相関式データベース部22と、総合主観評価の相関式を決定する相関式決定部24と、第2の心理劣化量に変換する第2の心理劣化量変換部26と、第1の心理劣化量と第2の心理劣化量とを加算して統合心理劣化量を算出する加算部28と、統合心理劣化量から総合通話品質評価を推定する総合通話品質評価部30を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、評価対象系の通話品質を評価する総合通話品質評価装置および総合通話品質評価方法に関する。
電話サービスにおける通話品質評価を行うにあたっては、人間が実際に通話した時に感じる品質(主観品質)を心理実験によって定量的に評価する主観評価試験を行う必要がある。この評価では、ITU−T勧告P.800に規定されているオピニオン評価法を用いるのが一般的であり、その評価値としてMOS(Mean Opinion Score)値が計算される。MOS値には、通話品質要因を含んだ会話MOS値や、受聴品質のみに着目した受聴MOS値などが挙げられる(非特許文献1参照)。オピニオン評価法では、実際に人間が通話品質を評価することから、ユーザに対するサービス性や通信品質を判断するのに最も適した指標ではあるが、調査のたびに多大の労力と時間、専用の評価設備を必要とし、必ずしも容易ではない。
そのため、ADSLやFTTH等のブロードバンドアクセスの普及に伴い、IP技術による音声サービスの品質評価のために、主観評価と相関のある客観評価法が近年検討されている。その中でも、ITU−T勧告P.862で規定されている客観評価法(PESQ:Perceptual Evaluation ofSpeech Quality)があり、これは実音声信号の物理測定に基づく客観評価法であって、その評価値としてPESQ値が計算される(非特許文献2参照)。しかし、PESQは受聴MOS値を推定するのに有効な手段であるが、遅延時間やエコーに関する品質劣化要因が評価値に反映されない問題点がある。
会話品質要因まで含めた総合通話品質推定手段として、ITU−T勧告G.107に規定されているE−modelがある。E−modelは、音質、エコー、遅延などの品質劣化要因ごとの劣化量を心理尺度上で表現し、これらを排他的に相加することで主観的な総合通話品質を推定するモデルであり、次式で表される。
Figure 2007013674

は回線雑音及び送受話室内騒音による主観品質劣化を表現している。Iは音量、側音、量子化歪による主観品質劣化を表現している。Iは送話者エコー、受話者エコー及び絶対遅延時間による主観品質劣化を表現している。Ie−effは低ビットコーデック、パケット損失などによる主観品質劣化を表現している。Aは移動通信、衛星通信等の利便性が主観品質に与える影響(満足度)を補完する(非特許文献3参照)。
ITU−T Recommendation P.800 ITU−T Recommendation P.862 ITU−T Recommendation G.107
しかしながら、上記非特許文献3の技術では、(1)式で示されたパラメータのうちIについては、400msec以上の長遅延時間が存在する評価対象系に対して十分に検討がされていないため、実際にユーザが感じる品質と比較して大きく乖離した主観品質推定結果となる問題点がある。
また、上記非特許文献3の技術における(1)式のAの数値はITU−T勧告G.107において明確に規定されていないため、例えば山岳や海洋上等、通常の通信手段が適用困難な利用環境、あるいは400msec以上の非常に長い遅延時間が存在する環境においては、実際にユーザが感じる品質と大きく乖離した主観品質推定結果となる問題点がある。
さらに、上記非特許文献3の技術におけるE−modelでは、会話内容の特徴によって片側伝送遅延時間に対する会話MOS値が大きく異なるため、会話内容の差異によっても、主観品質推定結果が実際にユーザの感じる品質と比較して大きく乖離する問題点がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、E−model等の適用が困難な利用環境条件や伝送遅延時間における総合通話品質の推定精度の劣化を低減し、より高精度な総合通話品質評価を可能とする通話品質評価装置および通話品質評価方法を提供することにある。
本発明は、評価対象系を伝送した信号の音質を測定する音質測定手段と、評価対象系を伝送した信号の伝送遅延時間を測定する伝送遅延時間測定手段と、音質測定手段により測定された信号の音質を第1の心理劣化量に変換する第1の心理劣化量変換手段と、評価対象系の利用環境条件と伝送遅延時間とをパラメータとする総合主観評価結果を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された総合主観評価結果と、評価対象系の利用環境条件とから、第2の心理劣化量と伝送遅延時間との相関式を決定する相関式決定手段と、相関式決定手段により決定された第2の心理劣化量と伝送遅延時間との相関式と、伝送遅延時間測定手段により測定された伝送遅延時間とから、当該伝送遅延時間における第2の心理劣化量を導出する第2の心理劣化量変換手段と、第1の心理劣化量変換手段により変換された第1の心理劣化量と、第2の心理劣化量変換手段により導出された第2の心理劣化量とを加算して統合心理劣化量を算出する加算手段と、加算手段により算出された統合心理劣化量より評価対象系の総合通話品質評価値を算出する総合通話品質評価手段と、を備えた総合通話品質評価装置である。
この構成によれば、記憶手段が評価対象系の利用環境条件と伝送遅延時間とをパラメータとする総合主観評価結果を記憶し、相関式決定手段が総合主観評価結果と評価対象系の利用環境条件とから第2の心理劣化量と伝送遅延時間との相関式を決定し、第2の心理劣化量変換手段が相関式と伝送遅延時間測定手段により測定された伝送遅延時間とから当該伝送遅延時間における第2の心理劣化量を導出し、加算手段が第1の心理劣化量と第2の心理劣化量とを加算して統合心理劣化量を算出するため、利用環境条件と伝送遅延時間とを相互に考慮した総合主観評価結果を総合通話品質評価に反映させることができ、E−model等の適用が困難な利用環境条件や伝送遅延時間における総合通話品質の推定精度の劣化を低減し、より高精度な総合通話品質評価が可能となる。
また、本発明の別の態様によれば、評価対象系を伝送した信号の音質と伝送遅延時間とを測定するステップと、測定された信号の音質を第1の心理劣化量に変換するステップと、評価対象系の利用環境条件と伝送遅延時間とをパラメータとする総合主観評価結果を導出するステップと、導出された総合主観評価結果と、評価対象系の利用環境条件とから、第2の心理劣化量と伝送遅延時間との相関式を決定するステップと、決定された第2の心理劣化量と伝送遅延時間との相関式と、測定された伝送遅延時間とから、当該伝送遅延時間における第2の心理劣化量を導出するステップと、変換された第1の心理劣化量と、導出された第2の心理劣化量とを加算して統合心理劣化量を算出するステップと、算出された統合心理劣化量より評価対象系の総合通話品質評価値を算出するステップと、を含む総合通話品質評価方法が提供される。
本発明の総合通話品質評価装置および総合通話品質評価方法によれば、E−model等の適用が困難な利用環境条件や伝送遅延時間における総合通話品質の推定精度の劣化を低減し、より高精度な総合通話品質評価が可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る総合通話品質評価装置および総合通話品質評価方法について添付図面を参照して説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は本発明の実施形態に係る総合通話品質評価装置を示すブロック図であり、図2は本発明の実施形態に係る総合通話品質評価装置の機能を示すブロック図である。本実施形態の総合通話品質評価装置10は、例えば固定電話やIP電話などの電話サービスや、衛星通信システム、国際通信システムおよび災害緊急通信システム等の通信システムの通話品質を推定して評価するために適用することができる装置として構成されている。
図1および2に示すように、本実施形態の総合通話品質評価装置10は、試験信号を評価対象系Sに送信する試験信号発生器14と、評価対象系Sを介して劣化した試験信号を受信する測定インターフェース12と、試験信号と劣化した試験信号とを比較することで通話品質劣化要因の一次評価値である音質を測定する音質測定部16(音質測定手段)と、同様に試験信号と劣化した試験信号とを比較することで通話品質劣化要因の一次評価値である片側伝送遅延時間を測定する伝送遅延時間測定部18(伝送遅延時間測定手段)と、音質測定部16で測定された音質から音質劣化が原因で生じる心理的劣化量を推定した値である第1の心理劣化量へ変換する第1の心理劣化量変換部20(第1の心理劣化量変換手段)とを備えている。
また、本実施形態の総合通話品質評価装置10は、背景騒音、会話内容及び上記(1)式におけるA等の利用環境条件と、片側伝送遅延時間とをパラメータとした総合主観評価試験の試験結果を記憶した相関式データベース部22(記憶手段)を備える。また総合通話品質評価装置10は、入力される評価対象系Sの利用環境条件と、相関式データベース部22に記憶された総合主観評価試験の試験結果とから、片側伝送遅延時間をパラメータとする総合主観評価の相関式を決定する相関式決定部24(相関式決定手段)を備える。さらに総合通話品質評価装置10は、相関式決定部24で決定された片側伝送遅延時間をパラメータとする総合主観評価の相関式と、伝送遅延時間測定部18で測定された片側伝送遅延時間とから、第2の心理劣化量を変換する第2の心理劣化量変換部26(第2の心理劣化量変換手段)を備える。
また、本実施形態の総合通話品質評価装置10は、第1の心理劣化量変換部20によって変換された第1の心理劣化量と、第2の心理劣化量変換部26によって変換された第2の心理劣化量とを加算して統合心理劣化量を算出する加算部28(加算手段)を備える。また、総合通話品質評価装置10は、加算部28によって算出された統合心理劣化量から総合通話品質評価を推定する総合通話品質評価部30(通話品質評価手段)を備える。以下、本実施形態の総合通話品質評価装置10における各ブロックの機能について説明する。
試験信号発生器14は、評価対象系Sに対して所定の試験信号を送信する。なお、図1の例では、試験信号発生器14は総合通話品質評価装置10の内部に設けられているが、遅延時間および音質の測定方法によっては、試験信号発生器を総合通話品質評価装置10の外に設置し、当該試験信号発生器を評価対象系Sに接続して測定を行うこともできる。
伝送遅延時間測定部18における遅延時間の測定方法については、以下のような方法を用いることができる。
第1の遅延時間測定方法では、評価対象系Sがインターネットプロトコル(IP)に基づくネットワークシステムで構成される場合、試験信号発生器14により評価対象系Sの送信側から受信側へPing(Packet InterNet Groper)パケットを送信することで両者間の往復遅延時間Tを計算し、片側伝送遅延時間T=T/2を算出する。
第2の遅延時間測定方法では、試験信号発生器14により評価対象系Sの送信側から受信側へ、ITU−T勧告P.501に規定されている試験信号を送信し、評価対象系Sを介して受信側で受信された劣化試験信号及び試験信号を伝送遅延時間測定部18に入力し、片側伝送遅延時間Tを算出する。この場合、例えば、ITU−T勧告P.501で規定されているCSS(Composed Source Signals)を用いて片側伝送遅延時間を測定する。CSSは、ITU−T勧告P.50で規定されている人口音声部、周波数相関性が存在しない白色雑音部、および人工音声部と白色雑音部との前後に挿入された一時休止部から構成されている。CSSを用いて片側伝送遅延時間を測定する際には、試験信号発生器14からのCSSと評価対象系を介して受信された劣化CSSとについて、それぞれの人工音声部の信号波形を基にして、伝送遅延時間測定部18において片側伝送遅延時間Tを算出する。
音質測定部16における音質の測定方法については、例えばPESQを用いることができる。ITU−T勧告P.862で定義されている音声品質の客観評価法の1つであるPESQでは、評価対象系Sに入力する試験信号の周波数スペクトルと、評価対象系Sを通した劣化試験信号の周波数スペクトルとをそれぞれ測定し、スペクトル間の差分を求め、当該差分スペクトルから歪量に対応する量を音声品質評価値PESQとして算出する。
図1および2に示すように音質測定部16には、試験信号発生器14から評価対象系Sに送信する試験信号と、評価対象系Sを介して測定インターフェース12で受信される劣化した試験信号とがそれぞれ入力され、前述したPESQ値を算出する方法に基づき、劣化要因の一次評価値の1つである音質をPESQ値として算出する。
音質測定部16で算出されたPESQ値は、第1の心理劣化量変換部20に入力される。第1の心理劣化量変換部20では、入力されたPESQ値を、ITU−T勧告G.107で規定されている以下の(2)式〜(4)式によって、R値に変換する。
Figure 2007013674


Figure 2007013674


Figure 2007013674

上記(2)式から得られたR値換算音質R(target)を基準値から減算することで、評価対象系Sの音質劣化量である第1の心理劣化量Ie−effを算出する。基準値は、ITU−T P−series勧告Supplement23で与えられる音声サンプル信号の内、ITU−T勧告G.711により符号化された信号に対するPESQ値の平均を上記(2)式に代入して得られる87.8とする。すなわちIe−effは、以下の式で求められる。
Figure 2007013674

図2に示すように、本実施形態の総合通話品質評価装置では、上述した音質測定および第1の心理劣化量の導出とは別に、背景騒音、会話内容及び上記(1)式におけるA等の利用環境条件と片側伝送遅延時間とをパラメータとした総合主観評価試験結果をあらかじめ記憶した相関式データベース部22へ評価対象系Sで想定する利用環境条件及び電気的特徴量を反映させることで、評価対象系Sにおける総合通話品質を推定する。
相関式データベース部22には、背景騒音、会話内容及び上記(1)式におけるA等の利用環境条件と片側伝送遅延時間とをパラメータとして実施した総合主観評価試験から得られた結果が記憶されている。この総合主観評価試験は、例えば、ITU−T勧告P.800の6.1 Conversation-opinion testとAnnexA - Conversation-opinion testとに準拠して、試験施設、実験計画、会話内容および試験手順等を設定して行うことができる。ここで電気的特徴量Eとして、例えば、音量、エコー等をパラメータとして含ませることができる。また、利用環境条件としては、速い会話速度、遅い会話速度、挨拶、ビジネス会話、通常会話等の異なる会話内容を設定して総合主観評価試験を行うことにより、ユーザの特徴をより試験結果に反映させることができる。なお、総合主観評価試験は、可能な限り当該利用環境条件に精通した被験者により実施されていることが好ましい。
相関式決定部24は、相関式データベース部22に記憶された総合主観評価試験の結果と、背景騒音や会話内容等の利用環境条件Dと、入力された音量と回線雑音等の電気的特徴量Eとから、片側伝送遅延時間Tをパラメータとした総合主観評価(第2の心理劣化量)に対する遅延劣化量の相関式Id−A(T)を導出する。ここで、相関式Id−A(T)については、上述した総合主観評価試験に基づく絶対的な劣化量または、片側伝送遅延時間Tがゼロの時の値を基準とした相対的な劣化量を用いて導出する。相関式Id−A(T)は、あらかじめ複数の相関式を記憶しておき、入力された利用環境条件に基づいて、もっとも適合する近似式を相関式Id−A(T)として選択するようにしても良い。
第2の心理劣化量変換部26は、遅延時間測定部18で測定された評価対象系Sの片側伝送遅延時間Tを相関式決定部24において導出した相関式Id−A(T)に代入することで、評価対象系Sの総合主観評価における遅延劣化量である第2の心理劣化量Id−Aを算出する。
加算部28は、上記手段によって求められた第1の心理劣化量Ie−eff及び第2の劣化量Id−Aを加算し、評価対象系Sにおける統合心理劣化量Itotalを算出する。総合通話品質推定部30において、当該統合心理劣化量Itotalを基準値から減算することで、評価対象系SのR値換算品質評価値R’を算出する。このR値換算品質評価値R’を算出するための基準値は、ITU−T勧告G.107で与えられるように、全ての劣化要因が存在しない場合に上記(1)式を用いて求められるR値であるR=93.2とする。すなわち、評価対象系SのR値換算品質評価値R’は、以下の式で求められる。
Figure 2007013674

上記(6)式で求められたR’は、ITU−T勧告G.107 Annex Bに示されるR値と会話MOS値についての以下の関係式を用いて、総合通話品質評価値である会話MOS値を計算し、出力する。
Figure 2007013674

以下、本実施形態の総合通話品質評価装置を用いて評価対象系の総合通話品質を評価する方法について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る総合通話品質評価方法を示すフロー図である。
本実施形態では、試験信号発生器14により評価対象系Sに試験信号Sを送信し、音質測定部16と伝送遅延時間測定部18とにおいて、送信した信号と評価対象系Sを伝送して劣化した信号とを比較することによって、音質であるPESQ値と片側伝送遅延時間Tとをそれぞれ測定する(S11)。測定された音質としてのPESQ値は、第1の心理劣化量変換部20によって、第1の心理劣化量Ie−effに変換する(S12)。
利用環境条件と、測定された片側伝送遅延時間Tと、総合主観評価との関係を導出し、相関式データベース部22に記憶する(S13)。なお、図1および2の例では、予め総合主観評価試験を行い、試験結果を相関式データベース部22に記憶させておくが、可能であれば、音質および伝送遅延時間の測定と、総合主観評価試験とを並行して行っても良い。
測定対象系Sの利用環境条件と総合手段評価試験との関係とから、相関式決定部24は、相関式Id−A(T)を決定する(S14)。第2の心理劣化量変換部26は、相関式Id−A(T)に片側伝送遅延時間Tを代入し、第2の心理劣化量Id−Aを導出する(S15)。なお、上記第2の心理劣化量を導出するS13〜S15のステップは、第1の心理劣化量を導出するS11およびS12のステップの後に行わなければならないわけではなく、S11およびS12のステップとS13〜S15のステップとを並行して行うことが可能であり、また、S13〜S15のステップを予め行ってからS11およびS12のステップを行うこともできる。
加算部28により、第1の心理劣化量Ie−effと第2の心理劣化量Id−Aとを加算して、統合心理劣化量Itotalを算出する(S16)。そして、総合通話品質評価部30により、統合心理劣化量Itotalから総合通話品質評価値を算出する(S17)。
以下、本実施形態に係る総合通話品質評価装置および総合通話品質評価方法の作用および効果について説明する。図4は、片側伝送遅延時間と総合主観評価試験によるMOS値との関係を示したグラフ図である。図4において、実線で表された第1のグラフは、第2の心理劣化量について、上記(1)式における回線雑音および送受話室内騒音による主観品質劣化Rと、音量、側音および量子化歪による主観品質劣化Iとを理想的な状況に設定し、かつ低ビットコーデックおよびパケット損失などによる主観品質劣化Ie−effについても理想的な状況に設定した上で、上述したような片側伝送遅延時間をパラメータとするオピニオン評点法に基づく総合主観評価試験を実施した結果を示している。すなわち、劣化要因を遅延劣化量Iのみとした時の、ある会話条件における会話MOS値を調査したものである。
一方、図4において、破線で表された第2のグラフは、第1のグラフと同等の試験条件に加えて、他通信の適用が困難な海洋上を航行している船舶内において衛星電話を使用している条件であることを被験者に認知させた条件において、総合主観評価試験を実施した場合についての結果を示している。すなわち、上記(1)式における衛星通信等の利便性が主観品質に与える影響についての補完量Aを考慮したものである。
図4より、第1のグラフが示すような遅延劣化量Iのみを劣化量とした場合に会話MOS値を計算する場合と、第2のグラフが示すような補完量Aが考慮された利用環境を含んだ遅延劣化量から会話MOS値を計算する場合とでは、総合主観評価試験の結果が大きく異なっていることが判る。また図4より、第1のグラフと第2のグラフとの差分値が一定ではなく、片側伝送遅延時間依存性を示していることから、E−modelのように単純に一定値の補完量Aを加算するのでは、実際の主観評価品質と比較して大きな乖離が生じる可能性があることが分かる。
すなわち、本実施形態のように、利用環境条件の伝送遅延時間依存性を考慮して、利用環境条件と片側伝送遅延時間とをパラメータとして総合主観評価品質試験を実施し、当該試験の結果を基に総合通話品質評価を行うことによって、E−modelの適用が困難なサービス提供環境においても、より高精度な通話品質の推定が可能となる。
特に、総合主観評価品質試験において、異なる会話内容を用いて試験を行い、そのデータに基づいて第2の心理劣化量を導出することにより、評価対象系の利用環境条件と利用ユーザの特徴を考慮した主観品質推定が可能となる。
また、総合主観評価品質試験において、サービス提供環境で想定される背景雑音やエコー減衰量等を評価対象系のパラメータとして実施することにより、様々な利用環境条件に適応できる主観品質推定が可能となるとともに、本実施形態においては総合主観評価品質試験の結果をデータベース化することにより、汎用的な主観品質推定方法や装置が実現できる。
電話サービスの開発にあたって、音質に影響を与える音声コーデックの選定が重要となるため、試作機のハンドセット等を用いた総合主観評価試験を行う必要がある。しかし、本実施形態によれば、音質測定部16において音質に係る音声コーデックの評価を切り離して実施でき、試作機のハンドセット等を用いた総合主観評価試験が不要になるとともに、試作機の製造と並行して、総合主観評価試験の結果を用いた評価を実施できるため、経済的且つ効率的な開発が可能となる。同時に、音質測定部16において、サービス提供環境で想定される通信品質(伝送レート、パケット損失)を評価対象系のパラメータとして設定することにより、音声コーデックの評価を効率的かつ高精度に実施できる。
本発明の実施形態に係る総合通話品質評価装置を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る総合通話品質評価装置の機能を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る総合通話品質評価方法を示すフロー図である。 片側伝送遅延時間と総合主観評価試験によるMOS値との関係を示したグラフ図である。
符号の説明
10…総合通話品質評価装置、12…測定インターフェース、14…試験信号発生器、16…音質測定部、18…伝送遅延時間測定部、20…第1の心理劣化量変換部、22…相関式データベース部、24…相関式決定部、26…第2の心理劣化量変換部、28…加算部、30…総合通話品質評価部、S…評価対象系、D…利用環境条件、E…電気的特徴量。

Claims (2)

  1. 評価対象系を伝送した信号の音質を測定する音質測定手段と、
    評価対象系を伝送した信号の伝送遅延時間を測定する伝送遅延時間測定手段と、
    前記音質測定手段により測定された信号の音質を第1の心理劣化量に変換する第1の心理劣化量変換手段と、
    評価対象系の利用環境条件と伝送遅延時間とをパラメータとする総合主観評価結果を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された総合主観評価結果と、評価対象系の利用環境条件とから、第2の心理劣化量と伝送遅延時間との相関式を決定する相関式決定手段と、
    前記相関式決定手段により決定された第2の心理劣化量と伝送遅延時間との相関式と、前記伝送遅延時間測定手段により測定された伝送遅延時間とから、当該伝送遅延時間における第2の心理劣化量を導出する第2の心理劣化量変換手段と、
    前記第1の心理劣化量変換手段により変換された第1の心理劣化量と、前記第2の心理劣化量変換手段により導出された第2の心理劣化量とを加算して統合心理劣化量を算出する加算手段と、
    前記加算手段により算出された統合心理劣化量より評価対象系の総合通話品質評価値を算出する通話品質評価手段と、
    を備えた総合通話品質評価装置。
  2. 評価対象系を伝送した信号の音質と伝送遅延時間とを測定するステップと、
    前記測定された信号の音質を第1の心理劣化量に変換するステップと、
    評価対象系の利用環境条件と伝送遅延時間とをパラメータとする総合主観評価結果を導出するステップと、
    前記導出された総合主観評価結果と、評価対象系の利用環境条件とから、第2の心理劣化量と伝送遅延時間との相関式を決定するステップと、
    前記決定された第2の心理劣化量と伝送遅延時間との相関式と、前記測定された伝送遅延時間とから、当該伝送遅延時間における第2の心理劣化量を導出するステップと、
    前記変換された第1の心理劣化量と、前記導出された第2の心理劣化量とを加算して統合心理劣化量を算出するステップと、
    前記算出された統合心理劣化量より評価対象系の総合通話品質評価値を算出するステップと、
    を含む総合通話品質評価方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012516591A (ja) * 2009-01-30 2012-07-19 テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) オーディオ信号品質予測
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JP2015106896A (ja) * 2013-12-03 2015-06-08 日本電信電話株式会社 通話品質推定方法、通話品質推定装置、及びプログラム
JP2016046694A (ja) * 2014-08-25 2016-04-04 日本電信電話株式会社 音響品質評価装置、音響品質評価方法、およびプログラム
JP2016212936A (ja) * 2015-05-08 2016-12-15 三菱電機株式会社 音楽再生装置及び音楽再生方法
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JP2018064162A (ja) * 2016-10-12 2018-04-19 日本電信電話株式会社 音響品質評価装置、音響品質評価方法、およびプログラム

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