JP2007010156A - シール機構及びシール機構を備えた燃料ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、上記目的を達成するために、オイルシールの保持部材と軟質部材の接合部に発生する応力を緩和する応力緩和機構を備えることにある。具体的には、第一オイルシール10の第一保持部材11の最内径と、プランジャ70外径との隙間(半径隙間)を、0.9mm 以下に設定する構成とする。これにより、第一オイルシール10(第一リップ13)に圧力が加わった時、前記第一リップの変形が抑制され、第一保持部材内径角部11a近傍に発生する、軟質部材の応力を緩和することができる。
【選択図】図1
Description
90と低圧ポンプ91の吸入口91aが接続されている。低圧ポンプ91の吐出口91bと高圧燃料ポンプ92の吸入口92aが低圧配管93によって接続されており、高圧燃料ポンプ92の吐出口92bと燃料噴射弁94が高圧配管95によって接続されている。
12MPaまで昇圧し吐出される。前記吸入弁は、ボール73とスプリング74及びスプリング74を支持するスプリングストッパ75で形成される。前記スプリングストッパ
75は、プランジャ70の内面にプランジャスプリング71の一端を圧入することで固定される。また、前記ポンプ室72へ燃料を供給可能なように、前記シリンダ60の中央部には、プランジャ70へ連通する吸入空間62及び横穴63を設けている。
34は、燃料をシールするためのOリング35を備えている。ボール31の下流は、通路63aにより、吸入空間62と連通している。吐出室81が必要以上に昇圧すると、ボール31に加わる力が、スプリング力に打ち勝ち、開弁することによって減圧する構成となっている。
60との間で形成されたオイル室58へ前記エンジンの潤滑オイルが流入する構造となっている。また、オイル供給路57には、エンジンからの供給油量を調整する絞り部57aを設けている。前記絞り部57aの内径はエンジンからの異物などによる閉鎖が発生しないよう考慮している。
41を隔絶するために、前記プランジャ70とシリンダ60の間に配置している。
11に一体成形された第一軟質部材12によって構成され、シリンダ勘合穴64に挿入され、シリンダ勘合穴64と第一オイルシール10との径方向の緊迫力によって固定されている。径方向の直径締代は0.1〜0.4mmとしている。第一オイルシール10は、第一保持部材11から内径方向に第一軟質部材である第一リップ13を有しており、第一リップ13は、プランジャ70と自在に摺動できるように構成し、密封対象流体である燃料41をシールしている。第一軟質部材は、第一保持部材11の外径側14全周にも成形され、シリンダ勘合穴内表面64aと密着することによって、第一オイルシール10とシリンダ60との間をシールしている。
13とプランジャ70との間に接触力が発生する。この際、プランジャ70は、プランジャ70の軸方向に往復運動を行うことで、前記接触力に伴う軸方向の摩擦力が発生する。この摩擦力が、第一リップ13を引張り、又は圧縮することにより、第一保持部材内径角部11a近傍において、軟質部材に過大な応力が発生する場合がある。また、第一軟質部材12のシール対象流体による膨潤に伴う変形により、第一保持部材内径角部11a近傍において、軟質部材に過大な応力が発生する場合がある。
(半径隙間)を、0.9mm 以下に設定する構成とする。なぜなら、第一オイルシール10(第一リップ13)に圧力が加わった時、前記第一リップの変形が抑制され、第一保持部材内径角部11a近傍に発生する、軟質部材の応力を緩和することができるためである。図10は、第一オイルシール(第一リップ)に燃料の圧力である0.5MPa が加わったときの、第一保持部材内径角部11a近傍に発生する、第一軟質部材の応力を示したものであり、第一保持部材11内径とプランジャ70外径との隙間、すなわち第一保持部材内径をφD,プランジャの外径をφdとすると、(φD−φd)/2を横軸にとり、前記第一軟質部材に発生するの応力を縦軸にとって、解析を行った結果を示したものである。従来のあるオイルシールは、前記(φD−φd) /2が0.9mmであり、その仕様での解析結果では、前記第一軟質部材に発生する応力は0.7MPa となった。この仕様において、第一リップに圧力を負荷する寿命試験を行った結果、安全率は1倍となり、規定寿命に対し全く余裕がない実験結果となった。改善策の一例として、前記(φD−φd)/2が0.5
mmのもので解析をおこなった結果、第一保持部材内径角部11a近傍に発生する、第一軟質部材の応力は、0.3MPa まで減少した。すなわち、第一保持部材内径角部11aに発生する、軟質部材の応力は、第一保持部材11内径とプランジャ70外径との半径隙間(φD−φd)/2に大きく依存していることが明らかとなった。また、この仕様においても、第一リップに圧力を負荷する寿命試験を行ったが、規定寿命にたいする安全率が2倍となり、前記応力が大幅に緩和されることが明らかとなった。
12の材料には、より低摩擦となる材料を使用している。また、低摩擦材料を用いなくとも、第一軟質部材12に低摩擦となるよう、表面処理を施したり、プランジャ70に低摩擦となるよう、表面処理を施す方法も考えられる。すなわち、このように、摩擦力を低減することによって、第一リップに加わる軸方向の引張り、圧縮の荷重を小さくすることができ、第一保持部材内径角部11a近傍に発生する、第一軟質部材12力を緩和することができる。その他、摩擦力を低減することは、第一リップ及びプランジャの摩耗をも低減することができる。
25に対し、第一リップと第二リップ両方を構成している。また、保持部材の開口方向は、小型化のためにシリンダ勘合穴64の開口方向としているが、その反対方向としてもなんら差し支えない。
Claims (10)
- 環状の保持部材と、保持部材に一体成形されたシール機能を有する軟質部材とからなるシール機構において、前記保持部材の内径側近傍に発生する、前記軟質部材の応力を緩和する応力緩和機構を備えたことを特徴とするシール機構。
- 前記応力緩和機構は、前記保持部材の最内径と、前記軟質部材内側にあって、軟質部材と、自在に摺動する相手軸外径の隙間を0.9mm 以下に設定したことを特徴とする請求項1のシール機構。
- 前記応力緩和機構は、前記保持部材の内径側角部にR0.1 以上の曲面を設けた構造であることを特徴とする請求項1のシール機構。
- 前記応力緩和機構は、前記保持部材の角部に接する前記軟質部材の材料をシール対象流体に対して30%以下の膨潤率を有する材料で構成したことを特徴とする請求項1のシール機構。
- 前記応力緩和機構は、前記保持部材の内径側角部から前記軟質部材を除去した構造であることを特徴とする請求項1のシール機構。
- 前記応力緩和機構は、前記軟質部材のシール対象流体と接する表面に、対象流体の浸透を防止する表面改質或いはコーティングを施した構造であることを特徴とする請求項1のシール機構。
- 前記応力緩和機構は、前記軟質部材のシール面或いは前記シール面と摺動する相手面に低摩擦材を用いた、或いは表面改質又はコーティングを施した構造であることを特徴とする請求項1のシール機構。
- 請求項2のシール機構において、保持部材と軟質部材と有するシール機構を、複数用いることを特徴とするシール機構。
- 請求項2のシール機構において、保持部材に複数の貫通穴を有することを特徴とするシール機構。
- 往復動プランジャと、このプランジャが滑合するシリンダを有し、前記プランジャの往復運動によってシリンダ内に容積の変化する加圧室が形成される燃料ポンプにおいて、プランジャとシリンダとの間に、請求項1〜9の何れかのシール機構を備えたことを特徴とする燃料ポンプ。
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