JP2007010156A - シール機構及びシール機構を備えた燃料ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、高圧燃料ポンプに使用するオイルシールに加わる圧力を減圧するための、燃料タンクへの戻し配管を廃止すべく、オイルシールの耐圧性を向上させることにある。
【解決手段】本発明は、上記目的を達成するために、オイルシールの保持部材と軟質部材の接合部に発生する応力を緩和する応力緩和機構を備えることにある。具体的には、第一オイルシール10の第一保持部材11の最内径と、プランジャ70外径との隙間(半径隙間)を、0.9mm 以下に設定する構成とする。これにより、第一オイルシール10(第一リップ13)に圧力が加わった時、前記第一リップの変形が抑制され、第一保持部材内径角部11a近傍に発生する、軟質部材の応力を緩和することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、オイルや燃料等の密封流体をシールするオイルシールに関するものであり、例えば、2液流体を用いる往復動軸用のオイルシールに係わり、特には、自動車ガソリンエンジン用,筒内直接噴射装置の高圧ポンプに使用するオイルシールに関する。
筒内噴射装置用の高圧燃料ポンプにあたっては特願2000−097826に示すように従来のオイルシールを用いており、オイルシールの耐圧性を考慮して、オイルシールに燃料圧力がかからないよう燃料タンクへの戻し配管を必要としていた。
また、従来の耐圧性を考慮したオイルシールは、例えば特開平10−141508号に示されるように、前記保持部材と前記軟質部材の間にバックアップリングが必要であった。
特願2000−097826号公報 特開平10−141508号公報
上記従来技術では、オイルシールに燃料圧力がかからないよう、減圧のためのタンクへの戻し配管が必要となり、部品点数の増加,コストの増加,配管取り回しの工数増加等の問題があった。
また、前記減圧のための戻し配管を用いない、高い圧力下でのオイルシールの使用については、オイルシールにバックアップリング等が必要であり、オイルシール構造の複雑化の問題があった。さらに、片側に高圧が加わる為、シール部材全体に負荷が加わり、保持部材が移動する現象も生じた。
本発明は、上記従来技術の問題を解決するために、高圧力下でのオイルシールの耐久性を向上させることを目的としており、さらには、燃料ポンプが使用されるシステム全体を簡略化することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、保持部材の形状、及び軟質部材の形状を変更したものである。または、軟質部材の材料に、対象流体による軟質部材の膨潤が抑制される材料を使用したもの、または、膨潤を抑制するために軟質部材に表面処理を施したものである。さらには、軟質部材のシール面或いは前記シール面の相手面に低摩擦材を用いたものや、前記シール面或いは前記相手面の摩擦力を低減させるために、軟質部材或いは相手部材に低摩擦化を目的とした表面処理を施したものである。さらに、シール部材が圧力により動くことを防ぐため、シール部材の外周で規制を設けるものである。
筒内噴射エンジンの燃料システムにおいて、オイルシールに圧力をかけることができるので、高圧燃料ポンプから、タンクに連通する戻し通路を廃止することができ、燃料システムを簡略化することができる。また、オイルシールの耐圧性を増すことができる。
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。実施例のオイルシールは、例えば、自動車用筒内噴射ガソリンエンジンの高圧燃料ポンプに対して使用されるものである。
図1〜図7は、本発明のオイルシールの実施例、図8は前記高圧燃料ポンプの構造図、図9は前記筒内噴射ガソリンエンジンの燃料システム図、図10はオイルシールの軟質部材に加わる応力を示したものである。
まず図9を用いて、筒内噴射エンジンの燃料システムの構成を説明する。燃料タンク
90と低圧ポンプ91の吸入口91aが接続されている。低圧ポンプ91の吐出口91bと高圧燃料ポンプ92の吸入口92aが低圧配管93によって接続されており、高圧燃料ポンプ92の吐出口92bと燃料噴射弁94が高圧配管95によって接続されている。
本燃料システムの動作について説明する。燃料タンク90から低圧ポンプ91により圧送される燃料は、圧力調圧弁96により0.2〜0.7MPaに調圧され、高圧燃料ポンプ92に供給される。高圧燃料ポンプ92により昇圧された燃料は、圧力調整弁97により必要燃圧3〜12MPaに制御され、高圧配管95を介して燃料噴射弁94へ供給される。高圧燃料ポンプ92と低圧調圧弁96下流とを連通させるための通路、又は高圧燃料ポンプ92と燃料タンク90とを連通させるための通路(戻り配管)はなく、燃料システムを簡略化している。
次に図8を用いて、本発明のオイルシールを用いた、高圧燃料ポンプの構造及び動作を説明する。エンジンのカム軸からの駆動力をシャフト53に伝えるカップリング51は、カップリング51に勘合したピン52を介して、シャフト53に連結されている。シャフト53は、ラジアル軸受54及びスラスト軸受55を介して、回転自在にボディ56に支持されている。シャフト53にはシャフト53の軸線に対し傾斜した平面を有する斜板面53aが設けられ、シャフト53の回転に伴い斜板面53aが回転揺動運動を行う。
ボディ56内にはシリンダ60が固定されている。シリンダ60の半径方向に複数配置されたシリンダボア60aにより往復動自在に支持されたプランジャ70は、斜板面53aが回転揺動運動を行うことで、ガイド部材としての球継手機構を有するスリッパ57を介して、プランジャ70とシリンダ60間に設けられたプランジャスプリング71の伸縮作用と合間って往復動を行う。
前記プランジャ70とシリンダ60により囲まれた容積は、ポンプ室72を形成する。プランジャ70が往復運動を行うとプランジャ70に設けられた吸入弁とシリンダ60に設けられた吐出弁を介して、燃料は吸入,圧縮,吐出される。すなわち、低圧ポンプ91から0.2〜0.7MPaの圧力で供給される燃料は、前記ポンプ室72によって、3〜
12MPaまで昇圧し吐出される。前記吸入弁は、ボール73とスプリング74及びスプリング74を支持するスプリングストッパ75で形成される。前記スプリングストッパ
75は、プランジャ70の内面にプランジャスプリング71の一端を圧入することで固定される。また、前記ポンプ室72へ燃料を供給可能なように、前記シリンダ60の中央部には、プランジャ70へ連通する吸入空間62及び横穴63を設けている。
必要以上に昇圧することを防ぐために、前記シリンダ60内に安全弁を設けている。安全弁は、吐出室81に連通する通路30と、ボール31と、スプリング33と、ボールとスプリングを保持するボールオサエ32と、ボールに加わるスプリング反力を支持するストッパ34と、ストッパを固定するためのリング36によって構成している。ストッパ
34は、燃料をシールするためのOリング35を備えている。ボール31の下流は、通路63aにより、吸入空間62と連通している。吐出室81が必要以上に昇圧すると、ボール31に加わる力が、スプリング力に打ち勝ち、開弁することによって減圧する構成となっている。
吸入空間62へ燃料を導くために、軽量化を考慮し、加工と生産性に優れたアルミダイカスト製のリアボディ80を設けている。リアボディ80には、吸入ポート92aから吸入空間62へ燃料を導く吸入通路83と、前記吐出弁から吐出室81を介して吐出ポート92bへ燃料を導く吐出通路84と、吐出される燃料の圧力を制御するために設けられた圧力調整弁97へ燃料を導く通路98と、圧力調整弁97から吸入通路93へ燃料を戻すためのリターン通路99が設けられている。前記リアボディ80内の吸入通路83には、外部から流入する燃料の特定サイズ以上の異物進入を防止するフィルタ85を設けている。
荷重を支持する駆動部(前記スリッパと前記斜板面及び軸受部を総称して以下駆動部と略す)は、回転自在に荷重を支持する部分であり、オイル潤滑することで、軸受寿命は向上する。前記駆動部へ供給する潤滑油には、エンジンの潤滑オイルを利用し、ボディ56には潤滑オイルを導入するためのオイル供給路57が形成され、ボディ56とシリンダ
60との間で形成されたオイル室58へ前記エンジンの潤滑オイルが流入する構造となっている。また、オイル供給路57には、エンジンからの供給油量を調整する絞り部57aを設けている。前記絞り部57aの内径はエンジンからの異物などによる閉鎖が発生しないよう考慮している。
オイルシール1は、前記オイル室58内のオイル40と、前記シリンダ60内の燃料
41を隔絶するために、前記プランジャ70とシリンダ60の間に配置している。
オイルシール1が、斜板面53a方向へのずれ或いは抜けることを重ねて防止するために、抜止板45を設けている。抜止板45は、ねじ46にてシリンダ60にねじ止めしている。複数個のプランジャを有するポンプにおいても、抜け止め板1枚にて、構成することができる。また、ねじを使用せずとも、シリンダ60に溝を有する突起を設け、止め輪等でも抜け止め板を固定することができるし、止め輪自体を抜け止め板に使用することもできる。ところで、この抜止板45は、前記安全弁を構成し、ストッパ34を固定しているリング36に置き代わって、ストッパを固定することも可能である。
以下、本発明のオイルシールの具体的実施例を図1により説明する。オイルシール1は、吸入燃料をシールする第一オイルシール10と、オイルをシールする第二オイルシール20で構成している。
第一オイルシール10は、断面がL字形で環状の第一保持部材11と、第一保持部材
11に一体成形された第一軟質部材12によって構成され、シリンダ勘合穴64に挿入され、シリンダ勘合穴64と第一オイルシール10との径方向の緊迫力によって固定されている。径方向の直径締代は0.1〜0.4mmとしている。第一オイルシール10は、第一保持部材11から内径方向に第一軟質部材である第一リップ13を有しており、第一リップ13は、プランジャ70と自在に摺動できるように構成し、密封対象流体である燃料41をシールしている。第一軟質部材は、第一保持部材11の外径側14全周にも成形され、シリンダ勘合穴内表面64aと密着することによって、第一オイルシール10とシリンダ60との間をシールしている。
シリンダ勘合穴64には、シリンダ勘合穴小径部65を設けることにより、シリンダ勘合穴端面64bを形成し、第一オイルシール10が軸方向にずれることを防止している。軟質部材12が密封流体である燃料によって膨潤しても、軟質部材に過度な外力が加わらないようにするために、第一軟質部材端面15と、シリンダ勘合穴端面64bには隙間を設けている。図2に示すように、シリンダ勘合穴小径部65を比較的大きくして、軸方向にずれることを防止し、かつ前記膨潤によっても、過度な外力が加わらないようにする方法もある。図3に示すように前記軟質部材の膨潤の影響を考慮しなくて済む場合は、前記隙間を設けなくても良いし、その場合、燃料のシールは、第一オイルシール外周部に限らず、第一オイルシール10に第一軟質部材端面15を形成し、前記第一軟質部材端面15とシリンダ勘合穴小径部65とを密着させることによっても、密封を行うことができる。また、前記軸方向のずれを考慮しなくても済む場合は、シリンダ勘合穴小径部65を設ける必要はない。
また、図4に示すように、第一オイルシール自体を強固に固定するために、第一オイルシールの最外径部を保持部材11cと軟質部材12cで構成する方法もあるし、図3に示す考えかたと合わせて、最外径部を保持部材とし、外径側の燃料のシールは第一軟質部材端面15と、シリンダ勘合穴64bで構成する方法もある。
第二オイルシール20は、断面L字形で環状の第二保持部材21と、第二保持部材21に一体成形された第二軟質部材22によって構成され、第一オイルシール10と密着してシリンダ勘合穴64に圧入され、シリンダ勘合穴64と第二オイルシール20の第二保持部材21との径方向の緊迫力によって固定されている。径方向の締代は0.05〜0.2mmとしている。同様に第二保持部材21から内径方向に第二軟質部材である第二リップ23を有しており、第二リップ23は、プランジャ70と自在に摺動できるように構成し、密封対象流体であるエンジンオイル40をシールしている。最外径部は、第二保持部材21であり、第二保持部材21を直接シリンダ60に圧入することによって強固に固定されている。そのため、第一オイルシール10に密封対象流体である燃料による大きい圧力が負荷され、第二オイルシール方向への大きい軸方向の力が発生しても、第一、及び第二オイルシールは、ずれや抜けが発生し難い構成としている。
オイルシールは、第一リップ13と第二リップ23の間30に、プランジャ70とオイルシールとの初期なじみを助けるため、或いは対摩耗性を向上させるため、燃料に溶けない材質のグリス、例えばフッ素系グリスを充填している。また、第一,第二リップの材料として使用温度が広く、燃料中でも使用可能なフッ素系ゴムを使用している。第一,第二リップの摩耗量が過大でない場合は、上記グリスを充填する必要はない。
高圧燃料ポンプ作動時、第一オイルシール10の第一リップ13は、密封対象流体である燃料41の圧力が加わることによって、第一リップ13に荷重が加わり変形し、第一保持部材内径角部11a近傍において、軟質部材に過大な応力が発生する。また、第一リップ13はプランジャ70と接触しており、前記圧力が加わることによって、第一リップ
13とプランジャ70との間に接触力が発生する。この際、プランジャ70は、プランジャ70の軸方向に往復運動を行うことで、前記接触力に伴う軸方向の摩擦力が発生する。この摩擦力が、第一リップ13を引張り、又は圧縮することにより、第一保持部材内径角部11a近傍において、軟質部材に過大な応力が発生する場合がある。また、第一軟質部材12のシール対象流体による膨潤に伴う変形により、第一保持部材内径角部11a近傍において、軟質部材に過大な応力が発生する場合がある。
これら第一保持部材内径角部11a近傍に加わる、軟質部材の応力を低減させるために、以下のような構成とした。
第一オイルシール10の第一保持部材11の最内径と、プランジャ70外径との隙間
(半径隙間)を、0.9mm 以下に設定する構成とする。なぜなら、第一オイルシール10(第一リップ13)に圧力が加わった時、前記第一リップの変形が抑制され、第一保持部材内径角部11a近傍に発生する、軟質部材の応力を緩和することができるためである。図10は、第一オイルシール(第一リップ)に燃料の圧力である0.5MPa が加わったときの、第一保持部材内径角部11a近傍に発生する、第一軟質部材の応力を示したものであり、第一保持部材11内径とプランジャ70外径との隙間、すなわち第一保持部材内径をφD,プランジャの外径をφdとすると、(φD−φd)/2を横軸にとり、前記第一軟質部材に発生するの応力を縦軸にとって、解析を行った結果を示したものである。従来のあるオイルシールは、前記(φD−φd) /2が0.9mmであり、その仕様での解析結果では、前記第一軟質部材に発生する応力は0.7MPa となった。この仕様において、第一リップに圧力を負荷する寿命試験を行った結果、安全率は1倍となり、規定寿命に対し全く余裕がない実験結果となった。改善策の一例として、前記(φD−φd)/2が0.5
mmのもので解析をおこなった結果、第一保持部材内径角部11a近傍に発生する、第一軟質部材の応力は、0.3MPa まで減少した。すなわち、第一保持部材内径角部11aに発生する、軟質部材の応力は、第一保持部材11内径とプランジャ70外径との半径隙間(φD−φd)/2に大きく依存していることが明らかとなった。また、この仕様においても、第一リップに圧力を負荷する寿命試験を行ったが、規定寿命にたいする安全率が2倍となり、前記応力が大幅に緩和されることが明らかとなった。
また、前記応力が発生する第一保持部材内径角部11aを、R0.1 以上の曲面形状とした。すなわち、第一保持部材内径角部11a近傍に集中して発生する、軟質部材の応力を分散させ、過大な応力を防ぐ役割を果たす形状とするものである。この形状に関しても、解析と実験により、明らかに第一保持部材内径角部11aの応力が緩和されることが明らかとなった。
また、第一軟質部材12の材料には、シール対象流体による膨潤を防ぐために、シール対象流体に対する膨潤率が30%以下の材料、たとえばフッ素系ゴムを使用している。なぜなら、第一軟質部材の膨潤によって、第一保持部材11の体積は変化しないにも関わらず、第一軟質部材12の体積のみ増加するため、特に第一保持部材内径角部11aにおいて、軟質部材に過大な応力が発生するためである。また、この応力発生の原因となる膨潤を防ぐために、第一軟質部材12表面にシール対象流体の浸透を妨げる、表面処理を施す方法も有る。この膨潤率は、前記応力を緩和するためだけでなく、オイルシール本来のシール機能を果たすべく、リップ形状を変化させないためにも、小さくするべき要素の一つである。
また、第一軟質部材12とプランジャとの摩擦力を低減させるために、第一軟質部材
12の材料には、より低摩擦となる材料を使用している。また、低摩擦材料を用いなくとも、第一軟質部材12に低摩擦となるよう、表面処理を施したり、プランジャ70に低摩擦となるよう、表面処理を施す方法も考えられる。すなわち、このように、摩擦力を低減することによって、第一リップに加わる軸方向の引張り、圧縮の荷重を小さくすることができ、第一保持部材内径角部11a近傍に発生する、第一軟質部材12力を緩和することができる。その他、摩擦力を低減することは、第一リップ及びプランジャの摩耗をも低減することができる。
図5は、前記過大な応力の発生する第一保持部材内径角部11a近傍から、第一軟質部材を除去した構造である。すなわち、第一軟質部材12と、第一保持部材内径角部11aとの接触部分が無い構造とすることで、第一保持部材内径角部11aに発生する、第一軟質部材12の応力を防ぐこととなり、耐圧性が向上する構造となる。
オイルシールを二つに分割することは、本高圧燃料ポンプの様な二液流体をシールすることにおいて、それぞれのシール流体の特性に合った軟質部材の材料を選択できる長所を有している。例えば、第一軟質部材には、燃料の圧力が加わるために、剛性が大きく、耐燃料性を有する材料を用い、第二軟質部材には、加わる圧力は大気圧程度であるために、剛性はさほど大きくなく、耐オイル性のある材料を用いるような構成とすることができ、設計の自由度を増すことができる長所である。また、第一オイルシール10および第二オイルシール20の軸方向の設置位置を変更することによって、第一リップ13と第二リップ23の距離を容易に変更することができ、往復運動するプランジャ70のストローク量の変更に対し、設計の自由度が増す長所を有している。
図6は、第一オイルシールと第二オイルシールの機能を統合させ、一体に構成したものである。外径部に、軟質部材の部分17と保持部材25の部分との両方を兼ね備え、シリンダ60とのシール機能と、シリンダ60への強固な固定との両機能を持つ。保持部材
25に対し、第一リップと第二リップ両方を構成している。また、保持部材の開口方向は、小型化のためにシリンダ勘合穴64の開口方向としているが、その反対方向としてもなんら差し支えない。
図7は、図6に示すオイルシールの製造を容易とするために、保持部材に複数の穴25aを開口させたものである。すなわち、オイルシールの製造時、軟質部材を保持部材に一体成形することにおいて、片側すなわちリップ18からのみ加硫成形する場合、軟質部材の流動を助けるために、保持部材に複数の穴を開口させたものである。
前記穴を開口させずとも、リップ18と、リップ26の両方から加硫成形して、製造することもできる。
本発明のオイルシールの第一実施例。 第一実施例の補足図。 第一実施例の補足図。 本発明のオイルシールの第二実施例。 本発明のオイルシールの第三実施例。 本発明のオイルシールの第四実施例。 第四実施例の補足図。 高圧燃料ポンプの構造図。 筒内噴射エンジンの燃料システム図。 軟質部材に発生する応力を示したグラフ。
符号の説明
1…オイルシール、10…第一オイルシール、11…第一保持部材、11a…第一保持部材角部、12…第一軟質部材、13…第一リップ、20…第二オイルシール、21…第二保持部材、22…第二軟質部材、23…第二リップ、25…保持部材、25a…貫通穴、60…シリンダ、64…シリンダ勘合穴、70…プランジャ。

Claims (10)

  1. 環状の保持部材と、保持部材に一体成形されたシール機能を有する軟質部材とからなるシール機構において、前記保持部材の内径側近傍に発生する、前記軟質部材の応力を緩和する応力緩和機構を備えたことを特徴とするシール機構。
  2. 前記応力緩和機構は、前記保持部材の最内径と、前記軟質部材内側にあって、軟質部材と、自在に摺動する相手軸外径の隙間を0.9mm 以下に設定したことを特徴とする請求項1のシール機構。
  3. 前記応力緩和機構は、前記保持部材の内径側角部にR0.1 以上の曲面を設けた構造であることを特徴とする請求項1のシール機構。
  4. 前記応力緩和機構は、前記保持部材の角部に接する前記軟質部材の材料をシール対象流体に対して30%以下の膨潤率を有する材料で構成したことを特徴とする請求項1のシール機構。
  5. 前記応力緩和機構は、前記保持部材の内径側角部から前記軟質部材を除去した構造であることを特徴とする請求項1のシール機構。
  6. 前記応力緩和機構は、前記軟質部材のシール対象流体と接する表面に、対象流体の浸透を防止する表面改質或いはコーティングを施した構造であることを特徴とする請求項1のシール機構。
  7. 前記応力緩和機構は、前記軟質部材のシール面或いは前記シール面と摺動する相手面に低摩擦材を用いた、或いは表面改質又はコーティングを施した構造であることを特徴とする請求項1のシール機構。
  8. 請求項2のシール機構において、保持部材と軟質部材と有するシール機構を、複数用いることを特徴とするシール機構。
  9. 請求項2のシール機構において、保持部材に複数の貫通穴を有することを特徴とするシール機構。
  10. 往復動プランジャと、このプランジャが滑合するシリンダを有し、前記プランジャの往復運動によってシリンダ内に容積の変化する加圧室が形成される燃料ポンプにおいて、プランジャとシリンダとの間に、請求項1〜9の何れかのシール機構を備えたことを特徴とする燃料ポンプ。
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