JP2007007524A - 超臨界溶液急速冷却法による単分散超微粒子の製造方法及び装置 - Google Patents
超臨界溶液急速冷却法による単分散超微粒子の製造方法及び装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】
有機溶剤を使用せず、ナノオーダーからミクロオーダーの単分散超微粒子懸濁液の製造を実現する。粒子生成直後の粒子凝集と結晶成長を防止し、超微粒子の完全回収方法及び装置を提供する。
【解決手段】
界面活性剤を溶解させた冷却液を超臨界溶液に注入すること及び外部から冷却することにより、超臨界溶液を急速に冷却して、超微粒子を生成させる。冷却液に入れた界面活性剤が析出した粒子の表面を吸着して、生成した粒子の凝集や結晶成長を素早く抑制するため、超微粒子が生成し、生成微粒子は水溶液中に均一単分散した超微粒子懸濁液として回収できる。
【選択図】図1
有機溶剤を使用せず、ナノオーダーからミクロオーダーの単分散超微粒子懸濁液の製造を実現する。粒子生成直後の粒子凝集と結晶成長を防止し、超微粒子の完全回収方法及び装置を提供する。
【解決手段】
界面活性剤を溶解させた冷却液を超臨界溶液に注入すること及び外部から冷却することにより、超臨界溶液を急速に冷却して、超微粒子を生成させる。冷却液に入れた界面活性剤が析出した粒子の表面を吸着して、生成した粒子の凝集や結晶成長を素早く抑制するため、超微粒子が生成し、生成微粒子は水溶液中に均一単分散した超微粒子懸濁液として回収できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、超臨界流体と界面活性剤を用いた単分散超微粒子の製造方法およびその装置に関するものである。特に、本発明は超臨界二酸化炭素に溶解した溶質を急速に冷却することにより、ナノメートルからミクロンメートルまでの難水溶性超微粒子懸濁液を製造する方法およびその装置に関するものである。
物質を微粒子化すると表面積が大きくなり、機能や移動性、透過性などの特性が変わることから、薬剤の微粒子化が求められている。従来は摩砕や衝撃式の粉砕機で微粒子化されているが、粉砕には限界があることと粉砕微粒子が凝集しやすいことから単分散微粒子の製造が困難であった。
近年、超臨界流体を用いる微粒子の製造法が注目されている。すなわち、超臨界流体に溶質を溶解させた後、超臨界二酸化炭素をノズルから大気中に噴射すると、二酸化炭素が急速に気体となり揮散するとともに、圧力低下により溶質が析出して微粒子が生成する方法が超臨界流体急速膨張法(RESS)である。本方法では生成粒子が凝集しやすく、生成粒子が微粒子になるほど回収が困難となるために、難水溶性微粒子の回収と凝集防止のため、RESSの改良法として、超臨界溶液を回収溶液に噴射することにより、微粒子を製造するRESAS法が開発されている。
Matsonらが研究した急速膨張法(RESS)は、有機溶剤を使わない利点を持ち、超臨界二酸化炭素に溶ける溶質の微粒子化に有効であり、特許や文献に多数発表されている(非特許文献1−3に参照)。Youngらが改良したRESAS法も、RESSの基本概念を採用している。RESSとRESAS両方とも急激な減圧で、超臨界流体に溶解した溶質を高い過飽和状態にすることを特徴とする。
微粒子を溶液中に分散するために、界面活性剤はよく利用される。このような手法はRESAS法やSAS法にも応用されている(特許文献1−2に参照)。
溶質を有機溶剤で溶解してからノズルを通し急速冷却することによる超微粒子を製造する方法は、Williamsらにより特許化された(特許文献3に参照)。
微粒子を溶液中に分散するために、界面活性剤はよく利用される。このような手法はRESAS法やSAS法にも応用されている(特許文献1−2に参照)。
溶質を有機溶剤で溶解してからノズルを通し急速冷却することによる超微粒子を製造する方法は、Williamsらにより特許化された(特許文献3に参照)。
RESS法ではミクロン以上の粒子を生成しやすいが、サブミクロン特に100ナノ以下のナノサイズの粒子は作製困難である(非特許文献3に参照)。そして、大気中に噴射した微粒子の回収も大きい難点になっている。RESAS法では、難水溶性微粒子に対して回収問題をほぼ解決でき、微細ノズルを採用すればサブミクロンの微粒子も作製できるという利点がある。ただ、ナノサイズの超微粒子を製作するために、サブミクロンないしナノサイズの超微細ノズルが必要になり、ノズル製作の難しさと流量の制限があるため、産業への応用が困難という欠点がある。また、特許文献3のような急速噴射冷凍法では、有機溶剤を使うため、薬剤などの微粒子を製作には、薬剤の純度や環境汚染などの問題を指摘されている。
Pace et al., US 6177103
Henriksen et al., US 6576264
Williams et al., US 6862890 B2
Matson et al., "Rapid Expansion of Supercritical Fluid Solutions: Solute Formation of Powders, Thin Films, and Fibers," Ind. Eng. Chem. Res.26(1987)2298-2306.
Young, et al., Biotechnology. Prog.,"Rapid Expansion from Supercritical to aqueous solution to produce suspensions of water-insoluble drugs 16(2000)402-407.
Jung et al., "Particle design using supercritical fluids: Literature and patent survey," Journal of Supercritical Fluids 20(2001)179-219.
有機溶剤を使う薬剤の微粒子化法が研究されているが、環境負荷の低減や安全性向上などの面から超臨界流体法が有利である。超臨界流体に溶けた溶質の溶解度は圧力と温度に依存する。その過飽和度は圧力の変化に敏感であり、急速膨張するとき圧力の減少とともに、溶質の過飽和度は激しく変化する。超臨界流体はバルブや配管を通過時に圧力損失があるので、流体がノズルに到着する前に、溶質が核生成し、凝集や合併によるミクロン又はミクロンレベルまで成長してしまう。より小さい超微粒子を調整するためには、溶質の過飽和度の調整手段、結晶成長を素早く停止させる方法の開発が必要である。
RESS法とRESAS法では、生成された粒子のサイズが微細ノズルのサイズに大きく依存する。ノズル径が小さいほど生成粒子が微粒子化される。耐圧性のノズルはほとんどが金属製であり、レーザーで加工できるノズルの直径は数十ミクロン程度である。また、たとえ特製微細ノズルが有ったとしても、微細ノズルからの流量が小さく、微粒子の量産化が困難である。
本発明は、有機溶剤と微粒子化ための微細ノズルを使用しない、単分散した超微粒子の製造方法を提供するものである。
本発明は、有機溶剤と微粒子化ための微細ノズルを使用しない、単分散した超微粒子の製造方法を提供するものである。
本発明は以上のような問題を解決するために、有機溶剤と微粒子化ための微細ノズルを使わず、超臨界溶液中の溶質の核生成直後、超微粒子表面に界面活性剤を吸着させ、直ちに超微粒子の結晶成長を止め、単分散超微粒子を作製しようとするものである。
すなわち、本発明は、以下の(1)ないし(10)の単分散超微粒子製造の制御方法を要旨とする。
(1)急速に超臨界溶液を冷却することで、超臨界溶液の温度を臨界点以上から大幅に臨界点以下に下げ、急速に超臨界状態から非超臨界状態である液相又は液−固両相にさせる制御方法。
(2)溶質が溶けない溶液を超臨界流体の臨界点より低い温度に冷却し、この冷却液をノズルに通して超臨界溶液に噴射することで、霧状液滴又は微細流体を形成する。該冷却相が噴出された際の激しい降温効果を利用する冷却方法。冷却液を噴射する際、超微粒子作製高圧チャンバー全体を外部から冷却する方法。
(3)上記(1)ないし(2)の方法で、超臨界溶液に溶けた溶質の溶解度の大幅な減少に伴って高い過飽和度を達成し、該溶質の析出による超微粒子の製造する方法。
(4)超臨界溶液と冷却液を接触させることにより、前記溶質を冷却液の中に析出する該溶質超微粒子の生成方法。
(5)形成された超微粒子を冷却液中で捕捉・回収する該超微粒子の製造方法。
(6)冷却液内に添加した界面活性剤が超微粒子表面に吸着することで、第一次超微粒子の凝集や結晶成長を停止する方法。
(7)単一あるいは複数の親水性界面活性剤の種類、添加濃度、混合比を変えることにより、微粒子の分散効果を制御する方法。
(8)冷却液の注入量、注入温度と注入圧力、超微粒子作製高圧チャンバーの温度と圧力変えることにより、冷却効果を制御する方法。
(9)密封容器内で、該超微粒子を単分散懸濁液として完全回収する方法。
(10)上記(1)から(9)の方法で、超微粒子の形成、分散、回収を同時に完成することを特徴とする難水溶性超微粒子懸濁液の迅速製造方法。
すなわち、本発明は、以下の(1)ないし(10)の単分散超微粒子製造の制御方法を要旨とする。
(1)急速に超臨界溶液を冷却することで、超臨界溶液の温度を臨界点以上から大幅に臨界点以下に下げ、急速に超臨界状態から非超臨界状態である液相又は液−固両相にさせる制御方法。
(2)溶質が溶けない溶液を超臨界流体の臨界点より低い温度に冷却し、この冷却液をノズルに通して超臨界溶液に噴射することで、霧状液滴又は微細流体を形成する。該冷却相が噴出された際の激しい降温効果を利用する冷却方法。冷却液を噴射する際、超微粒子作製高圧チャンバー全体を外部から冷却する方法。
(3)上記(1)ないし(2)の方法で、超臨界溶液に溶けた溶質の溶解度の大幅な減少に伴って高い過飽和度を達成し、該溶質の析出による超微粒子の製造する方法。
(4)超臨界溶液と冷却液を接触させることにより、前記溶質を冷却液の中に析出する該溶質超微粒子の生成方法。
(5)形成された超微粒子を冷却液中で捕捉・回収する該超微粒子の製造方法。
(6)冷却液内に添加した界面活性剤が超微粒子表面に吸着することで、第一次超微粒子の凝集や結晶成長を停止する方法。
(7)単一あるいは複数の親水性界面活性剤の種類、添加濃度、混合比を変えることにより、微粒子の分散効果を制御する方法。
(8)冷却液の注入量、注入温度と注入圧力、超微粒子作製高圧チャンバーの温度と圧力変えることにより、冷却効果を制御する方法。
(9)密封容器内で、該超微粒子を単分散懸濁液として完全回収する方法。
(10)上記(1)から(9)の方法で、超微粒子の形成、分散、回収を同時に完成することを特徴とする難水溶性超微粒子懸濁液の迅速製造方法。
本発明にかかわる装置は、溶質を溶解する圧力と温度に調整できる超臨界流体制御部、適切な冷却液温度と圧力を調整できる冷却液制御部、噴射部、超微粒子の回収部で構成される。
本発明は、有機溶剤を使わず、例えば毒性のない超臨界二酸化炭素を溶剤として、ナノメートルからミクロンメートルまでの難水溶性超微粒子の形成、第一次粒子の凝集防止、作製した超微粒子の完全回収、単分散な超微粒子懸濁液を迅速に製造することができる。
本発明を実施するための実施形態について図面1と図面2を参照して説明する。 図1は本発明実施例の装置を説明するための図面である。図2は、冷却液と界面活性剤の作用、超微粒子の生成機構、単分散超微粒子縣濁液の形成過程を説明するための模式図である。親水性界面活性剤を含む冷却水で超臨界二酸化炭酸に溶解した難水溶性物質の微粒子化を例として説明する。
まず、最初に本発明における各項目について説明する。
超微粒子:本来、ナノメートル前後の粒子だけがナノ粒子と思われるが、特に薬剤微粒子製造分野では、1ミクロンメートル以下の粒子をナノ粒子と呼ぶ。本発明では、ナノオーダーからミクロオーダーまでの粒子を超微粒子と呼ぶ。
超臨界溶液:溶質を入れた超臨界流体である。本来、超臨界流体とは、物質の臨界点を超えた温度、圧力にある流体であり、物質を溶解する能力が気体や液体よりも遥かに高い。実施例における超臨界流体は、例えば、毒性がなく操作しやすい超臨界二酸化炭素が挙げられる。その他に取扱いやすい超臨界流体としては、エタン、プロパン、メタノール、エタノール、アンモニア、キセノン等が考えられる。
界面活性剤:界面に物質が吸着し、その界面張力が低下する現象を界面活性と呼び、特に少量で著しい界面活性を示す効果的な物質を界面活性剤と呼ぶ。実施例における界面活性剤は、安全性のことを考えた上、難水溶性薬剤微粒子に向けてHLB15ぐらいの親水性非イオン化界面活性剤を選択した。非イオン性界面活性剤の他、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が考えられる。
超臨界流体に溶ける溶質:各種薬剤の中にほぼ三分の一が水に溶けにくいが、超臨界二酸化炭素中に溶ける薬剤は珍しくない。例えば、消炎薬としてのアスピリンや麻酔と心臓不整脈に使うリドカインなどが挙げられる。その他、顔料、化粧品、高分子材料等も考えられる。
懸濁液:液体に固体粒子が分散した溶液。又は、コロイド溶液、サスペンションともいう。実施例で得られる懸濁液は、水、超微粒子と界面活性剤を構成する。
まず、最初に本発明における各項目について説明する。
超微粒子:本来、ナノメートル前後の粒子だけがナノ粒子と思われるが、特に薬剤微粒子製造分野では、1ミクロンメートル以下の粒子をナノ粒子と呼ぶ。本発明では、ナノオーダーからミクロオーダーまでの粒子を超微粒子と呼ぶ。
超臨界溶液:溶質を入れた超臨界流体である。本来、超臨界流体とは、物質の臨界点を超えた温度、圧力にある流体であり、物質を溶解する能力が気体や液体よりも遥かに高い。実施例における超臨界流体は、例えば、毒性がなく操作しやすい超臨界二酸化炭素が挙げられる。その他に取扱いやすい超臨界流体としては、エタン、プロパン、メタノール、エタノール、アンモニア、キセノン等が考えられる。
界面活性剤:界面に物質が吸着し、その界面張力が低下する現象を界面活性と呼び、特に少量で著しい界面活性を示す効果的な物質を界面活性剤と呼ぶ。実施例における界面活性剤は、安全性のことを考えた上、難水溶性薬剤微粒子に向けてHLB15ぐらいの親水性非イオン化界面活性剤を選択した。非イオン性界面活性剤の他、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が考えられる。
超臨界流体に溶ける溶質:各種薬剤の中にほぼ三分の一が水に溶けにくいが、超臨界二酸化炭素中に溶ける薬剤は珍しくない。例えば、消炎薬としてのアスピリンや麻酔と心臓不整脈に使うリドカインなどが挙げられる。その他、顔料、化粧品、高分子材料等も考えられる。
懸濁液:液体に固体粒子が分散した溶液。又は、コロイド溶液、サスペンションともいう。実施例で得られる懸濁液は、水、超微粒子と界面活性剤を構成する。
本発明では、適量な溶質を高圧チャンバー10に入れ、超臨界二酸化炭素の臨界点(臨界温度31.2℃、臨界圧力7.38MPa)を越える温度と圧力に調整し、溶質を超臨界二酸化炭素に溶解させる。溶質を溶かすため、必要であれば撹拌器にて撹拌する。
次に、選択した冷却液を臨界温度より低い温度に調整した後、シリンダーポンプ 11にいれ、高圧チャンバー10の圧力より数MPa高い圧力をかけ、高圧チャンバー10内に設置したノズル8から冷却液を霧状に高速噴出させて、液滴15の表面近くにある超臨界二酸化炭素溶液を急速冷却する。
急冷により、高圧チャンバー10内にある溶質17が液滴の表面に析出が始まる。攪拌効果および拡散運動により、析出した固体溶質が液体内部に入り、界面活性剤分子16と接触する。界面活性剤16が固体粒子の表面に吸着し、粒子と粒子との凝集を防止し、結晶成長を停止する。従って、表面親水性を持ち単分散超微粒子19を懸濁液20の状態で作製することが可能となる。
次に、選択した冷却液を臨界温度より低い温度に調整した後、シリンダーポンプ 11にいれ、高圧チャンバー10の圧力より数MPa高い圧力をかけ、高圧チャンバー10内に設置したノズル8から冷却液を霧状に高速噴出させて、液滴15の表面近くにある超臨界二酸化炭素溶液を急速冷却する。
急冷により、高圧チャンバー10内にある溶質17が液滴の表面に析出が始まる。攪拌効果および拡散運動により、析出した固体溶質が液体内部に入り、界面活性剤分子16と接触する。界面活性剤16が固体粒子の表面に吸着し、粒子と粒子との凝集を防止し、結晶成長を停止する。従って、表面親水性を持ち単分散超微粒子19を懸濁液20の状態で作製することが可能となる。
次に、実施例について説明する。超臨界二酸化炭素に対する溶解度の高いリドカインとアスピリンをモデル薬とした。食品添加物に使われ、人体に対する影響や環境影響などがなく、きわめて高い安全性を有するTween-80とショ糖脂肪酸エステルを界面活性剤とした。
高圧チャンバー10に所定量(0.025%)のアスピリンを入れた後、二酸化炭素を導入し、50℃、15MPaに調整して、超臨界二酸化炭素にアスピリンを溶解する。一方、ゼリー状の非イオン性界面活性剤Tween-80(HLB=15)を約70℃で水に完全溶解した後、約10℃に冷却する。このTween-80水溶液(0.5wt%)を冷却容器11に入れる。この冷却液を圧力20MPaの条件下、直径約0.2mmのノズル8を通して高圧チャンバー10に噴射する。数分間攪拌した後、高圧チャンバーのバルブを開け、大気圧までゆっくり減圧して、超微粒子懸濁水溶液を回収した。この懸濁液中の粒子サイズをレーザー散乱分析法で測定した。その結果を表1と図3に示す。平均約280ナノメートルの超微粒子が形成されていることが分かった。
表1:アスピリン超微粒子のサイズ分布測定結果
表1:アスピリン超微粒子のサイズ分布測定結果
高圧チャンバー10に所定量(約0.05wt%)のリドカインを入れ、二酸化炭素を導入し、50℃、10MPaに調整して、超臨界二酸化炭素にリドカインを溶解する。一方、粉末状の非イオン性界面活性剤ショ糖脂肪酸エステル(S-1570、HLB=15)を約70℃の水に完全溶解した後、約5℃に冷却する。このS-1570冷却液(0.03wt%)を冷却容器11に入れ、この冷却液を圧力15MPaの条件下、直径約0.2mmのノズル8を通して超微粒子製作チャンバー9に噴射する。高圧チャンバー10全体を冷却槽13中に入れ、氷水を充満させて冷却効果を強化する。高圧チャンバー10内を数分間攪拌し、生成粒子と液体を中に均一分散させる。圧力を解放後に、生成粒子が懸濁した液を採取し、レーザー散乱分析法で粒子サイズを測った。その結果を表2と図4に示す。10ナノから120ナノまで、平均62ナノメートルの超微粒子が形成されていることが分かった。
表2:リドカイン超微粒子のサイズ分布測定結果
表2:リドカイン超微粒子のサイズ分布測定結果
本発明は、医薬品、材料、化学業界等の幅広い分野において、超微粒子の創製、単分散した超微粒子懸濁液の製造方法に利用できる。
1 二酸化炭素ボンベ
2 バルブ
3 冷却機
4 ポンプ
5 圧力調整器
6 ヒータ
7 超臨界二酸化炭素リザーバー
8 注入部
9 攪拌器
10 超微粒子作製チャンバー
11 冷却液注入用高圧シリンダーポンプ
12 溶質注入器
13 外部冷却槽
14 回収容器
15 冷却剤液滴
16 界面活性剤
17 超臨界溶液から析出した超微粒子
18 合流した冷却液
19 表面親水性を持つ単分散粒子
20 溶液に分散している超微粒子懸濁液
2 バルブ
3 冷却機
4 ポンプ
5 圧力調整器
6 ヒータ
7 超臨界二酸化炭素リザーバー
8 注入部
9 攪拌器
10 超微粒子作製チャンバー
11 冷却液注入用高圧シリンダーポンプ
12 溶質注入器
13 外部冷却槽
14 回収容器
15 冷却剤液滴
16 界面活性剤
17 超臨界溶液から析出した超微粒子
18 合流した冷却液
19 表面親水性を持つ単分散粒子
20 溶液に分散している超微粒子懸濁液
Claims (5)
- 溶質を溶解した超臨界流体と冷却液を混合して、臨界温度以下に急速冷却して、溶質を超微粒子として析出させることを特徴とする溶質の超微粒化技術。
- 溶質を溶解した超臨界流体を含む高圧チャンバー中に、冷却液を注入する、超臨界流体を急冷して臨界温度以下にして、溶質の溶解度を大幅に減少させるとともに、貧溶媒化して、溶質を微粒子として析出させることを特徴とする請求項1の溶質の超微粒子化方法。
- 冷却液が溶質不溶性の溶液で、超臨界点以下に保持された溶液、望ましくは臨界温度より20℃以上低い溶液を溶質の溶解した超臨界流体中に急速注入することを特徴とする請求項1、2の溶質の超微粒子化方法。
- 一種或いは多種の界面活性剤を所定濃度溶解した冷却液を用い、生成した超微粒子を単分散微粒子として回収することを特徴とした請求項1ないし3の単分散超微粒子の製造方法。
- 冷却液の注入部が微細ノズルあるいは多孔板からなり、内部攪拌機と外部冷却槽を具備した高圧チャンバーを用いることを特徴とする請求項1ないし4の単分散超微粒子の製造装置。
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WO2021075003A1 (ja) * | 2019-10-16 | 2021-04-22 | 株式会社 ナノ・キューブ・ジャパン | 難溶性物質の超微粒子の分散液の製造方法 |
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2005
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