JP2007006896A - ライグラスの花粉のアレルゲン - Google Patents

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Abstract

【課題】 ライグラスの花粉のアレルゲン性タンパク質をコードする核酸配列を提供すること。
【解決手段】 本発明は、ライグラスの花粉のアレルゲン性のLoi pIaおよびLol pIbをコードする核酸配列、精製されたLoi pIaおよびLol pIbのタンパク質およびその断片、組み換えLoi pIaおよびLol pIbまたはその少なくとも1つの断片またはその誘導体または相同体を生産する方法、およびそれらの核酸配列、タンパク質およびタンパク質を使用する方法に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ライグラス、ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)L.の花粉からの主要なアレルゲン性タンパク質、およびその誘導体および相同体、およびそれに免疫学的に関係するアレルゲン性タンパク質に関する。本発明は、また、組み換えLol pIaおよびLol pIbおよびそれらの誘導体、およびそれらの合成を指令することができる発現ベクターに関する。なおとくに、本発明は、Lol pIaおよびLol pIbを別々にエンコードするcDNA、およびそれからなる発現ベクターに関する。
アレルゲンは、温和な気候におけるアレルゲン性疾患の大部分原因である、草の花粉(grass pollen)の最も豊富なタンパク質を構成する(非特許文献1、非特許文献2)。ライグラスにおけるアレルゲン性タンパク質の最初の記載は、それらが免疫化学的に明確であり、そして群I、II、IIIおよびIVとして知られていることを示した(非特許文献3、非特許文献4)。免疫学学会の国際的ユニオン(International、Union of Immunological Societies)(IUIS)の名称を使用して、これらのアレルゲンはLol pI、Lol pII、Lol pIIIおよびLol pIVと表示された。
これらの4つのタンパク質は花粉ライグラス、ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)L.において同定され、これらは感受性のヒトにおける直ちの(1型)過敏症をトリガーする抗原として作用する。
Lol pIは、ライグラス感受性患者の血清の中の特異的IgEに結合し、IgGの応答において抗原として作用し、そしてT−細胞の応答をトリガーする能力をもつために、アレルゲンとして定義される。アレルゲンの性質は草の花粉に感受性の患者の直接の皮膚の試験により評価された。結果は84%はがLol pIに対する皮膚の感受性を有することを示し(非特許文献5)、アレルゲンとしてのこのタンパク質の大部分重要性を証明した。さらに、草の花粉に感受性であると証明された患者の95%は、イムノブロッティングにより証明されるように(非特許文献6)、Lol pIに結合する特異的IgE抗体を有した。
草の花粉の間の実質的なアレルゲン性交差反応性は、IgE結合アッセイ、ラジオアレグロ収着試験(RAST)を使用して、例えば、非特許文献7及び非特許文献8に記載されているように、証明された。
Lol pIと他の草の花粉の抗原との免疫化学的関係は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を使用して証明された(例えば、非特許文献9、非特許文献10)。精製されたタンパク質およびIgE結合性成分の両者に対する抗体調製された。これらのデータは、密接に関係する草の花粉の中に存在する主要なアレルゲンがLol pIに免疫化学的に類似することを証明した(非特許文献9)。
Marsh(1975),Allergens and the genetics of allergy;in M.Sela(ed),The Antigens,Vol.3,pp 271−359,Academic Press Inc.,London,New York Hill et al.(1979),Medical Journal of Australia 1,426−429 Johnson and March(1965),Nature,206,935− Johnson and March(1966),Immunochemistry,3,91−100 Freidhoff et al.(1986),J.Allergy Clin.Immunol.,78:1190−1201 Ford and Baldo(1986),International Archives of Allergy and Applied Immunology,81:193−203 Marsh et al.(1970),J.Allergy,46,107−121 Lowenstein(1978),Prog.Allergy,25,1−62(Karger,Basel) Smart and Knox(1979),International Archives of Allergy and Applied Immunology,62:173−187 Singh and Knox(1985),International Archives of Allergy and Applied Immunology,78,300−304
本発明によれば、Lol pIは2つのタンパク質、ここにおいてLol pIaおよびLol pIbと表示する、からなることが発見された。これらのタンパク質をエンコードする遺伝子は、今回、クローニングされ、組み換えアレルゲンの大規模の生産を可能とした。こうして、本発明の1つの面は、Lol pIaおよびLol pIbをコードする核酸配列を提供する。
本発明の他の面は、草の種の花粉からのアレルゲン性活性を表すタンパク質をエンコードするDNA配列からなる組み換えベクターに関する。よりとくに、草の種はポアセアエ(Poaxeae)(Gramineae)族、なおとくにロリウム(Lolium)属に属する。なおさらにとくに、アレルゲン性タンパク質はロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)の花粉のLol pIaまたはLol pIbのタンパク質に対する抗体と免疫学的に交差反応性であるとして特性決定された、すなわち:
プーイド(Pooid)(フェスツコイド(festucoid))草。群1:トリチカネア(Triticanea):Bromusu inermis、スムースブロウム(smmth brome);Agropyron reens、イングリッシュコウチ(English couch);。群2:ポアナエ(Poanae):Dactylis glomerata、コックスフート(cocksfoot)のカブガヤ;Festuca elator、メドウフェスキュ(meadow fescure);Lolium perenne、ペレニアルライグラス;L.multiflorum、イタリアンライグラス;Poa pratensis、ナカハグサ;P.compressa、フラットンド(flattened)ナカハグサ;Avena sativa、カラスムギ;Holcus lanatrus、ベルベットグラス;Arrhenatherum elatius、オオカニツリ;Agrostis alba、コヌカグサ;Phleum pratense、チモシー;Phalaris arundinacea、クサヨシ。Panicoid草、Paspalum notatum、バヒアグラス(Bahia grass)、アンドロポゴノイド(Andoropogonoid)草:Sorghum halepensis、セイバンモロコシ。
本発明の他の面は、ライグラス、ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)L.の花粉のアレルゲン性タンパク質Lol pIaまたはLol pIb、またはその誘導体または相同体からなる組み換えベクターに関係する。より詳しくは、本発明は、真核生物または原核生物の複製由来、検出可能なマーカー、Lol pIaまたはLol
pIbのアレルゲン性タンパク質またはその誘導体または相同体または前記Lol pIaおよびLol pIbトランスジェニック植物またはそれらの誘導体または相同体に対する抗体と交差反応性のアレルゲン性タンパク質をエンコードするDNA配列、および必要に応じて前記アレルゲン性タンパク質の転写を指令することができるプロモーター配列からなる組み換えDNA分子に関係する。
本発明のなお他の面は、組み換えLol pIaまたはLol pIbまたはその誘導体または相同体、あるいはLol pIaまたはLol pIbまたはその誘導体または相同体に対する抗体と免疫学的に反応性のアレルゲン性タンパク質を生産する方法を包含し、この方法は、複製可能な組み換えDNA分子を含有する有機体を、前記組み換えDNA分子が安定に維持されかつLol pIaまたはLol pIb、その少なくとも1つの断片、またはその誘導体または相同体の合成を指令する条件下にかつ十分な時間の間培養することからなり、前記組み換えDNA分子は、前記有機体の中で発現することができるプロモーター、Lol pIaまたはLol pIb、またはその少なくとも1つの断片、またはその誘導体または相同体、またはLol pIaまたはLol pIbの免疫学的に関係するタンパク質をエンコードし、前記プロモーターから下流に位置しかつそれから転写された遺伝子、選抜可能なマーカーおよび原核生物の複製由来を含有するDNAベヒクルからなる。
本発明のなお他の面において、天然以外の(すなわち、組み換え体または化学的に合成された)Lol pIaまたはLol pIbまたはそれらの誘導体または相同体、あるいはLol pIaまたはLol pIbまたはそれらの誘導体または相同体に対する抗体と免疫学的に交差反応性の天然以外のアレルゲン性タンパク質が提供される。
Lol pIaおよびLol pIbのタンパク質、およびそれらから誘導された断片または一部分(ペプチド)を、ライグラスの花粉に対するアレルギー性反応の診断、処置および予防の方法において使用することができる。
本発明のなおしかも他の面は、天然以外のLol pIaまたはLol pIbまたはそれらの誘導体または相同体に対する抗体に関係する。
本発明のなおしかも他の面において、血清または他の生物学的流体の中のポアセアエ(Poaxeae)(Gramineae)族の花粉からのアレルゲン性タンパク質に対する抗体を検出する方法が提供され、この方法は前記血清または流体を組み換えLol pIaまたはLol pIbまたはそれらの抗原性誘導体と、抗体−Lol pIaまたはLol pIb複合体が形成するために十分な時間の間かつ条件下に、接触させ、そして前記複合体を検出することからなる。
本発明の他の面は、組み換えDNA分子上に位置するライグラスの花粉のプロモーター配列またはその相同体またはその同義性の形態からなり、そしてさらに前記プロモーターより下流に1または2以上の制限部位を有し、こうしてこれらの部位の1または2以上のの中に挿入されたヌクレオチド配列が正しいリーディングフレームで転写可能である。
1つの実施態様において、組み換えDNA分子は、ライグラス、ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)L.の花粉からLol pIaまたはLol pIbの
合成を指令するプロモーターからなり、これにより発育的に調節された、花粉特異的、発現ベクターである。
本発明のそれ以上の面は、工程:
a)組み換えDNA分子を有する植物を発育させ、前記組み換えDNA分子はその上に位置するライグラスの花粉のプロモーター配列またはその相同体または同義性の形態、およびポアセアエ(Poaxeae)族から誘導された細胞の中で有害な機能を有するポリペプチドをエンコードするヌクレオチド配列からなり、前記ヌクレオチド配列は前記プロモーターから転写可能であり、そして前記組み換えDNA分子は花粉を生産する細胞を安定に含有し、そして
b)植物の発育段階について、前記プロモーターから前記ヌクレオチド配列を発現させ、これにより前記花粉を生産する細胞に対して有害な機能を有するポリペプチドを生産し、こうして花粉の形成が阻害されるか、あるいは前記花粉が不活性であるために十分な条件下にかつ時間の間、前記植物を成長させる、
からなる、ポアセアエ(Poaxeae)族の植物において核の雄性不捻性を誘発する方法を包含する。
本発明の他の特徴は、添付図面と組み合わせて行う本発明の好ましい実施態様の以下の詳細な説明から、いっそうよく理解されるであろう。
発明の実施の形態
本発明によれば、ライグラスの花粉のアレルゲンのLol pIaおよびLol pIbをエンコードする遺伝子、宿主細胞の中のそれを発現する方法提供され、これにより組み換えLol pIaおよびLol pIb源およびLol pIaおよびLol pIbのプロモーターまたはその下流に位置する任意の遺伝学的配列が提供される。
ここにおけるデータは、ライグラスの花粉の主要なアレルゲン考えられるもの、Lol
pI、が、実際に、2つの異なるタンパク質:Lol pIa、35kDのタンパク質、pI5.5およびLol pIb、31/33kDのタンパク質、pI9.0、からなることを示す。Lol pIaおよびLol pIbをエンコードする相補的DNAクローンを別々に単離し、そして特性決定した。Lol pIbは、cDNAのクローニング、NH−末端のアミノ酸配列およびアレルゲン性交差反応性の不存在から推定された、Lol pIaと異なる一次構造および組成を有する。Lol pIbは、花粉の中で、アレルゲンをプラスチドへターゲッティングする、25アミノ酸のシグナルペプチドをもつ前アレルゲンとして合成される。これに引き続いてペプチドの切断が存在し、そして成熟花粉において、アレルゲンは澱粉粒の中に主として存在する。
遺伝学的物質の本来の源は、オーストラリア国メルボルン付近の畑源から集められた、ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)L.からの新鮮なトランスジェニック植物、および供給会社(グリーア・ラボラトリーズ(Greer Laboratories)、ノースカロライナ州レノイア)からの大量の集められた花粉である。これらの花粉源は、花粉の1つの便利な供給を表すだけであるので、本発明の範囲を限定しない。本発明は、任意の位置からの花粉を使用して実施することができる。
「遺伝子」は、本発明に関して、おの最も広い意味において使用し、そしてヌクレオチドの任意の隣接する配列、mRNA分子に導く転写を意味し、前記mRNA分子はタンパク質に翻訳されることができる。Lol pIbをエンコードする遺伝子は、タンパク質またはタンパク質の誘導体または相同体をエンコードするヌクレオチド配列を意味し、これらはLol pIaおよびLol pIbの間の共通の抗原性エピトープを含有する誘導体を包含する、単一または多数のアミノ酸の置換、欠失または付加を含有することができる。同様に、Lol pIaの炭水化物に加えて、誘導体は前記炭水化物に対する単一または多数の置換、希釈または付加を包含する。Lol pIaおよびLol pIbの遺伝子は、また、それぞれ、Lol pIaおよびLol pIbのタンパク質の全長のまたは部分的長さに相当するmRNAに対して相補的なcDNAを意味する。
Lol pIaおよびLol pIbをコードする核酸配列の中の配列の多形性が存在することが期待され、そして当業者は理解するように、Lol pIaおよびLol pIbをコードする核酸配列の中の1または2以上のヌクレオチドは、自然の対立遺伝子変異(allelic variation)のために、個々のロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)植物の間で変化することができる。任意のおよびすべてのこのようなヌクレオチドの変異型および生ずるアミノ酸の多形性は本発明の範囲内である。遺伝子の配列決定の間に発見されたLol pIaをコードする遺伝子の多形性は、実施例9に論じられている。また、当業者は理解するように、Lol pIaおよびLol pIbの各々は高度に関係する遺伝子の別々の族の構成員であることができ、それらのタンパク質はロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)の花粉の中に存在する(例えば、Rafnarら、(1991)ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、266:1229−1236;Silvanovichら(1991)ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、266:1204−1210)。任意のおよびすべての関係する族の構成員のヌクレオチド配列および対応する推定されたアミノ酸配列は本発明の範囲内である。
したがって、本発明の範囲内に、Lol pIaまたはLol pIb、Lol pIaまたはLol pIbの少なくとも1つの断片(ペプチド)、およびそれらのアミノ酸および/または炭水化物の誘導体が包含され、そしてLol pIaまたはLol pIb、前記Lol pIaまたはLol pIbの断片、またはそれらの前記誘導体をエンコードする、DNA、cDNAおよびmRNAおよびそれらの相同体または同義性の形態を包含する、ヌクレオチド配列が包含される。さらに、本発明によれば、Lol pIaまたはLol pIb、または少なくとも1つのLol pIaまたはLol pIbの断片、またはそれらの誘導体に融合した、あるいはLol pIaまたはLol pIb、Lol pIaまたはLol pIbの断片、および/またはヌクレオチド配列をエンコードする誘導体に隣接するヌクレオチド配列に融合してた、分子、例えば、ポリペプチドを包含する。例えば、本発明のいくつかの面について、Lol pIaまたはLol pIbまたはLol pIaまたはLol pIbの少なくとも1つの断片、またはそれらの誘導体およびオリゴヌクレオチドペプチドまたはタンパク質からのアミノ酸配列からなる融合タンパク質を生産することを望み、後者の例は酵素、例えば、ベーター−ガラクトシダーゼ、ホスファターゼ、尿素などである。大部分の融合タンパク質は組み換え遺伝子の発現により形成され、ここで2つの解読配列はそれらのリーディングフレームがインフェイズであるように一緒にに接合される。あるいは、調製またはペプチドは化学的手段によりin vitroで連鎖することができる。Lol pIaまたはLol pIbまたはそれらのエンコードするヌクレオチド配列のこのような融合タンパク質またはハイブリッドの遺伝学的誘導体は本発明に包含される。さらに、Lol pIaまたはLol
pIbの相同体および誘導体はそれらの合成誘導体を包含する。ここにおいて解明されるようにヌクレオチド配列を使用して、エーテルのタンパク質を合成するか、あるいはある数の断片(ペプチド)を化学的合成によりよく知られている方法(例えば、固相合成)により発生させることができる。すべてのこのような化学的に合成されたペプチドは本発明に包含される。したがって、本発明は、単離されたLol pIaおよびLol pIb、それらの断片およびそれらの誘導体、相同体および組み換え手段によるか、あるいは化学的手段により作られた免疫学的に関係するものを包含し、そしてLol pIaおよびLol pIbの間で共通の抗原性エピトープを含有する誘導体を包含することができる。用語の単離されたおよび精製されたは、ここにおいて互換的に使用され、そしてペプ
チド、タンパク質、タンパク質断片および核酸配列を意味し、これらは、組み換えDNA技術により生産されるとき、細胞の物質または培地を含まないか、あるいは化学的に合成されたとき、化学的前駆体または他の化学物質を含まない。さらに、本発明は、第3b図、第6図、および第7a図および第7b図に記載されているヌクレオチド解読配列に全体または一部分が相当するか、あるいはそれらの同義性または相同性の形態に相当する、タンパク質または断片(ペプチド)を包含する。
本発明の範囲内の核酸の断片は、哺乳動物、好ましくはヒトにおいて、抗原性応答;IgGおよびIgMの抗体を引き出すこと;またはT細胞の応答、増殖を引き出すおよび/またはリンホカインの分泌および/またはT細胞の誘発;を引き出すLol pIaまたはLol pIbの一部分をコードするものを包含する。Lol pIaまたはLol pIbの前述の断片を、ここにおいて、抗原性断片と呼ぶ。本発明の範囲内の断片は、また、Lol pIaまたはLol pIbと交差反応性であるアレルゲンを検出するためのスクリーニングのプロトコルにおいて使用する、他の植物種からの核酸とハイブリダイゼーションすることができる断片を包含する。ここで使用するとき、Lol pIaまたはLol pIbをコードする核酸配列の断片は、Lol pIaまたはLol pIbおよび/または成熟Lol pIaまたはLol pIbの全体のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列以外の、より少ない塩基を有するヌクレオチド配列を呼ぶ。一般に、Lol pIaまたはLol pIbの1または2以上の断片をコードする核酸配列は成熟タンパク質をコードする塩基から選択されるが、しかしながら、ある場合において、本発明の核酸配列のリーダー配列の一部分からの1または2以上のすべてまたは一部分を選択することが望ましいことがある。本発明の核酸配列は、また、リンカー配列、制限エンドヌクレアーゼ部位およびLol pIaまたはLol pIbまたはその断片のクローニング、発現または精製に有用である他の配列を含有することができる。
所望の抗原性応答を引き出す、ライグラスの花粉からのアレルゲン、好ましいLol pIaまたはLol pIbの断片(ここにおいて抗原性断片と呼ぶ)は、このようなペプチドまたはこの分野において知られている技術を使用して化学的に合成されたペプチドをコードする、本発明の核酸配列の対応する断片から、組み換え法により生産されたペプチドをスクリーニングすることによって得ることができる。アレルゲンのペプチドの断片は、任意のこの分野において知られている方法により、例えば、アレルゲンの化学的切断、アレルゲンをペプチドのオーバーラップをもたない所望の長さの断片へ任意に分割すること、あるいは好ましくはアレルゲンを所望の長さのオーバーラッピングする断片に分割することにより得ることができる。断片を試験してそれらの抗原性またはアレルゲン性を決定することができる。T細胞の応答、例えば、刺激(すなわち、増殖またはリンホカインの分泌)を引き出すすることができるおよび/またはT細胞のアネルギーを誘発することができるLol pIaまたはLol pIbの断片は、とくに望ましい。免疫グロブリンE(IgE)に結合しないおよび/または最小のIgE刺激活性を有するLol pIaまたはLol pIbの断片は、また、望ましい。Lol pIaまたはLol pIbの断片がIgEに結合する場合、このような結合はヒスタミンの結合に導かない、例えば、このような結合はマスト細胞上のIgEの交差連鎖を引き起こさないことが好ましい。最小のIgEの刺激活性は、全体のLol pIaまたはLol pIbタンパク質により刺激されたIgEの生産の量より少ないことを意味する。好ましい断片は、また、ライグラスの花粉に感受性の個体に投与したとき、個体のライグラスの花粉へのアレルギー性応答を変更することができる抗原性断片、およびライグラスの花粉に感受性の個体に投与したとき、個体のライグラスの花粉の抗原に対するB−細胞の応答、T−細胞の応答または両者の応答を変更することができる断片を包含する。
タンパク質またはその断片に結合するIgEについてのスクリーニングは、実験室の動物またはヒトについての引っ掻き試験または皮内皮膚試験、あるいはin vitroの系、例えば、RAST(ラジオアレルゴソーベント試験)、RAST阻害、ELISAアッセイまたはラジオイムノアッセイ(RIA)により実施することができる。
本発明は、発現ベクターおよび本発明の核酸配列を発現するように形質転換された宿主細胞を提供する。Lol pIaまたはLol pIb。またはその少なくとも1つの断片をコードする核酸配列は、バクテリアの細胞、例えば、E.coli、昆虫、酵母菌、または哺乳動物細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)の中で発現することができる。適当な発現ベクター、プロモーター、エンハンサー,および他の発現コントロール要素は、Samborookら、分子クローニング:実験室のマニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、第2版、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor)、1989の中に見いだすことができる。酵母菌、昆虫または哺乳動物細胞の中の発現は、組み換え物質の部分的または完全なグリコシル化および、存在する場合、特性の相互または内部のジサルファイド結合の形成に導くであろう。酵母菌の中の発現に適当なベクターは、次のものを包含する:YepSec1(Baldariら(1987)Embo J.6:229−234;pMFα(KurjanおよびHerskowitz(1982)細胞(Cell)、30:933−843;およびJRY88(Shultzら(1987)遺伝子(Gene)54:113−123)。
E.coliの中の発現のために、適当な発現ベクターは、次のものを包含する:pTRC(Amanら(1988)遺伝子(Gene)69:301−315);pGEX(Amrad Corp、オーストラリア国メルボルン);pMAL(N.E.Biolabs、マサチュセッツ州ベバリー);pRIT5(Pharmacia、ニュージャージイ州ピスカタウェイ);およびpSEX(Knappら(1990)バイオ/テクノロジー(Bio/Technology):280−281)。pTRCおよびpGEXの使用は、融合しない調製の発現に導くであろう。pMAL、pRIT5およびpSEMの使用は、マルトースE結合性タンパク質(pMAL)、プロテインA(pRIT5)、または切頭β−ガラクトシダーゼ(PSEM)に融合したアレルゲンの発現に導くであろう。Lol pIaまたはLol pIb、その1または2以上の断片が融合タンパク質として発現されるとき、担体タンパク質とLol pIaまたはLol pIbまたはその断片との間の融合接合部に酵素の切断部位を導入することはとくに有利である。次いで、Lol pIaまたはLol pIbまたはその断片を、融合タンパク質から、酵素部位における酵素的切断およびタンパク質およびペプチドの精製のための普通の技術を使用する生化学的精製により回収することができる。適当な酵素的切断部位は、血液凝固因子Xまたはトロンビンのための部位を包含し、これらのために適当な酵素および切断のためのプロトコルは、例えば、シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Co.)、ミゾリー州セントルイスおよびN.N.バイオラブス(Biolabs)、マサチュセッツ州ベバリー、から商業的に入手可能である。宿主細胞は、普通の技術、例えば、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウムの共沈、DEAE−デキストラン仲介トランスフェクション、またはエレクトロポレイションを使用して、本発明の核酸配列を発現するように形質転換することができる。宿主細胞を形質転換のために適当な方法は、Samborookら、前掲、および他の実験室のテキストブックの中に見いだすことができる。本発明の核酸配列は、また、標準の技術を使用して合成することができる。
現在入手可能な構造の情報を使用して、ライグラスの花粉に感受性の個体に十分な量で投与したとき、ライグラスの花粉に対する個体のアレルギー性応答変更する、Lol pIaまたはLol pIbのペプチドを設計することができる。これは、例えば、Lol pIaまたはLol pIbの構造を検査し、ペプチドを生産して(発現系、合成的にまたは他の方法で)ライグラスの花粉に感受性の個体におけるB−細胞および/またはT−細胞の応答に影響を及ぼす、それらの能力について検査し、そして細胞により認識された適当なエピトープを選抜することによって実施することができる。エピトープに関係すると、エピトープはレセプター、とくに免疫グロブリン、組織適合性の抗原およびT細胞の受容体による基本的要素または最小単位であり、ここでレセプターの認識に対して必須のアミノ酸はアミノ酸配列において隣接するおよび/または隣接しないことができる。エピトープのアミノ酸配列をまねそしてLol pIaまたはLol pIbに対するアレルギー性応答を下方に調節することができるアミノ酸配列を、また、使用することができる。
今回、ライグラスの花粉に感受性の個体においてアレルギー性反応を誘発するライグラスの花粉のアレルゲンの能力をブロックまたは阻害することができる薬物の因子を、設計することができる。このような因子は、例えば、それらが関係する抗Lol pIaまたはLol pIb−IgEに結合し、こうしてIgE−アレルゲンの結合を防止し、そして引き続いてマスト細胞の脱顆粒を防止するような方法で、設計されるであろう。あるいは、このような因子は免疫系の細胞の成分に結合し、ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)の花粉のアレルゲンに対するアレルギー性応答の抑制または脱感作を生ずるすることができる。この例の非限定的例は、本発明のcDNA/タンパク質の構造に基づいて、適当なB−細胞およびT細胞のエピトープのペプチドを使用して、ライグラスの花粉に対するアレルギー性応答を抑制することである。これは、ライグラスの花粉に感受性の個体からの血液成分を使用するin vitroの研究においてB−細胞およびT細胞の機能に影響を与える、B−細胞およびT細胞のエピトープのペプチドの構造を定めることによって実施することができる。
本発明のタンパク質、ペプチドまたは抗体は、また、ライグラスの花粉病の検出および診断のために使用することができる。例えば、これはライグラスの花粉に対する感受性についてアッセイすべき個体からの細胞または血液生産物を、Lol pIaまたはLol pIbの単離された1または2以上の抗原性ペプチド、または単離Lol pIaまたはLol pIbタンパク質と、血液の中の成分(例えば、抗体、T−細胞、B−細胞)と1または2以上のペプチドまたはタンパク質との結合に適当な条件下に、組み合わせ、そしてこのような結合が起こる程度を決定することによって、実施することができる。
さらに、トランスジェニック植物に対する哺乳動物の感受性は、Lol pIaまたはLol pIbの核酸配列またはその断片または化学的合成されたもので形質転換された宿主細胞の中の生産された、ライグラスの花粉のアレルゲンのLol pIaまたはLol pIb、またはその少なくとも1つの抗原性断片の十分な量を哺乳動物に投与して、哺乳動物においてアレルギー性応答を誘発し、そして哺乳動物においてライグラスの花粉のアレルゲンに対するアレルギー性応答の発生を決定することによって、決定することができる。
本発明の任意の実施態様において使用するDNAは、ここに記載するようにして得られたcDNAであることができるか、あるいはここにおいて表す配列のすべてまたは一部分を有する任意のオリゴデオキシヌクレオチド、またはそれらの機能的同等体であることができる。このようなオリゴデオキシヌクレオチドの配列は、既知の技術を使用して、化学的または機械的に生産することができる。オリゴヌクレオチドの配列の機能的同等体は、1)第3図、第6図または第7a図および第7b図に示す配列(または対応する配列の一部分)またはそれらの断片がハイブリダイゼーションする相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイゼーションすることができる配列であるか、あるいは2)第3図、第6図または第7a図および第7b図に示す配列に対して相補的な配列(または対応する配列の一部分)であるおよび/または第3図、第6図または第7a図および第7b図に示す配列(または対応する配列の一部分)によりエンコードされる生産物の同一の機能的特性を有する生産物(例えば、ポリペプチドまたはペプチド)をエンコードする配列であるものである。機能的同等体が一方または双方の基準を満足しなくてはならないかどうかは、その使用に依存するであろう(例えば、それをオリゴプローブとしてのみ使用する場合、それは第1または第2の基準のみを満足するすることが必要であり、そしてLol pIaまたはLol pIbタンパク質を生産するために使用すべき場合、それは第3の基準のみを満足すればよい)。
また、Lol pIaまたはLol pIbまたはその断片またはそれらの誘導体または相同体およびこれらのアレルゲン性タンパク質の断片に対する抗体と免疫学的に交差反応性のアレルゲン性タンパク質を本発明の範囲内に包含する。「免疫学的に交差反応性」は、その最も広い意味において使用し、そして、一般に、抗体へ検出可能に結合することができるタンパク質を意味し、抗体はLol pIaまたはLol pIb、またはその断片またはLol pIaまたはLol pIbの誘導体または相同体またはその断片に対して特異的である。このような免疫学的に関係するタンパク質は、ここにおいて、Lol pIaまたはLol pIbに免疫学的に関係すると呼ぶ。
他による研究により、アレルゲンの高い投与量が最良の結果(すなわち、最良の症候の解放)を一般に生成ことが示された。しかしながら、多数の人々は、アレルゲンに対するアレルギー性反応のために、大きい投与量に耐えることができない。天然に存在するアレルゲンの修飾は、対応する天然に産出するアレルゲンと同一のまたは増強された治療学的性質を有するが、副作用(ことにアナフィラキシー反応)が減少した、修飾されたペプチドまたは修飾されたアレルゲンを生産することができるような方法で、設計することができる。これらは、例えば、本発明のタンパク質またはペプチド(例えば、Lol pIaまたはLol pIbのアミノ酸配列のすべてまたは一部分を有するもの)であるか、あるいは修飾されたタンパク質またはペプチド、またはタンパク質またはペプチドの類似体(例えば、アミノ酸配列が、例えば、アミノ酸の置換、欠失、付加により変更されて、免疫原性を変更および/またはアレルゲン性を減少するか、あるいは成分が同一目的で付加された、タンパク質またはペプチド)であることができる。例えば、Lol pIaまたはLol pIbタンパク質またはペプチドは、A.Sehonおよび共同研究者らのポリエチレングリコールを使用して修飾することができる。Wieら(1981)インターナショナル・アーチーブス・オブ・アレルギー・アンド・アプライド・イムノロジー(International Archives of Allergy and Applied Immunology)64:84−99。
Lol pIaまたはLol pIbタンパク質またはペプチドの修飾は、また、次のものを包含することができる:還元/アルキル化(Tarr[1986]、タンパク質のミクロ特性決定の方法(Methods of Protei Microcharacterization)、J.E.Silber編、Humana Press、ニュージャージイ州クリフトン、pp155−194);アシル化(Tarr、前掲);エステル化(Tarr、前掲);適当な担体への化学的カップリング(MishellおよびShiigi編[1980]細胞の免疫学における選択された方法(Selected Methods in Cellular Immunology)、WH Freeman、カリフォルニア州サンフランシスコ;米国特許第4,939,239号);温和なホルマリン処理(Marsh[1971]インターナショナル・アーチーブス・オブ・アレルギー・アンド・アプライド・イムノロジー(International Archives of Allergy and Applied Immunology)41:199−215)。
Lol pIaおよびLol pIbをエンコードするcDNAのクローニングは、特異的モノクローナル抗体および草の花粉に感受性の患者からの特異的血清IgEの両者を使用する、ラムダ−gt11ファージで形質転換された大腸菌(Escherichia coli)により発現されたタンパク質の認識に基づく。2つのこのようなクローンを12Rおよび13Rと表示する。また、使用するモノクローナル抗体はMab3.2、FMC A7(12.3)、21.3およびFMC A1(40.1)(KahnおよびMarsh(1986)モレキュラー・イムノロジー(Microbiol.Immunol.)23:1281−1288;SinghおよびKnox(1985)インターナショナル・アーチーブス・オブ・アレルギー・アンド・アプライド・イムノロジー(International Archives of Allergy and Applied Immunology)78:300−304;Smartら(1983)インターナショナル・アーチーブス・オブ・アレルギー・アンド・アプライド・イムノロジー(International Archives of Allergy and Applied Immunology)72:243−248)。
Lol pIaおよびLol pIbのクローニングの詳細は実施例に記載されている。
本発明のタンパク質のアレルゲン性は、一部分、アレルギー性患者の血清の中に高いレベルで存在するレアギンのIgE抗体のそれらの結合により特性決定される。アレルギー性タンパク質上のエピトープへのIgEの結合は発色アッセイにおいて試験することができ、ここで固体の支持体上に固定化されたアレルゲンを(1)アレルギー性患者の血清;(2)酵素標識された抗IgE抗体の中で順次にを包含するすることによって可視化することができる。
種々の発現ベクターをLol pIaまたはLol pIbまたはそれらの誘導体の製造のために構成することができる。したがって、本発明の他の面は、組み換えLol pIaもしくはLol pIb、またはLol pIaもしくはLol pIbの少なくとも1つの断片、またはそれらの誘導体または相同体、あるいはそれらの免疫学的に関係するもの(前に定義した)を生産する方法を包含し、この方法は、複製可能な組み換えDNA分子を含有する有機体を、前記組み換えDNA分子が安定に維持されかつLol pIaもしくはLol pIb、Lol pIaもしくはLol pIbの少なくとも1つの断片、またはその誘導体、相同体またはその免疫学的に関係するものの合成を指令する条件下にかつ十分な時間の間培養し、ここで組み換えDNA分子は、前記有機体の中で発現することができるプロモーター、該プロモーターの下流に位置しかつそこから転写されるLol pIaもしくはLol pIb遺伝子、Lol pIaもしくはLol pIbの少なくとも1つの断片、またはその誘導体、相同体またはその免疫学的に関係するものをコードする遺伝子、選抜可能なマーカーおよび原核生物または真核生物の複製源を含有するDNAベヒクルからなり、次いで組み換えLol pIaもしくはLol pIb、Lol pIaもしくはLol pIbの少なくとも1つの断片、またはその誘導体、相同体またはその免疫学的に関係するものを単離する、ことからなる。
本発明は、また、ライグラスの花粉のタンパク質のプロモーター、およびとくに、Lol pIaまたはLol pIbの遺伝子のプロモーターにその範囲が拡張される。このプロモーターは、発育的に、Lol pIaまたはLol pIbの遺伝子の発現を調節し、そして器官、すなわち、花粉特異的である。発育の調節は、ここで使用するとき、植物の生命サイクルにおけるある段階の間の、特定の特性、この場合において花粉の中のアレルゲン性タンパク質および他の段階の間の非発現を呼ぶ。それゆえ、Lol pIaまたはLol pIbのプロモーターは、Lol pIaまたはLol pIb、または他の遺伝子またはそれに関係するヌクレオチド配列の発現を可能とするとき、花粉の発育の間においてのみ、とくに有用である。当業者は、花粉の形成の間に特定の特性を選択的に発現するこのようなプロモーターの重要性を直ちに認識するであろう。
したがって、本発明は、花粉の発育または機能を阻害し、これによりポアセアエ(Poaxeae)族、とくにロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)L.の植物における核の雄性不捻性を誘発する方法を包含し、この方法は、工程:
a)組み換えDNA分子を有する植物を発育させ、前記組み換えDNA分子はその上に位置するライグラスの花粉のプロモーター配列またはその相同体または同義性の形態、およびポアセアエ(Poaxeae)族から誘導された細胞の中で有害な機能を有するポリペプチドをエンコードするヌクレオチド配列からなり、前記ヌクレオチド配列は前記プロモーターから転写可能であり、そして前記組み換えDNA分子は花粉を生産する細胞を安定に含有し、そして
b)植物の発育段階について、前記プロモーターから前記ヌクレオチド配列を発現させ、これにより前記花粉を生産する細胞に対して有害な機能を有するポリペプチドを生産し、こうして花粉の形成が阻害されるか、あるいは前記花粉が不活性であるために十分な条件下にかつ時間の間、前記植物を成長させる、
からなる。
組み換えDNA分子を植物細胞の中に導入するよく確立された方法、例えば、なかでも癌腫菌(Agrobacterium)のプラスミドおよびエレクトロポレイションが存在する。ポリペプチドに関して「有害な機能」とは、細胞の成長を阻害し、細胞の溶解を引き起こすか、あるいは細胞の種々の機能を阻害し、これにより細胞の正常の機能を妨害する、前記ポリペプチドの特徴を呼ぶ。この場合において、花粉の形成を阻害または妨害し、これにより雄性不捻性植物を生ずる、有害な機能を有する致死的遺伝子が考えられる。このような「致死的遺伝子」は、他の分子の間で、酵素、酵素阻害因子および/または毒性ポリペプチドをエンコードすることができる。あるいは、致死的遺伝子はmRNAの特定の種の翻訳を阻害することができるアンチセンスRNAをエンコードすることができ、その翻訳された生産物は花粉の発育のためにきわめて重大である。
雄性不捻性植物はハイブリッドの作物の変種を発育するときとくに有用である。
Lol pIaまたはLol pIbのプロモーターは、ライグラスのゲノムDNAから、任意の数の手順により単離することができる、このような手順はプロモーターのプローブのベクター、「染色体のウォーキング」およびS1ヌクレアーゼのマッピングおよび転写開始部位の上流DNAとしての配列決定の使用を包含する。
したがって、本発明は、その上にライグラスの花粉のプロモーターの配列、とくにLol pIaまたはLol pIbの遺伝子のためのプロモーター、またはその相同体または同義性の形態を含み、そしてさらに前記プロモーターの下流に1または2以上の制限エンドヌクレアーゼ部位を有し、こうしてこれらの部位の1または2以上の中に挿入されたヌクレオチド配列が正しいリーディングフレームで転写可能である、組み換えDNA分子を包含する。ここで使用するとき、「正しいリーディングフレーム」は「インフェイズ(in phase)」と同一の意味である。前述のDNA分子は、好ましくは、その上に選抜可能なマーカー、例えば、抗生物質耐性または他の薬物耐性、例えば、アンピシリン、カルベニシリン、テトラサイクリン、ストレプトマイシンなどに対する耐性をエンコードする遺伝子を有するであろう。組み換え分子は、さらに、原核生物および/または真核生物の細胞における安定な遺伝のための手段を含む。これは、発現ベクターに関して前述したように、真核生物および/または原核生物の複製由来を有する前記組み換え分子により達成することができる。
あるいは、組み換え分子は、宿主細胞の中に、ゲノムを組み込み、これにより前記宿主細胞の複製と同調して前記組み換え分子の複製を可能とする手段を有するであろう。好ましい原核生物の宿主の例は、なかでも、E.coli、バチルス属(Bacillus)およびシュードモナス属(Pseudomonas)の細胞を包含する。好ましい真核生物の宿主は、酵母菌および菌類、昆虫、哺乳動物および植物からの細胞を包含する。なおいっそう好ましい宿主細胞は、ポアセアエ(Poaxeae)族、とくにロリウム(Lolium)属、ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)の植物である。したがって、好ましい実施態様において、ポアセアエ(Poaxeae)族またはロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)からの植物の細胞のゲノムの中に組み込むことができる組み換えDNA分子は、相対的に位置する有害な機能をエンコードする遺伝子をもつ、Lol pIaまたはLol pIbの遺伝子のプロモーターを有するであろう。このような組み換えDNA分子は、前述の細胞に、例えば、エレクトロポレイションにより転移される。理想的には、前記細胞はカルス誘導細胞である。次いで、前記組み換えDNA分子で形質転換された前記カルス誘導細胞を全植物に再生させる。全植物はLol pIaまたはLol pIbの遺伝子のプロモーターを花粉の中に入れ、それゆえ、有害な機能をエンコードする遺伝子が発現する。結局、花粉の発育は阻害または妨害され、そして核の雄性不捻性植物がそれから生ずる。
あるいは、Lol pIaまたはLol pIbのプロモーターは有利な機能を有する遺伝子、例えば、サイトカイニンの発現を指令するであろう。すべてのこのような組み換えDNA分子は本発明の範囲内に包含される。
本発明は、国際特許出願第PCT/AU89/00123号に記載されている方法ように思われる生産された、組み換えまたは化学的に合成されたLol pIaまたはLol pIb、またはLol pIaまたはLol pIbの少なくとも1つの断片に対するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体、およびその中に記載されているようなイムノアッセイおよび試験キットにおけるそれらの使用に、その範囲が及ぶ。
本発明において使用するモノクローナル抗体は、種々の関係する草の種の花粉からのアレルゲン性タンパク質と交差反応性を示した、Lol pIaのクローンについてcDNAのライブラリーをスクリーニングする働きをする。これが示すように、これらの花粉により生産されたアレルゲン性タンパク質と、すべての関係する草への本発明の応用可能性を支持するLol pIのアレルゲンとの間の相同性が存在する。本発明は、また、組み換えLol pIaまたはLol pIb、それらの誘導体、相同体および、それらの化学的合成誘導体を包含する、免疫学的に関係するものに対する抗体に関する。以下の論考において、Lol pIaまたはLol pIbに対する言及は、それらの誘導体、相同体および免疫学的に関係するものおよびそれらの化学的合成誘導体を包含する。このような抗体は、ことに治療および診断の養生法の監視の間におよびLol pIaまたはLol pIbの精製において、前記Lol pIaまたはLol pIbについての検出アッセイ(イムノアッセイ)の開発において有用であると考えられる。抗体はモノクローナルおよびポリクローナルであることができる。さらに、前述の第1抗体に対して向けられた第2抗体(モノクローナルおよびポリクローナル)を本発明の範囲内に包含する。本発明は、さらに、検出アッセイにおいておよび、例えば、診断または投与された医薬組成物の効果の監視において、これらの第1または第2の抗体の使用を包含する。さらに、Lol pIaのグリコシル化領域(存在する場合)、および前記Lol pIaと複合化した分子に対する抗体を本発明の範囲内に包含する。したがって、Lol pIaまたはLol pIbに対する抗体は、Lol pIaまたはLol pIb、またはその抗原性部分、および関連する分子(例えば、グリコシル化領域、脂質領域、担体分子、融合タンパク質など)に対する抗体を包含する。
ここにおいて考慮する、Lol pIaまたはLol pIb、またはその部分を精製し、次いで抗体の生産において利用する。モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体の両者はLol pIaまたはLol pIbを使用する免疫化により得ることができ、そして各型はイムノアッセイについて利用することができる。両者の型の血清を得る方法はこの分野においてよく知られている。ポリクローナル血清は好ましさに劣るが、適当な実験室動物に有効量の精製されたLol pIaまたはLol pIb、またはその抗原性部分を注射し、動物から血清を集め、そして任意の既知の免疫吸着技術により特異的血清を単離することによって比較的容易に調製される。この方法により生産された抗体は事実上任意の型のイムノアッセイにおいて利用することができるが、それらは一般に生産物の潜在的な不均質性のために好ましさに劣る。
イムノアッセイにおけるモノクローナル抗体の使用は、それらを大量に生産する能力および生産物の均質性のために、とくに好ましい。永久分裂能の細胞系および免疫原性調製物に対して感作されたリンパ球を融合することによって誘導された、モノクローナル抗体の生産のためのハイブリドーマの細胞系の調製は、当業者によく知られている技術により実施することができる。(参照、例えば、KohlerおよびMilstein(1986)ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イムノロジー(Eur.J.Immunol.)、:511−119)。
ポリクローナル血清の調製と異なり、動物の選択はリンパ球と融合することができる適当な永久分裂能の系統の入手可能性に依存する。マウスおよびラットはハイブリドーマ技術において選択した動物であり、そして使用に好ましい。ヒトは、また、適当な永久分裂化されたヒト(またはヒト以外)の細胞系が入手可能である場合、感作されたリンパ球源として利用することができる。本発明の目的に対して、選択した動物い約0.1mg〜約20mgの精製されたLol pIaまたはLol pIbまたはその一部分を注射することができる。通常、注射物質をフロインド完全アジュバントの中で乳化する。促進注射をまた必要とすることがある。抗体の生産の検出は、抗血清を適当に標識した抗原で試験することによって実施することができる。リンパ球は無菌の方法で感作した動物の脾臓またはリンパ節を取り出し、そして融合を実施することによって得ることができる。あるいは、リンパ球は、例えば、Reding(1982)ジャーナル・オブ・イムノロジカル・メソッズ(J.Immunological Methods)53:261−291)に記載されているように、in vitroで刺激または免疫化することができる。
融合のために適当なある数の細胞が開発され、そしてハイブリダイゼーションのプロトコルのための任意の特定の系統の選抜はある数の基準、例えば、速度、成長特性の均一性、成長培地の成分のためのその代謝の欠乏、およびすぐれた融合頻度についての可能性の任意の1つにより支配される。
種内のハイブリッド、とくに同様な菌株の間のハイブリッドは種の間のよりよく働く。いくつかの細胞系が入手可能であり、これらには骨髄腫の免疫グロブリンを選抜する能力の損失について選択した突然変異を包含する。
細胞の融合は、ウイルス、例えば、エスパインバールウイルスまたはセンダイウイルス、またはポリエチレングリコールにより誘発することができる。ポリエチレングリコール(PEG)は、哺乳動物の体細胞の融合のために最も効率よい因子である。PEGそれ自体は細胞に対する毒性であることができ、そして種々の濃度を融合を試みる前に生存可能性への効果について試験すべきである。PEGの分子量範囲は1000〜6000で変化することができる。それは生理食塩水の中に血清不含培地の中で約20%〜約70%(w/w)に希釈したとき、最良の結果を与える。PEGに37℃において約30秒間暴露することは、現在の場合において、ネズミ細胞を使用するとき、好ましい。温度の極端(すなわち、約45℃)は回避され、そして融合の前の融合系の各成分の37℃における予備インキュベーションは有用であることがあるリンパ球と悪性細胞との間の比を最適化して、脾細胞の間の細胞の融合を回避し、そして約1:1〜約1:10の範囲は普通に使用される。
首尾よく融合された細胞は、この分野において知られている任意の技術により、骨髄腫系統から分離することができる。最も普通の好ましい方法は悪性系統を選抜することであり、この系統はハイポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)欠乏であり、ハイブリッドの成長のみを可能とするために使用されるアミノプテリンを含有する培地、そしてハイブリッドの成長のみを可能とするために使用され、そして一般にハイポキサンチン1・10−4モル、アミノプテリン1×10−3モル、およびチミジン3×10−5モルから構成され、HAT培地として知られている、培地の中で成長しないであろう。融合炭酸マグネシウムはHAT含有培地の中で融合直後に、あるいは24時間後に成長させることができる。供給スケジュールは、通常、HAT培地の中で2週間の維持および次いで正規の培養またはハイポキサンチン、チミジンを含有する培地の供給を伴う。
次いで、成長するコロニーを抗原性調製物を認識する抗体の存在のための試験する。ハイブリドーマの抗体の検出はアッセイを使用して実施することができ、このアッセイにおいて、抗原を固体支持体に結合させ、そして推定上の抗体を含有するハイブリドーマの上澄み液と反応させる。抗体の存在は「サンドイッチ」技術により種々のインジケーターを使用して検出することができる。普通の方法の大部分は、ハイブリッドの成長の間に選択した抗体濃度の範囲における使用のために十分に感受性である。
ハイブリッドのクローニングは、選択した培地の中の細胞の21〜23日の成長後に、実施することができる。クローニングは流体相の細胞の制限希釈法によるか、あるいは半固体のアガロースの中で成長する単細胞を直接選抜することによって実施することができる。制限希釈法のために、細胞懸濁液を系統的に希釈して、ただ1つの細胞/ウェルを有する統計学的確率を生ずる。アガロースの技術のために、ハイブリッドを、フィーダー細胞を含有する下の層より上の、半固体の上の層の中に接種する。上の層からのコロニーをピックアップし、そして究極的にウェルの中に移す。
抗体を分泌するハイブリッドを種々の組織培養フラスコの中で成長させて、種々の濃度の抗体を有する上澄み液を生成する。より高い濃度を得るために、ハイブリッドを動物の中に転移して炎症性腹水を得ることができる。抗体を含有する腹水を腹腔内注射後8〜12日に収獲する。腹水はより高い濃度の抗体を含有するが、炎症性腹水からの両者のモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を含有する。次いで、抗体の精製は、例えば、親和クロマトグラフィーにより達成することができる。
患者の血清、植物または哺乳動物の組織または組織抽出物の中の、ここにおいて考えるLol pIaまたはLol pIb、またはそれスポドプテラ・フルギペイダ(Spodoptera frugipeida)抗体の存在は、上のようにして調製した抗体、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を利用して、事実上任意の型のイムノアッセイにおいて検出することができる。広い範囲のイムノアッセイ技術を、米国特許第4,015,043号、米国特許第4,424,279号および米国特許第4,018,653号を参照することによって理解できるように、利用可能である。これは、もちろん、非競争的型の、単一の部位および2つの部位の両者、または「サンドイッチ」のアッセイ、ならびに伝統的競争結合アッセイを包含する。サンドイッチアッセイは最も有用なものの1つであり、そして普通に使用されているアッセイであり、そして本発明における使用に好ましい。サンドイッチアッセイ技術のある数の変法が存在し、そしてすべては本発明に包含されることを意図する。簡単に述べると、典型的なアッセイにおいて、非標識抗体を固体支持体の中に固定化し、そして試験すべき試料を結合した分子と接触させる。適当なインキュベーション期間後、抗体−抗原の二次複合体の形成を可能とするために十分な期間の間、検出可能なシグナルを生成することができるリポーター分子で標識した第2抗体を次いで添加し、インキュベーションし、抗体−抗原標識した抗体(例えば、抗体−Lol pIa−抗体または抗体−Lol pIb−抗体)の3次複合体を十分な時間の間形成させる。未反応の物質を洗浄除去し、そして抗原の存在をリポーター分子により生成したシグナルの観測により決定する。結果は,可視のシグナルの観察により、定性的であるか、あるいは既知の量のハプテンを含有する対照試料との比較により定量することができる。上のアッセイについての変法は、次のものを包含する:同時のアッセイ、ここで試料および標識した抗体の両者を結合した抗体に同時に添加する、あるいは逆アッセイ、ここで標識した抗体および試験すべき試料をまず組み合わせ、インキュベーションし、次いで結合した抗体に同時に添加する。これらの技術はこの分野においてよく知られており、任意の小さい変化は容易に明らかであろう。
次の説明はLol pIaまたはLol pIbの検出に関するが、それはLol pIaまたはLol pIbの抗体の検出に等しく適用可能であり、そしてその十分な記述であることを意図する。典型的なサンドイッチアッセイにおいて、Lol pIaまたはLol pIbに対する特異性を有する第1抗体、またはその抗原性部分(本発明において考えられる)を固体の表面に共有結合または受動的に結合させる。固体の表面は典型的にはガラスまたはポリマーであり、最も普通に使用されるポリマーはセルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリプロピレンである。固体支持体は管、ビーズ、マイクロプレートのディスク、またはイムノアッセイの実施に適当な任意の他の表面の形態であることができる。結合法はこの分野においてよく知られており、そして一般に交差共有結合または物理的吸着から成り、抗体の複合体を試験試料のための調製において洗浄する。次いで試験すべき試料のアリコートを固相の複合体に添加し、そして25℃において抗体の中に存在するサブユニットの結合を可能とするために十分な時間の間インキュベーションする。インキュベーション期間は変化するが、一般に約〜40分の範囲であろう。インキュベーション後、抗体のサブユニットの固相を洗浄し、乾燥し、そしてハプテンの一部分に対して特異的な第2抗体とインキュベーションする。第2抗体をリポーター分子に連鎖し、これを使用して、ハプテンへの第2抗体の結合を示す。
「リポーター分子」とは、ここで使用するとき、その化学的性質により、抗原結合した抗体の検出を可能とする、分析的に同定可能なシグナルを提供する分子を意味する。検出は定性的または定量的であることができる。この型のアッセイにおいて最も普通に使用されるリポーター分子は、酵素、蛍光団または放射性核種を含有する分子(例えば、放射性同位元素)である。酵素のイムノアッセイの場合において、酵素は第2抗体に、一般にグルタルアルデヒドまたは過ヨウ素酸塩により接合する。しかしながら、容易に認識されるように、広範な種類の異なる接合技術が存在し、これらの当業者に容易に入手可能である。普通に使用される酵素は、なかでも、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ベーター−ガラクトシダーゼおよびアルカリ性ホスファターゼを包含する。特異的酵素とともに使用すべき基質は、一般に、対応する酵素により加水分解すると、検出可能な色の変化を生成するように選抜される。例えば、p−ニトロフェニルホスフェートはアルカリ性ホスファターゼとともに使用するために適当なである;ペルオキシダーゼ接合体のためには、1,2−フェニレンジアミン、5−アミノサリチル酸、またはトルイジンは普通に使用される。また、前述の発色性基質よりむしろ蛍光性生成物を生ずる、蛍光発生基質を使用することができる。すべての場合において、酵素標識した抗体を第1抗体ハプテン複合体に添加し、結合させ、次いで過剰の試薬を洗浄除去する。次いで、適当な基質を含有する溶液を抗体−抗原−抗体の3次複合体に添加する。基質を第2抗体に結合した酵素と反応させて、定量的視的シグナルを生成し、これを、通常分光光度測定的に、定量して、試料の中に存在するハプテンの量の指示を得る。「リポーター分子」はまた細胞の凝集または血球またはラテックスビーズの阻止の使用に拡張される。
あるいは、蛍光性化合物、例えば、フルオレセインおよびローダミンは抗体に、抗体の結合能力を変更しないで、化学的に結合することができる。特定の波長の光で照明することによって活性化するとき、フルオロクロームで標識した抗体は光のエネルギーを吸収し、分子の中で励起した状態を誘発し、次いで光学顕微鏡で視的に検出可能な特徴ある色で光を放射する。EIAにおけるように、蛍光標識した抗体を第1抗体−ハプテン複合体に結合させる。結合しない試薬を洗浄除去した後、残留する3次複合体を次いで適当な波長の光に露出し、観測される蛍光は問題のハプテンの存在を示す。免疫蛍光およびEIAの技術の両者は、この分野において、非常によく確立されており、そして本発明の方法のためにとくに好ましい。しかしながら、他のリポーター分子、例えば、放射性同位元素、化学発光性または生物発光性分子をまた使用することができる。要求される目的に適合すうように手順を変化させる方法は、当業者にとって容易に明らかであろう。また、明らかなように、以上のことを使用して、本発明のLol pIaまたはLol pIbタンパク質を直接または間接的に(すなわち、抗体により)検出することができる。
したがって、本発明の1つの面は、Lol pIaまたはLol pIbまたはそれらの誘導体または相同体または前記Lol pIaまたはLol pIbまたはそれらの誘導体または相同体と免疫学的に反応性のアレルゲン性タンパク質を血清、組織の抽出物、植物の抽出物または他の生物学的流体の中で検出する方法を包含し、この方法は、試験すべき血清、抽出物または流体をLol pIaまたはLol pIbに対する抗体と、アレルゲン性タンパク質−抗体の複合体が形成するために十分な時間の間かつ十分な条件下に接触させ、そして前記複合体を検出手段に付す工程からなる。本発明は、また、ポアセアエ(Poaxeae)(Gramineae)族の花粉からのアレルゲン性タンパク質に対する抗体を血清または他の生物学的流体の中で検出する方法を包含し、この方法は前記血清または流体を組み換えLol pIaまたはLol pIbまたはそれらの抗原性誘導体と、抗体−Lol pIaまたはLol pIbの複合体が形成するために十分な時間の間かつ十分な条件下に接触させ、そして前記複合体を検出手段に付す工程からなる。後者の複合体は、リポーター分子をそれに取り付けて有するLol pIaまたはLol pIbによるか、あるいはリポーター分子で標識した第2抗体の添加により検出することができる。
したがって、本発明は、また、in vivoの細胞培養物の上澄み液、および細胞リゼイトの中における、哺乳動物の体液(例えば、血清、組織の抽出物、組織の流体)の中のLol pIaまたはLol pIbまたはそれらの誘導体、相同体または免疫学的に関係する物質に対する抗体についての迅速なかつ便利なアッセイのためのキットに関する。キットは分割されていて、その抗原性成分に適合する第1容器、およびLol pIaまたはLol pIbに対する抗体を含有するように適合した第2容器を受け取り、前記抗体は前述したように検出可能なシグナルを与えることができるリポーター分子で標識されている。リポーター分子が酵素である場合、前記酵素のための基質を含有するように適合した第3容器が設けられる。本発明のキットの例示的使用において、試験すべき試料を第1容器の内容物と、存在する場合、抗体が前記第1容器の中のLol pIaまたはLol pIbに結合するために十分な時間の間かつ十分な条件下に接触させる。第1容器のLol pIaまたはLol pIbが試験流体の中の抗体に結合する場合、第2容器の抗体は二次複合体に結合して3次複合体を形成しそして、これらの抗体はリポーター分子で標識されているので、3次複合体は検出される。したがって、本発明の1つの面は、アレルゲン性を有するタンパク質に対する抗体の検出のためのキットであり、前記タンパク質はポアセアエ(Poaxeae)(Gramineae)族の花粉からのタンパク質であり、キットは分割されていて、組み換えLol pIaまたはLol pIbまたはそれらの抗原性誘導体または相同体を含有するように適合される第1容器、およびLol pIaまたはLol pIbまたはそれらの抗原性誘導体または相同体に対する抗体を含有するように適合される第2容器を受け取り、前記抗体は検出可能なシグナルを与えることができるリポーター分子で標識されている。「リポーター分子」は、また、ラテックスビーズ上の赤血球(RBC)の凝集を含むことができる。このキットにおいて、リポーター分子は放射性同位元素、酵素、蛍光性分子、化学発光性分子、生物発光性分子またはRBCである。あるいは、キットは検出可能なシグナルを与えることができるリポーター分子で標識された、組み換えLol pIaまたはLol pIbまたはそれらの抗原性誘導体または相同体を含有するように適合した容器からなる。
環境の中のアレルゲンの存在のために、枯草熱および季節的喘息は、それらの製剤学および免疫学においてなされた利点にかかわらず、有意な病的状態および西洋共同社会への社会経済の衝撃を有し続けている。抗ヒスタミンおよびステロイドを包含する薬物の利用可能なスペクトルはアレルギー性疾患の処置において改良を生じたが、それらは長期間の使用に関連する不都合な副作用を有する。これらの問題のために、更新された重要性はアレルギー性疾患の免疫治療において示された。免疫治療は効力のあるアレルゲンの抽出物を注射して患者をアレルギー性反応に対して脱感作することを包含する(BousquetおよびMichel(1989)Allergy Clin.Immunol.News :7−10)。不都合なことには、アレルゲンとして使用する花粉調製物は多価であり、そして品質に劣る。結局、使用する濃度はIgG応答を誘発するためにしばしば高いが、アナフィラキシーを包含する、前身の反応のトリガーにより致死的であることがある。アレルゲンの配列に基づくクローニングされた遺伝子の生産物または合成ペプチドは、品質をコントロールし、特性決定し、そして標準化することができるので、治療のために安全な媒質を提供する。
症候の解放ための正確なメカニズムは仮説のままである。しかしながら、本発明のタンパク質またはその少なくとも1つのからなる調製物をライグラスに感受性の個体に投与すると、ライグラスに感受性の個体のライグラスの花粉のアレルゲンに対するアレルギー性応答は、例えば、Lol pIaまたはLol pIb、Lol pIaまたはLol pIbに対するT−細胞の応答、または両者に対するB−細胞の応答を変更することによって変更される。
現在の免疫治療はアレルギー学において最も頻繁に投与される処置であり、そして米国において、最初の選択であると考えられている。花粉の鼻炎のためのこの処置の利点は3年まで得られるが、製剤学的処置を患者の全寿命の期間にわたって実施しなくてはならない。免疫治療のために花粉の抽出物を与えられた患者は臨床的利益を示し、これは処置の終わり後4年間持続した(Grammerら(1984)J.Allergy Clin.Immunol.73:484−489)。
ヒトの集団におけるライグラスの花粉のアレルゲンのLol pIIおよびLol pIIIに対する免疫応答は、組織適合性の白血球の抗原HLA−DR3有意にに関連する(Friedhoffら(1988)Tissue Antigens 31:211−219;Ansariら(1989)Humman Immunol.25:59−71;Ansariら(1989)インターナショナル・アーチーブス・オブ・アレルギー・アンド・アプライド・イムノロジー(International Archives of Allergy and Applied Immunology)88:164−169)。これが意味するように、抗原を表す細胞のクラスII Ia分子をエンコードするHLA−DR3は、他のアレルゲン上で存在する同様な免疫優性T細胞/Iaの認識部位を認識することができる。Lol pIaはLol pIIおよびLol pIIIと免疫優性T細胞/Iaの認識部位(YTTEGGTKS EVEDV IP)を共有するすることが知られている。Lol pIIおよびLol pIIIに対して応答する最もアレルギー性の個体は、また、Lol pIに対して応答するが、逆ではない。こうして、Lol pIaはLol pIIおよびLol pIIIの中に存在しない1または2以上の独特T細胞/Ia認識部位を有するように思われる。これらの独特部位はLol pIaおよびLol pIbの間で共通であるように思われる。確かに、Lol pIa、Lol pIIおよびLol pIIIの間で共有される共通のT細胞/Ia認識部位は、Lol pIbの推定された配列において表されない。
さらに、ここにおいて、Lol pIaおよびLol pIbは、断片2Pの中に存在する、共通のB−細胞のエピトープを有することが証明される。それゆえ、この共通のエピトープはLol pIaと反応性のすべての3つのMabを使用して検出された。これはあるエピトープを表し、このエピトープはLol pIaおよびLol pIbの間で共通であるが、Lol pIIおよびLol pIIIの中に存在せず、そして証明された調和した応答性の原因となるように思われる。
したがって、本発明はLol pIaおよびLol pIb、それらの検出、相同体または免疫学的に関係する物質に関し、免疫学的に関係する物質はLol pIaまたはLol pIbの間の共通の抗原性エピトープを含有する誘導体を包含し、これは草の花粉のためのアレルギーに対してヒトを脱感作するワクチンの開発において有用である。
したがって、本発明は、草の花粉に対するヒトのアレルゲン性を脱感作する方法を包含し、この方法は、脱感作有効量のLol pIaまたはLol pIb、またはLol pIaまたはLol pIbの少なくとも1つの断片、または誘導体、相同体、またはそれらの免疫学的に関係する物質またはそれらの組み合わせをヒトに投与することからなり、免疫学的に関係する物質は組み換えまたは合成手段により作られ、前記投与は草の花粉に対してヒトを脱感作するために十分な時間の間かつ条件下に実施する。
したがって、本発明は、脱感作または治療的に有効量のLol pIaまたはLol pIb、またはLol pIaまたはLol pIbの少なくとも1つの断片またはそれらの誘導体、相同体または免疫学的に関係する物質またはそれらの組み合わせ、および1または2以上の製剤学的に許容されうる担体および/または希釈からなる医薬組成物を包含する。Lol pIaおよび/またはLol pIbおよび/またはなどからなる医薬組成物の活性成分は、一部分場合に依存する量で投与したとき、例えば、草の花粉に対するヒトアレルゲン性の脱感作において、きわめてすぐれた治療学的活性を示すと考えられる。例えば、約0.5μg〜約20mg/kg体重/日を投与することができる。投与の養生法は最適な治療学的応答を提供するように調節できる。例えば、いくつかに分割した投与量を毎日投与するか、あるいは投与量は治療的立場の経験により示されるように比例的に減少することができる。活性化合物は便利な方法で、例えば、経口的、静脈内(水溶性である場合)、筋肉内、皮下、鼻内、皮内または座剤のルートで、または移植(例えば、ゆっくり解放される分子)により投与することができる。投与のルートに依存して、Lol pIaおよび/またはLol pIbおよび/またはなどからなる活性成分は、前記成分を酵素、酸および前記成分を不活性化しうる他の自然の条件の作用から保護するための物質でコーティングすることが要求されることがある。例えば、Lol pIaおよび/またはLol pIbおよび/またはなど低い脂肪親和性は、胃腸管内で、ペプチド結合切断することができる酵素により、そして胃内で酸性加水分解によりそれを破壊できるようにする。非経口的投与以外でLol pIaおよび/またはLol pIbおよび/またはなど投与するために、それらをそれらの不活性化を防止する物質でコーティングするか、あるいはその物質とともに投与する。例えば、Lol pIaなどはアジュバントの中で、酵素阻害剤とともにまたはリポソームの中で同時に投与することができる。アジュバントはその最も広い意味において使用し、そして任意の免疫刺激化合物、例えば、インターフェロンを包含する。ここにおいて考えられるアジュバントは、レゾルシノール、非イオン性界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシルポリエチレンエーテルを包含する。酵素の阻害剤は、膵臓トリプシンを包含する。リポソームは、水中油中水CGF乳濁液ならびに普通のリポソームを包含する。
活性化合物は、また、非経口的または腹腔内に投与することができる。分散液は、また、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物の中で、および油の中で調製することができる。通常の貯蔵および使用の条件下に、これらの調製物は微生物の成長を防止するための防腐剤を含有する。
注射可能な使用に適当な製剤学的形態は、無菌の水溶液(水溶性である場合)または分散液およびまたは体外の無菌の粉末を包含する。すべての場合において、この形態は無菌であり、そして注射が容易である程度に流動性でなくてはならない。それは生産および貯蔵の条件下に安定でなくてはならず、そして微生物、例えば、バクテリアおよび菌類の汚染作用に対する防腐しなくてはならない。担体は溶媒または、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、ポリエチレングリコール、および液状ポリエチレングリコールなど)、それらの適当な混合物、および植物油を含有する分散媒質であることができる。適切な流動性は、例えば、コーティング、例えば、レシチンの使用により、分散液の場合において要求される粒子サイズの維持により、そして界面活性剤の使用により維持することができる。微生物の作用の防止は、種々の抗バクテリア剤および抗菌類剤、例えば、パラベン類、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサルなどにより発生させることができる。多くの場合において、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含めることが好ましい。注射可能な組成物の延長した吸収は、吸収遅延剤、例えば、アルミニウムモノステアレートおよびゼラチンを組成物の中に使用することによって発生させることができる。
無菌の注射可能な溶液は、活性化合物を要求される物質で適当な溶媒の中に、必要に応じて、種々の他の前述の成分と一緒に混入し、次いで滅菌濾過することによって調製される。一般に、分散液は種々の滅菌した活性成分を、基本的分散媒質および要求される他の前述の成分を含有する無菌の賦形剤の中に混入することによって調製される。無菌の注射可能な溶液の調製のための無菌の粉末の場合において、好ましい調製方法は真空乾燥および凍結乾燥の技術であり、これらは前以て滅菌濾過される溶液から活性成分および任意の追加の所望の成分の粉末をを生ずる。
Lol pIaおよび/またはLol pIbまたはLol pIaおよび/またはLol pIbおよび/またはなどの少なくとも1つの断片は前述したように適当に保護するとき、活性化合物を経口的に、例えば、同化可能な食用担体の不活性希釈とともに投与するか、あるいは硬質または軟質の外殻のゼラチンカプセルの中に取り囲むか、あるいは治療食の食物の中に直接混入することができる。経口的治療的投与のために、活性化合物は賦形剤とともに混入し、そして摂取可能な錠剤、ブッカル錠剤、トローチ、カプセル剤、エリキシル、懸濁液、シロップ、オブラートなど形態で使用することができる。このような組成物は少なくとも1重量%の活性化合物を含有すべきである。組成物および調製物の百分率は、もちろん、実施することができ、そして便利には単位の約約5〜80重量%であることができる。このような治療的に有用な活性化合物の量は、適当な投与量が得られるようなものである。本発明による好ましい組成物または調製物は、経口的投与単位が約10μg〜2000mgの活性化合物を含有するように調製される。
錠剤、トローチ、丸剤、カプセル剤などは、また、次の成分を含有することができる:結合剤、例えば、トラガカントガム、アカシア、コーンスターチまたはゼラチン;賦形剤、例えば、リン酸二カルシウム;崩壊剤、例えば、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、ア
ルギン酸など;滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム;および甘味剤、例えば、スクロース、ラクトースまたはサッカリンを添加することができるか、あるいは香味剤、例えば、ペパーミント、ヒメコウジ油、またはサクランボの香味剤。投与単位形態がカプセル剤であるとき、それは、前述の型の物質に加えて、種々の他の物質はコーティングとして、あるいはそうでなければ投与単位の物理的形態を変更するために存在することができる。例えば、錠剤、丸剤またはカプセル剤をシェラック、糖または両者でコーティングすることができる。シロップまたはエリキシルは活性化合物、甘味剤としてスクロース、防腐剤としてメチルおよびプロピルパラベン、色素および香味剤、例えば、サクランボまたはオレンジの香味剤を含有することができる。もちろん、任意の投与単位の形態を調製するとき使用する任意の物質は、使用する量において、製剤学的に純粋なかつ実質的に無毒であるべきである。さらに、活性化合物は持続解放性の調製物および配合物の中に混入することができる。
ここで使用するとき、「製剤学的に許容されうる担体および/または希釈剤」は、任意のかつすべての溶媒、分散媒質、コーティング、抗バクテリア剤および抗菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを包含する。製剤学的な物質のためのこのような媒質および剤は、この分野においてよく知られている。任意の普通の媒質または剤が活性成分と不適合性であることを除外して、治療的組成物の中でそれらの使用は考えられる。補助的活性成分は、また、組成物の中に混入することができる。
投与単位形態で投与の容易および投与の均一性のために、非経口的組成物を配合することはことに有利である。投与単位形態は、ここで使用するとき、処置すべき哺乳動物の被検体のために均一な投与に適合した物理的に明確な単位を意味する;各単位は、要求される製剤学的担体に関連して所望の作用を生成するために計算された、前以て決定した量の活性物質を含有する。本発明の新規な投与単位形態のための規格は、次によりかつ直接に依存する:(1)活性物質の独特の特性および達成すべき特定の治療的効果、および(b)体の健康がここにおいて詳細に開示するように障害されている、疾患の状態を有する生きている被検体における疾患の処置のために、このような活性物質を配合する分野において固有の制限。
主な活性成分を、便利なかつ有効な投与のために、有効量で適当な製剤学的に許容されうる担体と前述した投与単位形態で配合される。単位投与形態は、例えば、主要な活性化合物を0.5mg〜約2000mgの範囲の量でを含有する。比率で表すと、活性化合物は一般に約0.5mg〜約2000mg/ml担体で存在する。補助的活性成分を含有する組成物の場合において、投与量は通常の投与量および前記成分の投与方法を参照することによって決定される。
次の非限定的実施例によって、本発明をさらに説明する。
実施例1−cDNAのクローンの単離
ベクターのラムダ−gt11の中のcDNAの発現ライブラリーを、成熟ライグラスの花粉のポリアデニル化されたmRNAから調製した(BeallおよびMichell(1986)ジャーナル・オブ・イムノロジカル・メソッズ(J.Immunological Methods)86:217−223)このライブラリーを最初にモノクローナル抗体(Mab)40.1でスクリーニングした(第1a図)。
成熟ライグラスの花粉からフェノール法(HerrinおよびMichaels(1984)プラント・モレキュラー・バオロジー・リポーター(Plant Mol.Biol.Reporter):24−29)により単離されたポリ(A+)mRNAを使用して、ベクターのラムダ−gt11の中のcDNAを構成した。次いで、ライブラリーを抗体のプローブでスクリーニングして、群Iのタンパク質を発現する検出した。3×10の組み換えファージで形質転換されたE.coli Y1090woプレートし、そして42℃において3時間インキュベーションした。プレートを10mMのIPTGの中の予備ソーキングした乾燥した132mmのニトロセルロース(NC)のフィルターでオーバーレイし、約37℃において移した。3時間インキュベーションした後、フィルターを注意して剥離し、そして20ml/フィルターのMTBS(10%w/vの非油脂乳粉末、50mMのトリス−HCl、pH7.6、150mMのNaCl)の中の室温において30分間インキュベーションした。第2組のNCフィルターをファージのプレート上に配置し、そして2時間インキュベーションした後、上のようにして処理した。NCフィルターの両者の組をMab40.1のプラークへの結合についてHynhら(1985)、DNAのクローニング、実際のアプローチ(DNA Clonig、A practical approach)、Glover、D.M.(編)Vol.1、pp.49−78、IRL Press、英国オックスフォードに記載されている方法により試験した。抗体陽性のプラークを取り上げ、精製し、次いで再プレートし、そしてプローブへの結合について試験した。陽性のクローンをプラーク−精製し、そして草の花粉にアレルギー性の被検査体からの血清を使用してIgEの結合について試験した。18のクローンを両者のLol pI特異的MabおよびIgE抗体により認識されたタンパク質をエンコードするとして選択した(表1)。ライグラスのアレルゲン性タンパク質を発現したcDNAのクローンの最大のもの、1.2kbの大きさのものを、最初に、それ以上の特性決定および配列決定のために選択し、そしてクローンラムダ−12Rと表示した(第1a図)。
表1
ライグラスの群Iのアレルゲンを発現するcDNAのクローンの特性
クローン アルゲン性固体 インサート
のNo. Mab 12.3 Mab 40.1 の血清からの の概算の
R) の結合 の結合 IgEの結合 大きさ(bp)
1 - - -
2 + ++ - 700
3 + ++ - 600
4 + ++ - 800
5 + ++ - 500
6 + ++ - 600
7 + ++ - 400
8 - - -
9 - - -
10 - - -
11 + ++ - 500
12(Lol pIb) ++ + ++ 1200
13(Lol pIa) + ++ + 800
14 ++ + + 1200
15 - - -
16 + ++ - 800
17 + ++ - 400
18 ++ + + 1200
++:−最も強い結合
− :−結合しない

Mab12.3はLol pIb(クローン12R)について高い親和性を示す。
Mab40.1はLol pIa(クローン13R)について高い親和性を示す。
IgEおよびMabの特異性を、ライグラスの花粉のタンパク質の抽出物のイムノブロット分析により試験した(第1b図)。
可溶性タンパク質を、ライグラスの花粉から、氷上のPBS(150mM、pH7.2)の中で3時間の間激しく震盪することによって抽出した。花粉を回転除去し、そして抽出されたタンパク質をバイオラド(Biorad)のアッセイを使用して標準化した。120μg/レーンを還元性条件下に10〜15%w/vのSDS−ポリアクリルアミドゲル上の電気泳動させた。タンパク質をNCフィルター上にエレクトロブロッティングし、そしてブロットを10%w/vの非油脂乳粉末を含有するTBS(10mMのトリス、150mMのNaCl、pH7.9)でブロックした。ブロットをストリップに切断し、そして各々を種々のプローブで処理した;Mabを1%のBSAを含有するTBSの中で1:1000に希釈した。草の花粉について高いRASTのスコアをもつ少なくとも4人の患者から集めた血清をプールし、そしてIgEの結合のためにTBS/1%w/vのBSAの中で1:5に希釈して使用した。セイヨウワサビペルオキシダーゼ接合した二次約を使用し(Dakopatts)そして洗浄後、結合を4−クロロ1−ナフトール(Biorad)およびHで可視化した。
イムノブロットを草の花粉にアレルゲン性の個体からプールした血清の中でインキュベーションしたとき、強いIgEの結合は28〜35kDの領域を通じて観測された。この研究において使用したMab3.2、12.3、21.3および40.1は従来部分的に特性決定された(KahnおよびMarsh(1986)モレキュラー・イムノロジー(Microbiol.Immunol.)23:1281−1288;SinghおよびKnox(1985)インターナショナル・アーチーブス・オブ・アレルギー・アンド・アプライド・イムノロジー(Intl.Arch.Allergy and Aplied.Immunol)78:300−304;Smartら(1983)インターナショナル・アーチーブス・オブ・アレルギー・アンド・イムノロジー(Int.Arch.Allergy Appl. Immunol.)、72:243−248).Mab3.2、21.3および40.1は、タンパク質と28〜35kDの領域において強い反応性を示した。Mab12.3は35kDのバンドに対して結合を示さなかったが、より低いバンドに対して強く結合した。これらの相互作用が示唆するように、IgEおよびMabの両者は変性されたアレルゲンを認識することができ、これによりそれらはE.coliの中の組み換えタンパク質の発現の検出のために適当なプローブである。
ラムダ−12Rの溶原性培養物の誘発により生産されたアレルゲン−ベーター−ガラクトシダーゼの融合タンパク質を、Mab40.1を使用するイムノブロット分析により特性決定した。ほぼ146kDのこの融合タンパク質は、116kDのベーター−ガラクトシダーゼおよび30kDのアレルゲンをエンコードする配列から構成されていると仮定する。この融合タンパク質は低い収量で生産された。それゆえそれ以上の分析のためにクローニングしたアレルゲンの収量を増加するために、われわれは別発現系を使用した。1.2kbのインサートをpGEX1−3系列のプラスミドの発現系の中にサブクローニングした。これらのプラスミドは、シストソーマ・ジャポニクム(Schistosoma japonicum)のグルタチオンS−トランスフェラーゼ(SmithおよびJohnson(1988)Gene 67:31−40)のカルボキシル末端をもつ融合ポリペプチドを与える。強いIgEの結合はpGEX−12Rで形質転換されたバクテリアにおいてのみ検出され、そして親のpGEXプラスミドをもつものにおいて検出されなかった(データは示されていないが、同様な結合は第4図に示されている)。ライグラスの花粉について陰性のラジオアレルゴソーベント(RAST)のスコアを有した対照の血清をもつウェスタンブロットのプロービングは、IgEの結合を示した。
実施例2−クローニングしたアレルゲン12Rおよび13Rの同一性
この研究において使用したすべてのMabはクローニングしたアレルゲンを認識した(第1a図)。
すべてのMabは自然のLol pIタンパク質に対して同一の特異性を示すわけではない(第1b図)。とくに、Mab12.3は35kDバンドを認識しない。クローニングしたアレルゲンのバンドはすべてのMabに結合し、そして高い強度でMab12.3に結合するので、クローニングされたアレルゲンはより低い分子量のタンパク質に相当し、そして35kDのタンパク質に相当しないように思われる。その同一性を確証するために、病害体の抗原について開発された免疫学的アプローチを使用した(例えば、BeallおよびMitchell(1986)ジャーナル・オブ・イムノロジカル・メソッズ(J.Immunological Methods)86:217−223)。この方法において、クローニングしたアレルゲン12Rをニトロセルロースの膜に固定化し、そして血清からの特異的IgE抗体を結合するために使用した。結合した抗体を溶離し、そしてライグラスの花粉のタンパク質のウェスタンブロットをプロービングするために使用した。結合の高度に特異的なかつ再現性あるパターンは、分子量31および33kDの2つのタンパク質成分に対するいくつかの実験において絶えず得られた。草以外の花粉にアレルゲン性の個体からのIgE抗体を使用したとき、ここで非組み換えpGEXプラスミドで形質転換されたE.coliの抽出物を使用してIgE抗体を選抜したとき、特異的結合は観測されなかった。 これらの実験が実証するように、クローン12Rに結合するIgE抗体はわずかにDNA断片分子量31および33kDのをもつ2つの成分を認識する。31/33および35kDのの成分はそれらの物理化学的特性が構造的に異なることがあり、そして仮にLol pIa(クローン13、35kDの成分)およびLol pIb(31/33kDの成分)と表示する。
この仮説を試験するために、Lol pIaおよびLol pIbのタンパク質を、第1の次元において調製用等電点電気泳動を包含する2次元の分析により、次いで集められた個体の分画のSDS−PAGEにより精製した。この手順はLol pIa(pI5.5)およびLol pIb(PI9.0)を十分な量で、決定すべきそれらのN−末端の配列のために首尾よく分離した(表2)。
表2
報告された配列と比較したこの研究において得られたライグラス
の花粉のアレルゲンのN−末端のアミノ酸配列
─────────────────────────────
アレルゲン N−末端の配列
─────────────────────────────
Lol pI IAKV?PG??I TAEYGDKWLD AKSTWYGKPT
Lol pIa IAKVPP*GP*WI TAEYGDKWLD AK?T------
Clone 13R IAKVPPGPNI TAEYGDKWLD AKSTWYGKPT
Lol pIb ADAGYTPAA? ?TPATPA?T
Clone 12R ADAGYTPAAA ATPATPAATPA GGWRE
Lol pII AAPVEFTVEK GSDEKNLALS IKYNKEGDSMA
Lol pIII -TKVDLTVEK GSDAKTLVLN IKYTRPGDTLA
─────────────────────────────
*はヒドロキシプロリンの残基を示す。
個々のタンパク質の成分をロトフォー(Rotofor)(バイオラド(Biorad))を使用して単離した。タンパク質をSDS−PAGE上で分離し、そしてPVDF膜(ミリポア(Millipore))に移した。N−末端の配列決定はMatudaira(1987)ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、262:10035−10038、およびSimpsonら(1989)、ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー(J.Chromatogr.)476:345−361、に従い実施した。
35kDのアレルゲンの配列は、Lol pIの従来発表された配列との相同性を示す(表2)。31/33kDのタンパク質のLol pIbは、Lol pIaと異なるN−末端のアミノ酸配列を有する。クローン12Rによりエンコードされたアレルゲンは主要な新しく同定されたアレルゲンのLol pIbを表し、そしてクローン13RはアレルゲンLol pIaをエンコードする。クローン12Rおよび13Rのヌクレオチド配列および予測されたアミノ酸配列を、それぞれ、第3図および第6図に示す。
クローン4R、6R、16および17R(表1)をまた配列決定し、そしてLol pIaの部分的クローンであることが発見された。全長のヌクレオチド配列に関する配列決定されたクローンのLol pIaの相対的位置(第7a図および第7b図に示す)を表3に示す。
表3
プロテアーゼ阻害剤のcDNAクローンに結合する抗体の要約
Lol pIaの配列
の中のヌクレオ
クローン FMC-A1 FMC-A7 IgE チドの位置
4R ++ + - 0-764
6R ++ + - 159-754
16R ++ + - 12-764
17R ++ + - 383-756
実施例3−アレルゲンの花粉特異的発現
ポリA+RNAを異なる植物の組織:種子、葉、根および花粉から単離した。異なる組織からの全体のRNAの20μgを1.2%w/vのアガロースゲル上でホルムアミドおよびホルムアルデヒドの存在下に電気泳動させ(Sambrookら、前掲)、ハイボンド(Hybond)−Cエキストラ(アマーシャム(Amersham)、イリノイ州アーリントンハイツ)に移し,そしてフィルターを80℃において2時間の間ベーキングした。1.2kDの12RのcDNAを32Pで放射線標識し、そしてNCフィルターと65℃において50%v/vのホルムアミドの存在下にインキュベーションした。この膜を0.1%のw/vのSDSを含有する2×SSCで65℃において洗浄した。
タンパク質を異なる組織(花、葉、根および花粉)から1mMのPMSFを含有する10mMのPBSの中で粉砕し、そして示した抗体でイムノブロットした(10μgのタンパク質/レーン)。結合をMabについて125I−ヤギ抗マウスIg(アマーシャム(Amersham))、およびポリクローナル125I−ヤギヒトIgE(カレアッド(Kallestad)、米国)を使用して可視化し、そしオートラジオグラフィーにかけた。
花粉から調製したRNAのノザンブロット分析は、花粉においてクローニングしたアレルゲンの遺伝子の高いレベルの発現を示したが、いかなる栄養成長の組織において示さなかった。ほぼ1.3kbの長さの優勢のバンドは栄養成長の組織からのRNAにおいて検出可能ではない(第2a図)。花粉特異的RNAの発現は、Mab40.1、12.3およびIgE抗体により認識された抗原の花粉特異的発現に相当した(第2b図)。特異的結合は、花粉および花の組織(花粉を含有する)をタンパク質源として使用したときにのみ、起こった。
実施例4−一次構造の分析
cDNAのクローン12Rを単離し、そしてpGEM−3Z(プロメガ(Promega)、ウイスコンシン州マジソン)の中にサブクローニングし、制限マッピングし、そして種々の大きさの制限断片でpGEMベクターの中に再サブクローニングした。DNA配列をジデオキシヌクレオチド連鎖停止法(Sangerら(1977)プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、74:5463−5468)により、セクエナーゼ(Sequenase)(USバイオケミカル(Biochemical))およびT7DNAポリメラーゼ(ファーマシア(Pharmacia)、ニュージャージイ州ピッツバーグ)を使用するを使用して、二本鎖の配列決定により決定した。配列決定はddNTPおよび7−デアザdGTPの両者と同時に実施させた。リーディングフレームは、第4図に詳細に描写されているように、pGEXベクターの中で2つの発現サブクローンを配列決定することによって確証された。DNA配列のデータはMELBDBSYS系を使用して分析した(NBRFタンパク質同定源(Protein Identification Resource)、米国ワシントン州;GENBANK、ロス・アラモス・ナショナル・ラボラトリー(Los Alamos National Laboratory)、米国;ENBEL、ドイツ国ハイデルベルグ;スイスプロトット(Swissprot)およびNBRF PIRのタンパク質データベース)。
cDNAクローン12Rのヌクレオチド配列はGCに富んでいた(68%のGC、第3b図)。位置40のATG開始コドンで開始しそして位置964のTGAコドンで停止する921bpのオープンリーディングフレームが存在する。提案された翻訳開始部位およびそのフランキング配列は、コンセンサス植物配列AACAATGGC(LOC36−44)と89%の相同性を共有し、そしてメチオニンのコドンから位置−3のプリンの存在と最適な関係にあると考えられる。このオープンリーディングフレームは潜在的に分子量34.1kDのタンパク質をエンコードする。
アラニン(23%)およびプロリン(13%)にに富んだ、予測されたタンパク質配列は、25アミノ酸の推定上のシグナルまたは標的ペプチド配列を有する。これは分子量31.3kDの切断されたタンパク質を示す。Lol pIbのN−末端のタンパク質配列は、シグナルの推定上の切断部位直後において、クローン12Rの推定されたアミノ酸配列と同一である。これは、cDNA−12RがLol pIbのアレルゲン性タンパク質をエンコードすること、およびタンパク質が切断されるシグナルタンパク質の配列を有することを確証する。
シグナル配列は、他の真核生物の配列に典型的である特徴を有する:C−末端における5アミノ酸の比較的親水性の配列:N−末端においてより親水性となるシグナル領域のほとんどを越えて延びる比較的疎水性の配列(第3c図)。C−末端におけるアミノ酸は、切断部位におけるアラニン、−2における芳香族残基のチロシン、および−6におけるらせんのブレーカーのプロリンを含み、それらのすべてはシグナル配列のC−末端の領域の普通の特徴である。
現存するデータ−ベースのサーチは、ラムダ−12Rの推定されたアミノ酸と任意の他のタンパク質との間の相同性を示さない。さらに、推定されたアミノ酸配列の中のコンセンサスグリコシル化配列(Asn−x−Ser/Thr)についてのサーチはこのような配列を検出しなかった。アレルゲン上のN−連鎖した炭水化物鎖の不存在は、酵素のN−グリカナーゼおよびエンド−Fグリコシダーゼで処理後の脱グリコシル化の欠如により確証された。化学的脱グリコシル化および引き続くSDS−PAGEは、タンパク質の分子量の減少を示さなかった。31/33kDの成分は二重線として残り、分子量の差がグリコシル化のためでないことを示唆した。脱グリコシル化処理は31/33kDの成分へのIgEの結合に影響を与えなかった。5%の炭水化物を有するLol pIaと比較して、Lol pIbの中に炭水化物は存在しない。
実施例5−IgE−およびMab−反応性エピトープの設計
MabおよびIgEの決定基を局在化するために、E.coliの組み換え発現系を使用した(SmithおよびJohnson(1988)Gene 67:31−40).この系を使用して、ある数の制限断片を発現プラスミドpGEX1−3中でサブクローニングした。全長のcDNAのpGEXの中への「インフレーム」サブクローニングは、IgEおよびMab40.1および12.3の両者により認識される61kDの融合タンパク質を発現した。
全長のcDNAのpGEXまたは2つの制限断片1Hおよび2Pを、プラスミドの発現ベクター12Rの中にサブクローニングした。融合タンパク質を誘発する手順およびバクテリアのリゼイトの調製は初期に記載された(SmithおよびJohnson、前掲)。得られたリゼイトを還元性SDS−PAGEにかけ、次いでNC膜に移した。ブロットをIgE抗体およびMab40.1、12.3で第1b図に記載するようにプロービングしたが、ただし125I−抗ヒトIgE(カレスタッド(Kallestad)を使用してIgEの結合を検出した。
イムノブロット分析は、生産された融合タンパク質の大部分が、その融合部位付近でバクテリアのプロテアーゼによりグルタチオン−Sトランスフェラーゼを使用して切断され、破壊された生産物を発生し、これはIgE抗体により認識されることを示した(第4図)。組み換え融合タンパク質は断片2Pにより発現されるが、両者のMabと強く反応性であり、プールしたアレルゲン性血清の中のIgE抗体により認識されなかった。しかしながら、断片1Hにより生産されたN−末端が切頭されたタンパク質はMabのいずれによっても認識されないが、IgE抗体と高度に反応性であった。
このようにして、アレルゲン性分子の2つの明確なドメインが描写された:N−末端を含有する断片はMab12.3および40.1のための認識部位を有する;そしてC−末端を含有する断片1Hは強いIgE結合を示し、したがって1または2以上のアレルゲン性決定基を有する。2つのMabは異なる結合特異性を有し(第1b図)、2つのMabのための認識部位は異なるように思われるが、同一断片の中にある。12.3および40.1の結合部位を描写するためには、より小さい断片を使用する優れたマッピングが要求されるが、これらの結果はIgE決定基が異なることを示すために十分である。
実施例6−ライグラスの花粉の中のLol pIbの細胞内ターゲッティング
ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)の成熟した花粉を、確立された方法(Staffら、(1990)ヒストケミカル・ジャーナル(Histochem.J.)22.276−290)するように思われる走査電子顕微鏡のために調製した。免疫細胞測定のために、成熟した葯を無水条件:2,2−ジメトキシプロパンの中の0.1%のグルタルアルデヒド、1%のパラホルムアルデヒド下に4℃において2時間固定し、そして透過型電子顕微鏡検査(Staffら、前掲)のために処理した。この方法は水性媒質の中でそれらの細胞の部位からのアレルゲンの拡散を減少するために開発された。ブロックをLR金樹脂を1%のベンジルと−25℃において紫外線の照明下に重合させ、そして80nmの薄い切片を金のグリッド上に取り上げた。免疫標識つけはまず一次抗体、Mab12.3(Lol pIbに対して特異的な)であり、次いで金−ヤギ−抗マウスIgGのプローブ(15nmの粒子サイズ)であった。この標識を40nmの粒子サイズに増大した(DanscherおよびNorgaad(1983)ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(J.Het.Chem.)31:1394−1398から変更した)。第2の標識つけを同一の切片について3つのMab、3.2、21.3
および40.1(Lol pIaに対して特異的な)の混合物を使用して実施し、次いで15nmの粒子サイズをもつ金−ヤギ−抗マウスIgGのプローブを使用して実施する。従来記載された(Staffら、前掲)ように実施した抗体の特異性および方法の対照は、これらの部位に金粒子を示さなかった。
Lol pIは細胞質ゾルの中に位置し、そしてオルガネラの中に存在しない(Staffら、前掲)。これらの発見は、Lol pIに対して特異的なMabとともにイムノ−金プローブを使用して得られた。ここにおいて示すように、Mab12.3は、Lol pIbに対して特異的であり、澱粉粒に主として結合する(第5a図および第5b図)。草の花粉は1×2.5μmの大きさであり、そしてアミロプラストの内腔の中で発生するの澱粉粒で充填されている。
第5b図に示すように、澱粉粒の上に主として位置する大きい金の粒子(大きい電子の光る空間)はMab12.3のLol pIbへの結合を示すが、細胞質ゾルの上の小さい粒子はLol pIaへの典型的な結合である。目盛りのバーは1μmである。第5c図は、水に30秒間に暗い場の照明に暴露された後の、新しい、生存しうる花粉の外観を示す。花粉の大部分は破裂し、胚の小孔を通る澱粉粒(白色粒子)を含む、それらの細胞質の内容物を押し出している。目盛りのバーは30μmである。
プラスチドの中のLol pIbの局在化は、このタンパク質が、発育の間に、細胞質ゾルからプラスチドの内腔へ輸送されることを意味する。葉緑体への輸送のために、細胞質ゾルの中で合成されるタンパク質はオルガネラの中に輸送後に切断される標的ペプチドの配列を含有する大きい前駆体として合成される。Lol pIbのシグナル配列(第3b図、アミノ酸−25〜−1)と、発表されたミトコンドリアおよび葉緑体特異的トランジットペプチドとの比較は次の通りである。
プラスチドの中への輸送のために、植物のシグナルペプチドはカルボキシル末端に追加の情報を必要とし、これはペプチドの切断部位から−1〜−7領域に存在する。ほとんどの葉緑体のターゲッティングしたタンパク質のシグナルペプチドは、配列「G−R−V」または−2位置から読まれる機能的に相同性の配列を有する。Lol pIb(クローン12R)のシグナルペプチドは、この位置に配列「G−R−S」を有する(第3b図)。こうして結論されるように、Lol pIb分子はまず細胞質ゾルの中で前アレルゲンとして合成され、そして翻訳後の修飾のためにプラスチドに輸送される。これらの細胞内のプロセシング段階は、イムノブロッティングにより見いだされる二重線の31/33kDの出現を説明することができる。プロセシングされない前アレルゲンは33kDであり、そしてプラスチドの中でプロセシングされた後、成熟タンパク質は31kDである。両者のこれらの形態は成熟タンパク質の中に同時に存在する。この二重線は、また、Lol pIbの異なるアソフォームを表すことができる。
実施例7−免疫系へのLol pIaおよびbのプレゼンテーション
ライグラスの花が開くと、葯は働き、そして花粉は各葯の基部で開く小孔を通して空気の中に解放される。ライグラスは任意の草の最大の花粉の生産を示し、ほぼ460kgの花粉/ヘクタールを刈り取られないか、あるいは家畜に食われない牧草の中で大気の中に解放する。この花粉の99%はその源の1km以内に堆積(および再堆積)される。草の花粉は寿命が短く、しかも大気の中に数日間止まることができる。実験において、花粉は解放後にわずかに数時間の間だけ生存しうることが示された。
生存しうるとき、花粉粒は柱頭上で、あるいは高いレベルのオスチクム(osticicum)の人工的培地の中で、発芽することができる。生きている生存しうるライグラスの花粉の花粉粒は、水に暴露すると、単一の発芽の口で破裂し、細胞質の内容物を解放する(第5c図)。解放された内容物の間で澱粉粒は顕著である。花粉粒の張性を維持するためには、高いオスチクム、例えば、30%w/vのショ糖の培地が要求される。対照的に、死亡した花粉粒は、透過性のバリヤーをもたず、スポンジのように作用することはよく知られている。細胞のタンパク質は、アレルゲンを含めて、湿潤化のとき表面から解放される。
草の花粉が経口的または眼の粘膜と接触したとき、アレルゲンの直接解放により、枯草熱をどのようにしてトリガーすることができるかは容易に理解される。花粉粒それら自体は粘膜の表面上に止まるが、解放されたアレルゲン性タンパク質は粘膜および上皮下の層を通過し、ここでそれらは好塩基性細胞およびマスト細胞と相互作用する。30〜50μm程度に大きい直径の花粉粒がアレルギー性喘息、肺の気道の中のアレルゲンの存在によりトリガーされる疾患を誘発することができるメカニズムを理解することは容易ではない。
最近の証拠が示唆するように、草の花粉のアレルゲンは大気の中のエーロゾルの中に見いだされる小さいミクロンの粒子と会合する。このような粒子の由来は不明瞭である。アレルゲンの局在化、および水の中の花粉の挙動について観察の本発明の結果から、草の花粉が感受性の肺においてアレルギー性喘息を誘発することができるメカニズムを説明ための新しい仮説を提案する。生きている花粉粒が葉または他の支持体の使用上で水蒸気または水と直面するとき、澱粉粒はミクロンの粒子として大気のエーロゾルの中に解放される。これらの粒子、アレルゲンで被覆されたおよび充填された両者の粒子は、上および下の気道へアレルゲンをプレゼンテーションするためのベヒクルとして作用する。ミクロンの粒子は、また、もちろん、草の花粉からのアレルゲンの浸出および大気のエーロゾルの他の成分上の堆積から生ずる。
実施例8−Lol pIaをコードする核酸配列の単離およびクローニング
全体のmRNAを、成熟ライグラスの花粉から、HerrinおよびMicaels、前掲、のフェノール法により抽出した。1μgの全体のmRNAから商業的に入手可能なキット(cDNA合成系+キット、BRL、マリイランド州ガイスバーグ)を使用して、二本鎖cDNAを合成した。フェノール抽出およびエタノール沈澱後に、cDNAをT4DNAポリメラーゼ(プロメガ(Promega)、ウイスコンシン州マジソン)で平滑末端とし、そして、Rafnerら(1991)ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、266:1229−1236);Frohmanら(1990)プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、85:8988−9002;およびRoucら(1990)バイオ/テクノロジー(Bio/Tech.):48−57における方法に従い、変更されたアンカード(Anchored)PCRにおいて使用するために、エタノール沈澱した、自己アニーリングしたATおよびALオリゴヌクレオチドに結合した。オリゴヌクレオチドATは5’−GGGTCTAGAGGTACCGTACCGTCCGATCGATCATT−3(Rafnerら、前掲)を有する。オリゴヌクレオチドALは配列AATGATCGATGCT(Rafnerら、前掲)を有する。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は商業的に入手可能なキット(GeneAmpDNA増幅キット、パーキン・エルマー・セツス(Perkin Elmer Cetus)コネチカット州ノーウォーク)を使用して実施し、ここでdNTPを含有する10μlの10×緩衝液を1μgの各プライマーAP(これは配列5’−CGGTCTAGAGGTACCGTCCG−3’を有する)(Rafnerら、前掲)およびLpA−5(これは配列5’−CCCTGCAGATTATTTGAGATCTTGAG−3’を有する)、cDNA(3〜5μlの20μlの連鎖したcDNA反応混合物)、0.5μlのアンプリタク(Amplitaq)DNAポリメラーゼと混合し、そして蒸留水を100μlとした。
LpA−5のヌクレオチド1〜8(5’−CCCTGCAG)はクローニングの目的で付加されたPstI部位に相当する;残りのヌクレオチドは、第6図に示すDNA配列のヌクレオチド483〜500に対して相補的な非解読鎖の配列に相当する。
試料をプログラミング可能な熱的コントローラーで増幅した(MJリサーチ・インコーポレーテッド(Research,Inc.)、マサチュセッツ州ケンブリッジ)。最初の5ラウンドの増幅は、94℃における1分間の変性、45℃における1.5分間のプライマーの鋳型へのアニーリング、および70℃における2分間の連鎖伸長から成っていた。最終の20ラウンドの増幅は、前述の変性、55℃における1.5分間のアニーリング、および前述の伸長から成っていた。次いで、この最初の増幅の5%(5μl)を二次増幅において使用し、ここでdNTPを含有する10μlの10×緩衝液を1μgの各プライマーAPおよびプライマーLaP−3(これは配列5’−CCCTGCAGTCATGCTCACTTGGCCGAGTA−3’を有する)、0.5μlのアンプリタクDNAポリメラーゼと混合し、そして蒸留水で100μlとした。二次PCR反応をここに記載するように実施した。LaP−3のヌクレオチド1〜8(5’−CCCTGCAG−3’)はクローニングの目的で付加したPstI部位に相当する;ヌクレオチド9〜12(5’−TCA−3’)は新しい停止コドンのための相補的配列に相当し、そして残りのヌクレオチドは第7a図および第7b図に示すDNA配列のヌクレオチド793〜810に対して相補的な非解読鎖の配列に相当し(第6図に示すDNA配列のヌクレオチド426〜443)、Lol pIaの翻訳された配列、自然の停止コドンおよび3’未翻訳配列を包含する。
増幅されたDNAは、順次のクロロホルム、フェノール、およびクロロホルムの抽出、および引き続く−20℃における0.5体積の7.5酢酸アンモニウムおよび1.5体積のイソプロパノールを使用する沈澱により回収した。70%のエタノールを使用する沈澱および洗浄後、DNAを同時にXbaIおよびPstIで15μlの反応において消化し、そして調製用3%のGTGヌシーブ(NuSieve)低温溶融ゲル(FMC、メイン州ロックポート)を通して電気泳動させた。適当な大きさのDNAバンドをEtBrの染色で可視化し、切除し、そしてジデオキシヌクレオチド連鎖停止法(Sangerら(1977)プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、74:5463−5476)による商業的に入手可能な配列決定キット(セクエナーゼ(Sequenase)キット、USバイオケミカル(Biochemical)、オハイオ州クレブランド)を使用する配列決定のために、適当に消化したM13mp18の中に結合した。
両者の鎖をM13を使用して前進プライマーおよび逆プライマー(ニュー・イングランド・バイオラブス(N.E.Biolabs)、マサチュセッツ州ベバリー)および内部の配列決定プライマーLpA−13、LpA−12、LpA−9、LpA−2、LpA−7、LpA−10、およびLpA−IAを使用して配列決定した。LpA−13は配列5’−GAGTACGGCGACAAGTGGC−3’を有し、これは第7a図および第7b図に示すDNA配列のヌクレオチド121〜139に相当する。LpA−12は配列5’−TTCGAGATCAAGTCAAGTGCACC−3’を有し、これは第7a図および第7b図に示すDNA配列のヌクレオチド310〜318に相当する。LpA−9は配列5’−GTGACAGCCTCGCCGG−3’を有し、これは第7a図および第7b図に示すDNA配列のヌクレオチド335〜350に対して相補的である非解読配列に相当する。LpA−2は配列5’−GGGAATTCCATGGCATGGCGAAGAAGGGC−3’を有する。LpA−2のヌクレオチド1〜7(5−GGGAATT−3’)はクローニングの目的で付加されたEcoRI制限部位の一部分に相当する;LpA−2の残りの配列は第7a図および第7b図に示すDNA配列のヌクレオチド425〜441に相当する。LpA−7は配列5’−GTGCCGTCCGGGTACT−3’を有し、そして第7a図および第7b図に示すDNA配列のヌクレオチド503〜518に相当する。LpA−10は配列5’−CCGTCGACGTACTTC−3’を有し、これは第7a図および第7b図に示すDNA配列のヌクレオチド575〜590に相当する。LpA−IAは配列5’−GGAGTCGTGGGAGCAGTC−3’を有し、これは第7a図および第7b図に示すDNA配列のヌクレオチド654〜672に相当する。
いくつかの独立のPCR反応からの多数のクローンを配列決定した。推定されたアミノ酸配列をもつ、Lol pIaの代表的なクローンの配列、クローン26.j、を第7a図および第7b図に示す。第7a図および第7b図に示すように、Lol pIaをコードする核酸配列はヌクレオチド16におけるATG開始コドンで開始し、そしてヌクレオチド805における停止コドンで終わるオープンリーディングフレームを有する。翻訳されたタンパク質は、それぞれ、28.5kDおよび5.55の予測された分子量およびpIをもつ263アミノ酸の推定されたアミノ酸配列を有する。開始するメチオニンはアミノ酸−23と番号を付され、アミノ酸番号+1は、アミノ酸の配列決定(Cottamら(1986)バイオケミカル・ジャーナル(Biochem.J.)234:305−310)により定義されるように、成熟タンパク質のNH−末端に相当する。第7a図および第7b図におけるアミノ酸−23〜−1は成熟タンパク質から切断されたリーダー配列に相当する;したがって、成熟タンパク質は240アミノ酸から構成され、そして、それぞれ、26.1kDおよび5.38の予測された5.38を有する。アミノ酸9に単一の潜在的N−連鎖したグリコシル化部位が存在する。
クローン26.jのアミノ酸1〜30(第7a図および第7b図)は、Lol pIのNH−末端の発表された配列に正確に対応する(Cottamら、前掲)。クローン26.jのアミノ酸213〜240はLol pIのNH−末端の発表された内部のアミノ酸配列に正確に対応する(EschおよびKlapper(1989)モレキュラー・イムノロジー(Microbiol.Immunol.)26:557−561)。
クローン13Rの最初のヌクレオチド(第6図)は、第7a図および第7b図に示すLol pIaをコードする配列のヌクレオチド368に相当する。
実施例9−Lol pIaにおける多形性の同定
Lol pIaをコードするヌクレオチド配列における多形性の数は、異なるLol pIaのクローンの増幅および配列決定の間に発見された。多形性のいくつかはクローン26.jのそれに関してアミノ酸の変化を引き起こすが、他のものはアミノ酸の変化を引き起こさないサイレントの多形性である。Lol pIaをコードする配列の中に見いだされた多形性を表4に要約する。ヌクレオチドの塩基数は第7a図および第7b図に示すクローン26.jの配列のそれである。
Figure 2007006896
すべての確証されたヌクレオチドの多形性(2つの独立のPCR反応からのクローンの配列の分析において観察された多形性)を、クローン26.jの配列に関して示す(第7a図および第7b図)。それらのそれぞれのコドンのトリプレットの中の多形性の残基は番号を付されている。推定上のアミノ酸の変化をまた示す;大部分のヌクレオチドの多形性はサイレントであり、そしてアミノ酸の変化を生じない。28の潜在的多形性は単一の手順反応からのクローンにおいてのみ観察された。これらの28の潜在的多形性のうちの17はサイレントの突然変異であり、そしてアミノ酸の多形性を生じない;残りの11の潜在的な多形性の部位は、詳しくは、次のアミノ酸の変化を生ずるであろう:T11→M、A49→V、R67→S、K79→R、V90→I、Q133→R、I152→T、V173→E、I187→T、V223→FおよびK232→R。
当業者は理解するように、記載した本発明はここに詳しく記載したもの以外の変化および変更が可能である。本発明はこのような変化および変更のすべてを包含することが理解されるであろう。本発明は、また、この明細書に言及しかつ示したすべての工程、特徴、組成物および化合物を個々にかつ総合的に、および前記工程および特徴の任意の2またはそれ以上の任意のおよびすべての組み合わせを包含する。
ここにおいて表すヌクレオチド配列は、現在入手可能な最も正確なデータを表す。小さい補正は、本発明の範囲を逸脱しないで、引き続いて配列についてなすことができる。
第1図は、ポアセアエ(Poaxeae)の群Iアレルゲンに対して特異的なcDNAクローンの単離を示す。第1a図は、3つの異なるMab FMC−A1(40.1)、FMC−A7(12.3)、3.2(KahnおよびMarsh(1986)モレキュラー・イムノロジー(Microbiol.Immunol.)23:1281−1288;SinghおよびKnox(1985)インターナショナル・アーチーブス・オブ・アレルギー・アンド・アプライド・イムノロジー(International Archives of Allergy and Applied Immunology)78:300−304;Smartら(1983)インターナショナル・アーチーブス・オブ・アレルギー・アンド・アプライド・イムノロジー(International Archives of Allergy and Applied Immunology)72:243−248)およびアレルゲン性患者の血清からのIgEによる、陽性のクローン(12R)の認識を示す。Cは一次Mabが省略された対照である。第1b図は、ライグラスの花粉からの群I抗原に属するMabおよびIgEのイムノブロット分析を示す。レーン1は全体のタンパク質のプロフィル(クーマッシーブルー(Coomassie Blue)の染色);レーン2:Mab40.1;レーン3:Mab21.3;レーン4:Mab12.3;レーン5;IgE抗体。 第2図は、群Iのアレルゲンの転写の組織型および細胞型特異的の発現を示す。第2a図はRNAのブロットハイブリダイゼーションを示す。ポリ(A)+RNAが異なる植物の組織から単離された:種子、葉、根および花粉。第2b図は、群Iの抗原の組織型および細胞型特異的分布を示す。可溶性タンパク質を異なる植物組織から抽出した:花、葉、根および花粉、そしてMab40.1、12.3およびIgE抗体を使用してイムノブロットにかけた。 第3図は、ライグラスの花粉のクローン12RのcDNA配列、予測されたアミノ酸配列および親水性プロフィルを示す。第3a図はラムダ−12RのcDNAの概略的制限地図を示す。ハッチングを施したボックスは予測された翻訳のオープンリーディングフレームを表す。 第3b図は、1242ヌクレオチドのE.coliのcDNAインサートのラムダ−12Rのヌクレオチド配列および推定されたアミノ酸配列を示す。単一の文字のコードにより表される推定されたアミノ酸配列は、第3b図においてDNA配列の上に示されており、そしてヌクレオチド40における最初の潜在的なインフレームの開始コドンで開始する。1つの中断されないオープンリーディングフレームは、308アミノ酸(第3b図においてDNA配列より上の番号)の間連続し、そして星印で示すTGA停止コドンで終わる。推定上のシグナルペプチドはアミノ酸残基1−9、12−17、および19がN−末端の配列決定により同定された。 第3c図は、HoppおよびWoods(1981)プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、78:3824−3828の方法に基づいて、7つのアミノ酸のウィンドウを使用した、親水性プロフィルを示す。 第4図は、イムノブロッティングを使用するLol pIbのクローン12Rの中のIgEおよびMab反応性エピトープの描写を示す:第4a図:IgE抗体;第4b図:Mab40.1;および第4c図:Mab12.3。第4a図〜第4c図についての対照は、非組み換えプラスミドで形質転換されたバクテリアにより提供される。 第5図は、特異的Mabおよび免疫金のプローブを使用してライグラスの成熟花粉の中のLol pIaおよびLol pIbの検出を示す。第5a図は、走査型電子顕微鏡検査により可視化された全体の花粉粒を示し、単一の胚の小孔を示す。目盛りのバーは30μmである。第5b図は、免疫金の局在化−二重標識つけによる、Lol pIaおよびLol pIbの細胞の部位の検出を示す。第5c図は、水に30秒間、暗い場の照明に暴露した後の、新鮮な、生存しうる花粉の外観を示す。 第6図は、Lol pIaの一部分をコードする配列を有する、クローン13Rのヌクレオチド配列および予測されたアミノ酸配列を示す。 第7a図は、cDNAクローン26.jのヌクレオチド配列およびその予測されたアミノ酸配列を示す。クローン26.jはPCR発生したLol pIaの全長のクローンである。 第7b図は、第7a図に示すcDNAクローン26.jのヌクレオチド配列およびその予測されたアミノ酸配列のつづきである。

Claims (14)

  1. 核酸が本願添付図面の[図9]及び[図10]に示すヌクレオチド配列を含んでなるライグラスの花粉のアレルゲンLol pIaをコードする単離された核酸。
  2. 本願添付図面の[図9]及び[図10]に示すアミノ酸配列又はその成熟部分を含んでなる、ライグラスの花粉のアレルゲンLol pIaをコードする単離された核酸。
  3. 本願添付図面の[図9]及び[図10]に示すアミノ酸配列を含んでなるライグラスの花粉のアレルゲンLol pIaの抗原性断片をコードし、抗原性断片が該花粉のアレルゲンの少なくとも1つのエピトープを含んでなり且つ残基191〜210を含まない単離された核酸。
  4. エピトープがT−細胞エピトープ又はB−細胞エピトープである請求項3に記載の核酸。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸を含んでなるベクター。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸がコードするタンパク質又はペプチドを発現するように形質転換された宿主細胞。
  7. 本願添付図面の[図9]及び[図10]に示すヌクレオチド配列を有する核酸を用いて形質転換された宿主細胞中で産生された、単離されたライグラスの花粉のアレルゲンLol pIa。
  8. 本願添付図面の[図9]及び[図10]に示すアミノ酸配列又はその成熟部分を含んでなる単離されたライグラスの花粉のアレルゲンLol pIa。
  9. 本願添付図面の[図9]及び[図10]に示すアミノ酸配列を含んでなるライグラスの花粉のアレルゲンLol pIaの単離された抗原性断片であって、該花粉のアレルゲンの少なくとも1つのエピトープを含んでなり、該エピトープがT−細胞エピトープ又はB−細胞エピトープであり、且つ残基191〜210を含まない単離された抗原性断片。
  10. 本願添付図面の[図9]及び[図10]に示すヌクレオチド配列がコードする単離されたライグラスの花粉のアレルゲンLol pIaよりなることを特徴とする、ライグラスの花粉に感受性の哺乳動物に投与して該哺乳動物におけるアレルギー反応の存在を検出し、アレルギー反応を個体における該ライグラスの花粉のアレルゲンの存在と関連づけることによって、ライグラスの花粉に感受性の哺乳動物におけるライグラスの花粉に対する感受性を検出するための薬剤。
  11. 本願添付図面の[図9]及び[図10]に示すアミノ酸配列を有する、単離されたライグラスの花粉のアレルゲンLol pIa又は該花粉のアレルゲンの少なくとも1つのエピトープを含んでなり且つ残基191〜210を含まないその抗原性断片よりなることを特徴とする、ライグラスの花粉に感受性の哺乳動物に投与して該哺乳動物におけるアレルギー反応の存在を検出し、アレルギー反応を個体における該ライグラスの花粉のアレルゲン又はその抗原性断片の存在と関連づけることによって、ライグラスの花粉に感受性の哺乳動物におけるライグラスの花粉に対する感受性を検出するための薬剤。
  12. エピトープがT−細胞エピトープ又はB−細胞エピトープである請求項11に記載の薬剤。
  13. 本願添付図面の[図9]及び[図10]に示すヌクレオチド配列がコードする単離されたライグラスの花粉のアレルゲンLol pIaを有効成分として含有することを特徴とする、ライグラスの花粉に感受性の哺乳動物におけるライグラスの花粉に対する感受性の処置剤。
  14. 本願添付図面の[図9]及び[図10]に示すアミノ酸配列を有する単離されたライグラスの花粉のアレルゲンLol pIa又は該花粉のアレルゲンの少なくとも1つのエピトープを含んでなり且つ残基191〜210を含まないその抗原性断片を有効成分として含有することを特徴とする、ライグラスの花粉に感受性の哺乳動物におけるライグラスの花粉に対する感受性の処置剤。
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