JP2007006100A - サーキュレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 HF帯での安定動作が可能な集中定数型のサーキュレータを提供する。
【解決手段】 飽和磁化が180mTであるLiフェライトからなる2枚の円板状のフェライト板1a,1bを作製し、一方のフェライト板1bの上面に、4本の導線2a,2b,2c,2dを一組とした3組の導線パターンを導体電極パターンとして接着し、その上に他方のフェライト板1aを貼り付け、フェライト板1aの上面及びフェライト板1bの下面には、接地電極となる銅板3a及び3bを接着する。これらの銅板3a,フェライト板1a,3組の導線2a,2b,2c,2d、フェライト板1b及び銅板3bを積層一体化させたフェライト体を鉄製のヨーク6で挾み、更にヨーク6を挟むように永久磁石7を設ける。共鳴周波数が13.56MHzとなる飽和磁化180mTまで低下させてもキュリー点は常温よりも十分に高く、常温で安定的に動作するHF帯サーキュレータ10を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フェライト素子を用いた集中定数型のサーキュレータに関し、特に、HF帯(3〜30MHz)で動作するサーキュレータに関する。
RFIDシステムにおいて、ICカードと中枢装置との間で、送信機・受信機一体の通信機を介して信号の送信・受信を行う場合、システムの形態上、送信時と受信時とでアンテナを共用することが一般的である。通常ICカードは電源を有していないため、ICカードに対する質問用の信号だけでなく、ICカードを動作させるための電気エネルギもICカードへ送信する必要がある。よって、送信機からICカードへの送信電力は、数W以上である場合がほとんどである。一方、ICカードからの受信信号は数mW以下、μWレベルの信号であり、受信機側で微弱な信号を増幅して信号処理を行っている。
このような微弱な信号を処理する受信機側に上述したような高レベルの送信信号が混入された場合には、受信機の許容レベルを遥かに超えたエネルギが印加されるので、受信機が損傷されることになる。よって、このような損傷を防止するために、アンテナ共用器として方向性結合器を用いて、送信信号が受信機側に混入しない工夫がなされている。UHF帯以上(300MHz以上)の周波数を用いる携帯電話器などの機器にあっては、高効率で動作安定性が良い集中定数型のサーキュレータが方向性結合器として使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−97907号公報
集中定数型のサーキュレータには、YIG(イットリウム鉄ガーネット)製のフェライト素子のジャイロ磁気特性を応用したものが多く、YIGフェライト材に静磁界を印加して磁化を一方向に揃えた状態で、静磁界と直角方向に高周波磁界を印加した場合に、静磁界方向に対して右回りにYIGフェライト材の磁化が才差運動することを利用している。この才差運動する周波数は、材料固有の値をとり、飽和磁化と略比例関係をなしている。このため、より低い周波数で動作させるために、材料となるYIGに種々の元素を添加してYIGの飽和磁化を低減させている。
しかしながら、元素の添加により同時にYIGのキュリー温度も低下し、実質的にジャイロ磁気共鳴周波数が100MHz以下のものではキュリー温度が室温に近づいてくるので、室温で安定動作することができない。よって、YIGフェライトを用いたサーキュレータは、100MHz程度のVHF帯までが限界であり、HF帯で安定動作するものは製品化されていない。
RFIDシステムでは、割り当てられている周波数がISMバンドの一つである13.56MHzである。上述したように、このHF帯で安定動作するサーキュレータが製品化されていないので、現状では、ハイブリッドトランスを用いた方向性結合器が使用されている。
図10は ハイブリッドトランスの構成図であり、図11は、ハイブリッドトランスを用いた方向性結合器の動作を示す図である。ハイブリッドトランスは2個のトランスT1,T2を組み合わせた4端子素子であって(図10参照)、一つのポートに信号を入力すると、左右のポートに入力信号の半分のレベルの信号が現れ、向かいのポートには信号が現れない(図11参照)ことを利用している。よって、4個のポートの中の1個のポートにダミー負荷を設けることで方向性結合器を構成している。
しかしながら、この方向性結合器では、送信した信号の半分の電力がダミー負荷で消費され、一方、受信した信号の半分しか受信機側へ出力されないため、サーキュレータと比較した場合に、同等の受信電力を得るためには略4倍の送信電力が必要となり、効率が悪いという問題がある。また、ハイブリッドトランスは、ダミー負荷とアンテナとのインピーダンスバランスによって動作しているが、自動改札機などを通るICカードでは、ICカードの近接位置が人によって異なるため、送受信時のインピーダンスが人によって異なる。このため、送信信号の打ち消しバランスが崩れて、受信機側への送信信号の混入が避けられないので、受信機の入力側に保護回路を設けなければならない。このようにハイブリッドトランスを用いた方向性結合器には問題点が多いため、HF帯で動作するサーキュレータの開発が望まれている。
Li系フェライトは、ジャイロ磁気特性を発現する物質として知られているが、Liが水溶性であるためウェットプロセスで製造しにくいことなどからあまり生産されていなかった。しかしながら、近年その製法が確立されて新たにマイクロ〜ミリ波材料として注目されている。また、Li系フェライトは、キュリー点が高い特徴がある(例えば、Li0.5 Fe2.5 4 で670℃)。この点に着目して、本発明者は、Li系フェライトへの添加剤を検討したところ、共鳴周波数が13MHz付近になる飽和磁化10〜250mTまで低下させてもキュリー点が80〜140℃と常温より十分に高くなることを知見した。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、HF帯での安定動作が可能な集中定数型のサーキュレータを提供することを目的とする。
本発明に係るサーキュレータは、フェライト素子を用いた集中定数型の構成をなし、HF帯で動作するサーキュレータにおいて、前記フェライト素子に、飽和磁化が10〜250mTであるLi系フェライトを用いてあることを特徴とする。
本発明のサーキュレータにあっては、飽和磁化が10〜250mTであるLi系フェライトを用いている。よって、磁気共鳴周波数がHF帯となり、またそのキュリー温度が常温より十分に高いため常温での安定した動作を行える。YIGフェライトはほぼ磁気飽和の状態で用いるのに対して、Li系フェライトは、0.6Ms程度から明瞭な磁気共鳴現象が見られるため、広い周波数における動作が可能である。
本発明に係るサーキュレータは、HF帯で動作する集中定数型のサーキュレータにおいて、飽和磁化が10〜250mTであるLi系フェライトからなる2枚の円板と、該2枚の円板の間に120度回転対称に挿入された複数の導線からなる3組の信号電極と、前記2枚の円板の前記信号電極を挾む面と反対側の面をそれぞれ覆う接地電極とを備えたことを特徴とする。
本発明のサーキュレータにあっては、飽和磁化が10〜250mTであるLi系フェライト材を円板状に加工し、その2枚の円板の間に複数の平行導線の導体を120度回転対称に配置し、2枚の円板の上下を接地導体とする。平行板状の導体に平行導線を用いることにより、導体に入り込む磁束による渦電流の発生を抑制するため、損失は低減する。
本発明に係るサーキュレータは、前記2枚の円板を挾むヨークを備えたことを特徴とする。
本発明のサーキュレータにあっては、フェライト円板を挟むようにヨークを設けている。バイアス磁界の不均一は共鳴周波数の不均一につながって、順方向の挿入損の増大またはF/B比の低下を招く。そこで、ヨークを設けて均一なバイアス磁界が印加されるようにする。
本発明に係るサーキュレータでは、前記ヨークは、前記2枚の円板に対向する面が平面状をなし、前記2枚の円板の外周より外側の面がアールを付けた形状であることを特徴とする。
本発明のサーキュレータにあっては、ヨークの形状を、フェライト円板に対向する部分は平面状とし、フェライト円板に対向しない外周縁部分はアールを付けた形状とする。これにより、フェライト円板の周縁部で均一なバイアス磁界が印加されるようにする。
本発明に係るサーキュレータは、前記Li系フェライトの組成式が、x(Li0.5 Fe0.5 )O・yZnO・zFe2 3 (0.10≦x≦0.50,0.05≦y≦0.35,0.45≦z≦0.575,x+y+z=1)であることを特徴とする。
本発明のサーキュレータにあっては、組成式がx(Li0.5 Fe0.5 )O・yZnO・zFe2 3 (0.10≦x≦0.50,0.05≦y≦0.35,0.45≦z≦0.575,x+y+z=1)であるLi系フェライトを用いることにより、飽和磁化10〜250mTを実現する。
本発明に係るサーキュレータは、前記Li系フェライトのFe2 3 の一部をMn2 3 に置換したことを特徴とする。
本発明のサーキュレータにあっては、Fe2 3 の一部をMn2 3 に置換したLi系フェライトを用いることにより、比抵抗が向上して誘電損失が低減する。
本発明に係るサーキュレータは、前記Li系フェライトが、Bi2 3 、V2 5 、Na2 O、K2 Oの少なくとも1種を5質量%以下添加してなることを特徴とする。
本発明のサーキュレータにあっては、Li系フェライトにBi2 3 、V2 5 、Na2 O、K2 Oの少なくとも1種を5質量%以下添加することにより、焼結体密度が向上し、焼結体内部の磁束密度が均一化する。
本発明のサーキュレータでは、フェライト素子として、飽和磁化が10〜250mTであるLi系フェライトを用いるようにしたので、常温であってもHF帯での安定した動作を行うことができる。従来のハイブリッドトランスを使用した場合に比べて、送信電力を半分から1/4程度まで低減できる。また、ダミー負荷がないので、発熱が抑えられ、送信機側の小型低消費電力化を図ることができる。
本発明のサーキュレータでは、飽和磁化が10〜250mTであるLi系フェライトからなる2枚のLi系フェライト円板の間に120度回転対称に挿入された複数の導線からなる信号電極を平行配置し、Li系フェライト円板の対向する面と反対側の面それぞれを接地電極で覆う構成としたので、バイアス磁束による渦電流の発生を抑制でき、損失を低減することができる。
本発明のサーキュレータでは、2枚のLi系フェライト円板を挟むようにヨークを設けるようにしたので、均一なバイアス磁界をLi系フェライト円板に印加することができ、順方向の伝達ロスまたはF/B比を改善することができる。
本発明のサーキュレータでは、Li系フェライト円板に対向する中央部分は平面状をなし、Li系フェライト円板に対向しない周縁部分はアールを付けた形状としたヨークを設けるようにしたので、Li系フェライト円板の周縁部においても均一なバイアス磁界を印加することができる。
本発明のサーキュレータでは、組成式がx(Li0.5 Fe0.5 )O・yZnO・zFe2 3 (0.10≦x≦0.50,0.05≦y≦0.35,0.45≦z≦0.575,x+y+z=1)であるLi系フェライトを用いるようにしたので、飽和磁化10〜250mTを容易に実現することができる。
本発明のサーキュレータでは、Fe2 3 の一部をMn2 3 に置換したLi系フェライトを用いるようにしたので、比抵抗を向上できて誘電損失を低減することができる。
本発明のサーキュレータでは、Li系フェライトにBi2 3 、V2 5 、Na2 O、K2 Oの少なくとも1種を5質量%以下添加するようにしたので、焼結体密度が向上し、焼結体内部の磁束密度を均一化することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。図1は、本発明に係るサーキュレータ10の構成を示す分解斜視図、図2は同じくその側面図、図3は同じくその等価回路図、図4は導体電極パターンを示す平面図である。
図1において、1a,1bは同一の円板形状(直径:30mm、厚さ:1.5mm)をなすフェライト板である。これらのフェライト板1a,1bは、Fe2 3 :59モル%、Li2 O:4モル%、ZnO:35モル%、Mn2 3 :2モル%の組成を有し、更にBi2 3 を1質量%添加したLiフェライトからなり、その飽和磁化は180mTである。
下側のフェライト板1bの上面には、図4に拡大して示すように、導体電極パターンとして、4本のポリウレタン製の導線2a,2b,2c,2dを一組とした3組の導線パターンが、120度回転対称位置に接着されている。各導線の間隔は、導線2a,2bの間、導線2b,2cの間、導線2c,2dの間がそれぞれ、2mm、6mm、2mmである。このような下側のフェライト板1bに、導体電極パターンを挟むように上側のフェライト板1aが接着されている。
フェライト板1aの上面及びフェライト板1bの下面には、接地電極となる銅板3a及び3b(直径:30mm)がそれぞれ接着剤にて接着されている。導体電極パターンの各組の4本の導線の一端がそれぞれ束ねられ、途中に共振用のコンデンサとしてのトリマコンデンサ4(容量:1000pF)が設けられて(図3参照)、上下の銅板3a,3bにハンダにて接続されている。
図2に示すように、このような上側から銅板3a,フェライト板1a,3組の導線2a,2b,2c,2d、フェライト板1b及び銅板3bを積層一体化させてなるフェライト体5が、純鉄を削り出して作製したヨーク6に挟まれている。また、ヨーク6を挟むように、バイアス磁界を印加する永久磁石7が設けられている。
次に、本発明のサーキュレータ10の動作について説明する。導体電極パターンである3組の導線の接地されていない他端が、入力端子または出力端子として機能する3個のポート1、ポート2、ポート3となる(図3参照)。インダクタとなる導体とトリマコンデンサ4とで磁気共鳴が起こり、その共鳴周波数は13.56MHzに設定されている。
図5,図6はサーキュレータ10の動作を説明するための図である。図5に示すように、フェライト板1a,1bに永久磁石7により静磁界を印加し(図5では表→裏方向)、磁化を一方向に揃えた状態で、静磁界と直角方向に高周波磁界を印加した場合、静磁界の方向に対して右回りにフェライト板1a,1bの磁化が才差運動する。この結果、ポート1を入力端子とした場合、ポート2に対応する導線は磁界と鎖交するのでポート2に信号が出力されるが、ポート3に対応する導線は磁界方向と平行になって鎖交する磁界がないのでポート3には信号が出力されない。
この結果、図6(a)に示すように、ポート1から入力された信号は、ポート2にのみ出力されてポート3には出ない。また、図6(b)に示すように、ポート2から入力された信号は、ポート3にのみ出力されてポート1には出ない。よって、伝達ロスなく信号を所望方向に切り換えて伝送できる。よって、本発明のサーキュレータ10は、方向性結合器として機能する。
サーキュレータにおける導体電極パターンは、特許文献1に示されているように、金属箔を使用することが一般的であるが、本発明では、4本の導線を用いている。これは、導体に飛び込む磁束による渦電流の発生を抑制するためであり、順方向伝達ロスを改善できる効果がある。
YIGフェライトを使用する場合には、完全に飽和磁化させた状態で動作させているが、Li系フェライトを使用する本発明では、飽和磁化にならない状態で動作させている。このため、印加磁界による共鳴周波数の変化が大きくなるので、印加磁界を均一にして安定化させる必要がある。そこで、本発明ではフェライト体5を挟むようにヨーク6を設け、ヨーク6の設置により、永久磁石7により印加される磁界が均一になるようにしている。この結果、順方向の伝達ロスの増大及びF/B比の低下を防いでいる。
次に、本発明のサーキュレータ10の特性の実験結果について説明する。なお、以下の実験では、永久磁石7に代えて電磁石を使用した。以上のような構成を有するように作製したフェライト体5にヨーク6を挾んで電磁石に挿入し、150mTのバイアス磁界を印加し、ネットワークアナライザを用いて3個のポートのインピーダンスが13.56MHzで50Ωに近くなるように調整した。
次いで、ポート3に50Ωのダミー負荷を接続してポート1,2をネットワークアナライザに接続し、sパラメータS21,S12を測定した。測定結果は、S21(順方向)が−1.5dB、S12(逆方向)が−25dBとなり、良好なサーキュレータ特性を呈することを確認できた。
図7は、本発明のサーキュレータ10を方向性結合器として用いたRFIDシステムの構成を示す図である。サーキュレータ10の3個のポートには、送信機11、受信機12、送受信共用のループアンテナ13が接続されている。具体的には、上述のポート1には送信機11が、ポート2にはループアンテナ13が、ポート3には受信機12がそれぞれ接続されている。ループアンテナ13とICカード14の内蔵アンテナ15との間で電波の送受信が行われる。
呼び出し信号、書き込み信号などに加えてICカード14を駆動するためのエネルギ信号を含む高パワーの送信信号が、送信機11から、サーキュレータ10及びループアンテナ13を介して、ICカード14の内蔵アンテナ15に送られる。この際、サーキュレータ10において、ポート1から入力された信号はポート2にのみ出力されてポート3には出ない。よって、送信機11からの信号は、ループアンテナ13にのみ送られて、受信機12側には全く出力されない。高パワーの送信信号が受信機12に流れ込むことがないので、受信機12が損傷される虞はない。また、送信信号にあっては、信号切り換えに伴うレベル損失がない。
応答信号、データ信号などを含む低レベルの受信信号が、ICカード14(内蔵アンテナ15)から、ループアンテナ13及びサーキュレータ10を介して、受信機12に送られる。この際、サーキュレータ10において、ポート2から入力された信号はポート3にのみ出力されてポート1には出ない。よって、ICカード14(内蔵アンテナ15)からの信号は、受信機12にのみ送られて、送信機11側には全く出力されない。よって、受信信号にあっても、信号切り換えに伴うレベル損失がない。
図8は、本発明に係るサーキュレータ10の他の例の構成を示す分解斜視図、図9は、同じくその側面図である。図8において、図1,図2と同一部分には同一番号を付してそれらの説明を省略する。
この例では、図8に示すように、フェライト板1a及び1bの側面の3箇所に、ポートとして機能する導体電極パターンの3組の導線の端部は覆わないように、接地電極となる銅板3cを貼り付けている。
また、ヨーク60の形状が前述の例のヨーク6の形状とは異なっており、フェライト体5を挾む完全な円柱状ではなく、その周縁部にアールが付けられている。つまり、フェライト体5に対向する部分はヨーク6と同様に平面状をなしているが、フェライト体5に対向しない周縁部はアールを付けた形状をなしている。具体的には、純鉄から厚さ3mm、直径36mmの円板を切り出し、その円板の周辺部を半径3mmの円弧状に削ったものをヨーク60として使用している。
薄いフェライト体にその厚さ方向にバイアス磁界を印加した場合、フェライト体の周縁部で磁束密度が高くなったり、周縁部で磁束の方向が外側を向いたりする傾向がある。本発明のサーキュレータ10では、このような磁界の不均一が、前述したように、その特性に大きな影響を及ぼす。そこで、本例では、アールを付けたヨーク60を用いて、フェライト体の周縁部での磁界の均一を図るようにしている。
この例のサーキュレータ10に対して、前述した例と同様の特性実験を行ったところ、順方向の伝達ロスを1dB以上改善できた。
なお、上述した例では、各組4本の導線にて導体電極パターンを構成するようにしたが、6本の導線にて構成しても良い。また、上述したフェライト板1a,1bの組成は一例であり、共鳴周波数がHF帯になる飽和磁化が10〜250mTであってもキュリー温度が常温よりも高くなるようなLi系フェライトであれば、その組成は任意であって良い。但し、組成式がx(Li0.5 Fe0.5 )O・yZnO・zFe2 3 (0.10≦x≦0.50,0.05≦y≦0.35,0.45≦z≦0.575,x+y+z=1)である場合に、このような条件を満たすLi系フェライトが容易に得られる。
また、前記Li系フェライトにおいて、ZnOの一部をCuOに置換することで、低い温度から緻密化が進行し、内部磁場の均一性が高い磁石を得ることができる。また、前記Li系フェライトにおいて、Fe2 3 の一部をAl2 3 ,Cr2 3 ,SnO2 ,TiO2 などとすることで、フェライト中の八面体位置にあるFeの一部をAl,Cr,Sn,Tiなどの非磁性元素で置換して飽和磁化を小さくすることができる。
本発明に係るサーキュレータの構成を示す分解斜視図である。 本発明に係るサーキュレータを示す側面図である。 本発明に係るサーキュレータの等価回路図である。 導体電極パターンを示す平面図である。 サーキュレータの動作を説明するための図である。 サーキュレータの動作を説明するための図である。 本発明のサーキュレータを用いたRFIDシステムの構成を示す図である。 本発明に係るサーキュレータの他の例の構成を示す分解斜視図である。 本発明に係るサーキュレータの他の例を示す側面図である。 ハイブリッドトランスの構成図である。 ハイブリッドトランスを用いた方向性結合器の動作を示す図である。
符号の説明
1a,1b フェライト板
2a,2b,2c,2d 導線
3a,3b,3c 銅板
4 トリマコンデンサ
5 フェライト体
6,60 ヨーク
7 永久磁石
10 サーキュレータ

Claims (7)

  1. フェライト素子を用いた集中定数型の構成をなし、HF帯で動作するサーキュレータにおいて、前記フェライト素子に、飽和磁化が10〜250mTであるLi系フェライトを用いてあることを特徴とするサーキュレータ。
  2. HF帯で動作する集中定数型のサーキュレータにおいて、飽和磁化が10〜250mTであるLi系フェライトからなる2枚の円板と、該2枚の円板の間に120度回転対称に挿入された複数の導線からなる3組の信号電極と、前記2枚の円板の前記信号電極を挾む面と反対側の面をそれぞれ覆う接地電極とを備えたことを特徴とするサーキュレータ。
  3. 前記2枚の円板を挾むヨークを備えたことを特徴とする請求項2記載のサーキュレータ。
  4. 前記ヨークは、前記2枚の円板に対向する面が平面状をなし、前記2枚の円板の外周より外側の面がアールを付けた形状であることを特徴とする請求項3記載のサーキュレータ。
  5. 前記Li系フェライトの組成式は、x(Li0.5 Fe0.5 )O・yZnO・zFe2 3 (0.10≦x≦0.50,0.05≦y≦0.35,0.45≦z≦0.575,x+y+z=1)であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のサーキュレータ。
  6. 前記Li系フェライトのFe2 3 の一部をMn2 3 に置換したことを特徴とする請求項5記載のサーキュレータ。
  7. 前記Li系フェライトは、Bi2 3 、V2 5 、Na2 O、K2 Oの少なくとも1種を5質量%以下添加してなることを特徴とする請求項5または6記載のサーキュレータ。
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