しかしながら、改ざんを検出するために上述した特徴量を抽出して、印刷物に埋め込む場合、特徴量は文書画像データと等しいわけではないので、正確に改ざんを検出できるとは限らないという問題がある。
例えば、上記背景領域と文字領域の面積の比を特徴量とした場合、ブロック内で面積の比が等しくなるように改ざんを行えば、改ざんの検出が行われないことになる。従って、改ざんか否かを検出するためには、改ざんを検出する対象となる画像データ全体を示す画像データを挿入することが望ましい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像データに対する改ざんをより正確に検知する画像情報埋込装置、画像情報埋込方法、画像情報埋込プログラム、改ざん検出装置、改ざん検出方法、改ざん検出プログラム及びコンピュータに読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、処理対象となる画像情報を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された前記画像情報に対して、情報量を減少させる画像処理を行い、変換画像情報を生成する変換画像生成手段と、前記変換画像生成手段により生成された前記変換画像情報を、前記画像情報に埋め込んだ重畳画像情報を生成する重畳画像生成手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記変換画像生成手段は、前記画像取得手段により取得された前記画像情報に対して、前記画像処理を行い、前記画像情報の全ての表示領域が含まれている前記変換画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2にかかる発明において、前記変換画像生成手段は、前記画像取得手段により取得された前記画像情報に対して、減色処理、階調変換及び解像度変換のうちいずれか1つ以上を行い、前記変換画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明は、請求項3にかかる発明において、前記変換画像生成手段は、前記画像取得手段により取得された多色で示された前記画像情報に対して、白及び黒の間の明暗を段階的に示した中間値による減色処理を行い、前記変換画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明は、請求項3または4にかかる発明において、前記変換画像生成手段は、前記画像取得手段により取得された多値で示された前記画像情報に対して、2値化する階調変換を行い、前記変換画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明は、請求項3乃至5のいずれか1つにかかる発明において、前記変換画像生成手段は、前記画像取得手段により取得された前記画像情報に対して、前記画像情報の解像度より低解像度に変換する処理を行い、前記変換画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる発明において、予め定められた基準に従って変換に用いる解像度を選択する解像度選択手段と、をさらに備え、前記変換画像生成手段は、前記画像取得手段により取得された前記画像情報に対して、前記解像度選択手段により選択された前記解像度で変換して、前記変換画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明は、請求項7にかかる発明において、前記解像度選択手段は、生成される前記重畳画像情報により検知する必要がある改ざんの種類に基づいて、前記解像度を選択することを特徴とする。
また、請求項9にかかる発明は、請求項8にかかる発明において、前記解像度選択手段は、前記重畳画像情報で追記されたか否かを検知する必要がある改ざんの種類の場合、複数の選択可能な解像度から低解像度を選択することを特徴とする。
また、請求項10にかかる発明は、請求項8にかかる発明において、前記解像度選択手段は、前記重畳画像情報で文字が改ざんされたか否かを検知する必要がある改ざんの種類の場合、複数の選択可能な解像度から高解像度を選択することを特徴とする。
また、請求項11にかかる発明は、請求項1乃至10のいずれか1つにかかる発明において、前記変換画像生成手段により生成された前記変換画像情報から、前記重畳画像情報に埋め込まれた前記変換画像情報を抽出する際の前記変換画像情報の誤り訂正に用いられる訂正情報を生成する訂正情報生成手段と、をさらに備え、前記重畳画像生成手段は、前記画像情報に、前記訂正情報生成手段により生成された前記訂正情報及び前記変換画像情報を、前記画像情報に埋め込んだ重畳画像情報を生成すること、を特徴とする。
また、請求項12にかかる発明は、請求項1乃至11のいずれか1つにかかる発明において、前記変換画像生成手段により生成された前記変換画像情報の情報量と、前記画像情報に埋め込み可能な容量を比較し、埋め込むことが可能か否か判断する判断手段をさらに備え、前記重畳画像生成手段は、前記判断手段により埋め込むこと可能と判断された場合、前記変換画像生成手段により生成された前記変換画像情報を、前記画像情報に埋め込んだ前記重畳画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項13にかかる発明は、請求項12にかかる発明において、前記重畳画像生成手段は、前記判断手段により埋め込みが可能ではないと判断された場合、前記変換画像生成手段により生成された前記変換画像情報を、前記画像情報に埋め込んだ前記重畳画像情報を生成しないことを特徴とする。
また、請求項14にかかる発明は、請求項12にかかる発明において、前記解像度選択手段は、前記判断手段により埋め込みが可能ではないと判断された場合に、前回選択された解像度より精度が低い解像度を選択することを特徴とする。
また、請求項15にかかる発明は、請求項1乃至14のいずれか1つにかかる発明において、前記重畳画像生成手段は、前記変換画像生成手段により生成された前記変換画像情報を、前記画像情報に複数個埋め込んで前記重畳画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項16にかかる発明は、請求項15にかかる発明において、前記変換画像生成手段により生成された複数の前記変換画像情報と、前記変換画像情報の解像度を示す数値を含めた統合埋込情報を生成する埋込情報生成手段を、さらに備え、前記重畳画像生成手段は、前記埋込情報生成手段により生成された前記統合埋込情報を前記画像情報に埋め込んで前記重畳画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項17にかかる発明は、請求項1乃至16のいずれか1つにかかる発明において、前記重畳画像生成手段により生成された前記重畳画像情報を、印刷する印刷手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、請求項18にかかる発明は、請求項1乃至17のいずれか1つにかかる発明において、前記重畳画像生成手段は、前記変換画像生成手段により生成された前記変換画像情報の所定の情報単位毎に、該情報単位毎の情報量に対応する模様に変換し、前記画像の背景に該模様を配置して前記重畳画像を生成することを特徴とする。
また、請求項19にかかる発明は、請求項1乃至18のいずれか1つにかかる発明において、前記変換画像生成手段により生成された前記変換画像情報を圧縮する圧縮手段と、をさらに備え、前記重畳画像生成手段は、前記圧縮手段により圧縮された前記変換画像情報を、前記画像情報に埋め込んだ重畳画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項20にかかる発明は、改ざんを検出する対象となる検出画像情報を取得する検出画像取得手段と、前記検出画像取得手段により取得された前記検出画像情報に埋め込まれている情報を抽出し、抽出された情報から抽出画像情報を取得する画像抽出手段と、前記画像抽出手段により抽出された前記抽出画像情報と、前記検出画像取得手段により取得された前記検出画像情報を比較して改ざんされたか否かを検出する改ざん検出手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項21にかかる発明は、請求項20にかかる発明において、前記検出画像取得手段により取得された前記検出画像情報に対して、減色処理、階調変換及び解像度変換のうちいずれか1つ以上を行い、比較画像情報を生成する比較画像生成手段と、をさらに備え、前記改ざん検出手段は、前記画像抽出手段により抽出された前記抽出画像情報と、前記比較画像生成手段により生成された前記比較画像情報を比較して改ざんされたか否かを検出することを特徴とする。
また、請求項22にかかる発明は、請求項21にかかる発明において、前記比較画像生成手段は、前記検出画像取得手段により取得された多色の前記検出画像情報に対して、白及び黒の間の明暗を段階的に示した中間値とする減色処理を行い、前記比較画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項23にかかる発明は、請求項21又は22にかかる発明において、前記比較画像生成手段は、前記検出画像取得手段により取得された多値の前記検出画像情報に対して、2値化する階調変換を行い、前記比較画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項24にかかる発明は、請求項21乃至23のいずれか1つにかかる発明において、前記比較画像生成手段は、前記検出画像取得手段により取得された前記検出画像情報に対して、前記検出画像情報の解像度より低解像度に変換する処理を行い、前記比較対象画像を生成することを特徴とする。
また、請求項25にかかる発明は、請求項20にかかる発明において、改ざん検出手段は、前記画像抽出手段により抽出された前記抽出画像情報の表示領域を、前記検出画像情報の表示領域と同じサイズに拡大し、拡大された前記抽出画像情報と前記検出画像取得手段により取得された前記検出画像情報を比較して改ざんされたか否かを検出することを特徴とする。
また、請求項26にかかる発明は、請求項20乃至25のいずれか1つにかかる発明において、前記検出画像取得手段は、紙原稿に対して読み込み処理を行い、前記検出画像情報を取得することを特徴とする。
また、請求項27にかかる発明は、請求項20乃至26のいずれか1つにかかる発明において、前記画像抽出手段により取得した前記抽出画像情報を、伸長する伸長手段を、さらに備えていることを特徴とする。
また、請求項28にかかる発明は、処理対象となる画像情報を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップにより取得された前記画像情報に対して、情報量を減少させる画像処理で、変換画像情報を生成する変換画像生成ステップと、前記変換画像生成ステップにより生成された前記変換画像情報を、前記画像情報に埋め込んだ重畳画像情報を生成する重畳画像生成ステップと、を備えたことを特徴とする。
また、請求項29にかかる発明は、請求項28にかかる発明において、前記変換画像生成ステップは、前記画像取得ステップにより取得された前記画像情報に対して、前記画像処理を行い、前記画像情報の全ての表示領域が含まれている前記変換画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項30にかかる発明は、請求項28又は29にかかる発明において、前記変換画像生成ステップは、前記画像取得ステップにより取得された前記画像情報に対して、減色処理、階調変換及び解像度変換のうちいずれか1つ以上を行い、前記変換画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項31にかかる発明は、請求項30にかかる発明において、前記変換画像生成ステップは、前記画像取得ステップにより取得された多色で示された前記画像情報に対して、白及び黒の間の明暗を段階的に示した中間値による減色処理を行い、前記変換画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項32にかかる発明は、請求項30又は31にかかる発明において、前記変換画像生成ステップは、前記画像取得ステップにより取得された多値で示された前記画像情報に対して、2値化する階調変換を行い、前記変換画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項33にかかる発明は、請求項30乃至32のいずれか1つにかかる発明において、前記変換画像生成ステップは、前記画像取得ステップにより取得された前記画像情報に対して、前記画像情報の解像度より低解像度に変換する処理を行い、前記変換画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項34にかかる発明は、請求項33にかかる発明において、予め定められた基準に従って変換に用いる解像度を選択する解像度選択ステップと、をさらに備え、前記変換画像生成ステップは、前記画像取得ステップにより取得された前記画像情報に対して、前記解像度選択ステップにより選択された前記解像度で変換して、前記変換画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項35にかかる発明は、請求項34にかかる発明において、前記解像度選択ステップは、生成される前記重畳画像情報により検知する必要がある改ざんの種類に基づいて、前記解像度を選択することを特徴とする。
また、請求項36にかかる発明は、請求項35にかかる発明において、前記解像度選択ステップは、前記重畳画像情報で追記されたか否かを検知する必要がある改ざんの種類の場合、複数の選択可能な解像度から低解像度を選択することを特徴とする。
また、請求項37にかかる発明は、請求項35にかかる発明において、前記解像度選択ステップは、前記重畳画像情報で文字が改ざんされたか否かを検知する必要がある改ざんの種類の場合、複数の選択可能な解像度から高解像度を選択することを特徴とする。
また、請求項38にかかる発明は、請求項29乃至37のいずれか1つにかかる発明において、前記変換画像生成ステップにより生成された前記変換画像情報から、前記重畳画像情報に埋め込まれた前記変換画像情報を抽出する際の前記変換画像情報の誤り訂正に用いられる訂正情報を生成する訂正情報生成ステップと、をさらに備え、前記重畳画像生成ステップは、前記画像情報に、前記訂正情報生成ステップにより生成された前記訂正情報及び前記変換画像情報を、前記画像情報に埋め込んだ重畳画像情報を生成すること、を特徴とする。
また、請求項39にかかる発明は、請求項29乃至38のいずれか1つにかかる発明において、前記変換画像生成ステップにより生成された前記変換画像情報の情報量と、前記画像情報に埋め込み可能な容量を比較し、埋め込むことが可能か否か判断する判断ステップをさらに備え、前記重畳画像生成ステップは、前記判断ステップにより埋め込むこと可能と判断された場合、前記変換画像生成ステップにより生成された前記変換画像情報を、前記画像情報に埋め込んだ前記重畳画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項40にかかる発明は、請求項39にかかる発明において、前記重畳画像生成ステップは、前記判断ステップにより埋め込みが可能ではないと判断された場合、前記変換画像生成ステップにより生成された前記変換画像情報を、前記画像情報に埋め込んだ前記重畳画像情報を生成しないことを特徴とする。
また、請求項41にかかる発明は、請求項39にかかる発明において、前記解像度選択ステップは、前記判断ステップにより埋め込みが可能ではないと判断された場合に、前回選択された解像度より精度が低い解像度を選択することを特徴とする。
また、請求項42にかかる発明は、請求項29乃至41のいずれか1つにかかる発明において、前記重畳画像生成ステップは、前記変換画像生成ステップにより生成された前記変換画像情報を、前記画像情報に複数個埋め込んで前記重畳画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項43にかかる発明は、請求項42にかかる発明において、前記変換画像生成ステップにより生成された複数の前記変換画像情報と、前記変換画像情報の解像度を示す数値を含めた統合埋込情報を生成する埋込情報生成ステップを、さらに備え、前記重畳画像生成ステップは、前記埋込情報生成ステップにより生成された前記統合埋込情報を前記画像情報に埋め込んで前記重畳画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項44にかかる発明は、請求項29乃至43のいずれか1つにかかる発明において、前記重畳画像生成ステップにより生成された前記重畳画像情報を、印刷する印刷ステップをさらに備えたことを特徴とする。
また、請求項45にかかる発明は、請求項29乃至44のいずれか1つにかかる発明において、前記重畳画像生成ステップは、前記変換画像生成ステップにより生成された前記変換画像情報の所定の情報単位毎に、該情報単位毎の情報量に対応する模様に変換し、前記画像の背景に該模様を配置して前記重畳画像を生成することを特徴とする。
また、請求項46にかかる発明は、請求項29乃至45のいずれか1つにかかる発明において、前記変換画像生成ステップにより生成された前記変換画像情報を圧縮する圧縮ステップと、をさらに備え、前記重畳画像生成ステップは、前記圧縮ステップにより圧縮された前記変換画像情報を、前記画像情報に埋め込んだ重畳画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項47にかかる発明は、改ざんを検出する対象となる検出画像情報を取得する検出画像取得ステップと、前記検出画像取得ステップにより取得された前記検出画像情報に埋め込まれている情報を抽出し、抽出された情報から抽出画像情報を取得する画像抽出ステップと、前記画像抽出ステップにより抽出された前記抽出画像情報と、前記検出画像取得ステップにより取得された前記検出画像情報を比較して改ざんされたか否かを検出する改ざん検出ステップと、を備えたことを特徴とする。
また、請求項48にかかる発明は、請求項47にかかる発明において、前記検出画像取得ステップにより取得された前記検出画像情報に対して、減色処理、階調変換及び解像度変換のうちいずれか1つ以上を行い、比較画像情報を生成する比較画像生成ステップと、をさらに備え、前記改ざん検出ステップは、前記画像抽出ステップにより抽出された前記抽出画像情報と、前記比較画像生成ステップにより生成された前記比較画像情報を比較して改ざんされたか否かを検出することを特徴とする。
また、請求項49にかかる発明は、請求項48にかかる発明において、前記比較画像生成ステップは、前記検出画像取得ステップにより取得された多色の前記検出画像情報に対して、白及び黒の間の明暗を段階的に示した中間値とする減色処理を行い、前記比較画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項50にかかる発明は、請求項48又は49にかかる発明において、前記比較画像生成ステップは、前記検出画像取得ステップにより取得された多値の前記検出画像情報に対して、2値化する階調変換を行い、前記比較画像情報を生成することを特徴とする。
また、請求項51にかかる発明は、請求項48乃至50のいずれか1つにかかる発明において、前記比較画像生成ステップは、前記検出画像取得ステップにより取得された前記検出画像情報に対して、前記検出画像情報の解像度より低解像度に変換する処理を行い、前記比較対象画像を生成することを特徴とする。
また、請求項52にかかる発明は、請求項47にかかる発明において、改ざん検出ステップは、前記画像抽出ステップにより抽出された前記抽出画像情報の表示領域を、前記検出画像情報の表示領域と同じサイズに拡大し、拡大された前記抽出画像情報と前記検出画像取得ステップにより取得された前記検出画像情報を比較して改ざんされたか否かを検出することを特徴とする。
また、請求項53にかかる発明は、請求項47乃至52のいずれか1つにかかる発明において、前記検出画像取得ステップは、紙原稿に対して読み込み処理を行い、前記検出画像情報を取得することを特徴とする。
また、請求項54にかかる発明は、請求項47乃至53のいずれか1つにかかる発明において、前記画像抽出ステップにより取得した前記抽出画像情報を、伸長する伸長ステップを、さらに備えていることを特徴とする。
また、請求項55にかかる発明は、請求項28乃至46のいずれか1つに記載された画像情報埋込方法をコンピュータで実行させることを特徴とする。
また、請求項56にかかる発明は、請求項47乃至54のいずれか1つに記載された改ざん検出方法をコンピュータで実行させることを特徴とする。
また、請求項57にかかる発明は、請求項55に記載された画像情報埋込プログラム又は請求項56に記載された改ざん検出プログラムを格納したコンピュータの読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
請求項1にかかる発明によれば、画像情報を画像変換して生成された変換画像情報は、当該画像情報より情報量が減少しているため、重畳画像情報に埋め込むことが可能という効果を奏する。さらに改ざんの検出時に、画像情報から変換画像情報を抽出し、抽出された変換画像情報と抽出元の画像情報を比較することで、当該画像情報の表示領域で画像情報同士を比較するので、より正確に改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項2にかかる発明によれば、情報量を減少させることで画像情報の全ての表示領域が含まれた変換画像情報を生成して、重畳画像情報に埋め込むことで、改ざんの検出時に、抽出された変換画像情報と、抽出元の画像情報を比較することで、抽出元の画像情報の全ての表示領域から改ざんを検知することが可能という効果を奏する。
また、請求項3にかかる発明によれば、変換画像情報を生成する際に、減色処理、階調変換及び解像度変換のうちいずれか1つ以上を行うことで、効率的に変換画像情報の情報量を減少させることができるので、生成された変換画像情報を画像情報に埋め込むことが容易になるという効果を奏する。
また、請求項4にかかる発明によれば、多色で示された画像情報を白及び黒の間の明暗を段階的に示した中間値による減色処理を行うことで、効率的に変換画像情報の情報量を減少させることができるので、生成された変換画像情報を画像情報に埋め込むことが容易になるという効果を奏する。
また、請求項5にかかる発明によれば、多値で示された前記画像情報を2値化する階調変換を行うことで、効率的に変換画像情報の情報量を減少させることができるので、生成された変換画像情報を画像情報に埋め込むことが容易になるという効果を奏する。
また、請求項6にかかる発明によれば、画像情報の解像度より低解像度に変換する処理を行うことで、効率的に変換画像情報の情報量を減少させることができるので、生成された変換画像情報を画像情報に埋め込むことが容易になるという効果を奏する。
また、請求項7にかかる発明によれば、予め定められた基準に従って変換に用いる解像度を選択することで、適切な解像度で変換された変換画像情報が生成されるので、改ざんの検出がより正確になるという効果を奏する。
また、請求項8にかかる発明によれば、改ざんする種類に基づいて選択された解像度で、変換画像情報が生成されるので、利用者の要求に対応した種類の改ざんを適切に検出することができるという効果を奏する。
また、請求項9にかかる発明によれば、追記されたか否か判断できる程度として低解像度の変換画像情報が生成されるので、追記されたか否かという利用者の要求に応じた改ざんを検出できると共に、変換画像情報の情報量を減少させることができるという効果を奏する。
また、請求項10にかかる発明によれば、文字が改ざんされたか否か判断できる程度として高解像度の変換画像情報が生成されるので、文字が改ざんされたか否かという利用者の要求に応じた改ざんの検出ができるという効果を奏する。
また、請求項11にかかる発明によれば、訂正情報を埋め込んだ重畳画像情報を生成することで、変換画像情報を抽出する際に、変換画像情報の誤りを訂正できるので、より正確に改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項12にかかる発明によれば、変換画像情報が埋め込むことが可能と判断された場合に、変換画像情報を埋め込んだ重畳画像情報を生成することとしたため、情報の欠落を生じずに変換画像情報を埋め込めるので、より正確に改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項13にかかる発明によれば、変換画像情報が埋め込むことができないと判断された場合に、重畳画像情報を生成しないので、情報の欠落した変換画像情報が埋め込まれた重畳画像情報を生成することを抑止することになり、情報の欠落した変換画像情報の抽出することで生じる改ざんの誤検知を防止することができるという効果を奏する。
また、請求項14にかかる発明によれば、変換画像情報が埋め込むことができないと判断された場合に、低い解像度で変換画像情報を生成することとしたため、変換画像情報を埋め込んだ重畳画像情報を生成できる確率が向上することとなり、改ざんを検出できる確率が向上するという効果を奏する。
また、請求項15にかかる発明によれば、変換画像情報を複数埋め込んだ重畳画像情報を生成したことで、改ざんの検出時に変換画像情報を複数抽出することが出来るので、複数の変換画像情報を対比することで変換画像情報の誤りを訂正でき、より正確な変換画像情報を抽出できることになるので、より正確に改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項16にかかる発明によれば、複数個の変換画像情報及び解像度を示す数値を含めた統合埋込情報を埋め込むことで、複数の変換画像情報が含まれていることからより正確な変換画像情報を抽出できるので、より正確に改ざんを検出することができると共に、改ざん検出の際に、集出した変換画像情報の解像度で解像度変換を重畳画像情報することで、同じ解像度の変換画像情報と対比できるので、改ざん検出処理が容易になるという効果を奏する。
また、請求項17にかかる発明によれば、変換画像情報が埋め込まれた紙媒体が印刷されることとなり、紙媒体上に改ざんが行われた場合、改ざんの検出を行う装置で当該紙媒体に記載された内容を読み込んで、変換画像情報を抽出して改ざんを検出することができるので、紙媒体でも改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項18にかかる発明によれば、重畳画像情報に配置された模様を読み込むことで変換画像情報を抽出することができるので、改ざんを検出する際に読み込んだ重畳画像情報の媒体が紙媒体であるか否かを問わず変換画像情報を抽出できるので、重畳画像情報が記載された媒体が紙等であるかを問わず改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項19にかかる発明によれば、重畳画像情報に埋め込む際に変換画像情報を圧縮することで情報量が減少するので、変換画像情報の情報量が多くとも欠落なく重畳画像情報に埋め込める確率が向上するので、改ざんを正確に検出できる確率が向上するという効果を奏する。
また、請求項20にかかる発明によれば、埋め込まれていた抽出画像情報と検出画像情報という画像同士を比較することで、検出画像情報が改ざんされているか否か検出を行うので、より正確に改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項21にかかる発明によれば、検出画像情報に対して減色処理、階調変換お及び解像度変換のうちいずれか1つ以上を行った後に抽出画像情報と比較することは、抽出画像情報と同一の画像処理を行った後に比較することを示すので、同一条件の画像情報を比較することになり、より正確に改ざんを検出できるという効果を奏する。
また、請求項22にかかる発明によれば、検出画像情報に対して白及び黒の間の明暗を段階的に示した中間値とする減色処理を行うことは、抽出画像情報と同一の画像処理を行うことを示すので、同一条件の画像を比較することになり、より正確に改ざんを検出できるという効果を奏する。
また、請求項23にかかる発明によれば、検出画像情報に対して2値化する階調変換を行うことは、抽出画像情報と同一の画像処理を行うことを示すので、同一条件の画像を比較することになり、より正確に改ざんを検出できるという効果を奏する。
また、請求項24にかかる発明によれば、検出画像情報に対して低解像度に変換する処理を行うことは、抽出画像情報と同一の画像処理を行うことを示すので、同一条件の画像を比較することになり、より正確に改ざんを検出できるという効果を奏する。
また、請求項25にかかる発明によれば、抽出画像情報の表示領域を検出画像情報の表示領域と同じサイズに拡大してから、抽出画像情報と検出画像情報を比較することで、同一サイズの表示領域の比較により改ざんの検出を行えることになり、より正確に改ざんを検出できるという効果を奏する。
また、請求項26にかかる発明によれば、読み込んだ紙原稿に記載されていた画像情報を検出画像情報として取得して、改ざん検出処理を行うことで、紙原稿に記載された内容でも改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項27にかかる発明によれば、取得した抽出画像情報を伸長することで、予め検出画像情報に抽出画像情報を埋め込む際に圧縮処理を行ってから埋め込むことが可能となり、圧縮することで情報量が減少するので、抽出画像情報の情報量が多くとも欠落なく検出画像情報に埋め込める確率が向上するので、改ざんを正確に検出できる確率が向上するという効果を奏する。
また、請求項28にかかる発明によれば、情報量を減少させることで画像情報の全ての表示領域の情報を含んだ変換画像情報を重畳画像情報に埋め込むことが可能という効果を奏する。さらに改ざんの検出時に、画像情報から変換画像情報を抽出し、抽出元の画像情報と比較することで、当該画像情報の全ての表示領域において改ざんを検出することが可能となるとともに、画像情報同士を比較するのでより正確に改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項29にかかる発明によれば、情報量を減少させることで画像情報の全ての表示領域が含まれた変換画像情報を生成して、重畳画像情報に埋め込むことで、改ざんの検出時に、抽出された変換画像情報と、抽出元の画像情報を比較することで、抽出元の画像情報の全ての表示領域から改ざんを検知することが可能になるという効果を奏する。
また、請求項30にかかる発明によれば、変換画像情報を生成する際に、減色処理、階調変換及び解像度変換のうちいずれか1つ以上を行うことで、効率的に変換画像情報の情報量を減少させることができるので、生成された変換画像情報を画像情報に埋め込むことが容易になるという効果を奏する。
また、請求項31にかかる発明によれば、多色で示された画像情報を白及び黒の間の明暗を段階的に示した中間値による減色処理を行うことで、効率的に変換画像情報の情報量を減少させることができるので、生成された変換画像情報を画像情報に埋め込むことが容易になるという効果を奏する。
また、請求項32にかかる発明によれば、多値で示された前記画像情報を2値化する階調変換を行うことで、効率的に変換画像情報の情報量を減少させることができるので、生成された変換画像情報を画像情報に埋め込むことが容易になるという効果を奏する。
また、請求項33にかかる発明によれば、画像情報の解像度より低解像度に変換する処理を行うことで、効率的に変換画像情報の情報量を減少させることができるので、生成された変換画像情報を画像情報に埋め込むことが容易になるという効果を奏する。
また、請求項34にかかる発明によれば、予め定められた基準に従って変換に用いる解像度を選択することで、適切な解像度で変換された変換画像情報が生成されるので、改ざんの検出がより正確になるという効果を奏する。
また、請求項35にかかる発明によれば、改ざんする種類に基づいて選択された解像度で、変換画像情報が生成されるので、利用者の要求に対応した種類の改ざんを適切に検出することができるという効果を奏する。
また、請求項36にかかる発明によれば、追記されたか否か判断できる程度として低解像度の変換画像情報が生成されるので、追記されたか否かという利用者の要求に応じた改ざんを検出できると共に、変換画像情報の情報量を減少させることができるという効果を奏する。
また、請求項37にかかる発明によれば、文字が改ざんされたか否か判断できる程度として高解像度の変換画像情報が生成されるので、文字が改ざんされたか否かという利用者の要求に応じた改ざんの検出ができるという効果を奏する。
また、請求項38にかかる発明によれば、訂正情報を埋め込んだ重畳画像情報を生成することで、変換画像情報を抽出する際に、変換画像情報の誤りを訂正できるので、より正確に改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項39にかかる発明によれば、変換画像情報が埋め込むことが可能と判断された場合に、変換画像情報を埋め込んだ重畳画像情報を生成することとしたため、情報の欠落を生じずに変換画像情報を埋め込めるので、より正確に改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項40にかかる発明によれば、変換画像情報が埋め込むことができないと判断された場合に、重畳画像情報を生成しないので、情報の欠落した変換画像情報が埋め込まれた重畳画像情報を生成することを抑止することになり、情報の欠落した変換画像情報の抽出することで生じる改ざんの誤検知を防止することができるという効果を奏する。
また、請求項41にかかる発明によれば、変換画像情報が埋め込むことができないと判断された場合に、低い解像度で変換画像情報を生成することとしたため、変換画像情報を埋め込んだ重畳画像情報を生成できる確率が向上することとなり、改ざんを検出できる確率が向上するという効果を奏する。
また、請求項42にかかる発明によれば、変換画像情報を複数埋め込んだ重畳画像情報を生成したことで、改ざんの検出時に変換画像情報を複数抽出することが出来るので、複数の変換画像情報を対比することで変換画像情報の誤りを訂正でき、より正確な変換画像情報を抽出できることになるので、より正確に改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項43にかかる発明によれば、複数個の変換画像情報及び解像度を示す数値を含めた統合埋込情報を埋め込むことで、複数の変換画像情報が含まれていることからより正確な変換画像情報を抽出できるので、より正確に改ざんを検出することができると共に、改ざん検出の際に、集出した変換画像情報の解像度で解像度変換を重畳画像情報することで、同じ解像度の変換画像情報と対比できるので、改ざん検出処理が容易になるという効果を奏する。
また、請求項44にかかる発明によれば、変換画像情報が埋め込まれた紙媒体が印刷されることとなり、紙媒体上に改ざんが行われた場合、改ざんの検出を行う装置で当該紙媒体に記載された内容を読み込んで、変換画像情報を抽出して改ざんを検出することができるので、紙媒体でも改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項45にかかる発明によれば、重畳画像情報に配置された模様を読み込むことで変換画像情報を抽出することができるので、改ざんを検出する際に読み込んだ重畳画像情報の媒体が紙媒体であるか否かを問わず変換画像情報を抽出できるので、重畳画像情報が記載された媒体が紙等であるかを問わず改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項46にかかる発明によれば、重畳画像情報に埋め込む際に変換画像情報を圧縮することで情報量が減少するので、変換画像情報の情報量が多くとも欠落なく重畳画像情報に埋め込める確率が向上するので、改ざんを正確に検出できる確率が向上するという効果を奏する。
また、請求項47にかかる発明によれば、埋め込まれていた抽出画像情報と検出画像情報という画像同士を比較することで、検出画像情報が改ざんされているか否か検出を行うので、より正確に改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項48にかかる発明によれば、検出画像情報に対して減色処理、階調変換お及び解像度変換のうちいずれか1つ以上を行った後に抽出画像情報と比較することは、抽出画像情報と同一の画像処理を行った後に比較することを示すので、同一条件の画像情報を比較することになり、より正確に改ざんを検出できるという効果を奏する。
また、請求項49にかかる発明によれば、検出画像情報に対して白及び黒の間の明暗を段階的に示した中間値とする減色処理を行うことは、抽出画像情報と同一の画像処理を行うことを示すので、同一条件の画像を比較することになり、より正確に改ざんを検出できるという効果を奏する。
また、請求項50にかかる発明によれば、検出画像情報に対して2値化する階調変換を行うことは、抽出画像情報と同一の画像処理を行うことを示すので、同一条件の画像を比較することになり、より正確に改ざんを検出できるという効果を奏する。
また、請求項51にかかる発明によれば、検出画像情報に対して低解像度に変換する処理を行うことは、抽出画像情報と同一の画像処理を行うことを示すので、同一条件の画像を比較することになり、より正確に改ざんを検出できるという効果を奏する。
また、請求項52にかかる発明によれば、抽出画像情報の表示領域を検出画像情報の表示領域と同じサイズに拡大してから、抽出画像情報と検出画像情報を比較することで、同一サイズの表示領域の比較により改ざんの検出を行えることになり、より正確に改ざんを検出できるという効果を奏する。
また、請求項53にかかる発明によれば、読み込んだ紙原稿に記載されていた画像情報を検出画像情報として取得して、改ざん検出処理を行うことで、紙原稿に記載された内容でも改ざんを検出することができるという効果を奏する。
また、請求項54にかかる発明によれば、取得した抽出画像情報を伸長することで、予め検出画像情報に抽出画像情報を埋め込む際に圧縮処理を行ってから埋め込むことが可能となり、圧縮することで情報量が減少するので、抽出画像情報の情報量が多くとも欠落なく検出画像情報に埋め込める確率が向上するので、改ざんを正確に検出できる確率が向上するという効果を奏する。
また、請求項55にかかる発明によれば、コンピュータに読み取らせて実行することによって、請求項28乃至46のいずれか一つに記載された画像情報埋込方法をコンピュータの利用で実現することができ、これら各画像情報埋込方法と同様の効果を奏する。
また、請求項56にかかる発明によれば、コンピュータに読み取らせて実行することによって、請求項47乃至54のいずれか一つに記載された改ざん検出方法をコンピュータの利用で実現することができ、これら各各改ざん検出方法と同様の効果を奏する。
また、請求項57に係る発明によれば、請求項55に記載された画像情報埋込プログラム又は請求項56に記載された改ざん検出プログラムを格納した記録媒体であり、この記録媒体をコンピュータに読み込ませることで、画像情報埋込プログラム又は改ざん検出プログラムを実行することが可能になるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像情報埋込装置、画像情報埋込方法、画像情報埋込プログラム、改ざん検出装置、改ざん検出方法、改ざん検出プログラム及びコンピュータに読み取り可能な記録媒体の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像情報埋込装置を実行するPCの構成、及び改ざん検出装置の構成を示すブロック図である。本図に示すようにPC100の内部は、記憶部101と、利用者入力受付部102と、文書作成アプリケーション103と、プリンタドライバ104とから構成されている。そして、PC100は、キーボード11等の入力デバイスと、プリンタ12と、モニタ13に接続されている。
記憶部101は、後述するプリンタドライバ104で印刷用の画像データを解像度変換する際に用いられる解像度設定を記憶する記憶手段であり、例えばHDD、光ディスク、メモリカードなどの一般的に用いられるあらゆる記憶手段で構成することができる。この解像度設定は、印刷用の画像データの解像度と、変換に用いられる解像度とを対応付けて保存している。これにより、印刷用の画像データが入力された際に、変換に用いられる解像度を特定することができる。
利用者入力受付部102は、キーボード11等の入力装置を介して利用者により入力された情報を受け付ける。具体的には、利用者入力受付部102は、文書作成アプリケーション103による文書の作成時の入力の受け付け、又はプリンタドライバ104で解像度を設定する際に改ざん種類受付部111で改ざんを検出する種類の選択を受け付ける。
文書作成アプリケーション103は、利用者から文書データの印刷する旨の指示を受け付けた場合、作成した文書データから印刷用の画像データを生成して、プリンタドライバ104に出力する。表示処理部105は、モニタ13に情報を表示する。表示される情報は、例えば、作成している文書データや、改ざんを検出するレベルの選択画面等が考えられる。また、文書作成アプリケーション103は、文書データを作成する際に用いられるアプリケーションであり、通常使用されているワープロソフト等を問わず、文書を作成することが可能であればどのようなアプリケーションでも良い。
プリンタドライバ104は、改ざん種類受付部111と、画像取得部112と、変換画像生成部113と、解像度選択部114と、圧縮部115と、埋込情報生成部116と、判断部117と、訂正情報生成部118と、重畳画像生成部119と、印刷処理部120を備え、文書作成アプリケーション103から印刷用の画像データを取得して、改ざんを検出するための統合埋込データを埋め込んだ重畳画像データの印刷処理を行う。
図2は、印刷用に取得した画像データから変換画像データを生成し、変換画像データを印刷用の画像データに埋め込んだ重畳画像データを生成するまでの処理を示した説明図である。本図に示すように、印刷用の画像データから減色処理、階調変換及び解像度変換のいずれか1つ以上の処理により変換画像データを生成する。その後、変換画像データから生成した統合埋込データを生成し、統合埋込データを埋め込み可能なドットパターンとして画像データに重畳することで、重畳画像データを生成する。なお、変換画像データ、統合埋込データ及びドットパターンの詳細については後述する。このような重畳画像データを印刷することで、印刷物の改ざんの検知が可能となる。
また、このように変換画像データを変換する処理として減色処理、階調変換及び解像度変換のいずれか1つ以上とした。本実施の形態では、減色処理、階調変換及び解像度変換の全ての画像処理を行う場合について説明するが、例えば利用者に、実際に用いる画像処理を選択させる等により、任意の組合せによる画像処理を行っても良い。この場合、統合埋込データに実際に用いられた画像処理を識別するデータを埋め込むことが好ましい。
改ざん種類受付部111は、利用者入力受付部102が受け付けた入力情報から、選択された改ざんの検出レベルを受け付け、受け付けた改ざんの検出レベルに応じた解像度の設定を記憶部101の解像度設定に保存する。
図3は、表示処理部105によりモニタ13上に表示される改ざん検出レベルの選択画面の例を示した図である。本図に示した選択画面が表示された際に、利用者入力受付部102が、キーボード11等からの情報の入力を受け付ける。そして情報の入力が受け付けられた場合、改ざん種類受付部111は入力された情報に基づいて、選択された改ざんの検出レベルを受け付け、受け付けた改ざんの検出レベルに応じた、変換に用いる解像度の設定を、記憶部101の解像度設定に保存する。このため、改ざん種類受付部111は、改ざんの検出レベルと、印刷用の画像データの画像データの解像度と、変換に用いる解像度を対応付けて保持している必要がある。
例えば、選択画面より「追記又は削除検出レベル」の選択を受け付けた場合、改ざん種類受付部111は、印刷用の画像データの解像度が2400dpiであれば100dpiに変換する旨を記憶部101の解像度設定に保存する。また、選択画面で「書き換え検出レベル」を選択した場合、改ざん種類受付部111は、印刷用の画像データの解像度が2400dpiであれば600dpiに変換する旨を記憶部101の解像度設定に保存する。このように変換に用いる解像度が予め解像度設定として保存されることで、後述する構成で印刷対象として取得した画像データから、利用者の要求レベルを満たした改ざんの検出可能な重畳画像データの生成が可能となる。
なお、本実施の形態は、改ざんの検出レベルに応じた解像度を設定する際に、印刷用の画像データの解像度に基づいて設定した。しかしながら、このような設定方法に制限するものではなく、例えば印刷用の画像データで用いられているフォントサイズ等を考慮して変換に用いる解像度を設定しても良い。
画像取得部112は、文書作成アプリケーション103から入力された印刷用の画像データを取得する。
解像度選択部114は、記憶部101に記憶された解像度設定を読み出し、さらに印刷用の画像データの解像度に基づいて、解像度変換に用いられる解像度を選択する。具体的には、記憶部101に記憶されている解像度設定では、印刷用の画像データの解像度と変換に用いられる解像度が対応付けられて保存されているため、印刷用の画像データが入力された際に、解像度選択部114は変換に用いられる解像度を選択することが可能となる。
また、解像度選択部114は、利用者が改ざんの検出を要求に応じた解像度を選択するので、利用者の要求に適切な解像度で解像度変換された変換画像データが生成されることとなる。つまり、後述する改ざん検出装置150が、当該変換画像データが含まれた重畳画像データと、上述した解像度の変換画像データを比較して改ざんを検出することで、利用者の要求に応じた改ざんを検出できる。
変換画像生成部113は、印刷用の画像データから埋め込むために用いられる変換画像データを生成する。変換画像データを生成するために、変換画像生成部113は、印刷用の画像データに対して、減色処理、階調変換及び解像度変換の処理を行う。
また、変換画像生成部113は、カラーの印刷用の画像データに対して、白と黒の間の中間色からなるグレースケールの画像データに減色処理を行う。また、変換画像生成部113は、グレースケールの画像データ又はカラーの印刷用の画像データに対して、階調変換として2値化を行い、2値の画像データを生成する処理を行う。
図4−1は、変換画像生成部113が、印刷用の画像データに対して、階調変換として2値化を行った例を示した説明図である。本図に示すように、2値化を行うことでカラーの印刷用の画像データ又はグレースケールの印刷用の画像データが、白又は黒の2値からなる2値画像に変換されることとなる。これにより、埋め込まれる変換画像データのデータサイズを低減することが可能となる。
また、変換画像生成部113は、減色処理及び2値化した後の印刷用の画像データに対して解像度の変換を行い、変換画像データを生成する。この解像度の変換を行う際、変換画像生成部113は、解像度選択部114で選択された解像度を用いて、画像データの解像度変換を行う。つまり、解像度選択部114で選択された解像度は、記憶部101に記憶された解像度設定に基づくものであり、この解像度設定は予め利用者の改ざんの検出の要求レベルに応じて設定されたものである。従って、変換画像生成部113は、利用者の要求する改ざんの検出の要求レベルに応じた解像度で変換することが可能となった。
図4−2は、変換画像生成部113が、印刷用の画像データに対して、解像度変換を行った例を示した説明図である。本図に示すように、解像度変換を行うことで、生成される変換画像データのデータサイズが低減することが可能となる。
つまり、変換画像生成部113が、減色処理、階調変換及び解像度変換のうちいずれか1つ以上の画像処理を行うことで、データ量を減少させた変換画像データを生成するので、所定のデータ容量しか保持していない印刷用の画像データに、容易に埋め込むことが可能になる。
圧縮部115は、変換画像生成部113で生成された変換画像データを圧縮して、変換画像データのデータ量を減少させる処理を行う。これにより変換画像データのデータ量が多くとも欠落なく重畳画像データとして埋め込める確率が向上する。これにより、改ざんを正確に検出できる確率が向上する。
また、圧縮部115が、変換画像データを圧縮する際に用いられるアルゴリズムはどのようなアルゴリズムを用いても良いが、本実施の形態では可逆符号方式のアルゴリズムを用いることとする。これにより、後述する改ざん検出装置150で抽出された変換画像データを伸長する際に劣化が生じない。可逆符号方式のアルゴリズムとしては、例えば、ランレングス法や、ハフマン法等が考えられ、具体的には、変換画像データが2値画像であればMH、MR、MMR、JBIG等を用いるのが好ましい。また、グレースケール画像やカラー画像であればJPEG2000等を用いるのが好ましい。
また、本実施の形態とは異なるが、当然ながら、非可逆符号方式のアルゴリズム等を用いても良い。具体的には、グレースケール画像やカラー画像であればJPEG等を用いてもよい。
判断部117は、圧縮された変換画像データに基づいて生成される統合埋込データが、印刷用の画像データに埋め込み可能か否か判断する。具体的には、変換画像データのデータ量から統合埋込データのデータ量を導出することができるので、判断部117は、導出された統合埋込データのデータ量と、統合埋込データを抽出するために埋め込まれる訂正用ビット列のデータ量が、印刷用の画像データに埋め込むことができる容量以内か否か判断できる。また、印刷用の画像データに埋め込むことができる容量は、当該画像の解像度と背景に埋め込むドットパターンの間隔より導出できる。なお、統合埋込データのデータ構造は後述する埋込情報生成部116で、訂正用ビット列は後述する訂正情報生成部118で説明する。
また、判断部117で埋め込み可能と判断した場合、統合埋込データの生成から印刷処理まで行う。また、判断部117で埋め込みできないと判断した場合、印刷処理を中止して、表示処理部105がモニタ13に印刷を中止する旨を表示する。
また、判断部117が埋め込むことが可能と判断された場合に限り、統合埋込データを埋め込むことになるため、埋め込まれた統合埋込データの欠落を防止することになり、後述する改ざん検出装置150では、より正確に改ざんを検出することが可能になる。
埋込情報生成部116は、圧縮された変換画像データから、印刷用の画像データに埋め込む統合埋込データを生成する。
図5は、埋込情報生成部116で生成する統合埋込データのデータ構造を示した構造図である。本図に示すように、統合埋込データは、ヘッダと、画像解像度と、2個の画像データが埋め込まれている。この統合埋込データのデータ構造は、PC100と改ざん検出装置150で共通して保持している。これにより、PC100で埋め込んだ統合埋込データから、改ざん検出装置150が変換画像データを抽出することが可能となり、改ざんされているか否かの判断することができる。
また、統合埋込データのヘッダは、統合埋込データの先頭を示すシンボル情報とし、このシンボル情報をPC100と改ざん検出装置150との間で予め定めておく。これにおより、改ざん検出装置150で変換画像データを抽出する際に、ヘッダをチェックすることで対応する統合埋込データが埋め込まれているか否か判断することができる。
また、統合埋込データの解像度は、変換画像データとして解像度変換に用いられた解像度を保持している。これにより、改ざん検出装置150が、解像度変換に用いられた解像度を認識できるので、抽出された変換画像データとの比較が容易となり、改ざんされたか否かの検出処理が軽減される。
また、統合埋込データには、圧縮部115で圧縮された同じ変換画像データが2個含まれている。これは、統合埋込データが、同じ変換画像データを複数保持することで、印刷された重畳画像データが改ざんされて、ドットパターンが読み込めない場合でも複数の変換画像データで互いを補完することで、正確に復元できる確率が向上するためである。これにより正確に改ざんを検出できる確率が向上する。
訂正情報生成部118は、統合埋込データと共に印刷用画像データに埋め込まれる訂正用ビット列を生成する。本実施の形態では、訂正情報生成部118は、生成された統合埋込データを所定のビット列毎に、訂正用ビット列を生成する。
図6は、統合埋込データを符号化して訂正用ビット列を生成し、統合埋込データに訂正用ビット列を付加した誤り訂正符号付埋込データを示した説明図である。本図に示すように、統合埋込データの15ビット毎に、6ビットの訂正用ビット列を付加した21ビットの誤り訂正符号付埋込データを生成する。そして、後述する重畳画像生成部119が、生成された誤り訂正符号付埋込データを、印刷用の画像データに埋め込むこととなる。これにより、改ざん検出装置150が、変換画像データを抽出する際に、統合埋込データと、訂正用ビット列を比較参照することで、改ざんされた場合でも変換画像データを抽出することが可能となる。
また、本実施の形態では、訂正情報生成部118は、統合埋込データの15ビット毎に符号化を行い、6ビットの訂正用ビット列を生成する。この訂正用ビット列を生成するために用いられる符号化処理は、周知の符号化処理を問わず、どのような符号化処理を用いても良い。
重畳画像生成部119は、生成された誤り訂正符号付埋込データを、印刷用の画像データに埋め込んで、重畳画像データを生成する。また、重畳画像生成部119は、生成された誤り訂正符号付埋込データを、0又は1を示すドットパターンとして印刷用の画像データに順に付加していくことで、誤り訂正符号付埋込データを埋め込むこととする。なお、重畳画像生成部119は、このドットパターンは印刷用の画像データの文字等を避けずに、所定間隔毎に埋め込むこととする。これは、印刷された後の紙原稿に改ざん等された場合、埋め込まれたドットパターンがずれるためにデータが抽出できなくなる可能性もあるので、最初から所定間隔毎にドットパターンを配置すると設定した。これにより、改ざん検出装置150による変換画像データの抽出が容易となる。
また、重畳画像生成部119は、印刷用の画像データの背景にドットパターンとして埋め込むことで、画像もしくは印刷物の見た目の劣化を抑えて、変換画像データを埋め込むことができる。
図7−1は、この誤り訂正符号付埋込データで埋め込むビットが‘0’の場合に、画像データに埋め込むドットパターンを示した説明図である。図7−2は、埋め込むビットが‘1’の場合に、画像データに埋め込むドットパターンを示した説明図である。これらの図で示したドットパターンを、重畳画像生成部119が予め定められた順に埋め込んでいくことで、改ざん検出装置150が埋め込まれたデータを抽出することが可能となる。
また、本実施の形態では、1ビット毎に対応するドットパターンを埋め込むこととしたが、1ビット毎に制限するものではなく、例えば4パターンの模様を用意して、2ビット毎に対応する模様を埋め込むことにしても良い。
図8は、印刷用の画像データにドットパターンを重畳して生成した重畳画像データの例を示した説明図である。本図に示すように、重畳画像生成部119が、誤り訂正符号付埋込データをドットパターンとして印刷用の画像データの左上から順に格子状に配置することで、重畳画像データを生成する。このように左上から順に格子状に配置することを、PC100と改ざん検出装置150で予め定めているため、改ざん検出装置150が左上から順に読み込むことで、埋め込まれたデータを抽出することができる。なお、重畳画像生成部119は、埋め込んだ後に空いているスペースに、ダミーのドットパターンを重畳しても良い。
また、本実施の形態では、重畳画像生成部119は、ドットパターンを文字色と同じ色で配置しているが、ドットパターンを目立たなくするために、黒以外の色、例えばシアンやイエロー等を用いて配置しても良い。
印刷処理部120は、生成された重畳画像データをPDL(Page Description Language)データに変換してプリンタ12に出力する。これにより、プリンタ12が重畳画像データを紙原稿として出力することが可能となる。重畳画像データは紙媒体に印刷された場合でも、スキャナ21等で読み込むことドットパターンを認識することができるので、埋め込まれていた統合埋込データを抽出することができる。つまりPC100で印刷された紙媒体であっても改ざんを検出することができる。
さらに本実施の形態のプリンタドライバ104では、印刷用の画像に変換画像データを埋め込む際に、変換画像データを複数個埋め込んだ上に、さらに誤り訂正のビット列を付加することとした、これにより大幅に改ざんされた場合であっても変換画像データの抽出が可能となり、改ざん検出を実行できる確率が向上する。
本実施の形態にかかるPC100は、上述した構成を備えたプリンタドライバが104がインストールされていることで、作成された文書データに、改ざんを検出するためのドットパターンが重畳された紙原稿の印刷が可能となった。
図1に戻り、本実施の形態にかかる改ざん検出装置150の内部は、検出画像取得部151と、情報抽出部152と、誤り訂正部153と、伸長部154と、比較画像生成部155と、改ざん検出部156と、表示処理部157を備え、PC100で印刷された紙原稿を読み込んで、紙原稿の書面として改ざんを検出する対象となる検出画像データと、背景のビットパターンから抽出された変換画像データを比較して改ざんがされているか否か判断する。
また、改ざん検出装置150は、紙原稿を読み込むスキャナ21、及び改ざんの検出結果を表示するモニタ22と接続している。なお、改ざん検出装置150で抽出された検出画像データは、換言すれば抽出画像データに相当する。
図9は、改ざんを検出する対象として取得した検出画像データから変換画像データを抽出する一方で、取得した検出画像データからドットパターンを除去した後の画像データに減色処理、階調変換及び解像度変換の処理により比較する対象として用いられる比較画像データを生成して、比較するまでの処理の手順を示した説明図である。本図に示すように、改ざん検出装置150は、一方では変換画像データを抽出し、他方では変換画像データと同様の画像処理が行われた比較画像データを生成し、両画像データを比較して、改ざんされているか否かを判定する。
具体的には図9で示した例では、PC100の印刷時には“2001年”となっていたのが“2004年”に改ざんされた場合を仮定している。つまり、抽出された変換画像データは作成時と同じ“2001年”と示されているが、生成された比較画像データでは“2004年”と記載されているため、比較することで改ざんの有無を検出できる。
検出画像取得部151は、スキャナ21で読み込んだ紙原稿の画像データを、改ざんを検出する対象となる検出画像データとして取得する。この改ざんの検出する対象となる紙原稿は、統合埋込データが埋め込まれている重畳画像データが印刷された紙原稿である必要がある。
情報抽出部152は、取得した検出画像データの背景に付加されているドットパターンから、埋め込まれていた統合埋込データ及び訂正用ビット列を抽出する。このため、PC100及び改ざん検出装置150の間で、統合埋込データと訂正用ビット列の配置の規則を予め定めておく必要がある。例えば、本実施の形態の場合、PC100及び改ざん検出装置150の間で、統合埋込データを示すドットパターンが15ビット配置された後に、訂正用ビット列を示すドットパターンが6ビット配置されていると定められている。これにより改ざん検出装置150は、統合埋込データ及び訂正用ビット列を特定することができる。
誤り訂正部153は、抽出された統合埋込データと訂正用ビット列を比較参照して、文字等と重畳しているため読み込むことができなかった統合埋込データのドットの補完、又はスキャナ21等の読み込み時の統合埋込データの誤り又は改ざんによる統合埋込データの誤りを訂正する。これにより、統合埋込データから、圧縮されている変換画像データ及び解像度を抽出することができる。
また、誤り訂正部153が、訂正用ビット列を用いて訂正を行った場合でも、当該変換画像データを修復できるとは限らない。そこで、誤り訂正部153は、統合埋め込みデータに埋め込まれている複数の圧縮されている変換画像データを比較して、より正確な1つの圧縮されている変換画像データを生成する。これにより改ざんに用いられる変換画像データの精度が向上するため、改ざんの検出がより正確になる。
伸長部154は、生成された圧縮されている変換画像データの伸長処理を行う。本実施の形態のPC100のプリンタドライバ104で圧縮を行う際、可逆符号方式のアルゴリズムで圧縮を行ったので、伸長部154は、変換画像データに伸長する際に、劣化は生じないので、この変換画像データを用いた改ざんの検出の精度が向上する。
比較画像生成部155は、紙原稿から読み込まれた検出画像データから背景のドットパターンを削除し、さらにPC100で変換画像データを生成する際に行われた画像変換と同様の画像変換を行い、比較画像データを生成する。本実施の形態の改ざんの検出装置では、画像変換として減色処理、階調変換及び解像度変換を行う。また、比較画像生成部155は、解像度変換を行う際に、統合埋込データに埋め込まれていた解像度で解像度変換を行うこととする。これにより、変換画像データと同様の解像度の比較画像データを生成することができるので、改ざんの検出処理が容易となる。
改ざん検出部156は、抽出された変換画像データと、生成された比較画像データを比較して、改ざんの検出処理を行う。
図10は、改ざん検出部156による変換画像データ及び比較画像データを比較して改ざんと判断する場合の例を示した説明図である。本図に示すようにドットパターン除去後の画像データに対して画像変換して生成された比較画像データと、抽出された変換画像データの各ドットを比較して、ドットの色が同一か否か判断する。改ざん検出部156は、ドットの色が異なる場合、改ざんされていると判断する。
なお、本実施の形態では、ドットの色が同一か否かにより改ざんされているか否か判断しているが、実際には読み込み処理等により検出画像データに誤りが含まれる可能性が高い。そこで、検出画像データを所定のサイズのブロック毎に区切り、この各ブロックで一定数以上のドットの色が異なる場合に、当該ブロックで改ざんされていると判断しても良い。
表示処理部157は、ドットパターン除去後の画像データを、改ざん検出部156で改ざんが検出されたドットの色を異ならせてモニタ22に表示する。これにより利用者が検出画像データの改ざんされた領域を認識することができる。
また、改ざん検出後の処理については、改ざんされた領域の色を異ならせて表示する以外の処理を行っても良い、例えば印刷又は改ざんされた検出画像データの表示を抑止すること等が考えられる。次に、選択された改ざん検出レベルの違いに応じた埋込及び検出の一連の処理の流れについて詳細に説明する。
図11は、PC100のプリンタドライバ104で「追記又は削除検出レベル」として保存された解像度設定から変換に用いる解像度を選択し、選択された解像度で変換画像データを生成し、変換画像データを埋め込んだ重畳画像データとして印刷するまでの処理を説明する図である。本図に示すように、印刷用の画像データから所定の解像度で変換することで、変換画像データが生成されている。具体的には、印刷用の画像データの「第3条」と表されている領域に対応する変換画像データの領域では、文字の種類は判別できないが、文字の有無は判別できる。これにより、PC100の解像度選択部114により選択された解像度は、利用者により選択された「追記又は削除検出レベル」を満たしていることは明らかである。なお、本図では説明を容易にするために、変換画像データの一部のみ示したが、上述したように印刷用の画像データ全体から、変換画像データを生成している。また、本実施の形態では、「追記又は削除検出レベル」として印刷用の画像データの解像度が2400dpiであれば100dpiに変換することとしたが、この解像度に制限するものではなく、上述したような追記又は削除を検出できる程度の解像度を設定していればよい。
図12は、紙原稿で追記する改ざんがなされていた場合に、改ざん検出装置150で「追記又は削除検出レベル」の解像度で埋め込まれていた変換画像データを抽出して、生成された比較画像データと比較して改ざんを検出するまでの処理を説明する図である。本図に示すように、背景のドットパターンに基づいて抽出された変換画像データと、改ざんの検出する対象となる検出画像データの画像変換により生成された比較画像データを比較することで追記されているか否か判断する。本図で示した例では、変換画像データのドット列と、比較画像データのドット列を比較すると、比較画像データに文字等を示す黒のドットが増加しているので、改ざん検出装置150は追記されていると判断できる。なお、改ざん検出装置150で予め変換画像データを抽出する際に統合埋込情報から解像度を取得できるので、取得した解像度で解像度変換して比較画像データを生成した。これにより比較時に両画像データ間の対応するドットが明りょうに把握できるので、改ざんの検出が容易となる。
図13は、紙原稿で削除する改ざんがなされていた場合に、改ざん検出装置150で「追記又は削除検出レベル」の解像度で埋め込まれていた変換画像データを抽出して、生成された比較画像データと比較して改ざんを検出するまでの処理を説明する図である。本図に示すように、背景のドットパターンに基づいて抽出された変換画像データと、改ざんの検出する対象となる検出画像データの画像変換により生成された比較画像データを比較することで削除されているか否か判断する。本図で示した例では、変換画像データのドット列と、比較画像データのドット列を比較すると、比較画像データで文字等を示す黒のドットが減少しているので、改ざん検出装置150は削除されていると判断できる。
このように利用者が改ざん検出レベルとして「追記又は削除検出レベル」を選択した場合、利用者の要求する追記又は削除レベルで改ざんを検出できるのみならず、変換画像のデータ量が少ないので印刷用の画像データに埋め込むことが容易であると同時に比較を行うドット数が少ないので改ざんの検出する処理が軽減できる。次に、「書き換え検出レベル」を選択した場合について説明する。
図14は、PC100のプリンタドライバ104で「書き換え検出レベル」として保存されている解像度設定から、変換に用いる解像度を選択して変換画像データを生成し、変換画像データを埋め込んだ重畳画像データとして印刷するまでの処理を説明する図である。本図に示すように、印刷用の画像データから所定の解像度で変換することで、変換画像データが生成されている。具体的には、印刷用の画像データの「1月」と表されている領域に対応する変換画像データの領域では、ドットこそ粗いものの「1月」と表されていることが判別できる。これにより、PC100の解像度選択部114により選択された解像度は、利用者により選択された「書き換え検出レベル」を満たしていることは明らかである。なお、本図では説明を容易にするために、変換画像データの一部のみ示したが、上述したように印刷用の画像データ全体から、変換画像データを生成している。また、本実施の形態では、「書き換え検出レベル」として印刷用の画像データの解像度が2400dpiであれば600dpiに変換することとしたが、この解像度に制限するものではなく、上述したような書き換えを検出できる程度の解像度を設定していればよい。
図15は、紙原稿で書き換える改ざんがなされていた場合に、改ざん検出装置150で「書き換え検出レベル」の解像度で埋め込まれていた変換画像データを抽出して、生成された比較画像データと比較して改ざんを検出するまでの処理を説明する図である。本図に示すように、背景のドットパターンに基づいて抽出された変換画像データと、改ざんの検出する対象となる検出画像データの画像変換により生成された比較画像データを比較することで文字等が書き換えられているか否か判断する。本図で示した例では、変換画像データのドット列と、比較画像データのドット列を比較すると、変換画像データの‘1’の左側の領域で、比較画像データとドットの配置が異なるので、改ざん検出装置150は書き換えられていると判断できる。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかるPC100における改ざん検出レベルの選択画面の表示から解像度設定を保存するまでの処理について説明する。図16は、本実施の形態にかかるPC100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、表示処理部105が、改ざん検出レベルの選択画面をモニタ13に表示処理する(ステップS1601)。この改ざん検出レベルの選択画面は、図3で示した画面とする。この画面の表示するトリガーはどの様な条件でも良く、例えば、文書作成アプリケーション103上で、印刷条件を設定する際に表示すること等が考えられる。
次に、改ざん種類受付部111は、利用者入力受付部102が受け付けた入力情報から、選択された改ざんの検出レベルを受け付ける(ステップS1602)。図3で示した例では、「追記又は削除検出レベル」と「書き換え検出レベル」のどちらを利用者が選択したかを受け付ける。
そして、改ざん種類受付部111は、利用者に選択された改ざん検出レベルに対応している解像度の設定を、記憶部101の解像度設定に保存する(ステップS1603)。これにより、利用者が要求する改ざんの検出レベルに応じた解像度が記憶されたことになる。そして、変換画像データを生成する際に、当該記憶された解像度を用いて解像度変換が行われる。
上述した処理手順により、利用者の要求する検出レベルに応じた解像度で変換することが可能となる。なお、上述した処理手順は、本実施の形態による改ざん検出レベルの選択画面の表示から解像度設定を保存するまでの処理手順の例を示したものであり、本発明をこの処理手順に制限するものではない。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかるPC100において文書作成アプリケーション103で作成した文書データを印刷する指示してからプリンタドライバ104で印刷処理するまでの処理について説明する。図17は、本実施の形態にかかるPC100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、文書作成アプリケーション103は、利用者から文書データの印刷する旨の指示を受け付けた場合等を条件に、作成した文書データから印刷用の画像データを生成して、プリンタドライバ104に出力する(ステップS1701)。
次に、画像取得部112は、文書作成アプリケーション103から入力された印刷用の画像データを取得する(ステップS1702)。
そして、解像度選択部114は、記憶部101に記憶された解像度設定を読み出し、さらに印刷用の画像データの解像度に基づいて、解像度変換に用いられる解像度を選択する(ステップS1703)。
次に、変換画像生成部113は、印刷用の画像データに対して、減色処理、階調変換を行う(ステップS1704)。本実施の形態では、減色処理としてスケール画像への変換、階調処理としては2値化とする。
そして、変換画像生成部113は、減色処理及び階調変換した後の印印刷用の画像データに対して解像度の変換を行い、変換画像データを生成する(ステップS1705)。次に、生成された変換画像データを圧縮して、変換画像データのデータ量を減少させる処理を行う(ステップS1706)。
次に、判断部117は、圧縮された変換画像データに基づいて生成される統合埋込データが、印刷用の画像データに埋め込み可能か否か判断する(ステップS1707)。埋め込みができないと判断した場合(ステップS1707:No)、埋め込み処理を行わずに終了する。
また、判断部117が埋め込みできると判断した場合(ステップS1707:Yes)、埋込情報生成部116は、圧縮された変換画像データ2個を統合し、さらにヘッダと解像度を含めた統合埋込データを生成する(ステップS1708)。
そして、訂正情報生成部118は、生成された統合埋込データから訂正用ビット列を生成する(ステップS1709)。次に重畳画像生成部119は、生成された統合埋込データ及び訂正用ビット列を、印刷用の画像データに埋め込んで、重畳画像データを生成する(ステップS1710)。
そして、印刷処理部120は、重畳画像データをPDLデータに変換してプリンタ12に出力する(ステップS1711)。そして、プリンタ12は、PDLデータが入力された際に、紙原稿として印刷する。
上述した処理手順により、印刷された紙原稿で利用者の検出レベルに応じた改ざんの検出を行うことが可能となる。なお、上述した処理手順は、本実施の形態による文書作成アプリケーション103で作成した文書データを印刷する指示してからプリンタドライバ104で印刷処理するまでの処理手順の例を示したものであり、本発明をこの処理手順に制限するものではない。例えば、減色処理、階調変換及び解像度変換は全て行う必要はなく、いずれか1つ以上を行うこととすればよい。このように印刷された紙原稿に対して、改ざん検出装置150が、改ざんを検出することとなる。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる改ざん検出装置150における改ざんの検出対象となる画像データの取得から改ざんを検出するまでの処理について説明する。図18は、本実施の形態にかかる改ざん検出装置150における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、検出画像取得部151は、スキャナ21で読み込んだ紙原稿の画像データを、改ざんを検出する対象となる検出画像データとして取得する(ステップS1801)。
次に、情報抽出部152は、取得した検出画像データの背景に付加されているドットパターンから、埋め込まれていた統合埋込データ及び訂正用ビット列を抽出する(ステップS1802)。この際、文字等と重畳しているため又は改ざんされたことで読み込むことができないドットパターンが存在しているが、後述する処理を用いることで補完する。
次に、誤り訂正部153は、抽出された統合埋込データと訂正用ビット列を比較参照して、上述した理由により読み込むことができなかった統合埋込データのドットの補完又はスキャナ21の読み込み時等の統合埋込データの誤りを訂正する(ステップS1803)。また、誤り訂正部153は、統合埋め込みデータに埋め込まれている複数の圧縮されている変換画像データを比較し、誤りを補完して、圧縮されている変換画像データを生成する。
そして、伸長部154は、圧縮されている変換画像データの伸長処理を行う(ステップS1804)。
次に、比較画像生成部155は、紙原稿から読み込まれた検出画像データから背景のドットパターンを削除し、減色処理及び階調変換を行う(ステップS1805)。そして、比較画像生成部155は、さらに減色処理及び階調変換が行われた後の画像データに対して、統合埋込データから抽出した解像度で解像度変換を行い、比較画像データを生成する(ステップS1806)。
次に、改ざん検出部156は、抽出された変換画像データと、生成された比較画像データを比較して、改ざんの検出処理を行う(ステップS1807)。そして、表示処理部157は、ドットパターン除去後の画像データを、改ざんが検出されたドットの色を異ならせてモニタ22に表示処理する(ステップS1808)。
上述した処理手順により、紙原稿を読み込んで生成された検出画像データから改ざんを検出することが可能となる。なお、上述した処理手順は、本実施の形態による改ざんの検出対象となる検出画像データの取得から改ざんを検出するまでの処理までの処理手順の例を示したものであり、本発明をこの処理手順に制限するものではない。他の処理の順序の例としては、比較画像の生成処理を、変換画像データの生成前に行うこと等が考えられる。
本実施の形態は、統合埋込データに圧縮した変換画像データを2個埋め込むこととした。しかしながら、本実施の形態は、統合埋込データに埋め込む変換画像データの数を2個に制限するものではない。2個以上を埋め込んでも良いし、1個のみ埋め込むことにしても良い。
また、本実施の形態は、画像全体にドットパターンとして統合埋込データを埋め込むことに制限するものではなく、例えば、統合埋込データが含まれた2次元バーコードを画像データに埋め込むなど、統合埋込データを改ざんの検出対象となる画像データに埋め込めるのであればどのような手法で埋め込んでも良い。
また、本実施の形態では、PC100のプリンタドライバ104で画像データに統合埋込データを埋め込んで重畳画像データを生成したが、プリンタドライバで埋め込むことに制限するものではない。例えば、文書作成アプリケーション自体で重畳画像データを生成し、印刷する際には通常のプリンタドライバを用いても良い。
さらには、PCのような文書を生成する装置で重畳画像データを生成することに制限するのではなく、例えばプリンタのような印刷を実行する装置で重畳画像データを生成してもよく、どのような装置で重畳画像データを生成しても良い。
また、改ざん検出装置は、改ざんをビット毎、又はブロック毎に改ざんの有無を判定するだけではなく、画像データ全体で改ざんの有無を判定してもよい。
本実施の形態によれば、PC100で変換画像データを印刷用の画像データ自体に埋め込むことで画像データの全ての表示領域で改ざんを検出することができる重畳画像データを生成することができる。これに伴い改ざん検出装置150では、検出画像データの全領域で改ざんを検出することができる。この際に、画像同士を比較することは、従来の特徴量の比較より、オリジナルに近いデータ同士を比較することを示すので、より正確に改ざんを検出することができる。
また、改ざんの検出時に、検出画像データから変換画像データを抽出し、抽出元の検出画像データと比較することで、画像データの全ての表示領域で改ざんを検出することが可能となると共に、画像情報同士を比較するのでより正確に改ざんを検出することができる。
また、本実施の形態では、改ざん検出装置150で、検出画像データからドットパターンを除去した後の画像データに対して減色処理、階調変換お及び解像度変換のうちいずれか1つ以上を行った後に、抽出された変換画像データと比較することは、変換画像データと同一の画像処理を行った後に比較することを示すので、同一条件の画像データを比較することになり、より正確に改ざんを検出できる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、改ざん検出装置150で改ざんを検出する際に、埋め込まれていた変換画像データと解像度が等しい比較画像データを生成して、改ざんであるか否か判断を行っていた。しかしながら、本発明は、同じ解像度の比較画像データを生成して改ざんであるか否か判断しなくともよい。そこで、第2の実施の形態では、解像度変換を行わずに改ざんであるか否か判断を行う場合について説明する。
図19は、第2の実施の形態にかかる画像情報埋込装置を実行するPCの構成、及び改ざん検出装置の構成を示すブロック図である。本図に示された、改ざん検出装置1900は、上述した第1の実施の形態にかかる改ざん検出装置150とは、比較画像生成部155と処理が異なる比較画像生成部1901に変更され、改ざん検出部156とは処理が異なる改ざん検出部1902に変更された構成を有している点で異なる。以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。また、統合埋込データが埋め込まれた重畳画像データを紙原稿として印刷するPC100は、第1の実施と同様の構成を備えているため、説明を省略する。
図20は、改ざんを検出する対象として取得した検出画像データから変換画像データを抽出し、改ざんを検出する対象として取得した検出画像データを第1の実施形態のように解像度変換等を行わずにドットパターンの除去のみ行い、比較するまでの処理の手順を示した説明図である。本図に示すように、検出装置150が、変換画像データを抽出し、この変換画像データと、改ざんを検出する対象となる検出画像データを比較することで改ざんされているか否かを判定する。
具体的には図20で示した例では、PC100の印刷時には“2001年”となっていたのが“2004年”に改ざんされた場合を仮定している。つまり、抽出された変換画像データは作成時と同じ“2001年”と示されているが、改ざんを検出する対象として取得した検出画像データでは “2004年”と記載されている。つまり、両画像データを比較することで改ざんの有無を検出できる。
比較画像生成部1901は、紙原稿から読み込まれた検出画像データから背景のドットパターンを削除し、比較画像データを生成する。
改ざん検出部1902は、抽出された変換画像データと、生成された比較画像データを比較して、改ざんの検出処理を行う。この変換画像データと比較画像データを比較して改ざんを検出する方法は、どのような方法を用いても良く、例えば、変換画像データを比較画像データと同一の解像度まで拡大して、所定のブロック毎に画素の色が同じになるか否かで、改ざんされたか否か判断しても良い。
図21は、改ざん検出部1902による変換画像データ及び比較画像データで改ざんと判断する処理を示した説明図である。本図に示すように、抽出された変換画像データを比較画像データと同一サイズに拡大してから、比較画像データに重畳すると、色が明確に異なるブロックを認識できる。具体的には本図(C)で示した"4"の周囲の網掛けで示したブロックは変換画像データでは黒画素になっていなければならないにもかかわらず、白画素となっている。したがって"2004年"の"4"という数字が改ざんされていると判断できる。
また、以上のように構成された本実施の形態にかかる改ざん検出装置1900における改ざんの検出対象となる検出画像データの取得から改ざんを検出するまでの処理について説明する。図22は、本実施の形態にかかる改ざん検出装置1900における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、改ざん検出装置1900は、第1の実施の形態の図18のステップS1801〜S1804と同様にして、改ざんの検出対象となる検出画像データを取得して、変換画像データを取得するまでの処理を行う(ステップS2201〜S2204)。
次に、比較画像生成部1901は、紙原稿から読み込まれた検出画像データから背景のドットパターンを削除し、比較画像データを生成する(ステップS2205)。
そして、改ざん検出部1902は、抽出された変換画像データと、生成された比較画像データを比較して、改ざんの検出処理を行う(ステップS2206)。次に、表示処理部157は、ドットパターン除去後の画像データを、改ざんが検出されたドットの色を異ならせてモニタ22に表示処理する(ステップS2207)。
上述した処理手順により、紙原稿を読み込んで生成された検出画像データから改ざんを検出することが可能となる。なお、上述した処理手順は、本実施の形態による改ざんの検出対象となる検出画像データの取得から改ざんを検出するまでの処理までの処理手順の例を示したものであり、本発明をこの処理手順に制限するものではない。
また、本実施の形態では、改ざん検出装置1900で、検出画像データからドットパターンを除去した後の画像データと、抽出された変換画像データを検出画像データと同一サイズに拡大してから比較することで、変換画像データと同一の画像処理を行わずとも比較することを示すので、容易に改ざん処理を行うことができる。さらに同一サイズの表示領域の比較により改ざんの検出を行うので、より正確に改ざんを検出することができる。
(第3の実施の形態)
上述した実施の形態では、解像度の選択を、検出する改ざんの種類に応じて解像度を選択することとしたが、このような解像度の選択に制限するものではない。つまり、予め定められた基準に応じて解像度を選択するものであればよい。そこで、本実施の形態では、重畳画像データを紙原稿に印刷するプリンタドライバを組み込んだPCが、紙原稿にドットパターンとして埋め込むことが可能なデータ容量以内に、圧縮した変換画像データのデータ量が収まるように解像度を選択する場合について説明する。
本実施の形態のPC2400では上述したPC100と同様の構成を備えているものとし、各構成の説明については省略する。そして、本実施の形態のPC100では判断部117で埋め込みできないと判断された場合に、再び解像度選択部で解像度を選択する処理を行う点のみ異なっている。
図23は、第3の実施の形態にかかる画像情報埋込装置を実行するPCの構成、及び改ざん検出装置の構成を示すブロック図である。本図に示された、PC2400は、上述した実施の形態にかかるPC100とは、プリンタドライバ104と処理が異なるプリンタドライバ2401に変更された構成を有している点で異なる。以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施の形態では、第1の実施の形態で説明した改ざん検出装置150を用いて改ざんを検出することとし説明を省略する。また、当然ながら、改ざん検出装置150の代わりに、第2の実施の形態で説明した改ざん検出装置1900を用いて改ざんの検出を行っても良い。
プリンタドライバ2401は、第1の実施の形態のプリンタドライバ104とは、解像度選択部114と処理が異なる解像度選択部2412と、判断部117と処理が異なる判断部2411に変更された構成を有している点で異なる。以下の説明では、上述した実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
解像度選択部2412は、上述した実施の形態と同様に、記憶部101に記憶された解像度設定を読み出し、さらに印刷用の画像データの解像度に基づいて、解像度変換に用いられる解像度を選択するが、後述する判断部2411で埋め込めないと判断された場合に、さらに先ほど選択した解像度より粗い解像度を再び選択する。
例えば、前回600dpiを選択して、判断部2411で埋め込めないと判断された場合、解像度選択部2412は、400dpiを選択する。これにより、変換画像生成部113は、再び選択された解像度で解像度変換を行うこととなる。
判断部2411は、圧縮された変換画像データに基づいて生成される統合埋込データが、印刷用の画像データに埋め込み可能か否か判断する。また、判断部2411で埋め込み可能と判断した場合、第1の実施の形態と同様に統合埋込データの生成から印刷処理まで行う。そして、判断部2411で埋め込みできないと判断した場合、解像度選択部2412にその旨を出力し、再び解像度の選択から開始する。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかるPC2400において文書作成アプリケーション103で作成した文書データを印刷する指示してからプリンタドライバ2401で印刷処理するまでの処理について説明する。図24は、本実施の形態にかかるPC2400における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、第1の実施の形態の図17のステップS1701〜S1706と同様にして、文書作成アプリケーション103で作成された画像データを、プリンタドライバ2401に入力されてから、埋め込むための変換画像データを生成し、当該変換画像データを圧縮するまでの処理を行う(ステップS2501〜S2506)。
次に、判断部2411は、圧縮された変換画像データに基づいて生成される統合埋込データが、印刷用の画像データに埋め込み可能か否か判断する(ステップS2507)。埋め込みができないと判断した場合(ステップS2507:No)、解像度選択部2412が、さきほど選択された解像度より粗い解像度を選択する(ステップS2508)。そして、この選択された解像度で解像度変換された変換画像データを生成し、生成された変換画像データを圧縮処理して、再び判断部2411で埋め込み可能か否か判断されることになる。
また、判断部2411が埋め込みできると判断した場合(ステップS2507:Yes)、第1の実施の形態の図17のステップS1708〜S1711と同様にして、統合埋込データを生成し、当該統合埋込データを埋め込んだ重畳画像データから、紙原稿として印刷するまでの処理を行う(ステップS2509〜S2512)。
上述した処理手順により、印刷された紙原稿で利用者の検出レベルに応じた改ざんの検出を行うことが可能となる。なお、上述した処理手順は、本実施の形態による文書作成アプリケーション103で作成した文書データを印刷する指示してからプリンタドライバ104で印刷処理するまでの処理手順の例を示したものであり、本発明をこの処理手順に制限するものではない。
また、本実施の形態では、上述した実施の形態と同様に、利用者から受け付けた改ざんの検出レベルに応じた解像度を最初に選択し、埋め込みできない場合に限り段階的に粗い解像度に変更していくこととした。しかしながら、本実施の形態は、最初に選択される解像度を、利用者から受け付けた改ざんレベルに応じた解像度に制限するものではない。例えば、PC内で予め記憶されている解像度を最初に選択されることとし、埋め込むことができる解像度まで段階的に粗くしていくものでもよい。
本実施の形態で示すように、且つ段階的に変換画像データの解像度を粗くしていき、埋め込むことが可能な解像度が選択された際に、埋め込まれることになるので、ドットパターンとして必ず埋め込むことが可能となると同時に、埋め込みできる解像度では最も高い解像度が選択されることになる。したがって、必ず変換画像データが埋め込めると共に、埋め込まれた変換画像データの解像度が高くなるので、必ず改ざんの検出が可能となり、且つ改ざんを検出する精度が向上することとなる。
図25は、上述した実施の形態における改ざん検出装置の機能を実現するための改ざん検出プログラムを実行したPC及び、重畳画像データを紙原稿に印刷する画像情報埋込プログラムが組み込まれたプリンタドライバを実行したPC100と同様の構成を備えたPC2300のハードウェア構成を示した図である。本実施の形態のPC2300は、CPU(Central Processing Unit)2301等の制御装置と、ROM(Read Only Memory)2302やRAM(Random Access Memory)2303等の記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)、CD(Compact Disk)ドライブ装置等の外部記憶装置2304と、ディスプレイ装置等の表示装置2305と、キーボードやマウス等の入力装置2306と、外部のネットワークと接続する通信インターフェース2307と、これらを接続するバス2308を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
また、画像情報埋込プログラムは、プリンタドライバに組み込まれた状態によりPCで実行して良いし、単独のプログラムとしてPCで実行しても良い。
また、PC2300で実行可能な画像情報埋込プログラム、又は改ざん検出プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、PC2300で実行可能な画像情報埋込プログラム又は、改ざん検出プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPC2300で実行可能な画像情報埋込プログラム又は、改ざん検出プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、上述した実施の形態で用いることが可能な画像情報埋込プログラム又は改ざん検出プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
上述した実施の形態で用いることが可能なPC2300で実行される画像情報埋込プログラムは、上述した各部(改ざん種類受付部、画像取得部、変換画像生成部、解像度選択部、圧縮部、埋込情報生成部、判断部、訂正情報生成部、重畳画像生成部、印刷処理部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記記録媒体から画像情報埋め込みプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、改ざん種類受付部、画像取得部、変換画像生成部、解像度選択部、圧縮部、埋込情報生成部、判断部、訂正情報生成部、重畳画像生成部、印刷処理部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
また、上述した実施の形態で用いることが可能なPC2300で実行される改ざん検出プログラムは、上述した各部(検出画像取得部、情報抽出部、誤り訂正部、伸長部、比較画像生成部、改ざん検出部、表示処理部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記記録媒体から改ざん検出プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、検出画像取得部、情報抽出部、誤り訂正部、伸長部、比較画像生成部、改ざん検出部、表示処理部が主記憶装置上に生成されるようになっている。