JP2007005612A - 研磨パッド及びその製造方法及び基板の研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨微粒子を自己供給することができ、研磨速度が大きく、被研磨面に傷が入りにくい、半導体ウエハ等の研磨等に好適に用いられる研磨パッドを供給すること、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の研磨パッドは、支持基材3上に研磨微粒子1及び電解質ポリマー2が交互に積層された微粒子積層膜である研磨層を設けたことを特徴し、このこれらの研磨層は、支持基材3を少なくともカチオン性電解質ポリマー溶液またはカチオン性研磨微粒子分散液に浸漬して、表面に電解質ポリマー2または研磨微粒子1を静電的に吸着させる工程と、それに続いてアニオン性電解質ポリマー2またはアニオン性研磨微粒子1分散液に浸漬して、基材表面に電解質ポリマー2または微粒子1を静電的に吸着させる工程、これらの工程を交互に繰り返し、支持基材3上に反対電荷を有する電解質ポリマー2と研磨微粒子層1とが交互に多層積層する工程で作製される。
【選択図】図2

Description

本発明は、研磨パッド、研磨パッドの製造方法および該研磨パッドを用いた研磨方法に関し、この研磨パッドは半導体ウエハ等の表面の研磨に好適に利用できるものである。
半導体ウエハの表面は特に高い平坦性及び鏡面性を有することが要求される。半導体ウエハだけでなく、このような表面を形成することができる研磨方法としてCMP(Chemical Mechanical Polishing)が近年注目されている。このCMPでは研磨微粒子が分散された水溶液等からなるスラリー(水分散体)を用いる。研磨は研磨パッドと被研磨面とを摺動しながら、研磨パッド表面に上方からスラリーを流下させることにより行われる。
しかし、高い圧力で押圧されながら摺動する研磨パッド表面と被研磨面との間に、この流下させる方法により均一にスラリーを供給することは困難である。また、このような特に高い平坦性を有する面を形成するためには、スラリーの再使用及び循環使用は現在のところ困難であり、高価なスラリーを多量に必要とする上に、このスラリー廃液の処理にも多くの時間及び費用を費やすこととなっている。
上記のような問題を解決するために種々の検討がなされている。中でも、研磨パッド自体にスラリー成分を含有させたものとして、特開昭56−52183号公報、特開昭63−150162号公報、特開平6−114742号公報及び特開平2−232173号公報等を挙げることができる。しかし、これらはいずれも主相を成す樹脂に研磨微粒子を含有させるものであり、樹脂に固定された研磨微粒子を研磨に使用する技術である。一方、研磨パッドから遊離した砥粒を用いることができる自己供給研磨パッドとして、特開2001−214154号公報が挙げられる。
また、近年絶縁膜表面及び銅薄膜表面の粒子を起因とする研磨傷の発生が大きな問題になっている。これを解決するために、研磨剤中の砥粒を小さくすることが報告されている(廣川一男、柳田博明著、「微粒子工学大系 第II巻 応用技術」、(株)フジ・テクノシステム出版、2002年1月18日発行、294〜305頁)。
このようにCMP用研磨剤の持つ機械研磨作用を小さくすることで研磨傷低減が可能であるが、従来の発泡ウレタン系パッドでは無機絶縁膜においては十分な研磨速度を得ることが出来ない。
小さな研磨粒子の研磨剤を用いるには、パッドに機械研磨作用を持たせることが効果的である。しかしながら、機械研磨作用の高いパッドでは、被研磨面に傷を導入してしまう。一方、機械研磨作用の低いパッドでは高い研磨速度が得られない問題があった。
ナノメータースケールの薄膜を溶液から形成する方法として、交互積層法が提案されている。交互積層法は、G.Decherらによって1992年に発表された有機薄膜を形成する方法である(Thin Solid Films, 210/211, p831(1992))。この方法では、正電荷を有するポリマー電解質(ポリカチオン)と負電荷を有するポリマー電解質(ポリアニオン)の水溶液に、基材を交互に浸漬することで基板上に静電的引力によって吸着したポリカチオンとポリアニオンの組が積層して複合膜(交互積層膜)が得られるものである。
交互積層法では、静電的な引力によって、基材上に形成された材料の電荷と、溶液中の反対電荷を有する材料が引き合うことにより膜成長するので、吸着が進行して電荷の中和が起こるとそれ以上の吸着が起こらなくなる。したがって、ある飽和点までに至れば、それ以上膜厚が増加することはない。さらに、真空設備も必要とせず、低コストで高精度な薄膜形成方法である。
Y.Lvovらは交互積層法を、微粒子に応用し、シリカやチタニア、セリアの各微粒子分散液を用いて、微粒子の表面電荷と反対電荷を有するポリマー電解質を交互積層法で積層する方法を報告している(Langmuir、Vol.13、(1997)p6195−6203)。この方法を用いると、例えば負の表面電荷を有するシリカの微粒子とその反対電荷を持つポリカチオンであるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDDA)またはポリエチレンイミン(PEI)などとを交互に積層することで、シリカ微粒子とポリマー電解質が交互に積層された微粒子積層薄膜を形成することが可能である。
特開昭56−52183号公報 特開昭63−150162号公報 特開平6−114742号公報 特開平2−232173号公報 特開2001−214154号公報 廣川一男、柳田博明著、「微粒子工学大系 第II巻 応用技術」、(株)フジ・テクノシステム出版、2002年1月18日発行、294〜305頁 Thin Solid Films, 210/211, p831(1992) Langmuir、Vol.13、(1997)p6195−6203
本発明は、親水性に優れ、研磨パッドから脱離した研磨微粒子を研磨に利用すること、すなわち研磨微粒子を自己供給することができ、研磨速度が大きく、被研磨面に傷が入りにくい、半導体ウエハ等の研磨等に好適に用いられる研磨パッドを供給すること、およびこの研磨パッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の研磨パッドは、支持基材上に研磨微粒子及び電解質ポリマーが交互に積層された微粒子積層膜である研磨層を設けたことを特徴とする。本発明の研磨パッドにおける研磨層は研磨微粒子で構成される研磨微粒子層と、電解質ポリマーで構成されるポリマー層とが交互に積層されたものであり、研磨層の最表面は研磨微粒子層であっても、電解質ポリマー層であっても差し支えない。研磨パッドにおける研磨層の最表面(すなわち被研磨面と接する面)が電解質ポリマー層である場合、電解質ポリマー層は研磨中に剥離ないしは崩壊し、その内部層である研磨微粒子層が現れる。この研磨微粒子層から研磨微粒子が放出されることにより、研磨微粒子の自己供給が達成される。
特に、これらの研磨層は、支持基材を少なくともカチオン性電解質ポリマー溶液またはカチオン性研磨微粒子分散液に浸漬して、表面に電解質ポリマーまたは研磨微粒子を静電的に吸着させる工程と、それに続いてアニオン性電解質ポリマーまたはアニオン性研磨微粒子分散液に浸漬して、基材表面に電解質ポリマーまたは微粒子を静電的に吸着させる工程、これらの工程を交互に繰り返し、支持基材上に反対電荷を有する電解質ポリマーと研磨微粒子層とが交互に多層積層する工程で作製されるのが好ましい。なお、上記の工程において、支持基材が有する表面電荷によりアニオン性電解質ポリマーまたはアニオン性研磨微粒子分散液から浸漬を始めることもできる。
これによりポリマー界面に固定されていた研磨微粒子は容易に脱離して研磨に供し得る状態となる。このように、本発明の研磨パッド組成物から形成される研磨パッドでは、研磨パッド内から研磨微粒子を自己供給することができるため、被研磨面と研磨パッドとの間に均一に研磨微粒子を供給することができる。また、研磨層の研磨微粒子層を構成する研磨微粒子の平均粒径は1〜100nmであることが好ましく、これにより研磨に際して、被研磨面に傷が入りにくい研磨パッドとなる。
本発明の研磨パッドは、研磨層と支持基材との間に、弾性率の異なるポリマー層を設けることができ、該ポリマー層は、支持基材を互いに反対電荷を有する電解質ポリマー溶液に交互浸漬することを繰り返して形成されたものであることが好ましい。弾性率の異なるポリマー層を支持基材上に設けることにより、その後に積層する微粒子積層膜である研磨層の生産性が高められる。
また、本発明の研磨パッドの製造方法は、基材シートにロール状に巻き取られているシートを用い、以下の(1)から(7)の工程を有するものである。
(1)支持基材がシート状にロールに巻き取られており、ロールから支持基材を引き出す工程と、(2)前記引き出した支持基材を、支持基材の表面電荷と反対の電荷を有する電解質ポリマー溶液または研磨微粒子分散液に浸す工程と、(3)電解質ポリマー溶液または研磨微粒子分散液に浸した支持基材をリンス液に浸す工程と、(4)上記リンス工程後の支持基材上の積層された電解質ポリマーまたは研磨微粒子の表面電荷と反対の電荷を有する電解質ポリマー溶液または研磨微粒子分散液に浸す工程と、(5)電解質ポリマー溶液または研磨微粒子分散液に浸した支持基材をリンス液に浸す工程と、(6)前記(2)から(5)の工程を所望の回数分連続的に行う工程と、(7)シート状の支持基材を、ロール状に巻き取る工程とを有するものであり、さらに、前記工程(1)の後、工程(2)に先立ち、引き出した支持基材を前処理する工程を有していてもよい。なお、前処理としては、後述するように、コロナ放電処理や、弾性率の異なるポリマー層を設ける下地層の形成などが挙げられる。
また、本発明の基板の研磨方法は、基板上の被研磨膜を上記の研磨パッドの研磨層の表面に押し当て、研磨微粒子を含まないか、あるいは結晶子サイズ径1〜100nmの小さな研磨粒子を含む研磨液(スラリー)を、被研磨膜と研磨パッドの間に供給しながら、基板と研磨パッドを相対的に動かして被研磨膜を研磨することを特徴とする。また、本発明の研磨方法においては、ロールに巻き上げられた研磨パッドを用い、研磨パッドのロールから引き出した部分で研磨を行い、研磨中に、連続的又は断続的にロールから研磨パッドを引き出し、研磨パッドの研磨層の表面と被研磨膜とが接触する位置を連続的又は断続的に移動させ、研磨に未使用な研磨パッドの研磨層の表面を用いて、被研磨面を研磨するようにすることもできる。
また、本発明の研磨パッドは、研磨に際して、定盤上に研磨パッドをそのまま設置し、基板の被研磨面と接触させて研磨を行ってもよく、あるいは、定盤上に通常用いられている、例えばポリウレタン製などの研磨パッドなどを設置し、その上に本発明の研磨パッドを重ね置きした後、基板の被研磨面と接触させて研磨を行なうこともできる。
以上のように本発明の研磨パッドは研磨速度ばらつきが小さくかつ高研磨速度、低研磨傷であり、基板研磨工程数の低減、基板表面平坦化の効率向上、プロセス管理の容易化、研磨傷低減に効果がある。
さらに、本発明の研磨パッドは研磨微粒子をバインダー樹脂に分散する方法ではなく、研磨砥粒である微粒子を静電的に吸着するものであるために、粒子密度の高い研磨層を形成できる。
本発明の研磨パッドは、支持基材の上に、研磨微粒子を含む研磨微粒子層と電解質ポリマーを含むポリマー層とが、交互に積層された微粒子積層膜である研磨層を設けたものであり、研磨パッドの研磨層の表面は、研磨微粒子層かポリマー層のいずれかで構成されている。一方、支持基材に接する層は、支持基材の有する表面電荷により、その反対電荷を有するポリマー層か研磨微粒子層で構成されている。なお、支持基材に接する層として、まずアニオン性電解質ポリマーとカチオン性電解質ポリマーとが交互に積層された、弾性率が研磨微粒子層とポリマー層で構成された微粒子積層膜とは異なる、ポリマー層を設けることもできる。以下、本発明の研磨パッドに使用する材料と製造方法、研磨方法について順次説明する。
(1)研磨微粒子材料
本発明に用いる微粒子分散液に分散されている微粒子は、被研磨面の研磨に用いるもので、研磨微粒子のうち、無機系研磨微粒子としてはフッ化マグネシウム(MgF)、フッ化アルミニウム(AlF)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、シリカ(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニア(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、セリア(CeO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ビスマス(Bi)などが挙げられ、これらは単独で又は二種類以上を混合して使用することができる。上記の無機微粒子の中でもシリカ(SiO)が好ましく、粒子径を1nmから100nmのように制御した水分散コロイダルシリカ(SiO)が最も好ましい。このような無機微粒子の市販品としては、例えば、スノーテックス、スノーテックスUP(日産化学工業社製)等が挙げられる。
また、研磨微粒子にはポリマー微粒子も用いることができる。このようなポリマー微粒子としては、ポリエチレン、アクリル系ポリマー、ポリスチレン、シリコンポリマー、フェノール樹脂、ポリアミド、天然高分子などが挙げることができ、これらは単独で又は二種類以上を混合して使用することができる。それらは液相から溶液噴霧法、脱溶媒法、水溶液反応法、エマルション法、懸濁重合法、分散重合法、アルコキシド加水分解法(ゾル−ゲル法)、水熱反応法、化学還元法、液中パルスレーザーアブレーション法などの製造方法で合成される。ポリマー微粒子の市販品としては、例えば、ミストパール(荒川化学工業社製)等が挙げられる。なお、上記の無機系研磨微粒子と有機系研磨微粒子とを併用してもよい。
これらの研磨微粒子は、その平均粒径が1〜100nmであることが好ましい。また、粒子径のばらつきは10nm以下であることが好ましい。
(2)研磨微粒子分散液
本発明で用いる研磨微粒子分散液は、上述の研磨微粒子が、水または、水と水溶性の有機溶媒のような混合溶媒である媒体(液)に分散されたものである。水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなどがあげられる。この研磨微粒子分散液中の研磨微粒子の表面電位を制御することにより積層する研磨微粒子層の微粒子吸着密度を変えることができる。表面電位の制御は、例えば、研磨微粒子分散液のpHや、研磨微粒子分散液中に電解質を添加することにより達成できる。研磨微粒子分散液のpHが中性に近づくほど、研磨微粒子層中の研磨微粒子の堆積密度は低くなる。pHの調整は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性水溶液または塩酸、硫酸などの酸性水溶液を用いて行うことができる。
一方、研磨微粒子分散液中に電解質を添加する場合、用いる電解質としては、水または水、アルコール混合溶媒などに溶解するものであれば限定されるものではないが、アルカリ金属およびアルカリ土類金属、四級アンモニウムイオンなどとハロゲン元素との塩、LiCl、KCl、NaCl、MgCl、CaClなどが用いられる。本発明では、電解質の濃度は0.01〜0.25M(=mol/リットル)程度とすることが好ましい。電解質の濃度を高くすると、研磨微粒子の表面電位が下がり、堆積密度を低くすることができる。電解質を0.25Mより多く加えると、表面電位が下がりすぎて分散性が悪くなり、凝集などにより微粒子の沈殿が起こる。
また、研磨微粒子分散液を調製する際に、分散性を改善するために、いわゆる分散剤を用いることができる。このような分散剤としては、界面活性剤やイオン性ポリマーあるいは非イオン性ポリマーなどを用いることができる。これらの分散剤の使用量は、用いる分散剤の種類によって異なるものであるが、一般に0.1%(重量)以下程度であることが好ましく、多すぎるとゲル化・分離を起こしたり、分散液中で微粒子が電気的に中性となり、積層膜が得られなくなる。
また、研磨微粒子分散液のpHの調整は、上述のアルカリ性水溶液や酸性水溶液ばかりでなく、分散剤によってもpHを調整することができ、さらに、加える電解質(例えば、強酸と弱塩基や弱酸と強塩基の組み合わせの塩など)によってもpHを調整することができる。
なお、研磨微粒子分散液中に占める研磨微粒子の割合は、通常0.01〜10%(重量)程度が好ましく、微粒子の分散は公知の方法によって行うことができる。
(3)電解質ポリマー溶液
この発明で使用する電解質ポリマー溶液は、微粒子の表面電荷と反対または同種の電荷の電解質ポリマーを、水または水と水溶性の有機溶媒の混合溶媒に溶解したものである。使用できる水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなどがあげられる。この電解質ポリマー溶液は微粒子積層膜の形成や、弾性率が微粒子積層膜とは異なるポリマー層の形成、すなわち研磨層と支持基材の間に下地層を形成する際などに用いられる。
電解質ポリマーとしては、荷電を有する官能基を主鎖または側鎖に持つ高分子を用いることができる。この場合、アニオン性電解質ポリマーとしては、一般的に、スルホン酸、硫酸、カルボン酸など負電荷を帯びることのできる官能基を有するものであり、たとえば、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニル硫酸(PVS)、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリマレイン酸、ポリフマル酸などが用いられる。また、カチオン性電解質ポリマーとしては、一般に、4級アンモニウム基、アミノ基などの正荷電を帯びることのできる官能基を有するもの、たとえば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジン、ポリアクリルアミドおよびそれらを少なくとも1種以上を含む共重合体などを用いることができる。
これらの電解質ポリマーは、いずれも水溶性あるいは水と有機溶媒との混合液に可溶なものであり、電解質ポリマーの分子量としては、用いる電解質ポリマーの種類により一概には定めることができないが、一般に、20,000〜200,000程度のものが好ましい。なお、溶液中のイオン性ポリマーの濃度は、一般に、0.01〜10%(重量)程度が好ましい。また、電解質ポリマー溶液のpHは、特に限定されない。なお、同種のイオン性の電解質ポリマーの場合には、2種以上の電解質ポリマーを混合してポリマー層の形成に用いることもできる。
(4)支持基材
本発明で用いる支持基材としては、化学的、熱的に安定であり、フィルム状、シート又は板状に成形できるものを用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、セルロースアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエステルが挙げられる。これらの中で特に好ましいのは熱安定性,寸法安定性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートである。
また、目的に応じて、研磨対象に合った支持基材の材質や厚みを選択して弾性率をコントロールすることにより、研磨特性を調整することも可能である。例えば、被研磨体の均一性を向上するためには弾性率の低い支持体(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等)を用いると効果がある。
フィルム状の研磨パッドを製造する場合には、支持基材の厚みは、30〜200μmとすることが好ましく、50〜150μmとすることがより好ましい。
なお、本発明の研磨パッドは、支持基材がロール状に巻かれたものであることが、研磨パッドを連続的に製造し得ること、および研磨に際して、常に新しい研磨パッドの研磨層表面を用いて被研磨面を研磨できることから好ましいものであるが、それぞれがシート状のものに形成されているものであっても、使用できることはいうまでもない。
(5)微粒子積層膜である研磨層の作製方法
まず、前述のような支持基材をそのまま用いるか、またはそれらの表面にコロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、紫外線照射、オゾン処理、アルカリや酸などによる化学的エッチング処理、シランカップリング処理などによって極性を有する官能基を導入して基材の表面電荷をマイナスもしくはプラスにする。
また、基材表面へ電荷を効率よく導入する方法としては、強電解質ポリマーであるポリカチオン系のPDDAやPEIとポリアニオン系のPSSの交互積層膜を形成することによっても可能である(Advanced Material.13,51−54(2001))。すなわち、このような表面に荷電を有する固体基板を2種類のポリマーイオン溶液(ポリカチオンとポリアニオン)に交互に浸し、ポリマーイオンの薄膜を固体基板上に作製する。表面電荷がマイナスであれば、はじめにカチオン性の溶液に浸漬し、次いで、アニオン性の溶液に浸漬し、必要に応じこれを交互に続けて交互積層膜を形成する。用いるポリマーイオン溶液の濃度、pHの条件および浸漬時間、繰り返し数などの製造条件は、積層したい膜厚によって前記(3)と同様にして適時調整する。また、反対電荷を有する溶液に浸漬する前に溶媒のみのリンスによって余剰の溶液を洗い流すことが好ましい。このような基材に微粒子積層膜を形成するための下地層となるポリマーイオンの交互積層膜としては、1〜5nm程度の膜厚であり、積層回数(カチオンとアニオンの組み合わせを1回とする)は、2〜5回程度であることが好ましく、これにより、その後に積層する微粒子積層膜の均一性の向上が図られる。
次いで、このような表面に荷電を有する固体基板を、微粒子分散液と微粒子の表面電荷と反対の電荷を有する電解質ポリマー溶液(ポリカチオンあるいはポリアニオン)に交互に浸し、微粒子積層膜の薄膜を支持基板上に作製する。基材の表面電荷が、微粒子の表面電荷と反対の電荷であるときは、微粒子分散液への浸漬から始め、微粒子の表面電荷と同種の時は、イオン性ポリマー溶液への浸漬から始め、必要とする膜厚を得るまで微粒子分散液とイオン性ポリマー溶液への浸漬を繰り返す。最後の浸漬は通常、イオン性ポリマー溶液への浸漬とし、微粒子の吸着を確実なものとする。浸漬時間は用いる微粒子やイオン性ポリマーの種類、積層したい膜厚によって適宜調整する。
微粒子分散液あるいはイオン性ポリマー溶液に浸漬後、反対電荷を有する微粒子分散液あるいはイオン性ポリマー溶液に浸漬する前に媒体(液)あるいは溶媒のみのリンスによって余剰の媒体(液)や溶液を洗い流すことが好ましい。このようなリンスに用いるものとしては、水、アルコール、アセトンなどがあるが、通常、過剰なイオンの除去の点から、比抵抗値が18MΩ・cm以上のイオン交換水(いわゆる超純水)が用いられる。静電的に吸着しているために、このリンスの工程で剥離することはない。また、反対電荷の媒体(液)または溶液に、吸着していないポリマーイオンまたは微粒子を持ち込むことを防ぐためにリンスを行ってもよい。これをしない場合は、持ち込みによって媒体(液)や溶液内でカチオン、アニオンが混ざり、微粒子の凝集や沈殿を起こすことがある。また、各溶液に浸漬する前に乾燥を行っても良い。乾燥方法は熱風、ドライエアや窒素などをエアナイフを用いて吹き付ける方法や電熱炉、赤外線炉を通すなど、公知の方法を用いることができる。
微粒子分散液またはイオン性ポリマー溶液に浸漬することにより、形成される膜厚は、例えば、積層膜を水晶振動子の上に形成し、その周波数の変化をモニターすることや、得られた積層膜をSEM(走査型電子顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)やAFM(原子間力顕微鏡)などで観察することにより求めることができる。
図1は、微粒子分散液として、スノーテックスPS−Sの水分散液(STps−s)と、ポリマー溶液としてポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDDA)とを用いて、水晶振動子上に微粒子積層膜を形成した時の、トータルの浸漬時間と周波数の変化量を示したグラフであり、上側の曲線は、電解質としてNaClを加えて塩化ナトリウム濃度を0.25モル/リットルとした場合であり、下側の曲線は電解質を添加しない場合(塩化ナトリウムイオンのような電解質濃度は0.01モル/リットル未満)の結果を示している。このグラフから、いずれの場合も微粒子分散液(STps−s)に浸漬した時に、大きな周波数の変化があり、その後飽和していること、またこれに続くポリマー溶液(PDDA)への浸漬では、大きな周波数の変化はないことがわかる。なお、SEM(走査型電子顕微鏡)などの結果から、周波数の変化は、1000Hzが膜厚20〜25nmに相当するものである。すなわち、図1においては、1回の微粒子分散液とイオン性ポリマー溶液との浸漬により、電解質を添加した場合には、30〜36nm程度、また電解質を添加しない場合には、15〜18nm程度の膜厚が得られ、電解質を添加すると形成される膜厚が、電解質を添加しない場合の約2倍程度大きくなることがわかる。すなわち、1回の微粒子分散液とイオン性ポリマー溶液との浸漬により得られる膜厚は、電解質の有無の他、用いる微粒子の大きさや分散液中における微粒子濃度などによって異なるものとなるが、一般に、10〜40nm程度の膜厚が得られることから、微粒子積層膜の膜厚は、浸漬時間と繰り返し数とで制御できることがわかる。なお、電解質を添加すると1回に形成される膜厚が増加することから、その分繰り返し数を減らすことができ、プロセスを簡略化できることはいうまでもないことである。
製造装置としてはディッパーと呼ばれる交互積層装置を用いても良い。上下左右に動作するロボットアームに基材を取り付け、プログラムされた時間に、基材をカチオン性溶液に漬け、続いてリンス液に漬け、続いてアニオン性溶液に漬け、またリンス液に漬ける。この工程を1サイクルとして、積層したい回数分を連続的に自動的に行うことができる。そのプログラムは2種類以上のカチオン性物質、アニオン性物質を用いた組み合わせをしてもよい。例えば、最初の2層分はポリジメチルジアリルアンモニウム塩化物とポリスチレンスルホン酸ナトリウムの組み合わせ、続く10層はポリジメチルジアリルアンモニウム塩化物とアニオン性シリカゾルの組み合わせを用いることができる。
同様に、ロール状に巻き取ったフィルムを巻き出し部から取り出し、途中にカチオン性溶液水槽、リンス水槽、アニオン性水槽、リンス水槽を並べて配置し、この配置を積層したい回数分並べて最後に乾燥する工程などを配置して、巻取り部を設けたフィルム状基材への連続膜形成プロセスも用いることができる。
また、支持基材上に形成した研磨層を含む層の上にさらに保護フィルムをかぶせることもでき、この場合は、保護フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が用いられるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。この様にして得られた、保護フィルムが積層された研磨パッドはロール状に巻き取って保存が可能である。
また、得られた研磨パッドの形態は研磨装置の仕様にあわせて、ロール状、円盤状、ベルト状に加工して使用することができる。
(6)研磨層および研磨パッド
このようにして研磨微粒子分散液と電解質ポリマー溶液に交互に浸漬を繰り返すことにより、微粒子積層膜である研磨層が形成される。この研磨層は、図2に概念的(研磨微粒子層が2層積層された例)に示すように、支持基材上に、研磨微粒子で構成される研磨微粒子層と、電解質ポリマーから構成されるポリマー層とが交互に積層されたものとなる。また、このようにして得られた研磨パッドの研磨層の電子顕微鏡写真を図3に示した。この電子顕微鏡写真は、得られた微粒子積層膜を、斜め45°の方向から断面(側面)と表面(上面)とを同時に観察したものである。この電子顕微鏡写真から、微粒子積層膜である研磨層は、個々の研磨微粒子同士がほぼ点接触するように空隙を有しながら3次元的に積み重なり、積層していることがわかる。
このような研磨層を有する本発明の研磨パッドは、研磨に際して、加えられる圧力によって、研磨層が崩壊しながら、研磨パッドの表面から研磨微粒子を脱離するため、研磨微粒子を自己供給することができ、また、研磨微粒子の平均粒径が1〜100nmと制御され、研磨微粒子の密度を高めることができることから、被研磨面に研磨傷を生じさせることなく、しかも被研磨膜を高速に研磨することが可能となる。
(7)研磨方法
本発明の基板の研磨方法では、基板上の被研磨膜を、本発明の研磨パッドの表面層に押し当て、研磨粒子を含まないか或いは結晶子サイズ径1〜100nmの小さな研磨粒子を含む研磨液を、被研磨膜と研磨パッドの間に供給しながら、基板と研磨パッドを相対的に動かして被研磨膜を研磨する。
本発明で使用する研磨液は、研磨対象により選択され、研磨粒子を含まない研磨液としては、水や、水溶性ポリマーの水溶液などがあげられる。また、研磨粒子を含む研磨液としては、例えば、シリカ、セリア、水酸化セリウムなどの研磨微粒子を分散した分散液が例示される。研磨微粒子の結晶子サイズ径は、1〜20nm程度であることが好ましい。
例えば、絶縁膜用研磨剤の場合は研磨粒子としては、水酸化セリウム粒子が好ましく、研磨液は、水酸化セリウム粒子を分散媒に分散させ、必要に応じて添加剤を添加することによって得られるものである。研磨液中の水酸化セリウム粒子の含有量は0.05重量%以上3重量%以下の範囲であることが望ましい。この水酸化セリウム粒子は、その製造方法が限定されるものではないが研磨液中の水酸化セリウム粒子の結晶子サイズ径は、1nm〜20nmであることが好ましい。
分散媒としては、通常、水が用いられ、必要に応じて、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン等の分散剤を添加してもよい。研磨液は、pH4〜12であることが好ましい。
研磨する基板としては、例えば、半導体基板すなわち回路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が形成された基板が使用できる。このような半導体基板上に形成された被研磨膜である酸化珪素膜層あるいは窒化珪素膜層を本発明の研磨パッドを用いて上記研磨液を供給しながら研磨することによって、酸化珪素膜層又は窒化珪素膜層の表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って平滑な面とすることができる。
研磨する装置に制限はなく、円盤型研磨装置、リニア型研磨装置、ウエブ型研磨装置で用いることができるが、ロール状の研磨パッドを用い必要に応じてパッドの新しい面を供給しながら研磨できるウエブ型研磨装置が好ましい。
最も一般的な研磨装置例としては半導体基板を保持するホルダと研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)定盤を有する研磨装置がある。研磨条件に特に制限はないが、研磨対象に合わせ最適化を図ることが好ましい。なお、本発明の研磨パッドは、定盤上に直接貼り付けてもよく、ポリウレタン製研磨パッドなどのような通常用いられている研磨パッドを介してその上に設置してもよい。このような市販の研磨パッド(あるいは、研磨パッドと同様な弾性体のシートなど)を介することにより、本発明の研磨パッドにも弾性が付与され研磨性能の高めることができる。
研磨している間、研磨パッドには研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨剤で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピン洗浄機等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
本発明の研磨パッドは、半導体基板に形成された酸化珪素膜だけでなく、所定の配線を有する配線板に形成された酸化珪素膜、ガラス、窒化珪素等の無機絶縁膜、ポリシリコン、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN等を主として含有する膜、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス或いはアルミ基板、磁気ヘッド等を研磨することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
(1)研磨パッドの作製
材料として、ポリカチオンである、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDDA、平均分子量100000、アルドリッチ社製)とポリアニオンであるポリスチレンスルホン酸ナトリウム(PSS、平均分子量70000、アルドリッチ社製)、微粒子分散液として、シリカ微粒子分散水溶液(ST−20、日産化学工業社製、コロイダルシリカ、スノーテックスST20、平均粒子径20nm、pH10)を用いた。
まず、基材に電荷を効率よく付与するための下地層としてPDDAとPSSの交互積層膜を形成する。溶液としては0.3重量%のPDDA水溶液と0.3重量%のPSS水溶液を調製する。次に、支持基板としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、A4100、125μm厚)を(ア)PDDA水溶液に5分間浸漬した後、リンス用の超純水(比抵抗18MΩ・cm)に3分間浸漬し、(イ)PSS水溶液に5分間浸漬し、リンス用の超純水に3分間浸漬した。(ア)と(イ)の工程を順番に行う工程を1サイクルとして、このサイクルを2回繰り返し、PET基板上にPDDAとPSSの交互積層膜を2層積層した。この工程によって、基板表面の電荷密度を均一にすることができ、ムラなく微粒子が吸着する効果がある。
続いて、微粒子積層膜である研磨層の成膜工程を説明する。溶液としては0.3重量%のPDDA水溶液と0.1重量%、pH=10のST−20水分散液を調製する。これらの液に交互に浸漬してPDDAとシリカ微粒子が交互に積層された微粒子積層膜を得る。その手順は、前述の下地層の最表面がPSSであるため、まず反対電荷のカチオンである(ウ)PDDA水溶液に1分間浸漬し、リンス用の超純水に3分間浸漬、(エ)0.1重量%のシリカ微粒子分散液ST−20に1分間浸漬した後、リンス用の超純水に3分間浸漬する。(ウ)と(エ)の工程を順番に行う工程を1サイクルとして、このサイクルを10回繰返し、研磨パッドを作製した。
(2)研磨
(研磨液の作製)
55gのCe(NH(NOを10kgの純水に溶解し、次にこの溶液にアンモニア水(25%水溶液)を加えてpH5.5として水酸化セリウム21gを含む懸濁液を遠心分離(4000rpm、5分間)して固液分離した後、新たに純水を加えた。この固液分離操作をさらに3回繰り返して洗浄を行った。
洗浄後に得られた水酸化セリウム懸濁液中の粒子の比表面積をBET法によって測定したところ、200m/gであった。また、透過型電子顕微鏡で粒子の観察を行ったところ、結晶子サイズ径は5nmであった。
水酸化セリウム懸濁液に純水を加え、水酸化セリウム濃度が0.2重量%、pH5.5の研磨液を得た。
(絶縁膜の研磨)
作製したフィルム状研磨パッドをφ600mmの円盤に切り取り、円盤状研磨装置の定盤に1.2mm厚みの発泡ポリウレタンを間に挟んで貼り付けた。
TEOS−プラズマCVD法で酸化珪素絶縁膜を形成させたφ200mmシリコンウエハを、基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーにセットし、上記定盤上に絶縁膜を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重が30kPa(306gf/cm)になるように設定した。
パッド上に上記の作製した研磨液を200ml/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハをそれぞれ75rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。この研磨を20枚のウエハに対して行った。研磨後のウエハを純水で良く洗浄後、乾燥した。
光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定し、研磨速度を計算したところ、20枚の平均研磨速度は260nm/minであった。20枚の研磨速度のばらつきは、(1σ/平均研磨速度×100)で7%であった。
また、研磨後のウエハの絶縁膜表面を光学顕微鏡を用いて暗視野にて観察し、ウエハ表面に存在する研磨に起因する傷を数えた。研磨傷個数は5個/ウエハであった。
比較例1
比較として市販の発泡ポリウレタンパッドを円盤状研磨装置の定盤に貼り付けて、研磨を行った。研磨前及び研磨するウエハの交換時毎に#70番手のダイヤモンド砥石を用いて、パッド表面のドレッシング処理を行った。ドレッシング条件は、圧力10kPa、回転20rpm、ドレス時間は研磨前が10分、ウエハの交換時毎に1分である。研磨液、ウエハ、加工条件は実施例1と同じものを用いて、20枚のウエハを研磨した。平均研磨速度は9nm/min、研磨速度のばらつきは30%、研磨傷は3個/ウエハであった。
比較例2
上記比較例1の研磨液を市販のシリカ系研磨剤に変えて、比較例1と同じ実験を行った。平均研磨速度は200nm/min、研磨速度のばらつきは12%、研磨傷は30個/ウエハであった。
以上のことから、本発明の研磨パッドは、研磨微粒子(シリカ)を自己供給できることから、研磨速度にばらつきが少なく、被研磨面を高速でありながら研磨傷を少なくすることができることがわかる。
図1は、水晶振動子上に微粒子分散液とイオン性ポリマー溶液とに交互に浸漬し、微粒子積層膜を形成したときの、浸漬時間に対する水晶振動子の周波数の変化、すなわち形成される膜厚の変化との関係を示すグラフである。 図2は、本発明の研磨パッドを示す概念図である。 図3は、本発明の研磨パッドの微粒子積層膜である研磨層の状態を示す走査型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 アニオン性微粒子
2 カチオン性電解質ポリマー
3 支持基材

Claims (8)

  1. 支持基材上に、研磨微粒子及び電解質ポリマーが交互に積層された微粒子積層膜である研磨層を設けた研磨パッド。
  2. 支持基材を、カチオン性電解質ポリマー溶液またはカチオン性研磨微粒子分散液に浸漬して、表面に電解質ポリマーまたは研磨微粒子を静電的に吸着させる工程と、それに続いてアニオン性電解質ポリマーまたはアニオン性微粒子分散溶液に浸漬して、基材表面に電解質ポリマーまたは研磨微粒子を静電的に吸着させる工程、この工程を交互に繰り返すことにより、支持基材上に互いに反対電荷を有する電解質ポリマーと研磨微粒子とが交互に多層積層された微粒子積層膜である研磨層を設けた研磨パッド。
  3. 研磨層中の研磨微粒子の平均粒径が1〜100nmである請求項1または請求項2記載の研磨パッド。
  4. 研磨層と支持基材との間に、弾性率の異なるポリマー層を有し、該ポリマー層が、基材を互いに反対電荷を有する電解質ポリマー溶液に交互浸漬することを繰り返して形成されたものである請求項1から請求項3のいずれかに記載の研磨パッド。
  5. (1)支持基材がシート状にロールに巻き取られており、ロールから支持基材を引き出す工程と、
    (2)前記引き出した支持基材を、支持基材の表面電荷と反対の電荷を有する電解質ポリマー溶液または研磨微粒子分散液に浸す工程と、
    (3)電解質ポリマー溶液または研磨微粒子分散液に浸した支持基材をリンス液に浸す工程と、
    (4)上記リンス工程後の支持基材上の積層された電解質ポリマーまたは研磨微粒子の表面電荷と反対の電荷を有する電解質ポリマー溶液または研磨微粒子分散液に浸す工程と、
    (5)電解質ポリマー溶液または研磨微粒子分散液に浸した支持基材をリンス液に浸す工程と、
    (6)前記(2)から(5)の工程を所望の回数分連続的に行う工程と、
    (7)シート状の支持基材を、ロール状に巻き取る工程とを、有する請求項1に記載の研磨パッドの製造方法。
  6. 前記工程(1)の後に、引き出した支持基材を前処理する工程をさらに有する請求項5に研磨パッドの製造方法。
  7. 基板上の被研磨膜を、請求項1から請求項4のいずれかに記載の研磨パッドの研磨層の表面に押し当て、研磨微粒子を含まないかあるいは結晶子サイズ径1〜100nm以下の研磨粒子を含む研磨液を、被研磨膜と研磨パッドの間に供給しながら、基板と研磨パッドを相対的に動かして被研磨膜を研磨することを特徴とする基板の研磨方法。
  8. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の研磨パッドがロールに巻き上げられており、研磨パッドのロールから引き出した部分で研磨を行い、研磨中に、連続的又は断続的にロールから研磨パッドを引き出し、研磨パッドの研磨層の表面と被研磨膜とが接触する位置を連続的又は断続的に移動させ、研磨に未使用の研磨パッドの研磨層の表面を用いて、被研磨膜を研磨する請求項7に記載の基板の研磨方法。
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