JP2006528482A - 核酸の逆転写及び/または増幅方法 - Google Patents

核酸の逆転写及び/または増幅方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、特別のタイプの核酸プールの逆転写産物の逆転写及び/または増幅方法に関し、この核酸プールは複雑な生体試料または酵素反応に由来する。
【選択図】なし

Description

本発明は、特別のタイプの核酸プールの、逆転写及び/または逆転写産物の増幅方法に関し、この核酸プールは、複雑な生体試料または酵素反応に由来する。
核酸の製造において、特異性及び感度が増していることから、核酸は、基礎的な生物工学の研究分野だけでなく、医療分野、主として診断目的において、近年ますます重要になってきている。多くの分子生物学的適用において、ある核酸を互いに分離することが求められるので、現在、主として、核酸を分離及び/または単離する方法の改善及び/または単純化に焦点があてられている。これらには、複雑な生体試料及び/または酵素反応産物からの、個々のタイプの核酸の分離が特に含まれる。
潜在的核酸源は、初めに、それ自体公知の方法によって溶解される。次に、それ自体公知の方法を用いて核酸が単離される。このような単離工程の後に続ける場合、転写反応及び/または酵素的増幅反応等の、追加的工程または下流の解析が用いられるが、単離された核酸は、望ましくない細胞成分及び/または代謝物質を含まないだけではいけない。このような適用の特異性及び感度を増すため、個々のタイプの核酸をさらに精製することもしばしば必要である。
本発明の目的のための、異なるタイプの核酸は、例えば、相補的DNA(cDNA)、ゲノムDNA(gDNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、細菌DNA、プラスミドDNA(pDNA)、ウイルスのDNAまたはウイルスのRNA等の、全ての一本鎖または二本鎖デオキシリボ核酸(DNA)及び/またはリボ核酸(RNA)、及び/または、ペプチド核酸(PNA)またはロックされた核酸(LNA)等の、修飾または人工核酸または核酸アナログを意味する。
特にRNA濃度で、遺伝子発現パターンを解析する公知の方法が多数ある。他の種々の方法に加えて、ポリメラーゼ連鎖反応を用いる逆転写反応(RT-PCR)及びアレイ解析は、その方法の中で最も頻繁に用いられる。これらの方法に共通の1つの特徴は、問題のmRNAは直接測定されない(RNAの直接標識によるもの等の、いくつかのケースを除く)が、対応するcDNA中へ予め転写されることである。しかしながら、現在一般に使用されるシステムは、特に分子生物学及び/または診断法の分野において、生物学的物質を用いて実施する場合、この領域で確かに基本的な問題を有する。
所望の下流の解析において、関心のあるmRNAを可能な限り高い感受性で測定できるように、好ましくはこのRNAのみを逆転写すべきである。しかしながら、例えば脳、肝臓または筋組織、全血、単離された白血球または他の生体試料等の多くの生物学的出発物質において、及び、酵素反応産物(例えば、全血由来のRNA試料におけるグロビンmRNA転写物、または全ての単離された全RNAにおけるrRNA転写物等)において、ある種の転写物が大量のコピー数で存在するので、これらのRNA転写物も、例えば非特異的プライミング及び/またはミスプライミングによって、ある程度まで逆転写される。しかし、いわゆる非mRNAテンプレートから合成されたこれらのcDNA、及び、関心の無い過剰発現されたと思われるmRNAから製造されたcDNAは、 関心のあるmRNAの下流の解析において、感受性が実質的に低下する。
非mRNAテンプレートの非特異的プライミング及び/またはミスプライミングを防止するための、逆転写をプライミングする一般的な方法では、好ましくは、3'末端にポリA尾部を有するmRNAを逆転写することのみを目的として、標準的に販売されているオリゴ-dT-プライマーがしばしば使用される。しかしながら、オリゴ-dT-プライマーを使用しても、例えばrRNA、tRNA、snRNA等の他のタイプのRNAもまた、非特異的プライミング及び/またはミスプライミングによってある程度まで逆転写され、このことは、mRNAの下流の解析の感受性の低下をしばしば無視できないことを、ここで再度示している。
この、ポリA尾部を持たない非mRNAテンプレートの望ましくない逆転写は、現在しばしば容認されるが、それは、例えばRNA、tRNA及びsnRNAの転写物を除去する代替の方法が非常に実験室的で、コストがかかり、配列がバイアスされ、しばしば低収率になるからである。
加えて、例えばアレイ解析等の、RNA濃度で遺伝子発現パターンを解析する多数の方法では、問題のmRNAの逆転写及び続くcDNA二本鎖の合成が必要である。このように産生される二本鎖cDNAが増幅され、及び/または、続くインビトロでの転写(IVT)において標識され得るために、この二本鎖の合成は必要である。この酵素反応の終了後、反応混合物は、合成されたds-cDNAに加えて、二本鎖が合成されていないcDNA一本鎖と同様に、使用される全RNAを再度含有する。これらの種々の一本鎖核酸タイプもまた、続くIVT及びアレイのハイブリダイゼーション混合物中に「持ち越し」され、アレイのシグナルも低下する。
このような適用の感受性を高めるため、RNAを同時に除去する、DNAのさらなる精製が必要である。両タイプの核酸を含有する試料からRNAを除去する現在の方法は、RNaseによる消化を含む。しかしながら、付加的なピペッティング工程において、RNaseは第二鎖合成のため、独立した酵素として添加されなければならず、非常に時間・手間がかかり高価な方法となる。さらに、RNaseは常に試料から完全に除去することはできない。
先行技術から知られている不利な点を克服するために、本発明の課題は、問題の核酸の選択的逆転写及び/または増幅のための効率的な方法を提供することであり、この方法は、複雑な生物学的プローブまたは酵素反応から、高純度の核酸を製造することを可能にし、核酸は所望の下流の解析において最大の感受性で測定することができる。
この課題は、本発明に従って、生体試料または酵素反応由来の(A)タイプの核酸プールの、逆転写方法、及び/または、逆転写産物の増幅方法であって、少なくとも1つの望ましくない(A)タイプの核酸の逆転写を選択的に抑制すること、及び/または、少なくとも1つの望ましくない(A)タイプの核酸の逆転写産物の増幅を選択的に抑制することを特徴とする方法によって、解決される。
本発明の方法は、特に、複雑な生体試料または酵素反応に由来する(A)タイプの核酸プール中に存在する、少なくとも1つの望ましくない(A)タイプの核酸の逆転写を選択的に抑制すること、及び/または、少なくとも1つの望ましくない(A)タイプの核酸の逆転写産物の増幅を選択的に抑制することによって、(A)タイプのある種の核酸またはそれらの増幅産物が、非常に純粋な形態で、望ましくない(A)タイプの核酸またはそれらの増幅産物を含まずに分離されることを特徴とする。
本発明の目的のための生物学的出発材料は、例えば、神経、肝臓または筋肉組織等に由来する組織試料、単離した細胞(例えば、白血球)、全血及び/または全血が混入した試料(例えば、血管または高血液含量の他の組織に由来する試料)や、他の生物学的材料等の、複雑な生体試料である。本発明の目的のための生物学的出発材料という用語には、例えば、少なくとも1つの核酸増幅反応の産物等の、酵素反応産物も含まれる。
本発明の目的のための(A)タイプの核酸はmRNAであり、これは天然のmRNAであっても、インビトロの転写反応由来のmRNAであってもよい。さらに、本発明の目的のための「望ましくない(A)タイプの核酸」という表現は、少なくとも一つのmRNAを意味し、各例において全mRNAの20%以上の割合を構成する。前記で既に説明したように、ある種の望ましくないmRNAは、例えば、全血から単離されたRNA中のグロビン-mRNA、筋細胞から単離されたRNA中のチトクロムmRNAまたは神経組織から単離されたRNA中のミエリン-mRNA等の、ある種の出発材料の試料中に、大量のコピー数で存在する可能性がある。この(これらの)mRNAも、全mRNAの40%を超えるか、さらに場合によっては60%を超える割合を構成してもよい。
驚くべきことには、本発明の方法によって、全血試料が最近採取されたか、安定剤中に収納、保存されていたかにかかわらず、少なくとも1つの望ましくない(A)タイプの核酸の逆転写、及び/または、少なくとも1つの望ましくない(A)タイプの核酸、特にグロビン-mRNAの、逆転写産物の増幅が、効率的に抑制されることがわかった。
有利には、本発明の方法に用いられる血液試料は、RNAの状態を維持するために、採取後直ちに安定剤中に移される。用いられる安定剤は、例えば、有機酸の存在下でのテトラアルキルアンモニウム塩(国際特許02/00599号、キアゲン社(QIAGEN)、ドイツ、ヒルデン(Hilden))、または緩衝物質、還元剤及び/または界面活性剤の混合物中のグアニジン化合物(国際特許01/060517号、アンティゲン・プロドゥクツィオンズ(Antigen Produktions)社、ドイツ、ストゥットガルト(Stuttgart))等の、公知の化合物であってもよい。この種の方法は、既に安定剤を含有する血液サンプル管(パックスジーン(PaxGene)/プレアナリティック(PreAnalytix)、スイス、ホンブレフチコン(Hombrechticon))を用いて実施することができる。
本発明の方法を実施するために、さらに、方法の個々の工程の計画が異なってもよい。しかしながら、本発明の方法は、工程a)生体試料または酵素反応由来のRNAの逆転写反応を、少なくとも1つのオリゴ-dTプライマーの存在下で実施する工程、を基本としている。任意に、工程a)の後、工程b)cDNAの第二鎖合成を実施する工程、及び工程c)工程b)の反応産物由来の全ての1本鎖の核酸を同時に除去しながら、工程b)で形成されたds-cDNAを精製する工程、を続けてもよい。さらに、工程a)及び/または工程b)及び/または工程c)の後、cDNAの増幅を実施してもよい。
本発明の方法の第一の態様によれば、第一の工程(a)は、例えば、標準的な市販品の逆転写酵素(例えば、スーパースクリプト(Superscript)IIRT/インビトロジェン(Invitrogen))等の通常の試薬を使用する先行技術から、それ自体公知の方法を用いて、少なくとも1つの標準的市販品のオリゴ-dTプライマー(T7-オリゴ-dT24プライマー/オペロン(Operon)、ドイツ、コロン(Cologne))の存在下で実施される。
既に述べたように、(A)タイプと異なる核酸の逆転写を減じる現行の方法において、逆転写は、しばしば、標準的な市販品のオリゴ-dT-プライマーまたは誘導体、及び/または、オリゴ-dT-プライマーの融合物、例えば、5'末端にT7-RNA-ポリメラーゼ-プロモーターの配列を有し、3'末端にオリゴ-dT配列を有するプライマー等、を用いて開始され、その結果、好ましくは、3'末端にポリA配列を有するmRNAのみが逆転写される。本発明の目的のための(A)タイプと異なる核酸は、本質的にmRNA以外のRNAのタイプ(例えば、rRNA、tRNA、snRNA、gDNA、及びプラスミドDNA)であり、いわゆる非mRNAテンプレートである。
工程(a)の後、次にcDNAの第二鎖合成を、通常の試薬を含む、それ自体公知の方法によって任意に実施することができる。従って、例えば、第二鎖合成を開始する前にRNase Hを別の酵素として加え、第一鎖合成の後にcDNAとハイブリッドを形成したmRNAは、酵素活性によって分解される(一方ハイブリッドとして存在しないRNAはRNase Hの基質ではない)。反応は、なおも残存する短いRNAフラグメントと共に、RNase Hが部分的にのみ消化するように実施される。これらのRNAフラグメントは、続く第二鎖合成のプライマーとして働く。
さらなるピペッティング工程を避けるため、及び装置等を節約するため、本発明の方法の好ましい態様において、特異的な逆転写酵素を用いるが(例えば、ラベルスター(LabelStar)RT/キアゲン(QIAGEN)社、ドイツ、ヒルデン(Hilden))、この酵素は固有のRNase H活性を有し、その結果、cDNAの第二鎖合成を、実質的により迅速で容易に、かつ安価に実施することができる(実施例1参照)。
この酵素反応の終了後、反応混合物は、合成されたds-cDNAに加えて、用いられた全RNA 、及びcDNA一本鎖(例えば、ss cDNA、ウイルスのcDNA等)を通常含有し、ここでは二本鎖は合成されなかった(第二鎖の合成は効率100%でないことが理由の一部である)。これらの種々のタイプの核酸も、有効な精製工程がなければ、続く増幅反応及び/またはアレイへのハイブリダイゼーション混合物中に「持ち越される」。ハイブリダイゼーション中、溶液中の種々の非標識核酸は、アレイ上のプローブとの結合を、標識cRNA転写物と競合する。さらに、アレイ上のプローブは、標識cRNAとの結合を、溶液中の非標識核酸転写物と競合する。これらの競合反応の平衡が、完全には標識cRNAとアレイ上のプローブとのハイブリダイゼーションの側にないので、非標識核酸の存在によって、アレイのシグナルが減じられる。
1つ以上の過剰に発現した(overrepresented)標識または非標識核酸転写物と、アレイ上のプローブとの意図しないハイブリダイゼーションもまた、非標識オリゴヌクレオチドの添加によって減じることができ、このオリゴヌクレオチドは望ましくない核酸転写物と逆の相補的な配列を含んでいる。これらの逆の相補的オリゴヌクレオチドは、例えば、インビトロで翻訳または合成的に製造されたオリゴヌクレオチドであってもよい。過剰に発現した転写物の非特異的なハイブリダイゼーションが結果的に減じられることによって、アレイ解析の感度が増す。
種々のタイプの核酸の「持ち越し」を避けるために、工程b)の後に、酵素反応の反応混合物の慣用の精製を行ってもよい。実際の精製工程は、例えば、先行技術から公知の「シリカスピンカラム技術」を使用して実施される(例えば、市販されているジーンチプサンプルクリーンアップモジュール(GeneChip Sample Cleanup Module)/アフィメトリックス(Affymetrix)、米国、サンタクララ(Santa Clara)を使用)。反応混合物は、分離のためのカオトロピック塩を含む結合緩衝液を添加した後、標準的な市販品のスピンカラム(例えば、ミンエリュートクリーンアップキット(MinElute Cleanup Kit)/キアゲン(QIAGEN)社、ドイツ、ヒルデン(Hilden))を通す。しかしながら、溶出物には、全RNA由来のRNAの「持ち越し」がしばしば混入するので、現在の精製法においては、RNase消化は、試料由来の使用される全RNAを除去するために最初に実施される。しかしながら、RNase消化は、使用される材料の量及び包含される付加的工程によって、非常に高価で時間がかかる。さらに、RNaseは、後に試料から全てを常に除去することはできず、このことは、残念なことに、例えば後の増幅中に、このRNAが分解される可能性があり、ここでは試料はRNAと接触する。
驚くべきことに、RNase消化は、異なる核酸がカラム物質に結合した後の追加的洗浄工程によって不必要になることがわかった。従って、本発明の工程c)がmRNAの予備的な単離と有利に置換し得るだけではなく、同時に、ds-cDNAの精製に伴い、全ての一本鎖核酸(ssDNA及びRNA)を工程b)の反応産物から除去することが可能になる。
さらに、本発明の洗浄工程の使用が、純度が高いds-cDNAを製造することを可能にし、続くジーンチップ(GeneChip)解析において感度が大幅に増加する(実施例10参照)。
一本鎖RNA及びcDNAの除去に加えて、本発明の洗浄工程を使用することによって、少なくとも1つの一本鎖核酸転写物を、配列特異的に他の一本鎖転写物から分離することができる。一本鎖標的配列に逆相補的なオリゴヌクレオチドがこのために使用され、標的配列と二本鎖核酸ハイブリッドを形成する。本発明の洗浄工程を用いるその後の精製の間に、ハイブリッド形成せず、従ってなおも一本鎖の転写物は全て、核酸混合物から分離される。
本発明の方法においてds-cDNAを精製するため、工程c)において、最初に、工程b)由来の核酸を全体としてシリカ充填剤に結合させ、その後、該シリカ充填剤をグアニジン含有洗浄緩衝液で洗浄して、一本鎖核酸を除去する。逆転写を実施した際、全RNAがオリゴ-dTプライマーによって開始した場合は、最初に出発物質のRNAのmRNA分子に相補的なcDNA分子が合成された(即ち、rRNA、tRNA、snRNA分子からはcDNAは合成されない)。一度、反応溶液をシリカスピンカラムに注ぐか、またはシリカ粒子を反応溶液に加えるかすると、上述の方法により、全ての一本鎖核酸は、本発明の洗浄緩衝液を用いる一回の洗浄工程で除去される。
有利なことには、本発明の洗浄工程は、二本鎖核酸の精製及び同時に一本鎖核酸の除去が望まれるあらゆる工程において使用することが可能である。従って、本発明の洗浄工程は、以下に述べる任意の工程d)(cDNAの増幅の実施)の後でも実施し得る。
精製に使用されるシリカ充填剤は、1つ以上のシリカ膜またはシリカ表面を有する粒子、特に磁性シリカ粒子を含んでいてもよく、スピンカラムまたは核酸精製のための他の通常の装置に入っていてもよい。
本発明の洗浄工程に使用される、グアニジン含有洗浄緩衝液は、好ましくはイソチオシアン酸グアニジン及び/またはチオシアン酸グアニジンを、好ましくは1M〜7M、非常に好ましくは2.5M〜6M、非常に特に好ましくは3M〜5.7Mの濃度で含有する。イソチオシアン酸グアニジン及び/またはチオシアン酸グアニジンの代替として、本発明において、塩酸グアニジンを、4M〜9M、好ましくは5M〜8Mの濃度で使用してもよい。
さらなる成分として、本発明の洗浄工程において使用される洗浄緩衝液は、総濃度0mM〜40mMの1つ以上の緩衝物質、及び/または、総濃度0mM〜100mMの1つ以上の添加剤、及び/または、総濃度0%(v/v)〜20%(v/v)の1つ以上の界面活性剤を含有してもよい。
洗浄緩衝液のpHは、好ましくはpH5〜9の範囲内であり、非常に好ましくはpH6〜8の範囲内であり、pHは、通常の緩衝物質(例えば、トリス、トリス塩酸、MOPS、MES、CHES、HEPES、PIPES及び/またはクエン酸ナトリウム等)を使用して調製してもよく、好ましくは緩衝物質の総濃度は20mM〜40mMである。
さらに、特定の反応条件により、他の好適な添加剤、例えば、キレート剤(例えば、EDTA、EGTAまたは他の好適な化合物)及び/または界面活性剤(例えば、ツイーン(Tween)20、トリトン(Triton)X100、サルコシル(Sarcosyl)、NP40等)等を、洗浄緩衝組成物に添加してもよい。
本発明の洗浄工程において使用される洗浄緩衝液の好ましい組成を、以下に列挙する。
−洗浄緩衝液1: 3.5Mイソチオシアン酸グアニジン *
25mMクエン酸ナトリウム、pH7.0
−洗浄緩衝液2: 5.67Mイソチオシアン酸グアニジン *
40mMクエン酸ナトリウム、pH7.5
−洗浄緩衝液3: 5.0Mイソチオシアン酸グアニジン *
35mMクエン酸ナトリウム、pH7.5
−洗浄緩衝液4: 4.5Mイソチオシアン酸グアニジン *
32mMクエン酸ナトリウム、pH7.5
−洗浄緩衝液5: 4.0Mイソチオシアン酸グアニジン *
28mMクエン酸ナトリウム、pH7.5
−洗浄緩衝液6: 3.5M イソチオシアン酸グアニジン *
25mMクエン酸ナトリウム、pH7.5
−洗浄緩衝液7: 4.5Mイソチオシアン酸グアニジン *
0.1M EDTA、pH8.0
−洗浄緩衝液8: 7.0M塩酸グアニジン、pH5.0
−洗浄緩衝液9: 5.6M塩酸グアニジン
20%ツイーン-20
* チオシアン酸グアニジンは、イソチオシアン酸グアニジンと併せて、または、イソチオシアン酸グアニジンの代わりに使用してもよい。
従って、上述の通り、本発明の洗浄工程の使用は、二本鎖の真核生物cDNAの合成産物からrRNAを除去するために使用してもよい。もう1つの適用は、真核生物または原核生物の二本鎖ゲノムDNAからの、一本鎖のウイルス核酸の分離である(実施例4参照)。
既に述べたとおり、二本鎖核酸から一本鎖核酸を除去するための本発明の洗浄工程は、種々の下流の解析に有利である。従って、アレイ解析に加えて、例えば、増幅反応または他の適用(例えば、リボヌクレアーゼプロテクションアッセイ、ノーザンまたはサザンブロット解析、プライマー伸長解析等)において、感度を増すことも可能であろう。
驚くべきことに、一方で本発明の方法の個々の工程を単に実施することが、異なる試料から得られる問題の核酸の純度を改善するが、他方では、異なる方法で個々の工程を特別に組み合わせることによって、少なくとも1つの非常に高純度の(A)タイプの核酸の製造に寄与する相乗効果を生むことがわかった。
対応する逆転写酵素を用いたcDNA合成の特異的なプライミングによって特異性が上がることに加えて、望ましくないmRNA転写物のRT及び/または増幅反応を抑制するための分子種が存在することによって、続く下流の解析から、無意図的に大多数のmRNA転写物、例えば、全血試料由来のグロビン-mRNA転写物等を除去することも可能である。
従って、本発明の別の有利な態様によれば、工程a)及び/または工程d)は、少なくとも1つの望ましくないmRNAの逆転写を選択的に抑制するため、及び/または、この望ましくないmRNAより製造される一本鎖または二本鎖のcDNAの増幅を選択的に抑制するための、少なくとも1つの分子種の存在下で実施される。
工程a)において、この分子種は、望ましくないmRNAの逆転写を防止するために、望ましくない(A)タイプの核酸に結合するか、または、それら核酸を開裂する。
本発明の目的のための増幅という用語は、例えば、インビトロの転写、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、核酸配列に基礎をおいた増幅(NASBA)または自立した配列複製(3SR)等の、種々のタイプの反応を意味する。
生物学的試料または酵素反応産物の性質によって、工程a)及びその後の工程d)の両方において、分子種を使用することが有利である可能性がある。全ての工程で使用される分子種は、同一であっても異なっていてもよい。
従って、本発明の方法の別の好ましい態様によれば、工程a)は、少なくとも1つの望ましくないmRNAの逆転写を選択的に抑制するための、少なくとも1つの分子種の存在下で実施され、過剰に発現した転写物の逆転写は、この分子種がこれらのmRNAに結合することによって阻害される。従って、これらの転写物は、cDNA標識、二本鎖合成及び/またはその後の増幅にもはや使用できない。
本発明の目的のための分子種は、mRNAまたはcDNA鎖のうちの1本に相補的なDNAまたはRNAオリゴヌクレオチド(アンチセンスオリゴヌクレオチド)であるか、または、修飾または合成されたヌクレオチド、消光剤、蛍光プローブまたは他の修飾を含有し、長さが10〜60ヌクレオチド、好ましくは12〜30ヌクレオチドである、上記オリゴヌクレオチド、例えばオリゴヌクレオチドの誘導体であってもよい。
加えて、前記の分子種は、mRNAまたはcDNA鎖のうちの1本に相補的な核酸アナログであってもよくPNA(ペプチド核酸)、LNA(ロックされた核酸)及び/またはGripNA等の修飾された核酸を、同様に核酸アナログとして使用してもよい。配列特異的な遮断に使用される分子種は、好ましくは遮断される核酸(mRNAまたはcDNA鎖のうちの1本)の3'-領域に結合する。
好ましい分子種は、長さが12〜20ヌクレオチドアナログ、好ましくは13〜16ヌクレオチドアナログのPNA(PEバイオシステムズ(Biosystems)、ドイツ、ヴァイテルスタッド(Weiterstadt))、及び/または、長さが12〜30ヌクレオチドアナログ、好ましくは14〜20ヌクレオチドアナログのGripNA(アクティブモチーフ(ActiveMotif))、及び/または、「ロックされたヌクレオチド」である少なくとも1つのヌクレオチドを有し、かつ長さが14〜30ヌクレオチド、好ましくは15〜22ヌクレオチドであるLNA(オペロン(Operon)、ドイツ、コロン(Cologne))である。
特異的な標的配列の配列特異的遮断のために単一分子を使用する代わりとして、1つ以上の特異的な標的配列内の種々の領域に相補的な複数の分子を使用することも可能である。分子が異なる標的RNAまたは標的cDNAの相同領域に相補的である場合、複数の異なる標的RNAまたは標的cDNAに対する配列特異的遮断のために、単一分子を用いることも有利である可能性がある。
配列特異的遮断に使用される分子種が、例えば核酸重合(例えば、RT)を防ぐために使用される場合、この分子種は、分子種自身がプライマーとして作用し、その結果分子種の3'末端で始まる伸長を誘発することを防ぐように、3'末端を修飾(例えば、アセチル化、ホスホリル化、カルボキシル化、または他の好適な修飾)しなければならない。本発明の代替の態様において、RNAの標識化は、RNAと堅固に結合する分子とのハイブリッド形成によって阻止される。
標的配列の遮断の代替として、既に上記で述べたように、特定の分子種を使用して、特定の望ましくない、または、望まれないmRNAを配列特異的に開裂することも可能である。この目的のために、例えば、DNAザイム、リボザイム、特に、ハンマーヘッド型リボザイム及び/またはヘアピン型リボザイム等の分子種を使用してもよい。これらの分子は、好ましくは、望ましくないRNAの3'-領域を狙うものであり、逆転写が実施される前に加えられる。本発明のこの態様のために、RNAまたはRNA誘導体から成るリボザイム、または、そのようなリボザイムの融合産物を使用してもよい。このリボザイムに相補的な配列は、好ましくは長さが12〜30ヌクレオチドであり、非常に好ましくは長さが15〜25ヌクレオチドである。
有利には、望ましくないmRNA、特に本発明に従ってグロビン配列の逆転写または増幅を選択的に抑制または遮断するための分子種として、以下に列挙する配列を有する1つ以上のDNA-オリゴヌクレオチド、PNA及び/またはLNAが使用される。
前記分子種がDNA-オリゴヌクレオチドであり、かつ前記グロビン-mRNAがα1-グロビン-mRNA及び/またはα2-グロビン-mRNAである場合、本発明に従ってグロビン-mRNAの逆転写を遮断するDNA-オリゴヌクレオチドは、ヒトα1-グロビン-mRNA及び/またはα2-グロビン-mRNAに相補的な、以下の中から選択される配列を含む。
α_473: 5´CTC CAG CTT AAC GGT -リン酸基-3'
α_465: 5´TAA CGG TAT TTG GAG -リン酸基-3'
α_465_ロング: 5´ TAA CGG TAT TTG GAG GTC AGC ACG GTG CTC -リン酸基- 3'
前記分子種がDNA-オリゴヌクレオチドであり、かつ前記グロビン-mRNAがβグロビン-mRNAである場合、このDNA-オリゴヌクレオチドは、本発明に従ってグロビン-mRNAの逆転写を遮断するため、ヒトβグロビン-mRNAに相補的な、以下の中から選択される配列を含む。
β_554: 5´GTA GTT GGA CTT AGG -リン酸基-3´
β_594: 5´ATC CAG ATG CTC AAG -リン酸基-3´
β_554_ロング: 5´GTA GTT GGA CTT AGG GAA CAA AGG AAC CTT -リン酸基-3´
前記分子種がPNAであり、かつ前記グロビン-mRNAがα1-グロビン-mRNA及び/またはα2-グロビン-mRNAである場合、このPNAは、本発明に従ってグロビン-mRNAの逆転写を遮断するため、ヒトα1-グロビン-mRNA及び/またはα2-グロビン-mRNAに相補的な、以下の中から選択される配列を含む。
α_473: N- CTC CAG CTT AAC GGT -C*
α_465: N- TAA CGG TAT TTG GAG -C*
α_363: N- GTC ACC AGC AGG CA -C*
α_393: N- GTG AAC TCG GCG -C*
α_473**: N- TGG CAA TTC GAC CTC -C*
α_465**: N- GAG GTT TAT GGC AAT -C*
α_363**: N- ACG GAC GAC CAC TG -C*
α_393**: N- GCG GCT CAA GTG -C*
前記分子種がPNAであり、かつ前記グロビン-mRNAがβグロビン-mRNAである場合、このPNAは、本発明に従ってグロビン-mRNAの逆転写を遮断するため、ヒトβグロビン-mRNAに相補的な、以下の中から選択される配列を含む。
β-554: N- GTA GTT GGA CTT AGG -C*
β-594: N- ATC CAG ATG CTC AAG -C*
β-539: N- CCC CAG TTT AGT AGT -C*
β-541: N- CAG TTT AGT AGT TGG -C*
β-579: N- GCC CTT CAT AAT ATC -C*
β-554**: N- GGA TTC AGG TTG ATG -C*
β-594**: N- GAA CTC GAT GAC CTA -C*
β-539**: N- TGA TGA TTT GAC CCC -C*
β-541**: N- GGT TGA TGA TTT GAC -C*
β-579**: N- CTA TAA TAC TTC CCG -C*
ここでNはオリゴマーのアミノ末端を示し、C* はオリゴマーのカルボキシ末端を示し、(**)を付した配列は、前記配列と逆方向のものである。
前記分子種がLNAであり、このLNAが「ロックされたヌクレオチド」である少なくとも1つのヌクレオチドを含み、かつ前記グロビン-mRNAがα1-グロビン-mRNA及び/またはα2-グロビン-mRNAである場合、このLNAは、本発明に従ってグロビン-mRNAの逆転写を遮断するため、ヒトα1-グロビン-mRNA及び/またはα2-グロビン-mRNAに相補的な、以下の中から選択される配列を含む。
α_473: 5´CTC CAG CTT AAC GGT -オクタンジオール-3´
α_465: 5´TAA CGG TAT TTG GAG -オクタンジオール-3´
α_363: 5´ GTC ACC AGC AGG CA -オクタンジオール-3´
α_393: 5´ GTG AAC TCG GCG -オクタンジオール-3´
前記分子種がLNAであり、このLNAが「ロックされたヌクレオチド」である少なくとも1つのヌクレオチドを含み、かつ前記グロビン-mRNAがβグロビン-mRNAである場合、このLNAは、本発明に従ってグロビン-mRNAの逆転写を遮断するため、ヒトβグロビン-mRNAに相補的な、以下の中から選択される配列を含む。
β-554: 5´ GTA GTT GGA CTT AGG -オクタンジオール-3´
β-594: 5´ ATC CAG ATG CTC AAG -オクタンジオール-3´
β-539: 5´ CCC CAG TTT AGT AGT -オクタンジオール-3´
β-541: 5´ CAG TTT AGT AGT TGG -オクタンジオール-3´
β-579: 5´ GCC CTT CAT AAT ATC -オクタンジオール-3´
上述のLNA配列において、オリゴヌクレオチド中のいくつかまたは全ての位置は、いわゆる「ロックされたヌクレオチド」で置換してもよい。これらの「ロックされたヌクレオチド」は、主に酵素的には非分解性のヌクレオチドであるが、このヌクレオチドにはフリーの3'-OH末端がないので、出発分子として作用することはできない。
過剰に発現された転写物を高比率で含むRNA調製品(例えば、グロビン-mRNA転写物)が、上述の分子種の存在下で逆転写される場合、及び/または、逆転写産物が増幅される場合(好ましくは、インビトロの転写により、任意にその後のDNase消化及びcRNA精製を行う)、及び/または、本発明の少なくとも1回の洗浄工程が実施される場合、有利には、RT産物またはそれらから生じる増幅産物は無く、このことは、発現レベルが低いかまたはより低い転写物の、遺伝子発現解析の感受性を実質的に上げることができることを意味する。
高度に発現した転写物より生ずるRT産物及び/または高度に発現した転写物のRT産物の増幅産物でアレイとハイブリダイゼーションするものは無く、従って、アレイ解析におけるシグナル強度の低下及び付随する感度の損失が避けられるので、特に、アレイに基づく遺伝子発現解析において、本発明の方法で得られるcRNA及び/またはcDNAの使用は非常に有利である。
次に、以下に述べる実施例によって、添付の図面及び具体例を参照して、本発明をより完全に説明する。
実施例1:
パックスジーン(PAXgene)血液RNA単離キット(プレアナリティック(PreAnalytix)、スイス、ホンブレフチコン(Hombrechticon))を用いて、ヒト全血からRNAを単離した。次に、アフィメトリックス(Affymetrix)U133Aジーンチップス(GeneChips)を用いて、遺伝子発現解析を実施した。目的物の調製は、アフィメトリックス・ジーンチップ(Affymetrix GeneChip)解析のための「発現解析技術マニュアル(Expression Analysis Technical Manual)」(アフィメトリックス(Affymetrix)、米国、サンタクララ(Santa Clara))に従って実施した。しかしながら、2つの実験において、2つの異なる逆転写酵素を使用した。
実験1:逆転写酵素としてスーパースクリプト(Superscript)II RT(インビトロジェン(Invitrogen))を用い、アフィメトリックスの「発現解析技術マニュアル」に従って実施。
実験2:同様にアフィメトリックスの「発現解析技術マニュアル」に従って実施するが、逆転写酵素として、ラベルスター(LabelStar)RT(キアゲン(QIAGEN)社、ドイツ、ヒルデン(Hilden))、1μlを使用。さらに、cDNA第二鎖合成のために、ラベルスターRTに属する反応緩衝液を使用した。
各実験で、単離したRNA6μgが、オリゴ-dT-T7プライマー(オペロン(Operon)、ドイツ、コロン(Cologne))から開始して逆転写された。cDNA第二鎖合成及びジーンチップ解析のための試料調製の他の全ての工程も、アフィメトリックスの「発現解析技術マニュアル」中の指示に従って実施し、2つの異なる実験標本を同様の方法で処理した。次に、試料をアフィメトリックスU133Aジーンチップスでハイブリッド化した。2つの実験結果を比較するため、2つのアレイを同一のシグナル強度TGT=1000で測定した。
次に、ジーンチップ・サンプル・クリーンアップ・モジュール(GeneChip Sample Cleanup Modules)AHxのcDNA精製を用い、製造元の技術マニュアルに従って、2例の調製を完了した(さらなる情報については実施例12を参照)。
下記の表1に記載された結果は、ラベルスター逆転写酵素(cDNA合成を特異的に開始)を用いることによって、ジーンチップ上に「存在する」と評価される遺伝子の比率が34.7%から39%に上昇したことを示す(上昇率12%)。
表1:異なる逆転写酵素を用いたU133Aジーンチップスについてのジーンチップ解析の結果
cDNAの第一鎖合成のためのラベルスター逆転写酵素を用いることによって、リボゾームRNA転写物(18S rRNA及び28S rRNA)のシグナル強度を急激に減じることが可能であった。従って、逆転写酵素としてラベルスターRTを用いたプライミングは実質的にmRNAにより特異的である。
このrRNAの除去により倍率が低下し、アレイ上の「存在判定」の割合が高くなる。(ラベルスターRT逆転写酵素を用いた試料の倍率は、スーパースクリプトを用いて逆転写した試料より約50%低い。)
実施例2
ヒト全血からRNAを単離した。続いて、cDNA合成を、オリゴ-dT-T7プライマーから開始する2つの異なる逆転写酵素(スーパースクリプト(SuperScript)RT及びラベルスター(LabelStar)RT)を用いて、実施例1と同様に実施した。次に、cDNAの第二鎖合成を、異なる標本に対し同一の条件下で実施した。反応物の精製後、IVTを実施し、続いてDNase消化を含むcRNAの精製を行った。DNase消化によって、続くcRNAのタックマン(TaqMan)RT-PCR解析(キアゲン(QIAGEN)社、ドイツ、ヒルデン(Hilden))において、産生されたRNAのみが測定され、混在するcDNAは測定されないことが確実になる。
次に、2つの異なるタックマンRT-PCR解析を実施した:
-18S rRNAの定量
-p16 mRNA(全mRNA転写物の代表)の定量
ラベルスターRTを使用した場合、18S rRNAの測定量は、スーパースクリプトを使用した場合に比べ、約8倍低いことがわかった。一方、p16 mRNAの測定量は、両逆転写酵素で同程度である。
このことから、ラベルスターRTを使用することによって、rRNAは特異的に除去され、一方mRNA転写物は同等の効率で逆転写されることが明らかである。
実施例3:
パックスジーン(PAXgene)血液RNAシステム(プレアナリティック(PreAnalytix)、スイス、ホンブレフチコン(Hombrechticon))を用いて、実施例1と同様に、血液ドナーのRNAを単離した。続く、アフィメトリックス・ジーンチップ(Affymetrix GeneChip)解析のための調製において、アフィメトリックス(Affymetrix)の「発現解析技術マニュアル(Expression Analysis Technical Manual)」(標準法)に従って、アフィメトリックス・ターゲット(Affymetrix Target)の調製を実施した。この調製は、cDNAプライマーのアニーリングの間、条件を変える第二の調製と比較した。
cDNAプライマーのアニーリング条件:
-標準法:
70℃で10分間インキュベート
氷上で急速に冷却
その後、42℃でcDNA合成
-比較法:
70℃で10分間インキュベート
45℃で5分間インキュベート
42℃で2分間インキュベート
その後、42℃でcDNA合成
続くアフィメトリックスU133Aジーンチップス(Gene Chips)でのジーンチップ解析によって、表2に示す下記の結果が得られた。
(TGTに対するシグナル強度の倍率=1000):
表2:U133Aジーンチップスでのジーンチップ解析の結果
cDNAプライマーを添加する間の条件を変えることにより、リボソームRNAのシグナル強度が低下する。
実施例4:
パックスジーン(PAXgene)血液RNAシステム(プレアナリティック(PreAnalytix)、スイス、ホンブレフチコン(Hombrechticon))を用いて、実施例1と同様に、血液ドナーのRNAを単離した。グロビン転写物(mRNA)の逆転写を遮断するために、グロビン転写物の3'-領域に相補的な、以下のPNA-配列(PEバイオシステムズ(Biosystems))を添加した。
ヒトα1-グロビン-mRNA及びα2-グロビン-mRNAに相補的な、PNA-配列:
α_465: N- TAA CGG TAT TTG GAG -C*
ヒトβグロビン-mRNAに相補的な、PNA-配列:
β_554: N- GTA GTT GGA CTT AGG -C*
各混合物の、RNA 5μgを逆転写に用いた。cDNA合成を、技術マニュアル(アフィメトリックス(Affymetrix)、「発現解析技術マニュアル(Expression Analysis Technical Manual)」)の製造元の指示に従って実施し、追加的に、上述のα及びβグロビン転写物に相補的なPNA配列を添加した。cDNA合成の開始前に、2つのPNA(α_465及びβ_554)及びプライマーを、慣用のcDNA合成反応緩衝液(スーパースクリプト(Superscript)RTの緩衝液、インビトロジェン(Invitrogen))中、70℃で10分間、その後42℃で5分間インキュベートした。逆転写酵素の添加前に、PNAを、最終濃度0.001μM、0.01μM、0.1μM、1.0μM及び10μMになるように添加した。その後、RTに必要な他の成分全て(さらなる反応緩衝液、ヌクレオチド、ジチオトレイトール(DTT)及び逆転写酵素等)を添加し、試料を42℃で1時間インキュベートした。cDNA二重鎖合成及びインビトロの転写及びcRNA精製は全てアフィメトリックスの「発現解析技術マニュアル」における製造元の指示に従って実施した。比較試料またはPNAを含まない対照試料を同様の方法で処理した。
cRNAの精製後、アギレント(Agilent)2100バイオアナライザー(Bioanalyzer)(アギレント、ドイツ、ベブリンゲン(Boblingen))を使用して、試料を解析した。対応する結果は図1及び図2からわかる。図は、cRNA産生に対するα_465及びβ_554PNAの影響を示し、さらに、α及びβグロビン転写物に相補的なPNAオリゴマーを添加することによって、アギレント2100バイオアナライザーで解析した際に明確なバンドを産生するcRNA断片が減少することが明らかである。これらのcRNA断片は、出発材料(全血)のグロビン転写物(mRNA)から産生された。減少の程度は、PNAの濃度に依存する。
実施例5:
パックスジーン(PAXgene)血液RNAシステム(プレアナリティック(PreAnalytix)、スイス、ホンブレフチコン(Hombrechticon))を用いて、ヒト全血(赤血球の溶解なし)から、実施例1と同様に、血液ドナーのRNAを単離した。各バッチより1.7μgのRNAを逆転写に用いた。cDNA合成は、逆転写酵素オムニスクリプト(Omniscript)(キアゲン(QIAGEN)社、ドイツ、ヒルデン(Hilden))を用い、製造元の指示に従って(37℃の代わりに42℃でRTを実施したことを除く)実施した。cDNA合成は、T7-オリゴ-dT24プライマー(オペロン(Operon)、ドイツ、コロン(Cologne))で開始した。逆転写酵素を添加する前に、PNA(配列は下記参照)を、最終濃度が0.5μM、1.0μM及び1.5μMになるように添加し、混合物を最初に70℃で10分間、その後37℃で5分間、インキュベートした。次に、逆転写酵素を添加し、試料を42℃で1時間インキュベートした。比較試料またはPNAを添加しない対照試料を同様に処理した。
cDNA合成に続き、α及びβグロビンcDNAの量を標準系列を用いて定量化した、タックマン(TaqMan)-PCR反応を実施した。
α1-グロビンcDNA転写物及びα2-グロビンcDNA転写物の増幅には、同一のプライマーを使用した。Α及びβグロビン転写物の逆転写を遮断するため、以下のPNA配列を使用した。
ヒトα1-グロビン-mRNA及びα2-グロビン-mRNAに相補的な配列:
α_473: N- CTC CAG CTT AAC GGT -C*
α_465: N- TAA CGG TAT TTG GAG -C*
ヒトβグロビン-mRNAに相補的な配列:
β_554: N- GTA GTT GGA CTT AGG -C*
β_594: N- ATC CAG ATG CTC AAG -C*
表3:2工程RT-PCR反応に対するα及びβグロビンに相補的なPNAの影響
表3に記載された結果は、PNAα_473及び/またはα_465の使用によって、αグロビン転写物のcDNA量が95%より多く低下することを表す。βグロビンの転写レベルは、PNAの最終濃度が0.5μM以下で、PNAα_473を使用する場合に、影響を受けない。
PNAβ_554及びβ_594を使用することによって、βグロビンのcDNA量が約99%または80%減少する。これらのPNAを最終濃度0.5μMで使用する場合、αグロビンの転写レベルは影響を受けない。
実施例6:
パックスジーン(PAXgene)血液RNAシステム(プレアナリティック(PreAnalytix)、スイス、ホンブレフチコン(Hombrechticon))を用いて、2例の異なる血液ドナーよりRNAを単離した。続く、アフィメトリックス(Affymetrix)U133Aジーンチップを用いた遺伝子発現解析のため、両ドナーからのRNA試料のターゲット調製を、以下の方法で実施した。
1.標準法(アリメトリックス発現解析技術マニュアル(Affymetrix Expression Analysis Technical Manual)に従う)
2.グロビンの逆転写を遮断するためのPNAを使用したターゲット調製:
標準法と比較して、PNAを使用した混合物を用い、方法を下記ように変えて実施した:
cDNA合成の前に、PNAを、T7-オリゴ(dT)24プライマー(オペロン(Operon)、ドイツ、コロン(Cologne))と共に、RNA中にピペットで加えた。プライマーとPNAをRNAに添加するために、多数のインキュベート工程を実施した(70℃で10分;45度で5分;42℃で2分)。その他の工程は全て標準法と同様に実施した。異なるPNAの組み合わせ及びPNA濃度を用いた混合物を互いに比較した。
単離した全RNA調製品のそれぞれについて、以下のPNAの組み合わせ及びPNA最終濃度を用いた(アニーリング反応中):
表4:PNAの組み合わせ及び最終濃度
ターゲット調製が完了した後、アフィメトリックス(Affymetrix)U133Aアレイを用いて、遺伝子発現解析を実施した。評価のため、全てのアレイデータはシグナル強度TGT=500の縮尺比とした。
表5:アフィメトリックスU133Aアレイによる遺伝子発現解析完了後の、全アレイデータの評価
PNAを使用することによって、アレイのグロビンシグナル強度を40〜60%低下させることが可能であった。さらに、アレイに「存在する」と評価される遺伝子の比率が、約32%から約43%に増加した。
実施例7:
パックスジーン(PAXgene)血液RNAシステム(プレアナリティック(PreAnalytix)、スイス、ホンブレフチコン(Hombrechticon))を用いて、ヒト全血よりRNAを単離した。続く、アフィメトリックス(Affymetrix)ジーンチップ(GeneChip)解析のためのターゲット調製の間、αグロビン-mRNAのcDNA合成を遮断するため、PNAオリゴヌクレオチドα_465を用いた。PNAをグロビンmRNA転写物に添加する間、2つの異なる条件を互いに比較した。
−水中に、出発材料のRNA、T7-オリゴ(dT)24プライマー及びPNAオリゴヌクレオチドを存在させた。
−3.5mM (NH4)2SO4 中に、出発材料のRNA、T7-オリゴ(dT)24プライマー及びPNAオリゴヌクレオチドを存在させた。
続く、アフィメトリックスU133Aアレイを使用するジーンチップ解析によって、硫酸アンモニウムの存在下でのPNA オリゴヌクレオチドの添加が、「存在判定」を40.7%から42.8%に増加させることが示された。
実施例8:
ジャーカット細胞(細胞系;急性リンパ芽球性白血病)からRNAを単離した。α-1-グロビン、α-2-グロビン及びβグロビンmRNA配列に対応するインビトロの転写物を、このRNAにスパイクした。これらのインビトロ転写物は、3'末端にポリA配列を持ち、その結果、自然発生のmRNA転写物のように、T7-オリゴ(dT)24プライマーでプライミングすることによって、cDNA中に転写することができた。3つの異なる混合物を互いに比較した。
1.ジャーカット RNA
2.スパイクされたグロビンインビトロ転写物を有するジャーカットRNA
3.グロビンcDNA合成を遮断するため、ペプチド核酸(PNA)を使用した、スパイクされたグロビンインビトロ転写物を有するジャーカットRNA
第三の反応混合物中に使用されるPNA:
PNA α_465、最終濃度(PNA添加の間)300μM
PNA β_594、最終濃度(PNA添加の間)1μM
PNA β_579、最終濃度(PNA添加の間)1μM
PNA β_554、最終濃度(PNA添加の間)1μM
アリメトリックス「発現解析技術マニュアル(Expression Analysis Technical Manual)」の指示に従って、これらの異なる試料をターゲット調製に付し、アフィメトリックスU133Aアレイを用いてジーンチップ(GeneChip)解析を実施した。標準法と対比して、PNAを使用した混合物中で、方法を以下のように変更した:
cDNA合成の前に、PNAを、T7-オリゴ(dT)24プライマーと共に、RNA中にピペットで加えた。プライマーとPNAを添加するために、多数のインキュベート工程を実施した(70℃で10分;45℃で5分;42℃で2分)。他の工程は全て、標準法と同様に実施した。
表6:ジーンチップ解析の結果
PNAを使用して、グロビンmRNA転写物のシグナル強度を40〜60%低下させることが可能であった。PNAオリゴヌクレオチドを使用することによって、アレイに「存在する」と評価される遺伝子の比率が、グロビンのインビトロ転写物が添加される(インビトロ転写物を含まないジャーカットRNA)試料において、元来の量に戻ると思われる。
グロビンmRNAsのシグナルは、PNAオリゴヌクレオチドを使用することによって全部は抑制されなかったが、グロビンのシグナル強度の低下は、「存在判定」の割合を元来のレベルに上げるのに充分であった。
図3は、ジャーカットRNAのみを用いた試料のシグナル強度の、グロビンのインビトロ転写物を添加したジャーカットRNAをPNAを用いて解析した試料のシグナル強度との相関関係を示す。この図中、グロビン-mRNA転写物を記載する遺伝子は、解析から除外された。
シグナル強度の相関係数は0.9847である。この値は、PNAの使用が、アレイ上に現れる他の転写物に対し、非特異的な影響を全く及ぼさなかったことを示す。
実施例9:
実施例8に記載した実験を、PNA オリゴヌクレオチドの濃度を変えて繰り返した。このため、オリゴヌクレオチドPNAα_465の濃度は、グロビン-mRNAに添加する間、倍の600nMであった。
表7:グロビンインビトロ転写物に対する、PNAオリゴヌクレオチドの使用による影響
これらの条件下でも、グロビンインビトロ転写物の陰性の効果は、PNAオリゴヌクレオチドの使用によって反転することができる。
実施例10:
HeLa細胞から全RNAを単離した。この全RNAの、濃度2.14μg/μlの4つの試料を42ng/μlのcDNA(HeLa細胞の全RNAより製造)と合わせ、スーパースクリプト(Superscript)ds-cDNAキット(キアゲン(QIAGEN)社、ドイツ、ヒルデン(Hilden))の結合緩衝液と混合し、RT及び二重鎖cDNA合成に付した。
酵素反応を実施した後、試料をシリカスピンカラム(ミンエリュート・クリーンアップ・キット(MinElute Cleanup Kit)、キアゲン社、ドイツ、ヒルデン)で精製した。試料は異なる洗浄条件で処理した。試料1及び2は、製造元が指定する精製方法に従って精製した。試料3及び4も最初は製造元が指定する精製方法に従って精製したが、シリカスピンカラムに適用した後、または、エタノールを含有する洗浄緩衝液で洗浄する前に、試料は700μlの洗浄緩衝液1(3.5Mイソチオシアン酸グアニジン、25mMクエン酸ナトリウムを含有、pH7.0)での追加的洗浄工程でも洗浄した。
精製された核酸を溶出した後、p16 RNA(RNA検出に特異的)についての各RT-PCR解析(タックマン(TaqMan)解析、キアゲン社、ドイツ、ヒルデン)において、RNA量を定量した(図4参照)。
加えて、溶出物中の1本鎖cDNAの量を、異なる洗浄条件下で定量した(図5参照)。これは、p16 cDNAを検出するためのタックマンPCRシステムを使用して行った。
図4及び図5の結果は、本発明による洗浄緩衝液を用いた追加的洗浄工程によって、1本鎖核酸(RNA及びcDNA)が非常に効率的に除去されることを示す。
実施例11:
実施例10で記載したように、5μgのゲノム二重鎖核酸(dsDNA)及び5μgの一重鎖核酸(RNA)-HeLa細胞より単離-を合わせた。カオトロープ及びアルコールの存在下でシリカ膜に結合させた後(ミンエリュート(MinElute)キット、キアゲン(QIAGEN)社、ドイツ、ヒルデン(Hilden))、試料を、溶出(洗浄)前に、2組の異なる条件下で洗浄した。
a)ミンエリュート・キット(キアゲン社、ドイツ、ヒルデン)の製造元の指示に従って、エタノールを含有する洗浄緩衝液で洗浄。
b)ミンエリュート・キット(キアゲン社、ドイツ、ヒルデン)の製造元の指示に従って、エタノールを含有する洗浄緩衝液で洗浄する前に、700μlの洗浄緩衝液1(3.5Mイソチオシアン酸グアニジン及び25mMクエン酸ナトリウム、pH7.0)で予備洗浄。
試料は、変性したホルムアルデヒドアガロースゲルで分析した(洗浄前後)。図6のデータは、カオトロピック塩を含有する洗浄緩衝液による追加的洗浄工程で処理した試料において、RNAが効率的に除去され、一方でゲノムDNAは保持されることを明確に示す。
実施例12:
実施例1と同様に、ここでもパックスジーン(PAXgene)血液RNA(キアゲン(QIAGEN)社、ドイツ、ヒルデン(Hilden))を用いて、ヒト全血からRNAを単離した。アフィメトリックス(Affymetrix)の「発現解析技術マニュアル(Expression Analysis Technical Manual)」に従って、各例で単離したRNA 6μgを用いて、アフィメトリックス・ジーンチップ(Affymetrix GeneChip)解析のためのターゲット調製を実施した。cDNA合成をオリゴdT-T7プライマーで開始した。その後、第二鎖cDNA合成を実施した。核酸をシリカスピンカラムに結合させた後、得られた混合物を、ミンエリュート(MinElute)クリーンアップ・キット(キアゲン社、ドイツ、ヒルデン)を使用した2つの異なる方法で洗浄または精製した。
a)ミンエリュート・キットの製造元の指示に従って、シリカスピンカラムで洗浄、追加的洗浄工程なし
b)ミンエリュート・キットの製造元の指示に従って、エタノールを含有する洗浄緩衝液で洗浄する前に、洗浄緩衝液1(3.5Mイソチオシアン酸グアニジン及び25mMクエン酸ナトリウム、pH7.0)での追加的洗浄工程を含む、シリカスピンカラムでの洗浄
その後、精製されたcDNAは、インビトロの転写反応において、cRNA中に転写され、ビオチン化ヌクレオチドは全て取り込まれた。試料は、アフィメトリックス(Affymetrix)の「発現解析技術マニュアル(Expression Analysis Technical Manual)」に記載された通りに精製し、断片化し、U133Aジーンチップでハイブリッド化した。
異なる類似のアレイについて結果を得るために、試料の平均シグナル強度を、倍率(TGT=10000)に拡大した。ジーンチップ(GeneChip)解析の結果は、下記の表に見ることができる。
表8:異なる方法で精製されたターゲット試料を用いた、U133Aジーンチップでのジーンチップ解析の結果
追加的洗浄工程−及び、それによる二重鎖合成後の一重鎖RNA及びcDNAの除去−によって、ジーンチップの「存在判定」の比率が34.7%から38.2%に(10%)上昇した。追加的洗浄工程を用いない試料の倍率は、追加的洗浄工程で処理された試料より、約33%高い。このことは、追加的洗浄工程で処理された試料でハイブリッド化されたジーンチップは、全体としてシグナル強度が高くなることを示す。
図1は、cRNA産生に対する、異なる最終濃度のα_465及びβ_554PNAの影響を、アギレント(Agilent)2100バイオアナライザー(Bioanalyzer)及びゲルによるcRNA解析のグラフとして示す。バンドL:標準サイズのRNAバンド1:各例においてPNA最終濃度10μMで産生されたcRNAバンド2: 各例においてPNA最終濃度1.0μMで産生されたcRNAバンド3: 各例においてPNA最終濃度0.1μMで産生されたcRNAバンド4: 各例においてPNA最終濃度0.01μMで産生されたcRNAバンド5: 各例においてPNA最終濃度0.001μMで産生されたcRNAバンド11:PNAを添加せず、産生されたcRNA(比較試料) 図2は、異なる最終濃度のα_465及びβ_554PNAの、cRNA産生に対する影響を示す。アギレント(Agilent)2100バイオアナライザー(Bioanalyzer)におけるcRNA解析の電気泳動の表示として示す。曲線は、青緑色(1):PNAを添加せず、産生されたcRNA(比較試料)黄色(2):各例においてPNA最終濃度0.001μMで産生されたcRNAピンク(3):各例においてPNA最終濃度0.01μMで産生されたcRNA茶色(4):各例においてPNA最終濃度0.1μMで産生されたcRNA暗青色(5):各例においてPNA最終濃度1.0μMで産生されたcRNA緑色(6):各例においてPNA最終濃度10μMで産生されたcRNA 図3は、ジャーカットRNAのみを用いた試料のシグナル強度と、グロビンインビトロ転写物を添加して解析したジャーカットRNAの試料のシグナル強度との相関を示す。 図4は、異なる洗浄条件下における精製前後の試料中のRNAの量を示す。 図5は、異なる洗浄条件下における精製前後の試料中の1本鎖cDNAの量を示す。 図6は、ホルムアルデヒド-アガロースゲルにおける(異なる洗浄条件下における)精製前後のRNA及びgDNAの存在を示す。図中、バンド1:ゲノムDNA(精製前);バンド2:RNA(精製前);バンド3:RNAと混合したゲノムDNA(精製前);バンド4及び5:RNAと混合したゲノムDNA(精製後);(精製は、エタノールを含む洗浄緩衝液を用い、標準的な条件下で実施した)バンド6及び7:RNAと混合したゲノムDNA(精製後);(精製は、カオトロピック塩を含む洗浄緩衝液1を用いた追加的洗浄工程を有する、標準的な条件下で実施した)

Claims (53)

  1. 生体試料または酵素反応由来の(A)タイプの核酸プールの、逆転写、及び/または、逆転写産物の増幅のための方法であって、少なくとも1つの望ましくない(A)タイプの核酸の逆転写を選択的に抑制すること、及び/または、少なくとも1つの望ましくない(A)タイプの核酸の逆転写産物の増幅を選択的に抑制することを特徴とする方法。
  2. 前記(A)タイプの核酸がmRNAであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記望ましくない(A)タイプの核酸がmRNAであり、このmRNAの割合が全mRNAの20%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 下記の工程:
    a)生体試料または酵素反応由来のRNAの逆転写反応を、少なくとも1つのオリゴ-dTプライマーの存在下で実施する工程、
    b)任意に工程a)の後、cDNAの第二鎖合成を実施する工程、
    c)任意に工程b)の後、工程b)の反応産物由来の全ての1本鎖の核酸を同時に除去しながら、ds-cDNAを精製する工程、
    d)任意に工程a)及び/または工程b)及び/または工程c)の後、cDNAの増幅を実施する工程
    を含む、請求項2〜3のうちの1項に記載の方法。
  5. 工程a)及び/または工程d)を、少なくとも1つの望ましくないmRNAの逆転写を選択的に抑制するための、少なくとも1つの分子種の存在下で実施し、該分子種は前記望ましくないmRNAの逆転写を防止すること、及び/または、工程a)及び/または工程d)を、少なくとも1つの望ましくないmRNAの逆転写産物の増幅を選択的に抑制するための、少なくとも1つの分子種の存在下で実施し、前記分子種は、前記望ましくないmRNAより製造される1本鎖または2本鎖のcDNAの増幅を防止することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記逆転写反応において、固有のRNaseH活性を有する逆転写酵素を使用することを特徴とする、請求項1〜5のうちの1項に記載の方法。
  7. 前記生体試料が全血、筋肉組織または神経組織であるか、または全血、筋肉組織または神経組織が混入した試料であることを特徴とする、請求項1〜6のうちの1項に記載の方法。
  8. 前記生体試料が全血であり、該全血が安定剤中に採血及び/または保存されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 前記安定剤が血液サンプル瓶に含まれ、血液が、採血後即座に安定剤中に移されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 前記安定剤が、有機酸の存在下、テトラアルキルアンモニウム塩を含有することを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記安定剤が、少なくとも1つのグアニジン化合物、緩衝物質、還元剤及び界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
  12. 前記生体試料が全血であり、前記望ましくない(A)タイプの核酸がグロビン-mRNAであることを特徴とする、請求項1〜11のうちの1項に記載の方法。
  13. 工程c)においてds-cDNAを精製するために、最初に、工程b)で得られた全ての核酸及び/または任意の工程d)で得られた全ての核酸が全体としてシリカ充填剤に結合し、その後、該シリカ充填剤をグアニジン含有洗浄緩衝液で洗浄して1本鎖核酸を除去することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  14. 使用される前記シリカ充填剤が、1つ以上のシリカ膜またはシリカ粒子、特に磁性シリカ粒子から成ることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 前記グアニジン含有洗浄緩衝液が、イソチオシアン酸グアニジン及び/またはチオシアン酸グアニジンを、1M〜7M、好ましくは2.5M〜6M、特に好ましくは3M〜5.7Mの濃度で含有することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  16. 前記グアニジン含有洗浄緩衝液が、塩酸グアニジンを、4M〜9M、好ましくは5M〜8Mの濃度で含有することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  17. 前記分子種が、前記mRNAまたは前記cDNA鎖の1本に相補的な、DNAオリゴヌクレオチド及び/またはRNAオリゴヌクレオチドであるか、またはDNA及び/またはRNA誘導体由来の対応するオリゴヌクレオチドであるか、または修飾または合成されたヌクレオチド、消光剤または蛍光プローブを含有する、対応するDNA及び/またはRNAオリゴヌクレオチドであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  18. 前記分子種の長さが、10〜60ヌクレオチド、好ましくは12〜30ヌクレオチドであることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 前記分子種が、前記mRNAまたは前記cDNA鎖のうちの1本に相補的な核酸アナログであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  20. 前記核酸アナログがPNA、LNAまたはGripNAであることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. 前記PNAの長さが12〜20ヌクレオチドアナログ、好ましくは13〜16ヌクレオチドアナログであることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
  22. 前記LNAが、「ロックされたヌクレオチド」である少なくとも1つのヌクレオチドを含み、かつ該LNAの長さが14〜30ヌクレオチド、好ましくは15〜22ヌクレオチドであることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
  23. 前記GripNAの長さが12〜30ヌクレオチドアナログ、好ましくは14〜20ヌクレオチドアナログであることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
  24. 前記分子種が前記mRNAまたは前記cDNA鎖のうちの一本の3'領域に結合することを特徴とする、請求項17〜23のうちの1項に記載の方法。
  25. 1つ以上の特異的なmRNA、または1つ以上の特異的なcDNAの少なくとも一本の鎖の異なる領域に相補的な、多数の分子種を使用することを特徴とする、請求項5及び17〜24のうちの1項に記載の方法。
  26. 異なるmRNAまたはcDNAの相同領域に相補的な、少なくとも1つの分子種を使用することを特徴とする、請求項5及び17〜24のうちの1項に記載の方法。
  27. 前記分子種が、延長が該分子種の3'末端で開始されることを防止する修飾をその3'末端に有することを特徴とする、請求項5及び17〜24のうちの1項に記載の方法。
  28. 前記分子種がリボザイムであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  29. 前記分子種が、ハンマーヘッド型リボザイムまたはヘアピン型リボザイムであることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
  30. 前記リボザイムがRNAまたはRNA誘導体からなるか、またはそのようなリボザイムの融合産物を具現化することを特徴とする、請求項28または29に記載の方法。
  31. 前記望ましくないmRNAまたはcDNAに相補的なリボザイムの配列の長さが、12〜30ヌクレオチド、好ましくは15〜25ヌクレオチドであることを特徴とする、請求項28〜30のうちの1項に記載の方法。
  32. 前記分子種がDNAzymeであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  33. 前記分子種がDNAオリゴヌクレオチドであり、前記グロビン-mRNAが、α1グロビン-mRNA及び/またはα2グロビン-mRNAを具現化し、前記DNAオリゴヌクレオチドが
    a)5' CTC CAG CTT AAC GGT - リン酸基 - 3'
    b)5' TAA CGG TAT TTG GAG - リン酸基 - 3'
    c)5' TAA CGG TAT TTG GAG GTC AGC ACG GTG CTC - リン酸基 - 3'
    の中から選択される配列を含むことを特徴とする、請求項5、12及び17のうちの1項に記載の方法。
  34. 前記分子種がDNAオリゴヌクレオチドであり、前記グロビン-mRNAが、βグロビン-mRNAを具現化し、前記DNA-オリゴヌクレオチドが
    a)5' GTA GTT GGA CTT AGG - リン酸基 - 3'
    b)5' ATC CAG ATG CTC AAG - リン酸基 - 3'
    c)5' GTA GTT GGA CTT AGG GAA CAA AGG AAC CTT - リン酸基 - 3'
    の中から選択される配列を含むことを特徴とする、請求項5、12及び17のうちの1項に記載の方法。
  35. 前記分子種がPNAであり、前記グロビン-mRNAが、α1グロビン-mRNA及び/またはα2グロビン-mRNAを具現化し、前記PNAが
    a)N- CTC CAG CTT AAC GGT -C*
    b)N- TAA CGG TAT TTG GAG -C*
    c)N- GTC ACC AGC AGG CA -C*
    d)N- GTG AAC TCG GCG -C*
    e)N- TGG CAA TTC GAC CTC -C*
    f)N- GAG GTT TAT GGC AAT -C*
    g)N- ACG GAC GAC CAC TG -C*
    h)N- GCG GCT CAA GTG -C*
    の中から選択される配列を含むことを特徴とする、請求項5、12及び20のうちの1項に記載の方法。
  36. 前記分子種がPNAであり、前記グロビン-mRNAが、βグロビン-mRNAを具現化し、前記PNAが
    a)N- GTA GTT GGA CTT AGG -C*
    b)N- ATC CAG ATG CTC AAG -C*
    c)N- CCC CAG TTT AGT AGT -C*
    d)N- CAG TTT AGT AGT TGG -C*
    e)N- GCC CTT CAT AAT ATC -C*
    f)N- GGA TTC AGG TTG ATG -C*
    g)N- GAA CTC GAT GAC CTA -C*
    h)N- TGA TGA TTT GAC CCC -C*
    i)N- GGT TGA TGA TTT GAC -C*
    j)N- CTA TAA TAC TTC CCG -C*
    の中から選択される配列を含むことを特徴とする、請求項5、12及び20のうちの1項に記載の方法。
  37. 前記分子種が少なくとも1つの「ロックされたヌクレオチド」であるヌクレオチドを含むLNAであり、前記グロビン-mRNAが、α1グロビン-mRNA及び/またはα2グロビン-mRNAを具現化し、前記LNAが
    a)5' CTC CAG CTT AAC GGT - オクタンジオール - 3'
    b)5' TAA CGG TAT TTG GAG - オクタンジオール -3'
    c)5' GTC ACC AGC AGG CA - オクタンジオール -3'
    d)5' GTG AAC TCG GCG - オクタンジオール -3'
    の中から選択される配列を含むことを特徴とする、請求項5、12及び20のうちの1項に記載の方法。
  38. 前記分子種が少なくとも1つの「ロックされたヌクレオチド」であるヌクレオチドを含むLNAであり、前記グロビン-mRNAがβグロビン-mRNAを具現化し、前記LNAが
    a)5' GTA GTT GGA CTT AGG - オクタンジオール -3'
    b)5' ATC CAG ATG CTC AAG - オクタンジオール -3'
    c)5' CCC CAG TTT AGT AGT - オクタンジオール -3'
    d)5' CAG TTT AGT AGT TGG - オクタンジオール -3'
    e)5' GCC CTT CAT AAT ATC - オクタンジオール -3'
    の中から選択される配列を含むことを特徴とする、請求項5、12及び20のうちの1項に記載の方法。
  39. 前記増幅がインビトロの転写を含むことを特徴とする、請求項1、4及び5のうちの1項に記載の方法。
  40. 前記インビトロの転写の後、cRNAの精製と同様に、DNase消化が続くことを特徴とする、請求項39に記載の方法。
  41. 遺伝子発現解析における、請求項39または40に記載の方法で得られるcRNAの使用。
  42. 遺伝子発現解析における、請求項1〜38のうちの1項に記載の方法で得られるcRNAの使用。
  43. 総濃度1M〜9Mの少なくとも1つのグアニジン化合物を含む洗浄緩衝液の使用であって、二本鎖核酸から一本鎖核酸を分離する方法において、好ましくはシリカ充填剤から一本鎖核酸を溶出する方法において、特に好ましくは請求項1〜16うちの1項に記載の方法において、前記グアニジン化合物が、濃度1M〜7M、好ましくは2.5M〜6M、特に好ましくは3M〜5.7Mのイソチオシアン酸グアニジンであり、及び/または、前記グアニジン化合物が、濃度1M〜7M、好ましくは2.5M〜6M、特に好ましくは3M〜5.7Mのチオシアン酸グアニジンであり、及び/または、前記グアニジン化合物が、濃度4M〜9M、好ましくは5M〜8Mの塩酸グアニジンであることを特徴とする、洗浄緩衝液の使用。
  44. 前記洗浄緩衝液が、総濃度0mM〜40mMの1つ以上の緩衝物質、及び/または、総濃度0mM〜100mMの1つ以上の添加剤、及び/または、総濃度0%(v/v)〜20%(v/v)の1つ以上の界面活性剤をさらに含有し、前記洗浄緩衝液のpHが5〜9であることを特徴とする、請求項43に記載の使用。
  45. 前記緩衝物質の総濃度が20mM〜40mMであることを特徴とする、請求項44に記載の使用。
  46. 前記緩衝物質が、トリス、トリス塩酸、MOPS、MES、CHES、HEPES、PIPES及び/またはクエン酸ナトリウムであることを特徴とする、請求項44または45に記載の使用。
  47. 前記添加剤がキレート剤であることを特徴とする、請求項44に記載の使用。
  48. 前記キレート剤がEDTA及び/またはEGTAであることを特徴とする、請求項47に記載の使用。
  49. 前記界面活性剤がツイーン20、トリトンX100、サルコシル及び/またはNP40であることを特徴とする、請求項44に記載の使用。
  50. 前記洗浄緩衝液のpH値が6〜8の範囲内であることを特徴とする、請求項44に記載の使用。
  51. 前記グアニジン化合物がイソチオシアン酸グアニジン及び/またはチオシアン酸グアニジンであり、前記緩衝物質がクエン酸ナトリウムであり、前記洗浄緩衝液のpHが6〜8の範囲内であることを特徴とする、請求の範囲43〜46のうちの1項に記載の方法。
  52. 前記洗浄緩衝液が、イソチオシアン酸グアニジン及び/またはチオシアン酸グアニジンを総濃度3.2M〜3.8Mで含有し、クエン酸ナトリウムを濃度20mM〜30mMで含有し、pHが6.8〜7.7であることを特徴とする、請求項51に記載の使用。
  53. 前記洗浄緩衝液が、イソチオシアン酸グアニジン及び/またはチオシアン酸グアニジンを総濃度3.5Mで含有し、クエン酸ナトリウムを濃度25mMで含有し、pHが7.0であることを特徴とする、請求項52に記載の使用。
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