JP2006528165A - 抗炎症剤、抗ウイルス剤および免疫調節剤としてのチオ置換フェンブタゾン化合物 - Google Patents

抗炎症剤、抗ウイルス剤および免疫調節剤としてのチオ置換フェンブタゾン化合物 Download PDF

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Abstract

【化1】
Figure 2006528165

本発明は、任意に置換された式(I)の化合物またはその塩に関する。本発明はまた、このような化合物を含む組成物、ならびに抗炎症剤、抗ウイルス剤および免疫調節剤としてのその使用を提供する。
【選択図】図5

Description

本発明は、特定の置換4−ヒドロキシオキシフェンブタゾン化合物、および治療におけるその化合物の使用に関する。特に、本発明は、このような化合物、ならびに抗炎症剤、抗ウイルス剤および免疫調節剤としてのその化合物の使用に関する。
環式ピラゾリジンジオン化合物であるフェンブタゾン、オキシフェンブタゾンおよび4−ヒドロキシオキシフェンブタゾンは、抗炎症特性、抗ウイルス特性および/または免疫調節特性を有するものとして知られ、又は示唆されている。
Figure 2006528165
これらピラゾール系構造の誘導体は、誘導体(例えば、米国特許明細書第3968219号(特許文献1))およびプロドラッグ(例えば、米国特許明細書第4117232号(特許文献2)、米国特許明細書第3957803号(特許文献3)、米国特許明細書第4169147号(特許文献4)、米国特許明細書第4036845号(特許文献5)および米国特許明細書第4139709号(特許文献6))を含め、数多く研究されてきた。
米国特許明細書第3968219号 米国特許明細書第4117232号 米国特許明細書第3957803号 米国特許明細書第4169147号 米国特許明細書第4036845号 米国特許明細書第4139709号
しかしながら、生物活性を有するこれら化合物の研究は、主に、中心のピラゾリジン核の構成および置換基を変更することに関するものであった。
ここで、本発明者らは、思いがけず、少なくとも一つの芳香環が少なくとも一つのチオールと置換された新たなクラスの関連化合物が存在することを確証した。
第一の局面において、本発明は、したがって、任意に置換された式Iの化合物またはその塩を提供する。特に、例えば、化合物(Ia)および(Ib)である。
Figure 2006528165
式中、R1は、OH、SH、O−アルキル、S−アルキル、O−アシルまたはS−アシルであり、R2は、水素、又はより好ましくは、炭素原子により結合したC1−C10有機基、例えば、任意に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、アリールスルフォニルアルキルまたはアラルケニル基であり、Xは、H、O、OO、SまたはSSであり、R3は、(X=Hの時は)存在せず、水素またはヒドロキシルもしくはチオール保護基(例えば、アセチルまたはベンジル基等、C2−C7、アシルまたはアルカリル基であることが好ましい)であり、R4は、さらなる基R5(例えば、アルキル、アルケニルもしくはアルキニル基、OH、O−アルキル、チオ、チオアルキル、ハロまたは第一級、第二級、第三級もしくは第四級アミノ基)で任意に置換される複素環式、又は好ましくは、同素環式アリール基であり、一方のY基はSで、他方はH(この場合、R6基は一つしか存在しない)またはSのいずれかであり、R6は、(二つのR6基が存在する場合、独立して)約500amu以下の分子量の有機基、例えば、置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、アルキルエステル、アルキルアミド、アルキル酸、ポリオール、糖、オリゴ(アルキルアミド)、オリゴ(アルキルエステル)またはオリゴペプチド基である。一つ以上のR6基が存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。
本発明者はまた、チオールと特定の周知の出発物質との反応により、本発明の化合物を都合よく調製できることを確証した。
さらなる局面において、本発明は、したがって、チオール(R6−SH)を式IIの出発物質と反応させることで本発明の化合物を合成する方法を提供する。
Figure 2006528165
式中、R1、R2、R3、R4およびXは、ここに記載したとおりであるか、またはその保護された誘導体もしくは前駆体である。このような出発物質は、通常、オキシフェンブタゾンまたは4−ヒドロキシ−オキシフェンブタゾンであり、ここに記載した方法および当該技術分野において周知の方法、例えば、WO01/00585およびそこに引用されている引例による方法によって合成される。この文献およびそこに引用されている全ての引例に含まれる開示を本願に引用して援用する。
具体的に、4−ヒドロキシオキシフェンブタゾンは、R3Xの位置が水素で占められている対応する化合物を酸化することで、オキシフェンブタゾンから合成してもよく、また、R3Xがヒドロキシまたはチオール保護基を有するHXである対応する化合物を反応させ、非水素R3基を導入したり、又は任意に保護された2−ヒドロキシ−プロパンジカルボン酸ハロゲン化物、エステル、もしくは、例えば、以下に示す類似する化合物とヒドラジン化合物とを縮合させることで、他の4−OH OPBから合成してもよい。
Figure 2006528165
式中、R1−R4およびXは、前記出発材料に関して定義したとおりであり、基Lは、ハロゲン等の離脱基である。XがHである場合、オキシフェンブタゾンが生じ、それが上記のように4−OH OPBに転換され得る。XがOである場合、4−OH OPBが直接形成されるであろう。
容易に理解できるように、ヒドラジンは、対応するジアリールアゾ化合物(R4がアリールであるため)を水素付加することによって調製し得る。この化合物は、順々にLiAlH4の存在下、単純な芳香族ニトロ化合物から合成することができる。
本発明の化合物は、すでにY−R6置換を有する適切なヒドラジン化合物、または芳香環に結合した保護された等価物と反応させることで直接形成してもよいことは明らかである。
Figure 2006528165
チオール分子は、R6−SHで表してもよい。R6は、前記定義のとおりであるか、その保護された等価物または前駆体である。本発明の分子の形成のために反応する好ましいR6基は、ここに示した好ましいR6基であろう。
さらなる局面において、本発明は、チオール(ここに定義したようにR6−SH)をここに定義した式IIの出発物質と反応させることで得られる、または得られうる化合物を提供する。このような化合物は、好ましい出発物質をここに定義した好ましいチオールと反応させることで得られうることが好ましい。
さらに、本発明者は、思いがけず、本発明の化合物が体内の炎症および免疫反応のモジュレーターとして、また、特に、ウイルス性、腫瘍性、炎症性、アレルギー性および自己免疫性状態等の特定の状態の治療において非常に有用であることを確証した。本発明の化合物はまた、疲労、嗜眠または老化作用に苦しむ被験者において、これら症状の直接的で特定可能な原因が明らかであろうとなかろうと、「強壮」効果を提供し得る。
さらなる局面において、本発明は、したがって、ここに定義した式Iの化合物またはその塩を投与することを含む、哺乳類(好ましくは、ヒト)の被験者の治療方法を提供する。好ましい実施形態において、本発明は、少なくとも一つの本発明の化合物を投与することにより、ウイルス性、腫瘍性、炎症性、アレルギー性もしくは自己免疫性状態(特に、疾患)、または疲労、嗜眠もしくは老年の症状を治療する方法を提供する。この化合物は、ここに記載した好ましい化合物であることが好ましい。
さらなる局面において、本発明は、療法に用いられる、ここに定義した式Iの化合物またはその塩を提供する。この化合物は、ここに記載した好ましい化合物であることが好ましい。
さらなる局面において、本発明は、薬剤の製造における、ここに定義した式Iの化合物またはその塩の使用を提供する。これは、ウイルス性、腫瘍性、炎症性、アレルギー性もしくは自己免疫性状態(特に、疾患)、または疲労、嗜眠もしくは老年の症状の治療のための薬剤であることが好ましい。この化合物は、ここに記載した好ましい化合物であることが好ましい。
本発明の化合物は、特に疾患の治療のため、医薬組成物の形で有効に投与することができる。あるいは、本発明の化合物は、特に、疲労、嗜眠または老年の症状の軽減や、免疫システムの一般的な増強における「強壮」効果が望ましい場合、「機能性食品」や栄養補助食品の形、または強化食品や飲料として摂取することができる。
さらなる局面において、本発明は、したがって、ここに定義した式Iの化合物またはその塩および少なくとも一つの医薬的に許容可能な賦形剤、担体または希釈剤を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、食品または飲料に配合された式Iの化合物またはその塩を含む機能性または強化食品を提供する。
本発明の化合物は、その特定の開鎖誘導体の合成において、さらに有用であるかもしれない。この誘導体も、ここに記載したあらゆる治療効果を示し得る。このような化合物は、式VIを有していてもよく、
Figure 2006528165
本発明の化合物の反応、特に、弱塩基性の状態での加水分解によって形成可能である。本発明のものからのそのような開環化合物の(生体外または生体内で)合成方法と同様に、そのような開環誘導体の(生体外または生体内で)合成における、または開環誘導体の前駆体としての本発明の化合物の使用は、したがって、本発明のさらなる局面を形成する。ここに記載した本発明の好ましい化合物は好ましい開鎖化合物を形成するため、この方法において好ましい。
本発明の好ましい化合物は、式IIIの化合物およびその塩、特に、例えば、IIIaおよびIIIbの化合物である。
Figure 2006528165
式中、Y、R2、R3およびR6は、上記のとおりであり、R5は、アルキル、アルケニルもしくはアルキニル基(例えば、R2に関して以下に記載するもの)、OH、O−アルキル、O−アシル、SH、S−アルキル、S−アシル、ハロまたは第一級、第二級、第三級もしくは第四級アミノ基である。好ましいR5基は、水素、OHおよびO−アシル(例えば、O−アセチル)である。最も好ましくは、水素、OHおよびO−アセチルである。
本発明の化合物および出発物質において、R2は、C1〜C6アルキル、アルケニルもしくはアルキニル基(例えば、メチル、エチル、エチレニル、アセチレニル、n−プロピル、i−プロピル、プロパ−1−エニル、プロパ−2−エニル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニル、ブタ−3−エニル、1−メチル−プロパ−1−エニル、1−メチル−プロパ−2−エニル、2−メチル−プロパ−1−エニル、2−メチル−プロパ−2−エニル、n−ペンチル、i−ペンチル等)、またはフェニルスルフォニルメチル等のアリールスルフォニルアルキル基であることが好ましい。より好ましくは、R2は、C2〜C6アルキル、特にn−ブチル、i−ブチル、s−ブチルまたはt−ブチルである。最も好ましいR2基は、n−ブチルである。
ここに記載した化合物および出発物質におけるR3は、水素、または生理学的に許容可能な副生成物を生じる代謝的に不安定な保護基であることが好ましい。適切な保護基は、アシル基、特にアセチル、プロパノイル、メチルプロパノイルまたはn−ブタノイルである。しかしながら、多くのさらなるOHおよびSH保護基が知られており(例えば、グリーン、「有機合成における保護基」、ウィリー インターサイエンス(Greene, "protective groups in organic synthesis", Wiley Interscience)、NY、1981参照)、これらは、生成物、叉は特に中間生成物として有用であるかもしれない。最も好ましいR3基は、水素およびアセチルである。
本発明の化合物において、Y−R6基は、一つは水素であり得るが、少なくとも一つ(好ましくは、両方)は、R6基と置換されたチオール基である。ここでR6は、(例えば、抗体、抗体フラグメント、レセプターまたはレセプターフラグメントを含む)ターゲティング部分(targeting moiety)、またはエステル、アミド、カルボン酸、ヒドロキシル基およびアミンから選択される少なくとも二つの機能基を有する小さな(特に、MW<500)有機基である。二つのR6基が存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。R6は、少なくとも一つの遊離酸および/またはアミン基を有するオリゴエステルまたはオリゴペプチド(すなわち、少なくとも一つのペプチド結合を有する部分)であることが好ましい。このような基は、例えば、抗体フラグメント等の特異的結合ペプチドである。より好ましくは、少なくとも一つのY−R6基は、1−5残基オリゴペプチドである。最も好ましくは、少なくとも一つのY−R6基は、グルタチオンまたはシステインである。つまり、例えば、Y−R6基は、両方とも、グルタチオンであるか、または一方がグルタチオンで他方が水素であり得る。
最も好ましい本発明の化合物は、式IVの化合物またはその塩である。
Figure 2006528165
式中、R5は、水素またはOHであり、少なくとも一つのR6−Y基は、その硫黄原子を介して結合したグルタチオン部分である。式I、IIIおよびIVの好ましい化合物には、a)−Y−R6基が、両方とも、R1に対してオルト位にある化合物、およびb)一つの−Y−R6基が、R1に対してオルト位にあり、一つの−Y−R6基が、R1に対してメタ位にある化合物が含まれる。
式Iの化合物の好ましい合成方法は、チオール(R6−SH)と式(V)の出発物質とを縮合させることを含む。
Figure 2006528165
式中、基R6、R2、R3およびR5は、上記のとおりであり、前記好ましい基であることが好ましい。最も好ましい出発物質において、R1はOHであり、R2はC49(好ましくは、n−ブチル)であり、R3はHであり、R5はHまたはOHである。好ましいチオールは、式R6−SHのチオールであり、R6は、ここに定義した好ましいR6基である。
出発物質とチオールとの縮合は、0〜100℃、好ましくは20〜60℃の温度の水溶液、特に中性またはわずかに塩基性の水溶液中において、30秒〜4時間、好ましくは4分〜1時間、最も好ましくは10〜45分間行なうことができる。場合によって、開環反応の結果生じる式Iの化合物は、加水分解に対して不安定であるが、寿命は、一般的に、出発物質からの形成物の速度より寿命が長くなるであろう。このような場合、反応時間は、反応条件において、生成物の半減期より短いことが好ましい。
開環反応の進行は、核磁気共鳴(NMR)分光法、赤外(IR)分光法および/または質量分析法等、有機化学の分野において周知の技術により都合よく追跡できるであろう。
本発明の化合物、調合物、組成物または薬剤を投与することによる治療、予防または制御に適した病状には、他の状態に続発した状態、およびウイルス性、腫瘍性、自己免疫性、炎症性またはアレルギー性成分を有する状態を含む、ウイルス性、腫瘍性、自己免疫性、炎症性およびアレルギー性状態が含まれる。免疫性、自己免疫性、炎症性およびアレルギー性状態、またはこれらのメカニズムからの寄与を有する状態としては、例えば、アディソン病、枯草熱等のアレルギー性状態、食品(例えば、ナッツ、小麦または海産食物)アレルギーまたは皮膚アレルギー、アルツハイマー病、アミロイド症(例えば、関節炎または結核症等の状態に起因する症状)、強直性脊椎炎、喘息、組織形成を阻止する(antiplastic)貧血症、ベーチェット病、ベヒテレフ病、コーガン症候群、クローン病、皮膚筋炎、真性糖尿病、湿疹、腺疾患(例えば、糖尿病、特にII型、および甲状腺機能低下症または甲状腺機能亢進症)、糸球体腎炎、溶血性(haemolytic)貧血症、肝炎、ハンチントン病(Huntinton's disease)、過敏腸症候群等の炎症性腸疾患、(HIV感染、骨髄機能不全、細胞毒性化学療法剤での治療等に起因する)免疫抑制、自己免疫肝炎または原発性胆汁性肝硬変等の肝臓疾患、間質性肺疾患等の肺疾患、紅斑性狼瘡、ライター病、腫瘍性疾患(例えば、良性腫瘍、または特に悪性腫瘍、例えば、癌(肉腫または癌腫)、白血病等)、多発性硬化症または重症筋無力症等の神経障害、強膜炎またはブドウ膜炎等の炎症性または自己免疫性眼障害、術後またはベーチェット病に起因する眼炎症、変形性関節症、パーキンソン病、天疱瘡、多内分泌腺機能低下、多発生筋炎、悪性貧血、乾癬、リウマチ様関節炎および他のリウマチ障害(例えば、ベスニエリウマチ、リウマチ熱、腰痛またはポンセーリウマチ)、ザルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、精巣障害(testicular failure)、血小板減少性紫斑病、組織拒絶およびその予防、潰瘍性大腸炎およびヴェグナー肉芽腫症がある。治療、予防および制御し得るウイルスおよびウイルス性状態としては、例えば、CD4細胞のウイルス性感染症(例えば、HIV−1、HIV−2、HTLV−I、HTLV−IIおよびヘルペスウイルス)、トガウイルス(togaviridea)、レオウイルス(reoviradea)、ピコルナウイルス(picornaviradea)、ハンタウイルス(hantaviridea)、オルトミクソウイルス(orthomyxoviridea)、パラミクソウイルス(paramyxoviridea)、モノネガウイルス(mononegaviralis)、ウイルス性肝炎、出血熱、フラビウイルス(flaviviridea)、ウイルス性脳炎、コロナウイルス(coronoviridea)、カルシウイルス(calciviridea)、アデノウイルス(adenoviridea)、パポバウイルス(papoviridea)、アルボウイルス(arboviridea)、ポックスウイルス、ラブドウイルス(rhabdoviridea)およびアレナウィルス(arenaviridea)の感染症がある。
本発明のチオール誘導体化合物は、公知の化合物に比べ好都合である。なぜなら、チオール置換基を含む位置は、生体内におけるチオールとの反応に有効でないからである。グルタチオン等のチオールが消費されると、細胞を損傷したり殺してしまう可能性があるため、これら化合物は、公知の化合物よりも低い毒性および/または少ない副作用を示し得る。
本発明の化合物、組成物または薬剤が、一次疾患または二次疾患を治療するために投与される場合、これらを他の活性剤との併用により、複合調合物として、または個々の調合物として同時または順次に投与してもよい。特に、本発明の組成物が二次疾患を治療するために投与される場合、投与は、通常、一次状態の治療と同時またはそれに引き続き行なわれるであろう。例えば、本発明の組成物は、ウイルス性疾患を治療して被験者の生活の質を向上させる目的で、抗ウイルス剤(例えば、ヌクレオシド類似物)と併用して投与してもよい。
本発明の化合物は、当該技術分野において周知の方法により、製薬として配合してもよい。これらの調合物は、通常、錠剤、コーティング錠剤(例えば、制御放出錠剤)、カプセル剤、懸濁液、液剤、シロップ剤、粉末剤または乳濁液等の経口製剤であるが、吸入(例えば、粉末剤やエアゾル剤)、経皮吸着(例えば、絆創膏)または非経口的(例えば、皮下、筋肉内または静脈内)経眼もしくは直腸投与に適した、例えば、無菌食塩液剤、滴剤または座薬の形の調合物であってもよい。例えば、喘息に関連する炎症反応を軽減するための治療の場合、吸入可能な製剤が最も適しており、枯草熱等のアレルギー性状態には、鼻内噴霧が最も効果的かもしれない。同様に、滴剤、クリームまたはゲル剤等の局所用製剤は、眼状態や限局性皮膚状態により適しているであろう。
式Iの化合物およびその塩は、水性担体(例えば、注射用の水)、結合剤、充填剤、安定化剤、重量オスモル濃度調整剤、発泡剤(effervescing agents)、pH緩衝剤および調整剤、粘度調整剤、甘味剤、滑沢剤、乳化剤、着香剤、コーティング剤(例えば、胃液耐性コーティング)等、従来の医薬的担体、希釈剤および/または賦形剤と共に配合してもよい。
被験者に対する式Iの化合物またはその塩の投与量は、被験者の種、大きさ、成熟度、健康状態および状態や、状態の重症度および選択した調合物に依存する。例えば、吸引可能または静脈内への調合物は、経口調合物に比べ、活性剤の大部分を被験者に送達することができ、局所治療は、通常、全身治療に比べ、服用量は少なくて済むであろう。一般的に、服用量は、0.05〜2000mg/日、より一般的には0.2〜1000mg/日、特に0.5〜200mg/日の範囲内であろう。投与は、通常、1日1回、2回、3回または4回行なわれるが、適切であれば、これより多くても少なくてもよい(例えば、1日5、6回、2、3日おきに1回、または症状が認められる度)。局所治療は、通常、全身治療に比べ、多くの回数投与が行なわれる。
本発明の化合物が、例えば、嗜眠や老年の症状の軽減または免疫システムの増強のために、強壮剤として投与される場合、これら化合物は、上記のように製薬として配合してもよい。あるいは、機能性食品または飲料として化合物を配合してもよい。この状態において、担体および賦形剤は、通常、食品または飲料製品であろう。このような製品は、インスタント食品等、加熱消費用の加工食品であってもよいが、より好ましくは、スプレッド、ジャム、非発泡性または炭酸飲料、パン、ビスケット、アイスクリーム、ヨーグルト、ムースまたはトライフル等のチルドデザート、牛乳または乳製飲料を含む冷たい食品であろう。
本発明の化合物が機能性食品または飲料として配合される場合、このような食品の過剰摂取によって誤って摂取されうる最大服用量は過大でないことが重要であろう。このような場合、このような機能性食品の一部分に存在する薬用量は、通常、致死量の5000倍、より好ましくは、10000倍、最も好ましくは、ヒトの致死量の100000倍少ないであろう。
ここで、本発明の化合物を塩とする場合、これらは、一般的に、医薬的に許容可能な塩、すなわち、生理学的に許容できる対イオンを有する塩であろう。このようなイオンには、ナトリウム、カルシウム、有機アミン、ハロゲン化物(特に、塩化物)、リン酸塩、炭酸水素塩等が含まれる。
理論に縛られなければ、本発明の化合物、組成物および薬剤の効果は、一つには、特に、例えば、マクロファージ活性ならびに白血球(WBC)の活性および数を高め、C反応性タンパク(CRP)等の急性期タンパク(APP)レベルを変調することによる、哺乳類の免疫および防御システムのある局面に対する刺激および変調効果の結果であると思われる。したがって、組成物の「強壮」効果は、少なくとも部分的には、体を刺激して感染性因子のみならず細胞残屑および他の不要物質をも除去する「クリーンアップ」効果に起因するかもしれない。さらに、本発明の化合物は、そのWBC刺激剤としての効果にもかかわらず、特定のサイトカインの産生やTリンパ球および単球の活性化の抑制剤、ならびにインターロイキン(interlukins)変調剤としての効果を示す。このようなプロセスにより、免疫システムが、全体として、そして生物学的残屑に遭遇した結果、不要な炎症を引き起こす傾向は、自己免疫反応の危険性と共に、減少する。その結果、被験者の生活の質は向上し、免疫システムは刺激され、体から不要で有害でさえある抗原が除去される。この強壮効果は、例えば、感染、薬物治療または老化プロセスが、免疫機能不全や、システムにおける不要な免疫抗原性および/または炎症性物質の増加をもたらした時、一次疾患、状態または感染の治療中またはその治療後に適用することができ、それ自体が目的であってもよい。
特定のAPP等のシステムの刺激作用は、さもなければ炎症を刺激する細胞残屑を除去してシステムのクリーンアップをもたらし、自己免疫反応を引き起こしうる天然抗原を提供することができると考えられている。宿主細胞の分解生成物はまた、周囲の細胞の死を引き起こし、これにより細胞死および炎症のカスケードが生じる。普通とは異なり、本発明の化合物は、通常、相当な熱を引き起こすことなく急性期タンパクを刺激し、通常、一般的な免疫抑制剤ではない。
生物学的残屑のクリーンアップをもたらすさらなる方法として、死細胞(生細胞ではない)の膜りん脂質に対して特異性を有する特定の免疫グロブリンM型(IgMs)、b2糖タンパクI、クラスタリン(clusterin)および血清アミロイドP等の特定の血漿タンパクによる結合がある。これらのメカニズムの活性もまた、本発明の化合物によって調節してもよい。
全身性紅斑性等の膠原病は、例えば、多くの場合、第一原因は細胞残屑の増加にあると考えられている。その結果、本発明の化合物は、膠原病、例えば、その病気の症状を示すもの、または遺伝や障害に起因する疾病素質を有するものの治療または予防に非常に適している。
同様に、生物学的残屑の増加は、多発性硬化症における特有の問題であり、βインターフェロン等、相当な副作用を有する現存する作用物質でしか治療し得ない。本発明の化合物は、より的確なAPPの刺激作用、およびそれに伴う残屑の除去が可能となり、このような場合に非常に有用であり得る。細胞残屑はまた、アルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン病の一因となると考えられている。
老齢の被験者における本発明の化合物の強壮効果は、クリーンアップメカニズムの結果としても説明し得る。被験者が老齢になるにつれ、細胞の大部分は、テロメアの減少およびアポトーシスによるプログラムされた細胞死に見舞われる。同時に、APPおよび免疫システムの有効性等、クリーンアップメカニズムのレベルは、通常、低下する。これは、残屑の増加および罹病性の原因となり、そしてこのような要因は、心臓発作等の変性疾患および状態を引き起こす。本発明の化合物で予防的治療を行なうことにより、免疫システムおよびAPPのレベルを刺激して残屑の増加を軽減し、血管破裂等の破局的事態が心臓発作等の状態を引き起こす前に、免疫システムが感染症を体から除去するようにする。
慢性疾患を患う被験者は、老齢の被験者と同じ方法で、宿主細胞および感染性因子の両方から、生物学的残屑の増加に直面するかもしれない。このような場合、本発明の化合物を、回復を速め、生活の質を向上させるために投与してもよい。このメカニズムは、手術、火傷またはセプシス等の事態を経た任意の被験者の回復を速めるのにも適している。
本発明の化合物の免疫刺激作用およびクリーンアップ効果は、特に、一次状態またはその治療に起因する免疫機能不全を有する被験者の生活の質を向上させるため、他の薬物と併用してもよい。例えば、HIVおよび関連状態に苦しむ患者は、疾患の治療または制御のため、一つ以上の抗レトロウイルス(antireteroviral)剤で治療してもよい。これらは、例えば、ジドブジン、ジダノシン(didanovine)、ザルシタビン、スタブジン(stavudine)、ラミブジン(lamivudine)、ネビラピン(nevirapine)、デラビルジン(delavirdine)、インジナビア(indinavir)、リトナビア(ritonavir)、ネルフィナビア(nelfinavir)、ヒドロキシ尿素コルシチン、AZTおよび2’,3’−ジデオキシイノシン(ddI)等の逆転写酵素阻害剤およびプロテアーゼ阻害剤である。本発明の化合物、組成物または薬剤は、患者の残りの免疫機能を浄化および刺激するため、この治療と組み合わせて投与してもよい。
同様に、癌や白血病等の過形成性または腫瘍性疾患を患う被験者は、手術、外部ビーム照射および/または放射性核種療法により、一つ以上の細胞毒性薬(例えば、ヌクレオシド類似物)で治療することができる。このような場合、被験者の免疫システムは、一般的に、療法の副作用として抑制される。しかしながら、一次療法中または一次療法後における被験者の罹病性を低下させる目的で本発明の化合物を投与することにより、免疫システムを増強し得る。さらに、疾患のより完全な寛解のため、本発明の化合物または組成物を投与することで、(特に、例えば、マクロファージの刺激により)残りの腫瘍細胞、微小腫瘍または微小転位巣に対する免疫応答を促したり集中させることができる。このような治療は、他の作用物質または介入による治療中または治療後に行なうことができる。
本発明の化合物は、(特に、マクロファージ/単球により)微小腫瘍の破壊を促して腫瘍性疾患の形成または拡散を予防するために用いることができる。これは、特に、老齢の被験者(以下を参照)または(例えば、遺伝;発癌物質や電離放射線等の素因となる化学物質や物理的環境への暴露;腫瘍性疾患に対する先の治療;遺伝子診断の結果等に起因する)腫瘍性疾患に対して素質を有すると考えられる被験者に適用されるであろう。
さらに好ましい局面において、本発明は、ここに定義した式Iの化合物またはその塩を、他の薬物および/または治療養生法と組み合わせて投与することを含む、哺乳類(好ましくは、ヒト)の被験者の治療方法を提供する。この方法は、好ましくは、ウイルス性、過形成性または腫瘍性疾患の治療方法、より好ましくは、HIV、癌または白血病の治療方法である。他の薬物は、例えば、ここに記載した抗ウイルス物質、または放射性薬品や化学療法薬等の抗腫瘍性物質(例えば、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、シスプラチン、クラドリビン(cladribine)、シクロホスファミド(cyclophosphomide)、シタラビン(cytrabine)、ダカルバジン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エトポシド、フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、ムスチン、メトトレキセート、プロカルバジンまたはビンブラスチン)であることが好ましい。他の治療養生法は、手術および/または外部ビーム照射であることが好ましい。この方法において、本発明の化合物は、通常、単独の活性剤として、または少なくとも一つの他の薬剤との併用により、製薬として配合され、他の薬物または治療に先立ち、叉は好ましくは、他の薬物または治療に連続して、あるいは他の薬物または治療の後に投与されるであろう。
好ましい実施形態において、本発明はまた、本発明の化合物を投与することを含む、癌または他の腫瘍性疾患の発生を予防する方法を提供する。
疲労または嗜眠等の症状が、老年、ウイルス性、細菌性もしくは菌性感染、または癌等の過形成性疾患の症状や治療の結果である場合、本発明の化合物は、製薬、または、例えば、「機能性食品」に含まれる添加剤として投与することができる。原因が内科的状態または治療である場合、本発明の化合物は、一般的に、製薬の形で摂取されるであろう。しかしながら、原因が、単に、老年における一般的な不要残屑の増加の結果である場合、本発明の化合物は、便宜上およびコンプライアンスを簡単にするため、機能性食品または栄養補助食品の形で摂取されることが好ましい。
好ましい局面において、本発明は、したがって、ここに定義した式Iの化合物またはその塩を投与することを含む、老齢の哺乳類(好ましくは、ヒト)の被験者、または感染、疾患もしくは治療の後作用に苦しむ被験者の強壮治療方法を提供する。被験者が老齢のヒトである場合、少なくとも60歳であることが好ましく、少なくとも70歳であることがより好ましく、少なくとも75歳であることが最も好ましい。被験者は、特定可能なウイルス性、免疫不全性、自己免疫性もしくはアレルギー性疾患や状態を患っているか、または、一般的に、これらの点もしくは全ての点において健康で、体力や精神力もしくは免疫機能の増強、または疲労や嗜眠の軽減を所望する被験者であってもよい。本発明はまた、このような方法での使用に適した強壮薬の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
ここで、本発明を、以下の非限定的な実施例および添付図面により説明する。
CDCl3を溶媒として、1H−NMRをブルカー(Bruker)300MHzスペクトロメータで記録した。シンメトリ(Symmetry)C−18、5mm、3.9x150mmのカラムと254nmに設定したジンコテク(Gynkotek)UVD 170S検出器とを備えたジンコテクポンプを用い、HPLCを行った。勾配:1%TFAを含む水/アセトニトリルは、70/30から8分後、0/100になった。
(実施例1) 出発物質の合成−4OH OPB
1リットルの丸底フラスコに、メタノール(450ml)とオキシフェンブタゾン水和物(90.0g、0.26mol)とを、磁気攪拌しながら入れる。その溶液を周囲温度で攪拌し、水酸化ナトリウム溶液(2M、13.5ml)を加える。過酸化水素(30%、180ml)を、10分以上、滴下しながら加える。その結果得られた透明な黄白色の溶液を、24時間、攪拌した。その結果得られた懸濁液を、2.5時間、氷浴により冷却し、その混合液をガラスフィルターでろ過して乾燥するまで吸引した。淡褐色の結晶をフィルター上でMeOH/水(1:2、200ml)で慎重に洗浄し、乾燥するまで吸引し、100mlの同じ溶媒混合液でもう一度洗浄した。生成物をフィルター上で一晩乾燥させた。そして、その粗生成物を200mlの丸底フラスコに移し、ジエチルエーテル(200ml)を加え、その結果得られた懸濁液を、約5分間、勢いよく攪拌した。その混合液を濾過し、フィルター上でろ過して乾燥するまで吸引した。生成物の外観は、エーテルで処理した後、淡いピンク色になった。粗生成物の収量は、53gであった。エーテルでの処理工程を、150mlのエーテルでもう一度繰り返した。ここでほぼ白色の材料をメタノール(330ml)に溶解すると、赤色の溶液が得られた。水(350ml)を、35分間の間、ゆっくり入れ、白色の懸濁液を得た。固形物をガラスフィルター上で回収し、30℃の真空(vaccuo)中で一晩乾燥させ、31g、35%の淡いピンク色の固体である4−OH OPBを得た。HPLC>98%であった。1H NMR(図1を参照)により、参考試料と同一であることを確認した。
(実施例2) チオール誘導体化(derivitisation)
実施例1の4OH−OPBを、グルタチオン(GSH)溶液中で保温し、その後、精製することで、グルタチオンで誘導体化した。ほぼ同量のモノグルタチオン置換生成物(4OH−OPB−1GSH)とジグルタチオン置換生成物(4OH−OPB−2GSH)とが生じるように、条件を選択した。
保温
4OH−OPB(170mg)を、1.5mMのグルタチオンをさらに含むPBS(100ml、以下のように配合)に溶解した。その溶液を、30分間、37℃で保温し、反応後、質量分析を行なった。
精製
分析HPLC(C18逆相カラム)の操作を行い、形成された生成物を確認した(質量分析法による判定)。そして、100mLの保温混合液全てを分取カラム(C18、逆相カラム)に供給して4OH−OPB−1GSHおよび4OH−OPB−2GSHを精製した。
分析操作および予備操作は共に、0.1%TFAの存在下、(脱イオン水中)0%アセトニトリルから67%アセトニトリルで流し、pHを2に保って流して、勾配溶離剤で溶離した。分取操作中、画分を集め(ピーク)、的確な生成物であるか質量分析法によって調べた。最後に、同定された生成物を真空状態で乾燥させると、(MSで判定されたように)純度~99%の生成物であった。
PBS=(リン酸緩衝塩、pH7.5)
NaCl、8.2g;Na2HPO4.2H2O、1.9g;NaH2PO4.H2O、0.3g;Na+、163、9mM;Cl-、140、3mM;HPO4 2-、10、9mM;H2PO4 -、1、8mM;、ブラウン メルスンゲン エージー(Braun Melsungen AG)。
前記反応の生成物のNMRスペクトルを図3および図4に示す。図3は、1GSHの付加に対応する分子量を有する生成物のスペクトルであり、図4は、2GSH部分の付加に対応する分子量を有する生成物のスペクトルである。
(実施例3) サイトカイン産生の抑制
実施例2のように調製された4OH−OPB−2GSHの2つのバッチを、健康ボランティアの末梢血から得た、分離したヒト単核細胞(MNC)で保温した。サイトカインインターロイキン−6(IL−6)および顆粒球コロニー刺激因子(GM−CSF)の産生を測定した。その結果(図2および図3に示す)、測定されたサイトカインの産生を完全に阻止するためには、0.5−5μMの生成物で十分であることが示された。
図1は、4−OH−OPBのプロトンNMRスペクトルの全体を示している。 図2は、4−OH−OPBのプロトンNMRスペクトルの芳香族領域を拡大して示している。 図3は、4−OH−OPBの1GSH誘導体(4−OH−OPB−1GSH)を示している。 図4は、4−OH−OPBの2GSH誘導体(4−OH−OPB−2GSH)を示している。 図5は、4−OH−OPB−2GSHで保温した後の単核細胞(MNC)の、インターロイキン6(IL−6)の産生への影響を示している。 図6は、4−OH−OPB−2GSHで保温した後の単核細胞(MNC)の、顆粒球コロニー刺激因子(GM−CSF)の産生への影響を示している。

Claims (16)

  1. 任意に置換された式Iの化合物またはその塩。
    Figure 2006528165
    式中、R1は、OまたはSであり、R2は、水素、又はより好ましくは、炭素原子により結合したC1−C10有機基であり、Xは、H、O、OO、SまたはSSであり、R3は、X=Hの時は存在せず、水素またはヒドロキシルもしくはチオール保護基であり、R4は、さらなる基R5で任意に置換される複素環式、又は好ましくは、同素環式アリール基であり、一方のY基はSで、他方はH(この場合、R6基は一つしか存在しない)またはSのいずれかであり、R6は、独立して、約500amu以下の分子量の有機基である。
  2. 2が、任意に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、アリールスルフォニルアルキルまたはアラルケニル基であり、R3が、水素またはC2−C7、アシルもしくはアルカリル基であり、R5が、アルキル、アルケニル、アルキニル、OH、O−アルキル、チオ、チオアルキル、ハロまたは第一級、第二級、第三級もしくは第四級アミノ基であり、R6が、置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、アルキルエステル、アルキルアミド、アルキル酸、ポリオール、糖、オリゴ(アルキルアミド)、オリゴ(アルキルエステル)またはオリゴペプチド基である請求項1に記載の化合物。
  3. 式IIIの請求項1または2に記載の化合物。
    Figure 2006528165
    式中、Y、R2およびR3は、請求項1または2に記載したとおりであり、R5は、水素またはアルキル、アルケニル基、OH、O−アルキル、O−アシル、SH、S−アルキル、S−アシル、ハロもしくはアミノ基である。
  4. 式IVの請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその塩。
    Figure 2006528165
    式中、R5は、水素またはOHであり、各R6は、独立して、システインまたはその硫黄原子を介して結合したグルタチオン部分である。
  5. Y−R6基が、両方とも、S−R6である請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  6. 二つのY基が、基R1に対してオルト位にある請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  7. 一つのY基が、基R1に対してオルト位にあり、一つのY基が、基R1に対してメタ位にある請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  8. チオール(R6−SH)を式IIの出発物質と反応させることで形成した化合物。
    Figure 2006528165
    式中、R1、R2、R3、R4、R6およびXは、請求項1〜4のいずれかに定義したとおりであるか、またはその保護された誘導体もしくは前駆体である。
  9. チオール(R6−SH)を式IIの出発物質と反応させることを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物の合成方法。
    Figure 2006528165
    式中、R1、R2、R3、R4、R6およびXは、請求項1〜4のいずれかに定義したとおりであるか、またはその保護された誘導体もしくは前駆体である。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、哺乳類の被験者の治療方法。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、ウイルス性、自己免疫性、腫瘍性、炎症性および/またはアレルギー性状態の治療、予防または制御方法。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、老齢の哺乳類の被験者、または感染、疾患もしくは治療の後作用に苦しむ被験者の強壮治療方法。
  13. 療法に用いられる請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
  14. 請求項10〜12のいずれかに記載の方法において用いられる薬剤の製造における、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の使用。
  15. 請求項1〜8のいずれかに記載の化合物および少なくとも一つの医薬的に許容可能な賦形剤、担体または希釈剤を含む医薬組成物。
  16. 食品または飲料製品に配合された請求項1〜8のいずれかに記載の化合物を含む機能性または強化食品。
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